説明

アクリル系感圧接着剤

【課題】これまでの制約を克服したアクリル系ポリマー系の接着剤溶液に対するニーズに応える。
【解決手段】薬剤を分散するのに適当な溶液アクリル系ポリマーは、経皮薬剤送達の適用に特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に規定された溶解度パラメーターを有する溶剤中のアクリル系感圧接着剤の溶液に関する。
【背景技術】
【0002】
溶液のアクリル系感圧接着剤(PSAs)は、通常、裏打とPSA組成物を含む感圧接着剤テープの製造に用いられる。PSA組成物が広範に使用される分野は医療セグメント、例えば、各種テープ、絆創膏、包帯および薬剤送達デバイスである。例えば、経皮薬剤送達パッチは次の様にして製造できる。溶剤中で接着剤溶液と薬剤および添加剤とを混合して均一な溶液あるいは懸濁剤を形成することにより塗布製剤を調製し、公知のナイフ塗布法、ロール塗布法あるいは押出しダイス塗布法を用いて製剤を基材(裏打あるいは剥離ライナー)に塗布し、塗布された基材を乾燥して溶剤を除去し、露出している表面を剥離ライナーあるいは裏打に積層する。
【0003】
酢酸エチル等の有機溶剤が、感圧接着剤溶液組成物を調製するのに通常使用される。経皮パッチの製造に使用される場合、活性成分、例えば、薬剤は溶液中に溶解する。経皮パッチからの一定の流出速度を達成するためには、接着剤マトリックスに溶解度限界を超える薬剤濃度を負荷することがしばしば必要であり、これにより角質層を横断して一定の濃度勾配を維持する。薬剤が接着剤溶液に完全に可溶性であるならば、薬剤はポリマー中に薬剤の過飽和溶液として乾燥マトリックス中に溶解している傾向にある。より大きな濃度勾配を作るために、設計によりこの事が行なわれることもあるが、薬剤の置換貯蔵部が無いので、流出は時間と共に減少する。必要な用量と較べて厚い接着剤マトリックスに溶解した大量の薬剤を使用することにより枯渇の影響を最小化する試みは、薬剤の不経済で低い利用度をもたらすことになる。
【0004】
過飽和についての主たる問題は、熱力学は結晶化に有利だが、核形成が必要なのでこのプロセスの速度は遅く、予測できないということである。かくしてパッチ開発者は、製剤と乾燥の工程の際に薬剤を分散させて置こうとするかも知れない。しかし、多くの薬剤は接着剤の溶剤システムに可溶性であり過ぎて簡単に分散できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記制約を克服したアクリル系ポリマーに基づく接着剤溶液に対するニーズが当分野に存在している。本発明はこの様なニーズに取り組むものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、活性成分(例えば、薬剤)が完全に溶解しているのではなくて分散している有機溶液中のアクリル系PSAを提供する。乾燥工程の際に活性成分が少なくとも部分的に分散していれば、過飽和が避けられる。
【0007】
本発明の一実施態様は、少量の芳香族炭化水素を含んでよい溶剤あるいは溶剤の混合物を含む溶液のアクリル系PSAsに向けられる。この溶剤あるいは溶剤混合物は、17.8MPa1/2未満で12MPa1/2以上、あるいは21.1MPa1/2以上で40MPa1/2以下の溶解度パラメーターを有する。好ましくは、溶解度パラメーターが約14〜約17.7MPa1/2の範囲、あるいは約23〜約30MPa1/2の範囲にある。
【0008】
本発明の別の目的は、17.1MPa1/2未満で12MPa1/2以上、あるいは約21.1MPa1/2より大で40MPa1/2MPa1/2以下の溶解度パラメーターを有する溶剤あるいは溶剤の混合物を含む溶液アクリル系PSAsに向けられる。好ましくは、溶解度パラメーターは約14〜約17MPa1/2の範囲、あるいは約23〜30MPa1/2の範囲にある。
【0009】
本発明のなお別の実施態様は、特定の溶解度パラメーターを有し、少なくとも部分的に分散した活性成分を有する溶剤あるいは溶剤混合物を含む溶液アクリル系PSAsに向けられる。
【0010】
本発明のなお別の実施態様は、特定の溶解度パラメーターを有し、分散した活性成分を有する溶剤あるいは溶剤混合物を含む溶液アクリル系PSAsを使用して製造された品物を提供する。この接着剤は、接着的に皮膚に付着させるテープ、絆創膏、包帯および経皮薬剤送達システムの様な品物の製造に十分に適している。高い溶解度パラメーターの溶剤中のアクリル系ポリマーは、高親油性薬剤の送達に特によく適合している。反対に、低い溶解度パラメーターの溶剤中のアクリル系ポリマーは、より親水性の薬剤の送達に特によく適している。
