説明

インフルエンザターゲット

本発明は、キナーゼ、キナーゼ結合ポリペプチドのモジュレーター又は/及びインフルエンザウィルス感染のためのインヒビターを含有する、インフルエンザの予防又は/及び治療のための医薬組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明は、インフルエンザウィルス複製のインヒビターを含有する医薬組成物に関する。特に、本発明は、キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドのモジュレーターを含有する、インフルエンザの予防又は/及び治療のための医薬組成物に関する。更に、本発明は、キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドのモジュレーターの同定のためのスクリーニング方法に関し、前記モジュレーターは、インフルエンザの予防及び/又は治療のために適している。また、更なる観点は、インフルエンザの予防、緩和又は/及び治療のための、新規の標的の同定のためのスクリーニング方法である。
【0002】
脅威的なインフルエンザパンデミックの観点において、使用可能な持続的に有効な薬剤を開発し、かつ、製造する迅速な必要性が存在する。ドイツ国のみで、インフルエンザの年間の発生は、一年間に5000〜20000の死を引き起こす(供給源、ロベルトコッホインスティチュート(Robert-Koch Institute))。繰り返し発生する大きなインフルエンザパンデミックは特に畏怖される。この最初の大きなパンデミック、いわゆる「スペイン風邪」は、約4千万人の命を、1918〜1919の間に犠牲にし、これは、健康な、中年の人々の高いパーセンテージを含む。類似のパンデミックは、H5N1インフルエンザウィルスによって引き起こされることができ、これは、現在では、主としてトリ中で複製し、獲得した場合には、突然変異により、このウィルスは、ヒトからヒトへと移されることになる。ヒトのパンデミックの可能性は、現在では、トリインフルエンザ(H5N1)の世界的広がり及び家畜動物の感染と共により一層迅速に成長する。高度に病原性なヒトインフルエンザ組換体が生じるのは単に時間の問題である。インフルエンザ感染の予防又は療法のための現在入手可能な方法、例えば、ウィルス表面タンパク質でのワクチン接種又は抗ウィルス薬剤の使用(ノイラミニダーゼ阻害剤又はイオンチャンネルブロッカー)は、様々な欠点を有する。既にこの初期の段階で、我々の最も有効な調製物うちの1つに対して(タミフル)抵抗性が生じているようであり、これは、パンデミックを封じ込むためにはこれを不適当にするようである。インフルエンザに対するワクチン及び薬剤の使用において主となる問題は、この病原性の生存性である。これまでには、効果的なワクチンの開発には、この病原体の変異体の正確な予測を必要とした。ウィルス成分に対して指向した薬剤は、迅速にその有効性を失うことができ、これは、この病原体の突然変異のためである。
【0003】
これまでにほとんど興味を引かれていない研究分野は、宿主細胞中での決定的な標的の構造の同定である。ウィルスは、宿主内で複製できるように特定の細胞タンパク質に依存性である。ウィルス複製にとって重要であり、しかし、ヒトのためには、(少なくとも一時的に)無くても良い、このような細胞性因子の知識は、新規の薬剤の開発を生じることができた。おおよその推測では、ウィルス増殖のために必須である、ヒトゲノム中の約500個の遺伝子を予測している。無論、少なくとも10%は、ことによると、一時的に又は永続的にも、ヒト生物のためには無くもよい。これらの遺伝子及びその産物の阻害は、これは、ウィルス標的とは対照的に、その構造において一定であり、短縮した時間内での抗ウィルス薬剤の新規の発生の開発を可能にするものであろう。このような遺伝子産物の阻害は、抗ウィルス薬剤に対してもはや感受性でないウィルス逃亡突然変異体の開発を乗り越えることができるものである。他の遺伝子ファミリーのなかで、細胞中で重要な調節性タンパク質であるキナーゼは、しばしばウィルスによりハイジャックされ、この宿主細胞の構成要素を操作する。
【0004】
本発明の課題は、インフルエンザウィルス複製に関連している遺伝子のためのスクリーニング方法を提供することである。他の課題は、このような遺伝子のモジュレーターの同定のためのスクリーニング方法である。
【0005】
本発明の文脈において、意外にも、特定の遺伝子の阻害又はキナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドの調節が、インフルエンザウィルスの減少を生じることが見出された。
【0006】
表1a、1b及び4は、インフルエンザウィルス感染の予防、緩和又は/及び治療のための標的を説明する。
【0007】
下方制御によりインフルエンザウィルス複製を増加させる遺伝子の例は、表1a中に説明されている。従って、この遺伝子又は/及び遺伝子産物の発現又は/及び活性を増加させることにより、このインフルエンザウィルス複製が減少されることができる。
【0008】
下方制御によりインフルエンザウィルス複製を減少させる遺伝子の例は、表1b及び4中に説明されている。従って、この遺伝子又は/及び遺伝子産物の発現又は/及び活性を減少させることにより、インフルエンザウィルス複製は減少されることができる。
【0009】
本発明の主題は、従って、インフルエンザウィルス感染、特にインフルエンザウィルス複製に関連した、様々な観点をカバーする、スクリーニング方法である。
【0010】
第1の観点において、このスクリーニング方法は、以下の工程、
(a)キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドを提供する工程、
(b)化合物を(a)のキナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドと接触させる工程、
(c)キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドの活性を決定する工程、
(d)キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドの活性を調節する化合物を選択する工程
を含む、キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドの調節のために適した化合物を同定するためのスクリーニング方法である。
【0011】
本発明のスクリーニング方法は、細胞スクリーニングアッセイ又は/及び分子スクリーニングアッセイを含んでよい。細胞スクリーニングアッセイは、キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドの細胞又は/及び非ヒト生物中での活性又は/及び発現の決定を含む。分子スクリーニングアッセイは、単離されたキナーゼ又は/及び単離されたキナーゼ結合ポリペプチドの活性の決定を含む。
【0012】
本発明のスクリーニング方法におけるスクリーニングアッセイは、インビボ又は/及びインビトロで実施されてよい。
【0013】
本発明のスクリーニング方法において、キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドは、単離された形態で提供されてよい。「単離された」とは、本発明の文脈において、当業者に知られている、任意のタンパク質又はポリペプチド単離工程を指す。「単離された形態」又は「単離されたキナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチド」とは、本質的に、純粋な又は粗製の、キナーゼ又は/及び単離されたキナーゼ結合ポリペプチドの調製物又は処方物を含む。
【0014】
本発明のスクリーニング方法において、キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドを、キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドを発現することができる細胞又は/及び非ヒト生物により提供されてよい。
【0015】
更なる別の観点において、スクリーニング方法は、
