説明

キレート剤の経皮的イオン導入送達のための方法

実施形態は、キレート化合物の経皮的送達のためのデバイス、システム、および方法を提供する。一実施形態は、貧血の治療のためのキレート鉄錯体のイオン導入経皮的送達のための方法を提供する。能動電極およびキレート鉄錯体を含む第1のパッチが、皮膚に適用される。電極を含有する第2のパッチもまた、適用される。次いで、電流が、能動電極から皮膚に送達される。キレート錯体は、不溶性酸化物の形成による皮膚の入れ墨が殆どまたは全く生じないように、輸送の際、実質的に、皮膚と発色的に非反応性である鉄によって、電流からの起電力を介して、皮膚全体に輸送される。次いで、錯体は、解離され、鉄を放出し、ヘム合成等の貯蔵または代謝用途のために、トランスフェリンまたはフェリチンによって結合され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に説明される実施形態は、種々の治療剤の経皮的送達に関する。より具体的には、本明細書に説明される実施形態は、種々のキレート錯体の経皮的イオン導入送達に関する。さらにより具体的には、本明細書に説明される実施形態は、種々の鉄キレート錯体の経皮的イオン導入送達に関する。
【背景技術】
【0002】
栄養不足は、世界的問題である。鉄欠乏症は、特に、世界における栄養失調の最も一般的形態であって、第三世界だけで30億人を超える人々に影響を及ぼしている。いくつかの疾患および症状と関連付けられており、毎年、100,000名の出産時の妊婦の死亡、ならびに134,000名の子供の死亡の原因とされている。また、いくつかの寄生虫感染と併発し、精神障害児における重要な潜在的因子でもある。
【0003】
鉄欠乏症貧血は、鉄欠乏症によって引き起こされる、より深刻な症状の1つである。鉄欠乏症の進行段階であって、食事摂取または鉄の吸収が不十分であって、鉄を含有するヘモグロビンが、形成できない時に生じる。
【0004】
子供および閉経前女性は、本疾患を最も発症しやすい2つの群である。閉経前女性における鉄欠乏症貧血の主な原因は、月経の際の血液損失である。子供における原因として、妊娠中の栄養不良、栄養不良、早産、胃腸管出血、および寄生虫感染が挙げられる。
【0005】
鉄欠乏症貧血の治療の典型的形態として、種々の第一鉄化合物による、経口または静脈内送達が挙げられる。しかしながら、これらの治療は両方とも、いくつかの制限を有する。経口鉄製剤は、特に、多くの不利点を有する。何よりもまず、吐き気、腫脹、便秘、および下痢を含む、胃腸への副作用を引き起こす。これは、そのような栄養補助剤を摂取している約40−66%の患者における鉄補給の中断につながっている。さらに、鉄の吸収は、可変であって、他の化合物の経口摂取によって影響を受ける。例えば、食品の経口摂取は、鉄吸収を約50%低下させ、これは、多くの患者が、胃腸への副作用を低減させるために、食物と鉄を摂取しているため、問題となる。
【0006】
第2に、多くの薬物が、鉄吸収を低減させることが知られている。例えば、胃のpHを低減させる制酸薬および他の薬物の経口摂取は、鉄吸収を低下させることが知られている。同様に、鉄の経口摂取はまた、抗生物質を含む、多くの薬物の吸収を低減させる。加えて、鉄欠乏症貧血と関連付けられる多くの症状は、鉄が、胃腸系の細胞を通して適切に吸収され得ないため、経口鉄補給にほとんど反応しない。これは、特に、クローン病等の腸のある炎症症状に当てはまる。加えて、腎不全の貧血等の機能性鉄欠乏症と関連付けられる疾患もまた、経口投与された鉄の制限された吸収と関連付けられる。これもまた、関節リウマチおよび他の自己免疫疾患ならびに癌に続発する貧血または癌化学療法と関連付けられるもの等、機能性鉄欠乏症と関連付けられる、多くの他のいわゆる「炎症症状」に当てはまる。これは、特に、鉄の需要が非常に高い、エリスロポエチンによって治療される、これらの症状を伴う患者に当てはまる。
【0007】
静脈内投与もまた、いくつかの制限を有する。これらとして、注射部位における疼痛および感染、長時間にわたる投与の間、IV点滴に接続される必要性(アナフィラキシーの危険を低減させるため)、ならびに滅菌法を使用して、液体形態として、薬剤を混合、保存、および投与する必要性が挙げられる。後者は、特に、第三世界の国々において問題となり得、適切な冷蔵装置および滅菌針が、容易に利用可能ではなく、保存期間が制限され、患者を感染に曝露することになる。また、IV投与は、アナフィラキシーおよび心血管系の合併症を含む、いくつかの危険因子を含み得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、冷蔵装置または滅菌医療用品が欠如した状況において、保存期間を延長させ、より容易に使用可能である、貧血および他の関連症状を含む、鉄欠乏症の治療のための改良された薬物送達の方法の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書に説明される実施形態は、薬物および他の治療剤の経皮的イオン導入送達のためのデバイス、システム、および方法を提供する。多くの実施形態は、キレート薬物および治療剤の経皮的イオン導入送達のためのデバイス、システム、および方法を提供する。特定の実施形態は、鉄欠乏症貧血(以下、「貧血」)および関連症状の治療を含む、鉄欠乏症の治療のためのキレート鉄化合物の送達のためのデバイス、システム、および方法を提供する。そのような実施形態は、特に、患者による良好な耐容性を示す形態において、制御された用量の鉄を経皮的に送達する一方、皮膚との鉄の酸化反応によって、皮膚上に最小限の入れ墨、斑紋、または他の発色効果をもたらことによって、貧血の治療に有用となる。
【0010】
一実施形態は、以下のアプローチを含む、貧血の治療のためのキレート鉄錯体のイオン導入経皮的送達のための方法を提供する。能動電極およびキレート鉄錯体を含む、パッチが、皮膚に適用される。戻り電極としての役割を果たす、電極を含有する第2のパッチもまた、適用される。多くの実施形態(交流電流を使用して、キレート錯体を送達するものを含む)では、第2のパッチは、キレート錯体を含んでもよく、したがって、第2の電極は、同様に、能動電極として機能してもよい。
【0011】
