説明

ウォッシャノズル取付構造

【課題】ホース装着の際のウォッシャノズルの位置ずれを防止することができるウォッシャノズル取付構造を提供する。
【解決手段】カウルパネル3のガラス側壁部11にはウォッシャノズル30の後部が装着される開口部12が設けられ、カウルパネル3内にはウォッシャノズル30の前部が装着される装着壁部16が設けられる。ウォッシャノズル30は後部に噴射孔が設けられており、前部において下方に延びるホース装着部40が設けられており、更に後部において下方への移動を規制すべく開口部12下縁(装着片19)と当接する後側当接部34が設けられ、前部において上方への移動を規制すべく装着壁部16(壁側当接部25)と当接する前側当接部42が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のフロントガラス(ウインドシールドガラス)に洗浄液を噴射するためのウォッシャノズルを該フロントガラスの下部に配設されるカウルパネルに取り付ける、その取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のウォッシャノズル取付構造は、例えば特許文献1にて開示されている。この特許文献1では、車両のカウルパネル(文献中、カウルトップガーニッシュ)に円筒状の隆起部が設けられており、該隆起部の先端にはカウルパネルの外側からウォッシャノズルが装着されている。
【0003】
ウォッシャノズルは、カウルパネルの内側に延びるホース装着部(文献中、ホース連結部)を有している。ホース装着部には、ウォッシャタンクから延びるホースが装着される。そして、ウォッシャポンプの作動により、ホースを通じてウォッシャタンクから洗浄液がウォッシャノズルに供給されることで、該ウォッシャノズルからフロントガラスに洗浄液が噴射されるようになっている。
【特許文献1】特開平11−334544号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ウォッシャノズルのホース装着部にホース(ゴム製)を装着する際、ホースの内径を広げつつ該ホースをホース装着部に装着するため、比較的大きな装着力が必要である。そのため、ホース装着の際にウォッシャノズルの装着位置がずれ、特にウォッシャノズルの仰角がずれてしまうと、フロントガラス上の洗浄液の着水位置が所望の位置から大きくずれてしまうという問題が発生する。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ホース装着の際のウォッシャノズルの位置ずれを防止することができるウォッシャノズル取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両のフロントガラスの下部に配設されるカウルパネルに、前記フロントガラスの払拭面に向かって洗浄液を噴射するためのウォッシャノズルを取り付ける、その取付構造であって、前記カウルパネルは、内側において上方に凹設した形状をなす凹設部を有しており、該凹設部において前記フロントガラスと対向するガラス側壁部に前記ウォッシャノズルの後部が装着される開口部を有するとともに、前記凹設部内に前記ウォッシャノズルの前部が装着される装着壁部を有し、前記ウォッシャノズルは、前記開口部に装着される後部に前記洗浄液を噴射する噴射孔を有するとともに、前記装着壁部に装着される前部において下方に向けて筒状に延び車体側からの前記洗浄液の供給を受けるべくホースが装着されるホース装着部を有し、更に、後部において下方への移動を規制すべく前記開口部の周縁と当接する後側当接部と、前部において上方への移動を規制すべく前記装着壁部又は前記凹設部と当接する前側当接部とを備えていることをその要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のウォッシャノズル取付構造において、前記ウォッシャノズルの後部には、少なくとも前記後側当接部の当接方向に弾性力を付与する後側弾性片が設けられるとともに、前部には、少なくとも前記前側当接部の当接方向に弾性力を付与する前側弾性片が設けられることをその要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のウォッシャノズル取付構造において、前記ホース装着部は、前記ウォッシャノズルの幅方向中央に位置しており、前記前側弾性片は、対で設けられ、幅方向において前記ホース装着部の両側に設けられることをその要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のウォッシャノズル取付構造において、前記ウォッシャノズルには、後部の前記開口部からの突出を規制すべく前記開口部の周縁と当接する第1規制当接部が設けられ、前記前側弾性片は、前記第1規制当接部の当接方向においても弾性力を付与することをその要旨とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のウォッシャノズル取付構造において、前記カウルパネルには、前記ウォッシャノズルの幅方向両側において前記ガラス側壁部と前記装着壁部とをそれぞれ連結する連結壁部が設けられることをその要旨とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のウォッシャノズル取付構造において、前記凹設部は、その内部に突出形成されて前記前側当接部と当接する移動規制部を有することをその要旨とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のウォッシャノズル取付構造において、前記移動規制部は、前記ウォッシャノズルの上壁面に向けて突出形成されており、前記ウォッシャノズルの上壁面には、前記前側当接部が設けられるとともに、前記移動規制部と当接して前記ウォッシャノズルの前方側への移動を規制する第2規制当接部が設けられていることをその要旨とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のウォッシャノズル取付構造において、前記ウォッシャノズルには、後部の前記開口部からの突出を規制すべく前記開口部の周縁と当接する第1規制当接部が設けられるものであり、前記前側当接部は、前記第1規制当接部が前記開口部の周縁と当接するときに前記移動規制部と当接するとともに、前記後側当接部は、前記第2規制当接部が前記移動規制部と当接するときに前記開口部の周縁と当接することをその要旨とする。
