説明

エアゾール装置のノズル

【課題】薄く広い角度で噴霧することができ、噴霧量を均一にすることができるエアゾール装置のノズルを提供する。
【解決手段】内容物を通す通路16と、その通路の先端近辺に設けられる先細のテーパ部17と、そのテーパ部の先端から延びる小径の噴孔通路18と、その噴孔通路の開口端である噴孔と外部空間とを連通するスリット通路14とを備えているエアゾール装置用のノズル10。テーパ部17の内面の延長線Pは前記噴孔内またはスリット通路14内を通る。スリット通路の幅は噴孔の内径より小さく、噴孔がスリット通路を除いて塞がれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアゾール装置のノズルに関する。さらに詳しくは、偏平広角パターンで噴霧することができるエアゾール装置のノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なエアゾール製品は、噴霧するとき、上下左右に均等に噴霧されるため、噴霧パターンが略円錐状となる。たとえば噴孔から所定の距離に紙をおいて噴霧すると、略円形に付着する。他方、網戸に殺虫剤を噴霧する場合や塗装スプレーに用いる場合は、四角形のパターンで噴霧したいことがある。従来より、そのような場合に用いる各種の偏平パターンの噴霧ノズルが提案されている。
【0003】
たとえば特許文献1は噴孔の両側に一対の円柱状の突起を設け、それらの突起によって噴射される内容物の左右への拡がりを規制し、縦長の噴射パターンを得ようとするものである。特許文献2は、噴射孔の開口の前方に開口の径とほぼ同一あるいは径の2倍以下の間隔をあけて平行に対向させた一対のひさし面を設けたノズルを提案している。このものは、一対のひさし面の狭い隙間を通して噴射することにより、薄く広い拡散角度の噴霧パターンが得られる。
【0004】
特許文献3には、赤熱鋼板などを冷却したり、再演などで作物に薬剤を散布するために用いられるフラットスプレー方式の気液混合噴射ノズルを開示している。この気液混合噴射ノズルは、先窄まり状(略球面状)の内底面を有する有底筒状のノズル本体を備え、そのノズル軸心に沿って外側からスリット状のオリフィスを切り込んで内部と外部を連通している。切り込みは先窄まりの内底面が始まる位置近辺まで達しており、180度の角度で拡がっている。このようなノズルは一般に、中央と両端の3個所で噴霧量が多くなる。特許文献3では略球面状の内底面を2段重ね状態で形成することにより、噴霧量の均一化を図っている。
【0005】
特許文献4のノズルは、特許文献3のノズルとほぼ同一のエアゾール装置のノズルであるが、スリットの切り込み深さをかなり浅くしている。それにより、切り込みによる開口は、半球状または半円柱状の内底面(流出先端部)の中心に対する角度(接触角度)が90度程度となる。そしてそれにより、噴射角度の広がりを所望の範囲に設定できるとしている。特許文献5は、噴射ノズルの先端部の外面形状を球面などにし、スリットの溝の深さを中心部から側端部に向かって減少させ、それにより噴射量の均一化を図ることを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−113993号公報
【特許文献2】実公昭42−9484号公報
【特許文献3】特開昭61−161162号公報
【特許文献4】特開2001−205145号公報
【特許文献5】特開2006−320775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ノズルの先端にスリットを形成して、薄く拡がり角度が大きい噴霧パターンを得ようとする場合、中心部では噴射速度が速いため、噴霧量がとくに多くなる。また、両端の噴霧量も比較的多くなり、中心部と両端の間では噴霧量が少なくなる。したがって空中に殺虫剤などを噴霧する場合、噴霧量に濃淡の差が生じ、部分的に高濃度になることがある。本発明は厚さが薄く、広い角度で噴霧することができ、しかも従来品よりも噴霧量をさらに均一にすることができるエアゾール装置のノズルを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のエアゾール装置のノズルは、内容物を通す通路と、その通路の先端近辺に設けられる先細のテーパ部と、そのテーパ部の先端から延びる小径の噴孔通路と、その噴孔通路の開口端である噴孔と外部空間とを連通するスリット通路とを備え、前記テーパ部の内面の延長線が前記噴孔内またはスリット通路内を通ることを特徴としている(請求項1)。
