説明

キナゾリノンT型カルシウムチャネル拮抗薬

本発明は、T型カルシウムチャネルの拮抗薬であり、かつT型カルシウムチャネルが関与する障害および疾患の治療または予防にとって有用なキナゾリノン化合物を対象とする。本発明はまた、これらの化合物から成る薬剤組成物、ならびにT型カルシウムチャネルが関与するこうした疾患の予防または治療におけるこれらの化合物および組成物の使用をも対象とする。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
形質膜カルシウムチャネルは、電位開口型チャネルタンパク質の多様な上位群を構成するものである。カルシウムチャネルは、細胞外液の細胞からのCa2+イオン進入の管理を可能にする薄膜でつながった複数サブユニットのタンパク質である。動物界全体の興奮性細胞、ならびに少なくとも一部の細菌、真菌および植物の細胞は、1つ以上の型のカルシウムチャネルを有する。中枢神経系(CNS)のニューロン、末梢神経細胞および筋細胞(骨格筋の細胞を含む)、心筋、ならびに静脈および動脈の平滑筋など、動物におけるほぼすべての「興奮性」細胞は、電位依存性カルシウムチャネルを持つ。
【0002】
複数の型のカルシウムチャネルが、骨格筋、心筋、肺、平滑筋および脳を含めた多様な組織からの哺乳類の細胞で識別されてきた。この分類の主な型は、L型カルシウムチャネルであり、その機能は、よく知られているカルシウムチャネルブロッカーの類(ニフェジピンなどのジヒドロピリジン、ベラパミルなどのフェニルアルキルアミン、およびジルチアゼムなどのベンゾチアゼピン)により阻害される。このほかのクラスの形質膜カルシウムチャネルは、T、N、P、QおよびRと呼ばれる。
【0003】
「T型」(または「低電圧活性化」)カルシウムチャネルは、その開口が、L型カルシウムチャネルの長めの(L=long-lasting:持続性)開口よりも短い持続時間(T=transient:一過性)ために、そのように命名されている。L型、N型、P型およびQ型のチャネルは、より高い陽電位(高電圧活性化)で活性化され、多様な動態学および電位依存性特性を示す。ラットを含めた各種の温血動物から分子的、薬理学的、および電気生理学的に識別された3つのサブタイプのT型カルシウムチャネルがある [『J Biol. Chem.276(6)3999-4011(2001)』、『Eur J Neurosci 11(12):4171-8(1999)』、総説『Cell Mol Life Sci 56(7-8):660-9(1999)』]。これらのサブタイプは、α 1G、α 1H、およびα 1Iと呼ばれてきた。これらのチャネルの分子特性により、アミノ酸配列が60〜70%同一であることが示されている。これらの個別のサブタイプの電気生理学的な特性決定により、その電位依存性活性、不活性化、非活性化および定常状態不活性化などのレベル、ならびにバリウムなどの各種イオンに対する選択性における差異が明らかにされてきた(『J Biol. Chem.276(6)3999-4011(2001)』)。また薬理学的には、これらのサブタイプはイオン性ニッケルによる遮断に対する異なる選択性も持つ。これらのチャネルサブタイプは、その集合体中に各種のスプライシング事象を耐える能力により、各種の形態で表現することもできる(『J Biol. Chem.276(6)3999-4011(2001)』)。
【0004】
T型カルシウムチャネルは、癲癇、本態性振戦、疼痛、神経障害の痛み、精神分裂症、パーキンソン病、うつ病、不安、睡眠障害、睡眠異常、精神病、精神分裂症、心不整脈、高血圧、疼痛、がん、糖尿病、不妊症および性的機能不全を含めた各種の疾患および障害に関連した病状に関係してきた(『J Neuroscience, 14, 5485(1994)』、『Drugs Future 30(6), 573-580(2005)』、『EMBO J, 24, 315-324(2005)』、『Drug Discovery Today, 11, 5/6, 245-253(2006)』)。こうした疾患および障害を治療するための既知の治療法には、多数の問題がある。よって、これらの疾患および障害を治療するより生理学的な方法が非常に望まれる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Biol. Chem.276(6)3999-4011(2001)
【非特許文献2】Eur J Neurosci 11(12):4171-8(1999)
【非特許文献3】Cell Mol Life Sci 56(7-8):660-9(1999)
【非特許文献4】J Biol. Chem.276(6)3999-4011(2001)
【非特許文献5】Neuroscience, 14, 5485(1994)
【非特許文献6】Drugs Future 30(6), 573-580(2005)
【非特許文献7】EMBO J, 24, 315-324(2005)
【非特許文献8】Drug Discovery Today, 11, 5/6, 245-253(2006)
【発明の概要】
【0006】
(発明の要約)
本発明は、T型カルシウムチャネルの拮抗薬であり、かつT型カルシウムチャネルが関与する神経性および精神障害および疾患の治療または予防にとって有用なキナゾリノン化合物を対象とする。本発明はまた、これらの化合物から成る薬剤組成物、ならびにT型カルシウムチャネルが関与するこうした疾患の予防または治療におけるこれらの化合物および組成物の使用も対象とする。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(発明の詳細な説明)
本発明は、式Iの化合物
【0008】
【化1】

(式中、
X1、X2およびX3
(1) 水素、
(2) フルオロ、
(3) クロロ、および
(4) ブロモ、
で構成される群から独立的に選択され、
R1は、置換されていないか、または
(1) ハロゲン、
(2) 置換されていないか、またはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されているC1-6アルキル、
(3) 置換されていないか、またはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている-OC1-6アルキル、
(4) -CN、
(5) -NR5R6(R5およびR6は独立的に水素、C1-6アルキルおよびC1-6アルキル-フェニルから選択される。)、および
(6) -S(O)nC1-6アルキル(nは0、1または2である。)
から成る群から選択される置換基で置換されているフェニル、C1-6アルキル、またはC3-6シクロアルキルであり、
R2は、置換されていないか、または
(1) フルオロ、
(2) クロロ、
(3) 置換されていないか、またはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている-OC1-6アルキル、
(4) -S(O)nC1-6アルキル、
(5) -OH、
(6) =O、
(7) -CHO、
(8) -CO2-C1-6アルキル、
(9) C3-6シクロアルキル、
(10) ジオキサニル、および
(11) 置換されていないか、またはハロゲン、ヒドロキシル、C1-6アルキルまたは-O-C1-6アルキルで置換されているフェニル
から構成される群から選択される1つ以上の置換基で置換されているC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル、C2-6アルケニル、またはC2-6アルキニルであり、
R3は、1つ以上のフルオロで置換され、さらに
(1) C1-6アルキル、
(2) C3-6シクロアルキル、
(3) フェニル、および
(4) ピリジル
で構成される群から選択される置換基で任意に置換されているC1-6アルキルであり、
R4は、置換されていないか、または
(1) ハロゲン、
(2) -OH、
(3) 置換されていないか、またはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている-OC1-6アルキル、
(4) -CN、
(5) -NR5R6(R5およびR6は独立的に水素、C1-6アルキルおよびC1-6アルキル-フェニルから選択される。)、
(6) 置換されていないか、または
(a) ハロゲン、
(b) 置換されていないか、またはフルオロで置換されているC1-6アルキル、
(c) C3-6シクロアルキル、
(d) -O-C1-6アルキル、
(e) -OH、
(f) 置換されていないか、またはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている-(CO)O-C1-6アルキル、
(g) 置換されていないか、またはハロゲンまたはC1-6アルキルで置換されているトリアゾリル、および
(h) -CN、
で構成される群から選択される置換基で置換されているフェニル、
(7) 置換されていないか、または
(a) ハロゲン、
(b) 置換されていないか、またはフルオロで置換されているC1-6アルキル、
(c) C3-6シクロアルキル、
(d) -O-C1-6アルキル、
(e) -OH、
(f) 置換されていないか、またはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている-(CO)O-C1-6アルキル、
(g) 置換されていないか、またはハロゲンまたはC1-6アルキルで置換されているトリアゾリル、および
(h) -CN
から成る群から選択される置換基で置換されているヘテロアリール、および
(8) -CO2-C1-6アルキル、
で構成される群から選択される置換基で置換されているC1-6アルキルである。)
あるいは、そのN-酸化物またはその医薬品として容認できる塩を対象とする。
【0009】
本発明の一実施形態には以下に該当する化合物が含まれる。
X1は、以下で構成される群から選択され、
(1) フルオロ、
(2) クロロ、および
(3) ブロモ、
X2は、以下で構成される群から選択され、
(1) フルオロ、
(2) クロロ、および
X3は水素である。
【0010】
本発明の一実施形態には次に該当する化合物が含まれる。
X1はフルオロ、X2は水素およびX3は水素である。
【0011】
本発明の一実施形態には次に該当する化合物が含まれる。
X1はフルオロ、X2はフルオロおよびX3は水素である。
【0012】
本発明の一実施形態には次に該当する化合物が含まれる。
X1は6-フルオロ、X2は水素およびX3は水素である。
【0013】
本発明の一実施形態には次に該当する化合物が含まれる。
X1は6-フルオロ、X2は5-フルオロおよびX3は水素である。
【0014】
本発明の一実施形態には次に該当する化合物が含まれる。
X1はクロロ、X2は水素およびX3は水素である。
【0015】
本発明の一実施形態には次に該当する化合物が含まれる。
X1はクロロ、X2はフルオロおよびX3は水素である。
【0016】
本発明の一実施形態には次に該当する化合物が含まれる。
X1は6-クロロ、X2は水素およびX3は水素である。
【0017】
本発明の一実施形態には次に該当する化合物が含まれる。
X1は6-クロロ、X2は5-フルオロおよびX3は水素である。
【0018】
本発明の一実施形態には化合物が含まれるが、この化合物においてR1は、置換されていないか、または以下から成る群から選択される置換基で置換されるフェニルまたはシクロプロピルである。
(1) フルオロ、
(2) クロロ、
(3) CH3
(4) CF3
(5) OCF3
(6) OCH3、および
(7) -N(CH32
【0019】
本発明の一実施形態には化合物が含まれるが、この化合物においてR1は置換されていないか、またはフルオロ、メチルまたはメトキシで置換されるフェニルである。
【0020】
本発明の一実施形態には化合物が含まれるが、この化合物においてR1はフェニルである。
【0021】
本発明の一実施形態には化合物が含まれるが、この化合物においてR1はパラ-フルオロフェニルである。
【0022】
本発明の一実施形態には化合物が含まれるが、この化合物においてR1はシクロプロピルである。
【0023】
本発明の一実施形態には化合物が含まれるが、この化合物においてR2は、以下で構成される群から選択される。
(1) CH2CH3
(2) CH2CH2CH3
(3) シクロプロピル、
(4) CF3
(5) CH2CF3
(6) CH2CHF2
(7) CH2C(CH33
(8) CH2CH=CH2
(9) C=CH2(CH3)、
(10) CH2C=CCH3
(11) -CO2-CH3
(12) CH2OCH2CH3
(13) CH2CH2CH2CH3
(14) CH2CH2-ジオキサニル、および
(15) CH2C(CH32-フェニル。
【0024】
本発明の一実施形態には化合物が含まれるが、この化合物においてR2はCH2CH3である。本発明の一実施形態には化合物が含まれるが、この化合物においてR2はCH2CH2CH3である。本発明の一実施形態には化合物が含まれるが、この化合物においてR2はCF3である。
【0025】
本発明の一実施形態には化合物が含まれるが、この化合物においてR3は、以下で構成される群から選択される。
(1) CF3
(2) CF2H、
(3) CH2CF3
(4) CH2CHF2
(5) CH2CH2F、
(6) CH2CF2CH3
(6) CH2CF2CF3
(7) CH2CF2-フェニル、および
(8) CH2CF2-ピリジル。
【0026】
本発明の一実施形態には次に該当する化合物が含まれる。
R3はCH2CF3である。本発明の一実施形態には次に該当する化合物が含まれる。
R3はCH2CHF2である。
【0027】
本発明の一実施形態には化合物が含まれるが、この化合物においてR4は、
以下で構成される群から選択される置換基で置換されているC1-6アルキルである。
(1) 置換されていないか、またはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている-OC1-6アルキル、
(2) -CN、
(3) 置換されていないか、または以下で構成される群から選択される置換基で置換されているフェニルである。
(a) ハロゲン、
(b) 置換されていないか、またはフルオロで置換されているC1-6アルキル、
(c) C3-6シクロアルキル、
(d) -O-C1-6アルキル、
(e) -OH、
(f) 置換されていないか、またはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている-(CO)O-C1-6アルキル、
(g) 置換されていないか、またはハロゲンまたはC1-6アルキルで置換されているトリアゾリル、および
(h) -CN、
(4) 置換されていないか、または以下から成る群から選択される置換基で置換されているヘテロアリールである。
(a) ハロゲン、
(b) 置換されていないか、またはフルオロで置換されているC1-6アルキル、
(c) C3-6シクロアルキル、
(d) -O-C1-6アルキル、
(e) -OH、