【0014】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、カウルパネルは凹設部を有し、該凹設部を構成するガラス側壁部にはウォッシャノズルの後部が装着される開口部が設けられ、該凹設部内にはウォッシャノズルの前部が装着される装着壁部が設けられる。これに対し、ウォッシャノズルは、後部に噴射孔が設けられ、前部において下方に延びるホース装着部が設けられる。このようなウォッシャノズルは、後部において下方への移動を規制すべく開口部の周縁と当接する後側当接部が設けられ、前部において上方への移動を規制すべく装着壁部又は凹設部と当接する前側当接部が設けられる。ここで、ホース装着部に車体側から延びるホースが装着される際、該ホース装着部にはホースの装着方向等に比較的大きな装着力が作用し、ウォッシャノズルの前部を上方に移動させようとする。場合によっては、ウォッシャノズルの前部を上方に、ウォッシャノズルの後部を下方に移動させようとする。このような場合、ウォッシャノズルの前部では前側当接部が装着壁部又は凹設部に当接し、後部では後側当接部が開口部の周縁に当接しているため、ウォッシャノズルの前部が上方に、ウォッシャノズルの後部が下方に移動することが防止される。つまり、ホースの装着の際にウォッシャノズルの装着位置がずれることが防止されるため、その中でもウォッシャノズルの仰角のずれが防止されることで、フロントガラス上の洗浄液の着水位置が所望の位置から大きくずれてしまうことが未然に防止される。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、ウォッシャノズルの後部には少なくとも後側当接部の当接方向に弾性力を付与する後側弾性片が設けられ、前部には少なくとも前側当接部の当接方向に弾性力を付与する前側弾性片が設けられる。つまり、後側弾性片により後側当接部が開口部の周縁に押圧され、前側弾性片により前側当接部が装着壁部に押圧されるため、ウォッシャノズルがカウルパネルに対してがたつきなく装着され、装着位置のずれがより確実に防止される。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、ホース装着部はウォッシャノズルの幅方向中央に配置され、前側弾性片が対で設けられて幅方向においてホース装着部の両側に設けられる。つまり、幅方向中央に配置されるホース装着部からホース装着時の装着力がウォッシャノズルに幅方向においてバランスよく作用し、しかもホース装着部の両側の各前側弾性片にて前側当接部に幅方向においてバランスよく弾性力が付与可能である。そのため、ウォッシャノズルを安定して支持でき、該ウォッシャノズルの装着位置のずれがより確実に防止される。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、ウォッシャノズルには後部の開口部からの突出を規制すべく開口部の周縁と当接する第1規制当接部が設けられ、前側弾性片は規制当接部の当接方向に弾性力を付与する。つまり、第1規制当接部が開口部の周縁に当接することでウォッシャノズルの開口部からの突出が防止されるとともに、前側弾性片により第1規制当接部が開口部の周縁に押圧されることから、ウォッシャノズルがカウルパネルに対してがたつきなく装着される。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、カウルパネルには、ウォッシャノズルの幅方向両側においてガラス側壁部と装着壁部とをそれぞれ連結する連結壁部が設けられる。つまり、ウォッシャノズルを装着するノズル装着部の四方が連続する壁部にて囲まれるため、該ノズル装着部の剛性が高くなる。そのため、例えばノズル装着部に外力が作用しても該ノズル装着部が変形し難くなるため、変形による相互の係止状態が解除されることが防止され、これによりウォッシャノズルの脱落が防止される。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、カウルパネルに設けた凹設部の内部には、突出形成されてウォッシャノズルの前側当接部と当接する移動規制部が設けられる。そのため、前側当接部と移動規制部との当接位置を比較的大きな自由度をもって設定することができる。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、移動規制部は、ウォッシャノズルの上壁面に向けて突出形成されており、ウォッシャノズルの上壁面には、その移動規制部と当接する前側当接部が設けられるとともに、移動規制部と当接してウォッシャノズルの前方側への移動を規制する第2規制当接部が設けられる。そのため、ウォッシャノズルのカウルパネルへの取付状態において開口部からウォッシャノズルを押し込む方向の外力が作用しても、第2規制当接部が移動規制部と当接することでウォッシャノズルの同押し込み方向への移動が規制される。
【0021】
