説明

カルバペネム系抗生物質、組成物及び調製方法

【課題】カルバペネム系抗生物質含有組成物、前記抗生物質の安定形態、及び前記組成物の調製方法を提供する。
【解決手段】式(I)


の化合物またはその医薬に許容可能な塩、プロドラッグもしくは水和物を安定形態で、及び/または二酸化炭素源との組み合わせで含有する医薬組成物を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルバペネム系抗生物質含有組成物、前記抗生物質の安定形態、及び前記組成物の調製方法に係わる。本発明の組成物は、グラム陽性菌及び陰性菌、好気性細菌及び嫌気性細菌によるものを含めた感染性疾患の治療に用い得る。本発明の化合物はβ−ラクタマーゼに対して優れた安定性を示し、かつ好ましい作用持続時間を有する。
【発明の開示】
【0002】
発明の概要
本発明は、式I
【0003】
【化9】

の化合物またはその医薬に許容可能な塩、安定形態、プロドラッグもしくは水和物を二酸化炭素源との組み合わせで含有する医薬組成物を提供する。
【0004】
発明の詳細な説明
本明細書中に用いた「安定形態」という語は、式IIの化合物において示した、ピロリジン窒素原子の位置に生成したカルバメート基を有する化合物を意味する。このようなカルバメートは、式Iの化合物またはその塩、プロドラッグもしくは水和物を炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウムといった二酸化炭素源と配合することによって得ることができる。その例を式II及びII−a〜II−gとして示す。
【0005】
「プロドラッグ」という語は、ヒドロキシエチル側鎖(カルバペネム核の6位)のヒドロキシル、カルバペネム核の3位に位置するカルボン酸、または側鎖のフェニル環上のメタ−カルボン酸基に結合した除去可能な基を有する化合物を意味する。プロドラッグの製造に有用な基は、医療化学者(medical chemist)には本明細書の教示から明らかなはずである。その例にはアリル、アセチル、ベンジルオキシカルボニル、メトキシメチル、t−ブトキシカルボニル、トリメチルシリル等が含まれる。
【0006】
「水和物」という語は通常の意味で用いてあり、水と物理的に結合した式I及びIIの化合物を包含する。
【0007】
本発明は、カルバペネム系抗生物質化合物
【0008】
【化10】

並びにその塩、安定形態、プロドラッグ及び水和物を含有する医薬組成物に係わる。化合物Iは、特に静脈内投与及び筋肉内投与によって用い得るカルバペネム系抗生物質である。
【0009】
本発明の一構成において、本発明の医薬組成物は溶解時のpHを約6.0〜約9.0とする、医薬に許容可能な任意の緩衝液を用いて調製される。例えば、重炭酸ナトリウムは上記のような緩衝液のうちで好ましいものの一つである。好ましくは、溶解時の組成物のpHは約6.2〜約8.5である。
【0010】
別の構成において本発明は、下記式IIとして示す、化合物Iの安定形態も包含する。式IIの化合物の製造には通常、溶解時に二酸化炭素を提供する任意の化合物を式Iの化合物と共に用い得る。
【0011】
【化11】

