説明

カプセルおよび化学処理用カートリッジ

【課題】試薬類等を適切に取り扱うことができるカプセルおよび化学処理用カートリッジを提供する。
【解決手段】カプセル1はドーム状の2つのフィルム11,12をその周囲で互いに貼り合わせることにより形成されている。フィルム11,12は、アルミ蒸着が施されたヒートシール可能なフィルムをしぼり成形加工することにより形成される。2つのフィルム11,12は加熱温度によってシール強度を変えられる材料(イージーピール材料)で構成され、周辺の接着領域Rで互いに熱溶着される。その後、カプセル1の内部に充填部13を介して試薬等の内容物が充填される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部から与えられた力による変形により内容物を移動させて化学処理を行わせる化学処理用カートリッジおよび化学処理用カートリッジと組み合わせて使用されるカプセルに関する。
【背景技術】
【0002】
外部から与えられた力による変形により内容物を移動させて化学処理を行わせる化学処理用カートリッジが知られている。この化学処理用カートリッジには、所望の化学処理の手順に即した形状、配置でウェルや流路が形成されており、カートリッジに押し付けたローラを移動させることなどにより内容物を移動させることで、容易に上記手順に従った化学処理を実行できるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−37368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
化学処理用カートリッジにおける化学処理に必要な試薬類は、カートリッジのウェル内に予め充填しておく必要がある。しかし、化学処理用カートリッジを構成している材質はシリコンゴム等の弾性樹脂であり気体透過性が大きい。また、アルコール等の溶剤は弾性樹脂内に浸透、拡散しやすい。このため、試薬の種類によってはカートリッジ内に長期保存することができないという問題がある。
【0005】
また、カートリッジ内に充填させた一定容量の試薬類を再現性よく次のウェルに導入することは非常に困難であり、試薬類の無駄を排除することや、安定した反応を得ることが難しいという問題がある。
【0006】
さらに、試薬類を溜めるためのウェルに、外部から注射器やピペットなどを用いて試薬を充填する際に、ウェル内の空気が排除しきれずに残留し、あるいは、充填時や充填後にウェル内に気泡が混入するおそれがある。このような気泡はその後の反応等に悪影響を与えるため、気泡の混入を確実に防止する必要がある。
【0007】
本発明の目的は、試薬類等を適切に取り扱うことができるカプセルおよび化学処理用カートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のカプセルは、外部から与えられた力による変形により内容物を移動させて化学処理を行わせる化学処理用カートリッジに供給される物質を気密的に収容するカプセルであって、前記カプセルは前記化学処理用カートリッジの材質よりも気密性の高い材質で構成され、前記カプセルを押し潰すことで前記カプセルに収容された前記物質が、前記化学処理用カートリッジの所定の領域に供給されることを特徴とする。
このカプセルによれば、化学処理用カートリッジの材質よりも気密性の高い材質で構成されるので、試薬類等を適切に取り扱うことができる。
【0009】
前記カプセルには、内圧で最初に破壊される部位が設けられ、前記カプセルを押し潰した時に、前記部位から前記物質が放出されてもよい。
【0010】
前記カプセルは前記化学処理用カートリッジに収容され、前記化学処理用カートリッジの外側からの力により押し潰されてもよい。
【0011】
前記カプセルは前記化学処理用カートリッジに差し込まれた状態で押し潰されることにより、前記物質が前記化学処理用カートリッジに供給されてもよい。
【0012】
複数の前記カプセルが連結された状態で前記化学処理用カートリッジに差し込まれてもよい。
【0013】
本発明の化学処理用カートリッジは、外部から与えられた力による変形により内容物を移動させて化学処理を行わせる化学処理用カートリッジにおいて、前記化学処理用カートリッジの材質よりも気密性の高い材質で構成され、前記化学処理用カートリッジの所定の領域に供給される物質を気密的に収容するカプセルが、前記化学処理用カートリッジ内に収容され、前記化学処理用カートリッジの外側からの力により前記カプセルを押し潰すことで、前記カプセルに収容された前記物質が、前記化学処理用カートリッジの前記所定の領域に供給されることを特徴とする。
