説明

オゾン発生装置のための負荷共振電源

【課題】オゾン発生器用の電源装置において、変圧器を不要とし、かつ電力を適正に制御する。
【解決手段】電力発振器310は、変圧器を有しておらず、電源320と、共振インダクタ及び共振キャパシタを備えかつ10以上のQ値を有する共振回路330とで構成される。該共振回路330は、電源320とオゾン発生器(Oセル)110との間に直接接続される。電源310は、第1のAC電圧を共振回路330に提供し、該共振回路は、共振機能により、第1のAC電圧よりも大きい第2のAC電圧を、オゾン発生器110を駆動するために出力する。コントローラ340は、所望の第2のAC電圧に対応する第1のAC電圧を出力することができるように、電源320を制御する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
オゾンは、ハイ・レベルの酸化を必要とする多数の応用例において有用である。例えば、オゾンは飲料水の消毒に役立ち、1900年代の初め以来ずっと水処理に使用されている。より最近では、オゾンは半導体素子の処理に使用されてきた。半導体素子の処理におけるオゾンの1つの応用例は、ウエハにおいて絶縁膜を成長させる又は薄膜を酸化することにより、半導体ウエハの上に絶縁膜を形成することである。例えば、高品質Sの高速積層による化学蒸着法は、TEOS/オゾン・プロセスを用いることによって、達成できる。
【0002】
半導体素子処理におけるオゾンの別の応用例は、半導体ウエハと半導体処理装置の処理チャンバの洗浄に関するものである。オゾンは、特に、半導体ウエハの表面又は処理チャンバから炭化水素を取り除くのに特に役立つ。オゾンを用いた洗浄は、高価な処理を必要とする危険な化学薬品の使用を伴わないために、有利である。対照的に、オゾンは、残存物を生じることなく崩壊して酸素となるので、有毒廃棄物処理の問題を生じない。
【発明の概要】
【0003】
オゾンは、いわゆる「無音放電原理」に従って、酸素から発生される。例えば、オゾンは、放電又は電束(フラックス)に高純度酸素を露出することにより発生することができる。放電又はフラックスは、酸素分子を励起し、それらを原子状態に分解する。次に、これらの原子は、オゾン(O)と酸素(O)との混合物として再結合する。
【0004】
オゾン(O)は、酸素をオゾン・セルを通過させることによって生じさせるのが通常である。オゾン・セルでは、酸素は電気放電の作用を受け、酸素分子の分解及び再結合によりオゾン分子が生じる。オゾン発生に必要な電気放電及び電束は、オゾン・セルにおける対向するプレートの両端に高電圧交流電力を与えることによって生じる。高電圧交流電力は、変圧器ベースの電力発振器から生じる。
【0005】
変圧器ベースの電源(発振器)の短所は、典型的には、高コスト、限定的な信頼性、オ動作範囲の制限である。例えば、高コストは、典型的には、冷却と絶縁ために複数の巻線及び特別なポッティング要件を有する高圧変圧器のためである。限定的な信頼性とは、典型的には、自己発振器の幾何学的配置(トポロジ)と、ポッティング品質の依存性と単一ソースのユニークな部分の使用とによって生じる高電圧コロナとによる。制限出力電圧に関する動作範囲の制限は、典型的には、自己発振器のトポロジと、トランジスタのゲート駆動用の変圧器フィードバックの使用とによる。
【0006】
本発明は、オゾン発生のための、変圧器を含まない高電圧電力発振器を含む電源を用いた電力供給方法及び装置に関する。本発明の実施例は、オゾン発生器のコストを低減させ、信頼性を増加させ、動作範囲を拡大する。
【0007】
本発明の1つの実施例は、電源装置であって、電力源と、前記電力源に結合された共振回路と、を備えており、前記電力源は第1のAC電圧を前記共振回路に提供し、前記共振回路は第2のAC電圧をオゾン発生ユニットによる使用のために提供し、前記第2のAC電圧は前記第1のAC電圧よりも高いような電源装置を含む。前記共振回路は、前記第1のAC電圧に応答して、前記共振回路の共振周波数と実質的に近接した周波数を有する実質的な共振電圧を前記オゾン発生ユニットに与える。
【0008】
ある実施例では、前記共振回路は、共振キャパシタと直列に結合された共振インダクタを含む直列共振回路である。この共振キャパシタは、個別キャパシタ、前記オゾン発生ユニットの自然キャパシタ、又は、個別キャパシタと前記オゾン発生ユニットの自然キャパシタとの組合せである。前記共振回路は10以上のQ値(q factor)を有する。他の実施例では、前記共振回路は共振キャパシタと並列に結合された共振インダクタを含む並列共振回路である。この共振キャパシタは、個別キャパシタ、前記オゾン発生ユニットの自然キャパシタ、又は、個別キャパシタと前記オゾン発生ユニットの自然キャパシタとの組合せである。