【0009】
このようなエアゾール装置のノズルにおいては、前記スリット通路の幅が噴孔の内径より小さく、噴孔がスリット通路を除いて塞がれているものが好ましい(請求項2)。
【0010】
また、前記スリット通路が噴孔を囲む壁体に切り込まれているものであってもよい(請求項3)。
【発明の効果】
【0011】
本発明のエアゾール装置のノズル(請求項1)では、通路を通って噴出する内容物が一旦テーパ部で絞られ、噴孔通路を通り、噴孔から外部に出るときにスリット通路で薄く引き延ばされるようにして大きい角度で拡がる。そのとき、テーパ部の内面に沿って進行した内容物は、噴孔通路内に入った後もそのまま真っ直ぐに進行し、噴孔通路の内壁に衝突せずに噴孔の直前で交差し、その後は拡がりながら進行する。そしてスリット通路に入ってきた内容物は、そのままテーパ部の内面の延長方向に拡がる。他方、スリット通路を構成する壁にぶつかった内容物は、それ以後は壁に沿うように進行する。
【0012】
上記のように、本発明のノズルでは、噴孔があたかも凸レンズの焦点のように作用し、内容物はテーパ部で収束した後、延長方向に拡がる。したがって噴霧される内容物の速度がそれほど速くなくても、テーパ部から噴孔通路を通過することに流速が速くなり、広い範囲にスムーズに、かつ、薄く拡がる。その結果、噴霧パターンの中心部で内容物の流量がとくに多くなることがなく、周縁部で流量が多くなることもない。そして内容物粒子がほぼ均一に分布する偏平で広い角度のパターンで噴霧されることになる。
【0013】
なお、本発明のノズルでは、大気中に噴射された内容物は周縁部では真っ直ぐに拡がるのではなく、円弧状あるいは放物線状に中心側にいくらか収束しながら進行する。必ずしも明確ではないが、このような作用により、中心部、周縁部およびその他の部位の流量がほぼ均一化されていると考えられる。
【0014】
前記スリット通路の幅が噴孔の内径より小さく、噴孔がスリット通路を構成するべく対向する一対の壁体によって塞がれている場合(請求項2)は、噴孔の直前で公差した内容物がスリット通路で拡がりやすい。また、噴孔の径を変えずにスリット通路の間隔を小さくすることができる。そのため、噴孔の径を気にせずにテーパ部の内面の角度を比較的自由に設定することができる。したがって設計の自由度が高い。
【0015】
前記スリット通路が噴孔を構成する周囲の壁体に切り込まれている場合(請求項3)は、スリット通路に対応する部分で噴孔通路の長さを短くするなどの調整ができる。そのため、噴孔における凸レンズ的作用を損なわずにテーパ部の内面角度の設計自由度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のノズルの一実施形態を示す断面側面図である。
【図2】図2aおよび図2bはそれぞれ図1のノズルの断面平面図および正面図である。
【図3】図1のノズルを備えた操作部材の組み立て前の状態を示す一部断面斜視図である。
【図4】その操作部材の組み立て後の一部断面斜視図である。
【図5】その操作部材の組み立て後の全体斜視図である。
【図6】本発明のノズルを備えたエアゾール装置の使用状態を示す斜視図である。
【図7】本発明のノズルを備えた操作部材の他の実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1、図2aおよび図2bに示すノズル10は、エアゾール装置用のものであり、図3などに示すように、押しボタン11にスペーサ12と一緒に取り付けて用いられる。このノズル10は略円板状を呈しており、背面(図1の左側)には押しボタンまたはスペーサ12に嵌合する嵌合突起13が突出している。前面(図1の右側)にはスリット通路14を構成するための小突起15が突出している。
【0018】
