説明

エポD及び5−FU/ゲムシタビン

1種又は2種以上のエポシロンと1種又は2種以上のヌクレオシド類似体との組み合わせを用いる、過増殖性疾患を治療するための方法及び組成物。いくつかの実施態様においては、その組み合わせは、エポシロンD及び5'-デオキシ-5-フルオロ-N-[(ペンチルオキシ)カルボニル]-シチジンを含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本件出願は、2002年10月9日になされた米国仮出願第60/417,535号に関する優先権を35 U.S.C.119(e)の下に主張するものであり、その全内容は、本願明細書に含まれるものとする。
発明の分野
本発明は、過増殖性疾患(hyperproliferative disease)、例えば癌の治療に関する。より具体的には、本発明は、エポシロン(epothilone)とヌクレオシド類似体、例えば5−フルオロウラシルとの組み合わせを含む治療モダリティ(modalities)を提供する。本発明は、薬剤及び薬理学の分野に適用される。
【0002】
背景
エポシロンDは、Sorangium cellulosumの変異株から又はエポシロンポリケチド合成遺伝子を発現する異種宿主から単離可能なエポシロンの1つである。エポシロンDは、12,13-デオキシエポシロンBであり;エポシロンBは、S. cellulosum微生物の主要第2代謝産物である。公開されている報告では、エポシロンDは、マウスにおいて劇的な抗腫瘍効果を有し、及びこの特性において、例えば、15-アザエポシロンBに比し、質的に顕著に優れているとされる(Chouら、2001年)。2000年4月28日になされた米国特許出願第09/560,367号(参考文献として本願明細書に導入される)に記載されたような、遺伝的に改変された微生物を用いてエポシロンDを製造する方法により、この化合物を実用的な量で製造して、微小管を安定化させ及び核分裂停止を誘発するその特性を利用することが可能となる。これらの重要な利点により、エポシロンDを臨床用途に十分な量で製造することが可能となる。エポシロンDは、重要なことには、パクリタキセル感受性及びパクリタキセル耐性の細胞系及びキセノグラフ(xenograph)の双方において抗腫瘍効果を有するが、上述したように、エポシロンDによる微小管への結合は、パクリタキセルによる結合と同じ部位である。
パクリタキセルの投与経験から、投薬計画を最適化することが望ましいことが証明されている。従って、本発明は、相乗的に強化された治療を提供するための、他の抗癌剤との組み合わせで腫瘍患者へエポシロンを投与するのに特に適切なプロトコールに関する。
【0003】
図面の簡単な記載
図1A〜図1Cは、DLD−1細胞におけるエポシロンDと5−FUとの組み合わせについての効果に対する組み合わせ指数(Combination Index)(“CI”)のグラフを示す。図1Aは、エポシロンD及び5−FUを細胞に対して同時に適用した際の効果に対するCIのグラフである。図1Bは、DLD−1細胞を、最初にエポシロンDと共に24時間インキュベートし、5−FUを細胞に施し、及び細胞を、エポシロンDと5−FUとの組み合わせと共に48時間インキュベートした際の効果に対するCIのグラフである。図1Cは、DLD−1細胞を、最初に5−FUと共に24時間インキュベートし、エポシロンDを細胞に施し、及び細胞を、エポシロンDと5−FUとの組み合わせと共に48時間インキュベートした際の効果に対するCIのグラフである。
図2A〜図2Cは、HCT−15細胞におけるエポシロンDと5−FUとの組み合わせについての効果に対する組み合わせ指数(“CI”)のグラフを示す。図2Aは、エポシロンD及び5−FUを細胞に対して同時に適用した際の効果に対するCIのグラフである。図2Bは、HTC−15細胞を、最初にエポシロンDと共に24時間インキュベートし、5−FUを細胞に施し、及び細胞を、エポシロンDと5−FUとの組み合わせと共に48時間インキュベートした際の効果に対するCIのグラフである。図2Cは、HCT−15細胞を、最初に5−FUと共に24時間インキュベートし、エポシロンDを細胞に施し、及び細胞を、エポシロンDと5−FUとの組み合わせと共に48時間インキュベートした際の効果に対するCIのグラフである。
図3A〜図3Cは、HCT−116細胞におけるエポシロンDと5−FUとの組み合わせについての効果に対する組み合わせ指数(“CI”)のグラフを示す。図3Aは、エポシロンD及び5−FUを細胞に対して同時に適用した際の効果に対するCIのグラフである。図3Bは、HTC−116細胞を、最初にエポシロンDと共に24時間インキュベートし、5−FUを細胞に施し、及び細胞を、エポシロンDと5−FUとの組み合わせと共に48時間インキュベートした際の効果に対するCIのグラフである。図3Cは、HCT−116細胞を、最初に5−FUと共に24時間インキュベートし、エポシロンDを細胞に施し、及び細胞を、エポシロンDと5−FUとの組み合わせと共に48時間インキュベートした際の効果に対するCIのグラフである。
【0004】
発明の概要
