説明

カプセル穿孔モジュール

【課題】飲料製造機内部のカプセルの確実な穿孔を目標とする。
【解決手段】カプセルに基づく飲料製造機が、カプセル(1)に入れた成分(5)に基づいて飲料を製造するために設計されたモジュール(2)を備える。モジュール(2)は、カプセル(1)を固定位置に保持する手段(3、4)と、カプセル(1)を穿孔する手段(6)とを備え、穿孔手段(6)は、カプセル(1)が保持手段(3、4)によって固定位置に保持された後にカプセル(1)を穿孔するように制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カプセルに入れられた成分を基に、飲料又はその他の液体食品(スープなど)を製造する分野に関する。
【背景技術】
【0002】
カプセルが、飲料製造機(コーヒ機など)の飲料製造モジュールに挿入される。モジュールは、例えば熱湯などの液体を加圧してカプセルに注入し、それによって、その液体をカプセルに入っている成分と作用させるように設計されている。
【0003】
ある飲料の製造技法は加圧注入を必要とするが、例えば淹茶などの別の製造技法は大気圧で行うことができることに留意されたい。本発明は、両方の場合に用途を見つけることができる。
【0004】
相互作用の成果、即ち製造された飲料又は液体食品は、次いで、カプセルから抜き取られ、飲料用の出口の下に置かれた例えばコーヒカップ等の容器に供給される。
【0005】
本発明は、好ましくは、密封状態で飲料製造モジュールに挿入されるカプセルを取り扱う。従って、カプセルは、飲料製造モジュールに挿入された後、流体入口側並びに出口側の両方で開口する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、飲料製造機内部のカプセルの確実な穿孔を目標とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、独立請求項の特徴を用いて達成される。従属請求項は、本発明の中心思想を更に展開する。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、飲料製造モジュールと、成分を入れたカプセルとを備える飲料製造システムを作動させる方法が提案される。モジュールは、飲料を製造するためにカプセルに液体を注入する。モジュールは、少なくとも第1のカプセル係合部材と、協働する第2のカプセル係合部材とを備え、それら第1及び第2の作動するカプセル係合部材は、互いに相対的に移動する。
【0009】
本方法は、カプセルを飲料製造モジュールに挿入するステップを含む。次いで、第1のカプセル係合部材が、カプセルを第1と第2の係合部材によって係合することによって所定位置に保持する相対接近位置に達するように、第2のカプセル係合部材に対して移動させられる。
【0010】
カプセルが所定位置に無事に保持された後、カプセルを開口する。
【0011】
カプセルは、第1及び第2の係合部材のクランプ係合によって所定位置に保持することができる。
【0012】
第1及び第2の係合部材の少なくとも1つと穿孔手段とが機械的に結合されており、それによって、カプセルが所定位置に保持された後に、穿孔手段がカプセルを開口する。
【0013】
第1及び第2の係合部材の少なくとも1つと穿孔部材とは共通のアクチュエータによって制御することができる。
【0014】
本発明の更に別の態様は、カプセルに入れた成分に基づいて飲料を製造するために設計された飲料製造モジュールを備える飲料製造機に関する。飲料製造モジュールは、カプセルを所定位置に保持する手段を備える。
【0015】
開口手段は、カプセルが保持手段によって所定位置に保持されている間にカプセルを開口するように設計されている。
【0016】
保持手段と開口手段とは機械的に結合されており、それによって、カプセルが保持手段によって固定位置に無事に保持された後に開口手段がカプセルを開口することができる。
【0017】
保持手段が、互いに相対的に変位可能に支持された第1及び第2のカプセル係合部材を備え得、それによって、第1及び第2の係合部材が、挿入されたカプセルを所定位置に固定することができる。
【0018】
開口手段は、第1及び第2の係合部材の1つと機能的に連携し、その連携する係合部材と、少なくとも部分的に、共に変位するように設計されている穿孔部材であり得る。
【0019】
保持手段及び開口手段(穿孔手段)は、共通の手動又は電気アクチュエータによって制御することができる。
【0020】
本発明の更に別の態様は、カプセルから飲料を製造するために設計された飲料製造機に関する。飲料製造機は、協働する第2のカプセル係合部材に対して、開放カプセル調査位置と閉鎖カプセル閉込位置との間を変位することができる第1のカプセル部材を有するモジュールを備える。
【0021】
相対変位は、第1のカプセル係合部材と第2のカプセル係合部材とが互いに近接しているときの直線変位と、それらカプセル係合部材が互いに離隔しているときの旋回運動又は回転運動とを含む組合せ変位である。
【0022】
カプセル穿孔手段は第1及び第2の係合部材の1つと機能的に連携することができ、それによって、第1及び第2の係合部材がカプセル係合位置に達した後、穿孔手段がカプセル閉込空間の中に突出し、上記旋回運動中又はその後に、穿孔手段が、連携する係合部材に対して引き込まれた位置に移動させられる。
【0023】
