説明

アミド類の製造方法

本発明は、三環式アミン誘導体(I)などの抗菌活性化の製造方法に関する。


{式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、X、Y及びHetは、明細書で規定された通りである。}
本方法は、ボロン酸触媒又はアンチモン触媒の存在下で、カルボン酸(例えば、式(II)の化合物)とアニリン(例えば、式(III)の化合物)をカップリングする工程を伴う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の抗菌活性三環式アミン誘導体及び特定の抗菌活性オルト置換シクロプロピル−アゾールカルボキサミド類の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
抗真菌作用を有する三環式アミン誘導体が、国際公開第2004/035589号パンフレット及び国際公開第2007/048556号パンフレットに記述されている。式(IA):
【化1】

{式中、
Hetaは、それぞれ独立して酸素、窒素及び硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5又は6員複素環であり、該環は、基R4a、R5a及びR6aにより置換されており;
R1aは、水素又はハロゲンであり;
R2aは、水素又はハロゲンであり;
R3aは、所望により置換されているC2−12アルキル、所望により置換されているC2−12アルケニル、所望により置換されているC2−12アルキニル、所望により置換されているC3−l2シクロアルキル、所望により置換されているフェニル又は所望により置換されている複素環であり;そして
R4a、R5a及びR6aは、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、C1−4アルコキシ(C1−4)アルキル及びC1−4ハロアルコキシ(C1−4)アルキルから独立して選択される。ただし、R4a、R5a及びR6aの少なくとも1つは水素ではない。}
のオルト置換シクロプロピル−アゾールカルボキサミド類が、国際公開第03/074491号パンフレットに記述されている。
【0003】
国際公開第03/074491号パンフレットに記述されている化合物は、殺菌作用、特に、抗真菌作用を有する。
【0004】
上記化合物の様々な製造方法が、国際公開第2004/035589号パンフレット、国際公開第2007/048556号パンフレット、及び国際公開第2003/074491号パンフレットに記述されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
驚くべきことに、ボロン酸触媒又はアンチモン触媒の存在下で、それぞれのアミン及びカルボン酸をカップリングすることにより、これらの化合物が有利に得られるであろうということが今では分かっている。
【0006】
本発明は、式(I):
【化2】

[式中、
Hetは、それぞれ独立して酸素、窒素及び硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5又は6員複素環であり(ただし、該環は、1,2,3−トリアゾールではない)、該環は、基R8、R9及びR10により置換されており;
Xは、単又は二重結合であり;
Yは、O、S、N(R11)、(CR12R13)(CR14R15)m(CR16R17)n又はC=C(A)Z(式中、A及びZは、独立してC1−6アルキル又はハロゲンである)であり;
mは、0又は1であり;
nは、0又は1であり;
【0007】
R1は、水素、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルコキシ、CHC≡CR18、CHCR19=CHR20、CH=C=CH又はCOR21であり;
R2及びR3は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ又はC1−4ハロアルコキシであり;
【0008】
R4、R5、R6及びR7は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、C1−4アルコキシ、Cl−4ハロアルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4ハロアルキルチオ、ヒドロキシメチル、C1−4アルコキシメチル、C(O)CH又はC(O)OCHであり;
R8、R9及びR10は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、C1−4アルコキシ(C1−4)アルキレン又はC1−4ハロアルコキシ(C1−4)アルキレンであり、R8、R9及びR10の少なくとも1つは、水素ではなく;
【0009】
R11は、水素、C1−4アルキル、ベンジル(ベンジル中では、所望により、フェニル基は、それぞれ独立してハロゲン、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル及びCl−4アルコキシから選択される3個以下の置換基で置換されている)、ホルミル、C(O)C1−4アルキル(所望によりハロゲン又はC1−4アルコキシで置換されている)、C(=O)O−C1−6アルキル(所望によりハロゲン、C1−4アルコキシ又はシアノで置換されている)又はC1−4アルコキシ(C1−4)アルキレンであり;
【0010】
R12、R13、R14、R15、Rl6及びR17は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル{いずれも所望により、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、=O、アリール又はO−C(O)−C1−4アルキル又は3〜7員環カルボン酸環(それ自体が、所望により、3個以下のメチル基で置換されている)で置換されている}、3〜7員飽和環(所望により3個以下のメチル基で置換されており、そして所望により、窒素及び酸素から選択される1個のヘテロ原子を含む)又はC1−4アルコキシであるか;
【0011】
又はRl2及びR13は、それらが結合する炭素原子とともに、基C=O又は3〜5員カルボン酸環(所望により、3個以下のメチル基で置換されており、そして所望により、それぞれ独立してO及びNから選択される2個以下のヘテロ原子で置換されている)を形成するか;
【0012】
又はRl2及びR13は、共にC1−6アルキリデン(所望により3個以下のメチル基で置換されている)若しくはC3−6シクロアルキリデン基(所望により3個以下のメチル基で置換されている)を形成し;
【0013】
R18、R19及びR20は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル又はC1−4アルコキシ(C1−4)アルキレンであり;そして
R21は、水素、C1−6アルキル、Cl−6ハロアルキル、C1−4アルコキシ(C1−4)アルキレン、C1−4アルキル−S−(C1−4)アルキレン、C1−4アルコキシ又はアリールである。]
化合物の製造方法であって、
【0014】
ボロン酸触媒又はアンチモン触媒の存在下で、式(II):
【化3】

