説明

キャップ及び包装容器

【課題】 容器の口部に円滑に装着することができるキャップ及びそのキャップを備える包装容器を提供する。
【解決手段】 包装容器は、口部11にフランジ部112が設けられる容器1と、口部11に装着されるキャップ3とを備え、キャップ3は、口部11が一方側から挿入される筒状の本体部31と、口部11から離脱するのを防止すべく、本体部31の内周部から他方側に向けて板状に突出され、他端部でフランジ部112を係止する係止片32,…とを備える。そして、各係止片32は、フランジ部112に摺接されるのに伴って、本体部31の内周部に近づくように弾性変形するように構成されると共に、本体部31に連結される連結部321が全長に亘って本体部31の周方向と交差するように配置され、さらに、表面が球面状となるように形成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フランジ部が設けられる容器の口部に装着されるキャップに関し、また、そのキャップを備える包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フランジ部が設けられる容器の口部に装着されるキャップとして、口部が下方側から挿入される円筒状の本体部と、本体部から径方向内方に突出し、フランジ部を係止する複数の係止片とを備えるキャップが知られている(例えば、特許文献1)。斯かるキャップによれば、複数の係止片が上端部でフランジ部の下端部を係止するため、キャップが容器の口部から離脱するのを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−282891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に係るキャップにおいては、係止片が本体部から径方向内方に突出しているため、キャップが容器の口部に打栓される(押し込められる)際に、係止片だけでなく本体部も径方向外方に拡がるように弾性変形する。したがって、キャップを容器の口部に装着する際に、大きな力が必要となる。
【0005】
さらに、斯かるキャップにおいては、係止片が周方向に延設されているため、キャップが容器の口部に打栓される際に、係止片の先端部全体がフランジ部に接触した状態、即ち、係止片がフランジ部と線接触した状態で、係止片がフランジ部に摺接される。したがって、係止片及びフランジ部間に作用する摩擦力が大きくなるため、キャップを容器の口部に装着する際に、さらに大きな力が必要となる。
【0006】
よって、本発明は、斯かる事情に鑑み、容器の口部に円滑に装着することができるキャップを提供することを課題とし、また、キャップを容器の口部に円滑に装着することができる包装容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るキャップは、フランジ部が設けられる容器の口部に装着されるべく、口部が一方側から挿入される筒状の本体部と、口部から離脱するのを防止すべく、本体部の内周部から他方側に向けて板状に突出され、他端部でフランジ部を係止する係止片とを備え、係止片は、フランジ部に摺接されるのに伴って、本体部の内周部に近づくように弾性変形するように構成されるキャップであって、係止片は、本体部に連結される連結部が全長に亘って本体部の周方向と交差するように配置されると共に、表面が球面状となるように形成されることを特徴とする。
【0008】
本発明に係るキャップによれば、係止片が本体部の内周部から他方側に向けて板状に突出されている。そして、係止片が弾性を有して形成されているため、キャップが容器の口部に打栓される(押し込められる)際に、係止片がフランジ部に摺接されるのに伴って、係止片が本体部の内周部に近づくように弾性変形する。したがって、キャップが容器の口部に打栓される際に、本体部が弾性変形するのを抑制できる。
【0009】
さらに、本体部に連結される係止片の連結部が全長に亘って本体部の周方向と交差すると共に、係止片の表面が球面状となるように形成されている。これにより、キャップが容器の口部に打栓される際に、係止片がフランジ部に点接触(又は略点接触)で摺接されるため、係止片及びフランジ部間に作用する摩擦力を小さくすることができる。そして、キャップが容器の口部に装着されると、弾性変形していた係止片が復元して他端部でフランジ部を係止するため、キャップが容器の口部から離脱するのを防止できる。
【0010】
また、本発明に係るキャップにおいては、係止片は、一端部から他端部に向けて次第に本体部の軸線方向に沿うように湾曲して形成されてもよい。
【0011】
斯かる構成のキャップによれば、容器の口部からキャップを離脱させるように、キャップに力が作用されると、係止片の他端部には、本体部の軸線方向の一方側に向けて力が作用することになる。しかしながら、係止片が一端部から他端部に向けて次第に本体部の軸線方向に沿うように湾曲して形成されているため、係止片に斯かる力が作用しても、係止片が弾性変形するのを抑制できる。
【0012】