請求項8に記載の発明によれば、ウォッシャノズルには、後部の開口部からの突出を規制すべく該開口部の周縁と当接する第1規制当接部が設けられ、該第1規制当接部が開口部の周縁と当接するときに前側当接部が移動規制部と当接するとともに、第2規制当接部が移動規制部と当接するときに後側当接部が開口部の周縁と当接する。そのため、ウォッシャノズルは、カウルパネルの凹設部内で前後方向に移動しても、第1及び第2規制当接部によってその移動が規制され、後方(この場合、開口部方向)への移動が規制されたときでも前側当接部は移動規制部に当接し、前方(この場合、開口部方向と反対方向)への移動が規制されたときでも後側当接部は開口部の周縁と当接するので、ウォッシャノズルの取付姿勢が常に安定する。
【発明の効果】
【0022】
従って、本発明によれば、ホース装着の際のウォッシャノズルの位置ずれを防止することができるウォッシャノズル取付構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明する。
図1及び図2に示すように、車両のフロントガラス1の下部とボンネット2との間には、車幅方向に長い形状をなす樹脂製のカウルパネル3が配設されている。カウルパネル3には、対をなす車両用ワイパ4を駆動するためのピボット軸(図示略)が挿通されている。
【0024】
カウルパネル3は、上方に凸となるように屈曲された凸状部10が長手方向に連続して設けられ、該凸状部10はフロントガラス1に対向するガラス側壁部11を有している。ガラス側壁部11には、カウルパネル3の長手方向(車幅方向)の所定の2箇所に、それぞれ略矩形状の開口部12が設けられている。各開口部12は、カウルパネル3(凸状部10)の内側に配置されるウォッシャノズル30からの洗浄液Wの噴射を可能としている。
【0025】
カウルパネル3の凸状部10の内側には、上方に凹設した形状をなす凹設部13が設けられている。凹設部13には、各開口部12が設けられる部分において、それぞれウォッシャノズル30を装着するためのノズル装着部15が設けられている。
【0026】
図3及び図5に示すように、ノズル装着部15は、前記ガラス側壁部11と、該ガラス側壁部11と対向するようにカウルパネル3の内側面から下方に板状に延出される装着壁部16と、該装着壁部16の両側とガラス側壁部11とを連結すべく板状に延出される連結壁部17,18とを有し、各壁部11,16〜18にて四方が囲まれた四角筒状をなしている。
【0027】
ガラス側壁部11における開口部12の下縁部には、両側が各連結壁部17,18の下端部と接続されつつ装着壁部16側に板状に突出する装着片19が形成されている。装着片19の装着壁部16側の略矩形状をなす開口は挿入口20となっており、該挿入口20には下方から各壁部11,16〜18で囲まれた収容凹部21内にウォッシャノズル30が挿入され装着される。
【0028】
図3及び図4に示すように、ウォッシャノズル30は、樹脂製であって略直方体形状に形成されている。尚、ウォッシャノズル30は、前記開口部12側に装着されるのを後部とし、前記装着壁部16に装着されるのを前部とする。ウォッシャノズル30は、その前部が車両前方側に、後部が車両後方側に向けて装着される。
【0029】
ウォッシャノズル30の後部から説明すると、ウォッシャノズル30の後面中央には、矩形状に開口するチップ嵌挿孔31が形成されている。チップ嵌挿孔31は、ウォッシャノズル30の前側に延びている。チップ嵌挿孔31には、略直方体形状をなすノズルチップ(流体素子)32が着脱可能に装着される。
【0030】
ノズルチップ32は、後端部(チップ嵌挿孔31の開口側)に洗浄液Wを噴射する噴射孔33が形成されている。ノズルチップ32は、噴射孔33に通じる主流路(図示略)と、該主流路の下流側から上流側に連通されるフィードバック流路(図示略)とを有し、洗浄液Wをフィードバック流路を介して主流路に戻すことで該主流路内の洗浄液Wを自励発振させ、噴射孔33からフロントガラス1の払拭面1aに対する洗浄液Wの噴射を拡散噴射とするものである(図1参照)。このようなノズルチップ32は例えば車種毎に設けられ、ウォッシャノズル30のボディを複数の車種間で共用可能としている。
【0031】
ウォッシャノズル30の後側下縁部には、凸状の後側当接部34が形成されている。後側当接部34は、ウォッシャノズル30の後側下縁部の幅方向に連続して設けられている。この後側当接部34は、前記開口部12下縁に設けた装着片19の上面と当接する。
【0032】
また、ウォッシャノズル30の後側下面には、後側当接部34の若干前方側において後側弾性片35が設けられている。後側弾性片35は、ウォッシャノズル30より幅狭に形成されており、該ウォッシャノズル30の幅方向中央に設けられている。後側弾性片35は、先端部が前記開口部12下縁に設けた装着片19の下面と当接する。この場合、後側弾性片35は装着片19の下面を自身の弾性力にて押圧し、これに伴って後側当接部34の当接方向に弾性力を付与して、後側当接部34を該装着片19の上面に押圧させる。ウォッシャノズル30の後部は、後側弾性片35と後側当接部34とで装着片19を挟み込むことで装着片19に対して装着される。
【0033】
また、後側弾性片35の基端部には、前記装着片19の先端面に当接する規制当接部(第1規制当接部)36が設けられている。規制当接部36は前記装着片19の先端面に当接することで、ウォッシャノズル30の開口部12からの突出が規制(防止)される。
【0034】
一方、ウォッシャノズル30の前部下面における幅方向中央には、該ウォッシャノズル30の前方斜め下方に向けて円筒状に延びるホース装着部40が設けられている。ホース装着部40には、車両に搭載されるウォッシャタンク(図示略)から延びるゴム製のホース41が装着される(図2参照)。ホース装着部40内の流路は、前記ノズルチップ32の主流路の基端部(噴射孔33と反対側)に繋がっている。そして、ウォッシャポンプ(図示略)の作動により、ホース41を通じてウォッシャタンクから洗浄液Wがウォッシャノズル30(ノズルチップ32)に供給されることで、該ウォッシャノズル30の噴射孔33から払拭面1aに対して洗浄液Wの拡散噴射がなされる。
【0035】