{式中、Hetは、上記で規定した通りである。}
のカルボン酸に式(III):
【化4】

{式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、X及びYは、上記で規定した通りである。}
のアニリンを反応させる工程を含む製造方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】トルエン中での共沸還流下において、10モル%の触媒を用いる実施例2のボロン酸の触媒作用を受けた反応の反応プロフィールを示す図である。
【図2】有機相(トルエン)対pHにおける3,5−ビス−(トリフルオロメチル)−フェニルボロン酸触媒のモル分率のプロフィール。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ハロゲンは、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードであり;好ましくは、フルオロ、クロロ又はブロモである。
【0017】
各アルキル部分は、直鎖又は分岐鎖であり、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n‐ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、イソプロピル、sec−ブチル、イソブチル、tert‐ブチル、ネオペンチル、n−ヘプチル、1,3−ジメチルブチル、1,3−ジメチルペンチル,1−メチル−3−エチル−ブチル又は1,3、3−トリメチルブチルである。同様に、各アルキレン部分は、直鎖又は分岐鎖である。
【0018】
ハロアルキル部分は、同一又は異なるハロゲン原子の1つ以上により置換されているアルキル部分であり、例えば、CF、CFCl、CHF、CHF、CCl、CFCH、CHFCH、CHFCH、CHCHF又はCHCFである。
【0019】
アルケニル及びアルキニル部分は、直鎖又は分岐鎖の形成であることができる。
【0020】
適切には、各アルケニル部分は、(E)又は(Z)体のいずれかでよい。
【0021】
3〜5員カルボン酸環としては、スピロ−3又は5員環が挙げられる。
【0022】
アリールとしては、フェニル、ナフチル、アントラシル、フルオレニル及びインダニルが挙げられるが、好ましくは、フェニルである。
【0023】
アルキリデン部分は、直鎖又は分岐鎖の形態でよい。アルキリデンとしては、メチリデン[CH=]、エチリデン[CHC(H)=]、n‐プロピリデン、i−プロピリデン[(CHC=]、n‐ブチリデン、i−ブチリデン、2−ブチリデン、n−ペンチリデン、i−ペンチリデン、ネオペンチリデン、2−ペンチリデン、n−ヘキシリデン、2−ヘキシリデン、3−ヘキシリデン、i−ヘキシリデン及びネオヘキシリデンが挙げられる。
【0024】
シクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルが挙げられる。
【0025】
シクロアルケニルとしては、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル及びシクロヘプテニルが挙げられる。
【0026】
シクロアルキリデンとしては、シクロプロピリデン[c(C)=]、シクロブチリデン、シクロペンチリデン及びシクロヘキシリデンが挙げられる。
【0027】
本発明の一態様では、R11は、水素、C1−4アルキル、ベンジル(ベンジル中では、フェニル基は、所望により、それぞれ独立してハロゲン、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル及びC1−4アルコキシから選択される3個以下の置換基で置換されている)、ホルミル、C(O)C1−4アルキル又はC1−4アルコキシ(C1−4)アルキレンが挙げられる。
【0028】
本発明の別の態様では、R12、R13、R14、R15、R16及びR17は、それぞれ独立して、水素、C1−4アルキル又はC1−4アルコキシである。
【0029】
Hetは、好ましくは、ピロリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピリジニル、ピリミジル、ピリダジニル、2、3−ヒドロ−[1,4]オキサチイン−6−イル、オキサジニル、チアジニル又はトリアジニルである。
【0030】
Hetは、より好ましくはピロリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピリジニル又は2,3−ジヒドロ−[1,4]オキサチイン−イルである。Hetは、さらに好ましくはピロリル、ピラゾリル、チアゾリル又はピリジニルである。Hetは、最も好ましくは、ピロリル又はピラゾリルである。
【0031】
好ましくは、Xは、単結合である。
【0032】
一態様では、Yは、O、S、N(R11)、CH、CHCH、CHCHCH、C(CH、CH(CH)、CHC)、C(CH)(C)、CH(OCH)又はC(OCHであり;より好ましくは、N(R11)、O、S、CH、CHCH、CHCHCH、C(CH、CH(CH)又はCH(C)であり;さらに好ましくは、N(R11)、O、S、CH又はCHCHであり;そして、さらに好ましくは、O、CH又はN(R11)である。
【0033】
好ましくは、Yは、O、N(R11)又は(CR12R13)(CR14R15)m(CR16R17)nである。より好ましくは、Yは、O又は(CR12R13)(CR14R15)m(CR16R17)nである。さらに好ましくは、Yは、(CR12R13)(CR14R15)m(CR16R17)nである。さらに好ましくは、Yは、(CR12R13)、例えば、CHCH(CH)CHである。
【0034】
さらなる態様では、Yは、C=C(A)Z(式中、A及びZは、独立してC1−6アルキル又はハロゲンである)である。好ましくは、A及びZは、独立してハロゲンであり、より好ましくは、A及びZの両方は、塩素である。
【0035】
好ましくは、nは0である。好ましくは、mは0である。
【0036】
好ましくは、R1は、水素、CHC≡CR18、CH=C=CH又はCOR21である。より好ましくは、R1は、水素、CHC≡CH、CH=C=CH、C(O)H又はC(O)CHである。さらに好ましくは、R1は、水素、CHC≡CH、CH=C=CH又はC(O)CHである。さらに好ましくは、R1は、水素、CHC≡CH又はCH=C=CHである。最も好ましくは、R1は水素である。
【0037】
好ましくは、R2は、水素、ハロゲン又はC1−4アルキルである。より好ましくは、R2は、水素又はハロゲンである。最も好ましくは、R2は、水素である。
【0038】
好ましくは、R3は、水素又はメチルである。より好ましくは、R3は水素である。
【0039】
好ましくは、R4は、水素、C1−4アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、C1−4アルコキシ、C(O)CH又はC(O)OCHである。より好ましくは、R4は、水素、C1−2アルキル、ハロゲン、CF、メトキシ、C(O)CH又はC(O)OCHである。さらに好ましくは、R4は、水素、メチル、塩素、CF又はメトキシである。最も好ましくは、R4は、水素又はメチルである。
【0040】
好ましくは、R5は、水素、C1−4アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、C1−4アルコキシ、C(O)CH又はC(O)OCHである。より好ましくは、R5は、水素、C1−2アルキル、塩素、CF、メトキシ、C(O)CH又はC(O)OCHである。最も好ましくは、R5は、水素又はメチルである。
【0041】
好ましくは、R6は、水素、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ又はC(O)CHである。より好ましくは、R6は、水素、メチル、メトキシ又はC(O)CHである。最も好ましくは、R6は、水素又はメチルである。
【0042】
好ましくは、R7は、水素、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ又はC(O)CHである。より好ましくは、R7は、水素、メチル、メトキシ又はC(O)CHである。最も好ましくは、R7は、水素又はメチルである。
【0043】
好ましくは、R8は、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル又はメトキシメチレンである。より好ましくは、R8は、水素、クロロ、フルオロ、ブロモ、C1−2アルキル、CF、CFCl、CHF、CHF又はメトキシメチレンである。さらに好ましくは、R8は、水素、クロロ、フルオロ、C1−2アルキル、CF、CFCl、CHF、CHF又はメトキシメチレンである。最も好ましくは、R8は、水素、クロロ、フルオロ、メチル、CF、CHF又はCHFである。
【0044】
好ましくは、R9は、水素、ハロゲン、C1−4アルキル又はC1−4ハロアルキル又はメトキシメチレンである。より好ましくは、R9は、水素、クロロ、フルオロ、ブロモ、C1−2アルキル、CF、CFCl、CHF、CHF又はメトキシメチレンである。さらに好ましくは、R9は、水素、クロロ、フルオロ、C1−2アルキル、CF、CFCl、CHF、CHF又はメトキシメチレンである。最も好ましくは、R9は、水素、クロロ、フルオロ、メチル、CF、CHF又はCHFである。
【0045】
好ましくは、R10は、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル又はメトキシメチレンである。より好ましくは、R10は、水素、クロロ、フルオロ、ブロモ、C1−2アルキル、CF、CFCl、CHF、CHF又はメトキシメチレンである。さらに好ましくは、R10は、水素、クロロ、フルオロ、C1−2アルキル、CF、CFCl、CHF、CHF又はメトキシメチレンである。最も好ましくは、R10は、水素、クロロ、フルオロ、メチル、CF、CHF又はCHFである。
【0046】
本発明の一態様では、R11は、水素、C1−4アルキル、ベンジル、ホルミル、C(O)CH又はC(O)OC(CHであり;より好ましくは、水素又はC1−2アルキルである。好ましくは、R11は、Cl−4アルキル、ホルミル、C(O)CH又は(所望により、ハロゲン、CN又はC1−4アルコキシで置換されている)C(O)OC1−6アルキルである。より好ましくはR11は、C(O)OC1−4アルキルである。
【0047】
本発明の一態様では、R12、R13、R14、R15、Rl6及びR17は、それぞれ独立して、水素、C1−2アルキル又はメトキシである。
【0048】
好ましくは、R12及びR13は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1−5アルキル、C1−3アルコキシ、CHOH、CH(O)、C3−6シクロアルキル、CHO−C(=O)CH、CH−C3−6シクロアルキル又はベンジルであるか;又はR12及びR13は、それらが結合する炭素原子とともに、基C=O又は3〜5員カルボン酸環を形成するか;又はR12及びR13は、共にC1−5アルキリデン又はC3−6シクロアルキリデンを形成する。
【0049】
より好ましくは、Rl2及びR13は、独立して、H、CH、C、n−C、i−C、n−C、sec−C、i−C、CH(C、CH−シクロプロピル又はシクロペンチルであるか;又はR12及びR13は、それらが結合する炭素原子とともに、3又は5員炭素環を形成する。
【0050】
好ましくは、Rl4は、H又はCHである。好ましくは、R15は、H又はCHである。好ましくは、R16は、H又はCHである。好ましくは、R17は、H又はCHである。
【0051】
好ましくは、R18は、水素、クロロ、ブロモ、メチル又はメトキシである。より好ましくはR18は、水素、クロロ又はメチルである。最も好ましくは、Rl8は、水素である。
【0052】
好ましくは、R19は、水素、クロロ、ブロモ、メチル又はメトキシである。より好ましくは、R19は、水素、クロロ又はメチルである。最も好ましくは、R19は、水素である。
【0053】
好ましくは、R20は、水素、クロロ、ブロモ、メチル又はメトキシである。より好ましくは、R20は、水素、クロロ又はメチルである。最も好ましくは、R20は、水素である。
【0054】
好ましくは、R21は、水素、メチル、OC(CH又はCHOCHである。
【0055】
例えば、Hetは、基R8、R9及びR10のいずれかにより置換されている、ピロリル又はピラゾリルであり;
Xは、単結合であり;
Yは、(CR12R13)(CR14R15)(CR16R17)又はC=C(A)Z{式中、A及びZは、独立してC1−6アルキル又はハロゲンである}であり;
mは、0又は1であり;
nは、0又は1であり;
R1は、水素であり;
【0056】
R2及びR3は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ又はC1−4ハロアルコキシであり;
R4、R5、R6及びR7は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4ハロアルキルチオ、ヒドロキシメチル、C1−4アルコキシメチル、C(O)CH又はC(O)OCHであり;
R8、R9及びR10は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、C1−4アルコキシ(C1−4)アルキレン又はC1−4ハロアルコキシ(C1−4)アルキレンであり、R8、R9及びR10の少なくとも1つは、水素ではなく;
【0057】
R12及びR13は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1−5アルキル、C1−3アルコキシ、CHOH、CH(O)、C3−6シクロアルキル、CHO−C(=O)CH、CH−C3−6シクロアルキル又はベンジルであるか;
又はR12及びR13は、それらが結合する炭素原子とともに、基C=O又は3〜5員カルボン酸環を形成するか;
又はR12及びR13は、共にC1−5アルキリデン又はC3−6シクロアルキリデンを形成し;そして
R14、R15、R16及びR17は、それぞれ独立して、H又はCHである。
【0058】
好ましくは、R8、R9及びR10は、それぞれ独立して、水素、クロロ、フルオロ、メチル、CF、CHF又はCHFであり、R8、R9及びR10の少なくとも1つは、水素ではない。好ましくは、nは、0であり、そしてmは、0である。好ましくは、R12及びR13は、それぞれ独立して、水素、C1−4アルキル又はC1−4アルコキシである。好ましくは、R2は、水素、ハロゲン又はC1−4アルキルである。好ましくは、R3は、水素又はメチルである。好ましくは、Hetは、ピラゾリルである。
【0059】
好ましくは、Hetは、式(VIIA)
【化5】

