アクセス制御装置
【課題】記録媒体に収める情報をアクセス元の属性に応じて変更し、収める情報の多様性を高めるアクセス制御装置を提供する。
【解決手段】メモリI/F34は、複数のスロットが形成されたフラッシュメモリ36にアクセスする。動作モードは、モード切り換えスイッチ32swによって、カメラモード、再生モードおよびUSB通信モードの間で切り換えられる。CPU30は、モード切り換えスイッチ32swによって選択された動作モードに応じて異なる態様で、複数のスロットの少なくとも1つを指定する。選択された動作モードがカメラモードまたは再生モードであれば、CPU30は、指定されたスロットの識別情報を参照してメモリI/F34の動作を制御する。選択された動作モードがUSB通信モードであれば、CPU30は、指定されたスロットの識別情報を外部PCによる参照のために送出する。
【解決手段】メモリI/F34は、複数のスロットが形成されたフラッシュメモリ36にアクセスする。動作モードは、モード切り換えスイッチ32swによって、カメラモード、再生モードおよびUSB通信モードの間で切り換えられる。CPU30は、モード切り換えスイッチ32swによって選択された動作モードに応じて異なる態様で、複数のスロットの少なくとも1つを指定する。選択された動作モードがカメラモードまたは再生モードであれば、CPU30は、指定されたスロットの識別情報を参照してメモリI/F34の動作を制御する。選択された動作モードがUSB通信モードであれば、CPU30は、指定されたスロットの識別情報を外部PCによる参照のために送出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アクセス制御装置に関し、特に、複数のパーティションが形成された記録媒体へのアクセス動作を制御する、アクセス制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、記録媒体は、対象機器のメモリスロットに着脱自在に装着される。対象機器の取扱説明を表示するための情報(プログラムとデータ)は、双方向かつ視点可動型の3次元動画像(アニメーション)表示を主体とする方式によって、出荷時に記憶媒体の記憶領域の一部に記録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−264906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、記録媒体から読み出し可能な情報は、アクセス元の機器の属性に関わらず共通である。換言すれば、記録媒体に収める情報をアクセス元の属性に応じて変更することができない。したがって、背景技術では、記録媒体に収める情報の多様性に限界がある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、記録媒体に収める情報の多様性を高めることができる、アクセス制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従うアクセス制御装置(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、複数のパーティションが形成された記録媒体(36)にアクセスするアクセス手段(34)、第1モードおよび第2モードのいずれか一方を選択する選択手段(32sw)、複数のパーティションの少なくとも一部を選択手段によって選択されたモードに応じて異なる態様で指定する指定手段(S9~S11, S21~S27)、選択手段によって選択されたモードが第1モードであるとき指定手段によって指定されたパーティションの識別情報を参照してアクセス手段の処理動作を制御する制御手段(S31, S47, S51, S55)、および選択手段によって選択されたモードが第2モードであるとき指定手段によって指定されたパーティションの識別情報を外部装置(50)による参照のために送出する送出手段(S65)を備える。
【0007】
好ましくは、複数のパーティションの各々はブートレコードを有し、制御手段は識別情報によって識別されたパーティションのブートレコードに基づいて記録媒体のマッピング状態を認識する認識手段を含む(S31, S51)。
【0008】
好ましくは、指定手段は指定すべきパーティションの識別情報をレジスタ(RGST1)に登録し、アクセス手段および送出手段の各々はレジスタを参照して処理を実行する。
【0009】
好ましくは、複数のパーティションは画像データを格納する第1パーティションを含み、第1モードは画像記録/再生モードを含む。
【0010】
好ましくは、複数のパーティションは操作マニュアルデータを格納する第2パーティションを含み、第2モードはマニュアル読み出しモードを含む。
【0011】
さらに好ましくは、記録媒体はファームウェアを格納し、第2パーティションはファームウェアに接する位置に形成される。
【0012】
この発明に従うアクセス制御プログラムは、複数のパーティションが形成された記録媒体(36)にアクセスするアクセス手段(34)、および第1モードおよび第2モードのいずれか一方を選択する選択手段(32sw)を備えるアクセス制御装置(10)のプロセッサ(30)に、複数のパーティションの少なくとも一部を選択手段によって選択されたモードに応じて異なる態様で指定する指定ステップ(S9~S11, S21~S27)、選択手段によって選択されたモードが第1モードであるとき指定ステップによって指定されたパーティションの識別情報を参照してアクセス手段の処理動作を制御する制御ステップ(S31, S47, S51, S55)、および選択手段によって選択されたモードが第2モードであるとき指定ステップによって指定されたパーティションの識別情報を外部装置(50)による参照のために送出する送出ステップ(S65)を実行させるための、アクセス制御プログラムである。
【0013】
この発明に従うアクセス制御方法は、複数のパーティションが形成された記録媒体(36)にアクセスするアクセス手段(34)、および第1モードおよび第2モードのいずれか一方を選択する選択手段(32sw)を備えるアクセス制御装置(10)によって実行されるアクセス制御方法であって、複数のパーティションの少なくとも一部を選択手段によって選択されたモードに応じて異なる態様で指定する指定ステップ(S9~S11, S21~S27)、選択手段によって選択されたモードが第1モードであるとき指定ステップによって指定されたパーティションの識別情報を参照してアクセス手段の処理動作を制御する制御ステップ(S31, S47, S51, S55)、および選択手段によって選択されたモードが第2モードであるとき指定ステップによって指定されたパーティションの識別情報を外部装置(50)による参照のために送出する送出ステップ(S65)を備える。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、記録媒体に形成された複数のパーティションの指定態様ひいては記録媒体から読み出される情報は、第1モードが選択されたときと第2モードが選択されたときとで異なる。これによって、記録媒体に収める情報の多様性を高めることができる。
【0015】
また、指定パーティションの識別情報は、第1モードが選択されたとき内部の制御手段によって参照される一方、第2モードが選択されたとき外部装置による参照のために送出される。これによって、第2モードの下でのアクセス処理に掛かる負荷を低減することができる。
【0016】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】NAND型フラッシュメモリのマッピング状態の一例を示す図解図である。
【図4】(A)はカメラモードまたは再生モードが選択されたときのレジスタの設定状態の一例を示す図解図であり、(B)はUSB通信モードが選択されたときのレジスタの設定状態の一例を示す図解図である。
【図5】(A)は撮像タスクまたは再生タスクが起動されたときに図2実施例のCPUによって認識されるNAND型フラッシュメモリのマッピング状態の一例を示す図解図であり、(B)はUSB通信タスクが起動されたときに外部PCのCPUによって認識されるNAND型フラッシュメモリのマッピング状態の一例を示す図解図である。
【図6】図2実施例と接続される外部PCの構成の一例を示すブロック図である。
【図7】外部PCに設けられたディスプレイモニタの表示の一例を示す図解図である。
【図8】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図9】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図10】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図11】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図12】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図13】図6実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0019】