ウォッシャノズル30のホース装着部40の上部(幅方向中央)には、板状の前側当接部42が設けられている。ここで、前記装着壁部16には、前側当接部42の先端部が当接する壁側当接部25が設けられている。壁側当接部25は、その当接面が下方を向いている。前側当接部42の先端部はその壁側当接部25に当接することで、ウォッシャノズル30の前部がそれ以上上方に移動することが規制される。
【0036】
前側当接部42には、装着壁部16の側面部27と前後方向において対向し、ウォッシャノズル30が前方に移動した際に当接する当接規制部42aが設けられている。この当接規制部42aは、図3に示すウォッシャノズル30の正規の姿勢にて保持されている場合では、装着壁部16の側面部27に対して前後方向に隙間Tが設定されている。この隙間Tは、前記装着片19の先端面と後側当接部34との間隔αより小さく設定されている。つまり、ウォッシャノズル30が前方に移動しようとした場合、後側当接部34が装着片19の上面から脱落するよりも前に当接規制部42aが装着壁部16の側面部27に当接し、ウォッシャノズル30のそれ以上前方への移動が規制されるようになっている。
【0037】
また、ウォッシャノズル30の前部上面には、幅方向の前側当接部42及びホース装着部40の両側に、それぞれ前側弾性片43が設けられている。各前側弾性片43は、前方斜め下方に向けて延出されている。
【0038】
前側弾性片43の略中央には、ウォッシャノズル30の前方に向けて略三角形状に突出する係止突起44が形成されている。ここで、前記装着壁部16には、幅方向の壁側当接部25の両側に、それぞれ矩形状の係止孔26が形成されている。この係止孔26内に係止突起44が挿入されて係止孔26の下側縁部26aと係止可能状態となることで、ウォッシャノズル30の前部の下方への移動を規制し、ウォッシャノズル30のノズル装着部15からの脱落が防止される。
【0039】
前側弾性片43の係止突起44よりも下側には、該係止突起44と連続して当接斜面45が形成されている。当接斜面45は前方斜め下方に向く平面をなしており、前側当接部42が壁側当接部25に当接した状態で係止孔26の下側縁部26aと当接する。当接斜面45は、前側弾性片43自身の弾性力により、係止孔26の下側縁部26aに押圧される。この場合、当接斜面45が係止孔26の下側縁部26aを押圧することで、前側当接部42の当接方向に弾性力を付与して前側当接部42を壁側当接部25に押圧させるとともに、前記規制当接部36の当接方向にも弾性力を付与して規制当接部36を装着片19の先端面に押圧させる。
【0040】
前側弾性片43の先端部は、操作部46となっている。操作部46は、前側弾性片43の弾性力に抗してウォッシャノズル30の後方に傾動させて係止突起44を係止孔26から抜き、装着壁部16に対するウォッシャノズル30の前部の装着を解除するために設けられている。これにより、ウォッシャノズル30のノズル装着部15からの取り外しが可能となっている。
【0041】
このような構成のウォッシャノズル30をノズル装着部15(収容凹部21内)に装着する際(図3参照)、先ず、挿入口20に向けてウォッシャノズル30の後部を斜め上方(ガラス側壁部11の開口部12側)を向くようにし、後側弾性片35と後側当接部34とが装着片19を挟み込むように該装着片19に引っ掛けられる。
【0042】
次いで、装着片19に引っ掛けられた例えば後側弾性片35の接触部分が支点となってウォッシャノズル30の前端が上方に回動され、該ウォッシャノズル30が挿入口20から収容凹部21内に挿入される。この場合、前側弾性片43の係止突起44が装着壁部16の下端から内側面に当接しながら係止孔26内に挿入されるまで、ウォッシャノズル30の前部が挿入口20内に挿入される。
【0043】
次いで、前側弾性片43の係止突起44が装着壁部16の係止孔26内に挿入されると、前側弾性片43の弾性復帰し、該係止突起44と連続するように設けられる当接斜面45が係止孔26の下側縁部26aに当接する。この場合、前側弾性片43の弾性力にて当接斜面45が係止孔26の下側縁部26aを押圧することで、ウォッシャノズル30の前部が上方に押し上げられ、前側当接部42が壁側当接部25に当接する。
【0044】
また、前側当接部42が壁側当接部25に当接した状態となっても、前側弾性片43の弾性力により当接斜面45が係止孔26の下側縁部26aを押圧するようになっており、これにより前側当接部42が壁側当接部25を押圧するとともに、規制当接部36が装着片19の先端面に押圧される。こうしてウォッシャノズル30がノズル装着部15(収容凹部21)内にがたつきなく装着される。
【0045】
そして、ウォッシャノズル30が装着されると、該ウォッシャノズル30のホース装着部40にウォッシャタンク側から延びるゴム製のホース41が装着される(図2参照)。ホース41は、その内径を広げつつホース装着部40に装着される。このとき、ホース装着部40にはホース41の装着方向(後方斜め上方)等に比較的大きな装着力が作用し、ウォッシャノズル30の前部を上方に移動させようとする。場合によっては、ウォッシャノズル30の前部を上方に、ウォッシャノズル30の後部を下方に移動させようとする。このような場合、ウォッシャノズル30の前部では前側当接部42が壁側当接部25に当接し、後部では後側当接部34が装着片19の上面に当接しているため、ウォッシャノズル30の前部が上方に、ウォッシャノズル30の後部が下方に移動することが防止される。
【0046】
つまり、ホース41の装着の際にウォッシャノズル30の装着位置がずれることが防止されるため、その中でもウォッシャノズル30の仰角のずれが防止されることで、フロントガラス1の払拭面1aにおける洗浄液Wの着水位置が所望の位置から大きくずれてしまうことが未然に防止されるようになっている。逆に、ホース41のホース装着部40への装着力が開放され、ホース41の重量等によりウォッシャノズル30に上記装着方向と逆方向の力が一時的に作用しても、ウォッシャノズル30は前側弾性片43の上記弾性力により姿勢が自己補正されて正規の姿勢に保持される。
