説明

エピタキシャル成長方法及びエピタキシャルウェハ

【課題】反応ガス下で基板を回転させる横型MOCVD炉を用いて結晶性が高く、かつ、面内のAl組成分布が均一な化合物半導体ウェハを得る。
【解決手段】公転速度を高めることにより、膜厚方向における組成(x値)の均一性を高めることができることは明らかであるが、これにより、成長層(AlGaN)の結晶性は充分とはならない。これに対して、本実施の形態のエピタキシャル成長方法では、膜厚方向における組成の均一性が最適とならない条件で公転を行い、成長層の結晶性を向上させる。実状態の速度比(成長温度(基板温度)における反応ガス流束と基板の交播速度との比)が172.0より大きく859.8以下となる場合、かつ1回転当たりの成長原子層数が10層以上である場合に特に良好な結果(高い結晶性、高いキャリア濃度)が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化合物半導体を基板上にエピタキシャル成長させるエピタキシャル成長方法、及びこのエピタキシャル成長方法によって製造されたエピタキシャルウェハに関する。
【背景技術】
【0002】
GaNに代表されるIII族窒化物半導体は、そのバンドギャップが広いために、紫外、青色、緑色等のLED(発光ダイオード)、LD(レーザーダイオード)等の発光素子やパワー素子の材料として広く用いられている。シリコン等を用いたLSI等の半導体装置を製造するに際しては、大口径のバルク結晶を切り出して得られた大口径のウェハが用いられるのに対して、こうした化合物半導体においては、大口径(例えば4インチ径以上)のバルク結晶を得ることが困難である。このため、こうした化合物半導体を用いた半導体装置を製造するに際しては、これと異なる材料からなる基板上にこの化合物半導体をエピタキシャル成長(ヘテロエピタキシャル成長)させたウェハを用いるのが一般的である。
【0003】
III族窒化物半導体に対するエピタキシャル成長方法としては、MBE(分子線エピタキシー法)やMOCVD(有機金属化学気相成長法)が知られている。この中で、MOCVD法は、MBE法よりも量産性が高いため、好ましく用いられている。MOCVD法に用いられる炉には、鉛直方向に反応ガスを流す縦型炉と、水平方向に反応ガスを流す横型炉がある。
【0004】
縦型炉や横型炉の構成は、例えば特許文献1に記載されている。例えばAlGa1−xN(以下、AlGaN)を用いたLEDを製造する場合、サファイアやシリコン等の基板上に緩衝層を介してn型AlGaNを成長させる。更にこの上にp型AlGaNを成長させる。n型AlGaN、p型AlGaNのどちらを成長させる場合にも、MOCVD法で同様に行うことができるため、これらを同一炉内で連続して成長させることもできる。AlGaNの原料ガスとしては、Al用にTMA(トリメチルアルミニウム)、Ga用にTMG(トリメチルガリウム)、N用にNH(アンモニア)等が用いられる。また、伝導型(n型、p型)やそのキャリア濃度制御用の不純物(Si、Mg)の原料ガスも同時に用いられる。更にこれらのガスがH等のキャリアガスと混合された反応ガスとなって基板上を通過する構成とされる。基板となるのは、前記のLEDの例では、n型AlGaNを成長させる場合にはサファイア等、p型AlGaNを成長させる場合には、n型あるいはi型AlGaN層が形成されたサファイア等である。
【0005】
図1(a)(b)(c)は、横型炉(横型MOCVD炉)の構成を模式化して示した図である。横型炉は、特に量産性に優れているため好ましく用いられている。図1(a)の構成においては、上記のガスの混合ガスである反応ガスは太い矢印の方向に流される。基板11は、ヒーター21と一体化されたトレイ22上に設置される。この場合、反応ガスは、トレイ22の上を図中左側から右側に向かって流れる。この中で、ヒーター21及びトレイ22は、回転軸23によって矢印で示されるような公転運動をする。トレイ22上には、図示されるように複数枚あるいは1枚の基板11を設置することができる。これにより、量産性を高めることができる。
【0006】
図1(b)、(c)の構成においては、トレイ22の中心軸上を、上側から下側((b)の場合)、開口した回転軸付近に沿って下側から上側((c)の場合)に向かって反応ガスが供給される。基板11は、図示されるように各々が自転運動をする。これらの構成においては、反応ガスはトレイ22の中心からその周辺部に向かって放射状に流れる。この中での反応ガスの流れと基板11の関係は、図1(a)の場合と同様である。なお、これらの構成の場合には、トレイ22が自転運動をする(基板11が公転運動をする)場合であっても、状況は同様である。図1(a)(b)(c)のいずれかの構成を用いるかは、その目的や仕様によって適宜定められる。また、(a)(b)(c)の配置を上下反転させてウェハが下向きに配置される形態としてもよい。
【0007】
