説明

オートサンプラ

【課題】大きなカバーで移動機構全体を覆うことなくガイドレール部分の安全性を向上させる。
【解決手段】スライドカバー18はガイドレール20に沿う方向への長さが互いに異なるスライドパネル24−1〜24−10が重ねられて構成されている。折曲げ強度を高めるためにスライドパネル24−1〜24−10のガイドレール20に沿う両側部が折り曲げられた折曲げ部27−1〜27−10が設けられている。各スライドパネル24−1〜24−10は長さが互いに異なっており、長さの短い順に下から重ねられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体クロマトグラフ(LC)又は全有機体炭素測定装置(TOC)等の分析装置において、試料を採取して分析装置に分注するオートサンプラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、全有機体炭素測定装置で測定する試料を自動的に採取するオートサンプラは、試料を収容した試料バイアルを設置しておくとその試料バイアルが自動的に所定の試料採取位置に搬送され、その試料採取位置に試料吸引用のニードルが移動してきて試料を採取するように構成されているものが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。そのようなオートサンプラでは、ニードルを移動させる機構として、ガイドレールを利用した移動機構が一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−294139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような移動機構を備えた装置では、移動機構のガイドレール部分が剥き出しになっていると、操作者がガイドレール部分で手を挟むなどして怪我をするという問題が生じたり、ガイドレール上の駆動部分に物が挟まってニードルの移動に不具合が発生するという問題が生じたりすることがあった。そのため、従来では、移動機構全体をカバーで覆ってそのような問題を防止することがあった。
【0005】
しかし、そうすると、本来カバーで覆う必要のないニードル部分までもカバーで覆うために、必要以上に大きなカバーが必要となり、設置面積は変化しなくても装置の見た目が大きく見えてしまうという欠点があった。また、ニードル部分もカバーで覆われるため、ニードルの交換作業などを行ないたい場合にカバーを取り外すなどの作業が増えて煩雑化するという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、大きなカバーで移動機構全体を覆うことなくニードルを移動させる駆動機構の安全性を向上させることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、試料容器を試料採取位置へ搬送するための試料部と、試料容器から試料を吸引するためのニードルと、そのニードルを試料部よりも高い位置で保持しながら試料採取位置へ移動させるニードル駆動部と、を備えたオートサンプラであって、ニードル駆動部は、ニードルを保持するニードル保持部、ニードル保持部を試料部よりも高い位置で支持する移動軸及び移動軸を水平方向へ移動させるための駆動機構を備え、ニードル保持部と駆動機構との間にスライドカバーが配置され、駆動機構はスライドカバーで覆われており、スライドカバーは、複数のスライドパネルが上下方向に重ねられて構成され、各スライドパネルは互いに移動軸移動方向の長さが異なっており、その長さの短いスライドパネルほど下に配置され、各スライドパネルは移動軸を貫通させるための開口部をもち、各開口部の移動軸移動方向の長さは各開口部が設けられているスライドパネルの長さが大きいものほど大きく、両側部に自重による撓みを防止するために折り曲げられた折曲げ部が設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
好ましい形態では、スライドカバーは最も下に配置されているスライドパネルを除いて直下のスライドパネルの移動範囲を自身の移動軸移動方向の長さの範囲内に限定するためのストッパを両端部に備え、かつ各スライドパネルの開口部の端部よりも直下のスライドパネルの端部が常に外側にくるように開口部の移動軸移動方向の長さと直下のスライドパネルの移動軸移動方向の長さが設定されている。ストッパにより、スライドパネルが必要以上に移動することが防止され、各スライドパネルの開口部はそれよりも下に配置されているスライドパネルの上面によって常に閉じられた状態が維持される。