図1を参照して、この発明のアクセス制御装置は、基本的に次のように構成される。アクセス手段1は、複数のパーティションが形成された記録媒体6にアクセスする。選択手段2は、第1モードおよび第2モードのいずれか一方を選択する。指定手段3は、複数のパーティションの少なくとも一部を選択手段2によって選択されたモードに応じて異なる態様で指定する。制御手段4は、選択手段2によって選択されたモードが第1モードであるとき指定手段3によって指定されたパーティションの識別情報を参照してアクセス手段1の処理動作を制御する。送出手段5は、選択手段2によって選択されたモードが第2モードであるとき指定手段3によって指定されたパーティションの識別情報を外部装置による参照のために送出する。
【0020】
記録媒体6に形成された複数のパーティションの指定態様ひいては記録媒体6から読み出される情報は、第1モードが選択されたときと第2モードが選択されたときとで異なる。これによって、記録媒体6に収める情報の多様性を高めることができる。
【0021】
また、指定パーティションの識別情報は、第1モードが選択されたとき内部の制御手段4によって参照される一方、第2モードが選択されたとき外部装置による参照のために送出される。これによって、第2モードの下でのアクセス処理に掛かる負荷を低減することができる。
[実施例]
【0022】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18aおよび18bによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ12および絞りユニット14を含む。これらの部材を経た光学像は、イメージャ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。
【0023】
電源が投入されると、まずNAND型のフラッシュメモリ36がメモリI/F34によってアクセスされる。図3を参照して、フラッシュメモリ36は、IPL(Initial Program Loader),ファームウェア用ブートプログラム,ファームウェア,スロット1〜2およびパーティションテーブルを有する。特に、スロット1は、ファームウェアに接する位置に設けられる。ここで、スロットは、“パーティション”と同義である。また、ファームウェアとしては、μIRON仕様のOS(Operating System)、およびこのOSの下で実行される複数のタスク(詳しくは後述)が想定される。
【0024】
スロット1は、MBR1(MBR:Master Boot Record),PBR1(PBR:Partition Boot Record),FAT1(FAT:File Allocation Table),ディレクトリエントリ1およびデータエリア1によって形成される。スロット2は、MBR2,PBR2,FAT2,ディレクトリエントリ2およびデータエリア2によって形成される。
【0025】
スロット1のマッピング状態はMBR1を参照することで認識され、スロット2のマッピング状態はMBR2を参照することで認識される。また、データエリア1はディジタルカメラ10の操作マニュアルファイル(操作マニュアルデータを収めたファイル)を格納するためのエリアに相当し、データエリア2は画像ファイル(撮像面で捉えられたシーンを表す画像データを収めたファイル)を格納するために準備される。
【0026】
さらに、ディレクトリエントリ1にはデータエリア1に保存された操作マニュアルファイルのファイル名,サイズサイズ,ファイル作成日時などのファイル属性を示す属性情報が記述され、FAT1には操作マニュアルファイルが書き込まれた複数のクラスタの間のリンクを示すリンク情報が記述される。同様に、ディレクトリエントリ2にはデータエリア2に保存された画像ファイルの属性情報が記述され、FAT2には画像ファイルが書き込まれた複数のクラスタの間のリンクを示すリンク情報が記述される。
【0027】
パーティションテーブルは、スロット1を識別するスロット番号SL1が記述されたカラム1と、スロット2を識別するスロット番号SL2が記述されたカラム2とによって形成される。つまり、パーティションテーブルに配列されるスロット番号の順序はスロット1および2の配列の順序と一致し、互いに対応するカラム番号およびスロット番号は共通の数値を示す。
【0028】
メモリI/F34は、こうして構成されたフラッシュメモリ36からIPLを読み出し、読み出されたIPLをブートRAM38に書き込む。また、電源の投入によって起動したCPU30は、フラッシュメモリ36に保存されたファームウェアをブートRAM38に格納されたIPLを参照して読み出し、読み出されたファームウェアをメモリ制御回路22を通してSDRAM24に書き込む。CPU30はその後、SDRAM24に格納されたファームウェアを実行する。なお、フラッシュメモリ36に保存されたブートプログラムは緊急時にのみ使用される。
【0029】
起動したファームウェアの下で、CPU30は、メインタスクを実行する。メインタスクでは、キー入力装置32に設けられたモード切り換えスイッチ32swの設定(つまり現時点の動作モード)が判別され、現時点の動作モードに対応するタスクが起動される。現時点の動作モードがカメラモードであれば撮像タスクが起動され、現時点の動作モードが再生モードであれば再生タスクが起動され、そして現時点の動作モードがUSB通信モードであればUSB通信タスクが起動される。
【0030】
なお、USB通信モードは、USBケーブルCBL1の一方端がディジタルカメラ10のUSBデバイス40に装着され、かつUSBケーブルCBL1の他方端が図6に示す外部PC50のUSBデバイス52に装着されることを前提とする。
【0031】
メインタスクではまた、撮像タスクまたは再生タスクの起動に伴って、MBR2の先頭アドレスが有効MBRアドレスとしてレジスタRGST1のカラム1に設定され、パーティションテーブルのカラム2に記述されたスロット番号が有効スロット番号としてレジスタRGST1のカラム1に設定される(図4(A)参照)。
【0032】
メインタスクではさらに、USB通信タスクの起動に伴って、MBR1の先頭アドレスおよびMBR2の先頭アドレスが有効MBRアドレスとしてレジスタRGST1のカラム1および2に設定され、パーティションテーブルのカラム1および2に記述されたスロット番号が有効スロット番号としてレジスタRGST1のカラム1および2に設定される(図4(B)参照)。
【0033】
起動した撮像タスクおよび再生タスクの各々は、このようなレジスタRGST1の設定を参照して、つまり有効MBRアドレスから始まるブートレコードの記述を参照して、フラッシュメモリ38のマッピング状態を認識する。したがって、撮像タスクおよび再生タスクの下では、フラッシュメモリ38は図5(A)に示すマッピングを有するものとして認識される。
【0034】
撮像タスクが起動されると、CPU30は、動画取り込み処理を実行するべく、ドライバ18cに露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しを命令する。ドライバ18cは、周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、イメージャ16の撮像面を露光し、かつ撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージャ16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0035】
信号処理回路20は、イメージャ16から出力された生画像データに白バランス調整,色分離,YUV変換などの処理を施し、これによって生成されたYUV形式の画像データをメモリ制御回路22を通してSDRAM24に書き込む。LCDドライバ26は、SDRAM24に格納された画像データをメモリ制御回路22を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ28を駆動する。この結果、撮像面で捉えられたシーンを表すリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
【0036】
信号処理回路20によって生成された画像データのうち、YデータはCPU30にも与えられる。CPU30は、与えられたYデータに簡易AE処理を施して適正EV値を算出する。算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定され、これによってスルー画像の明るさが適度に調整される。
【0037】
シャッタボタン32shが半押しされると、CPU30は、信号処理回路20から与えられたYデータに厳格AE処理を施して最適EV値を算出する。算出された最適EV値を定義する絞り量および露光時間は、上述と同様、ドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、スルー画像の明るさが厳格に調整される。CPU30はまた、信号処理回路20から与えられたYデータの高周波成分にAF処理を施す。これによってフォーカスレンズ12が合焦点に配置され、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0038】
シャッタボタン32shが全押しされると、CPU30は、記録処理の実行をメモリI/F34に命令する。メモリI/F34は、シャッタボタン32shが操作された時点で捉えられたシーンを表す1フレームの画像データをメモリ制御回路22を通してSDARM24から読み出し、読み出された画像データを収めた画像ファイルをフラッシュメモリ36のデータエリア2に書き込む。メモリI/F34はさらに、この書き込み処理に関連して、画像ファイルの属性情報をディレクトリエントリ2に記述し、画像ファイルが書き込まれた複数のクラスタの間でリンクが形成されるようにFAT2を更新する。
