説明

カチオンクリーム基剤

【課題】染料および染料先駆物質が毛髪などのケラチン繊維によく付着し、該繊維の長さに沿って均一に着色し、処理後に該繊維に光沢を与えるケラチン繊維染色用二成分組成物の提供。
【解決手段】(A)少なくとも1つの染料先駆物質および/または直接染料;(B)少なくとも1つの脂肪酸グリセリルエステル;(C)少なくとも1つの下記一般式(I)のカチオン界面活性剤;および(D)シリカおよび/または炭酸水素アンモニウムの少なくとも1つを含んで成る第一調製物、並びに少なくとも1つの酸化剤および少なくとも1つのアニオンまたはカチオン界面活性剤を含んで成る第二調製物から成る、ケラチン繊維染色用二成分組成物であって、該第一調製物は、アニオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤および両性界面活性剤を含有しない、ケラチン繊維染色用二成分組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直接染料および/または染料先駆物質に加えて、少なくとも1つの脂肪酸グリセリルエステルおよび少なくとも1つの特定のカチオン界面活性剤を含んで成る、ケラチン繊維用染色組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト毛髪は、現在、毛髪美容調製物を使用して、様々に処理されている。このような処理は、例えば、シャンプーを使用する毛髪洗浄、リンスおよびトリートメントを使用するケアおよび再生、ならびに着色剤、毛染め料、ウェーブ組成物およびスタイリング調製物を使用する毛髪の脱色、着色および形付けである。これに関して、毛髪の色を変化させるかニュアンスを与える組成物が、重要な役割を果たしている。
【0003】
一時的着色のために、いわゆる直接染料を着色成分として含有する着色剤または毛染め料が一般に使用される。これらは、毛髪に直接付着し、発色のための酸化過程を必要としない染料分子である。これらの染料は、例えば、体および毛髪を着色するために古くから知られているヘンナを包含する。このような着色は、一般に酸化着色より、洗髪に対してかなり感受性があり、これは、多くの場合に望ましくないニュアンスの変化、または目に見える「脱色」が極めて早く生じることを意味する。
【0004】
対応する堅牢性を有する持続性の強い着色のために、いわゆる酸化着色剤が使用される。そのような着色剤は、酸化染料先駆物質、いわゆる顕色成分およびカプラー成分を一般に含んで成る。酸化剤または大気中の酸素の影響下で、顕色剤成分が、互いに、または1つまたはそれ以上のカプラー成分と結合して、実際の染料を形成する。酸化着色剤は、優れた持続性着色効果を特徴とする。自然に見える着色のために、比較的多数の酸化染料先駆物質の混合物を一般に使用しなければならない(多くの場合、それに加えて、直接染料もニュアンスを与えるために使用される)。
【0005】
最後に、最近、新しいタイプの染色方法が多くの関心を集めている。この方法において、天然毛髪染料メラニンの先駆物質を毛髪に適用し、毛髪内での酸化過程で、これらが天然類似染料を形成する。5,6-ジヒドロキシインドリンを染料先駆物質として使用するそのような方法の1つが、欧州特許第530229号に開示されている。5,6-ジヒドロキシインドリンを含有する組成物を適用した場合、特に繰り返して適用した場合、白髪の人において自然な毛髪の色を復元することができる。この場合、大気中の酸素を単一酸化剤として着色が起こり、これはさらなる酸化剤に頼る必要がないことを意味する。元々中程度のブロンドないし褐色の毛髪の人のために、インドリンは単一染料先駆物質として使用することができる。これと対照的に、元々赤色、特に濃色ないし黒色の毛髪の人に使用する場合、さらなる染料成分、特に特定の酸化染料先駆物質との併用によってのみ、満足のゆく結果が得られることが多い。
【0006】
一般に、毛髪着色剤は、水性エマルジョンまたは着色ゲルの形態で配合され、適切であれば、それらは適用前に酸化剤調製物と直接混合される。エマルジョン形態の毛髪着色剤を配合する場合、往々にして配合物の極めて高い塩含有量により、貯蔵安定性に関する問題が見られることが多い。塩含有量は、より貯蔵安定性の塩の形態で使用されることが多い染料先駆物質、および調製過程に由来する塩添加剤(特に直接染料の場合)から特に生じうる。
【0007】
繊維のケア状態を向上させるために、変色処理に続いて、繊維を特定の後処理を付すことが慣例化している。この場合、一般にリンス形態で、特定の活性成分、例えば第四アンモニウム塩または特定のポリマーを使用して、毛髪を処理する。配合に依存して、この処理は、毛髪の櫛どおり、ホールドおよび豊かさを向上させ、枝毛の数を減少させる。
【0008】
最近、特に消費者による直接適用の場合に、一般的な多段階法の費用を減少させるために、いわゆる組み合わせ調製物も開発されている。
【0009】
一般的な成分に加えて、例えば毛髪着色用の、このような調製物は、以前は毛髪後処理組成物用であった活性成分をさらに含んで成る。従って、消費者は1つの適用段階を省くことができ、それと共に、1つ少ない製品が使用されるので包装経費が削減される。
【0010】
着色クリーム剤は高いpHを一般に有し、酸化剤調製物は低いpHを有するから、そのような組み合わせ調製物に使用しうる活性成分は、特にそれらの安定性に関して、高い要求を満たす必要がある。種々の活性成分の相互の不適合性、およびそれによる低い貯蔵安定性も避けるべきである。
【0011】
独国特許出願公開第19914927号、独国特許出願公開第19914926号および独国特許出願公開第4408506号において、そのような活性成分組み合わせを酸化着色剤に使用することが、既に提案されている。しかし、これらの組成物は、特に、例えば日本人の毛髪のようなケアしにくい繊維について、ケア特性に関して所望されることを解決していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許第530229号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第19914927号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第19914926号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第4408506号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、高い塩含有量の配合物の場合でも、優れたケア特性および優れた安定性を有する繊維の変色処理用クリーム基剤が現在も必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
意外にも、色付与成分に加えて、少なくとも1つの脂肪酸グリセリルエステルおよび少なくとも1つの特定カチオン界面活性剤を含んで成る着色剤が、高い塩含有量にもかかわらず極めて安定であり、優れたケア作用も示すことが見出された。
【0015】
従って、本発明は、第一に、
(A) 少なくとも1つの染料先駆物質および/または直接染料;
(B) 少なくとも1つの脂肪酸グリセリルエステル;および
(C) 少なくとも1つの式(I)のカチオン界面活性剤;
【0016】
【化1】

[式中、
基R1〜R4は、互いに独立して、C1〜C4アルキル基またはC10〜C30アルキル基であり、基R1〜R4の少なくとも1つ、多くて2つはC12〜C30アルキル基である。
Xは、生理的適合性のアニオンである。]
を含んで成るケラチン繊維染色用組成物を提供する。
【0017】
標準的な増粘剤の併用は原則的に除外されないが、本発明のクリーム基剤を使用した場合、この種の化合物を全く使用しなくてもよい。
【0018】
さらに、本発明のクリーム基剤は、毛髪における染料(先駆物質)の極めて優れた吸収を可能にし、長さに沿って極めて均一な色を確実にし、処理後に繊維が光沢を有することも見出された。
【0019】
本発明によれば、ケラチン繊維は、毛皮、羊毛、羽、特にヒト毛髪であるものと理解される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の着色剤に使用しうる染料先駆物質に関して、本発明は、どのような種類にも限定されない。本発明の着色剤は、染料先駆物質として
・ 顕色剤型および/またはカプラー型の酸化染料先駆物質;および
・ 天然類似染料の先駆物質、例えばインドールおよびインドリン誘導体;ならびに
これらの群の物質の混合物を含んで成ることができる。
【0021】
本発明の第一の好ましい態様において、本発明の組成物は、顕色剤型および/またはカプラー型の少なくとも1つの染料先駆物質を含んで成る。
【0022】
使用される顕色剤成分は、一般に、パラまたはオルト位に位置する遊離のまたは置換されたヒドロキシ基またはアミノ基を更に有する第一級芳香族アミン、ジアミノピリジン誘導体、複素環式ヒドラゾン、4-アミノピラゾール誘導体、および2,4,5,6-テトラアミノピリミジンおよびその誘導体である。
【0023】
本発明によれば、p-フェニレンジアミン誘導体またはその生理的適合性塩の1つを、顕色剤成分として使用するのが好ましい。特に好ましいのは、式(E1)のp-フェニレンジアミン誘導体である:
【0024】
【化2】

[式中、
− G1は、水素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基、4’-アミノフェニル基であるか、または窒素含有基、フェニル基もしくは4’-アミノフェニル基によって置換されたC1〜C4アルキル基であり;
− G2は、水素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基、または窒素含有基によって置換されたC1〜C4アルキル基であり;
− G3は、水素原子、ハロゲン原子、例えば、塩素、臭素、ヨウ素またはフッ素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、C1〜C4ヒドロキシアルコキシ基、C1〜C4アセチルアミノアルコキシ基、C1〜C4メシルアミノアルコキシ基、またはC1〜C4カルバモイルアミノアルコキシ基であり;
− Gは、水素原子、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基であるか;または
− G3およびG4が互いにオルト位にある場合、それらは一緒になって架橋α,ω-アルキレンジオキソ基、例えばエチレンジオキシ基を形成しうる。]。
【0025】
本発明の化合物における置換基として指定されるC1〜C4アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびブチル基である。エチルおよびメチルが好ましいアルキル基である。本発明に好ましいC1〜C4アルコキシ基は、例えば、メトキシまたはエトキシ基である。さらに、指定しうるC1〜C4ヒドロキシアルキル基の好ましい例は、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシプロピル基または4-ヒドロキシブチル基である。2-ヒドロキシエチル基が特に好ましい。特に好ましいC2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、1,2-ジヒドロキシエチル基である。本発明によれば、ハロゲン原子の例は、F、ClまたはBr原子であり、Cl原子が特に好ましい。本発明によれば、使用される他の用語は、ここに示す定義から派生される。式(E1)の窒素含有基の例は、特に、アミノ基、C1〜C4モノアルキルアミノ基、C1〜C4ジアルキルアミノ基、C1〜C4トリアルキルアンモニウム基、C1〜C4モノヒドロキシアルキルアミノ基、イミダゾリニウムおよびアンモニウムである。
【0026】
式(E1)の特に好ましいp-フェニレンジアミンは、下記の化合物から選択される:p-フェニレンジアミン、p-トルイレンジアミン、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-p-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピル-p-フェニレンジアミン、4-アミノ-3-メチル-(N,N-ジエチル)アニリン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルアニリン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-クロロアニリン、2-(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-(α,β-ジヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-フルオロ-p-フェニレンジアミン、2-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N-(β-ヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-3-メチル-p-フェニレンジアミン、N,N-(エチル-β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、N-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、N-(4’-アミノフェニル)-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-p-フェニレンジアミン、2-(β-ヒドロキシエチルオキシ)-p-フェニレンジアミン、2-(β-アセチルアミノエチルオキシ)-p-フェニレンジアミン、N-(β-メトキシエチル)-p-フェニレンジアミン、5,8-ジアミノベンゾ-1,4-ジオキサンおよびそれらの生理的適合性塩。
【0027】
本発明によれば、特に好ましい式(E1)のp-フェニレンジアミン誘導体は、p-フェニレンジアミン、p-トルイレンジアミン、2-(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-(α,β-ジヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミンおよびN,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミンである。
【0028】
本発明によれば、アミノ基および/またはヒドロキシル基によって置換された少なくとも2個の芳香核を有する化合物を、顕色剤成分として使用するのも好ましい。
【0029】
本発明の着色組成物に使用しうる二核顕色剤の中で特に挙げられるのは、下記の式(E2)で示される化合物、およびその生理的適合性塩である:
【0030】
【化3】