この化学処理用カートリッジによれば、化学処理用カートリッジの材質よりも気密性の高い材質で構成されたカプセルに物質を気密的に収容するので、試薬類等を適切に取り扱うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のカプセルによれば、化学処理用カートリッジの材質よりも気密性の高い材質で構成されるので、試薬類等を適切に取り扱うことができる。
【0015】
本発明の化学処理用カートリッジによれば、化学処理用カートリッジの材質よりも気密性の高い材質で構成されたカプセルに物質を気密的に収容するので、試薬類等を適切に取り扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】一実施形態のカプセルを示す図であり、(a)はカプセルの形状を示す斜視図、(b)は上記カプセルの構成を示す断面図。
【図2】カプセルの構成等を示す図であり、(a)は接着領域Rの状態を示す平面図、(b)は内容物が放出される様子を示す斜視図。
【図3】カプセルを化学処理用カートリッジに収容した例を示す平面図。
【図4】カプセルの他の形態を示す図であり、(a)は、平板状のフィルムとドーム状のフィルムとを組み合わせたカプセルを示す断面図、(b)は、カプセル内に複数のカプセルを収容する例を示す図。
【図5】カプセルを連結した例を示す図であり、(a)はカセットの平面図、(b)はカセットおよびカートリッジの断面図、(c)は(b)のC−C線断面図。
【図6】カプセルを連結した例を示す図であり、(a)はカセットの平面図、(b)はカセットおよびカートリッジの断面図、(c)は(b)のC−C線断面図。
【図7】折り曲げ可能としたカセットの構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図。
【図8】カプセルを押し潰すための治具の構成例を示す図であり、(a)〜(c)は治具を用いた押し込み動作を示す図、(d)は先端が平面状に形成された治具を示す図、(e)は先細り形状の治具を示す図、(f)は先端にラウンドを有する治具を示す図。
【図9】カプセルの周囲を押さえリングで押さえ込む例を示す図、(a)は断面図、図9(b)は平面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明によるカプセルの実施形態について説明する。
【0018】
図1(a)は一実施形態のカプセルの形状を示す斜視図、図1(b)は上記カプセルの構成を示す断面図である。
【0019】
図1(a)および図1(b)に示すように、カプセル1はドーム状の2つのフィルム11,12をその周囲で互いに貼り合わせることにより形成されている。フィルム11,12は、アルミ蒸着が施されたヒートシール可能なフィルムをしぼり成形加工することにより形成される。2つのフィルム11,12は加熱温度によってシール強度を変えられる材料(イージーピール材料)で構成され、周辺の接着領域Rで互いに熱溶着される。その後、カプセル1の内部に充填部13を介して試薬等の内容物が充填される。
【0020】
図1(c)および図1(d)はカプセル1の使用方法を示す斜視図、図1(e)はカプセルの断面図である。
【0021】
図1(c)に示すように、治具51等によりカプセル1を押し込むと、フィルム12が変形して反転した形状となる。このとき、フィルム11,12が同一形状とされているので、フィルム12がフィルム11に密着した状態となり(図1(d)および図1(e))、デッドボリュームが発生せず、内容物が完全に放出される。また、試薬のムダや気泡の混入のない送液が可能となる。
【0022】
図2(a)は接着領域Rの状態を示す平面図、図2(b)は内容物が放出される様子を示す斜視図である。
【0023】
図2(a)に示すように、接着領域Rは充填部13の中心領域を避けてカプセル1の外縁に沿って設けられる。充填部13の中心領域は内容物の充填時に使用される充填口13aとして使用される。
【0024】
また、接着領域Rは接着力の強い領域R1と、接着力の弱い領域R2とからなる。カプセル1を製造する際には、まず、領域Rを低温で熱溶着することで領域R2に対応する接着力で全体を貼り合わせる。次に、領域R1を高温で熱溶着し接着力を増大させる。このように、2段階でのシールを行う。
【0025】
カプセル1に内容物を充填する際には、充填部13の充填口13aから注射針等を差し込んで内容物を注入する。次いで点線で示す封止部13bを高温で熱溶着し、内容物を密封する。なお、カプセル1への内容物の充填時に気泡が混入した場合には、そのカプセルを不良品として廃棄すれば良い。