【0039】
再生タスクが起動されると、CPU30は、データエリア2に格納された最新の画像ファイルをディレクトリエントリ2を参照して検出し、検出された画像ファイルに注目した再生処理の実行をメモリI/F34およびLCDドライバ26に命令する。メモリI/F34は、指定された画像ファイルの画像データをFAT2を参照してデータエリア2から読み出し、読み出された画像データをメモリ制御回路22を通してSDRAM24に書き込む。
【0040】
LCDドライバ26は、SDRAM24に格納された画像データをメモリ制御回路22を通して読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ28を駆動する。この結果、指定画像ファイルの画像データに基づく再生画像がLCDモニタ28に表示される。
【0041】
キー入力装置32の送り/戻しボタン32frが操作されると、CPU30は、ディレクトリエントリ2を参照して後続の画像ファイルまたは先行する画像ファイルをデータエリア2から検出する。検出された画像ファイルは上述と同様の再生処理を施され、この結果、再生画像が更新される。
【0042】
ディジタルカメラ10と外部PC50とがUSBケーブルCBL1によって接続されている状態でUSB通信タスクが起動されると、CPU30は、レジスタRGST1の登録情報つまり有効MBRアドレスおよび有効スロット番号をUSBデバイス40を通して外部PC50に転送する。USB通信タスクは、登録情報の転送が完了した後に終了される。
【0043】
図6を参照して、ディジタルカメラ10から転送された登録情報は、USBデバイス52によって取り込まれ、メモリ制御回路54を通してDRAM56に書き込まれる。CPU58は、こうして得られた登録情報を参照して、フラッシュメモリ36のマッピング状態を認識する。フラッシュメモリ36は図5(B)に示すマッピングを有するものとして認識される。
【0044】
CPU58は続いて、認識したスロット1〜2に保存されたファイルの属性を検出するべく、対応する命令をディジタルカメラ10に向けて発行する。発行された命令は、USBデバイス52,USBケーブルCBL1およびUSBデバイス40を通してメモリI/F34に与えられる。メモリI/F34は、スロット1に保存されたファイルの属性情報をディレクトリエントリ1から読み出し、スロット2に保存されたファイルの属性情報をディレクトリエントリ2から読み出し、そして読み出された属性情報を外部PC50に返送する。
【0045】
属性情報は、USBデバイス40,USBケーブルCBL1およびUSBデバイス52を経た後、メモリ制御回路54によってDRAM56に書き込まれる。ディスプレイドライバ60は、こうして取得された属性情報をメモリ制御回路54を通して読み出し、読み出された属性情報に基づいてディスプレイモニタ62を駆動する。この結果、対応するアイコンがモニタ画面に表示される。
【0046】
上述のように、スロット1のデータエリア1には操作マニュアルファイルが保存され、スロット2のデータエリア2には1または2以上の画像ファイルが保存される。したがって、モニタ画面には、操作マニュアルファイルを示すアイコンICN1と1または2以上の画像ファイルを個別に示すアイコンICN2とが図7に示す要領で表示される。
【0047】
キーボード/マウス64によってアイコンICN2がクリックされると、画像取得操作が行われたとみなされる。CPU58は、クリックされたアイコンIC2に対応する画像データをフラッシュメモリ36から取得するべく、対応する命令をディジタルカメラ10に向けて発行する。発行された命令は、USBデバイス52,USBケーブルCBL1およびUSBデバイス40を通してメモリI/F34に与えられる。メモリI/F34は、所望の画像データをFAT2を参照してデータエリア2から読み出し、読み出された画像データを外部PC50に返送する。
【0048】
画像データは、USBデバイス40,USBケーブルCBL1およびUSBデバイス52を経た後、メモリ制御回路54によってDRAM56に書き込まれる。ディスプレイドライバ60は、こうして取得された画像データをメモリ制御回路54を通して読み出し、読み出された画像データに基づいてディスプレイモニタ62を駆動する。この結果、対応する画像がモニタ画面に表示される。
【0049】
キーボード/マウス64によってアイコンIC1がクリックされると、マニュアル取得操作が行われたとみなされる。CPU58は、操作マニュアルデータを取得するべく、対応する命令をディジタルカメラ10に向けて発行する。発行された命令は、上述と同様、USBデバイス52,USBケーブルCBL1およびUSBデバイス40を通してメモリI/F34に与えられる。
【0050】
メモリI/F34は、操作マニュアルデータをFAT1を参照してデータエリア1から読み出し、読み出された操作マニュアルデータを外部PC50に返送する。操作マニュアルデータは、USBデバイス40,USBケーブルCBL1およびUSBデバイス52を経た後、メモリ制御回路54によってDRAM56に書き込まれる。ディスプレイドライバ60は、こうして取得された操作マニュアルデータをメモリ制御回路54を通して読み出し、読み出された操作マニュアルデータに基づいてディスプレイモニタ62を駆動する。この結果、操作マニュアルがモニタ画面に表示される。
【0051】
CPU30は、図8〜図9に示すメインタスクを動作モードに関係なく実行し、カメラモードが選択されたときに図10に示す撮像タスクを実行し、再生モードが選択されたときに図11に示す再生タスクを実行し、そしてUSB通信モードが選択されたときに図12に示すUSB通信タスクを実行する。
【0052】
図8を参照して、ステップS1では現時点の動作モードがカメラモードであるか否かを判別し、ステップS3では現時点の動作モードが再生モードであるか否かを判別する。また、ステップS17では現時点の動作モードがUSB通信モードであるか否かを判別する。
【0053】
ステップS1でYESであればステップS5で撮像タスクを起動し、ステップS3でYESであればステップS7で再生タスクを起動する。ステップS5またはS7の処理が完了するとステップS9に進み、MBR2の先頭アドレスをレジスタRGST1のカラム1に有効MBRアドレスとして設定する。ステップS11では、パーティションテーブルのカラム2に記述されたスロット番号を有効スロット番号としてレジスタRGST1のカラム1に設定する。
【0054】
ステップS13ではモード切り換え操作が行われたか否かを繰り返し判別し、判別結果がNOからYESに更新されると起動中のタスクをステップS15で停止する。停止処理が完了すると、ステップS1に戻る。
【0055】
ステップS17でYESであれば、ステップS19でUSB通信タスクを起動する。ステップS21ではMBR1の先頭アドレスをレジスタRGST1のカラム1に有効MBRアドレスとして設定し、ステップS23ではパーティションテーブルのカラム1に記述されたスロット番号を有効スロット番号としてレジスタRGST1のカラム1に設定する。
【0056】
ステップS25ではMBR2の先頭アドレスをレジスタRGST1のカラム2に有効MBRアドレスとして設定し、ステップS27ではパーティションテーブルのカラム2に記述されたスロット番号を有効スロット番号としてレジスタRGST1のカラム2に設定する。ステップS27の処理が完了すると、ステップS13に進む。
【0057】
なお、現時点の動作モードがカメラモード,再生モードおよびUSB通信モードのいずれでもなければ、ステップS29で他の処理を実行し、その後にステップS15に進む。
【0058】
図10を参照して、ステップS31では、図4(A)に示す要領で設定されたレジスタRGST1を参照して、フラッシュメモリ36のマッピング状態を認識する。この結果、フラッシュメモリ36は図4(A)に示すマッピングを有するものとして認識される。ステップS33では、動画取り込み処理を実行する。この結果、撮像面で捉えられたシーンを表すスルー画像がLCDモニタ28に表示される。ステップS35ではシャッタボタン32shが半押しされたか否かを判別し、判別結果がNOである限り、ステップS37の簡易AE処理を繰り返す。この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。
【0059】
シャッタボタン32shが半押しされると、ステップS39で厳格AE処理を実行し、ステップS41でAF処理を実行する。この結果、スルー画像の明るさおよび鮮鋭度が厳格に調整される。ステップS43ではシャッタボタン32shが全押しされたか否かを判別し、ステップS45ではシャッタボタン32shの操作が解除されたか否かを判別する。
【0060】
ステップS45でYESと判断されたときは、そのままステップS35に戻る。また、ステップS43でYESであれば、ステップS47で記録処理を実行する。この結果、シャッタボタン32shが全押しされた時点の画像データを収めた画像ファイルがフラッシュメモリ36のデータエリア2に新規に書き込まれ、新規画像ファイルの属性情報がディレクトリエントリ2に記述され、そして新規画像ファイルが書き込まれた複数のクラスタの間でリンクが形成されるようにFAT2が更新される。記録処理が完了すると、ステップS35に戻る。
【0061】