どの場合においても、エピタキシャル成長には基板11の温度が大きく影響を与えるが、これはヒーター21により制御され、最適な結晶成長が行われる温度(成長温度)に設定される。これにより、基板11上にAlGaNからなる成長層が形成されたウェハ(エピタキシャルウェハ)を同時に複数枚得ることができる。
【0008】
例えばAlGaNのような3元系の化合物半導体を成長させる場合、その組成をウェハ間、あるいはウェハ内で均一とすることが必要である。しかしながら、上流側において結晶成長で消費されたガスが下流側に流れるため、上流側における基板11上におけるガス組成と下流側における基板11上におけるガス組成とは異なる。上記のガスを用いる場合、このガス組成の不均一が最も顕著となるのは、消費率の高いTMA(Al用原料ガス)であり、その組成比率の分布は、基板11上で、図1(a)(b)(c)の上側に示された通りとなる。すなわち、図1(a)の場合には、右側でAl組成が小さくなり、図1(b)(c)の場合には、トレイ22の中心から外側に向かってAl組成が小さくなる。このため、図1のどの構成においても、AlGa1−xNのx値が不均一となる可能性がある。x値が不均一となれば、発光波長が均一ではなくなるために、本来使用すべき波長における発光強度が低下する。また、組成の不均一に起因する結晶欠陥が発生するおそれもある。
【0009】
これに対して、図1(a)の構成においては、トレイ22を回転させ、基板11を公転運動させることにより、この不均一性を低減させている。図1(b)(c)の構成においては、基板11を自転運動させることにより、この不均一性を低減させている。すなわち、これらの公転運動や自転運動を行わせることにより、複数枚のウェハ間、ウェハ内の組成(x値)不均一性を低減させた多数のウェハを同時に得ることができる。
【0010】
そして、膜厚方向における組成均一性を向上させるためには、公転速度や自転速度を高めることが有効であった。この場合、これらを高めることにより、1回転当たりで形成される膜厚を例えば原子層で3層以下となる程度に薄くすれば、膜厚方向における組成の均一性は実質的に問題のない程度となる。すなわち、基板11の公転速度を高めることによって、膜厚方向における組成の均一性は高めることができる。
【0011】
【特許文献1】特開平10−167897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記の条件によって膜厚方向における組成の均一な成長層は得られるものの、層流性が減少し、得られる成長層中の結晶欠陥の数も多くなるために、例えばLEDを製造する場合、充分な発光量子効率を得ることは困難であった。また、反応ガスの流れが遠心力の影響を受け、面内方向でAl組成が偏る場合もあった。すなわち、公転や自転の速度を高めることによって結晶性の高い化合物半導体を、ウェハ面内にわたり歩留まり良く得ることは困難であった。
【0013】
すなわち、反応ガス下で基板を回転させる横型CVD炉を用いて結晶性と面内のAl組成分布とが共に良好な化合物半導体を得ることは困難であった。
【0014】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明のエピタキシャル成長方法は、トレイ上に基板を載置し、当該基板を公転運動又は自転運動させ、前記基板表面と平行な方向に反応ガスを流し、前記基板を予め設定された成長温度に保持して前記基板上にAlGa1−xN(0<x<1)をエピタキシャル成長させるエピタキシャル成長方法であって、前記公転運動又は自転運動の1回転あたりの成長原子層数が10層より大きく、かつ、前記成長温度における前記反応ガスの前記基板上における流速の、前記公転運動又は自転運動による前記基板の外周の速度に対する比率が172.0より大きく859.8以下の範囲とすることを特徴とする。
本発明のエピタキシャル成長方法において、前記反応ガスは、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMG(トリメチルガリウム)、NH(アンモニア)を含む混合ガスであることを特徴とする。
本発明のエピタキシャルウェハは、前記エピタキシャル成長方法によって製造されたことを特徴とする。
本発明のエピタキシャルウェハは、前記エピタキシャル成長方法によって製造され、深さ方向におけるAl組成が周期的に変調され、前記Al組成の変調の振幅がウェハ面内で不均一であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は以上のように構成されているので、反応ガス下で基板を回転させる横型MOCVD炉を用いて結晶性が高く、かつ、面内のAl組成分布が均一な化合物半導体ウェハを得ることができ、LEDの生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態及び従来のエピタキシャル成長方法において使用される横型炉の構成を模式的に示す図である。
【図2】ウェハ上の各点の変位の時間経過(上側)、膜厚方向の組成分布(下側)の関係を回転速度毎に模式的に示す図である。