{式中、R7aは、CF及びCHFから選択される}
の基であり;
好ましくは、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7は、それぞれ独立して水素であり;
好ましくは、Xは、単結合であり;
好ましくは、Yは、C=CCl又はCHCH(CH)CHである。
【0060】
例えば、一実施形態では:
Hetは、式(VIIA)
【化6】

{式中、R7aは、CF及びCHFから選択される}
の基であり;
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7は、それぞれ独立して水素であり;
Xは、単結合であり;
Yは、CHCH(CH)CHであり;
そして触媒は、ボロン酸触媒又はアンチモン触媒であり、例えば、ホウ酸、又は3,5−ビス−(トリフルオロメチル)−フェニルボロン酸若しくは2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニルボロン酸などのアリールボロン酸、又はSb(OEt)などのアンチモンIIIアルコキシドである。例えば、触媒は、3,5−ビス−(トリフルオロメチル)−フェニルボロン酸又はSb(OEt)でよい。
【0061】
例えば、さらなる実施形態では:
Hetは、式(VIIA)
【化7】

{式中、R7aは、CF及びCHFから選択される}の基であり;
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7は、それぞれ独立して水素であり;
Xは、単結合であり;
Yは、C=C(A)Z{式中、A及びZは、独立してフルオロ、クロロ又はブロモであり、好ましくは、クロロである)であり;
そして触媒は、ボロン酸触媒又はアンチモン触媒、例えば、ホウ酸、又は3,5−ビス−(トリフルオロメチル)−フェニルボロン酸若しくは2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニルボロン酸などのアリールボロン酸、又はSb(OEt)などのアンチモンIIIアルコキシドである。例えば、触媒は、ホウ酸又は2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニルボロン酸でよい。
【0062】
非常に好ましい実施形態によれば、本発明は、ボロン酸触媒又はアンチモン触媒の存在下で、例えば、ホウ酸、又は3,5−ビス−(トリフルオロメチル)−フェニルボロン酸若しくは2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニルボロン酸などのアリールボロン酸、又はSb(OEt)などのアンチモンIIIアルコキシドの存在下で、式(IV):
【化8】

のカルボン酸に式(V)
【化9】

のアニリンを反応させる工程を含む、式(VI):
【化10】

の化合物の製造方法に関する。例えば、前記触媒は、3,5−ビス−(トリフルオロメチル)−フェニルボロン酸又はSb(OEt)でよい。
【0063】
本発明のさらに好ましい実施形態では、本発明は、ボロン酸触媒又はアンチモン触媒の存在下で、例えば、ホウ酸、又は3,5−ビス−(トリフルオロメチル)−フェニルボロン酸若しくは2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニルボロン酸などのアリールボロン酸、又はSb(OEt)などのアンチモンIIIアルコキシドの存在下で、式(IV):
【化11】

のカルボン酸に式(VII):
【化12】

のアニリンを反応させる工程を含む、式(VIII):
【化13】

の化合物の製造方法に関する。例えば、触媒は、ホウ酸又は2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニルボロン酸でよい。
【0064】
さらなる実施形態では、本発明は、ボロン酸触媒又はアンチモン触媒の存在下で、式(IIA):
【化14】

