説明

β−ラクタマーゼインヒビターを調製するためのプロセス

本発明は、広範囲スペクトルβ−ラクタマーゼ阻害剤および抗菌剤として重要になり得るβ−アルキリデンペネム誘導体を調製する方法に関する。本発明は、本明細書に記載の式(II)の化合物または薬学的に許容されるその塩を合成する方法を提供し、式中のA’、Z〜Z、Y〜Y、W〜Wおよびtは明細書中で定義する通りである。一実施形態において、本発明の方法は、本明細書に記載の式(III)の化合物または薬学的に許容されるその塩を、環化が起こるのに効果的な条件下で反応させ、それにより式(II)のアルデヒドを提供する工程を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の全体にわたって種々の出版物が引用される。これらの出版物の開示は、本出願中に記載し請求する本発明の時点で当業者に知られている当技術の状態をより十分に説明する目的で、それらの全体として参照により本出願に組み込む。
【0002】
本特許の開示には、著作権保護を受けるべき題材が含まれる。本著作権所有者は、特許書類または特許開示が米国特許商標庁の特許ファイルまたは記録に入れられている間にそれを何人が複写、複製しても異論はないが、その他の場合にはどのような著作権もすべて保有する。
(技術分野)
本発明は広範囲スペクトルβ−ラクタマーゼ阻害剤および抗菌剤として重要になり得るβ−アルキリデンペネム誘導体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
β−ラクタマーゼは細菌により産生される酵素であって、β−ラクタム抗生物質を加水分解してそれ自体細菌の耐性の主原因として作用する。ペニシリンおよびセファロスポリンは、臨床で最も頻繁にかつ広く使用されているβ−ラクタム抗生物質である。しかしながら、種々の病原菌によるβ−ラクタム抗生物質に対する耐性の発生は、細菌感染の効果的治療を維持する上で有害な効果を有してきた。(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3)。β−ラクタム抗生物質に対する細菌の耐性発生に関して知られている最も重要な機構は、クラスA、クラスBおよびクラスCセリンβ−ラクタマーゼの産生である。これらの酵素はβ−ラクタム抗生物質を分解し、その結果抗菌活性の喪失が起こる。クラスAの酵素はペニシリンを優先的に加水分解するのに対して、クラスCのラクタマーゼはセファロスポリンの加水分解を促進する基質プロファイルを有する。(非特許文献4)。これまでに250を超える種々のβ−ラクタマーゼが報告されていて(非特許文献5)、広範囲スペクトルβ−ラクタマーゼ阻害剤の新たな創生が求められている。これらの抗生物質に対する細菌の耐性は、これらの酵素を阻害する化合物と組み合わせてβ−ラクタム抗生物質を投与すれば、大いに減少させることができる。
【0004】
クラブラン酸、スルバクタムおよびタゾバクタムなどの市販の入手可能なβ−ラクタマーゼ阻害剤は、すべてクラスA産生病原菌に対して有効である。クラブラン酸はアモキシリンおよびチカルシリンと組み合わせて使用され、同様にスルバクタムはアンピシリンと、タゾバクタムはピペラシリンと組み合わせて使用される。クラスAβ−ラクタマーゼ(PCIおよびTEM−1など)の不活性化の機構は解明されている(非特許文献6;非特許文献7および非特許文献8)。しかしながら、これらの化合物はクラスC産生微生物に対しては無効である。
【非特許文献1】Coleman, K. Expert Opin. Invest. Drugs 1995年、第4巻、693頁
【非特許文献2】Sutherland, R. I 1995年、第23巻(4号)、191頁
【非特許文献3】Bush, K. Curr. Pharm. Design 1999年、第5巻、839〜845頁
【非特許文献4】Bush, K.、Jacoby, G.A.、Medeiros, A.A.、Antimicrob. Agents Chemother.、1995年、第39巻、1211頁
【非特許文献5】Payne, D.J.、Du, W.およびBateson, J.H.、Exp. Opin. Invest. Drugs 2000年、247頁
【非特許文献6】Bush, K. Antimicrob. Agents Chemother. 1993年、第37巻、851頁;
【非特許文献7】Yang, Y.、Janota, K.、Tabei, K.、Huang, N.、Seigal, M.M.、Lin. Y.I.、Rasmussen, B.A.
【非特許文献8】Shalaes, D.M.、J. Biol. Chem. 2000年、第35巻、26674〜26682頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、β−ラクタマーゼ阻害剤、β−ラクタマーゼ阻害剤合成法、およびβ−ラクタマーゼ阻害剤製造に有用な中間体の合成法に対する必要性が存在する。
【0006】
本発明は、これらのおよび他の重要な目的に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の開示)
一実施形態において、本発明は式(II)の化合物
【0008】
【化28】

(式中、A’は
【0009】
【化29】

であり、該式中のZ〜Z、Y〜Y、W〜Wおよびtは以下で定義する通りである)
または、薬学的に許容されるその塩を合成する方法を提供する。
【0010】
一実施形態において、本発明の方法は、式(III)の化合物
【0011】
【化30】

(式中、Dは
【0012】
【化31】

であり、該式中のZ〜Z、Y〜Y、W〜Wおよびtは以下で定義する通りである)
または薬学的に許容されるその塩を、環化が起こるのに効果的な条件下で反応させ、それにより式(II)のアルデヒドを提供することを含む。
【0013】
他の実施形態において、本発明は、式(II)の化合物
【0014】
【化32】

(式中、Z、Y〜Y、W〜Wおよびtは以下で定義する通りである)
または、薬学的に許容されるその塩を合成する方法を提供する。
【0015】
一実施形態において、本発明の方法は、式(VII)の化合物
【0016】
【化33】

または薬学的に許容されるその塩を、環化が起こるのに効果的な条件下で反応させ、それにより式(III)のアミン
【0017】
【化34】

(式中、Y〜Y、W〜Wおよびtは以下で定義する通りである)
または薬学的に許容されるその塩を提供する工程、および式(III)の化合物または薬学的に許容されるその塩を環化が起こるのに効果的な条件下で反応させ、それにより式(II)のアルデヒドまたは薬学的に許容されるその塩を提供する工程を含む。
【0018】
一実施形態において、本発明は、
ハロゲン化剤とアセトニトリル中約1%から約100%(v/v)のメタノールとの存在下に、式(VIII)の化合物
【0019】
【化35】

を反応させ、それにより式(VII)の化合物
【0020】
【化36】

(式中、Zは臭素、塩素またはヨウ素などのハロゲンであり、R13は置換されていてもよいアルキルまたはアラルキル基である)
を提供することにより、式(VII)の化合物を合成する方法を提供する。
【0021】
一実施形態において、本発明は式(I)の化合物
【0022】
【化37】