【図3】試料1〜6におけるウェハ面内の組成分布を示す図である。
【図4】試料3における深さ方向の組成分布を外周側(a)、中心軸側(b)で測定した結果を示す図である。
【図5】試料2〜4と試料1(10rpm)における組成とキャリア濃度との関係を測定した結果を示す図である。
【図6】試料1〜5において実測されたフォトルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図7】フォトルミネッセンススペクトルの形状の詳細を試料2〜4(a)、試料1、5(b)について示す図である。
【図8】LEDにおけるp型AlGaN層を10rpmで形成した場合(a)と3rpmで形成した場合(b)に得られた発光量子効率の面内分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係るエピタキシャル成長方法について説明する。このエピタキシャル成長方法を実現するエピタキシャル成長装置の構成は、図1(a)に記載の従来の横型炉と同様である。すなわち、反応ガスが水平方向に流され、回転するトレイ22上に基板11が複数枚もしくは1枚設置される。トレイ22の下にはヒーター21が設けられ、トレイ22とヒーター21とは一体化され、鉛直方向に設けられた回転軸23で回転運動をする。これにより、基板11は回転軸23を軸にして反応ガス下で公転運動をする。反応ガスは上流側の噴出口(図示せず)から噴出し、下流側で排気される。また、図1(b)(c)に記載の構成を用いることもできる。この場合には、回転しないトレイ22の中心軸上を、上側から下側にあるいは下側から上側に向かって反応ガスが供給される。基板11は、図示されるように各々が自転運動をする。なお、これらと反応ガスの流れる方向が異なる2フロー成長などの成長方法は原理的に適合しない。
【0019】
ここでは、基板11の上にAlGa1−xN(以下、AlGaN)が成長層としてエピタキシャル成長する構成とされる。ここで、0<x<1である。例えばAlGaNを用いたLEDを製造する場合、サファイアやシリコン上に緩衝層を介してn型ないしはi型AlGaNが形成され、更にこの上にp型AlGaNが形成される。この場合、n型AlGaNを成長させる場合の基板11は、サファイアやシリコン基板(あるいはこの上に緩衝層が形成された基板)であり、p型AlGaNを成長させる場合の基板としてはn型AlGaNが形成されたサファイアやシリコン基板等となる。n型AlGaNとp型AlGaNとを同一の炉内で連続して形成することも可能である。なお、緩衝層上に初めに形成するのはi型AlGaNでもよく、n型AlGaNとp型AlGaNの順序を逆転させてもよい。すなわち、AlGaN層におけるn型層、p型層の順序や構成は、LEDの構造に応じて適宜設定が可能である。
【0020】
AlGaN成長のために用いられる反応ガスは、成長層を形成する材料の原料となる原料ガスと、原料ガスを希釈して輸送するためのキャリアとなるキャリアガスの混合ガスである。原料ガスとしては、Al用にTMA(トリメチルアルミニウム)、Ga用にTMG(トリメチルガリウム)、N用にNH(アンモニア)等が用いられる。キャリアガスとしては、水素(H)や窒素(N)が用いられる。なお、n型AlGaNを成長させる場合にはn型ドーパントの原料ガス、p型AlGaNを成長させる場合にはp型ドーパントの原料ガスがそれぞれ混合される。AlGa1−xNにおけるx値(Al組成)は、大雑把には、TMA/(TMA+TMG)の原料ガス組成比で定まる。
【0021】
ヒーター21で設定される基板11の温度(成長温度)は、最も良好な結晶性でAlGaNが得られる温度(800〜1200℃)とされ、例えば1050℃程度とする。
【0022】
ここで、成長層(AlGa1−xN)におけるx値は、厳密には、基板11上に導入される前の反応ガスにおけるTMAのガス組成比ではなく、成長時点での基板11上の反応ガス中におけるTMAのガス組成比で定まる。このガス組成比は、反応ガスの上流側(図中左側)で高く、下流では上流でこれが消費された反応ガスが流れるため、低くなる。同様のことはTMG(Ga原料ガス)、NH(N原料ガス)にもいえるものの、AlGaNを成長させる場合に一般に最も原料ガスの消費量が大きいのはTMAであるため、公転運動や自転運動を行わない場合には、図1(a)(b)(c)上側に示されるように、上流側でxが大きく、下流側でxが小さくなる。これに対して、上記の製造方法においては、基板11を回転軸23を軸に公転運動、あるいは基板11を自転運動させることにより、これを改善している。
【0023】
これらの回転速度を高めることにより、膜厚方向における組成(x値)の均一性を高めることができることは明らかであるが、これにより、成長層(AlGaN)の結晶性は充分とはならない。これに対して、本実施の形態のエピタキシャル成長方法では、あえて膜厚方向における組成の均一性が最適とならない条件で回転運動を行い、成長層の結晶性を向上させる。
