説明

カルシウム感知受容体活性化化合物

一般式I:


で示される化合物、CaSR活性の異常に付随する生理的障害または疾患、例えば、副甲状腺機能亢進症の予防、処置または緩和のためのカルシウム受容体活性化化合物としてのその使用、該化合物を含む医薬組成物、該化合物で疾患を処置する方法、および医薬の製造における該化合物の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規のカルシウム感知受容体活性化化合物、処置に用いる該化合物、該化合物を含む医薬組成物、該化合物で疾患を処置する方法、および医薬の製造における該化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
カルシウム感知受容体(CaSR)は、ホスホリパーゼCの活性化を介してシグナルを伝達するGタンパク質共役受容体(GPCR)であり、それは、イノシトール1,4,5−三リン酸および細胞質カルシウムの濃度を増大させる。CaSRは、GPCRスーパーファミリーのサブファミリーCに属し、それには、すべてが非常に大きな細胞外ドメインを有するグルタミン酸受容体、γ−アミノ酪酸(GABA)受容体、フェロモン受容体および嗅覚受容体も含む。該ドメインは、強い負電荷を有しており、カルシウムおよび他の正電荷分子の結合に関与している。CaSRは、副甲状腺で見出されるが、脳、腸、下垂体、甲状腺、骨組織および腎臓においても同定されている[Brown,E.M.Calcium−Sensing Receptor.Primer of the Metabolic Bone Diseases and Disorders of Mineral Metabolism Fifth Edition,2003 by American Society for Bone and Mineral Research,Chapter 17,p.111.;Drueke,T.E.Nephrol Dial Transplant(2004) 19,v20−v26]。
【0003】
カルシウム感知受容体(CaSR)は、細胞外カルシウム濃度の変化を検出し、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌の調節である、該細胞の機能的反応を引き起こす。PTHの分泌は、種々の細胞、例えば、骨および腎臓細胞に作用することによって細胞外カルシウムイオン濃度を増大させ、細胞外カルシウムイオン濃度は、副甲状腺細胞に作用することによってPTHの分泌を相互に阻害する。カルシウム濃度とPTH濃度の相互関係は、カルシウム恒常性維持のための不可欠なメカニズムである。
【0004】
カルシウム模倣活性は、細胞外カルシウムイオン(Ca2+および細胞外マグネシウムイオン(Mg2+の濃度の変化を介して観察される生物学的反応を引き起こすかまたは誘導する能力に相当する。
【0005】
(Ca2+および(Mg2+イオンは、体内の生体機能に依存するカルシウム恒常性を調節するので、それらは体内において主要な役割を果たす。したがって、低および高カルシウム血症、すなわち、(Ca2+イオンが平均閾値より低いかまたはそれを超える状態は、多数の機能、例えば、心機能、腎機能または腸機能に大きな影響を及ぼす。それらは、中枢神経系に大きく影響を及ぼす(Chattopadhyayら.Endocr.Review,1996)。
【0006】
ミリモル濃度範囲内の、Ca2+およびMg2+イオンだけでなくBa2+イオンもまた、CaSRを刺激することが示されている。CaSRの活性化はβ−アミロイドペプチドによって脳内で誘導され得、それは、神経変性疾患、例えば、アルツハイマー病に関与する(Yeら,J.Neurosci.,47,547−554,Res.1997)。
【0007】
CaSR活性の異常は、生物学的障害、例えば、原発性および二次性副甲状腺機能亢進症、骨粗鬆症、心血管疾患、消化器疾患、内分泌疾患および神経変性疾患または(Ca2+イオンが異常に高い特定の癌に付随する。
【0008】
原発性副甲状腺機能亢進症(原発性HPT)は、典型的には副甲状腺の腺腫によって引き起こされるPTHおよび血清カルシウムの濃度上昇を特徴とする。それは、骨痛および骨吸収過剰をもたらしうる。
【0009】
二次性副甲状腺機能亢進症(二次性HPT)は、大抵、腎機能が低下し、PTHの濃度上昇を特徴とする患者において発症する。根底にある原因は複雑であるが、ビタミンDのカルシトリオールへの変換能の低下およびリンの濃度上昇は、二次性HPTの発症に重要な役割を果たす。未処置のままであれば、二次性HPTの臨床的症状には、骨痛および関節痛ならびに四肢奇形が含まれる[Harrington,P.E.およびFotsch,C.Calcium Sensing Receptor Activators:Calcimimetics.Current Medicinal Chemistry,2007,14,3027−3034]。
【0010】
腎機能の低下または腎不全はまた、腎性骨ジストロフィー、例えば、線維性骨炎、骨軟化症、無形成骨症または骨粗鬆症を伴う。障害は、高または低骨代謝回転を特徴とする。骨粗鬆症は、特に年齢および性別に依存する多因子疾患である。閉経期の女性は非常に大きな影響を受けるが、骨粗鬆症は高齢者の問題であることが次第に分かってきており、しばらくは実際に満足のいく処置は存在しない。その社会的費用は今後数年で、特に平均寿命が長くなるにつれて負担増にさえなりうる。骨粗鬆症は、現在、骨成長を刺激することなく骨吸収を阻害するエストロゲン、カルシトニンまたはビスホスホネートで処置される。さらに近年のデータは、PTHまたはその誘導体の間欠的増加が骨粗鬆症の処置に効果的であり、骨形成を刺激することによって骨を再形成することを可能にすることを立証する(Whitfieldら,1999)。主な問題はPTHホルモンの使用、例えば、注入経路だけでなく、近年ヒトの臨床試験中にて観察される、腫瘍の出現にも関連するけれども、該骨粗鬆症の処置の新しい治療アプローチは非常に有効であるように思える。内因性PTHの間欠的分泌は、カルシウム感知受容体を阻害することによって得られうる。CaSRアゴニストでのPTH分泌の阻害は、PTHの急激な増加(リバウンド効果)によって起こりうるので、それは骨粗鬆症の処置に有効となる。
【0011】
CaSRへの活性効果を有する化合物(CaSRアゴニスト)、すなわち、Ca2+の作用を模倣するかまたは強化するためのCaSRに選択的に作用する化合物は、カルシミメティック(calcimimetic)と称される。一方、CaSRへの拮抗作用を有する化合物(CaSRアンタゴニスト、すなわち、Ca2+の作用を抑制するかまたは阻害する化合物)は、カルシリティック(calcilytic)と称される。
【0012】
近年、カルシウム感知受容体は、治療選択肢を構築する、例えば、下痢の処置のためのカルシウム擬態薬を使用するための強力な標的であることが見出された[Osigwehら,J American Coll.of Surgeons,V201,Issue 3,suppl 1,Sept 2005,p17.]。
【0013】
カルシウム擬態薬は、副甲状腺機能亢進症(HPT)の処置に商業上有用であることが示されている:カルシウム擬態化合物Cinacalcet(登録商標)[Balfour,J.A.B.ら.Drugs(2005) 65(2),271−281;Linbergら.J.Am.Soc.Nephrol(2005),16,800−807,Clinical Therapeutics(2005),27(11),1725−1751]は、透析を行っている慢性腎疾患患者における二次性HPTの処置または副甲状腺癌を伴う患者における原発性HPTの処置のために市販されている。したがって、ヒトのカルシウム感知受容体(CaSR)のアクチベーターの概念実証は達成されており、臨床的関連は確立されている。
【0014】
他のカルシミメティック化合物は、例えば、WO02/059102、WO98/001417、WO05/065050、WO05/34928、WO03/099814、WO03/099776、WO00/21910、WO01/34562、WO01/090069、WO97/41090、US6,001,884、WO96/12697、EP1203761、WO95/11221、WO93/04373、EP1281702、WO02/12181、WO04/56365、WO04/069793、WO04/094362、US2004242602、WO04/106280、WO04/106295、WO04/106296、WO05/068433、WO05/115975、EP1757582、WO2009/051718およびWO2010/021351に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】国際公開第02/059102号パンフレット
【特許文献2】国際公開第98/001417号パンフレット
【特許文献3】国際公開第05/065050号パンフレット
【特許文献4】国際公開第05/34928号パンフレット
【特許文献5】国際公開第03/099814号パンフレット
【特許文献6】国際公開第03/099776号パンフレット
【特許文献7】国際公開第00/21910号パンフレット
【特許文献8】国際公開第01/34562号パンフレット
【特許文献9】国際公開第01/090069号パンフレット
【特許文献10】国際公開第97/41090号パンフレット
【特許文献11】米国特許第6,001,884号明細書
【特許文献12】国際公開第96/12697号パンフレット
【特許文献13】欧州特許第1203761号明細書
【特許文献14】国際公開第95/11221号パンフレット
【特許文献15】国際公開第93/04373号パンフレット
【特許文献16】欧州特許第1281702号明細書
【特許文献17】国際公開第02/12181号パンフレット
【特許文献18】国際公開第04/56365号パンフレット
【特許文献19】国際公開第04/069793号パンフレット
【特許文献20】国際公開第04/094362号パンフレット
【特許文献21】米国特許第2004242602号明細書
【特許文献22】国際公開第04/106280号パンフレット
【特許文献23】国際公開第04/106295号パンフレット
【特許文献24】国際公開第04/106296号パンフレット
【特許文献25】国際公開第05/068433号パンフレット
【特許文献26】国際公開第05/115975号パンフレット
【特許文献27】欧州特許第1757582号明細書
【特許文献28】国際公開第2009/051718号パンフレット
【特許文献29】国際公開第2010/021351号パンフレット
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Brown,E.M.Calcium−Sensing Receptor.Primer of the Metabolic Bone Diseases and Disorders of Mineral Metabolism Fifth Edition,2003 by American Society for Bone and Mineral Research,Chapter 17,p.111
【非特許文献2】Drueke,T.E.Nephrol Dial Transplant(2004) 19,v20−v26
【非特許文献3】Chattopadhyayら.Endocr.Review,1996
【非特許文献4】Yeら,J.Neurosci.,47,547−554,Res.1997
【非特許文献5】Harrington,P.E.およびFotsch,C.Calcium Sensing Receptor Activators:Calcimimetics.Current Medicinal Chemistry,2007,14,3027−3034
【非特許文献6】Osigwehら,J American Coll.of Surgeons,V201,Issue 3,suppl 1,Sept 2005,p17.
【非特許文献7】Balfour,J.A.B.ら.Drugs(2005) 65(2),271−281
【非特許文献8】Linbergら.J.Am.Soc.Nephrol(2005),16,800−807
【非特許文献9】Clinical Therapeutics(2005),27(11),1725−1751
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
驚くべきことに、本発明の新規化合物がヒトカルシウム感知受容体(CaSR)のモジュレーター、例えば、アクチベーターまたはアゴニストであることから、CaSR活性の調節に関与する多数の疾患または生理的障害の処置または予防に有用でありうることが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0018】
したがって、本発明は、一般式I:
【化1】

[式中:
Aは、C1−10ヘテロアリール、C6−14アリールまたはC6−10ヘテロシクロアルキルアリールであり、各場合において独立して、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシおよびC1−6−アルケニルオキシからなる群より選択される置換基で所望により置換されていてもよく、ここで、該C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシまたはC2−6−アルケニルオキシは、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチルまたはNHから選択される置換基で所望により置換されていてもよく;
、R、R、R、RおよびRは、相互に独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシおよびC2−6−アルケニルオキシからなる群より選択され;
は、各場合において独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシおよびC1−6−アルケニルオキシからなる群より選択され、ここで、該C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシまたはC2−6−アルケニルオキシは、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチルまたはNHから選択される置換基で所望により置換されていてもよく;
nは、0〜3の整数であり;
は、水素であるかまたはC1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシ、C1−6−アルケニルオキシ、C1−5−ヘテロシクリル、C1−5−ヘテロシクリル−C1−6−アルキルおよびC1−5−ヘテロシクリル−C2−6−アルケニルからなる群より選択され、各場合において独立して、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシおよびC1−6−アルケニルオキシからなる群より選択される置換基で所望により置換されていてもよく、ここで、該C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシまたはC2−6−アルケニルオキシは、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチルまたはNHから選択される置換基で所望により置換されていてもよく、あるいは
は、C3−4−アルキレンであり、−C(O)−Oと一緒にGに結合した5または6員の環または複素環を形成し;
XはOであり;
Gは、直接結合であるかまたはC1−6−アルキレン、−O−C1−6−アルキレン、C2−6−アルケニレン、−O−C2−6−アルケニレン、C1−5−ヘテロシクリレン、−R−CONH−Rおよび−R−CO−Rからなる群より選択され;
、R、RおよびRは、相互に独立して、直接結合であるかまたはC1−6−アルキレン、C2−6−アルケニレン、C3−6−シクロアルキレンもしくはC1−5−ヘテロシクリレンであり、ここで、該C1−6−アルキレン、C2−6−アルケニレン、C3−6−シクロアルキレンまたはC1−5−ヘテロシクリレンは、各場合において独立して、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシおよびC1−6−アルケニルオキシからなる群より選択される置換基で所望により置換されていてもよく、ここで、該C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシまたはC2−6−アルケニルオキシは、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチルまたはNHから選択される置換基で所望により置換されていてもよい]
で示される化合物またはその立体異性体、医薬上許容される塩、溶媒和物、水和物もしくはインビボ加水分解性エステルに関する。
【0019】
別の態様において、本発明は、一般式Ia:
【化2】