本発明の更に別の利点、特徴、及び目的は、添付図面を吟味するとき、当業者にとって明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態による、カプセル挿入状態(図1のa)からカプセル閉込状態(図1のc)までの移行を例示するシーケンス、及びアセンブリ機構を示す図である。
【図2】本発明による飲料製造モジュールを、カプセル挿入状態(図2のa)からカプセル閉込状態(図2のc)まで移行させ、又カプセル挿入状態(図2のe)に戻すサイクル全体を示し、又、本発明の第1の実施形態によるアクチュエータ機構を示す図である。
【図3】本発明による飲料製造モジュールの動作を示す図である。
【図4】図3のシーケンスによるステップを示すが、本発明の第1の実施形態による、第1の係合部材と第2の係合部材、並びに穿孔手段それぞれの相対移動の制御及び案内手段を示すように描かれている図である。
【図5】本発明の第1の実施形態による第1の係合部材及び制御手段を、カプセル挿入状態(図5のa)及びカプセル係合状態(図5のb)それぞれで個々に示す図である。
【図6】カプセル挿入状態(図6のa)から形状閉込状態(図6のc)までのステップのシーケンスにおいて、第1の係合部材と第2の係合部材との間に係合されるまでのカプセルの予備固定を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態による、第1の係合部材と第2の係合部材、並びに穿孔手段それぞれの相対移動の制御及び案内手段を示すシーケンスの図である。
【図8】図7のa〜cのシーケンスを示す、飲料製造モジュールの透視図である。
【図9】本発明の第2の実施形態によるアクチュエータ機構を有する飲料製造モジュールの中間位置での図である。
【図10】本発明の第2の実施形態によるアクチュエータ機構を有する飲料製造モジュールのケーシングの図である。
【図11】本発明の第2の実施形態による結合要素の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
全ての図面が、飲料製造機の飲料製造モジュール2のみを示している。
【0026】
通常、飲料製造モジュール2は、供給された液体を加熱及び/又は加圧する手段に流体接続され得る液体入口14で、液体を供給される。
【0027】
出口側に、製造された飲料又は液体食品を飲料製造機の指定された出口に導く手段が設けられている。
【0028】
図に示された飲料製造モジュール2は、好ましくは、図1〜4及び図7〜10にそれぞれ示される本質的に水平位置を取るように、飲料製造機のケーシング内に格納されている。
【0029】
水平配置は、カプセルの挿入及びその後の予備位置決めが重力によって助けられる点で有利であるが、飲料製造モジュール2のその他の配置も同様に可能であることに留意されたい。
【0030】
図1のaは、成分5によって少なくとも部分的に充填されたカプセル1を、飲料製造モジュール2のケーシング19の開口(スロット)8を通して上部から挿入することができる、飲料製造モジュール2の状態を示す。
【0031】
図1のaは、カプセル1が、上部から開口8を通して飲料モジュール2のケーシング19の内部に使用者によって既に手作業で挿入された状態を示す。
【0032】
好ましくは、図1のaに示された状態では、カプセル1は、後に図6を参照して詳細に説明する予備固定手段12によって保持される。
【0033】
図1のaに見ることができるように、この予備固定位置では、カプセル1は、本質的に垂直な向きに保持されていることが好ましく、即ち、カプセルの対称軸は本質的に水平である。
【0034】
カプセル1が垂直軸に対して小さな角度(鋭角)を形成する向きに保持される、カプセル1の他の予備位置決め配置を考えることもできる。
【0035】
図1のaに示された状態では、カプセルは、第2の係合部材4の近くに予備固定され、係合部材4は、それに隣接するカプセルの面を開口(穿孔など)する手段を備え得る。
【0036】
第1の係合部材3は開放状態であり、即ち手動アクチュエータ機構によって図1のaに示されるカプセル挿入状態に制御され、第1のカプセル係合部材3は、第2の係合部材4から離隔され、その距離は、カプセル1の対応する寸法より実質的に大きい。
【0037】
後に詳細に説明する更に別の態様によれば、任意選択的に、第1の係合部材3は、単に第2の係合部材4から離れているだけではなく、第2の係合部材4によって形成される主面に対して僅かに回転している。
【0038】
図1の実施形態では、第1の係合部材3にはカプセル開口手段が備えられ、その開口手段は中空針6などの穿孔手段であり得る。図1のaでは、穿孔手段6は、第1の係合部材3の中空ベル状部材13によって形成された半割りドーム内に突き出さないように引き込まれた位置にある。中空ベル状部材13は、カプセル1の外形に本質的に整合する形状を有する。
【0039】
第1の係合部材3の後端部には、中空針(穿孔部材)6に流体接続されている液体供給部14が備えられている。
【0040】
第1の係合部材3は、アクチュエータ機構7に連結されている。第1の実施形態によれば、アクチュエータ機構7は手動操作レバーハンドル9を備え、第1の係合部材3は、好ましくは複数の軸10及び中間レバー20を備え得る膝継手機構11を用いてレバーハンドル9に連結されている。
【0041】
第2の実施形態では、第1の係合部材3は、複数のピンと協働するようになされた複数の開口及び遊隙領域を好ましくは備え得る結合要素39を用いて手動操作引手34に連結されている。
【0042】
アクチュエータ機構7は、第1の係合部材3の変位及び穿孔部材6の変位の両方を制御するように設計されている。その代わりに、又はそれに加えて、電気アクチュエータを用いることもできることに留意されたい。