キレート錯体は、ピロリン酸等のキレート剤に静電的に結合される、鉄イオン(例えば、第一鉄Fe2または第二鉄Fe3)を含むことが可能である。次いで、電流は、能動電極から皮膚に送達され、電流は、戻り電極に逆流する前に、皮膚の層を通って、皮下層内に波及する。電流は、反応性鉄イオン(Fe2+またはFe3+)によって生成される不溶性酸化物の形成によって、皮膚の入れ墨または斑紋を殆どまたは全く生じさせないように、輸送の際、実質的に、皮膚と発色的に非反応性である鉄イオンによって、起電力を介して、皮膚全体にキレート錯体を輸送する役割を果たす。これらの反応性鉄イオンは、入れ墨をもたらす、皮膚内に着色沈殿を形成し得る。次いで、鉄錯体は、貪食または関連細胞内プロセスによって、皮下組織内で解離され、鉄を放出し、トランスフェリンによって迅速に結合される。錯体はまた、その発色的に非反応性形態として脾臓に輸送される血流内に吸収されてもよく、そこで、錯体は、貪食または他の細胞プロセスによって切り離される。
【0012】
別の実施形態は、皮膚表面の輪郭に適合可能な輪郭に適合可能な能動電極アセンブリと、皮膚表面の輪郭に適合可能な戻り電極アセンブリと、を含む、経皮的イオン導入送達デバイスを提供する。多くの実施形態では、電極アセンブリは、皮膚適合性パッチを含む。故に、これらおよび関連実施形態では、経皮的イオン導入送達デバイスは、経皮的イオン導入送達パッチデバイス(以下、「パッチデバイス」)を含む。能動電極アセンブリは、治療剤のためのリザーバと、リザーバと流体連通する組織接触多孔性層、能動電極アセンブリをバッテリ式電源等の電源に連結するためのコネクタと、を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、パッチはまた、自己密閉ポートを含んでもよい。自己密閉ポートは、シリコーンまたは他のエラストマー材料を備え、圧搾可能ボトル等の治療剤溶液の外部容器を使用して、電極アセンブリを充填させる。
【0014】
戻り電極アセンブリは、組織接触伝導性層と、電極アセンブリを電源に連結するためのコネクタと、を含む。多くの実施形態では、戻り電極アセンブリはまた、能動電極アセンブリを含むことが可能であって、したがって、リザーバと、自己密閉ポートと、多孔性組織接触層と、を含むことが可能である。
【0015】
別の側面では、本発明は、イオン導入経皮的デバイスおよび混合容器の実施形態を含む、イオン導入経皮的薬物/治療剤送達のためのキットを提供する。混合容器は、固体形態として、事前に測定された用量の治療剤を有する。典型的には、治療剤は、防腐剤等の1つ以上の医薬品賦形剤を含み得る、治療剤組成の一部であるだろう。治療剤組成は、固体形態として、長期間保存されるように構成され、治療剤溶液の経皮的イオン導入送達を使用して、貧血等の患者の症状を治療するために十分な濃度を有する、治療剤溶液を生成するうために、液体内に溶解される。多くの実施形態では、治療剤は、貧血の治療のために、ピロリン酸第二鉄を含む、1つ以上のキレート鉄化合物の形態として、治療的に有効量の鉄を含む。
【0016】
混合容器はまた、能動電極アセンブリの自己密閉ポートを穿刺するための先端を有する、塗布器と、治療剤溶解させるための液体を添加するためのポートと、を含む。本ポートはまた、IVキットの注射器または組織穿刺端を使用して、混合流体の注入を可能にする、エラストマー材料から成る自己密閉ポートを含むことが可能である。
【0017】
混合容器は、ユーザが、添加された液体内で治療剤を混合し、治療剤溶液を調製し、次いで、電極アセンブリの自己密閉ポートを通して、塗布器先端を挿入し、混合容器を圧搾することによって、溶液を能動電極に送達可能となるような形状、体積、および半径方向伸縮品質を有する。種々の実施形態では、混合容器は、HDPEまたはポリプロピレン等の1つ以上の弾性ポリマーから加工される、圧搾可能ボトルを含むことが可能である。
【0018】
本発明のこれらおよび他の実施形態ならびに側面のさらなる詳細は、添付の図面を参照して、以下により完全に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、種々の治療剤の経皮的イオン導入送達のためのシステムの実施形態の概略図である。
【図2A】図2aは、皮膚の表面上への経皮的イオン導入パッチデバイスの実施形態の載置を示す、概略側面図であって、デバイスは、能動電極アセンブリと、戻り電極アセンブリと、を含む。
【図2B】図2bは、皮膚の表面上への経皮的イオン導入パッチデバイスの実施形態の載置を示す、概略側面図であって、デバイスは、2つの能動電極アセンブリを含む。
【図2C】図2cは、皮膚上に載置された経皮的イオン導入パッチデバイスからのキレート治療錯体の送達を示す、概略側面図である。
【図3A】図3aおよび3bは、能動電極アセンブリの実施形態を示す、側面図および上面図である。
【図3B】図3aおよび3bは、能動電極アセンブリの実施形態を示す、側面図および上面図である。
【図4】図4は、治療剤の経皮的イオン導入送達のためのキットおよびシステムの実施形態を示す、概略側面図である。
【図5A】図5aおよび5bは、経皮的イオン導入送達キットのための包装の実施形態を示す、斜視図である。図5aは、使用説明書を含む、包装全体および放送されたキットを示す一方、図5bは、包装を開封するための包装上のフラップの使用を示す。
【図5B】図5aおよび5bは、経皮的イオン導入送達キットのための包装の実施形態を示す、斜視図である。図5aは、使用説明書を含む、包装全体および放送されたキットを示す一方、図5bは、包装を開封するための包装上のフラップの使用を示す。
【図6】図6は、事前に測定された用量の治療剤を有する、混合容器の実施形態を例証する、側面図である。
【図7A】図7a〜7cは、混合容器の使用を例証する、概略側面図である。図7aは、IVバッグまたは注射器によって、混合容器を充填するための方法を示す。図7bは、混合された治療剤溶液を示す。図7cは、能動電極アセンブリを充填するための混合容器の使用を示す。
【図7B】図7a〜7cは、混合容器の使用を例証する、概略側面図である。図7aは、IVバッグまたは注射器によって、混合容器を充填するための方法を示す。図7bは、混合された治療剤溶液を示す。図7cは、能動電極アセンブリを充填するための混合容器の使用を示す。
【図7C】図7a〜7cは、混合容器の使用を例証する、概略側面図である。図7aは、IVバッグまたは注射器によって、混合容器を充填するための方法を示す。図7bは、混合された治療剤溶液を示す。図7cは、能動電極アセンブリを充填するための混合容器の使用を示す。
【図8A】図8aは、太陽電池式電源の実施形態を例証する、概略図である。
【図8B】図8b、8c、8dは、装着式電源の実施形態を例証する、上面、断面、および斜視図である。
【図8C】図8b、8c、8dは、装着式電源の実施形態を例証する、上面、断面、および斜視図である。
【図8D】図8b、8c、8dは、装着式電源の実施形態を例証する、上面、断面、および斜視図である。
【図9】図9は、電源の実施形態の種々の構成要素の構成を例証する、ブロック図である。