【0024】
以下に、この原理について説明する。図2(a)〜(d)は、図1(a)の構成において公転速度が(a)から(d)の順に公転速度が高くなった場合における基板11の各点における変位(上側)の時間経過、膜厚方向の組成分布(x値:下側)を模式的に示す図である。この変位が最も顕著となるのは、基板11の外周部(トレイ22の外側)であるため、この点の運動を元に考慮するのが適切である。図1(b)(c)の場合においては、この公転運動が基板11の自転運動に変わったものとして同様に考えることができる。
【0025】
ここで、変位の時間経過(上側)においては、公転運動による水平方向の変位が模式的に表されており、実際の変位は水平方向における公転運動の範囲内で行われる。この公転運動において基板11上の各点が水平方向で変位する範囲はどの公転速度であっても同様である。このため、変位の時間経過における振動の振幅は図2(a)〜(d)において変わらない。
【0026】
また、膜厚方向の組成分布(下側)において、膜厚方向深さは、変位の時間経過(上側)における時間経過と対応することは明らかである。このため、どの場合においても、組成は公転速度に対応する周期Tで変調され、最も遅い場合(a)には、変調振幅Aも大きい。公転速度を高めると、変調周期は短くなる。一方、原子層1層が形成されるのに要する時間は変わらないために、形成された1層における組成は、この時間内における平均の反応ガス組成を反映する。このため、反応ガス組成が短い周期で変動しても、成長層の組成には反映されにくくなる。このため、公転速度を高めた場合には、変調周期Tは短くなり、かつ変調振幅Aは小さくなる。このため、図2(a)の状態から公転速度を高めると図2(b)、(c)の通りの組成分布となる。すなわち、公転速度が無限大となった場合には、完全に均一な組成(d)が得られるものと予想される。なお、公転運動のみを用いる場合には基板11の各点上における反応ガス組成の遍歴を完全に均一とすることは実際には困難であるため、実際には図2(d)に示される均一な組成を得ることは困難であるが、上記はこれを簡略化した説明である。
【0027】
なお、1原子層が形成されるのに要する時間が極端に遅い場合は図2のような区別がつきにくくなるため、回転数の影響が小さくなる。変調周期Tの間において有意の厚さの原子層が形成されるために有意な大きさの変調振幅Aが発生する場合、例えば、1回転(1周期)あたり10原子層以上形成される条件において特にこの回転数の影響が大きい。
【0028】
しかしながら、公転速度を高めた場合、得られる成長層の結晶性は良好とはならない。この原因の一つは、公転速度が高い場合に反応ガスと基板11界面で発生する乱流(渦流)の影響である。この乱流によって、ミクロに見た場合には反応ガスと基板11表面における反応は均一とはならずに、局所的な結晶欠陥が発生する。あるいは、局所的な組成の不均一が生じ、これによる結晶欠陥が発生する。
【0029】
また、公転速度が高い場合には、図2(b)(c)に示されるように、ある1点の深さにおける組成変動率は大きくなる。このため、この急峻な組成変動に伴うミスフィット転位が生じやすくなる。
【0030】
こうした乱流の影響とミスフィット転位の影響を低減するためには、公転速度が低い方が有利である。しかしながら、この場合には、図2(a)に示されるように、組成の変調振幅は大きくなる。このため、公転速度には最適な範囲が存在する。
【0031】
発明者は、上記の点を考慮し、最も良好な結晶性の得られる公転(自転)速度の範囲を見出した。以下、その実験結果について説明する。ここでは、公転(自転)速度を変えてp型AlGaNを基板上に成長させた。ここで、公転(自転)速度以外の条件は全て同一とした。表1は、図1(a)の構成において、公転速度を10〜0rpmとした場合(試料1、2、3、4、5)において得られた成長層の膜厚分布等を示す。また、試料6は、図1(b)に示されたような、公転運動を行わずに基板11の自転運動のみを行った構成(自転速度10rpm)を用いた場合の結果である。ここで、原料ガスは、標準条件においては、TMA/TMG/NH=1/1/2500の比率(モル比)とし、圧力は100kPa、基板温度は1050℃とし、成長時間は120minとした。ただし、試料1−1、1−2においては、試料1と同様の条件下で原料ガス流量と成長時間のみを変え、原料ガス流量を1/2、成長時間を2倍(試料1−1)、原料ガス流量を4倍、成長時間を1/4倍(試料1−2)としている。同様に、試料3−1、3−2においては、試料3と同様の条件下において、原料ガス流量を1/3、成長時間を3倍(試料3−1)、原料ガス流量を1/5、成長時間を5倍(試料3−2)としている。なお、原料ガス流量のみを変更に合わせてキャリアガス流量を調整し、原料ガスとキャリアガスを含めた反応ガス流量は変えていない。
【0032】