[式中:
Aは、C1−10ヘテロアリール、C6−14アリールまたはC6−10ヘテロシクロアルキルアリールであり、各場合において独立して、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシおよびC1−6−アルケニルオキシからなる群より選択される置換基で所望により置換されていてもよく、ここで、該C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシまたはC2−6−アルケニルオキシは、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチルまたはNHから選択される置換基で所望により置換されていてもよく;
、R、R、R、RおよびRは、相互に独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシおよびC2−6−アルケニルオキシからなる群より選択され;
は、各場合において独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシおよびC1−6−アルケニルオキシからなる群より選択され、ここで、該C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシまたはC2−6−アルケニルオキシは、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチルまたはNHから選択される置換基で所望により置換されていてもよく;
nは、0〜3の整数であり;
は、水素であるかまたはC1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシ、C1−6−アルケニルオキシ、C1−5−ヘテロシクリル、C1−5−ヘテロシクリル−C1−6−アルキルおよびC1−5−ヘテロシクリル−C2−6−アルケニルからなる群より選択され、各場合において独立して、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシおよびC1−6−アルケニルオキシからなる群より選択される置換基で所望により置換されていてもよく、ここで、該C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシまたはC2−6−アルケニルオキシは、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチルまたはNHから選択される置換基で所望により置換されていてもよく、あるいは
は、C3−4−アルキレンであり、隣接した−C(O)−Oと一緒にGに結合した5または6員の環または複素環を形成し;
XはOであり;
Gは、直接結合であるかまたはC1−6−アルキレン、−O−C1−6−アルキレン、C2−6−アルケニレン、−O−C2−6−アルケニレン、C1−5−ヘテロシクリレン、−R−CONH−Rおよび−R−CO−Rからなる群より選択され;
、R、RおよびRは、相互に独立して、直接結合であるかまたはC1−6−アルキレン、C2−6−アルケニレン、C3−6−シクロアルキレンもしくはC1−5−ヘテロシクリレンであり、ここで、該C1−6−アルキレン、C2−6−アルケニレン、C3−6−シクロアルキレンまたはC1−5−ヘテロシクリレンは、各場合において独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシおよびC1−6−アルケニルオキシからなる群より選択される1または複数の置換基で所望により置換されていてもよく、ここで、該C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシまたはC2−6−アルケニルオキシは、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチルまたはNHから選択される1または複数の置換基で所望により置換されていてもよい]
で示される化合物またはその立体異性体、医薬上許容される塩、溶媒和物、水和物もしくはインビボ加水分解性エステルに関する。
【0020】
本発明の化合物は、例えば、慢性腎疾患に付随する合併症、例えば、副甲状腺機能亢進症、例えば、原発性および/または二次性副甲状腺機能亢進症、または三次性副甲状腺機能亢進症の処置に有用でありうる。慢性腎疾患に付随する他の合併症は、貧血、心血管疾患であり、本発明の化合物はまた、これらの疾患に有用な効果があると考えられている。さらに、本発明の化合物は、骨形成の保護および骨粗鬆症、例えば、ステロイド誘発性、老人性および閉経後骨粗鬆症;骨軟化症および関連骨障害の処置もしくは予防、または腎移植後骨量減少の予防、または副甲状腺摘出前の救援処置に有用でありうる。
【0021】
本発明の化合物が、既知の構造上関連した化合物に比べて、有用な薬物速度論的特性または薬力学的特性、例えば、経口バイオアベイラビリティを有しうると現在考えられている。
【0022】
本発明に記載の式IおよびIaで示される化合物はすべて、カルボン酸、または体内に吸収されるとカルボン酸を放出するその誘導体を有する。
【0023】
該特徴は、分子上でhERG (ヒトエーテル・ア・ゴー・ゴー(human Ether a−go−go)関連遺伝子)タンパク質に対して、また、ヘムタンパク質シトクロムP450(CYP)、例えば、CYP3A4およびCYP2D6に対して低い結合アフィニティー(IC−50 1μM以上)をもたらすため、より安全で、薬物相互作用のリスクがより少ないと考えられる。これは、カルボン酸の導入によってもたらされる脂溶性の低下に起因しうる。
【0024】
別の態様において、本発明は、処置において医薬として用いる、上記の一般式IまたはIaで示される化合物に関する。
【0025】
別の態様において、本発明は、CaSR活性の異常に付随する生理学的障害または疾患、例えば、副甲状腺機能亢進症の予防、処置または緩和に用いる、上記の一般式IまたはIaで示される化合物に関する。
【0026】
別の態様において、本発明は、CaSR活性の異常に付随する生理学的障害または疾患、例えば、副甲状腺機能亢進症の予防、処置または緩和のための医薬の製造における上記の一般式IまたはIaで示される化合物の使用に関する。
【0027】
さらに別の態様において、本発明は、式IもしくはIaで示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくはインビボ加水分解性エステルと医薬上許容される賦形剤またはビヒクルを共に含む医薬組成物に関する。
【0028】
さらなる態様において、本発明は、副甲状腺癌、副甲状腺腺腫、原発性副甲状腺過形成、心機能障害、腎機能障害または腸機能障害、中枢神経系疾患、慢性腎不全、慢性腎疾患、多発性嚢胞腎、有足細胞関連疾患、原発性副甲状腺機能亢進症、二次性副甲状腺機能亢進症、三次性副甲状腺機能亢進症、貧血、心血管疾患、腎性骨ジストロフィー、線維性骨炎、無形成骨症、骨粗鬆症、ステロイド誘発性骨粗鬆症、老人性骨粗鬆症、閉経後骨粗鬆症、骨軟化症および関連骨障害、腎移植後骨量減少、心血管疾患、消化器疾患、内分泌疾患および神経変性疾患、癌、アルツハイマー病、IBS、IBD、同化不良、栄養失調、腸運動異常、例えば、下痢、血管石灰化、カルシウム恒常性異常、高カルシウム血症、または腎性骨疾患を予防、処置または緩和する方法であって、有効量の上記の式IまたはIaで示される化合物を、所望により活性型ビタミン−Dステロールまたはビタミン−D誘導体、例えば、1−α−ヒドロキシコレカルシフェロール、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、25−ヒドロキシコレカルシフェロール、1−α−25−ジヒドロキシコレカルシフェロールと組み合わせてまたはそれをサプリメントとして、あるいはリン吸着剤、エストロゲン、カルシトニンまたはビスホスホネートと組み合わせてまたはそれをサプリメントとしてそれを必要とする患者に投与することを含む、方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
定義
「ヘテロアリール」なる語は、1−4個のヘテロ原子(O、SまたはNから選択される)および1−10個の炭素原子、例えば、1−3個のヘテロ原子および1−6個の炭素原子、例えば、1−2個のヘテロ原子および1−5個の炭素原子、例えば、1−2個のヘテロ原子および2−4個の炭素原子を含む、複素環式芳香族環のラジカル、特に、O、SもしくはNから選択される1−4個のヘテロ原子もしくは1−2個のヘテロ原子を有する5員環もしくは6員環、または1−4個のヘテロ原子および6−10個の炭素原子、特に、1−2個のヘテロ原子を有する9員環、例えば、ピリジル、テトラゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、1,2,4−トリアゾリル、イソオキサゾリル、チエニル、ピラジニル、ピリミジニル、[1,2,3]トリアゾリル、キノリル、インダゾリル、イソチアゾリル、ベンゾ[b]チオフェンまたはインドリルを含むことを意図とする。
【0030】
「シクロアルキル」なる語は、2−12個の炭素原子、例えば、3−6個の炭素原子、例えば、4−5個の炭素原子を含む、飽和シクロアルカンラジカルまたは環、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを示すことを意図とする。
【0031】
「シクロアルキレン」なる語は、本明細書に記載の二価のシクロアルキル基を示すことを意図とする。
【0032】
「ヘテロシクロアルキル」なる語は、上記のシクロアルキルラジカル、特に、O、NまたはSから選択される、1−4個のヘテロ原子、好ましくは1−3個のヘテロ原子を含む、多環ラジカルを含む、5員環または6員環、例えば、テトラヒドロピラニル、モルホリノ、モルホリニル、イミダゾリジニル、ジオキソラニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ピペリジニル、アゼチジノ、アゼチジニルおよびテトラヒドロフリルを示すことを意図とする。
【0033】
「ヘテロシクロアルキルアリール」なる語は、1−5個の炭素原子および1−4個のヘテロ原子(O、SまたはNから選択される)、例えば、1−4個の炭素原子および1−3個のヘテロ原子、好ましくは2−3個の炭素原子およびO、SまたはNから選択される1−2個のヘテロ原子を含む、ヘテロシクロアルキル環のラジカル、特に5員環または6員環、6−20個の炭素原子、例えば、6−14個の炭素原子、好ましくは6−10個の炭素原子を含む1または複数の芳香族炭素環、特に5員環、6員環または10員環、例えば、フェニルまたはナフチルと縮合しているヘテロシクロアルキル環、例えば、ベンゾジオキソールを含むことを意図とする。
【0034】
「アリール」なる語は、6−20個の炭素原子、例えば、6−14個の炭素原子、好ましくは6−10個の炭素原子を含む芳香族炭素環のラジカル、特に5員環または6員環、少なくとも1つの芳香族環、例えば、フェニル、ナフチルと所望により縮合した炭素環、例えば、1−ナフチル、インデニル、インダニルおよびテトラヒドロ−ナフタレンを示すことを意図とする。
【0035】
「ヘテロシクリル」なる語は、「ヘテロアリール」、「ヘテロシクロアルキル」および「ヘテロシクロアルキルアリール」を含むことを意図とする。
【0036】
「ヘテロシクリレン」なる語は、本明細書に記載の二価のヘテロシクリル基を示すことを意図とする。
【0037】
「ハロゲン」なる語は、周期表の7番目の主族からの置換基、好ましくはフルオロ、クロロおよびブロモを含むことを意図とする。
【0038】
本明細書において、「アルキル」なる語は、1個の水素原子が炭化水素から除外される場合に得られるラジカルを示すことを意図とする。該アルキルは、1−6個、好ましくは1−4個、例えば、2−3個の炭素原子を含む。該用語は、サブクラス直鎖アルキル(n−アルキル)、二級および三級アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシルおよびイソヘキシルを含む。
【0039】
「アルキレン」なる語は、直鎖または分枝鎖のいずれかである好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個の炭素原子を有する二価の飽和脂肪族ヒドロカルビル基を示すことを意図とする。該用語は、メチレン(−CH−)、エチレン(−CHCH−)、n−プロピレン(−CHCHCH−)、イソ−プロピレン(−C((CH)−)、−CHCH(CH)−、−CH(CH)CH−または−C(CHCH−などの基が例示される。
【0040】
「アルケニル」なる語は、2−6個の炭素原子、特に2−4個の炭素原子、例えば、2−3個の炭素原子を含む一、二、または三不飽和炭化水素ラジカル、例えば、エテニル、アリル、プロペニル、ブテニル、ペンテニルまたはヘキセニルを示すことを意図とする。
【0041】
「アルケニレン」なる語は、直鎖または分枝鎖のいずれかである好ましくは2〜6個、より好ましくは2〜4個の炭素原子を有する二価の一不飽和脂肪族ヒドロカルビル基、例えば、エテニレン(−CH=CH−)を示すことを意図とする。
【0042】
「ヘテロシクリル−アルキル」なる語は、本明細書に記載のアルキルラジカルに結合したヘテロシクリルラジカル、例えば、モルホリノ−エチルを含むことを意図とする。
【0043】
「ヘテロシクリル−アルケニル」なる語は、本明細書に記載のアルケニルラジカルに結合した本明細書に記載のヘテロシクリルラジカル、例えば、ピペリジノ−エテニルを含むことを意図とする。
【0044】
「ヒドロキシアルキル」なる語は、1、2、3またはそれ以上の水素原子がヒドロキシルで置換されている、上記のアルキルラジカル、例えば、ヒドロキシルプロピルを示すことを意図とする。
【0045】
「ハロアルキル」なる語は、1、2、3またはそれ以上の水素原子が、同一のまたは異なる、ハロゲン、例えば、ブロモ、ヨード、クロロおよび/またはフルオロで置換されている、上記のアルキルラジカル、例えば、クロロメチルを示すことを意図とする。
【0046】
「アルキルオキシ」なる語は、式−OR(式中:Rは上記のアルキルである)のラジカル、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシなどを示すことを意図とする。
【0047】
「アルケニルオキシ」なる語は、式−OR(式中:Rは上記のアルケニルである)のラジカル、例えば、エテニルオキシなどを示すことを意図とする。
【0048】
「アミノ」なる語は、式−NRR’(式中:RおよびR’は、独立して、上記の、水素、アルキル、アルケニルまたはシクロアルキルを示す)のラジカル、例えば、−NH、ジメチルアミノ、メチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、tert−ブチルアミノ、エチルメチルアミノ、エチルアミノまたはエテニルアミノを示すことを意図とする。
【0049】
「シクロアルケニル」なる語は、2−10個の炭素原子、例えば、3−6個の炭素原子、例えば、4−5個の炭素原子を含む、一または二不飽和非芳香族環状炭化水素ラジカル、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニルまたはシクロヘキセニルを示すことを意図とする。
【0050】
「ヘテロシクロアルケニル」なる語は、O、NまたはSから選択される、1−4個のヘテロ原子、好ましくは1−3個のヘテロ原子を含む、多環ラジカルを含む、上記のシクロアルケニルラジカル、例えば、1,6−ジヒドロピリジニル、4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]−トリアゾリル、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、1−H−ピラゾリル、または4,5−ジヒドロ−イソオキサゾリルを示すことを意図とする。
【0051】
「医薬上許容される塩」なる語は、式IまたはIaで示される化合物を適当な無機酸または有機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、ガラクタル酸、乳酸、マレイン酸、L−リンゴ酸、フタル酸、クエン酸、プロピオン酸、安息香酸、グルタル酸、グルコン酸、D−グルクロン酸、メタンスルホン酸、サリチル酸、コハク酸、マロン酸、酒石酸、ベンゼンスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルファミン酸またはフマル酸と反応させることによって調製される塩を示すことを意図とする。式IまたはIaで示される化合物の医薬上許容される塩はまた、適当な塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、アンモニア、または適当な無毒性アミン類、例えば、低級アルキルアミン類、例えば、トリエチルアミン、ヒドロキシ−低級アルキルアミン類、例えば、2−ヒドロキシエチルアミン、ビス−(2−ヒドロキシエチル)−アミン、シクロアルキルアミン類、例えば、ジシクロヘキシルアミン、またはベンジルアミン類、例えば、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、およびジベンジルアミン、またはL−アルギニンもしくはL−リジンとの反応によって調製されうる。
【0052】
「溶媒和物」なる語は、化合物、例えば、式IまたはIaで示される化合物および溶媒、例えば、アルコール、グリセロールまたは水の間の相互作用によって形成される種を示すことを意図とする、ここで、該種は固体である。水が溶媒である場合、該種は、水和物と称される。
【0053】
「医薬上許容されるエステル」なる語は、容易に加水分解しうるエステル、すなわち、式IまたはIaで示される化合物のインビボ加水分解性エステル、例えば、アルカノイルオキシアルキル、アラルカノイルオキシアルキル、アロイルオキシアルキル、例えば、アセトキシメチル、ピバロイルオキシメチル、ベンゾイルオキシメチルエステルおよび対応する1’−オキシエチル誘導体、またはアルコキシカルボニルアルキルエステル、例えば、メトキシカルボニルオキシメチルエステルおよびエトキシカルボニルオキシメチルエステルおよび対応する1’−オキシエチル誘導体、またはラクトニルエステル、例えば、フタリジルエステル、またはジアルキルアミノアルキルエステル、例えば、ジアルキルアミノエチルエステルを示すことを意図とする。該エステルは、化学的手法、例えば、加水分解によってまたは酵素学的手法によって対応する遊離カルボン酸に変換されうる。かかるエステルは、当業者に既知の従来法、例えば、出典明示により本明細書の一部とするGB特許第1490852号に記載の方法によって調製されうる。
【0054】
式IまたはIaで示される化合物は、異性体、例えば、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび幾何異性体の存在を生じさせうる非対称に置換された(キラル)炭素原子および炭素−炭素二重結合を含みうる。本発明は、すべてのかかる異性体を純粋な形態でまたはその混合物として含む。本発明の化合物および中間体の純粋な立体異性体は、当該分野にて既知の製法の適用によって得られうる。ジアステレオマーは、物理的分離法、例えば、選択的結晶化およびクロマトグラフ法、例えば、キラル固定相を用いる液体クロマトグラフィーによって分離されうる。エナンチオマーは、光学活性酸を有するジアステレオマー塩の選択的結晶化によって相互に分離されうる。あるいは、エナンチオマーは、キラル固定相を用いるクロマトグラフ法によって分離されうる。反応が立体異性的にまたは立体特異的に起こるのであれば、該純粋な立体異性体はまた、適当な出発物質の対応する純粋な立体異性体から生じうる。好ましくは、特異的立体異性体が望ましい場合には、該化合物は、選択的または立体特異的調製方法によって合成されるであろう。これらの方法は、有利なことには、キラル的に純粋な出発物質を用いるであろう。同様に、純粋な幾何異性体は、適当な出発物質の対応する純粋な幾何異性体から得られうる。幾何異性体の混合物は、典型的には、異なる物理的性質を示すため、それらは当該分野にて周知の標準的クロマトグラフ法によって分離されうる。
【0055】
本発明は、一般式IまたはIaで示される化合物のプロドラッグ、すなわち、誘導体、例えば、エステル、エーテル、複合体またはその薬理作用を示す前にインビボで生体内変化を受ける他の誘導体をさらに含む。
【0056】
式IまたはIaで示される化合物は、有機溶媒からの濃縮によってあるいは有機溶媒または該溶媒と有機または無機でありうる共溶媒、例えば、水との混合液からの結晶化または再結晶によって直接的に結晶形で得られうる。結晶は、本質的に無溶媒形態でまたは溶媒和物、例えば、水和物として単離されうる。本発明は、すべての結晶変態および形態、さらにその混合物にまで及ぶ。
【0057】
実施態様
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、Aはナフチルである。
【0058】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、Aは4−フルオロ−3−メトキシ−フェニルである。
【0059】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、R、R、R、R、RおよびRはすべて、水素である。
【0060】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、R、R、R、R、RおよびRの少なくとも一つは、メチルである。
【0061】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、R、R、R、R、RおよびRの少なくとも一つは、ヒドロキシである。
【0062】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、nは0である。
【0063】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、nは1である。
【0064】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、Rはヒドロキシである。
【0065】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、RはFである。
【0066】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、Rはトリフルオロメチルである。
【0067】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、Rは水素である。
【0068】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルからなる群より選択される。
【0069】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、Rはモルホリノ−エチルである。
【0070】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、Rは隣接した−C(O)−O−と一緒になって、2−オキソ−テトラヒドロフラニルを示す。
【0071】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、Gは直接結合である。
【0072】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、Gは、エチレンまたはメトキシである。
【0073】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、Gは、イソプロピレン、O−イソプロピレンまたはテトラヒドロピラニレンである。
【0074】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、Gは−R−CONH−Rである。
【0075】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、Rは直接結合である。
【0076】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、Rは、C1−6−アルキレンまたはヘテロシクリレンである。
【0077】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、Rは、イソプロピレンまたはテトラヒドロピラニレンである。
【0078】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、RはC1−6−アルキレンである。
【0079】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、Rは、メチレン、エチレン、n−プロピレンまたはイソプロピレンであり、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、トリフルオロメチル、C−C−アルキル、C1−4−アルコキシまたはヒドロキシ−C−C−アルキルから選択される置換基で所望により置換されていてもよい。
【0080】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、Gは−R−CO−Rである。
【0081】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、Rは、C1−6−アルキレンまたはヘテロシクリレンである。
【0082】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、Rは、イソプロピレンまたはテトラヒドロピラニレンである。
【0083】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、Rはヘテロシクリレンである。
【0084】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、Rは、ピペリジノまたはアゼチジノである。
【0085】
本発明に記載の式IまたはIaで示される化合物の実施態様において、該化合物は、
(R)−3−(3−{1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ}−プロピル)−安息香酸エチル、塩酸塩(化合物1001)、
(R)−2−ヒドロキシ−5−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸メチルエステル 塩酸塩(化合物1002)、
(R)−2−ヒドロキシ−5−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸(化合物1003)、
(R)−2−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸メチル 塩酸塩(化合物1004)、
2−[3−((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸 塩酸塩(化合物1005)、
(R)−2−フルオロ−5−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸(化合物1006)、
4−[3−((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−ブチル]−安息香酸メチルエステル(化合物1007)、
(R)−(2,2−ジメチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェノキシ}−アセトイルアミノ)−酢酸tert−ブチル(化合物1008)、
(R)−(2,2−ジメチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェノキシ}−アセトイルアミノ)−酢酸、塩酸塩(化合物1009)、
(R)−4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸(化合物1010)、
(R)−3−(3−{1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ}−プロピル)−安息香酸(化合物1011),
(R)−4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸2−モルホリン−4−イル−エチルエステル 塩酸塩(化合物1012)、
4−(2−ヒドロキシ−3−{(R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ}−プロピル)−安息香酸エチル(化合物1013)、
4−(2−ヒドロキシ−3−{(R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ}−プロピル)−安息香酸(化合物1014)、
(R)−2’,2’−ジメチル−2’−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−酢酸、塩酸塩(化合物1015)、
(R)−4−(4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル)−テトラヒドロピラン−4−カルボン酸(化合物1016)、
4−[3−((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−N−((R)−2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3−イル)−ベンズアミド(化合物1017)、
4−ヒドロキシ−2R−{4−[3−((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−ベンゾイルアミノ}−酪酸(化合物1018)、
(R)−(2,2−ジメチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−アセトイルアミノ)−酢酸メチル 塩酸塩(化合物1019)、
(R)−(2,2−ジメチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−アセトイルアミノ)−酢酸(化合物1020)、
(R)−3−(2,2−ジメチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−アセトイルアミノ)−プロピオン酸(化合物1021)、
(R)−1−(2,2−ジメチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−アセトイル)−ピペリジン−4−カルボン酸;塩酸塩(化合物1022)、
(R)−2−メチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−ベンゾイルアミノ}−プロピオン酸メチルエステル(化合物1023)、
(R)−2−メチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−ベンゾイルアミノ}−プロピオン酸(化合物1024)、
(R)−[(4−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−アミノ]−酢酸メチルエステル(化合物1025)、
(R)−[(4−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−アミノ]−酢酸(化合物1026)、
(R)−3−[(4−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸メチルエステル(化合物1027)、
(R)−3−[(4−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸(化合物1028)、
(R)−1−(4−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−アゼチジン−3−カルボン酸メチルエステル(化合物1029)、
(R)−1−(4−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−アゼチジン−3−カルボン酸(化合物1030)、
(R)−4−[3−[[1−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)エチル]アミノ]−プロピル]安息香酸(化合物1031)、
(R)−3−{3−[1−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−プロピル}−安息香酸(化合物1032)、
(R)−{4−[3−((1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェノキシ}−酢酸(化合物1033)、
(R)−3−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−プロピオン酸(化合物1034)、
(R)−3−(3−{3−[1−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−プロピル}−フェニル)−プロピオン酸(化合物1035)、
(R)−3−{3−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−プロピオン酸(化合物1036)、
(R)−2−[2−フルオロ−4−[3−[[1−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)エチル]アミノ]−プロピル]フェノキシ]酢酸(化合物1037)、
(R)−{2−フルオロ−4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェノキシ}−酢酸(化合物1038)、
(R)−3−{2−フルオロ−4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−プロピオン酸(化合物1039)、
(R)−3−(2−フルオロ−4−{3−[1−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−プロピル}−フェニル)−プロピオン酸(化合物1040)、または
(R)−3−[4−[3−[[1−(1−ナフチル)エチル]アミノ]プロピル]−2−(トリフルオロメチル)−フェニル]プロパン酸(化合物1041)
から選択される。
【0086】
式Iで示される化合物の調製のための中間体の具体例は、
(R)−(1−ナフタレン−1−イル−エチル)−プロプ−2−イニル−アミン(調製例1)、
(R)−3−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロプ−1−イニル]−安息香酸エチル 塩酸塩(調製例2)、
(R)−2−ヒドロキシ−5−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロプ−1−イニル]−安息香酸メチル 塩酸塩(調製例3)、
2−(4−ヨードフェノキシ)−2,2−ジメチル酢酸tert−ブチル(調製例4)、
(R)−(2,2−ジメチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−1−プロピン−1−イル]−フェノキシ}−アセトイルアミノ)−酢酸tert−ブチル(調製例5)、
(R)−4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピン−1−イル]−安息香酸(調製例6)、
(±)−4−(オキシラニルメチル)−安息香酸エチル(調製例7)、
(R)−2’,2’−ジメチル−2’−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピン−1−イル]−フェニル}−酢酸メチル(調製例8)、
(R)−2’,2’−ジメチル−2’−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピン−1−イル]−フェニル}−酢酸、塩酸塩(調製例9)、
4−(4−ヨードフェニル)−テトラヒドロピラン−4−カルボニトリル(調製例10)、
(R)−4−(4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロプ−1−イニル]−フェニル)−テトラヒドロピラン−4−カルボニトリル(調製例11)、
(R)−4−(4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル)−テトラヒドロピラン−4−カルボニトリル(調製例12)、
(R)−N−[1−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)エチル]−プロプ−2−イン−1−アミン(調製例13)、
4−{3−[(1R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−プロプ−1−イニル}−安息香酸(調製例14)、
(4−ヨード−フェノキシ)−酢酸メチルエステル(調製例15)、
3−(4−ヨード−フェニル)−アクリル酸メチルエステル(調製例16)、
3−(3−ヨード−フェニル)−アクリル酸メチルエステル(調製例17)、
2−フルオロ−4−ヨードフェノール(調製例18)、
(2−フルオロ−4−ヨード−フェノキシ)−酢酸エチルエステル(調製例19)、
2−フルオロ−4−ブロモフェニルプロパン酸メチル(調製例20)、
2−フルオロ−4−ヨードフェニルプロパン酸メチル(調製例21)、
{4−[3−((1R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロプ−1−イニル]−フェノキシ}−酢酸メチルエステル(調製例22)、
3−(4−ブロモ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−アクリル酸メチルエステル(調製例23)、および
3−(4−ヨード−2−トリフルオロメチル−フェニル)−アクリル酸メチルエステル(調製例24)
からなる群より選択されうる。
【0087】
調製方法
一般式IまたはIaで示される化合物は、有機合成分野の当業者に周知の多数の方法で調製されうる。式IまたはIaで示される化合物は、有機合成化学の分野にて周知の方法とともに下記の方法を、または当業者に明らかなその改良方法を用いて合成されうる。好ましい方法には、限定されるものではないが、下記のものが含まれる。
【0088】
式IまたはIaで示される化合物は、当業者が容易に利用できる技法および製法によって、例えば、以下のスキームに記載の製法にしたがって、調製されうる。用いられる試薬および物質に適当な溶媒および生じる変換に適当な溶媒中で反応が行われる。また、下記の合成方法において、溶媒、反応雰囲気、反応温度、実験期間および後処理方法の選択を含む、すべての目的とする反応条件は、当業者によって容易に認識されるであろう反応の基準の条件が選択されることを理解すべきである。反応における出発分子の種々の部分上に存在する官能性が目的とする試薬および反応に適合しなければならないことは有機合成分野の当業者によって理解される。所定のクラスに分類される式IまたはIaで示される化合物のすべてが、一部の記載の方法において必要とされる一部の反応条件に適合するわけではない。反応条件に適合する置換基へのかかる制限は当業者であれば容易に理解するであろうし、別法も用いられうる。
【0089】
該セクションに記載のスキームは、本発明の範囲を限定することを意図とするものではない。特に明記されない限り、すべての置換基はすでに定義されているものである。試薬および出発物質は、商業供給者から入手可能であるかまたは参考資料、例えば、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,Volumes 1−22(John Wiley and Sons,2004);Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds,Volumes 1−5 and Supplements(Elsevier Science Publishers,2000);Organic Reactions,Volumes 1−64(John Wiley and Sons,2004);March’s Advanced Organic Chemistry(John Wiley and Sons,第5版) and Larock’s Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.,1999)に記載の手法にしたがって当業者に既知の方法によって調製される。これらのスキームは、本発明の化合物が合成されうるある方法を単に説明するものであり、これらのスキームの種々の改良が行われ、本明細書で称される当業者に提案されるであろう。反応の出発物質および中間体は、所望により、限定されるものではないが、濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなどを含む、従来の技法を用いて単離および精製されうる。かかる物質は、物理定数およびスペクトルデータを含む、従来の手法を用いて特徴付けられうる。
【0090】
が水素である、一般式IまたはIaで示される化合物は、一般式IIで示されるケトンまたはアルデヒドおよび一般式IIIで示されるアミンの間の還元的アミノ化によって得られうる。ケトンまたはアルデヒドIIおよびアミンIIIの間の反応は、ワンポット還元的アミノ化によってまたはイミンの単離、次いで、還元によって行われうる。
【化3】

