説明

イオンを冷却する装置および方法

二次イオン質量分析法のための装置が提供され、該装置は、標的面上の試料を支える、標的面と、一次イオンのビームを試料の方に導き、試料から二次イオンと中性粒子とをたたき出すように構成されるイオン源とを有する。入口を有する第1のチャンバは、二次イオンと中性粒子とを冷却するために試料の位置において高い圧力を維持するために気体を提供し、高い圧力は、約10−3〜約1000トルの範囲内である。二次イオン質量分析法の方法が提供され、該方法は、試料を支える標的面を有し、一次イオンのビームを試料の方に導いて、試料から二次イオンと中性粒子とをたたき出し、二次イオンと中性粒子とを冷却するために試料の位置に高い圧力を提供し、高い圧力は、約10−3〜約1000トルの範囲内である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(分野)
本出願人の教示は、二次イオン質量分析計における二次イオンを冷却する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(導入)
二次イオン質量分析法(SIMS)は表面分析技術であり、該技術において、試料は、一次イオンで衝撃され、二次イオンおよび中性粒子をたたき出す。二次イオンは、一般的に高い内部励起を有し、それは対象とするイオンの分裂をまねく。二次イオンは、分裂を防ぐために安定化される必要がある。また、一次イオンは、気体分子と衝突し、それによって、試料を衝撃するよりも、むしろ減速して、散乱し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(概要)
本出願人の教示の一局面に従って、二次イオン質量分析法を実施する装置が提供される。装置は、標的面であって、標的面上に堆積された試料を支える、標的面と、一次イオンのビームを試料の方に導き、試料から二次イオンと中性粒子とをたたき出すように構成されるイオン源であって、イオン源の少なくとも一部分は真空中で動作するように構成され得る、イオン源とを備えている。一次イオンのビームは、連続的であり得るかまたはパルス状であり得る。一次イオンは、C60イオンなどのクラスタイオンを備え得る。装置はまた、標的面と試料とを囲む第1のチャンバを備えている。第1のチャンバは、二次イオンと中性粒子とを冷却するために試料の位置で高い圧力を維持するように気体を提供する入口を有し、高い圧力は、約10−3〜約1000トルの範囲内であり、好ましくは約10mトルである。高い圧力はまた、約10−1〜約100トルの範囲内であり得る。二次イオンと中性粒子とを冷却するために提供される気体は、チャンバの中にパルスとして注入されるかまたは連続的に導入され得る。装置は、試料からの二次イオンおよび中性粒子を受ける冷却経路をさらに備え得、二次イオンおよび中性粒子は、冷却経路に沿って冷却される。試料の位置における高い圧力に冷却経路の長さをかけることによって得られる積は、10−3トルcmよりも大きくあり得る。中性粒子は、例えば、レーザ光を用いるか、イオン−イオン電荷移動によってか、VUV光を用いる光イオン化によってか、または当該分野において公知の他の技術によって、後にイオン化され得る。第1のチャンバの中への入口は、試料に気体を導く導管であり得る。イオン源の出力端部は、試料から1cm未満にあり得る。イオン源の出力端部はまた、試料から1mm以下にあり得る。装置は、アパーチャを有するスキマをさらに備え、スキマは、中性粒子の後のイオン化によって生成されるイオンを含み得る二次イオンを受け、スキマのアパーチャを介してRFイオンガイドの中に二次イオンを導くように構成される。さらにイオン源は、スキマのアパーチャを介して一次イオンのビームを試料の方に導き、試料から二次イオンと中性粒子とをたたき出すように構成され得る。また、イオン源は、スキマの一部分と一体化され得る。
【0004】
別の局面において、二次イオン質量分析法の方法が提供される。方法は、標的面であって、標的面上に堆積された試料を支える、標的面を提供することを包含する。方法はまた、一次イオンのビームを試料の方に導き、試料から二次イオンと中性粒子とをたたき出すことと、二次イオンと中性粒子とを冷却するために試料の位置で高い圧力を提供することであって、高い圧力は、約10−3〜約1000トルの範囲内であり、好ましくは約10mトルである、こととを包含する。高い圧力はまた、約10−3〜約100トルの範囲内であり得る。一次イオンのビームは、連続的であり得るかまたはパルス状であり得る。一次イオンは、C60イオンなどのクラスタイオンを備え得る。方法は、高い圧力を維持するために気体を提供することをさらに包含する。気体は、連続的に提供され得るかまたはパルス状の気体であり得る。方法は、試料からたたき出された二次イオンおよび中性粒子を冷却経路の中に導き、二次イオンおよび中性粒子が冷却経路に沿って冷却されるようにすることを、さらに包含する。試料の位置における高い圧力に冷却経路の長さをかけることによって得られる積は、10−3トルcmよりも大きくあり得る。中性粒子は、例えば、レーザ光を用いるか、イオン−イオン電荷移動によってか、VUV光を用いる光イオン化によってか、または当該分野において公知の他の技術によって、後にイオン化され得る。方法は、試料に気体を送達することをさらに包含し得る。一次イオンのビームは試料に導かれ得る。方法は、アパーチャを有するスキマを提供することと、中性粒子の後のイオン化によって生成されるイオンを含み得る二次イオンを受け、アパーチャを介してRFイオンガイドの中に二次イオンを導くこととをさらに包含し得る。さらに、イオン源は、スキマのアパーチャを介して一次イオンのビームを試料の方に導き、試料から二次イオンと中性粒子とをたたき出すように構成され得る。また、イオン源は、スキマの一部分と一体化され得る。