また、p型ドーパントとしてMgを添加し、その原料ガスとしてCp2Mg(ビスシクロペンタジエチルマグネシウム)を用いた。なお、反応ガスの流速は、これらTMA、TMG、NH、Cp2Mgのガスにキャリアガス(H、N)を加えた合計の標準状態(25℃、1気圧)における流量(slmまたはsccm)を、ウェハ上に反応ガスが流れる領域の断面積(例えば図1(a)ならばトレイ直径×ガスが流れる間隙の高さ)で割ることにより計算される。基板11としては、サファイア基板上にi型AlN層をエピタキシャル形成させたウェハを用いた。この条件で成長層を基板11上に成長させたウェハ(エピタキシャルウェハ)を得た。
【0033】
【表1】

【0034】
ここで、表1においては、回転速度に対応する量(試料6以外においては公転の回転速度(rpm)、試料6においては自転の回転速度(rpm)が記載されている。ここで、基板11上を反応ガスが流れる横型MOCVD炉において、図1(a)(b)(c)に共通して基板11の回転運動と反応ガスの流れとの関係を統一的に表す量としては、基板11の外周の速度(公転運動又は自転運動による基板11の外周の移動速度:交播速度)と、反応ガスの流速との比率が最適である。基板11上の反応ガスの流速は温度や圧力によって異なり、標準状態(25℃)と実際の反応温度(1050℃)とで異なる。上記の実験条件においては、この流速は標準状態(25℃、1気圧)で88cm/s、実際の反応温度においては391(=88×(1050+273(℃))/(25+273(℃)))cm/sとなる。表1における速度比(標準状態)とは、この交播速度に対する標準状態(25℃)でのこの反応ガスの流速の比であり、速度比(実状態)とは、この交播速度に対する反応温度におけるこの流速の比である。なお、原料ガス流量と成長時間以外は同一であるため、試料1と試料1−1、1−2における速度比(=反応ガス流速/交播速度)は同一となる。試料3と試料3−1、3−2についても同様である。
【0035】
この結果より、0rpmの場合(試料5)を除き、公転運動を行った試料1から4において、同一成長時間(120min)においては、平均厚さが同等の成長層が得られていることがわかる。基板11の自転のみを行っている試料6についても同様である。なお、試料1と試料1−1、1−2、試料3と試料3−1、3−2における成長速度は、原料ガス流量の大小関係と対応している。1回転あたりの成長原子層数は、成長速度を原子間距離(例えばc軸の格子定数0.518/4=0.1295nm)と回転数で割ることで求めることができる。
【0036】
次に、各試料における結晶性を評価した。結晶性の評価の基準としては、まず、ウルツ鉱構造の結晶型をもつAlGaNの(002)面と(102)面のロッキングカーブ半値幅を測定した(測定装置:ブルカー社製X線回折測定装置D8DISCOVER)。これらについては、ウェハの中心での値、面内平均値、標準偏差(σ:%)を測定した。また、直接結晶性を反映するものではないが、これに関連する量として、ウェハ反り量についても測定(測定装置:NIDEK社製反り測定装置FT−900)し、これについては、成長前(基板の状態)との差分として評価した。この結果を表2に示す。
【0037】
【表2】

【0038】
表2における(002)面と(102)面のロッキングカーブ半値幅の絶対値より、3〜1rpm(試料3、4)、及び10rpmの自転を行った試料6の場合に、(002)面の平均が200より小さく(102)面の平均も900より小さく、結晶性が良好であることがわかる。試料3−1は試料3に比べ(002)面における結晶性の悪化が見られるものの、(102)面の平均は900より小さく、結晶性が向上している。試料2については結晶性改善の傾向は見られるものの、その程度は試料1に比べて小さい。試料1−1、1−2は試料1に比べ結晶性が悪化している。試料3−2においても、試料3と比べて反り量と結晶性共に悪化している。また、反り量については、5〜1rpm(試料2、3、3−1、4)、及び10rpmの自転を行った試料6において、試料1に比べて小さな値が得られている。
【0039】
これらの試料においては、基板11として、AlN層が形成されたサファイア基板が用いられている。ここで成長されたAlGaN層は、下地となったAlN層よりも格子定数が大きく、この格子不整合のためにAlGaN成長後には反りが大きくなる。しかしながら、格子定数は厳密には転位、結晶欠陥、結晶面の配向等によって変化する。ここで試料2、3、3−1、4、及び10rpmの自転を行った試料6において反りが小さくなったことは、成長したAlGaN層とAlN層との格子不整合が小さくなったこと、あるいは結晶の配向の乱れが小さくなったことを意味している。
【0040】