(I)インフルエンザウィルスで感染されることができ、かつ、キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドを発現することができる細胞又は/及び非ヒト生物を提供する工程、
(II)インフルエンザウィルスと、及び、前記キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドの発現又は/及び活性を調節することができることが知られている化合物と、(I)の細胞又は/及び生物と接触させる工程、
(III)細胞又は/及び生物により産生されるインフルエンザウィルスの量を決定する工程、及び
(IV)細胞又は/及び生物により産生されるインフルエンザウィルスの量を減少させる化合物を選択する工程を含む、
インフルエンザウィルス感染の予防、緩和又は/及び治療のために適したキナーゼモジュレーターの同定のためのスクリーニング方法である。
【0016】
更なる観点において、スクリーニング方法は、
(A)インフルエンザウィルスで感染されることができ、かつ遺伝子を発現することができる細胞又は/及び非ヒト生物を提供する工程、その際、遺伝子又は/及びその遺伝子産物は、インフルエンザウィルスの複製を調節することができる、
(B)インフルエンザウィルスと、及び、(A)の遺伝子及び/又はその遺伝子産物の発現又は/及び活性を調節することができることが知られている化合物と、(A)の細胞又は/及び生物とを接触させる工程、
(C)細胞又は/及び生物により産生されるインフルエンザウィルスの量を決定する工程、及び
(D)細胞又は/及び生物により産生されるインフルエンザウィルスの量を減少させる化合物を選択する工程を含む、
インフルエンザウィルス感染の予防、緩和又は/及び治療のために適した化合物の同定のためのスクリーニング方法である。
【0017】
(A)の遺伝子は、有利には、表1A、1B及び4から選択され、より有利な実施態様において、表1A、1B又は4の1つから選択される。(A)及び(B)における「調節」は、「活性化」又は「阻害」、特に「阻害」であってよい。
【0018】
更なる観点において、スクリーニング方法は、
(i)キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドを発現することができる細胞又は/及び非ヒト生物を提供する工程、
(ii)化合物と(i)の細胞又は/及び生物と接触させる工程、
(ii)キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドの量又は/及び活性を決定する工程、及び
(iv)キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドの量又は/及び活性を調節する化合物を選択する工程を含む、
インフルエンザウィルス感染の予防、緩和又は/及び治療のために適した化合物の同定のためのスクリーニング方法である。
【0019】
更なる観点において、スクリーニング方法は、
i.遺伝子を発現することができる細胞又は/及び非ヒト生物を提供する工程、その際、遺伝子又は/及びその遺伝子産物は、インフルエンザウィルスの複製を調節することができる、
ii.化合物と、i.の細胞又は/及び生物とを接触させる工程、
iii.(i)の遺伝子の遺伝子産物の量又は/及び活性を決定する工程、及び
iv.i.の遺伝子産物の量又は/及び活性を調節する化合物を選択する工程を含む、
インフルエンザウィルス感染の予防、緩和又は/及び治療のために適した化合物の同定のためのスクリーニング方法である。
【0020】
(i)の遺伝子は、有利には、表1A、1B及び4から選択され、より有利な実施態様において、表1A、1B又は4の1つから選択される。i.及びii.における「調節」は、「活性化」又は「阻害」、特に「阻害」であってよい。
【0021】
本発明のまた更なる観点において、スクリーニング方法は、
(1)遺伝子を発現、有利には過剰発現又は過少発現することができる細胞又は/及びトランスジェニック非ヒト生物を提供する工程、
(2)インフルエンザウィルスと、(1)の細胞及び/又は生物とを接触させる工程、
(3)前記遺伝子の発現及び/又は活性を調節し、かつ、細胞又は/及び生物により産生されたインフルエンザウィルスの量を決定する工程、及び
(4)発現又は/及び活性が、細胞又は/及び生物により生産されるインフルエンザウィルスの量の減少と正の又は負の相関を示す遺伝子を選択する工程を含む、
インフルエンザウィルス感染の予防、緩和又は/及び予防のために標的として適した遺伝子の同定のためのスクリーニング方法である。
【0022】
本発明のスクリーニング方法において使用される少なくとも1種のキナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドは、有利には、表1A及び表1Bから選択される核酸又は/及び遺伝子によりコードされている。表1a、1b、2又は/及び4の少なくとも1つの配列を含有する核酸及びその断片は、本発明のスクリーニング方法において使用されてよい。
【0023】
本発明の文脈において、「標的」は、遺伝子又は/及びゲノムにあるヌクレオチド配列、核酸、又は/及びポリペプチドを含み、これは、宿主細胞中でのインフルエンザウィルス複製の調節に関連している。この標的は、直接的に又は非直接的に、インフルエンザウィルスの複製の調節に関連していてよい。特に、標的は、標的の活性化又は標的の阻害により、インフルエンザウィルス複製の減少に、適している。
【0024】
標的の例は、遺伝子及び遺伝子の部分配列であり、例えば、調節性配列である。「標的」との用語はまた、遺伝子産物、例えばRNA、特にmRNA、tRNA、rRNA、ポリペプチド又は/及びタンパク質であり、この標的遺伝子によりコードされたものを含む。標的遺伝子の有利な遺伝子産物は、mRNA、ポリペプチド及びタンパク質であって、標的遺伝子によりコードされたものから選択される。最も有利な遺伝子産物は、ポリペプチド又はタンパク質であって標的遺伝子によりコードされたものである。標的タンパク質又は標的ポリペプチドは、後翻訳により修飾されるか又は修飾されなくてよい。
【0025】
遺伝子の「遺伝子産物」は、本明細書中で使用される場合に、RNA(特に、mRNA、tRNA、rRNA)、ポリペプチド又は/及びタンパク質であって、前記遺伝子によりコードされたものを含む。
【0026】
本発明の文脈において、遺伝子又は/及び遺伝子産物の「活性」は、転写、翻訳、後翻訳による修飾、遺伝子又は/及び遺伝子産物の活性の調節を含む。活性は、リガンド結合により調節されてよく、このリガンドはアクチベーター又はインヒビターであってよい。
【0027】
本発明の更なる主題は、インフルエンザウィルス複製の少なくとも1種のインヒビターを、場合により、医薬的に許容可能な担体、助剤、希釈剤又は/及び添加剤と一緒に含有する、インフルエンザウィルス感染の予防、緩和又は/及び治療のための医薬組成物である。
【0028】
また更なる本発明の主題は、キナーゼの少なくとも1種のモジュレーター又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドの少なくとも1種のモジュレーターを、場合により、医薬的に許容可能な担体、助剤、希釈剤又は/及び添加剤と一緒に含む、インフルエンザウィルス感染の予防、緩和又は/及び治療のための医薬組成物である。
【0029】
インフルエンザウィルス感染は、インフルエンザウィルスA感染であってよい。インフルエンザAウィルスは、これまでのところトリ及び哺乳類生物から単離されたインフルエンザAウィルスから選択されてよい。特に、インフルエンザAウィルスは、H1N1、H1N2、H1N3、H1N4、H1N5、H1N6、H1N7、H1N9、H2N1、H2N2、H2N3、H2N4、H2N5、H2N7、H2N8、H2N9、H3N1、H3N2、H3N3、H3N4、H3N5、H3N6、H3N8、H4N1、H4N2、H4N3、H4N4、H4N5、H4N6、H4N8、H4N9、H5N1、H5N2、H5N3、H5N6、H5N7、H5N8、H5N9、H6N1、H6N2、H6N3、H6N4、H6N5、H6N6、H6N7、H6N8、H6N9、H7N1、H7N2、H7N3、H7N4、H7N5、H7N7、H7N8、H7N9、H9N1、H9N2、H9N3、H9N5、H9N6、H9N7、H9N8、H10N1、H10N3、H10N4、H10N6、H10N7、H10N8、H10N9、H11N2、H11N3、H11N6、H11N9、H12N1、H12N4、H12N5、H12N9、H13N2、H13N6、H13N8、H13N9、H14N5、H15N2、H15N8、H15N9及びH16N3から選択されてよい。より特に、インフルエンザAウィルスは、プエルトリコ/8/34株又はトリインフルエンザウィルス単離体H5N1である。本明細書中で説明したとおりインフルエンザウィルスは、本発明のスクリーニング方法において使用されてよい。