【0026】
図2(b)に示すように、カプセル1を押し潰すと、接着力の弱い領域R2においてフィルム11,12が離れ、その隙間から内容物が放出される。
【0027】
図2(c)は内容物の放出部分に放出路を設けたカプセルの斜視図、図2(d)はその断面図である。
【0028】
図2(c)および図2(d)に示すように、カプセル1Aは、カプセル1に、領域R2から延びる放出路15が追加された構成とされている。カプセル1Aを押し潰すと、領域R2においてフィルム11,12が離れて内容物が放出路15を流れ、放出路15の先端から内容物が放出される。
【0029】
図1および図2に示すカプセルによれば、耐溶剤性、ガス遮断性に優れるアルミ積層フィルムで形成したカプセル内に内容物を密封できるため、使用する直前に混合する必要のある用時調製用試薬等を長期間安定に保存できる。
【0030】
また、カプセル内の内容物を一定量に規定することは容易であるとともに、カプセルを押し潰す際のアクチュエータの動作条件により内容物の全量の排出を容易に制御できる。さらに、カプセル1は上下の面が対称形のため、上面のフィルム12が反転して下面のフィルム11に密着しデッドスペースが生じないため、カプセル1内に内容物が残留しない。以上の理由から、カートリッジ内に再現良く一定量の内容物を放出可能となる。
【0031】
また、気泡のない状態で内容物をカプセルに充填することで、放出される内容物への気泡の混入を防止できる。
【0032】
図3は、カプセルを化学処理用カートリッジに収容した例を示す平面図である。
【0033】
図3に示すように、化学処理用カートリッジ2の内部には、所望の化学処理の手順に即した形状、配置でウェル21〜ウェル24およびウェル間を接続する流路25,26等が形成されている。化学処理用カートリッジ2は弾力性のあるシリコンゴム等の材質で形成され、ウェルや流路を形成することで、カートリッジ2に押し付けたローラ52を移動させることで、容易に上記手順に従った化学処理を実行できる。
【0034】
図3に示す例では、カートリッジ2のウェル21およびウェル22に、それぞれカプセル1Aが収容されている。図3に示すように、カプセル1Aは、その放出路15がそれぞれ後続のウェル23に通じる流路25および流路26に差し込まれるように配置される。治具等を用いて、カプセル1Aを、カートリッジ2を介して押し潰すことにより、それぞれの内容物が流路25および流路26に向けて供給される。その後、ローラ52を移動させることで所定の化学処理を実行できる。
【0035】
図4は、カプセルの他の形態を示す図である。
【0036】
図4(a)は、平板状のフィルムとドーム状のフィルムとを組み合わせたカプセルを示す断面図である。図4(a)に示すように、カプセル1Cは、平板状のフィルム11Cと、ドーム状のフィルム12Cとを貼り合わせることで構成されている。この場合には、フィルム12を押し潰すことで、内容物を放出することができる。
【0037】
図4(b)は、カプセル内に複数のカプセルを収容する例を示している。
【0038】
図4(b)の例では、カプセル1の内部に2つのカプセル1D,1Dが収容されている。2つのカプセル1D,1Dには、互いに異なる内容物が封入されており、カプセル1を押し潰す際にカプセル1D,1Dも同時に押し潰され内容物が混合される。図2(b)に示したように、混合された内容物は、所定の方向から放出される。このような構成により、2つの内容物を使用時に混合(用時調製)することが可能となる。例えば、使用時に2液を反応させたい場合などに利用できる。
【0039】
図5に示すようにカプセルを連結してもよい。図5(a)はカセットの平面図、図5(b)はカセットおよびカートリッジの断面図、図5(c)は図5(b)のC−C線断面図である。
【0040】
図5(a)に示すように、樹脂製のカセット10Eには、4つのカプセル1Eが形成されている。図5(c)に示すように、カプセル1Eは、カセット10Eのベース部分に形成された凹部17Eの周囲と、ドーム状のフィルム1Eとを互いに接着することで形成される。
【0041】
化学処理用カートリッジ2Aは、4つのカプセル1Eに対応する内部構成を有しており、図5(b)に示すように、カプセル1Eの放出路15Eの先端を側面からカートリッジ2A内部に挿入する。これによって、例えば、必要な試薬セットをワンタッチでカートリッジ2Aへ確実に装填することができる。この連結されたカセット10Eとカートリッジ2Aは、ロック機構付きのクリップなどの専用の結合部材27で止めることで相互に確実に固定することができる。この状態で、カプセル1Eを押し潰すことで、内容物をカートリッジ2Aに注入することができる。この際、カプセル1Eをカセット10Eの凹部17Eと治具等との間に挟み込むようにして、カプセル1Eを押し潰すことができる。