また、本発明に係る包装容器は、口部にフランジ部を有する容器と、前記のキャップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上の如く、本発明によれば、キャップが容器の口部に打栓される際に、係止片がフランジ部に摺接されるのに伴って、係止片が本体部の内周部に近づくように弾性変形するため、本体部が弾性変形するのを抑制できると共に、係止片がフランジ部に点接触(又は略点接触)で摺接されるため、係止片及びフランジ部間に作用する摩擦力を小さくすることができ、その結果、キャップを容器の口部に円滑に装着することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る包装容器の図であって、(a)は全体斜視図、(b)はA−A線における要部拡大断面図を示す。
【図2】同実施形態に係るキャップの全体図であって、(a)は上方斜視図、(b)は下方斜視図を示す。
【図3】同実施形態に係るキャップの全体図であって、(a)は正面図、(b)は背面図を示す。
【図4】同実施形態に係るキャップの全体図であって、(a)は平面図、(b)は底面図を示す。
【図5】同実施形態に係るキャップの全体図であって、(a)は右側面図、(b)は図3(a)のB−B線における断端面図を示す。
【図6】同実施形態に係るキャップの全体図であって、(a)は図3(a)のC−C線における断端面図、(b)は図4(a)のD−D線における断面図を示す。
【図7】同実施形態に係るキャップを容器に装着する際の作用説明図であって、(a)は要部縦断面図、(b)はE−E線における断端面図を示す。
【図8】本発明の他の実施形態に係るキャップの全体図であって、(a)は上方斜視図、(b)は下方斜視図を示す。
【図9】同実施形態に係るキャップの全体図であって、(a)は正面図、(b)は背面図を示す。
【図10】同実施形態に係るキャップの全体図であって、(a)は平面図、(b)は底面図を示す。
【図11】同実施形態に係るキャップの全体図であって、(a)は右側面図、(b)は図9(a)のF−F線における断端面図を示す。
【図12】同実施形態に係るキャップの全体図であって、(a)は図9(a)のG−G線における断端面図、(b)は図10(a)のH−H線における断面図を示す。
【図13】本発明のさらに他の実施形態に係るキャップの全体図であって、(a)は下方斜視図、(b)は平面図を示す。
【図14】同実施形態に係るキャップの全体図であって、(a)は底面図、(b)は図13(b)のJ−J線における断面図を示す。
【図15】同実施形態に係るキャップの全体図であって、(a)は図13(b)のK−K線における断端面図、(b)は図14(b)のL−L線における断端面図を示す。
【図16】本発明のさらに他の実施形態に係るキャップの全体図であって、(a)及び(b)はそれぞれ縦断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るキャップ及び包装容器における一実施形態について、図1〜図7を参酌して説明する。
【0016】
本実施形態に係る包装容器は、図1に示すように、口部11を有する容器1と、容器1の口部11を封止する封止体2と、封止体2が容器1の口部11から離脱するのを防止するためのキャップ3とを備える。そして、包装容器は、封止体2の一部及びキャップ3の一部を覆う蓋体4を備える。
【0017】
容器1は、口部11よりも大径である容器本体12を備える。そして、容器1は、口部11を上部に配置していると共に、口部11の下端部に容器本体12の上端部を連結することで、容器本体12を下部に配置している。また、容器1は、プラスチック等の樹脂やガラスで形成されている。なお、本実施形態において、容器1は、バイアルとしている。
【0018】
口部11は、円筒状に形成される口部本体111と、口部本体111から径方向外方に突出するフランジ部112とを備える。そして、口部11は、上端部に、容器1の内部と外部とを連通させる孔部113を備える。また、フランジ部112は、口部11(口部本体111)の上端部に配置されている。
【0019】
封止体2は、口部11の孔部113を覆うように配置され且つフランジ部112を封止する円板状の第1の封止部21と、第1の封止部21から突出し、口部本体111を封止する第2の封止部22とを備える。そして、封止体2は、ゴム等の弾性体で形成されている。
【0020】
第1の封止部21は、外径が口部本体111の内径よりも大きくなるように形成されると共に、外径がフランジ部112の外径より小さくなるように形成される。そして、第1の封止部21は、下面がフランジ部112の上面と密接することで、フランジ部112を封止する。
【0021】
第2の封止部22は、第1の封止部21から円筒状に突設されている。そして、第2の封止部22は、口部本体11に挿入され、外周面が口部本体11の内周面と密接することで、口部本体111を封止する。
【0022】