【0005】
出願人のこれらの特徴および他の特徴は、本明細書において説明される。
【0006】
当業者は、下記に説明される図面が図示の目的のためのみであることを理解する。図面は、本出願人の教示の範囲を限定することは決して意図されない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本出願人の教示の様々な実施形態に従う、二次イオン質量分析法システムを概略的に図示する。
【図2】図2は、様々な実施形態に従う、アパーチャを有するスキマを含む、二次イオン質量分析法システムを概略的に図示する。
【図3】図3は、様々な実施形態に従う、スキマの一部分と一体化したイオン源を含む、二次イオン質量分析法システムを概略的に図示する。
【図4】図4は、様々な実施形態に従う、試料に気体を送達する導管である入口を有するチャンバを含む、二次イオン質量分析計システムを概略的に図示する。
【図5】図5は、様々な実施形態に従う、試料のすぐ近くに配置されたイオン源の出力端部を含む、二次イオン質量分析計システムを概略的に図示する。
【図6】図6は、試料に気体を送達する導管と、試料のすぐ近くに配置されたイオン源の出力端部とを含む、二次イオン質量分析法システムを概略的に図示する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(様々な実施形態の詳細な説明)
様々な要素に関して出願人の教示に関連して用いられるフレーズ「a」または「an」が、文脈が明らかに別のことを示さない限り、「1つ以上」または「少なくとも1つ」を包含することは理解されるべきである。図1を参照すると、出願人の教示に従う様々な実施形態において、概略図は、一次イオンのビーム14を試料16の方に導き、試料16から二次イオン18と中性粒子19とをたたき出すように構成されるイオン源12を有する二次イオン質量分析法システム10を図示する。様々な実施形態において、一次イオンのビームは、連続的であり得るかまたはパルス状であり得る。一次イオンは、当該分野において公知のように金属クラスタもしくは有機クラスタであり得るクラスタイオン、または任意の他の適切な投射イオン(projectile ion)を含み得る。投射イオンは、種々の電荷状態を備え得る。例えば、一次イオンは、試料を衝撃したとき残留物を残さない、安定した丈夫な大きな分子であるC60イオンを備え得る。イオン源12の少なくとも一部分は、真空中で動作するように構成され得る。試料16は、標的面20の上に支持される。対象とするイオンの分裂をまねく高い内部励起を有し得る二次イオンを冷却し、安定化させるために、高い圧力が試料16の位置に提供され得る。二次イオンの急速な冷却は、そのような分裂を防ぎ得る。試料の位置における高い圧力は、二次イオンおよび中性粒子の急速な冷却を促進し得る。様々な局面において、高い圧力は、約10−3〜約1000トルの範囲内であり、好ましくは約10mトルの圧力を備え得る。様々な局面において、高い圧力は、約10−1〜約100トルの範囲内であり得る。様々な実施形態において、中性粒子は、当該分野において周知であるように、後にイオン化され得る。例えば、中性粒子は、レーザ光を用いるか、イオン−イオン電荷移動イオン化によってか、またはVUV光を用いる光イオン化によって、後にイオン化され得るが、これらの手段に限定されない。チャンバ22は、標的面と試料とを囲み得る。様々な実施形態において、チャンバ22は、気体を提供する入口24を備え、高い圧力を維持し、そして中性粒子の後のイオン化によって生成されるイオンを含み得る二次イオンをRFイオンガイド26の中に導き、該二次イオンの焦点をRFイオンガイドに合わせる。気体は、一般的には当該分野において周知の窒素、ヘリウム、またはアルゴンを含むがこれらに限定されない不活性気体であり得る。様々な局面において、気体は、連続的に提供され得るかまたはパルスとして注入され得る。ポンプ28は、約10−2〜約10−10トルであり得る、イオン源12の圧力と、チャンバ22の圧力とを調節し得る。冷却経路は試料から二次イオンおよび中性粒子を受け得、二次イオンおよび中性粒子は冷却経路に沿って冷却され得る。冷却経路の少なくとも一部分は、RFイオンガイドに沿って置かれ得る。中性粒子の後のイオン化によって生成されるイオンを含み得る二次イオンは、RFイオンガイド26を通過して、これに限定するものではないが、四重極質量分析計、飛行時間質量分析計、イオントラップ質量分析計、またはフーリエ変換質量分析計を含む質量分析計の中に入り得る。
【0009】