【0030】
本発明の医薬組成物中で使用されるインフルエンザウィルス複製の阻害剤又は/及びモジュレーターは、有利には、核酸、核酸アナログ、例えばリボザイム、ペプチド、ポリペプチド及び抗体からなる群から選択される。本明細書中で説明したとおりインフルエンザウィルスは、本発明のスクリーニング方法において使用されてよい。
【0031】
インフルエンザウィルス複製のインヒビター又は/及びモジュレーターはまた、1000ダルトンよりも少ない分子量を有する化合物であってもよい。
【0032】
本発明の医薬組成物は、インフルエンザウィルス複製の少なくとも1種のインヒビターを含有してよく、その際、この少なくとも1種のインフルエンザウィルス複製のインヒビターは、表1A、表1B、及び表4、から選択される遺伝子又は/及びその遺伝子産物の発現を調節する。特に、インフルエンザウィルス複製の少なくとも1種のインヒビターは、表1B及び表4から選択される遺伝子又は/及びその遺伝子産物の発現を阻害し、又は、この少なくとも1種のインフルエンザウィルス複製のインヒビターは、表1Aから選択された遺伝子又は/及びその遺伝子産物の発現を活性化する。
【0033】
本発明の医薬組成物は、キナーゼのモジュレーター又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドのモジュレーターを含んでよく、その際、この少なくとも1種のキナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドは、表1A及び表1Bから選択される核酸又は/及び遺伝子によりコードされる。このようなキナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドは、従って、このモジュレーターの標的であってよい。
【0034】
本発明の医薬組成物は、アクチベーターである少なくとも1種のモジュレーターを含んでよい。本発明の医薬組成物は、少なくとも1種のアクチベーターを含有してよく、
少なくとも1種のアクチベーターは、
(a)表1Aから選択されたヌクレオチド配列又はその断片、又は/及び
(b)少なくとも70%、有利には少なくとも80%、より有利には少なくとも90%(a)の配列に同一である断片を含有し、又は/及び少なくとも1種のアクチベーターが、配列(a)又は/及び(b)を含む遺伝子の発現又は/及び遺伝子産物の活性を活性化することができる。
【0035】
本発明の医薬組成物は、インヒビターである少なくとも1種のモジュレーターを含んでよい。適したインヒビターは、RNA干渉可能であるRNA分子である。 本発明の医薬組成物は、少なくとも1のインヒビターを含んでよく、
少なくとも1のインヒビターが、
(a)表1B及び4から選択されたヌクレオチド配列又は/及びその断片、又は
(b)少なくとも70%、有利には少なくとも80%、より有利には少なくとも90%(a)の配列に同一な配列を含有し、
又は/及び、少なくとも1種のインヒビターが、配列(a)又は/及び(b)を含む遺伝子の発現又は/及び遺伝子産物の活性を阻害することができる。
【0036】
本明細書中で説明したとおりアクチベーター又は/及インヒビターは、本発明のスクリーニング方法において使用されてもよい。
【0037】
本発明の医薬組成物は、有利には、核酸を含み、その際、この核酸は、表2及び表4の配列から選択されたヌクレオチド配列及びその断片を含む。有利には、核酸はRNA又はDNAである。
【0038】
より有利な実施態様において、本発明の医薬組成物は、
(i)RNA干渉可能なRNA分子
(ii)RNA分子(i)の前駆体又は/及び
(iii)RNA分子(i)又は/及び前駆体(ii)をコードするDNA分子
を含む。
【0039】
RNA干渉可能なRNA分子は、WO 02/44321中に説明され、これは、参照により本願明細書中に組み込まれる。
【0040】
本発明のRNA分子は、二重鎖RNA分子であってよく、有利には、二重鎖siRNA分子であって、一末端にのみ又は両末端に一重鎖のオーバーハングを有するか又は有しない。RNA分子は、少なくとも1つのヌクレオチドアナログ又は/及びデオキシリボヌクレオチドを含有してよい。
【0041】
本発明において使用されるDNA分子は、ベクターであってよい。
【0042】
本発明において使用される核酸は、アンチセンス核酸又はアンチセンス核酸をコードするDNAであってよい。
【0043】
本発明において使用される核酸又は/及び核酸断片は、少なくとも15、有利には少なくとも17、より有利には少なくとも19、最も有利には少なくとも21ヌクレオチドの長さを有してよい。この核酸又は/及び核酸断片は、最大で29、有利には最大で27、より有利には最大で25、特により有利には最大で23、最も有利には最大で21ヌクレオチドの長さを有してよい。
【0044】
別の有利な一実施態様において、本発明の医薬組成物は、抗体を含有し、その際、この抗体は、キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドに対して指向されていてよい。
【0045】
有利には、抗体が、
(a)表1A及び表1Bから選択される核酸又は/及び遺伝子によりコードされるアミノ酸配列、又は/及び
(b)少なくとも70%、有利には少なくとも80%、より有利には少なくとも90%(a)の配列と同一であるアミノ酸配列
を含むキナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドに対して指向している。
【0046】
別の有利な一実施態様において、抗体は、
(a)表4Aから選択される核酸又は/及び遺伝子によりコードされるアミノ酸配列、又は/及び
(b)少なくとも70%、有利には少なくとも80%、より有利には少なくとも90%(a)の配列と同一であるアミノ酸配列
を含むポリペプチドに対して有利に指向している。
【0047】
本発明の抗体は、モノクローナル又はポリクローナル抗体、キメラ抗体、キメラ一重鎖抗体、Fab断片又はFab発現ライブラリーにより産生された断片を含んでよい。
【0048】
本発明の抗体の調製技術は、当業者に知られている。モノクローナル抗体は、ヒトのB細胞ハイブリドーマ技術又はEBVハイブリドーマ技術により調製されて良い(Koehler et al., 1975, Nature 256:495-497, Kozbor et al., 1985, J. Immunol. Methods 81 ,31-42, Cote et al., PNAS, 80:2026-2030, Cole et al., 1984, MoI. Cell Biol. 62:109-120)。キメラ抗体(マウス/ヒト)は、Morrison et al. (1984, PNAS, 81 :6851-6855),Neuberger et al. (1984, 312:604-608)及びTakeda et al. (1985, Nature 314:452-454)の方法を実施することにより調製されてよい。
【0049】
一重鎖抗体は、当業者に知られた技術により調製されてよい。
【0050】
組み換え免疫グロブリンライブラリー(Orlandi et al, 1989, PNAS 86:38333837, Winter et al., 1991 , Nature 349:293-299)は、本発明の抗体を得るためにスクリーニングされてよい。ランダムコンビナトリ免疫グロブリンライブラリー(Burton, 1991 , PNAS1 88:11120-11123)は、異なるイデオタイプ組成を有する関連した特異性を有する抗体を産生するために使用されてよい。
【0051】
抗体産生のための別の戦略は、リンパ球集団のインビボ刺激である。
【0052】