図11を参照して、ステップS51では、図4(A)に示す要領で設定されたレジスタRGST1を参照して、フラッシュメモリ36のマッピング状態を認識する。この結果、フラッシュメモリ36は図5(A)に示すマッピングを有するものとして認識される。ステップS53では、ディレクトリエントリ2の記述を参照してデータエリア2上の最新の画像ファイルを検出し、検出された画像ファイルを再生ファイルとして指定する。ステップS55では、指定画像ファイルに注目した再生処理をメモリI/F34およびLCDドライバ26に命令する。
【0062】
メモリI/F34は、指定画像ファイルに収められた画像データをFAT2を参照してデータエリア2から読み出し、読み出された画像データをメモリ制御回路22を通してSDRAM24に書き込む。LCDドライバ26は、SDRAM24に格納された画像データをメモリ制御回路22を通して読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ28を駆動する。この結果、再生画像がLCDモニタ28に表示される。
【0063】
ステップS57では画像送り/戻しボタン32frが操作されたか否かを判別する。判別結果がNOからYESに更新されるとステップS59に進み、ディレクトリエントリ2を参照して次の画像ファイルまたは前の画像ファイルを指定する。指定処理が完了すると、ステップS55に戻る。この結果、別の再生画像がLCDモニタ28に表示される。
【0064】
図12を参照して、ステップS61では、ディジタルカメラ10と外部PC50とがUSBケーブルCBL1によって互いに接続されているか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS63で既定の報知を出力し、その後にステップS61に戻る。判別結果がYESであればステップS65に進み、レジスタRGST1の登録情報をUSBデバイス40を通して外部PC50に転送する。USB通信タスクは、転送が完了した後に終了される。
【0065】
外部PC50に設けられたCPU58は、図13に示すフロー図に従う処理を実行する。なお、このフロー図に対応する制御プログラムは、HDD66に記憶される。
【0066】
ステップS71では、ディジタルカメラ10から転送されたレジスタRGST1の登録情報を参照して、フラッシュメモリ36のマッピング状態を認識する。この結果、フラッシュメモリ36は図5(B)に示すマッピングを有するものとして認識される。
【0067】
ステップS73では、スロット1〜2の各々に保存されたファイルの属性を検出するべく、対応する命令をディジタルカメラ10に向けて発行する。これに対してディジタルカメラ10から返送された属性情報は、メモリ制御回路54によってDRAM56に書き込まれる。ディスプレイモニタ62には、こうして取得された属性情報に対応するアイコンIC1およびIC2が図7に示す要領で表示される。
【0068】
ステップS75では画像取得操作(アイコンIC2のクリック)が行われたか否かを判別し、ステップS79ではマニュアル取得操作(アイコンIC1のクリック)が行われたか否かを判別する。
【0069】
ステップS75の判別結果がYESであれば、クリックされたアイコンIC2に対応する画像データをフラッシュメモリ36から取得するべく、対応する命令をディジタルカメラ10に向けて発行する。これに対してディジタルカメラ10から返送された画像データは、メモリ制御回路54によってDRAM56に書き込まれる。ディスプレイドライバ60には、こうして取得された画像データに基づく画像が表示される。
【0070】
ステップS79の判別結果がYESであれば、操作マニュアルデータを取得するべく、対応する命令をディジタルカメラ10に向けて発行する。これに対してディジタルカメラ10から返送された操作マニュアルデータは、メモリ制御回路54によってDRAM56に書き込まれる。ディスプレイドライバ60には、こうして取得された操作マニュアルデータに基づく操作マニュアルが表示される。
【0071】
以上の説明から分かるように、メモリI/F34は、スロット1〜2が形成されたフラッシュメモリ36にアクセスする。動作モードは、モード切り換えスイッチ32swによって、カメラモード(画像記録モード),再生モード(画像再生モード)およびUSB通信モード(マニュアル読み出しモード)の間で切り換えられる。CPU30は、モード切り換えスイッチ32swによって選択された動作モードに応じて異なる態様で、スロット1〜2の少なくとも1つを指定する(S9~S11, S21~S27)。選択された動作モードがカメラモードまたは再生モードであれば、CPU30は、指定されたスロットの識別情報(MBRの先頭アドレスおよびスロット番号)を参照してメモリI/F34の処理動作を制御する(S31, S47, S51, S55)。一方、選択された動作モードがUSB通信モードであれば、CPU30は、指定されたスロットの識別情報を外部PC50による参照のために送出する(S65)。
【0072】
フラッシュメモリ36に形成されたスロット1〜2の指定態様ひいてはフラッシュメモリ36から読み出されるデータないし情報は、カメラモードまたは再生モードが選択されたときとUSB通信モードが選択されたときとで異なる。これによって、フラッシュメモリ36に収めるデータないし情報の多様性を高めることができる。
【0073】
また、指定されたスロットの識別情報は、カメラモードまたは再生モードが選択されたとき内部のメモリI/F34によって参照される一方、USB通信モードが選択されたとき外部PC50による参照のために送出される。これによって、USB通信モードの下でのアクセス処理に掛かる負荷を低減することができる。
【0074】
さらに、この実施例では、操作マニュアルを管理するスロット1がファームウェアに接する位置に設けられる。これによって、IPL,ブートプログラム,ファームウェアおよびスロット1をROMライタを利用して一度にフラシュメモリ36に書き込むことができ、製造に要する時間を短縮することができる。
【0075】
なお、この実施例ではディジタルカメラを想定しているが、この発明は複数の動作モードを有して記録媒体にアクセスするあらゆる電子機器に適用することができる。
【0076】
また、この実施例では、プログラムおよびデータをNAND型のフラッシュメモリ36に統一的に保存するようにしているが、プログラムおよびデータをNOR型のフラッシュメモリとNAND型のフラッシュメモリとに分散して保存するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0077】
10 …ディジタルカメラ
16 …イメージャ
20 …信号処理回路
24 …SDRAM
30 …CPU
36 …NAND型フラッシュメモリ
38 …ブートRAM
【技術分野】
【0001】
この発明は、アクセス制御装置に関し、特に、複数のパーティションが形成された記録媒体へのアクセス動作を制御する、アクセス制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、記録媒体は、対象機器のメモリスロットに着脱自在に装着される。対象機器の取扱説明を表示するための情報(プログラムとデータ)は、双方向かつ視点可動型の3次元動画像(アニメーション)表示を主体とする方式によって、出荷時に記憶媒体の記憶領域の一部に記録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−264906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、記録媒体から読み出し可能な情報は、アクセス元の機器の属性に関わらず共通である。換言すれば、記録媒体に収める情報をアクセス元の属性に応じて変更することができない。したがって、背景技術では、記録媒体に収める情報の多様性に限界がある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、記録媒体に収める情報の多様性を高めることができる、アクセス制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従うアクセス制御装置(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、複数のパーティションが形成された記録媒体(36)にアクセスするアクセス手段(34)、第1モードおよび第2モードのいずれか一方を選択する選択手段(32sw)、複数のパーティションの少なくとも一部を選択手段によって選択されたモードに応じて異なる態様で指定する指定手段(S9~S11, S21~S27)、選択手段によって選択されたモードが第1モードであるとき指定手段によって指定されたパーティションの識別情報を参照してアクセス手段の処理動作を制御する制御手段(S31, S47, S51, S55)、および選択手段によって選択されたモードが第2モードであるとき指定手段によって指定されたパーティションの識別情報を外部装置(50)による参照のために送出する送出手段(S65)を備える。
【0007】
好ましくは、複数のパーティションの各々はブートレコードを有し、制御手段は識別情報によって識別されたパーティションのブートレコードに基づいて記録媒体のマッピング状態を認識する認識手段を含む(S31, S51)。
【0008】
好ましくは、指定手段は指定すべきパーティションの識別情報をレジスタ(RGST1)に登録し、アクセス手段および送出手段の各々はレジスタを参照して処理を実行する。
【0009】
好ましくは、複数のパーティションは画像データを格納する第1パーティションを含み、第1モードは画像記録/再生モードを含む。
【0010】
