説明

インターフェース

ユーザーインターフェースは、非シール鼻カニューレと、この鼻カニューレの周囲に配置されたマスクとを含み、マスクは、インターフェースを加圧できるように使用者の顔をシールするよう構成されたシールを含み、カニューレは、呼吸ガスを使用者の鼻孔に意図された使用者の最大吸気流量条件を上回る流量で搬送するように構成され、マスク及び使用者の咽頭が、デッドスペースを減少するために新鮮な呼吸ガスで連続的にフラッシングされるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デッドスペースのフラッシングを行う改良された呼吸器ユーザーインターフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸困難及び特定の呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患即ちCOPD及び閉塞性睡眠時無呼吸即ちOSAを含む)の一つの治療方法は、持続性気道陽圧(CPAP)又は気道陽圧法(PAP)の他の形態を行って使用者の呼吸器系を支持することである。一般的には、加圧した呼吸ガスを使用者の口及び/又は鼻に搬送することによって非侵襲的呼吸器系加圧を行う。
【0003】
PAP治療は、通常は、呼吸援助システムによって行われる。呼吸援助システムは、一般的には、加圧ガス源(潜在的には、コンプレッサ、加圧ガス容器、又は病院の圧縮ガス供給装置)及び加圧ガスを使用者に搬送するように構成されたインターフェースを含む。更に、呼吸援助システムは、呼吸ガスを使用者への搬送前に加熱および加湿するための加湿器を含んでいてもよい。
【0004】
他の呼吸援助システムは、ベンチレータ及びレスピレータを含む。こうしたシステムは、呼吸サイクルの吸気相と呼吸相との間で圧力を調節でき、代表的には、インターフェースからの戻しラインを含む。
【0005】
従来のインターフェースは、使用者の呼吸器系の適切な加圧を容易にするため、使用者の顔又は上気道とシールを形成するようになっている。フォルマ(登録商標)、オラクル(登録商標)、ゼスト(登録商標)、及びオーパス(登録商標)は、フィッシャーアンドパイケルヘルスケア社が製造している呼吸ユーザーインターフェースのシールの例である。これらのインターフェースは、使用者の顔、鼻、及び鼻孔の夫々をシールするようになっている。
【0006】
インターフェースと使用者の呼吸器系との間に形成されたシールにより、ガスの漏れを低減するとともに呼吸ガスの排出を制御することによってマスク圧力を調整することができる。ガスは、呼吸ガスを制御下で排出するため、ユーザーインターフェースから(出口ベントを通して)周囲環境に、又は呼吸援助システムの他の構成要素に、直接排出されても良い。
【0007】
非シールインターフェース、とりわけ鼻カニューレは、多くの場合、酸素補充療法、又は他のヘリオックス等の呼吸ガスに使用される。代表的な酸素補充療法インターフェースは、使用者の鼻孔に最大5l/分の流量で直接搬送する。通常の呼吸中、使用者の周囲から空気が酸素によって同伴される。これらのガスが組み合わされ、酸素濃度が高いガス混合物が使用者の肺に搬送される。
【0008】
一般的な酸素補充療法インターフェースは、使用者の耳に掛けた一対の搬送内腔によって支持されている。内腔は比較的小径(2mm乃至3mmの範囲内)であり、酸素を鼻カニューレの両側に供給し、各鼻プロングに本質的に均等な流れを提供する。
【0009】
フェーシャルマスクが、従来、高流量酸素療法に使用されてきた。更に、呼吸システムの圧力調整が制御の目的でない、流量に基づく治療(高流量酸素療法を含む)を行うため、例えばフィッシャーアンドパイケルヘルスケア社のオプティフロー(登録商標)鼻カニューレ等の非シール高流量鼻カニューレが提供されている。
【0010】
呼吸ガスを使用者の鼻孔に直接的に搬送するのが有利である。これは、フェーシャルマスクを用いて行うことができるよりも高い温度及び湿度でガスを投与できるためである。
【0011】
本明細書中、特許明細書、それ以外の文献、又はその他の情報源に言及する場合、これは、一般的には、本発明の特徴を論じるための文献を提供するためである。特段の記載のない限り、このような本明細書以外の文献に対する言及は、このような文献又はこのような情報源が何らかの権限の及ぶ範囲内で従来技術である、又は当該技術分野の一般的な知識の部分を形成するということを認めることであると解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、呼吸ガスを使用者の鼻孔に搬送でき、呼気圧力を制御できるユーザーインターフェースを提供すること、又は当該技術分野で周知の産業及び公衆に有用な選択肢を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一態様では、本発明は、非シール鼻カニューレと、この鼻カニューレの周囲に配置されたマスクとを含むユーザーインターフェースにおいて、マスクは、インターフェースを加圧できるように使用者の顔をシールするよう構成されたシールを含み、カニューレは、呼吸ガスを使用者の鼻孔に意図された使用者の最大吸気流量条件を上回る流量で搬送するように構成され、マスク及び使用者の咽頭が、デッドスペースを減少するために新鮮な呼吸ガスで連続的にフラッシングされるようになっている。
【0014】
別の態様によれば、カニューレは、一つ又は一対の鼻プロングを含み、マスクはガス出口を含む。
【0015】
別の態様では、本発明は、ユーザーインターフェースにおいて、呼吸ガスの流れを使用者の鼻孔に搬送するように構成された、一つ又は一対の高流量非シール鼻プロングと、鼻プロングの周囲に配置されたマスクと、プロングをマスクの外側の入口に連結する導管と、使用者の呼吸器系を加圧できるように使用者の顔をシールするように構成された弾性シール部材と、マスクのガス出口とを含む。
【0016】
別の態様では、本発明は、ユーザーインターフェースにおいて、鼻カニューレと、鼻カニューレの周囲に配置されたマスクとを含み、鼻カニューレは、意図された使用者の最大吸気流量条件を上回る呼吸ガスの一方向流を使用者の鼻孔に搬送するように構成された一つ又は一対の非シール鼻プロングと、プロングをマスクの外側の入口に連結する導管とを含み、マスクは、使用者の呼吸器系を加圧できるように使用者の顔をシールするように構成された弾性シール部材と、マスクの外側の入口と鼻カニューレとの間でマスクを通るガス供給通路と、マスクからガスを排出するように構成された、マスクを通るガス出口通路とを含み、インターフェースは、呼吸ガスを専ら鼻カニューレを通して搬送し、かつガスを専らマスクから排出するように構成されている。
【0017】
別の態様では、本発明は、ユーザーインターフェースにおいて、呼吸ガスを使用者の鼻孔に搬送するように構成された一つ又は一対の鼻プロングを含む鼻カニューレと、鼻カニューレの周囲に配置されたマスクと、マスクに連結され、マスクを加圧できるように、意図された使用者の顔をシールするように構成されたシールと、鼻カニューレに連結され、マスクを通る呼吸ガス入口と、呼気ガスを排気するように構成された、マスクから延びるガス出口と、インターフェースを使用者の頭部の所定位置に保持するようにマスクに連結されたヘッドギヤとを含む。
【0018】
別の態様によれば、プロングは、意図された使用者の最大吸気流量条件を上回る流量でガスを供給するのに十分な孔を有する。
【0019】
別の態様によれば、ユーザーインターフェースは、呼吸ガスを成人に搬送するように構成されており、プロングは、最大吸気流量条件に合った適当な対応する孔直径を有する。
【0020】
別の態様によれば、ユーザーインターフェースは、呼吸ガスを小児に搬送するように構成されており、プロングは、最大吸気流量条件に合った適当な対応する孔直径を有する。
【0021】
別の態様によれば、ユーザーインターフェースは、ガス出口は、可変圧力レギュレータを含み、又は可変圧力レギュレータに連結されるように構成されている。
ェース。
【0022】
別の態様によれば、ガス出口は、ガスを使用者の周囲に排出する調節自在の絞りである。
【0023】
別の態様によれば、鼻プロングは、呼吸ガスを使用者の鼻孔に対して可変の供給流量で搬送するように構成されており、ガス出口は、ガス出口圧力、供給流量、及び使用者に作用する終末呼気圧を規定するマスク圧力を調整するために調節可能となっている。
【0024】
別の態様によれば、マスクは、使用時に使用者の鼻及び口を包囲するような形状及び大きさを備えている。
【0025】
別の態様によれば、ユーザーインターフェースは、ユーザーインターフェースを患者の顔の所定位置に保持するように構成されたヘッドギヤを含む。
【0026】
別の態様によれば、ユーザーインターフェースは、鼻プロングをマスクの入口に連結する導管を含み、導管の遠位端は、コネクタ部品に連結されており、コネクタ部品は、マスクに連結された相補的コネクタ部品と解放自在に係合しており、導管及び鼻プロングは、マスクから取り外し可能である。
【0027】