[式中、
− Z1およびZ2は、互いに独立して、ヒドロキシル基またはNH2基であって、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ヒドロキシアルキル基および/または架橋Yによって任意に置換されていてよく、任意に、架橋環系の一部であってよく;
− 架橋Yは、炭素原子1〜14個を有するアルキレン基、例えば、直鎖または分岐鎖アルキレン基またはアルキレン環であって、1個またはそれ以上の窒素含有基および/または1個またはそれ以上のヘテロ原子、例えば、酸素、硫黄または窒素原子により中断されるか、または末端化されてもよく、かつ、1個またはそれ以上のヒドロキシル基またはC1〜C8アルコキシ基によって置換されている場合もある、またはYは直接結合であり;
− G5およびG6は、互いに独立して、水素またはハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、C1〜C4アミノアルキル基、または架橋Yへの直接結合であり;
− G7、G8、G9、G10、G11およびG12は、互いに独立して、水素原子、架橋Yへの直接結合、またはC1〜C4アルキル基であり;
但し、
− 式(E2)の化合物は、1分子につき唯1つの架橋Yを有するものとし;かつ
− 式(E2)の化合物は、少なくとも1個の水素原子を有する少なくとも1個のアミノ基を有するものとする。]。
【0031】
本発明によれば、式(E2)に使用される置換基は、前記と同様に定義される。
【0032】
好ましい式(E2)の二核顕色剤成分は、特に下記の化合物である: N,N’-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N’-ビス(4’-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパン-2-オール、N,N’-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N’-ビス(4’-アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N’-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N’-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’-ビス(4-メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’-ジエチル-N,N’-ビス(4’-アミノ-3’-メチルフェニル)エチレンジアミン、ビス(2-ヒドロキシ-5-アミノフェニル)メタン、1,3-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)プロパン-2-オール、N,N’-ビス(4’-アミノフェニル)-1,4-ジアザシクロヘプタン、N,N’-ビス(2-ヒドロキシ-5-アミノベンジル)ピペラジン、N-(4’-アミノフェニル)-p-フェニレンジアミンおよび1,10-ビス(2’,5’-ジアミノフェニル)-1,4,7,10-テトラオキサデカン、ならびにそれらの生理的適合性塩。
【0033】
特に好ましい式(E2)の二核顕色剤成分は、N,N’-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N’-ビス(4’-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパン-2-オール、ビス(2-ヒドロキシ-5-アミノフェニル)メタン、1,3-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)プロパン-2-オール、N,N’-ビス(4’-アミノフェニル)-1,4-ジアザシクロヘプタン、および1,10-ビス(2’,5’-ジアミノフェニル)-1,4,7,10-テトラオキサデカン、またはそれらの生理的適合性塩の1つ。
【0034】
さらに、本発明によれば、p-アミノフェノール誘導体またはその生理的適合性塩の1つを、顕色剤成分として使用するのも好ましい。特に好ましいのは、式(E3)のp-アミノフェノール誘導体である:
【0035】
【化4】

[式中、
− G13は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基、C1〜C4アミノアルキル基、ヒドロキシ(C1〜C4)アルキルアミノ基、C1〜C4ヒドロキシアルコキシ基、C1〜C4ヒドロキシアルキル(C1〜C4)アミノアルキル基、または(ジ- C1〜C4アルキルアミノ)(C1〜C4)アルキル基であり;
− G14は、水素またはハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基、C1〜C4アミノアルキル基、またはC1〜C4シアノアルキル基であり;
− G15は、水素、C1〜C4アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、フェニル基またはベンジル基であり;
− G16は、水素またはハロゲン原子である。]。
【0036】
本発明によれば、式(E3)に使用される置換基は、前記と同様に定義される。
【0037】
好ましい式(E3)のp-アミノフェノールは、特に下記の化合物である: p-アミノフェノール、N-メチル-p-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、2-ヒドロキシメチルアミノ-4-アミノフェノール、4-アミノ-3-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-(β-ヒドロキシエトキシ)フェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メトキシメチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(β-ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノール、4-アミノ-2-(α,β-ジヒドロキシエチル)フェノール、4-アミノ-2-フルオロフェノール、4-アミノ-2-クロロフェノール、4-アミノ-2,6-ジクロロフェノール、4-アミノ-2-(ジエチルアミノメチル)フェノールおよびそれらの生理的適合性塩。
【0038】
特に好ましい式(E3)の化合物は、p-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(α,β-ジヒドロキシエチル)フェノール、および4-アミノ-2-(ジエチルアミノメチル)フェノールである。
【0039】
さらに、顕色剤成分は、o-アミノフェノールおよびその誘導体、例えば、2-アミノ-4-メチルフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノールまたは2-アミノ-4-クロロフェノールから選択することもできる。
【0040】
さらに、顕色剤成分は、複素環式顕色剤成分、例えば、ピリジン、ピリミジン、ピラゾール、ピラゾール-ピリミジン誘導体、およびそれらの生理的適合性塩から選択することもできる。
【0041】
好ましいピリジン誘導体は、特に、GB 1026978およびGB 1153196に開示されている化合物、例えば、2,5-ジアミノピリジン、2-(4’-メトキシフェニル)アミノ-3-アミノピリジン、2,3-ジアミノ-6-メトキシピリジン、2-(β-メトキシエチル)アミノ-3-アミノ-6-メトキシピリジンおよび3,4-ジアミノピリジンから選択される。
【0042】
好ましいピリミジン誘導体は、特に、ドイツ特許DE 2359399、日本公開公報JP 02019576 A2または国際公開公報WO 96/15765に開示されている化合物、例えば、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2-ジメチルアミノ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2,4-ジヒドロキシ-5,6-ジアミノピリミジンおよび2,5,6-トリアミノピリミジンである。
【0043】
好ましいピラゾール誘導体は、特に、特許DE 3843892、DE 4133957、ならびに特許出願WO 94/08969、WO 94/08970、EP-740931およびDE 19543988に開示されている化合物、例えば、下記の化合物である:4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4-ジアミノピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(4’-クロロベンジル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1,3-ジメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-フェニルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-メチル-3-フェニルピラゾール、4-アミノ-1,3-ジメチル-5-ヒドラジノピラゾール、1-ベンジル-4,5-ジアミノ-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-tert-ブチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-tert-ブチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-(4’-メトキシフェニル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-ヒドロキシメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-イソプロピルピラゾール、4-アミノ-5-(β-アミノエチル)アミノ-1,3-ジメチルピラゾール、3,4,5-トリアミノピラゾール、1-メチル-3,4,5-トリアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-1-メチル-4-メチルアミノピラゾールおよび3,5-ジアミノ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-1-メチルピラゾール。
【0044】
好ましいピラゾールピリミジン誘導体は、特に、下記の式(E4)のピラゾール[1,5-a]ピリミジンの誘導体、および、互変異性平衡が存在する場合に、その互変異性型である:
【0045】
【化5】

[式中、
− G17、G18、G19およびG20は、互いに独立して、水素原子、C1〜C4アルキル基、アリール基、C1〜C4ヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基、C1〜C4アミノアルキル基(アセチルウレイドまたはスルホニル基によって任意に保護されていてよい)、(C1〜C4)アルキルアミノ(C1〜C4)アルキル基、ジ[(C1〜C4)-アルキル](C1〜C4)アミノアルキル基(該ジアルキル基は、5または6個の鎖員と共に炭素環または複素環を任意に形成してよい)、C1〜C4-ヒドロキシアルキルまたはジ(C1〜C4)[ヒドロキシアルキル](C1〜C4)アミノアルキル基であり;
− 基Xは、互いに独立して、水素原子、C1〜C4アルキル基、アリール基、C1〜C4ヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、C1〜C4アミノアルキル基、(C1〜C4)アルキルアミノ(C1〜C4)アルキル基、ジ[(C1〜C4)-アルキル](C1〜C4)アミノアルキル基(該ジアルキル基は、5または6個の鎖員と共に炭素環または複素環を任意に形成してよい)、C1〜C4ヒドロキシアルキルまたはジ(C1〜C4ヒドロキシアルキル)アミノアルキル基、アミノ基、C1〜C4アルキルまたはジ(C1〜C4ヒドロキシアルキル)アミノ基、ハロゲン原子、カルボン酸基またはスルホン酸基であり;
− iは、0、1、2または3の数値であり;
− pは、0または1の数値であり;
− qは、0または1の数値であり;
− nは、0または1の数値であり;
但し、
− p+qの合計は0でないものとし;
− p+qが2の場合、nは0の数値であり、基NG17G18およびNG19G20は、(2,3)、(5,6)、(6,7)、(3,5)または(3,7)の位置にあるものとし;
− p+qが1の場合、nは1の数値であり、基NG17G18(またはNG19G20)およびOH基は、(2,3)、(5,6)、(6,7)、(3,5)または(3,7)の位置にあるものとする。]。
【0046】
本発明によれば、式(E4)に使用される置換基は前記と同様に定義される。
【0047】
前記の式(E4)のピラゾール[1,5-a]ピリミジンが、環系の2、5または7位の1つにヒドロキシル基を有する場合、例えば下記の式で示されるような互変異性平衡が存在する:
【0048】
【化6】