図2に示されるように、出願人の教示に従った様々な実施形態において、概略図は、一次イオンのビーム34を試料36の方に導き、試料36から二次イオン38と中性粒子39とをたたき出すように構成される、イオン源32を有する二次イオン質量分析法システム30を図示する。様々な実施形態において、一次イオンのビームは、連続的であり得るかまたはパルス状であり得る。一次イオンは、当該分野において公知のように金属クラスタもしくは有機クラスタであり得るクラスタイオン、または任意の他の適切な投射イオンを含み得る。投射イオンは、種々の電荷状態を備え得る。例えば、一次イオンは、試料を衝撃したとき残留物を残さない、安定した丈夫な大きな分子であるC60イオンを備え得る。イオン源32の少なくとも一部分は、真空中で動作するように構成され得る。試料36は、標的面40の上に支持される。対象とするイオンの分裂をまねく高い内部励起を有し得る二次イオンを冷却し、安定化させるために、高い圧力が試料36の位置に提供され得る。二次イオンの急速な冷却は、そのような分裂を防ぎ得る。試料の位置における高い圧力は、二次イオンおよび中性粒子の急速な冷却を促進し得る。様々な局面において、高い圧力は、約10−3〜約1000トルの範囲内であり、好ましくは約10mトルの圧力を備え得る。様々な局面において、高い圧力は、約10−1〜約100トルの範囲内であり得る。様々な実施形態において、中性粒子は、当該分野において周知であるように、後にイオン化され得る。例えば、中性粒子は、レーザ光を用いるか、イオン−イオン電荷移動イオン化によってか、またはVUV光を用いる光イオン化によって、後にイオン化され得るが、これらの手段に限定されない。第1のチャンバ42は、標的面と試料とを囲み得る。様々な実施形態において、第1のチャンバ42は、気体を提供する入口44を備え、高い圧力を維持する。様々な局面において、システム30は、アパーチャ52と53とを有するスキマ50を備えている。一次イオンはアパーチャ53を通過してチャンバ42の中に入る。気体は、中性粒子の後のイオン化によって生成されるイオンを含み得る二次イオンを、スキマ50のアパーチャ52を通って、第2のチャンバ54の中に配置されるRFイオンガイド46の中に導き、該二次イオンの焦点をRFイオンガイドに合わせる。様々な実施形態において、イオン源32は、スキマ50のアパーチャ53を介して、一次イオン34のビームを導き、試料36から二次イオンと中性粒子とをたたき出すように構成され得る。第2のチャンバ54の圧力は、第1のチャンバ42の圧力、例えば10mトルよりも低くあり得る。気体は、一般的には当該分野において周知の窒素、ヘリウム、またはアルゴンを含むがこれらに限定されない不活性気体であり得る。様々な局面において、気体は、連続的に提供され得るかまたはパルスとして注入され得る。ポンプ48は、約10−2〜約10−10トルであり得る、イオン源32の圧力と、チャンバ54の圧力とを調節し得る。冷却経路は試料から二次イオンおよび中性粒子を受け得、二次イオンおよび中性粒子は冷却経路に沿って冷却され得る。冷却経路の少なくとも一部分は、RFイオンガイドに沿って置かれ得る。中性粒子の後のイオン化によって生成されるイオンを含み得る二次イオンは、RFイオンガイド46を通過して、これに限定するものではないが、四重極質量分析計、飛行時間質量分析計、イオントラップ質量分析計、またはフーリエ変換質量分析計を含む質量分析計の中に入り得る。
【0010】
図3を参照すると、出願人の教示に従った様々な実施形態において、概略図は、一次イオンのビーム64を試料66の方に導き、試料66から二次イオン68と中性粒子69とをたたき出すように構成される、イオン源62を有する二次イオン質量分析法システム60を図示する。様々な実施形態において、一次イオンのビームは、連続的であり得るかまたはパルス状であり得る。一次イオンは、当該分野において公知のように金属クラスタもしくは有機クラスタであり得るクラスタイオン、または任意の他の適切な投射イオンを含み得る。投射イオンは、種々の電荷状態を備え得る。例えば、一次イオンは、試料を衝撃したとき残留物を残さない、安定した丈夫な大きな分子であるC60イオンを備え得る。イオン源62の少なくとも一部分は、真空中で動作するように構成され得る。試料66は、標的面70の上に支持される。対象とするイオンの分裂をまねく高い内部励起を有し得る二次イオンを冷却し、安定化させるために、高い圧力が試料66の位置に提供され得る。二次イオンの急速な冷却は、そのような分裂を防ぎ得る。試料の位置における高い圧力は、二次イオンおよび中性粒子の急速な冷却を促進し得る。様々な局面において、高い圧力は、約10−3〜約1000トルの範囲内であり、好ましくは約10mトルの圧力を備え得る。様々な局面において、高い圧力は、約10−1〜約100トルの範囲内であり得る。様々な実施形態において、中性粒子は、当該分野において周知であるように、後にイオン化され得る。例えば、中性粒子は、レーザ光を用いるか、イオン−イオン電荷移動イオン化によってか、またはVUV光を用いる光イオン化によって、後にイオン化され得るが、これらの手段に限定されない。第1のチャンバ72は、標的面と試料とを囲み得る。様々な実施形態において、第1のチャンバ72は、気体を提供する入口74を備え、高い圧力を維持する。様々な局面において、システム60は、アパーチャ82を有するスキマ80を備えている。様々な実施形態において、イオン源62は、スキマ80の一部分と一体化され得る。イオン源62の出力端部81は、試料66のすぐ近くに配置され得る。