さらなる実施態様は、特定の溶解度パラメーターを有し、少なくとも部分的に分散した活性成分を有する溶剤あるいは溶剤混合物を含む溶液アクリル系PSAsを裏打基材に塗布することからなる、品物を製造する方法に向けられる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】固体ベースで15重量%のケトプロフェンの、実施例2(比較例)(A)および実施例1(B)のポリマー溶液への添加を比較する写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
発明の詳細な説明
ここに引用するすべての参考文献は、参照することによってそのまま組入れる。
本発明は、通常の接着剤溶液に可溶性の活性成分を分散させるのに適当な、溶液アクリル系感圧接着剤を提供する。通常の範囲外の溶解度パラメーターを有する溶剤中で調製された溶液アクリル系PSAsは、これまで可能だったものよりも薬剤の広い範囲の分散を可能にし、乾燥工程の際にこれらの薬剤は分散されたままであって、かくして薬剤の過飽和が避けられる。一実施態様において、本発明の溶液PSAsは、17.8MPa1/2未満で12MPa1/2以上、あるいは21.1MPa1/2以上で40MPa1/2以下の溶解度パラメーターを有する溶剤あるいは溶剤のブレンド(これらは少量の芳香族炭化水素を含むことができる)を含む。本発明の別の実施態様においては、本発明の溶液アクリル系PSAsは、17.1MPa1/2未満で12MPa1/2以上、あるいは約21.1MPa1/2以上で40MPa1/2以下の溶解度パラメーターを有する溶剤あるいは溶剤ブレンドを含む。
【0013】
表1はいろいろな溶剤の溶解度パラメーター(δ)を示す。溶剤ブレンドの溶剤の溶解度パラメーターは、成分溶剤の蒸発エンタルピーについての公開されたデータから計算した。市販のヘキサンあるいはヘプタンなどの石油溜出物についての値は、GC分析により決定されたこれらの成分異性体についての公開されたデータから同様に計算した。
【0014】
成分溶剤の溶解度パラメーターδはここでは次の式により定義される。
δ=(Ecoh/V1/2 (1)
ここにVは分子体積であり、Ecohは次式から計算される凝集エネルギー密度である。
coh=ΔHvap−pΔV≒ΔHvap−RT (2)
ここにΔHvapは蒸発のエンタルピーであり、Rは普遍気体定数であり、Tは絶対温度である。値はT=298K(25℃)で計算される。溶解度パラメーターの計算は、例えば「溶解度パラメーターおよび他の凝集パラメーターCRCハンドブック」A.F.M. Barton, CRC Press, New York (1983)に論じられ、その開示は、ここに、そのまま組入れられる。溶解度パラメーターの計算について多くの半経験的、原子団寄与法が提案されていることが認められる。本発明の目的のために、これらの数値は、式(1)および(2)で定義される25℃で実験的に決定されるエンタルピーデータから計算される。n溶剤の混合物の溶解度パラメーターは、これらの溶剤の体積分率vの重みを掛けたそれぞれの成分溶剤の各々についてのδの和により与えられる(Barton同書参照)。
【0015】
【数1】

【0016】
経皮薬剤送達に用いる通常の溶液アクリル系感圧接着剤を、低毒性で乾燥オブン中において直ちに除去できる十分に低沸点の純粋溶剤であるという利点を有する酢酸エチル(δ=18.4MPa1/2)中で重合させる。設計(例えば、分子量を制御する)により、あるいは非薬剤送達における歴史的先行使用の故に、より複雑な溶剤混合物が一般に用いられている。かくして、代表的な通常のアクリル系溶液PSAは、炭化水素溶剤および、金属アルコキシドあるいはキレートにより架橋されているならば、安定化アルコールおよびケトンをも含むことができる。市販の経皮薬剤送達適用のアクリル系溶液感圧接着剤には、溶解度パラメーターが17.1MPa1/2≦δ≦21.1MPa1/2の範囲に入る溶剤混合物を用いる。トルエンの様な芳香族炭化水素溶剤の毒性に対する関心の増大の故に、芳香族炭化水素を本質的に含まない溶剤混合物が好まれる。芳香族炭化水素を含まない市販のアクリル系溶液感圧接着剤には、溶解度パラメーターが17.8MPa1/2≦δ≦21.1MPa1/2の範囲に入る溶剤混合物を用いる。
【0017】
17.1MPa1/2未満で12MPa1/2以上、あるいは21.1MPa1/2以上で40MPa1/2以下の溶解度パラメーターを有する溶剤あるいは溶剤混合物を用いた溶液感圧接着剤が本発明に含まれる。一実施態様において、溶解度パラメーターは約14〜約17MPa1/2の範囲、あるいは約23〜約30MPa1/2の範囲にある。
【0018】
17.8MPa1/2未満で12MPa1/2以上、あるいは21.1MPa1/2以上で40MPa1/2以下の溶解度パラメーターを有し、必要ならば全溶剤に対して約10重量%以下の芳香族炭化水素を含む溶剤あるいは溶剤混合物を用いた溶液感圧接着剤もまた本発明に含まれる。一実施態様において、溶解度パラメーターは約14〜約17.7MPa1/2の範囲、あるいは約23〜約30MPa1/2の範囲にある。