ある態様においては、本発明は、エポシロンとヌクレオシド類似体との組み合わせを用いて、過増殖性疾患、例えば癌を治療する方法を提供する。いくつかの実施態様においては、その組み合わせにおいて使用されるヌクレオシド類似体は、単独で又はエポシロン以外の薬剤1種又は2種以上との組み合わせで癌を治療するのに有効である。より具体的な実施態様においては、ヌクレオシド類似体は、アザシチジン(azacitidine)、クラドリビン、シタラビン、フロキシウリジン、リン酸フルダラビン、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、ペントスタチン、ウラシル・マスタード及び5'-デオキシ-5-フルオロ-N-[(ペンチルオキシ)カルボニル]-シチジン(商品名XELODA(登録商標)(Roche)の下に販売されている)からなる群より選ばれる。
他の態様においては、本発明は、過増殖により特徴付けられる非癌疾患を治療する方法を提供する。
他の態様においては、本発明は、本願明細書に記載された、ある投薬計画において、本願明細書に記載された組み合わせを投与することを含む疾患の治療方法を提供する。ある実施態様においては、エポシロン及びヌクレオシド類似体を同時に投与する。ある別の実施態様においては、エポシロン及びヌクレオシド類似体を連続的に投与する。ある実施態様においては、エポシロンの投与を、ヌクレオシド類似体の投与前に行う。ある別の実施態様においては、エポシロンの投与を、ヌクレオシド類似体の投与後に行う。別の実施態様においては、本発明は、過増殖性疾患の治療において、別々に、同時に又は連続的に使用するための、1種又は2種以上のエポシロンと1種又は2種以上のヌクレオシド類似体との組み合わせを提供する。別の態様においては、本発明は、過増殖性疾患治療用薬剤を製造するための、1種又は2種以上のエポシロン及び1種又は2種以上のヌクレオシド類似体の使用を提供する。別の態様においては、本発明は、過増殖性疾患を治療するための、1種又は2種以上のヌクレオシド類似体と併せて投与するための薬剤を製造するための、1種又は2種以上のエポシロンの使用を提供する。
【0005】
発明の詳細な記載
本発明は、エポシロンとヌクレオシド類似体との組み合わせを用いて、過増殖性疾患、例えば癌を治療する方法を提供する。いくつかの実施態様においては、その組み合わせにおいて使用されるヌクレオシド類似体は、単独で又はエポシロン以外の薬剤1種又は2種以上との組み合わせで、癌を治療するのに有効である。より具体的な実施態様においては、ヌクレオシド類似体は、アザシチジン、クラドリビン、シタラビン、フロキシウリジン、リン酸フルダラビン、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン(2',2'-ジフルオロデオキシシチジン)、ペントスタチン、ウラシル・マスタード及び5'-デオキシ-5-フルオロ-N-[(ペンチルオキシ)カルボニル]-シチジン(商品名XELODA(登録商標)(Roche)の下に販売されている)からなる群より選ばれる。これらのヌクレオシド類似体は、当該技術分野においてよく知られているように、種々の癌の治療において効果的であることが証明されている。以下に説明するように、エポシロンDは、種々の細胞系において種々のヌクレオシド類似体と共に相乗的に作用し(即ち、2種の薬剤の組み合わせ効果が、各薬剤の各効果の合計より高い)、一連の癌タイプに対する強化された抗癌治療方法が提案される。
【0006】
本発明の医薬組成物に使用されるエポシロンは、任意のエポシロン、及びより具体的には、有用な治療特性を有するエポシロンであればよい(Hoefleら、1993; Nicolaouら、1998; Reichenbachら、1998; Danishefskyら、1999a; Danishefskyら、1999b; Hoefleら、1999; Nicolaouら、1999a; Nicolaouら、1999b; Viteら、1999a; Viteら、1999b; Viteら、1999d; c; Hoefleら、2000a; Hoefleら、2000b; Danishefskyら、2001a; Danishefskyら、2001b; Santiら、2001; Avery、2002; Danishefskyら、2002; Nicolaouら、2002a; Nicolaouら、2002b; Wessjohann及びScheid、2002; Whiteら、2002)。そのようなエポシロンは、有機化学、医化学及びバイオテクノロジー分野の当業者に知られる全体的化学合成、部分的化学合成又は化学的生合成方法と材料の任意の組み合わせを用いて得ることができる(Hoefleら、1993; Hoefle及びKiffe、1997; Hofle及びKiffe、1997; Schinzerら、1997; 1998; Hofle及びSefkow、1998; Mulzer及びMantoulidis、1998; Nicolaouら、1998; Reichenbachら、1998; Schinzerら、1998; Wessjohann及びGabriel、1998; Wessjohann及びKalesse、1998; Altmannら、1999; Danishefskyら、1999a; Danishefskyら、1999b; Hoefleら、1999; Hofmannら、1999; Kim及びBorzilleri、1999; Kim及びJohnson、1999; Klarら、1999a; b; Mulzer及びMantoulidis、1999; Nicolaouら、1999a; Nicolaou、e. 