別の態様によれば、プロング又は導管は、ヘッドギヤを受け入れるように構成されたカップリングを含み、プロングをマスクとは別個に使用できる。
【0028】
別の態様によれば、ユーザーインターフェースは、鼻プロングをマスクの入口に連結する導管を含み、導管は、プロングをマスク内に支持し、かつプロングの存在角度を個々の使用者の顔の形状に合わせて調節できる。
【0029】
別の態様によれば、ユーザーインターフェースは、鼻プロングをマスクの入口に連結する導管を含み、導管は、プロングをマスク内に支持し、プロングを使用者の前後方向に対応する深さ方向に調節可能である。
【0030】
別の態様によれば、ユーザーインターフェースは、鼻プロングをマスクの入口に連結する導管を含み、導管は、プロングをマスク内に支持し、プロングを使用者の上下方向に対応する高さ方向に調節可能である。
【0031】
別の態様によれば、ユーザーインターフェースは、鼻プロングをマスクの入口に連結する導管を含み、導管は、導管及びプロングを支持するため、コネクタから延びる順応性のある背骨部を含み、背骨部は、導管及びプロングを使用者が設定した位置に保持するように構成されている。
【0032】
別の態様によれば、マスクは、使用時に着用者に面する中空包囲体を含み、プロングは、調節自在の支持部材によって中空包囲体内に支持されている。
【0033】
別の態様によれば、調節自在の支持部材は、中空包囲体内で延びている。
【0034】
別の態様によれば、調節自在の支持部材は順応性がある。
【0035】
別の態様によれば、調節自在の支持部材は、使用者の前後方向に対応する深さ方向に調節するように適合できる。
【0036】
別の態様によれば、調節自在の支持部材は、使用者の上下方向に対応する高さ方向にプロングを調節するように適合できる。
【0037】
別の態様によれば、調節自在の支持部材は、プロングの存在角度を調節するように適合できる。
【0038】
別の態様によれば、ガス出口は、終末呼気圧を制御するためにマスク内の圧力を調整するアクティブ制御式PEEPバルブである。
【0039】
別の態様によれば、マスク、プロング、又はシール部材の少なくとも一部が空気を通す材料で形成されている。
【0040】
別の態様によれば、ガス出口は、マスク圧力を調整するため、排出されたガスを圧力レギュレータに輸送するための導管に連結されるように構成されている。
【0041】
別の態様によれば、シール部材は、マスクの開口部に隣接した周縁に亘って配置されている。
【0042】
別の態様によれば、ユーザーインターフェースは、ガスをマスクのキャビティに供給するための、一つ又はそれ以上の追加の注入ポートを含む。
【0043】
別の態様によれば、導管は、鼻プロングの他に、マスクのキャビティへの一つ又はそれ以上の出口を含む。
【0044】
別の態様によれば、マスクは、鼻プロングを通して供給されるガスの他に、マスクのキャビティへガスの供給を受け入れるように構成されている。
【0045】
別の態様によれば、本発明は、呼吸ガスを使用者に供給する方法において、加熱され且つ加湿された呼吸ガスの大きい流れを使用者の鼻孔に直接提供する工程と、シールされた加圧空間を使用者の鼻の周囲に形成する工程と、使用者の終末呼気圧を制御するため、使用者の鼻に供給されるガスの流量又はマスク内の圧力を調整する工程とを含む。
【0046】
別の態様によれば、呼吸ガスは、31℃乃至37.5℃の温度及び32mg/l乃至44mg/lの湿度で提供される。
【0047】
別の態様によれば、呼吸ガスは実質的に一方向流で提供される。
【0048】
別の態様では、本発明は、鼻カニューレにおいて、意図された使用者の最大吸気流量条件を上回る呼吸ガスの流れを使用者の鼻孔ガスに搬送するように構成された一対の非シール鼻プロングと、これらの鼻プロングに連結された長さが短い導管と、導管の遠位端に連結され、カニューレをマスクの外側の入口に連結するため、呼吸マスク内の相補的コネクタ部品と係合するように構成されたコネクタ部品とを含む、鼻カニューレを含む。
【0049】
別の態様によれば、鼻カニューレは、更に、プロングに隣接するカニューレの中央部分から横方向両方向に延びる一対の頬支承部分を含み、各頬支承部分は、横縁部に隣接するカップリングが設けられ、各カップリングは、カニューレを配置するため、適当に適合した呼吸マスク内で相補的カップリングと係合するように構成されている。
【0050】
別の態様によれば、頬支承部分は、カニューレを前後方向に調節できるように柔軟で軟らかい材料で形成されている。
【0051】
別の態様によれば、導管は、使用時にプロングを呼吸マスク内に支持し、導管により、カニューレを使用者の前後方向に対応する深さ方向で調節できる。
【0052】
別の態様によれば、導管は、使用時にプロングを呼吸マスク内に支持し、導管により、カニューレを使用者の上下方向に対応する深さ方向で調節できる。
【0053】
別の態様によれば、導管は、使用時にプロングを呼吸マスク内に支持し、導管により、プロングの存在角度を調節できる。
【0054】
別の態様によれば、導管の長さは150mmよりも小さい。
【0055】
別の態様によれば、鼻カニューレは、更に、プロングに隣接するカニューレの中央部分から横方向両方向に延びる一対の頬支承部分を含み、これらの頬支承部分は、プロングを使用者の顔からオフセット配置するように構成された順応性のある材料を含む。
【0056】
別の態様によれば、導管は、カニューレをマスク内の所定位置に支持するため、コネクタとプロングとの間を延びる順応性のある背骨部を含む。
【0057】
別の態様によれば、鼻カニューレは、更に、プロングに隣接するカニューレの中央部分から横方向両方向に延びる一対の頬支承部分を含み、これらの頬支承部分は、プロングを使用者の鼻孔内に配置できる順応性のある背骨部を含む。
【0058】
別の態様によれば、各頬支承部分は、横縁部に隣接するカップリングを含み、各カップリングは、カニューレを配置するため、適当に適合した呼吸マスク内で相補的カップリングと係合するように構成されている。
【0059】
別の態様によれば、導管の長さは150mmよりも小さい。
【0060】
別の態様によれば、本発明は、一対の非シール高流量鼻プロングと、これらの鼻プロングに連結された短い導管と、導管の遠位端に連結され、カニューレをマスクの外側の入口に連結するため、呼吸マスク内の相補的コネクタ部品と係合するように構成されたコネクタ部品とを含む鼻カニューレを含み、導管は、プロングをマスク内に支持するように構成されており、カニューレの前後方向及び上下方向での調節並びに使用時にマスク内でのプロングの存在角度の調節を容易にする。
【0061】
別の態様によれば、鼻カニューレは、更に、プロングに隣接するカニューレの中央部分から横方向両方向に延びる一対の頬支承部分を含み、各頬支承部分は、横縁部に隣接するカップリングを備え、各カップリングは、カニューレを配置するため、適当に適合した呼吸マスク内で相補的カップリングと係合するように構成されている。
【0062】
別の態様によれば、頬支承部分は、カニューレを前後方向に調節できるように柔軟で軟らかい材料で形成されている。
【0063】
別の態様によれば、導管は、使用時にプロングを呼吸マスク内に支持し、導管により、カニューレを使用者の前後方向に対応する深さ方向で調節できる。
【0064】
別の態様によれば、導管は、使用時にプロングを呼吸マスク内に支持し、導管により、カニューレを使用者の上下方向に対応する深さ方向で調節できる。
【0065】
別の態様によれば、導管は、使用時にプロングを呼吸マスク内に支持し、導管により、プロングの存在角度を調節できる。
【0066】
別の態様によれば、導管の長さは150mmよりも小さい。
【0067】
別の態様によれば、鼻カニューレは、更に、プロングに隣接するカニューレの中央部分から横方向両方向に延びる一対の頬支承部分を含み、頬支承部分は、プロングを意図された使用者の顔からオフセット配置するように構成された順応性のある材料を含む。
【0068】
別の態様によれば、導管は、カニューレをマスク内の所定位置に支持するため、コネクタとプロングとの間を延びる順応性のある背骨部を含む。
【0069】
別の態様によれば、鼻カニューレは、更に、プロングに隣接するカニューレの中央部分から横方向両方向に延びる一対の頬支承部分を含み、各頬支承部分は、プロングを使用者の鼻孔内に配置できる順応性のある背骨部を含む。
【0070】
別の態様によれば、各頬支承部分は、横縁部に隣接するカップリングを含み、各カップリングは、カニューレを配置するため、適当に適合した呼吸マスク内で相補的カップリングと係合するように構成されている。
【0071】
別の態様によれば、導管の長さは150mmよりも小さい。
【0072】
「含む」という用語は、本明細書中及び特許請求の範囲で使用されているように、「少なくとも一部を含む」ということを意味する。「含む」を含む本明細書中及び特許請求の範囲の用語を解釈するにあたり、この用語によって含まれる特徴が存在していてもよい。これと関連した同様の用語は、同様に解釈されるべきである。