のカルボン酸に式(IIIA):
【化15】

のアニリンを反応させる工程を含む、式(IA):
【化16】

{式中、
Hetaは、それぞれ独立して酸素、窒素及び硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5又は6員複素環であり、該環は、基R4a、R5a及びR6aにより置換されており;
R1aは、水素又はハロゲンであり;
R2aは、水素又はハロゲン;
R3aは、所望により置換されているC2−12アルキル、所望により置換されているC2−12アルケニル、所望により置換されているC2−12アルキニル、所望により置換されているC3−l2シクロアルキル、所望により置換されているフェニル又は所望により置換されている複素環であり;そして
R4a、R5a及びR6aは、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、C1−4アルコキシ(C1−4)アルキル及びC1−4ハロアルコキシ(C1−4)アルキルから選択される。ただし、R4a、R5a及びR6aの少なくとも1つは、水素ではない。}
の化合物の製造方法を提供する。
【0065】
ハロゲンは、フルオロ、クロロ又はブロモである。
【0066】
各アルキル部分は、直鎖又は分岐鎖であり、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n‐ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、イソプロピル、n‐ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert‐ブチル又はネオペンチルである。
【0067】
存在する場合には、アルキル部分上の各任意の置換基は、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、Cl−4アルコキシC(=O)、ホルミル、ニトロ、Cl−4アルコキシ、Cl−4ハロアルコキシ、Cl−4アルキルチオ、Cl−4ハロアルキルチオ、HC(OR’)=N及びR’R’’NN=C(H)から選択され;R’及びR’’は、独立して、水素又はCl−4アルキルである。
【0068】
アルケニル及びアルキニル部分は、直鎖又は分岐鎖の形態になることができる。
【0069】
アルケニル部分は、適切には、(E)又は(Z)体のいずれかでよい。例は、ビニル、アリル及びプロパルギルである。
【0070】
存在する場合には、アルケニル又はアルキニル上の各任意の置換基は、独立して、アルキル部分のために上記で示された任意の置換基から選択される。
【0071】
シクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられる。
【0072】
存在する場合には、シクロアルキル上の各任意の置換基は、独立して、C1−3アルキル及びアルキル部分のために上記で示された任意の置換基から選択される。
【0073】
用語「複素環」とは、それぞれ独立してO、S及びNから選択される1個以上(好ましくは、1個又は2個)のヘテロ原子を含む、10個以下の原子を含む非芳香族又は芳香族環をいう。そのような環の例としては、1,3−ジオキソラニル、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、チエニル及びフリルが挙げられる。
【0074】
存在する場合には、フェニル又は複素環上の各任意の置換基は、独立して、C1−6アルキル及びアルキル部分のために上記で示された任意の置換基から選択される。存在する場合には、フェニル上に、それぞれ独立して選択される4個以下の任意の置換基がある。
【0075】
存在する場合には、アルキル部分上の各任意の置換基は、独立して、ハロ、ヒドロキシ、メトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、シアノ及びニトロの好ましいリストから選択される。
【0076】
存在する場合には、アルケニル又はアルキニル上の各任意の置換基は、独立して、ハロゲン及びシアノの好ましいリストから選択される。
【0077】
存在する場合には、シクロアルキル上の各任意の置換基は、独立して、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ及びシアノの好ましいリストから選択される。
【0078】
存在する場合には、フェニル又は複素環基上の各任意の置換基は、独立して、ハロ、ヒドロキシ、メトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ及びシアノの好ましいリストから選択される。
【0079】
Hetaは、それぞれ基R4a、R5a及びR6aにより置換されている、ピロリル、ピラゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、チオフェニル、フリル、イソチアゾリル又はイソオキサゾリルであることが好ましい(より好ましくはピロリル、ピラゾリル又はチアゾリルである)。
【0080】
好ましくは、
Hetaは、それぞれ基R4a、R5a、R6aで置換されているピロリル、ピラゾリル又はチアゾリルであり;
R1aは、水素、フルオロ、クロロ又はブロモであり;
R2aは、水素、フルオロ、クロロ又はブロモであり;
【0081】
R3aは、所望により置換されているC2−12アルキル(ただし、存在する場合には、各任意の置換基は、独立して、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、シアノ、C1−4アルコキシC(=O)、ホルミル、ニトロ、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4ハロアルキルチオ、HC(OR’)=N及びR’R’’NN=C(H)から選択される);
【0082】
所望により置換されているC2−12アルケニル(ただし、存在する場合には、各任意の置換基は、独立して、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、シアノ、C1−4アルコキシC(=O)、ホルミル、ニトロ、C1−4−アルコキシ、C1−4ハロアルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4ハロアルキルチオ、HC(OR’)=N及びR’R’’NN=C(H)から選択される);
【0083】
所望により置換されているC2−12アルキニル(ただし、存在する場合には、各任意の置換基は、独立して、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、シアノ、C1−4アルコキシC(=O)、ホルミル、ニトロ、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4ハロアルキルチオ、HC(OR’)=N及びR’R’’NN=C(H)から選択される);
【0084】
所望により置換されているC3−12シクロアルキル(ただし、存在する場合には、各任意の置換基は、独立して、C1−3アルキル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、シアノ、C1−4アルコキシC(=O)、ホルミル、ニトロ、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4ハロアルキルチオ、HC(OR’)=N及びR’R’’NN=C(H)から選択される);
【0085】
所望により置換されているフェニル(ただし、存在する場合には、各任意の置換基は、独立して、C1−6アルキル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、シアノ、C1−4アルコキシC(=O)、ホルミル、ニトロ、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4ハロアルキルチオ、HC(OR’)=N及びR’R’’NN=C(H)から選択される);
【0086】
又は所望により置換されている複素環(ただし、存在する場合には、各任意の置換基は、独立して、C1−6アルキル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、シアノ、C1−4アルコキシC(=O)、ホルミル、ニトロ、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4ハロアルキルチオ、HC(OR’)=Nから選択される)であり;R’及びR’’は、独立して、水素又はC1−4アルキルであり;そして
【0087】
R4a、R5a、及びR6aは、独立して、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、ニトロ、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、C1−4アルコキシ(C1−4)アルキル及びC1−4ハロアルコキシ(C1−4)アルキルから選択される。ただし、R4a、R5a及びR6aの少なくとも1つは、水素ではない。
【0088】
好ましくは、R1a及びR2aは、独立して、水素又はフルオロである。
【0089】
好ましくは、R3aは、C2−6アルキル、所望により置換されているC3−8シクロアルキル、フェニル、チエニル又はフリルである。
【0090】
好ましくは、R4a、R5a及びR6aは、独立して、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル及びC1−4アルコキシ(C1−4)アルキルから選択される;ただし、R4a、R5a及びR6aの少なくとも1つは、水素ではない。より好ましくは、R4a、R5a、及びR6aは、独立して、水素、ハロゲン、メチル、C1−2ハロアルキル及びメトキシメチルから選択される;ただし、R4a、R5a及びR6aの少なくとも1つは、水素ではない。
【0091】
好ましくは、Hetaは、ピラゾリルである。より好ましくは、Hetaは、ピラゾール−4−イルである。より好ましくは、Hetaは、式(VIIA):
【化17】