(式中、A、B、およびRは以下で定義する)
または薬学的に許容されるその塩を合成する方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
発明の説明
定義
本明細書で使用する用語「(C〜C)−アルキル」は、1から6個の炭素原子を有する直鎖のまたは分岐した飽和炭化水素を指し、一実施形態においては1から5個の炭素原子、一実施形態においては1から4個の炭素原子、一実施形態においては1から3個の炭素原子、一実施形態においては1から2個の炭素原子、一実施形態においては1個の炭素原子を有する。代表的な(C〜C)−アルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、およびネオヘキシルが含まれるが、これらに限定はされない。一実施形態において、(C〜C)−アルキル基は置換されていてもよい。したがって、本明細書で使用する「(C〜C)−アルキル」基は、2から4個の炭素原子を有する直鎖のまたは分岐した飽和炭化水素を指し、それは(C〜C)−アルキル基について示したように置換されていてもよい。
【0024】
本明細書で使用する用語「(C〜C)−アルケニル」は、2から6個の炭素原子を有し、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する直鎖のまたは分岐した炭化水素を指し、一実施形態において2から5個の炭素原子、一実施形態において2から4個の炭素原子、一実施形態において2から3個の炭素原子、一実施形態において3個の炭素原子を有する。一実施形態において、(C〜C)−アルケニルは1つまたは2つの二重結合を有する。(C〜C)−アルケニル部分はEまたはZの配座で存在することができ、本発明の化合物は両方の配座を含む。一実施形態において、(C〜C)−アルケニル基は置換されていてもよい。同様に、本明細書で使用される「(C〜C)−アルケニル」基は2から8個の炭素原子を有する直鎖のまたは分岐した飽和の炭化水素を指し、それは(C〜C)−アルケニル基について示したように置換されていてもよい。
【0025】
本明細書で使用する用語「(C〜C)−アルキニル」は、2から6個の炭素原子を有し、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する直鎖のまたは分岐した炭化水素を指し、一実施形態において2から5個の炭素原子、一実施形態において2から4個の炭素原子、一実施形態において2から3個の炭素原子、一実施形態において3個の炭素原子を有する。一実施形態において、(C〜C)−アルケニル基は置換されていてもよい。
【0026】
本明細書で使用する「保護基」という用語は、化合物中のカルボキシル基、アルコール、またはアミンなどの反応性部位を一時的に封鎖する部分を指す。通常、これは、多官能性化合物中の他の反応性部位で化学反応を実施できるようにするためか、さもなければ化合物を安定化するために行われる。一実施形態において、保護基は化学反応により選択的に除去し得るものである。代表的なカルボキシル保護基はエステル基である。保護基のエステルには、ベンジル、p−ニトロベンジル、p−メトキシベンジル、トリフェニルメチル(トリチル)、およびベンジルヒドロールが含まれるが、これらに限定はされない。GreeneおよびWuts、「Protecting Groups in Organic Synthesis」第2版、John Wiley & Sons(1991年)を参照されたい。
【0027】
本明細書で使用する「アリール」という用語は、例えば6〜14炭素原子の、例えば、フェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、ビフェニル、アントリル、テトラヒドロナフチル、フルオレニル、インダニル、ビフェニレニル、およびアセナフテニルから選択される芳香族炭化水素部分を指す。一実施形態においてアリール基は置換されていてもよい。
【0028】
本明細書で使用する「に効果的な条件」という用語は、合成有機化学の当業者に明らかであろう合成反応条件を指す。
【0029】
本明細書で使用する「シクロアルキル」という用語は、特に断らない限り、3ないし7員の飽和または部分的不飽和炭素環を指す。一実施形態において炭素原子は7個、一実施形態において炭素原子は6個、一実施形態において炭素原子は5個、一実施形態において炭素原子は4個、一実施形態において炭素原子は3個である。シクロアルキル基の任意の適当な環の位置を、決められた化学構造に共有結合で結合することができる。代表的なシクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチルが含まれる。一実施形態においてシクロアルキル基は置換されていてもよい。
【0030】
本明細書で使用する「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指す。
【0031】
本明細書で使用する「ヘテロアリール」という用語は、1つまたは2つの環を有する芳香族複素環系を指し、例えば、5から14個の環員(ある実施形態では5から10個の環員、ある実施形態では5から8個の環員)およびO、N、およびSから選択される1から3個のヘテロ原子を有する。代表的なヘテロアリールには、(1)フラン、フラザニル、チオフェン、インドール、アザインドール、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピロール、N−メチルピロール、ピラゾール、ピリミジニル、ピリドオキサゾリル、ピリドイミダゾリル、ピリドチアゾリル、ピリダジニル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、N−メチルピラゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,4−トリアゾール、1−メチル−1,2,4−トリアゾール、1H−テトラゾール、1−メチルテトラゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、ベンズイソオキサゾール、ベンズイミダゾール、N−メチルベンズイミダゾール、アザベンズイミダゾール、インダゾール、キナゾリン、キノリン、およびイソキノリン;(2)二環式芳香族複素環であって、フェニル、ピリジン、ピリミジン、またはピリジジンが、(a)1個の窒素原子を有する6員芳香族複素環に縮合している;(b)2個の窒素原子を有する5員もしくは6員芳香族複素環に縮合している;(c)1個の酸素原子もしくは1個のイオウ原子と共に1個の窒素原子を有する5員芳香族複素環に縮合している;または(d)N、O、もしくはSから選択されるヘテロ原子を有する5員芳香族複素環に縮合しているものが挙げられるが、これらに限定はされない。一実施形態において、ヘテロアリール基は置換されていてもよい。
【0032】
本明細書で使用する「複素環状」または「複素環の」という用語は、特に断らない限り、3ないし14員の飽和、部分的飽和、または不飽和の、環炭素原子の1から4個がN、O、もしくはS原子で独立に置き換えられたシクロアルキル基を指す。幾つかの実施形態において、シクロアルキル基は3ないし10員の基である。幾つかの実施形態において、シクロアルキル基は3ないし7員の基である。複素環基の環の任意の適当な位置を、決められた化学構造に共有結合で結合することができる。代表的複素環基には、アゼパニル、アゼチジニル、アジリジニル、ホモピペラジニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イソチアゾリル、モルホリニル、オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリジニル、ピロリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、チアジアジニル、チアジアゾリル、チオモルホリニル、トリアジニル、およびトリアゾリルが挙げられるが、これらに限定はされない。一実施形態において、複素環基は置換されていてもよい。
【0033】
本明細書で使用する「単離され精製された」という用語は、反応混合物または天然資源の他の成分から分離することを意味する。ある実施形態において、単離物は、単離物の重量を基準にして、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、もしくは少なくとも約98%の本発明の化合物または該化合物の薬学的に許容されるその塩を含有する。
【0034】
本明細書で使用する「置換されていてもよい」という用語は、1つまたは複数の置換基による置換を意味する。一実施形態において、「置換されていてもよい」は、次の可能性ある置換基の1つまたは複数の(同一のまたは相違した)置換基による置換を意味する:−NO、−非置換アリール、−非置換ヘテロアリール、−C(O)−O−非置換アルキル、−O−非置換アルキル、−アルキル−O−非置換アルキル、−O−(C〜C)−O−非置換アルキル、−CN、−ハロゲン、−ヒドロキシ、−N(R’)、−トリフルオロメチル、−トリフルオロメトキシ、非置換アリールで置換されたアルキル、非置換アルキルで置換されたアリール、−アルキル−NR’、−(C〜C)−アルキル−OH、−アルキル−O−非置換アルキル、−S−非置換アルキル、−SONR’、−SONHR’、−COH、−CON(R’)、−O−非置換アリール、−O−非置換ヘテロアリール、−S−非置換アリール、−S(O)−非置換アリール、−S(O)−非置換アリール、−アルキル−O−アルキル−N(R’)、−アルキル−アリール−O−アルキル−N(R’)、非置換(C〜C)−アルキル、非置換(C〜C)−アルケニル、非置換(C〜C)−アルキニル、非置換シクロアルキル、−O−アルキル−O−非置換アルキル、−S−非置換ヘテロアリール、−S(O)−非置換ヘテロアリール、および−S(O)−非置換ヘテロアリール;ただし上記において、R’は、独立に、水素、(C〜C)−非置換アルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、非置換アルキルにより置換されたアリール、非置換アリールにより置換されたアルキル、非置換ヘテロアリールにより置換されたアルキル、または非置換アルキルにより置換されたヘテロアリールである。
【0035】
本明細書で使用する「薬学的に許容されるその塩」という用語は、本発明の化合物中の酸および塩基性窒素原子の塩を指す。代表的塩には、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、塩酸塩、臭化物、臭化水素酸塩、ヨウ化物、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、リンゴ酸塩、フタル酸塩、およびパモン酸塩が挙げられるが、これらに限定はされない。本明細書で使用する「薬学的に許容されるその塩」という用語は、カルボン酸官能基などの酸性官能基を有する本発明の化合物と塩基との塩も指す。代表的な塩基としては、ナトリウム、カリウム、およびリチウムを含むアルカリ金属の水酸化物;カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;アルミニウムおよび亜鉛などの他の金属の水酸化物;アンモニア、有機アミン、例えば、非置換もしくはヒドロキシル置換モノ−、ジ−、もしくはトリ−アルキルアミン、ジシクロヘキシルアミン;トリブチルアミン;ピリジン;N−メチル、N−エチルアミン;ジエチルアミン;トリエチルアミン;N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミンもしくはトリ−(2−ヒドロキシエチル)アミンなどのモノ−、ビス−、もしくはトリス−(2−OH−(C〜C)−アルキルアミン);N−メチル−D−グルカミン;モルホリン;チオモルホリン;ピペリジン;ピロリジン;およびアルギニン、リジンなどのアミノ酸などが挙げられるが、これらに限定はされない。「薬学的に許容されるその塩」という用語は、本発明の化合物の水和物も含む。
【0036】
本明細書で使用する略記号の意味:EtOはジエチルエーテルを意味し、EtOAcは酢酸エチルを意味し、NMRは核磁気共鳴を意味し、THFはテトラヒドロフランを意味する。
【0037】
式(II)の化合物の合成方法
一実施形態において、本発明は式(II)の化合物
【0038】
【化38】

(式中、
A’は
【0039】
【化39】

であり、
該式中、
〜Zは、各々独立に、CR、N、O、S、またはNRであり;
〜Yは、各々独立に、CまたはNであり;
〜Wは、各々独立に、CR、S、S(O)、S(O)、O、またはNRであり
tは1、2、3、または4であり;
は、水素、−(C〜C)−アルキル、−アリール、−ヘテロアリール、−ヘテロシクリル、−(C〜C)−シクロアルキル、
−(C〜C)−アルケニル、−(C〜C)−アルキニル、−(C〜C)−ペルフルオロアルキル、−SO−(C〜C)−アルキル、
−SO−(C〜C)−アリール、−C(O)−ヘテロアリール、−C(O)−アリール、−C(O)−(C〜C)−アルキル、−C(O)−(C〜C)−シクロアルキル、−C(O)−ヘテロシクリル、(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリール、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロシクリル、アリールにより置換された−(C〜C)−アルケニル、
−C(O)NR、−SONR、−(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキル−アリール、(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリール、−O−アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−アリールにより置換されたアリール、
−O−ヘテロアリールにより置換された−ヘテロアリール、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−アリール、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−ヘテロアリール、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NR
−C(O)O−(C〜C)−アルキル、−C(O)O−(C〜C)−アリール、または−C(O)O−(C〜C)−ヘテロアリールであり;ここで、各−アルキル、−アルケニル、−アルキニル、−シクロアルキル、−アリール、−ヘテロシクリル、または
−ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR10により独立に置換されていてもよく;
は、水素、−(C〜C)−アルキル、−(C〜C)−アルケニル、−(C〜C)−アルキニル、−ハロ、−CN、−NR、−O−(C〜C)−アルキル、−OH、−アリール、−ヘテロアリール、−CO、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NR、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−(C〜C)−アルキニル、−(C〜C)−O−(C〜C)−アルキル−NR、−O−(CH−O−、−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NR
−(C〜C)−ペルフルオロアルキル、−S−(C〜C)−アルキル、−S(O)−(C〜C)−アルキル、−S(O)−(C〜C)−アルキル、−S−アリール、−S(O)−アリール、−S(O)−アリール、−C(O)NR、グアニジノ、環状グアニジノ、(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、
(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリール、ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロシクリル、アリールにより置換された−(C〜C)−アルケニル、−SONR、−(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アリール、−(C〜C)−アルキル−O−アリール、−(C〜C)−アルキル−O−ヘテロアリール、−O−アリールにより置換された−アリール、−O−アリールにより置換された−ヘテロアリール、−O−ヘテロアリールにより置換された−アリール、−O−ヘテロアリールにより置換された−O−ヘテロアリール、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−アリール、−O−アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、または
−(C〜C)−アルキル−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NRであり;ここで、各−アルキル、−アルケニル、−アルキニル、−シクロアルキル、−アリール、−ヘテロシクリル、または−ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR10により独立に置換されていてもよく;
10は、−NO、−アリール、−ヘテロアリール、−C(O)O−(C〜C)−アルキル、−O−(C〜C)−アルキル、−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−O−(C〜C)−アルキル、−CN、−ハロ、−OH、−NR1112、−CF、−OCF、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換されたアリール、−NR1112により置換された−(C〜C)−アルキル、−OHにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−(C〜C)−アルキル、−S−(C〜C)−アルキル、−SONR1112、−SONHR11
−COH、−C(O)NR1011、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−S−アリール、−S(O)−アリール、S(O)−アリール、
−(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキル−NR1112、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NR1112、−(C〜C)−アルキル、−(C〜C)−アルケニル、−(C〜C)−アルキニル、−(C〜C)−シクロアルキル、
−O−(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキル、−NR1112により置換された(C〜C)−アルキル、−S−ヘテロアリール、−S(O)−ヘテロアリール、−S(O)−ヘテロアリールであり;
11およびR12は、各々独立に、水素、−(C〜C)−アルキル、−アリール、−ヘテロアリール、(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリールであり;またはR11およびR12とそれらが結合している窒素原子とが一緒になって、NR、O、S、S(O)、もしくはS(O)から選択される1つもしくは2つの追加のヘテロ原子を有していてもよい3から7員の飽和複素環を形成しており;
は、水素、−(C〜C)−アルキル、−OH、−O−(C〜C)−アルキル、−S−(C〜C)−アルキル、−CO、−NR、−C(O)NRであり;ここで、同じ炭素原子に結合している2つのRが同時に−OHでなければ、各アルキルはR10により独立に置換されていてもよく;あるいは同じ炭素原子に結合している2つのRが一緒になって=Oを形成するか;または2つのRとそれらが結合している炭素原子とが一緒になって、NR、O、S、S(O)、もしくはS(O)から選択される3個までのヘテロ原子を有していてもよい5ないし8員のスピロ系を形成しており;
およびRは、各々独立に、水素、−(C〜C)−アルキル、−アリール、−ヘテロアリール、(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリールであり、ここで、各−アルキル、−アリール、もしくは−ヘテロアリールは1つもしくは複数のR10により置換されていてもよく;あるいはR、Rおよびそれらが結合している窒素が一緒になって、NR、O、S、S(O)、またはS(O)から選択される1つもしくは2つの追加のヘテロ原子を有していてもよい3ないし7員の飽和複素環を形成している)
または薬学的に許容されるその塩を合成する方法を提供し、その方法は
a)式(III)の化合物
【0040】
【化40】

(式中、Dは
【0041】
【化41】

である)
または薬学的に許容されるその塩を、環化を起こさせるのに効果的な条件下で反応させ、それにより式(II)のアルデヒドを提供することを含む。
【0042】
一実施形態において、本発明の方法は、式(III)の化合物を式(VII)の化合物
【0043】
【化42】

(式中、Xは脱離基であり、R13は、(C〜C)−アルキルまたはC〜C15アラルキルなどのアルキルまたは置換されたアルキル基である)
と反応させることを含む。代表的な脱離基には、ハロゲン、またはアリールもしくはアルキルスルホニルオキシ基などの有機スルホニルオキシ基、例えば、p−トルエンスルホニル(−OTs)、メタンスルホニル(−OMs)またはトリフルオロメタンスルホニル(−OTr)が挙げられるが、これらに限定はされない。一実施形態において、Xは塩素、臭素またはヨウ素などのハロゲンである。一実施形態においてXはBrである。一実施形態において、R13はメチルである。一実施形態において、XがBrであり、R13はメチルである。
【0044】
一実施形態において、式(III)の化合物はその遊離塩基として存在する。
【0045】
他の実施形態において、式(III)の化合物は薬学的に許容される塩として存在する。
【0046】
一実施形態において、式(III)の化合物の薬学的に許容される塩は、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、または臭化水素酸塩である。
【0047】
一実施形態において、本発明の方法は、式(III)の化合物を、塩基の存在なしに反応させることを含む。
【0048】
一実施形態において、本発明の方法は、式(III)の化合物を、塩基の存在下で反応させることを含む。
【0049】
一実施形態において、塩基は、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、ピリジン、ルチジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、またはそれらの組合せである。
【0050】
一実施形態において、本発明の方法は、式(III)の化合物を、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジクロロエタン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、アセトン、またはそれらの組合せからなる群から選択される溶媒の存在下で反応させることを含む。
【0051】
一実施形態において、式(II)の化合物は
【0052】
【化43】

である。
【0053】
一実施形態において、Z、Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;Y、Y、およびYは各々Cである。
【0054】
一実施形態において、Z、Z、およびZ
は、各々独立に、CRであり;ZはSであり;ZはCRまたはNであり;YおよびYは各々Cであり;YはCまたはNである。
【0055】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRまたはNであり;ZはSであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0056】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0057】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRまたはNであり;ZはSであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0058】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0059】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRまたはNであり;ZはSであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0060】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0061】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRまたはNであり;ZはSであり;YはNであり;YおよびYは各々Cである。
【0062】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;YはNであり;YおよびYは各々Cである。
【0063】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRまたはNであり;ZはSであり;YはNであり;YおよびYは各々Cである。
【0064】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;YはNであり;YおよびYは各々Cである。
【0065】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRまたはNであり;ZはSであり;YはNであり;YおよびYは各々Cである。
【0066】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;YはNであり;YおよびYは各々Cである。
【0067】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRまたはNであり;ZはSであり;YはNであり;YおよびYは各々Cである。
【0068】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;YはNであり;YおよびYは各々Cである。
【0069】
一実施形態において、各Rは、独立に、水素または−(C〜C)−アルキルである。
【0070】
一実施形態において、各Rは、独立に、水素または−(C〜C)−アルキルである。
【0071】
他の実施形態において、式(II)の化合物は
【0072】
【化44】

である。
【0073】
一実施形態において、Z、Z、Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0074】
一実施形態において、Z、Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;ZはCRまたはNであり;YおよびYは各々Cであり;YはCまたはNである。
【0075】
一実施形態において、Z、Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;ZはCRまたはNであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0076】
一実施形態において、Z、Z、Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;YおよびYは各々Cであり;YはCまたはNである。
【0077】
一実施形態において、Z、Z、Z、Z、およびZは、各々独立に、CRまたはNであり;ZはSであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0078】
一実施形態において、各Rは、独立に、水素または−(C〜C)−アルキルである。
【0079】
一実施形態において、式(II)の化合物は
【0080】
【化45】

である。
【0081】
一実施形態において、tは1であり;W、W、およびWは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;ZはCRであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0082】
一実施形態において、tは1から3であり;W、W、およびWは、飽和環を形成し得るS−S、S−O、またはO−O結合形成の起こることはないという条件で、各々独立に、CR、O、S、SO、SOまたはNRであり;ZはSであり;ZはCRまたはNであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0083】
一実施形態において、tは1から3であり;W、W、およびWは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;ZはCRまたはNであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0084】
一実施形態において、tは1から3であり;W、W、およびWは、飽和環を形成し得るS−S、S−O、またはO−O結合形成の起こることはないという条件で、各々独立に、CR、O、S、SO、SOまたはNRであり;ZはSであり;ZはCRであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0085】
一実施形態において、tは1から3であり;W、W、およびWは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;ZはCRであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0086】
一実施形態において、tは1から3であり;W、W、およびWは、飽和環を形成し得るS−S、S−O、またはO−O結合形成の起こることはないという条件で、各々独立に、CR、O、S、SO、SOまたはNRであり;ZはSであり;ZはCRであり;YおよびYは各々Cであり;YはNである。
【0087】
一実施形態において、tは1から3であり;W、W、およびWは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;ZはCRであり;YおよびYは各々Cであり;YはNである。
【0088】
一実施形態においてtは1である。
【0089】
一実施形態において、各Rは、独立に、水素または−(C〜C)−アルキルである。
【0090】
一実施形態において、各Rは、独立に、水素または−(C〜C)−アルキルである。
【0091】
一実施形態において、各Rは、独立に、水素または−(C〜C)−アルキルである。
【0092】
一実施形態において、式(II)の化合物または該化合物の薬学的に許容されるその塩は単離されて精製される。
【0093】
他の実施形態において、本発明は式(II)の化合物
【0094】
【化46】

(式中、
は、CR、N、O、SまたはNRであり;
〜Yは、各々独立に、C、またはNであり;
〜Wは、各々独立に、CR、S、S(O)、S(O)、OまたはNRであり;
tは、1、2、3、または4であり;
は、水素、−(C〜C)−アルキル、−アリール、−ヘテロアリール、−ヘテロシクリル、−(C〜C)−シクロアルキル、
−(C〜C)−アルケニル、−(C〜C)−アルキニル、−(C〜C)−ペルフルオロアルキル、−SO−(C〜C)−アルキル、
−SO−(C〜C)−アリール、−C(O)−ヘテロアリール、−C(O)−アリール、−C(O)−(C〜C)−アルキル、−C(O)−(C〜C)−シクロアルキル、−C(O)−ヘテロシクリル、(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリール、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロシクリル、アリールにより置換された−(C〜C)−アルケニル、
−C(O)NR、−SONR、−(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキル−アリール、(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリール、−O−アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−アリールにより置換された−アリール、
−O−ヘテロアリールにより置換された−ヘテロアリール、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−アリール、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−ヘテロアリール、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NR
−C(O)O−(C〜C)−アルキル、−C(O)O−(C〜C)−アリール、または−C(O)O−(C〜C)−ヘテロアリールであり;ここで、各−アルキル、−アルケニル、−アルキニル、−シクロアルキル、−アリール、−ヘテロシクリル、または
−ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR10により独立に置換されていてもよく;
は、水素、−(C〜C)−アルキル、−(C〜C)−アルケニル、−(C〜C)−アルキニル、−ハロ、−CN、−NR、−O−(C〜C)−アルキル、−OH、−アリール、−ヘテロアリール、−CO、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NR、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−(C〜C)−アルキニル、−(C〜C)−O−(C〜C)−アルキル−NR、−O−(CH−O−、−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NR
−(C〜C)−ペルフルオロアルキル、−S−(C〜C)−アルキル、−S(O)−(C〜C)−アルキル、−S(O)−(C〜C)−アルキル、−S−アリール、−S(O)−アリール、−S(O)−アリール、−C(O)NR、グアニジノ、環状グアニジノ、(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、
(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリール、ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロシクリル、アリールにより置換された−(C〜C)−アルケニル、−SONR、−(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アリール、−(C〜C)−アルキル−O−アリール、−(C〜C)−アルキル−O−ヘテロアリール、−O−アリールにより置換された−アリール、−O−アリールにより置換された−ヘテロアリール、−O−ヘテロアリールにより置換された−アリール、−O−ヘテロアリールにより置換された−ヘテロアリール、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−アリール、−O−アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、または
−(C〜C)−アルキル−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NRであり;ここで、各−アルキル、−アルケニル、−アルキニル、−シクロアルキル、−アリール、−ヘテロシクリル、または−ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR10により独立に置換されていてもよく;
10は、−NO、−アリール、−ヘテロアリール、−C(O)O−(C〜C)−アルキル、−O−(C〜C)−アルキル、−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−O−(C〜C)−アルキル、−CN、−ハロ、−OH、−NR1112、−CF、−OCF、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換されたアリール、−NR1112により置換された−(C〜C)−アルキル、−OHにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−(C〜C)−アルキル、−S−(C〜C)−アルキル、−SONR1112、−SONHR11
−COH、−C(O)NR1011、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−S−アリール、−S(O)−アリール、S(O)−アリール、
−(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキル−NR1112、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NR1112、−(C〜C)−アルキル、−(C〜C)−アルケニル、−(C〜C)−アルキニル、−(C〜C)−シクロアルキル、
−O−(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキル、−NR1112により置換された(C〜C)−アルキル、−S−ヘテロアリール、−S(O)−ヘテロアリール、−S(O)−ヘテロアリールであり;
11およびR12は、各々独立に、水素、−(C〜C)−アルキル、−アリール、−ヘテロアリール、(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリールであり;またはR11およびR12とそれらが結合している窒素原子とが一緒になって、NR、O、S、S(O)、もしくはS(O)から選択される1つもしくは2つの追加のヘテロ原子を有していてもよい3から7員の飽和複素環を形成しており;
は、水素、−(C〜C)−アルキル、−OH、−O−(C〜C)−アルキル、−S−(C〜C)−アルキル、−COR、−NR、−C(O)NRであり;ここで、同じ炭素原子に結合している2つのRが同時に−OHでなければ、各アルキルはR10により独立に置換されていてもよく;あるいは同じ炭素原子に結合している2つのRが一緒になって=Oを形成するか、または2つのRとそれらが結合している炭素原子とが一緒になって、NR、O、S、S(O)、またはS(O)から選択される3個までのヘテロ原子を有していてもよい5ないし8員のスピロ系を形成しており;
およびRは、各々独立に、水素、−(C〜C)−アルキル、−アリール、−ヘテロアリール、(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリールであり、ここで、各−アルキル、−アリール、もしくは−ヘテロアリールは1つもしくは複数のR10により置換されていてもよく;あるいはR、Rおよびそれらが結合している窒素が一緒になって、NR、O、S、S(O)、またはS(O)から選択される1つもしくは2つの追加のヘテロ原子を有していてもよい3ないし7員の飽和複素環を形成している)
または薬学的に許容されるその塩を合成する方法を提供し、その方法は
a)式(VII)の化合物
【0095】
【化47】