次に、結晶性を反映する特性として、比抵抗及びこれから求めたキャリア濃度を測定した。周知のように、p型AlGaNにおいては、結晶欠陥が多くなると、これによりアクセプタ準位が補償されるために充分なキャリア濃度が得られないという現象が見られる。従って、充分なキャリア濃度を得るために、結晶欠陥を減らすことが必要となる。表3にこの結果について示す。ここでは、成長したAlGaN層に対して800℃のN雰囲気で熱処理を行った後にシート抵抗を測定(測定装置:リハイトン社製シート抵抗測定装置1310B)し、そのシート抵抗値からキャリア濃度を算出した。ここで、p型AlGaN層のうち0.5μmの厚さだけが活性化されたものとしてキャリア濃度を算出した。
【0041】
【表3】

【0042】
この結果より、試料3、3−1、4、及び10rpmの自転を行った試料6の場合に、高いキャリア濃度が得られている。特に、試料3、3−1、4におけるキャリア濃度向上の効果が高い。これは、これらの場合に成長層全体として結晶欠陥が少なくなっていることに起因する。すなわち、これらの場合には結晶欠陥が少なくなり、これによって高いキャリア濃度のp型AlGaNを得ることができる。また、10rpmの場合(試料1、1−1、1−2)においては、原料ガス流量(成長速度)を変えた場合でも、高いキャリア濃度は得られていない。一方、3rpmの場合(試料3、3−1、3−2)においては、原料ガス流量が比較的大きな場合(試料3、3−1)においてのみ高いキャリア濃度が得られており、原料ガス流量が小さな場合(試料3−2)においては、キャリア濃度はこれよりも低くなっている。
【0043】
次に、組成(x値)分布の実測値について説明する。膜厚方向における組成分布については図2に定性的に示した通りであるが、面内方向の組成(x値)分布について測定した。この組成分布については、フォトルミネッセンスのピーク波長(バンドギャップに対応)を測定し、AlGa1−xNのバンドギャップをEgとした場合にEg=xE+(1−x)E+bx(1−x)(ここで、E=6.20eV、E=3.39eV、b=1.0eV)となることから算出した。Eについては、「Optical properties of AlN epitaxial thin films in the vacuum ultraviolet region」、H.Yamashita、K.Fukui、S.Misawa、 and S.Yoshida、Journal of Applied Physics、vol.50、p896(1979年)、Eについては、「Fundamental energy gap of GaN from photoluminescence excitation spectra」、B.Monemar、Physical Review B、vol.10、p676(1974年)、bについては、「Energy band bowing parameter in AlGa1−XN alloys」、Feng Yun、Michael A.Reshchikov、Lei He、Thomas King、Hadis Morkoc、Steve W.Novak、and Luncun Wei、 Journal of Applied Physics、vol.92、p4837(2002年)に記載された値とした。組成についても、中心での値と、平均値、標準偏差(絶対値及び平均値に対する値(%))について算出した。結果を表4に示す。
【0044】
【表4】

【0045】
この結果より、面内の組成分布についても、試料3、3−1、3−2、4、及び10rpmの自転を行った試料6の場合に%σが10より小さく、均一な成長層が得られていることがわかる。10rpmの場合(試料1、1−1、1−2)には、原料ガス流量が小さな場合(試料1−1)には均一性が向上し、大きな場合(試料1−2)には均一性が劣化することが確認できる。これに対して、3rpmの場合(試料3、3−1、3−2)には、原料ガス流量が小さくなった場合に均一性はやや劣化するが、10rpmの場合と比べてその劣化の度合いは小さい。試料3−2は、面内の組成分布は向上しているものの、結晶性が悪化している。したがって、同じ回転数でも1回転あたりの成長原子層数が少なくとも10層より大きくなければ、結晶性と面内の組成分布を共に向上させることができないことがわかる。
【0046】
図3は、実際の組成xの面内分布を、トレイ22の中心から外側に向かって測定した結果を、試料1、2、3、4、5について示した図である。
【0047】
この結果より、面内組成分布についても、10rpmと5rpm(試料1、2)に対して3rpmと1rpm(試料3、4)の場合に最も良好(均一)な結果が得られている。0rpmで不均一となることは当然であるが、高い公転速度で面内均一性が悪くなることは、乱流(渦流)の影響によると考えられる。すなわち、上記のエピタキシャル成長方法においては、反応ガスに発生する乱流の影響が大きいため、公転速度は5rpmより小さい(速度比は172より大きい)ことが好ましい。
【0048】