{式中、R7aは、CF及びCHFから選択される}
の基である。好ましくは、R7aは、CHFである。
【0092】
好ましくは、R1aは、水素である。好ましくは、R2aは、水素である。より好ましくは、R1a及びR2aは、水素である。
【0093】
好ましくは、R3aは、所望により置換されているシクロアルキルである。より好ましくは、R3aは、所望により置換されているシクロプロピルである。より好ましくは、R3aは、式(VIIIA):
【化18】

{式中、R8aは、H又はC1−6アルキルである。}
の基である。好ましくは、R8aは、H又はメチルである。より好ましくは、R8aは、Hである。
【0094】
例えば、Hetaは、(VIIA):
【化19】

{式中、R7aは、CF及びCHFから選択される}の基であり;
R1aは、R2aであり、そしてR3aは、水素であり;
R3aは、式(VIIIA):
【化20】

{式中、R8aは、H又はC1−4アルキルであり、好ましくは、H又はメチルであり、より好ましくはHである}
の基であり;
【0095】
そして触媒は、ボロン酸触媒又はアンチモン触媒、例えば、ホウ酸又は3,5−ビス−(トリフルオロメチル)−フェニルボロン酸若しくは2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニルボロン酸などのアリールボロン酸、又はSb(OEt)−などのアンチモンIIIアルコキシドである。例えば、触媒は、ホウ酸又は2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニルボロン酸でよい。
【0096】
非常に好ましい実施形態によれば、本発明は、ボロン酸触媒又はアンチモン触媒の存在下で、例えば、ホウ酸、又は3,5−ビス−(トリフルオロメチル)−フェニルボロン酸若しくは2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニルボロン酸などのアリールボロン酸、又はSb(OEt)などのアンチモンIIIアルコキシドの存在下で、式(XA):
【化21】