または薬学的に許容されるその塩を、環化が起こるのに効果的な条件下で反応させ、それにより式(III)のアミン
【0096】
【化48】

または薬学的に許容されるその塩を提供する工程、および
b)式(III)の化合物を、環化が起こるのに効果的な条件下で反応させ、それにより式(II)のアルデヒドを提供する工程
を含む。
【0097】
一実施形態において、本発明の方法は、式(III)の化合物を、式(VII)の化合物
【0098】
【化49】

(式中、Xは脱離基であり、R13は、(C〜C)−アルキル、またはC〜C15アラルキルなどのアルキルまたは置換されたアルキル基である)
と反応させることを含む。代表的な脱離基には、ハロゲン、またはアリールもしくはアルキルスルホニルオキシ基などの有機スルホニルオキシ基、例えば、p−トルエンスルホニル(−OTs)、メタンスルホニル(−OMs)またはトリフルオロメタンスルホニル(−OTr)が挙げられるが、これらに限定はされない。一実施形態において、Xは塩素、臭素またはヨウ素などのハロゲンである。一実施形態においてXはBrである。一実施形態において、R13はメチルである。一実施形態において、XがBrであり、R13はメチルである。
【0099】
一実施形態において、式(III)の化合物はその遊離塩基として存在する。
【0100】
他の実施形態において、式(III)の化合物は薬学的に許容される塩として存在する。
【0101】
一実施形態において、式(III)の化合物の薬学的に許容される塩は、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、または臭化水素酸塩である。
【0102】
一実施形態において、本発明の方法は、式(III)の化合物を、塩基の存在なしに反応させることを含む。
【0103】
他の実施形態において、本発明の方法は、式(III)の化合物を、塩基の存在下で反応させることを含む。
【0104】
一実施形態において、塩基は重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、ピリジン、ルチジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、またはそれらの組合せである。
【0105】
一実施形態において、本発明の方法は、式(III)の化合物を、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジクロロエタン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、アセトン、またはそれらの組合せからなる群から選択される溶媒の存在下で反応させることを含む。
【0106】
一実施形態において、tは1であり;WおよびWは、各々独立に、CRであり;ZはCRであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0107】
一実施形態において、tは1から3であり;WおよびWは、飽和環を形成し得るS−S、S−O、またはO−O結合形成の起こることはないという条件で、各々独立に、CR、O、S、SO、SOまたはNRであり;ZはCRまたはNであり;Y、Y、およびYは各々Cである。
【0108】
一実施形態において、tは1から3であり;WおよびWは、各々独立に、CRであり;ZはCRまたはNであり;Y、Y、およびYは各々Cである。
【0109】
一実施形態において、tは1から3であり;WおよびWは、飽和環を形成し得るS−S、S−O、またはO−O結合形成の起こることはないという条件で、各々独立に、CR、O、S、SO、SOまたはNRであり;ZはCRであり;Y、Y、およびYは各々Cである。
【0110】
一実施形態において、tは1から3であり;WおよびWは、各々独立に、CRであり;ZはCRであり;Y、Y、およびYは各々Cである。
【0111】
一実施形態において、tは1から3であり;WおよびWは、飽和環を形成し得るS−S、S−O、またはO−O結合形成の起こることはないという条件で、各々独立に、CR、O、S、SO、SOまたはNRであり;ZはCRであり;YおよびYは各々Cであり;YはNである。
【0112】
一実施形態において、tは1から3であり;WおよびWは、各々独立に、CRであり;ZはCRであり;YおよびYは各々Cであり;YはNである。
【0113】
一実施形態において、tは1である。
【0114】
一実施形態において、各Rは、独立に、水素または−(C〜C)−アルキルである。
【0115】
一実施形態において、各Rは、独立に、水素または−(C〜C)−アルキルである。
【0116】
一実施形態において、各Rは、独立に、水素または−(C〜C)−アルキルである。
【0117】
一実施形態において、式(II)の化合物は
【0118】
【化50】

である。
【0119】
スキーム1は、式(II)の粒子状アルデヒドの合成を示す。スキーム1に示したように、シクロペンタノンのα−臭素化により2−ブロモシクロペンタノンが生じる。シクロペンタノンの臭素化は、例えば、下のスキーム2で臭素化について概略を示した手順に従って達成される。その場で生じた2−ブロモシクロペンタノンを、次にチオ尿素と共に環化させてアミノチアゾール2を得、それはHBr塩として単離される。その塩はそのままで次の工程で使用することができるか、または中和して遊離塩基を得ることができる。同様に、2−ブロモシクロペンタノンを尿素と共に環化させることにより、式(II)の他のアルデヒドを作製することができる。環化を生じさせるために尿素を使用すると、オキサゾール化合物が形成される(すなわち、化合物2のイオウ原子が酸素原子で置き換えられる)。
【0120】
アミノチアゾール2およびブロモピルブアルデヒドジメチルアセタール3の環化は、例えば、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、およびアセトニトリルを含む種々の溶媒中で実施することができ、1を生ずる。2の遊離塩基を使用するとき、重炭酸ナトリウムなどの弱塩基の化学量論量未満を添加して収率を増加させることができる。幾つかの実施形態において、弱塩基の添加は、3による最初のアルキル化が完結するまで2を安定化することに役立つ。幾つかの実施形態において、2と3との反応中に、反応混合物を酸性にするのに十分な酸が発生して、pHの変化がジメチルアセタール基の加水分解を惹起し、反応混合物から1を単離することが可能になる。当業者は、ブロモピルブアルデヒドジメチルアセタール3以外の反応物質が、所望の三環系生成物を得るために有効であることを理解するであろう。例えば、臭素は他のハロゲン(例えば、塩素もしくはヨウ素)もしくは他の脱離基で置き換えることができ、および/またはメトキシ基は置換されたもしくは置換されていないアルコキシもしくはアラルコキシ基であってもよい。
【0121】
他の実施形態において、2の塩酸塩または臭化水素酸塩を反応で使用することができる。幾つかの実施形態において、他の弱塩基も付け加えて使用することができる。
【0122】
反応混合物の塩化メチレン溶液をシリカゲルのパッドに通し、続いて溶媒を除去することにより、反応混合物からの1の単離を達成することができる。1の収率はこの反応で通常30〜35%である。
【0123】
スキーム1
【0124】
【化51】

当業者は、スキーム1は、本発明の式(II)の他の化合物および化合物の薬学的に許容されるその塩を製造するために適用できることを理解するであろう。
式(VII)の化合物の合成方法
一実施形態において、本発明は式(VII)の化合物
【0125】
【化52】

(式中、Zは臭素、塩素、またはヨウ素などのハロゲンであり、R13は(C〜C)−アルキルまたはC〜C15アラルキルなどのアルキルまたは置換されたアルキル基である。一実施形態において、ZはBrである。一実施形態において、R13はメチルである。一実施形態において、ZはBrであり、R13はメチルである)
を合成する方法を提供し、その方法は、a)式(VIII)の化合物
【0126】
【化53】

を、ハロンゲン化剤とアセトニトリル中約1%から約100%(v/v)のメタノールとの存在下で反応させ、それにより式(VII)の化合物を提供することを含む。一実施形態において、ZはBrであり、反応は臭素化剤の存在下で実施される。
【0127】
一実施形態において、反応はアセトニトリル中約1%から約20%(v/v)のメタノール中で起こる。
【0128】
他の実施形態において、反応はアセトニトリル中約2%から約10%(v/v)のメタノール中で起こる。
【0129】
一実施形態において、反応はアセトニトリル中約3%から約8%(v/v)のメタノール中で起こる。
【0130】
他の実施形態において、反応はアセトニトリル中に約5%(v/v)のメタノール中で起こる。
【0131】
一実施形態において、臭素化剤はBrまたはN−ブロモスクシンイミドである。
【0132】
一実施形態において、式(VII)の化合物は単離されて精製される。
【0133】
スキーム2は、式(VII)の化合物の代表的合成を示す。ピルブアルデヒドジメチルアセタールのα−臭素化は、アセトニトリル中5%(v/v)のメタノールを使用して達成され、70〜80%の転化率を与え、5〜10%のジブロモピルブアルデヒドジメチルアセタールおよび5〜10%の3−ブロモ−1,1,2,2−テトラメトキシ−プロパンを伴う。化合物3は蒸留により精製することができ、または精製せずにスキーム1の環化工程で使用することができる。
【0134】
スキーム2
【0135】
【化54】

