説明

キャロムゲーム盤用的駒配置ガイド

【課題】 各競技者の的駒を競技開始時に盤面に所定の配列で配置するに際して、該的駒の配置作業性の向上と良好な配置状態の実現を可能にするキャロムゲーム盤用的駒配置ガイドを提供する。
【解決手段】 盤面2の中心スポット4周囲にそれと同心に、各競技者の的駒12a、12bの内の6個が内側に、12個がその外側に、何れも交互に六角形状に互いに略最密状態で配置されたときに前記外側の各的駒12a、12bを内接させ得るような凹部23を備えた内歯状内周面22を有し、該環状本体21には、その内周面22の各凹部23に沿って、それらに内接される外側の的駒12a、12bの識別表示が施された的駒用マーク24a、24bが表示されると共に、該的駒用マーク24a、24bの半径方向内側に、前記外側の的駒12a、12bの半径方向内側に隣接される内側の的駒12a、12bの識別表示が施された的駒用マーク25a、25bが表示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、盤上ゲームの一種として知られるキャロム又はそれに類似したゲームを実施するためのキャロムゲーム盤において、各競技者の的駒を競技開始時に交互に円形状に配置するために使用するキャロムゲーム盤用的駒配置ガイドに関する。
【背景技術】
【0002】
ビリヤードとお弾き遊びを合体させたような盤上ゲームは、カロム、キャロムその他の名称で世界的にも広く知られ、それらを実施するためのゲーム盤や基本ルールは概して類似するものの国や地域によって相違点も多く、また同様のゲーム盤を使用しても異なったルール、独自のルールが採用される場合もある。
【0003】
例えば、国際キャロム連盟の傘下にある日本キャロム連盟で採用されている盤上ゲームは、キャロムと称され、これに使用されるキャロムゲーム盤は、四角形枠で囲まれた盤面の四隅にポケットが穿設され、さらに盤面の中心に、中心駒を競技開始時に配置する位置を指示する中心スポットが表示され、盤面の中心スポット周囲に、それと同心に、各競技者の識別表示が施された的駒を競技開始時に所定の配列で配置する区域を指示するセンターサークルが表示され、盤面のセンターサークル外側に、盤面の各側辺に沿って、各競技者の弾き駒を発射する位置を指示するベースラインが表示されて構成される。
【0004】
前記キャロムゲーム盤を使用した一つの競技方法は、2名又は2名ずつペアを組んだ2組の各競技者が各自の側のベースライン上に配置した自らの弾き駒を弾いて盤面上にある自他の的駒及び中心駒に当て、何れかのポケットに自らの的駒及び中心駒を入れることを争うものである(非特許文献1)。
【非特許文献1】杉原正樹編著「カロムロード」2002年2月15日サンライズ出版発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記キャロムでは、競技開始時に各競技者の識別表示が施された的駒が盤面のセンターサークル内に所定の配列で配置される。具体的には、盤面の中心スポット周囲にそれと同心に、各競技者の2色に色分けされた計18個の的駒の内の6個が内側に、12個がその外側に、何れも交互に六角形状に互いに略最密状態で配置される。
【0006】
このような的駒の配置作業に各的駒の精密な位置決めを要求されるものではないとしても、前記六角形状の交互配置態様は特に初心者には複雑であり、従って前記的駒の配置作業は意外に面倒で時間を要し、さらに的駒の最終的な配置状態も幾分乱雑な配置になり勝ちであった。
【0007】
本発明の解決すべき課題は、前記問題点に鑑み、各競技者の的駒を競技開始時に盤面に所定の配列で配置するに際して、該的駒の配置作業性の向上と良好な配置状態の実現を可能にするキャロムゲーム盤用的駒配置ガイドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載のキャロムゲーム盤用的駒配置ガイドは、競技開始時に、盤面の中心に表示された中心スポット上に中心駒を配置すると共に、盤面の中心スポット周囲にそれと同心に、各競技者の識別表示が施された計18個の的駒の内の6個を内側に、12個をその外側に、何れも交互に六角形状に互いに略最密状態で配置し、盤面の所定エリアから各競技者の弾き駒を弾いて前記的駒及び中心駒に当てると共にそれらを盤面の四隅のポケットに入れることを争うゲームに使用されるキャロムゲーム盤において、各競技者の的駒を競技開始時に前記のように盤面に配置するための用具であり、
盤面の中心スポット周囲にそれと同心に、各競技者の識別表示が施された計18個の的駒の内の6個が内側に、12個がその外側に、何れも交互に六角形状に互いに略最密状態で配置されたときに前記外側の各的駒を内接させ得るような凹部を備えた内歯状内周面を有する環状本体に、その内周面の各凹部に沿って、該凹部に内接される外側の的駒の識別表示が施された的駒用マークが表示されると共に、該的駒用マークの半径方向内側に、前記外側の的駒の半径方向内側に隣接される内側の的駒の識別表示が施された的駒用マークが表示されてなることを特徴としている。