【0049】
前記の式(E4)のピラゾール[1,5-a]ピリミジンの中で、特に下記の化合物が挙げられる:
− ピラゾール[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン;
− 2,5-ジメチルピラゾール[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン;
− ピラゾール[1,5-a]ピリミジン-3,5-ジアミン;
− 2,7-ジメチルピラゾール[1,5-a]ピリミジン-3,5-ジアミン;
− 3-アミノピラゾール[1,5-a]ピリミジン-7-オール;
− 3-アミノピラゾール[1,5-a]ピリミジン-5-オール;
− 2-(3-アミノピラゾール[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミノ)エタノール;
− 2-(7-アミノピラゾール[1,5-a]ピリミジン-3-イルアミノ)エタノール;
− 2-[(3-アミノピラゾール[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;
− 2-[(7-アミノピラゾール[1,5-a]ピリミジン-3-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;
− 5,6-ジメチルピラゾール[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン;
− 2,6-ジメチルピラゾール[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン;
− 2,5,N7,N7-テトラメチルピラゾール[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン;
ならびにそれらの生理的適合性塩、および互変異性平衡が存在する場合にそれらの互変異性型。
【0050】
文献に記載されているように、前記の式(E4)のピラゾール[1,5-a]ピリミジンは、アミノピラゾールまたはヒドラジンから開始する環化によって製造することができる。
【0051】
他の好ましい態様において、本発明の着色剤は、少なくとも1つのカプラー成分を含んで成る。
【0052】
使用されるカプラー成分は、一般に、m-フェニレンジアミン誘導体、ナフトール、レゾルシノールおよびレゾルシノール誘導体、ピラゾロンおよびm-アミノフェノール誘導体である。好適なカプラー物質は、特に下記の物質である:1-ナフトール、1,5-、2,7-および1,7-ジヒドロキシナフタレン、5-アミノ-2-メチルフェノール、m-アミノフェノール、レゾルシノール、レゾルシノールモノメチルエーテル、m-フェニレンジアミン、1-フェニル-3-メチルピラゾロン-5、2,4-ジクロロ-3-アミノフェノール、1,3-ビス(2’,4’-ジアミノフェノキシ)プロパン、2-クロロレゾルシノール、4-クロロレゾルシノール、2-クロロ-6-メチル-3-アミノフェノール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、2-メチルレゾルシノール、5-メチルレゾルシノールおよび2-メチル-4-クロロ-5-アミノフェノール。
【0053】
本発明に好ましいカプラー成分は、下記の物質である:
− m-アミノフェノールおよびその誘導体、例えば、5-アミノ-2-メチルフェノール、N-シクロペンチル-3-アミノフェノール、3-アミノ-2-クロロ-6-メチルフェノール、2-ヒドロキシ-4-アミノフェノキシエタノール、2,6-ジメチル-3-アミノフェノール、3-トリフルオロアセチルアミノ-2-クロロ-6-メチルフェノール、5-アミノ-4-クロロ-2-メチルフェノール、5-アミノ-4-メトキシ-2-メチルフェノール、5-(2’-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルフェノール、3-(ジエチルアミノ)フェノール、N-シクロペンチル-3-アミノフェノール、1,3-ジヒドロキシ-5-(メチルアミノ)ベンゼン、3-エチルアミノ-4-メチルフェノールおよび2,4-ジクロロ-3-アミノフェノール;
− o-アミノフェノールおよびその誘導体;
− m-ジアミノベンゼンおよびその誘導体、例えば、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、1,3-ビス(2’,4’-ジアミノフェノキシ)プロパン、1-メトキシ-2-アミノ-4-(2’-ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン、1,3-ビス(2’,4’-ジアミノフェニル)プロパン、2,6-ビス(2’-ヒドロキシエチルアミノ)-1-メチルベンゼンおよび1-アミノ-3-ビス(2’-ヒドロキシエチル)アミノベンゼン);
− o-ジアミノベンゼンおよびその誘導体、例えば、3,4-ジアミノ安息香酸、および2,3-ジアミノ-1-メチルベンゼン;
− ジ-またはトリヒドロキシベンゼン誘導体、例えば、レゾルシノール、レゾルシノールモノメチルエーテル、2-メチルレゾルシノール、5-メチルレゾルシノール、2,5-ジメチルレゾルシノール、2-クロロレゾルシノール、4-クロロレゾルシノール、ピロガロールおよび1,2,4-トリヒドロキシベンゼン;
− ピリジン誘導体、例えば、2,6-ジヒドロキシピリジン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、2-アミノ-5-クロロ-3-ヒドロキシピリジン、3-アミノ-2-メチルアミノ-6-メトキシピリジン、2,6-ジヒドロキシ-3,4-ジメチルピリジン、2,6-ジヒドロキシ-4-メチルピリジン、2,6-ジアミノピリジン、2,3-ジアミノ-6-メトキシピリジンおよび3,5-ジアミノ-2,6-ジメトキシピリジン;
− ナフタレン誘導体、例えば、1-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、2-ヒドロキシメチル-1-ナフトール、2-ヒドロキシエチル-1-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、1,8-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレンおよび2,3-ジヒドロキシナフタレン;
− モルホリン誘導体、例えば、6-ヒドロキシベンゾモルホリンおよび6-アミノベンゾモルホリン;
− キノキサリン誘導体、例えば、6-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン;
− ピラゾール誘導体、例えば、1-フェニル-3-メチルピラゾル-5-オン;
− インドール誘導体、例えば、4-ヒドロキシインドール、6-ヒドロキシインドールおよび7-ヒドロキシインドール;
− ピリミジン誘導体、例えば、4,6-ジアミノピリミジン、4-アミノ-2,6-ジヒドロキシピリミジン、2,4-ジアミノ-6-ヒドロキシピリミジン、2,4,6-トリヒドロキシピリミジン、2-アミノ-4-メチルピリミジン、2-アミノ-4-ヒドロキシ-6-メチルピリミジンおよび4,6-ジヒドロキシ-2-メチルピリミジン;または
− メチレンジオキシベンゼン誘導体、例えば、1-ヒドロキシ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、1-アミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼンおよび1-(2’-ヒドロキシエチル)アミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン。
【0054】
本発明に特に好ましいカプラー成分は、1-ナフトール、1,5-、2,7-および1,7-ジヒドロキシナフタレン、3-アミノフェノール、5-アミノ-2-メチルフェノール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、レゾルシノール、4-クロロレゾルシノール、2-クロロ-6-メチル-3-アミノフェノール、2-メチルレゾルシノール、5-メチルレゾルシノール、2,5-ジメチルレゾルシノールおよび2,6-ジヒドロキシ-3,4-ジメチルピリジン。
【0055】
本発明の着色剤は、顕色剤成分およびカプラー成分を、全酸化着色剤に基づいて、それぞれ0.005〜20wt%、好ましくは0.1〜5wt%の量で含んで成るのが好ましい。この場合、顕色剤成分およびカプラー成分は、互いにほぼモル量で一般に使用される。モル使用は好都合であることが分かっているが、個々の酸化染料先駆物質の特定の過剰は不都合ではなく、これは、顕色剤成分およびカプラー成分が、モル比1:0.5〜1:3、特に1:1〜1:2で存在しうることを意味する。
【0056】
本発明の他の態様において、着色剤は、天然類似染料の少なくとも1つの先駆物質を、染料先駆物質(DP)として含有する。使用される天然類似染料の先駆物質は、少なくとも1個のヒドロキシまたはアミノ基を、好ましくは6員環上の置換基として有するインドールおよびインドリンであるのが好ましい。これらの基は、例えばヒドロキシ基のエーテル化もしくはエステル化またはアミノ基のアルキル化の形態の、さらなる置換基を有することができる。第二の好ましい態様において、着色剤は、少なくとも1つのインドールおよび/またはインドリン誘導体を含有する。
【0057】
天然類似毛髪染料の先駆物質として特に適しているのは、式(IIa)の5,6-ジヒドロキシインドリンの誘導体、
【0058】
【化7】

[式中、互いに独立して、
R1は、水素、C1〜C4アルキル基またはC1〜C4ヒドロキシアルキル基であり;
R2は、水素または-COOH基であり、該-COOH基は、生理的適合性カチオンとの塩として存在することもでき;
R3は、水素またはC1〜C4アルキル基であり;
R4は、水素、C1〜C4アルキル基または-CO-R6基であり、ここでR6はC1〜C4アルキル基であり;
R5は、R4について示した基の1つである。]
ならびにそれらの化合物と有機または無機酸との生理的適合性塩である。
【0059】
特に好ましいインドリン誘導体は、5,6-ジヒドロキシインドリン、N-メチル-5,6-ジヒドロキシインドリン、N-エチル-5,6-ジヒドロキシインドリン、N-プロピル-5,6-ジヒドロキシインドリン、N-ブチル-5,6-ジヒドロキシインドリン、5,6-ジヒドロキシインドリン-2-カルボン酸および6-ヒドロキシインドリン、6-アミノインドリンおよび4-アミノインドリンである。
【0060】
この群の中で、特に重要なのは、N-メチル-5,6-ジヒドロキシインドリン、N-エチル-5,6-ジヒドロキシインドリン、N-プロピル-5,6-ジヒドロキシインドリン、N-ブチル-5,6-ジヒドロキシインドリン、特に5,6-ジヒドロキシインドリンである。
【0061】
特に好適な天然類似毛髪染料先駆物質は、式(IIb)の5,6-ジヒドロキシインドール誘導体:
【0062】
【化8】