式(I)の化合物の合成方法
一実施形態において、本発明は式(I)の化合物
【0136】
【化55】

(式中、
AおよびBの一方は水素であり、AおよびBの他方は
【0137】
【化56】

であり、
は、水素、−(C〜C)−アルキル、−(C〜C)−シクロアルキル、−CH(R)−O−C(O)−(C〜C)−アルキル、ベンジルヒドリル、またはp−ニトロベンゾイルであり;
〜Zは、各々独立に、CR、N、O、S、またはNRであり;
〜Yは、各々独立に、CまたはNであり;
〜Wは、各々独立に、CR、S、S(O)、S(O)、O、またはNRであり;
tは、1、2、3、または4であり;
は、水素、−(C〜C)−アルキル、−アリール、−ヘテロアリール、−ヘテロシクリル、−(C〜C)−シクロアルキル、
−(C〜C)−アルケニル、−(C〜C)−アルキニル、−(C〜C)−ペルフルオロアルキル、−SO−(C〜C)−アルキル、
−SO−(C〜C)−アリール、−C(O)−ヘテロアリール、−C(O)−アリール、−C(O)−(C〜C)−アルキル、−C(O)−(C〜C)−シクロアルキル、−C(O)−ヘテロシクリル、(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリール、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロシクリル、アリールにより置換された−(C〜C)−アルケニル、
−C(O)NR、−SONR、−(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキル−アリール、(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリール、−O−アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−アリールにより置換された−アリール、
−O−ヘテロアリールにより置換された−ヘテロアリール、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−アリール、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−ヘテロアリール、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NR
−C(O)O−(C〜C)−アルキル、−C(O)O−(C〜C)−アリール、または−C(O)O−(C〜C)−ヘテロアリールであり;ここで、各−アルキル、−アルケニル、−アルキニル、−シクロアルキル、−アリール、−ヘテロシクリル、または
−ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR10により独立に置換されていてもよく;
は、水素、−(C〜C)−アルキル、−(C〜C)−アルケニル、−(C〜C)−アルキニル、−ハロ、−CN、−NR、−O−(C〜C)−アルキル、−OH、−アリール、−ヘテロアリール、−CO、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NR、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−(C〜C)−アルキニル、−(C〜C)−O−(C〜C)−アルキル−NR、−O−(CH−O−、−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NR
−(C〜C)−ペルフルオロアルキル、−S−(C〜C)−アルキル、−S(O)−(C〜C)−アルキル、−S(O)−(C〜C)−アルキル、−S−アリール、−S(O)−アリール、−S(O)−アリール、−C(O)NR、グアニジノ、環状グアニジノ、(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、
(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリール、ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロシクリル、アリールにより置換された−(C〜C)−アルケニル、−SONR、−(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アリール、−(C〜C)−アルキルO−アリール、−(C〜C)−アルキル−O−ヘテロアリール、−O−アリールにより置換された−アリール、−O−アリールにより置換された−ヘテロアリール、−O−ヘテロアリールにより置換された−アリール、−O−ヘテロアリールにより置換された−ヘテロアリール、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−アリール、−O−アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、または
−(C〜C)−アルキル−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NRであり;ここで、各−アルキル、−アルケニル、−アルキニル、−シクロアルキル、−アリール、−ヘテロシクリル、または−ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR10により独立に置換されていてもよく;
10は、−NO、−アリール、−ヘテロアリール、−C(O)O−(C〜C)−アルキル、−O−(C〜C)−アルキル、−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−O−(C〜C)−アルキル、−CN、−ハロ、−OH、−NR1112、−CF、−OCF、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換されたアリール、−NR1112により置換された−(C〜C)−アルキル、−OHにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−(C〜C)−アルキル、−S−(C〜C)−アルキル、−SONR1112、−SONHR11
−COH、−C(O)NR1011、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−S−アリール、−S(O)−アリール、S(O)−アリール、
−(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキル−NR1112、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NR1112、−(C〜C)−アルキル、−(C〜C)−アルケニル、−(C〜C)−アルキニル、−(C〜C)−シクロアルキル、
−O−(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキル、−NR1112により置換された(C〜C)−アルキル、−S−ヘテロアリール、−S(O)−ヘテロアリール、−S(O)−ヘテロアリールであり;
11およびR12は、各々独立に、水素、−(C〜C)−アルキル、−アリール、−ヘテロアリール、(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリールであり;またはR11およびR12とそれらが結合している窒素原子とが一緒になって、NR、O、S、S(O)、もしくはS(O)から選択される1つもしくは2つの追加のヘテロ原子を有していてもよい3から7員の飽和複素環を形成しており;
は、水素、−(C〜C)−アルキル、−(C〜C)−シクロアルキル、−アリール、または−ヘテロアリールであり;ここで、各−アリールまたは−ヘテロアリールはR10により独立に置換されていてもよく;
は、水素、−(C〜C)−アルキル、−OH、−O−(C〜C)−アルキル、−S−(C〜C)−アルキル、−CO、−NR、−C(O)NRであり;ここで、同じ炭素原子に結合している2つのRが同時に−OHでなければ、各アルキルはR10により独立に置換されていてもよく;あるいは同じ炭素原子に結合している2つのRが一緒になって=Oを形成するか、または2つのRとそれらが結合している炭素原子とが一緒になって、NR、O、S、S(O)、またはS(O)から選択される3個までのヘテロ原子を有していてもよい5ないし8員のスピロ系を形成しており;
およびRは、各々独立に、水素、−(C〜C)−アルキル、−アリール、−ヘテロアリール、(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリールであり;ここで、各−アルキル、−アリール、または−ヘテロアリールは1つもしくは複数のR10により置換されていてもよく;あるいはR、Rおよびそれらが結合している窒素が一緒になって、NR、O、S、S(O)、またはS(O)から選択される1つもしくは2つの追加のヘテロ原子を有していてもよい3ないし7員の飽和複素環を形成している)
または薬学的に許容されるその塩を合成する方法を提供し、その方法は、
a)式(III)の化合物
【0138】
【化57】

(式中、Dは
【0139】
【化58】

である)
または薬学的に許容されるその塩を、環化を起こさせるのに効果的な条件下で反応させ、それにより式(II)のアルデヒド
【0140】
【化59】

(式中、A’はAまたはBであり、AまたはBのいずれも水素ではない)
または薬学的に許容されるその塩を提供する工程と;
b)式(II)のアルデヒドと式(IV)の6−ブロモペネム
【0141】
【化60】

(式中、Rは保護基である)
または薬学的に許容されるその塩とを、式(V)のアルドール
【0142】
【化61】

または薬学的に許容されるその塩を提供するのに効果的な条件下で縮合させる工程と;
c)式(V)のアルドールを、式(VI)の化合物
【0143】
【化62】

(式中、Rは−XまたはORであり、
は、−Br、−I、または−Clであり;
は、−SO−アルキル、−SO−アリール、−C(O)−アルキル、または−C(O)−アリールである)
または薬学的に許容されるその塩を提供するのに効果的な条件下で反応させる工程と;
d)式(VI)の化合物を還元的脱離が起こるのに効果的な条件下に供して、それにより式(I)の化合物を形成させる工程と
を含む。
【0144】
一実施形態において、本発明の方法は、式(III)の化合物を、式(VII)の化合物
【0145】
【化63】

(式中、Xは脱離基であり、R13は、(C〜C)−アルキルまたはC〜C15アラルキルなどのアルキルまたは置換されたアルキル基である)
と反応させることを含む。代表的な脱離基には、ハロゲン、またはアリールもしくはアルキルスルホニルオキシ基などの有機スルホニルオキシ基、例えば、p−トルエンスルホニル(−OTs)、メタンスルホニル(−OMs)またはトリフルオロメタンスルホニル(−OTr)が挙げられるが、これらに限定はされない。一実施形態において、Xは塩素、臭素またはヨウ素などのハロゲンである。一実施形態においてXはBrである。一実施形態において、R13はメチルである。一実施形態において、XがBrであり、R13はメチルである。
【0146】
一実施形態において、式(III)の化合物はその遊離塩基として存在する。
【0147】
他の実施形態において、式(III)の化合物は薬学的に許容される塩として存在する。
【0148】
一実施形態において、式(III)の化合物の薬学的に許容される塩は、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、または臭化水素酸塩である。
【0149】
一実施形態において、本発明の方法は、式(III)の化合物を、塩基の存在なしに反応させることを含む。
【0150】
他の実施形態において、本発明の方法は、式(III)の化合物を、塩基の存在下で反応させることを含む。
【0151】
一実施形態において、塩基は重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、ピリジン、ルチジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、またはそれらの組合せである。
【0152】
一実施形態において、本発明の方法は、式(III)の化合物を、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジクロロエタン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、アセトン、またはそれらの組合せからなる群から選択される溶媒の存在下で反応させることを含む。
【0153】
一実施形態において、式(I)の化合物は
【0154】
【化64】

である。
【0155】
一実施形態において、式(II)の化合物は
【0156】
【化65】

である。
【0157】
一実施形態において、Z、Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;Y、Y、およびYは各々Cである。
【0158】
一実施形態において、Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;ZはCRまたはNであり;YおよびYは各々Cであり;YはCまたはNである。
【0159】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRまたはNであり;ZはSであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0160】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0161】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRまたはNであり;ZはSであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0162】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0163】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRまたはNであり;ZはSであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0164】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0165】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRまたはNであり;ZはSであり;YはNであり;YおよびYは各々Cである。
【0166】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;YはNであり;YおよびYは各々Cである。
【0167】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRまたはNであり;ZはSであり;YはNであり;YおよびYは各々Cである。
【0168】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;YはNであり;YおよびYは各々Cである。
【0169】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRまたはNであり;ZはSであり;YはNであり;YおよびYは各々Cである。
【0170】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;YはNであり;YおよびYは各々Cである。
【0171】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRまたはNであり;ZはSであり;YはNであり;YおよびYは各々Cである。
【0172】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;YはNであり;YおよびYは各々Cである。
【0173】
一実施形態において、各Rは、独立に、水素または−(C〜C)−アルキルである。
【0174】
一実施形態において、各Rは、独立に、水素または−(C〜C)−アルキルである。
【0175】
他の実施形態において、式(II)の化合物は
【0176】
【化66】

である。
【0177】
一実施形態において、Z、Z、Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;Y、Y、およびYは各々Cである。
【0178】
一実施形態において、Z、Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;ZはCRまたはNであり;YおよびYは各々Cであり;YはCまたはNである。
【0179】
一実施形態において、Z、Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;ZはCRまたはNであり;Y、Y、およびYは各々Cである。
【0180】
一実施形態において、Z、Z、Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;YおよびYは各々Cであり;YはCまたはNである。
【0181】
一実施形態において、Z、Z、Z、Z、およびZは、各々独立に、CRまたはNであり;ZはSであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0182】
一実施形態において、各Rは、独立に、水素または−(C〜C)−アルキルである。
【0183】
一実施形態において、式(II)の化合物は
【0184】
【化67】

である。
【0185】
一実施形態において、tは1であり;W、W、およびWは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;ZはCRであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0186】
一実施形態において、tは1から3であり;W、W、およびWは、飽和環を形成し得るS−S、S−O、またはO−O結合形成の起こることはないという条件で、各々独立に、CR、O、S、SO、SOまたはNRであり;ZはSであり;ZはCRまたはNであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0187】
一実施形態において、tは1から3であり;W、W、およびWは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;ZはCRまたはNであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0188】
一実施形態において、tは1から3であり;W、W、およびWは、飽和環を形成し得るS−S、S−O、またはO−O結合形成の起こることはないという条件で、各々独立に、CR、O、S、SO、SOまたはNRであり;ZはSであり;ZはCRであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0189】
一実施形態において、tは1から3であり;W、W、およびWは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;ZはCRであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0190】
一実施形態において、tは1から3であり;W、W、およびWは、飽和環を形成し得るS−S、S−O、またはO−O結合形成の起こることはないという条件で、各々独立に、CR、O、S、SO、SOまたはNRであり;ZはSであり;ZはCRであり;YおよびYは各々Cであり;YはNである。
【0191】
一実施形態において、tは1から3であり;W、W、およびWは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;ZはCRであり;YおよびYは各々Cであり;YはNである。
【0192】
一実施形態において、tは1である。
【0193】
一実施形態において、各Rは、独立に、水素または−(C〜C)−アルキルである。
【0194】
一実施形態において、各Rは、独立に、水素または−(C〜C)−アルキルである。
【0195】
一実施形態において、各Rは、独立に、水素または−(C〜C)−アルキルである。
【0196】
一実施形態において、保護基は、p−ニトロベンジル、ベンジル、パラ−メトキシベンジル、ベンジルヒドロールまたはトリチルである。
【0197】
工程b)、c)およびd)を達成するための代表的条件は、全体を参照により本明細書に組み込む米国特許出願公開第2004/0132708A1号で説明されている通りである。
【0198】
他の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物
【0199】
【化68】