キャップ3は、口部11が下方側(一方側)から挿入される円筒状の本体部31と、口部11から離脱するのを防止すべく、フランジ部112を係止する複数(本実施形態においては三つ)の係止片32,…と、封止体2を口部11に固定させる固定部33とを備える。そして、キャップ3は、口部11に打栓される(押し込められる)ことで、口部11に装着される。なお、キャップ3は、プラスチック等の樹脂やアルミ等の金属で形成されている。
【0023】
本体部31は、蓋体4の外周部に指を掛け易くするために、外周部の上端部に複数(本実施形態においては三つ)の凹部311,…を備える。そして、本体部31は、内径がフランジ部112の外径よりも大きく形成されていると共に、外径が容器本体12の外径よりも小さく形成されている。なお、本体部31は、肉厚が略一定となるように形成されている。
【0024】
各係止片32は、板状に形成されると共に、基端部に配置される連結部321で本体部31の内周部に連結されている。具体的には、各係止片32は、本体部31の内周部から上方側(他方側)に向けて板状に突出されている。そして、各係止片32は、上端部(他端部)に配置される係止部322でフランジ部112の下端部(一端部)を係止する。
【0025】
また、複数の係止片32,…は、本体部31の周方向に沿って等間隔で並列されると共に、力が作用されていない状態において、各係止部322を内接する(仮想的な)円の直径がフランジ部112の外径よりも小さくなるように配置されている。そして、各係止片32は、弾性を有して形成されることで、キャップ3が容器1の口部11に打栓される際に、フランジ部112に摺接されるのに伴って、本体部31の内周部に近づくように弾性変形する。
【0026】
さらに、各係止片32は、表面が球面状となるように形成されている。加えて、各係止片32は、弾性変形していない状態において、下端部(一端部)から上端部(他端部)に向けて次第に本体部31の軸線方向に沿うように湾曲して形成されている。具体的には、本体部31の軸線方向に沿った切断面において、各係止片32の表面の接線は、係止片32の下端部から上端部に向けて次第に本体部31の軸線方向と平行になる。
【0027】
各連結部321は、全長に亘って本体部31の周方向と交差するように配置されている。具体的には、各連結部321は、本体部31の周方向と平行になる部位が存在しないように、湾曲して(円弧状に)形成されている。そして、各連結部321は、係止片32の上端部から下端部に亘って配置されている。したがって、各連結部321の上端部は、係止部322としても機能する。
【0028】
各係止部322は、本体部31の周方向に沿って直線状に配置されている。そして、各連結部321と各係止部322とは、本体部31の周方向における幅寸法が同じとなるように形成されている。
【0029】
なお、各係止片32の外周縁は、真円状の円弧に形成される基端部の連結部321と、直線状に形成される上端部(本体部31の軸線方向における先端部)の係止部322と、本体部31の周方向における先端部323とから構成されている。そして、周方向の先端部323は、連結部321の下端部から本体部31の軸線方向に沿って直線状に配置されている。
【0030】
固定部33は、本体部31の上端部(他端部)に配置され且つ封止体2の上面と当接する当接部331を備える。また、固定部33は、注射器の針等を通すための第1の開口部332を中央部に備えると共に、本体部31の軸線方向で各係止片32と重なる位置に第2の開口部333,…を備える。
【0031】
蓋体4は、平板状に形成されていると共に、固定部33の第1の開口部332を覆うように配置されている。また、蓋体4は、下面から突出する筒状の突出部41を備え、突出部41の外周部が第1の開口部322の内周部に当接することで、キャップ3に対して位置決めされる。また、蓋体4は、凸状の溶着片42,…を下面に備え、溶着片42,…を介して固定部33の上面に溶着されることで、固体部33に取り付けられる。
【0032】
以上より、本実施形態に係る包装容器によれば、各係止片32が本体部31の内周部から上方側に向けて板状に突出されている。そして、各係止片32が弾性を有して形成されているため、図7に示すように、キャップ3が容器1の口部11に押し込められ、各係止片32がフランジ部112の外周部に摺接されるのに伴って、各係止片32が本体部31の内周部に近づくように弾性変形する。
【0033】
さらに、各係止片32の連結部321が全長に亘って本体部31の周方向と交差すると共に、各係止片32の表面が球面状となるように形成されている。これにより、キャップ3が容器1の口部11に打栓される際に、各係止片32がフランジ部112の外周部に点接触(図7において接触点を点Pで示している)で摺接される。
【0034】
したがって、キャップ3が容器1の口部11に押し込められる際に、各係止片32がフランジ部112に摺接されるのに伴って、各係止片32が本体部31の内周部に近づくように弾性変形するため、本体部31が弾性変形するのを抑制できると共に、各係止片32がフランジ部112に点接触で摺接されるため、各係止片32及びフランジ部112間に作用する摩擦力を小さくすることができる。これにより、キャップ3を容器1の口部11に円滑に装着することができる。