好ましくは、複数のパーティションは操作マニュアルデータを格納する第2パーティションを含み、第2モードはマニュアル読み出しモードを含む。
【0011】
さらに好ましくは、記録媒体はファームウェアを格納し、第2パーティションはファームウェアに接する位置に形成される。
【0012】
この発明に従うアクセス制御プログラムは、複数のパーティションが形成された記録媒体(36)にアクセスするアクセス手段(34)、および第1モードおよび第2モードのいずれか一方を選択する選択手段(32sw)を備えるアクセス制御装置(10)のプロセッサ(30)に、複数のパーティションの少なくとも一部を選択手段によって選択されたモードに応じて異なる態様で指定する指定ステップ(S9~S11, S21~S27)、選択手段によって選択されたモードが第1モードであるとき指定ステップによって指定されたパーティションの識別情報を参照してアクセス手段の処理動作を制御する制御ステップ(S31, S47, S51, S55)、および選択手段によって選択されたモードが第2モードであるとき指定ステップによって指定されたパーティションの識別情報を外部装置(50)による参照のために送出する送出ステップ(S65)を実行させるための、アクセス制御プログラムである。
【0013】
この発明に従うアクセス制御方法は、複数のパーティションが形成された記録媒体(36)にアクセスするアクセス手段(34)、および第1モードおよび第2モードのいずれか一方を選択する選択手段(32sw)を備えるアクセス制御装置(10)によって実行されるアクセス制御方法であって、複数のパーティションの少なくとも一部を選択手段によって選択されたモードに応じて異なる態様で指定する指定ステップ(S9~S11, S21~S27)、選択手段によって選択されたモードが第1モードであるとき指定ステップによって指定されたパーティションの識別情報を参照してアクセス手段の処理動作を制御する制御ステップ(S31, S47, S51, S55)、および選択手段によって選択されたモードが第2モードであるとき指定ステップによって指定されたパーティションの識別情報を外部装置(50)による参照のために送出する送出ステップ(S65)を備える。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、記録媒体に形成された複数のパーティションの指定態様ひいては記録媒体から読み出される情報は、第1モードが選択されたときと第2モードが選択されたときとで異なる。これによって、記録媒体に収める情報の多様性を高めることができる。
【0015】
また、指定パーティションの識別情報は、第1モードが選択されたとき内部の制御手段によって参照される一方、第2モードが選択されたとき外部装置による参照のために送出される。これによって、第2モードの下でのアクセス処理に掛かる負荷を低減することができる。
【0016】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】NAND型フラッシュメモリのマッピング状態の一例を示す図解図である。
【図4】(A)はカメラモードまたは再生モードが選択されたときのレジスタの設定状態の一例を示す図解図であり、(B)はUSB通信モードが選択されたときのレジスタの設定状態の一例を示す図解図である。
【図5】(A)は撮像タスクまたは再生タスクが起動されたときに図2実施例のCPUによって認識されるNAND型フラッシュメモリのマッピング状態の一例を示す図解図であり、(B)はUSB通信タスクが起動されたときに外部PCのCPUによって認識されるNAND型フラッシュメモリのマッピング状態の一例を示す図解図である。
【図6】図2実施例と接続される外部PCの構成の一例を示すブロック図である。
【図7】外部PCに設けられたディスプレイモニタの表示の一例を示す図解図である。
【図8】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図9】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図10】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図11】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図12】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図13】図6実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0019】
図1を参照して、この発明のアクセス制御装置は、基本的に次のように構成される。アクセス手段1は、複数のパーティションが形成された記録媒体6にアクセスする。選択手段2は、第1モードおよび第2モードのいずれか一方を選択する。指定手段3は、複数のパーティションの少なくとも一部を選択手段2によって選択されたモードに応じて異なる態様で指定する。制御手段4は、選択手段2によって選択されたモードが第1モードであるとき指定手段3によって指定されたパーティションの識別情報を参照してアクセス手段1の処理動作を制御する。送出手段5は、選択手段2によって選択されたモードが第2モードであるとき指定手段3によって指定されたパーティションの識別情報を外部装置による参照のために送出する。
【0020】
記録媒体6に形成された複数のパーティションの指定態様ひいては記録媒体6から読み出される情報は、第1モードが選択されたときと第2モードが選択されたときとで異なる。これによって、記録媒体6に収める情報の多様性を高めることができる。
【0021】
また、指定パーティションの識別情報は、第1モードが選択されたとき内部の制御手段4によって参照される一方、第2モードが選択されたとき外部装置による参照のために送出される。これによって、第2モードの下でのアクセス処理に掛かる負荷を低減することができる。
[実施例]
【0022】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18aおよび18bによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ12および絞りユニット14を含む。これらの部材を経た光学像は、イメージャ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。
【0023】
電源が投入されると、まずNAND型のフラッシュメモリ36がメモリI/F34によってアクセスされる。図3を参照して、フラッシュメモリ36は、IPL(Initial Program Loader),ファームウェア用ブートプログラム,ファームウェア,スロット1〜2およびパーティションテーブルを有する。特に、スロット1は、ファームウェアに接する位置に設けられる。ここで、スロットは、“パーティション”と同義である。また、ファームウェアとしては、μIRON仕様のOS(Operating System)、およびこのOSの下で実行される複数のタスク(詳しくは後述)が想定される。
【0024】
スロット1は、MBR1(MBR:Master Boot Record),PBR1(PBR:Partition Boot Record),FAT1(FAT:File Allocation Table),ディレクトリエントリ1およびデータエリア1によって形成される。スロット2は、MBR2,PBR2,FAT2,ディレクトリエントリ2およびデータエリア2によって形成される。
【0025】
スロット1のマッピング状態はMBR1を参照することで認識され、スロット2のマッピング状態はMBR2を参照することで認識される。また、データエリア1はディジタルカメラ10の操作マニュアルファイル(操作マニュアルデータを収めたファイル)を格納するためのエリアに相当し、データエリア2は画像ファイル(撮像面で捉えられたシーンを表す画像データを収めたファイル)を格納するために準備される。
【0026】
さらに、ディレクトリエントリ1にはデータエリア1に保存された操作マニュアルファイルのファイル名,サイズサイズ,ファイル作成日時などのファイル属性を示す属性情報が記述され、FAT1には操作マニュアルファイルが書き込まれた複数のクラスタの間のリンクを示すリンク情報が記述される。同様に、ディレクトリエントリ2にはデータエリア2に保存された画像ファイルの属性情報が記述され、FAT2には画像ファイルが書き込まれた複数のクラスタの間のリンクを示すリンク情報が記述される。
【0027】
パーティションテーブルは、スロット1を識別するスロット番号SL1が記述されたカラム1と、スロット2を識別するスロット番号SL2が記述されたカラム2とによって形成される。つまり、パーティションテーブルに配列されるスロット番号の順序はスロット1および2の配列の順序と一致し、互いに対応するカラム番号およびスロット番号は共通の数値を示す。
【0028】
メモリI/F34は、こうして構成されたフラッシュメモリ36からIPLを読み出し、読み出されたIPLをブートRAM38に書き込む。また、電源の投入によって起動したCPU30は、フラッシュメモリ36に保存されたファームウェアをブートRAM38に格納されたIPLを参照して読み出し、読み出されたファームウェアをメモリ制御回路22を通してSDRAM24に書き込む。CPU30はその後、SDRAM24に格納されたファームウェアを実行する。なお、フラッシュメモリ36に保存されたブートプログラムは緊急時にのみ使用される。
【0029】