ノズル10の内部には、内容物を通すための略円柱状の通路16と、その通路16の先端に設けられる先細のテーパ部17と、そのテーパ部17の先端から延びる小径の噴孔通路18と、その噴孔通路の開口端である噴孔と外部空間とを連通する前記スリット通路14とが形成されている。これらの通路16、テーパ部17、噴孔通路18およびスリット通路14はノズル10を構成する物体内に形成される空洞ないし空間である。テーパ部17は円錐台状であり、噴孔通路18は円柱状である。なお、テーパ部17の内面に突起や溝を設けて内容物の流れを制御してもよい。この実施形態ではスリット通路14は縦向きであり、前側は小突起15の前面で外部空間に開放され、上下端は小突起15の外周面で開放されている。このように小突起14はスリット通路14の範囲、とくに長さLsを定めるものである。
【0019】
図2aに示すように、スリット通路14の断面形状は略矩形状で、深さDpは幅Bの1.5〜5倍である。1.5倍よりも小さい場合はスリット通路による噴霧パターンの角度を大きくする効果が得られにくく、5倍よりも大きい場合はスリット通路14に沿って流れる内容物量が多くなり両端の濃度が濃くなりやすい。スリット通路14の底面14aは、図1に示すように平坦である。なお、スリット通路14の幅Bは0.1〜1mmであり、深さは0.3〜3mm程度である。この実施形態ではスリット通路14の幅Bおよび深さDpは実質的に一定である。通路16は押しボタンやスペーサを介してエアゾール容器本体と連通させるため、後部側で開口している。噴孔通路18の径dfは通路16の内径dtよりかなり小さく、df/dt=0.1〜0.5である。そして噴孔の径dfはスリット通路14の幅Bより大きい。そのため、噴孔はスリット通路14を除き、底部19によって塞がっている。この実施形態では噴孔通路18はほとんどが小突起15内に形成されている。また、スリット通路14の底面14aと噴孔通路の底面(噴孔)18aとが同一面とされている。スリット通路14の底面14aのうち、噴孔と重なる部位は、図2bに示すようにスリット通路14を通じて外部に開放される開口18bである。
【0020】
図1および図2に示すように、テーパ部17の内面の延長線Pは、噴孔通路18内を通り、噴孔の直前で交差している。したがって通路を通ってくる内容物(エアゾール組成物)のうち通路内壁近辺を流れる内容物はテーパ部に沿って収束し、また、通路の中心部を流れる内容物と合流し、噴孔通路18内で流速が速くなる。そしてスリット通路14の直前から拡がりながらスリット通路14内に入り、スムーズにスリット通路14の長手方向に拡がり、偏平で上下に細長く延びた噴霧パターンで吐出される。
【0021】
図1に拡大して示すように、通路16の内径dtは1〜5mm程度であり、好ましくは2〜4mm程度である。通路の内径がその範囲より大きい場合は単位時間当たりの噴霧量が多く、噴霧操作を止めた後でも噴霧が続くおつり現象が生じ、消費者の意図に反して噴霧量が多くなる。逆に通路の内径がその範囲より小さい場合は単位時間当たりの噴霧量が少なくなり広角に噴射できなくなる。また、通路16の長さL1は5〜50mm程度、さらに好ましくは10〜40mm程度である。長すぎる場合は噴霧操作を止めた後でも噴霧が続くおつり現象が生じ易く、短すぎる場合は後述するステム嵌合孔から流れる内容物が上端部と衝突して直角に方向を変えるが、通路と同じ方向に安定して流れずテーパ部の作用が得られにくくなる。
【0022】
噴孔通路18の内径dfは0.3〜1.5mm程度である。太すぎる場合はテーパ部による収束が不充分な状態で外部に開放されるため噴霧物の濃度差が生じやすくなり、細すぎる場合は拡がりにくくなる。噴孔通路18の長さL2は0.5〜3mm程度である。長すぎるとテーパ部の内面の延長線Pが噴孔通路と交わりやすくなるため内容物の流速が低下したり、噴孔と同じ方向にしか流れず拡がりにくくなり、短すぎるとテーパ部から収束途中で外部に開放されるため噴霧物の濃度差が生じやすくなる。
【0023】
テーパ部17の長さL3は1〜5mm程度、テーパ角度θは20〜60度程度である。テーパ部17の長さL3は噴孔通路18の長さL2よりも長いほうが好ましく、短い場合は噴孔通路18で内容物の拡がりが抑えられ、噴霧の拡がりが小さくなりやすい。なお、通路の径(dt)、噴孔通路の径(df)と長さ(L2)、テーパ部の長さ(L3)と角度(θ)の関係として、つぎの(1)式を満たすものが好ましい。
tan(θ/2)<(dt+df)/(2×(L2+L3)) (1)