そのような配置は、一次イオンが、気体と衝突し、減速し、散乱しそして分裂し、それによって、試料に向かう一次イオンの軌道および二次イオンの発生の効率に影響を及ぼすという、望ましくない結果を軽減し得る。気体は、中性粒子の後のイオン化によって生成されるイオンを含み得る二次イオンを、スキマ80のアパーチャ82を通って、第2のチャンバ84の中に配置されるRFイオンガイド76の中に導き、該二次イオンの焦点をRFイオンガイドに合わせる。第2のチャンバ84の圧力は、第1のチャンバ72の圧力、例えば10mトルよりも低くあり得る。気体は、一般的には当該分野において周知の窒素、ヘリウム、またはアルゴンを含むがこれらに限定されない不活性気体であり得る。様々な局面において、気体は、連続的に提供され得るかまたはパルスとして注入され得る。ポンプ78は、約10−2〜約10−10トルであり得る、イオン源62の圧力と、第2のチャンバ84の圧力とを調節し得る。冷却経路は試料から二次イオンおよび中性粒子を受け得、二次イオンおよび中性粒子は冷却経路に沿って冷却され得る。冷却経路の少なくとも一部分は、RFイオンガイドに沿って置かれ得る。中性粒子の後のイオン化によって生成されるイオンを含み得る二次イオンは、RFイオンガイド76を通過して、これに限定するものではないが、四重極質量分析計、飛行時間質量分析計、イオントラップ質量分析計、またはフーリエ変換質量分析計を含む質量分析計の中に入り得る。
【0011】
図4を参照すると、出願人の教示に従った様々な実施形態において、概略図は、一次イオンのビーム94を試料96の方に導き、試料96から二次イオン98と中性粒子99とをたたき出すように構成される、イオン源92を有する二次イオン質量分析法システム90を図示する。様々な実施形態において、一次イオンのビームは、連続的であり得るかまたはパルス状であり得る。一次イオンは、当該分野において公知のように金属クラスタもしくは有機クラスタであり得るクラスタイオン、または任意の他の適切な投射イオンを含み得る。投射イオンは、種々の電荷状態を備え得る。例えば、一次イオンは、試料を衝撃したとき残留物を残さない、安定した丈夫な大きな分子であるC60イオンを備え得る。イオン源92の少なくとも一部分は、真空中で動作するように構成され得る。試料96は、標的面100の上に支持される。対象とするイオンの分裂をまねく高い内部励起を有し得る二次イオンを冷却し、安定化させるために、高い圧力が試料96の位置に提供され得る。二次イオンの急速な冷却は、そのような分裂を防ぎ得る。試料の位置における高い圧力は、二次イオンおよび中性粒子の急速な冷却を促進し得る。様々な局面において、高い圧力は、約10−3〜約1000トルの範囲内であり、好ましくは約10mトルの圧力を備え得る。様々な局面において、高い圧力は、約10−1〜約100トルの範囲内であり得る。様々な実施形態において、中性粒子は、当該分野において周知であるように、後にイオン化され得る。例えば、中性粒子は、レーザ光を用いるか、イオン−イオン電荷移動イオン化によってか、またはVUV光を用いる光イオン化によって、後にイオン化され得るが、これらの手段に限定されない。第1のチャンバ102は、標的面と試料とを囲み得る。様々な実施形態において、チャンバ102は、気体を提供する導管104を備え、高い圧力を維持し、そして中性粒子の後のイオン化によって生成されるイオンを含み得る二次イオンをRFイオンガイド106の中に導き、該二次イオンの焦点をRFイオンガイドに合わせる。導管104は、試料に気体を送達し、二次イオンおよび中性粒子の急速な冷却を促進し得る。気体は、一般的には当該分野において周知の窒素、ヘリウム、またはアルゴンを含むがこれらに限定されない不活性気体であり得る。様々な局面において、気体は、連続的に提供され得るかまたはパルスとして注入され得る。ポンプ108は、約10−2〜約10−10トルであり得る、イオン源92の圧力と、チャンバ102の圧力とを調節し得る。冷却経路は試料から二次イオンおよび中性粒子を受け得、二次イオンおよび中性粒子は冷却経路に沿って冷却され得る。冷却経路の少なくとも一部分は、RFイオンガイドに沿って置かれ得る。中性粒子の後のイオン化によって生成されるイオンを含み得る二次イオンは、RFイオンガイド106を通過して、これに限定するものではないが、四重極質量分析計、飛行時間質量分析計、イオントラップ質量分析計、またはフーリエ変換質量分析計を含む質量分析計の中に入り得る。
【0012】
図5を参照すると、出願人の教示に従った様々な実施形態において、概略図は、一次イオンのビーム114を試料116の方に導き、試料116から二次イオン118と中性粒子119とをたたき出すように構成される、イオン源112を有する二次イオン質量分析法システム110を図示する。様々な実施形態において、一次イオンのビームは、連続的であり得るかまたはパルス状であり得る。一次イオンは、当該分野において公知のように金属クラスタもしくは有機クラスタであり得るクラスタイオン、または任意の他の適切な投射イオンを含み得る。投射イオンは、種々の電荷状態を備え得る。例えば、一次イオンは、試料を衝撃したとき残留物を残さない、安定した丈夫な大きな分子であるC60イオンを備え得る。イオン源112の少なくとも一部分は、真空中で動作するように構成され得る。試料116は、標的面120の上に支持される。対象とするイオンの分裂をまねく高い内部励起を有し得る二次イオンを冷却し、安定化させるために、高い圧力が試料116の位置に提供され得る。