【0019】
【表1】

データ源:「Handbook of Chemistry and Physics」78th de., David R. Lide ed., CRC Press, New York (1997-8)
【0020】
感圧接着剤の調製に使用されるアクリル系ポリマーは制限的でない。アクリル系ポリマーは感圧性であっても良いし、感圧性でなくても良い。ここに用いられている「感圧接着剤」なる語は、僅かな圧を加えると大抵の基材に直ちに接着し持続的に粘着性となっている粘弾性材料を指す。もしポリマーがそれ自身感圧接着剤の性質を持つか、粘着付与剤、可塑剤あるいは他の添加剤と混合することにより感圧接着剤として機能するならば、ここに用いられている語の意味の範囲内でポリマーは感圧接着剤である。
【0021】
アクリル系ポリマーは、典型的には少なくとも一つの低ガラス転移温度(Tg)のアクリル酸アルキルモノマーからなる。低Tgモノマーは約0℃より低いホモポリマーTgを有するモノマーである。本発明を実施するために使用できる好ましいアクリル酸アルキルは、アルキル基中に約18の炭素原子、好ましくは約4〜約12の炭素原子を有する。本発明に用いるアクリル酸アルキルの例には、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2‐エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、これらの異性体、およびこれらの組合せが含まれる。これらのうち、アクリル酸ブチル、アクリル酸2‐エチルヘキシル、および/またはアクリル酸イソオクチルが特に好ましく、アクリル酸2‐エチルヘキシルが最も好ましい。
【0022】
アクリル系ポリマーはまた一つ以上のビニルエステルモノマーを含んでいてよく、酢酸ビニルが特に好まれ、および/または一つ以上の官能性モノマーを含んでいてよい。カルボキシおよび/またはヒドロキシ官能性モノマーが好まれる。有用なカルボン酸は好ましくは約3〜約6の炭素原子を含み、とりわけアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリル酸β‐カルボキシエチルなどが含まれる。アクリル酸、メタクリル酸およびこれらの混合物が特に好まれる。ヒドロキシ官能性モノマーの例としては、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシエチルおよびメタクリル酸ヒドロキシプロピルが含まれる。アクリル酸ヒドロキシエチルの使用が好ましい。
【0023】
接着剤は、また窒素含有化合物、特にN‐置換アクリルアミドあるいはメタクリルアミドをも含んでよい。例には、N‐ビニルピロリドン、N‐ビニルカプロラクタム、N‐第三オクチルアクリルアミド(t‐オクチルアクリルアミド)、ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N‐第三ブチルアクリルアミド、N‐イソプロピルアクリルアミド、N‐ビニルアセトアミドおよび/またはN‐ビニルホルムアミドが含まれる。
【0024】
必要ならば、アクリル系ポリマーは更に高ガラス転移温度(すなわち、約0℃より高いTg)を有するモノマーを含む他の公知のコモノマーを含んでいてよい。非制限的例には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチルおよび/またはメタクリル酸イソブチルが含まれる。他のコモノマーをアクリル系ポリマーのTgを改変するために使用できる。このようなコモノマーにはスチレン、アクリルアミドあるいはメタクリルアミドなどのアミド、および/またはアクリロニトリルあるいはアクリル酸シアノエチルなどのニトリルが含まれる。
【0025】
溶液のゲル化なしに凝集力を高めるのに十分な少量の架橋可能な多官能性モノマーが使用でき、それには、例えば、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、ジ(メタ)アクリル酸ヘキサンジオールなどが含まれる。
【0026】
本発明の接着剤組成物は、また必要ならば、接着剤に官能性を付与するために、あるいは特定の薬剤あるいは添加剤と相溶性のために、例えば、メタクリル酸2‐(ジエチルアミノ)エチルのようなアミンを含んでよい。
【0027】
本発明の接着剤は、また、アクリル系ポリマーとブレンドされるポリマーを含んでいても良く、そして、ポリジメチルシロキサンおよびポリメチルフェニルシロキサンなどのシリコーンポリマー、並びにポリイソ‐ブチレンおよびスチレン‐イソプレン‐スチレン ブロックコポリマーなどのラバーポリマーを含む他のタイプのポリマーをさらに含む。