更に、本発明の抗体断片(F(ab′)2断片を含有する)は、例えばペプシンによる抗体のプロテアーゼ分解により調製されることができる。このようなF(ab′)2のジスルフィド結合の減少化は、Fab断片を生じる。別のアプローチにおいて、このFab断片は、直接的に、Fab発現ライブラリーから得られてよい(Huse et al., 1989, Science 254:1275-1281)。
【0053】
本発明のポリクローナル抗体は、表1A及び表1Bから選択された核酸又は/及び遺伝子によりコードされたアミノ酸又はその免疫原性断片を使用して抗原として宿主、例えばウマ、ヤギ、ウサギ、ヒト、その他の標準的な免疫化プロトコルによりこ調製されてよく、この標準的な免疫化プロトコルは、当業者に公知である。
【0054】
この抗体は、標的遺伝子の遺伝子産物に特異的な抗体であってよく、特に、標的遺伝子によりコードされるポリペプチド又はタンパク質にとって特異的な抗体であってよい。
【0055】
本明細書中で説明したとおり抗体は、本発明のスクリーニング方法において使用されてよい。
【0056】
本発明において使用されるポリペプチド又は/及びペプチドの断片は、特に、表1A、表1B及び表4から選択される核酸又は/及び遺伝子によりコードされるアミノ酸の断片は、少なくとも5アミノ酸残基、有利には少なくとも10、より有利には少なくとも20アミノ酸残基の長さを有してよい。前記断片の長さは、最大で200アミノ酸残基、有利には最大で100アミノ酸残基、より有利には最大で60アミノ酸残基、最も有利には最大で40アミノ酸残基であってよい。
【0057】
本発明のスクリーニング方法において、遺伝子の発現の調節は、下方調節又は上方調節であってよく、特に、転写又は/及び翻訳の調節である。
【0058】
当業者は、遺伝子が上方調節されているか又は下方調節されているかを容易に決定できる。本発明の文脈において、遺伝子発現の上方調節は、少なくとも2、有利には少なくとも4倍の上方調節であってよい。本発明の文脈において、下方調節は、少なくとも2倍、有利には4倍の遺伝子発現の減少であってよい。最も有利には、例えばRNA干渉による本質的に完全な遺伝子発現の阻害である。
【0059】
「量の減少(増加)」は、少なくとも2倍、有利には少なくとも4倍の遺伝子発現の下方調節(上方調節)であってよい。減少の場合には、例えばRNA干渉による、遺伝子発現の本質的に完全な阻害が最も有利である。
【0060】
遺伝子の活性の調節は、活性の減少又は増加であってよい。
【0061】
「活性の減少(増加)」は、遺伝子又は遺伝子産物の少なくとも2倍、有利には少なくとも4倍の活性の減少(増加)であってよい。活性の減少の場合には、活性の本質的に完全な阻害が最も有利である。
【0062】
調節は、1つの核酸種により又は2、3、4、5、6又はそれ以上の異なる核酸種を含む核酸の組み合わせにより実施されてよく、これは、表1a、1b又は/及び2及びその断片から選択されてよい。有利な組み合わせは、表3(「プール」とも本明細書中では呼ばれる)中に説明されている。表3は、少なくとも2つのキナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチド遺伝子の組み合わせを含む。組み合わせが、1つの遺伝子、例えば表1a及び1bから選択された1つの遺伝子を調節することも有利である。2つの核酸種の組み合わせが有利である。より有利には、表2の2つの核酸種の組み合わせである。最も有利には、表2の2つの核酸種の組み合わせであり、これは1つの遺伝子を調節する。
【0063】
調節は、RNA干渉によるノックダウンにより実施されてよい。核酸又は核酸種の組み合わせは、siRNAであってよく、これは、表2及び表4の配列から選択された配列及びその断片を含む。組み合わせが、1つの遺伝子、例えば表1b及び表4から選択された1つの遺伝子をノックダウンすることも有利である。2つのsiRNA種の組み合わせが有利であり、これは、表2の配列から選択されてよく、これは、表1bの遺伝子及び表4の配列に由来し、であり、その際この組み合わせは、有利には、1つの遺伝子をノックダウンする。
【0064】
本発明の様々な実施態様において使用される遺伝子は、表1A、1B、2又は4のいづれかから選択されるか又はこの任意の組み合わせであってよい。発現されたか又は上方調節される場合に、インフルエンザウィルス複製を調節することができる遺伝子は、表1A及び表1Bから、表1A、1B及び4から、表1A、1B、2及び4から選択されてよい。発現されたか又は上方発現された場合に、インフルエンザウィルス複製を阻害できる遺伝子は、表1Bから、表1B及び4から、又は、表1B、2及び4から選択されてよい。発現されたか又は上方発現された場合に、インフルエンザウィルス複製を活性化できる遺伝子は、表1Aから、又は表1A及び2から選択されてよい。
【0065】
本発明の任意のスクリーニング方法において使用される細胞は、インフルエンザウィルスで感染されることができる任意の細胞であってよい。有利には、この細胞は、哺乳類細胞又はトリ細胞である、より有利には、細胞はヒト細胞である。更に一層有利には、上皮細胞である。最も有利には肺の上皮細胞である。この細胞は、細胞系列であってよい。適した肺の上皮細胞系列は、A594細胞である。別の適した細胞は、ヒトの胚性腎細胞系列293Tである。
【0066】
標的遺伝子又は/及びその遺伝子産物のモジュレーターは、本明細書中で説明したとおり、インフルエンザウィルス感染の予防、緩和又は/及び予防のための医薬組成物の製造のために使用されてよい。
【0067】
本発明の別の主題は、インフルエンザウィルス感染の予防、緩和又は/及び予防のための、本願明細書中で説明したとおりの、インフルエンザウィルス複製のインヒビターの使用である。有利であるのは、表1b及び4から選択される遺伝子の発現を阻害できるインヒビターの、インフルエンザウィルス感染の予防、緩和又は/及び予防のための医薬品の製造のための使用である。また有利であるのは、表1b及び4から選択される遺伝子の遺伝子産物を阻害できるインヒビターの、インフルエンザウィルス感染の予防、緩和又は/及び予防のための医薬品の製造のための使用である。
【0068】
また更なる本発明の主題は、キナーゼモジュレーター又は/及びキナーゼ結合タンパク質モジュレーターの、インフルエンザウィルス感染の予防、緩和又は/及び予防のための医薬品の製造のための使用である。
【0069】
また更なる本発明の観点は、表1a、1b、2又は/及び4の遺伝子配列又は/及びヌクレオチド配列を含む核酸及びその断片の、インフルエンザウィルス感染の予防、緩和又は/及び治療のために適した化合物又は/及び標的のためのスクリーニング方法における使用である。
本発明は、更に、以下の図、表及び実施例により説明される。
【0070】
図及び表の説明:
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図1:実施例のsiRNAキナーゼスクリーンの実験的な設定。
【図2】図2:ルミネセンスデーターに関する、トランスフェクションした(対照)siRNAの効果。この図面は、1つの96ウェルプレートからの典型的なスクリーニング結果を示す。全ての実験の間に、幾つかの対照を3つのトリプリケートに含め、未感染のように、ルシフェラーゼに対するsiRNAでトランスフェクションし、mock処理しかつ、インフルエンザAウィルスからのウィルス殻タンパク質遺伝子(NP)に対してsiRNAsでトランスフェクションした。ルシフェラーゼsiRNAs及び抗NPsiRNAsで処理した細胞の間でのルミネッセンスの差異を、定義により100%阻害に設定した。
【図3】図3:実施例において試験した全てのsiRNAsについて示したインフルエンザウィルス複製の阻害。
【図4】図4:全ての分析したsiRNAsからの「%阻害」の値をzスコアを計算するために使用した。高度に有効なsiRNAsをピンクに標識化し、ルシフェラーゼsiRNAトランスフェクションした対照細胞に比較して50%よりも多い阻害を示す。