【0091】
a.中間体イミニウムIVの形成は、プロトン酸または非プロトン酸、例えば、限定されるものではないが、酢酸およびTi(Oi−Pr)それぞれの添加によって促進されうる。還元剤は、限定されるものではないが、Na(CN)BH、NaBH、Na(OAc)BHであってもよい(他の非限定的条件については、Org.React.2002,59,1−714およびその中で引用される参考文献を参照)。
b.イミンの形成は、ルイス酸、例えば、TiCl、ZnCl、AlClによってまたは塩基、例えば、ピリジンによって、所望により乾燥剤、例えば、TiClまたはモレキュラーシーブの存在下において促進される(Comprehensive Organic Functionnal Group Transformations 3,403(1995)Pergamonを参照)。
c.還元は、触媒、例えば、Pd/C、Pt/Cまたは立体選択的手法で反応を行うためのキラルロジウム錯体の存在下において水素化によってまたは還元剤、例えば、BH、NaBH、NaBHCN、LiAlH、L−セレクトリドからの水素移動によって行われうる(Larock R.C.Comprehensive Organic Transformations 1989,VCH;Comprehensive Organic Functionnal Group Transformations 2,268−269(2005)Pergamonおよびその中で引用される参考文献を参照)。
【0092】
一般式IまたはIaで示される化合物はまた、アミンIIIのアルキル化を介して調製されうる。
【化4】

【0093】
d.LGが脱離基、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、トシラートまたはトリフラートである場合には、アルキル化は、塩基、例えば、NEt、DIPEA、NaH、NaOH、KOH、炭酸塩の存在下、適当な溶媒、例えば、DMF、ピリジン、DMSO、CHCN、アセトン、トルエン中で行われる。あるいは、アルコール(LG=OH)との反応も考えられうる。かかる光延様反応は、ホスフィン、例えば、PBu、PPhなど、アゾジカルボキシレートまたはアゾジカルボキサミドの存在下、非プロトン溶媒、典型的にはTHF中で行われる。そのため、アミンIIIは、カルバメートまたはスルホンアミドとして保護/活性化される。得られた化合物は、標準条件(Protective Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,John Wiley and Sons,第3版 1999およびその中で引用される参考文献)を用いて脱保護され、IまたはIaが得られる。
【0094】
アルデヒドまたはケトンIIは、種々の手法で調製されうる:
【化5】

【0095】
e.アルコールVaは酸化され、IIが得られうる。酸化は、多数の異なる試薬で行われうる。その一部は、HCr、Al、MnO、ペルヨージナン、DCCと組み合わせるDMSO、無水酢酸、塩化オキサリルなどである。
【0096】
アルケノンは、出発物質として用いられうる。
【化6】

【0097】
f.所望によりNBuCl、AgNOなどの塩の存在下、溶媒、例えば、DMFまたはアセトニトリル中での、所望によりホスフィン、例えば、PPh、P(o−Tol)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(dppp)との、パラジウム源、例えば、Pd(OAc)、PdCl(PPh、塩基、例えば、NEt、KCO、NaHCOの存在下における、ハロゲン化アリールまたは擬ハロゲン化物、例えば、トリフラートとのカップリング反応。あるいは、脱炭酸ヘック型カップリングは、アリール/ヘテロアリールカルボン酸を用いて行われうる(Org.Lett.2004,6,433)。
g.二重結合の化学特異的還元は、多数の条件下で行われうる。水素源は、H、水、ハンチュ(Hantzsch)エステルでありうる。金属ベース触媒、例えば、Pd/C、Pd(PPh、担持PdCl、Rh−、Co−、Cu−、Ir−ベース触媒が用いられうる。立体選択性は、キラル補助基、例えば、限定されるものではないが、エナンチオ純粋なビナフトールリン酸塩誘導体/バリン、イミダゾリジノン イミニウム、二座ホスフィンの付加によって達成されうる。
【0098】
あるいは、アルケノンは1,4−付加の対象となりうる。
h.所望によりリガンド、典型的には、ホスフィンベース、例えば、PBu、PPh、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(dppp)、1,3−ヒドロキノンまたは1,4−ヒドロキノンとの金属錯体、例えば、PdCl、Pd(OAc)、Pd(PPh、(acac)Rh(CO)、Ni(acac)、(COD)Rh(1,4−ジヒドロキノン)BFの存在下、溶媒、例えば、DMF、THF、水、トルエン、ジオキサン、ジメトキシエタン中での、金属がLi、ハロゲン化Mg、トリアルキルスズ、ボロン酸、ボロン酸エステルでありうる金属アリールとの反応。純粋なエナンチオマー、例えば、BINAP、ホスホラミダイト、Me−DuPHOSなどとしてのキラルリガンドの存在下において、反応は立体選択的に行われうる。
【0099】
カルボキシレートは、カルボン酸基がアミドおよびエステルに変換されている一般式IまたはIaで示される種々の化合物の出発物質である。いくつかの非限定的な実施例は以下に記載のとおりである。
【化7】

【0100】
i.アミドまたはエステルは、カップリング試薬、例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、ジフェニルホスフィン酸クロリド(DPP−Cl)、ベンゾトリアゾール−イルオキシ−トリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(BOP)、ペンタフルオロフェニル ジフェニルホスフィナート(fdpp)、N−[(ジメチルアミノ)−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−1−イルメチレン]−N−メチルメタンアミニウム ヘキサフルオロホスフェート N−オキシド(HATU)、ブロモトリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(PyBroP)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、または1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDCI)の存在下において、アミン(VII、X=NH)またはアルコール(VII、X=O)およびカルボン酸VI(Y=OH)を用いて形成されうる。反応は、溶媒、例えば、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、1,2−ジクロロ−エタン、テトラヒドロフラン、1−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシドまたはジメチルホルムアミド中で行われうる。一般に、反応は、塩基、例えば、EtN、DIPEA、コリジンまたはBuNの存在下および好ましくは、アクチベーター、例えば、HOBt(例えば、HOBtが反応速度を改善するために用いられる場合には、Windridge,G.C.;Jorgensen,E.C.JACS 1971,93,6318を参照)またはHOAtの存在下において行われる。
【0101】
アミドまたはエステルはまた、アミン(VII、X=NH)またはアルコール(VII、X=O)およびカルボン酸塩化物(VI、Y=Cl)の反応を介して形成されうる。カルボン酸塩化物は、カルボン酸(VI、Y=OH)と塩素化剤、例えば、塩化チオニルまたは塩化オキサリルとの反応によって調製されうる。
【0102】
R2、R2’、R3およびR3’が水素である、一般式Iで示される化合物は、プロパルギルアミンと適当に置換されたヨードベンゼンとの薗頭カップリング、次いで、生成物の水素化によって得られうる。
【化8】

【0103】
該薗頭カップリングは、室温にてまたは50℃に加熱しながら溶媒、例えば、ジオキサン、ジエチルアミンまたはTHF中で行われうる。溶媒自体が塩基性アミンでない場合には、トリエチルアミンが塩基として用いられうる。適当な触媒のペアは、ヨウ化銅(I)とパラジウム(II)(ビス−トリフェニルホスフィン)クロリドまたは同様のパラジウム(II)もしくはパラジウム(0)錯体である。
【0104】
水素化は、パラジウム(0)触媒、例えば、炭素担持パラジウムで達成されうる。水素源として、水素ガスが用いられうる。あるいは、触媒移動水素化は、水素源、例えば、ジクロヘキサジエン、ギ酸アンモニウムまたはトリエチルシランが用いられうる。
【0105】
薗頭カップリングに必要なプロパルギルアミンは、塩基としてジメチルホルムアミドおよび炭酸カリウム中で1−アリールエチルアミンと臭化プロパルギルとの単純なアルキル化によって調製されうる。
【0106】
調製方法(エポキシド開環からの水酸化された鎖、および交差メタセシス反応からの鎖上の種々の置換基)
【化9】

【0107】
またはR’がヒドロキシである、一般式IまたはIaで示される化合物は、一般式IIIで示されるアミンと一般式F1で示されるエポキシドを開環することによって得られうる(スキーム1)。
【化10】

【0108】
該開環は、加熱しながらおよび所望によりリチウム塩、例えば、過塩素酸リチウム、塩化リチウムまたは他のルイス酸を加えて溶媒、例えば、ジオキサン、ジメチルスルホキシドまたはジメチルホルムアミド中で行われうる。
【0109】
R3およびR3’が両方とも水素である場合、一般式F1で示される必須エポキシドは、アルキル金属を用いて金属ハロゲン交換を介してリチウム(図示)またはマグネシウムなどの金属で金属化されている芳香族環とエポキシドを開環することによって得られうる(スキーム2)。
【化11】

【0110】
開環反応は、あるルイス酸、例えば、三フッ化ホウ素で触媒され、副反応を最小限に抑えるために低温(例えば、−70℃)にて変換が行われる。G基、X原子、R5残基の性質によって、該エポキシドの開環は、合成のいくつかの段階の一つで行われうる:
R5がすでにX原子上の所定の位置にあれば、エポキシドは有利に開環されうる。
【0111】
あるいは、R5残基は、X原子がすでに所定の位置にあるエポキシドの開環後に導入されうる。
【0112】
また、R5残基およびX原子の両方が、カルボニル基がすでに所定の位置にあるエポキシドの開環後に導入されうる。
【0113】
さらに、R5残基、X原子およびX原子とG基の間のカルボニル基がすべて、G基がすでに所定の位置にあるエポキシドの開環後に導入されうる。
【0114】
最終的に、エポキシド開環は、G基がフェニル環上に付加される前に行われうる。
【0115】
次いで、得られたヒドロキシトシラートは、溶媒、例えば、メタノール中で塩基、例えば、2当量の炭酸カリウムで環化され、必須のエポキシド環が形成されうる(スキーム2)。
【0116】
一般式F1で示されるエポキシドはまた、溶媒、例えば、ジクロロメタン中で有機過酸、例えば、メタ−クロロ過安息香酸を用いてアルケンの直接エポキシ化(スキーム3)によって調製されうる。
【化12】