【0028】
アクリル系ポリマーあるいはこれらのポリマーのブレンドに加えて、本発明の接着剤組成物は、必要ならば相溶性粘着付与剤および/または可塑剤および/または皮膚透過促進剤を含んでよい。アクリル系ポリマーおよび任意の粘着付与剤、可塑剤および/または透過促進剤は、意図した最終使用に必要な望ましい性質を生じさせるのに効果的な量で選択され、使用される。
【0029】
接着剤組成物は、望むならば、架橋剤と配合されても良い。架橋剤の使用は、凝集力を増大させる。化学架橋剤が好ましい。殊に、本発明を実施するためにアルミニウムあるいはチタンを含む架橋剤を使用できる。非制限的例には、アルミニウム トリス(アセチルアセトナート)およびビス(2,4‐ペンタンジオナート‐0,0’)ビス(2‐プロパノラート)チタニウムが含まれる。架橋剤は典型的には、アクリル系ポリマーの約0.3〜約2重量%の量で添加される。
【0030】
本発明の組成物には、異なる性質を満たし、特定の適用の要求を満足させるために当該技術に精通する者に公知の他の添加剤を含ませてよい。この様な添加剤には、例えば、抗酸化剤、充填剤、顔料、レオロジー改変剤が含まれ、これらは目的に応じて、接着剤製剤に少量あるいは大量に混合できる。
【0031】
接着剤は皮膚を通して(経皮の)薬剤を送達するのに有用であり、あるいは活性成分を皮膚へ(皮膚の)送達するのに有用である。送達工程は、接着剤組成物中に浸透促進剤を含ませることにより助力できる。最終固体接着剤中の促進剤のレベルは、活性成分の望ましい流出により決定され、常温流れに対する抵抗への要求により制限され得る。接着剤ポリマーの固形分に対し、約30%以下、より典型的には約5〜約15%の浸透促進剤添加を用いてよい。
【0032】
アクリル系接着剤ポリマー組成物は、活性治療剤および促進剤、可塑剤、架橋剤、粘着付与剤および/または存在するならば他の添加剤を含む全添加成分を考慮に入れた最終製剤で良好な感圧接着剤の性質が達成される様に設計する必要が有るということは当該技術に精通する者には明瞭である。更にこの様な添加剤は、ポリマーに対する液体ビヒクルの溶解度パラメーターを変化させる可能性があることは明らかであり、薬剤を溶液中に少なくとも部分的に分散させる能力を考慮する時に、このことを考慮する必要が有るということは明らかである。ここに使われている部分的分散とは、接着剤溶液と混合する際に、活性成分の一部のみが溶液中に入り込み、残りは溶液内で固体粒子として懸濁しているということを意味する。同様に、乾燥後での、部分的分散なる語は、活性成分の一部が接着剤マトリックス中に溶解し、残りは接着剤マトリックスに固体粒子として分布していることを意味する様意図している。
【0033】
接着剤は、例えば、傷の手当て、経皮あるいは皮膚薬剤あるいは薬用化粧品の送達適用などの医療応用に使用するために有用に処方できる。経皮なる語は、皮膚を、局所塗布により薬剤の送達の門として使用することを指す。局所に塗布された薬剤は皮膚中に入るか、皮膚を通り抜ける。かくして、「経皮の」なる語は、局所的に、すなわち、皮膚の表面あるいは皮膚の内部で作用する薬剤の局所送達、例えば、にきびの治療に使用される傷パッチ、および皮膚を通して拡散し血液流に入ることにより系統的に作用する薬剤の局所塗布を指すのに広く使われる。
【0034】
分散した活性成分を有する本発明の感圧接着剤は、医療テープおよび経皮薬剤送達パッチを含む経皮薬剤送達システム、診断パッチ、皮膚活性成分送達用皮膚パッチおよびスキンケア機能を提供するパッチを非制限的に含む接着剤品物の製造に有利に使用され得る。
【0035】
一実施態様においては、接着剤品物は第一主要面と第二主要面を有する裏打の少なくとも一つの主要面に塗布された接着剤を含む。接着剤は裏打の片面あるいは両面に存在することができる。接着剤が裏打の両面に塗布される場合には、各面上の接着剤は同一でも異なっていてもよい。一実施態様は、少なくとも部分的に分散した治療薬剤を含む接着剤層および裏打層を含む経皮薬剤送達システムに向けられている。別の実施態様においては、薬剤送達システムはまた剥離層を含む。患者が剥離ライナーを接着剤から剥がし、パッチを当てがうと、薬剤は角質層(外皮層)を区画し(partitions into)、表皮と真皮を透過する。
【0036】