【図5】図5:ゲノム全域siRNAスクリーンの実験的な設定(実施例4参照)。 表1:siRNAキナーゼスクリーンの結果:a:%におけるウィルス複製の活性化("負"の阻害)、細胞数に対して標準化、そして、この標準偏差を、4つの独立した実験を用いて計算、b:%におけるウィルス複製の阻害、細胞数に対して標準化、そして、標準偏差を、4つの独立した実験を用いて計算した。プールX、その際、Xは、プールの数を指し、表3中で説明された組み合わせを指す。 表2:実施例1のsiRNAキナーゼスクリーンにおいて使用されたオリゴヌクレオチド配列。特定の遺伝子のノックダウンを、(a)前記遺伝子に特異的な2つのオリゴヌクレオチド配列("標的1"及び"標的2")の組み合わせにより、又は、(b)異なる遺伝子に対して特異的なプールされたオリゴヌクレオチドにより("プールX"、その際、Xは、表3中に説明されたプールの数を示す)、実施した。 表3:実施例のsiRNAキナーゼスクリーンにおいて使用したオリゴヌクレオチドプール。 表4:実施例4のsiRNAsスクリーンにおいて使用したオリゴヌクレオチド配列。遺伝子に対して特異的な4つまでのオリゴヌクレオチド配列("標的配列1"、"標的配列2"、"標的配列3"、"標的配列4")を使用した(それぞれ別個の試験において)。
【0072】
実施例1
キナーゼは、ウィルス子孫に影響を及ぼすことができる最も有望な候補の1つであるので、我々は、この遺伝子の群に対するsiRNASを使用して、インフルエンザウィルスの修飾した複製の観点において、それぞれのキナーゼ又はキナーゼ結合ポリペプチドの個々の役割を同定した。全てのsiRNAsを4つの独立した実験において試験した。キナーゼに対するsiRNAは、細胞の複製又は細胞毒性さえも影響することができるので、それぞれの個々のsiRNAsトランスフェクションの影響を細胞数に関して、自動顕微鏡を用いて分析した。複製可能なインフルエンザウィルスの量をインフルエンザウィルスリポータープラスミドを用いて定量化し、これは、RNAポリメラーゼIプロモーター/ターミネーターカセットを用いて、インフルエンザA/WSM/33核タンパク質(NP)部分の翻訳されない領域により隣接される、ホタルルシフェラーゼをコードするRNA転写物を発現すべく構築されたものである。ヒト胚性腎細胞(293T)を、この指示薬プラスミドでインフルエンザ感染の1日前にトランスフェクションした。この細胞を選択したのは、これらが、インフルエンザAウィルス感染後にルシフェラーゼ発現の非常に強力な増幅を示すからである。細胞を基礎とするアッセイは、以下の工程(図1も、このsiRNAキナーゼスクリーンの実験的な構成を説明する)を含んだ:
1日目:A549細胞(肺の上皮細胞)の96ウェルプレート中への播種。
2日目:キナーゼ又はキナーゼ結合タンパク質に対して指向したsiRNAsでのトランスフェクション。
3日目:インフルエンザA/WSN/33での感染+293T細胞のインフルエンザウィルス指示薬プラスミドでのトランスフェクション。
4日目:293T細胞のA549細胞の上清での感染+自動的顕微鏡による細胞数の決定。
5日目:指示薬細胞の溶解及びウィルス複製を定量化するためのルシフェラーゼアッセイの実施。
【0073】
インフルエンザ関連キナーゼの同定のために、このルミネッセンス値を、細胞数に対して標準化した(siRNA感染及びウィルス感染後に測定)。これにより、より低い(又はより高い)細胞数のための非特異的な作用が最小限にされる。
【0074】
複数のコントロールを含め、この全体のスクリーニング手順の間の正確なアッセイを実施できる(図2)。このウィルス核タンパク質に対するコントロールsiRNAは、非感染細胞のレベルにこの複製を減少させることができた。
【0075】
この阻害のパーセンテージでの説明は、いくつかのsiRNAが、このインフルエンザウィルス複製を促進でき、その一方で、この他のものは、この複製を、インフルエンザNP遺伝子に対する、抗ウィルス性のコントロールsiRNAに比較して、より強力に阻害することができる(図3)。これにより、47siRNAは、この複製を50%よりも多く減少させ、9siRNAは、80%よりも多い阻害を示した。この結果の列記は、表1a及び1b中に提供されていて、これは、ウィルス複製の%における、活性(表1a、「ネガティブな」阻害)及び阻害(表1b)を示し、これは細胞数に対して標準化されていて、かつ、この標準偏差は、4つの独立した実験を用いて計算されている。
【0076】
同様の結果は、z−スコアの計算を用いて得られた。このzスコアは、この生スコアと母集団平均の間での、標準偏差単位における、距離を示す。zスコアを、以下の式を用いて計算した:
【数1】

[式中、Xは、標準化されるべき生スコアであり、σは集団の標準偏差であり、かつ、μは集団の平均である]
実施例2
将来の実験において、抗ウィルス性作用が、より詳細に、個々のsiRNaをプールされた(pooled)siRNAの代わりに使用することにより、評価されるであろう。更に、新規のsiRNA(同定された遺伝子につき、少なくとも2つの更なるsiRNA)が、この実施例1の実験的構成を用いて試験されるだろう。これらの確認された遺伝子は、インフルエンザウィルスの複製のために重要であるように見え、経鼻により投与されるsiRNAを用いてマウス中でノックダウンされるだろう。この抗ウィルス療法の評価については、この化合物の肺上皮組織に対する輸送効率を決定することが最も重要である。療法の成功は、高い効率のキナーゼ阻害剤及び適当な輸送系の組み合わせに依存する。可能性のある相容性のかつコスト的に効率的な剤は、キトサンであり、これは、インビボ研究において成功してsiRNAsの輸送のために適用している。この化合物を経鼻的に適用するか、又は、この化合物を、直接的に肺中に投与するだろう。
【0077】
効率的なsiRNAは、減少したウィルス力価を肺組織中で生じるべきであり、かつ、このために、動物は、生じうる致命的なインフルエンザウィルス感染に対して保護されるべきである。
【0078】
このキナーゼ阻害剤の生物学的な作用の試験のために、我々は、この実験を4つの部分に分けるだろう。
1.化合物/キトサンナノ粒子の経鼻適用後の、呼吸器官中でのキナーゼ阻害剤分布の分析。
この化合物/キトサン濃度の、最良の有効性のための最適化。更に、試験は、成功の場合にのみ実施されるだろう。
2.LD50試験において、単離体インフルエンザウィルスA/プエルトリコ/S/34及びトリインフルエンザウィルス単離体(試験4のため)の絶対的な病原性が確立されるだろう。
3.インフルエンザAウィルス/プエルトリコ/8/34での経鼻適用及び感染後の選択されたsiRNAの抗ウィルス性作用の、肺組織中でのウィルス力価又は生存率の分析による試験(特定の場合において)。
4.高度に病原性のトリインフルエンザウィルス単離体(例えばH5N1)での経鼻適用及び感染後の選択されたsiRNAの抗ウィルス性作用の、肺組織中でのウィルス力価又は生存率の分析による試験(特定の場合において)。
【0079】
この使用されたウィルス単離体は、現在の発展及びトリインフルエンザの拡大に依存している。我々は、インビボにおける現在の一般的な株の複製を効率的に阻害することを目的とする。
【0080】
確認された遺伝子に対するキナーゼ阻害剤はまた、損なわれたウィルス複製に関してマウス中でも試験されるだろう。
【0081】
マックスプランク感染生物学研究所(Max-Planck-lnstitut fuer Infektionsbiologie)(ベルリン、ドイツ国)は、ゲノム全域RNAiライブラリーを有し、原則的に、全ての個々のヒトの遺伝子のシャッフリングオフ(shutting-off)を適した細胞培養体(A549遺伝子)中で可能にする。従って、次の段階においては、このスクリーンは、ゲノム全域スケールに拡大されるものであり、というのも、ウィルスの吸着、複製及び出芽に関連する多くの更なる細胞内因子が、まだなお未知であるからである。
【0082】
実施例3
更なるsiRNAs(キナーゼ又はキナーゼ結合タンパク質に対するsiRNAsのみでなく)も、インフルエンザAウィルスの複製の減少に関して評価されるだろう。これらのsiRNAsの評価のためには、細胞数が、市販の細胞生存アッセイ(自動化した顕微鏡を使用する代わりに)を用いることにより、非直接的に定量化されている点、及び、これらのsiRNAsが、逆トランスフェクションされる、即ち、細胞が、384ウェルプレート中に既に、調製されたsiRNAトランスフェクションミックスに添加されるだろう点を除き、実施例1に説明されたものと同じである実験的構成が使用されるだろう。