二次イオンの急速な冷却は、そのような分裂を防ぎ得る。試料の位置における高い圧力は、二次イオンおよび中性粒子の急速な冷却を促進し得る。様々な局面において、高い圧力は、約10−3〜約1000トルの範囲内であり、好ましくは約10mトルの圧力を備え得る。様々な局面において、高い圧力は、約10−1〜約100トルの範囲内であり得る。様々な実施形態において、中性粒子は、当該分野において周知であるように、後にイオン化され得る。例えば、中性粒子は、レーザ光を用いるか、イオン−イオン電荷移動イオン化によってか、またはVUV光を用いる光イオン化によって、後にイオン化され得るが、これらの手段に限定されない。第1のチャンバ122は、標的面と試料とを囲み得る。様々な実施形態において、第1のチャンバ122は、気体を提供する入口124を備え、高い圧力を維持する。様々な局面において、システム110は、アパーチャ132を有するスキマ130を備えている。様々な実施形態において、イオン源112の出力端部131は、試料116のすぐ近くに配置され得る。様々な実施形態において、イオン源112の出力端部131は、試料から1cm未満にあり得るが、これに限定されない。様々な実施形態において、イオン源112の出力端部131はまた、試料から1mm以下にあり得るが、これに限定されない。様々な局面において、システムの構成に従ってイオン源の出力端部は、試料に触れないで、試料にできるだけ近くに配置され得る。そのような配置は、一次イオンが、気体と衝突し、減速し、散乱しそして分裂し、それによって、試料に向かう一次イオンの軌道および二次イオンの産出に影響を及ぼすという、望ましくない結果を軽減し得る。気体は、中性粒子の後のイオン化によって生成されるイオンを含み得る二次イオンを、スキマ130のアパーチャ132を通って、第2のチャンバ134の中に配置されるRFイオンガイド126の中に導き、該二次イオンの焦点をRFイオンガイドに合わせる。第2のチャンバ134の圧力は、第1のチャンバ122の圧力、例えば10mトルよりも低くあり得る。気体は、一般的には当該分野において周知の窒素、ヘリウム、またはアルゴンを含むがこれらに限定されない不活性気体であり得る。様々な局面において、気体は、連続的に提供され得るかまたはパルスとして注入され得る。ポンプ128は、約10−2〜約10−10トルであり得る、イオン源62の圧力と、第2のチャンバ134の圧力とを調節し得る。冷却経路は試料から二次イオンおよび中性粒子を受け得、二次イオンおよび中性粒子は冷却経路に沿って冷却され得る。冷却経路の少なくとも一部分は、RFイオンガイドに沿って置かれ得る。中性粒子の後のイオン化によって生成されるイオンを含み得る二次イオンは、RFイオンガイド126を通過して、これに限定するものではないが、四重極質量分析計、飛行時間質量分析計、イオントラップ質量分析計、またはフーリエ変換質量分析計を含む質量分析計の中に入り得る。
【0013】
図6を参照すると、出願人の教示に従った様々な実施形態において、概略図は、一次イオンのビーム144を試料146の方に導き、試料146から二次イオン148と中性粒子149とをたたき出すように構成される、イオン源142を有する二次イオン質量分析法システム140を図示する。様々な実施形態において、一次イオンのビームは、連続的であり得るかまたはパルス状であり得る。一次イオンは、当該分野において公知のように金属クラスタもしくは有機クラスタであり得るクラスタイオン、または任意の他の適切な投射イオンを含み得る。投射イオンは、種々の電荷状態を備え得る。例えば、一次イオンは、試料を衝撃したとき残留物を残さない、安定した丈夫な大きな分子であるC60イオンを備え得る。イオン源142の少なくとも一部分は、真空中で動作するように構成され得る。試料146は、標的面150の上に支持される。対象とするイオンの分裂をまねく高い内部励起を有し得る二次イオンを冷却し、安定化させるために、高い圧力が試料146の位置に提供され得る。二次イオンの急速な冷却は、そのような分裂を防ぎ得る。試料の位置における高い圧力は、二次イオンおよび中性粒子の急速な冷却を促進し得る。様々な局面において、高い圧力は、約10−3〜約1000トルの範囲内であり、好ましくは約10mトルの圧力を備え得る。様々な局面において、高い圧力は、約10−1〜約100トルの範囲内であり得る。様々な実施形態において、中性粒子は、当該分野において周知であるように、後にイオン化され得る。例えば、中性粒子は、レーザ光を用いるか、イオン−イオン電荷移動イオン化によってか、またはVUV光を用いる光イオン化によって、後にイオン化され得るが、これらの手段に限定されない。第1のチャンバ152は、標的面と試料とを囲み得る。様々な実施形態において、第1のチャンバ152は、気体を提供する導管154を備え、高い圧力を維持し、そして中性粒子の後のイオン化によって生成されるイオンを含み得る二次イオンをRFイオンガイド156の中に導き、該二次イオンの焦点をRFイオンガイドに合わせる。導管154はイオン源142の近くに配置され得、導管154は試料に気体を送達し、二次イオンおよび中性粒子の急速な冷却を促進し得る。様々な局面において、システム140は、アパーチャ162を有するスキマ160を備えている。様々な実施形態において、イオン源142の出力端部161は、試料146のすぐ近くに配置され得る。