【0043】
アクチュエータ機構7のレバーハンドル9又は引手34を操作することによって、第1の係合部材3を図1のbに示される中間段階に移動させることができる。図1のbに示される中間段階は、中空ベル状部材13がカプセル1の外形に本質的に完全に係合しており、中空針(穿孔部材)6がベル状部材13に対してまだ引込位置にあり、それに対応して、穿孔部材6がカプセル1とまだ干渉していないことを特徴とする。
【0044】
次いで、レバーハンドル9を更に半時計方向に回転させると、飲料製造モジュール2を図1のbに示された中間段階から図1のcに示される最終閉鎖状態へ移行させることができる。図1のcに示される最終閉鎖段階は、中空ベル状部材13はカプセル1に完全に係合したままであるが、穿孔部材6が、アクチュエータ機構7の操作によってやはり機械的に制御されて、その引込位置(図1のa、b)から図1のcに示された突出位置に能動的に押し出されていることを特徴とする。
【0045】
引込位置から図1のcに示された突出位置へ能動的に移動させられることによって、穿孔部材6は、カプセル1の関連する面に穴を開け、カプセル1の内部へ少なくとも部分的に突出する。
【0046】
この状態では、第1の係合部材3の液体供給部14に供給された液体を、穿孔部材6を通してカプセル1の内部へ注入することができる。従って、図1のcに示された状態では、注入された液体は、飲料又は別の液体食品を製造するために、カプセル1の成分と反応させられ得る。
【0047】
図1のaのカプセル挿入状態から図1のcに示される最終閉鎖状態まで移行する際、第1のカプセル係合部材3は、第2の係合部材4に対して複合的な軌跡に沿って移動する。好ましくは、複合的軌跡は、最初に、第1の係合部材3の前方外形21を第2の係合部材4の垂直面に整合させるために、回転運動を含む。
【0048】
図1のbに示された中間段階及び図1のcに示された最終閉鎖状態の両方で、カプセル1は、第1の係合部材3の前方外形21の縁とそれに連携する第2の係合部材4のクランプ面23との間にカプセル1のフランジ状の縁部をクランプさせることによって、所定の位置に無事に保持される。
【0049】
言い換えれば、本発明の一態様によれば、カプセル1は、穿孔部材16がカプセル1の関連する壁面に開口又は穿孔作業を開始する前に、既に所定の穿孔位置に収まっている。従って、カプセル1が、穿孔部材6の開口作用力を受けても、飲料製造モジュール2の主要要素に対して動かないので、穿孔部材6がカプセル1の関連する壁を穿孔するとき、穿孔を高い精度で行うことができる。これにより、より高い位置付けの開口作業が行えるようになり、好ましくは、開口の位置及びタイミングを細かく調節することができる。
【0050】
好ましくは、カプセル1の穿孔位置は又、液体がカプセル1に注入される飲料製造位置に対応する。
【0051】
穿孔中及び飲料製造位置での第1の係合部材3と第2の係合部材4との協働により、カプセル1は、一方で第1の係合部材3の中空ベル状部材13により、他方で第2の係合部材4によって形成される空間内に気密状態で収容されるようになっている。従って、加圧下でカプセル1の内部に注入された液体は、カプセル1を通ってのみ流れることができ、カプセル壁から外側へ漏洩することはない。好ましくは、第1の係合部材3と第2の係合部材4との間に挟み込まれたカプセルのフランジ状縁で、封止係合が行われる。
【0052】
図2のa〜cは、飲料製造モジュール2のカプセル挿入状態から図2のcの最終閉鎖状態への同様な移行を本質的に示し、図2のcのみがはやり飲料製造モジュール2の飲料製造状態である。
【0053】
飲料製造が終了した後、飲料製造モジュール2を開放カプセル挿入状態(図2のe)に戻すために、アクチュエータ手段7は手動及び/又は電気的に再び操作され得る。
【0054】
しかし、本発明によれば、飲料製造状態(図2のc)から図2のeによるカプセル挿入状態への移行は、単純に、閉鎖運動、即ち図2のa〜cの移行の反転ではない。
【0055】
図2のd及び図2のeに示されるように、アクチュエータ機構7のレバーハンドル9を図2の実施形態の時計方向に手動で動かすと、第1ステップでは、第1の係合部材3が第2の係合部材4から直線的に引き離される。
【0056】
同様に、引手34を飲料製造モジュール2から離れる方向に動かすと、第1の係合部材3が第2の係合部材4から直線的に引き離される。
【0057】
本質的に、穿孔部材6とカプセル1の開口の周囲壁との間の摩擦のために、穿孔部材6は、突出状態のまま残り、従って、第1の係合部材3が図2のdに示す中間状態に移動するとき、穿孔部材6が、カプセル1を第1の係合部材3の中空ベル状部材13内に保持する。
【0058】
第1の係合部材3の穿孔部材6のこの保持して戻る機能により、カプセル1が第2の係合部材4から分離することになる。
【0059】
図2のdに示された中間状態を始点に、第1の係合部材3は、旋回運動を行うように制御される。図2のeに示されたカプセル挿入状態への最終的な移行に際し、穿孔部材6は、最終的に中空ベル状部材13から引っ込められる。それまで穿孔部材6との摩擦係合によって保持されてきたカプセル1は、第1のカプセル係合部材3から抜け落ち、飲料製造モジュール2の下側にある開口24を通って飲料モジュール2から排出される。
【0060】
従って、第1の係合部材3が軌跡の終端で旋回運動を行うことにより、引込位置にあるカプセル1が、例えば、飲料製造機の内部で飲料製造モジュール2の下側に配置された廃棄物容器へ容易に排出されるようになる。