【0073】
更に、本発明は、おおまかには、本願明細書中に個々に又は集合的に言及した即ち表示した部品、要素、及び特徴、又は二つ又はそれ以上のこれらの部品、要素、又は特徴の任意の組み合わせ又は全ての組み合わせを含むと言うことができ、本明細書中で言及した特定の参照番号が示すものは、本発明が属する分野で等価であり、このような等価物は、個々に記載されたものとして本明細書中に組み込まれたものと考えられる。
【0074】
以上、本発明を説明した。以下に本発明を単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】図1は、加圧および加湿した呼吸ガスを使用者の鼻孔インターフェースを通して供給するように構成された呼吸システムの概略図である。
【図2】図2は、ヘッドギヤによってインターフェースに連結された、所定位置に保持された鼻孔ユーザーインターフェースを装着した使用者の概略図である。
【図3】図3は、外周に配置されたシールと、マスク内に位置決めされた非シール鼻カニューレとを含む鼻マスクの斜視図である。
【図4】図4は、外周に配置されたシールと、マスクシェルに設けられた換気穴とを含むフルフェース型ユーザーインターフェースの斜視図である。
【図5】図5は、一対の非シール鼻プロングがマスク内に位置決めされており、内側供給導管によってマスクのガス入口に連結された鼻カニューレを含む、シールされたフルフェース型ユーザーインターフェースを後方から見た図である。
【図6】図6は、マスク本体の外周に配置されたシールと換気穴とを含むフルフェース型マスクの側面図である。
【図7】図7は、非シールユーザーインターフェースと、供給導管と、呼吸マスク内で使用するのに適したコネクタとを示す斜視図である。
【図8】図8は、非シール鼻孔インターフェースと、供給導管と、呼吸マスクとともに使用するのに適したコネクタとを示す分解図である。
【図9】図9は、非シールユーザーインターフェースと、供給導管と、呼吸マスク内で使用するのに適したエルボコネクタとを示す斜視図である。
【図10】図10は、非シール鼻孔インターフェースと、供給導管と、呼吸マスクとともに使用するのに適したコネクタとを示す分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0076】
呼吸ガスを使用者に供給する上で適当な呼吸援助システムを図1に示す。図示された呼吸援助システムは、ガス源15と、別体の加湿器8と、ユーザーインターフェース2とを含む。
【0077】
ガス源15は、加湿器8に空気を供給する。インペラー21によって、周囲の空気をガス源の開口部17を通してガス源内に引き込む。インペラー21の回転速度を変化することによって、ガス源に引き込まれる空気の量及び呼吸援助システムへの呼吸ガスの供給量を調整する。
【0078】
ガス源15を出るガスの圧力及び流量は、制御装置18によって調整される。制御装置は、インペラー21の回転速度を操作する。制御装置18は、フィードバック20を含んでいてもよい。更に、ガス源15を出るガスの圧力及び流量を使用者が調節できるようにするため、使用者制御装置19が設けられていてもよい。
【0079】
図示のガス源15は、病院の圧縮ガスシステム又はベンチレータ、又は家庭用CPAPユニット(フィッシャーアンドパイケルヘルスケア社が製造しているアイコン(登録商標)シリーズ又はスリープスタイル(登録商標)シリーズ)と同様のアクティブ制御式流れ発生器を示す。呼吸ガスを供給するため、適当な圧力又は流量調整がなされた圧縮酸素シリンダ等の他のガス源を使用してもよい。
【0080】
ガス源15の出口は、別体の加湿器ユニット8に連結されていてもよい。加湿器ユニット8は、使用者1に搬送する前に呼吸ガスを加熱及び加湿する。幾つかの装置では、加湿器は、ガス源と一体化されていてもよい。
【0081】
加湿器8は、ベースユニット22及び水チャンバ5を含む。水チャンバ5は水6を保持するように構成され、交換や充填を行うことができるように加湿器ベース22から外すことができても良い。加湿器8は、ガス源15から水チャンバ入口16を通してガスを受け入れる。
【0082】
加湿器ベースユニット22は、ヒータプレート7を含む。水チャンバ5は、加湿器ベース22に係合された時に、ヒータプレート7に載せられる。ヒータプレート7は、電気抵抗により発生した熱を水チャンバ5に放散する。ヒータプレート7が発生した熱を水6に効率的に伝達できるようにするため、水チャンバ5は、好ましくは、熱伝導性のベースを有する。
【0083】
水6を加熱し、水チャンバ5内に水蒸気を発生する。ガス源15からのガスを、ガス出口4を通って水チャンバ5を出る前に、蒸気によって加熱し且つ加湿する。導管3は、加湿器8からユーザーインターフェース2までガスを搬送する。
【0084】
加湿器ベースユニット22は、呼吸ガスの温度及び湿度を調整する制御装置9を含む。制御装置9は、ヒータプレート7への電気エネルギの供給を制御する。
【0085】
導管3には、ユーザーインターフェース2への輸送中に呼吸ガスを加熱するためのヒータワイヤが組み込まれていてもよい。導管ヒータワイヤは、好ましくは、加湿器ベースユニット22から電力を受け取る。
【0086】
導管3の両端に電気接点11、12が設けられている。これらの接点11、12は、ヒータワイヤに接続されている。一対の伝送リードが夫々の接点11、12を加湿器ベース22の対応する接続部13に連結する。加湿器制御装置9は、呼吸ガスの温度を制御するため、加湿器ベース22からヒータワイヤへの電力出力を調整する。
【0087】
制御装置9は、ガスの性質を監視するため、呼吸援助システムに設けられた制御ネットワークに組み込んだ様々なセンサからフィードバックを受け取っても良い。
【0088】
ヒータプレート温度センサ14がヒータプレート7に隣接して設けられている。温度センサ、湿度センサ、流れセンサ、及び他のセンサが加湿器出口4及びユーザーインターフェース2に隣接して導管内に設けられていてもよい。導管に設けられたセンサへの電力及び信号の伝送は、導管の接点11、12を通して行われる。
【0089】
更に、使用者制御装置10が制御装置9への入力として設けられていてもよい。使用者制御装置10により、使用者は、ユーザーインターフェース2を通して搬送されるガスの温度及び湿度等のガスの性質の設定できる。
【0090】
ガス源15は、使用者1に加わる終末呼気圧を制御するため、導管30内の背圧を能動的に調整する。呼気ガスは、固定されたもしくは調節自在の絞り、又はアクティブ制御式PEEPバルブを通して使用者の周囲に排出される。
【0091】
導管3は、加熱され且つ加湿されたガスを加湿器9からユーザーインターフェース2に分配する。
【0092】
幾つかの実施例では、ユーザーインターフェース2からの排気ガスをガス源15に戻すため、補助導管30が設けられていてもよい。供給導管3及び排気導管30は、「Y」ピースコネクタ31を介してユーザーインターフェース2に連結されている。「Y」ピースコネクタ31は、夫々の導管3、30に連結されるように構成された別々の入口及びユーザーインターフェース2と係合する同心の出口を有する。
【0093】
「Y」ピースコネクタの内側の出口ポートは、搬送導管3をマスク内の鼻カニューレに連結する。排気ガスおよび余剰の呼吸ガスを排出するため、外側のポートが排気導管30をマスクに連結する。
【0094】
ユーザーインターフェース2は、加熱され且つ加湿されたガスを加湿器8から使用者の呼吸器系に搬送する呼吸援助システムに使用者1を連結する。図示されたユーザーインターフェース2は、鼻カニューレの周囲に配置された鼻マスクを含む。鼻カニューレは、使用者の顔とマスクとの間に配置される。
【0095】
導管3の供給通路は、鼻カニューレに連結されている。呼吸ガスは、加湿器8から供給通路及び鼻カニューレを通して使用者1の鼻孔に搬送される。
【0096】
導管30の排気通路は、マスクの出口に係合する「Y」ピースコネクタ31に連結されている。他の実施例では、導管30は、マスクの出口ポートに直接的に連結できる。
【0097】
図示された実施例では、呼吸ガスは、専ら鼻カニューレを通して供給され、専らマスクから排気される。
【0098】
カニューレは、使用者の鼻孔内に突出した一対のプロングを含む。これらのプロングは、好ましくは、呼吸ガスの流量を大きくできる(理想的には、吸気要求に十分な呼吸ガスを最小の流れ抵抗で搬送できる)広幅の孔を有するが、使用者の鼻の穴をシールしない。
【0099】
カニューレを通る流れは、マスク及び解剖学的デッドスペースの両方に呼吸ガスを常に流し込んで洗浄する(フラッシングする)ように、連続しており且つ一方向性であることが好ましい。搬送した呼吸ガスによって使用者の鼻孔を常に浄化し、呼気ガスを鼻プロングの周囲の空間を通させるようにすることによって、吐き出されたCOが再び吸い込まれることを減少することができる。呼気ガスは、マスク本体内の排気を通して実質的にユーザーインターフェース2から排出される。
【0100】
好ましくは、呼吸ガスは、呼気ガスを全呼吸サイクルに亘って確実に除去するため、使用者の最大吸気流量条件以上の流量で搬送される。