【0047】
また、ウォッシャノズル30の装着後、高圧洗車や洗車ブラシ等により開口部12側からウォッシャノズル30が前側弾性片43の弾性力に抗して前方に押された場合、後側当接部34が装着片19の上面から外れるよりも前に当接規制部42aが装着壁部16の側面部27に当接するように隙間Tが設定されているため、このような場合のウォッシャノズル30の脱落も防止されている。
【0048】
次に、本実施の形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)カウルパネル3のガラス側壁部11にはウォッシャノズル30の後部が装着される開口部12が設けられ、カウルパネル3内側の凹設部13内にはウォッシャノズル30の前部が装着される装着壁部16が設けられている。これに対し、ウォッシャノズル30は後部に噴射孔33が設けられており、前部において下方に延びるホース装着部40が設けられている。このようなウォッシャノズル30は、後部において下方への移動を規制すべく開口部12下縁の装着片19の上面と当接する後側当接部34が設けられ、前部において上方への移動を規制すべく装着壁部16の壁側当接部25と当接する前側当接部42が設けられている。ここで、ホース装着部40に車体側から延びるホース41が装着される際、該ホース装着部40にはホース41の装着方向等に比較的大きな装着力が作用し、ウォッシャノズル30の前部を上方に移動させようとし、場合によってはウォッシャノズル30の前部を上方に、後部を下方に移動させようとする。このような場合、ウォッシャノズル30の前部では前側当接部42が壁側当接部25に当接し、後部では後側当接部34が装着片19の上面に当接しているため、ウォッシャノズル30の前部が上方に、後部が下方に移動することを防止することができる。つまり、ホース41の装着の際にウォッシャノズル30の装着位置がずれることを防止できるため、その中でもウォッシャノズル30の仰角のずれを防止できることで、フロントガラス1の払拭面1aにおける洗浄液Wの着水位置が所望の位置から大きくずれてしまうことを未然に防止することができる。
【0049】
(2)ウォッシャノズル30の後部には後側当接部34の当接方向に弾性力を付与する後側弾性片35が設けられ、前部には前側当接部42の当接方向に弾性力を付与する前側弾性片43が設けられている。つまり、後側弾性片35により後側当接部34が装着片19の上面に押圧され、前側弾性片43により前側当接部42が壁側当接部25に押圧されるため、ウォッシャノズル30をカウルパネル3(ノズル装着部15)に対してがたつきなく装着することができ、装着位置のずれをより確実に防止することができる。
【0050】
(3)ホース装着部40はウォッシャノズル30の幅方向中央に配置され、対で設けられる前側弾性片43が幅方向においてホース装着部40の両側に設けられている。つまり、幅方向中央に配置されるホース装着部40からホース41装着時の装着力がウォッシャノズル30に幅方向においてバランスよく作用し、しかもホース装着部40の両側の各前側弾性片43にて前側当接部42に幅方向においてバランスよく弾性力が付与できる。そのため、ウォッシャノズル30を安定して支持でき、該ウォッシャノズル30の装着位置のずれをより確実に防止することができる。
【0051】
(4)ウォッシャノズル30には後部の開口部12からの突出を規制すべく装着片19の先端面と当接する規制当接部36が設けられており、前側弾性片43は規制当接部36の当接方向にも弾性力を付与する。つまり、規制当接部36が装着片19の先端面に当接することでウォッシャノズル30の開口部12からの突出を防止しつつ、前側弾性片43により規制当接部36が装着片19の先端面に押圧されることから、ウォッシャノズル30をカウルパネル3(ノズル装着部15)に対してがたつきなく装着することができる。
【0052】
また、規制当接部36が後側弾性片35に一体に設けられるため、ウォッシャノズル30の形状の簡素化に貢献できる。また、前側当接部42の当接方向に弾性力を付与する前側弾性片43にて規制当接部36の当接方向にも弾性力を付与する構成としているため、弾性片の共通化が図られ、これによってもウォッシャノズル30の形状の簡素化に貢献できる。
【0053】
(5)カウルパネル3には、ウォッシャノズル30の幅方向両側においてガラス側壁部11と装着壁部16とをそれぞれ連結する連結壁部17,18が設けられている。つまり、ノズル装着部15の四方が連続する壁部にて囲まれるため、該ノズル装着部15の剛性が高くなる。そのため、例えばノズル装着部15に外力が作用しても該ノズル装着部15が変形し難くなるため、変形による相互の係止状態が解除されることを防止でき、これによりウォッシャノズル30の脱落を防止することができる。
【0054】
(第2の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施の形態を図面に従って説明する。尚、本実施の形態のウォッシャノズル50では、前部及び後部の装着部分の構成が変更されている。これに伴い、カウルパネル3の凹設部13におけるウォッシャノズル50を装着するための構成も変更されている。従って、以下には、これらの部分を中心に説明し、前記第1の実施の形態と同様の構成ついては同一の符号を付して説明を省略する。
【0055】
先ず、ウォッシャノズル50の前部の装着部分について、図6及び図8に示すように、カウルパネル3(凹設部13)の内側面には、該内側面から下方に板状に延出されウォッシャノズル50の前部を装着させるための装着壁部60と、ウォッシャノズル50の上壁面50aに向けて垂下するように板状に突出形成される移動規制部61とが設けられている。装着壁部60は、その幅方向両側とガラス側壁部11とを連結すべく板状に延出される連結壁部62,63とを有し、各壁部11,60,62,63にて四方が囲まれた四角筒状をなしている。