(f) 置換されていないか、またはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている-(CO)O-C1-6アルキル、
(g) 置換されていないか、またはハロゲンまたはC1-6アルキルで置換されているトリアゾリル、および
(h) -CN。
【0028】
本発明の一実施形態には化合物が含まれるが、この化合物においてR4は、
以下で構成される群から選択される置換基で置換されているC1-6アルキルである。
(1) -OC1-6アルキル、および
(2) -CN。
【0029】
本発明の一実施形態には化合物が含まれるが、この化合物においてR4は、
フェニルで置換され、これは置換されていないか、または以下で構成される群から選択される置換基で置換されているC1-6アルキルである。
(a) ハロゲン、
(b) 置換されていないか、またはフルオロで置換されているC1-6アルキル、
(c) C3-6シクロアルキル、
(d) -O-C1-6アルキル、
(e) -OH、
(f) 置換されていないか、またはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている-(CO)O-C1-6アルキル、
(g) 置換されていないか、またはハロゲンまたはC1-6アルキルで置換されているトリアゾリル、および
(h) -CN。
【0030】
本発明の一実施形態には化合物が含まれるが、この化合物においてR4は、フェニルで置換される-CH2-であり、フェニルは置換されていないか、または以下から成る群から選択される置換基で置換されている。
(a) ハロゲン、
(b) 置換されていないか、またはフルオロで置換されているC1-6アルキル、
(c) C3-6シクロアルキル、
(d) -O-C1-6アルキル、および
(e) -OH。
【0031】
本発明の一実施形態には化合物が含まれるが、この化合物においてR4は、
ヘテロアリールで置換され、これは置換されていないか、または以下で構成される群から選択される置換基で置換されているC1-6アルキルである。
(a) ハロゲン、
(b) 置換されていないか、またはフルオロで置換されているC1-6アルキル、
(c) C3-6シクロアルキル、
(d) -O-C1-6アルキル、
(e) -OH、
(f) 置換されていないか、またはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている-(CO)O-C1-6アルキル、
(g) 置換されていないか、またはハロゲンまたはC1-6アルキルで置換されているトリアゾリル、および
(h) -CN。
【0032】
本発明の一実施形態には化合物が含まれるが、この化合物においてR4は、
ヘテロアリールで置換される-CH2-であり、ヘテロアリールは置換されていないか、または以下で構成される群から選択される置換基で置換されている。
(a) ハロゲン、
(b) 置換されていないか、またはフルオロで置換されているC1-6アルキル、
(c) C3-6シクロアルキル、
(d) -O-C1-6アルキル、および
(e) -OH。
【0033】
本発明の一実施形態には化合物が含まれるが、この化合物においてヘテロアリールはピリジルである。本発明の一実施形態には化合物が含まれるが、この化合物においてヘテロアリールはピリジル-N-酸化物である。本発明の一実施形態には化合物が含まれるが、この化合物においてヘテロアリールは4-ピリジルである。本発明の一実施形態には化合物が含まれるが、この化合物においてヘテロアリールはイソオキサゾリルである。
【0034】
本発明の特定の実施形態には、本書の実施例にある主題の化合物で構成される群から選択される化合物、またはそれらの医薬品として容認できる塩が含まれる。
【0035】
本発明の特定の実施形態には、本書の実施例にある主題の化合物で構成される群から選択される化合物、またはそれらの医薬品として容認できる塩が含まれる。
【0036】
本発明の化合物には、1つ以上の不斉中心が含まれることもあり、またそのため、ラセミ化合物やラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物および個別のジアステレオマーとして発生しうる。分子上のさまざまな置換基の性質に応じて、追加的な不斉中心が存在することもある。こうしたそれぞれの不斉中心により、2つの光学異性体が独立的に生成され、また可能性のあるすべての光学異性体およびジアステレオマーが、混合物として、あるいは純粋もしくは部分的に精製した化合物として、本発明の範囲内に入ることが意図される。本発明は、これらの化合物のこうしたすべての異性体を含むことが意図される。
【0037】
これらのジアステレオマーの独立的な合成、またはそれらのクロマトグラフィーによる分離は、当技術分野で知られているとおり、本書で開示した方法論を適切に修正することで達成できる。これらの絶対的な立体化学は、必要に応じて既知の絶対配置の不斉中心を含む試薬を用いて誘導される結晶性生成物または結晶性中間体のX線結晶学により決定しうる。
【0038】
希望する場合には、化合物のラセミ混合物は、個別のエナンチオマーが単離されるように分離される。分離は、化合物のラセミ混合物を鏡像異性的に純粋な化合物に結合させてジアステレオマー混合物を形成し、その後で分別再結晶またはクロマトグラフィーなどの標準方法で個別のジアステレオマーを分離するなど、当技術分野で既知の方法により遂行できる。共役反応は、鏡像異性的に純粋な酸または塩基を使用した塩の生成であることがよくある。次にキラル残留物の追加による切断によって、ジアステレオマー誘導体を純粋なエナンチオマーに変換することもできる。化合物のラセミ混合物は、キラル固定相を利用したクロマトグラフ法により、直接的に分離することもできるが、この方法は当技術分野では既知である。別の方法として、ある化合物の任意のエナンチオマーは、当技術分野で既知の方法により、配置が既知の光学的に純粋な出発物質または試薬を使用した立体選択的合成により得ることができる。
【0039】
当業者によって理解されるとおり、本書で使用したハロゲンまたはハロには、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードが含まれることが意図される。同様に、C1-6アルキルのようなC1-6は、直鎖状または分岐に配置された1、2、3、4、5または6個の炭素を持つ群を特定するために定義されるが、それ故C1-8アルキルには、特にメチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、およびヘキシルが含まれる。同様に、C2-6アルケニルは、E配列またはZ配列にあるような少なくとも1つの二重結合を組み込む2、3、4、5または6個の炭素を持つ群を特定するために定義される。置換基で独立的に置換されていると指定されている群は、複数のそうした置換基で独立的に置換されることもある。本書での「複素環」という用語には、不飽和および飽和の両方の複素環式部分が含まれ、ここで、不飽和の複素環式部分(すなわち「ヘテロアリール」)には、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイミダゾロニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソオキサゾリン、オキセタニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、およびそのN-酸化物が含まれ、またここで、飽和した複素環式部分には、アゼチジニル、1,4-ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピリジン-2-オンイル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、およびテトラヒドロチエニル、およびそのN-酸化物やそのS-酸化物が含まれる。
【0040】
「医薬品として容認できる塩」という用語は、無機または有機の塩基および無機または有機の酸を含む、医薬品として容認できる非中毒性の塩基または酸から調製した塩を意味する。無機塩基に由来する塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛、およびこれに類するものが含まれる。アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩およびナトリウム塩が特に好ましい。固体形態の塩は2つ以上の結晶構造で存在することがあり、また水和物の形態でもありうる。医薬品として容認できる有機非中毒性の塩基に由来する塩には、第一アミン、第二アミン、および第三アミンの塩、自然発生的な置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、ならびにアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N'-ジベンジルエチレン-ジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチル-モルホリン、N-エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン、およびこれに類するものなどの塩基性イオン交換樹脂が含まれる。
【0041】
本発明の化合物が塩基性のとき、塩は無機酸および有機酸を含む医薬品として容認できる非中毒性の酸から調製しうる。こうした酸には、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p-トルエンスルホン酸およびそれに類するものが含まれる。クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸、および酒石酸が特に好ましい。本書で使用するとき、式Iの化合物への言及には、医薬品として容認できる塩も含まれることが意図されているものと理解される。
【0042】
本発明を例証するものは、実施例および本書で開示された化合物の使用である。本発明の範囲内の特定の化合物には、下記の実施例で開示した化合物で構成される群から選択される化合物、およびそれらの医薬品として容認できる塩およびそれらの個別のジアステレオマーが含まれる。
【0043】
主題の化合物は、こうした阻害を必要とする哺乳動物などの患者においてT型カルシウムチャネル活性を拮抗する方法において有用であり、この方法は有効量の化合物の投与から構成される。本発明は、本書でT型カルシウムチャネル活性の拮抗薬として開示された化合物の使用を対象とする。霊長類、特にヒトに加えて、本発明の方法に従い、さまざまなその他の哺乳類を治療できる。
【0044】
本発明はさらに、T型カルシウムチャネル活性の拮抗または本書で記載したヒトおよび動物における障害および疾患の治療のための薬剤の製造方法を対象とし、本発明の化合物を薬学的担体または希釈剤と組み合わせることから成る。
【0045】
本方法での治療の対象は一般的に、哺乳動物、望ましくは男女を問わないヒトである。「治療的に有効な量」という用語は、研究者、獣医、医師またはその他の臨床医が追求の対象としている組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的な反応を誘発する主題の化合物の量を意味する。当業者が有効量の本発明の化合物を用いて、神経性および精神性の障害には、その時点で同障害を罹患している患者を治療することにより、または同障害を罹患している患者を予防的に治療することにより、影響を及ぼしうることが理解される。本書で使用するとき、「治療」や「治療する」という用語は、本書で説明した神経性および精神障害の進行を減速する、妨害する、制止する、抑制する、または停止させるあらゆる過程を意味するものの、必ずしも障害のすべての症状の完全な除去や、特にそうした病気または障害にかかりやすい患者において言及された状態の予防的治療を示すわけではない。化合物「〜の投与」や「〜を投与する」という用語は、本発明の化合物または発明の化合物のプロドラッグを、それを必要とする個体に供与することを意味するものと理解されるべきである。
【0046】
本書で使用するとき、「組成物」という用語は、特定の量の特定の成分から構成される生成物、ならびに特定の成分を指定された量で組み合わせることで直接的または間接的に得られる一切の生成物を含むことが意図される。薬剤組成物に関連するこうした用語は、有効成分、および担体を形成する不活性成分で構成される生成物のほか、直接的または間接的に、2つ以上の任意の成分の組み合わせ、錯体化または集合、または1つ以上の成分の解離、または1つ以上の成分のその他の種類の反応または相互作用の結果としてもたらされる何らかの生成物が含まれることが意図される。従って、本発明の薬剤組成物には、本発明の化合物および医薬品として容認できる担体を混合することにより生成される任意の組成物が含まれる。「医薬品として容認できる」によって、担体、希釈剤または賦形剤は、製剤形態のその他の成分と適合性があり、かつその受容体に対して有害でないことが必要であることを意味する。
【0047】