【図10A】図10aおよび10bは、治療剤の経皮的イオン導入送達のための起電力を提供するために使用される、DCおよびAC成分を有する電気信号波形の実施形態を示す、プロットである。図10aは、別個のDCおよびAC成分を示す一方、図10bは、組み合わせられたそれらを示す。
【図10B】図10aおよび10bは、治療剤の経皮的イオン導入送達のための起電力を提供するために使用される、DCおよびAC成分を有する電気信号波形の実施形態を示す、プロットである。図10aは、別個のDCおよびAC成分を示す一方、図10bは、組み合わせられたそれらを示す。
【図11】図11は、治療剤の経皮的イオン導入送達のための起電力を提供するために使用される、C信号波形の実施形態を示す、プロットである。
【図12】図12は、DCおよびAC波形を使用して、ブタの皮膚全体に送達される、塩化第一鉄の量を例証する、プロットである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書に説明される多くの実施形態は、キレート錯体を含む、種々の治療剤の経皮的イオン導入送達のためのシステムおよび方法を提供する。本明細書で使用されるように、キレート錯体は、ピロリン酸等の非反応性部分によって静電的に結合される鉄イオン等の治療部分を含む。また、本明細書で使用されるように、用語「経皮的送達」とは、皮膚(例えば、表皮、真皮等)の1つ以上の層を通した、薬物または他の治療あるいは生物学的剤等、化合物の送達を指す。皮膚の層は、表皮E、真皮D、および皮下SDを含む。表皮の最上層は、角質層SCを含む。
【0021】
イオン導入は、小電荷を使用して、反発起電力によって、活性剤として知られる、高濃度の帯電物質を経皮的に噴射する、非侵襲的方法である。活性剤は、薬物または他の治療剤あるいは生物学的化合物を含むことが可能である。電荷は、電源によって、同様に帯電された活性剤およびその中に溶解される溶媒を含有する、皮膚上に載置された能動電極アセンブリに印加される。電流は、電極アセンブリから、皮膚を通って流動し、次いで、同様に皮膚上に載置された戻りまたは対電極アセンブリによって、戻る。アノードと称される、正電荷電極アセンブリは、正電荷活性剤、すなわち、陰イオンを皮膚内へと反発させる一方、カソードと称される、負電荷電極アセンブリ、負電荷活性剤、すなわち、陽イオンを皮膚内へと反発させるであろう。
【0022】
次に、図1−7を参照すると、患者の皮膚S上の組織部位TS(腕A等)への治療剤の経皮的イオン導入送達のためのシステム5の一実施形態は、図1の実施形態に示されるように、能動電極アセンブリ20および戻り電極アセンブリ30を含む、少なくとも2つの電極アセンブリ15と、電源100と、を含む。集合的に、能動および戻り電極20ならびに30は、パッチデバイス10またはパッチ10として、同様に本明細書に説明される、経皮的イオン導入送達デバイス10を含む。
【0023】
能動および戻り電極アセンブリは、図2aおよび2bの実施形態に示されるように、皮膚表面Sの輪郭Cに適合可能である。多くの実施形態では、電極アセンブリは、エラストマーまたは他の可撓性ポリマー材料の層化加工される、皮膚適合性パッチ15pを含む。能動電極20アセンブリは、治療剤のためのリザーバ21と、リザーバと流体連通する組織接触多孔性層24と、アセンブリを皮膚に接着するための接着剤層25と、電極アセンブリ20をバッテリおよび/または太陽電池式電源等の電源100に連結するための電気コネクタ26と、を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、能動電極は、リザーバを治療剤で充填するために、リザーバに流体的に連結される、自己密閉ポート22を含むことが可能である。自己密閉ポート22は、シリコーンまたは他のエラストマー材料を備え、本明細書に説明される混合容器40および/または注射器を使用して、電極アセンブリを治療溶液54で充填し、かつ滅菌法を使用してそれを行なうことを可能にする。いくつかの実施形態では、ポートは、ポート22をリザーバ21に流体的に連結する、チャネル27を含むことが可能である。多孔性伝導性層24は、当技術分野において周知のPETファイバまたはポリマー発泡体等のポリマーファイバを含むことが可能である。多孔性伝導性層24の多孔率は、特定の治療剤および電流電圧計画に応じて、選択可能である。高多孔率は、より高い分子量治療剤および/またはより高い粘度を有する治療剤溶液54のために選択可能である。接着剤層25は、典型的には、電極アセンブリの周縁25p上に位置付けられ、生物医学的電極技術において知られる種々の剥離可能接着剤を含むであろう。
【0025】
戻り電極アセンブリ30は、組織接触伝導性層31と、接着剤層35と、電極アセンブリを電源に連結するためのコネクタ36と、を含む。多くの実施形態では、戻り電極アセンブリ30はまた、図2bの実施形態に示されるように、能動電極アセンブリ20を含むことが可能であって、したがっては、リザーバ21と、自己密閉ポート22と、チャネル27と、多孔性組織接触層24と、を含むことが可能である。
【0026】
種々の実施形態では、電極アセンブリ20および30は、固体形態治療剤51を含む、混合容器40とともに、図4の実施形態に示されるように、治療剤51の経皮的イオン導入送達のためのキット60を含むことが可能である。種々の実施形態では、システム5は、同様に、図4に示されるように、キット60と、電源100と、を含むことが可能である。キット60は、図5aおよび5bの実施形態に示されるように、滅菌包装70内に包装可能である。これらの実施形態では、キット60はまた、使用される特定の治療剤用量、混合命令、および電力/電流送達計画を詳述する、キットの使用説明書65を含むことが可能である。包装70は、剤51の種類、用量、および有効期限、ならびに電極20および30のパッチサイズを識別する表示等、種々の識別表示75を含むことが可能である。包装はまた、bキット60を酸化および水蒸気から保護し、したがって、治療剤51を含む、キット60の保存期間を延長させるように、蒸気不浸透性/耐性材料から構築可能である。加えて、包装70は、滅菌法を使用して、包装の開封を促進するための剥離可能フラップ74を含むことが可能である。
【0027】
混合容器40は、図6の実施形態に示されるように、固体形態として、事前に測定された用量の治療剤51を有する。典型的には、治療剤は、防腐剤等の1つ以上の調剤52賦形剤を含むことが可能である、治療剤組成50の一部であるだろう。治療剤組成50は、固体形態として、長期間保管され、治療剤溶液54の経皮的イオン導入送達を使用して、貧血等の患者の症状を治療するために十分な濃度を有する、治療剤溶液54を生成するために、液体内に溶解されるように構成される。