この(1)式を満たす場合はテーパ部の内面の延長線が噴孔の内側を通り、スリット通路で拡がって広角に噴霧することができる。向かい合う延長線同士は噴孔通路内で交差する。また、
tan(θ/2)<(dt+B)/(2×(L2+L3)) (2)
とする場合は、より噴孔に近い位置でテーパ面の延長線同士が交差するため、スリット通路内に拡がりながら流れやすくなり、広角に噴射できる。さらに
tan(θ/2)<(dt−B)/(2×(L2+L3)) (3)
とする場合は、延長線同士がスリット通路内で交差する。この場合はスリット通路による噴射方向の制御が効きにくくなる半面、広角に噴射することができる。
【0024】
ノズル10はたとえばポリアセタール、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂から、射出成形などによって製造することができる。成形する金型としては、通路16、テーパ部17および噴孔通路18を形成する軸状の部材がノズルの背面を形成する金型の内面から突出したものが用いられる。また、スリット通路14を形成する板状の部材は前面を形成する金型の内面から突出したものが用いられる。そして成形時には軸状の部材と板状の部材が当接して、連通する空洞を形成する。
【0025】
上記のように構成されるノズル10は、図3〜5に示すように、スペーサ12を介して押しボタン11に取り付けられ、全体としてエアゾール装置の操作部材20となる。この実施形態ではスペーサ12は円柱状の部材であり、中心にノズル10の通路16に連通する通路21を備え、先端にノズルの嵌合突起13が嵌合される凹部22を備えている。スペーサ12の後端からは、押しボタン11に嵌合する嵌合突起23が突出している。押しボタン11の前面には、スペーサ12の嵌合突起23が嵌合する凹部24が形成され、その中央にスペーサ12の通路21と連通する吐出通路25が開口している。底面には、エアゾールバルブのステムと嵌合するステム嵌合孔26が開口している。吐出通路25とステム嵌合孔26から上方に延びる通路27とは、従来公知の押しボタンと同様に、L字状に配置され、互いに連通している。
【0026】
ノズル10、スペーサ12、押しボタン11は、図4および図5に示すように組み立てられて操作部材20となる。この実施形態ではノズル10のスリット通路14は縦向きにしている。図示していないが、ノズル10とスペーサ12、スペーサ12と押しボタン11は、それぞれ嵌合突起12、23の外周に形成した突条を凹部22、24に形成した環状凹溝に弾力的に係合させるなどにより、着脱自在に、また、軸回りの角度は自由に変更できるように構成することができる。ただしノズル10とスペーサ12を一体成形したり、スペーサ12と押しボタン11を一体成形することもできる。
【0027】
図6は図5の操作部材20を用いたエアゾール製品30を示している。このエアゾール製品30は、円筒状の容器本体31と、その上端に取り付けたエアゾールバルブ32と、そのエアゾールバルブのステムに嵌着した操作部材20と、容器本体31に充填したエアゾール組成物とからなる。操作部材20を除く容器本体31、エアゾールバルブ32、エアゾール組成物はいずれも公知のものを使用しうる。容器本体31内に充填されるエアゾール組成物は、エタノール、精製水、灯油などの溶媒に、消臭成分、香料、殺虫成分、害虫忌避成分などの有効成分を 添加した原液と、液化石油ガス、ジメチルエーテルなどの噴射剤とからなり、本発明のノズルの効果が得られやすく広角で霧状に噴霧するために噴射剤をエアゾール組成物中30〜80重量%含有するものを採用することが好ましい。
【0028】
操作方法は通常のエアゾール製品と同様であり、容器本体31を手で持ち、押しボタン11の上端を人差し指で押し下げる。それによりエアゾール組成物がステムを通って押しボタン11のステム嵌合孔26に入り、さらに吐出通路25およびスペーサ12を通ってノズル10の通路16に入る。
【0029】