T型カルシウムチャネル拮抗薬としての本発明による化合物の有用性は、「FLIPR Ca2+ Flux試験法」および「T型カルシウム(Ca2+)拮抗薬の電圧-クランプ試験法」[『Xia, et al., Assay and Drug Development Tech., 1(5), 637-645(2003)』に記載] を含めた、当業で既知の方法により、過度の実験なしに容易に判断しうる。典型的な実験において、T型チャネルα-1G、H、またはI(CaV 3.1、3.2、3.3)を発現するHEK 293細胞からのイオンチャネル機能が記録され、T型チャネルα-1G、H、またはI(CaV 3.1、3.2、3.3)により媒介されるカルシウム電流の遮断における化合物の活性が決定される。このT型カルシウム(Ca2+)拮抗薬電圧-クランプ試験法において、カルシウム電流は、以下のとおり、ヒト α-1G、H、またはI(CaV 3.1、3.2、3.3)カルシウムチャネルの静止状態から誘発される。T型(低電圧電圧作用)カルシウムチャネルの配列情報は、US5,618,720、US5,686,241、US5,710,250、US5,726,035、US5,792,846、US5,846,757、US5,851,824、US5,874,236、US5,876,958、US6,013,474、US6,057,114、US6,096,514、WO 99/28342、および『J. Neuroscience, 19(6):1912-1921(1999)』などにより、完全に開示されている。T型チャネルを発現する細胞を、DMEM、10% Tetsystem承認のFBS(Clontech Laboratories Inc.)、100μg/mlペニシリン/ストレプトマイシン、2mM L-グルタミン、150μg/ml ゼオシン、5μg/ml ブラストサイジンで構成される増殖培養液中で増殖させた。Tチャネルの発現を、細胞を2mMのテトラサイクリンに24時間暴露することにより誘発させた。ガラス製ピペットを、ピペットプラー上でチップ直径1〜2μmに引き伸ばした。ピペットに細胞内液を充填し、塩化銀針金をその長さ方向に挿入してから、電圧-クランプ増幅器のヘッドステージに接続する。トリプシン処理緩衝液は、0.05 %トリプシン、0.53 mM EDTAとした。細胞外記録溶液(mM)は、130 mM NaCl、4 mM KCl、1mM MgCl2、2mM CaCl2、20 mM HEPES、30 [mM] ブドウ糖、pH 7.4で構成される。内部溶液(mM)は、「125 CsCl、10 TEA-Cl、10 HEPES、8 NaCl、0.06 CaCl2、0.6 EGTA、4 ATP-Mg、0.3 GTP」、「135 mM CsMeSO3、1 MgCl2、10 CsCl、5 EGTA、10 HEPES、pH 7.4」、または「135 mM CsCl、2 MgCl2、3 MgATP、2 Na2ATP、1 Na2GTP、5 EGTA、10 HEPES、pH 7.4」のいずれかで構成される。ピペットチップを、槽(bath)に挿入して、直列抵抗を記録する(許容範囲は1〜4 MΩ)。ピペットと槽(bath)の溶液の間の接合部電位を、増幅器でゼロにする。次に、細胞にパッチをあて、パッチを破損した後、直列抵抗の補正後に( >= 80%)電圧プロトコルをかけ、その間、全細胞Ca2+電流応答を記録する。電圧プロトコル:(1)保持電位-80 mVで、20秒ごとに-20 mVのパルスを持続時間70 msec、チャネルにより媒介された電流を阻止するにあたっての薬物の有効性を、-80 mVから-20 mVへの電圧の変化により引き起こされたピーク電流振幅の減少を測定することで直接測定する。(2)保持電位-100 mVで、15秒ごとに-20 mVのパルスを持続時間70 msec、チャネルにより媒介された電流を阻止するにあたっての薬物の有効性を、-100 mVから-20 mVへの電圧の変化により引き起こされたピーク電流振幅の減少を測定することで直接測定する。細胞の静止状態の電位レベルにより誘発された異なる不活性化レベルでの薬物の効果を判断するために、2つの保持電位での遮断の差異を使用した。管理基準のカルシウム電流が得られた後、濃度が増大した試験化合物を含む細胞外液を洗浄した。所定の化合物濃度での定常状態阻害に達したら、より高い濃度の化合物を適用する。-20 mVへの脱分極手順時のピーク内向き管理Ca2+電流の阻害率(%)を、化合物濃度の関数としてプロットする。
【0048】
本発明で使用しうる化合物の内因性T型カルシウムチャネル拮抗活性は、これらの評価法により決定しうる。特に、下記の実施例の化合物は、上記の評価法におけるT型カルシウムチャネルの拮抗において活性を持ち、IC50は一般に約10μM未満である。本発明の範囲内の好ましい化合物は、上記の評価法におけるT型カルシウムチャネルの拮抗において活性を持ち、IC50は約1μM未満である。こうした結果は、化合物のT型カルシウムチャネル活性の拮抗薬としての使用の内因性活性を示すものである。
【0049】
本技術で開示されているその他の化合物に関して、本化合物は、作用および/または代謝の持続時間に関するものなどの予想外の性質を示すが、これには、代謝性の安定性の増大、経口による生物学的利用能または吸収の改善、および/または薬物・薬物相互作用の減少などがある。
【0050】
T型カルシウムチャネルは、広範にわたる生物学的機能に関係してきた。このことは、ヒトまたはその他の種での多様な病気過程におけるこれらの受容体の潜在的な役割を示唆してきた。本発明の化合物は、カルシウムチャネルに関連した多様な神経性および精神性の障害を治療、予防、改善、抑制またはそのリスクの低減するにあたっての有用性を持ち、以下の状態または疾患のうち1つ以上が含まれる。アカイネジアおよび運動不能−強直性症候群(パーキンソン病、薬物性パーキンソン症、脳炎後に生じるパーキンソン病、進行性核上麻痺、多系統萎縮症、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン症-ALS痴呆錯体および基底核石灰化など)などの運動障害、慢性疲労症候群、パーキンソン病による疲労などの疲労、多発性硬化症による疲労、睡眠障害または概日リズム障害に起因する疲労、薬物性パーキンソン症(神経遮断薬誘発性パーキンソン症、神経遮断薬性悪性症候群、神経遮断薬誘発性急性ジストニア、神経遮断薬誘発性急性アカシジア、神経遮断薬誘発性遅発性ジスキネジアおよび薬物性姿勢時振戦など)、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、発作性疾患、癲癇、およびジスキネジア[これには振戦(静止時振戦、本態性振戦、姿勢時振戦および意図振戦など)、舞踏病(シドナム舞踏病、ハンチントン病、良性遺伝性舞踏病、神経有棘赤血球症、症候性舞踏病、薬物性舞踏病および片側バリズムなど)、ミオクローヌス(全身性ミオクローヌスおよび限局性ミオクローヌスなど)、チック(単純チック、複合性チックおよび症候性チック)、レストレスレッグ症候群およびジストニア(特発性ジストニアなどの、薬物性ジストニア、症候性ジストニアおよび発作性ジストニアなどの全身性ジストニア、ならびに眼瞼痙攣、口顎ジストニア、痙攣性発声障害、痙性斜頚、軸性ジストニア、ジストニアによる書痙および片麻痺性ジストニアなどの限局性ジストニアを含む)が含まれる]、心臓病、心拍リズムの異常および不整脈、心筋梗塞、うっ血性心不全、冠動脈心疾患、突然死、脳卒中、性機能不全および生殖機能不全(受精能の低下など)、不妊症、異常振動活動が脳内で発生する、うつ病、偏頭痛、神経障害の痛み、パーキンソン病、精神病および精神分裂症などの疾患または障害、ならびに特に視床を介した活性の異常なカップリングのある疾患または障害、認知機能の向上、記憶の向上、記憶保持の増大、訓練した作業の向上、免疫応答の増大、免疫機能の増加、のぼせ、寝汗、寿命の延長、精神分裂症、心臓律動などの神経系および心血管系のその他の障害などにより与えられる興奮/弛緩のリズムにより抑制される筋肉関連の障害、血管拡張または血管制限および血圧などの細胞の増殖に関連した状態、がん、心不整脈、高血圧、うっ血性心不全、生殖/泌尿器系の状態、性機能および生殖能力の障害、腎機能の妥当性、麻酔薬に対する応答性、睡眠障害、睡眠異常(これには、睡眠の質の向上、睡眠の質の改善、睡眠の効率の増大、睡眠の維持の増強が含まれる)、対象者の睡眠時間を対象者が睡眠を取ろうとした時間で割って計算した値の増加、睡眠の開始の改善、睡眠の潜伏期または開始(就寝までにかかる時間)の短縮、寝付きの困難さの低減、睡眠の連続性の増大、睡眠中の覚醒回数の減少、睡眠中の間欠性の歩行数の減少、夜間性覚醒の減少、睡眠の開始後の覚醒時間の減少、合計睡眠量の増加、睡眠の断片化の低減、レム睡眠期のタイミング、頻度または持続時間の変化、徐波(つまり段階3または4)睡眠期のタイミング、頻度または持続時間の変化、段階2睡眠の量および割合の増加、徐波睡眠の促進、睡眠中のEEGデルタ活動の向上、睡眠サイクル初期のデルタ睡眠の量の増加、睡眠サイクル後期のレム睡眠の増加、夜間性覚醒(特に早朝の覚醒)の減少、昼間覚醒の増加、昼間傾眠の減少、日中の過剰な眠気の治療または減少、眠りの強度についての満足度の増大、睡眠の維持の増加、特発性不眠症、睡眠の問題、不眠症、過眠症、特発性過眠症、反復性過眠症、内因性過眠症、ナルコレプシー、断続性睡眠、睡眠時無呼吸、閉塞性睡眠時無呼吸、覚醒、夜間ミオクローヌス、レム睡眠中断、時差ぼけ、交替勤務従業員の睡眠障害、睡眠不全、夜間恐怖、うつ病に伴う不眠症、情動/気分障害、アルツハイマー病または認知障害、ならびに霧遊病および遺尿症、ならびに加齢に伴う睡眠障害、アルツハイマー病の日没症候群、概日リズム性に関連する状態、ならびにタイムゾーンを横切る旅行に伴う、また交代勤務予定の回転に伴う精神的および物理的障害、副作用としてレム睡眠の減少の原因となる薬物による状態、線維筋痛、睡眠中の呼吸障害に伴う非回復性睡眠および筋痛または睡眠時無呼吸により明らかとなる症候群、睡眠の質の低下の結果としての状態、うつ病またはより特異的にはうつ病性障害(例えば、単発の偶発性または再発性の重大なうつ病性障害および気分変調性障害など)、または双極性障害(例えば、双極I型障害、双極II型障害および気分循環性障害)、全身の病状による気分障害、ならびに物質誘発性気分障害などの気分障害、急性ストレス障害、広場恐怖症、全般性不安障害、脅迫性障害、不安発作、恐慌性障害、外傷後ストレス障害、分離不安障害、対人恐怖、特定恐怖症、物質誘発性不安障害および全身の病状による不安を含めた不安障害、心臓バイパス手術および移植、脳卒中、虚血性脳卒中、脳虚血、脊髄心的外傷、頭部外傷、周産期低酸素症、心停止、低血糖性ニューロン損傷の後に起こる脳欠損などの急性の神経性および精神性の障害、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、眼球損傷、網膜症、認知障害、特発性および薬物性のパーキンソン病、筋痙縮および振戦、癲癇、てんかんなどの筋痙直に伴う筋疾患、(アルツハイマー病、虚血、心的外傷、血管の問題または脳卒中、HIV疾患、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病、周産期低酸素症、その他の全身の病状または薬物乱用に伴う)痴呆を含む認知障害、譫妄、健忘症または年齢関連性の認知能低下、精神分裂症(偏執傾向、解体型、緊張性または未分化型)、分裂病様障害、分裂情動性障害、妄想性障害、短期精神病性障害、共有精神異常、全身の病状による精神障害および物質誘発性精神障害などの精神分裂症または精神病、(物質誘発性譫妄、持続性痴呆、持続性健忘症、精神障害または不安障害など、アルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入薬、ニコチン、オピオイド、フェンシクリジン、鎮静薬、催眠薬または抗不安薬などの物質への耐性、依存症またはそれからの離脱などを含む)物質に関連した障害および常習行為、注意欠陥多動障害(ADHD)、行動障害、偏頭痛(片頭痛など)、尿失禁、過活動膀胱(OAB)、急迫性尿失禁(UUI)、下部尿路症状(LUTS)、薬物耐性、薬物離脱(アヘン剤、ニコチン、たばこ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン、コカイン、鎮静薬、催眠薬、その他などの物質を含む)、精神病、精神分裂症、不安(全般性不安障害、恐慌性障害、および強迫性障害など)、気分障害(うつ病、躁病、双極性障害など)、三叉神経痛、聴力損失、耳鳴、眼球損傷などのニューロン損傷、網膜症、眼の黄斑変性症、嘔吐、脳浮腫、急性疼痛、慢性疼痛、激痛、難治性疼痛、炎症性の痛み、慢性の炎症性の痛み、糖尿病の神経障害、慢性の神経障害の痛み、外傷後の疼痛、骨と関節の痛み(骨関節症)、反復動作の痛み、歯痛、がん疼痛、筋筋膜痛(筋肉の損傷、線維筋痛)、術中の痛み(一般外科、婦人科学的)、慢性疼痛、神経障害の痛み、外傷後の疼痛、三叉神経痛、偏頭痛および片頭痛を含む疼痛。
【0051】
こうして、一実施形態において、本発明は、それを必要とする哺乳類患者における、欠神癲癇などの癲癇の治療、抑制、改善またはそのリスクの低減、パーキンソン病の治療または抑制、本態性振戦の治療、神経障害の痛みなどの疼痛の治療または抑制、睡眠の質の向上、睡眠の維持の増強、レム睡眠の増加、徐波睡眠の増加、睡眠パターンの断片化の低減、不眠症の治療、認知の向上、記憶保持の改善、うつ病の治療または抑制、精神病の治療または抑制、または精神分裂症の治療、抑制、改善またはそのリスクの低減を図る方法を提供し、この方法は、治療的に有効な量の本発明の化合物の患者への投与から構成される。主題の化合物はさらに、本書に記載した疾患、障害および状態の予防、治療、抑制、改善、またはそのリスクの低減のための方法において有用である。
【0052】
本発明の組成物での有効成分の用量は変化されうるが、有効成分の量は、適切な剤形が得られるようにする必要がある。有効成分は、その治療を必要とする患者(動物およびヒト)に、薬剤の最適な効力が提供される投与量で投与しうる。選択した用量は、希望の療法効果、投与経路、および治療の持続時間に依存するものである。用量は患者によって異なり、病気の性質や重症度、患者の体重、その時点で患者が従っている特別な食餌療法、併用投薬、および当業者が認識するその他の要因に依存する。一般に、T型カルシウムチャネルの効果的な拮抗作用を得るために、1日体重当たり0.0001〜10 mg/kgの投与レベルが患者、例えば、ヒトやヒト(高齢者)に投与される。投薬の範囲は一般に、患者1人1日当たり約0.5 mg〜1.0 gとなり、単回以上回の用量で投与しうる。一実施形態において、投薬の範囲は、患者1人1日当たり約0.5 mg〜500 mgであり、別の実施形態では、患者1人1日当たり約0.5 mg〜200 mgであり、別の実施形態では、患者1人1日当たり約1 mg〜100 mgであり、また別の実施形態では、患者1人1日当たり約5 mg〜50 mgであり、さらに別の実施形態では、患者1人1日当たり約1 mg〜30 mgである。本発明の薬剤組成物は、約0.5 mg〜500 mgの有効成分から成る、または約1 mg〜250 mgの有効成分から成るものなどの固形剤型で提供しうる。薬剤組成物は、約1 mg、5 mg、10 mg、25 mg、50 mg、100 mg、200 mgまたは250 mgの有効成分から成るものなどの固形剤型で提供しうる。経口投与については、組成物は、治療対象の患者への投薬の症候性調節のために、1、5、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900、および1000 mgの有効成分など、1.0〜1000 mgの有効成分を含む錠剤の形態で提供しうる。化合物は、1日1回または2回など、1日当たり1〜4回の療法で投与しうる。
【0053】
本発明の化合物は、本発明の化合物またはその他の薬物が有用性を持ちうる疾患または状態の治療、予防、抑制、改善、またはそのリスクの低減において、1つ以上のその他の薬物と組み合わせて使用しうるが、ここでこの薬物の組み合わせはまとめて、いずれかの薬物単体でよりも安全または効果的である。こうしたその他の薬物は、そのために一般的に使用される経路および量で、本発明の化合物と同時的または経時的に投与しうる。本発明の化合物が1つ以上のその他の薬物と同時に使用されるときは、そうしたその他の薬物と本発明の化合物を含む単位投与形態での薬剤組成物が望ましい。ただし、併用療法には、本発明の化合物および1つ以上のその他の薬物が異なる重複した予定で投与される治療も含まれる。また、1つ以上のその他の有効成分との組み合わせで使用するとき、本発明の化合物およびその他の有効成分は、それぞれを単回で使用したときよりも少ない用量で使用しうることも意図されている。従って、本発明の薬剤組成物には、本発明の化合物に加えて、1つ以上のその他の有効成分も含有するものが含まれる。上記の組み合わせには、本発明の化合物と、その他の1つの有効な化合物とだけでなく、2つまたはそれ以上のその他の有効な化合物との組み合わせが含まれる。
【0054】