【0009】
前記電力源は、ハーフ・ブリッジ・インバータ、フル・ブリッジ・インバータ、、又は、スイッチング電力源でありうる。前記スイッチング素子は、MOSFET、BJT、又は、IGBTでありうる。
【0010】
この電源装置は、前記電力源に前記第1のAC電圧を変調させて前記第2のAC電圧が所望の電圧値を有するようにする信号を前記電力源に提供するコントローラを更に含むことがある。前記第1のAC電圧は、パルス幅変調及び/又は周波数変調を用いて変調することができる。前記コントローラは、信号を前記電力源に提供することにより、前記共振回路がその共振周波数において又はその近傍で動作することが可能になる。前記コントローラは、前記共振回路の最大動作周波数に同調し、感知された入力DC電流と設定点の入力電流とを比較することにより、前記共振回路の共振周波数に近接し前記所望の動作レベルを取得することが可能になる。また、前記コントローラは、前記共振回路の最大動作周波数への自己同調の間は前記オゾン発生ユニットの共振電圧を制御し、感知された共振電流と設定点の共振電流とを比較することにより、前記共振回路の共振周波数に近接することが可能である。
【0011】
本発明の実施例は、オゾン発生のための電源装置を含みうる。また、本発明の他の実施例は、反応性ガスの発生のための電源装置に応用することができる。
【0012】
本発明の実施例の長所は、変圧器が不要となることにより、コストの削減、信頼性及びオゾン発生器の動作範囲の拡大が達成されることである。
変圧器の代わりにQ値が高い共振回路(オゾン発生器の場合には、Q値は10以上)を用いるということは、回路の共振周波数ピークが狭いことを意味する。中心周波数は共振ピーク幅よりも広い公差を有する回路素子に依存するので、そのような回路の制御は問題となりうる。高いQ値の共振回路を制御する回路により、オゾン発生器と共振電源との両方について効果が得られ、これは、他の応用例にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】典型的なオゾン発生器の図解である。
【図2】従来技術によるオゾン発生器において用いられる変圧器ベースの電源装置の説明図である。
【図3】本発明のある1つの実施例による単一オゾン・セルにおけるオゾン発生のための変圧器を含まない(transformer-less)電力発振器を有する電源装置の回路図である。
【図4】本発明の特定の実施例による単一オゾン・セルにおけるオゾン発生のための変圧器を含まない電力発振器を有する電源装置の回路図である。
【図5A】周波数変調コントローラのある1つの実施例の詳細な回路図である。
【図5B】パルス幅変調コントローラのある1つの実施例の詳細な回路図である。
【図6】設定点電力と共振周波数との間の関係を示すグラフである。
【図7】ある1つの実施例による複数オゾン・セルにおけるオゾン発生のための変圧器を含まない複数の電力発振器を有する電源装置の説明図である。
【図8A】他の実施例による単一オゾン・セルにおけるオゾン発生のための変圧器を含まない電力発振器を有する電源装置の説明図である。
【図8B】他の実施例による単一オゾン・セルにおけるオゾン発生のための変圧器を含まない電力発振器を有する電源装置の説明図である。
【発明を実施するための実施の形態】
【0014】
本発明の以上の及びそれ以外の目的、特徴及び効果は、本発明の好適実施例に関する印加のより詳細な説明から明らかになるはずである。図面は、寸法通りではなく、本発明の原理を図解することに重点がおかれている。
【0015】
図1は、典型的なオゾン発生器100を図解するダイアグラムである。オゾン発生器100は、この出願ではオゾン・セル11Oa、・・・、110nと称されるオゾン発生ユニットのバンクを含んでいる。酸素(O)は、オゾン(O)及び酸素(O)の混合物への変換のために、酸素入口120を介してそれぞれのオゾン・セル110に供給される。生じるオゾン混合物は、オゾン出口130を通って、オゾン発生器100の外へ流れる。
【0016】
オゾン・セル110のコンポーネントは、典型的には、対向する電極プレート(図示せず)と誘電性バリア(図示せず)とを含んでいる。誘電性バリアは、電極プレートの一方に対して配置され、誘電性バリアと対向する電極プレートとの間にチャネルを形成する。動作の際には、チャネルを通過する酸素(O)は、放電による作用を受け、酸素原子を分解及び再結合してオゾン分子を生じさせる。放電又はフラックスを引き起こすため、高電圧交流(AC)電源が、それぞれのオゾン・セル110の対向する電極プレートの両端に加えられる。