【0009】
前記構成において、競技開始時に、的駒配置ガイドが、その環状本体の内歯状内周面が盤面の中心スポット周囲にそれと略同心に、必要に応じて特定の凹部が所要の方向に指向するように盤面に載置されると共に、各競技者の的駒が、前記環状本体の内周面における各凹部に一個所又は半径方向に二個所にわたって表示された的駒用マークの識別表示に沿って、盤面の中心スポット周囲に、内側及び外側に何れも交互に六角形状に互いに略最密状態で配置されつつ、外側の各的駒が対応する内周面の各凹部に位置決め状態で内接される。その後、前記的駒配置ガイドが盤面から取り去られると、前記の各的駒は盤面に所定の配列で確実に配置された状態となる。
【0010】
的駒及び的駒用マークに施される各競技者の識別表示としては、従来のように、白色と黒色のような2色の色分けにより施されればよいが、そのような色彩による識別表示以外に、必要に応じて、ルールの許す範囲で模様や模様と色彩との組み合わせ等、その他の識別表示が採用されてもよい。また、環状本体における的駒用マークは、例えば円形、三角形その他の多角形や+印、×印等であってもよい。
【0011】
請求項2に記載のキャロムゲーム盤用的駒配置ガイドは、請求項1に記載のものにおいて、環状本体の外周面に指圧用突起が設けられたものである。
【0012】
前記構成においては、不使用時における前記的駒配置ガイドの環状本体を把持してその外周面の指圧用突起を自他の腕その他の部分に押し付けることにより、該被押し付け部分に指圧作用を及ぼす。
【0013】
また、請求項3に記載のキャロムゲーム盤用的駒配置ガイドは、請求項1又は2に記載のものにおいて、環状本体にその厚み方向に穴が貫設されると共に該穴内に鈴が振動による音の発生可能に設けられたものである。
【0014】
前記構成においては、不使用時における前記的駒配置ガイドの環状本体を把持して振動させることにより鈴の音を発生させる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、競技開始時に、各競技者の的駒を、環状本体の内歯状内周面における各凹部に表示された的駒用マークの識別表示に沿って、対応する各凹部に内接させつつ、盤面の中心スポット周囲に所定の六角形状配列で配置することができるので、従来のようにセンターサークル内にガイド無しで直接配置する場合に比べて、的駒の配置作業性が格段に向上すると共に的駒の配置状態も良好となる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、不使用時の的駒配置ガイドを簡易な指圧器具として使用することができるので、これを、例えば競技等でストレスの生じたゲーム参加者等の利用に供することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、不使用時の的駒配置ガイドを簡易な体鳴楽器として使用することができるので、これを、例えば競技終了後の懇親会参加者等の利用に供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明を実施例に基いて具体的に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る、盤面に載置されたキャロムゲーム盤用的駒配置ガイドの平面図、図2は、図1に示す的駒配置ガイドを用いて、盤面の中心スポット周囲に各競技者の的駒を交互に所定の六角形状に配置した状態の平面図である。図3(A)、(B)は、実施例2に係る、指圧用突起を備えたキャロムゲーム盤用的駒配置ガイドの各々平面図及び正面図、図4は、実施例3に係る、鈴を内蔵したキャロムゲームム盤用的駒配置ガイドの部分拡大平面図である。
【実施例1】
【0019】
図1及び図2において、同図に示すキャロムゲーム盤Cでは、公知のように、四角形枠1で囲まれた盤面2の四隅にポケット3(平行斜線で示す)が穿設され、さらに盤面2の中心に、中心駒11を競技開始時に配置する位置を指示する中心スポット4が表示され、盤面2の中心スポット4周囲に、それと同心に、各競技者の白色と黒色の色分けによる識別表示が施された的駒12a、12bを競技開始時に所定の配列で配置する区域を指示するセンターサークル5が表示され、盤面2のセンターサークル5外側に、盤面2の各側辺に沿って、各競技者の弾き駒(図示省略)を発射する位置を指示する平行2本のベースライン6が表示されている。
【0020】
実施例に係る的駒配置ガイドGは環状本体21から構成され、該環状本体21は、盤面2の中心スポット4周囲にそれと同心に、各競技者の白色と黒色の色分けによる識別表示が施された計18個の的駒12a、12bの内の6個が内側に、12個がその外側に、何れも交互に六角形状に互いに略最密状態で配置されたときに前記外側の各的駒12a、12bを内接させ得るような凹部23を備えた内歯状内周面22を有し、該環状本体21には、その内周面22の各凹部23に沿って、該凹部23に内接される外側の的駒12a、12bの白色と黒色の色分けによる識別表示が施された小円状の的駒用マーク24a、24bが表示されると共に、該的駒用マーク24a、24bの半径方向内側に、前記外側の的駒12a、12bの半径方向内側に隣接される内側の的駒12a、12bの白色と黒色の色分けによる識別表示が施された小円状の的駒用マーク25a、25bが表示されている。