の酸に式(XIA):
【化22】

のアニリンを反応させる工程を含む、式(IXA):
【化23】

の化合物の製造方法に関する。例えば、触媒は、ホウ酸又は2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニルボロン酸でよい。
【0097】
反応物質の比
好ましくは、酸(II)又は(IIA):アニリン(III)又は(IIIA)のモル比は、10:1〜1:10の範囲にある。より好ましくは、酸(II)又は(IIA):アニリン(III)又は(IIIA)のモル比は、5:1〜1:5の範囲にある。より好ましくは、酸(II)又は(IIA):アニリン(III)又は(IIIA)のモル比は、2:1〜1:2の範囲にある。より好ましくは、酸(II)又は(IIA):アニリン(III)又は(IIIA)のモル比は、1.2:1〜1:1.2の範囲にある。より好ましくは、酸(II)又は(IIA):アニリン(III)又は(IIIA)のモル比は、1.1:1〜1:1.1の範囲にある。
【0098】
溶媒
本発明の反応は、所望により(そして好ましくは)、適切な溶媒中で行われる。適切な溶媒としては、限定されるものではないが、直鎖、分岐鎖又は環状の脂肪族炭化水素(例えば、リグロイン又はシクロヘキサン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなど)、並びに芳香族溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなど)が挙げられる。
【0099】
好ましい溶媒は、キシレンである。
【0100】
温度
本発明の反応は、反応の許容可能な比はが達成されるような温度で行なわれることができる。好ましくは、本反応は、0℃〜200℃の温度で行われる。より好ましくは、本反応は、50℃〜180℃の温度で行われる。より好ましくは、本反応は、100℃〜170℃の温度で行われる。より好ましくは、本反応は、130℃〜150℃の温度で行われる。
【0101】
水の除去
好ましくは、反応混合物からの水の除去(例えば、反応の完了前の水の除去)が考えられる。水は、連続的に反応系から除去されることができる。適切な方法は、水の共沸除去である。水の共沸除去を行なうための適切な装置が、当業者に知られているであろう。水の除去は、生成物への工業的に有効な転換を達成するために非常に好ましいことが分かった。
【0102】
ボロン酸
ボロン酸の例としては、ホウ酸、フェニルボロン酸、2−メチルフェニルボロン酸、3−メチルフェニルボロン酸、4−メチルフェニルボロン酸、2,3−ジメチルフェニルボロン酸、4−ジメチルフェニルボロン酸、2,5−ジメチルフェニルボロン酸、2−エチルフェニルボロン酸、4−n‐プロピルフェニルボロン酸、4−イソプロピルフェニルボロン酸、4−n‐ブチルフェニルボロン酸、4−tert‐ブチルフェニルボロン酸、1−ナフチルボロン酸、2−ナフチルボロン酸、2−ビフェニルボロン酸、3−ビフェニルボロン酸、4−ビフェニルボロン酸、2−フルオロ−4−ビフェニルボロン酸、2−フルオレニルボロン酸、9−フルオレニルボロン酸、9−フェナントレニルボロン酸、9−アントラセニルボロン酸、1−ピレニルボロン酸、2−トリフルオロメチルフェニルボロン酸、3−トリフルオロメチルフェニルボロン酸、4−トリフルオロフェニルボロン酸、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸、2−メトキシフェニルボロン酸、3−メトキシフェニルボロン酸、
【0103】
4−メトキシフェニルボロン酸、2,5−ジメトキシフェニルボロン酸、4,5−ジメトキシフェニルボロン酸、2,4−ジメトキシフェニルボロン酸、2−エトキシフェニルボロン酸、3−エトキシフェニルボロン酸、4−エトキシフェニルボロン酸、4−フェノキシボロン酸、4−メチレンジオキシフェニルボロン酸、2−フルオロフェニルボロン酸、3−フルオロフェニルボロン酸、4−フルオロフェニルボロン酸、2,4−ジフルオロフェニルボロン酸、2,5−ジフルオロフェニルボロン酸、4,5−ジフルオロフェニルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、2−ホルミルフェニルボロン酸、3−ホルミルフェニルボロン酸、4−ホルミルフェニルボロン酸、3−ホルミル−4−メトキシフェニルボロン酸、2−シアノフェニルボロン酸、3−シアノフェニルボロン酸、4−シアノフェニルボロン酸、3−ニトロフェニルボロン酸、
【0104】
3−アセチルフェニルボロン酸、4−アセチルフェニルボロン酸、3−トリフルオロアセチルフェニルボロン酸、4−トリフルオロアセチルフェニルボロン酸、4−メチルチオフェニルボロン酸、4−ビニルフェニルボロン酸、3−カルボキシフェニルボロン酸、4−カルボキシフェニルボロン酸、3−アミノフェニルボロン酸、2−(N,N−ジメチルアミノ)フェニルボロン酸、3−(N,N−ジメチルアミノ)フェニルボロン酸、4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニルボロン酸、2−(N,N−ジエチルアミノ)フェニルボロン酸、3−(N,N−ジエチルアミノ)フェニルボロン酸、4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニルボロン酸、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニルボロン酸、フラン−2−ボロン酸、フラン−3−ボロン酸、4−ホルミル−2−フランボロン酸、ジベンゾフラン−4−ボロン酸、ベンゾフラン−2−ボロン酸、チオフェン−2−ボロン酸、チオフェン−3−ボロン酸、5−メチルチオフェン−2−ボロン酸、
【0105】
5−クロロチオフェン−2−ボロン酸、4−メチルチオフェン−2−ボロン酸、5−メチルチオフェン−2−ボロン酸、2−アセチルチオフェン−5−ボロン酸、5−メチルチオフェン−2−ボロン酸、ベンゾチオフェン−2−ボロン酸、ジベンゾチオフェン−4−ボロン酸、ピリジン−3−ボロン酸、ピリジン−4−ボロン酸、ピリミジン−5−ボロン酸、キノリン−8−ボロン酸、イソキノリン−4−ボロン酸、4−ベンゼンビス(ボロン酸)、フェニルボロン酸−ピナコールエステル、及び4−シアノフェニルボロン酸−ピナコールエステルが挙げられる。
【0106】
ボロン酸の好ましい種類は、アリールボロン酸、最も好ましくは、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニルボロン酸及び3,5−トリフルオロメチルフェニルボロン酸である。
【0107】
代替的な好ましいボロン酸は、ホウ酸である。
【0108】
アンチモン
本発明における触媒として使用するためのアンチモンは、例えば、アンチモンIII又はアンチモンVでよい。
【0109】
触媒として使用するためのアンチモンの例としては、例えばO、S又はNから選択された適切な配位原子を有するアンチモンに対して錯形成する配位子を有する、アンチモン錯体(例えば、アリールアンチモン錯体、並びに飽和及び不飽和炭素鎖アンチモン錯体などのオルガノアンチモン錯体)が挙げられる。
【0110】
適切なアンチモン触媒の例としては、
アンチモンハロゲン化物(例えば、SbCl)、
アンチモン酸化物(例えば、Sb)、
アンチモンアルコキシド[例えば、Sb(ORx){式中、Rxは、アルキル、アルケニル、アルキニル、例えば、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、例えば、C−Cアルキニルである}、特にSb(OEt))、アンチモンカルボン酸(例えば、Sb(OCRx){式中、Rxは、上記で規定した通りである}、特にSb(Ac)]が挙げられる。
【0111】
アンチモンV触媒の例としては、アリールアンチモン錯体、例えば、Nomuraらの「Chemistry Letters,The Chemical Society of Japan,1986,pages 1901−1904」に記載されているものなどが挙げられる。これらは、アリール基及びカルボン酸塩と錯形成したアンチモン、例えば、PhSb(OCRx)(式中、Rxは、上記で規定した通りである)、特PhSb(OAc)、並びにアリール基と錯形成したアンチモン酸化物、例えば、PhSbOを含む。
【0112】
触媒再利用
好ましくは、触媒は、例えば、反応溶液から水相中に触媒を抽出することにより、再利用される。触媒の抽出は、反応溶液のpHを、例えば、アルカリ性pHに変えることにより達成されることができるので、触媒は、有機相から水相に移動する。その後に、触媒は、pHを、例えば、酸性pHに変えることにより、水相から未使用反応溶液に移されることができる。
【0113】
3,5−ビス−(トリフルオロメチル)−フェニルボロン酸などのボロン酸触媒は、反応溶液から水相に触媒を抽出することによる触媒再利用に特に適する。
【0114】
触媒の量
好ましくは、利用される触媒の量は、カルボン酸(II)又は(IIA)の量を基準として、50モル%以下である。より好ましくは、利用される触媒の量は、カルボン酸(II)又は(IIA)の量を基準として、25モル%以下である。より好ましくは、利用される触媒の量は、カルボン酸(II)又は(IIA)の量を基準として、15モル%以下である。
【0115】
好ましくは、利用される触媒の量は、カルボン酸(II)又は(IIA)の量を基準として、少なくとも0.01モル%である。より好ましくは、利用される触媒の量は、カルボン酸(II)又は(IIA)の量を基準として、少なくとも0.1モル%である。より好ましくは、利用される触媒の量は、カルボン酸(II)又は(IIA)の量を基準として、少なくとも1モル%である。
【0116】
好ましくは、利用される触媒の量は、カルボン酸(II)又は(IIA)の量を基準として、0.01〜50モル%である。より好ましくは、利用される触媒の量は、カルボン酸(II)又は(IIA)の量を基準として、0.1〜25モル%である。より好ましくは、利用される触媒の量は、カルボン酸(II)又は(IIA)の量を基準として、1〜15モル%である。より好ましくは、利用される触媒の量は、カルボン酸(II)又は(IIA)の量を基準として、8〜12モル%である。
【0117】
好ましくは、利用される触媒の量は、アニリン(III)又は(IIIA)の量を基準として、50モル%以下である。より好ましくは、利用される触媒の量は、アニリン(III)又は(IIIA)の量を基準として、25モル%以下である。より好ましくは、利用される触媒の量は、アニリン(III)又は(IIIA)の量を基準として、15モル%以下である。
【0118】
好ましくは、利用される触媒の量は、アニリン(III)又は(IIIA)の量を基準として、少なくとも0.01モル%である。より好ましくは、利用される触媒の量は、アニリン(III)又は(IIIA)の量を基準として、少なくとも0.1モル%である。より好ましくは、利用される触媒の量は、アニリン(III)又は(IIIA)の量を基準として、少なくとも1モル%である。
【0119】
好ましくは、利用される触媒の量は、アニリン(III)又は(IIIA)の量を基準として、0.01〜50モル%である。より好ましくは、利用される触媒の量は、アニリン(III)又は(IIIA)の量を基準として、0.1〜25モル%である。より好ましくは、利用される触媒の量は、アニリン(III)又は(IIIA)の量を基準として、1〜15モル%である。より好ましくは、利用される触媒の量は、アニリン(III)又は(IIIA)の量を基準として、8〜12モル%である。
【0120】
通常、一種類の触媒が、反応に使用されるであろう。しかし、本発明は、一種類以上の触媒が、例えば、別々に、連続して又は同時に使用される反応も含む。例えば、ホウ素系触媒又はアンチモン触媒以外の種類が使用されるか、又はボロン酸触媒及びアンチモン触媒が使用されることができる。
【0121】
出発材料の合成
カルボン酸類(II)及びアニリン類(III)を調製するための適切な方法は、国際公開第04/035589号パンフレット及び国際公開第2007/048556号パンフレットに開示されている。カルボン酸類(IIA)及びアニリン類(IIIA)を調製するための適切な方法は、国際公開第03/074491号パンフレットに開示されている。他の方法は、当業者にとって自明であろう。
【0122】
生成物の検査及び単離
反応混合物の検査は、合成有機化学の周知の手順に従って行なわれる。例えば、水性検査は、水(又は他の水溶液)の添加、及び適切な有機溶媒による所望の生成物の抽出により行なわれることができる。
【0123】
また、本生成物は、例えば減圧下の、蒸留により、存在する任意の溶媒を除去することにより、単離されることができる。
【0124】
本生成物の精製は、複数の方法、例えば、蒸留、再結晶及びクロマトグラフィーのいずれか1つにより、行なわれることができる。
【実施例】
【0125】
本発明は、下記の非限定的な実施例により、今では説明されるであろう。当業者は、反応物並びに反応条件及び技術の両方について、その手順から適切な変更点を直ぐに理解するであろう。
【0126】
本明細書で記述された全文献は、参照により全体で本明細書に援用される。全ての態様及び好ましい性質は、それが明らかに可能でない場合を除いて、互いに組み合わせることができる。
【0127】
図1には、トルエン中における共沸還流下で10モル%の触媒を用いる実施例2:
【化24】