[式中、互いに独立して、
R1は、水素、C1〜C4アルキル基またはC1〜C4ヒドロキシアルキル基であり;
R2は、水素または-COOH基であり、該-COOH基は、生理的適合性カチオンとの塩として存在することもでき;
R3は、水素またはC1〜C4アルキル基であり;
R4は、水素、C1〜C4アルキル基または-CO-R6基であり、ここでR6はC1〜C4アルキル基であり;
R5は、R4について示した基の1つである。]
ならびに、それらの化合物と有機または無機酸との生理的適合性塩である。
【0063】
特に好ましいインドール誘導体は、5,6-ジヒドロキシインドール、N-メチル-5,6-ジヒドロキシインドール、N-エチル-5,6-ジヒドロキシインドール、N-プロピル-5,6-ジヒドロキシインドール、N-ブチル-5,6-ジヒドロキシインドール、5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸、6-ヒドロキシインドール、6-アミノインドールおよび4-アミノインドールである。
【0064】
この群の中で特に重要なのは、N-メチル-5,6-ジヒドロキシインドール、N-エチル-5,6-ジヒドロキシインドール、N-プロピル-5,6-ジヒドロキシインドール、N-ブチル-5,6-ジヒドロキシインドール、特に5,6-ジヒドロキシインドールである。
【0065】
インドリンおよびインドール誘導体は、本発明の着色剤において、遊離塩基としてか、または無機もしくは有機酸とそれらとの生理的適合性塩、例えば塩酸塩、硫酸塩および臭化水素酸塩の形態で使用しうる。インドールまたはインドリン誘導体は、本発明の着色剤中に、0.05〜10wt%、好ましくは0.2〜5wt%の量で存在するのが有効である。
【0066】
他の態様において、本発明により、インドリンまたはインドール誘導体を少なくとも1つのアミノ酸またはオリゴペプチドと組み合わせて、着色剤において使用することが好ましい場合もある。アミノ酸は、好都合にはα-アミノ酸であり、特に好ましいα-アミノ酸は、アルギニン、オルニチン、リシン、セリンおよびヒスチジン、特にアルギニンである。
【0067】
本発明のクリーム基剤は、直接染料に基づく着色剤に特に好適であることも分かった。従って、本発明の他の好ましい態様において、本発明の着色剤は、本発明の染料先駆物質に加えてまたは代えて、1つまたはそれ以上の直接染料を含んで成ることができる。直接染料は、一般に、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノンまたはインドフェノールである。好ましい直接染料は、下記の国際名または商品名で既知の化合物である:HC Yellow 2、HC Yellow 4、HC Yellow 5、HC Yellow 6、HC Yellow 12、Acid Yellow 1、Acid Yellow 10、Acid Yellow 23、Acid Yellow 36、HC Orange 1、Disperse Orange 3、Acid Orange 7、HC Red 1、HC Red 3、HC Red 10、HC Red 11、HC Red 13、Acid Red 33、Acid Red 52、HC Red BN、Pigment Red 57:1、HC Blue 2、HC Blue 12、Disperse Blue 3、Acid Blue 7、Acid Green 50、HC Violet 1、Disperse Violet 1, Disperse Violet 4、Acid Violet 43、Disperse Black 9、Acid Black 1およびAcid Black 52、および1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン、2-アミノ-4-ニトロフェノール、1,4-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-ニトロベンゼン、3-ニトロ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノフェノール、2-(2’-ヒドロキシエチル)アミノ-4,6-ジニトロフェノール、1-(2’-ヒドロキシエチル)アミノ-4-メチル-2-ニトロベンゼン、1-アミノ-4-(2’-ヒドロキシエチル)アミノ-5-クロロ-2-ニトロベンゼン、4-アミノ-3-ニトロフェノール、1-(2’-ウレイドエチル)アミノ-4-ニトロベンゼン、4-アミノ-2-ニトロジフェニルアミン-2’-カルボン酸、6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、ピクラミン酸およびその塩、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、4-エチルアミノ-3-ニトロ安息香酸および2-クロロ-6-エチルアミノ-1-ヒドロキシ-4-ニトロベンゼン。
【0068】
本発明の組成物は、カチオン直接染料を含んで成ることもできる。特に好ましいのは、下記のカチオン染料である:
(a) カチオントリフェニルメタン染料、例えば、Basic Blue 7、Basic Blue 26、Basic Violet 2およびBasic Violet 14;
(b) 第四級窒素原子によって置換された芳香族系、例えば、Basic Yellow 57、Basic Red 76、Basic Blue 99、Basic Brown 16およびBasic Brown 17;および
(c) 例えばEP-A2-998908(参照により本明細書に明示的に組み入れられる)の請求項6〜11に特定されているような、少なくとも1個の第四級窒素原子を含有する複素環を有する直接染料。
【0069】
(c)群の好ましいカチオン直接染料は、特に下記の化合物である:
【0070】
【化9】

【0071】
【化10】

【0072】
【化11】

【0073】
【化12】

【0074】
【化13】

【0075】
【化14】

【0076】
【化15】

【0077】
【化16】

【0078】
【化17】

【0079】
Basic Yellow 87、Basic Orange 31およびBasic Red 51の名称でも既知の式(DZ1)(DZ3)および(DZ5)の化合物は、(C)群の特に好ましいカチオン直接染料である。
商品名Arianor(登録商標)で市販されているカチオン直接染料も、特に好ましい本発明のカチオン直接染料である。
【0080】
この態様によれば、本発明の組成物は、直接染料を、全着色剤に対して0.01〜20wt%の量で含有するのが好ましい。
【0081】
さらに、本発明の調製物は、例えば、ヘンナレッド、ヘンナナチュラル、ヘンナブラック、カミツレの花、ビャクダン、紅茶、セイヨウイソノキの樹皮、セージ、ロッグウッド、アカネの根、カテキュー、セダーおよびアルカンナの根に存在するような、天然に存在する染料も含んで成ることができる。
【0082】
酸化染料先駆物質または直接染料はそれぞれ、均質な化合物を構成する必要はない。むしろ、個々の染料の製造工程の結果として、付加的成分が本発明の毛髪着色剤に少量で存在することができ、但し、該成分が着色効果に不利な影響を与えないか、または毒物学的理由のような他の理由により排除する必要がない。
【0083】
本発明の毛髪着色剤および毛染め料に使用しうる染料に関して、下記の文献も特に参照される:Ch. Zviakによるモノグラフ、The Science of Hair Care、第7章(p.248-250;直接染料)、および第8章(p.264-267;酸化染料先駆物質)、「Dermatology」シリーズ(編者:Ch. CulnanおよびH. Maibach)の第7巻として発行、Verlag Marcel Dekker Inc., New York, Basle, 1986、ならびに「European Inventory of Cosmetic Raw Materials」、European Community発行、Bundesverband Deutscher Industrie- und Handelsunternehmen fuer Arzneimittel, Reformwaren und Koerperpflegemittel e.V., Mannheimからディスケット形態で入手可能。
【0084】
本発明に重要な第二成分として、着色剤は、少なくとも1つの脂肪酸グリセリルエステルを含有する。本発明に好ましい脂肪酸グリセリルエステルは、いわゆる脂肪酸部分グリセリド、特に、モノグリセリド、ジグリセリドおよびそれらの工業銘柄混合物である。工業銘柄製品を使用する場合、少量のトリグリセリドも、製造の結果として存在しうる。
【0085】
従って、好ましい脂肪酸グリセリルエステルは、式(III)の化合物である:
【0086】
【化18】

式中、R1、R2およびR3は、互いに独立して、水素、または6〜22個、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖、飽和および/または不飽和アシル基であり、但し、これらの基の少なくとも1つはアシル基であり、これらの基の少なくとも1つは水素である。(m+n+q)の合計は、0または1〜100、好ましくは0または5〜25の数値である。特に好ましいのは、(m+n+q)の合計が0である式(III)の化合物である。特に好ましいのは、R1がアシル基であり、R2およびR3が水素である式(III)の化合物である。一般的な例は、アジピン酸、カプロン酸、カプリル酸、2-エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸およびエルカ酸に基づくモノ-および/またはジグリセリド、およびそれらの工業銘柄混合物である。ラウリン酸モノグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド、ベヘン酸モノグリセリド、リノール酸モノグリセリド、オレイン酸モノグリセリドおよびステアリン酸モノグリセリドを使用するのが好ましい。オレイン酸モノグリセリドおよびステアリン酸モノグリセリドが、本発明の特に好ましい脂肪酸グリセリルエステルである。
【0087】
脂肪酸グリセリルエステルは、本発明の組成物に、0.1〜10wt%、特に0.3〜3wt%の量で存在するのが好ましい。
【0088】
第三の必須成分として、本発明の組成物は少なくとも1つの式(I)の特定カチオン界面活性剤を含有する:
【0089】
【化19】