1999b ; Schuppら、1999; Viteら、1999a; Viteら、1999b; Viteら、1999d ; c; Beyer及びMueller、2000; Borzilleriら、2000; Buchmannら、2000; Cabral、2000; Georgら、2000; Gustafsson及びBetlach、2000; Hoefleら、2000a; Hoefleら、2000b; Hofleら、2000; Julienら、2000; Kim及びJohnson、2000; Liら、2000; Mulzerら、2000; Arslanianら、2001; Danishefskyら、2001a; Danishefskyら、2001b; Kim及びJohnson、2001; Klarら、2001; Kumarら、2001; Lee、2001; Liら、2001) ; (Mulzer及びMartin、2001; Santiら、2001; Strohhaecker、2001; Viteら、2001; Avery、2002; Danishefskyら、2002; Dimarcoら、2002; Hoefle及びGlaser、2002; Julienら、2002; Khosla及びPfeifer、2002; Koch及びLoiseleur、2002; Kuesters及びUnternaehrer、2002; Liら、2002; Nicolaouら、2002a; Nicolaouら、2002b; Santiら、2002a; Santiら、2002b; Santiら、2002c; Smithら、2002; Wessjohann及びScheid、2002; Wessjohannら、2002; Whiteら、2002)。有用な治療特性を有するエポシロンの具体例としては、エポシロンA、エポシロンB、エポシロンC、エポシロンD、4-デスメチルエポシロンD、アザエポシロンB、21-アミノエポシロンB、9,10-デヒドロエポシロンD、9,10-デヒドロ-26-トリフルオロ-エポシロンD、11-ヒドロキシエポシロンD、19-オキサゾリルエポシロンD、10,11-デヒドロ-エポシロンD及び19-オキサゾリル-10,11-デヒドロ-エポシロンDが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
【0007】
いくつかの実施態様においては、本発明の組み合わせは、エポシロンD及びヌクレオシド類似体を含む。いくつかの実施態様においては、その組み合わせにおいて使用されるヌクレオシド類似体は、単独で又はエポシロン以外の薬剤1種又は2種以上との組み合わせにおいて癌を治療するのに有効である。より具体的な実施態様においては、ヌクレオシド類似体は、アザシチジン、クラドリビン、シタラビン、フロキシウリジン、リン酸フルダラビン、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、ペントスタチン、ウラシル・マスタード及び5'-デオキシ-5-フルオロ-N-[(ペンチルオキシ)カルボニル]-シチジン(商品名XELODA(登録商標)(Roche)の下に販売されている)からなる群より選ばれる。より具体的な実施態様には、エポシロンDが、5-フルオロウラシル又は5'-デオキシ-5-フルオロ-N-[(ペンチルオキシ)カルボニル]-シチジンのいずれかとの組み合わせが含まれる。
【0008】
本発明の治療用途
本発明の方法により治療する過増殖性疾患としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない:頭や首の癌で、これには、頭、首、鼻腔、副鼻腔、鼻咽頭、口腔、中咽頭、喉頭、下咽頭、唾液腺の腫瘍及び傍神経節腫が含まれ;肝臓及び胆道系の癌、特には肝細胞癌;腸癌、特には結腸直腸癌;トリート(treat)卵巣癌;小細胞及び非小細胞肺癌;乳癌肉腫(breast cancer sarcoma)、例えば線維肉腫、悪性線維性組織球腫、胎児性横紋筋肉腫及び胞状軟部肉腫;中枢神経系の新生物、特には脳腫瘍;リンパ腫、例えば、ホジキンリンパ腫、リンパ形質細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織リンパ腫、外套細胞リンパ腫、B血統(B-lineage)大型細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、及びT細胞未分化大細胞リンパ腫。臨床的に、本願明細書に記載される方法及び組成物の使用を実施することにより、癌成長のサイズ及び数が低減され及び/又は関連症状が低減されるであろう(適用できる場合)。病理学的に、本願明細書に記載される方法及び組成物の使用を実施することにより、病理学的に関連する応答、例えば:癌細胞の増殖の抑制、癌又は腫瘍のサイズの低減、更なる転移の予防及び腫瘍血管形成の抑制が生じるであろう。そのような疾患を治療する方法は、本発明の組み合わせを治療的に有効な量で被検体に投与することを含む。その方法は、必要であれば繰り返すことができる。