【0017】
高圧交流電源は、電力発振器140a、・・・、140nのバンクによって提供され、それぞれの発振器140が、対応するオゾン・セル110に電力を供給する。電力発振器140は、単相又は三相の交流線電圧152を、規制された直流電圧(Vdc)に変換することができる共通の直流電源150に結合される。ここで、発振器140は、それぞれが、規制された直流電圧(Vdc)を高電圧AC電力に変換し、これが、対応するオゾン・セル110に供給され、結果的に、オゾン発生に必要な放電又は電束が生じる。オゾン・セル110の典型的な実施例は、米国特許第5,932、180号に開示されている。この米国特許の全内容は、この出願に援用する。
【0018】
一般に、電力発振器140は、高圧交流電源を発生する変圧器を使用して実現される。図2は、先行技術によるオゾン発生器の中で使用される、変圧器に基づいた電源200を図解するダイアグラムである。図解されている電源200は、直流電源210及び2つの追加的な段から構成されている。すなわち、(1)出力電力の調整用のバック・コンバータ220と、(2)オゾン・セル110の全体に高電圧交流電源を発生する変圧器232を含む自己発振プッシュプル・コンバータ230と、である。
【0019】
図3は、1つの実施例による単一のオゾン・セル110におけるオゾン発生のための変圧器を含まない(transformer-less)電力発振器310を有する電源300を図解するダイアグラムである。電力発振器310は、共振回路330に結合された電源320を含んでいる。共振回路330はオゾン・セル110に結合されている。電源320はスイッチング電力源でありうる。
【0020】
動作の際には、電源320は、直流電圧源210からの規制された直流電圧(Vdc)を、共振回路330に供給される第1の交流電圧に変換する。好ましくは、電源320からの第1の交流電圧は、共振回路330の共振周波数にほぼ近い周波数を有する。これに応答して、共振回路330は、実質的な共振的な第2の交流電圧をオゾン・セル110に与え、オゾン・セル100において放電又はフラックスを生じさせる。このように、電源320に共振回路330を結合することによって、電源300は、変圧器を用いずにオゾン・セル110におけるオゾン発生に必要な高電圧交流電源(第2の交流電圧)を提供することができる。
【0021】
図3を参照すると、コントローラ340は、電源320に制御信号を提供して、電源320に第1の交流電圧の周波数及び/又はデューティ・サイクルを変調させ、その結果として、共振回路330が、所望の値を有する実質的に第2の交流共振電圧をオゾン・セル110に提供することになる。いくつかの実施例では、第2の共振交流電圧は30kHzにおいて4.5kVpkでありうる。
【0022】
動作においては、コントローラ340は、基準電流REFと電源320における感知された入力電流とを比較し、電源320に制御信号(ゲート制御信号)を送り、電源320の動作周波数又はデューティ・サイクルを調整して所望の大きさを得る。コントローラ340は、第1の交流電圧を、パルス幅変調及び/又は周波数変調を使用して変調することができる。いくつかの実施例では、コントローラ340は、電圧、電流、又は、その組合せを感知し、所望の共振電圧を決定し制御することができる。
【0023】
図4は、特定の実施例による単一のオゾン・セル110におけるオゾン発生のための変圧器を含まない電力発振器404を有する電源400を図解している。図解された実施例では、共振回路420は、共振キャパシタ424と直列に結合された共振インダクタ422を含む直列共振回路である。オゾン・セル110は、共振キャパシタ424と並列に結合されている。共振キャパシタ424は、個別のキャパシタ、オゾン・セル110の自然キャパシタンス、又は、その組合せでありうる。図解されている実施例では、電源410は、直列に接続された2つのスイッチング素子412a及び412bを含むハーフ・ブリッジ・インバータである。スイッチング素子412a、412bは、MOSFET、BJT、IGBT、及び/又は当技術の中で既知の他のタイプのスイッチング素子でもありうる。スイッチング素子412a及び411bの間の電気的接続は、共振回路420に接続される。電源410は、図8A及び図8Bに示されるようなフル・ブリッジ・インバータでもよい。
【0024】