そしてエアゾール組成物がテーパ部17および噴孔通路18を通って開口18bからスリット通路14内に噴出される。そしてスリット通路14内で長手方向に拡がり、薄く上下に長いパターンで噴射される。噴霧Mは、スリット通路14で上下に拡げられるので、拡がり角度θrが90〜130度程度と、ノズル10のテーパ部17のテーパ角度(図1のθ)よりも広くなっている。さらに噴霧Mの上縁Muおよび下縁Mdは、前方に進むに従って中央側に寄るように円弧状に湾曲している。この円弧は、たとえば5〜15cm程度の曲率半径rを有するものが好ましく、それによって噴射される微粒子の分布が均一になる。そして図6のように押しボタン11を押してエアゾール組成物を噴霧しながら握っている容器本体31を左右に振れば、室内などの広い空間にほぼ均一に噴霧することができる。
【0030】
前記上縁Muおよび下縁Mdの形状は、噴霧速度、エアゾール容器の内外の圧力差、噴孔の内径、絞り率、エアゾール組成物の粘度、表面張力など、種々の条件によって変る。たとえば噴霧速度が速くなれば直線に近くなる。そのため、噴射させるエアゾール組成物によって、適切な条件を選択する。
【0031】
図1などのノズル10では、スリット通路14の底面14aと噴孔通路18の底面18aとが同一面とされているが、図2aの想像線のように、スリット通路14の底面14aを噴孔通路18の底面18aより深く切り込むようにしてもよい。その場合はスリット通路に対応する部分で噴孔通路の長さがいくらか短くなる。そのため、噴孔通路における凸レンズ的作用を損なわずにテーパ部の内面角度の設計自由度を高くすることができる。
【0032】
また、スリット通路14の内壁面は平行であるが、外側に向かって拡がるように角度をつけてもよい。その場合の角度は5〜30度程度とするのが好ましい。前記実施形態ではノズル10やスペーサ12は合成樹脂製であるが、金属で成形することもできる。
【0033】
図3などのスペーサ12は、図6のように上下に長いパターンの噴霧の下縁Mdが容器本体31に当たるのを防止するべく噴孔を前方に配置するためのものである。しかし容器本体31が細い、あるいは押しボタンが高いなどの場合は、図7に示す操作部材33のようにスペーサ12を省略することもできる。この操作部材33は、ノズル10を押しボタン11に直接装着したものである。図3の操作部材20と比べると、ノズルの嵌合突起13を長くし、押しボタン11の凹部24を深くしている。この図7の操作部材33も、エアゾール装置のバルブのステムに取り付けると、図6のエアゾール製品30と同様に上下に細長く、左右に薄い噴霧パターンで噴霧することができる。
【符号の説明】
【0034】
10 ノズル
11 押しボタン
12 スペーサ
13 嵌合突起
14 スリット通路
14a スリット通路の底面
15 小突起
16 通路
17 テーパ部
18 噴孔通路
Ls スリット通路の長さ
Dp スリット通路の深さ
df 噴孔通路の径
L2 噴孔通路の長さ
dt 通路の内径
L1 通路の長さ
B スリット通路の幅
18a 噴孔通路の底面(噴孔)
18b (噴孔からスリット通路への)開口
P テーパ部の延長線
L3 テーパ部の長さ
θ テーパ角度
19 底部
20 操作部材
21 通路
22 凹部
23 嵌合突起
24 凹部
25 吐出通路
26 ステム嵌合孔
27 通路
30 エアゾール製品
31 容器本体
32 エアゾールバルブ
33 操作部材
θr 噴霧の拡がり角度
M 噴霧
Mu 噴霧の上縁
Md 噴霧の下縁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を通す通路と、その通路の先端近辺に設けられる先細のテーパ部と、そのテーパ部の先端から延びる小径の噴孔通路と、その噴孔通路の開口端である噴孔と外部空間とを連通するスリット通路とを備え、
前記テーパ部の内面の延長線が前記噴孔内またはスリット通路内を通るエアゾール装置のノズル。
【請求項2】
前記スリット通路の幅が噴孔の内径より小さく、噴孔がスリット通路を除いて塞がれている請求項1記載のエアゾール装置のノズル。
【請求項3】
前記スリット通路が噴孔を囲む壁体に切り込まれている請求項1または2記載のエアゾール装置のノズル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−36789(P2011−36789A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186172(P2009−186172)
【出願日】平成21年8月10日(2009.8.10)
【出願人】(391021031)株式会社ダイゾー (130)
【Fターム(参考)】