起動したファームウェアの下で、CPU30は、メインタスクを実行する。メインタスクでは、キー入力装置32に設けられたモード切り換えスイッチ32swの設定(つまり現時点の動作モード)が判別され、現時点の動作モードに対応するタスクが起動される。現時点の動作モードがカメラモードであれば撮像タスクが起動され、現時点の動作モードが再生モードであれば再生タスクが起動され、そして現時点の動作モードがUSB通信モードであればUSB通信タスクが起動される。
【0030】
なお、USB通信モードは、USBケーブルCBL1の一方端がディジタルカメラ10のUSBデバイス40に装着され、かつUSBケーブルCBL1の他方端が図6に示す外部PC50のUSBデバイス52に装着されることを前提とする。
【0031】
メインタスクではまた、撮像タスクまたは再生タスクの起動に伴って、MBR2の先頭アドレスが有効MBRアドレスとしてレジスタRGST1のカラム1に設定され、パーティションテーブルのカラム2に記述されたスロット番号が有効スロット番号としてレジスタRGST1のカラム1に設定される(図4(A)参照)。
【0032】
メインタスクではさらに、USB通信タスクの起動に伴って、MBR1の先頭アドレスおよびMBR2の先頭アドレスが有効MBRアドレスとしてレジスタRGST1のカラム1および2に設定され、パーティションテーブルのカラム1および2に記述されたスロット番号が有効スロット番号としてレジスタRGST1のカラム1および2に設定される(図4(B)参照)。
【0033】
起動した撮像タスクおよび再生タスクの各々は、このようなレジスタRGST1の設定を参照して、つまり有効MBRアドレスから始まるブートレコードの記述を参照して、フラッシュメモリ38のマッピング状態を認識する。したがって、撮像タスクおよび再生タスクの下では、フラッシュメモリ38は図5(A)に示すマッピングを有するものとして認識される。
【0034】
撮像タスクが起動されると、CPU30は、動画取り込み処理を実行するべく、ドライバ18cに露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しを命令する。ドライバ18cは、周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、イメージャ16の撮像面を露光し、かつ撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージャ16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0035】
信号処理回路20は、イメージャ16から出力された生画像データに白バランス調整,色分離,YUV変換などの処理を施し、これによって生成されたYUV形式の画像データをメモリ制御回路22を通してSDRAM24に書き込む。LCDドライバ26は、SDRAM24に格納された画像データをメモリ制御回路22を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ28を駆動する。この結果、撮像面で捉えられたシーンを表すリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
【0036】
信号処理回路20によって生成された画像データのうち、YデータはCPU30にも与えられる。CPU30は、与えられたYデータに簡易AE処理を施して適正EV値を算出する。算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定され、これによってスルー画像の明るさが適度に調整される。
【0037】
シャッタボタン32shが半押しされると、CPU30は、信号処理回路20から与えられたYデータに厳格AE処理を施して最適EV値を算出する。算出された最適EV値を定義する絞り量および露光時間は、上述と同様、ドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、スルー画像の明るさが厳格に調整される。CPU30はまた、信号処理回路20から与えられたYデータの高周波成分にAF処理を施す。これによってフォーカスレンズ12が合焦点に配置され、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0038】
シャッタボタン32shが全押しされると、CPU30は、記録処理の実行をメモリI/F34に命令する。メモリI/F34は、シャッタボタン32shが操作された時点で捉えられたシーンを表す1フレームの画像データをメモリ制御回路22を通してSDARM24から読み出し、読み出された画像データを収めた画像ファイルをフラッシュメモリ36のデータエリア2に書き込む。メモリI/F34はさらに、この書き込み処理に関連して、画像ファイルの属性情報をディレクトリエントリ2に記述し、画像ファイルが書き込まれた複数のクラスタの間でリンクが形成されるようにFAT2を更新する。
【0039】
再生タスクが起動されると、CPU30は、データエリア2に格納された最新の画像ファイルをディレクトリエントリ2を参照して検出し、検出された画像ファイルに注目した再生処理の実行をメモリI/F34およびLCDドライバ26に命令する。メモリI/F34は、指定された画像ファイルの画像データをFAT2を参照してデータエリア2から読み出し、読み出された画像データをメモリ制御回路22を通してSDRAM24に書き込む。
【0040】
LCDドライバ26は、SDRAM24に格納された画像データをメモリ制御回路22を通して読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ28を駆動する。この結果、指定画像ファイルの画像データに基づく再生画像がLCDモニタ28に表示される。
【0041】
キー入力装置32の送り/戻しボタン32frが操作されると、CPU30は、ディレクトリエントリ2を参照して後続の画像ファイルまたは先行する画像ファイルをデータエリア2から検出する。検出された画像ファイルは上述と同様の再生処理を施され、この結果、再生画像が更新される。
【0042】
ディジタルカメラ10と外部PC50とがUSBケーブルCBL1によって接続されている状態でUSB通信タスクが起動されると、CPU30は、レジスタRGST1の登録情報つまり有効MBRアドレスおよび有効スロット番号をUSBデバイス40を通して外部PC50に転送する。USB通信タスクは、登録情報の転送が完了した後に終了される。
【0043】
図6を参照して、ディジタルカメラ10から転送された登録情報は、USBデバイス52によって取り込まれ、メモリ制御回路54を通してDRAM56に書き込まれる。CPU58は、こうして得られた登録情報を参照して、フラッシュメモリ36のマッピング状態を認識する。フラッシュメモリ36は図5(B)に示すマッピングを有するものとして認識される。
【0044】
CPU58は続いて、認識したスロット1〜2に保存されたファイルの属性を検出するべく、対応する命令をディジタルカメラ10に向けて発行する。発行された命令は、USBデバイス52,USBケーブルCBL1およびUSBデバイス40を通してメモリI/F34に与えられる。メモリI/F34は、スロット1に保存されたファイルの属性情報をディレクトリエントリ1から読み出し、スロット2に保存されたファイルの属性情報をディレクトリエントリ2から読み出し、そして読み出された属性情報を外部PC50に返送する。
【0045】
属性情報は、USBデバイス40,USBケーブルCBL1およびUSBデバイス52を経た後、メモリ制御回路54によってDRAM56に書き込まれる。ディスプレイドライバ60は、こうして取得された属性情報をメモリ制御回路54を通して読み出し、読み出された属性情報に基づいてディスプレイモニタ62を駆動する。この結果、対応するアイコンがモニタ画面に表示される。
【0046】
上述のように、スロット1のデータエリア1には操作マニュアルファイルが保存され、スロット2のデータエリア2には1または2以上の画像ファイルが保存される。したがって、モニタ画面には、操作マニュアルファイルを示すアイコンICN1と1または2以上の画像ファイルを個別に示すアイコンICN2とが図7に示す要領で表示される。
【0047】
キーボード/マウス64によってアイコンICN2がクリックされると、画像取得操作が行われたとみなされる。CPU58は、クリックされたアイコンIC2に対応する画像データをフラッシュメモリ36から取得するべく、対応する命令をディジタルカメラ10に向けて発行する。発行された命令は、USBデバイス52,USBケーブルCBL1およびUSBデバイス40を通してメモリI/F34に与えられる。メモリI/F34は、所望の画像データをFAT2を参照してデータエリア2から読み出し、読み出された画像データを外部PC50に返送する。
【0048】
画像データは、USBデバイス40,USBケーブルCBL1およびUSBデバイス52を経た後、メモリ制御回路54によってDRAM56に書き込まれる。ディスプレイドライバ60は、こうして取得された画像データをメモリ制御回路54を通して読み出し、読み出された画像データに基づいてディスプレイモニタ62を駆動する。この結果、対応する画像がモニタ画面に表示される。
【0049】
キーボード/マウス64によってアイコンIC1がクリックされると、マニュアル取得操作が行われたとみなされる。CPU58は、操作マニュアルデータを取得するべく、対応する命令をディジタルカメラ10に向けて発行する。発行された命令は、上述と同様、USBデバイス52,USBケーブルCBL1およびUSBデバイス40を通してメモリI/F34に与えられる。