本発明の実施に用いることが出来る裏打には、改質しあるいは改質なしの、金属箔、金属被覆した多重箔、複合箔あるいはポリテトラフロロエチレン(テフロン(登録商標)(商品名)‐タイプ材料あるいはこれと同等の物、ポリエーテルブロックアミドコポリマー、ポリウレタン、塩化ポリビニリデン、ナイロン、シリコーンエラストマー、ラバーベースのポリイソブチレンスチレン、スチレン‐ブタヂエン共重合体およびスチレン‐イソプレン共重合体、ポリエチレン、ポリエステルおよび経皮薬剤送達の技術に用いられる他の材料を含むフィルムが含まれる。ポリオレフィン、例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレン、およびポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルなどの熱可塑性ポリマーが特に好まれる。
【0037】
「薬剤(ドラッグ)」なる語は、ここでは、若干の治療の利益を生じるように意図された任意の剤(薬剤)(agent)を意味する、その最も広い意味で解すべきである。「剤」は、薬物的に活性で有っても無くても良いが、人体に効果を有するという意味で「生体活性」である。「剤」は障害の治療あるいは改変をするのに使用され、この障害は病気に関する(pathological)、すなわち、病気(disease)の状態で有っても無くてもよい。「薬剤(drug)」、「生体活性剤(bioactive agent)」、「製剤(preparation)」、「薬剤(medicament)」、「治療薬剤(therapeutic agent)」、「病気に関する薬剤(physiological agent)」および「薬剤(pharmaceutical agent)」はここでは互換性をもって使用され、障害あるいは病気の状態の診断、治癒、鎮静、進行阻止、治療あるいは予防に用いられる物質あるいは体の構造あるいは機能に影響する物質を含む。例えば、皮膚を柔らかくし、湿分を持たせる皮膚健康剤(skin‐wellness agents)はこの語に含まれる。「治療(treatment)」なる語は、障害の予防、改変、治癒および抑制を含むように広範に使用される。
【0038】
本発明の薬剤送達デバイス中には、薬剤が治療に効果的な量で、すなわち、本発明の製剤が適用される障害の治療に望ましい治療結果をもたらすのに効果的な量で存在する。薬剤の効果的な量とは、非毒性で、特定の期間にわたり選択した効果を提供するのに十分な量を意味する。治療上効果的な量を構成する量は、デバイス中に入れた特定の薬剤、治療を受ける障害、選択した薬剤と一緒に送達される薬剤、望ましい治療期間、デバイスを置く皮膚の表面積および薬剤送達デバイスの他の成分により変化する。熟練した開業医によりこの様な量は直ちに決定可能である。
【0039】
薬剤に加えて、本発明の薬剤送達システムは、また、効果的な量の浸透促進剤を有利に含むことができる。浸透促進剤の効果的な量とは、膜浸透性の選択した増加、送達速度および薬剤の量を提供する量を意味する。
【0040】
本発明のデバイスは、皮膚上に置かれ、意図した治療効果を達成あるいは維持するに十分な時間保持される。十分な時間を構成する時間とは、当該技術に精通した者により本発明のデバイスの流出速度および治療される障害を考慮して選択することができる。
【0041】
本発明の送達デバイスが使用される治療領域、および本発明のデバイスに入れることができる薬剤製品の例には、失禁(オキシブチニン)の治療、中枢神経系障害(メチルフェニダート)、ホルモン治療および避妊(エストラジオール、テストステロン、プロジェスチン、プロジェステロン、レボノルジェストレル)、心臓血管の(ニトログリセリン、クロニジン)および強心薬(例えば、ジギタリス、ジゴキシン)、痛み管理あるいは抗炎症(フェンタニル、リドカイン、ジクロフェナック、フルルビプロフェン)、化粧品(過酸化ベンゾイル、サルチル酸、ビタミンC、ビタミンE、芳香性オイル)、制吐剤(スコパラミン)、禁煙(ニコチン)、抗炎症障害、ステロイドの(例えば、ヒドロコルチゾン、プレドニソロン、トリアムシノロン)および非ステロイドの(例えば、ナプロキセン、ピロキシカム)治療、抗菌剤(例えば、ペニシリンVなどのペニシリン類、セファレキシンなどのセファロスポリン類、エリスロマイシン、テトラサイクリン、ゲンタマイシン、スルファチアゾール、ニトロフラントイン、およびノルフレキサシン、フルメキンおよびイバフロキサシンなどのキノロン類)、アンタイプロタゾール類(例えば、メトロニダゾール)、抗真菌薬(例えば、ニスタチン)、カルシウム拮抗薬(例えば、ニフェジピン、ジルチアゼム)、気管支拡張薬(例えば、テオフィリン、ピルブテロール、サルメテロール、イソプロテレノール)、コラゲナーゼ抑制剤、プロテアーゼ抑制剤、エラスターゼ抑制剤、リポキシゲナーゼ抑制剤およびアンギオテンシン変換酵素抑制剤(例えば、カプトプリル、リシノプリルなどの酵素抑制剤)、他の抗高血圧薬(例えば、プロプラノルオル)、ロイコトリエン拮抗薬、H2拮抗薬などの抗潰瘍薬、抗ウイルス薬および/または免疫調整剤(例えば、1‐イソブチル‐1H‐イミダゾ‐[4,5‐c]キノリン‐4‐アミン、1‐(2‐ヒドロキシ‐2‐メチルプロピル)‐1H‐イミダゾ[4,5‐c]キノリン‐4‐アミンおよびアシクロビル)、局所麻酔薬(例えば、ベンゾカインプロポフォル)、鎮咳薬(例えば、コデイン、デキストロメトルファン)、抗ヒスタミン薬(例えば、ジフェニルヒドラミン、クロルフェニラミン、テルフェナジン)、麻薬性鎮痛薬(例えば、モルフィン、フェンタニル)、アトリオペプチドなどの心臓作用性製品、抗てんかん薬(例えば、カルバマジン)、免疫抑制剤(例えば、サイクロスポーリン)、精神療法剤(例えば、ジアゼパム)、鎮静剤(例えば、フェノバルビタール)、抗凝固薬(例えば、ヘパリン)、鎮痛薬(例えば、アセタミノフェン)、抗偏頭痛薬(例えば、エルゴタミン、メラトニン、スマトリプタン)、抗不整脈剤(例えば、フレカイナイド)、鎮吐薬(例えば、メタクロプロミド、オンダンセトロン)、抗がん剤(例えば、メトトレキサート)、抗不安薬などの神経系の薬剤、止血剤、抗肥満薬など、ならびにこれらの薬剤的に受入れられる塩、エステル、溶剤和化合物およびクラスレート化合物が含まれる。
【0042】
本発明の経皮薬剤送達デバイスを使って、農業や園芸の薬剤ならびに獣医の薬剤も工合良く適用できる。獣医ならびに園芸応用における経皮薬剤送達は、食物/イリゲーション(irrigation)の水中の送達よりは、より正確な投薬とより少ない浪費を可能にすることが理解されるであろう。
【0043】
本発明の経皮送達デバイスは、テープ、パッチ、シート、包帯あるいは当該技術に精通する者に公知の任意の他の形態などの品物の形態にすることができる。投薬システムは、任意の望ましいユニット形態に製造できる。角が無く、皮膚から容易に分離し得るので、円形の形態が便利である。いろいろな形状があるのに加え、製造される投薬ユニットはいろいろな大きさにできる。
【0044】
パッチのデザインと処置の状態に依存して、パッチは1時間以下あるいはそれ以上、約1週間以下の間皮膚上に残る。好ましい実施態様においては、パッチは、皮膚上の適用場所に、約24時間残留し、毎日取替えるように設計されている。別の好ましい実施態様においては、パッチは皮膚上に残留し、週1〜2回取替えるようになっている。好ましくは、パッチは皮膚上で、前に使用したパッチの所とは違う場所に置かれる。
【0045】
本発明を更に次の実施例で説明するが、本実施例は説明のために設けられたもので、決して本発明の範囲の制限を意図するものではない。
【実施例】
【0046】
実施例1
32.1gのアクリル酸2‐エチルヘキシル、13.7gのアクリル酸メチル、3.6gのアクリル酸、82.5gのシクロヘキサンおよび0.17gの重合開始剤2,2’‐アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を含む最初の装入物を調製し、ステンレス鋼撹拌機、温度計、凝縮器、水浴および低速添加漏斗を備えた2リッター四つ首丸底フラスコに装入した。最初の装入物を撹拌しながら還流温度に加熱した。還流が始まってから10分で、182.5gのアクリル酸2‐エチルヘキシル、77.1gのアクリル酸メチルおよび21.0gのアクリル酸および181.50gのシクロヘキサンを含むモノマー混合物を2時間にわたり均一に添加した。還流開始から10分で始めて、6.6gの酢酸エチルに予備溶解した168.3gのシクロヘキサンおよび0.79gのAIBN混合物を3時間にわたり均一に添加した。還流をさらに2時間続けた。次いで、2.5gの短い半減期の重合開始剤の72.6gシクロへキサン溶液を1時間にわたり均一に添加し、残留モノマーを捕捉するために、フラスコ内容物を還流温度に更に2時間保持した。保持時間の終わりに、フラスコ内容物を231.1gのシクロヘキサンで希釈し、室温に冷却し、感圧接着剤溶液を取出した。接着剤溶液は、固体含量が37.2%、ブルックフィールド粘度が26,000mPa.sであり、僅かに濁った外観を示した。表1のデータから計算した溶剤系の溶解度パラメーターは16.8MPa1/2であった。
【0047】
実施例2(比較例)
実施例1の接着剤を、酢酸エチルと市販品級のヘキサンの78:22重量%比の混合物中で重合させ、酢酸エチル、イソプロパノールおよびトルエンの混合物で希釈して酢酸エチル65%、ヘキサン12%、イソプロパノール12%およびトルエン2%(何れも重量%)からなる最終の溶剤ブレンドを得た。接着剤溶液は、34.0%の固体含量および2,150mPa.sのブルックフィールド粘度を有し、透明無色であった。溶剤系の溶解度パラメーターを表1のデータから計算したところ19.0MPa1/2であった。
【0048】
実施例3
実施例1および2の接着剤溶液に固体ベースで15%のケトプロフェンを添加した。これらの試料を一晩混合した。図1で判るように、ケトプロフェンは実施例2の接着剤溶液(管A)中に完全に溶解したのに対して、実施例1の接着剤溶液(管B)中では、大部分のケトプロフェンが分散した固体として残った。