【発明の効果】
【0009】
本発明のオートサンプラは、移動軸を水平方向へ移動させるための駆動機構がスライドカバーで覆われているので、オートサンプラ全体をカバーで覆うことなく移動軸の駆動部分の安全性を確保でき、オートサンプラ全体をカバーで覆う場合に比べてオートサンプラをコンパクトに見せることができる。そして、スライドカバーは互いに長さの異なる複数のスライドパネルが上下方向に重ねられて構成され、長さの短いスライドパネルほど下に配置されているので、移動軸とともに移動するスライドパネルに指などが挟まることがなくなり、安全性が向上する。さらに、各スライドパネルの両側部には、スライドパネルの自重による撓みを防止するために折り曲げられた折曲げ部が設けられているので、スライドパネルが自重によって撓まなくなり、移動軸の移動にともなうスライドパネルの重なり枚数の増減によってスライドパネルの端部が上下動することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】オートサンプラの一実施例を示す平面図である。
【図2】同実施例のスライドカバーの構造を説明するための分解斜視図である。
【図3】同実施例のスライドカバーの動作を説明するための図1のA−A位置における断面図である。
【図4】同実施例のオートサンプラを用いたTOC計の一例を示す流路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1から図3を参照しながら移動機構を備えたオートサンプラの一実施例について説明する。
まず、図1に基づいてオートサンプラの構成を説明する。このオートサンプラはサンプリング部2と試料部4を備えている。試料部4は試料バイアルを載置するための試料載置部6を複数備えて回転するターンテーブルからなる。サンプリング部2は移動軸8に取り付けられた垂直移動部10を備え、垂直移動部10に水平方向に延びたアーム12の基端部が保持され、さらにアーム12にニードル保持部14が取り付けられて構成されている。ニードル保持部14には2本のニードル16a,16bが保持されている。
【0012】
移動軸8はスライドカバー18の下に配置されているガイドレールに沿って図の縦方向(X方向)へ移動し、垂直移動部10は移動軸8に沿って垂直方向に上下動するように構成されており、それによってニードル16a,16bが水平方向と垂直方向へ移動させられる。
【0013】
この実施例では、ニードル16aは試料バイアル内においてバブリングを行なうためのエアー噴出用ニードルであり、ニードル16bは試料バイアル内の試料を吸引するための試料吸引用ニードルである。図示は省略されているが、ニードル16aには高純度空気を供給するための高純度空気ボンベが接続されており、ニードル16bにはサンプルループや切替えバルブを介してシリンジポンプが接続されている。
【0014】
試料部4はターンテーブルの回転により採取すべき試料バイアルを所定の試料採取位置へ順次搬送する。試料採取位置にはバブリング位置が設定されている。試料採取位置に試料バイアルが搬送されると、サンプリング部2はニードル16bを試料採取位置上の位置に移動させて下降させ、試料バイアル内にニードル16bを挿入して試料の吸引を行なう。このとき、次にサンプリングされるべき試料バイアルにはニードル16aが同時に挿入され、バブリングが行なわれる。
【0015】
上述のように、移動軸8の移動方向を規定するガイドレールはスライドカバー18によって覆われている。スライドカバー18はガイドレールを覆いつつも移動軸8の移動を妨げないように構成されている。その構造を図2に示す。移動軸8は、スライドカバー18によって覆われたガイドレール20上に配置された水平移動部22に下端が支持されている。水平移動部22は図示されていない移動機構によってガイドレール20上を移動し、移動軸8は水平移動部22とともに水平方向へ移動する。移動軸8、垂直移動部10、スライドカバー18、ガイドレール20及び水平移動部22はニードル駆動部を構成している。また、ガイドレール20及び水平移動部22は駆動機構を構成している。
【0016】
スライドカバー18はガイドレール20に沿う方向への長さ(以下、この方向への長さを端に「長さ」という)が互いに異なるスライドパネル24−1〜24−10が重ねられて構成されている。スライドパネル24−1〜24−10は、例えばポリ塩化ビニルからなる板状の部材であり、静電気を防止するために片面が粗面となっている。折曲げ強度を高めるためにスライドパネル24−1〜24−10のガイドレール20に沿う両側部が折り曲げられた折曲げ部27−1〜27−10が設けられている。これにより、各スライドパネル24−1〜24−10が自重によって撓むことがなく、スライドパネルの重なり枚数の増減によってスライドカバー18の端部が上下動することがない。