(式中、
AおよびBの一方は水素であり、AおよびBの他方は
【0200】
【化69】

であり、該式中、
は、水素、−(C〜C)−アルキル、−(C〜C)−シクロアルキル、または−CH(R)−O−C(O)−(C〜C)−アルキルであり;
〜Zは、各々独立に、CR、N、O、S、またはNRであり;
〜Yは、各々独立に、CまたはNであり;
〜Wは、各々独立に、CR、S、S(O)、S(O)、O、またはNRであり;
tは、1、2、3、または4であり;
は、水素、−(C〜C)−アルキル、−アリール、−ヘテロアリール、−ヘテロシクリル、−(C〜C)−シクロアルキル、
−(C〜C)−アルケニル、−(C〜C)−アルキニル、−(C〜C)−ペルフルオロアルキル、−SO−(C〜C)−アルキル、
−SO−(C〜C)−アリール、−C(O)−ヘテロアリール、−C(O)−アリール、−C(O)−(C〜C)−アルキル、−C(O)−(C〜C)−シクロアルキル、−C(O)−ヘテロシクリル、(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリール、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロシクリル、アリールにより置換された−(C〜C)−アルケニル、
−C(O)NR、−SONR、−(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキル−アリール、(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリール、−O−アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−アリールにより置換された−アリール、
−O−ヘテロアリールにより置換された−ヘテロアリール、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−アリール、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−ヘテロアリール、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NR
−C(O)O−(C〜C)−アルキル、−C(O)O−(C〜C)−アリール、
−C(O)O−(C〜C)−ヘテロアリールであり;ここで、各−アルキル、−アルケニル、−アルキニル、−シクロアルキル、−アリール、−ヘテロシクリル、または
−ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR10により独立に置換されていてもよく;
は、水素、−(C〜C)−アルキル、−(C〜C)−アルケニル、−(C〜C)−アルキニル、−ハロ、−CN、−NR、−O−(C〜C)−アルキル、−OH、−アリール、−ヘテロアリール、−CO、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NR、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−(C〜C)−アルキニル、−(C〜C)−O−(C〜C)−アルキル−NR、−O−(CH−O−、−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NR
−(C〜C)−ペルフルオロアルキル、−S−(C〜C)−アルキル、−S(O)−(C〜C)−アルキル、−S(O)−(C〜C)−アルキル、−S−アリール、−S(O)−アリール、−S(O)−アリール、−C(O)NR、グアニジノ、環状グアニジノ、(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、
(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリール、ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロシクリル、アリールにより置換された−(C〜C)−アルケニル、−SONR、−(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アリール、−(C〜C)−アルキル−O−アリール、−(C〜C)−アルキル−O−ヘテロアリール、−O−アリールにより置換された−アリール、−O−アリールにより置換された−ヘテロアリール、−O−ヘテロアリールにより置換された−アリール、−O−ヘテロアリールにより置換された−ヘテロアリール、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−アリール、−O−アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、または
−(C〜C)−アルキル−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NRであり;ここで、各−アルキル、−アルケニル、−アルキニル、−シクロアルキル、−アリール、−ヘテロシクリル、または−ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR10により独立に置換されていてもよく;
10は、−NO、−アリール、−ヘテロアリール、−C(O)O−(C〜C)−アルキル、−O−(C〜C)−アルキル、−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−O−(C〜C)−アルキル、−CN、−ハロ、−OH、−NR1112、−CF、−OCF、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換されたアリール、−NR1112により置換された−(C〜C)−アルキル、−OHにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−(C〜C)−アルキル、−S−(C〜C)−アルキル、−SONR1112、−SONHR11
−COH、−C(O)NR1011、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−S−アリール、−S(O)−アリール、S(O)−アリール、
−(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキル−NR1112、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NR1112、−(C〜C)−アルキル、−(C〜C)−アルケニル、−(C〜C)−アルキニル、−(C〜C)−シクロアルキル、
−O−(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキル、−NR1112により置換された(C〜C)−アルキル、−S−ヘテロアリール、−S(O)−ヘテロアリール、−S(O)−ヘテロアリールであり;
11およびR12は、各々独立に、水素、−(C〜C)−アルキル、−アリール、−ヘテロアリール、(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリールであり;またはR11およびR12とそれらが結合している窒素原子とが一緒になって、NR、O、S、S(O)、もしくはS(O)から選択される1つもしくは2つの追加のヘテロ原子を有していてもよい3から7員の飽和複素環を形成しており;
は、水素、−(C〜C)−アルキル、−(C〜C)−シクロアルキル、−アリール、または−ヘテロアリールであり;ここで、各−アリールまたは−ヘテロアリールはR10により独立に置換されていてもよく;
は、水素、−(C〜C)−アルキル、−OH、−O−(C〜C)−アルキル、−S−(C〜C)−アルキル、−CO、−NR、−C(O)NRであり;ここで、同じ炭素原子に結合している2つのRが同時に−OHでなければ、各アルキルはR10により独立に置換されていてもよく;あるいは同じ炭素原子に結合している2つのRが一緒になって=Oを形成するか;または2つのRとそれらが結合している炭素原子とが一緒になって、NR、O、S、S(O)、またはS(O)から選択される3個までのヘテロ原子を有していてもよい5ないし8員のスピロ系を形成しており;
およびRは、各々独立に、水素、−(C〜C)−アルキル、−アリール、−ヘテロアリール、(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリールであり、ここで、各−アルキル、−アリール、または−ヘテロアリールは1つもしくは複数のR10により置換されていてもよく;あるいはR、Rおよびそれらが結合している窒素が一緒になって、NR、O、S、S(O)、またはS(O)から選択される1つもしくは2つの追加のヘテロ原子を有していてもよい3ないし7員の飽和複素環を形成している)
または薬学的に許容されるその塩を提供し、
該化合物は、
a)式(III)の化合物
【0201】
【化70】

(式中、Dは
【0202】
【化71】

である)
または薬学的に許容されるその塩を、環化を生じさせるのに効果的な条件下で反応させ、それにより式(II)のアルデヒド
【0203】
【化72】

(式中、A’はAまたはBであり、AまたはBのいずれも水素ではない)
または薬学的に許容されるその塩を提供する工程と;
b)式(II)のアルデヒドと式(IV)の6−ブロモペネム
【0204】
【化73】

(式中、Rは保護基である)
または薬学的に許容されるその塩を、式(V)のアルドール
【0205】
【化74】

または薬学的に許容されるその塩を提供するのに効果的な条件下で縮合させる工程と;
c)式(V)のアルドールを、式(VI)の化合物
【0206】
【化75】

(式中、Rは−XまたはORであり;
は、−Br、−I、または−Clであり;および
は、−SO−アルキル、−SO−アリール、−C(O)−アルキル、または−C(O)−アリールである)
を提供するのに効果的な条件下で反応させる工程と;
d)式(VI)の化合物を還元的脱離が起こるのに効果的な条件下に供して、それにより式(I)の化合物を形成させる工程と
を含む方法により調製される。
【0207】
一実施形態において、本発明の方法は、式(III)の化合物を式(VII)の化合物
【0208】
【化76】

(式中、Xは脱離基であり、R13は、(C〜C)−アルキルまたはC〜C15アラルキルなどのアルキルまたは置換されたアルキル基である)
と反応させることを含む。代表的な脱離基には、ハロゲン、またはアリールもしくはアルキルスルホニルオキシ基などの有機スルホニルオキシ基、例えば、p−トルエンスルホニル(−OTs)、メタンスルホニル(−OMs)またはトリフルオロメタンスルホニル(−OTr)が挙げられるが、これらに限定はされない。一実施形態において、Xは塩素、臭素またはヨウ素などのハロゲンである。一実施形態においてXはBrである。一実施形態において、R13はメチルである。一実施形態において、XがBrであり、R13はメチルである。
【0209】
一実施形態において、式(III)の化合物はその遊離塩基として存在する。
【0210】
他の実施形態において、式(III)の化合物は薬学的に許容される塩として存在する。
【0211】
一実施形態において、式(III)の化合物の薬学的に許容される塩は、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、または臭化水素酸塩である。
【0212】
一実施形態において、本発明の方法は、式(III)の化合物を、塩基の存在なしに反応させることを含む。
【0213】
他の実施形態において、本発明の方法は、式(III)の化合物を、塩基の存在下で反応させることを含む。
【0214】
一実施形態において、塩基は重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、ピリジン、ルチジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、またはそれらの組合せである。
【0215】
一実施形態において、本発明の方法は、式(III)の化合物を、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジクロロエタン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、アセトン、またはそれらの組合せからなる群から選択される溶媒の存在下で反応させることを含む。
【0216】
一実施形態において、式(I)の化合物は
【0217】
【化77】

である。
【0218】
一実施形態において、式(II)の化合物は
【0219】
【化78】

である。
【0220】
一実施形態において、Z、Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;Y、Y、およびYは各々Cである。
【0221】
一実施形態において、Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;ZはCRまたはNであり;YおよびYは各々Cであり;YはCまたはNである。
【0222】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、ZおよびZは、各々独立に、CRまたはNであり;ZはSであり;Y、Y、およびYは各々Cである。
【0223】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、ZおよびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;Y、Y、およびYは各々Cである。
【0224】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、ZおよびZは、各々独立に、CRまたはNであり;ZはSであり;Y、Y、およびYは各々Cである。
【0225】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、ZおよびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;Y、Y、およびYは各々Cである。
【0226】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、ZおよびZは、各々独立に、CRまたはNであり;ZはSであり;Y、Y、およびYは各々Cである。
【0227】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、ZおよびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;Y、Y、およびYは各々Cである。
【0228】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、ZおよびZは、各々独立に、CRまたはNであり;ZはSであり;YはNであり;YおよびYは各々Cである。
【0229】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、ZおよびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;YはNであり;YおよびYは各々Cである。
【0230】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、ZおよびZは、各々独立に、CRまたはNであり;ZはSであり;YはNであり;YおよびYは各々Cである。
【0231】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、ZおよびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;YはNであり;YおよびYは各々Cである。
【0232】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、ZおよびZは、各々独立に、CRまたはNであり;ZはSであり;YはNであり;YおよびYは各々Cである。
【0233】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、ZおよびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;YはNであり;YおよびYは各々Cである。
【0234】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、ZおよびZは、各々独立に、CRまたはNであり;ZはSであり;YはNであり;YおよびYは各々Cである。
【0235】
一実施形態において、ZはO、S、またはNRであり;Z、ZおよびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;YはNであり;YおよびYは各々Cである。
【0236】
一実施形態において、各Rは、独立に、水素または−(C〜C)−アルキルである。
【0237】
一実施形態において、各Rは、独立に、水素または−(C〜C)−アルキルである。
【0238】
他の実施形態において、式(II)の化合物は
【0239】
【化79】