様々な実施形態において、イオン源142の出力端部161は、試料から1cm未満にあり得るが、これに限定されない。様々な実施形態において、イオン源142の出力端部161はまた、試料から1mm以下にあり得るが、これに限定されない。様々な局面において、システムの構成に従ってイオン源の出力端部は、試料に触れないで、試料にできるだけ近くに配置され得る。そのような配置は、一次イオンが、気体と衝突し、減速し、散乱しそして分裂し、それによって、試料に向かう一次イオンの軌道および二次イオンの産出に影響を及ぼすという、望ましくない結果を軽減し得る。気体は、中性粒子の後のイオン化によって生成されるイオンを含み得る二次イオンを、スキマ160のアパーチャ162を通って、第2のチャンバ164の中に配置されるRFイオンガイド156の中に導き、該二次イオンの焦点をRFイオンガイドに合わせる。第2のチャンバ164の圧力は、第1のチャンバ152の圧力、例えば10mトルよりも低くあり得る。気体は、一般的には当該分野において周知の窒素、ヘリウム、またはアルゴンを含むがこれらに限定されない不活性気体であり得る。様々な局面において、気体は、連続的に提供され得るかまたはパルスとして注入され得る。ポンプ158は、約10−2〜約10−10トルであり得る、イオン源142の圧力と、第2のチャンバ164の圧力とを調節し得る。冷却経路は試料から二次イオンおよび中性粒子を受け得、二次イオンおよび中性粒子は冷却経路に沿って冷却され得る。冷却経路の少なくとも一部分は、RFイオンガイドに沿って置かれ得る。中性粒子の後のイオン化によって生成されるイオンを含み得る二次イオンは、RFイオンガイド156を通過して、これに限定するものではないが、四重極質量分析計、飛行時間質量分析計、イオントラップ質量分析計、またはフーリエ変換質量分析計を含む質量分析計の中に入り得る。
【0014】
図1〜図6に示される実施形態は、イオンガイドとインタフェースされるが、イオンガイドは必ずしも必要ではない。様々な実施形態は、イオンガイドを必ずしも必要としない。
【0015】
以下の説明は、いかなる特定の実施形態に限定されるのではなく任意の実施形態に適用され得る、出願人の教示の一般的な使用法を述べる。動作時、真空中において動作するように構成され得るイオン源は、一次イオンのビームによって標的面に堆積された試料を衝撃し、一次イオンのビームは、試料から二次イオンと中性粒子とをたたき出す。様々な局面において、一次イオンのビームは、連続的であり得るかまたはパルス状であり得る。イオン源は一般的に、約10−2〜約10−10トルで動作し得る。二次イオンは一般的に、対象とするイオンの分裂をまねき得る高い内部励起を有し得るので、試料の位置に高い圧力を提供し、二次イオンおよび中性粒子の急速な冷却を促進することによって、二次イオンは安定化され得る。高い圧力は、約10−3〜約1000トルの範囲内であり、好ましくは約10mトルの圧力を備え得る。様々な局面において、高い圧力は、約10−1〜約100トルの範囲内であり得る。様々な実施形態において、中性粒子は、当該分野において周知であるように、後にイオン化され得る。例えば、中性粒子は、レーザ光を用いるか、イオン−イオン電荷移動イオン化によってか、またはVUV光を用いる光イオン化によって、後にイオン化され得るが、これらの手段に限定されない。第1のチャンバ152は、標的面と試料とを囲み得る。高い圧力は、入口を通って第1のチャンバに気体を送達することによって提供され得る。気体は、導管を通って第1のチャンバの試料に送達され得る。様々な局面において、気体は、連続的に提供され得るかまたはパルスとして注入され得る。イオン源の出力端部は、試料のすぐ近くに配置され得、このことは、一次イオンが、気体と衝突し、減速し、散乱しそして分裂することを防ぎ得る。様々な実施形態において、イオン源の出力端部は、試料から1cm未満にあり得るが、これに限定されない。様々な実施形態において、イオン源の出力端部はまた、試料から1mm以下にあり得るが、これに限定されない。様々な局面において、システムの構成に従ってイオン源の出力端部は、試料に触れないで、試料にできるだけ近くに配置され得る。冷却経路は試料から二次イオンおよび中性粒子を受け得、二次イオンおよび中性粒子は冷却経路に沿って冷却され得る。冷却経路の少なくとも一部分は、RFイオンガイドに沿って置かれ得る。気体は、中性粒子の後のイオン化によって生成されるイオンを含み得る二次イオンをRFイオンガイドの中に導き、二次イオンの焦点をRFイオンガイドに合わせることを助け得る。様々な実施形態において、イオンガイドは必ずしも必要とされない。アパーチャを有するスキマはまた、中性粒子の後のイオン化によって生成されるイオンを含み得る二次イオンを受け、スキマのアパーチャを通って、第1のチャンバの圧力、例えば10mトルよりも低い圧力であり得る第2のチャンバの中にあり得るRFイオンガイドの中に二次イオンを導くために用いられ得る。イオン源は、スキマの一部分と一体化され得る。イオン源は、スキマのアパーチャを介して一次イオンのビームを試料の方に導き、試料から二次イオンと中性粒子とをたたき出すように構成され得る。様々な局面において、一次イオンのビームは、連続的に提供され得るかまたはパルスとして注入され得る。中性粒子の後のイオン化によって生成されるイオンを含み得る二次イオンは、RFイオンガイドを通過し得、質量分析され得る。DouglasおよびFrenchによる米国特許第4,963,736号において説明されるように、RFイオンガイドは、イオンを焦点に集めることによって追加の利益を提供し得る。