【0009】
本発明の方法及び組成物は、併用療法において使用することができる。言い換えれば、本発明の化合物及び組成物は、1又は2以上の他の所望の治療又は医薬手段と同時に、それより前に又はその後に投与することができる。併用投薬計画における治療及び手段の具体的な組み合わせでは、治療及び/又は手段の適合性及び達成されるべき所望の治療効果が考慮されるであろう。従って、本願明細書に記載される組成物は、他の治療モダリティー、例えば外科手術及び/又は放射線療法と組み合せてもよい。本発明のいくつかの実施態様においては、薬剤又は手段を更に含ませて、本発明の化合物又は組成物による潜在的副作用、例えば下痢、吐き気及び嘔吐を軽減させる。下痢は、下痢止め剤、例えばオピオイド(例えばコデイン、ジフェノキシレート、ジフェノキシン及びロエラミド(loeramide))、次サリチル酸ビスマス及びオクトレオチドで治療することができる。吐き気及び嘔吐は、制吐剤、例えばデキサメタゾン、メトクロプラミド、ジフェニルヒドラミン(diphenyhydramine)、ロラゼパム、オンダセトロン(ondasetron)、プロクロルペラジン、チエチルペラジン及びドロナビノールにより治療することができる。
【0010】
本発明の別の態様においては、細胞性過増殖により特徴付けられる非癌疾患を治療する。そのような疾患の説明的例示としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない:萎縮性胃炎、炎症性溶血性貧血、組織不適合性、炎症性好中球減少、水疱性類天疱瘡、セアリック病、脱髄性神経障害、皮膚筋炎、炎症性大腸炎(潰瘍性大腸炎及びクローン病)、多発性硬化症、心筋炎、筋炎、鼻ポリープ、慢性副鼻腔炎、尋常性天疱瘡、初期糸球体腎炎、乾癬、外科的癒着、狭窄又は再狭窄、強膜炎、強皮症、湿疹 (including アトピー性皮膚炎、刺激性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎)、歯周病(即ち、歯周炎)、多発性嚢胞腎、及びI型糖尿病。他の例としては、以下のものが挙げられる:脈管炎(例えば巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎、高安動脈炎)、結節性多発性動脈炎、アレルギー性血管炎及び肉芽腫症(チャグ-ストラウス疾患)、多発性血管炎オーバーラップ症候群(polyangitis overlap syndrome)、過敏性血管炎(ヘンライン・ヘノッホ紫斑病)、血清病、薬剤誘発性脈管炎、伝染性脈管炎、新生物脈管炎、結合組織疾患に関連する脈管炎、補体系の先天性欠損に関連する脈管炎、ヴェグナー肉芽腫症、川崎病、中枢神経系の脈管炎、バージャー病及び全身性硬化症);胃腸管疾患(例えば膵炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、潰瘍性直腸炎、初期硬化性胆管炎、特発性を含む原因(cause)の良性狭窄(例えば胆管、食道、十二指腸、小腸又は大腸の狭窄);気道疾患(例えば喘息、過敏性肺炎、石綿症、珪肺症及び他の形態の塵肺、慢性気管支炎及び慢性閉塞性気道疾患); 鼻涙管疾患(例えば特発性を含む全原因の狭窄);及び耳管疾患(例えば特発性を含む全原因の狭窄)。
【0011】
別の態様においては、本発明は、上記組み合わせを、本願明細書に記載された、ある投薬計画において投与することを含む疾患の治療方法を提供する。エポシロンは、上記ヌクレオシド類似体1種又は2種以上と同時に投与することができる。あるいはまた、1種又は2種以上のヌクレオシド類似体の投与を、エポシロンの投与前に行ってもよい。逆に、エポシロンの投与を、ヌクレオシド類似体の投与前に行ってもよい。また、エポシロンがヌクレオシド類似体とは別に投与される実施態様については、後者の薬剤の投与を遅らせて、併用療法の治療効果をより高いものとすることができる。薬理学及び医薬の当業者は、同時投与でない療法における時間的因子を決定するのに適切な概念、方法及び材料に精通しているであろう。関連要因の例としては、患者のサーカディアンリズム、治療される疾患に関連する細胞周期特性(例えば腫瘍細胞タイプ)、及び使用される薬剤の薬物動態パラメータが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
【0012】