【0056】
また、装着壁部60には、幅方向中央に下端から切り欠かれウォッシャノズル50のホース装着部40に装着されるホース41との干渉を防止する切欠部64が設けられ、該切欠部64の両側においては、ウォッシャノズル50の各前側弾性片43と係止すべく延出される係止部65がそれぞれ設けられている。そして、ウォッシャノズル50は、前側弾性片43に設けた当接斜面45が係止部65に当接するように装着される。このとき、前側弾性片43自身の弾性力により、後述する前側当接部51の当接方向に弾性力が付与されて前側当接部51が移動規制部61の下面に押圧されるとともに、後述する規制当接部53の当接方向にも弾性力が付与されて規制当接部53が装着片19の先端面に押圧されるようにウォッシャノズル50が装着される。
【0057】
移動規制部61は、その下端がカウルパネル3に設けた開口部12の上縁部と略等しい位置まで下方に向けて延出されている。また、移動規制部61は、幅方向においては一方の連結壁部62の内側面から他方の連結壁部63寄りの所定位置まで延出されている。この移動規制部61は、幅方向中央から所定間隔を有する一対の連結壁部66,67が前記連結壁部62,63と平行に延びてガラス側壁部11と連結し、所定の剛性が確保されている。そして、このような移動規制部61には、その下面にウォッシャノズル50の上壁面50aの前側に設けられる前側当接部51が当接するとともに、該規制部61の後側面にその前側当接部51より若干後方に設けられる規制当接部(第2規制当接部)52が当接する。
【0058】
図7に示すように、ウォッシャノズル50の上壁面50aに立設された前側当接部51は、断面半円状をなしウォッシャノズル50の幅方向全体に亘り連続して設けられている。つまり、万一、ウォッシャノズル50が幅方向にずれて装着された場合であっても、前側当接部51が移動規制部61の下面に確実に当接するようになっている。
【0059】
また、ウォッシャノズル50の上壁面50aにおいて、前側当接部51の若干後方の幅方向中央に規制当接部52が立設されている。規制当接部52は、側方視略台形状で前面(移動規制部61の後側面と対向する面)が垂直面をなす四角柱状に形成されている。この規制当接部52は、通常、図6の実線にて示すウォッシャノズル50の装着位置では、上記したように前側弾性片43自身の弾性力にて後述の規制当接部53が装着片19の先端面に当接することで、移動規制部61から離間して配置される。これに対し、カウルパネル3の開口部12からウォッシャノズル50を前方側に押し込むような外力が作用すると、前側弾性片43の弾性力に抗して規制当接部52の前面が移動規制部61の後側面に当接する図6の2点鎖線にて示す位置までの移動は許容され、それ以上押し込み方向(前方)への移動が規制されるようになっている。このとき、ウォッシャノズル50が図6の2点鎖線にて示す最大押込位置まで押し込まれても、前側当接部51が移動規制部61の下面と当接する状態が維持されるようにもなっている。
【0060】
一方、ウォッシャノズル50の後部の装着部分について、図6及び図7に示すように、規制当接部(第1規制当接部)53と、後側弾性片54とが個別に設けられている。規制当接部53は、ウォッシャノズル50の後側下縁部に設けた後側当接部34の若干前方側に、断面長方形状をなしウォッシャノズル50の幅方向全体に亘り連続して設けられている。この規制当接部53は、通常、図6の実線にて示すウォッシャノズル50の装着位置では、前側弾性片43自身の弾性力にて装着片19の先端面に当接(押圧)し、ウォッシャノズル50はその取付姿勢が維持される。
【0061】
後側弾性片54は、その規制当接部53よりも更に前方側においてウォッシャノズル50よりも若干幅狭に形成されており、該ウォッシャノズル50の幅方向中央に設けられている。後側弾性片54は、先端部が後側当接部34の近傍位置となるまで後方に向けて延出され、先端部に設けた凸状の当接部55がカウルパネル3の装着片19の下面と当接する。この場合、後側弾性片54(当接部55)は装着片19の下面を自身の弾性力にて押圧し、これに伴って後側当接部34を該装着片19の上面に押圧させる。しかも、後側弾性片54先端の当接部55は、後側当接部34と上下方向(垂直方向)で対向する位置に設けられているため、前側弾性片43の弾性力がウォッシャノズル50を側方から見て回転させる方向に作用しないようになっている。
【0062】
また、上記したようにカウルパネル3の開口部12からウォッシャノズル50を前方側に押し込むような外力が作用し、前記規制当接部52の前面が移動規制部61の後側面に当接する図6の2点鎖線にて示す最大押込位置まで押し込まれた場合、規制当接部53が装着片19の先端面から離間するが、前記後側当接部34及び後側弾性片54の当接部55は装着片19の上面及び下面と当接する状態が維持されるようになっている。
【0063】
次に、上記第1の実施の形態と同様の作用効果(1)〜(5)に加え、本実施の形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)本実施の形態においても、ウォッシャノズル50の前部では前側当接部51が凹設部13に設けた移動規制部61の下面に当接し、後部では後側当接部34が装着片19の上面に当接しているため、ウォッシャノズル50の前部が上方に、後部が下方に移動することを防止することができる。つまり、ホース41の装着の際にウォッシャノズル50の装着位置がずれることを防止できるため、その中でもウォッシャノズル50の仰角のずれを防止できることで、フロントガラス1の払拭面1aにおける洗浄液Wの着水位置が所望の位置から大きくずれてしまうことを未然に防止することができる。