【0028】
次に、図6、7a、7b、および7cを参照すると、混合容器40は、能動電極アセンブリの自己密閉ポート22と、治療剤溶液54を形成するように、治療剤組成を溶解させるための生理食塩水または蒸留水等、液体53を添加するためのポート43と、を穿刺するための先端42を有する、塗布器41を含む。塗布器41はまた、可撤性シース46を含むことが可能である。ポート43はまた、エラストマー材料から成り、図7aの実施形態に示されるように、IVバッグの注射器または組織穿刺端を使用して、混合流体の流入を可能にする、自己密閉ポート、を含むことが可能である。混合容器はまた、液体53の選択された量で容器を充填する補助をするための種々の測定表示47を含むことが可能である。
【0029】
混合容器40は、ユーザに、添加された液体53内で治療剤51を混合し、治療剤溶液54を調製し、次いで、図7a−7cの実施形態に示されるように、電極アセンブリの自己密閉ポート22を通して、塗布器先端42を挿入し、混合容器40を圧搾状態40sに圧搾することによって、溶液を能動電極アセンブリ20に送達させるような形状、体積、および半径方向伸縮品質を有する。故に、混合容器40は、HDPEまたはポリプロピレン等の1つ以上の弾性ポリマーから加工される、圧搾可能ボトル40sを含む。また、塗布器41および先端42は、容器48の本体を保持し、ポート22を突き刺すことによって、ポート22を穿孔可能な十分なコラム強度および鋭利度を有する。
【0030】
キット60および容器40を使用するための方法の実施形態では、ユーザは、包装70を開封後、充填ステップ81において、図7aに示されるように、先端42を液体53の滅菌IVバッグに挿入する、または注射器の使用を通して、容器40を充填する。次いで、図7bに示されるように、混合ステップ82において、容器を震盪し、治療組成50を混合し、治療溶液54を形成する。最後に、図7cに示されるように、電極アセンブリ充填ステップ83において、密閉可能ポート22を通して、先端42を挿入し、容器を圧搾することによって、混合された溶液54を電極アセンブリ20に添加する。
【0031】
本明細書に論じられるように、多くの実施形態では、治療剤51は、固体に形成された治療剤51と、1つ以上の医薬品賦形剤52と、を含む、治療組成50の一部である。好適な賦形剤52は、溶液54の選択されたpHを維持するために、防腐剤および緩衝剤を含むことが可能である。これらの賦形剤52のうちの1つ以上は、治療剤51とともに、結晶化および凍結乾燥等の方法を使用して、固化可能である。種々の実施形態では、治療剤組成50および剤51はまた、混合容器40内に希釈される、濃縮された液体形態にあることが可能である。固体または液体形態であるかに関わらず、治療剤組成ならびに剤50および51は、混合容器40を使用して、または他の手段によって、能動電極アセンブリ20内に装填される、治療剤溶液54を形成するための担体53としても知られる、溶媒53を使用して希釈される。好適な溶媒53は、生理食塩水または緩衝生理食塩水を含む、蒸留水および種々の水性溶液を含むことが可能である。
【0032】
種々の実施形態では、治療剤51として、鉄化合物、抗生物質(例えば、ペニシリン、アンピシリン、エリスロマイシン、シプロフロキサシン、バンコマイシン、等)、抗体、タンパク質、ポリペプチド、インスリン、および他のグルコース調整化合物、種々の止瀉薬(例えば、ロペラミド酸化物)種々の化学療法剤(例えば、ドキソルビシン)、種々のワクチン(例えば、ジフテリア、コレラ、破傷風、インフルエンザ、麻疹、およびポリオワクチン、ワクチンはまた、非反応性化された病原体ならびに抗体の形態として含むことが可能である)、および避妊特性を有する種々のホルモン(例えば、エストロゲンおよびプロゲステロンならびにそれらの組み合わせ)を含むことが可能であるが、それらに限定されない。治療剤はまた、体内に放出されると、その活性形態に代謝される、種々のプロドラッグを含むことが可能である。好適なプロドラッグとして、抗ウイルス性ヌクレオシド類似体、脂質低下スタチン、化学療法のための抗体指向性/遺伝子指向性酵素プロドラッグ、リン酸エトポシド、バルガンシクロビル、およびホスアンプレナビルを含むことが可能である。同様に、これらの治療剤は、ワクチン、抗体、タンパク質、およびペプチドを含め、凍結乾燥可能である。
【0033】
特定の実施形態では、治療剤51および剤組成50は、塩化第二鉄または塩化第一鉄等の貧血の治療のための1つ以上の第一鉄塩を含むことが可能である。他の塩もまた、想定される。組成はまた、第一鉄塩(+2荷電状態を有する)の荷電/イオン状態を保持し、第二鉄塩(+3荷電状態を有する)に変換されるのを防止するために、アスコルビン酸等の1つ以上の防腐剤を含むことが可能である。塩化第一鉄を使用する実施形態の場合、治療溶液54は、200〜1000mg/mlの範囲の濃度を有するように混合可能であって、特定の実施形態は、300、400、500、および750mg/mlである。
【0034】
混合容器40内に含まれる、それぞれの治療剤51および/または治療組成50の量あるいは用量は、治療される症状(例えば、貧血、糖尿病等)および患者の体重、年齢等に基づいて、判定可能である。また、投与量は、経口、静脈内、または他の送達手段(例えば、鼻腔内、吸入等)によって送達される、特定の症状のための周知の治療的に有効な用量に基づくことが可能であって、周知の方法の異なる吸収/摂取のための調節を伴う(例えば、経口送達される鉄化合物の場合)。例えば、貧血の治療のための経口送達される鉄化合物(例えば、硫酸第一鉄)の場合、典型的には、50mgの元素鉄が、送達され、そのうち10〜25mgのみが、血流内に実際に吸収される。故に、混合容器内の元素鉄の用量は、10〜25mgまたは10〜50mgの範囲であることが可能であって、特定の実施形態は、10、15、20、25、30、40、および50mgである。加えて、特定の実施形態では、用量応答曲線を、周知の薬理学的方法を使用して、特定の治療剤の経皮的イオン導入送達のために開発可能である。これらの方法は、血清鉄濃度ならびに%トランスフェリン鉄飽和(以下、トランスフェリン鉄飽和)の一方または両方を含む、体内の鉄状態の種々の生体指標の測定を含むことが可能である。同様に、患者の体重および年齢ならびにその特定の症状、例えば、妊娠性貧血に対して、調節を行なうことが可能である。
【0035】