なお、一例としてスライドカバー18を24−1〜24−10の10枚のスライドパネルで構成しているが、スライドパネルの枚数はそれよりも少なくても多くてもよい。
【0017】
各スライドパネル24−1〜24−10は長さが互いに異なっており、下から長さの短い順に重ねられている。各スライドパネル24−1〜24−10の幅は、スライドパネル24−1〜24−10を重ねることができるように、上側になるスライドパネルはその直下のスライドパネルの幅よりも少なくとも折曲げ部の板厚の2倍の厚さは広くなっている。最も下に配置されたスライドパネル24−1は長さが最も短いスライドパネルであり、その大きさは水平移動部22上及びその周囲の領域を覆う程度である。スライドパネル24−1の中央部に移動軸8を貫通させるために必要最小限の大きさの開口部25−1が設けられている。
【0018】
スライドパネル24−1よりも上に重ねられているスライドパネル24−2〜24−10の中央部には、幅が開口部25−1と同一で長さが直下のスライドパネルの開口部よりも長い開口部25−2〜25−10がそれぞれ設けられている。
【0019】
最も上に配置されたスライドパネル24−10は移動軸8の移動範囲よりも長い長さをもち、その開口部25−10はガイドレール20に沿って移動する移動軸8の移動範囲に相当する長さである。スライドパネル24−10はオートサンプラの筐体側に固定されている。
【0020】
スライドパネル24−10よりも下に配置されている各スライドパネル24−1〜24−9はガイドレール20に沿う方向に対してそれぞれ独立しており、それぞれのスライドパネル24−1〜24−9は移動軸8によってそれぞれの開口部25−1〜25−9の移動方向側端部が移動軸8と接触して押されて初めて移動するようになっている。
【0021】
移動軸8が一方の方向へ移動した場合、スライドパネル24−1は初めから移動軸8とともに移動するのに対し、スライドパネル24−10を除くスライドパネル24−1よりも上のスライドパネル24−2〜24−9は、移動軸8がそれぞれの開口部25−2〜25−9の移動方向側端部が移動軸8に接するまでは停止しており、上に重ねられているスライドパネルほど移動軸8の移動に対する追従が遅れる。
【0022】
各スライドパネル24−2〜24−9がその開口部の端部を移動軸8によって押される前に摩擦等によって移動することを防止するため、スライドパネル24−2〜24−10の両端部に、直下のスライドパネルの移動範囲を自身の長さの範囲内に制限するストッパとしての折曲げ部26−2〜26−10が設けられている。各スライドパネル24−2〜24−10に設けられている開口部25−2〜25−10の長さとその直下のスライドパネル24−1〜24−9の長さは、各開口部25−2〜25−10の端部よりも外側に直下のスライドパネル24−1〜24−9の端面が常にくるように設定されている。これにより、図3(A)〜(C)に示されているように、移動軸8の位置に拘わらず、ガイドレール20上の領域がスライドパネル24−1〜24−9の開口部25−1〜25−9の上面で覆われ、スライドカバー18に隙間ができてオートサンプラの筐体の表面にガイドレール20が露出することが防止される。
【0023】
このように、スライドカバー18によってガイドレール20上の領域を覆っているので、サンプリング部2を構成する移動機構の安全性が向上する。さらに、スライドカバー18は移動軸8に追従して移動するスライドパネル24−1が最も下に配置されているので、移動軸8の移動時にスライドパネルに作業者の指や物が挟まることもない。
【0024】
実施例のオートサンプラを適用した全有機炭素測定装置の一例の流路構成を図4示す。
実施例のオートサンプラ1の試料吸引用ニードルが流路1aを介して多ポートバルブ9に接続され、オートサンプラ1で採取された試料は多ポートバルブ9に接続されたサンプリングシリンジ11を介してTOC測定部3に供給される。
【0025】
TOC測定部3には、TOC測定部3中の電気炉を備えたTC(全炭素)燃焼管41にキャリアガスを送るキャリアガス供給部5が接続されている。
多ポートバルブ9の共通ポートには試料水を計量して採取するためのサンプリングシリンジ11が接続され、他のポートには試料導入部13、試料水から無機炭素成分を除去する際に使用される塩酸15、希釈水17、TOC測定部3中のIC(無機炭素)反応器19、TC燃焼管41及び排出用ドレイン21がそれぞれ接続されており、オートサンプラ1から採取した試料をTOC測定部のTC燃焼管41及びIC反応器19に注入できるようになっている。