動作の際には、直流電源210は、電源/ハーフ・ブリッジ・インバータ410に、規制された直流電圧(Vdc)を供給する。コントローラ340からの制御信号は、ゲート・ドライバ540(図5A及び5B)に与えられ、それにより、スイッチ412a及び412bがオン・オフし、結果的に、ハーフ・ブリッジ・インバータ410が、直列共振回路420の共振周波数にほぼ近い周波数を有する第1の交流電圧を供給する。特に、共振回路420に加えられた第1の交流電圧は、制御されたデューティ・サイクルを備えた方形波パルスになりうる。制御信号は、更に、ハーフ・ブリッジ・インバータ410のデューティ・サイクルを変更し、オゾン・セル110に加えられた第2の共振する交流電圧の大きさを変更することができる。ハーフ・ブリッジ・インバータ410からの最初の交流電圧を受け取ることに応答して、直列共振回路420は、オゾン・セル110の全体に共振的な又は実質的に第2の交流電圧を提供し、セルの中に放電又はフラックスが提供されて、酸素(O)のオゾン(O)へ変換が達成される。特に、共振回路420は、制御されたデューティ・サイクルを備えた印加された方形波パルスを、制御された振幅を有する高電圧正弦波に変換する。1つの実施例によれば、第2の共振交流電圧の周波数の値は、30kHzにおいて約4.5kVpkである。
【0025】
酸素(O)に対するオゾン(O)の比率は、オゾン・セル110に供給された電力の値に左右される。オゾン・セル110に加えられた電力は、オゾン・セル110に与えられた電圧に比例して増加し、上述したように、基準信号REFに従ってコントローラ340によって統制される。このように、ハーフ・ブリッジ・インバータ410の動作周波数又はデューティ・サイクルを変更することによって、コントローラ340は、オゾンの濃縮を変更することができる。更に、共振周波数は、インダクタンス及びキャパシタンスがたとえ僅かであっても変化すると、変化する。このように、共振回路420は、変圧器の必要をなくすために、高いQ値(10以上)を有さなくてはならない。よって、コントローラ340は、共振する構成要素の変動とは独立でなければならない。
【0026】
図5A及び図5Bは、コントローラ500の実施例の詳細な回路図を示す。コントローラ500の主なコンポーネントは、パルス幅変調された集積回路(PWM IC)510と、第1の演算/誤差増幅器520と、第2の演算/誤差増幅器530と、ゲート・ドライバ回路540と、第1の抵抗550及び第2の抵抗560とである。
【0027】
図5Aは、周波数変調されたコントローラ500’の1つの実施例を示している。動作においては、演算増幅器/誤差増幅器520は、感知されたDC入力電流522と設定点のDC電流524とを比較する。抵抗550及び560は、PWM IC510の周波数を制御する。誤差増幅器520の出力は、それをプルアップ又はプルダウンすることにより、抵抗550を通過して流れる電流を制御し、コントローラ510の周波数を制御する。コントローラ500’は、誤差増幅器520によって発生された初期周波数が共振回路420(図4)の最大動作周波数であることを保証する自動同調回路を含んでいる。
【0028】
同調回路は、抵抗526と、キャパシタ528と、誤差増幅器520の感知された入力における小さなオフセット電圧を含んでいる。動作の際には、同調回路が電力を供給する場合、DC電流の設定値524は、抵抗526及びキャパシタ528によって作成された遅延を有しながら、ゼロからその設定値までゆっくりと増加する。その時点で、誤差増幅器520のオフセット電圧は、誤差増幅器によって発生された周波数が回路の最大動作周波数であることを保証する。最大共振周波数は、共振回路素子の最大公差とスイッチ点デバイスの容量とを考慮することにより、決定される。
【0029】
図6は、設定値電力と共振周波数との間の関係を示すグラフを示す。示されているように、設定値電力が増加するにつれて、パルス幅変調周波数は、その最大値からその最大電力に向かって減少し始める。すなわち、パルス幅変調周波数は、共振曲線上で移動し、最大電力を達成する。
【0030】
オゾン・セル110電圧は最大電力用への周波数の自動同調の間に非常に高い電圧まで上昇することがありうるので、オゾン・セル110電圧を制御することは重要である。よって、コントローラ500’は、第2の演算増幅器/誤差増幅器530を含む。誤差増幅器530は、感知された共振電流532と設定値共振電流とを比較することにより、オゾン・セル110の共振電圧を制御する。
【0031】
共振電流は、パルス幅変調の使用により制御することができる。図5Bは、パルス幅変調コントローラ500”のある1つの実施例を示している。パルス幅変調制御装置500”の動作は、上述した周波数変調されたコントローラ500’の動作に類似している。