【0083】
実施例4
ヒトゲノムのうち、数百の遺伝子は、インフルエンザウィルスの複製に関連していると予想される。従って、キナーゼ及びキナーゼ結合因子(実施例1に説明されるとおり)のスクリーニング手順は、ゲノム全域スケールへと拡大され、これは、全ての既知のヒトの遺伝子を、約59888個のsiRNAsを使用することにより、分析する。
【0084】
この実験的構成は、実施例1にて説明されたものと同様に実施されたが、次の点で異なる:
・スクリーンは、59886個のsiRNAsを用いてゲノム全域レベルに拡大された。
・細胞は384ウェルプレート中に播種された。
・極めて多数のトランスフェクションされた細胞のために、全ての細胞数が自動化顕微鏡により分析されることはできなかった。
・siRNAsは、新規に播種されたA549細胞中に、トランスフェクション剤HiperFect (Qiagen, Hilden, ドイツ国)を用いて逆トランスフェクションされた。
・特定の遺伝子のノックダウンを、独立して、特定の遺伝子に対して特異的な、4個までのsiRNA("標的配列1"、"標的配列2"、"標的配列3"、及び"標的配列4"、表4中)により、実施した。
・更なるコントロールを含めた:ネガティブコントロールとして、"AllStars Negative Control siRNA"(Qiagen, Hilden, ドイツ国, 注文番号1027280)。
PKMYTに対して指向したsiRNAs(GenelD: 9088, GenBank アクセッション番号: NM_182687, 標的配列:CTGGGAGGAACTTACCGTCTA)をポジティブコントロールとして(インフルエンザ複製に対する細胞因子として)、PLKに対して指向したsiRNAs(GenelD: 5347, GenBank アクセッション番号: BC014135, 標的配列:CCGGATCAAGAAGAATGAATA)をトランスフェクションコントロールとして(トランスフェクション後の細胞毒性)。
・選択したウェル中でのトランスフェクションしたA549細胞の感染割合を、自動化顕微鏡により、阻害性の作用をこの感染プロセスの間の早期の又は後期の事象に区別できるよう測定した。
・結果を、統計学的なRパッケージ"cellHTS"ソフトウェアにより分析し、これは、Michael Butros, Ligia Bras及びWolfgang Huberにより開発され、そして、Bスコア通常化した方法を用いた("Allstars Negative Control siRNA"トランスフェクションしたコントロールウェルに基づき)。・読み取りは、ウィルス複製の阻害である。
【0085】
強力な抗ウィルス活性(zスコア<−2.0)を示すsiRNAs及び相応する遺伝子を表4中に列記する。
【0086】
細胞を基礎とするアッセイは、以下の工程(図5も参照のこと、これはゲノム全域siRNAスクリーンの実験的な構成を説明する)を含んだ:
1日目:A549細胞(肺上皮細胞)の播種+siRNAsの逆トランスフェクション、
3日目:インフルエンザA/WSN/33での感染+293T細胞zqの指示薬プラスミドでのトランスフェクション、
4日目:A549細胞の上清での293T細胞の感染+ホルムアルデヒドでのA549細胞の固定、
5日目:293T細胞中でのウィルス複製の定量のためのルシフェラーゼアッセイ、
x日目:自動化顕微鏡による感染割合の決定。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キナーゼの少なくとも1種のモジュレーター又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドの少なくとも1種のモジュレーターを、場合により、医薬的に許容可能な担体、助剤、希釈剤又は/及び添加剤と一緒に含む、インフルエンザウィルス感染の予防、緩和又は/及び治療のための医薬組成物。
【請求項2】
インフルエンザウィルス感染が、インフルエンザAウィルス感染、より有利には、プエルトリコ/8/34株又はトリインフルエンザウィルス単離体、例えばH5N1での感染である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
少なくとも1種のモジュレーターが、核酸、核酸アナログ、例えばリボザイム、ペプチド、ポリペプチド、及び抗体からなる群から選択される、請求項1又は2記載の医薬組成物。
【請求項4】
少なくとも1種のキナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドが、表1A及び表1Bから選択された核酸又は/及び遺伝子によりコードされている、請求項1から3までのいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項5】
少なくとも1種のモジュレーターがアクチベーターである、請求項1から4までのいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項6】
少なくとも1種のアクチベーターが、
(a)表1Aから選択されたヌクレオチド配列又はその断片、又は/及び
(b)少なくとも70%、有利には少なくとも80%、より有利には少なくとも90%(a)の配列に同一である断片を含有し、
又は/及び少なくとも1種のアクチベーターが、配列(a)又は/及び(b)を含む遺伝子の発現又は/及び遺伝子産物の活性を活性化することができる、請求項5記載の医薬組成物。
【請求項7】
少なくとも1種のモジュレーターがインヒビターである、請求項1から4までのいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項8】
少なくとも1種のインヒビターが、
(a)表1Bから選択されたヌクレオチド配列又は/及びその断片、又は
(b)少なくとも70%、有利には少なくとも80%、より有利には少なくとも90%(a)の配列に同一である配列を含有し、
又は/及び少なくとも1種のインヒビターが、配列(a)又は/及び(b)を含む遺伝子の発現又は/及び遺伝子産物の活性を阻害することができる、請求項7記載の医薬組成物。
【請求項9】
核酸が、表2の配列から選択されたヌクレオチド配列及びその断片を含む、請求項3から8までのいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項10】
インフルエンザウィルス複製の少なくとも1種のインヒビターを、場合により、医薬的に許容可能な担体、助剤、希釈剤又は/及び添加剤と一緒に含有する、インフルエンザウィルス感染の予防、緩和又は/及び治療のための医薬組成物。
【請求項11】
少なくとも1のインヒビターが、
(a)表1B及び4から選択されたヌクレオチド配列又は/及びその断片、又は
(b)少なくとも70%、有利には少なくとも80%、より有利には少なくとも90%(a)の配列に同一な配列を含有し、
又は/及び、少なくとも1種のインヒビターが、配列(a)又は/及び(b)を含む遺伝子の発現又は/及び遺伝子産物の活性を阻害することができる、請求項10記載の医薬組成物。
【請求項12】
核酸が、表4の配列から選択されたヌクレオチド配列及びその断片を含む、請求項10又は11記載の医薬組成物。
【請求項13】
核酸がRNA又はDNAである、請求項3から12までのいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項14】
核酸が、
(i)RNA干渉可能なRNA分子、
(ii)RNA分子(i)の前駆体、又は/及び
(iii)RNA分子(i)又は/及び前駆体(ii)をコードするDNA分子
である、請求項7から13までのいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項15】
RNA分子が、一末端のみに又は両末端に、一重鎖のオーバーハングを有するか又は有しない二重鎖RNA分子、有利には二重鎖siRNA分子である、請求項7から14までのいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項16】
RNA分子が、少なくとも1つのヌクレオチドアナログ又は/及びデオキシリボヌクレオチドを含有する、請求項13から15までのいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項17】