【0061】
上記の説明で、図2は、主として本発明の機能性を示す役割を果たすが、本発明の第1の実施形態による実施事項のより詳細が、次いで、図3、4、及び5を参照して説明される。
【0062】
図5のa及びbに示されるように、アクチュエータ機構7は、膝継手機構11に作用するレバーハンドル9を備え、レバーハンドル9とは反対側の端部に位置するアクチュエータ機構7の先端は第1の制御曲線17を備える。
【0063】
この第1の制御曲線17は、穿孔部材6及び流体供給部14をその中心部分に支持するU字形支持部材25に固定された案内ピン16と協働する。
【0064】
U字形支持部材25の2本の外側脚部26のそれぞれに、案内ピン16が個々に設けられている。
【0065】
U字形支持部材25は、別の制御ピン27を中空ベル状部材13の両側面のそれぞれに個々に設けられた軸方向スロット28と協働させることによって、ベル形状部材13に対して直線的に変位させられ得る。
【0066】
それによって、第1の案内曲線17が案内ピン16と協働すると、U字形支持部材25及びそこに取り付けられた穿孔部材6並びにベル形状部材13を本質的に備える第1の係合部材3を選択的に変位させるように設計されている。他方、案内曲線17は、ドーム部材13に対するU字形支持部材25の相対変位、従って、ドーム形状部材13に対するU字形支持部材25に取り付けられた穿孔部材6の変位を選択的に制御するように設計されている。
【0067】
図3〜5に見ることができるように、第1の案内曲線17は、本質的に、第1の直線部分29と、第1の直線部分29より短く第1の直線部分29に対して鈍角を形成する第2の直線部分30とから構成されている。
【0068】
カプセル挿入位置(図3のa、図4のa)から始めると、案内ピン16は、第1の係合部材3を直線的且つ全体として変位させるように設計された第1の直線部分29と協働させられる。
【0069】
他方、最終段階、即ち第1の係合部材3が飲料製造状態に近付いたとき(図3のbからc、図4のbからcへの移行)には、案内ピン16は、案内曲線17の第2の直線部分30と協働させられる。この第2の直線部分30は、U字形支持部材25及びそれに固定的に取り付けられた穿孔部材6の、ドーム状容器部材13に対する相対変位を本質的に制御するように設計されている。
【0070】
従って、(第1の直線部分29との協働)カプセルを所定の位置に保持した後に、(第2の直線部分30との協働)穿孔部材6にカプセルを開口させるのは、案内曲線17(少なくとも2つの異なる部分を有する)のこの特殊な設計に起因する。
【0071】
穿孔部材の運動制御と少なくとも1つの係合部材との別の機能的結合として、カプセルをその液体入口面で穿孔する前に穿孔位置に確実に固定することが考えられる。
【0072】
特に図3のd、図4のa、c、d、及びeに見ることができるように、案内ピン16は、第1の案内曲線17(アクチュエータ機構7の一部)と協働させられるだけではなく、飲料製造モジュール2のケーシング19の側壁に設けられた第2の案内曲線18とも協働させられる。
【0073】
図に見ることができるように、第2の案内曲線18も又、例えば本質的に水平な直線部分21及びモジュールの後端部に向かって立ち上がるように傾斜した直線部分20などの少なくとも2つの異なる部分から構成されている。
【0074】
案内ピン16が第2の案内曲線18のこの特別な設計と協働することによって、第1の係合部材と第2の係合部材とが互いに近接しているときは第1の係合部材3が第2の係合部材4に対して本質的に直線相対運動を行い、一方、制御曲線18の上方に傾斜した第2の直線部分20は、第1の係合部材3に旋回運動を起こさせ、それによって、ベル状部材13によって形成される半割りドームが、図3のeに示されるように、僅かに下向きに回転する。
【0075】
図7のa〜cに示されるように、第2の実施形態のアクチュエータ機構7は、第1の係合部材3の案内ピン16に結合された結合要素39に作用する引手34を備える。
【0076】
引手34は、使用者が手動で操作するようになされている。引手34を動かすと、運動が結合要素39を介して第1の係合部材のピン16に伝達され、その結果、引手34を動かすことによって、カプセルが、カプセル挿入状態から係合状態へ移行する。引手34を逆に動かすと、カプセル1が、係合状態から解放され、排出され得る。
【0077】
引手34は、ケーシング19の一方の側面に取り付けられている。図7のa〜cに示されるように、引手は、ケーシング19の上端に取り付けられている。ここで、引手34はケーシング19に移動可能に取り付けられており、その結果、引手34は、それが取り付けられているケーシング19の側面に平行な方向に動かすことができる。
【0078】
引手34は、引手34の動きが結合要素39に伝達されるように、結合要素39の一方の端部と協働する。結合要素39の他方の端部は第1の係合部材3のピン16と協働し、その結果、結合要素39の動きが、案内ピン16に伝わり、それによって第1の係合部材3に伝わる。
【0079】
引手34は、それが移動可能に取り付けられているケーシング19の側面を少なくとも部分的に覆う実質的に平坦な要素である。ここで、ケーシング19は、引手34が取り付けられているケーシング19の側面に平行な方向への引手34の移動を可能にし、同時にその方向への引手34の移動を制限する案内バー35を備える。
【0080】