【0101】
カニューレによって搬送された呼吸ガスは専ら使用者の鼻孔に投与され、又は一部がマスク内に(鼻孔の前にカニューレベースの出口を通して)搬送される。マスク及びカニューレの両方を通して呼吸ガスを搬送できるように、追加の搬送入口がマスク本体に設けられていてもよい。
【0102】
正しく配向された呼吸ガスをマスク本体内にカニューレに隣接して直接注入することにより、呼気ガスを使用者の鼻の穴から流し出すという利点が得られる。呼気ガスを使用者の鼻の穴の周囲から除去することにより、アクセス可能な補助呼吸ガス源をマスク内に提供する。この補助呼吸ガス源は、吸気流量条件が満たされていない場合、鼻孔に供給される主ガスを増加することができる。
【0103】
マスク本体は、使用者の顔と係合する周囲シールに連結されている。シールは、使用者の顔とマスクとの間で大量のガスが制御されていない態様で漏れることがないようにし、これにより、使用者の呼吸器系内の圧力を調整することができる。
【0104】
マスクへの搬送及びマスクからの排気の夫々を制御することにより、マスク内の圧力を調整することができる。排気ガスの流量は、呼吸援助システム(ガス供給デバイス等)内の構成要素によって能動的に調整されてもよく、又は(固定の又は可変の出口ベントを介するガス流に対する絞りを固定することによって)受動的に調整されてもよい。能動的排気及び受動的排気の組み合わせを交互に実施してもよい。
【0105】
こうした方法では、鼻カニューレに供給されるガス搬送流量及びマスクから吐き出される出口流量を操作することによって、使用者に作用する気道圧力を調整することができる。
【0106】
終末呼気陽圧(PEEP)は、呼気の終了時に気道及び肺胞が虚脱しないように保持することができ、虚脱してしまった気道及び肺胞を再開放するのにも役立つ。
【0107】
治療のために行われるPEEPは、(肺内シャントを減少することによって)ガス交換を改善することができ、(肺内の流れ抵抗を減少することによって)空気流に対する抵抗を減少することができ、(肺のコンプライアンスを増大することによって)肺が固くなり過ぎないようにする。更に、酸素及び二酸化炭素のレベルを改善し、補助酸素及び患者の息切れ感を低減する。
【0108】
更に、PEEPは、平均胸内圧を上昇することによって心機能を改善する。PEEPは、肺気腫、気管支拡張症、慢性気管支炎、嚢胞性線維症、及び肺水腫を含む閉塞性肺疾患及び心不全の治療を支援する上で特に有利である。
【0109】
更に、呼吸ガスを主に使用者の鼻孔に搬送するとき、呼吸ガスを最適の又はほぼ最適の温度及び湿度で(加温し且つ水蒸気で一杯に飽和させて(37℃、44mg/lの湿度))使用者に搬送することができる。対象者(患者)は、ガスが鼻孔に搬送される場合、フェーシャルマスクによって投与される場合よりも高いガスの温度及び湿度を許容することができる。
【0110】
健康な成人の肺内条件(37℃、44mg/lの湿度)に倣うことにより、分泌に悪影響を及ぼす呼吸器疾患の使用者において健康な粘液線毛機能を維持するのを補助することができる。
【0111】
従って、ユーザーインターフェース2は、広範な治療(気道陽圧法及び湿気治療(humidity therapy)を含む)を実行可能な状態で可能にできる。これは、ユーザーインターフェース2をシールする利点(呼気圧力調整)及び高流量鼻孔インターフェース(デッドスペースフラッシング及び最適湿度搬送)の利点を併せ持つためである。
【0112】
「デッドスペース」という用語は、本明細書中で使用されているように、装置デッドスペース及び解剖学的デッドスペースの両方に関する。装置デッドスペースとは、呼気ガスを再び再呼吸できる、マスクや回路等の任意の追加の機器のゾーンに関する。解剖学的デッドスペースは、二酸化炭素レベルが上昇する鼻、咽頭、気管、及び気管支の領域を含む。高流量鼻孔インターフェースは、解剖学的デッドスペースのフラッシングを改善できる。
【0113】
インターフェースの幾つかの実施例を以下に詳細に説明する。各実施例は、特定の搬送システムに合った態様を備えているが、こうした態様は、他の実施例における変形例として容易に使用できる。例えば、鼻マスクをガス供給部への戻し経路を提供する特徴を持つものとして説明したが、別の態様では、周囲環境への排出口を備えていてもよい(これは、ガス戻し設備がない流れ発生器とともに使用するのに適している)。
【0114】
鼻カニューレ
所望のハイブリッドインターフェースを形成するために適当なフェーシャルマスクと組み合わせることができる鼻カニューレの一実施例を図7及び図8に示す。鼻カニューレ705、805は、一対の非シール鼻プロング706、806及び弾性供給導管707、807を含む。
【0115】
カニューレ705、805は、使用時に導管707、807が上下軸線に沿って緩く配向されるように構成されている。鼻プロング706、806は、供給導管707、807の近位端に連結されている。各プロング706、806は、搬送導管707、807の出口を中心としてほぼ等間隔に間隔が隔てられている。プロング706、806間の離間は、全体として、ターゲット使用者群(成人又は小児)の予想鼻中隔幅及びインターフェースサイズ(大中小)と相関する。
【0116】
プロング706、806は、遠位ベース(導管707、807の出口に連結されている)から外方に延びており、ベースから離れて配置された近位搬送端で終端する。例示の鼻プロング706、806の近位端には搬送穴が設けられている。これらの搬送穴は、呼吸ガスをカニューレから使用者の鼻孔の夫々に搬送する。
【0117】
搬送穴は、例示のようにプロング706、806の近位端と同軸であるように緩く整列していてもよい。これらの同軸の搬送穴は、噴射、即ち使用者の鼻孔への呼吸ガスの一貫した流れの導入を行うことができる。噴射は、プロング706、806及び穴を通るほぼ不変の搬送経路により生じる(即ち、プロング706、806は、流体流を誘導するノズルとして作用する)。搬送ガスを噴射することは、搬送音の低減を含む特定の用途について有利である。
【0118】
鼻プロングに対する変形例は、使用者の鼻孔に導入された呼吸ガスを拡散するため切欠き搬送穴を組み込むことである。切欠き穴は、好ましくは、プロングの後面に配置されており、これにより、鼻孔キャビティに対して呼吸ガスのポケットが形成される。好ましくは、カニューレを出るガスに対して滑らかな流路を提供するため、プロングの内チップは湾曲している。
【0119】
切欠きの構成により、集中した呼吸ガス流が高速で搬送されないようにすることによって、鼻孔に対する刺激を低減することができる。切欠き鼻プロングを組み込んだカニューレの好ましい構成は、フィッシャーアンドパイケルの特許出願第12/628,454号に開示されている。出典を明示することにより、この出願に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。
【0120】
各プロング706、806のベースは、共通の入口マニホールド708、808から延びている。マニホールド708、808は、プロング706、806を導管707、807に連結する。マニホールド708、808の形状は、様々な構成のプロング706、806に適合するようになっていてもよく、図示のようにプロング706、806が導管707、807の直径以上に離間されていることを含む(この場合、プロング706、806のベースは導管707、807の周囲の外側に位置決めされる)。
【0121】
鼻カニューレは、更に、一対の頬支承部分725、825を含んでいてもよい。これらの頬支承部分725、825は、マニホールド708、808から横方向外方に延びており、使用者の鼻孔におけるプロング706、806の配向を補助する。好ましくは、頬支承部分725、825は、鼻プロング706、806と同じシリコーン、又は他の適当な柔軟で軟らかい材料から製造されている。
【0122】
プロング706、806は、ベースから搬送端まで湾曲していてもよい。従来の鼻プロングは、鼻腔に従う後方への湾曲を含んでいる。中程度の後方への湾曲により、プロングを広範囲の鼻形状内で快適に装着できる。
【0123】
フィッシャーアンドパイケルヘルスケア社の最近の開発によれば、インターフェースでの騒音の発生を抑える上で、プロング延長部が中立であり(ベースから搬送端まで湾曲していない)かつ前方に僅かに湾曲しているのが有利である。鼻カニューレの好ましい構成を含むこれらの開発は、米国特許出願第61/262,297号に開示されている。出典を明示することにより、この出願に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。
【0124】
鼻プロング706、806は、流れ抵抗及び呼吸ガスの進入速度を最小にするため、広幅の孔を有している。プロング706、806の広幅の孔により、意図された使用者の最大吸気流量条件以上の高い流量の一方向呼吸ガス流を使用者の鼻孔に搬送することができる。
【0125】