本願明細書において使用する用語“エポシロン”は、天然発生エポシロン又はそれらの化学的類似体又は誘導体、例えばエポシロンD、又は以下のものからなる群より選ばれるエポシロンを意味する:エポシロンA、エポシロンB、エポシロンC、4-デスメチルエポシロンD、アザエポシロンB、21-アミノエポシロンB、9,10-デヒドロエポシロンD、9,10-デヒドロ-26-トリフルオロ-エポシロンD、11-ヒドロキシエポシロンD、19-オキサゾリルエポシロンD、10,11-デヒドロ-エポシロンD、19-オキサゾリル-10,11-デヒドロ-エポシロンD、9,10-デヒドロエポシロンB又はD、及び26-トリフルオロ-9,10-デヒドロエポシロンB又はD。投薬は、癌又は細胞増殖により特徴付けられる非癌疾患に罹患した被検体に行われるべきであり、及び約1〜約200mg/m2のオーダーで、それは、ボーラスとして(経口又は経静脈投与を含む適切な投与ルートで)又は連続注入体として(例えば1時間、3時間、6時間、24時間、48時間又は72時間)、毎週、2週間ごとに又は三週間ごとに(必要な場合)投与することができる。しかしながら、特定の患者に対する具体的な投与レベルは、種々の要因に依存することが理解されるであろう。これらの要因としては、使用される具体的化合物の活性;被検体の年齢、体重、一般健康、性別及び食生活;投与時間及びルート及び薬剤排出速度;治療において薬剤が併用されるか否か;及び治療されるべき状態の程度が挙げられる。
【0013】
別の実施態様においては、投与レベルは、約10〜約150mg/m2、好ましくは約10〜約75mg/m2及びより好ましくは約15〜約50mg/m2であり、必要で及び許容されるように3週ごとになされる。別の実施態様においては、投与レベルは、約1〜約150mg/m2、好ましくは約10〜約75mg/m2及びより好ましくは約25〜約50mg/m2であり、必要で及び許容されるように2週ごとになされる。別の実施態様においては、投与レベルは、約1〜約100mg/m2、好ましくは約5〜約50mg/m2及びより好ましくは約10〜約25mg/m2であり、必要で及び許容されるように毎週なされる。別の実施態様においては、投与レベルは、約0.1〜約25mg/m2、好ましくは約0.5〜約15mg/m2及びより好ましくは約1〜約10mg/m2であり、必要で及び許容されるように毎日なされる。
毒性限界を越えないことを確実なものとするために、末梢神経障害を含む副作用を監視し、それは、手足のしびれ感及びめまいなどとして現れる。監視は、注入後いくらか関連のある時間に始めるべきであり;一般には、投与量が低ければ低いほど、治療及び監視の間のインターバルが長くなる。例えば、注入あたりで9〜60mg/m2の投与レベルで、監視は、典型的には、注入を終了したその日に開始すべきである。他の副作用としては、吐き気及び嘔吐、倦怠感、発疹、脱毛、及びバイタルサインの変化、例えば起立性低血圧症が挙げられる。骨髄抑制を、また、監視すべきであるが、骨髄抑制は、一般には、この薬剤に関しみられない。骨髄抑制は、貧血、好中球減少、血小板減少などとして現れる。
【0014】
一般には、薬物動態学が都合がよい。薬物動態学は、投与依存性でなく、及び投与量におけるAUCの依存性は、線状的で、9〜150mg/m2であった。エポシロンDは、半減期が平均値で9.6±2.2時間であり、分配量(Vz)が172±741であり、良好な薬剤浸透を示す。これは、パクリタキセルについての値140±701より平均していくらか高い。これらの薬物動態パラメータは、第1注入に比し、第2注入では変化しない。
薬剤の効果は、間期細胞における微小管のバンドリングを測定することにより監視することができる。これは、微小管安定化剤、例えばパクリタキセル又はエポシロンの効果についての正当な指標とされる。バンドル形成は、免疫蛍光検査又はウエスタンブロッティングにより容易に測定できる。典型的な測定においては、全血を患者から収集し、及び単核球(PBMC)をバンドル形成の評価のために単離する。投与量が18mg/m2程度の低さでこれが投与により上昇する時、相当な量のバンドル形成が得られる。
【0015】
実施例
以下の実施例は、当業者が本発明を実施する助けとなるように本発明のある態様を単に説明するものであり及びいかなる場合においても本発明の範囲を制限するものではない。
実施例1
エポシロンDと5-フルオロウラシルとの間の相乗効果の証明
細胞系及び試薬
癌細胞系を、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(Manassas, VA)より入手した。その細胞系を、10%ウシ胎仔血清を有するRPMI培地中で保持した。エポシロンDを、Kosan Bioscience, Inc(Hayward, CA)のプロセスサイエンス部門より入手した。5-フルオロウラシル(“5-FU”)はシグマから購入した。各化合物は、ジメチルスルホキシド(“DMSO”)中に、エポシロンDについては約10ミリモル(10mM)及び5FUについては約50ミリモル(50mM)の濃度で溶解した。溶液を、使用するまで-20℃で貯蔵した。
【0016】
細胞生存アッセイ及び組み合わせ効果の分析
上記細胞を、2回で(in duplicate)、96-ウェルのマイクロタイタープレートに、ウェルあたり5000細胞で播種し、及び細胞をウェルに一晩接触させた。各薬剤の連続希釈物をウェルに添加し、及び細胞を72時間インキュベートした。各化合物のIC50の測定を、CELLTITER 96 AQUEOUS ONE SOLUTION CELL PROLIFERATION ASSAY (Promega, Madison, WI)を用いて行ったが、それは、生存細胞数に関連する。