のボロン酸の触媒作用を受けた反応の反応プロフィールを示す。X軸は、時間(単位:時間)を示し、そしてY軸は、モル分率を示す。三角形は、酸反応物を表し、菱形は、アニリン反応物を表し、円形は、生成物を表す。
【0128】
図2には、有機相(トルエン)対pHにおける3,5−ビス−(トリフルオロメチル)−フェニルボロン酸触媒のモル分率のプロフィールを示す。円形は、モデル化データを表し、菱形は実験データを表す。
【0129】
実施例1
反応シークエンス(触媒なし)
【化25】

【0130】
オーブンで乾燥した丸底フラスコを脱気して、窒素を3回充填した。そのフラスコに、充填した3Åモレキュラーシーブを含む滴下漏斗を取り付けて、それを窒素管に接続した。3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(0.36g、2mmol)、及び9−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノ−ナフタレン−5−イルアミン(0.4g、2mmol)をフラスコに加え、次にシリンジによって無水トルエン(2mL)を加えた。窒素下で、混合物を終夜で共沸還流した。その後、その溶液を冷却して、真空下で濃縮して薄茶色固体を得た。H及び19FNMR及びGC分析では、アミド生成物への5%のみの転化が示された。
【0131】
実施例2
反応シークエンス
【化26】

【0132】
オーブンで乾燥した丸底フラスコを脱気して、窒素を3回充填した。そのフラスコに、充填した3Åモレキュラーシーブを含む滴下漏斗を取り付けた。3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(0.36g、2mmol)、及び9−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノ−ナフタレン−5−イルアミン(0.4g、2mmol)をフラスコに加え、次に3,5−ビス−(トリフルオロメチル)−フェニルボロン酸(26mg、5モル%)及び無水トルエン(4mL)を加えた。その混合物を加熱還流して、窒素下において終夜で共沸還流した。アミドへの転化を定量的に示すGCによりサンプルを分析して、そして溶液を冷却して、ナトリウム水素カーボネート(10mL)及びアンモニウムクロリド(10mL)の飽和水溶液で反応停止した。
【0133】
水層を酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空下で濃縮して褐色固体を得た。それは、H及び19FNMR、及びGC−MS(0.55g、76%)によりアミド生成物として特定された。
【0134】
ボロン酸の触媒作用を受けた反応は、トルエン中の共沸還流下で10モル%の触媒を用いるプロフィールであった。共沸還流による水の除去は、それらの条件なしでは、反応が18時間後に完了しないので、有利であるようだ(図1を参照されたい)。
【0135】
強アルカリ水によって反応部分からボロン酸を抽出し、酸性化し、次にトルエン中に再抽出することにより、触媒の再利用を行ない、次のバッチに向けて調査した。計算したLogP(3.013)及びpK(6.57)を用いて相分離をモデル化して、実験値は近似するが、恐らく高イオン強度のために、より高いpHで僅かなテール(グラフ尾)を示す(図2を参照されたい)。
【0136】
触媒再利用は、生成物に対する触媒の費用負担を有意に減らすであろう。
【0137】
実施例3
反応シークエンス
【化27】

【0138】
オーブンで乾燥した丸底フラスコを脱気して、窒素を3回充填した。そのフラスコに、充填した3Åモレキュラーシーブを含む滴下漏斗を取り付けた。3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(0.36g、2mmol)、及び9−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノ−ナフタレン−5−イルアミン(0.4g、2mmol)をフラスコに加え、次にアンチモン(III)エトキシド(34μL、5モル%)及び無水トルエン(4mL)を加えた。窒素雰囲気下で、反応物を終夜で共沸還流した。アミドへの転化を定量的に示すGCによりサンプルを分析し、そしてメタノール(5mL)で溶液を反応停止したところ、得られた溶液から固体が生じた。セリットのパッドによってこの懸濁液をろ過し、50/50の酢酸エチル/アセトン(10mL)で洗浄した。得られた溶液を真空下で濃縮して、黄色固体を得た。それは、H及び19FNMR、並びにGCMS分析により、アミド生成物(0.53g、73%)として特定された。
【0139】
実施例4
反応シークエンス
【化28】

【0140】
【表1】

【0141】
50mlの3つ口丸底フラスコに、攪拌子、温度計、油浴、濃縮器、コンデンサー、及び3Aモレキュラーシーブ8〜12メッシュ(及び10mlのキシレン)を充填したDean & Stark装置を取り付けた。その系を窒素でパージして、周囲に排出した。
【0142】
DF−ピラゾール酸(化合物IV)(0.41g)、アニリン(化合物VII)(0.56g)、キシレン(15ml)及びホウ酸触媒(14.2mg)をフラスコに入れた。混合物を加熱還流(約144℃以下)して、その温度に8時間保持した。反応をGCMSによって監視した。
【0143】
転化率=GCMSによると化合物(IV)に対して94%
=GCMSによると化合物(VII)に対して54%
=NMRによると55%
【0144】
GC/MSの詳細:本生成物は、本物の化合物によって見つけられたものと同じ保持時間、分子イオン(M331)及びフラグメンテーションパターンを有した。
NMR:生成物のNMRスペクトルは、本物の材料のものと一致した。
【0145】
実施例5
反応シークエンス
【化29】

【0146】
触媒(10モル%)の選択をスクリーニングした。利用する触媒を変えて、実施例4の手順を繰り返した。
【0147】
【表2】

【0148】
転化率をGCMS分析により決定した。表に示された結果は、アニリン成分の消費量を基準としている。おそらくは反応要因の差のために、カルボン酸消費量を基準とした転化率は異なる。NMR分析によって、アニリン消費量の監視が反応転化率の最良の測定であることが分かった。
【0149】
好ましい生成物が、全ての場合に形成されたが、反応速度は、触媒が存在しないと非常に遅かった。適度に良好な速度は、試したホウ素系触媒の両方で達成された。興味深いことに、合成的に有利な速度は、少量のホウ酸触媒によって達成された(8時間での55%の転化)。生成物を単離して、その構造をNMR分析により確認した。
【0150】
実施例6
反応シークエンス
【化30】

【0151】
【表3】

【0152】
50mlの3つ口丸底フラスコに、攪拌子、温度計、油浴、濃縮器、コンデンサー、及び3Aモレキュラーシーブ8〜12メッシュ(及び10mlのキシレン)を充填したDean & Stark装置を取り付けた。その系を窒素でパージして、周囲に排出した。
【0153】
DF−ピラゾール酸X(0.5g)、BiCP−アニリンXI(0.94g)、キシレン(20ml)及び2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニルボロン酸触媒(47mg)をフラスコに入れた。混合物を加熱還流(約143℃以下)して、その温度で10時間保持した。
【0154】
反応をHPLCにより監視したところ、5時間後に45%の転化、そして10時間後に58%の転化が達成された。
【0155】
本物の材料とのHPLC及びGCMS比較によって、生成物の特性を確認した。
【0156】
実施例7
反応シークエンス
【化31】