【0049】
薬剤を含む接着剤溶液を60℃で30分間乾燥することにより、接着剤フィルムを調製した。シクロヘキサン接着剤溶液(実施例1)から調製したフィルムは乾燥後も未溶解のケトプロフェンの結晶を含んでいたのに対して、通常の接着剤溶液(比較実施例2)から調製したフィルムは肉眼に見える結晶を含まず、溶解した薬剤が、乾燥後も過飽和の状態で留まっていることを示した。このことは、融解のゼロエンタルピーを示す示差走査熱量計(DSC)により確認された。続いて行なった実験で、DSCにより測定されたケトプロフェン結晶の溶融エンタルピーがゼロに接近するまでケトプロフェンの濃度を減らした、実施例1のポリマー溶液からの乾燥フィルムを調製した。これらの測定による乾燥接着剤フィルム中のケトプロフェンの溶解度の上限は2.5重量%であった。
【0050】
実施例4
実施例1の接着剤をシクロヘキサンの代わりに市販品級のヘプタン(δ=14.9MPa1/2)中で重合させ、非常に濁った溶液を得た。
【0051】
実施例5
69.0gのアクリル酸2‐エチルヘキシル、65.1gのアクリル酸n‐ブチル、60.0gのt‐オクチルアクリルアミド、30.0gのメタクリル酸メチル、187.4gのシクロヘキサンおよび0.15gの重合開始剤過酸化ラウロイルを含む最初の装入物を調製し、ステンレス鋼撹拌機、温度計、凝縮器、水浴および低速添加漏斗を備えた2リッター四つ首丸底フラスコに装入した。最初の装入物を撹拌しながら還流温度に加熱した。還流が始まってから45分で、28.5gのアクリル酸2‐エチルヘキシル、32.4gのアクリル酸n‐ブチルおよび15.0gのアクリル酸メチルを含むモノマー混合物を1時間にわたり均一に添加した。また還流開始から45分から始めて、41.6gのシクロヘキサンおよび1.08gの過酸化ラウロイルの混合物を2時間にわたり均一に添加した。最初の還流から190分後、107.4gのシクロへキサンを3時間にわたり均一に添加し、溶液を還流温度に6.5時間保持した。1.6gの短い半減期の重合開始剤の30.0gのシクロへキサン溶液を1時間にわたり均一に添加し、残留モノマーを捕捉するために、フラスコ内容物を還流温度に更に1時間保持した。保持時間の終わりに、フラスコ内容物を16.7gのシクロヘキサンで希釈し、室温に冷却し、接着剤溶液を取出した。接着剤溶液は固体含量が44.0%、ブルックフィールド粘度が8,300mPa.sであり、僅かに濁った無色の外観を示した。この純粋に脂肪炭化水素溶剤の溶解度パラメーターは16.8MPa1/2であった。
【0052】
実施例6
シクロヘキサンの代わりにメチルシクロペンタン(δ=16.1MPa1/2)を用いて、実施例5のポリマーを調製した。固体含量44.3%、粘度890mPa.sで僅かに濁って見える無色の接着剤溶液を得た。
【0053】
実施例7
52.0gのアクリル酸n‐ブチル、24.8gのアクリル酸2‐ヒドロキシエチル、3.30gのアクリル酸2‐エチルヘキシル、2.5gのメタクリル酸メチル、138.6gのエタノール(溶剤)および0.17gのAIBNを含む最初の装入物を調製し、ステンレス鋼撹拌機、温度計、凝縮器、水浴および低速添加漏斗を備えた2リッター四つ首丸底フラスコに装入した。最初の装入物を撹拌しながら還流温度に加熱した。還流が始まってから15分で、155.9gのアクリル酸n‐ブチル、74.3gのアクリル酸2‐ヒドロキシエチル、9.9gのアクリル酸2‐エチルヘキシル、7.4gのメタクリル酸メチルおよび181.5gのエタノールを含むモノマー混合物を2時間にわたり同時かつ均一に添加した。また還流開始から15分から始めて、512gのエタノールおよび1.98gのAIBNを4時間にわたり同時かつ均一に添加した。添加を終了して、フラスコ内容物を1時間還流させた。還流の始めから315分で、12gの短い半減期の重合開始剤の9.3gのエタノール溶液を1時間にわたり添加した。添加を終了すると、フラスコの内容物を1時間還流させた。還流が終了すると、内容物を室温に冷却し、104.0gのエタノールで希釈し、感圧接着剤溶液を取出した。固体含量が40.0%の低粘度、無色で僅かに濁った溶液が得られた。
【0054】
実施例8(比較例)
47.3gの酢酸エチル、37.8gのイソプロパノールおよび18.9gのメタノールからなる希釈を除いて、全工程でエタノールの代わりに酢酸エチルを用いて実施例8のポリマーを調製した。感圧接着剤溶液は、固体含量が39.9%で粘度が1,200MPa.sであり、外観が透明で極く僅かに黄色であった。最終の溶剤混合物は、溶解度パラメーターδ=19.4MPa1/2を有すると計算された。
【0055】
実施例9