特に、実施形態、混合容器40および/またはパッチ10内のキレート鉄錯体55の用量は、血清鉄濃度またはトランスフェリン鉄飽和等の鉄状態の1つ以上の生体指標の測定に基づいて、調節あるいは滴定可能である。他のそのような生体指標は、フェリチン、トランスフェリン、C反応性タンパク質、ヘモグロビン(例えば、ヘマトクリット値)、およびビリルビンのうちの1つ以上の血清/血漿濃度含むことが可能である。皮膚内へのキレート鉄錯体55の送達速度の一方または両方もまた、鉄状態の1つ以上の生体指標の測定に基づいて、滴定可能である。そのような送達速度の滴定は、本明細書に論じられる電気送達パラメータ、例えば、電流、電圧、波形、送達時間等の調節によって達成可能である。特定の実施形態では、治療錯体の送達時間の滴定は、イオン導入送達のために使用される電流の変調によって達成可能である。変調は、周波数、振幅、または両方においてであることが可能である。
【0036】
ある実施形態では、治療組成50は、キレート剤または部分57に静電的に結合される、治療剤あるいは部分56を含む、キレート錯体55を含むことが可能である。多くの場合、治療部分56は、貧血を治療するための鉄部分のため等の正電荷を有し、キレート部分は、負電荷を有する。キレート錯体55は、本明細書に説明される種々のイオン導入経皮的方法を使用して、皮膚Sおよび下層皮下組織SDに送達可能である。これは、図2cに示されるように、溶液内に溶解されるキレート錯体を含有するパッチ10を皮膚に適用し、次いで、電流を送達し、錯体を皮膚および下層組織SD内に駆動するステップを含むことが可能である。皮膚S全体および下層皮下組織SD内へと輸送されると、治療部分56は、1つ以上の細胞機構によって作用されるまで(例えば、貪食)、非反応性部分57によって結合されたままである。
【0037】
上述のプロセスは、キレート錯体55を、皮膚全体に輸送の際、皮膚と発色的に非反応性にさせる。具体的には、錯体は、表皮および皮下層を含む、皮膚内に殆どまたは全く発色斑紋をもたらさない。鉄の場合、入れ墨として知られるそのような斑紋は、反応性鉄イオン(例えば、Fe2+またはFe3+)によって生成される不溶性酸化物の形成(具体的には、不溶性鉄酸化物塩)から生じる。次いで、これらの塩は、表皮または皮層内に沈殿し、着色沈殿物を形成し、入れ墨をもたらす。キレート鉄錯体の使用は、これらの塩の生成を最小限または排除し、したがって、皮膚に対して審美的変化をもたらす、入れ墨または他の関連変色の発生を排除する。後述のように、キレート鉄錯体の使用はまた、電流送達から生じる皮膚への熱傷、炎症、または他の損傷による、審美的変化の量を低減させる。
【0038】
発色的に非反応性である、好適なキレート鉄錯体55として、ピロリン酸第二鉄および関連鉄塩を含む。これらおよび関連実施形態では、第二鉄または他の鉄イオンは、第二鉄イオンが、皮膚内で不溶性塩を形成するために利用不可能であるように、ピロリン酸または他の非反応性部分によって、十分静電的に結合される。したがって、鉄イオンは、実質的に、皮膚と発色的に非反応性である。他の好適なキレート鉄錯体として、エデト酸、エデト酸エチレンジアミン、琥珀酸エチレンジアミン、クエン酸第二鉄、クエン酸第二鉄アンモニウム、クエン酸第二鉄コリン、クエン酸第二鉄アンモニウム、クエン酸第二鉄キニーネ、クエン酸第二鉄ナトリウム、ギ酸第二鉄、グルコン酸鉄、硫酸第二鉄アンモニウム、蓚酸第二鉄アンモニウム、蓚酸第二鉄カリウム、蓚酸第二鉄ナトリウム、トリスグリシン酸第二鉄、ビスグリシン酸第二鉄、サッカリン第一鉄、フェルレシット、グルコン酸第一鉄フェルムヴァイチス、糖酸水酸化第一鉄錯体、鉄アレーンサンドイッチ、アセチルアセトン鉄塩、鉄デキストラン錯体、鉄デキストリン、クエン酸鉄ソルビト、糖酸化酸化鉄、フマル酸第一鉄、鉄ポルフィリン、鉄フタロシアニン、鉄サイクラム、ジチオカルボキシ鉄、デスフェリオキサミン鉄、ブレオマイシン鉄、フェロジン鉄、鉄ペルハロポルフィリン、アルケンジアミン−N,N'−二コハク酸鉄(III)、ヒドロキシピリドン鉄(III)、アミノグリコシド鉄、トランスフェリン鉄、鉄チオシアネート、鉄錯体シアン化物、ポルフィリナト鉄(III)、ポリアミノポリカーボネート鉄、ジチオカルバメート鉄、アドリアマイシン鉄、アントラサイクリン鉄、MGD鉄、フェリオキサミンB、クエン酸第一鉄、硫酸第一鉄、グルコン酸鉄錯体、コハク酸第一鉄、ポリグルコピラノシル鉄、ポリアミノ二コハク酸鉄、ビリベルジン鉄、デフェリプロン鉄、オキシ水酸化第二鉄デキストラン、ジニトロシルジチオラト鉄、鉄ラクトフェリン、1,3−PDTA第二鉄錯体塩、ジエチレントリアミン五酢酸鉄塩、シクロへキサンジアミン四酢酸鉄塩、メチルイミノ二酢酸鉄塩、グリコールエーテルジアミン四酢酸鉄錯体、第二鉄ヒドロキシピロン、コハク酸第二鉄、塩化第二鉄、硫酸第二第二鉄グリシン、アスパラギン酸第二鉄、グルコン酸ナトリウム第一鉄、水酸化第一鉄ポリマルトース、他の薬学的に容認されるキレート鉄錯体、混成物、混合物、および/またはそれらの組み合わせを含むことが可能である。キレート錯体55の選択に加え、皮膚輸送の際の発色斑紋はまた、イオン導入送達の電気パラメータ(例えば、電流、電圧、波形等)のうちの1つ以上の選択によって、低減可能である。
【0039】
ピロリン酸第二鉄または類似分子の場合、解離が、貪食等の種々の細胞プロセスによって生じ、キレート錯体55は、マクロファージ58または他の細胞58によって取り込まれ、分子は、マクロファージ58の細胞質59内において、マクロファージまたは他の食細胞内の種々の酵素によって、その治療剤成分に分解される。貪食は、組織部位TSに皮下的に近接して、あるいは脾臓または他の場所において生じることが可能である。解離のための他の細胞および/または代謝プロセスの使用もまた、想定される。ピロリン酸第二鉄の場合、次いで、貪食によって放出された元素鉄(第二鉄イオンの形態として)は、トランスフェリンによって結合され得、次いで、ヘム合成等の種々の生物学的化合物の合成、および骨髄内の赤血球形成、ならびに肝細胞によって摂取される肝臓における貯蔵等を含む、種々の代謝プロセスにおける身体を通して使用される血漿によって、輸送される。第二鉄イオンはまた、主要細胞内鉄貯蔵タンパク質である、フェリチン分子によって細胞内で摂取され、結合されてもよい。これは、マクロファージ内で直接、または鉄が、トランスフェリンによって、ある場所に搬送され、放出され、次いで、フェリチンによって、その場所内で摂取および結合される時に間接的に生じることが可能である。鉄欠乏症貧血に罹患する患者の場合、貪食または他の代謝プロセスによって放出される鉄は、肝臓または骨髄内のヘム合成の量を向上させるために使用可能である。これは、同様に、血中のヘモグロビン量を向上させるために使用可能である。
【0040】