【0117】
エポキシ化はまた、三段階手法で達成されうる(スキーム4)。最初に、水およびtert−ブタノールまたは別の適当な溶媒の混合液中で1,4−ビス(9−O−ジヒドロキニジニル)フタラジン、四酸化オスミウム、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムおよび炭酸カリウムを用いてシャープレスジヒドロキシル化として周知の条件下でジヒドロキシル化される。
【化13】

【0118】
第二に、形成されたジオールは、ピリジン中塩化トシルで第一級ヒドロキシル上にてトシル化され、最終的に、エポキシド環は、アセトンまたはメタノール中弱塩基、例えば、炭酸カリウムでヒドロキシルトシラートを閉環すると形成される。
【0119】
R3(またはR3’)がヒドロキシルである場合、エポキシ化は、乾ジクロロメタン中で乾tert−ブチルヒドロペルオキシド、チタンテトライソプロポキシド、および酒石酸ジエチルを用いて達成されうる(シャープレスエポキシ化、レビュー:A.Pfenninger,Synthesis,1986 p89−116)。これらのエポキシドへの別経路は、フェニルケトンまたはアルデヒドへの、電子吸引性置換基、R3を有するリチウム化オキシランの付加が関与する(スキーム5、Yamauchi,Yoshihiro;Kawate,Tomomi;Katagiri,Toshimasa;Uneyama,Kenji.Tetrahedron(2003),59(49),9839−9847を参照)。
【化14】

Liu,Bingcan;Das,Sanjoy K.;Roy,Rene.Efficient Ruthenium Carbenoid−Catalyzed Cross−Metathesis of Allyl Halides with Olefins.Organic Letters(2002),4(16),2723−2726.
【0120】
一般式IIIで示されるキラルアミンは、商業的に入手可能であるかまたはLiu,G.;Cogan,D.A.;Ellmann,J.A.,J.Amer.Chem.Soc.,1997,114,9913にしたがってtert−ブタンスルフィンアミドを用いて触媒的不斉合成によってより容易に入手可能なアルデヒドから調製されうる。
【化15】

【0121】
医薬組成物
処置に用いるために、本発明の化合物は、典型的には、医薬組成物の形態をなす。そのため、本発明は、医薬上許容される賦形剤またはビヒクルと共に、式IまたはIaで示される化合物を、所望により1種または複数の他の治療上活性な化合物(複数)も共に含む医薬組成物に関する。賦形剤は、組成物の他の成分と混合可能であり、そのレシピエントに有害ではないという意味で「許容」されなければならない。
【0122】
都合の良いことには、活性成分は、処方物の0.05−99.9重量%を含む。
【0123】
本発明の医薬組成物は、単位剤形、例えば、錠剤、ピル、カプセル剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、シロップ剤、乳剤、アンプル剤、坐剤または非経口溶液または懸濁液でありうる;経口、非経口、眼、経皮、関節内、局所、経肺、経鼻、口腔もしくは直腸投与のためのものまたは腎臓病学で用いられる化合物の処方物に適当なあらゆる手法および慣例、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,第21版,2000,Lippincott Williams & Wilkinsに記載のものに従う。本発明の組成物において、活性成分は、組成物の約0.01〜約99重量%、例えば、0.1重量%〜約10重量%の量で存在しうる。
【0124】
錠剤またはカプセル剤の形態の経口投与のために、式IまたはIaで示される化合物は、適当に、経口、無毒性、医薬上許容される担体、例えば、エタノール、グリセロール、水などと合されうる。さらに、適当な結合剤、潤滑剤、崩壊剤、香味剤および着色剤は、必要に応じて、混合物に加えられうる。適当な結合剤には、例えば、乳糖、グルコース、デンプン、ゼラチン、アカシアゴム、トラガカントゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが含まれる。潤滑剤には、例えば、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。崩壊剤には、例えば、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンなどが含まれる。カプセル剤の付加的な賦形剤には、マクロゴールまたは脂質が含まれる。
【0125】
固体組成物、例えば、錠剤の調製のために、式IまたはIaで示される活性化合物は、1種または複数の賦形剤、例えば、上記のものおよび他の医薬希釈剤、例えば、水と合され、式IまたはIaで示される化合物の均一混合物を含有する固体予備処方組成物が生成される。「均一」なる語は、式IまたはIaで示される化合物が、組成物が同様に有効な単位剤形、例えば、錠剤またはカプセル剤に容易に細分されうるように組成物全体に均等に分散されることを意味すると考えられている。次いで、予備処方組成物は、本発明の活性成分の約0.05−約1000mg、特に約0.1−約500mg、例えば、10−200mg、例えば、30−180mg、例えば、20−50mgを含有する単位剤形に細分されうる。
【0126】
投与単位の形態において、化合物は、適当な間隔で1日1回または複数回投与されうるが、常に患者の状態に応じ、医師によって作成された処方箋にしたがって投与されうる。都合の良いことには、処方物の投与単位は、式IまたはIaで示される化合物の0.1mg−1000mg、好ましくは1mg−100mg、例えば、5−50mgを含有する。
【0127】
本発明の化合物の適当な投与量は、とりわけ、患者の年齢および状態、処置を受けている疾患の重症度およびかかりつけ医に周知の他の因子に依存するであろう。化合物は、異なる投与スケジュールにしたがって、例えば、毎日または週1回の間隔で、経口、非経口または局所のいずれかで投与されうる。一般には、単回投与量は0.01−400mg/kg体重の範囲であろう。化合物は、ボーラス投与されうる(すなわち、全1日量を1回で投与する)かまたは1日2もしくはそれ以上の回数で分割量にて投与されうる。
【0128】
処置が別の治療上活性な化合物の投与に関与する場合には、前記化合物の有用な投与量について、Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,第9版,J.G.Hardman and L.E.Limbird(Eds.),McGraw−Hill 1995を参照することが推奨されている。1種または複数の他の活性化合物を有する本発明の化合物の投与は、同時または連続のいずれかでありうる。
【0129】
本発明の化合物の経口または非経口投与のいずれかの液体処方物には、例えば、水性溶液、シロップ剤、水性または油性懸濁液および食用油、例えば、綿実油、ゴマ油、ヤシ油またはラッカセイ油との乳液が含まれる。水性懸濁液の適当な分散剤または懸濁化剤には、合成または天然ゴム、例えば、トラガカント、アルギン酸塩、アカシア、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ゼラチン、メチルセルロースまたはポリビニルピロリドンが含まれる。
【0130】
非経口投与、例えば、筋肉内、腹腔内、皮下または静脈内注射または注入のために、医薬組成物は、好ましくは、適当な医薬上許容される溶媒中に溶解または可溶化した式IまたはIaで示される化合物を含む。非経口投与のために、本発明の組成物には、滅菌水性または非水性溶媒、特に水、等張セイライン、等張グルコース溶液、バッファー溶液または治療上活性な物質の非経口投与に通常用いられる他の溶媒が含まれうる。組成物は、例えば、細菌担持フィルターでの濾過、組成物への滅菌剤の添加、組成物の照射、または組成物の加熱によって滅菌されうる。あるいは、本発明の化合物は、使用直前に滅菌溶媒に溶解される、滅菌固形製剤、例えば、凍結乾燥末として提供されうる。
【0131】
経口投与のための組成物は、通常の添加剤、例えば、安定剤、バッファーまたは保存剤、例えば、抗酸化剤、例えば、ヒドロキシ安息香酸メチルなどをさらに含みうる。
【0132】
直腸投与のための組成物は、活性成分および担体、例えば、ココアバターを包含する坐剤の形態、または浣腸の形態でありうる。
【0133】
関節内投与に適当な組成物は、微結晶形態、例えば、水性微結晶懸濁液の形態でありうる活性成分の滅菌水性製剤の形態でありうる。リポソーム製剤または生分解性ポリマー系はまた、関節内投与および眼投与の両方の活性成分を提供するために用いられうる。
【0134】
眼科処置を含む、局所投与に適当な組成物には、液体製剤または半液体製剤、例えば、塗布剤、ローション、ゲル、アプリカント(applicant)、水中油型または油中水型エマルション、例えば、クリーム、軟膏もしくはペースト;あるいは、溶液または懸濁液、例えば、滴剤が含まれる。局所投与について、式IまたはIaで示される化合物は、典型的には、組成物の0.01−20重量%、例えば、0.1%−約10%の量で存在しうるが、組成物の約50%までの量でも存在しうる。眼科処置の組成物は、好ましくは、シクロデキストリンをさらに含有しうる。鼻腔もしくは口腔投与または吸入に適当な組成物には、粉末、自己噴射式(self-propelling)およびスプレー式処方物、例えば、エアロゾルおよびアトマイザーが含まれる。かかる組成物は、組成物の0.01−20重量%、例えば、2重量%の量で式IまたはIaで示される化合物を含みうる。
【0135】
組成物は、CaSR活性の異常に付随する生理学的障害または疾患、例えば、副甲状腺機能亢進症の処置に通常用いられる1種または複数の他の活性成分をさらに含みうる。
【0136】
本発明の化合物の適当な投与量は、とりわけ、患者の年齢および状態、処置を受けている疾患の重症度およびかかりつけ医に周知の他の因子に依存するであろう。化合物は、異なる投与スケジュールにしたがって、例えば、毎日または週1回の間隔で、経口、非経口または局所のいずれかで投与されうる。一般には、単回投与量は0.01−400mg/kg体重の範囲であろう。化合物は、ボーラス投与されうる(すなわち、全1日量を1回で投与する)かまたは1日2もしくはそれ以上の回数で分割量にて投与されうる。
【0137】
薬理学的方法
カルシウム感知受容体(CaSR)およびカルシミメティック化合物の識別またはスクリーニングにおけるその使用は、EP637237、EP1296142、EP1100826、EP1335978、およびEP1594446に記載されている。
【0138】
本発明の化合物を試験するためのインビトロ方法およびインビボ方法は、確立され、上記の参考文献または例えば、Journal of Biological Chemistry(2004),279(8),7254−7263もしくはUS5858684およびその中で引用される参考文献にて見出されうる。
【0139】
インビトロ活性の分析の生物学的アッセイ
アッセイは、ヒトCaSRに対する生物学的陽性モジュレーターとして機能する化合物の機能的能力を調べる。CHO−K1細胞に発現した受容体の活性化は、前述したように、Gαq経路、ホスホリパーゼCの活性化および細胞内イノシトールリン酸(IP)の蓄積を介して検出される[Sandrine Ferry,Bruno Chatel,Robert H.Dodd,Christine Lair,Danielle Gully,Jean−Pierre Maffrand,and Martial Ruat.Effects of Divalent Cations and of a Calcimimetic on Adrenocorticotropic Hormone Release in Pituitary Tumor Cells.BIOCHEMICAL AND BIOPHYSICAL RESEARCH COMMUNICATIONS 238,866−873(1997)]。ヒトCaSRは、基礎レベルのカルシウムで刺激および試験化合物を投与した、CHO−K1細胞クローンに安定に発現される。IP1の濃度をIP−One htrfキット(Cisbio, France)を用いて測定する。CaSRをトランスフェクトしなかったCHO−K1細胞は、カルシウムおよび/または化合物刺激に対するIP1反応を生じない。
【0140】
ヒトCaSR遺伝子のクローニング
ヒトCaSRをコードするORF(genebank:NM_000388)を、Invitrogen Corp,USAから得、次いで、哺乳類発現ベクターpCDA3.1にクローン化した。
【0141】
CaSRを発現する細胞株の生成
CHO−K1細胞を、製造者のプロトコールにしたがってLipofectamineを用いてトランスフェクトした(400.000細胞/ウェルを、6ウェルプレート中に播種し、2μg DNAおよび5μl lipofectamineを用いて24時間後トランスフェクトした)。さらに24時間後、細胞を取り出し、播種して、1mg/mlのG−418に曝した。7日後、増殖シグナルクローンを採取し、CaSR発現をCaSRに対する5C10抗体を用いて評価し、最大発現のクローンを選択し、機能的反応を試験した。好ましいクローンを、500μg/mlのG−418を加えてCHO−K1のATCC(American Type Culture Collection)プロトコールに記載の標準製法にしたがって持続的に培養した。
【0142】
機能的全細胞アッセイ
アッセイ当日に、細胞を採取し、刺激バッファー(含有物:Hepes 10mM、MgCl 0.5mM、KCl 4.2mM、NaCl 146mM、グルコース5.5mM、LiCl 50mM pH7.4)中で13x10細胞/mlに再懸濁した。5μl細胞溶液をウェル(白色384−ウェルプレート、Perkin Elmer Optiplate)にピペット注入し、次いで、5μl化合物をCa2+含有(最終濃度2mMに)バッファー中で希釈した。37℃にて1時間化合物を刺激した後、10ulのIP−Oneアッセイ試薬を加え、室温にてさらに1時間インキュベートした。最終的に、プレートを、IP−Oneアッセイキット製造業者によって提供されるプロトコールにしたがって、Perkin Elmer EnVisionを用いて読み取った。665nm発光シグナルを615nmのもので割ってFRET比を算出した。
【0143】
本発明の化合物の試験データは、本発明の化合物がCaSRの強力なモジュレーターであるため、それらが腎臓または骨に関する疾患の処置に潜在的に有用であることを示す。
【0144】
上記したように、本発明に記載の化合物は、CaSR活性のモジュレーターである。CaSRは、副甲状腺、甲状腺、骨細胞、胃、肺、腎臓、下垂体、脳、視床下部、嗅覚野または海馬で見出されうる。本発明に記載の化合物は、好ましくは、それらの使用においては、甲状腺の受容体に比べて副甲状腺の受容体に対してより選択的でありうる。
【0145】
本発明に記載の化合物、およびそれらを含む医薬組成物は、医薬品として、特にCaSR活性の異常に付随する生理的障害または疾患の処置に用いられうる。さらに具体的には、これらの種類の生理的障害または疾患には、原発性または二次性副甲状腺機能亢進症、骨粗鬆症、心血管疾患、消化器疾患、内分泌疾患もしくは神経変性疾患または(Ca2+イオンが異常に高い特定の癌が含まれる。より具体的には、二次性副甲状腺機能亢進症は、慢性腎不全で観察される。
【0146】
P450 2D6阻害のスクリーニング
アッセイは、組換えヒトP450 2D6を用いることによって、潜在的なヒトP450 2D6触媒活性の阻害薬を迅速にスクリーンする。8種の濃度でIC50測定を2回行う。
【0147】
インキュベーションを、BD Biosciencesに記載の方法に基づいて、96ウェルマイクロタイタープレート中で行った。各列の最初のウェルに、NADPH再生系および試験化合物を加えた。2番目のウェルおよび残りのすべてのウェル中に、NADPH再生系およびアセトニトリル(最終濃度2%)を加えた。最終アッセイ濃度のNADPH再生系は、8.2μM NADP、0.41mMグルコース−6−リン酸、0.41mM塩化マグネシウム六水和物および0.4U/mlグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼおよび0.01mg/mL対照昆虫細胞膜タンパク質であった。試験化合物溶液を8番目のウェルで1:3に連続希釈した。試験化合物の最終濃度は、8列目で100μM〜45.7nMの範囲であった。試験化合物が含まれていないウェル9および10(NADPH再生系および酵素/基質混合物のみ)ならびにウェル11および12を、バックグラウンド蛍光の対照として用いた(反応終了後に酵素および基質を加えた)。次いで、プレートを37℃にて10分間予めインキュベートし、予め加温された酵素/基質混合物の添加によって反応が開始した。酵素/基質混合物のアッセイ濃度は、100mMリン酸カリウム,pH 7.4、1.5pmol組換えヒトP450 CYP2D6および1.5μMの蛍光基質3−[2−(N,N−ジエチル−N−メチルアミノ)エチル]−7−メトキシ−4−メチルクマリン(AMMC)であった。200μL/ウェルの最終容量でアッセイを2回行った。4:1のアセトニトリル:0.5Mトリス塩基溶液の添加によって30分後に反応が開始した。キニジンを陽性対照として用い、最大濃度は0.5μMであった。ウェル当たりの蛍光を、蛍光プレートリーダー(励起:390nm、発光:460nm)を用いて測定した。IC50値を算出した。
【0148】
本発明の化合物の試験データは、本発明の化合物がヒトP450 2D6に対して弱い阻害を示すかまたは阻害を示さないことを示す(pIC50値 6以下)。
【0149】
本発明は、特許請求の範囲の発明の範囲を限定することを意図とするものではない以下の非限定的な実施例においてさらに詳細に記載されている。
【実施例】
【0150】
実施例
総則
特に明記しない限り、用いられるすべての出発物質は、商業的に入手可能である。
特に明記しない限り、H核磁気共鳴(NMR)スペクトル(300MHz)および13C NMR(75.6MHz)について、化学シフト値(δ)(ppm単位)は規定される;内部テトラメチルシラン(δ=0.00)またはクロロホルム(δ=7.26)またはジュウテリオクロロホルム(13C NMRについて、δ=76.81)標準に相対的なジュウテリオクロロホルム溶液について規定される。範囲が規定されない限り、マルチプレットの値は、適当な中間点での規定された(ダブレット(d)、トリプレット(t)、カルテット(q)、ペンテット(p)、ダブレットのダブレット(dd)、トリブレットのダブレット(dt))または規定されていない(m)のいずれかを規定する。用いられるすべての有機溶媒は無水であった。
【0151】
一部の化合物については、LC/MSデータのみが規定される。LC/MSについては2つの方法が用いられる:
方法A
分析的HPLC/MSを、P680A分析用ポンプおよびThermo MSQ Plus質量分析計を伴うDionex APS−システムで行った。カラム:Waters XTerra C−18、150mmx4.6mm、5μm;溶媒系:A=水(0.1%ギ酸)およびB=アセトニトリル(0.1%ギ酸);流速=1.0mL/分;方法(10分):6.6分間10%〜100%Bで行い、さらに1.5分間100%Bで保持する線形勾配方法。
方法B
分析的UPLC/MSを、Waters LCT Premier XE質量分析計を伴うWaters Acquity UPLCシステムで行った。カラム:Waters Acquity UPLC HSS T3 1.8 5μm;溶媒系:A=水(0.1%ギ酸)およびB=アセトニトリル(0.1%ギ酸);方法:0.5分間流速=0.350mL/分の95%Aおよび5%B;2.5分間95%Aおよび5%B〜5%Aおよび95%Bで行い、流速=0.350mL/分でさらに1.5分間該濃度で保持する線形勾配方法;流速=0.700mL/分で1分間5%Aおよび95%B〜95%Aおよび5%Bで行い、次いで、0.8分間流速を0.35mL/分に低下させる線形勾配方法。
【0152】
フラッシュクロマトグラフィーはシリカゲル上で行われた。特に明記しない限り、酢酸エチル、ジクロロメタン、メタノール、および石油エーテル(40−60)の適当な混合物は、溶離液として用いられた。
【0153】
Waters LC−MSシステム[カラム:Waters X Terra C18,5μmまたはLuna C18 100Å 5μ;サイズ:250x10.00mm(Phenomenex)];サンプルマネージャー:Waters 2767;ポンプ:Waters 2525;シングル四重極:Waters ZQ;PDA−検出器:Waters 2996)を用いて、粗生成物のHPLC精製を行った。
【0154】
以下の略称が用いられている:
aq. 水性
DAST (ジエチルアミノ)硫黄トリフルオライド
1,2−DCE 1,2−ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EtO ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
h 時間(複数)
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
min 分
NMR 核磁気共鳴
PE 石油エーテル
rt 室温
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
【0155】
【化16】