である。
【0240】
一実施形態において、Z、Z、Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;Y、Y、およびYは各々Cである。
【0241】
一実施形態において、Z、Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;ZはCRまたはNであり;YおよびYは各々Cであり;YはCまたはNである。
【0242】
一実施形態において、Z、Z、Z、およびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;ZはCRまたはNであり;Y、Y、およびYは各々Cである。
【0243】
一実施形態において、Z、Z、Z、ZおよびZは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;YおよびYは各々Cであり;YはCまたはNである。
【0244】
一実施形態において、Z、Z、Z、ZおよびZは、各々独立に、CRまたはNであり;ZはSであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0245】
一実施形態において、各Rは、独立に、水素または−(C〜C)−アルキルである。
【0246】
一実施形態において、式(II)の化合物は
【0247】
【化80】

である。
【0248】
一実施形態において、tは1であり;W、WおよびWは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;ZはCRであり;Y、Y、およびYは各々Cである。
【0249】
一実施形態において、tは1から3であり;W、W、およびWは、飽和環を形成し得るS−S、S−O、またはO−O結合形成の起こることはないという条件で、各々独立に、CR、O、S、SO、SOまたはNRであり;ZはSであり;ZはCRまたはNであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0250】
一実施形態において、tは1から3であり;W、WおよびWは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;ZはCRまたはNであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0251】
一実施形態において、tは1から3であり;W、W、およびWは、飽和環を形成し得るS−S、S−O、またはO−O結合形成の起こることはないという条件で、各々独立に、CR、O、S、SO、SOまたはNRであり;ZはSであり;ZはCRであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0252】
一実施形態において、tは1から3であり;W、WおよびWは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;ZはCRであり;Y、YおよびYは各々Cである。
【0253】
一実施形態において、tは1から3であり;W、W、およびWは、飽和環を形成し得るS−S、S−O、またはO−O結合形成の起こることはないという条件で、各々独立に、CR、O、S、SO、SOまたはNRであり;ZはSであり;ZはCRであり;YおよびYは各々Cであり;YはNである。
【0254】
一実施形態において、tは1から3であり;W、WおよびWは、各々独立に、CRであり;ZはSであり;ZはCRであり;YおよびYは各々Cであり;YはNである。
【0255】
一実施形態において、tは1である。
【0256】
一実施形態において、各Rは、独立に、水素または−(C〜C)−アルキルである。
【0257】
一実施形態において、各Rは、独立に、水素または−(C〜C)−アルキルである。
【0258】
一実施形態において、各Rは、独立に、水素または−(C〜C)−アルキルである。
【0259】
一実施形態において、保護基は、p−ニトロベンジル、ベンジル、パラ−メトキシベンジル、ベンジルヒドロールまたはトリチルである。
【0260】
工程b)、c)およびd)を達成するための代表的条件は、全体を参照により本明細書に組み込む米国特許出願公開第2004/0132708A1号で説明されている通りである。
【0261】
一実施形態において、式(I)の化合物または化合物の薬学的に許容されるその塩は単離されて精製される。
【実施例】
【0262】
(実施例1)
【0263】
【化81】

6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]イミダゾ[2,1−b]チアゾール−2−カルボアルデヒド(1):2−プロパノール(1L)中の5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタチアゾール−2−イルアミン(2)(遊離塩基200g、1.43mol)の溶液を、ブロモピルブアルデヒドジメチルアセタール3(530g、2.75mol)、重炭酸ナトリウム(55g、0.66mol)および2−プロパノール(0.30L)の、攪拌され冷却(0〜5℃)されている懸濁液に、30分かけて加えた。その混合物を16時間攪拌したままにした。混合物を40℃で8時間加温し、減圧下に濃縮して赤色残渣を得た。赤色残渣をメチルt−ブチルエーテル(2.0L)に加えた。混合物を最低限1時間攪拌した。固体を濾過により捕集してEtOで洗浄した。乾燥した固体(550g)を塩化メチレン(2.75L)に溶解した。その塩化メチレン混合物をシリカゲル(1.65kg)のパッドに通した。パッドを塩化メチレンおよび10%EtOAc/塩化メチレンで洗浄した。濾液を黄色固体にまで濃縮し、それにEtO加えて完全に粉砕し、濾過により捕集して、81gの表記化合物を得た(30%)。H NMR (CDCl) δ 9.93 (1H, s), 7.91 (1H, s), 2.99−2.89 (4H, m), 2.62−2.57 (2H, m)。
【0264】
(実施例2)
【0265】
【化82】

3−ブロモ−1,1−ジメトキシ−プロパン−2−オン(3):ピルブアルデヒドジメチルアセタール(1,1−ジメトキシ−プロパン−2−オン)(400g、3.39mol)および5%(v/v)メタノール/アセトニトリル(2.0L)を合わせて攪拌しながら5℃未満に冷却した。臭素(542g、3.39mol)とアセトニトリル(300mL)の溶液を調製した。臭素/アセトニトリル溶液の一部10mLをピルブアルデヒドジメチルアセタール溶液に加え、混合物を溶液が脱色されるまで攪拌した(約30分)。臭素/アセトニトリル溶液の残部を反応混合物に6〜8時間かけて加え、その間、10℃未満の内部温度を維持した。混合物を室温で1夜攪拌した。重炭酸ナトリウム(300g、3.6mol)を加えて、混合物を最低限1時間攪拌した。濾過により混合物を清澄化して、35℃未満の浴温で減圧下に濾液を濃縮した。メチルt−ブチルエーテル(300mL)およびヘプタン(150mL)を残渣に加えた。混合物を重炭酸ナトリウム(60g、0.71mol)と水(600mL)の溶液で洗浄した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、Magnesol(200g)に通して、パッドをメチルt−ブチルエーテル(350mL)で洗浄した。溶液を濃縮して表記化合物を得た(475g、71%)。H NMR (CDCl) δ 4.73 (1H, s), 4.21 (2H, s), 3.45 (6H, s)。
【0266】
(実施例3)
【0267】
【化83】

5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタチアゾール−2−イルアミン(2)、HBr塩:臭素(256g、1.6mol)とアセトニトリル(144mL)の溶液を、シクロペンタノン(150g、1.78mol)、メタノール(75mL)、およびアセトニトリル(1.425L)の、冷却され(氷/水浴)攪拌されている溶液に、11mL/分の速度で加えた。反応混合物を室温で1夜攪拌したままにした。濾過により反応混合物を清澄化し、濾液を減圧下に542gまで濃縮した。残渣を2−プロパノール(750mL)で希釈して、チオ尿素(102g、1.34mol)を加えた。混合物を加温して2時間還流させた(72℃)。混合物を室温で16時間攪拌したままにして生成物の沈澱を完結させてから、生成物を濾過により捕集し、真空乾燥して表記化合物を臭化水素酸塩として得た(90.1g、31%)。H NMR (CDOD) δ 4.88 (2H, s), 2.75−2.70 (2H, m), 2.60−2.55 (2H, m), 2.39−2.33 (2H, m)。
【0268】
(実施例4)
【0269】
【化84】

5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタチアゾール−2−イルアミン(2)遊離塩基:2の塩酸塩(16.5g、93mmol)(HCl塩の合成については、例えば、ErlenmeyerおよびScheonauer、Helv. Chim. Acta、第24巻、172Eおよび175頁(1941年)、およびHuenigら、Chem. Ber.、第93巻、1518〜1525頁(1960年)を参照されたい)を、重炭酸ナトリウム水溶液(16.5g、250mL)と25%THF/EtOAc(160mL、v/v)との混合物に加えた。その混合物を室温で15分間攪拌した。混合物をセライトのパッドに通す濾過により清澄化した。有機層を分離し乾燥して(MgSO)、真空で47gまで濃縮した。トルエン(100mL)を加え、混合物を真空で45gまで濃縮した。混合物をへプタン(40mL)で希釈し、冷却して、生成物を濾過により捕集し、乾燥して、表記化合物を遊離塩基として得た(10.75g、85%)。H NMR (CDOD) δ 4.88 (2H, s), 2.75−2.70 (2H, m), 2.60−2.55 (2H, m), 2.39−2.33 (2H, m)。
【0270】
本発明の特定の実施形態を例示して説明したが、当業者には、本発明の趣旨および範囲を逸脱せずに種々の他の変更および改変をすることができることは明白であろう。それ故、本発明の範囲内にあるそのような変更および改変を、付記した特許請求の範囲において包含することが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II)
【化1】