核酸が、アンチセンス核酸又はアンチセンス核酸をコードするDNAである、請求項3から13までのいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項18】
核酸が、少なくとも15、有利には少なくとも17、より有利には少なくとも19、最も有利には少なくとも21ヌクレオチドの長さを有する、請求項3から17までのいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項19】
核酸が、最大で29、有利には最大で27、より有利には最大で25、特により有利には最大で23、最も有利には最大で21ヌクレオチドの長さを有する、請求項3から17までのいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項20】
抗体が、キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドに対して指向している、請求項3又は4記載の医薬組成物。
【請求項21】
抗体が、
(a)表1A及び表1Bから選択される核酸又は/及び遺伝子によりコードされるアミノ酸配列、又は/及び
(b)少なくとも70%、有利には少なくとも80%、より有利には少なくとも90%(a)の配列と同一であるアミノ酸配列
を含むキナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドに対して指向している、請求項20記載の医薬組成物。
【請求項22】
抗体を含み、前記抗体が有利には、
(a)表4Aから選択される核酸又は/及び遺伝子によりコードされるアミノ酸配列、又は/及び
(b)少なくとも70%、有利には少なくとも80%、より有利には少なくとも90%(a)の配列と同一であるアミノ酸配列
を含むポリペプチドに対して指向している、請求項10記載の医薬組成物。
【請求項23】
キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドの少なくとも1種のモジュレーターの細胞中への、特に肺上皮細胞中への輸送に適している剤を更に含む、請求項1から22までのいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項24】
更なる剤がキトサンであり、これが有利にはナノ粒子中に処方されている、請求項23記載の医薬組成物。
【請求項25】
以下の工程、
(a)キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドを提供する工程、
(b)化合物を(a)のキナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドと接触させる工程、
(c)キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドの活性を決定する工程、
(d)キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドの活性を調節する化合物を選択する工程
を含む、キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドの調節のために適した化合物を同定するためのスクリーニング方法。
【請求項26】
細胞スクリーニングアッセイ又は/及び分子スクリーニングアッセイを含む、請求項25記載の方法。
【請求項27】
キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドを、キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドを発現することができる細胞又は/及び非ヒト生物により提供する、請求項25又は26記載の方法。
【請求項28】
キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドが単離された形態で提供される、請求項25又は26記載の方法。
【請求項29】
(I)インフルエンザウィルスで感染されることができ、かつ、キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドを発現することができる細胞又は/及び非ヒト生物を提供する工程、
(II)インフルエンザウィルスと、及び、前記キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドの発現又は/及び活性を調節することができることが知られている化合物と、(i)の細胞又は/及び生物とを接触させる工程、
(III)細胞又は/及び生物により産生されるインフルエンザウィルスの量を決定する工程、及び
(IV)細胞又は/及び生物により産生されるインフルエンザウィルスの量を減少させる化合物を選択する工程を含む、
インフルエンザウィルス感染の予防、緩和又は/及び治療のために適したキナーゼモジュレーターの同定のためのスクリーニング方法。
【請求項30】
(A)インフルエンザウィルスで感染されることができ、かつ遺伝子を発現することができる細胞又は/及び非ヒト生物を提供する工程、その際、遺伝子又は/及びその遺伝子産物は、インフルエンザウィルスの複製を調節することができる、
(B)インフルエンザウィルスと、及び、(A)の遺伝子又は/及びその遺伝子産物の発現又は/及び活性を調節することができることが知られている化合物と、(A)の細胞又は/及び生物とを接触させる工程、
(C)細胞又は/及び生物により産生されるインフルエンザウィルスの量を決定する工程、及び
(D)細胞又は/及び生物により産生されるインフルエンザウィルスの量を減少させる化合物を選択する工程を含む、
インフルエンザウィルス感染の予防、緩和又は/及び治療のために適した化合物の同定のためのスクリーニング方法。
【請求項31】
(A)の遺伝子が、表1A、1B及び4から選択される、請求項30記載の方法。
【請求項32】
(i)キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドを発現することができる細胞又は/及び非ヒト生物を提供する工程、
(ii)化合物と(i)の細胞又は/及び生物とを接触させる工程、
(iii)キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドの量又は/及び活性を決定する工程、及び
(iv)キナーゼ又は/及びキナーゼ結合ポリペプチドの量又は/及び活性を調節する化合物を選択する工程を含む、
インフルエンザウィルス感染の予防、緩和又は/及び治療のために適した化合物の同定のためのスクリーニング方法。
【請求項33】
工程(iii)又は/及び(iv)におけるキナーゼ活性が、キナーゼ発現の測定により決定される、請求項32記載のスクリーニング方法。
【請求項34】
i.遺伝子を発現することができる細胞又は/及び非ヒト生物を提供する工程、その際、遺伝子又は/及びその遺伝子産物は、インフルエンザウィルスの複製を調節することができる、
ii.化合物と、i.の細胞又は/及び生物とを接触させる工程、
iii.(i)の遺伝子の遺伝子産物の量又は/及び活性を決定する工程、及び
iv.i.の遺伝子産物の量又は/及び活性を調節する化合物を選択する工程を含む、
インフルエンザウィルス感染の予防、緩和又は/及び治療のために適した化合物の同定のためのスクリーニング方法。
【請求項35】
i.の遺伝子が、表1A、1B及び4から有利に選択される請求項34記載の方法。
【請求項36】
(1)遺伝子を発現、特に過剰発現又は過少発現することができる細胞又は/及び非ヒト動物を提供する工程、
(2)インフルエンザウィルスと、(1)の細胞又は/及び生物とを接触させる工程、
(3)前記遺伝子の発現又は/及び活性を調節し、かつ、細胞又は/及び生物により産生されたインフルエンザウィルスの量を決定する工程、及び
(4)発現又は/及び活性が、細胞又は/及び生物により生産されるインフルエンザウィルスの量の減少と正の又は負の相関を示す遺伝子を選択する工程を含む、
インフルエンザウィルス感染の予防、緩和又は/及び治療のためにターゲットとして適した遺伝子の同定のためのスクリーニング方法。
【請求項37】