【0032】
図7は、本発明のある1つの実施例による複数のオゾン・セル110a、・・・、110nにおけるオゾン発生のための、変圧器を含まない複数の電力発振器404a、・・・、404nを有する電源600を図解している。図解されている実施例では、規制された直流電圧(Vdc)(例えば、約400V)が、既知のフル・ブリッジ高周波コンバータ610によって提供される。高周波コンバータ610は、整流器ステージ612と、フル・ブリッジ・スイッチング段614と、変圧器段616と、フィルタ段618を含む。当業者に知られていた他の回路を用いて、規制された直流電圧を提供することも可能である。電力発振器404a、・・・、404nは、対応するオゾン・セル110a、・・・、110nに結合され、高電圧交流電源を提供する。それぞれの発振器404は、共振回路420に結合された電源410を含んでいる。図解されている実施例では、電源410は、MOSFETスイッチング素子412a及び412bを用いて実現されるハーフ・ブリッジ・インバータである。当業者には既知である他のスイッチング素子を利用することもある。また、ハーフ・ブリッジ発振器や、フル・ブリッジ発振器や、他の既知のデバイスを混合した実装も可能である。図解されている実施例の動作は、図1及び図4に関して上述した動作と類似する。
【0033】
図8A及び8Bは、他の特定の実施例による単一型のオゾン・セル110におけるオゾン発生のための変圧器を含まない電力発振器を有する電源700を図解するダイアグラムである。両方の実施例で、電源710は、4つのスイッチング素子712a、712b、712c、712dが図示されているように結合されたフル・ブリッジ・コンバータとして実装される。
【0034】
図8Aに示されるように、電圧源210は、フル・ブリッジ・コンバータ710に、規制された直流電圧(Vdc)を供給する。フル・ブリッジ・コンバータ710は、共振キャパシタ724と直列に結合された共振インダクタ722を有する直列共振回路720に結合されている。共振回路720は、図示されているように、オゾン・セル110に結合されている。
【0035】
図8Bに示されるように、電流源730は、フル・ブリッジ・コンバータ710に、規制されたDCの流れ(Idc)を供給する。フル・ブリッジ・コンバータ710は、共振キャパシタ744と並列に結合された共振インダクタ742を有する並列共振回路740に結合されている。共振回路740は、示されているように、オゾン・セル110に結合される。
【0036】
いずれの実施例でも、共振キャパシタは、個別のキャパシタ、オゾン・セル110の自然キャパシタンス、又は、個別キャパシタ及びセルの自然キャパシタンスの両方の組合せである。
【0037】
以上では、本発明を好適実施例を参照しながら示し説明したが、形式及び詳細における様々な変更は、特許請求の範囲に記載され阿本発明の範囲から逸脱することなく可能であることは、当業者には自明である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源装置であって、
該電源装置は、電力源と、該電力源に接続されたQ値を有する共振回路とからなる発振器であって、変圧器を有していない発振器を備え、
前記共振回路は、前記電源とオゾン発生ユニットとの間に直接結合されており、
前記共振回路は、共振インダクタと、前記オゾン発生ユニットの自然キャパシタである共振キャパシタとで構成されており、
前記電力源は第1のAC電圧を前記共振回路に提供し、前記共振回路は第2のAC電圧を前記オゾン発生ユニットを駆動するために提供し、前記第2のAC電圧は前記第1のAC電圧よりも高いことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
請求項1記載の電源装置において、前記共振回路は、前記第1のAC電圧に応答して、前記共振回路の共振周波数と実質的に近接した周波数を有する実質的な共振電圧を前記オゾン発生ユニットに与えることを特徴とする電源装置。
【請求項3】
請求項1記載の電源装置において、前記共振回路は、前記オゾン発生ユニットと直接に並列接続されていることを特徴とする電源装置。
【請求項4】
請求項1記載の電源装置において、前記共振回路のQ値は10以上であることを特徴とする電源装置。
【請求項5】
請求項1記載の電源装置において、前記電力源はハーフ・ブリッジ・インバータであることを特徴とする電源装置。
【請求項6】
請求項1記載の電源装置において、前記電力源はフル・ブリッジ・インバータであることを特徴とする電源装置。
【請求項7】