【0026】
サンプリングシリンジ11は容量5mLで、バレル下部にキャリアガスを導入するための通気ガス入口を備えている。その通気ガス入口は、電磁弁37を介してキャリアガス供給部5に接続されている。
【0027】
キャリアガス供給部5は、高純度空気をキャリアガスとして供給するものであり、上流側から順にキャリアガス入口23、電磁弁28、圧力を調節する調圧弁30、その圧力を計量する圧力計29、流量を調節するマスフローコントローラ31、流量計33、及び加湿器35が接続されて構成されている。流量が計量されて加湿されたキャリアガスはTC燃焼管41に送られる。また、サンプリングシリンジ11にも加湿用の流量調整されたキャリアガスが通気ガスとして電磁弁37を介してサンプリングシリンジ11に供給される。
【0028】
TC燃焼管41はその上部に試料注入部43を備え、内部には試料中の炭素成分の全てをCO2に変換するための金属酸化物や貴金属からなる酸化触媒41aを備えて、電気炉41によって加熱されるようになっている。試料注入部43はキャリアガスの逆流を防止する逆止弁45を介してキャリアガス供給部5と接続している。TC燃焼管41の下部の出口には、冷却管47と逆流防止トラップ49を介してIC反応器19のキャリアガス導入口に接続されている。これにより、TC燃焼管41で試料から発生したCO2はキャリアガスによってIC反応器19を経て除湿用電子クーラ51へ導かれる。
【0029】
IC反応器19はIC測定時にはIC反応液19aとしてリン酸53がポンプ55によって供給され、IC反応器19に試料水が直接注入され、注入された試料水中のICがCO2として発生し、キャリアガスによって除湿用電子クーラ51へ導かれる。IC反応器19のIC反応液19aはドレイン用電磁弁57から排出される。
【0030】
除湿用電子クーラ51を経たガスは水分を除去する除湿器やハロゲン成分を除去するハロゲンスクラバ61及び異物を除去するためのメンブレンフィルタ63を介して非分散形赤外分析計(NDIR)のセル65に導かれる。セル65の両端には光源67及び検出器69が対向して備えられており、検出器69の信号からCO2濃度が求められる。排出された二酸化炭素はCO2アブソーバ71に吸着される。除湿用電子クーラ51には水分除去するためのドレインポット59が接続されている。
【0031】
TOC測定部3、多ポートバルブ9、サンプリングシリンジ11及びサンプリングシリンジ11に通気を行う電磁弁37は制御部100と接続されている。制御部100はTOC測定動作を制御する。サンプリングシリンジ11に供給されたキャリアガスは多ポートバルブ9のドレイン用ポートから排出される。
【0032】
次にTOC測定の動作を説明する。
試料水はサンプリングシリンジ11によってオートサンプラ1から吸入された後、多ポートバルブ9がサンプリングシリンジ11をTC燃焼管41に接続するポートに切り換えられて、サンプリングシリンジ11のプランジャが上昇させられることにより試料水がTC燃焼管41の試料注入部43に送られ、同時に、高純度空気がキャリアガスとしてキャリアガス供給部5から逆止弁45を介して試料注入部43に送られ、試料水と空気の混合物がTC燃焼管41に導入される。TC燃焼管41では電気炉41により680℃に加熱され、試料水の炭素成分は酸化されて二酸化炭素に変換される。
【0033】
TC燃焼管41で発生したガス(二酸化炭素と水蒸気)は冷却管47で冷却され、二酸化炭素は逆流防止トラップ49を経由してIC反応器19に導入され、IC反応液19aを通って上部から除湿用電子クーラ51に導かれてさらに水分が除去され、ハロゲンスクラバ61でハロゲン成分が除かれ、メンブレンフィルタ63により濾過されて、セル65に導入される。そして、光源67からの赤外光が、セル65中に照射され、二酸化炭素の濃度に比例した信号が検出器69から得られる。この信号は液体試料のTCに相当する。そして排出された二酸化炭素はCO2アブソーバ71に吸着される。
【0034】
次に、サンプリングシリンジ11によってオートサンプラ1から吸入された試料水が、多ポートバルブ9の切替えとサンプリングシリンジ11の作動によってIC反応器19に送られる。IC反応器19では、下部からキャリアガスが送られてIC反応液19aがバブリングされる状態に保たれ、その状態で上部から導入された試料水は、IC反応液19aであるリン酸溶液に触れ、酸性化作用により二酸化炭素を生成する。この二酸化炭素を含むガスは、除湿用電子クーラ51に導かれてさらに水分が除去され、ハロゲンスクラバ61でハロゲン成分が除かれ、メンブレンフィルタ63により濾過されて、セル65に導入される。そして、光源67からの赤外光が、セル65中に照射され、二酸化炭素の濃度に比例した信号が検出器69から得られる。この二酸化炭素量はICに相当する。