入れ墨および他の関連斑紋の形成を減少または排除することに加え、キレート鉄錯体を使用する本発明の種々の実施形態はまた、経皮的イオン導入のために、皮膚への電流の送達から生じる、皮膚の熱傷、紅斑(例えば、発赤)、あるいは他の損傷または炎症を最小限にするように構成可能である。これは、いくつかの要因による。第1に、沈殿物の形成を最小限にすることは、そのような沈殿物からの皮膚の電気インピーダンス、同様に、皮膚のオーム加熱の量の増加を防止する。さらに、イオンが溶液内に滞留する時、皮膚の伝導性を増加させ、それによって、インピーダンスを低下させる。最後に、沈殿物が殆どまたは全く存在しないため、イオン導入的に送達される鉄のより多くが、身体によって使用可能な形態として、皮下組織層に送達される。したがって、送達される電流の電流送達の総時間、したがって、アンペア時が減少され、皮膚への損傷をほとんどもたらさない。本明細書に論じられるように、総送達電流量をあるレベル、例えば、100mA/分を下回る、さらにより好ましくは、80mA/分を下回るように維持することが望ましい。
【0041】
本発明の種々の実施形態は、種々のイオン導入経皮的送達プラットフォーム上にキレート鉄錯体を含む、キレート錯体の使用を想定する。これらは、米国仮特許出願第61/214,642号(その内容は、参照することによって本明細書に援用される)に説明されるような治療剤の振動運動を生成するための1つ以上の電流を採用するものを含め、DC電流、AC電流、単一パッチ送達、二重パッチ送達、および多重電流実施形態を採用するものを含む、実施形態を含む(そのような実施形態は、鉄またはそのイオン形態にある他の活性剤に作用する2つの起電力を生成する、別個の対の電極によって送達される、多重AC電流の使用を伴う。第1の力は、皮膚表面に垂直にイオンに作用し、それらを皮膚内へと駆動する。第2の力は、皮膚の表面に水平にイオンを振動させ、それらを、角質層を通して一カ所に集めるように、鉄イオンまたは他の剤イオンの「ふるい」作用をもたらす。これは、「オシロフォレシス」として説明されるプロセスである)。電気パラメータ(例えば、電流、電圧、波形、送達時間等)ならびに他のパラメータ(例えば、パッチサイズ、剤溶液濃度等)は、各プラットフォームのために調節され、選択された治療剤の所望の投与量を達成可能である。さらに、種々のACイオン導入電流実施形態では、電流は、変調され(例えば、周波数および/または振幅変調)、以下の1つ以上を達成可能である。i)治療剤の総送達用量を滴定する、ii)治療剤の送達速度を滴定する(例えば、向上させる)(例えば、電流を増加させることによって)、iii)患者が知覚する疼痛を最小限にする(典型的には、振幅を特定のレベルを下回るように維持することによって)、およびiv)熱損傷および関連付けられる皮膚への変色を最小限にする(例えば、振幅を設定レベルを下回るように、および/またはアンペア時を総量を下回るように維持することによって)。変調は、コントローラ150の1つ以上の実施形態を使用して達成可能である。
【0042】
キレート錯体の使用はまた、治療剤の純粋に受動的な拡散ならびに受動的および能動的拡散の組み合わせ(例えば、受動的およびイオン導入経皮的送達)を同様に採用する実施形態に対しても想定される。
【0043】
鉄ピロリン酸等のキレート鉄錯体を採用する種々の実施形態では、電気パラメータおよび送達計画は、鉄欠乏症貧血および関連症状の治療のために、治療的に有効量の鉄を送達するように構成可能である。種々の実施形態では、鉄キレート錯体を使用して送達される、治療的に有効量の鉄は、約1〜約300mgの範囲内にあることが可能であって、特定の実施形態は、約1〜約100mg、約1〜約50mg、約1〜約25mg、および約3〜約10mgである。ピロリン酸第二鉄を採用する実施形態の場合、これらの送達される用量を達成するために必要とされる、ピロリン酸第二鉄の量は、鉄がピロリン酸第二鉄の分子量の約3分の1を占めるという事実から、所望の送達される用量の約3倍である。これらの投与量を達成するためのピロリン酸第二鉄の濃度は、約10〜50mg/mlの範囲内であることが可能であって、特定の実施形態は、20、30、および40mg/mlである。したがって、例えば、約1mlの溶液を保持するパッチの場合、10mgの鉄を送達するために必要とされる、ピロリン酸第二鉄の濃度は、約30mg/mlとなるであろう。異なる濃度が、異なるサイズのパッチのために使用可能である。濃度はまた、用量応答曲線法を使用して、調節可能である。
【0044】
次に、図8−9を参照して、電源100の実施形態について説明する。本発明の種々の実施形態は、手で搬送され、かつユーザによって装着可能である、携帯式電源100を想定する。種々の実施形態では、電源100は、バッテリ式である、または外部電源(acまたはdc)によって電力供給されてもよい。また、本明細書に説明されるように、太陽電池式であってもよい。
【0045】
図8aに示される携帯式電源100の実施形態は、電気波形102およびデータ103を表示するためのディスプレイ101と、種々の機能を制御および選択するための1つ以上の制御ボタン/スイッチ104と、データを入力するためのタッチパッド/キー105と、パッチデバイス10に接続するための1つ以上の対の電気コネクタ106と、を含むことが可能である。電源は、バッテリ式であることが可能である、または外部電力ACまたは他の電源によって電力供給されてもよい。また、いくつかの実施形態では、電源100は、直流電源として、また、本明細書に論じされる再充電可能バッテリを有する、電源100の実施形態を充電するために、太陽電池120を含むことが可能である。太陽電池120は、任意の数の当技術分野において周知の光電池およびシステムであることが可能であって、充電および直流電力の両方のために、電力を電源100に供給するために、十分な面積および電力発生特性を有する。種々の実施形態では、電池120は、約50〜1000ワットの電力を発生させるように構成可能であって、特定の実施形態は、100、200、および500ワットである。特定の実施形態では、太陽電池120は、単結晶性、多結晶性、および非晶質シリコンを含む、シリコン系電池を含むことが可能である。加えて、電池120は、電力コネクタ108に連結される、ケーブル107によって、電源100に脱着可能に連結可能である。ケーブル107は、電源100が直射日光を受光しない場所で使用される時、直射日光または日光をより多く受光する窓または屋根あるいは他の場所に、電池を遠隔載置可能にするために、十分な長さ(例えば、30フィート以上)を有することが可能である。
【0046】