【0042】
このようにカプセルをカセット化することで、カプセル製作時およびカートリッジへの装填時のハンドリング性が向上する。例えば、カートリッジに複数の試薬を導入する場合に、1つのカセットにより複数の試薬が同時に装着できるため、カプセルの配置作業ミスを防止できる。
【0043】
図6は、カプセルを連結する別のカセットの構成例を示している。図6(a)はカセットの平面図、図6(b)はカセットおよびカートリッジの断面図、図6(c)は図6(b)のC−C線断面図である。
【0044】
図6(c)に示すように、カプセル1Fは、カセット10Fのベース部分に形成された凹部17Fの周囲と、ドーム状のフィルム1Fとを接着することで形成される。
【0045】
図6(a)に示すように、4つのカプセル1Fを互いに連結するカセット10Fは、カセット10Eよりもベース部分が拡張されている。図6(b)および図6(c)に示すように、カプセル1Fの放出路15Fの先端を側面からカートリッジ2Bの内部に挿入し、結合部材28でカセット10Fとカートリッジ2Bとを固定すると、カセット10Fのベース部分がカートリッジ2Bに沿った状態となる。したがって、カプセル1Eを押し潰す際だけでなく、ローラ等によりカートリッジ2Bにおける送液を行う際にも、カセット10Fのベース部分を土台として使用できる。
【0046】
図7(a)は、折り曲げ可能としたカセットの構成を示す平面図、図7(b)は断面図である。
【0047】
図7(a)および図7(b)に示すように、カセット3には4つのカプセル32とともに、それぞれのカプセル32から放出される内容物を導く放出路33が作り込まれている。放出路33を化学処理用カートリッジ2Cに差し込み、折り曲げ部31を折り曲げることで、カセット3を化学処理用カートリッジ2Cに装着する。化学処理用カートリッジ2Cには突起29aおよび突起29bが、カセット3にはこれに対応する孔(不図示)が、それぞれ形成されており、突起29aおよび突起29bを介してカセット3が化学処理用カートリッジ2Cに固定される。
【0048】
図8は、カプセルを押し潰すための治具の構成例を示す図である。これらの治具はアクチュエータにより、あるいは手動により駆動される。
【0049】
図8(a)〜図8(c)は治具52を用いた押し込み動作を示している。図8(a)に示すように、治具52は上下方向に駆動される基部52aと、基部52aに対し軸52c周りに回転可能に取り付けられた先端部52bとからなる。先端部52bが非対称とされているため、図8(a)〜図8(c)に示すように、基部52aを押し下げると、カプセル1を押し込むにつれて先端部52bが図8(a)〜図8(c)において時計周りに回転する。これにより、カプセル1の左方から右方に接触部位が移動するため、カプセル1の内容物を右方向に効率的に放出することができる。なお、化学処理用カートリッジにカプセルが収容されている場合には、化学処理用カートリッジの外側からカプセルに先端部52bを押し付ければよい。
【0050】
図8(d)は先端が平面状に形成された治具を示している。図8(a)の例では、治具53は上下方向に駆動され、カプセル全体を均一に押し潰すため、例えば、図4(a)に示すカプセルに適用される。
【0051】
図8(e)は、先細り形状の治具54を、図8(f)はさらに先端にラウンドを有する治具55を、それぞれ示している。
【0052】
図9はカプセルの周囲を押さえリングで押さえ込む例を示しており、図9(a)は断面図、図9(b)は押さえリングの形状を示す平面図である。
【0053】
図9(a)および図9(b)に示すように、円筒状の押さえリング56a、およびカプセル1の形状に即した凹部56cを有する押さえリング56bによりカプセル1の領域Rを挟み込んだ状態で、治具51によりカプセル1を押し潰す。カプセル1の領域R2に対応する部位には、押さえリング56aおよび押さえリング56bに切欠き56dが形成されており、カプセル1の内容物は切欠き56dを介して放出される。
【0054】
このような押さえリングを用いることにより、カプセルが横にずれ、あるいは内容物が周辺に漏れることを防止できるので、確実に送液することができる。
【0055】
なお、化学処理用カートリッジにカプセルが収容されている場合には、化学処理用カートリッジの外側からカプセルを押さえ込めばよい。
【0056】