このようにして測定されたTCからICを差し引きすれば、TOCを求めることができる。
【0035】
このTOC測定装置では、サンプリングシリンジ11に通気処理を行う機構とサンプリングシリンジ11に酸を注入する機構を備えているので、直接にTOCを測定することもできる。すなわち、試料水がサンプリングシリンジ11に採取された後、多ポートバルブ9がサンプリングシリンジ11を塩酸15の供給を受けるポートに切り替えられて塩酸がサンプリングシリンジ11に吸引される。その後、多ポートバルブ9がドレイン用のポートに接続され、サンプリングシリンジ11のプランジャがバレル下部の通気位置まで下げられ、電磁弁37が開かれて、高純度空気がキャリアガスとしてサンプリングシリンジ11内に導入され、サンプリングシリンジ11内の試料水を通気処理して多ポートバルブ9のドレイン用ポートから排出される。このとき、試料水に溶解していたICが炭酸ガスとしてキャリアガスとともに試料水から排出される。その後、その試料水をTC燃焼管41に導いて炭素成分を測定すると、TOCが測定される。
【0036】
また、実施例のオートサンプラはエアー噴出用のニードル16aを備えている。エアー噴出用のニードル16aは、通常は試料吸引用ニードル16bによる試料水の採取の直前に試料水を攪拌するためのものであるが、そのエアー噴出用のニードル16aによるエアー噴出による攪拌の際に試料バイアルに塩酸を供給するようにすれば、図4の全有機体測定装置においてサンプリングシリンジ11へキャリアガス供給部5からのキャリアガスを供給する流路を省くことができる。
【符号の説明】
【0037】
2 サンプリング部
4 試料部
6 試料載置部
8 移動軸
10 垂直移動部
12 アーム
14 ニードル保持部
16a,16b ニードル
18 スライドカバー
20 ガイドレール
22 水平移動部
24−1〜24−10 スライドパネル
25−1〜25−10 開口部
26−2〜26−10 折曲げ部(端部側)
27−1〜27−10 折曲げ部(側部側)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料容器を試料採取位置へ搬送するための試料部と、試料容器から試料を吸引するためのニードルと、そのニードルを前記試料部よりも高い位置で保持するとともに前記試料採取位置へ移動させるニードル駆動部と、を備えたオートサンプラにおいて、
前記ニードル駆動部は、前記ニードルを保持するニードル保持部、前記ニードル保持部を前記試料部よりも高い位置で支持する移動軸及び前記移動軸を水平方向へ移動させるための駆動機構を備え、
前記ニードル保持部と前記駆動機構との間にスライドカバーが配置され、前記駆動機構は前記スライドカバーで覆われており、
前記スライドカバーは、複数のスライドパネルが上下方向に重ねられて構成され、
各スライドパネルは互いに前記移動軸移動方向の長さが異なっており、その長さの短いスライドパネルほど下に配置され、
各スライドパネルは前記移動軸を貫通させるための開口部をもち、各開口部の前記移動軸移動方向の長さは各開口部が設けられているスライドパネルの長さが大きいものほど大きく、両側部に自重による撓みを防止するために折り曲げられた折曲げ部が設けられていることを特徴とするオートサンプラ。
【請求項2】
前記スライドカバーは最も下に配置されている前記スライドパネルを除いて直下のスライドパネルの移動範囲を自身の前記移動軸移動方向の長さの範囲内に限定するためのストッパを両端部に備え、かつ各スライドパネルの前記開口部の端部よりも直下のスライドパネルの端部が常に外側にくるように前記開口部の前記移動軸移動方向の長さと直下のスライドパネルの前記移動軸移動方向の長さが設定されている請求項1に記載のオートサンプラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−169682(P2011−169682A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32421(P2010−32421)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】