[式中、
基R1〜R4は、互いに独立して、C1〜C4アルキル基またはC10〜C30アルキル基であり、但し、基R1〜R4の少なくとも1つ、多くて2つはC12〜C30アルキル基であるものとし;
Xは、生理的適合性のアニオンである。]。
【0090】
式(I)の定義に含まれる好ましいC1〜C4アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびブチル基であり、メチル基が本発明に特に好ましい。
【0091】
式(I)の定義に含まれる好ましいC10〜C30アルキル基は、カプリン、セチル、ステアリル、ベヘニルおよびラウリル基である。本発明によれば、C12〜C30アルキル基が特に好ましい。セチルおよびベヘニル基が本発明に特に好ましい。
【0092】
本発明の目的のために、好ましい生理的適合性アニオンXは、無機アニオン、例えば、ハロゲン化物(塩化物、臭化物、ヨウ化物)アニオン、硫酸アニオンおよびリン酸アニオン、または有機アニオン、例えば、酢酸アニオンおよび乳酸アニオンである。本発明の目的のための他のアニオンは、メト硫酸塩アニオンである。塩化物アニオンおよび臭化物アニオンが本発明に特に好ましく、塩化物アニオンが本発明に極めて好ましい。
【0093】
好ましい式(I)の化合物は、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルトリメチルアンモニウムブロミドおよびジアルキルジメチルアンモニウムブロミドである。特に好ましい式(I)の化合物は、ジカプリンジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジセチルジメチルアンモニウムクロリド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリドおよびベヘニルトリメチルアンモニウムメトスルフェートである。さらに、前記化合物の混合物、特に天然混合物、例えば、獣脂脂肪アルコールの誘導体も本発明に好ましい。この点で特に挙げられる典型的化合物は、ジタロージメチルアンモニウムクロリドおよびモノタロートリメチルアンモニウムクロリドである。
【0094】
式(I)のカチオン界面活性剤は、本発明に使用される組成物中に、全組成物に対して0.05〜10wt%の量で存在するのが好ましい。0.1〜5wt%の量が特に好ましい。
【0095】
本発明の好ましい態様において、着色剤は、少なくとも1つの完全または部分水素化植物油も含有する。本発明に好ましい植物油は、例えば、大豆油、ヤシ油、ハシバミ油、パーム核油、ヒマワリ油、亜麻仁油、落花生油、ヒマシ油またはナタネ油である。
本発明に特に好ましい水素化植物油は、商品名Cutina(登録商標)HR(Cognis)で市販されている水素化ヒマシ油である。
【0096】
本発明の組成物は、完全または部分水素化植物油を、好ましくは0.1〜7wt%の量で含有し、0.4〜1.2wt%の量範囲が特に好ましい。
【0097】
本発明の他の好ましい態様において、着色剤は、炭酸水素アンモニウムを含有する。
【0098】
炭酸水素アンモニウム、(NH4)HCO3(重炭酸アンモニウムとも称される)は、非常に光沢があり、硬く、無色でほぼ無臭のプリズムの形態で商業的に入手可能である。好ましい本発明組成物は、組成物の重量に対して、0.1〜10wt%、好ましくは0.25〜8wt%、特に好ましくは0.5〜5wt%、特に1〜3wt%の炭酸水素アンモニウムを含有する。
【0099】
本発明の他の好ましい態様において、着色剤は少なくとも1つのシリカを含有する。
【0100】
本発明の目的のために、「シリカ」は、一般式(SiO2m・nH2Oで示される化合物の集合名である。ハロゲン化ケイ素(例えば、SiCl4)を水と反応させた場合、オルトケイ酸(一ケイ酸)H4SiO4が主に形成され、これは、高希釈においてのみ、水を連続的かつ分子間的に除去する。第一縮合生成物として、二ケイ酸(多ケイ酸、H6Si2O7)が生じる。さらなる縮合により、環状ケイ酸およびかご状(cage-like)ケイ酸を経て、ほぼ球状の多ケイ酸が生じる。縮合の形式的最終生成物は、高分子二酸化ケイ素(SiO2)x、ケイ酸の無水物である。縮合の間に、連鎖延長、環形成および枝分かれ過程が相互に並行して進み、これは、多ケイ酸が無秩序構造(非晶質)を有することを意味する。全てのケイ酸において、Si原子は、相互に不規則に連結した四面体の中心に位置し、その4つの角にO原子が存在し、該O原子は同時に、隣接する四面体にも属する。
【0101】
シリカは、溶液から(「沈降シリカ」)、または揮発性Si化合物の熱分解(「熱分解法シリカ」)によって製造できる。製造の範囲に関して、沈降シリカは極めて高い重要性を有する。沈降シリカは、アルカリ金属ケイ酸塩水溶液から鉱酸を使用した沈殿によって製造される。該方法において、コロイド状一次粒子が形成され、これが反応の進行と共に凝集し、最終的に凝集体を生じる。粉末状嵩高形態は、細孔容積2.5〜15mL/gおよび比表面積30〜800m2/gを有する。
【0102】
熱分解法シリカは、火炎加水分解によって生成される高分散シリカに使用される用語である。この場合、四塩化ケイ素が、酸水素炎により分解される。熱分解法シリカは、それらの実質的に無孔の表面において、沈降シリカよりかなり少ないOH基を有する。合成シリカは、シラノール基によって生じる親水性により、化学後処理工程に付される場合が多く、該工程において、OH基が、例えば有機クロロシランと反応する。これは、改質された、例えば疎水性の、表面を生じ、該表面はシリカの適用性をかなり広げる。本発明の目的のために、沈降シリカまたは熱分解法シリカを使用することができる。使用するのが好ましいシリカは、比表面積25〜1000m2/g、油価(Oelzahlen)30〜300g/100g、一次粒度5〜500nm、密度1.9〜2.2g/cm3、および乾燥減量7%未満、好ましくは3%未満を有する。本発明に使用しうる市販製品は、例えば、Aerosil(登録商標)、Cab-O-Sil(登録商標)およびHDKの商品名で市販されている。
【0103】
本発明に好ましい組成物は、組成物の重量に対して、0.05〜5wt%、好ましくは0.1〜3wt%、特に好ましくは0.15〜2wt%、特に0.2〜1wt%のシリカを含有することを特徴とする。
【0104】
炭酸水素アンモニウムおよび/またはシリカの使用は、この場合、長期保存期間および長期適用期間の両方において、着色クリームの一貫して優れた色特性を与える。
【0105】
本発明の他の好ましい態様において、着色剤は、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤も含有する。非イオン性界面活性剤は、例えば、ポリオール基、ポリオアルキレングリコールエーテル基、またはポリオール基およびポリグリコールエーテル基の組み合わせを、親水基として含有する。そのような化合物は、例えば下記の化合物である:
− 炭素原子8〜22個を有する直鎖脂肪アルコール、炭素原子12〜22個を有する脂肪酸、およびアルキル基に炭素原子8〜15個を有するアルキルフェノールへの、エチレンオキシド2〜30molおよび/またはプロピレンオキシド0〜5molの付加生成物;
− グリセロールへのエチレンオキシド1〜30molの付加生成物の、C12〜C22脂肪酸モノ-およびジエステル;
− C8〜C22アルキルモノ-およびオリゴグリコシド、ならびにそれらのエトキシル化類似体;および
− ヒマシ油および水素化ヒマシ油への、エチレンオキシド5〜60molの付加生成物。
【0106】
好ましい非イオン界面活性剤は、一般式R1O-(Z)xのアルキルポリグリコシドである。これらの化合物は、下記のパラメーターを特徴とする。
【0107】
アルキル基R1は、炭素原子6〜22個を有し、直鎖または分岐鎖であってよい。直鎖であるか、または2位でメチル分岐した第一級脂肪族基が好ましい。そのようなアルキル基は、例えば、1-オクチル、1-デシル、1-ラウリル、1-ミリスチル、1-セチルおよび1-ステアリルである。特に好ましいのは、1-オクチル、1-デシル、1-ラウリル、1-ミリスチルである。いわゆる「オキソアルコール」を出発物質として使用した場合、アルキル基に奇数個の炭素原子を有する化合物が優勢である。
【0108】
本発明に使用しうるアルキルポリグリコシドは、例えば、唯1つの特定のアルキル基R1を有することができる。しかし、一般に、これらの化合物は、天然油脂または鉱油から出発して生成できる。この場合、存在するアルキル基Rは、出発化合物に対応する、かつ/またはこれらの化合物の特定のワークアップに対応する混合物である。
【0109】
R1が下記から成るアルキルポリグリコシドが特に好ましい:
− 本質的にC8-およびC10-アルキル基;
− 本質的にC12-およびC14-アルキル基;
− 本質的にC8-〜C16-アルキル基;または
− 本質的にC12-〜C16-アルキル基。
【0110】
使用しうる糖構成単位Zは、単糖またはオリゴ糖である。一般に、炭素原子5または6個を有する糖、および対応するオリゴ糖が使用される。そのような糖は、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノース、リボース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、マンノース、グロース、イドース、タロースおよびスクロースである。好ましい糖構成単位は、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノースおよびスクロースであり、グルコースが特に好ましい。
【0111】
本発明に使用しうるアルキルポリグリコシドは、平均で1.1〜5個の糖単位を有する。1.1〜1.6のx値を有するアルキルポリグリコシドが好ましい。特に好ましいのは、xが1.1〜1.4であるアルキルグリコシドである。
【0112】
アルキルグリコシドは、その界面活性作用に加えて、毛髪における香り成分の固定を向上させるようにも作用しうる。従って、毛髪処理期間を越えて持続する毛髪における香油の作用が所望される場合、当業者は、この種の物質を、本発明の調製物の付加的成分として使用するのが好ましい。
【0113】
特定のアルキルポリグリコシドのアルコキシル化同族体も本発明に使用しうる。これらの同族体は、アルキルグリコシド単位当たり平均で10個までのエチレンオキシド単位および/またはプロピレンオキシド単位を有しうる。
【0114】
本発明に好ましい非イオン性界面活性剤は、炭素原子8〜22個を有する直鎖脂肪アルコールへの、エチレンオキシド2〜30モルおよび/またはプロピレンオキシド0〜5molの付加生成物である。脂肪アルコールへのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物またはその付加生成物の誘導体であるこれらの界面活性剤の場合、「通常の」同族体分布を有する生成物、または狭い同族体分布を有する生成物を使用しうる。この場合、「通常の」同族体分布は、アルカリ金属、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属アルコキシドを触媒として使用して脂肪アルコールとアルキレンオキシドとの反応の間に得られる同族体の混合物を意味するものと理解される。これに対して、狭い同族体分布は、例えば、ヒドロタルサイト、エーテルカルボン酸のアルカリ土類金属塩、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物またはアルコキシドを触媒として使用した場合に得られる。狭い同族体分布を有する生成物の使用が好ましい。特定の化合物/市販製品のリストを本明細書に含みうるか。
【0115】
本発明によれば、直鎖脂肪アルコールへのエチレンオキシドの2種の異なる付加生成物を使用するのが特に好ましいことが分かった。このようにして、エマルジョンの安定性および均質性をさらに向上させることができる。
【0116】
従って、第一の好ましい態様の範囲において、多くて14個の炭素原子の鎖長を有する直鎖脂肪アルコールへのエチレンオキシドの少なくとも1つの付加生成物、および少なくとも15個の炭素原子の鎖長を有する直鎖脂肪アルコールへのエチレンオキシドの少なくとも1つの付加生成物を使用する。炭素原子10〜14個の鎖長を有する直鎖脂肪アルコールへのエチレンオキシドの付加生成物と、炭素原子15〜22個の鎖長を有する直鎖脂肪アルコールへのエチレンオキシドの付加生成物との組み合わせが、本発明に特に好ましい。
【0117】
他の好ましい態様において、多くて25EO単位の平均エトキシル化度を有する直鎖脂肪アルコールへのエチレンオキシドの少なくとも1つの付加生成物、および少なくとも28EO単位の平均エトキシル化度を有する直鎖脂肪アルコールへのエチレンオキシドの少なくとも1つの付加生成物を使用する。18〜25EO単位の平均エトキシル化度を有する直鎖脂肪アルコールへのエチレンオキシドの付加生成物と、28〜35EO単位の平均エトキシル化度を有する直鎖脂肪アルコールへのエチレンオキシドの付加生成物との組み合わせも、本発明に特に好ましい。
【0118】
ラウレス-23およびセテアレス-30の組み合わせが、本発明に特に好ましいことが分かった。
【0119】
非イオン性界面活性剤は、即用組成物に対して、0.05〜5.0wt%、特に0.1〜2.0wt%の量で使用するのが好ましい。
【0120】
本発明の好ましい態様において、着色剤の作用を、脂肪物質(D)によってさらに増すことができる。本発明によれば、脂肪物質は、固体状、または水性分散系において液状で存在しうる脂肪酸、脂肪アルコール、天然および合成蝋、ならびに天然および合成美容油成分を意味するものと理解される。
【0121】
使用しうる脂肪酸(D1)は、炭素原子6〜30個を有する直鎖および/または分岐鎖、飽和および/または不飽和脂肪酸である。好ましいのは、炭素原子10〜22個を有する脂肪酸である。これらの中で特に挙げられる例は、イソステアリン酸、例えば、市販製品Emersol(登録商標)871およびEmersol(登録商標)875、およびイソパルミチン酸、例えば、市販製品Edenor(登録商標)IP 95、ならびに商品名Edenor(登録商標)(Cognis)で市販されている全ての他の脂肪酸である。そのような脂肪酸の他の一般的な例は、カプロン酸、カプリル酸、2-エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸およびエルカ酸、ならびにそれらの工業銘柄混合物であって、該混合物は、例えば、天然油脂の加圧開裂の間、Roelenオキソ合成からのアルデヒドの酸化または不飽和脂肪酸の二量化の間に生成される。特に好ましいのは一般にヤシ油またはパーム油から得られる脂肪酸カットであり、特に好ましいのは一般にステアリン酸の使用である。
【0122】
本発明における使用量は、全組成物に対して0.1〜15wt%である。好ましくは、その量は0.5〜10wt%であり、1〜5wt%の量が特に好都合である。
【0123】
使用しうる脂肪アルコール(D2)は、C6〜C30、好ましくはC10〜C30、特に好ましくはC12〜C22の炭素原子を有する飽和、モノ不飽和または多不飽和、分岐鎖または非分岐鎖脂肪アルコールである。本発明の目的のために、例えば、下記の脂肪アルコールを使用しうる:デカノール、オクタノール、オクテノール、ドデカノール、デセノール、オクタジエノール、ドデカジエノール、デカジエノール、オレイルアルコール、エルカアルコール、リシノールアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、アラキジルアルコール、カプリルアルコール、カプリンアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコールおよびベヘニルアルコール、ならびにそれらのゲルベアルコール(ここに列記したものは例示するものであって、限定するものではない)。しかし、脂肪アルコールは好ましくは天然脂肪酸に由来し、その場合、出発点は、一般に、還元による脂肪酸エステルからの分離である。本発明によれば、天然トリグリセリド、例えば、牛脂、パーム油、落花生油、ナタネ油、綿実油、大豆油、ヒマワリ油および亜麻仁油を還元することによって生成される、または対応するアルコールとのトランスエステル生成物から形成される脂肪酸エステルから生成される、それによって種々の脂肪アルコールの混合物を構成する脂肪アルコールカットを使用することもできる。そのような物質は、例えば下記の商品名で商業的に入手可能である:Stenol(登録商標)、例えばStenol(登録商標)1618、Lanette(登録商標)、例えばLanette(登録商標)O、Lorol(登録商標)、例えば、Lorol(登録商標)C8、Lorol(登録商標)C14、Lorol(登録商標)C18、Lorol(登録商標)C8-18、HD-Ocenol(登録商標)、Crodacol(登録商標)、例えばCrodacol(登録商標)CS、Novol(登録商標)、Eutanol(登録商標)G、Guerbitol(登録商標)16、Guerbitol(登録商標)18、Guerbitol(登録商標)20、Isofol(登録商標)12、Isofol(登録商標)16、Isofol(登録商標)24、Isofol(登録商標)36、Isocarb(登録商標)12、Isocarb(登録商標)16またはIsocarb(登録商標)24。本発明によれば、例えばCorona(登録商標)、White Swan(登録商標)、Coronet(登録商標)またはFluilan(登録商標)の商品名で商業的に入手可能な羊毛蝋アルコールも当然使用することができる。
【0124】
脂肪アルコール(D2)は、全調製物に対して、0.1〜30wt%の量、好ましくは0.1〜20wt%の量で使用される。
【0125】
本発明によれば、使用しうる天然または合成蝋(D3)は、固形パラフィンまたはイソパラフィン、カルナウバ蝋、蜜蝋、カンデリラ蝋、オゾケライト、セレシン、鯨蝋、ヒマワリ蝋、果実蝋、例えばリンゴ蝋またはカンキツ蝋、PEまたはPPのマイクロワックスである。そのような蝋は、例えばKahl & Co., Trittauから得られる。
【0126】
蝋(D3)の使用量は、全組成物に対して、0.1〜50wt%、好ましくは0.1〜20wt%、特に好ましくは0.1〜15wt%である。
【0127】
本発明の着色剤の効果を増加しうる天然および合成美容油体(D4)は、例えば、下記の物質である:
− 植物油。その例は、ヒマワリ油、オリーブ油、大豆油、ナタネ油、扁桃油、ホホバ油、オレンジ油、麦芽油、桃仁油、およびヤシ油の液体画分である。しかし、他のトリグリセリド油、例えば、牛脂の液体画分、および合成トリグリセリド油も好適である。
− 液体パラフィン油、イソパラフィン油および合成炭化水素、ならびに合計12〜36個、特に12〜24個の炭素原子を有するジ-n-アルキルエーテル、例えば、ジ-n-オクチルエーテル、ジ-n-デシルエーテル、ジ-n-ノニルエーテル、ジ-n-ウンデシルエーテル、ジ-n-ドデシルエーテル、n-ヘキシルn-オクチルエーテル、n-オクチルn-デシルエーテル、n-デシルn-ウンデシルエーテル、n-ウンデシルn-ドデシルエーテルおよびn-ヘキシルn-ウンデシルエーテル、およびジ-tert-ブチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ジ-3-エチルデシルエーテル、tert-ブチルn-オクチルエーテル、イソペンチルn-オクチルエーテルおよび2-メチルペンチルn-オクチルエーテル。市販製品として入手可能な化合物1,3-ジ(2-エチルヘキシル)シクロヘキサン(Cetiol(登録商標)S)およびジ-n-オクチルエーテル(Cetiol(登録商標)OE)が好ましい。