同様に、本発明の化合物は、本発明の化合物が有用である疾患または状態の予防、治療、抑制、改善、またはそのリスクの低減に使用されるその他の薬物との組み合わせで使用しうる。こうしたその他の薬物は、そのために一般的に使用される経路および量で、本発明の化合物と同時的または経時的に投与しうる。本発明の化合物が1つ以上のその他の薬物と同時に使用されるときは、本発明の化合物に加えて、そうしたその他の薬物を含む薬剤組成物が望ましい。従って、本発明の薬剤組成物には、本発明の化合物に加えて、1つ以上のその他の有効成分も含有するものが含まれる。
【0055】
本発明の化合物の、第二の有効成分に対する重量比は変化させることができ、各成分の効果的な用量に依存する。一般に、それぞれの効果的な用量が使用される。こうして、例えば、本発明の化合物を別の薬剤と組み合わせるとき、本発明の化合物のその他の薬剤に対する重量比は一般に、約1000:1〜約1:1000の範囲であり、約200:1〜約1:200が好ましい。本発明の化合物とその他の有効成分の組み合わせは一般に、上述の範囲内であるが、各事例において、各有効成分の効果的な用量が使用されるべきである。こうした組み合わせにおいて、本発明の化合物とその他の活性薬剤は、別個に、または同時に投与しうる。加えて、一方の要素の投与は、他方の薬剤の投与の前後または同時のいずれでもよい。
【0056】
本発明の化合物は、カルバマゼピン、クロナゼパム、ジバルプロエクス、エトサクシミド、フェルバメート、ホスフェニトイン、ガバペンチン、ラモトリジン、レベチラセタム、ロラゼパム、ミダゾラム、オキシカルバゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン、チアガビン、トピラマート、バルプロ酸塩、ビガバトリンまたはゾニサミドなどの、抗痙攣薬との組み合わせでも使用しうる。別の実施形態において、主題の化合物は、アセトフェナジン、アレンタモール、ベンズヘキソール、ブロモクリプチン、ビペリデン、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ジアゼパム、フェノルドパム、フルフェナジン、ハロペリドール、レボドパ、ベンセラジド含有レボドパ、カルビドパ含有レボドパ、リスリド、ロキサピン、メソリダジン、モリンドロン、ナキサゴリド、オランザピン、ペルゴリド、ペルフェナジン、ピモジド、プラミペキソール、リスペリドン、スルピリド、テトラベナジン、トリヘキシフェニジル、チオリダジン、チオチキセン、トリフロペラジンまたはバルプロ酸との組み合わせで使用しうる。
【0057】
別の実施形態において、本発明の化合物は、レボドパ(カルビドパまたはベンセラジドなどの選択的脳外カルボキシラーゼ抑制剤との有無両方)、ビペリデン(任意にその塩酸塩または乳酸塩として)やトリヘキシフェニジル(ベンズヘキソール)塩酸塩などの抗コリン作用薬、エンタカポンなどのCOMT阻害薬、MOA-B阻害薬、酸化防止剤、A2aアデノシン受容体拮抗薬、コリン作動薬、セロトニン受容体拮抗薬およびドーパミン受容体作動薬(アレンタモール、ブロモクリプチン、フェノルドパム、リスリド、ナキサゴリド、ペルゴリドおよびプラミペキソールなど)との組み合わせでも使用しうる。ドーパミン作動薬は、医薬品として容認できる塩、例えば、アレンタモール臭化水素酸塩、メシル酸ブロモクリプチン、フェノルドパムメシル酸塩、ナキサゴリド塩酸塩およびペルゴリドメシル酸塩などの形態としうることが理解される。リスリドおよびプラミペキソールは一般に、非塩形態で使用される。
【0058】
別の実施形態において、本発明の化合物は、フェノチアジン、チオキサンテン、ヘテロ環式ジベンゾアゼピン、ブチロフェノン、ジフェニルブチルピペリジンおよびインドロンといった類の神経遮断薬からの化合物との組み合わせで使用しうる。フェノチアジンの適切な例としては、クロルプロマジン、メソリダジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジンおよびトリフロペラジンなどがある。チオキサンテンの適切な例としては、クロルプロチキセンおよびチオチキセンなどがある。ジベンザゼピンの一例はクロザピンである。ブチロフェノンの一例はハロペリドールである。ジフェニルブチルピペリジンの一例はピモジドである。インドロンの一例はモリンドロンである。その他の神経遮断薬には、ロキサピン、スルピリドおよびリスペリドンなどがある。主題の化合物との組み合わせで使用するとき、神経遮断薬は、医薬品として容認できる塩、例えば、塩酸クロルプロマジン、メソリダジンベシレート、塩酸チオリダジン、マレイン酸アセトフェナジン、塩酸フルフェナジン、エナント酸フルフェナジン、デカン酸フルフェナジン、塩酸トリフルオペラジン、塩酸チオチキセン、デカン酸ハロペリドール、コハク酸ロキサピンおよび塩酸モリンドンなどの形態としうることが理解されうる。ペルフェナジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ハロペリドール、ピモジドおよびリスペリドンは一般に、非塩形態で使用される。
【0059】
別の実施形態において、本発明の化合物は、オピエート作動薬、リポキシゲナーゼ阻害剤(5-リポキシゲナーゼの阻害剤など)、シクロオキシゲナーゼ(シクロオキシゲナーゼ-2阻害剤など)、インターロイキン阻害剤(インターロイキン-1阻害剤、NMDA拮抗薬、酸化窒素阻害剤または酸化窒素合成阻害剤など)、非ステロイド性抗炎症性薬剤、またはサイトカイン抑制抗炎症薬と組み合わせて、例えば、アセトアミノフェン、アスピリン、コデイン、フェンタニル、イブプロフェン、インドメタシン、ケトロラク、モルヒネ、ナプロキセン、フェナセチン、ピロキシカム、ステロイド系鎮痛剤、スフェンタニル、サンリンダク、テニダップ、およびこれに類するものなどの化合物と組み合わせて使用しうる。同様に、主題の化合物は、鎮痛剤、カフェイン、H2拮抗薬、シメチコン、アルミニウムまたは水酸化マグネシウムなどの増強薬、フェニレフリン、フェニルプロパノラミン、プソイドエフェドリン、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリン、またはレボ-デゾキシ-エフェドリンなどの充血除去剤、コデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタン、またはデキストロメトルファンなどの鎮咳薬、利尿薬、ならびに鎮静作用のあるまたは鎮静作用のない抗ヒスタミン薬とともに投与しうる。別の実施形態において、主題の化合物は、アムロジピンなどのL型カルシウムチャネル拮抗薬と組み合わせて使用しうる。別の実施形態において、主題の化合物は、NK-1受容体拮抗薬、ベータ-3作動薬、5-αレダクターゼ 阻害剤(フィナステリドやデュタステライドなど)、ムスカリンM3受容体拮抗薬(ダリフェナシン、フェソテロジン、オキシブチニン、ソリフェナシン、トルテロジンまたはトロスピウムなど)またはデュロキセチンと組み合わせて使用しうる。
【0060】
別の実施形態において、本発明の化合物は、当技術において睡眠の質の向上ならびに睡眠障害および睡眠異常の予防および治療に有用であることが既知の化合物と組み合わせて投与することができ、これには、例えば、鎮静薬、催眠薬、抗不安薬、抗精神病薬、抗不安薬、抗ヒスタミン薬、ベンゾジアゼピン、バルビツル酸塩、シクロピロロン、GABA作動薬、5HT-2拮抗薬(5HT-2A拮抗薬および5HT-2A/2C拮抗薬など)、ヒスタミン拮抗薬(ヒスタミンH3拮抗薬など)、ヒスタミンH3逆作動薬、イミダゾピリジン、マイナートランキライザー、メラトニン作動薬および拮抗薬、メラトニン作動薬、その他のオレキシン拮抗薬、オレキシン作用薬、プロキネチシン作動薬および拮抗薬、ピラゾロピリミジン、その他のT型カルシウムチャネル拮抗薬、トリアゾロピリジン、およびこれに類するものが含まれ、これには、アジナゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、アルモダフィニル、APD-125、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、バスピロン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプロモレリン、カプリド、カルボクロラール、クロラールベタイン、抱水クロラール、クロルジアゼポキシド、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼプ酸、クロレタート、クロザピン、クロナゼパム、シプラゼパム、デシプラミン、デクスクラモール、ジアゼパム、ジクロラルフェナゾン、ジバルプロエクス、ジフェンヒドラミン、ドクサピン、EMD-281014、エプリバンセリン、エスタゾラム、エスゾピクロン、エトクロルビノール、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホサゼパム、ガボキサドール、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、イブタモレン、イミプラミン、インディプロン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、LY-156735、マプロチリン、MDL-100907、メクロクアロン、メラトニン、メフォバルビタール、メプロバメート、メタカロン、メチプリロン、ミダフルル、ミダゾラム、モダフィニル、ネファゾドン、NGD-2-73、ニソバマート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オキサゼパム、パラアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポフォール、プロトリプチリン、クアゼパム、ラメルテオン、レクラゼパム、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン、TAK-375、テマゼパム、チオリダジン、チアガビン、トラカゾラート、トラニルシプロミン、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロホス、トリフロペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ゾラゼパム、ゾピクロン、ゾルピデム、およびその塩、およびその組み合わせ、およびそれに類するものなどがあり、また本発明の化合物は、光線療法または電気的刺激などの物理的方法とも同時に投与しうる。
【0061】
別の実施形態において、本発明の化合物は、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(三級アミン三環系抗欝薬および二級アミン三環系抗欝薬など)、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)、モノアミン酸化酵素の可逆性阻害剤(RIMA)、セロトニンおよびノルアドレナリンの再取り込み阻害薬(SNRI)、コルチコトロピン放出因子(CRF)拮抗薬、α -アドレナリン受容体拮抗薬、ニューロキニン-1 受容体拮抗薬、非定型抗鬱薬、ベンゾジアゼピン、5-HT1A作動薬または拮抗薬、特に5-HT1A部分作動薬、およびコルチコトロピン放出因子(CRF)拮抗薬などの抗うつ薬または抗不安薬と組み合わせて使用しうる。特定の薬剤には、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドクサピン、イミプラミンおよびトリミプラミン、アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリンおよびプロトリプチリン、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチンおよびセルトラリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミンおよびセレギリン、モクロベミド、ベンラファキシン、アプレピタント、ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドンおよびビロキサジン、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼプ酸、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパムおよびプラゼパム、ブスピロン、フレシノキサン、ジェピロンおよびイプサピロン、およびその医薬品として容認できる塩などが含まれる。
【0062】
別の実施形態において、本発明の化合物は、抗アルツハイマー病薬、ベータセクレターゼ阻害剤、ガンマセクレターゼ阻害剤、成長ホルモン分泌促進物質、組み換え体成長ホルモン、HMG-CoAリダクターゼ阻害剤、NSAID(イブプロフェンなど)、ビタミンE、抗アミロイド抗体、CB-1受容体拮抗薬またはCB-1受容体逆作用薬、ドキシサイクリンおよびリファンピンなどの抗生物質、N-メチル-D-アスパラギン酸塩(NMDA)受容体拮抗薬(メマンチンなど)、コリンエステラーゼ阻害薬(ガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル(Donepezil)、およびタクリンなど)、成長ホルモン分泌促進物質(イブタモレン、イブタモレンメシル酸塩、およびカプロモレリンなど)、ヒスタミンH3拮抗薬、AMPA作動薬、PDE IV阻害剤、GABAA逆作動薬、またはニューロンニコチン作動薬と組み合わせて使用しうる。
【0063】
本発明の化合物は、経口的、非経口的(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内注射または注入、皮下注射、または埋込状)、吸入スプレーにより、経鼻的、経膣的、経直腸的、舌下、または局所的投与経路で投与でき、また単体または従来的な非中毒性の医薬品として容認できる、各投与経路について適切な担体、アジュバント(補助剤)および媒体を含む適切な単位投与製剤とともに調剤しうる。マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、サル、その他などの温血動物の治療に加え、本発明の化合物は、ヒトにおける使用について効果的である。
【0064】
本発明の化合物の投与のための薬剤組成物は、従来的に単位投与形態で提供することができ、また製薬技術で周知の何らかの方法で調製しうる。すべての方法には、有効成分を1つ以上の副成分から構成される担体と関連付ける手順が含まれる。薬剤組成物は一般に、有効成分を液体担体または細かい粉末にした固体担体またはその両方に一様にかつ密接に関連させた後、必要に応じて、生成物を希望の製剤形態に形作ることで調製される。薬剤組成物において、目的の有効成分には、疾患の過程または状態に対して希望の効果を生成するのに十分な量が含まれる。本書で使用するとき、「組成物」という用語は、特定の量の特定の成分から構成される生成物、ならびに特定の成分を指定された量で組み合わせることで直接的または間接的に得られる一切の生成物を含むことが意図される。
【0065】