高い流量の搬送流に対して患者が呼吸ガスを吐き出すことにより、終末呼気陽圧(PEEP)が制限されうる。非シールカニューレが提供するPEEPの量は、一般的には、使用者によって異なり、ほとんど制御できない(これは、部分的には、使用者の息を吐き出そうとする努力で決まる)。
【0126】
PEEPに影響を及ぼすこの他の要因は、搬送流量、使用者の鼻孔でのカニューレの装着性(即ち、吐き出したガスを鼻孔から出すための加減)、及び供給ライン(加熱した主搬送チューブ、ユーザーインターフェースと関連した非加熱の延長チューブ、及びプロングを含む)の前後の圧力降下である。
【0127】
鼻プロング706、806の広幅の孔により、最大吸気流量条件以上の呼吸ガスを使用者に搬送することができる。使用者の最大吸気流量条件を越えることにより、解剖学的デッドスペース(咽頭等)を新鮮な呼吸ガスで連続的にフラッシングすることによって、呼気ガスが再び吸い込まれることを減少する。
【0128】
更に、吸気相中に限られた量の陽圧を発生してもよい。吸気気道陽圧(IPAP)により、気道及び肺胞が吸気中に虚脱しないようにし、呼気に必要な労力を低減する。IPAPは、呼吸不全による息切れの患者にとって特に有利である。
【0129】
カニューレは、限定的圧力支持(呼気気道陽圧(EPAP)及びIPAP)を提供できるため、呼吸サイクルに亘って圧力振動を提供することができる。圧力振動は、肺からの痰の排除及び血液と肺胞気との間の呼吸ガスの交換を改善することができる。
【0130】
適当な呼吸マスクと組み合わせられてもよい鼻カニューレの別の実施例は、フィッシャーアンドパイケルヘルスケア社が製造しているオプティフロー(登録商標)鼻カニューレである。
【0131】
鼻腔ユーザーインターフェース
本発明の一実施例によるユーザーインターフェースを図1乃至図3に示す。インターフェース2、200、300は、使用時に使用者の鼻を包囲するフェーシャルマスクを含む。インターフェース2、200、300は、鼻カニューレ305の周囲に配置されたマスク本体210、310を含む。カニューレ305は、(図1及び図2に示すように)インターフェース2、200、300を使用者に装着したとき、プロングが使用者の鼻孔内にあるようにマスク本体210、310内に位置決めされている。
【0132】
インターフェース200、300は、マスク導管217、317を含む。マスク導管217、317は、呼吸ガスをインターフェース2、200、300に及び/又はインターフェースから移送するため、適合する呼吸システム導管(図1で参照番号3を付した導管等)に連結されるように構成されている。好ましくは、マスク導管217、317の延長部は、マスク本体210、310を通って突出しており、鼻カニューレ305への連結インターフェースを提供する。
【0133】
マスク導管217、317は、ユーザーインターフェース2、200、300に対し、設定変更可能な搬送通路を提供し、呼吸システム導管と比較した場合、相対的に短い。
【0134】
マスク導管217、317は、角度配向が固定されていてもよく(図2及び図3参照)、又はマスク本体210、310とのスイベル係合部を備えていてもよい。角度が固定された導管は、一般的には、マスク導管217、317又は呼吸システム導管が動かないように拘束ヘッドギヤを備えて実施される(図2参照)。これは、マスク本体210、310の周囲に形成された周囲シールを破らないようにするためである。
【0135】
マスク導管217、317は、呼吸ガスを外部ガス源から使用者の鼻孔に直接搬送できるように、鼻カニューレ305に連結されている。鼻カニューレ305は、搬送導管307の遠位端に配置された、マスク本体210、310と係合するように構成された解放自在のカップリングを備えていることが好ましい。
【0136】
例示のカップリングを図7及び図8に示す。図示のカップリング720、820は、導管707、807の遠位端から突出しており、マスク導管217、317の内方に突出した一部と係合するように構成されている。
【0137】
カップリング720、820は、カニューレ導管707、807に連結するベース721、821、及びセグメント状環状壁722、822を含む。セグメント状環状壁722、822は、ベース721、821、807から遠ざかる方向にカップリング720、820の遠位端まで延びる。
【0138】
環状壁のセグメントは、周囲に配置されており、内方に突出した(マスク本体210、310内に延びる)マスク導管217、317の延長部と釣り合う大きさを備えている。
【0139】
マスク導管217、317の内側延長部には、半径方向外方に延びる周囲リップが設けられている。リップは、マスク導管延長部の突出端に隣接して位置決めされる。セグメント状環状壁722、822には、カップリング720、820の遠位端に隣接して位置決めされており且つ内方に配向された相補的周囲凹所が設けられている。
【0140】
カップリング720、820をマスク導管延長部と整合し且つこれに強制的に被せることにより、周囲凹所とリップとを相互係止することによって固定的に係合する。環状壁722、822の個々のセグメントは、カニューレ305との係合中及び係合解除中、リップの比較的大きな周囲を受け入れるため、外方に拡がる。
【0141】
カニューレ305が変形して外方に捩じれないように、カップリングにより、カニューレ305をマスク本体210、310に対してスイベル旋回できる(特にマスク導管により角度調節を行う)ことが好ましい。
【0142】
適合する非シール鼻孔インターフェース及び導管を持つコネクタの別の実施例を図9及び図10に示す。非シールインターフェース及び導管の特徴は、図7及び図8の夫々の対応する特徴(同様の参照番号が付してある)と同じであってもよい。
【0143】
導管907、1007を適切に形成されたマスクに連結するように構成されたコネクタ920、1020は、「L」字形状屈曲部を含む。エルボコネクタ920、1020は、カニューレを配向し、プロングを使用者に適当なデフォルト構成で差し向ける。
【0144】
カニューレ305をマスク本体210、310なしで使用できるように、適当な相補的カップリングを含む副導管(図示せず)をインターフェース2、200、300に提供してもよい。高度な治療段階中、呼吸支援に対する使用者の依存を低減するため、カニューレ305を独立して使用できるものと考えられる。
【0145】
図7及び図8に示すように、カニューレ705、805の頬支承部分725、825の横縁部に隣接してカップリング726、826が配置される。これらのカップリング726、826は、マスクと別に使用する場合にカニューレ305を支持するため、適合するヘッドギヤに係合できる。好ましくは、頬支承部分725、825は、カニューレ305を更に快適にするため、柔軟で軟らかい材料(シリコーン等)で形成されている。カニューレ705、805を安定化し、ヘッドギヤを支持するため、マニホールド720、820の前面(及び頬支承部分725、825が設けられている場合にはこれらの頬支承部分)に追加の剛性支持体828が連結されていてもよい。
【0146】
カニューレ705、805をユーザーインターフェース内に配置し且つ支持するため、マスク本体210、310は、カップリング726、826を受け入れるように構成されていてもよく、又はカニューレ305を搬送導管307だけで支持してもよい。搬送導管307は、好ましくは、カニューレがマスク本体210、310内で「浮動」できるように、弾性であり且つ可撓性のリブ付きポリマーチューブである。
【0147】
搬送導管307は、プロングの位置を意図された使用者の鼻孔に対して定めることができるように、順応性のある背骨部(malleable spine)又は挿入体を含んでいてもよい。背骨部は、必要な調節量を最小にするためにプロングを好ましい配向に向かって押圧するため、(適当な形状又は材料を選択することによって)異方性剛性を持つように形成されていてもよい。
【0148】
好ましくは、背骨部は、導管307のベースのところで剛性カップリングに連結される。カップリングが提供する剛性支持体は、導管及びプロングをベースに対して調節できる背骨部のアンカーとして作用する。背骨部は、調節を適切に行うことができるように、導管の全長又は導管の長さの適当な部分に亘って延びていてもよい。
【0149】
別の態様では、導管は、分割されたチューブ(sectioned tube)から製造されていてもよい。分割されたチューブは、様々な区分を相対的に調節できることによって、順応性のある背骨部と同様の機能を提供する。
【0150】
好ましくは、カニューレ305支持体により、前後軸線(深さ)、内外軸線(横方向)、及び上下軸線(高さ)に沿った緩い並進調節に加え、プロング306の存在角度(angle of presentation)を調節することができる 。
【0151】
図1に示すシステムでは、使用者が吐き出したガスは、ユーザーインターフェース2、200、300から呼気分枝部を通して排出される。図示された呼気分枝部は、導管30が提供する。呼気分枝部は、呼気ガスをユーザーインターフェース2からベンチレータまで輸送する。加湿器は、ユーザーインターフェース2内の圧力を制御するため、呼気分枝部内の背圧を調整する。ユーザーインターフェース2内の圧力は、使用者1に作用する呼気圧力に寄与する。