引手34の両側に引手ピン37が設けられている。この引手ピン37は、引手34の両側で案内バー35内に設けられたバー開口36内を摺動する。或いは、案内バー35はケーシング19の側面全体に沿って延在し、バー開口は案内バー35を超えて、又はその上方に形成されるように、案内バー35とバー開口36とを分離することもできる。
【0081】
引手34を動かすと、引手ピン37はバー開口36に沿って摺動し、引手ピン37は更に、結合要素39の一方の端部にある穴52と共に作動するように設けられている。
【0082】
それによって、引手34を動かすと、結合要素39の一方の端部が、引手34の動きと平行でケーシング19の側面に沿った移動を行う。
【0083】
図11は、本発明の第2の実施形態による結合要素39の詳細図である。結合要素39は、実質的に縦長形状を有し、2つの部分、即ち、第1の結合要素部分50と、第2の結合要素部分51とを実質的に備える。第2の部分51は、第1の部分50より長さが短く、第1の部分50と鈍角を形成する。
【0084】
第1の部分50の端部に穴52が設けられて引手ピン37と協働する。第1の案内曲線41及び第2の案内曲線44を形成する更に2つの長手方向開口が、結合要素39に設けられている。
【0085】
第2の案内曲線44は、第2の部分51全体及び第1の部分50の一部分に亘って延在する。それによって、第2の案内曲線44は、結合要素39の第2の部分51に沿った第1の直線部分42と、結合要素の第1の部分50の一部分に沿った第2の直線部分43とを備え、前記第1の直線部分42と第2の直線部分43とは鈍角をなす。
【0086】
穴52と第2の案内曲線44との間の第1の部分50に沿って、第1の部分50を部分的に占めて延在する第1の案内曲線41が設けられている。
【0087】
図7及び8を参照して、第2の実施形態によるアクチュエータ機構の詳細な機能を次に更に説明する。
【0088】
固定ピン40がケーシング19上に設けられ、ケーシング19に固定的に取り付けられている。固定ピン40は、結合要素39の第1の案内曲線41と共に働く。
【0089】
固定ピン40と協働する第1の案内曲線41は、細長い形状を有する。固定ピンは、実質的に、結合要素39の回転中心としての役割を果たす。第1の案内曲線41の細長い形状によって、結合要素39の固定ピン40周りの回転運動に加えて、僅かな側方運動が可能になる。それによって、側方運動と回転運動とが重なり合う。
【0090】
それによって、引手34を動かすと、結合要素39は固定ピン40の周りに実質的な回転運動を行う。
【0091】
第2の案内曲線44は、第1の係合部材3の案内ピン16と協働させられる。それによって、引手34を第1の方向に動かすと、結合要素39の固定ピン40周りの実質的な回転運動が基になって、案内ピン16が、第2の案内曲線44と協働することにより、第2の方向に移動する。この第2の方向は、引手34の第1の移動方向とは実質的に反対方向である。
【0092】
図7及び8に見ることができるように、第2の案内曲線44は、本質的に、第1の直線部分42と、第1の直線部分42より短く、第1の直線部分42に対して鈍角を形成する第2の直線部分43とから構成される。
【0093】
カプセル挿入位置、図7のa及び図8のaから始めると、案内ピン16は、第1の係合部材3を直線的且つ全体として変位させるように設計された第1の直線部分42と協働させられる。
【0094】
一方、最終段階、即ち第1の係合部材3が飲料製造段階に近付いたとき(図7のbからcへ、及び図8のbからcへの移行)には、案内ピン16は、第2の案内曲線44の第2の直線部分43と協働させられる。第2の直線部分43は、ドーム形状部材13に対する、U字形支持部材25及びそれに固定的に取り付けられた穿孔部材6の相対変位を本質的に制御するように設計されている。
【0095】
第1の実施形態による第2の案内曲線44との協働に加えて、案内ピン16は又、飲料製造モジュール2のケーシングの側壁に設けられた第2の制御曲線18とも協働するように設計されている。
【0096】
図8のa〜cを参照して、第2の実施形態の更に詳細が次いで説明される。引手34は、引手34を手動で操作しようとする使用者が把持するようになされた保持要素48を備える。保持要素48は更に、引手がカプセル挿入状態からカプセル係合状態へ動かされたとき、引手34の移動を停止させる働きをする。このため、保持要素48は、引手34の摺動部分とは実質的に直角を形成する、引手34に取り付けられた板として形成される。
【0097】
引手34は更に、カプセルの挿入を可能にするカプセル挿入スロット38を備える。図8のaは、カプセル挿入状態の飲料製造モジュール2を示す。この状態では、引手34は飲料製造モジュールから離れる方向に移動されており、その結果、引手34のかなりの部分がケーシング19から突出している。ケーシング19から離れる方向の移動は、引手ピン37によって、それがバー開口36の端部に達したときに停止される。このカプセル挿入状態では、引手34のカプセル挿入スロット38は、飲料製造モジュール2の挿入スロット8の上でそれに整合した位置にあり、その結果、カプセル1を挿入することができる。
【0098】
第1の係合部材3を第2の係合部材4に向かって移動させるためには、引手34を、飲料製造モジュール2に向かう方向に押し込む必要がある。それによって、引手ピン37が結合要素39と協働し、結合要素39が固定ピン40の周りに実質的な回転運動を行いそれによって案内ピン16と協働し、その結果、第1の係合部材3が第2の係合部材4に向かって移動させられる。
【0099】