調製例1:(R)−(1−ナフタレン−1−イル−エチル)−プロプ−2−イニル−アミン.
(R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミン(7.1ml、44mmol)のDMSO(100ml)中溶液に、CsCOを加え、次いで、勢いよく撹拌しながら臭化プロパルギルを滴下した。加え終わった後に、反応混合物を室温にて2時間撹拌し、濾過した。ブライン、水およびジエチルエーテルを加えた。水相を分離し、ジエチルエーテルで3回抽出した。合した有機抽出液を、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、黄褐色油を得た。クロマトグラフィーに付して、淡黄色油として表題化合物を得た。13C NMR(75MHz,DMSO)δ140.47,133.49,130.85,128.61,126.81,125.68,125.58,125.24,122.91,82.85,73.55,51.18,35.21,23.21.
【0156】
一般的製法A(薗頭)
8mlバイアル中にて、(R)−(1−ナフタレン−1−イル−エチル)−プロプ−2−イニル−アミン(調製例1)(1.4mmol、300mg)およびヨウ化アリール(1.4mmol)を3mlジエチルアミンに溶解した。CuI(0.09mmol、0.06当量)およびPd(PPhCl(0.03mmol、0.02当量)を加えた。バイアルをねじ式キャップで密封し、室温にて一晩振盪した。反応混合物を酢酸エチル(10ml)で希釈し、沈殿物を濾去した。濾液を減圧下で濃縮し、クロマトグラフィーに付して精製した。
【0157】
一般的製法B(水素化)
Pd/C(20mg)を含有するアルキン(0.75mmol)のメタノール(5ml)中溶液を、1.5時間水素化した。触媒をセライトで濾去し、濾液を減圧下で濃縮して、水素化生成物を得た。
【0158】
【化17】

調製例2.(R)−3−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロプ−1−イニル]−安息香酸エチル 塩酸塩.
ヨウ化アリールとして3−ヨード−安息香酸エチルエステルを用いて、一般的製法Aを実施した。ヘプタン中0−25%酢酸エチルを用いてクロマトグラフィーに付し、中性化合物として表題化合物を得た。中性化合物を酢酸エチルに溶解し、ジオキサン中4N HClで処理した。ジエチルエーテルを加えると沈殿が生じた。沈殿物を濾去し、真空中で乾燥させて、表題化合物を得た。中性化合物のNMR:13C NMR(75MHz,DMSO)δ164.89,140.47,135.46,133.48,131.50,130.89,130.23,129.15,128.62,128.58,126.83,125.63,125.59,125.23,123.19,123.08,122.89,90.23,81.69,60.91,51.27,36.00,23.31,13.98.
【0159】
【化18】

実施例1.(R)−3−(3−{1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ}−プロピル)−安息香酸エチル、塩酸塩(化合物1001).
(R)−3−(3−{1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ}−プロプ−1−イニル)−安息香酸エチル 塩酸塩(調製例2)を用いて、一般的製法Bを実施し、オフホワイト色固体として表題化合物を得た。13C NMR(75MHz,DMSO)δ166.09,141.81,134.54,133.73,133.47,130.66,130.39,129.28,129.15,127.28,126.53,125.90,124.65,122.98,61.05,52.45,45.19,32.00,27.62,20.29,14.55.
【0160】
【化19】

調製例3.(R)−2−ヒドロキシ−5−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロプ−1−イニル]−安息香酸メチル 塩酸塩.
ヨウ化アリールとして(R)−2−ヒドロキシ−5−ヨード−安息香酸メチルエステルを用いて、一般的製法Aを実施した。生成物を、ヘプタン中0−25%酢酸エチルを用いてフラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、次いで、ジオキサン中HClを加え、沈殿物を濾過して表題化合物に変換した。13C NMR(75MHz,DMSO)δ167.91,159.20,140.53,137.61,133.47,133.01,130.89,128.61,126.79,125.64,125.59,125.22,123.06,122.89,117.96,113.83,113.63,87.68,81.61,52.45,51.20,35.98,23.33.
【0161】
【化20】

実施例2.(R)−2−ヒドロキシ−5−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸メチルエステル 塩酸塩(化合物1002)
(R)−2−ヒドロキシ−5−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロプ−1−イニル]−安息香酸メチルエステル 塩酸塩(調製例3)を用いて、一般的製法Bを実施した。H NMR(300MHz,DMSO)δ10.32(s,1H),9.65(br,1H),9.1(br,1H),8.23(d,1H),8.05−7.88(m,3H),7.7−7.6(m,3H),7.55(d,1H),7.29(dd,1H),6.88(d,1H),5.30(s,1H),3.88(s,3H),2.94(m,1H),2.73(m,1H),1.92(m,2H),1.66(d,3H).
【0162】
【化21】

実施例3.(R)−2−ヒドロキシ−5−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸(化合物1003).
(R)−2−ヒドロキシ−5−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸メチルエステル 塩酸塩(化合物1002)(198mg、0.57mmol)のメタノール(1.2ml)および水(0.4ml)中溶液に、LiOH(68mg)を加えた。得られた溶液を室温にて5日間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣を分取HPLCに付して精製し、表題化合物を得た。13C NMR(75MHz,DMSO)δ172.24,160.48,134.68,133.29,131.57,130.28,129.40,128.80,128.62,128.29,126.76,126.01,125.52,123.85,122.55,119.61,115.47,52.02,45.18,31.30,28.22,20.09.
【0163】
【化22】

実施例4.(R)−2−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸メチル 塩酸塩(化合物1004).
表題化合物を2工程で調製した:
工程1:ヨウ化アリールとして2−ヨード−安息香酸メチルエステルを用いて、一般的製法Aを実施した。DCM中0−5%メタノールを用いてクロマトグラフィーに付し、(R)−2−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロプ−1−イニル]−安息香酸メチルエステルを得た。該化合物を酢酸エチルに溶解し、メタノール中HClで処理した。撹拌すると、沈殿物を形成し、それを濾去し、真空中で乾燥させて、黄色固体として(R)−2−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロプ−1−イニル]−安息香酸メチル 塩酸塩を得た。
【0164】
工程2:工程1からの(R)−2−[3−(1−ナフタレン−1−イニル−エチルアミノ)−プロプ−1−イニル]−安息香酸メチルエステル 塩酸塩を用いて、一般的製法Bを実施し、表題化合物を得た。13C NMR(151MHz,DMSO)δ167.14,141.81,134.05,133.25,132.11,130.73,130.20,130.13,129.07,128.81,126.82,126.37,126.06,125.45,124.25,122.53,51.91,44.89,39.94,30.40,27.31,19.85.
【0165】
【化23】

実施例5:2−[3−((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸 塩酸塩(化合物1005)
(R)−2−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸メチル 塩酸塩(化合物1004)(0.20mmol)をメタノール(600μl)に溶解した。水(200μl)およびLiOH(24mg)を加え、混合物を室温にて5日間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣をHPLCに付して精製し、表題化合物を得た。13C NMR(75MHz,DMSO)δ171.27,138.54,138.02,135.87,133.24,130.33,129.40,129.00,128.88,128.72,128.10,126.48,125.77,125.55,125.44,123.60,122.53,51.71,43.81,28.61,27.69,20.68.
【0166】
【化24】

実施例6:(R)−2−フルオロ−5−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸(化合物1006)
表題化合物を3工程で調製した:
工程1:ヨウ化アリールとして2−フルオロ−5−ヨード−ベンゾニトリルを用いて、一般的製法Aを実施し、(R)−2−フルオロ−5−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロプ−1−イニル]−ベンゾニトリルを得た。生成物を、DCM中0−5%メタノールを用いてクロマトグラフィーに付して精製し、(R)−2−フルオロ−5−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロプ−1−イニル]−ベンゾニトリルを得た。酢酸エチルに溶解し、ジオキサン中4N HClで処理することによって、該化合物を塩酸塩に変換した。ジエチルエーテルを加えると沈殿が生じた。沈殿物を濾去し、真空中で乾燥させて、(R)−2−フルオロ−5−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロプ−1−イニル]−ベンゾニトリル 塩酸塩を得た。
【0167】
工程2:Pd/C(10mg)を含有する(R)−2−フルオロ−5−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロプ−1−イニル]−ベンゾニトリル 塩酸塩(269mg、0.82mmol)のメタノール(5ml)中溶液を、撹拌しながら2分間溶液にHガスを吹き込んで水素化した。混合物をセライトで濾過し、減圧下で濃縮して、粗(R)−2−フルオロ−5−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−ベンゾニトリル 塩酸塩を得、それをさらに精製することなく用いた。
【0168】
工程3:(R)−2−フルオロ−5−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−ベンゾニトリル 塩酸塩(239mg、0.65mmol)を、NaOH(28%水性、3ml)およびメタノール(7ml)の混合物に加え、100℃にて一晩還流した。混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮してメタノールを除去し、水性HClでpH2に酸性化した。そうして形成された沈殿物を濾去し、分取HPLCに付して精製し、黄色固体として表題化合物を得た。H NMR(300MHz,DMSO)δ8.24(d,1H),7.99−7.93(m,1H),7.84(dd,2H),7.62−7.49(m,4H),7.27−7.19(m,1H),7.05(dd,1H),4.92(q,1H),2.77−2.52(m,4H),1.90−1.75(m,2H),1.52(d,3H).
【0169】
【化25】

実施例7:4−[3−((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−ブチル]−安息香酸メチルエステル(化合物1007).
4−メトキシカルボニルフェニルボロン酸(30mg、0.2mmol)およびブト−3−エン−2−オン(70mg、1mol)の0.5mL DME中溶液に、[(1,4−ヒドロキノリン)−ロジウム(COD)]BF(Son et al.,J.Am.Chem.Soc.2005,127,12238)(0.67mg、0.008mmol)の0.5mL DME中溶液および1mL水中LiOH(0.19mg、0.008mmol)を加えた。混合物を50℃にて撹拌し、溶媒を減圧下で除去した。残渣をDCEに再溶解した。(+)−(R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミン(0.2mmol)、NaBH(OAc)(0.24mmol)および酢酸(0.28mmol)を加え、反応混合物を室温にて一晩撹拌した。真空中で溶媒を除去した後、残渣をDMFに再溶解し、分取HPLCに付して精製し、2種の異性体の混合物として表題化合物を得た。H NMR(300MHz,DMSO)δ8.30(dd,1H),7.97−7.89(m,1H),7.84−7.69(m,4H),7.59−7.45(m,3H),7.21(dd,2H),4.86(q,1H),3.83(d,3H),2.79−2.40(m,3H),1.90−1.49(m,2H),1.40(dd,3H),1.06(dd,3H).
【0170】
【化26】

調製例4:2−(4−ヨードフェノキシ)−2,2−ジメチル酢酸tert−ブチル.
4−ヨードフェノール(5g)をDMF、15mlに溶解し、2−ブロモ−2,2−ジメチル酢酸tert−ブチル(3当量)および炭酸セシウム(4当量)で処理した。75℃にて18時間撹拌した後、混合物を冷却し、ジエチルエーテル(当量)中1M HClで中和した。溶媒を真空中で除去し、残渣を、ヘキサン中酢酸エチルの勾配(0−50%)でクロマトグラフィーに付して精製した。
【0171】
【化27】

調製例5:(R)−(2,2−ジメチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−1−プロピン−1−イル]−フェノキシ}−アセトイルアミノ)−酢酸tert−ブチル
2−(4−ヨードフェノキシ)−2,2−ジメチル酢酸tert−ブチル(調製例4、1g)を、THF(9ml)およびトリエチルアミン(3ml)に溶解し、(R)−(1−ナフタレン−1−イル−エチル)−プロプ−2−イニル−アミン(調製例1、635mg、1,1当量)を加えた。数分間懸濁液にアルゴンを流し、最小量のビス−(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(II)錯体およびヨウ化銅(I)を加え、室温にて2時間撹拌し続けた。シリカゲル(5g)を加え、溶媒を真空中で除去した。ピー・エーテル(p.Ether)中酢酸エチルの勾配(0−30%)でクロマトグラフィーに付し、生成物を得た。
【0172】
【化28】

実施例8:(R)−(2,2−ジメチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェノキシ}−アセトイルアミノ)−酢酸tert−ブチル(化合物1008).
(R)−(2,2−ジメチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−1−プロピニル]−フェノキシ}−アセトイルアミノ)−酢酸tert−ブチル(調製例5、600mg)をメタノールに溶解した。触媒量の炭素担持パラジウム(5%)を加えた。水素をバルーンから供給し、混合物を室温にて28時間振盪した。懸濁液をセライトで濾過し、シリカゲルを濾液に加え、溶媒を真空中で除去した。残渣を、ヘプタン中酢酸エチルの勾配(0−100%)でクロマトグラフィーに付した。H NMR(300MHz,DMSO)δ8.25(d,1H),7.91(d,1H),7.79(d,1H),7.70(d,1H),7.56−7.41(m,3H),7.00(dd,2H),6.66(dd,2H),4.70−4.51(m,1H),2.48(t,4H),1.80−1.57(m,2H),1.51−1.23(m,18H).
【0173】
【化29】

実施例9:(R)−(2,2−ジメチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェノキシ}−アセトイルアミノ)−酢酸、塩酸塩(化合物1009)
(R)−(2,2−ジメチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェノキシ}−アセトイルアミノ)−酢酸tert−ブチル(化合物1008、600mg)をアセトニトリル(10ml)に溶解し、ジオキサン中HCl(2ml、4M)を加え、溶液を40℃にて3時間撹拌した。生成物は自然に結晶化し、濾過して回収され、真空中で乾燥させた。13C NMR(75MHz,DMSO)δ174.93,153.39,134.04,133.67,133.26,130.22,128.81,128.75,126.84,126.06,125.45,124.30,122.53,118.52,78.21,51.93,44.74,30.95,27.08,24.95,19.86.
【0174】
【化30】

調製例6:(R)−4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピン−1−イル]−安息香酸.
ヨウ化アリールとして4−ヨード安息香酸を用いて、一般的製法Aを実施した。H NMR(300MHz,DMSO)δ8.39−8.30(m,1H),7.98−7.86(m,3H),7.81(d,1H),7.72(d,1H),7.59−7.48(m,3H),7.45(d,2H),4.88(q,1H),3.62(d,1H),3.38(d,1H),1.42(d,3H).
【0175】
【化31】

実施例10:(R)−4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸(化合物1010).
(R)−4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピン−1−イン]−安息香酸(調製例6)を用いて、一般的製法Bを実施した。13C NMR(75MHz,DMSO)δ167.13,145.99,134.64,133.27,130.25,129.31,128.80,128.63,128.60,128.26,126.73,125.97,125.46,124.21,122.55,52.08,44.82,31.85,27.02,20.18.
【0176】
【化32】