請求項1記載の電源装置において、前記電力源はスイッチング電力源であることを特徴とする電源装置。
【請求項8】
請求項7記載の電源装置において、前記スイッチング電力源のスイッチング素子はMOSFET、BJT、又は、IGBTであることを特徴とする電源装置。
【請求項9】
請求項1記載の電源装置において、該装置はさらに、
前記電力源に前記第1のAC電圧を変調させて前記第2のAC電圧が所望の電圧値を有するようにする信号を前記電力源に提供するコントローラ
を含むことを特徴とする電源装置。
【請求項10】
請求項9記載の電源装置において、前記第1のAC電圧はパルス幅変調を用いて変調されることを特徴とする電源装置。
【請求項11】
請求項9記載の電源装置において、前記第1のAC電圧は周波数変調を用いて変調されることを特徴とする電源装置。
【請求項12】
請求項9記載の電源装置において、前記コントローラが信号を前記電力源に提供することにより、前記共振回路がその共振周波数において又はその近傍で動作することが可能になることを特徴とする電源装置。
【請求項13】
請求項12記載の電源装置において、前記コントローラは、前記共振回路の最大動作周波数に同調し、感知された入力DC電流と設定点の入力電流とを比較することにより、前記共振回路の共振周波数に近接し前記所望の動作レベルを取得することを特徴とする電源装置。
【請求項14】
請求項13記載の電源装置において、前記コントローラは、前記共振回路の最大動作周波数への自己同調の間は前記オゾン発生ユニットの共振電圧を制御し、感知された共振電流と設定点の共振電流とを比較することにより、前記共振回路の共振周波数に近接することを特徴とする電源装置。
【請求項15】
オゾン発生のために電力を供給する方法であって、
電力源と、共振インダクタ及び共振キャパシタを備えかつQ値を有する共振回路とからなる発振回路であって、変圧器を備えていない発振回路を提供するステップと、
前記電力源とオゾン発生ユニットとの間に、前記共振回路を直接結合するステップと、
第1のAC電圧を前記電力源から前記共振回路に提供するステップと、
前記オゾン発生ユニットを駆動するための第2のAC電圧を前記共振回路から前記オゾン発生ユニットに提供するステップと
を含んでおり、前記共振回路の前記共振キャパシタが前記オゾン発生ユニットの自然キャパシタであり、かつ前記第2のAC電圧は前記第1のAC電圧よりも高いことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15記載の方法において、該方法はさらに、
前記第1のAC電圧に応答して、前記共振回路の共振周波数と実質的に近接した周波数を有する実質的な共振電圧を前記共振回路から前記オゾン発生ユニットに提供するステップ
を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項15記載の方法において、前記共振回路を直接結合するステップは、該共振回路を前記オゾン発生ユニットに直接並列に接続するステップであることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17記載の方法において、前記共振回路の前記Q値は10以上であることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項15記載の方法において、前記電力源はハーフ・ブリッジ・インバータであることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項15記載の方法において、前記電力源はフル・ブリッジ・インバータであることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項15記載の方法において、前記電力源はスイッチング電力源であることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項21記載の方法において、前記スイッチング電力源のスイッチング素子はMOSFET、BJT、又は、IGBTであることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項15記載の方法において、該方法はさらに、
信号を前記電力源に提供するステップと、