図8のcに示されるカプセル係合部材では、引手34は実質的にケーシング19と位置が重なっており、引手34の保持要素48のみがケーシング19から突出している。
【0100】
図8のa〜cに見ることができるように、引手34は、引手34の両側に設けられた案内バー35に沿って案内される。保持要素48は案内バー35より大きい形状を有するので、引手34の移動は保持要素48によって停止される。更に、引手34がケーシング19の方向に押し込まれたとき保持要素48又はその一部分を収めるために、案内バー35に陥凹49を設けることができる。
【0101】
或いは、引手34の移動を保持要素48によって停止させる代わりに、引手34の両方向への移動を、引手ピン37によって、それがバー開口36のそれぞれ両端に達したときに、停止させることができる。
【0102】
図9に示されるように、第2の実施形態による飲料製造モジュール2の内部の働きは、第1の実施形態による飲料製造モジュールの内部の働き及び動きに対応する。引手34を動かすことによって、結合要素39は、カプセル1をクランプするために第1の係合部材3を第2の係合部材4に向かって移動させ、次いで、カプセル係合段階では穿孔部材6がカプセルを穿孔するように、案内ピン16と協働する。
【0103】
図7のa〜c及び図8のa〜cに示されるように、ノブ45がケーシング19に取り付けられている。ここで、ノブ45はカバー46をケーシング19に取り付けるように働く。図10に示されるように、カバー46はノブ45に取り付けられる。それによって、カバー46は、ケーシングの運動要素が設けられている部分を蔽って延在する。具体的には、カバー46は、ケーシング19の結合要素39が設けられている部分を蔽って延在し、更に、引手34が動くケーシング19の上側の部分を蔽って延在する。ここで、カバー46は、カプセルの挿入を可能にするために、決して、ケーシングのカプセル挿入スロット8を蔽って延在することはない。更に、カバー46は、ケーシング19の側面に沿って延在し第2の制御曲線18の直線部分21を蔽うカバー延長部47を備え得る。
【0104】
飲料製造状態及びその近傍では2つの係合部材3、4が直線状の相対軌跡で移動し、互いに離れているときには異なる軌跡(異なる角度及び/又は曲線)で相互に相対的に移動するような第1の係合部材の複合軌跡を保証するために他の機械的又は電気的実装形態を考案することができる。
【0105】
次に、図6のa〜cを参照して本発明の別の態様を説明する。
【0106】
この態様によれば、カプセル1は、例えば可撓カプセル予備固定アーム12などの予備固定手段によって予備位置決めされる。上から見ると(図6)、アーム12は、カプセルの側方両側に設けられている。
【0107】
両可撓アーム12にはそれぞれ、カプセル1の縁に係合するように作られた垂直溝31が見られる。
【0108】
従って、使用者がカプセル1を飲料製造モジュールの上側から手で挿入すると、カプセルは最初に可撓アーム12によって予備位置決めされ所定位置に保持される。図6に示されるこの予備固定位置は、最終的な飲料製造位置(図6のc)と同じ位置ではないことに留意されたい。
【0109】
実際には、第1の係合部材3が第2の係合部材4に近付けられると、第1の係合部材3のベル形状部材13の前側が、カプセル1の縁を押しやり、カプセルを垂直溝31中の予備固定位置から離れさせ、カプセル1を図6のcに示す最終的な飲料製造位置まで変位させる(押しやる)。
【0110】
これに関して、カプセル1の縁を予備固定手段(可撓アーム)12との係合から能動的に解除する手段を設けることができる。図6のbに特に示されるように、第1の係合部材3は、係合解除手段32に作動可能に連結され得、係合解除手段32は、可撓アーム12を外側へ押しやりそれによって可撓アーム12の垂直溝31をカプセル1の縁から解放するために、可撓アーム12の傾斜面33と協働する。
【0111】
このように、第1の係合部材3のベル形状部材13の前面がカプセル1の位置決めを引き継ぎつつあるとき、カプセル1は予備固定手段として働く可撓アーム12から解放される。
【0112】
図6のcに示す飲料製造位置では、カプセル1の縁は、可撓アーム12の溝31の背後に押しやられる。
【0113】
次いで、飲料の製造が完了した後、第1の係合部材3が後退させられ(図6の上方へ)、カプセル1が穿孔部材6の摩擦係合のみによって保持されているとき、第1の係合部材3の係合解除部材32は、可撓アーム12の特別に設計された面と再び協働することによってこれら両アーム12を広げ、それによって、アーム12によって係合されることなくカプセル1にこれら両アーム12を通過させる。
【0114】
要約すると、図6に示された設計では、カプセル1は、飲料製造位置から水平方向にずれた位置に予備位置決めすることができる。カプセル1は、ベル形状部材13の前面がカプセル1の縁と係合するまでこの位置に予備位置決めされている。
【符号の説明】
【0115】
1 カプセル
2 飲料製造モジュール
3 第1の係合部材
4 第2の係合部材
5 成分
6 穿孔部材
7 アクチュエータ機構
8 (2)のカプセル挿入スロット
9 レバーハンドル
10 軸
11 膝継手機構
12 カプセル予備固定アーム
13 (3)のベル形状ドーム
14 (6)への液体供給部
15 (3)と(6)との結合
16 案内ピン
17 第1の制御曲線
18 (19)に配置された第2の案内曲線
19 (2)のケーシング
20 (18)の回転部分
21 (18)の直線部分
22 (1)のフランジ状の縁部
23 (4)の保持フランジ
24 (19)の排出開口