− エステル油。エステル油は、C6〜C30脂肪酸とC2〜C30脂肪アルコールとのエステルを意味するものと理解される。好ましいのは、該脂肪酸と、2〜24個の炭素原子を有するアルコールとのモノエステルである。エスエルに使用される脂肪酸成分の例は、カプロン酸、カプリル酸、2-エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸およびエルカ酸、ならびにそれらの工業銘柄混合物であって、該混合物は、例えば、天然油脂の加圧開裂の間、Roelenオキソ合成からのアルデヒドの酸化または不飽和脂肪酸の二量化の間に生成される。エステル油における脂肪アルコール成分の例は、イソプロピルアルコール、カプロンアルコール、カプリルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルモレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、エレオステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコールおよびブラシジルアルコール、ならびにそれらの工業銘柄混合物であって、該混合物は、例えば、油脂に基づく工業銘柄メチルエステルまたはRoelenオキソ合成からのアルデヒドの高圧水素化の間に、および不飽和脂肪アルコールの二量化の間のモノマー画分として、生成される。本発明によれば、特に好ましいのは、下記の化合物である:ミリスチン酸イソプロピル(Rilanit(登録商標)IPM)、イソノナン酸C16-18-アルキルエステル(Cetiol(登録商標)SN)、パルミチン酸2-エチルヘキシル(Cegesoft(登録商標)24)、ステアリン酸2-エチルヘキシル(Cetiol(登録商標)868)、オレイン酸セチル、トリカプリン酸グリセロール、カプリン酸/カプロン酸ヤシ脂肪アルコール(Cetiol(登録商標)LC)、ステアリン酸n-ブチル、エルカ酸オレイル(Cetiol(登録商標)J 600)、パルミチン酸イソプロピル(Rilanit(登録商標)IPP)、オレイン酸オレイル(Cetiol(登録商標))、ラウリン酸ヘキシル(Cetiol(登録商標)A)、アジピン酸ジ-n-ブチル(Cetiol(登録商標)B)、ミリスチン酸ミリスチル(Cetiol(登録商標)MM)、イソノナン酸セテアリル(Cetiol(登録商標)SN)、オレイン酸デシル(Cetiol(登録商標)V)。
− ジカルボン酸エステル、例えば、アジピン酸ジ-n-ブチル、アジピン酸ジ(2-エチルヘキシル)、コハク酸ジ(2-エチルヘキシル)およびジ酢酸イソトリデシル、ならびにジオールエステル、例えば、ジオレイン酸エチレングリコール、ジイソトリデカン酸エチレングリコール、ジ(ヘキサン酸2-エチル)プロピレングリコール、イソステアリン酸プロピレングリコールジ、ジペラルゴン酸プロピレングリコール、ジイソステアリン酸ブタンジオール、ジカプロン酸ネオペンチルグリコール。
− 例えばDE-A 19756454に開示されている、炭酸と脂肪アルコールとの対称、非対称または環状エステル、炭酸グリセロールまたは炭酸ジカプリリル(Cetiol(登録商標)CC)。
− 飽和および/または不飽和、直鎖および/または分岐鎖脂肪酸と、グリセロールとの三脂肪酸エステル。
【0128】
本発明に使用される組成物における、天然および合成化粧油体の使用量は、全組成物に対して、一般に0.1〜30wt%、好ましくは0.1〜20wt%、特に0.1〜15wt%である。
【0129】
本発明によれば、特に好ましいのは、少なくとも1つの脂肪アルコール(D2)を含有する着色剤である。さらに、少なくとも1つのエステル油を含有する着色剤も好都合であることが分かった。特に好ましいのは、少なくとも1つの脂肪アルコール(D2)および少なくとも1つのエステル油の両方を含有する着色剤であると考えられる。
【0130】
本発明の組成物における油脂成分の総量は、全組成物に対して、一般に0.5〜75wt%である。0.5〜35wt%の量が本発明に好ましい。
【0131】
着色剤が少ない脂肪分(20wt%未満)を有することが、本発明に特に好ましいことが分かった。さらに、鉱物および/または動物に基づく原材料を使用せずに着色剤を配合することも、本発明に特に好ましいと考えられる。
【0132】
本発明の他の態様において、着色剤が少なくとも1つの溶媒も含んで成ることが好ましいと考えられる。先行技術のいくつかの着色基剤は、溶媒の添加に過敏に反応するが、本発明のクリーム基剤は、優れた溶媒相溶性を特徴とする。本発明に好ましい溶媒は、例えば、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、メトキシブタノール、エチルジグリコール、グリセロールおよびジエチレングリコールである。特に好ましい溶媒は、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、メトキシブタノールおよびエチルジグリコールである。
【0133】
本発明の着色剤は、溶媒を、好ましくは0.1〜15wt%、特に2〜10wt%の量で含有する。
【0134】
特に、大気中の酸素または過酸化水素のような他の酸化剤を使用して着色が酸化的に起こる場合に、本発明の着色剤は、一般に弱酸性〜アルカリ性、即ちpH値約5〜11に調整される。この目的のために、着色剤は、アルカリ化剤、一般に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物、アンモニアまたは有機アミンを含有する。好ましいアルカリ化剤は、モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチルブタノールおよびトリエタノールアミン、ならびにアルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物である。この群の中で、特に、モノエタノールアミン、トリエタノールアミンおよび2-アミノ-2-メチルプロパノールおよび2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオールが好ましい。ω-アミノ酸、例えばω-アミノカプロン酸を、アルカリ化剤として使用することもできる。アンモニアは特に好ましいアルカリ化剤である。
【0135】
特定のpHにするために、緩衝系、例えば、リン酸水素二アンモニウム/炭酸カリウム、も、安定性の問題を生じることなく本発明のクリーム基剤に組み込むことができる。
【0136】
本発明の着色剤は、そのような調製物について既知のあらゆる活性成分、添加剤および助剤も含有しうる。多くの場合、着色剤は、少なくとも1つのアニオン、両性イオン、カチオンおよび/または両性界面活性剤も含有する。
【0137】
本発明の調製物に好適なアニオン界面活性剤は、人体に使用するのに好適なあらゆるアニオン界面活性物質である。これらは、水溶性アニオン基、例えば、カルボン酸、硫酸、スルホン酸またはリン酸基、および炭素原子約10〜22個を有する親油性アルキル基を特徴とする。さらに、グリコールまたはポリグリコールエーテル基、エステル、エーテルおよびアミド基、ならびにヒドロキシル基も、分子中に存在しうる。好適なアニオン界面活性剤の例は、それぞれの場合に、ナトリウム、カリウムおよびアンモニウム塩の形態、ならびにアルカノール基に2または3個の炭素原子を有するモノ-、ジ-およびトリアルカノールアンモニウム塩である;
− 炭素原子10〜22個を有する直鎖脂肪酸(石鹸):
− 式R-O-(CH2-CH2O)x-CH2-COOHのエーテルカルボン酸[式中、Rは炭素原子10〜22個を有する直鎖アルキル基であり、xは0または1〜16である。];
− アシル基に10〜18個の炭素原子を有するアシルサルコシド;
− アシル基に10〜18個の炭素原子を有するアシルタウリド;
− アシル基に10〜18個の炭素原子を有するアシルイセチオネート;
− アルキル基に8〜18個の炭素原子を有するスルホコハク酸モノ-およびジアルキルエステル、およびアルキル基に8〜18個の炭素原子を有し、オキシエチル基1〜6個を有するスルホコハク酸モノアルキルポリオキシエチルエステル;
− 炭素原子12〜18個を有する直鎖アルカンスルホネート;
− 炭素原子12〜18個を有する直鎖α-オレフィンスルホネート;
− 炭素原子12〜18個を有する脂肪酸の、α-スルホ脂肪酸メチルエステル;
− 式R-O(CH2-CH2O)x-SO3Hのアルキルスルフェートおよびアルキルポリグリコールエーテルスルフェート[式中、Rは、好ましくは、炭素原子10〜18個を有する直鎖アルキル基であり、xは0または1〜12である。];
− DE-A-3725030による界面活性ヒドロキシスルホネートの混合物;
− DE-A-3723354におけるような、硫酸化ヒドロキシアルキルポリエチレンおよび/またはヒドロキシアルキレンプロピレングリコールエーテル;
− DE-A-3926344におけるような、炭素原子12〜24個および二重結合1〜6個を有する不飽和脂肪酸のスルホネート;
− 酒石酸およびクエン酸と、アルコール(炭素原子8〜22個を有する脂肪アルコールへの約2〜15分子のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物)とのエステル。
【0138】
好ましいアニオン界面活性剤は、アルキル基に10〜18個の炭素原子を有し、分子中に12個までのグリコールエーテル基を有する、アルキルスルフェート、アルキルポリグリコールエーテルスルフェートおよびエーテルカルボン酸、特に、飽和、特に不飽和C8〜C22カルボン酸、例えば、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸およびパルミチン酸の塩である。
【0139】
両性界面活性剤も、補助界面活性剤として特に好適である。両性界面活性剤は、C8〜C18アルキルまたはアシル基の他に、少なくとも1個の遊離アミノ基および少なくとも1個の-COOHまたは-SO3H基を分子中に有し、分子内塩を形成しうる界面活性化合物を意味するものと理解される。好適な両性界面活性剤の例は、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸であり、これらはそれぞれ、アルキル基に約8〜18個の炭素原子を有する。特に好ましい両性界面活性剤は、N-ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC12~18アシルサルコシンである。
【0140】
本発明に使用されるカチオン界面活性剤は、特に、第四アンモニウム化合物型、エステルクォート型およびアミドアミン型である。
【0141】
好ましい第四アンモニウム化合物は、例えば、INCI名Quaternium-27およびQuaternium-83で既知のイミダゾリウム化合物である。
【0142】
エステルクォートは、少なくとも1個のエステル官能基および少なくとも1個の第四アンモニウム基の両方を、構成成分として含有する既知の物質である。好ましいエステルクォートは、脂肪酸とトリエタノールアミンとの四級化エステル塩、脂肪酸とジエタノールアルキルアミンとの四級化エステル塩、および脂肪酸と1,2-ヒドロキシプロピルジアルキルアミンとの四級化エステル塩である。そのような製品は、例えば、商品名Stepantex(登録商標)、Dehyquart(登録商標)およびArmocare(登録商標)で市販されている。製品Armocare(登録商標)VGH-70、N,N-ビス(2-パルミトイルオキシエチル)ジメチルアンモニウムクロリド、ならびにDehyquart(登録商標)F-75およびDehyquart(登録商標)AU-35は、そのようなエステルクォートの例である。
【0143】
アルキルアミドアミンは、天然または合成脂肪酸および脂肪酸カットのジアルキルアミノアミンでのアミド化によって一般に製造される。本発明に特に好適な、この物質群からの化合物は、商品名Tegoamido(登録商標)S 18で市販されているステアラミドプロピルジメチルアミンである。
【0144】
本発明に使用できる他のカチオン界面活性剤は、四級化タンパク質加水分解物である。
【0145】
本発明に好適な他のカチオン界面活性剤は、INCI名Linoleamidopropyl PG-Dimonium Chloride Phosphate(リノールアミドプロピルPG-ジモニウムクロリドリン酸塩), Cocamidopropyl PG-Dimonium Chloride Phosphate(コカミドプロピルPG-ジモニウムクロリドリン酸塩)およびStearamidopropyl PG-Dimonium Chloride Phosphate(ステアラミドピロピルPG-ジモニウムクロリドリン酸塩)で既知の物質である。これらは、例えば、商品名Phospholipid EFA(登録商標)、Phospholipid PTC(登録商標)およびPhospholipid SV(登録商標)で、Monaによって市販されている。
【0146】
下記の市販製品のようなカチオンシリコーン油も本発明に好適である:Q2-7224(製造会社:Dow Corning;安定化トリメチルシリルアモジメチコーン)、Dow Corning 929エマルジョン(アモジメチコーンとも称されるヒドロキシルアミノ改質シリコーンを含有する)、SM-2059(製造会社:General Electric)、SLM-55067(製造会社:Wacker)ならびにAbil(登録商標)-Quat 3270および3272(製造会社:Th. Goldschmidt;ジ第四ポリジメチルシロキサン、Quaternium-80)。
【0147】
カチオン界面活性剤として使用しうる第四糖誘導体の1つの例は、市販製品Glucquat(登録商標)100、INCI名「Lauryl Methyl Gluceth-10 Hydroxypropyl Dimonium Chloride(ラウリルメチルグルセス-10ヒドロキシプロピルジモニウムクロリド)」である。
【0148】
界面活性剤として使用されるアルキル基を有する化合物は、それぞれ個々の物質であってよい。しかし、これらの物質を製造する際に、天然植物性または動物性原材料から出発し、その結果、特定の原材料に基づいて種々のアルキル鎖長を有する物質の混合物を得るのが一般に好ましい。
【0149】
脂肪アルコールへのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物、またはこれらの付加生成物の誘導体であり、かつ使用されうる界面活性剤は、「通常の」同族体分布を有する生成物、または狭い同族体分布を有する生成物である。この場合、「通常の」同族体分布は、アルカリ金属、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属アルコキシドを触媒として使用して脂肪アルコールとアルキレンオキシドとを反応させた場合に得られる同族体の混合物を意味するものと理解される。これに対して、狭い同族体分布は、例えば、ヒドロタルサイト、エーテルカルボン酸のアルカリ土類金属塩、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物またはアルコキシドを触媒として使用した場合に得られる。狭い同族体分布を有する生成物の使用が好ましい。
【0150】
しかし、本発明によれば、着色剤が、アニオン、両性イオンおよび/または両性界面活性剤を含有しないことが特に好都合であることが分かった。
【0151】
さらに、本発明の着色剤は、下記のような付加的な活性成分、助剤および添加剤を含有しうる:
− 非イオンポリマー、例えば、ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドンおよびビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマーおよびポリシロキサン;
− カチオンポリマー、例えば、四級化セルロースエーテル、第四級基を有するポリシロキサン、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドポリマー、アクリルアミド/ジメチルジアリルアンモニウムクロリドコポリマー、ジエチルスルフェートで四級化されたジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルピロリドンコポリマー、ビニルピロリドン/イミダゾリニウムメトクロリドコポリマーおよび四級化ポリビニルアルコール;
− 両性イオンおよび両性ポリマー、例えば、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマーおよびオクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/tert-ブチルアミノエチルメタクリレート/2-ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー;
− アニオンポリマー、例えば、ポリアクリル酸、架橋ポリアクリル酸、ビニルアセテート/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリレートコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーおよびアクリル酸/エチルアクリレート/N-tert-ブチルアクリルアミドターポリマー;
− 増粘剤、例えば、寒天、グアールガム、アルギン酸塩、キサンタンガム、アラビアゴム、カラヤゴム、イナゴマメフラワー、アマニゴム、デキストラン、セルロース誘導体、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース、デンプン画分および誘導体、例えば、アミラーゼ、アミロペクチンおよびデキストリン、クレー、例えばベントナイト、または完全合成親水性コロイド、例えばポリビニルアルコール;
− 構造剤(structurants)、例えばマレイン酸および乳酸;
− ヘアコンディショニング化合物、例えば、リン脂質、例えば、大豆レシチン、卵レシチンおよびセファリン;
− タンパク質加水分解物、特に、エラスチン、コラーゲン、ケラチン、乳タンパク質、大豆タンパク質および小麦タンパク質加水分解物、それらと脂肪酸との縮合生成物、および四級化タンパク質加水分解物;
− 香油、ジメチルイソソルビドおよびシクロデキストリン;
− 繊維構造を向上させる活性成分、特に、単糖、二糖およびオリゴ糖、例えば、グルコース、ガラクトース、フルクトース、果糖およびラクトース;
− 四級化アミン、例えば、メチル-1-アルキルアミドエチル-2-アルキルイミダゾリウムメトスルフェート;
− 消泡剤、例えば、シリコーン;
− 組成物着色用の染料;
− フケ防止活性成分、例えば、ピロクトンオラミン、亜鉛オマジンおよびクリムバゾール;
− 光防護剤、特に、誘導体化ベンゾフェノン、桂皮酸誘導体およびトリアジン;
− pH調整物質、例えば、一般的な酸、特に食用酸および塩基;
− 活性成分、例えば、アラントイン、ピロリドンカルボン酸およびその塩、ならびにビサボロール;
− ビタミン、プロビタミンおよびビタミン先駆物質、特に、A、B3、B5、B6、C、E、FおよびH群のビタミン;
− 植物抽出物、例えば、下記の植物の抽出物:緑茶、オーク樹皮、イラクサ、ハマメリス、ホップ、カモミール、ゴボウ、トクサ、サンザシ、ライムの花、アーモンド、アロエ・ベラ、トウヒ針葉、ローストチェストナッツ(roast chestnut)、ビャクダン、トショウ、ココナツ、マンゴ、アプリコット、レモン、コムギ、キーウィ、メロン、オレンジ、クレープフルーツ、セージ、ローズマリー、カバ、ゼニアオイ、ハナタネツケバナ、イブキジャコウソウ、ノコギリソウ、タイム、メリッサ、ハリモクシュク、フキタンポポ、ウスベニタチアオイ、分裂組織、チョウセンニンジンおよびショウガの根;
− コレステロール;
− コンシステンシー調節剤、例えば、糖エステル、ポリオールエステルまたはポリオールアルキルエーテル;
− 脂肪および蝋、例えば、鯨蝋、蜜蝋、モンタン蝋およびパラフィン;
− 脂肪酸アルカノールアミド;
− 錯化剤、例えば、EDTA、NTA、β-アラニン二酢酸およびホスホン酸;
− 膨潤および浸透物質、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、モノエチルエーテル、カーボネート、炭酸水素、グアニジン、尿素、ならびに第一、第二および第三リン酸塩;
− 不透明剤、例えば、ラテックス、スチレン/PVPおよびスチレン/アクリルアミドコポリマー;
− 真珠光沢剤、例えば、エチレングリコールモノ-およびジステアレート、ならびにPEG-3ジステアレート;
− 顔料;
− 過酸化水素および他の酸化剤用の安定剤;
− 噴射剤、例えば、プロパン-ブタン混合物、N2O、ジメチルエーテル、CO2および空気;
− 酸化防止剤。
【0152】
さらなる任意成分およびこれらの成分の使用量に関して、当業者に既知の関連ハンドブック、例えば、Kh. Schrader, Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika [Fundamentals and formulations of cosmetics], 第2版、Huethig Buch Verlag, Heidelberg, 1989が特に参照される。
【0153】
本発明は、第二に、
(A) 少なくとも1つの染料先駆物質および/または直接染料;
(B) 少なくとも1つの脂肪酸グリセリルエステル;および
(C) 少なくとも1つの式(I)のカチオン界面活性剤;
【0154】
【化20】