【0157】
利用する触媒を変えて、実施例6の手順を繰り返した。
【0158】
【表4】

【0159】
これらの結果によって、触媒の不存在下では、実際には、140℃での5時間後には、反応は起こらないことが示された。
【0160】
しかし、触媒の追加は、反応速度に劇的な影響を与え、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニルボロン酸によって5時間後に、45%の転化率が達成された。ホウ酸触媒は少し効果的ではないが、まだ有用な反応速度(5時間後に25%の転化率)を与えた。本物の材料とのGCMS比較により、生成物の特定を確認した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

{式中、
Hetは、基R8、R9及びR10により置換されている、ピロリル又はピラゾリルであり;
Xは、単結合であり;
Yは、(CR12R13)(CR14R15)m(CR16R17)n又はC=C(A)Z(式中、A及びZは、独立してC1−6アルキル又はハロゲンである)であり;
mは、0又は1であり;
nは、0又は1であり;
R1は、水素であり;
R2及びR3は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ又はC1−4ハロアルコキシであり;
R4、R5、R6及びR7は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4ハロアルキルチオ、ヒドロキシメチル、C1−4アルコキシメチル、C(O)CH又はC(O)OCHであり;
R8、R9及びR10は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、C1−4アルコキシ(C1−4)アルキレン又はC1−4ハロアルコキシ(C1−4)アルキレンであり、ただし、R8、R9及びR10の少なくとも1つは、水素ではなく;
R12及びR13は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1−5アルキル、C1−3アルコキシ、CHOH、CH(O)、C3−6シクロアルキル、CHO−C(=O)CH、CH−C3−6シクロアルキル又はベンジルであるか;又は
R12及びR13は、それらが結合する炭素原子とともに、基C=O又は3〜5員カルボン酸環を形成するか;又は、
R12及びR13は、共にC1−5アルキリデン又はC3−6シクロアルキリデンを形成し;そして
R14、R15、R16及びR17は、それぞれ独立して、H又はCHである。}
の化合物の製造方法(a)であって、ボロン酸触媒又はアンチモン触媒の存在下で、式(II):
【化2】

{式中、Hetは、上記で規定した通りである。}
のカルボン酸に式(III):
【化3】

{式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、X及びYは、上記で規定した通りである}
のアニリンを反応させる工程を含む製造方法(a)、又は
式(IA):
【化4】

{式中、
Hetaは、基R4a、R5a、R6aにより置換されている、ピロリル、ピラゾリル又はチアゾリルであり;
R1aは、水素、フルオロ、クロロ又はブロモであり;
R2aは、水素、フルオロ、クロロ又はブロモであり;
R3aは、所望により置換されているC2−12アルキル(ただし、存在する場合には、各任意の置換基は、独立して、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、シアノ、C1−4アルコキシC(=O)、ホルミル、ニトロ、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4ハロアルキルチオ、HC(OR’)=N及びR’R’’NN=C(H)から選択される);所望により置換されているC2−12アルケニル(ただし、存在する場合には、各任意の置換基は、独立して、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、シアノ、C1−4アルコキシC(=O)、ホルミル、ニトロ、C1−4−アルコキシ、C1−4ハロアルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4ハロアルキルチオ、HC(OR’)=N及びR’R’’NN=C(H)から選択される);所望により置換されているC2−12アルキニル(ただし、存在する場合には、各任意の置換基は、独立して、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、シアノ、C1−4アルコキシC(=O)、ホルミル、ニトロ、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4ハロアルキルチオ、HC(OR’)=N及びR’R’’NN=C(H)から選択される);所望により置換されているC3−12シクロアルキル(ただし、存在する場合には、各任意の置換基は、独立して、C1−3アルキル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、シアノ、C1−4アルコキシC(=O)、ホルミル、ニトロ、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4ハロアルキルチオ、HC(OR’)=N及びR’R’’NN=C(H)から選択される);所望により置換されているフェニル(ただし、存在する場合には、各任意の置換基は、独立して、C1−6アルキル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、シアノ、C1−4アルコキシC(=O)、ホルミル、ニトロ、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4ハロアルキルチオ、HC(OR’)=N及びR’R’’NN=C(H)から選択される);又は所望により置換されている複素環(ただし、存在する場合には、各任意の置換基は、独立して、C1−6アルキル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、シアノ、C1−4アルコキシC(=O)、ホルミル、ニトロ、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4ハロアルキルチオ、HC(OR’)=Nから選択される)であり;R’及びR’’は、独立して、水素又はC1−4アルキルであり;そして
R4a、R5a、及びR6aは、独立して、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、ニトロ、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、C1−4アルコキシ(C1−4)アルキル及びC1−4ハロアルコキシ(C1−4)アルキルから選択される。ただし、R4a、R5a及びR6aの少なくとも1つは、水素ではない。}
の化合物の製造方法(b)であって、ボロン酸触媒又はアンチモン触媒の存在下で、式(IIA):
【化5】

のカルボン酸に式(IIIA):
【化6】

のアニリンを反応させる工程を含む製造方法(b)。
【請求項2】
ボロン酸触媒がアリールボロン酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ボロン酸触媒が、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニルボロン酸、ホウ酸又は3,5−トリフルオロメチルフェニルボロン酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
アンチモン触媒がSb(OEt)である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
触媒が、カルボン酸(II)又は(IIA)の量を基準として、1〜15モル%の量で利用される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
触媒が、アニリン(III)又は(IIIA)の量を基準として、1〜15モル%の量で利用される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
酸(II)又は(IIA):アニリン(III)又は(IIIA)のモル比が、2:1〜1:2の範囲にある、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
Hetが、式(VIIA):
【化7】

{式中、R7aは、CF及びCHFから選択される}の基であるか;
及び/又はYが、CHCH(CH)CH又はC=CClであるか;
及び/又はR2、R3、R4、R5、R6、R7が、独立して水素から選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
YがCHCH(CH)CHである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
YがC=CClである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
ボロン酸触媒又はアンチモン触媒の存在下で、式(IV):
【化8】

のカルボン酸に式(V):
【化9】

のアニリンを反応させる工程を含む、式(VI):
【化10】

の化合物を製造するための請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
ボロン酸触媒又はアンチモン触媒の存在下で、式(IV):
【化11】

のカルボン酸に式(VII):
【化12】

のアニリンを反応させる工程を含む、式(VIII):
【化13】

の化合物を製造するための請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
Hetaが、式(VIIA):
【化14】

{式中、R7aは、CF及びCHFから選択される}の基であるか;
及び/又はR3aが、式(VIIIA):
【化15】

{式中、R8は、H又はC1−6アルキルである}
の基である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
ボロン酸触媒又はアンチモン触媒の存在下で、式(IV):
【化16】

のカルボン酸に式(XIA):
【化17】

のアニリンを反応させる工程を含む、式(IXA):
【化18】

の化合物を製造するための請求項1〜7及び13のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−520828(P2011−520828A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508881(P2011−508881)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【国際出願番号】PCT/EP2009/055651
【国際公開番号】WO2009/138375
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(500371307)シンジェンタ リミテッド (141)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】