【0152】
変形例のシステムでは、呼気ガスは、マスクから周囲に直接発散される。例えば、発散を補助し、呼気圧力を制御するため、可変絞り出口(PEEPバルブ等)及び固定出口ベントがインターフェース2に設けられていてもよい。マスクに設けられた出口又はベントは、固定絞りであっても可変絞りであってもよい。可変絞りは、受動的に制御されてもよいし、能動的に制御されてもよい。
【0153】
マスク内で発生した圧力がPEEPの発生を支配し、非シールインターフェースでPEEPに影響を及ぼす他の要因をほとんど無効にする。マスク内の圧力が使用者に作用するPEEPに反映するため、マスク圧力を制御することによりPEEPが制御される。従って、PEEPは、マスクからの排気ガスの流量をアクティブ制御することによって調整できる。
【0154】
マスク圧力のアクティブ制御は、外圧レギュレータ(戻し導管によってインターフェースに連結された適当な構成のベンチレータ等)又はマスク本体のアクティブPEEPバルブを使用することによって行われる。
【0155】
適当なアクティブ制御式PEEPバルブは、排気流量又は流れ提供を制御することによってマスク内の圧力を調整する機械式又は電子式の構成によって提供されてもよい。
【0156】
インターフェース2、200、300はシール211、311を含み、これによりマスク本体210、310内に適当な圧力を発生することができる。シール211、311は、マスク210、310の外周の周囲に配置されており、使用者の顔と接触するように構成されており、使用者の顔の形状に合わせて付着するのに必要なだけ変形する。
【0157】
シール211、311は、好ましくは、使用者に快適であり且つ変形力が低い発泡体や適当な封入ゲル(ゲルパッドを形成する)、又はシリコーン等の柔軟で軟らかい材料で形成されている。シール211、311は、シール性及びマスクの快適性を改善するため、一つ以上の材料を含んでいてもよい。
【0158】
好ましい構成のシールは、好ましくは発泡体で形成された内側クッション、及びクッションの周囲に配置された好ましくは軟質シリコーンで形成された外側シール鞘部(outer sealing sheath)を含む。柔軟な外側シール鞘部は、使用者の顔に接触し、容易に変形し、主シールを形成する。クッションは、柔軟であるけれども、変形に対して大きな抵抗を提供する。
【0159】
クッション及び鞘部は、互いに別個に変形し、クッションは、主シールから離れた場所で鞘部に圧力を加えることによって、二次的シールを提供することができる。好ましいシール構成は、フィッシャーアンドパイケルの特許出願第11/928,779号に開示されている。出典を明示することにより、この出願に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。
【0160】
フルフェース型ユーザーインターフェース
本発明の別の実施例によるユーザーインターフェースを図4乃至図6に示す。インターフェース400、500、600では、上文中に説明した鼻孔インターフェース2、200、300の特徴がフルフェース型マスク本体410、510、610に適用されている。マスク本体410、510、610は、使用時に使用者の口及び鼻を包囲する。
【0161】
鼻孔インターフェース2、200、300に関して上文中に説明した様々な構成の様々な組み合わせをフルフェース型インターフェース400、500、600に等しく適用できる。図4乃至図6に示す多くの様々な変更をフルフェース型インターフェース400、500、600に関して簡単に説明する。こうした変更もまた、鼻孔インターフェース2、200、300に等しく適用できる。
【0162】
ユーザーインターフェース400、500、600は、スイベルマスク導管417、517、617を含む。これにより、導管417、517、617の角度をマスク本体410、510、610に対して調節できる。
【0163】
マスク本体410、510、610は、鼻梁部に隣接して位置決めされた複数の換気穴430、530、630を含む。これらの換気穴430、530、630により、患者が吐き出したガスをユーザーインターフェース400、500、600から使用者の周囲に直接的に排気することができる。
【0164】
マスク本体510内の鼻カニューレ505の構成を図5に示す。
【0165】
鼻カニューレ505は、導管507に隣接したカニューレ505の中央部分から横方向に延びる、頬支承部分525を含んでいてもよい。
【0166】
導管507は、カニューレ505をマスク入口に連結する。図示の実施例では、導管507のベースに隣接してマスク本体500からガスを出すための手段が設けられていない。しかしながら、患者が吐き出したガスの一部を別の呼吸システムの構成要素に輸送するため、インターフェース500に副出口が設けられていてもよい。副出口は、導管507を中心として同軸に、或いはマスク本体510の別の位置からのいずれかで設けられている。
【0167】
使用者の周囲に可変の換気を直接的に行うため、可変絞り排気手段(PEEPバルブ等)がマスク本体410、510、610に設けられていてもよい。可変絞り排気手段は、固定換気穴530の代わりに設けられてもよいし、これと組み合わせて設けられてもよい。好ましくは、インターフェース内の圧力の調整を補助するため、ある程度の排気調整を行う。
【0168】
ユーザーインターフェース400、500、600は、これらのインターフェース400、500、600のベースで大きな漏れが生じないように、及びマスク内に適切な圧力を形成できるように、シール411、511、611がマスク本体410、510、610の周囲に配置されている。
【0169】
導管507は、呼気ガスを換気穴530に向かってフラッシングするため、マスクキャビティ510への一つ又はそれ以上の出口(図5に破線520で示す)を備えていてもよい。好ましくは、注入されたガスによりインターフェースキャビティ全体をフラッシングできるように、(図示のように)マスクキャビティの両端に換気穴及び呼吸ガス注入ポートが位置決めされている。
【0170】
マスク本体410、510、610には、マスクキャビティ410、510、610及び周囲環境の両方と直接的に接触する、空気を通す材料(例えばシンパテックス(登録商標)又はナフィオン(登録商標))でできた区分が組み込まれていてもよい。空気を通す適当な材料は、凝縮液の形成(「レインアウト」と呼ばれることもある)を減少するため、マスクキャビティ410、510、610から水蒸気を通すことができる。マスク本体410、510、610から余分の水分を除去する性能は、特に呼吸ガスが最適な湿度で又は最適な湿度近傍で搬送される場合に適用することができる。
【0171】
空気を通す材料を組み込んだマスクの好ましい構成は、フィッシャーアンドパイケルの特許出願第10/921,572号に開示されている。出典を明示することにより、この出願に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。変形例のマスク構成は、空気を通す発泡状材料をマスク本体410、510、610と一体化した構成である。
【0172】
発泡状にすることにより、このような材料の透過性を向上でき、空気透過性を全体として損なうことなく、マスクを比較的厚い区分から製造できる。これは、フィッシャーアンドパイケルヘルスケア社が積極的に研究を行っている分野であり、出典を明示することにより開示された全ての出願内容を本明細書の開示の一部とする現在継続中(出願番号が未だ割り振られていない)の米国特許出願の要旨である。
【0173】
本発明の好ましい実施例
好ましくは、プロングは、意図された使用者の最大吸気流量条件を上回る流量でガスを供給するのに十分な孔径を有する。
【0174】
好ましくは、ユーザーインターフェースは、呼吸ガスを成人に搬送するように構成されており、プロングは、最大吸気流量条件に合った適当な対応する孔直径を有する。
【0175】
好ましくは、ユーザーインターフェースは、呼吸ガスを小児に搬送するように構成されており、プロングは、最大吸気流量条件に合った適当な対応する孔直径を有する。
【0176】
好ましくは、ガス出口は、可変圧力レギュレータを含み、又は可変圧力レギュレータに連結されるように構成されている。
【0177】
好ましくは、ガス出口は、ガスを使用者の周囲に排出する調節自在の絞りである。
【0178】
好ましくは、鼻プロングは、呼吸ガスを使用者の鼻孔に対して可変の供給流量で搬送するように構成されており、ガス出口は、ガス出口圧力、供給流量、及び使用者に作用する終末呼気圧を規定するマスク圧力を調整するために調節可能となっている。
【0179】
好ましくは、マスクは、使用時に使用者の鼻及び口を包囲するような形状及び大きさを備えている。
【0180】
好ましくは、ユーザーインターフェースは、ユーザーインターフェースを患者の顔の所定位置に保持するように構成されたヘッドギヤを更に含む。