実施例11:(R)−3−(3−{1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ}−プロピル)−安息香酸(化合物1011)
メタノールおよびジオキサンの3:1混合液中にて、2当量のKOHおよび10当量の水で加水分解して、(R)−3−(3−{1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ}−プロピル)−安息香酸エチル、塩酸塩(化合物1001)から調製した。50℃にて一晩撹拌した後、溶媒を真空中で除去した。残渣をジオキサンで懸濁し、濾過した。濾液を、ジオキサン中4N HClで酸性化し、真空中で溶媒を除去した。残渣をHPLCに付して精製した。13C NMR(75MHz,DMSO)δ167.61,163.74,162.20,147.28,141.84,138.86,133.37,132.26,131.66,130.61,128.95,128.66,128.24,127.36,126.69,126.05,125.51,123.09,122.80.
【0177】
【化33】

実施例12:(R)−4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸2−モルホリン−4−イル−エチルエステル 塩酸塩(化合物1012)
アルゴン下、(R)−4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸(化合物1010、650mg、1.95mmol)のDMF(6ml)中溶液に、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)(379mg、2.33mmol、1.2当量)を加えた。得られた混合物を室温にて4時間撹拌した。3分の1量の混合物を、新しい反応フラスコに移し、2−モルホリン−4−イル−エタノール(852mg、6.4mmol、10当量)を加えた。一晩撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、クロマトグラフィー(ジクロロメタン中0−20%メタノール)に付して精製した。生成物を酢酸エチルに溶解し、ジオキサン中4N HClで処理した。ジエチルエーテルを加えると沈殿が生じた。沈殿物を濾去し、真空中で乾燥させて、白色固体として表題化合物を得た。13C NMR(75MHz,MeOH)δ167.27,148.01,135.55,134.20,132.13,131.23,131.02,130.43,129.72,128.71,128.56,127.61,126.64,124.96,123.05,65.02,59.76,57.31,54.28,53.76,46.82,33.49,28.64,20.18.
【0178】
【化34】

調製例7:(±)−4−(オキシラニルメチル)−安息香酸エチル.
4−プロプ−2−エニル安息香酸エチルを、室温にて一晩ジクロロメタン中1.3当量のMCPBAで処理し、クロマトグラフィーに付して精製した。収率は71%であった。
【0179】
【化35】

実施例13:4−(2−ヒドロキシ−3−{(R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ}−プロピル)−安息香酸エチル(化合物1013).(立体異性体の混合物)
(±)−4−(オキシラニルメチル)−安息香酸エチル(調製例7)をアセトニトリルに溶解し、(+)−(R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミン(2当量)を、次いで、無水過塩素酸リチウム(2当量)を加えた。50℃にて40時間撹拌した後、溶媒を除去し、残渣をクロマトグラフィーに付して精製し、ジアステレオマーの混合物として生成物を得た(無色油)。H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.18−8.08(m,1H),7.97−7.90(m,2H),7.90−7.83(m,1H),7.76(d,1H),7.60−7.54(m,1H),7.54−7.43(m,3H),7.22(dd,2H),4.65(p,1H),4.35(q,2H),3.97−3.79(m,1H),2.83−2.63(m,3H),2.51(ddd,1H),1.55−1.46(m,3H),1.38(dd,3H).
【0180】
【化36】

実施例14:4−(2−ヒドロキシ−3−{(R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ}−プロピル)−安息香酸(化合物1014).(立体異性体の混合物)
4−(2−ヒドロキシ−3−{(R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ}−プロピル)−安息香酸エチル(化合物1013、立体異性体の混合物)を、メタノールおよび水の混合液中水酸化リチウム(1.4当量)で加水分解した。終了後、メタノールを真空中で除去し、1.4当量の塩酸を慎重に加えて溶液を中和した。表題化合物は両性イオンとして水から沈殿した。H NMR(300MHz,DMSO)δ8.25(d,1H),7.96−7.88(m,1H),7.83−7.75(m,3H),7.72−7.65(m,1H),7.57−7.44(m,3H),7.26(dd,2H),4.59(q,1H),3.87−3.74(m,1H),2.89−2.72(m,1H),2.71−2.56(m,1H),2.55−2.34(m,5H).
【0181】
【化37】

調製例8:(R)−2’,2’−ジメチル−2’−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピン−1−イル]−フェニル}−酢酸メチル.
ヨウ化アリールとして4−ヨードフェニル−2’,2’−ジメチル酢酸メチルを用いて、一般的製法Aを実施した。クロマトグラフィーに付して精製し、表題化合物を得た。13C NMR(75MHz,DMSO)δ175.83,145.76,133.33,131.51,130.16,129.06,128.86,126.81,126.11,125.98,125.50,124.54,122.48,119.27,86.86,80.66,52.06,51.12,46.15,34.69,26.03,19.63.
【0182】
【化38】

調製例9:(R)−2’,2’−ジメチル−2’−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピン−1−イル]−フェニル}−酢酸、塩酸塩
(R)−2’,2’−ジメチル−2’−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−1−プロピン−1−イル]−フェニル}−酢酸メチル(調製例8)を、メタノール/水中水酸化リチウムで加水分解した。終了後、メタノールを真空中で除去し、HClで慎重に中和した後に、塩酸塩として表題化合物を回収した。13C NMR(75MHz,DMSO)δ176.98,146.27,133.59,133.34,131.36,130.18,128.99,128.85,126.78,126.06,125.50,124.41,122.48,119.06,86.79,80.87,51.12,45.79,34.80,26.05,19.71.
【0183】
【化39】

実施例15:(R)−2’,2’−ジメチル−2’−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−酢酸、塩酸塩(化合物1015)
(R)−2’,2’−ジメチル−2’−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピン−1−イル]−フェニル}−酢酸(調製例9)を用いて、一般的製法Bを実施した。13C NMR(151MHz,DMSO)δ177.54,142.53,139.10,133.31,130.44,129.25,128.72,128.22,127.91,126.37,125.72,125.49,125.39,123.66,122.70,52.35,45.48,45.27,31.70,28.57,26.32,21.29.
【0184】
【化40】

調製例10:4−(4−ヨードフェニル)−テトラヒドロピラン−4−カルボニトリル.
室温にて、(4−ヨードフェニル)−アセトニトリル(2.43g、10.0mmol)のDMSO(50ml)中溶液に、水素化ナトリウム(油中60%、1.2g、30mmol)を加えた。30分間撹拌した後、ビス−2−クロロエチルエーテル(1.57g、11mmol)を加えた。さらに1時間撹拌した後、室温にて、溶液をブライン/水(1:1)に注ぎ、ジエチルエーテルで2回抽出した。合した有機相を、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を、クロマトグラフィー(石油エーテル中15%酢酸エチル)に付して精製し、固体として表題化合物を得た。
【0185】
【化41】

調製例11:(R)−4−(4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロプ−1−イニル]−フェニル)−テトラヒドロピラン−4−カルボニトリル
ヨウ化アリールとして4−(4−ヨードフェニル)−テトラヒドロピラン−4−カルボニトリル(調製例10)を用いて、一般的製法Aを実施した。生成物を、酢酸エチルおよび石油エーテル(1:2)でクロマトグラフィーに付して精製し、油として表題化合物を得た。13C NMR(75MHz,CDCl3)δ140.11,139.47,134.05,132.37,131.40,129.01,127.50,125.84,125.76,125.50,125.39,123.56,123.23,122.99,121.45,89.11,82.66,64.97,51.90,41.82,36.95,36.57,23.14.
【0186】
【化42】

調製例12:(R)−4−(4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル)−テトラヒドロピラン−4−カルボニトリル
(R)−4−(4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロプ−1−イニル]−フェニル)−テトラヒドロピラン−4−カルボニトリル(調製例11)を用いて、一般的製法Bを実施した。13C NMR(75MHz,DMSO)δ140.61,137.60,134.03,133.26,130.22,128.78,128.74,126.83,126.05,125.48,124.32,122.53,121.94,64.27,51.92,44.67,40.54,35.54,31.27,26.82,19.88.
【0187】
【化43】

実施例16:(R)−4−(4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル)−テトラヒドロピラン−4−カルボン酸(化合物1016).
(R)−4−(4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル)−テトラヒドロピラン−4−カルボニトリル(調製例12)を、還流下にて一晩メタノールおよび水(1:4)中で過剰量の水酸化ナトリウムで加水分解した。塩酸で中和し、水で希釈した後、メタノールを真空中で除去した。生成物を沈殿させ、濾過して回収し、水およびジエチルエーテルで洗浄して、乾燥後、無色固体として表題化合物を得た。13C NMR(75MHz,DMSO)δ175.58,141.56,140.32,139.93,133.38,130.75,128.59,127.93,126.86,125.79,125.53,125.38,125.28,122.94,122.88,65.03,52.86,47.79,46.41,34.43,32.26,30.57,23.04.
【0188】
一般的製法C
アルゴン下、酸(1当量)のDMF(1M)中溶液または懸濁液に、CDI(1.5当量)を加えた。混合物を室温にて6時間撹拌した後、アミン(1.2当量)を加えた。室温にて一晩撹拌し続けた。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合した有機抽出液を、水性NaHCOおよびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させて、減圧下で濃縮した。残渣を、連続勾配フラッシュクロマトグラフィーに付して精製した。
【0189】
【化44】

実施例17:4−[3−((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−N−((R)−2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3−イル)−ベンズアミド(化合物1017)
(R)−4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸(化合物1010)および(R)−3−アミノ−ジヒドロ−フラン−2−オン 塩酸塩を用いて、一般的製法Cを実施した。生成物を、HPLC−MSに付して精製し、表題化合物を得た。13C NMR(75MHz,DMSO)δ175.72,166.24,164.12,146.20,139.96,133.85,131.38,131.13,129.11,128.69,128.62,127.67,126.42,125.99,125.90,123.47,123.33,55.26,53.31,48.74,46.54,32.85,30.42,28.35,23.06.
【0190】
【化45】

実施例18:4−ヒドロキシ−2R−{4−[3−((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−ベンゾイルアミノ}−酪酸(化合物1018).
4−[3−((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−N−((R)−2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3−イル)−ベンズアミド(化合物1017)を、メタノール−水(3:1)中で過剰量のLiOH(5当量)で加水分解した。室温にて5.5時間混合物を撹拌した後、メタノールを真空中で除去し、残渣をメタノールおよびDCM(0−80%)の勾配でフラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、表題化合物を得た。13C NMR(75MHz,DMSO)δ174.08,165.96,145.25,139.47,133.38,131.67,130.67,128.63,128.20,127.99,127.20,125.94,125.52,125.42,123.01,122.85,57.82,52.81,50.45,46.07,34.03,32.38,29.99,22.58.
【0191】
【化46】

実施例19:(R)−(2,2−ジメチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−アセトイルアミノ)−酢酸メチル 塩酸塩(化合物1019).
(R)−2’,2’−ジメチル−2’−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−酢酸 塩酸塩(化合物1015)およびアミノ−酢酸メチルエステルを用いて、一般的製法Cを実施した。生成物を、DCM中メタノールの勾配(0−10%)でフラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、表題化合物を得た。13C NMR(151MHz,DMSO)δ176.40,170.27,143.03,141.76,140.01,133.41,130.84,128.55,127.86,126.46,125.64,125.56,125.14,122.99,122.63,53.28,51.40,46.92,45.55,41.02,32.46,31.53,26.86,23.85.
【0192】
【化47】

実施例20:(R)−(2,2−ジメチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−アセトイルアミノ)−酢酸(化合物1020).
(R)−(2,2−ジメチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−アセトイルアミノ)−酢酸メチル 塩酸塩(化合物1019)を、メタノールおよび水(3:1)中で過剰量の水酸化リチウム(5当量)で加水分解した。室温にて3時間撹拌した後、メタノールを真空中で除去し、水性希HClをpH2になるように加えた。そうして形成された沈殿物を濾去し、乾燥させて、表題化合物を得た。13C NMR(151MHz,DMSO)δ175.41,170.90,143.21,140.53,139.71,133.38,130.75,128.58,127.91,126.82,125.77,125.70,125.55,125.28,122.93,122.87,52.98,46.51,45.51,42.55,32.27,30.77,26.87,23.19.
【0193】
【化48】

実施例21:(R)−3−(2,2−ジメチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−アセトイルアミノ)−プロピオン酸(化合物1021)
酸として(R)−2’,2’−ジメチル−2’−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−酢酸、塩酸塩(化合物1015)およびアミンとして3−アミノ−プロピオン酸メチルエステル塩酸塩を用いて、一般的製法Cを実施した。中間体アミドエステルを、フラッシュクロマトグラフィー(DCM−メタノール 9:1)に付して精製し、(R)−3−(2−メチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−プロピオニルアミノ)−プロピオン酸メチルエステルを得た。エステルを、メタノール−水(3:1)中で過剰量のLiOH(5当量)で加水分解した。室温にて3時間撹拌した後、メタノールを真空中で除去し、水性希HClをpH2になるように加えた。そうして形成された沈殿物を濾去し、乾燥させて、表題化合物を得た。13C NMR(151MHz,DMSO)δ175.76,173.15,143.44,139.25,133.34,130.56,128.67,127.96,127.46,126.14,125.55,123.26,122.75,52.49,45.60,35.18,33.78,31.90,30.59,29.59,26.73,26.65,22.10.
【0194】
【化49】

実施例22:(R)−1−(2,2−ジメチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−アセトイル)−ピペリジン−4−カルボン酸 塩酸塩(化合物1022)
酸として(R)−2’,2’−ジメチル−2’−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−酢酸、塩酸塩(化合物1015)およびアミンとして4−ピペリジンカルボン酸メチル 塩酸塩を用いて、一般的製法Bを実施した。中間体アミドエステルを、フラッシュクロマトグラフィー(DCM−メタノール 9:1)に付して精製し、(R)−1−(2−メチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−プロピオニル)−ピペリジン−4−カルボン酸メチルエステルを得た。該エステルを、メタノール−水(3:1)中で過剰量のLiOH(5当量)で加水分解した。室温にて3時間撹拌した後、メタノールを真空中で除去し、水性希HClをpH2になるように加えた。そうして形成された沈殿物を濾去し、乾燥させて、表題化合物を得た。13C NMR(151MHz,DMSO)δ175.39,173.21,143.68,138.45,133.26,130.29,128.76,128.45,126.63,125.92,125.46,124.43,124.00,122.58,52.09,48.47,45.94,44.93,31.38,さらに28.5と27.0の間いくつかの非常に広範なピーク,および約20.5.
【0195】
【化50】

実施例23:(R)−2−メチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−ベンゾイルアミノ}−プロピオン酸メチルエステル(化合物1023)
酸として(R)−4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸(化合物1010)およびアミンとして2−アミノ−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル 塩酸塩を用いて、一般的製法Cを実施した。生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM中5−10%メタノール)に付して精製し、表題化合物を得た。13C NMR(151MHz,DMSO)δ174.40,165.71,145.90,141.71,133.41,131.19,130.83,128.55,127.91,127.41,126.49,125.58,125.56,125.15,122.99,122.62,55.32,53.32,51.69,46.68,32.70,31.31,24.88,23.83.
【0196】
【化51】

実施例24:(R)−2−メチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−ベンゾイルアミノ}−プロピオン酸(化合物1024)
(R)−2−メチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−ベンゾイルアミノ}−プロピオン酸メチルエステル(化合物1023)を、メタノール−水(3:1)中で過剰量のLiOH(5当量)で加水分解した。室温にて3時間撹拌した後、メタノールを真空中で除去し、水性希HClをpH2になるように加えた。そうして形成された沈殿物を濾去し、乾燥させて、表題化合物を得た。13C NMR(151MHz,DMSO)δ175.76,165.32,144.48,136.33,133.29,132.08,130.38,128.74,128.09,127.86,127.33,126.45,125.78,125.49,123.79,122.65,55.40,52.33,45.26,31.96,28.16,24.83,21.04.
【0197】
【化52】

実施例25:(R)−[(4−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−アミノ]−酢酸メチルエステル(化合物1025).
酸として(R)−4−(4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル)−テトラヒドロピラン−4−カルボン酸(化合物1016)およびアミンとしてアミノ−酢酸メチルエステル 塩酸塩を用いて、一般的製法Cを実施した。生成物を、ヘプタンおよび酢酸エチルの勾配でフラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、表題化合物を得た。13C NMR(75MHz,DMSO)δ173.66,141.75,141.26,140.42,133.42,130.85,128.54,128.06,126.46,125.55,125.37,125.13,122.99,122.64,64.37,53.27,51.41,47.36,46.87,40.97,34.29,32.40,31.43,23.81.
【0198】
【化53】

実施例26:(R)−[(4−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−アミノ]−酢酸(化合物1026).
(R)−[(4−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−アミノ]−酢酸メチルエステル(化合物1025)を、メタノール−水(3:1)中で過剰量のLiOH(5当量)で加水分解した。100℃にて1.5時間混合物を還流した後、メタノールを真空中で除去し、水性希HClをpH5−6になるように加えた。そうして形成された沈殿物を濾去し、乾燥させて、白色固体として表題化合物を得た。13C NMR(75MHz,DMSO)δ173.27,171.26,141.63,139.55,137.95,133.34,130.53,128.68,128.04,127.63,126.19,125.60,125.50,123.35,122.77,64.34,52.53,47.36,45.83,41.32,34.31,31.86,29.22,21.81.
【0199】
【化54】