上記各実施形態において、カプセルを構成する材料は,耐溶剤性やガス遮断性がある材質であればよく、金属層を含む樹脂積層フィルム、PVAフィルム、EVOHフィルム、シリカ蒸着フィルム、PP、PC、PET等の樹脂フィルムのほか、金属単体のフィルムとしてアルミを用いることもできる。
【0057】
また、3つ以上の部材を組み合わせてカプセルを形成してもよい。例えば、テトラボッドのような多面体状のカプセルを3つ以上の部材により形成してもよい。
【0058】
カプセルとして、薬品や食品で使用される有機系のカプセルを用いることもできる。この場合、滴下法、ロータリー法によりカプセルを形成することができる。また、散剤などの薬剤を保持するハードカプセルと同様の形態のカプセル用いることもできる。
【0059】
極小のカプセル内に薬剤等を内包したマイクロカプセルをカートリッジ内に収容してもよい。
【0060】
カプセルの内容物として、ケミカル系試薬だけでなく、生物化学系試薬や、嫌気条件や不活化等を満たす窒素やアルゴン等の気体、粉末(パウダー)でもよい。また、不活性ガスを満たしたカプセルの使用により、試薬を失活することなく、保存できる。さらに、粉末と溶媒、液体と溶媒、気体と溶媒、の組合せを内容物としてもよい。
【0061】
また、カプセルの破壊する方法として、アクチュエータ等を用いて押し潰す方法だけではなく、ローラや針刺激、あるいは加熱による方法を用いてもよい。
【0062】
さらに、カプセルから放出される内容部の混合を促進するための構成をカートリッジに設けても良い。例えば、内容物が放出される流路を屈曲させ、あるいは流路を流れの障害となる形状に形成することで対流を生じさせることで、溶液等の混合性を向上させることができる。
【0063】
本発明の適用範囲は上記実施形態に限定されることはない。本発明は、外部から与えられた力による変形により内容物を移動させて化学処理を行わせる化学処理用カートリッジおよび化学処理用カートリッジと組み合わせて使用されるカプセルに対し、広く適用することができる。
【符号の説明】
【0064】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F カプセル
2,2A,2B,2C 化学処理用カートリッジ
32 カプセル
R2 領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から与えられた力による変形により内容物を移動させて化学処理を行わせる化学処理用カートリッジに供給される物質を気密的に収容するカプセルであって、
前記カプセルは前記化学処理用カートリッジの材質よりも気密性の高い材質で構成され、
前記カプセルを押し潰すことで前記カプセルに収容された前記物質が、前記化学処理用カートリッジの所定の領域に供給されることを特徴とするカプセル。
【請求項2】
前記カプセルには、内圧で最初に破壊される部位が設けられ、前記カプセルを押し潰した時に、前記部位から前記物質が放出されることを特徴とする請求項1に記載のカプセル。
【請求項3】
前記カプセルは前記化学処理用カートリッジに収容され、前記化学処理用カートリッジの外側からの力により押し潰されることを特徴とする請求項1または2に記載のカプセル。
【請求項4】
前記カプセルは前記化学処理用カートリッジに差し込まれた状態で押し潰されることにより、前記物質が前記化学処理用カートリッジに供給されることを特徴とする請求項1または2に記載のカプセル。
【請求項5】
複数の前記カプセルが連結された状態で前記化学処理用カートリッジに差し込まれることを特徴とする請求項4に記載のカプセル。
【請求項6】
外部から与えられた力による変形により内容物を移動させて化学処理を行わせる化学処理用カートリッジにおいて、
前記化学処理用カートリッジの材質よりも気密性の高い材質で構成され、前記化学処理用カートリッジの所定の領域に供給される物質を気密的に収容するカプセルが、前記化学処理用カートリッジ内に収容され、
前記化学処理用カートリッジの外側からの力により前記カプセルを押し潰すことで、前記カプセルに収容された前記物質が、前記化学処理用カートリッジの前記所定の領域に供給されることを特徴とする化学処理用カートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−137215(P2010−137215A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−148332(P2009−148332)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】