【0181】
好ましくは、導管の遠位端は、コネクタ部品に連結されており、コネクタ部品は解放自在であり、コネクタ部品は、使用時にマスク、導管、及びマスクから取り外し自在の鼻プロングに連結された相補的コネクタ部品と係合する。
【0182】
好ましくは、プロング又は導管は、ヘッドギヤを受け入れるように構成されたカップリングを含み、プロングをマスクとは別個に使用できる。
【0183】
好ましくは、導管は、プロングをマスク内に支持し、かつプロングの存在角度を個々の使用者の顔の形状に合わせて調節できる。
【0184】
好ましくは、導管は、プロングをマスク内に支持し、プロングを使用者の前後方向に対応する深さ方向に調節可能である。
【0185】
好ましくは、導管は、プロングをマスク内に支持し、プロングを使用者の上下方向に対応する高さ方向に調節可能である。
【0186】
好ましくは、導管は、導管及びプロングを支持するため、コネクタから延びる順応性のある背骨部を含み、背骨部は、導管及びプロングを使用者が設定した位置に保持するように構成されている。
【0187】
好ましくは、マスクは、使用時に着用者に向かって配向される中空包囲体を含み、プロングは、調節自在の支持部材によって中空包囲体内に支持されている。
【0188】
好ましくは、調節自在の支持部材は、中空包囲体内で延びている。
【0189】
好ましくは、調節自在の支持部材は順応性がある。
【0190】
好ましくは、調節自在の支持部材は、使用者の前後方向に対応する深さ方向に調節するように適合できる。
【0191】
好ましくは、調節自在の支持部材は、使用者の上下方向に対応する高さ方向にプロングを調節するように適合できる。
【0192】
好ましくは、調節自在の支持部材は、プロングの存在角度を調節するように適合できる。
【0193】
好ましくは、ガス出口は、使用者に作用する終末呼気圧を制御するためにマスク内の圧力を調整するアクティブ制御式PEEPバルブである。
【0194】
好ましくは、マスク、プロング、又はシール部材の少なくとも一部が空気を通す材料で形成されている。
【0195】
好ましくは、シール部材は、マスクの開口部に隣接した周縁に亘って配置されている。
【0196】
好ましくは、鼻カニューレは、更に、プロングに隣接するカニューレの中央部分から横方向両方向に延びる一対の頬支承部分を含み、各頬支承部分には、横縁部に隣接してカップリングが設けられ、各カップリングは、カニューレを配置するため、適当に適合した呼吸マスク内で相補的カップリングと係合するように構成されている。
【0197】
好ましくは、頬支承部分は、カニューレを前後方向に調節できるように、柔軟で軟らかい材料で構成されている。
【0198】
好ましくは、導管は、プロングを使用時に呼吸マスク内で支持し、導管により、カニューレを使用者の前後方向に対応する深さ方向で調節することができる。
【0199】
好ましくは、導管は、プロングを使用時に呼吸マスク内で支持し、導管により、カニューレを使用者の上下方向に対応する深さ方向で調節することができる。
【0200】
好ましくは、導管は、プロングを使用時に呼吸マスク内で支持し、導管により、プロングの存在角度を調節できる。
【0201】
好ましくは、導管の長さは150mmよりも小さい。
【0202】
好ましくは、鼻カニューレは、更に、プロングに隣接したカニューレの中央部分から横方向両方向に延びる一対の頬支承部分を含み、これらの頬支承部分は、プロングを意図された使用者の顔からオフセット配置するように構成された順応性のある材料を含む。
【0203】
好ましくは、導管は、カニューレをマスク内の所定位置に支持するため、コネクタとプロングとの間を延びる順応性のある背骨部を含む。
【0204】
好ましくは、鼻カニューレは、更に、プロングに隣接したカニューレの中央部分から横方向両方向に延びる一対の頬支承部分を含み、各頬支承部分は、プロングを使用者の鼻孔内に配置できる順応性のある背骨部を含む。
【0205】
好ましくは、各頬支承部分は、横縁部に隣接したカップリングを含み、各カップリングは、カニューレを配置するため、適当に適合した呼吸マスク内で相補的カップリングと係合するように構成されている。
【0206】
好ましくは、導管の長さは150mmよりも小さい。
【0207】
好ましくは、呼吸ガスは、31℃乃至37.5℃の温度及び32mg/l乃至44mg/lの湿度で提供される。
【0208】
好ましくは、呼吸ガスは実質的に一方向流で提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非シール鼻カニューレと、この鼻カニューレの周囲に配置されたマスクとを含むユーザーインターフェースにおいて、
前記マスクは、前記インターフェースを加圧できるように使用者の顔をシールするよう構成されたシールを含み、
前記カニューレは、呼吸ガスを使用者の鼻孔に意図された使用者の最大吸気流量条件を上回る流量で搬送するように構成され、前記マスク及び前記使用者の咽頭が、デッドスペースを減少するために新鮮な呼吸ガスで連続的にフラッシングされるようになっている、ユーザーインターフェース。
【請求項2】
請求項1に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記カニューレは、一つ又は一対の鼻プロングを含み、前記マスクはガス出口を含む、ユーザーインターフェース。
【請求項3】
ユーザーインターフェースにおいて、
呼吸ガスの流れを使用者の鼻孔に搬送するように構成された、一つ又は一対の高流量非シール鼻プロングと、
前記鼻プロングの周囲に配置されたマスクと、
前記プロングを前記マスクの外側の入口に連結する導管と、
使用者の呼吸器系を加圧できるように使用者の顔をシールするように構成された弾性シール部材と、
前記マスクのガス出口とを含む、ユーザーインターフェース。
【請求項4】
ユーザーインターフェースにおいて、
鼻カニューレと、
前記鼻カニューレの周囲に配置されたマスクとを含み、
前記鼻カニューレは、意図された使用者の最大吸気流量条件を上回る呼吸ガスの一方向流を使用者の鼻孔に搬送するように構成された一つ又は一対の非シール鼻プロングと、前記プロングを前記マスクの外側の入口に連結する導管とを含み、
前記マスクは、使用者の呼吸器系を加圧できるように使用者の顔をシールするように構成された弾性シール部材と、前記マスクの外側の入口と前記鼻カニューレとの間で前記マスクを通るガス供給通路と、前記マスクからガスを排出するように構成された、前記マスクを通るガス出口通路とを含み、
前記インターフェースは、呼吸ガスを専ら鼻カニューレを通して搬送し、かつガスを専らマスクから排出するように構成されている、ユーザーインターフェース。
【請求項5】
ユーザーインターフェースにおいて、
呼吸ガスを使用者の鼻孔に搬送するように構成された一つ又は一対の鼻プロングを含む鼻カニューレと、前記鼻カニューレの周囲に配置されたマスクと、前記マスクに連結され、マスクを加圧できるように、意図された使用者の顔をシールするように構成されたシールと、前記鼻カニューレに連結され、前記マスクを通る呼吸ガス入口と、呼気ガスを排気するように構成された、前記マスクから延びるガス出口と、前記インターフェースを使用者の頭部の所定位置に保持するように前記マスクに連結されたヘッドギヤとを含む、ユーザーインターフェース。
【請求項6】
請求項2乃至5のうちのいずれか一項に記載に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記プロングは、意図された使用者の最大吸気流量条件を上回る流量でガスを供給するのに十分な孔を有する、ユーザーインターフェース。
【請求項7】
請求項2乃至5のうちのいずれか一項に記載に記載のユーザーインターフェースにおいて、
呼吸ガスを成人に搬送するように構成されており、前記プロングは、最大吸気流量条件に合った適当な対応する孔直径を有する、ユーザーインターフェース。
【請求項8】
請求項2乃至6のうちのいずれか一項に記載に記載のユーザーインターフェースにおいて、
呼吸ガスを小児に搬送するように構成されており、前記プロングは、最大吸気流量条件に合った適当な対応する孔直径を有する、ユーザーインターフェース。
【請求項9】
請求項2乃至8のうちのいずれか一項に記載に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記ガス出口は、可変圧力レギュレータを含み、又は可変圧力レギュレータに連結されるように構成されている、ユーザーインターフェース。
【請求項10】
請求項2乃至9のうちのいずれか一項に記載に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記ガス出口は、ガスを使用者の周囲に排出する調節自在の絞りである、ユーザーインターフェース。
【請求項11】