薬剤組み合わせアッセイについて、細胞を、2回で、96-ウェルのプレートに播種した(5000細胞/ウェル)。一晩インキュベートした後、細胞を、薬剤単独で又はそれらのIC50値の割合が等しい2種の薬剤の組み合わせで処理した。3つの異なる治療スケジュールで行った。第1治療スケジュールでは、両薬剤への同時暴露を72時間行った。第2スケジュールでは、細胞をエポシロンDに24時間付した後、5-FUを細胞に添加し;細胞を48時間インキュベートした。第3治療スケジュールでは、細胞を5-FUのみに24時間付した後、エポシロン添加48時間とした。各実験についての細胞の生存力を、CELLTITER 96 AQUEOUS ONE SOLUTION CELL PROLIFERATION ASSAY (Promega, Madison, WI)を用いて測定した。
組み合わせ分析の各々からのデータを、CALCUSYNソフトウェア(Biosoft, Cambridge, UK)を用いて分析し、それにより、各々についての組み合わせ指数を測定した。
【0017】
結果
組み合わせ分析の各々からのデータを、CALCUSYNソフトウェア(Biosoft, Cambridge, UK)を用いて分析し、それにより、試験した3つの細胞系の各々における各組み合わせについての組み合わせ指数を測定した。1未満のCI値は、2種の薬剤の相乗効果の存在を示し;1より大きいCI値は、2種の薬剤間の拮抗作用を示し;及び1であるCI値は、2種の薬物の付加的効果を示す。エポシロンDと5−FUとの組み合わせは、試験した全ての細胞系(大腸癌細胞系DLD-1、HCT15及びHCT116、及び乳癌細胞系AU565、MCF-7、MDA-MB-231、MX-1、T47D及びSKBr-3)について、及び試験した全ての治療スケジュールについて相乗効果を示すと測定された。この相乗効果は、エポシロンDと、5-フルオロウラシル及び5'-デオキシ-5-フルオロウラシルの双方との組み合わせにおいて観察された。5'-デオキシ-5-フルオロ-N-[(ペンチルオキシ)カルボニル]-シチジンは、代謝されて5'-デオキシ-5-フルオロウラシルとなり、それが、エポシロンDと相乗効果を示すことが証明されたので、従って、5'-デオキシ-5-フルオロ-N-[(ペンチルオキシ)カルボニル]-シチジンがまた、エポシロンDと相乗効果を示すと予期される。更に、予備実験では、エポシロンDが、いくつかの腫瘍細胞におけるチミジン・ホスホリラーゼの生成、5'-デオキシ-5-フルオロウリジンの5-フルオロウリジンの代謝についての酵素応答性をアップレギュレート(upregulate)し得ることが示された。
【0018】







【0019】







【0020】







【0021】

【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】DLD−1細胞におけるエポシロンDと5−FUとの組み合わせについての効果に対する組み合わせ指数(Combination Index)(“CI”)のグラフを示す。
【図2】HCT−15細胞におけるエポシロンDと5−FUとの組み合わせについての効果に対する組み合わせ指数(“CI”)のグラフを示す。
【図3】HCT−116細胞におけるエポシロンDと5−FUとの組み合わせについての効果に対する組み合わせ指数(“CI”)のグラフを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
過増殖性疾患を治療する方法であって、そのような治療を必要としている患者に対して、1種又は2種以上のエポシロンと1種又は2種以上のヌクレオシド類似体との組み合わせを投与することを含む方法。
【請求項2】
1種又は2種以上のエポシロンの投与及び1種又は2種以上のヌクレオシド類似体の投与が同時に行われる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
エポシロンが、エポシロンB、エポシロンD、21-ヒドロキシエポシロンB、21-ヒドロキシエポシロンD、21-アミノエポシロンB、21-アミノエポシロンD、アザエポシロンB、アザエポシロンD、9,10-デヒドロエポシロンB、9,10-デヒドロエポシロンD、26-トリフルオロ-9,10-デヒドロエポシロンB及び26-トリフルオロ-9,10-デヒドロエポシロンDからなる群より選ばれる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ヌクレオシド類似体が、アザシチジン、クラドリビン、シタラビン、フロキシウリジン、リン酸フルダラビン、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、ペントスタチン、ウラシル・マスタード及び5'-デオキシ-5-フルオロ-N-[(ペンチルオキシ)カルボニル]-シチジンからなる群より選ばれる請求項2に記載の方法。
【請求項5】
エポシロンが、エポシロンDであり、及び、ヌクレオシド類似体が、5-フルオロウラシル及び5'-デオキシ-5-フルオロ-N-[(ペンチルオキシ)カルボニル]-シチジンからなる群より選ばれる請求項2に記載の方法。
【請求項6】