経口用として意図される薬剤組成物は、薬剤組成物の製造技術で既知の任意の方法に従い調製ができ、またこうした組成物には、薬剤として的確で口当たりのよい製剤を提供する目的で、甘味剤、香味剤、着色剤および防腐剤から構成される群から選択される1つ以上の薬剤が含まれうる。錠剤には、錠剤の製造に適切な毒性のない医薬品として容認できる賦形剤と混合した活性成分が含まれる。例えば、これらの賦形剤としては、不活性希釈液(炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなど)、顆粒化物質や分解剤(例えば、コーンスターチまたはアルギン酸)、結合剤(例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシア)、ならびに潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルク)などが考えられる。錠剤にはコーティングを施さないことも、胃腸管における崩壊および吸収を遅延させることでより長期間作用が持続するように既知の技術によりコーティングを施すこともできる。経口用の組成物はまた、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンといった不活性固体希釈剤と混合される硬ゼラチンカプセルとして、または活性成分が水または油媒体、例えばピーナツ油、流動パラフィン、またはオリーブ油と混合される軟ゼラチンカプセルとして提示することもできる。水性懸濁液には、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合する活性化合物を含みうる。油性の懸濁液は、有効成分を適切な油に懸濁させることで調製しうる。水中油乳濁液を採用することもできる。水添加による水性懸濁液の調製に適切な分散性の粉末および顆粒により、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤および1つ以上の防腐剤と混合した有効成分が提供される。本発明の薬剤組成物は、水溶性または油性の滅菌注入懸濁液という形態を取ることができる。本発明の化合物はまた、直腸投与のために坐薬という形態で投薬することもできる。局所用途の場合は、本発明の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、懸濁液の溶液なども採用しうる。本発明の化合物は、吸入による投与用にも調製しうる。本発明の化合物は、当技術分野で既知の方法による経皮パッチにより投与することもできる。
【0066】
本発明の化合物を調製するいくつかの方法を、以下の図式および実施例で示す。出発物質は、当技術で周知の、または本書で説明した手順に従い生成される。以下の略語を本書では使用する。Me:メチル、Et:エチル、t-Bu:tert-ブチル、Ar:アリール、Ph:フェニル、Bn:ベンジル、BuLi:ブチルリチウム、Piv:ピバロイル、Ac:アセチル、THF:テトラヒドロフラン、DMSO:ジメチルスルホキシド、EDC:N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド、Boc:tert-ブチルオキシカルボニル、Et3N:トリエチルアミン、DCM:ジクロロメタン、DCE:ジクロロエタン、DME:ジメトキシエタン、DEA:ジエチルアミン、DAST:ジエチルアミノサルファートリフルオリド、EtMgBr:エチルマグネシウムブロミド、BSA:ウシ血清アルブミン、TFA:トリフルオロ酢酸、DMF:N,N-ジメチルホルムアミド、SOCl2:塩化チオニル、CDI:カルボニルジイミダゾール、rt:室温、HPLC:高速液体クロマトグラフィー。本発明の化合物は、多様な方法で調製しうる。
【0067】
一部のケースでは、最終生成物は、例えば、置換基の操作により、さらに修正しうる。これらの操作には、限定されないものの、当業者には一般的に周知の還元、酸化、有機金属クロスカップリング、アルキル化、アシル化、および加水分解反応などが含まれうる。一部のケースでは、上記の反応図式を実現する順序は、反応を促進させる、または望ましくない反応性生物を回避するために変化されうる。以下の実施例は、発明をより詳細にわたり理解しうるように提供するものである。これらの実施例は、例証のためのものであり、いかなる形でも本発明を限定するものとは解釈されるべきでない。
【0068】
【化2】

【0069】
適切に置換した2-アミノカルボン酸1-1と、N,O-ジメチルヒドロキシルアミンおよびEDCなどのカップリング試薬の処理により、ワインレブアミド1-2が得られる。有機金属反応剤の追加によりケトン1-3が得られるが、これは別の方法として有機金属反応剤を適切に置換したニトリル1-4に追加することで調整できる。ケトン1-3は、CDIを用いてイミダゾール付加物1-5に仕上げることができる。好ましい一級アミンとの処理により1-6(感化4-ヒドロキシキナゾリノンと非環化ケト-尿素の混合物として存在しうる)が得られるが、これを脱水して1-7にし、別の有機金属と反応させると化合物1-8を得ることができる。別の方法として、1-6をSOCl2で脱水し、過剰な有機金属を用いて原位置で反応させて、1-8を得ることもできる。適切な求電子試薬を追加すると、本発明の化合物1-9が得られる。ヒドロキシキナゾリノン中間体1-6の調整の別の一般的方法を図式2に示す。適切に置換したアニリン2-1を塩化ピバロイルで保護した後、定方向オルト金属化およびエステルを用いた捕捉により、ケトン2-3が得られる。HClを用いてピバロイル基を取り除き、結果的なアミノ-ケトン2-4をトリホスゲンおよび適切に置換したアミンで処理すると、1-6(これは環化4-ヒドロキシキナゾリノンおよび非環化ケト-尿素の混合物として存在しうる)が得られる。
【0070】
【化3】

【0071】
一部のケースでは、最終生成物1-9は、例えば、置換基の操作により、さらに修正しうる。これらの操作には、限定されないものの、当業者には一般的に周知の還元、酸化、アルキル化、アシル化、および加水分解反応などが含まれうる。一部のケースでは、上記の反応図式を実現する順序は、反応を促進させる、または望ましくない反応性生物を回避するために変化させうる。以下の実施例は、発明をより詳細にわたり理解しうるように提供するものである。これらの実施例は、例証のためのものであり、いかなる形でも本発明を限定するものとは解釈されるべきでない。
【実施例1】
【0072】
【化4】

N-(2-ベンゾイル-4-クロロフェニル)-1H-イミダゾール-1-カルボキサミド
2-アミノ-5-クロロベンゾフェノン(40 g、172.7 mmol)をCH2Cl2(175 mL)に溶かした溶液に、カルボニルジイミダゾール(30.8 g、189.9 mmol)を加えた。反応を45℃まで16時間加熱すると、白色の沈殿物が得られた。反応を氷槽中で冷まし、沈殿物を減圧濾過により回収し乾燥させると、39.3 g(69.9%)のN-(2-ベンゾイル-4-クロロフェニル)-1H-イミダゾール-1-カルボキサミドが白色の固体として得られた。1H NMR(CDCl3、400 MHz)8.66(s、1H)、7.46(m、4H)、7.25(s、1H)、7.19(d、J = 6.96 Hz、2H)、7.15(s、1H)、6.94(m、2H)、6.76(d、J = 2.29 Hz、1H)。MS(エレクトロスプレー):m/z 348.0(M+Na)。
【0073】
6-クロロ-4-ヒドロキシ-4-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン
N-(2-ベンゾイル-4-クロロフェニル)-1H-イミダゾール-1-カルボキサミド(39.3 g、120.5 mmol)をTHF(200 mL)に入れた懸濁液に、2,2,2-トリフルオロエチルアミン(14.0 g、141.0 mmol)を加えた。反応を50℃まで16時間加熱した。2,2,2-トリフルオロエチルアミン(3.6 gm、36.4 mmol)の第二の部分を加え、引き続き50℃で3時間温めた。反応を周囲温度まで冷まし、真空内で濃縮した。淡い黄色の油を激しく攪拌し、n-ブチル塩化物(500 mL)と水溶性10%クエン酸(300 mL)に分離した。結果的な沈殿物を減圧濾過で回収し、真空下でP2O5のそばに16時間置くと、35.4 g(82.4%)の6-クロロ-4-ヒドロキシ-4-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オンが、灰色がかった白色の固体として得られた。1H NMR(CDCl3、400 MHz)8.41(brs、1H)、7.47(d、J = 8.06 Hz、2H)、7.36(m、3H)、7.27(m、1H)、7.21(dd、J = 2.26 Hzおよび8.52 Hz、1H)、6.76(d、J = 8.52 Hz、1H)、4.37(m、1H)、3.55(m、1H)、3.25(s、1H)。MS(エレクトロスプレー):m/z 357.0(M+H)。
【0074】
4-エチル-6-クロロ-4-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン
6-クロロ-4-ヒドロキシ-4-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン(5.5 g、15 mmol)をTHF(50 mL)に溶かした-20℃溶液にトリエチルアミン(10.7 mL、77 mmol)を加えた後、塩化チオニル(1.2 mL、17 mmol)を滴下により加えた。20分後、THF(46 mL、46 mmol)に入れた1Mのエチルマグネシウムブロミドを10分にわたり加え、反応混合物を0℃まで温めた。さらに0℃で30分後、よく攪拌した300mLのEtOAcおよび200mLの水の混合物を注いで反応を急冷し、これを1N HCl溶液で酸性化した。層を混合・分離し、有機層を200mLのブラインで洗浄し、濾過して未反応の出発物質を除去した。ろ液を真空内で濃縮した。順相クロマトグラフィー(120gシリカゲルカートリッジ、10〜75% EtOAc/ヘキサン)による精製により、3.9gの4-エチル-6-クロロ-4-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オンが得られた。1H NMR(CDCl3、400 MHz)δ 8.73(s、NH)、7.39(m、3H)、7.35(m、2H)、7.09(dd、1H、J=8.43および2.2 Hz)、6.70(d、1H、J=8.43Hz)、6.49(d、1H、J=2.38 Hz)、3.92(dq、1H、J=9.52および15.9 Hz)、3.47(dq、1H、J=8.61および17 Hz)、2.41(dq、1H、J=7.14および14.29 Hz)、2.28(dq、1H、J=7.14および14.28 Hz)、0.91(t、J = 7.14 Hz、3H)、MS(エレクトロスプレー):m/z 369.2(M+H)。
【0075】
4-エチル-6-クロロ-4-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-(ピリジン-4-イルメチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン
0.1g(0.27mmol)の4-エチル-6-クロロ-4-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オンを1 mLのDMFに溶かした溶液に、0.01g(0.4 mmol、鉱油中60% w/w)のNaHを加え、反応混合物を30分間攪拌した後、0.45g(0.35 mmol)の(4-クロロメチル)ピリジンを加えた。結果的なヘテロゲネオ亜酸混合物を、2時間攪拌した後、40mLのエーテルと30mLの水に分離した。エーテル層を20 mLの希釈ブラインと20 mLのブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。順相クロマトグラフィー(40gシリカゲルカートリッジ、20〜100% EtOAc/ヘキサン)による精製により、0.1gの4-エチル-6-クロロ-4-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-(ピリジン-4-イルメチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オンが白色の固体として得られた。1H NMR(CDCl3、400 MHz)δ 8.59(d、2H、J=5.31 Hz)、7.41(m、4H)、7.38(m、1H)、7.19(d、2H、J=5.68 Hz)、7.03(dd、1H、J=8.97および2.38 Hz)、6.55(m、2H)、5.28(br d、1H、J=18Hz)、5.18(br d、1H、J=18Hz)、3.89(dq、1H、J=8.98および15.8 Hz)、3.64(dq、1H、J=8.42および16.8 Hz)、2.43(dq、1H、J=7.15および14.29 Hz)、2.30(dq、1H、J=7.14および14.5 Hz)、0.91(t、J = 7.14 Hz、3H)、MS(エレクトロスプレー):m/z計算値(M+H)460.1398 実測値 460.1389。
【0076】
4-エチル-6-クロロ-4-フェニル-1-[(1-オキシドピリジン-4-イル)メチル]-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン
0.055g(0.12 mmol)の4-エチル-6-クロロ-4-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-(ピリジン-4-イルメチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オンを2 mLのCH2Cl2に溶かした0℃溶液に、0.023(0.13 mmol、55% w/w)メタクロロペル安息香酸を加え、反応混合物を室温まで温めて8時間攪拌した。50 mLのCH2Cl2で希釈した後、混合物を25 mL 1NのNaOHおよび25 mLのブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル クロマトグラフィー(1.5×6 cmシリカゲル、線形勾配2〜10% MeOH/CH2Cl2)による精製により、0.045gの4-エチル-6-クロロ-4-フェニル-1-[(1-オキシドピリジン-4-イル)メチル]-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オンが得られた。1H NMR(CDCl3、400 MHz)δ 8.18(d、2H、J=6.96 Hz)、7.39(m、5H)、7.20(d、2H、J=6.96 Hz)、7.09(dd、1H、J=8.79および2.38 Hz)、6.58(d、1H、J=8.97Hz)、6.56(d、1H、J=2.38 Hz)、5.23(br d、1H、J=17Hz)、5.11(br d、1H、J=17Hz)、3.87(dq、1H、J=9.34および15.9 Hz)、3.64(dq、1H、J=8.43および16.9 Hz)、2.43(dq、1H、J=7.33および14.5 Hz)、2.28(dq、1H、J=7.14および14.5 Hz)、0.88(t、J = 7.33 Hz、3H)、MS(エレクトロスプレー):m/z計算値(M+H)476.1347 実測値476.1360。