前記信号に応答し、前記第1のAC電圧を変調して、前記第2のAC電圧が所望の電圧値を有するようにするステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項23記載の方法において、前記第1のAC電圧を変調するステップは、前記第1のAC電圧のパルス幅を変調するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項23記載の方法において、前記第1のAC電圧を変調するステップは、前記第1のAC電圧の周波数を変調するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項23記載の方法において、前記電力源に提供された前記信号により、前記共振回路がその共振周波数において動作することが可能になることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項26記載の方法において、該方法はさらに、
前記共振回路の最大動作周波数に同調するステップと、
感知された入力DC電流と設定点の入力電流とを比較することにより、前記共振回路の共振周波数に近接し前記所望の動作レベルを取得するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項27記載の方法において、該方法はさらに、
前記共振回路の最大動作周波数への同調の間は、前記オゾン発生ユニットの共振電圧を制御するステップと、
感知された共振電流と設定点の共振電流とを比較することにより、前記共振回路の共振周波数に近接するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項29】
オゾン発生のために電力を供給する方法であって、
変圧器を有していない複数の発振器を提供するステップであって、各発振器が、電力源と、共振インダクタ及び共振キャパシタを備えた共振回路とを備えている、ステップと、
前記電力源と複数のオゾン発生ユニットの1つとの間に各々の共振回路を直接結合して各電圧源と各オゾン発生ユニットとが各共振回路に接続されるようにするステップであって、各共振回路の前記共振キャパシタは各オゾン発生ユニットの自然キャパシタである、ステップと、
第1のAC電圧を前記複数の電力源のそれぞれから対応する共振回路に提供するステップと、
第2のAC電圧をそれぞれの共振回路から対応するオゾン発生ユニットに供給して該オゾン発生ユニットを駆動するステップと
を含んでおり、前記第2のAC電圧は前記第1のAC電圧よりも高いことを特徴とする方法。
【請求項30】
オゾン発生のための電源装置であって、
該電源装置は、それぞれが電力源と共振回路とを備えている変圧器を用いていない複数の発振器であって、前記共振回路のそれぞれが前記電力源と複数のオゾン発生ユニットの1つとの間に接続されて、各電力源と各オゾン発生ユニットとが1つだけの共振回路に接続されており、各共振回路は、共振インダクタ及び共振キャパシタで構成され、該共振キャパシタは各オゾン発生ユニットの自然キャパシタである、複数の発振器を備えており、
前記複数の電力源はそれぞれが第1のAC電圧を対応する共振回路に提供し、対応する共振回路は第2のAC電圧をそれぞれのオゾン発生ユニットに提供して該オゾン発生ユニットを駆動するものであり、前記第2のAC電圧は前記第1のAC電圧よりも高いことを特徴とする電源装置。
【請求項31】
オゾン発生のために電力を供給する装置であって、
電力源と共振回路とからなり、変圧器を備えていない発振器と、
前記電力源とオゾン発生ユニットとの間に前記共振回路を直接結合する手段であって、前記共振回路は、Q値を有しかつ共振インダクタと共振キャパシタとで構成され、該共振キャパシタが前記オゾン発生ユニットの自然キャパシタである、手段と、
第1のAC電圧を前記電力源から前記共振回路に提供する手段と、
前記オゾン発生ユニットを駆動するために第2のAC電圧を前記共振回路から前記オゾン発生ユニットに提供する手段と
を含んでおり、前記第2のAC電圧は前記第1のAC電圧よりも高いことを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【公開番号】特開2013−85475(P2013−85475A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−18441(P2013−18441)
【出願日】平成25年2月1日(2013.2.1)
【分割の表示】特願2008−527033(P2008−527033)の分割
【原出願日】平成18年8月14日(2006.8.14)
【出願人】(592053963)エム ケー エス インストルメンツ インコーポレーテッド (114)
【氏名又は名称原語表記】MKS INSTRUMENTS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】