[式中、
基R1〜R4は、互いに独立して、C1〜C4アルキル基またはC10〜C30アルキル基であり、基R1〜R4の少なくとも1つ、多くて2つはC12〜C30アルキル基である。
Xは、生理的適合性のアニオンである。]
の成分を含んで成る第一調製物:
および、
少なくとも1つの酸化剤を含んで成る第二調製物から成る、ケラチン繊維染色用2成分組成物を提供する。
【0155】
本発明のこの目的物の好ましい態様において、第二調製物は、少なくとも1つのアニオン界面活性剤または少なくとも1つのカチオン界面活性剤を含んで成る。本発明に好ましいアニオンまたはカチオン界面活性剤に関して、先の記載を参照しうる。この態様の本発明の着色剤は、得られる適用調製物の優れた粘性を特徴とする。その粘性は、組成物が、滴らずに毛髪に容易に分散しうるような性質である。
【0156】
本発明の二成分組成物は、優れた相溶性、製造容易性、および顕著な長期安定性を特徴とする。
【0157】
実際の着色を酸化過程で行う場合、一般的な酸化剤、例えば、特に、過酸化水素、または尿素、メラミンもしくはホウ酸ナトリウムへの過酸化水素の付加生成物を使用することができる。しかし、大気中の酸素を単独酸化剤として使用する酸化が好ましい。しかし、特に、ヒト毛髪において着色に加えて淡色効果が所望される場合は、化学酸化剤を使用するのが好ましい。好適な酸化剤は、過硫酸塩、亜塩素酸塩、特に、過酸化水素、または尿素、メラミンおよび硼酸ナトリウムへの過酸化水素の付加生成物である。しかし、本発明によれば、例えば大気中の酸素によって、染料先駆物質の酸化を活性化する触媒と共に、酸化着色剤を毛髪に適用することもできる。そのような触媒は、例えば、金属イオン、ヨウ化物、キノンまたはある種の酵素である。
【0158】
好適な金属イオンは、例えば、Zn2+、Cu2+、Fe2+、Fe3+、Mn2+、Mn4+、Li+、Mg2+、Ca2+およびAl3+である。本発明に特に好適なのは、Zn2+、Cu2+およびMn2+である。金属イオンは、原則的に、任意の生理的適合性塩の形態または錯化合物の形態で使用することができる。これらの金属塩を使用することによって、着色を促進し、かつ、目的とする色ニュアンスを与えることができる。
【0159】
好適な酵素は、例えばペルオキシダーゼであり、これは、少量の過酸化水素の作用を顕著に増加させることができる。大気中の酸素の助けにより酸化染料先駆物質を直接的に酸化させる(例えばラッカーゼ)か、または少量の過酸化水素をイン・サイチューで生じ、それによって染料先駆物質の酸化を生体触媒的に活性化する酵素も本発明に好適である。染料先駆物質の酸化に特に好適な触媒は、例えば下記のような、この目的に特異的な基質と組み合わせたいわゆる2電子酸化還元酵素である:
− ピラノース-オキシダーゼ、および例えばD-グルコースまたはガラクトース;
− グルコース-オキシダーゼおよびD-グルコース;
− グリセロール-オキシダーゼおよびグリセロール;
− ピルベート-オキシダーゼおよびピルビン酸またはその塩;
− アルコール-オキシダーゼおよびアルコール(MeOH、EtOH);
− ラクテート-オキシダーゼおよび乳酸およびその塩;
− チロシナーゼ-オキシダーゼおよびチロシン;
− ウリカーゼおよび尿酸またはその塩;
− コリンオキシダーゼおよびコリン;
− アミノ酸-オキシダーゼおよびアミノ酸。
【0160】
実酸化着色剤は、酸化剤の調製物と、染料先駆物質含有調製物とを混合することによって、適用のすぐ前に調製するのが好都合である。得られた即用毛髪着色調製物は、pH5〜14、特に7〜12を有するのが好ましい。弱アルカリ性媒質において毛髪着色剤を使用するのが特に好ましい。適用温度は15〜40℃である。5〜45分間の接触時間後、濯ぎによって、着色される毛髪から毛髪着色剤を除去する。高含有量の界面活性剤を含有する担体、例えばカラーシャンプーを使用した場合、シャンプーでの後洗浄は必要ない。
【0161】
しかし、特に染めにくい毛髪の場合、染料先駆物質含有調製物を、酸化成分との前混合なしに、毛髪に適用することもできる。20〜30分間の接触時間後、中間濯ぎを任意に行った後に、酸化成分を適用する。さらに10〜20分間の接触時間後に、毛髪を濯ぎ、必要であれば後洗髪を行う。この態様の場合、染料先駆物質の前適用が毛髪へのより優れた浸透をもたらす第一変法により、対応する組成物をpH約4〜7に調整する。第二変法によれば、空気酸化が先ず必要とされ、その場合、適用される組成物は、pH7〜10を有するのが好ましい。それに続く促進された後酸化の間に、酸性にされたペルオキシジスルフェート溶液を酸化剤として使用するのが好ましい。
【0162】
従って、本発明は、第三に、ケラチン繊維を染色する方法を提供し、該方法において、本発明の組成物の1つを酸化剤調製物と任意に混合し、適用調製物を繊維に適用し、接触時間後に濯ぎ落とす。
【0163】
特に好ましいのは、本発明の二成分組成物を混合して適用調製物を得、これを繊維に適用し、接触時間後に濯ぎ落とすケラチン繊維染色方法である。
【0164】
下記の実施例は、本発明の目的物を例示するものであって、限定するものではない。
【実施例】
【0165】
特に指定しなければ、下記の実施例に使用される量的データは、重量によるパーセントである。
【0166】
実験系列A
下記の着色剤を調製した:
【0167】
【表1】