いくつかの実施形態では、電源100は、多重パッチデバイス10に電気/電力信号115を供給し、同様に、単一患者または多重患者上の多重部部位への経皮的イオン導入送達を可能にするように、多重出力チャネル110を有するように構成可能である。好ましい実施形態では、電源は、最大8つのチャネル110を有することが可能であって、付加的数も想定される。各チャネル110は、本明細書に説明されるコントローラ150または他の制御手段の使用を通して、独立して制御可能である。
【0047】
多くの実施形態では、電源100は、ユーザによって搬送、またはさらに、例えば、ユーザの腕に装着されるように構成される、携帯式電源100であることが可能である。特定の実施形態では、電源100は、ユーザの腕または脚あるいは多の場所に装着される、装着式システム5w(パッチ10を含む)に組み込み可能である。装着式電源100およびシステム5wの実施形態は、図8b、8c、および8dに示される。電源100を含む、装着式システム5wは、腕/脚バンド状デバイス6または類似デバイスによって、腕に取着されるユーザの腕/脚上に装着されるように構成可能である。また、後述のように、パッチデバイス10に取着されるように構成されてもよい。別の代替として、ユーザのベルトに装着され、接続用配線と接続されてもよい。腕および脚装着式実施形態の場合、装着式電源100は、腕または脚上への装着を促進するために、湾曲または関連形状因子を有することが可能である。さらに、腕または脚の形状に適合するための適合性材料を備えてもよい。携帯式電源100と同様に、装着式電源100はまた、ディスプレイ101と、1つ以上のボタンまたはスイッチ104と、携帯式電源100の実施形態の他の特徴と、を含むことが可能である。また、キット40、デバイス10、または容器30のための包装上のバーコード、ならびに種々の他のバーコードを読み取るためのバーコードリーダ109を含んでもよい。また、パッチ10のコネクタ26と直接係合する、またはケーブル(図示せず)を介してのための1つ以上の電気コネクタまたは継手106を含むことが可能である。装着式電源100はまた、VELCOまたは他の取着手段(例えば、スナップまたは類似継手)を介して、腕バンドデバイス6を取着するように構成可能である。バンドデバイス6はまた、ユーザに、その腕または脚の周囲にバンド6を容易に摺動または巻着させる、電源100の一体型構成要素であることが可能である。別の代替として、装着式電源100の実施形態は、ユーザの皮膚に取着するための接着剤層を含む、パッチ10の実施形態に直接取着するように構成可能である。同様に、そのような実施形態では、電源100は、VELCROまたは他の取着手段を介して、バッチ10に取着可能である。
【0048】
典型的には、装着式電源は、バッテリ140がを含むが、エネルギー収穫デバイスおよび/または太陽電池等の電力貯蔵および/または発生手段もまた、想定される。そのような代替デバイスは、単独使用またはバッテリ140と併用可能である。バッテリ140は、軽量かつ電源内に容易に統合される形状因子を有することが可能である。好適なバッテリは、アルカリ、鉛酸、ニッケル水素、リチウム、リチウムイオン電子、および類似化学物質を含むことが可能である。バッテリサイズは、当技術分野において周知の二重単3型を含むことが可能である。他の標準的サイズもまた、想定される。
【0049】
いくつかの好ましい実施形態では、電源100は、太陽電池式である、および/または太陽光発電または手動発電機を含む他の再充電手段によって再充電可能なバッテリを有するように構成可能である(そのような実施形態はまた、外部電源への接続のために構成されてもよい)。故に、これらの実施形態では、電源100は、典型的には、図9の実施形態に示されるように、太陽電池120と、再充電回路130と、バッテリ140と、コントローラ150と、を含むであろう。好適な再充電可能バッテリとして、鉛酸、ニッケル水素、リチウム、リチウムイオン電子、および類似化学物質を含む。コントローラ150は、典型的には、電源の1つ以上の機能を制御するためのマイクロプロセッサ151と、マイクロプロセッサによって使用される1つ以上のソフトウェアアルゴリズムおよびデータを記憶するためのメモリリソースと、バッテリからの電圧を上昇させるためのdc−dc変換器と、AC電力を1つ以上のデバイス10に供給するためのdc−ac変換器と、別個の電力/電気信号115を各チャネル110に供給するためのマルチプレクサまたは電力レールと、を含む。マイクロプロセッサは、電源100の種々の機能を制御するための1つ以上のアルゴリズム、例えば、特定の治療剤および特定の患者のためのデバイス10への電力計画を含むことが可能である。
【0050】
コントローラ150の使用を通して、電源100の種々の実施形態は、多重機能を果たすように構成可能である。これらは、i)1つ以上のデバイス10への電圧および電流の発生ならびに供給、ii)各デバイス10のための特定の電力/電気信号115の発生、iii)特定の患者および治療剤のための電力/信号計画(例えば、電流、電圧、ならびにデューティサイクルにわたっての周波数および波形)の実装、iv)チャネル毎の電圧、電流、インピーダンス、および電流用量の監視、v)監視された電圧、電流等に基づいて、各チャネルのための信号(例えば、電圧、電流、および周波数)の変調を含む、調節、ならびにvi)バッテリ充電の検出、バッテリの充電、および必要に応じたバッテリと大陽発電との切替を含む、種々の電力管理機能を行なうことを含む。
【0051】
電源100の種々の実施形態もまた、1つ以上のパッチデバイス10に選択可能電圧および電流を供給するように構成可能である。種々の実施形態では、電圧は、1−14ボルトの範囲内にあることが可能であって、特定の実施形態は、5、6、7、8、9、10、11、12、または13ボルトである。特定の実施形態では、電源はまた、異なる電圧動作モード、例えば、1−6、6−12、および12−14ボルトの例示的範囲に対応可能な低、中、および高電圧動作モードを有するように構成可能であって、他の範囲もまた、想定される。
【0052】
電流は、0.1〜0.8maの範囲内であることが可能であって、特定の実施形態は、0.1、0.2、0.3、0.4maであって、他の値も、想定される。コントローラはまた、患者に送達される総電流用量(アンペア時)を制限するためのアルゴリズムを含むことが可能である。特定の実施形態では、総電流用量は、100、80、60、または40mA/分を下回るように制限可能である。種々の実施形態では、コントローラは、最大用量に達すると、電流を遮断する、または治療剤がここで他の電極アセンブリ/パッチ(二重パッチ実施形態の場合)から送達されるように、電圧の極性を切り替えることが可能である。コントローラはまた、最大電流用量に接近するのに伴って、例えば、0.3maから0.1maに、電流を低下させるように構成可能である。このように、所望の量の治療剤が、電流用量閾値を超えることなく、送達可能である。