25 U字形支持部材
26 (25)の脚部
27 案内ピン
28 (13)の軸方向スロット
29 (17)の第1の直線部分
30 (17)の第2の直線部分
31 (12)の溝
32 係合解除部材
33 (12)の傾斜面
34 引手
35 案内バー
36 バー開口
37 引手ピン
38 (34)のカプセル挿入スロット
39 結合要素
40 固定ピン
41 第1の案内曲線
42 (44)の第1の直線部分
43 (44)の第2の直線部分
44 第2の案内曲線
45 ノブ
46 カバー
47 カバー延長部
48 保持要素
49 陥凹
50 第1の結合要素部分
51 第2の結合要素部分
52 穴52

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル(1)から飲料を製造するために設計された飲料製造機であって、
当該飲料製造機はモジュール(2)を有し、
前記モジュール(2)は、
側壁を有するケーシング(19)と、
アクチュエータ機構(7)と、
前記アクチュエータ機構(7)によって、第1のカプセル係合部材(3)と協働する第2のカプセル係合部材(4)に対して、開放カプセル挿入位置と閉鎖カプセル係合位置との間で相対的に変位することができる前記第1のカプセル係合部材(3)と、
を備え、
前記モジュール(2)は、前記カプセル(1)が飲料製造位置にある間、前記カプセル(1)内に水を注入し、前記カプセル(1)から飲料を抽出するよう設計されており、
前記第1のカプセル係合部材(3)は案内ピン(16)を備え、
前記アクチュエータ機構(7)は第1の制御曲線(17)を備え、前記第1の制御曲線(17)は前記案内ピン(16)と協働するよう設計されており、前記第1の案内曲線(17)が前記案内ピン(16)と協働すると、前記第1のカプセル係合部材(3)が選択的に変位するように設計されており、
前記飲料製造モジュール(2)のケーシング(19)の側壁は第2の案内曲線(18)を備え、前記案内ピン(16)は、前記第2の案内曲線(18)とも協働させられ、前記案内ピン(16)が前記第2の案内曲線(18)と協働すると、前記第1のカプセル係合部材(3)と前記第2のカプセル係合部材(4)が互いに近接しているときの直線変位と、前記第1のカプセル係合部材(3)と前記第2のカプセル係合部材(4)が互いに離隔されているときの旋回運動とを含む組合せ変位である相対的な変位を実行するよう設計されている、飲料製造機。
【請求項2】
前記アクチュエータ機構(7)が、膝継手機構(11)に作用するアクチュエータ(9)を備え、前記アクチュエータ(9)とは反対側の端部に位置するアクチュエータ機構(7)の先端が、前記第1の制御曲線(17)を備える、請求項1に記載の飲料製造機。
【請求項3】
前記第1のカプセル係合部材(3)が、中空のベル状部材(13)の形状であり、穿孔部材(6)が設けられている、請求項1又は2に記載の飲料製造機。
【請求項4】
前記第1のカプセル係合部材(3)の後端部には、前記穿孔部材(6)に流体接続されている流体供給部(14)が備えられている、請求項3に記載の飲料製造機。
【請求項5】
前記第1のカプセル係合部材(3)が、前記穿孔部材(6)及び前記流体供給部(14)をその中心部分に支持するU字形支持部材(25)を備え、前記U字形支持部材(25)が、前記中空のベル状部材(13)の両側面のそれぞれに個々に設けられた軸方向スロット(28)と協働する制御ピン(27)を備え、前記制御ピン(27)が前記軸方向スロット(28)と協働すると、前記ベル状部材(13)に対する前記U字形支持部材(25)の直線的変位、従って、前記ベル状部材(13)に対する前記U字形支持部材(25)に取り付けられた前記穿孔部材(6)の変位を実行するように設計されている、請求項4に記載の飲料製造機。
【請求項6】
前記U字形支持部材(25)が、前記案内ピン(16)が個々に設けられている2本の外側脚部(26)を備える、請求項5に記載の飲料製造機。
【請求項7】
前記第1の案内曲線(17)が、第1の直線部分(29)と第2の直線部分(30)とから構成されており、前記第2の直線部分(30)が、前記第1の直線部分(29)より短く前記第1の直線部分(29)に対して鈍角を形成する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の飲料製造機。
【請求項8】
前記第2の案内曲線(18)が、少なくとも2つの異なる部分から構成されており、前記部分が、本質的に水平な直線部分(21)及び前記モジュール(2)の後端部に向かって立ち上がるように傾斜した直線部分(20)である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の飲料製造機。
【請求項9】
前記第1のカプセル係合部材(3)が、複数の軸(10)及び中間レバー(20)を備える膝継手機構(11)を用いて、前記アクチュエータ機構(7)の手動操作レバーハンドル(9)に連結されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の飲料製造機。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のモジュール(2)と、成分(5)を入れたカプセル(1)とを備える、飲料製造システム。
【請求項11】
モジュール(2)を備える飲料製造システムの第1のカプセル係合部材(3)を作動させる方法であって、