実施例27:(R)−3−[(4−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸メチルエステル(化合物1027)
酸として(R)−4−(4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル)−テトラヒドロピラン−4−カルボン酸(化合物1016)およびアミンとして3−アミノ−プロピオン酸メチルエステル 塩酸塩を用いて、一般的製法Cを実施した。生成物を、DCMおよび酢酸エチルの勾配でフラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、表題化合物を得た。13C NMR(75MHz,DMSO)δ173.01,171.61,141.74,141.43,140.30,133.41,130.85,128.54,128.07,126.46,125.55,125.29,125.13,123.00,122.64,64.45,53.27,51.15,47.37,46.85,35.27,34.10,33.36,32.38,31.39,23.81.
【0200】
【化55】

実施例28:(R)−3−[(4−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸(化合物1028).
(R)−3−[(4−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸メチルエステル(化合物1027)を、メタノール−水(3:1)中で過剰量のLiOH(5当量)で加水分解した。100℃にて1時間混合物を還流した後、メタノールを真空中で除去し、水性希HClをpH5−6になるように加えた。そうして形成された沈殿物を濾去し、乾燥させて、白色固体として表題化合物を得た。13C NMR(75MHz,DMSO)δ172.97,141.62,139.56,133.34,130.56,128.67,128.11,127.53,126.16,125.56,125.50,125.44,123.38,122.75,64.47,52.51,47.40,45.65,35.33,34.10,34.05,33.73,31.86,29.31,21.96.
【0201】
【化56】

実施例29:(R)−1−(4−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−アゼチジン−3−カルボン酸メチルエステル(化合物1029)
酸として(R)−4−(4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル)−テトラヒドロピラン−4−カルボン酸(化合物1016)およびアミンとしてアゼチン−3−カルボン酸メチルエステルを用いて、一般的製法Cを実施した。生成物を、ヘプタンおよび酢酸エチルの勾配でフラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、表題化合物を得た。H NMR(300MHz,DMSO)δ8.31−8.22(m,1H),7.94−7.87(m,1H),7.76(d,1H),7.68(d,1H),7.55−7.43(m,3H),7.19−7.09(m,4H),4.52(q,1H),4.04−3.91(m,1H),3.89−3.77(m,1H),3.75−3.62(m,3H),3.61−3.44(m,6H),3.28−3.15(m,2H),2.67−2.52(m,2H),2.50−2.31(m,2H),2.21−2.07(m,2H),1.89−1.65(m,4H),1.36(d,3H).
【0202】
【化57】

実施例30:(R)−1−(4−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−アゼチジン−3−カルボン酸(化合物1030)
(R)−1−(4−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−アゼチジン−3−カルボン酸メチルエステル(化合物1029)を、メタノール−水(3:1)中で過剰量のLiOH(5当量)で加水分解した。100℃にて3時間混合物を還流した後、メタノールを真空中で除去し、水性希HClをpH5−6になるように加えた。そうして形成された沈殿物を濾去し、乾燥させて、白色固体として表題化合物を得た。H NMR(500MHz,DMSO)δ8.25(d,1H),7.89(d,1H),7.78(d,1H),7.70(d,1H),7.54−7.42(m,3H),7.13(q,4H),4.73(q,1H),3.82(t,2H),3.77−3.53(m,6H),3.17−3.06(m,1H),2.70−2.52(m,4H),2.17(d,2H),1.90−1.75(m,4H),1.49(d,3H).
【0203】
【化58】

調製例13:(R)−N−[1−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)エチル]−プロプ−2−イン−1−アミン.
(R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)−エチルアミン(44mmol)のDMSO(100ml)中溶液に、CsCOを加え、次いで、激しく撹拌しながら臭化プロパルギルを滴下した。加え終わった後に、反応混合物を室温にて2時間撹拌し、濾過した。ブライン、水およびジエチルエーテルを加えた。水相を分離し、ジエチルエーテルで3回抽出した。合した有機抽出液を、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、黄褐色油を得た。クロマトグラフィーに付して、淡黄色油として表題化合物を得た。H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.06−6.95(m,2H),6.89−6.79(m,1H),3.99(q,J=6.5Hz,1H),3.90(s,3H),3.37(dd,J=17.2,1.2Hz,1H),3.15(d,J=17.1Hz,1H),2.26−2.18(m,1H),1.35(d,J=6.5Hz,3H).
【0204】
一般的製法D(薗頭).
4mlバイアル中にて、ヨウ化アリール(25μmol、1当量)および(R)−N−[1−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)エチル]−プロプ−2−イン−1−アミン(調製例13)(28μmol、1.1当量)を0.5mlジエチルアミンに溶解した。CuI(0.1当量)およびPd(PPhCl(0.01当量)を加えた。バイアルをアルゴンでフラッシュし、ねじ式キャップで密封し、室温にて一晩振盪した。反応混合物を減圧下で濃縮し、逆相HPLCに付して精製した。
【0205】
一般的製法E(触媒移動水素化)
Pd/C(10mg)を含有するアルキン(0.10mmol)およびトリエチルシラン(0.80mmol)のメタノール(2ml)中溶液を、アルゴン下で撹拌した。水素化をLC−MSによりモニターし、一般的に、1.5時間後に完全に変換していた。触媒を細孔フィルターに通して濾去し、濾液を減圧下で濃縮して、逆相分取HPLC後に生成物を得た。
【0206】
【化59】

調製例14:(R)−4−{3−[1−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−プロプ−1−イニル}−安息香酸.
ヨウ化アリールとして4−ヨード安息香酸を用いて、一般的製法Dを実施した。
【0207】
【化60】

実施例31:(R)−4−[3−[[1−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)エチル]アミノ]−プロピル]安息香酸(化合物1031)
出発物質として(R)−4−{3−[1−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−プロプ−1−イニル}−安息香酸(調製例14)を用いて、一般的製法Eを実施した。1H NMR(600MHz,DMSO)δ7.81(d,2H),7.26(d,2H),7.13(dd,1H),7.09(dd,1H),6.87−6.84(m,1H),3.81(s,3H),3.69−3.64(m,1H),2.71−2.57(m,2H),2.40−2.34(m,1H),2.31−2.25(m,1H),1.72−1.66(m,2H),1.23(d,3H).
【0208】
【化61】

実施例32:(R)−3−{3−[1−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−プロピル}−安息香酸(化合物1032)
ヨウ化アリールとして3−ヨード安息香酸を用いて一般的製法Dにしたがって薗頭反応、および一般的製法Eにしたがって水素化を連続して実施することによって表題化合物を生成した。1H NMR(600MHz,DMSO)δ7.76(br s,1H),7.72(dt,1H),7.36−7.31(m,2H),7.20(dd,1H),7.11(dd,1H),6.92−6.88(m,1H),3.81(s,3H),3.77(q,1H),2.70−2.57(m,2H),2.43(dt,1H),2.34(dt,1H),1.77−1.69(m,2H),1.29(d,3H).
【0209】
【化62】

調製例15:(4−ヨード−フェノキシ)−酢酸メチルエステル.
5−ヨードフェノール(1.39g、6.34mmol)を、DMF(6ml)に溶解し、室温にて一晩KCO(1.31g、9.50mmol)およびブロモ酢酸メチル(1.16g、7.60mmol)で処理した。反応混合物をEtOAcと水の間に分配した。水相をEtOACで抽出し、合した有機相をブラインで洗浄した。乾燥させ、真空中で溶媒を除去した後、1.84gの表題化合物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.61−7.53(m,2H),6.71−6.65(m,2H),4.61(s,2H),3.80(s,3H).
【0210】
【化63】

調製例16:3−(4−ヨード−フェニル)−アクリル酸メチルエステル.
(トリフェニルホスホラニリデン)酢酸メチルエステル(1.44g、4.31mmol)を、乾THF(5ml)に溶解し、50℃にて一晩4−ヨードベンズアルデヒド(1g、4.31mmol)で処理した。反応混合物を冷却し、石油エーテルを加えた。白色固体が沈殿し、それを濾去した。濾液を真空中で濃縮し、EtOAc/石油エーテルに再溶解し、水およびブラインで洗浄した。乾燥させ、真空中で溶媒を除去した後、残渣をクロマトグラフィー(10%EtOAc/石油エーテル)に付して精製し、白色固体として1.13gの表題化合物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.76−7.68(m,2H),7.60(d,J=16.0Hz,1H),7.29−7.20(m,2H),6.44(d,J=16.0Hz,1H),3.80(s,3H).
【0211】
【化64】

調製例17:3−(3−ヨード−フェニル)−アクリル酸メチルエステル.
(トリフェニルホスホラニリデン)酢酸メチルエステル(1.44g、4.31mmol)を、乾THF(5ml)に溶解し、50℃にて一晩3−ヨードベンズアルデヒド(1g、4.31mmol)で処理した。反応混合物を冷却し、石油エーテルを加えた。白色固体が沈殿し、それを濾去した。濾液を真空中で濃縮し、EtOAc/石油エーテルに再溶解し、水およびブラインで洗浄した。乾燥させ、真空中で溶媒を除去した後、残渣をクロマトグラフィー(10%EtOAc/石油エーテル)に付して精製し、0.87gの表題化合物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.87(t,J=1.6Hz,1H),7.74−7.68(m,1H),7.58(d,J=16.1Hz,1H),7.47(d,J=7.7Hz,1H),7.12(t,J=7.8Hz,1H),6.41(d,J=16.1Hz,1H),3.81(s,3H).
【0212】
【化65】

調製例18:2−フルオロ−4−ヨードフェノール.
2−フルオロフェノール(1.12g)を、メタノール、15mlで希釈し、水酸化ナトリウム(720mg、1.8当量)を加えた。アルカリが溶解した時に、反応混合物を0℃に冷却し、ヨウ素(2.54g、1当量)を加えた。5分後、混合物をEtOAcおよび水で後処理した。有機物を乾燥させ、真空中で濃縮し、クロマトグラフィー(ヘプタン中7%EtOAc)に付して精製した。714mg得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.39(m,1H),7.33(m,1H),6.76(m,1H),5.23(br,1H).
【0213】
【化66】

調製例19:(2−フルオロ−4−ヨード−フェノキシ)−酢酸エチルエステル.
2−フルオロ−4−ヨードフェノール(調製例18、628mg)をDMF(5ml)に溶解し、室温にて一晩ブロモ酢酸エチル(273μl、1.05当量)および炭酸カリウム(470mg、1,2当量)で処理した。EtOAcと水の間に分配した後、有機物を乾燥させ、0.02mmHgまで下げた真空中で濃縮した。770mgの結晶物質を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.26(m,1H),7.17(m,1H),6.82(t,1H),4.66(s,2H),4.26(t,2H),1.29(t,3H).
【0214】
【化67】

調製例20:2−フルオロ−4−ブロモフェニルプロパン酸メチル.
2−フルオロ−4−ブロモフェニルプロパン酸(1g、4.05mmol)をDMF(8ml)に溶解し、室温にて一晩ヨウ化メチル(350μl、1.4当量)および炭酸カリウム(1g、1.8当量)で処理した。反応混合物をEtOAcと水の間に分配した。水相をEtOAcで抽出し、有機相を合し、水で洗浄した。乾燥させ、真空中で溶媒を除去した後、1.03gの純粋な生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3) 7.38(m,2H),6.95(dd,1H),3.66(s,3H),2.92(t,2H),2.61(t,2H).
【0215】
【化68】

調製例21:2−フルオロ−4−ヨードフェニルプロパン酸メチル
2−フルオロ−4−ブロモフェニルプロパン酸メチル(調製例20、1.03g、3.95mmol)、ヨウ化銅(38mg、0.05当量)およびヨウ化ナトリウム(1.2g、2当量)を、アルゴン下で乾燥25丸底フラスコ中に加えた。N,N’−ジメチル−エチレンジアミン(43μl、0.1当量)および乾ジオキサン(5ml)を加え、110℃にて一晩加熱した。EtOAcで水性後処理した後、9%残存ブロモ基質を含有する、粗生成物を得た。ヨード芳香族化合物その物を用いた。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.43−7.34(m,2H),6.95(t,1H),3.66(s,3H),2.92(t,J=7.6Hz,2H),2.61(t,J=7.6Hz,2H).
【0216】
【化69】

調製例22:(R)−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロプ−1−イニル]−フェノキシ}−酢酸メチルエステル.
ヨウ化アリールとして(4−ヨード−フェノキシ)−酢酸メチルエステルを用いて、一般的製法Aを実施した。
【0217】
【化70】

実施例33:(R)−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェノキシ}−酢酸(化合物1033)
アルキンとして(R)−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロプ−1−イニル]−フェノキシ}−酢酸メチルエステル(調製例22)を用いて、一般的製法Eを実施した。中間体メチルエステルを、メタノール中20%NaOHで加水分解し(室温にて一晩)、HPLCに付して精製し、表題化合物を得た。1H NMR(600MHz,DMSO)δ8.24(d,1H),7.95−7.92(m,1H),7.81(d,1H),7.73(d,1H),7.56−7.48(m,3H),7.00(d,2H),6.72(d,2H),4.73−4.66(m,1H),4.41(s,2H),2.59−2.41(m,4H),1.71(p,2H),1.42(d,3H).
【0218】
【化71】

実施例34:(R)−3−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−プロピオン酸(化合物1034)
ヨウ化アリールとして3−(4−ヨード−フェニル)−アクリル酸メチルエステルを用いて一般的製法Aにしたがって薗頭反応を実施し、引き続き、実施例33と同法の水素化および加水分解の反応を実施することによって、表題化合物を生成した。1H NMR(600MHz,DMSO)δ8.26(d,1H),7.94−7.89(m,1H),7.77(d,1H),7.69(d,1H),7.54−7.45(m,3H),7.07(d,2H),7.03(d,2H),4.54(q,1H),2.75(t,2H),2.61−2.34(m,6H),1.75−1.64(m,2H),1.36(d,3H).
【0219】
【化72】

実施例35:(R)−3−(3−{3−[1−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−プロピル}−フェニル)−プロピオン酸(化合物1035)
ヨウ化アリールとして3−(3−ヨード−フェニル)−アクリル酸メチルエステル(調製例17)を用いて一般的製法Dにしたがって薗頭反応を実施し、引き続き、実施例33と同法の水素化および加水分解の反応を実施することによって、表題化合物を生成した。1H NMR(600MHz,DMSO)δ7.15−7.12(m,2H),7.09(dd,1H),7.01−6.94(m,3H),6.86(ddd,1H),3.81(s,3H),3.66(q,1H),2.75(t,2H),2.59−2.45(m,2H),2.46(t,2H),2.36(dt,1H),2.28(dt,1H),1.65(p,2H),1.22(d,3H).
【0220】
【化73】

実施例36:(R)−3−{3−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−プロピオン酸(化合物1036)
ヨウ化アリールとして3−(3−ヨード−フェニル)−アクリル酸メチルエステル(調製例17)を用いて一般的製法Aにしたがって薗頭反応を実施し、引き続き、実施例33と同法の水素化および加水分解の反応を実施することによって、表題化合物を生成した。1H NMR(600MHz,DMSO)δ8.27(d,1H),7.94−7.89(m,1H),7.77(d,1H),7.69(d,1H),7.55−7.46(m,3H),7.15−7.09(m,1H),7.01−6.92(m,3H),4.54(q,1H),2.74(t,2H),2.62−2.34(m,6H),1.76−1.54(m,2H),1.37(d,3H).
【0221】
【化74】

実施例37:(R)−2−[2−フルオロ−4−[3−[[1−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)エチル]アミノ]プロピル]フェノキシ]酢酸(化合物1037)
ヨウ化アリールとして(2−フルオロ−4−ヨード−フェノキシ)−酢酸エチルエステル(調製例19)を用いて一般的製法Dにしたがって薗頭反応を実施し、引き続き、実施例33と同法の水素化および加水分解の反応を実施することによって、表題化合物を生成した。1H NMR(600MHz,DMSO)δ7.36(d,J=7.4Hz,1H),7.18(dd,J=11.4,8.3Hz,1H),7.01−6.97(m,1H),6.95(dd,J=12.6,1.9Hz,1H),6.80(t,J=8.7Hz,1H),6.71(d,J=8.5Hz,1H),4.42(s,2H),4.06(q,1H),2.66−2.57(m,1H),2.54(s,3H),2.50−2.38(m,3H),1.79−1.68(m,2H),1.44(d,J=6.7Hz,3H).
【0222】
【化75】

実施例38:(R)−{2−フルオロ−4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェノキシ}−酢酸(化合物1038)
ヨウ化アリールとして(2−フルオロ−4−ヨード−フェノキシ)−酢酸エチルエステル(調製例19)を用いて一般的製法Aにしたがって薗頭反応を実施し、引き続き、実施例33と同法の水素化および加水分解の反応を実施することによって、表題化合物を生成した。1H NMR(600MHz,DMSO)δ8.23(d,J=8.4Hz,1H),7.98−7.94(m,1H),7.87(d,J=8.2Hz,1H),7.79(d,J=7.1Hz,1H),7.59−7.51(m,3H),6.96(dd,J=12.6,1.9Hz,1H),6.83(t,J=8.7Hz,1H),6.76(d,J=8.3Hz,1H),4.96−4.87(m,1H),4.48(s,2H),2.74−2.65(m,1H),2.57−2.42(m,3H),1.80−1.72(m,2H),1.51(d,J=6.6Hz,3H).
【0223】
【化76】