【0012】
本発明の組成物は通常、二酸化炭素源を用いて調製する。好ましい二酸化炭素源は二酸化炭素(気体、液体または固体)、炭酸塩及び重炭酸塩で、より好ましくは炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウムであり、これらは組成物に、溶解時に適当なpH、例えば約6.2〜8.5が得られるように添加し得る。化合物Iの一ナトリウム塩が自然に有するpHは約5.4である。
【0013】
式Iの化合物は、その教示が本明細書に参考として含まれる、1995年12月26日付でBetts等に付与された米国特許第5,478,820号に従って合成することができる。炭酸ナトリウムや重炭酸ナトリウムなどの二酸化炭素発生化合物と配合した凍結乾燥形態または非凍結乾燥形態の式Iの化合物を式IIの化合物に変換する。
【0014】
式IIの化合物は通常、式Iの化合物を二酸化炭素源と配合し、得られたブレンドを適当な溶媒に溶解させることによって合成し得る。式Iの化合物は二酸化炭素源とブレンド可能であり、また溶解したブレンドは通常式IIの化合物を生成させる。
【0015】
多くの場合、式Iの化合物を二酸化炭素発生化合物と共に水性溶媒に溶解させ、このようにして得られた組成物を凍結乾燥し、それによって式IIの化合物を含有する混合物を得ることが好ましい。
【0016】
式II(II及びII−a〜II−g)の化合物は溶解時、時と共に式I(I、I−a、I−b及びI−c)の化合物へと変化する。
【0017】
式Iの化合物と二酸化炭素発生化合物とを粉砕してブレンド(powder blend)し、それによって溶解時もしくは再構成時に式IIの化合物またはその塩、プロドラッグもしくは水和物が生成するようにすることが可能である。
【0018】
あるいはまた、式Iの化合物と二酸化炭素発生化合物とを溶液の状態で配合して化合物IIを生成させ、その後組成物を凍結乾燥し、それによって式IIの化合物またはその塩、プロドラッグもしくは水和物を含有する組成物を得ることも可能である。
【0019】
本発明の組成物中に用いる炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウムの量は、広い範囲内で様々とし得る。例えば、組成物中の炭酸ナトリウムの量は、少ない方では薬物1g当たり約0.025gから多い方では薬物1g当たり約0.25gまで変化させ得る。同様に、組成物中の重炭酸ナトリウムの量は、少ない方では薬物1g当たり約0.025gから多い方では薬物1g当たり約0.7gまで変化させ得る。稀釈時もしくは再構成時の組成物のpHを調節するべく、他の化合物を添加することも可能である。その例には水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、N−メチルグルカミン等が含まれる。
【0020】
本発明による組成物の特に重要な一例は、約3〜6重量部、好ましくは約4.5重量部の化合物Iまたはその医薬に許容可能な塩、安定形態、プロドラッグもしくは水和物と1重量部の重炭酸ナトリウムとを含有する。好ましくは、カルバペネムは一ナトリウム塩の形態で存在する。この組成物を溶解させた時のpHは約6.5である。薬物を上記のように配合することによって、溶液状製品の安定性を高めることができる。
【0021】
本発明による組成物の特に重要な別の例は、約4〜10重量部、好ましくは約6.7重量部の式Iの化合物またはその医薬に許容可能な塩、安定形態、プロドラッグもしくは水和物と1重量部の炭酸ナトリウムとを含有する。好ましくは、カルバペネムは一ナトリウム塩の形態で存在する。この組成物を溶解させた時のpHは約7.5である。薬物を上記のように配合することによって、溶液状製品の安定性を高めることができる。
【0022】
先に述べたように、式IまたはIIの化合物は凍結乾燥形態または非凍結乾燥形態で用い得る。凍結乾燥形態は標準的な凍結乾燥技術を用いて実現する。
【0023】
本発明の組成物には付加的な成分を添加することも可能である。本発明の組成物は好ましくは注射により投与するので、様々な稀釈剤、緩衝液、防腐剤、局所麻酔薬、張度調節剤その他の成分を添加し得る。
【0024】
稀釈剤の代表例には、注射用滅菌水、正常食塩液、デキストロース5%溶液(D5W)、乳酸塩化(lactated)リンゲル液等が含まれる。好ましくは、稀釈剤は正常食塩液または注射用滅菌水とする。
【0025】
緩衝液の代表例には、リン酸二水素ナトリウムなどのリン酸塩緩衝液、クエン酸ナトリウムなどのクエン酸塩緩衝液、メグルミン及びトリ(ヒドロキシメチル)アミノメタンが含まれる。
【0026】
防腐剤の代表例には、ブチルヒドロキシアセトン(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)及び塩化ベンザルコニウムが含まれる。
【0027】
局所麻酔薬の代表例には、ベンゾカイン、リドカイン、ノバカイン、ポントカイン等が含まれる。
【0028】
張度調節剤の代表例には、塩化ナトリウム、マンニトール、デキストロース、グルコース、ラクトース及びスクロースが含まれる。
【0029】
医薬用賦形剤の代表例には、水、マンニトール、ソルビトール、デキストロース、ラクトース、グルコース、デキストラン、スクロース、マルトース、ゼラチン、ウシ血清アルブミン(BSA)、グリシン、マンノース、リボース、ポリビニルピロリジン(PVP)、セルロース誘導体、グルタミン、イノシトール、グルタミン酸カリウム、エリトリトール、セリン及び他のアミノ酸が含まれる。
【0030】
式Iの化合物を適量の炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウムと配合して医薬組成物を調製する場合、本明細書に述べた化学種のうちのいずれか、またはその総てを稀釈時もしくは再構成時の組成物中に存在させ得る。化合物Iは遊離酸の非安定形態である。即ち、化合物IはI−a〜I−cなどの、式Iの様々な塩形態を包含する。
【0031】
【化12】