【0021】
競技開始時には、的駒配置ガイドGが、図1に示すように、その環状本体21の内歯状内周面22が盤面2の中心スポット4周囲にそれと略同心に、必要に応じて特定の凹部23が所要の方向に指向するように盤面2に載置され、続いて各競技者の的駒12a、12bが、図2に示すように、前記環状本体21の内周面22における各凹部23に一個所又は半径方向に二個所にわたって表示された的駒用マークの識別表示24a、24b及び25a、25bに沿って、盤面2の中心スポット4周囲に、内側及び外側に何れも交互に六角形状に互いに略最密状態で配置されつつ、外側の各的駒12a、12bが対応する内周面22の各凹部23に位置決め状態で内接される。その後、前記的駒配置ガイドGが盤面2から取り去られると、前記の各的駒12a、12bは盤面2に所定の配列で確実に配置された状態となる。また、競技開始時にはさらに、中心駒11が中心スポット4上に配置される。また、競技開始時にはさらに、中心駒11が中心スポット4上に配置される。
【実施例2】
【0022】
図3(A)及び(B)において、同図に示す的駒配置ガイドGでは、環状本体21の外周面26に指圧用突起27が鋲釘の打ち込みにより設けられている。
【実施例3】
【0023】
図4において、同図に示す的駒配置ガイドGでは、環状本体21にその厚み方向に穴28が貫設されると共に、該穴28内に鈴29が振動による音の発生可能に取付け具30を介して設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の実施例1に係る、盤面に載置された的駒配置ガイドの平面図である。
【図2】図2は、図1に示すキャロムゲーム盤用的駒配置ガイドを用いて、盤面の中心スポット周囲に各競技者の的駒を交互に所定の六角形状に配置した状態の平面図である。
【図3】図3(A)、(B)は、実施例2に係る、指圧用突起を備えたキャロムゲーム盤用的駒配置ガイドの各々平面図及び正面図である。
【図4】図4は、実施例3に係る、鈴を内蔵したキャロムゲーム盤用的駒配置ガイドの部分拡大平面図である。
【符号の説明】
【0025】
C キャロムゲーム盤
G 的駒配置ガイド
1 四角形枠
2 盤面
3 ポケット
4 中心スポット
5 センターサークル
6 ベースライン
11 中心駒
12a、12b 的駒
21 環状本体
22 内周面
23 凹部
24a、24b 的駒用マーク
25a、25b 的駒用マーク
26 外周面
27 指圧用突起
28 穴
29 鈴
30 取付け具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
競技開始時に、盤面の中心に表示された中心スポット上に中心駒を配置すると共に、盤面の中心スポット周囲にそれと同心に、各競技者の識別表示が施された計18個の的駒の内の6個を内側に、12個をその外側に、何れも交互に六角形状に互いに略最密状態で配置し、盤面の所定エリアから各競技者の弾き駒を弾いて前記的駒及び中心駒に当てると共にそれらを盤面の四隅のポケットに入れることを争うゲームに使用されるキャロムゲーム盤において、各競技者の的駒を競技開始時に前記のように盤面に配置するための用具であり、
盤面の中心スポット周囲にそれと同心に、各競技者の識別表示が施された計18個の的駒の内の6個が内側に、12個がその外側に、何れも交互に六角形状に互いに略最密状態で配置されたときに前記外側の各的駒を内接させ得るような凹部を備えた内歯状内周面を有する環状本体に、その内周面の各凹部に沿って、該凹部に内接される外側の的駒の識別表示が施された的駒用マークが表示されると共に、該的駒用マークの半径方向内側に、前記外側の的駒の半径方向内側に隣接される内側の的駒の識別表示が施された的駒用マークが表示されてなることを特徴とするキャロムゲーム盤用的駒配置ガイド。
【請求項2】
環状本体の外周面に指圧用突起が設けられた請求項1に記載のキャロムゲーム盤用的駒配置ガイド。
【請求項3】
環状本体にその厚み方向に穴が貫設されると共に該穴内に鈴が振動による音の発生可能に設けられた請求項1又は2に記載のキャロムゲーム盤用的駒配置ガイド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−142361(P2009−142361A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−320399(P2007−320399)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【出願人】(507405991)