エポシロンの投与が、約1〜約200mg/m2の投与量をもたらすものである請求項2に記載の方法。
【請求項7】
1種又は2種以上のエポシロンを最初に投与し、次いで、1種又は2種以上のヌクレオシド類似体を投与する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
エポシロンが、エポシロンB、エポシロンD、21-ヒドロキシエポシロンB、21-ヒドロキシエポシロンD、21-アミノエポシロンB、21-アミノエポシロンD、アザエポシロンB、アザエポシロンD、9,10-デヒドロエポシロンB、9,10-デヒドロエポシロンD、26-トリフルオロ-9,10-デヒドロエポシロンB及び26-トリフルオロ-9,10-デヒドロエポシロンDからなる群より選ばれる請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ヌクレオシド類似体が、アザシチジン、クラドリビン、シタラビン、フロキシウリジン、リン酸フルダラビン、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、ペントスタチン、ウラシル・マスタード及び5'-デオキシ-5-フルオロ-N-[(ペンチルオキシ)カルボニル]-シチジンからなる群より選ばれる請求項7に記載の方法。
【請求項10】
エポシロンが、エポシロンDであり、及び、ヌクレオシド類似体が、5-フルオロウラシル及び5'-デオキシ-5-フルオロ-N-[(ペンチルオキシ)カルボニル]-シチジンからなる群より選ばれる請求項7に記載の方法。
【請求項11】
エポシロンの投与が、約1〜約200mg/m2の投与量をもたらすものである請求項7に記載の方法。
【請求項12】
1種又は2種以上のヌクレオシド類似体を最初に投与し、次いで、1種又は2種以上のエポシロンを投与する請求項1に記載の方法。
【請求項13】
エポシロンが、エポシロンB、エポシロンD、21-ヒドロキシエポシロンB、21-ヒドロキシエポシロンD、21-アミノエポシロンB、21-アミノエポシロンD、アザエポシロンB、アザエポシロンD、9,10-デヒドロエポシロンB、9,10-デヒドロエポシロンD、26-トリフルオロ-9,10-デヒドロエポシロンB及び26-トリフルオロ-9,10-デヒドロエポシロンDからなる群より選ばれる請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ヌクレオシド類似体が、アザシチジン、クラドリビン、シタラビン、フロキシウリジン、リン酸フルダラビン、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、ペントスタチン、ウラシル・マスタード及び5'-デオキシ-5-フルオロ-N-[(ペンチルオキシ)カルボニル]-シチジンからなる群より選ばれる請求項12に記載の方法。
【請求項15】
エポシロンが、エポシロンDであり、及び、ヌクレオシド類似体が、5-フルオロウラシル及び5'-デオキシ-5-フルオロ-N-[(ペンチルオキシ)カルボニル]-シチジンからなる群より選ばれる請求項12に記載の方法。
【請求項16】
エポシロンの投与が、約1〜約200mg/m2の投与量をもたらすものである請求項12に記載の方法。
【請求項17】
エポシロンの投与が、約1〜約200mg/m2の投与量をもたらすものである請求項12に記載の方法。
【請求項18】
過増殖性疾患が癌である請求項1に記載の方法。
【請求項19】
癌が、結腸直腸癌、乳癌及び非小細胞肺癌からなる群より選ばれる請求項18に記載の方法。
【請求項20】
癌が、結腸直腸癌又は乳癌である請求項19に記載の方法。
【請求項21】
過増殖性疾患の治療において、別々に、同時に又は連続的に使用するための、1種又は2種以上のエポシロンと1種又は2種以上のヌクレオシド類似体との組み合わせ。
【請求項22】
エポシロンが、エポシロンB、エポシロンD、21-ヒドロキシエポシロンB、21-ヒドロキシエポシロンD、21-アミノエポシロンB、21-アミノエポシロンD、アザエポシロンB、アザエポシロンD、9,10-デヒドロエポシロンB、9,10-デヒドロエポシロンD、26-トリフルオロ-9,10-デヒドロエポシロンB及び26-トリフルオロ-9,10-デヒドロエポシロンDからなる群より選ばれる請求項21に記載の組み合わせ。
【請求項23】
ヌクレオシド類似体が、アザシチジン、クラドリビン、シタラビン、フロキシウリジン、リン酸フルダラビン、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、ペントスタチン、ウラシル・マスタード及び5'-デオキシ-5-フルオロ-N-[(ペンチルオキシ)カルボニル]-シチジンからなる群より選ばれる請求項21に記載の組み合わせ。
【請求項24】
エポシロンが、エポシロンDであり、及び、ヌクレオシド類似体が、5-フルオロウラシル及び5'-デオキシ-5-フルオロ-N-[(ペンチルオキシ)カルボニル]-シチジンからなる群より選ばれる請求項21に記載の組み合わせ。
【請求項25】
過増殖性疾患が癌である請求項21に記載の組み合わせ。
【請求項26】
癌が、結腸直腸癌、乳癌及び非小細胞肺癌からなる群より選ばれる請求項25に記載の組み合わせ。