請求項2乃至10のうちのいずれか一項に記載に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記鼻プロングは、呼吸ガスを使用者の鼻孔に対して可変の供給流量で搬送するように構成されており、前記ガス出口は、ガス出口圧力、供給流量、及び使用者に作用する終末呼気圧を規定するマスク圧力を調整するために調節可能となっている、ユーザーインターフェース。
【請求項12】
請求項2乃至11のうちのいずれか一項に記載に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記マスクは、使用時に使用者の鼻及び口を包囲するような形状及び大きさを備えている、ユーザーインターフェース。
【請求項13】
請求項2乃至12のうちのいずれか一項に記載に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記ユーザーインターフェースを患者の顔の所定位置に保持するように構成されたヘッドギヤを更に含む、ユーザーインターフェース。
【請求項14】
請求項2乃至13のうちのいずれか一項に記載に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記鼻プロングを前記マスクの入口に連結する導管を含み、
前記導管の遠位端は、コネクタ部品に連結されており、前記コネクタ部品は、前記マスクに連結された相補的コネクタ部品と解放自在に係合しており、前記導管及び前記鼻プロングは、前記マスクから取り外し可能である、ユーザーインターフェース。
【請求項15】
請求項14に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記プロング又は前記導管は、ヘッドギヤを受け入れるように構成されたカップリングを含み、前記プロングを前記マスクとは別個に使用できる、ユーザーインターフェース。
【請求項16】
請求項2乃至15のうちのいずれか一項に記載に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記鼻プロングを前記マスクの入口に連結する導管を含み、前記導管は、前記プロングを前記マスク内に支持し、かつ前記プロングの存在角度を個々の使用者の顔の形状に合わせて調節できる、ユーザーインターフェース。
【請求項17】
請求項2乃至16のうちのいずれか一項に記載に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記鼻プロングを前記マスクの入口に連結する導管を含み、前記導管は、前記プロングを前記マスク内に支持し、前記プロングを使用者の前後方向に対応する深さ方向に調節可能である、ユーザーインターフェース。
【請求項18】
請求項2乃至17のうちのいずれか一項に記載に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記鼻プロングを前記マスクの入口に連結する導管を含み、前記導管は、前記プロングを前記マスク内に支持し、前記プロングを使用者の上下方向に対応する高さ方向に調節可能である、ユーザーインターフェース。
【請求項19】
請求項2乃至17のうちのいずれか一項に記載に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記鼻プロングを前記マスクの入口に連結する導管を含み、前記導管は、前記導管及び前記プロングを支持するため、コネクタから延びる順応性のある背骨部を含み、前記背骨部は、前記導管及び前記プロングを使用者が設定した位置に保持するように構成されている、ユーザーインターフェース。
【請求項20】
請求項2乃至18のうちのいずれか一項に記載に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記マスクは、使用時に着用者に面する中空包囲体を含み、前記プロングは、調節自在の支持部材によって前記中空包囲体内に支持されている、ユーザーインターフェース。
【請求項21】
請求項20に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記調節自在の支持部材は、前記中空包囲体内で延びている、ユーザーインターフェース。
【請求項22】
請求項20又は21に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記調節自在の支持部材は順応性がある、ユーザーインターフェース。
【請求項23】
請求項20乃至22のうちのいずれか一項に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記調節自在の支持部材は、使用者の前後方向に対応する深さ方向に調節するように適合できる、ユーザーインターフェース。
【請求項24】
請求項20乃至23のうちのいずれか一項に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記調節自在の支持部材は、使用者の上下方向に対応する高さ方向にプロングを調節するように適合できる、ユーザーインターフェース。
【請求項25】
請求項20乃至24のうちのいずれか一項に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記調節自在の支持部材は、前記プロングの存在角度を調節するように適合できる、ユーザーインターフェース。
【請求項26】
請求項2乃至25のうちのいずれか一項に記載に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記ガス出口は、終末呼気圧を制御するために前記マスク内の圧力を調整するアクティブ制御式PEEPバルブである、ユーザーインターフェース。
【請求項27】
請求項2乃至26のうちのいずれか一項に記載に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記マスク、前記プロング、又は前記シール部材の少なくとも一部が空気を通す材料で形成されている、ユーザーインターフェース。
【請求項28】
請求項2乃至27のうちのいずれか一項に記載に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記ガス出口は、前記マスク圧力を調整するため、排出されたガスを圧力レギュレータに輸送するための導管に連結されるように構成されている、ユーザーインターフェース。
【請求項29】
請求項2乃至28のうちのいずれか一項に記載に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記シール部材は、前記マスクの開口部に隣接した周縁に亘って配置されている、ユーザーインターフェース。
【請求項30】
請求項2乃至29のうちのいずれか一項に記載に記載のユーザーインターフェースにおいて、
ガスを前記マスクのキャビティに供給するための、一つ又はそれ以上の追加の注入ポートを含む、ユーザーインターフェース。
【請求項31】
請求項3及び14乃至19のうちのいずれか一項に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記導管は、前記鼻プロングの他に、前記マスクのキャビティへの一つ又はそれ以上の出口を含む、ユーザーインターフェース。
【請求項32】
請求項2乃至29のうちのいずれか一項に記載に記載のユーザーインターフェースにおいて、
前記マスクは、前記鼻プロングを通して供給されるガスの他に、前記マスクのキャビティへガスの供給を受け入れるように構成されている、ユーザーインターフェース。
【請求項33】
呼吸ガスを使用者に供給する方法において、
加熱され且つ加湿された呼吸ガスの大きい流れを使用者の鼻孔に直接提供する工程と、
シールされた加圧空間を使用者の鼻の周囲に形成する工程と、
使用者の終末呼気圧を制御するため、使用者の鼻に供給されるガスの流量又は前記マスク内の圧力を調整する工程とを含む、呼吸ガスを使用者に供給する方法。
【請求項34】
請求項1に記載の呼吸ガスを使用者に供給する方法において、
前記呼吸ガスは、31℃乃至37.5℃の温度及び32mg/l乃至44mg/lの湿度で提供される、呼吸ガスを使用者に供給する方法。
【請求項35】
請求項1に記載の呼吸ガスを使用者に供給する方法において、
前記呼吸ガスは実質的に一方向流で提供される、呼吸ガスを使用者に供給する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−515560(P2013−515560A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545891(P2012−545891)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【国際出願番号】PCT/NZ2010/000260
【国際公開番号】WO2011/078703
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(504298349)フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド (41)