【実施例2】
【0077】
【化5】

N-(3,4-ジフルオロフェニル)-2,2-ジメチルプロパンアミド
5.250 g(40.663 mmol)の3,4-ジフルプレドナートを75 mlのジクロロメタンに溶かした0 ℃溶液に、5.487 mL(44.729mmol)の塩化ピバロイルおよび6.8 mL(48.796mmol)のトリエチルアミンを加えた。0 ℃から室温まで1時間攪拌した後、反応混合物をCH2Cl2で希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し真空内で濃縮した。8.660 g(99%)のN-(3,4-ジフルオロフェニル)-2,2-ジメチルプロパンアミドが得られた。1H NMR(CDCl3、400 MHz)δ 7.68〜7.63(m、1H、ArH)、7.09〜7.06(m、2H、ArH)、1.31(s、9H、O=C(CH33)。ES MS+1 = 214.1。
【0078】
(6-アミノ-2,3-ジフルオロフェニル)(4-フルオロフェニル)メタノン
2.5 g(11.724 mmol)のN-(3,4-ジフルオロフェニル)-2,2-ジメチルプロパンアミドを、39 mlの無水THFに溶かした-78 ℃溶液に、15分にわたり18mL(28.136 mmol)のn-BuLi(シクロヘキサン中1.6M溶液)を滴下して加えた。-78 ℃で1時間後、4mL(26.966mmol)のエチル4-フルオロ安息香酸を滴下して加え、反応混合物を-78 ℃から室温まで攪拌した。45分後、反応混合物を0 ℃まで冷まし、飽和塩化アンモニウムで急冷し、エーテル:水=1:1の混合物に注ぎ、室温まで温めた。有機相を単離し、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空内で濃縮すると、N-[3,4-ジフルオロ-2-(4-フルオロベンゾイル)フェニル]-2,2-ジメチルプロパンアミドが得られた。3.5 g(10.706 mmol)のN-[3,4-ジフルオロ-2-(4-フルオロベンゾイル)-フェニル]-2,2-ジメチルプロパンアミドを43mLの6N HClおよび8.6mLのDMEに溶かした溶液を100 ℃に加熱した。100 ℃で24時間後、反応混合物を室温まで冷まし、炭酸ナトリウムを反応混合物が塩基性になるまで加えた。反応を水で希釈し、エーテルで3回抽出し、ブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過し真空内で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(1×14 cmシリカゲル、線形勾配0〜20% EtOAc:ヘキサン)による精製により、1.704 g(63%)の(6-アミノ-2,3-ジフルオロフェニル)(4-フルオロフェニル)メタノンが得られた。1H NMR(CDCl3、400 MHz)δ 7.85〜7.80(m、2H、ArH)、7.17〜7.11(m、3H、ArH)、6.47(ddd、J = 2.01Hz、3.66Hz、9.16Hz、1H、ArH)、4.84(br s、2H、ArNH2)。ES MS+1 = 252.1。
【0079】
N-[3,4-ジフルオロ-2-(4-フルオロベンゾイル)フェニル]-N'-(2,2,2-トリフルオロエチル)尿素(開環体)および5,6-ジフルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン(閉環体)
0.85 g(2.89 mmol)のトリホスゲンを0.5 mlのエーテルに溶かした0 ℃溶液に、2.2g(8.76 mmol)の(6-アミノ-2,3-ジフルオロフェニル)(4-フルオロフェニル)メタノンおよび1.221mL(8.758 mmol)トリエチルアミンを17.5mLのエーテルに溶かした溶液を徐々に加えた。0 ℃で1時間後、0.7 mL(8.758mmol)のトリフルオロエチルアミンおよび1.221mL(8.758mmol)トリエチルアミンを17.5mLのエーテルに溶かした溶液を反応混合物に急速に加えた。混合物を室温まで温めて、室温で5時間後、反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO3溶液および鹹水で洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し真空内で濃縮した。CH2Cl2を加え、0.740gの白色の沈殿物(ppt)を単離した。ろ液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(1×14 cmシリカゲル、線形勾配0〜50% EtOAc:ヘキサン)で精製すると、0.7490 gが得られた。合計1.461 g(44%)のN-[3,4-ジフルオロ-2-(4-フルオロベンゾイル)フェニル]-N'-(2,2,2-トリフルオロエチル)尿素(閉環体)と5,6-ジフルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン(開環体)の2:1.6混合物を単離した。閉環体1H NMR(CDCl3、400 MHz)δ 8.50(br s、1H、ArNHC=O)、7.50(dd、J = 5.31 Hz、8.79 Hz、2H、ArH)、7.13(q、J = 8.97 Hz、17.03 Hz、1H、ArH)、7.06(t、J = 8.61 Hz、2H、ArH)、6.60〜6.57(m、1H、ArH)、4.33〜4.23(m、1H、NCH2CF3)、3.56〜3.44(m、1H、NCH2CF3)。開環体1H NMR(CDCl3、400 MHz)δ 8.34(br s、0.8H、ArNHC=O)、7.98〜7.95(m、0.8H、ArH)、7.84(td、J = 1.65 Hz、5.49 Hz、1.6H、ArH)、7.35(q、J = 9.15 Hz、18.31 Hz、0.8H、ArH)、7.18(t、J = 8.42 Hz、0.8H、ArH)、5.26(br s、0.8H、O=CNHCH2CF3)、3.94〜384(m、1.6 H、NCH2CF3)。
【0080】
4-エチル-5,6-ジフルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン
1.5 g(3.987 mmol)のN-[3,4-ジフルオロ-2-(4-フルオロベンゾイル)フェニル]-N'-(2,2,2-トリフルオロエチル)尿素(開環体)と5,6-ジフルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン(閉環体)を8 mlのTHFに溶かした溶液に、2.0 mL(19.933 mmol)のトリエチルアミンを加えた。80 ℃で1時間後、反応混合物を-78 ℃に冷却した。この溶液に、0.498mL(4.186 mmol)の塩化チオニルを加えた。-78 ℃で30分後、5mL(12.358 mmol)のエチルマグネシウムブロミド(ジエチルエーテル中3.0M溶液)を滴下して加えた。-78 ℃で1時間後、反応混合物を飽和NH4Clで急冷し、室温まで温めた。反応混合物をEtOAcで3回抽出し、ブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し真空内で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(1×14 cmシリカゲル、線形勾配0〜50% EtOAc:ヘキサン)による精製により、0.977 g(63%)の4-エチル-5,6-ジフルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オンが得られた。キラル分離(ChiralPak ADカラム、5 cm×50 cm、20μ、10〜40% エタノール/ヘキサン、モディファイヤー:DEA 1mL/L、60分)により、350 mgの第二の異性体が得られた。 [α]23D +0.464°(c=1.23、CH2Cl2)、1H NMR(CDCl3、400 MHz)δ 8.70(br s、1H、ArNHC=O)、7.40(dd、2H、J = 5.13 Hz、8.79 Hz、ArH)、7.09〜7.00(m、3H、ArCH)、6.53〜6.50(m、1H、ArH)、3.84(m、1H、NCH2CF3)、3.50(m、1H、NCH2CF3CF3)、2.56(m、1H、CH2CH3)、2.36(m、1H、CH2CH3)、0.943( t、3H、J = 7.14 Hz、CH2CH3)。HRMS(ES)C18H14F6N2Oの正確な質量計算値:389.1083、実測値:389.1063。
【0081】
4-エチル-5,6-ジフルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-1-(ピリジン-4-イルメチル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン
0.050 g(0.129 mmol)の4-エチル-5,6-ジフルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オンを0.5 mlのDMFに溶かした溶液に、0.005 g(0.193 mmol)の水素化ナトリウムを加えた。室温で30分後、0.02 g(0.167 mmol)のピコリル塩化物を反応混合物に加えた。室温で24時間後、反応混合物を分離用逆相HPLC(5〜>95% CH3CN/H2Oで30分間、0.05% TFA、C18 PRO YMC 20x150 mm)により精製すると、0.040 g(65%)の4-エチル-5,6-ジフルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-1-(ピリジン-4-イルメチル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オンが得られた。1H NMR(CDCl3、400 MHz)δ 8.84(d、2H、J = 6.23、ArH)、7.67(d、2H、J = 6.04、ArH)、7.41(m、2H、ArH)、7.11(t、2H、J = 8.42 Hz、ArH)、7.03(q、1H、J = 9.06 Hz、17.39 Hz、ArH)、6.29(m、1H、ArH)、5.40(m、2H、NCH2Ar)、3.81-3.69(m、2H、NCH2CF3)、2.59(m、1H、CH2CH3)、2.40(m、1H、CH2CH3)、0.953( t、3H、J = 7.14 Hz、CH2CH3)。HRMS(ES)C24H19F6N3Oの正確な質量計算値:480.1505、実測値:480.1486。
【実施例3】
【0082】
4-エチル-5,6-ジフルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-1-[(1-オキシドピリジン-4-イル)メチル]-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン
0.040 g(0.083 mmol)の4-エチル-5,6-ジフルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-1-(ピリジン-4-イルメチル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オンを0.5 mlのCH2Cl2に溶かした溶液に、0.022 g(0.125 mmol)のm-CPBAを加えた。室温で24時間攪拌した後、反応混合物をCH2Cl2で希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し真空内で濃縮した。分離用HPLC(5〜>95% CH3CN/H2Oで30分間、0.05% TFA、C18 PRO YMC 20x150 mm)により精製すると、0.026 g(63%)の4-エチル-5,6-ジフルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-1-[(1-オキシドピリジン-4-イル)メチル]-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オンが得られた。1H NMR(CDCl3、400 MHz)δ 8.35(d、2H、J = 6.59、ArH)、7.41〜7.38(m、2H、ArH)、7.34(d、2H、J = 6.41 Hz、ArH)、7.12〜7.01(m、3H、ArH)、6.38(m、1H、ArH)、5.24(m、2H、NCH2Ar)、3.73(m、2H、NCH2CF3)、2.56(m、1H、CH2CH3)、2.39(m、1H、CH2CH3)、0.918( t、3H、J = 7.15 Hz、CH2CH3)。HRMS(ES)C24H19F6N3 O2の正確な質量計算値:496.1454、実測値:496.1435。
【実施例4】
【0083】
【化6】

(2-アミノ-5-クロロフェニル)(4-フルオロフェニル)メタノン
1.0M 4-フルオロフェニルマグネシウム臭化物をTHF(196.6 mL、196.6 mmol)に溶かした0℃溶液に、2-アミノ-5-クロロベンゾニトリル(10.0 gm、65.5 mmol)のTHF溶液(100 mL)を0.5時間かけて加えた。氷槽を取り除き、反応を周囲温度で17時間攪拌した。褐色の溶液を氷槽中で冷まし、1N HCl水溶液(300 mL)を滴下して加えて処理し、エーテル(2×250 mL)で抽出した。混合した有機抽出物を1N HCl水溶液(100 mL)、水(2×150 ml)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150 ml)、ブライン(100 mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空内で30 mLに濃縮し、60 mLのヘキサンで希釈した。結果的な沈殿物を濾過すると、13.2 g(80.4%)の(2-アミノ-5-クロロフェニル)(4-フルオロフェニル)メタノンが黄色の固体として得られた。1H NMR(CDCl3、400 MHz)7.67(m、2H)、7.37(d、J = 2.38 Hz、1H)、7.25(m、1H)、7.16(m、2H)、6.70(d、J = 8.79 Hz、1H)、5.99(br s、2H)。MS(エレクトロスプレー):m/z 250.1(M+H)。
【0084】
N-[4-クロロ-2-(4-フルオロベンゾイル)フェニル]-1H-イミダゾール-1-カルボキサミド