の化合物(式中、
A’は
【化2】

であり、
該式中、
〜Zは、各々独立に、CR、N、O、S、またはNRであり;
〜Yは、各々独立に、CまたはNであり;
〜Wは、各々独立に、CR、S、S(O)、S(O)、O、またはNRであり
tは1、2、3、または4であり;
は、水素、−(C〜C)−アルキル、−アリール、−ヘテロアリール、−ヘテロシクリル、−(C〜C)−シクロアルキル、
−(C〜C)−アルケニル、−(C〜C)−アルキニル、−(C〜C)−ペルフルオロアルキル、−SO−(C〜C)−アルキル、
−SO−(C〜C)−アリール、−C(O)−ヘテロアリール、−C(O)−アリール、−C(O)−(C〜C)−アルキル、−C(O)−(C〜C)−シクロアルキル、−C(O)−ヘテロシクリル、(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリール、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロシクリル、アリールにより置換された−(C〜C)−アルケニル、
−C(O)NR、−SONR、−(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキル−アリール、(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリール、−O−アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−アリールにより置換された−アリール、
−O−ヘテロアリールにより置換された−ヘテロアリール、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−アリール、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−ヘテロアリール、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NR
−C(O)O−(C〜C)−アルキル、−C(O)O−(C〜C)−アリール、または−C(O)O−(C〜C)−ヘテロアリールであり;ここで、各−アルキル、−アルケニル、−アルキニル、−シクロアルキル、−アリール、−ヘテロシクリル、または
−ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR10により独立に置換されていてもよく;
は、水素、−(C〜C)−アルキル、−(C〜C)−アルケニル、−(C〜C)−アルキニル、−ハロ、−CN、−NR、−O−(C〜C)−アルキル、−OH、−アリール、−ヘテロアリール、−CO、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NR、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−(C〜C)−アルキニル、−(C〜C)−O−(C〜C)−アルキル−NR、−O−(CH−O−、−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NR
−(C〜C)−ペルフルオロアルキル、−S−(C〜C)−アルキル、−S(O)−(C〜C)−アルキル、−S(O)−(C〜C)−アルキル、−S−アリール、−S(O)−アリール、−S(O)−アリール、−C(O)NR、グアニジノ、環状グアニジノ、(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、
(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリール、ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロシクリル、アリールにより置換された−(C〜C)−アルケニル、−SONR、−(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アリール、−(C〜C)−アルキル−O−アリール、−(C〜C)−アルキル−O−ヘテロアリール、−O−アリールにより置換された−アリール、−O−アリールにより置換された−ヘテロアリール、−O−ヘテロアリールにより置換された−アリール、−O−ヘテロアリールにより置換された−ヘテロアリール、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−アリール、−O−アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、または
−(C〜C)−アルキル−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NRであり;ここで、各−アルキル、−アルケニル、−アルキニル、−シクロアルキル、−アリール、−ヘテロシクリル、または−ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR10により独立に置換されていてもよく;
10は、−NO、−アリール、−ヘテロアリール、−C(O)O−(C〜C)−アルキル、−O−(C〜C)−アルキル、−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−O−(C〜C)−アルキル、−CN、−ハロ、−OH、−NR1112、−CF、−OCF、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換されたアリール、−NR1112により置換された−(C〜C)−アルキル、−OHにより置換された−(C〜C)−アルキル、−O−(C〜C)−アルキルにより置換された−(C〜C)−アルキル、−S−(C〜C)−アルキル、−SONR1112、−SONHR11
−COH、−C(O)NR1011、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−S−アリール、−S(O)−アリール、S(O)−アリール、
−(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキル−NR1112、−(C〜C)−アルキル−アリール−O−(C〜C)−アルキル−NR1112、−(C〜C)−アルキル、−(C〜C)−アルケニル、−(C〜C)−アルキニル、−(C〜C)−シクロアルキル、
−O−(C〜C)−アルキル−O−(C〜C)−アルキル、−NR1112により置換された(C〜C)−アルキル、−S−ヘテロアリール、−S(O)−ヘテロアリール、−S(O)−ヘテロアリールであり;
11およびR12は、各々独立に、水素、−(C〜C)−アルキル、−アリール、−ヘテロアリール、(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリールであり;またはR11およびR12とそれらが結合している窒素原子とが一緒になって、NR、O、S、S(O)、もしくはS(O)から選択される1つもしくは2つの追加のヘテロ原子を有していてもよい3から7員の飽和複素環を形成しており;
は、水素、−(C〜C)−アルキル、−OH、−O−(C〜C)−アルキル、−S−(C〜C)−アルキル、−CO、−NR、−C(O)NRであり;ここで、同じ炭素原子に結合している2つのRが同時に−OHでなければ、各アルキルはR10により独立に置換されていてもよく;あるいは同じ炭素原子に結合している2つのRが一緒になって=Oを形成するか;または2つのRとそれらが結合している炭素原子とが一緒になって、NR、O、S、S(O)、またはS(O)から選択される3個までのヘテロ原子を有していてもよい5ないし8員のスピロ系を形成しており;
およびRは、各々独立に、水素、−(C〜C)−アルキル、−アリール、−ヘテロアリール、(C〜C)−アルキルにより置換された−アリール、アリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、ヘテロアリールにより置換された−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルにより置換された−ヘテロアリールであり、ここで、各−アルキル、−アリール、もしくは−ヘテロアリールは1つもしくは複数のR10により置換されていてもよく;あるいはR、Rおよびそれらが結合している窒素が一緒になって、NR、O、S、S(O)、またはS(O)から選択される1つもしくは2つの追加のヘテロ原子を有していてもよい3ないし7員の飽和複素環を形成している)
または薬学的に許容されるその塩を合成する方法であって、
a)式(III)
【化3】

の化合物(式中、Dは
【化4】

である)
または薬学的に許容されるその塩を、環化を起こさせるのに効果的な条件下で反応させ、それにより式(II)のアルデヒドを提供する工程を含む、方法。
【請求項2】
工程a)が、式(III)の化合物と式(VII)
【化5】

の化合物(式中、
Xは脱離基であり、
13は置換されていてもよいアルキルまたは置換されていてもよいアラルキルである)
とを反応させて、それにより式(II)のアルデヒドを提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Xが臭素であり、R13がメチルである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
式(III)の化合物がその遊離塩基として存在する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
式(III)の化合物が薬学的に許容される塩として存在する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
式(III)の化合物の薬学的に許容されるその塩が、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、または臭化水素酸塩である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
工程a)が、式(III)の化合物を塩基の存在下で反応させることを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記塩基が、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、ピリジン、ルチジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、またはそれらの組合せである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
工程a)が、式(III)の化合物を、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジクロロエタン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、アセトン、またはそれらの組合せからなる群から選択される溶媒の存在下で反応させることを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
式(II)の化合物が
【化6】

である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
式(II)の化合物が
【化7】

である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
式(II)の化合物が
【化8】

である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
式(II)
【化9】

の化合物(式中、Z、Y〜Y、W〜W、t、R、R、R10、R11、R12、R、RおよびRは請求項1に対して上で定義した通りである)
または薬学的に許容されるその塩を合成する方法であって、
a)式(VII)
【化10】

の化合物または薬学的に許容されるその塩を、環化が起こるのに効果的な条件下で反応させ、それにより式(III)
【化11】

のアミンまたは薬学的に許容されるその塩を提供する工程と、
b)式(III)の化合物を、環化が起こるのに効果的な条件下で反応させ、それにより式(II)のアルデヒドを提供する工程と
を含む方法。
【請求項14】
工程b)が、式(III)の化合物と式(VII)
【化12】

の化合物(式中、XおよびR13は請求項2に対して上で定義した通りである)
とを反応させ、それにより式(II)のアルデヒドを提供することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
XがBrであり、R13がメチルである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
式(III)の化合物がその遊離塩基として存在する、請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
式(III)の化合物が薬学的に許容される塩として存在する、請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
式(III)の化合物の薬学的に許容されるその塩が、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、または臭化水素酸塩である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
工程b)が、塩基の存在下で式(III)の化合物を反応させることを含む、請求項13から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記塩基が、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、ピリジン、ルチジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、またはそれらの組合せである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
工程b)が、式(III)の化合物を、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジクロロエタン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、アセトン、またはそれらの組合せからなる群から選択される溶媒の存在下で反応させることを含む、請求項13から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
式(II)の化合物が
【化13】

である、請求項13から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
式(VII)
【化14】

の化合物(式中、Zはハロゲンであり、R13は置換されていてもよいアルキルまたはアラルキル基である)
を合成する方法であって、
式(VIII)
【化15】

の化合物を、ハロゲン化剤とアセトニトリル中約1%から約100%(v/v)のメタノールとの存在下で反応させ、それにより式(VII)の化合物を提供する工程を含む、方法。
【請求項24】
ZがBrであり、R13がメチルであり、式(VIII)の化合物を臭素化剤の存在下で反応させて、それにより式(VII)の化合物を提供する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
アセトニトリル中約1%から約20%(v/v)のメタノールを含む、請求項23から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
アセトニトリル中約2%から約10%(v/v)のメタノールを含む、請求項23から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
アセトニトリル中約3%から約8%(v/v)のメタノールを含む、請求項23から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
アセトニトリル中約5%(v/v)のメタノールを含む、請求項23から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記臭素化剤がBrまたはN−ブロモスクシンイミドである、請求項24から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
式(I)
【化16】

の化合物または薬学的に許容されるその塩
(式中、
AおよびBの一方は水素であり、AおよびBの他方は
【化17】

であり、
は、水素、−(C〜C)−アルキル、−(C〜C)−シクロアルキル、−CH(R)−O−C(O)−(C〜C)−アルキル、ベンジルヒドリル、またはp−ニトロベンゾイル)であり;
〜Z、Y〜Y、W〜W、t、R、R、R10、R11、R12、R、R、およびRは請求項1に対して上で定義した通りであり、
は、水素、−(C〜C)−アルキル、−(C〜C)−シクロアルキル、−アリール、または−ヘテロアリールであり、ここで、各−アリールまたは−ヘテロアリールはR10により独立に置換されていてもよい)
を合成する方法であって、
a)式(II)の化合物または薬学的に許容されるその塩を、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法により調製する工程と;
b)式(II)のアルデヒドと式(IV)
【化18】

の6−ブロモペネム(式中、Rは保護基である)
または薬学的に許容されるその塩とを、式(V)
【化19】

のアルドールまたは薬学的に許容されるその塩を提供するのに効果的な条件下で縮合させる工程と;
c)式(V)のアルドールを、式(VI)
【化20】

の化合物(式中、Rは−Xまたは−ORであり、
は、−Br、−I、または−Clであり;
は、−SO−アルキル、−SO−アリール、−C(O)−アルキル、または−C(O)−アリールである)
を提供するのに効果的な条件下で反応させる工程と;
d)式(VI)の化合物を還元的脱離が起こるのに効果的な条件下に供して、それにより式(I)の化合物を形成させる工程と
を含む方法。
【請求項31】
前記保護基が、p−ニトロベンジル、ベンジル、パラメトキシベンジル、ベンジルヒドロール(benzylhydrol)、またはトリチルである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
式(I)
【化21】

の化合物(式中、
AおよびBの一方は水素であり、AおよびBの他方は
【化22】

であり、ここで式中、Rは、水素、−(C〜C)−アルキル、−(C〜C)−シクロアルキル、または−CH(R)−O−C(O)−(C〜C)−アルキルであり;
〜Z、Y〜Y、W〜W、t、R、R、R10、R11、R12、R、R、およびRは請求項1に対して上で定義した通りであり;
は請求項30に対して上で定義した通りである)
または薬学的に許容されるその塩であって、
a)式(III)
【化23】

の化合物(式中、Dは請求項27に対して上で定義した通りである)
または薬学的に許容されるその塩を、環化が起こるのに効果的な条件下で反応させ、それにより式(II)
【化24】

のアルデヒド(式中、A’はAまたはBであり、AまたはBのいずれも水素ではない)
または薬学的に許容されるその塩を提供する工程と;
b)式(II)のアルデヒドと式(IV)
【化25】

の6−ブロモペネム(式中、Rは保護基である)
または薬学的に許容されるその塩とを、式(V)
【化26】

のアルドールまたは薬学的に許容されるその塩を提供するのに効果的な条件下で、縮合させる工程と;
c)式(V)のアルドールを、式(VI)
【化27】

の化合物(式中、R、XおよびRは、請求項27に対して上で定義した通りである)
または薬学的に許容されるその塩を提供するのに効果的な条件下で反応させる工程と;
d)式(VI)の化合物を還元的脱離が起こるのに効果的な条件下に供して、それにより式(I)の化合物を形成させる工程と
を含む方法により調製される、化合物または薬学的に許容されるその塩。

【公表番号】特表2009−507784(P2009−507784A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528073(P2008−528073)
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【国際出願番号】PCT/US2006/032781
【国際公開番号】WO2007/024859
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】