【0168】
各場合に、本発明の染色クリームA1〜A3 10mLを、酸化剤調製物10mLと混合し、得られた適用調製物を、水牛の腹部の毛でできた繊維にブラシで適用し、室温で30分間そのまま放置し、次に、清浄水で充分に濯いだ。ヘアドライヤーで繊維を乾燥させ、比色的に測定した。下記の着色を得た。
【0169】
【表2】

【0170】
実験系列B
【0171】
【表3】

【0172】
【表4】

【0173】
【表5】

【0174】
各場合に、本発明の染色クリームB1〜B9 10mLを、酸化剤調製物10mLと混合し、得られた適用調製物を、水牛の腹部の毛でできた繊維にブラシで適用し、室温で30分間そのまま放置し、次に、清浄水で充分に濯いだ。ヘアドライヤーで繊維を乾燥させ、比色的に測定した。下記の着色を得た。
【0175】
【表6】

【0176】
炭酸水素アンモニウムおよび/またはシリカの使用は、色効果(着色)に影響を及ぼさないが、向上した、染色クリームの色性能を生じる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A) 少なくとも1つの染料先駆物質および/または直接染料;
(B) 少なくとも1つの脂肪酸グリセリルエステル;および
(C) 少なくとも1つの式(I)のカチオン界面活性剤;
【化1】

[式中、
基R1〜R4は、互いに独立して、C1〜C4アルキル基またはC10〜C30アルキル基であり、基R1〜R4の少なくとも1つ、多くて2つはC12〜C30アルキル基である。
Xは、生理的適合性のアニオンである。]
を含んで成ることを特徴とするケラチン繊維染色用組成物。
【請求項2】
少なくとも1つの顕色剤またはカプラーが、染料先駆物質として存在することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
少なくとも1つのインドール誘導体および/またはインドリン誘導体が、染料先駆物質として存在することを特徴とする請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
オレイン酸モノグリセリドおよび/またはステアリン酸モノグリセリドを、脂肪酸グリセリルエステルとして含んで成ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
式(I)の化合物を、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルトリメチルアンモニウムブロミドおよびジアルキルジメチルアンモニウムブロミドから選択することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
式(I)の化合物を、ジカプリンジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジセチルジメチルアンモニウムクロリド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリドおよびベヘニルトリメチルアンモニウムメトスルフェートから選択することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
少なくとも1つの完全または部分水素化植物油をさらに含んで成ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
完全または部分水素化植物油を、大豆油、ヤシ油、ハシバミ油、パーム核油、ヒマワリ油、亜麻仁油、落花生油、ヒマシ油またはナタネ油から選択することを特徴とする請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
炭酸水素アンモニウムをさらに含んで成ることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
組成物の重量に対して、0.1〜10wt%、好ましくは0.25〜8wt%、特に好ましくは0.5〜5wt%、特に1〜3wt%の炭酸水素アンモニウムを含んで成ることを特徴とする請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
シリカをさらに含んで成ることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
組成物の重量に対して、0.05〜5wt%、好ましくは0.1〜3wt%、特に好ましくは0.15〜2wt%、特に0.2〜1wt%のシリカを含んで成ることを特徴とする請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載の第一調製物、および少なくとも1つの酸化剤を含有する第二調製物を含んで成ることを特徴とするケラチン繊維染色用二成分組成物。
【請求項14】
第二調製物が、少なくとも1つのアニオンまたはカチオン界面活性剤を含有することを特徴とする請求項13に記載の二成分組成物。
【請求項15】
請求項1〜12のいずれかに記載の組成物を、酸化剤調製物と任意に混合し、適用調製物を繊維に適用し、接触時間後に、濯ぎ落とすことを特徴とするケラチン繊維の染色方法。
【請求項16】
請求項13または14に記載の二成分組成物を混合して、適用組成物を得、これを繊維に適用し、接触時間後に、濯ぎ落とすことを特徴とするケラチン繊維の染色方法。

【公開番号】特開2013−100287(P2013−100287A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−253552(P2012−253552)
【出願日】平成24年11月19日(2012.11.19)
【分割の表示】特願2006−546002(P2006−546002)の分割
【原出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】