【0032】
種Xは、総電荷を中性に維持するべく必要に応じて化合物と結合して存在する電荷平衡化カチオンである。典型的には、荷電種はナトリウム、カリウム、マグネシウム等の、医薬に許容可能な塩形成イオンである。式I−aでのように化合物中に2個のカルボキシレートアニオンが見出される場合や、式I−bまたはI−cでのようにXを化合物に対して半モル量で存在させる場合などには、Ca2+などの二価種を存在させることも可能である。対イオンが二価カチオン種(bis cationic specie)、例えばCa2+を含む場合、該種は典型的にはカルバペネム部分に対して、総電荷を中性にするのに適当な量で存在する。即ち、モノカルボキシレートに対して半モル当量のCa2+を存在させれば、総電荷を中性に維持することができる。このような具体例はいずれも本発明に含まれる。
【0033】
塩形成イオンは、その教示が本明細書に参考として含まれるS.M.Berge等,J.Pharm.Sci.66(1),pp.1−16,1977に多くのものが列挙されている。
【0034】
によって表わされる塩形成カチオンとして好ましい基は、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの中から選択されたイオンである。
【0035】
より好ましくは、XはNa、Ca2+及びKの中から選択される。
【0036】
適量の二酸化炭素発生化合物、好ましくは重炭酸ナトリウムまたは炭酸ナトリウムを添加することにより、次のような安定構造を1種以上実現できる。
【0037】
【化13】