実施例39:(R)−3−{2−フルオロ−4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−プロピオン酸(化合物1039)
ヨウ化アリールとして2−フルオロ−4−ヨードフェニルプロパン酸メチル(調製例21)を用いて一般的製法Aにしたがって薗頭反応を実施し、引き続き、実施例33と同法の水素化および加水分解の反応を実施することによって、表題化合物を生成した。1H NMR(600MHz,DMSO)δ8.26(d,J=8.2Hz,1H),7.94−7.90(m,1H),7.78(d,J=8.1Hz,1H),7.69(d,J=7.0Hz,1H),7.54−7.47(m,3H),7.14(t,J=8.0Hz,1H),6.91(dd,J=15.5,9.6Hz,2H),4.57(q,J=6.4Hz,1H),2.77(t,J=7.7Hz,2H),2.63−2.44(m,3H),2.49−2.46(m,3H),2.43−2.36(m,1H),1.74−1.67(m,2H),1.37(d,J=6.6Hz,3H).
【0224】
【化77】

実施例40:(R)−3−(2−フルオロ−4−{3−[1−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−プロピル}−フェニル)−プロピオン酸(化合物1040)
ヨウ化アリールとして2−フルオロ−4−ヨードフェニルプロパン酸メチル(調製例21)を用いて一般的製法Dにしたがって薗頭反応を実施し、引き続き、実施例33と同法の水素化および加水分解の反応を実施することによって、表題化合物を生成した。1H NMR(600MHz,DMSO)δ7.16(t,J=8.1Hz,2H),7.10(dd,J=11.5,8.2Hz,1H),6.94−6.89(m,2H),6.89−6.85(m,1H),3.82(s,3H),3.72(dd,J=13.2,6.6Hz,1H),2.78(t,J=7.7Hz,2H),2.62−2.49(m,2H),2.47(t,J=7.7Hz,2H),2.43−2.36(m,1H),2.32−2.27(m,1H),1.70−1.64(m,2H),1.25(d,J=6.6Hz,3H).
【0225】
【化78】

調製例23:3−(4−ブロモ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−アクリル酸メチルエステル.
(トリフェニルホスホラニリデン)酢酸メチル(1.32g、3.95mmol)および4−ブロモ−2−トリフルオロメチルベンズアルデヒド(1.0g、3.95mmol)のTHF(5ml)中溶液を、50℃にて一晩加熱した。石油エーテルを反応混合物に加え、得られた沈殿物を濾去した。濾液を減圧下で濃縮し、表題化合物(トランス体、85%)および対応するシス異性体(15%)の粗混合物を得た。
【0226】
【化79】

調製例24:3−(4−ヨード−2−トリフルオロメチル−フェニル)−アクリル酸メチルエステル.
3−(4−ブロモ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−アクリル酸メチルエステル(3.95mmol)、NaI(1.18g、7.9mmol)、CuI(38mg、0.20mmol)およびN,N’−ジメチルエチレンジアミン(35mg、0.40mmol)の5mlジオキサン中混合物を、110℃にて一晩加熱した。反応混合物を冷却し、EtOAcと水/ブラインの間に分配した。有機相を乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、表題化合物を得た。(85%トランス体、15%シス体)。
【0227】
【化80】

実施例41:(R)−3−[4−[3−[[1−(1−ナフチル)エチル]アミノ]プロピル]−2−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン酸(化合物1041)
ヨウ化アリールとして3−(4−ヨード−2−トリフルオロメチル−フェニル)−アクリル酸メチルエステル(調製例24)を用いて一般的製法Aにしたがって薗頭反応を実施し、引き続き、実施例33と同法の水素化および加水分解の反応を実施することによって、表題化合物を生成した。1H NMR(600MHz,DMSO)δ8.26(d,J=8.3Hz,1H),7.93−7.90(m,1H),7.78(d,J=8.1Hz,1H),7.69(d,J=6.9Hz,1H),7.54−7.44(m,4H),7.39−7.34(m,2H),4.59(q,J=6.5Hz,1H),2.96−2.90(m,2H),2.72−2.59(m,2H),2.53−2.46(m,3H),2.44−2.38(m,1H),1.78−1.69(m,2H),1.38(d,J=6.6Hz,3H).

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化1】

[式中:
Aは、C1−10ヘテロアリール、C6−14アリールまたはC6−10ヘテロシクロアルキルアリールであり、各場合において独立して、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシおよびC1−6−アルケニルオキシからなる群より選択される置換基で置換されていてもよく、ここで、該C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシまたはC2−6−アルケニルオキシは、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチルまたはNHから選択される置換基で置換されていてもよく;
、R、R、R、RおよびRは、相互に独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシおよびC2−6−アルケニルオキシからなる群より選択され;
は、各場合において独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシおよびC1−6−アルケニルオキシからなる群より選択され、ここで、該C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシまたはC2−6−アルケニルオキシは、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチルまたはNHから選択される1または複数の置換基で置換されていてもよく;
nは、0〜3の整数であり;
は、水素であるかまたはC1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシ、C1−6−アルケニルオキシ、C1−5−ヘテロシクリル、C1−5−ヘテロシクリル−C1−6−アルキルおよびC1−5−ヘテロシクリル−C2−6−アルケニルからなる群より選択され、各場合において独立して、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシおよびC1−6−アルケニルオキシからなる群より選択される置換基で置換されていてもよく、ここで、該C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシまたはC2−6−アルケニルオキシは、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチルまたはNHから選択される置換基で置換されていてもよいか、あるいは
は、C3−4−アルキレンであり、−C(O)−Oと一緒にGに結合した5または6員の環または複素環を形成し;
XはOであり;
Gは、直接結合であるかまたはC1−6−アルキレン、−O−C1−6−アルキレン、C2−6−アルケニレン、−O−C2−6−アルケニレン、C1−5−ヘテロシクリレン、−R−CONH−Rおよび−R−CO−Rからなる群より選択され;
、R、RおよびRは、相互に独立して、直接結合であるかまたはC1−6−アルキレン、C2−6−アルケニレン、C3−6−シクロアルキレンもしくはC1−5−ヘテロシクリレンであり、ここで、該C1−6−アルキレン、C2−6−アルケニレン、C3−6−シクロアルキレンまたはC1−5−ヘテロシクリレンは、各場合において独立して、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシおよびC1−6−アルケニルオキシからなる群より選択される置換基で置換されていてもよく、ここで、該C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシまたはC2−6−アルケニルオキシは、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチルまたはNHから選択される置換基で置換されていてもよい]
で示される化合物またはその立体異性体、医薬上許容される塩、溶媒和物、水和物もしくはインビボ加水分解性エステル。
【請求項2】
一般式Ia:
【化2】

[式中:
Aは、C1−10ヘテロアリール、C6−14アリールまたはC6−10ヘテロシクロアルキルアリールであり、各場合において独立して、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシおよびC1−6−アルケニルオキシからなる群より選択される置換基で置換されていてもよく、ここで、該C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシまたはC2−6−アルケニルオキシは、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチルまたはNHから選択される置換基で置換されていてもよく;
、R、R、R、RおよびRは、相互に独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシおよびC2−6−アルケニルオキシからなる群より選択され;
は、各場合において独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシおよびC1−6−アルケニルオキシからなる群より選択され、ここで、該C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシまたはC2−6−アルケニルオキシは、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチルまたはNHから選択される置換基で置換されていてもよく;
nは、0〜3の整数であり;
は、水素であるかまたはC1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシ、C1−6−アルケニルオキシ、C1−5−ヘテロシクリル、C1−5−ヘテロシクリル−C1−6−アルキルおよびC1−5−ヘテロシクリル−C2−6−アルケニルからなる群より選択され、各場合において独立して、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシおよびC1−6−アルケニルオキシからなる群より選択される置換基で置換されていてもよく、ここで、該C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシまたはC2−6−アルケニルオキシは、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチルまたはNHから選択される1または複数の置換基で置換されていてもよいか、あるいは
は、C3−4−アルキレンであり、隣接した−C(O)−Oと一緒にGに結合した5または6員の環または複素環を形成し;
XはOであり;
Gは、直接結合であるかまたはC1−6−アルキレン、−O−C1−6−アルキレン、C2−6−アルケニレン、−O−C2−6−アルケニレン、C1−5−ヘテロシクリレン、−R−CONH−Rおよび−R−CO−Rからなる群より選択され;
、R、RおよびRは、相互に独立して、直接結合であるかまたはC1−6−アルキレン、C2−6−アルケニレン、C3−6−シクロアルキレンもしくはC1−5−ヘテロシクリレンであり、ここで、該C1−6−アルキレン、C2−6−アルケニレン、C3−6−シクロアルキレンまたはC1−5−ヘテロシクリレンは、各場合において独立して、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシおよびC1−6−アルケニルオキシからなる群より選択される置換基で置換されていてもよく、ここで、該C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C1−6−アルキルオキシまたはC2−6−アルケニルオキシは、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチルまたはNHから選択される置換基で置換されていてもよい]
で示される化合物またはその立体異性体、医薬上許容される塩、溶媒和物、水和物もしくはインビボ加水分解性エステル。
【請求項3】
Aがナフチルである、請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
Aが4−フルオロ−3−メトキシ−フェニルである、請求項1または2記載の化合物。
【請求項5】
、R、R、R、RおよびRがすべて、水素である、前記請求項のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
、R、R、R、RおよびRの少なくとも1つがメチルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
、R、R、R、RおよびRの少なくとも1つがヒドロキシである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
nが0である、前記請求項のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
nが1である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
がヒドロキシである、請求項9記載の化合物。
【請求項11】
がFである、請求項9記載の化合物。
【請求項12】
がトリフルオロメチルである、請求項9記載の化合物。
【請求項13】
が水素である、前記請求項のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
が、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルからなる群より選択される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
がモルホリノ−エチルである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
が、隣接した−C(O)−O−と一緒に2−オキソ−テトラヒドロフラニルを示す、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
Gが直接結合である、前記請求項のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
Gがエチレンまたはメトキシである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
Gが、イソプロピレン、O−イソプロピレンまたはテトラヒドロピラニレンである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
Gが−R−CONH−Rである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
が直接結合である、請求項20記載の化合物。
【請求項22】
がC1−6−アルキレンまたはヘテロシクリレンである、請求項21記載の化合物。
【請求項23】
がイソプロピレンまたはテトラヒドロピラニレンである、請求項22記載の化合物。
【請求項24】
がC1−6−アルキレンである、請求項20〜23のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項25】
が、メチレン、エチレン、n−プロピレンまたはイソプロピレンであり、1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、トリフルオロメチル、C−C−アルキル、C1−4−アルコキシまたはヒドロキシ−C−C−アルキルから選択される置換基で置換されていてもよい、請求項24記載の化合物。
【請求項26】
Gが−R−CO−Rである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項27】
がC1−6−アルキレンまたはヘテロシクリレンである、請求項26記載の化合物。
【請求項28】
がイソプロピレンまたはテトラヒドロピラニレンである、請求項27記載の化合物。
【請求項29】
がヘテロシクリレンである、請求項26〜28のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項30】
がピペリジノまたはアゼチジノである、請求項29記載の化合物。
【請求項31】
(R)−3−(3−{1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ}−プロピル)−安息香酸エチル、塩酸塩(化合物1001)、
(R)−2−ヒドロキシ−5−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸メチルエステル塩酸塩(化合物1002)、
(R)−2−ヒドロキシ−5−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸(化合物1003)、
(R)−2−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸メチル塩酸塩(化合物1004)、
2−[3−((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸塩酸塩(化合物1005)、
(R)−2−フルオロ−5−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸(化合物1006)、
4−[3−((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−ブチル]−安息香酸メチルエステル(化合物1007)、
(R)−(2,2−ジメチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェノキシ}−アセトイルアミノ)−酢酸tert−ブチル(化合物1008)、
(R)−(2,2−ジメチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェノキシ}−アセトイルアミノ)−酢酸、塩酸塩(化合物1009)、
(R)−4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸(化合物1010)、
(R)−3−(3−{1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ}−プロピル)−安息香酸(化合物1011)、
(R)−4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−安息香酸2−モルホリン−4−イル−エチルエステル塩酸塩(化合物1012)、
4−(2−ヒドロキシ−3−{(R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ}−プロピル)−安息香酸エチル(化合物1013)、
4−(2−ヒドロキシ−3−{(R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ}−プロピル)−安息香酸(化合物1014)、
(R)−2’,2’−ジメチル−2’−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−酢酸、塩酸塩(化合物1015)、
(R)−4−(4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル)−テトラヒドロピラン−4−カルボン酸(化合物1016)、
4−[3−((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−N−((R)−2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3−イル)−ベンズアミド(化合物1017)、
4−ヒドロキシ−2R−{4−[3−((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−ベンゾイルアミノ}−酪酸(化合物1018)、
(R)−(2,2−ジメチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−アセトイルアミノ)−酢酸メチル塩酸塩(化合物1019)、
(R)−(2,2−ジメチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−アセトイルアミノ)−酢酸(化合物1020)、
(R)−3−(2,2−ジメチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−アセトイルアミノ)−プロピオン酸(化合物1021)、
(R)−1−(2,2−ジメチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−アセトイル)−ピペリジン−4−カルボン酸;塩酸塩(化合物1022)、
(R)−2−メチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−ベンゾイルアミノ}−プロピオン酸メチルエステル(化合物1023)、
(R)−2−メチル−2−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−ベンゾイルアミノ}−プロピオン酸(化合物1024)、
(R)−[(4−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−アミノ]−酢酸メチルエステル(化合物1025)、
(R)−[(4−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−アミノ]−酢酸(化合物1026)、
(R)−3−[(4−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸メチルエステル(化合物1027)、
(R)−3−[(4−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸(化合物1028)、
(R)−1−(4−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−アゼチジン−3−カルボン酸メチルエステル(化合物1029)、
(R)−1−(4−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−アゼチジン−3−カルボン酸(化合物1030)、
(R)−4−[3−[[1−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)エチル]アミノ]−プロピル]安息香酸(化合物1031)、
(R)−3−{3−[1−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−プロピル}−安息香酸(化合物1032)、
(R)−{4−[3−((1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェノキシ}−酢酸(化合物1033)、
(R)−3−{4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−プロピオン酸(化合物1034)、
(R)−3−(3−{3−[1−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−プロピル}−フェニル)−プロピオン酸(化合物1035)、
(R)−3−{3−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−プロピオン酸(化合物1036)、
(R)−2−[2−フルオロ−4−[3−[[1−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)エチル]アミノ]−プロピル]フェノキシ]酢酸(化合物1037)、
(R)−{2−フルオロ−4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェノキシ}−酢酸(化合物1038)、
(R)−3−{2−フルオロ−4−[3−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−プロピル]−フェニル}−プロピオン酸(化合物1039)、
(R)−3−(2−フルオロ−4−{3−[1−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−プロピル}−フェニル)−プロピオン酸(化合物1040)、および
(R)−3−[4−[3−[[1−(1−ナフチル)エチル]アミノ]プロピル]−2−(トリフルオロメチル)−フェニル]プロパン酸(化合物1041)
からなる群より選択される請求項1または2記載の化合物。
【請求項32】
処置において医薬として用いる、請求項1〜31のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項33】
CaSR活性の異常に付随する生理的障害または疾患の処置、緩和または予防に用いる、請求項1〜31のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項34】
CaSR活性の異常に付随する生理的障害または疾患の予防、処置または緩和のための医薬の製造における請求項1〜31のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項35】
請求項1〜31のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくはインビボ加水分解性エステルと医薬上許容されるビヒクルまたは賦形剤を共に含む医薬組成物。
【請求項36】
副甲状腺癌、副甲状腺腺腫、原発性副甲状腺過形成、心機能障害、腎機能障害または腸機能障害、中枢神経系疾患、慢性腎不全、慢性腎疾患、多発性嚢胞腎、有足細胞関連疾患、原発性副甲状腺機能亢進症、二次性副甲状腺機能亢進症、三次性副甲状腺機能亢進症、貧血、心血管疾患、腎性骨ジストロフィー、線維性骨炎、無形成骨症、骨粗鬆症、ステロイド誘発性骨粗鬆症、老人性骨粗鬆症、閉経後骨粗鬆症、骨軟化症および関連骨障害、腎移植後骨量減少、心血管疾患、消化器疾患、内分泌疾患および神経変性疾患、癌、アルツハイマー病、IBS、IBD、同化不良、栄養失調,腸運動異常、例えば、下痢、血管石灰化、カルシウム恒常性異常、高カルシウム血症、または腎性骨疾患の予防、処置または緩和方法であって、有効量の請求項1〜31のいずれか1項に記載の化合物を、所望により活性型ビタミン−Dステロールまたはビタミン−D誘導体、例えば、1−α−ヒドロキシコレカルシフェロール、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、25−ヒドロキシコレカルシフェロール、1−α−25−ジヒドロキシコレカルシフェロールと組み合わせてまたはそれをサプリメントとして、あるいはリン吸着剤、エストロゲン、カルシトニンまたはビスホスホネートと組み合わせてまたはそれをサプリメントとしてそれを必要とする患者に投与することを含む、方法。

【公表番号】特表2012−528085(P2012−528085A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512206(P2012−512206)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【国際出願番号】PCT/DK2010/000069
【国際公開番号】WO2010/136036
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(508069752)レオ ファーマ アクティーゼルスカブ (22)
【Fターム(参考)】