【0016】
二次イオンの気体との衝突による冷却は、1回よりも多い衝突が起る場合には、効率的であり得る。また、一次イオンが気体と衝突しない、従って一次イオンが試料を衝撃する前に分裂しない場合には、二次イオン質量分析法はより効率的であり、またはより良く制御され得る。但し、少数の衝突はなおも許容され得る。次の式は、衝突回数の確率を定義し得る。
【0017】
【数1】

ここで、Nは衝突の期待平均回数であり、σは衝突断面積であり、n(x)気体分子の密度であり、xは、軌道に沿った座標であり、Lは軌道の長さである。
【0018】
簡易形式において、この要件は、気体の圧力、すなわち第1のチャンバの中の試料の位置での高い圧力と、標的面から試料領域の下流までの二次イオンの軌道の長さ、すなわち標的面40からスキマのアパーチャ52までの冷却経路の長さとの積は、10−3トルcm(圧力長さ=10−3トルcm)に等しいとして、記述され得る。これは、衝突による冷却がなんらかの影響を有するための下限を表す。気体の圧力、すなわち第1のチャンバ中の試料の位置での高い圧力と、標的面から試料領域の下流までの二次イオンの軌道の長さ、すなわち冷却経路の長さとの積が、10−3トルcmよりも大きくなるように、気体が提供され得る。これは、ほとんどの実施形態において圧力は一定ではないので、推定であることは注意されるべきである。式1は、衝突回数のより正確な推定を得るために用いられ得る。冷却は、チャンバ54の圧力に従って、アパーチャ52を超えて継続し得る。
【0019】
出願人の教示が様々な実施形態に関連して説明されるが、出願人の教示がそのような実施形態に限定されることは意図されない。それどころか、当業者によって理解されるように、本出願人の教示は、様々な代替案、修正および均等物を包含する。
【0020】
様々な実施形態において、一次イオンは、金属クラスタまたは有機クラスタであり得るクラスタイオンであり得るが、これに限定されない。一次イオンは、C60、グリセリン、水、金、または元素原子イオン(elemental atomic ion)であり得る。
【0021】
様々な実施形態において、気体は一般的に不活性気体であり得、窒素、アルゴンまたはヘリウムを含むがこれらに限定されない。様々な局面において、気体は、連続的に提供され得るかまたはパルスとして注入され得る。
【0022】
様々な実施形態において、イオンガイドは、多重極であり得るが、これに限定されない。例えば、イオンガイドは、四重極、六重極、または八重極であり得る。イオンガイドはRFリングガイドまたは任意のRFガイドであり得、該RFガイドにおいて、イオンの放射状の逃散を防ぐために、イオンを放射状に閉じ込めるかまたは集中させるために、RF場が用いられる。イオンガイドは、直線イオントラップとしても公知である2Dトラップまたは衝突セル(collision cell)であり得るが、これに限定されない。
【0023】
様々な実施形態において、質量分析計は、四重極質量分析計、飛行時間質量分析計、フーリエ変換質量分析計、リニアイオントラップ、3−Dイオントラップ、またはオービトラップ(orbitrap)質量分析計であり得るが、これらに限定されない。
【0024】
すべてのそのような修正または変形は、本明細書に添付された特許請求の範囲によって定義されるように、本出願人の教示の領域内および範囲内であると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次イオン質量分析法を実施する装置であって、
a)標的面であって、該標的面上に堆積された試料を支える、標的面と、
b)一次イオンのビームを該試料の方に導き、該試料から二次イオンと中性粒子とをたたき出すように構成されるイオン源であって、該イオン源の少なくとも一部分は真空中で動作するように構成される、イオン源と、
c)該標的面と該試料とを囲む第1のチャンバであって、該第1のチャンバは、該二次イオンと中性粒子とを冷却するために該試料の位置において高い圧力を維持するように気体を提供する入口を有し、該高い圧力は、約10−3〜約1000トルの範囲内である、第1のチャンバと
を備えている、装置。
【請求項2】
前記試料からの二次イオンおよび中性粒子を受ける冷却経路をさらに備え、該二次イオンおよび中性粒子は、該冷却経路に沿って冷却される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記試料の位置における前記高い圧力に前記冷却経路の長さをかけることによって得られる積は、10−3トルcmよりも大きい、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記中性粒子は、後にイオン化される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のチャンバの中への入口は、前記試料に気体を導く導管である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記気体は、パルス状である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記高い圧力は、約10mトルである、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記イオン源の出力端部は、前記試料から1cm未満にある、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記一次イオンのビームは、クラスタイオンを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