【0038】
上記化合物IIを、安定化合物の遊離酸形態と呼称する。化合物II−a〜II−gは安定化合物の塩形態である。
【0039】
【化14】


【0040】
本発明の組成物が含有する二酸化炭素発生化合物、例えば重炭酸ナトリウムまたは炭酸ナトリウムの量は、式II及びII−a〜II−gの化合物の生成に十分であり、かつ場合によっては溶解時もしくは再構成時の組成物のpHを所望の値にする量である。
【0041】
電子を平衡させ、総電荷を中性にするべく、0〜3+の電荷を有する対イオンを存在させる。本発明の組成物には様々な対イオンを添加し得る。従って、本発明の医薬組成物に例えばカルシウムとナトリウムとを一緒に添加し、それによって総電荷を中性にすることも可能である。即ち、用いる1種以上の対イオンはきわめて多様であり得る。通常、対イオンは医薬に許容可能なカチオン種とする。
【0042】
本発明のカルバペネム化合物は、動物及びヒト患者の細菌感染治療に有用である。「医薬に許容可能な塩」という語は、薬品化学者にとって明白な塩形態、即ち実質的に無毒で、かつ所望の薬物動態特性、易摂取性(palatability)、吸収、分布、代謝または分泌を実現する塩形態を意味する。選択の際にやはり重要となる、実のところより実際的な他の要因に、得られるバルク薬物の原料コスト、結晶化の容易さ、収率、安定性、吸湿性及び流動性が有る。医薬組成物は、医薬に許容可能なキャリヤと組み合わせた活性成分から都合好く調製し得る。即ち、本発明は、カルバペネム化合物を用いる医薬組成物及び細菌感染治療方法に係わる。
【0043】
カルバペネムは様々な医薬製剤に用い得る。好ましい送達手段である注射用の組成物は単位投与形態で、または多投与(multidose)容器に収容するべく調製し得る。この組成物は油性または水性の懸濁液剤、溶液剤もしくは乳濁液剤などの形態を取り得、稀釈剤、緩衝液、防腐剤等といった様々な調剤用薬剤を含有し得る。従って、カルバペネム化合物は医薬に許容可能なキャリヤとの組み合わせで存在する。
【0044】
あるいは他の場合には、活性成分を、投与時に滅菌水、正常食塩液等の液体で再構成できる散剤の形態とすることも可能である。この散剤は凍結乾燥形態であってもなくてもよい。
【0045】
代表的な経口用組成物は、典型的には錠剤、カプセル剤、溶液剤または懸濁液剤の形態を有する。このような組成物も単位投与容器または多投与容器に収容し得る。前記経口用組成物中の医薬に許容可能なキャリヤは、稀釈剤、錠剤成形及び顆粒化助剤、滑沢剤、崩壊剤、緩衝液、甘味剤、防腐剤等から成り得る。
【0046】
局所用組成物は、医薬に許容可能なキャリヤを用いて、疎水性または親水性の軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、溶液剤、塗布剤または散剤の形態に調製し得る。
【0047】
投与量は、治療する哺乳動物患者の状態及び大きさ、並びに送達系路及び投与頻度に大幅に依存する。送達経路は非経口(注射による)が好ましい。
【0048】
単位投与量でヒトに送達される組成物は、液体であれ固体であれ約0.01〜約99%、好ましくは約10〜60%の活性成分を含有し得る。組成物は、一般的には約10〜約3000mgの活性成分を含有する。しかし、約100〜約1000mgの投与量を用いることが通常好ましい。非経口投与では、単位投与形態は普通化合物を滅菌水または食塩溶液に加えたものであるか、または溶解させ、もしくは再構成して用いるべく企図された散剤である。
【0049】
式Iの化合物を投与する好ましい方法は、静脈内(i.v.)注入による非経口的方法である。あるいはまた、上記化合物を注射により筋肉内(i.m.)に投与することも可能である。
【0050】
成人では、体重1kg当たり約5〜約50mgの式Iの抗菌化合物を1日に1〜6回投与する。好ましい投与量の範囲は、約100〜約1000mgの化合物で、1日に1〜4回、好ましくは1回または2回、最も好ましくは1回である。
【0051】
特に、感染が軽い場合は1日1〜4回、約100〜約1000mgの投与が好ましく、1日1回の投与が最も好ましい。感染が中程度の場合は1日1〜4回、約500〜約1000mgの投与が好ましい。感染が重く、生命が脅かされている場合は1日1〜6回、約1000〜2000mgの投与が好ましい。
【0052】
小児では、1日1〜4回、体重1kg当たり5〜25mgの投与が好ましい。1日1〜4回10mg/kgの投与が特に好ましい。
【0053】
式Iの化合物は、カルバペネムとして知られる化合物が成す大きなクラスに属する。天然のカルバペネムは、デヒドロペプチダーゼ(DHP)として知られている腎臓酵素に攻撃されやすい。この攻撃もしくは分解はカルバペネム抗菌薬の効力を低下させかねない。本発明に用いる化合物は上記のような攻撃をはるかに僅かしか受けず、従ってDHP阻害剤を用いる必要は無いかもしれない。しかし、DHP阻害剤の使用は任意であり、本発明はこの使用を包含するものとする。DHPの阻害剤、及び該阻害剤をカルバペネム抗菌薬と共に用いることは、1979年7月24日付ヨーロッパ特許出願第79102616.4号(特許第0 007 614号)及び1982年8月9日付同第82107174.3号(出願公開第0 072 014号)に開示されている。
【0054】
本発明の化合物は、DHPの阻害が望ましいかまたは必要である場合、上記特許及び出願公開に開示された適当なDHP阻害剤と配合し得、または共に用い得る。引用したヨーロッパ特許出願には、本発明に用いるカルバペネムのDHP感受性を測定する操作が定義されており、かつ適当な阻害剤、配合組成物及び治療方法が開示されている。
【0055】
配合組成物中の式Iの化合物対DHP阻害剤の好ましい重量比は約1:1である。好ましいDHP阻害剤は、シラスタチン(cilastatin)としても知られる7−(L−2−アミノ−2−カルボキシエチルチオ)−2−(2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸またはその塩である。
【0056】
カルバペネムは様々なグラム陽性菌に対して活性で、またグラム陰性菌に対しても陽性菌に対するほどではないが活性であり、従ってヒト及び動物用の医薬に有用である。
【0057】
本明細書に開示した組成物に関する薬物動態プロフィールは驚くべきことに、関連化合物のものより優れている。
【0058】
本明細書に開示した化合物を含有する医薬組成物の代表例を下記に示す。
組成物1
化合物I 4.5g
重炭酸ナトリウム 1.0g
【0059】
上記成分を粉砕してブレンドする。化合物Iは一ナトリウム塩の形態とする。水溶液(225ml)として得られるpHは約6.5である。
組成物2
化合物I 6.7g
炭酸ナトリウム 1.0g
【0060】
上記成分を粉砕してブレンドする。化合物Iは一ナトリウム塩の形態とする。溶液(335ml)として得られるpHは約7.5である。
【実施例】
【0061】
化合物I 45.4mg/ml
(無水遊離酸36mgに相当)
重炭酸ナトリウム(USP) 8.0mg/ml
塩化ナトリウム(USP) 4.0mg/ml
【0062】
組成物1の場合同様、上記成分を粉砕してブレンドし、これを水(q.s.1.0ml)と混合する。溶液の最終pHを下記表に示す。
【0063】
この静脈内投与用製剤の溶液安定性を25℃において測定し、次のような結果を得た。
【0064】
【表1】