【0035】
そして、図1(b)に示すように、キャップ3が容器1の口部11に装着されると、弾性変形していた各係止片32が復元して上端部の係止部322でフランジ部112の下端部を係止する。これにより、キャップ3が容器1の口部11に一旦装着されると、キャップ3が容器1の口部11から離脱するのを防止できる。
【0036】
しかも、斯かる状態において、容器1の口部11からキャップ3を離脱させるように、キャップ1に上方への力が作用されると、各係止片32の上端部の係止部322には、本体部31の軸線方向の下方側に向けて力が作用する。しかしながら、各係止片32が下端部から上端部に向けて次第に本体部31の軸線方向に沿うように湾曲して形成されているため、各係止片32に斯かる力が作用しても、各係止片32が弾性変形するのを抑制できる。したがって、キャップ3が容器1の口部11から離脱するのを確実に防止できる。
【0037】
なお、本発明に係るキャップ及び包装容器は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。また、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0038】
例えば、上記実施形態に係る包装容器及びキャップ3においては、キャップ3が装着される容器1がバイアルである構成を説明したが、斯かる構成に限られない。具体的には、容器は、キャップ3が装着される口部に、係止片32に係止されるフランジ部を備えている構成であれば何でもよい。
【0039】
また、上記実施形態に係る包装容器及びキャップ3においては、キャップ3が装着される容器1の口部11が容器1の上部に配置される構成を説明したが、斯かる構成に限られない。例えば、口部は、容器の下部に配置される構成でもよく、また、容器の側部に配置される構成でもよい。
【0040】
また、上記実施形態に係る包装容器及びキャップ3においては、容器1の口部11の外周部が円形状に形成されると共に、キャップ3の本体部31の内周部が円形状に形成される構成を説明したが、斯かる構成に限られない。例えば、容器の口部の外周部及びキャップの本体部の内周部は、それぞれ矩形状に形成される構成でもよく、また、多角形状に形成される構成でもよい。具体的には、キャップの本体部は、角筒状に形成される構成でもよく、また、多角筒状に形成される構成でもよい。
【0041】
また、上記実施形態に係る包装容器及びキャップ3においては、係止片32が三つ設けられる構成を説明したが、斯かる構成に限られない。例えば、係止片32は、一つ設けられる構成でもよく、二つ設けられる構成でもよく、さらには、四つ以上設けられる構成でもよい。
【0042】
また、上記実施形態に係る包装容器及びキャップ3においては、複数の係止片32,…が本体部31の周方向に沿って等間隔で並列される構成を説明したが、斯かる構成に限られない。例えば、複数の係止片は、本体部の周方向に沿って異なる間隔で並列される構成でもよい。斯かる構成の一実施例を、図8〜図12に示す。なお、図8〜図12において、図1〜図7の符号と同一の符号を付した部分は、上記実施形態と同一の構成又は要素を表す。
【0043】
図8〜図12に示すキャップ3aは、一対の係止片32a,32aからなる係止片対を複数(図8〜図12において三つ)備え、該係止片対が本体部31aの周方向に沿って等間隔で並列される構成である。そして、各係止片対は、一方の係止片32aと他方の係止片32aとがキャップ3aの軸線方向で対称となるように形成されている。
【0044】
各係止片32aの外周縁は、円弧状に形成される基端部の連結部321aと、直線状に形成される上端部の係止部322aと、連結部321aの下端部から本体部31aの軸線方向に沿って直線状に形成される(周方向の)先端部323aとから構成されている。そして、各係止片対は、周方向の先端部323a,323a同士が隣接し且つ互いに平行となるように構成されている。
【0045】
なお、斯かるキャップ3aは、上記実施形態に係るキャップ3に対して、本体部31aの凹部311aの大きさが異なる構成であると共に、固定部33aの当接部331aと第2の開口部333aとの大きさが異なる構成である。具体的には、第2の開口部333aは、本体部31aの軸線方向で各係止片対(一対の係止片32a,32a)と重なる位置に形成されている。
【0046】
また、上記実施形態に係る包装容器及びキャップ3においては、各係止片32の連結部321が円弧状に配置される構成を説明したが、斯かる構成に限られない。例えば、各係止片の連結部は、直線状に配置される構成でもよい。斯かる構成の一実施例を、図13〜図15に示す。なお、図13〜図15において、図1〜図7の符号と同一の符号を付した部分は、上記実施形態と同一の構成又は要素を表す。
【0047】
図13〜図15に示すキャップ3bにおいて、本体部31及び固定部33は、上記実施形態と同一(又は略同一)の構成である。そして、斯かるキャップ3bは、本体部31の周方向に沿って等間隔で並列される複数(図13〜図15においては三つ)の係止片32b,…を備える。