(2-アミノ-5-クロロフェニル)(4-フルオロフェニル)メタノン(50.1 g、200.7 mmol)をCH2Cl2(500 mL)に溶かした溶液に、カルボニルジイミダゾール(35.8 g、220.7 mmol)を加えた。反応を45℃まで16時間加熱した。追加のカルボニルジイミダゾール(9.8 g、60.2 mmol)を加え、引き続き45℃で6時間加熱した。反応を真空内で濃縮し、粗製の泡まつを激しく攪拌してメチル-tert-ブチルエテール(400 mL)と水(100 mL)に分離した。結果的な沈殿物を減圧濾過により回収し、淡水で洗浄した後、メチル-tert-ブチルエテールおよびヘプタンで洗浄すると、53.85 g(78.1%)のN-[4-クロロ-2-(4-フルオロベンゾイル)フェニル]-1H-イミダゾール-1-カルボキサミドが、灰色がかった白色の固体として得られた。1H NMR(d6-DMSO、400 MHz)11.06(s、1H)、7.58(m、1H)、7.36(m、3H)、7.23(m、2H)、7.08(m、3H)、6.74(s、1H)。MS(エレクトロスプレー):m/z 366.0(M+Na)。
【0085】
6-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン
N-[4-クロロ-2-(4-フルオロベンゾイル)フェニル]-1H-イミダゾール-1-カルボキサミド(63.0 g、183.3 mmol)をTHF(315 mL)に入れた懸濁液に、2,2,2-トリフルオロエチルアミン(24.5 g、247.4 mmol)を加えた。反応を50℃まで加熱した。50℃で19時間後、反応を周囲温度まで冷まし、真空内で濃縮した。淡い黄色の油を激しく攪拌し、n-ブチル塩化物(110 mL)と水溶性10%クエン酸(60 mL)に分離した。結果的な沈殿物を減圧濾過で回収し、真空下でP2O5のそばに16時間置くと、63.15 g(92.0%)の6-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オンが、灰色がかった白色の固体として得られた。1H NMR(d6-DMSO、400 MHz)10.32(s、1H)、7.73(s、1H)、7.41(m、2H)、7.27(dd、J = 2.38 Hzおよび8.61 Hz、1H)、7.20(m、2H)、6.97(d、J = 2.38 Hz、1H)、6.92(d、J = 8.61 Hz、1H)、4.13(m、1H)、3.64(m、1H)。MS(エレクトロスプレー):m/z 357.1(M+H-H2O)。
【0086】
4-アリル-6-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン
6-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン(21.2 g、56.6 mmol)を無水THF(170 mL)に溶かした-40℃溶液に、トリエチルアミン(39.4 mL、283 mmol)を加えた。反応を5分間攪拌した後、温度を-20℃未満に維持しながら、塩化チオニル(4.4 mL、59.4 mmol)を滴下して加えた。25分後、1.0Mのアリルマグネシウム臭化物をTHF(170 mL、170 mmol)に溶かしたものを、温度-10℃未満を維持しながら35分間にわたり加えた。反応を-5℃未満で30分間攪拌した後、激しく攪拌した水溶性10%クエン酸(150 mL)、氷(50 g)、および酢酸エチル(200 mL)の混合物に注いだ。水溶性相を酢酸エチル(3×100 mL)で抽出した。混合した有機物を水(100 mL)、ブライン(100 mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空内で濃縮すると、粗製の褐色の油が得られた。油を塩化メチレン(100 mL)に溶解させ、1時間攪拌した。結果的な沈殿物を減圧濾過で回収し、真空下で16時間乾燥させると、15.8 g(70%)のラセミの4-アリル-6-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オンが、灰色がかった白色の固体として得られた。1H NMR(d6-DMSO、400 MHz)9.98(s、1H)、7.46(m、2H)、7.21(m、3H)、6.83(d、J = 8.61 Hz、1H)、6.54(d、J = 2.01 Hz、1H)、5.47(m、1H)、5.10(m、2H)、4.03(m、1H)、3.73(m、1H)、3.29(m、1H)、3.01(m、1H)。MS(エレクトロスプレー):m/z 399.0(M+H)。
【0087】
(+)-6-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-4-プロピル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン
ラセミの4-アリル-6-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン(22.1 g、55.4 mmol)を酢酸エチル(450 mL)に溶かした溶液に、窒素雰囲気下で、10%パラジウム炭素(224 mg)を加えた。バルーン1個分の水素を攪拌中の混合物に泡立てた。次に、反応を水素雰囲気下で夜通し攪拌した。反応を窒素で浄化し、セライトパッドを通過させて濾過し、ろ液を真空内で濃縮すると、22.3 gm(100%)の(+)-6-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-4-プロピル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オンが白色の固体として得られた。1H NMR(d6-DMSO、400 MHz)10.02(s、1H)、7.43(m、2H)、7.20(m、3H)、6.84(d、J = 8.61 Hz、1H)、6.59(d、J = 2.02 Hz、1H)、3.80(q、J = 9.34 Hz、2H)、2.33(m、2H)、1.24(m、1H)、0.94(m、1H)、0.89(t、J = 6.87 Hz、3H)。MS(エレクトロスプレー):m/z 401.1(M+H)。
【0088】
(+)および(-)-6-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-4-プロピル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン
ラセミの6-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-4-プロピル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン(22.3 g)を、キラル逆相クロマトグラフィー(ChiralPak AD packing、30% iPrOH/ヘプタンとDEAモディファイヤー、1.0 mL/L)を使用して分離した。6-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-4-プロピル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オンのエナンチオマーが、ヘキサンから結晶性個体として得られ、10.1 gがピーク1として、10.2 gがピーク2として得られた。ピーク2データ:1H NMR(d6-DMSO、400 MHz)10.02(s、1H)、7.43(m、2H)、7.20(m、3H)、6.84(d、J = 8.61 Hz、1H)、6.59(d、J = 2.19 Hz、1H)、3.80(q、J = 9.34 Hz、2H)、2.33(m、2H)、1.24(m、1H)、0.94(m、1H)、0.89(t、J = 6.87 Hz、3H)。正確な質量(エレクトロスプレー、M+H):計算値401.1039、実測値401.1040。[α]D = -6.7 o(c0.0045、MeOH)。ピーク1の旋光度:[α]D = +5.2 o(c0.0062、MeOH)。
【0089】
(-)-6-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-4-プロピル-1-(ピリジン-4-イルメチル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン
丸底フラスコに水素化ナトリウムの60%油分散体(1.5 gm、38.2 mmol)を入れた。分散体を3回にわたりヘキサンで処理してから溶剤のデカンテーションを行って油を除去し、残留した固体を乾性DMF(20 mL)中に懸濁させた。攪拌中の混合物に0℃で、(-)-6-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-4-プロピル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン(10.2 gm、25.4 mmol)をDMF(30 mL)に溶かした溶液を滴下して加えた。混合物を30分間攪拌した後、4-(クロロメチル)ピリジン(4.25 gm、33.1 mmol)で処理した。反応を1時間攪拌した後、氷/水(300 mL)で処理し、エーテル(3×250 mL)で抽出した。有機層を混合し、ブライン(150 ml)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空内で濃縮すると、粗製の泡まつが得られた。カラムクロマトグラフィー(10〜80% EtOAc、ヘキサン中、20分間、90 mL/分)により精製し、真空内で濃縮すると、12.41 gm(99.1%)の(-)-6-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-4-プロピル-1-(ピリジン-4-イルメチル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オンが白色の泡まつとして得られた。1H NMR(CDCl3、400 MHz)8.59(d、J = 6.04 Hz、2H)、7.42(m、2H)、7.19(d、J = 6.04 Hz、2H)、7.11(t、J = 8.60 Hz、2H)、7.05(dd、J = 2.38 Hzおよび8.79 Hz、1H)、6.56(d、J = 8.79 Hz、1H)、6.50(d、J = 2.38 Hz、1H)、5.29(brd、J = 16.85 Hz、1H)、5.13(brd、J = 16.85 Hz、1H)、3.77(q、J = 8.42 Hz、2H)、2.32(dt、J = 4.03 Hzおよび13.00 Hz、1H)、2.15(dt、J = 4.28 Hzおよび13.14 Hz、1H)、1.42(m、1H)、1.09(m、1H)、0.96(t、J = 7.14 Hz、3H)。正確な質量(エレクトロスプレー、M+H):計算値492.1460、実測値492.1470。[α]D = -18.6 o(c0.0030、MeOH)。
【実施例5】
【0090】
(-)-6-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-1-[(1-オキシドピリジン-4-イル)メチル]-4-プロピル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン
(-)-6-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-4-プロピル-1-(ピリジン-4-イルメチル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン(12.4 gm、25.2 mmol)を塩化メチレン(60 mL)に溶かした溶液に、固体3-クロロペル安息香酸(6.53 gm、37.8 mmol)を10回の均等な分量で0.5時間にわたり加えた。周囲温度で2時間攪拌した後、反応を塩化メチレン(300 mL)と1N水酸化ナトリウム水溶液(300 mL)に分離し、塩基性水溶相を塩化メチレン(3×300 mL)で抽出した。混合した有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空内で容積30 mLに濃縮した。適度に攪拌しながら、溶液をエーテルで処理すると、沈殿物が得られた。濾過により、10.1 gm(78.8%)の(-)-6-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-1-[(1-オキシドピリジン-4-イル)メチル]-4-プロピル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オンが白色の固体として得られた。1H NMR(CDCl3、400 MHz)8.19(d、J = 7.14 Hz、2H)、7.40(m、2H)、7.20(d、J = 7.15 Hz、2H)、7.11(m、3H)、6.59(d、J = 8.79 Hz、1H)、6.51(d、J = 2.38 Hz、1H)、5.25(brd、J = 17.22 Hz、1H)、5.06(brd、J = 17.40 Hz、1H)、3.75(q、J = 8.79 Hz、2H)、2.31(dt、J = 3.85 Hzおよび13.00 Hz、1H)、2.14(dt、J = 4.21 Hzおよび13.19 Hz、1H)、1.36(m、1H)、1.05(m、1H)、0.94(t、J = 7.05 Hz、3H)。正確な質量(エレクトロスプレー、M+H):計算値508.1410、実測値508.1414。[α]D = -19.0 o(c0.0046、CH2Cl2)。
【0091】
【表1】




【0092】
発明についてこれまで特定の実施形態に関連して説明・例示したが、当業者であれば本発明の精神と範囲を逸脱することなく、手続きやステップへの多様な適応、変更、修正、置換、削除、または追加ができることを理解しうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式Iの化合物:
【化1】

(式中、
X1、X2およびX3は、
(1) 水素、
(2) フルオロ、
(3) クロロ、および
(4) ブロモ、
で構成される群から独立的に選択され、
R1は、置換されていないか、または
(1) ハロゲン、
(2) 置換されていないか、またはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されているC1-6アルキル、
(3) 置換されていないか、またはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている-OC1-6アルキル、
(4) -CN、
(5) -NR5R6(R5およびR6は独立的に水素、C1-6アルキルおよびC1-6アルキル-フェニルから選択される。)、および
(6) -S(O)nC1-6アルキル(nは0、1または2である。)
から成る群から選択される置換基で置換されているフェニル、C1-6アルキル、またはC3-6シクロアルキルであり、
R2は、置換されていないか、または
(1) フルオロ、
(2) クロロ、
(3) 置換されていないか、またはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている-OC1-6アルキル、
(4) -S(O)nC1-6アルキル、
(5) -OH、
(6) =O、
(7) -CHO、
(8) -CO2-C1-6アルキル、
(9) C3-6シクロアルキル、
(10) ジオキサニル、および