【0050】
メモリI/F34は、操作マニュアルデータをFAT1を参照してデータエリア1から読み出し、読み出された操作マニュアルデータを外部PC50に返送する。操作マニュアルデータは、USBデバイス40,USBケーブルCBL1およびUSBデバイス52を経た後、メモリ制御回路54によってDRAM56に書き込まれる。ディスプレイドライバ60は、こうして取得された操作マニュアルデータをメモリ制御回路54を通して読み出し、読み出された操作マニュアルデータに基づいてディスプレイモニタ62を駆動する。この結果、操作マニュアルがモニタ画面に表示される。
【0051】
CPU30は、図8〜図9に示すメインタスクを動作モードに関係なく実行し、カメラモードが選択されたときに図10に示す撮像タスクを実行し、再生モードが選択されたときに図11に示す再生タスクを実行し、そしてUSB通信モードが選択されたときに図12に示すUSB通信タスクを実行する。
【0052】
図8を参照して、ステップS1では現時点の動作モードがカメラモードであるか否かを判別し、ステップS3では現時点の動作モードが再生モードであるか否かを判別する。また、ステップS17では現時点の動作モードがUSB通信モードであるか否かを判別する。
【0053】
ステップS1でYESであればステップS5で撮像タスクを起動し、ステップS3でYESであればステップS7で再生タスクを起動する。ステップS5またはS7の処理が完了するとステップS9に進み、MBR2の先頭アドレスをレジスタRGST1のカラム1に有効MBRアドレスとして設定する。ステップS11では、パーティションテーブルのカラム2に記述されたスロット番号を有効スロット番号としてレジスタRGST1のカラム1に設定する。
【0054】
ステップS13ではモード切り換え操作が行われたか否かを繰り返し判別し、判別結果がNOからYESに更新されると起動中のタスクをステップS15で停止する。停止処理が完了すると、ステップS1に戻る。
【0055】
ステップS17でYESであれば、ステップS19でUSB通信タスクを起動する。ステップS21ではMBR1の先頭アドレスをレジスタRGST1のカラム1に有効MBRアドレスとして設定し、ステップS23ではパーティションテーブルのカラム1に記述されたスロット番号を有効スロット番号としてレジスタRGST1のカラム1に設定する。
【0056】
ステップS25ではMBR2の先頭アドレスをレジスタRGST1のカラム2に有効MBRアドレスとして設定し、ステップS27ではパーティションテーブルのカラム2に記述されたスロット番号を有効スロット番号としてレジスタRGST1のカラム2に設定する。ステップS27の処理が完了すると、ステップS13に進む。
【0057】
なお、現時点の動作モードがカメラモード,再生モードおよびUSB通信モードのいずれでもなければ、ステップS29で他の処理を実行し、その後にステップS15に進む。
【0058】
図10を参照して、ステップS31では、図4(A)に示す要領で設定されたレジスタRGST1を参照して、フラッシュメモリ36のマッピング状態を認識する。この結果、フラッシュメモリ36は図4(A)に示すマッピングを有するものとして認識される。ステップS33では、動画取り込み処理を実行する。この結果、撮像面で捉えられたシーンを表すスルー画像がLCDモニタ28に表示される。ステップS35ではシャッタボタン32shが半押しされたか否かを判別し、判別結果がNOである限り、ステップS37の簡易AE処理を繰り返す。この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。
【0059】
シャッタボタン32shが半押しされると、ステップS39で厳格AE処理を実行し、ステップS41でAF処理を実行する。この結果、スルー画像の明るさおよび鮮鋭度が厳格に調整される。ステップS43ではシャッタボタン32shが全押しされたか否かを判別し、ステップS45ではシャッタボタン32shの操作が解除されたか否かを判別する。
【0060】
ステップS45でYESと判断されたときは、そのままステップS35に戻る。また、ステップS43でYESであれば、ステップS47で記録処理を実行する。この結果、シャッタボタン32shが全押しされた時点の画像データを収めた画像ファイルがフラッシュメモリ36のデータエリア2に新規に書き込まれ、新規画像ファイルの属性情報がディレクトリエントリ2に記述され、そして新規画像ファイルが書き込まれた複数のクラスタの間でリンクが形成されるようにFAT2が更新される。記録処理が完了すると、ステップS35に戻る。
【0061】
図11を参照して、ステップS51では、図4(A)に示す要領で設定されたレジスタRGST1を参照して、フラッシュメモリ36のマッピング状態を認識する。この結果、フラッシュメモリ36は図5(A)に示すマッピングを有するものとして認識される。ステップS53では、ディレクトリエントリ2の記述を参照してデータエリア2上の最新の画像ファイルを検出し、検出された画像ファイルを再生ファイルとして指定する。ステップS55では、指定画像ファイルに注目した再生処理をメモリI/F34およびLCDドライバ26に命令する。
【0062】
メモリI/F34は、指定画像ファイルに収められた画像データをFAT2を参照してデータエリア2から読み出し、読み出された画像データをメモリ制御回路22を通してSDRAM24に書き込む。LCDドライバ26は、SDRAM24に格納された画像データをメモリ制御回路22を通して読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ28を駆動する。この結果、再生画像がLCDモニタ28に表示される。
【0063】
ステップS57では画像送り/戻しボタン32frが操作されたか否かを判別する。判別結果がNOからYESに更新されるとステップS59に進み、ディレクトリエントリ2を参照して次の画像ファイルまたは前の画像ファイルを指定する。指定処理が完了すると、ステップS55に戻る。この結果、別の再生画像がLCDモニタ28に表示される。
【0064】
図12を参照して、ステップS61では、ディジタルカメラ10と外部PC50とがUSBケーブルCBL1によって互いに接続されているか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS63で既定の報知を出力し、その後にステップS61に戻る。判別結果がYESであればステップS65に進み、レジスタRGST1の登録情報をUSBデバイス40を通して外部PC50に転送する。USB通信タスクは、転送が完了した後に終了される。
【0065】
外部PC50に設けられたCPU58は、図13に示すフロー図に従う処理を実行する。なお、このフロー図に対応する制御プログラムは、HDD66に記憶される。
【0066】
ステップS71では、ディジタルカメラ10から転送されたレジスタRGST1の登録情報を参照して、フラッシュメモリ36のマッピング状態を認識する。この結果、フラッシュメモリ36は図5(B)に示すマッピングを有するものとして認識される。
【0067】
ステップS73では、スロット1〜2の各々に保存されたファイルの属性を検出するべく、対応する命令をディジタルカメラ10に向けて発行する。これに対してディジタルカメラ10から返送された属性情報は、メモリ制御回路54によってDRAM56に書き込まれる。ディスプレイモニタ62には、こうして取得された属性情報に対応するアイコンIC1およびIC2が図7に示す要領で表示される。
【0068】
ステップS75では画像取得操作(アイコンIC2のクリック)が行われたか否かを判別し、ステップS79ではマニュアル取得操作(アイコンIC1のクリック)が行われたか否かを判別する。
【0069】
ステップS75の判別結果がYESであれば、クリックされたアイコンIC2に対応する画像データをフラッシュメモリ36から取得するべく、対応する命令をディジタルカメラ10に向けて発行する。これに対してディジタルカメラ10から返送された画像データは、メモリ制御回路54によってDRAM56に書き込まれる。ディスプレイドライバ60には、こうして取得された画像データに基づく画像が表示される。
【0070】
ステップS79の判別結果がYESであれば、操作マニュアルデータを取得するべく、対応する命令をディジタルカメラ10に向けて発行する。これに対してディジタルカメラ10から返送された操作マニュアルデータは、メモリ制御回路54によってDRAM56に書き込まれる。ディスプレイドライバ60には、こうして取得された操作マニュアルデータに基づく操作マニュアルが表示される。
【0071】
以上の説明から分かるように、メモリI/F34は、スロット1〜2が形成されたフラッシュメモリ36にアクセスする。動作モードは、モード切り換えスイッチ32swによって、カメラモード(画像記録モード),再生モード(画像再生モード)およびUSB通信モード(マニュアル読み出しモード)の間で切り換えられる。CPU30は、モード切り換えスイッチ32swによって選択された動作モードに応じて異なる態様で、スロット1〜2の少なくとも1つを指定する(S9~S11, S21~S27)。選択された動作モードがカメラモードまたは再生モードであれば、CPU30は、指定されたスロットの識別情報(MBRの先頭アドレスおよびスロット番号)を参照してメモリI/F34の処理動作を制御する(S31, S47, S51, S55)。一方、選択された動作モードがUSB通信モードであれば、CPU30は、指定されたスロットの識別情報を外部PC50による参照のために送出する(S65)。
【0072】
フラッシュメモリ36に形成されたスロット1〜2の指定態様ひいてはフラッシュメモリ36から読み出されるデータないし情報は、カメラモードまたは再生モードが選択されたときとUSB通信モードが選択されたときとで異なる。これによって、フラッシュメモリ36に収めるデータないし情報の多様性を高めることができる。
【0073】
また、指定されたスロットの識別情報は、カメラモードまたは再生モードが選択されたとき内部のメモリI/F34によって参照される一方、USB通信モードが選択されたとき外部PC50による参照のために送出される。これによって、USB通信モードの下でのアクセス処理に掛かる負荷を低減することができる。
【0074】
さらに、この実施例では、操作マニュアルを管理するスロット1がファームウェアに接する位置に設けられる。これによって、IPL,ブートプログラム,ファームウェアおよびスロット1をROMライタを利用して一度にフラシュメモリ36に書き込むことができ、製造に要する時間を短縮することができる。
【0075】
なお、この実施例ではディジタルカメラを想定しているが、この発明は複数の動作モードを有して記録媒体にアクセスするあらゆる電子機器に適用することができる。
【0076】
また、この実施例では、プログラムおよびデータをNAND型のフラッシュメモリ36に統一的に保存するようにしているが、プログラムおよびデータをNOR型のフラッシュメモリとNAND型のフラッシュメモリとに分散して保存するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0077】
10 …ディジタルカメラ
16 …イメージャ
20 …信号処理回路
24 …SDRAM
30 …CPU
36 …NAND型フラッシュメモリ
38 …ブートRAM
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパーティションが形成された記録媒体にアクセスするアクセス手段、
第1モードおよび第2モードのいずれか一方を選択する選択手段、
前記複数のパーティションの少なくとも一部を前記選択手段によって選択されたモードに応じて異なる態様で指定する指定手段、
前記選択手段によって選択されたモードが前記第1モードであるとき前記指定手段によって指定されたパーティションの識別情報を参照して前記アクセス手段の処理動作を制御する制御手段、および
前記選択手段によって選択されたモードが前記第2モードであるとき前記指定手段によって指定されたパーティションの識別情報を外部装置による参照のために送出する送出手段を備える、アクセス制御装置。
【請求項2】
前記複数のパーティションの各々はブートレコードを有し、
前記制御手段は前記識別情報によって識別されたパーティションのブートレコードに基づいて前記記録媒体のマッピング状態を認識する認識手段を含む、請求項1記載のアクセス制御装置。
【請求項3】
前記指定手段は指定すべきパーティションの識別情報をレジスタに登録し、
前記アクセス手段および前記送出手段の各々は前記レジスタを参照して処理を実行する、請求項1または2記載のアクセス制御装置。
【請求項4】
前記複数のパーティションは画像データを格納する第1パーティションを含み、
前記第1モードは画像記録/再生モードを含む、請求項1ないし3のいずれかに記載のアクセス制御装置。
【請求項5】
前記複数のパーティションは操作マニュアルデータを格納する第2パーティションを含み、
前記第2モードはマニュアル読み出しモードを含む、請求項1ないし4のいずれかに記載のアクセス制御装置。
【請求項6】
前記記録媒体はファームウェアを格納し、前記第2パーティションは前記ファームウェアに接する位置に形成される、請求項5記載のアクセス制御装置。
【請求項7】
複数のパーティションが形成された記録媒体にアクセスするアクセス手段、および第1モードおよび第2モードのいずれか一方を選択する選択手段を備えるアクセス制御装置のプロセッサに、
前記複数のパーティションの少なくとも一部を前記選択手段によって選択されたモードに応じて異なる態様で指定する指定ステップ、
前記選択手段によって選択されたモードが前記第1モードであるとき前記指定ステップによって指定されたパーティションの識別情報を参照して前記アクセス手段の処理動作を制御する制御ステップ、および
前記選択手段によって選択されたモードが前記第2モードであるとき前記指定ステップによって指定されたパーティションの識別情報を外部装置による参照のために送出する送出ステップを実行させるための、アクセス制御プログラム。
【請求項8】
複数のパーティションが形成された記録媒体にアクセスするアクセス手段、および第1モードおよび第2モードのいずれか一方を選択する選択手段を備えるアクセス制御装置によって実行されるアクセス制御方法であって、
前記複数のパーティションの少なくとも一部を前記選択手段によって選択されたモードに応じて異なる態様で指定する指定ステップ、
前記選択手段によって選択されたモードが前記第1モードであるとき前記指定ステップによって指定されたパーティションの識別情報を参照して前記アクセス手段の処理動作を制御する制御ステップ、および
前記選択手段によって選択されたモードが前記第2モードであるとき前記指定ステップによって指定されたパーティションの識別情報を外部装置による参照のために送出する送出ステップを備える、アクセス制御方法。
【請求項1】
複数のパーティションが形成された記録媒体にアクセスするアクセス手段、
第1モードおよび第2モードのいずれか一方を選択する選択手段、
前記複数のパーティションの少なくとも一部を前記選択手段によって選択されたモードに応じて異なる態様で指定する指定手段、
前記選択手段によって選択されたモードが前記第1モードであるとき前記指定手段によって指定されたパーティションの識別情報を参照して前記アクセス手段の処理動作を制御する制御手段、および
前記選択手段によって選択されたモードが前記第2モードであるとき前記指定手段によって指定されたパーティションの識別情報を外部装置による参照のために送出する送出手段を備える、アクセス制御装置。
【請求項2】
前記複数のパーティションの各々はブートレコードを有し、
前記制御手段は前記識別情報によって識別されたパーティションのブートレコードに基づいて前記記録媒体のマッピング状態を認識する認識手段を含む、請求項1記載のアクセス制御装置。
【請求項3】
前記指定手段は指定すべきパーティションの識別情報をレジスタに登録し、
前記アクセス手段および前記送出手段の各々は前記レジスタを参照して処理を実行する、請求項1または2記載のアクセス制御装置。
【請求項4】
前記複数のパーティションは画像データを格納する第1パーティションを含み、
前記第1モードは画像記録/再生モードを含む、請求項1ないし3のいずれかに記載のアクセス制御装置。
【請求項5】
前記複数のパーティションは操作マニュアルデータを格納する第2パーティションを含み、
前記第2モードはマニュアル読み出しモードを含む、請求項1ないし4のいずれかに記載のアクセス制御装置。
【請求項6】
前記記録媒体はファームウェアを格納し、前記第2パーティションは前記ファームウェアに接する位置に形成される、請求項5記載のアクセス制御装置。
【請求項7】
複数のパーティションが形成された記録媒体にアクセスするアクセス手段、および第1モードおよび第2モードのいずれか一方を選択する選択手段を備えるアクセス制御装置のプロセッサに、
前記複数のパーティションの少なくとも一部を前記選択手段によって選択されたモードに応じて異なる態様で指定する指定ステップ、
前記選択手段によって選択されたモードが前記第1モードであるとき前記指定ステップによって指定されたパーティションの識別情報を参照して前記アクセス手段の処理動作を制御する制御ステップ、および
前記選択手段によって選択されたモードが前記第2モードであるとき前記指定ステップによって指定されたパーティションの識別情報を外部装置による参照のために送出する送出ステップを実行させるための、アクセス制御プログラム。
【請求項8】
複数のパーティションが形成された記録媒体にアクセスするアクセス手段、および第1モードおよび第2モードのいずれか一方を選択する選択手段を備えるアクセス制御装置によって実行されるアクセス制御方法であって、
前記複数のパーティションの少なくとも一部を前記選択手段によって選択されたモードに応じて異なる態様で指定する指定ステップ、
前記選択手段によって選択されたモードが前記第1モードであるとき前記指定ステップによって指定されたパーティションの識別情報を参照して前記アクセス手段の処理動作を制御する制御ステップ、および
前記選択手段によって選択されたモードが前記第2モードであるとき前記指定ステップによって指定されたパーティションの識別情報を外部装置による参照のために送出する送出ステップを備える、アクセス制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−216101(P2012−216101A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81365(P2011−81365)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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