遺伝子の発現の調節が、下方制御又は上方制御である、請求項36記載の方法。
【請求項38】
遺伝子の活性の調節が、活性の増加又は減少である、請求項36又は37記載の方法。
【請求項39】
インフルエンザが、インフルエンザAウィルス、より有利にはプエルトリコ/8/34株及びトリインフルエンザウィルス単離体、例えばH5N1から選択される、請求項25から38までのいずれか1項記載のスクリーニング方法。
【請求項40】
細胞が、哺乳類の細胞である、請求項25から39までのいずれか1項記載のスクリーニング方法。
【請求項41】
キナーゼモジュレーター又は/及びキナーゼ結合タンパク質モジュレーターの、インフルエンザウィルス感染の予防、緩和又は/及び予防のための医薬品の製造のための使用。
【請求項42】
表1b及び4から選択された遺伝子の発現を阻害することができる、又は/及び、その遺伝子産物を阻害することができる、インフルエンザウィルス複製の阻害剤の、インフルエンザウィルス感染の予防、緩和及び/又は予防のための医薬品の製造のための使用。
【請求項43】
表1a、1b、2又は/及び4から選択される遺伝子配列又は/及びヌクレオチド配列を含む核酸及びその断片の、インフルエンザウィルス感染の予防、緩和又は/及び治療のために適した化合物又は/及び標的のためのスクリーニング方法における使用。
【請求項44】
少なくとも2種の核酸の組み合わせを使用する、請求項43記載の使用。
【請求項45】
表1b及び4から核酸又はその組み合わせが選択される、請求項43又は44記載の使用。
【請求項46】
核酸の組み合わせが、1つの遺伝子の発現及び/又は活性を阻害する、請求項45記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図5−4】
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【図5−5】
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【図5−6】
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【図5−7】
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【図5−8】
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【図5−9】
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【図5−10】
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【図5−11】
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【図5−12】
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【図5−13】
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【図5−14】
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【図5−15】
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【図5−16】
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【図5−17】
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【図5−18】
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【図5−19】
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【図5−20】
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【図5−21】
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【図5−22】
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【図5−23】
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【図5−24】
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【図5−25】
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【図5−26】
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【図5−27】
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【図5−28】
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【図5−29】
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【図5−30】
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【図5−31】
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【図5−32】
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【図5−33】
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【図5−34】
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【図5−35】
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【図5−36】
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【図5−37】
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【図5−38】
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【図5−39】
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【図5−40】
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【図5−41】
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【図5−42】
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【図5−43】
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【公表番号】特表2010−505897(P2010−505897A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−531778(P2009−531778)
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際出願番号】PCT/EP2007/008852
【国際公開番号】WO2008/043561
【国際公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(390040420)マックス−プランク−ゲゼルシャフト・ツア・フェルデルング・デア・ヴィッセンシャフテン・エー・ファオ (54)
【氏名又は名称原語表記】Max−Planck−Gesellschaft zur Foerderung der Wissenschaften e.V.
【住所又は居所原語表記】Berlin, Germany
【Fターム(参考)】