(11) 置換されていないか、またはハロゲン、ヒドロキシル、C1-6アルキルまたは-O-C1-6アルキルで置換されているフェニル、
から構成される群から選択される1つ以上の置換基で置換されているC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル、C2-6アルケニル、またはC2-6アルキニルであり、
R3は、1つ以上のフルオロで置換され、さらに
(1) C1-6アルキル、
(2) C3-6シクロアルキル、
(3) フェニル、および
(4) ピリジル、
で構成される群から選択される置換基で任意に置換されているC1-6アルキルであり、
R4は、置換されていないか、または
(1) ハロゲン、
(2) -OH、
(3) 置換されていないか、またはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている-OC1-6アルキル、
(4) -CN、
(5) -NR5R6(R5およびR6は独立的に水素、C1-6アルキルおよびC1-6アルキル-フェニルから選択される。)、
(6) 置換されていないか、または
(a) ハロゲン、
(b) 置換されていないか、またはフルオロで置換されているC1-6アルキル、
(c) C3-6シクロアルキル、
(d) -O-C1-6アルキル、
(e) -OH、
(f) 置換されていないか、またはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている-(CO)O-C1-6アルキル、
(g) 置換されていないか、またはハロゲンまたはC1-6アルキルで置換されているトリアゾリル、および
(h) -CN、
で構成される群から選択される置換基で置換されているフェニル、
(7) 置換されていないか、または
(a) ハロゲン、
(b) 置換されていないか、またはフルオロで置換されているC1-6アルキル、
(c) C3-6シクロアルキル、
(d) -O-C1-6アルキル、
(e) -OH、
(f) 置換されていないか、またはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている-(CO)O-C1-6アルキル、
(g) 置換されていないか、またはハロゲンまたはC1-6アルキルで置換されているトリアゾリル、および
(h) -CN、および
から成る群から選択される置換基で置換されているヘテロアリール、および
(8) -CO2-C1-6アルキル、
で構成される群から選択される置換基で置換されているC1-6アルキルである。)
あるいは、該化合物のN-酸化物または該化合物の医薬品として容認できる塩。
【請求項2】
X1
(1) フルオロ、
(2) クロロ、および
(3) ブロモ、
で構成される群から選択され、
X2は、
(1) フルオロ、
(2) クロロ、
で構成される群から選択され、ならびに
X3は水素である
請求項1の化合物。
【請求項3】
X1はフルオロ、X2は水素およびX3は水素である請求項1の化合物。
【請求項4】
X1はフルオロ、X2はフルオロおよびX3は水素である請求項1の化合物。
【請求項5】
X1はクロロ、X2は水素およびX3は水素である請求項1の化合物。
【請求項6】
R1が、置換されていないか、または
(1) フルオロ、
(2) クロロ、
(3) CH3
(4) CF3
(5) OCF3
(6) OCH3、および
(7) -N(CH32
から成る群から選択される置換基で置換されるフェニルまたはシクロプロピルである請求項1の化合物。
【請求項7】
R1が、置換されていないか、またはフルオロ、メチルまたはメトキシで置換されているフェニルである請求項6の化合物。
【請求項8】
R2
(1) CH2CH3
(2) CH2CH2CH3
(3) シクロプロピル、
(4) CF3
(5) CH2CF3
(6) CH2CHF2
(7) CH2C(CH33
(8) CH2CH=CH2
(9) C=CH2(CH3)、
(10) CH2C=CCH3
(11) -CO2-CH3
(12) CH2OCH2CH3
(13) CH2CH2CH2CH3
(14) CH2CH2-ジオキサニル、および
(15) CH2C(CH32-フェニル
で構成される群から選択される請求1の化合物。
【請求項9】
R3
(1) CF3
(2) CF2H、
(3) CH2CF3
(4) CH2CHF2
(5) CH2CH2F、
(6) CH2CF2CH3
(6) CH2CF2CF3
(7) CH2CF2-フェニル、および
(8) CH2CF2-ピリジル
で構成される群から選択される請求1の化合物。
【請求項10】
R4が、
(1) 置換されていないか、またはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている-OC1-6アルキル、
(2) -CN、
(3) 置換されていないか、または
(a) ハロゲン、
(b) 置換されていないか、またはフルオロで置換されているC1-6アルキル、
(c) C3-6シクロアルキル、
(d) -O-C1-6アルキル、
(e) -OH、
(f) 置換されていないか、またはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている-(CO)O-C1-6アルキル、
(g) 置換されていないか、またはハロゲンまたはC1-6アルキルで置換されているトリアゾリル、および
(h) -CN、
で構成される群から選択される置換基で置換されているフェニル、
(4) 置換されていないか、または
(a) ハロゲン、
(b) 置換されていないか、またはフルオロで置換されているC1-6アルキル、
(c) C3-6シクロアルキル、
(d) -O-C1-6アルキル、
(e) -OH、
(f) 置換されていないか、またはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている-(CO)O-C1-6アルキル、
(g) 置換されていないか、またはハロゲンまたはC1-6アルキルで置換されているトリアゾリル、および
(h) -CN
から成る群から選択される置換基で置換されているヘテロアリール
から成る群から選択される置換基で置換されるC1-6アルキルである請求項1の化合物。
【請求項11】
R4が、
(1) -OC1-6アルキル、および
(2) -CN
から成る群から選択される置換基で置換されるC1-6アルキルである請求項10の化合物。
【請求項12】
R4が、置換されていないかまたは、
(a) ハロゲン、
(b) 置換されていないか、またはフルオロで置換されているC1-6アルキル、
(c) C3-6シクロアルキル、
(d) -O-C1-6アルキル、
(e) -OH、
(f) 置換されていないか、またはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている-(CO)O-C1-6アルキル、
(g) 置換されていないか、またはハロゲンまたはC1-6アルキルで置換されているトリアゾリル、および
(h) -CN
から成る群から選択される置換基で置換されるフェニルで置換されるC1-6アルキルである請求項10の化合物。
【請求項13】
R4が、置換されていないかまたは、
(a) ハロゲン、
(b) 置換されていないか、またはフルオロで置換されているC1-6アルキル、
(c) C3-6シクロアルキル、
(d) -O-C1-6アルキル、
(e) -OH、
(f) 置換されていないか、またはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている-(CO)O-C1-6アルキル、
(g) 置換されていないか、またはハロゲンまたはC1-6アルキルで置換されているトリアゾリル、および
(h) -CN
から成る群から選択される置換基で置換されるヘテロアリールで置換されるC1-6アルキルである請求項10の化合物。
【請求項14】
4-エチル-6-クロロ-4-フェニル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-(ピリジン-4-イルメチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン、
4-エチル-6-クロロ-4-フェニル-1-[(1-オキシドピリジン-4-イル)メチル]-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン、
4-エチル-5,6-ジフルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン、
4-エチル-5,6-ジフルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-1-(ピリジン-4-イルメチル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン、
4-エチル-5,6-ジフルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-1-[(1-オキシドピリジン-4-イル)メチル]-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン、
6-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-4-プロピル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン、
6-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-4-プロピル-1-(ピリジン-4-イルメチル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2(1H)-オン、
6-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-1-[(1-オキシドピリジン-4-イル)メチル]-4-プロピル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン、
6-クロロ-4-フェニル-1-[(4-メトキシフェニル)-メチル]-4-ビニール-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン、
6-クロロ-4-フェニル-1-[(4-メトキシフェニル)-メチル]-4-ホルミル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン、
(-)-6-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-1-[(1-オキシドピリジン-4-イル)メチル]-4-シクロプロピル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン、
5,6-ジフルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-4-プロピル-1-[(ピリジン-4-イル)メチル]-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン、
5,6-ジフルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-4-プロピル-1-[(1-オキシドピリジン-4-イル)メチル]-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン、
6-フルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-4-エチル-1-(シアノメチル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン、
4-エチル-5,6-ジフルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-1-[(4-メチル-1,3-オキサキソル-5-イル)カルボニル]-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン、
4-エチル-5,6-ジフルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-1-[(3,5-ジメチル-1,2-オキサキソル-4-イル)メチル]-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン、
4-エチル-5,6-ジフルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-1-(2-メトキシエチル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン、
5,6-ジフルオロ-4-(4-フルオロフェニル)-4-(2-フルオロエチル)-1-[(1-オキシドピリジン-4-イル)メチル]-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン、
6-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)-1-[(ピリジン-4-イル)メチル]-4-(3-ヒドロキシプロピル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン、
からなる群から選択される化合物またはそれらの医薬品として容認できる塩。
【請求項15】
不活性の担体および請求1の化合物またはその医薬品として容認できる塩を含む薬剤組成物。
【請求項16】
医薬で使用するための請求項1の化合物またはその医薬品として容認できる塩。
【請求項17】
睡眠障害の治療または予防のための薬剤の製造のための、請求項1の化合物、またはその医薬品として容認できる塩の使用。
【請求項18】
睡眠の質を向上を必要とする哺乳類患者における睡眠の質を向上させるための方法で、患者に治療的に有効な量の請求項1の化合物またはその医薬品として容認できる塩を投与することを含む方法。
【請求項19】
癲癇の治療または抑制を必要とする哺乳類患者における癲癇の治療または抑制のための方法で、患者に治療的に有効な量の請求項1の化合物またはその医薬品として容認できる塩を投与することを含む方法。
【請求項20】
疼痛の治療または抑制を必要とする哺乳類患者における疼痛の治療または抑制のための方法で、患者に治療的に有効な量の請求項1の化合物またはその医薬品として容認できる塩を投与することを含む方法。

【公表番号】特表2010−533177(P2010−533177A)
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516032(P2010−516032)
【出願日】平成20年7月7日(2008.7.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/008310
【国際公開番号】WO2009/009015
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】