【0064】
(2)本実施の形態においても、後側弾性片54により後側当接部34が装着片19の上面に押圧され、前側弾性片43により前側当接部51が移動規制部61の下面に押圧されるため、ウォッシャノズル50をカウルパネル3(ノズル装着部15)に対してがたつきなく、しかも姿勢が自己調整されて装着することができ、装着位置のずれをより確実に防止することができる。
【0065】
(3)本実施の形態においても、幅方向中央に配置されるホース装着部40からホース41装着時の装着力がウォッシャノズル50に幅方向においてバランスよく作用し、しかもホース装着部40の両側の各前側弾性片43にて前側当接部51に幅方向においてバランスよく弾性力が付与できる。そのため、ウォッシャノズル50を安定して支持でき、該ウォッシャノズル50の装着位置のずれをより確実に防止することができる。
【0066】
(4)本実施の形態においても、規制当接部53が装着片19の先端面に当接することでウォッシャノズル50の開口部12からの突出を防止しつつ、前側弾性片43により規制当接部53が装着片19の先端面に押圧されることから、ウォッシャノズル50をカウルパネル3(ノズル装着部15)に対してがたつきなく装着することができる。
【0067】
(5)本実施の形態においても、ノズル装着部15の四方が連続する壁部11,60,62,63にて囲まれるため、樹脂製のカウルパネル3における該ノズル装着部15の剛性が高くなる。そのため、例えばノズル装着部15に外力が作用しても該ノズル装着部15が変形し難くなるため、変形による相互の係止状態が解除されることを防止でき、これによりウォッシャノズル50の脱落を防止することができる。
【0068】
(6)本実施の形態では更に、カウルパネル3に設けた凹設部13の内部に、突出形成されてウォッシャノズル50の前側当接部51と当接する移動規制部61が設けられている。そのため、前側当接部51と移動規制部61との当接位置を比較的大きな自由度をもって設定することができる。
【0069】
(7)本実施の形態では更に、ウォッシャノズル50の上壁面50aに、移動規制部61と当接する前側当接部51が設けられるとともに、移動規制部61の後側面と当接してウォッシャノズル50の前方側への移動を規制する規制当接部52が設けられている。そのため、ウォッシャノズル50のカウルパネル3への取付状態において開口部12からウォッシャノズル50を押し込む方向の外力が作用しても、規制当接部52が移動規制部61と当接することでウォッシャノズル50の同押し込み方向への移動を規制することができる。
【0070】
(8)本実施の形態では更に、ウォッシャノズル50の前部の規制当接部53が開口部12下縁の装着片19と当接するときに前側当接部51が移動規制部61の下面と当接するとともに、規制当接部52が移動規制部61の後側面と当接するときに後側当接部34が開口部12下縁の装着片19と当接する構成とした。そのため、ウォッシャノズル50は、カウルパネル3の凹設部13内で前後方向に移動しても、各規制当接部52,53によってその移動が規制され、後方(この場合、開口部12方向)への移動が規制されたときでも前側当接部51は移動規制部61に当接し、前方(この場合、開口部12方向と反対方向)への移動が規制されたときでも後側当接部34は開口部12下縁の装着片19と当接するので、ウォッシャノズル50の取付姿勢を常に安定させることができるとともに、ウォッシャノズル50のカウルパネル3からの不用意な脱落を防止できる。
【0071】
尚、本発明の実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記各実施の形態では、開口部12下縁に設けた板状の装着片19にウォッシャノズル30,50の後部を装着するようにしたが、該後部を装着する部位の形状はこれに限定されず、例えば凹部や孔等に変更してもよい。また、この後部を装着する部位の位置を適宜変更してもよく、例えば開口部12の上縁や側縁等に変更してもよい。一方、ウォッシャノズル30,50側においても同様に後側当接部34や後側弾性片35,54の形状や設ける位置を適宜変更してもよい。
【0072】
・上記第1の実施の形態では、壁側当接部25の下面に前側当接部42を当接させて装着壁部16に設けた係止孔26にウォッシャノズル30の前部を装着し、上記第2の実施の形態では、移動規制部61の下面に前側当接部51を当接させて装着壁部60に設けた係止部65にウォッシャノズル50の前部を装着したが、該前部を装着する部位の形状及び位置はこれに限定されず、適宜変更してもよい。一方、ウォッシャノズル30,50側においても同様に前側当接部42,51や前側弾性片43の形状や設ける位置を適宜変更してもよい。例えば、前側当接部42,51を1つではなく複数設けてもよく、前側弾性片43を対ではなく1つとしてもよい。
【0073】
・上記各実施の形態では、前側当接部42,51の当接方向に弾性力を付与する前側弾性片43にて規制当接部36,53の当接方向にも弾性力を付与する構成としたが、それぞれに弾性力を付与する弾性片を別々に設けてもよい。
【0074】
・上記各実施の形態では、ノズル装着部15を、ガラス側壁部11と装着壁部16,60とこれらを連結する連結壁部17,18,62,63とで四方を連続する壁部にて囲むように構成したが、この構成に限らず、例えば連結壁部17,18,62,63のいずれかを省略、若しくは両方を省略してもよい。
【0075】
・上記各実施の形態では、拡散噴射を行うためのノズルチップ32を内装したウォッシャノズル30,50を用いたが、ノズルチップ32を用いずウォッシャノズル自体に噴射孔を有するものを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】第1の実施の形態におけるウォッシャノズル装着カウルパネルを備えた車両の斜視図である。