この最適な回転(公転、自転)速度は、トレイ22や基板11の大きさ、結晶成長温度等の成長条件等によって異なる場合がある。こうした場合においても、上記のメカニズムにより、同様の反応速度分布となる場合に、同様の効果が得られる。同様の反応速度分布が得られる場合とは、表1における実状態の速度比(成長温度(基板温度)における反応ガス流束と基板11の交播速度との比)が同じ場合であると考えられる。このため、表1より、上記の公転速度5〜1rpmを一般化した場合とは、この速度比が172.0〜859.8となる場合である。すなわち、実状態の速度比(成長温度(基板温度)における反応ガス流束と基板11の交播速度との比)が172.0より大きく859.8以下となる場合に、最も良好な結晶性をもつ成長層を得ることができる。
【0049】
また、この速度比は、実際の成長温度(1050℃)ではなく、室温(25℃)とした場合には、表1より、この範囲は、38.7〜193.7となる。
【0050】
上記の結果より、速度比が172.0より大きく859.8以下の範囲であり、かつ1回転当たりの成長原子層数が10層より大きい場合に特に良好な結果(高い結晶性、高いキャリア濃度)が得られることがわかる。試料1、1−2および試料2の結果より、試料速度比が172.0以下では、原子層数が10.6層以上でも面内組成分布が良好とはならず、試料3−2の結果より、試料速度比が172.0より大きくても、原子層数が10層以下では結晶性(反り量、キャリア濃度を含む)が良好とはならないためである。なお、試料3−1においては、(002)面の結晶性においてのみ、わずかではあるが悪化がみられることから、特に公転運動の場合には、少なくとも20層以上とすれば、さらに良好な結果が得られる。
【0051】
図4は、公転運動を行った試料3における深さ方向のAl、Ga組成をオージェ電子分光法(測定装置:日本電子(株)製JAMP7890F、測定条件:スポット径10μm、10keV、10−8A、サンプル傾斜角85°)を用いてサンプルをエッチングしながら測定した結果であり、(a)は外周側、(b)は回転軸(中心)側の結果である。なお、オージェ分析開始直後(Depthが0nm付近)では表面汚染の影響があるため、がGaが相対的に大きな値となって出てくるが、約3nm程度エッチングした以降からは汚染の影響もなくなってくる。外周側(a)においては、図2に示されたような周期的な分布が見られる。この周期Tは1回転当たりの成長膜厚と一致していた。すなわち、図2に示されたような組成分布が実際に確認された。ただし、中心軸側(b)においては、こうした傾向は見られない。つまり、ウェハ面内の場所によってその振幅が異なる。
【0052】
1rpm(試料4)の場合には、この結果とは周期T、振幅Aは異なるものの、同様の傾向が確認できた。しかしながら、10rpm(試料1)の場合には、外周側、回転軸側のいずれにおいてもこうした深さ方向の周期的な構造は見られず、膜厚方向の組成は均一であった。
【0053】
このように、少なくともウェハの一部において図4(a)に示されるような1回転当たりの成長膜厚と同周期の深さ方向の組成変調を設ける、すなわち、深さ方向におけるAl組成を周期的に変調し、かつ、このAl組成の変調の振幅をウェハ面内で不均一とすることによって、特に成長層の結晶性と面内組成分布を共に高めることができる。このようにウェハ面内方向で振幅を変化させているにも係らず、結果としてトータルの面内組成分布を均一化されることができるということは、全く予期せぬ結果である。
【0054】
なお、キャリア濃度(表3)が結晶欠陥に関連することは前記の通りであるが、同時にキャリア濃度は組成xにも依存し、xが大きな場合(バンドギャップが大きな場合)には小さくなる。このため、表3と表4の結果より、中心での組成xと平均キャリア濃度との関係を試料1〜6(○:実施例(試料2〜4、6)、△:従来例(試料1(10rpm))、×:試料1と同条件でTMA濃度を変えてAl組成xを変えた場合)について示したのが図5である。この結果より、キャリア濃度が高いのは単にxが小さいためでないことがわかる。すなわち、実施例においては、従来例と同程度のxであっても高いキャリア濃度が得られている。
【0055】
また、試料1、2、3、4、5におけるウェハ中心でのフォトルミネッセンススペクトルが図6である。ここで、ピーク強度は規格化している。このうち、試料2、3、4についてのスペクトルをピーク波長で標準化して示したのが図7(a)であり、試料1、5についてのスペクトルを同様に示したのが図7(b)である。試料2、3、4のスペクトル(図7(a))においては、スペクトルの裾の部分でフリンジ(周期的なうねり)が見られるのに対して、試料1、5のスペクトル(図7(b))においてはこのフリンジは全く見られない。このフリンジは、図2(b)等に示された周期構造に起因する組成変調によって発生する。すなわち、図4(a)に示された組成変調がここでも確認された。
【0056】
以上より、上記のエピタキシャル成長方法においては、試料2、3、3−1、4(5〜1rpm)、及び10rpmの自転を行った試料6において、結晶性、面内組成均一性、ウェハ反りの全てについて良好な結果が得られ、特に試料3、4について非常に良好な結果が得られた。この効果は、反応ガスの乱流が抑制され、かつ膜厚方向に適度な組成変調が設けられる条件でエピタキシャル成長を行うことによって実現される。