前記モジュール(2)が、飲料を製造するためにカプセル(1)に液体を注入(6)し、前記モジュール(2)が、アクチュエータ機構(7)と、少なくとも、案内ピン(16)を有する前記第1のカプセル係合部材(3)と、該第1のカプセル係合部材(3)と協働する第2のカプセル係合部材(4)とを備え、
当該方法は、前記アクチュエータ機構(7)を作動させることによって、前記第1のカプセル係合部材(3)と協働する前記第2のカプセル係合部材(4)に対して、開放カプセル挿入位置と閉鎖カプセル係合位置との間で相対的に前記第1のカプセル係合部材(3)を変位させるステップを備え、
前記変位させるステップは、
前記第1のカプセル係合部材(3)の前記案内ピン(16)を前記アクチュエータ機構(7)の第1の制御曲線(17)と協働させるステップと、
前記案内ピン(16)を、前記飲料製造モジュール(2)のケーシング(19)の側壁に設けられた第2の案内曲線(18)と協働させるステップと、
を含み、
前記案内ピン(16)が前記第2の案内曲線(18)と協働すると、前記第1のカプセル係合部材(3)と前記第2のカプセル係合部材(4)が互いに近接しているときの直線変位と、前記第1のカプセル係合部材(3)と前記第2のカプセル係合部材(4)が互いに離隔されているときの旋回運動とを含む前記第1のカプセル係合部材(3)の組合せ変位を実行する、方法。
【請求項12】
前記カプセル(1)が前記第1のカプセル係合部材と前記第2のカプセル係合部材とに係合される前に、前記第2のカプセル係合部材(4)に近接する位置に前記カプセル(1)を予備位置決めするステップと、
前記閉鎖カプセル係合位置において、前記第1のカプセル係合部材(3)の、少なくとも部分的に形が共通な共形部分との係合により前記カプセル(1)を適所に固定保持するステップと、
を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のカプセル係合部材(3)が、中空のベル状部材(13)の形状であり、穿孔部材(6)が設けられている、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
カプセル挿入位置から始めると、前記第1の案内曲線(17)の第1の直線部分(29)と協働する前記案内ピン(16)によって、前記第1のカプセル係合部材(3)を直線的且つ全体として変位させるステップと、
前記第1のカプセル係合部材(3)が飲料製造状態に近付いたときに、前記案内ピン(16)が前記第1の案内曲線(17)の第2の直線部分(30)と協働するステップと、
を含み、
前記第2の直線部分(30)は、前記穿孔部材(6)及び流体供給部(14)をその中心部分に支持するU字形支持部材(25)及びそれに固定的に取り付けられた前記穿孔部材(6)の、前記第1のカプセル係合部材(3)の中空のベル状部材(13)に対する相対変位を制御する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
飲料製造状態からカプセル挿入状態への移行が、
前記直線変位を実行するよう前記第1のカプセル係合部材(3)を制御するステップと、
前記アクチュエータ機構(7)を作動させることによって、前記第1のカプセル係合部材(3)を直線的に引き離して前記第2のカプセル係合部材(4)から前記第1のカプセル係合部材(3)を離隔するステップと、
前記第1のカプセル係合部材(3)の穿孔部材(6)の保持して戻る機能により、前記第2のカプセル係合部材(4)から前記カプセル(1)を分離するステップと、
前記旋回運動を実行するよう前記第1のカプセル係合部材(3)を制御するステップと、
前記穿孔部材(6)を中空のベル状部材(13)から引っ込めるステップと、
それまで前記穿孔部材(6)との摩擦係合によって保持されてきた前記カプセル(1)を前記第1のカプセル係合部材(3)から抜け落とすステップと、
を含む、請求項11〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の案内曲線(18)が、少なくとも2つの異なる部分から構成されており、前記部分が、本質的に水平な直線部分(21)及び前記モジュール(2)の後端部に向かって立ち上がるように傾斜した直線部分(20)であり、
前記第2の制御曲線(18)の前記水平な直線部分(21)が、前記直線変位を起こさせ、前記直線変位が、前記第1のカプセル係合部材(3)と前記第2のカプセル係合部材(4)が互いに近接しているときの、前記第2のカプセル係合部材(4)に対する前記第1のカプセル係合部材(3)の直線相対変位であり、
前記第2の制御曲線(18)の前記上方に傾斜した直線部分(20)が、前記第1のカプセル係合部材(3)の前記旋回運動を起こさせる、請求項11〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
中空のベル状部材(13)によって形成される半割りドームが、前記旋回運動により僅かに下向きに回転する、請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−46761(P2013−46761A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−190225(P2012−190225)
【出願日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【分割の表示】特願2009−511445(P2009−511445)の分割
【原出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】