【図2】ウォッシャノズル装着部分のカウルパネル及びその周囲の側断面図である。
【図3】ウォッシャノズル装着部分のカウルパネルの側断面拡大図である。
【図4】(a)はウォッシャノズルの後側上方から見た斜視図であり、(b)はウォッシャノズルの前側下方から見た斜視図である。
【図5】(a)はノズル装着部の後側上方から見た斜視図であり、(b)はノズル装着部の前側下方から見た斜視図である。
【図6】第2の実施の形態のウォッシャノズル装着部分のカウルパネルの側断面拡大図である。
【図7】(a)はウォッシャノズルの後側上方から見た斜視図であり、(b)はウォッシャノズルの前側下方から見た斜視図である。
【図8】ノズル装着部の前側下方から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0077】
1…フロントガラス、1a…払拭面、3…カウルパネル、11…ガラス側壁部、12…開口部、13…凹設部、16…装着壁部、17…連結壁部、18…連結壁部、19…開口部の周縁に設けた装着片、30…ウォッシャノズル、33…噴射孔、34…後側当接部、35…後側弾性片、36…第1規制当接部としての規制当接部、40…ホース装着部、41…ホース、42…前側当接部、43…前側弾性片、50…ウォッシャノズル、50a…上壁面、51…前側当接部、52…第2規制当接部としての規制当接部、53…第1規制当接部としての規制当接部、54…後側弾性片、60…装着壁部、61…移動規制部、62…連結壁部、63…連結壁部、W…洗浄液。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のフロントガラスの下部に配設されるカウルパネルに、前記フロントガラスの払拭面に向かって洗浄液を噴射するためのウォッシャノズルを取り付ける、その取付構造であって、
前記カウルパネルは、内側において上方に凹設した形状をなす凹設部を有しており、該凹設部において前記フロントガラスと対向するガラス側壁部に前記ウォッシャノズルの後部が装着される開口部を有するとともに、前記凹設部内に前記ウォッシャノズルの前部が装着される装着壁部を有し、
前記ウォッシャノズルは、前記開口部に装着される後部に前記洗浄液を噴射する噴射孔を有するとともに、前記装着壁部に装着される前部において下方に向けて筒状に延び車体側からの前記洗浄液の供給を受けるべくホースが装着されるホース装着部を有し、更に、後部において下方への移動を規制すべく前記開口部の周縁と当接する後側当接部と、前部において上方への移動を規制すべく前記装着壁部又は前記凹設部と当接する前側当接部とを備えていることを特徴とするウォッシャノズル取付構造。
【請求項2】
請求項1に記載のウォッシャノズル取付構造において、
前記ウォッシャノズルの後部には、少なくとも前記後側当接部の当接方向に弾性力を付与する後側弾性片が設けられるとともに、前部には、少なくとも前記前側当接部の当接方向に弾性力を付与する前側弾性片が設けられることを特徴とするウォッシャノズル取付構造。
【請求項3】
請求項2に記載のウォッシャノズル取付構造において、
前記ホース装着部は、前記ウォッシャノズルの幅方向中央に位置しており、
前記前側弾性片は、対で設けられ、幅方向において前記ホース装着部の両側に設けられることを特徴とするウォッシャノズル取付構造。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のウォッシャノズル取付構造において、
前記ウォッシャノズルには、後部の前記開口部からの突出を規制すべく前記開口部の周縁と当接する第1規制当接部が設けられ、
前記前側弾性片は、前記第1規制当接部の当接方向においても弾性力を付与することを特徴とするウォッシャノズル取付構造。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のウォッシャノズル取付構造において、
前記カウルパネルには、前記ウォッシャノズルの幅方向両側において前記ガラス側壁部と前記装着壁部とをそれぞれ連結する連結壁部が設けられることを特徴とするウォッシャノズル取付構造。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のウォッシャノズル取付構造において、
前記凹設部は、その内部に突出形成されて前記前側当接部と当接する移動規制部を有することを特徴とするウォッシャノズル取付構造。
【請求項7】
請求項6に記載のウォッシャノズル取付構造において、
前記移動規制部は、前記ウォッシャノズルの上壁面に向けて突出形成されており、
前記ウォッシャノズルの上壁面には、前記前側当接部が設けられるとともに、前記移動規制部と当接して前記ウォッシャノズルの前方側への移動を規制する第2規制当接部が設けられていることを特徴とするウォッシャノズル取付構造。
【請求項8】
請求項7に記載のウォッシャノズル取付構造において、
前記ウォッシャノズルには、後部の前記開口部からの突出を規制すべく前記開口部の周縁と当接する第1規制当接部が設けられるものであり、
前記前側当接部は、前記第1規制当接部が前記開口部の周縁と当接するときに前記移動規制部と当接するとともに、前記後側当接部は、前記第2規制当接部が前記移動規制部と当接するときに前記開口部の周縁と当接することを特徴とするウォッシャノズル取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−39006(P2007−39006A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−1809(P2006−1809)
【出願日】平成18年1月6日(2006.1.6)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】