【0065】
ここに本発明の好ましい具体例を幾つか詳述したが、請求の範囲各項は多くの変形例を包含する。従って、本発明は上記具体例に限定されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

によって表わされる化合物またはその医薬に許容可能な塩、安定形態、プロドラッグもしくは水和物を二酸化炭素源との組み合わせで含有する医薬組成物。
【請求項2】
式I
【化2】

によって表わされる化合物またはその医薬に許容可能な塩、安定形態、プロドラッグもしくは水和物を炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウムとの組み合わせで含有する医薬組成物。
【請求項3】
約3〜6重量部の化合物Iまたはその医薬に許容可能な塩、安定形態、プロドラッグもしくは水和物と約1重量部の重炭酸ナトリウムとを含有することを特徴とする請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
約4.5重量部の式Iの化合物またはその医薬に許容可能な塩、安定形態、プロドラッグもしくは水和物を含有することを特徴とする請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
約3〜6重量部の化合物Iまたはその医薬に許容可能な塩、安定形態、プロドラッグもしくは水和物と約1重量部の炭酸ナトリウムとを含有することを特徴とする請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
約4.5重量部の式Iの化合物またはその医薬に許容可能な塩、安定形態、プロドラッグもしくは水和物を含有することを特徴とする請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
約4〜10重量部の式Iの化合物またはその医薬に許容可能な塩、安定形態、プロドラッグもしくは水和物と1重量部の炭酸ナトリウムとを含有することを特徴とする請求項2に記載の組成物。
【請求項8】
約6.7重量部の式Iの化合物またはその医薬に許容可能な塩、安定形態、プロドラッグもしくは水和物が1重量部の炭酸ナトリウムと組み合わせられていることを特徴とする請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
約4〜10重量部の式Iの化合物またはその医薬に許容可能な塩、安定形態、プロドラッグもしくは水和物と1重量部の重炭酸ナトリウムとを含有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
約6.7重量部の式Iの化合物またはその医薬に許容可能な塩、安定形態、プロドラッグもしくは水和物が1重量部の重炭酸ナトリウムと組み合わせられていることを特徴とする請求項8に記載の組成物。
【請求項11】
デヒドロペプチダーゼ阻害剤も含有することを特徴とする請求項2に記載の組成物。
【請求項12】
デヒドロペプチダーゼ阻害剤がシラスタチンであることを特徴とする請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
式II
【化3】

によって表わされる化合物またはその医薬に許容可能な塩、プロドラッグもしくは水和物。
【請求項14】
式II
【化4】

によって表わされる化合物またはその医薬に許容可能な塩、プロドラッグもしくは水和物を医薬に許容可能なキャリヤとの組み合わせで含有する医薬組成物。
【請求項15】
医薬に許容可能な塩が
【化5】


〔式中Xは医薬に許容可能なカチオン基である〕の中から選択されることを特徴とする請求項13に記載の化合物。
【請求項16】
式I
【化6】

の化合物またはその医薬に許容可能な塩、プロドラッグもしくは水和物を二酸化炭素源と配合することによって調製される医薬組成物。
【請求項17】
二酸化炭素源が二酸化炭素、炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウムの中から選択されることを特徴とする請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
二酸化炭素源が炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウムであることを特徴とする請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
式I
【化7】

のカルバペネムまたはその医薬に許容可能な塩、プロドラッグもしくは水和物を安定化する方法であって、化合物に十分な量の二酸化炭素源を添加して式II
【化8】

の化合物またはその医薬に許容可能な塩、プロドラッグもしくは水和物を生成させることを含む方法。
【請求項20】
二酸化炭素源を二酸化炭素、炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウムの中から選択することを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
二酸化炭素源を炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウムの中から選択することを特徴とする請求項20に記載の方法。

【公開番号】特開2009−84284(P2009−84284A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−268213(P2008−268213)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【分割の表示】特願平9−542800の分割
【原出願日】平成9年5月23日(1997.5.23)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】