【0057】
実際に上記の条件で形成したp型AlGaNをn型AlGaN上に形成してLEDを製造し、その発光量子効率を測定した。図8は、試料1と同様の成長条件(10rpm)の場合(a)、試料3と同様の成長条件(3rpm)の場合(b)における発光量子効率の面内分布の実測値である。縦軸(z軸)が発光量子効率となっている。この結果より、3rpmの場合(b)は、10rpmの場合(a)と比べて、良好な結晶性、高いキャリア濃度が反映された高い量子効率が得られている。なお、エピタキシャルウェハの状態から電極等を形成してLEDを製造する際、ウェハの反りが位置精度に悪影響を及ぼし、割れの原因にもなるため、反りが小さいほど素子を形成しやすい。このように、結晶成長におけるガス流速、回転速度および成長速度を特定の範囲とし、エピタキシャル成長に偏在した組成変調を加えることによって、結晶性、面内組成均一性が高く、反りも少ないウェハを得ることができ、LEDの品質と共に製造歩留まりを大幅に向上させ、生産性を高めることができる。
【0058】
なお、上記の例では、p型AlGaNを成長させる例について記載したが、上記のメカニズム、特に組成分布や結晶欠陥については、n型AlGaNについても同様であることは明らかである。すなわち、導電型に関わらず上記のエピタキシャル成長条件が有効であることは明らかである。また、上記のメカニズムは反応ガスに起因するものであるため、上記の効果は基板の種類に依存しないことも明らかである。
【0059】
また、例えばAlGaNを用いたLEDやPD(フォトダイオード)、LD(レーザーダイオード)を製造する場合には、n型、i型、p型のAlGaN上に、上記のエピタキシャル成長方法によってp型AlGaNを成長させる。この際、成長させる側をp型AlGa1−xNとし、基板側をn型AlGa1−yNとした場合に、x=yとすることは不要である。
【0060】
また、上記は3元系のAlGaNを成長させる場合、及びこれに不純物を添加する場合について記載したが、In等の他のIII族元素がAlGaNに加わった4元系、5元系等とした場合においても同様であることも明らかである。
【0061】
また、上記の成長条件下では、深さ方向におけるAl組成の変調振幅が大きい箇所と振幅が小さい箇所がウェハ面内において生じる。こうした分布が生ずる公転運動の下において、公転運動によって生じた組成変調の振幅を消さない範囲でさらに自転運動を加える、つまり、振幅の大きさが周期性をもって変化するように更なる回転を加えることで、ウェハ面内の均一性をさらに高めることもできる。
【符号の説明】
【0062】
11 基板
21 ヒーター
22 トレイ
23 回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレイ上に基板を載置し、当該基板を公転運動又は自転運動させ、前記基板表面と平行な方向に反応ガスを流し、前記基板を予め設定された成長温度に保持して前記基板上にAlGa1−xN(0<x<1)をエピタキシャル成長させるエピタキシャル成長方法であって、
前記公転運動又は自転運動の1回転あたりの成長原子層数が10層より大きく、かつ、
前記成長温度における前記反応ガスの前記基板上における流速の、前記公転運動又は自転運動による前記基板の外周の速度に対する比率が172.0より大きく859.8以下の範囲とすることを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャル成長方法。
【請求項2】
前記反応ガスは、少なくともTMA(トリメチルアルミニウム)、TMG(トリメチルガリウム)、NH(アンモニア)を含む混合ガスであることを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャル成長方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のエピタキシャル成長方法によって製造されたことを特徴とするエピタキシャルウェハ。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のエピタキシャル成長方法によって製造され、深さ方向におけるAl組成が周期的に変調され、前記Al組成の変調の振幅がウェハ面内で不均一であることを特徴とするエピタキシャルウェハ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−84660(P2012−84660A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228717(P2010−228717)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(506334182)DOWAエレクトロニクス株式会社 (336)
【Fターム(参考)】