【請求項27】
治療が、1種又は2種以上のエポシロン及び1種又は2種以上のヌクレオシド類似体を同時に投与することを包含する請求項21に記載の組み合わせ。
【請求項28】
1種又は2種以上のエポシロンを最初に投与し、次いで、1種又は2種以上のヌクレオシド類似体を投与する請求項21に記載の組み合わせ。
【請求項29】
治療が、約1〜約200mg/m2の投与量をもたらすものである請求項21に記載の組み合わせ。
【請求項30】
過増殖性疾患治療用薬剤を製造するための、1種又は2種以上のエポシロン及び1種又は2種以上のヌクレオシド類似体の使用。
【請求項31】
エポシロンが、エポシロンB、エポシロンD、21-ヒドロキシエポシロンB、21-ヒドロキシエポシロンD、21-アミノエポシロンB、21-アミノエポシロンD、アザエポシロンB、アザエポシロンD、9,10-デヒドロエポシロンB、9,10-デヒドロエポシロンD、26-トリフルオロ-9,10-デヒドロエポシロンB及び26-トリフルオロ-9,10-デヒドロエポシロンDからなる群より選ばれる請求項30に記載の使用。
【請求項32】
ヌクレオシド類似体が、アザシチジン、クラドリビン、シタラビン、フロキシウリジン、リン酸フルダラビン、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、ペントスタチン、ウラシル・マスタード及び5'-デオキシ-5-フルオロ-N-[(ペンチルオキシ)カルボニル]-シチジンからなる群より選ばれる請求項30に記載の使用。
【請求項33】
エポシロンが、エポシロンDであり、及び、ヌクレオシド類似体が、5-フルオロウラシル及び5'-デオキシ-5-フルオロ-N-[(ペンチルオキシ)カルボニル]-シチジンからなる群より選ばれる請求項30に記載の使用。
【請求項34】
過増殖性疾患が癌である請求項30に記載の使用。
【請求項35】
癌が、結腸直腸癌、乳癌及び非小細胞肺癌からなる群より選ばれる請求項34に記載の使用。
【請求項36】
治療が、1種又は2種以上のエポシロン及び1種又は2種以上のヌクレオシド類似体を同時に投与することを包含する請求項30に記載の使用。
【請求項37】
1種又は2種以上のエポシロンを最初に投与し、次いで、1種又は2種以上のヌクレオシド類似体を投与する請求項30に記載の使用。
【請求項38】
治療が、約1〜約200mg/m2の投与量をもたらすものである請求項30に記載の使用。
【請求項39】
過増殖性疾患を治療するための、1種又は2種以上のヌクレオシド類似体と併せて投与するための薬剤を製造するための、1種又は2種以上のエポシロンの使用。
【請求項40】
エポシロンが、エポシロンB、エポシロンD、21-ヒドロキシエポシロンB、21-ヒドロキシエポシロンD、21-アミノエポシロンB、21-アミノエポシロンD、アザエポシロンB、アザエポシロンD、9,10-デヒドロエポシロンB、9,10-デヒドロエポシロンD、26-トリフルオロ-9,10-デヒドロエポシロンB及び26-トリフルオロ-9,10-デヒドロエポシロンDからなる群より選ばれる請求項39に記載の使用。
【請求項41】
ヌクレオシド類似体が、アザシチジン、クラドリビン、シタラビン、フロキシウリジン、リン酸フルダラビン、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、ペントスタチン、ウラシル・マスタード及び5'-デオキシ-5-フルオロ-N-[(ペンチルオキシ)カルボニル]-シチジンからなる群より選ばれる請求項39に記載の使用。
【請求項42】
エポシロンが、エポシロンDであり、及び、ヌクレオシド類似体が、5-フルオロウラシル及び5'-デオキシ-5-フルオロ-N-[(ペンチルオキシ)カルボニル]-シチジンからなる群より選ばれる請求項39に記載の使用。
【請求項43】
過増殖性疾患が癌である請求項39に記載の使用。
【請求項44】
癌が、結腸直腸癌、乳癌及び非小細胞肺癌からなる群より選ばれる請求項43に記載の使用。
【請求項45】
治療が、1種又は2種以上のエポシロン及び1種又は2種以上のヌクレオシド類似体を同時に投与することを包含する請求項39に記載の使用。
【請求項46】
1種又は2種以上のエポシロンを最初に投与し、次いで、1種又は2種以上のヌクレオシド類似体を投与する請求項39に記載の使用。
【請求項47】
治療が、約1〜約200mg/m2の投与量をもたらすものである請求項39に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−504745(P2006−504745A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−543655(P2004−543655)
【出願日】平成15年10月9日(2003.10.9)
【国際出願番号】PCT/US2003/032148
【国際公開番号】WO2004/032872
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(504269110)コーザン バイオサイエンシス インコーポレイテッド (17)
【Fターム(参考)】