【0048】
各係止片32bは、全長に亘って本体部31の周方向と傾斜して交差するように配置される直線状の連結部321bを基端部に備えると共に、本体部31の周方向に沿って配置される直線状の係止部322bを上端部に備える。また、各係止片32bは、周方向の先端部323bが連結部321bの下端部から本体部31の軸線方向に沿って直線状に配置されて構成されている。
【0049】
また、上記実施形態に係る包装容器及びキャップ3においては、連結部321が真円状の円弧に形成される構成を説明したが、斯かる構成に限られない。例えば、図16(a)に示すキャップ3cのように、連結部321cが楕円状の円弧に形成される構成でもよい。
【0050】
斯かるキャップ3cの係止片32cは、全長に亘って本体部31の周方向と傾斜して交差するように配置される円弧状の連結部321cを基端部に備えると共に、本体部31の周方向に沿って配置される直線状の係止部322cを上端部に備える。そして、係止片32cは、周方向の先端部323cが連結部321cの下端部から本体部31の軸線方向に沿って直線状に配置される。なお、図16(a)において、図1〜図7の符号と同一の符号を付した部分は、上記実施形態と同一の構成又は要素を表す。
【0051】
また、上記実施形態に係る包装容器及びキャップ3においては、連結部321と係止部322とは、本体部31の周方向における幅寸法が同じとなるように形成されている構成を説明したが、斯かる構成に限られない。例えば、図16(b)に示すキャップ3dのように、連結部321dと係止部322dとは、本体部31の周方向における幅寸法が異なるように形成されている構成でもよい。
【0052】
斯かるキャップ3dの係止片32dは、全長に亘って本体部31の周方向と傾斜して交差するように配置される円弧状の連結部321dを基端部に備えると共に、本体部31の周方向に沿って配置される直線状の係止部322dを上端部に備える。また、係止片32dは、周方向の先端部323dが連結部321dの下端部から本体部31の軸線方向と傾斜して交差する方向に沿って直線状に配置される。なお、図16(b)において、図1〜図7の符号と同一の符号を付した部分は、上記実施形態と同一の構成又は要素を表す。
【0053】
また、上記実施形態に係る包装容器及びキャップ3においては、キャップ3に蓋体4が取り付けられた状態で、キャップ3が容器1の口部11に打栓される構成を説明したが、斯かる構成に限られない。例えば、キャップ3が容器1の口部11に打栓されて装着された後に、蓋体4がキャップ3に溶着されて取り付けられる構成でもよい。
【0054】
また、上記実施形態に係る包装容器においては、封止体2及び蓋体4を備える構成を説明したが、斯かる構成に限られない。例えば、包装容器は、封止体2及び蓋体4の少なくとも何れか一方を備えていない構成でもよい。要するに、本発明に係る包装容器において、封止体2と、蓋体4とは必須の構成ではない。
【0055】
また、本発明に係るキャップは、透明性を有する(内視可能な)構成でもよく、また、透光性を有する構成でもよく、さらには、有色であって不透明で且つ不透光である構成でもよい。
【符号の説明】
【0056】
1…容器、2…封止体、3,3a,3b,3c,3d…キャップ、4…蓋体、11…口部、31,31a…本体部、32,32a,32b,32c,32d…係止片、321,321a,321b,321c,321d…連結部、322,322a,322b,322c,322d…係止部、112…フランジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジ部が設けられる容器の口部に装着されるべく、口部が一方側から挿入される筒状の本体部と、口部から離脱するのを防止すべく、本体部の内周部から他方側に向けて板状に突出され、他端部でフランジ部を係止する係止片とを備え、
係止片は、フランジ部に摺接されるのに伴って、本体部の内周部に近づくように弾性変形するように構成されるキャップであって、
係止片は、本体部に連結される連結部が全長に亘って本体部の周方向と交差するように配置されると共に、表面が球面状となるように形成されることを特徴とするキャップ。
【請求項2】
係止片は、一端部から他端部に向けて次第に本体部の軸線方向に沿うように湾曲して形成される請求項1に記載のキャップ。
【請求項3】
口部にフランジ部を有する容器と、請求項1又は2に記載のキャップとを備えることを特徴とする包装容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−6620(P2013−6620A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141516(P2011−141516)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000206185)大成化工株式会社 (83)
【Fターム(参考)】