アパーチャを有するスキマをさらに備え、該スキマは、前記二次イオンを受け、かつ該スキマの該アパーチャを介してRFイオンガイドの中に該二次イオンを導くように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記イオン源は、前記スキマの前記アパーチャを介して前記一次イオンのビームを前記試料の方に導き、該試料から二次イオンと中性粒子とをたたき出すように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記イオン源は、前記スキマの一部分と一体化している、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
二次イオン質量分析法の方法であって、
a)標的面であって、該標的面上に堆積された試料を支える、標的面を提供することと、
b)該試料から二次イオンと中性粒子とをたたき出すために、一次イオンのビームを該試料の方に導くことと、
c)該二次イオンと中性粒子とを冷却するために該試料の位置において高い圧力を提供することであって、該高い圧力は、約10−3〜約1000トルの範囲内である、ことと
を包含する、方法。
【請求項14】
ステップc)は、高い圧力を維持するために気体を提供することを包含する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記気体は、パルス状である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記高い圧力は、約10mトルである、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記試料からたたき出された二次イオンおよび中性粒子を冷却経路の中に導くことと、該二次イオンおよび中性粒子が該冷却経路に沿って冷却されるようにすることとを、さらに包含する、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記試料の位置における前記高い圧力に前記二次イオンの冷却経路軌道の長さをかけることによって得られる積は、10−3トルcmよりも大きい、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記中性粒子を後にイオン化することをさらに包含する、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
ステップc)は前記試料に気体を送達することを包含する、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
ステップb)において、前記一次イオンのビームは前記試料に導かれる、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記一次イオンのビームはクラスタイオンを備えている、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
アパーチャを有するスキマを提供することと、
前記二次イオンを受け、かつ該アパーチャを介して該二次イオンをRFイオンガイドの中に導くことと
をさらに包含する、請求項13に記載の方法。
【請求項24】
前記スキマの前記アパーチャを介して前記一次イオンのビームを前記試料の方に導き、該試料から前記二次イオンと中性粒子とをたたき出すように前記イオン源を構成することをさらに包含する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記イオン源は、前記スキマの一部分と一体化している、請求項23に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−517211(P2010−517211A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545773(P2009−545773)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【国際出願番号】PCT/CA2008/000094
【国際公開番号】WO2008/086618
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(508153855)エムディーエス アナリティカル テクノロジーズ, ア ビジネス ユニット オブ エムディーエス インコーポレイテッド, ドゥーイング ビジネス スルー イッツ サイエックス ディビジョン (17)
【出願人】(502221282)ライフ テクノロジーズ コーポレーション (113)
【Fターム(参考)】