実施例7および8の溶液に、ドデカン酸コレステリル(高親油性薬剤のモデル)を固体ベースで1%添加した。これらは室温で一晩混合した。実施例7の溶液は、大量の未溶解のモデル活性成分を含んでいたが、これに対して実施例8の溶液には、モデル活性成分は完全に可溶であった。
【0056】
当該技術に精通する者には明らかであるように、本発明の精神と範囲から逸脱することなしに本発明には多くの修正と変更を行なうことができる。ここに記載する具体的な実施態様は例としてのみ提供するのであり、本発明は添付された特許請求項の語句およびこの様な特許請求項が権利のある等価物の完全な範囲によってのみ制限されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリル系ポリマーおよび溶剤あるいは溶剤の混合物からなる感圧接着剤の溶液であって、該溶剤あるいは溶剤の混合物は17.1MPa1/2未満で12MPa1/2以上、あるいは21.1MPa1/2以上で40MPa1/2以下の溶解度パラメーターを有することを特徴とする感圧接着剤の溶液。
【請求項2】
前記溶解度パラメーターが約14〜約17MPa1/2の範囲であるか、あるいは約23〜30MPa1/2の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の溶液。
【請求項3】
前記溶剤あるいは溶剤の混合物がシクロヘキサンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の溶液。
【請求項4】
該溶液がさらに活性成分を含むことを特徴とする、請求項1に記載の溶液。
【請求項5】
前記活性成分が該溶液中に少なくとも部分的に分散されていることを特徴とする、請求項4に記載の溶液。
【請求項6】
請求項1に記載の溶液を用いて製造された品物。
【請求項7】
該品物が医療用テープであることを特徴とする、請求項6に記載の品物。
【請求項8】
該品物が薬剤送達デバイスであることを特徴とする、請求項6に記載の品物。
【請求項9】
前記薬剤が前記接着剤のマトリックス中に少なくとも部分的に分散されていることを特徴とする、請求項8に記載の品物。
【請求項10】
接着的に皮膚に付着される品物を製造する方法であって、裏打基材に請求項5に記載のアクリル系感圧接着剤溶液を塗布し、該溶液を乾燥させることを含むことを特徴とする、方法。
【請求項11】
アクリル系ポリマーおよび溶剤あるいは溶剤の混合物からなる感圧接着剤の溶液であって、該溶剤あるいは溶剤の混合物が17.8MPa1/2未満で12MPa1/2以上、あるいは21.1MPa1/2以上で40MPa1/2以下の溶解度パラメーターを有し、随意に芳香族炭化水素を含み、該芳香族炭化水素が全溶剤に対して約10重量%以下で存在することを特徴とする、感圧接着剤の溶液。
【請求項12】
前記溶解度パラメーターが約14〜約17.7MPa1/2の範囲であるか、あるいは約23〜30MPa1/2の範囲であることを特徴とする、請求項11に記載の溶液。
【請求項13】
前記溶剤あるいは溶剤の混合物がシクロヘキサンを含むことを特徴とする、請求項11に記載の溶液。
【請求項14】
該溶液がさらに活性成分を含むことを特徴とする、請求項11に記載の溶液。
【請求項15】
前記活性成分が該溶液中に少なくとも部分的に分散されていることを特徴とする、請求項14に記載の溶液。
【請求項16】
請求項11に記載の溶液を用いて製造された品物。
【請求項17】
該品物が医療用テープであることを特徴とする、請求項16に記載の品物。
【請求項18】
該品物が薬剤送達デバイスであることを特徴とする、請求項16に記載の品物。
【請求項19】
前記薬剤が前記接着剤のマトリックス中に少なくとも部分的に分散されていることを特徴とする、請求項18に記載の品物。
【請求項20】
接着的に皮膚に付着される品物を製造する方法であって、裏打基材に請求項15に記載のアクリル系感圧接着剤溶液を塗布し、該溶液を乾燥させることを含むことを特徴とする、方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2013−76083(P2013−76083A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−280897(P2012−280897)
【出願日】平成24年12月25日(2012.12.25)
【分割の表示】特願2006−258932(P2006−258932)の分割
【原出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(500104819)ヘンケル アクチェンゲゼルシャフト ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト アオフ アクチェン (6)
【Fターム(参考)】