【0053】
種々の実施形態では、コントローラ130は、治療剤、患者、および治療される症状等の1つ以上の要因に応じて、特定の特性を有する信号115ならびに信号115の特定のデューティサイクルを発生させるように構成可能である。信号115は、DC、AC、または両方の組み合わせであることが可能である。DC実施形態の場合、信号115は、1〜100ボルトの範囲を有することが可能である。DCおよびAC両方の実施形態では、信号115は、電流が固定され、電圧が変動するように、コントローラ150によって電流制御されることが可能である。これらおよび関連実施形態では、電流は、約10μa〜4maの範囲内に制御可能である。DCまたはACに関わらず、信号115は、i)患者による疼痛知覚の最小限化(例えば、振幅変調によって)、ii)治療剤の送達速度の滴定、およびiii)送達される治療剤の総量の滴定を含む、機能のうちの1つ以上を果たすように変調可能である。
【0054】
次に、図10a、10b、および11を参照すると、特定の実施形態では、信号115は、DC信号116成分と、オーバレイAC信号成分117と、を有する、組み合わせられた信号115cを含むことが可能である。AC成分117は、図10aおよび10bの実施形態に示されるように、経皮的電流または電圧の印加の際に生じ得る、皮膚組織内における容量電荷の蓄積を破壊することを含む、いくつかの機能を果たすように構成可能である。また、皮膚に対して1つ以上の方向に、キレート錯体55を振動させ、皮膚を通しての錯体の輸送を向上させるように構成可能である。信号117の振幅は、1〜100%のDC信号の範囲にあることが可能であって、特定の実施形態は、10、20、および50%である。AC成分117は、約1〜100hz、約1〜50hz、約1〜25hz、および約1〜10hzの範囲内の周波数を伴う、正弦波、方形波、または鋸歯状波形を含むように形成可能である。また、これらおよび他の実施形態では、信号115は、台形115tまたは他の関連形状を有することが可能であって、電圧は、上昇部分118の間、徐々に上昇し、下降部分119の間、下降される。部分118および119の傾斜は、経皮的に印加される電圧の突然の上昇または低下の結果、患者によって感じられるいかなる疼痛も減少させるように構成される。
【0055】
また、多くの実施形態では、信号115は、実質的に、AC信号115acを含むことが可能であって、図11の実施形態に示されるように、設定周波数において、極性が反転される。AC信号の周波数は、約1〜100hz、約1〜50hz、約1〜25hz、および約1〜10hzの範囲内であることが可能である。信号115の波形は、台形115tまたは他の類似形状を含むことが可能であって、電圧は、上昇および下降される。正弦波等を含む、他の波形もまた、想定される。使用時、そのようなAC信号実施形態は、両方とも、印加される経皮的電圧によって駆動される、皮膚内への治療剤51の輸送を妨害し得る、皮膚内における容量電荷の蓄積ならびに皮膚内におけるイオン層の蓄積を防止および/または破壊することを含む、1つ以上の手段によって、送達される治療剤51の量を大幅に増加させることが可能である。また、皮膚に対して1つ以上の方向に、治療錯体55を振動させ、角質層内の空隙を通して等、皮膚を通して最も抵抗が低い経路を見つけることによってそれを行なうことも可能である。図12に示される一実施例では、約10倍の増加が、AC対DC信号の使用に対するブタの皮膚を通した塩化第一鉄の輸送において得られた。
【0056】
種々の実施形態では、電源100は、病院環境および現場の両方において、医療従事者による使用を促進するための種々の特徴を含むことが可能である。例えば、電源は、キット40、デバイス10、または容器30のための包装上のバーコードならびに種々の他のバーコードを読み取るためのバーコードリーダ(図示せず)を含む、またはそれに連結されるよう構成可能である。加えて、電源は、電源をIV支柱あるは他の支持スタンドまたはデバイスに取着するためのクランプを含むことが可能である。
【0057】
また、種々の実施形態では、その電子構成要素を含む、電源100は、種々の温度および湿度極限に耐え、熱帯および砂漠環境を含む、種々の周囲条件および環境におけるその使用を可能にするような耐久性および信頼性を向上させるように構成可能である。これは、当技術分野において周知の軍用規格電子構成要素の使用、ならびに湿気、砂、および埃に対する抵抗を与えるように、内的ならびに外的種々の保護ポリマーカバーおよびコーティングの使用を通して達成可能である。加えて、電源は、高程度の耐故障性を有するように構築され、したがって、耐故障性構成要素から構築される、および/または予備バッテリおよびコントローラ等の予備構成要素を有してもよい。付加的予備構成要素もまた、想定される。さらに、電源の電子構成要素のうちの1つ以上は、ユニット全体を交換する必要となく、迅速かつ容易な交換を可能にするように、モジュールであるように構成可能である。これは、コントローラ150に組み込まれる診断ソフトウェアを使用して、故障モジュールおよび構成要素を識別することによって、構成要素が故障または交換の必要性の表示を示す時、促進可能である。例えば、バッテリ管理ソフトウェアは、鉛酸バッテリ等の電源のバッテリが、そのサイクル寿命の終了に近づいている時を示すことが可能である。これは、負荷下、バッテリの電圧は計を分析することによって達成可能である。
【0058】
結論
本発明の種々の実施形態の上述の説明は、例証および説明の目的のために提示されている。本発明を開示される精密な形態に限定することを意図するものではない。多くの修正、変形例、および改良が、当業者には明白となるであろう。例えば、イオン導入パッチは、異なる症状、異なる組織部位、ならびに種々の小児用途に対して、治療剤のサイズ、形状、および容量を修正可能である。また、本発明の実施形態は、治療剤の経皮的送達から恩恵を享受し得る、いくつかの疾患および症状の治療のための、かつ皮膚の炎症または変色の可能性を低減または防止するように行なわれる、広範な用途を有する。
【0059】
一実施形態からの要素、特性、または作用は、発明の範囲内において、1つ以上の他の実施形態からの要素、特性または作用と容易に再結合あるいは代用され、多数の付加的実施形態を形成可能である。さらに、他の要素と組み合わせられるように図示または説明される要素は、種々の実施形態では、独立要素として存在可能である。故に、本発明の範囲は、説明される実施形態の仕様に限定されず、代わりに、添付の請求項によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療剤を含むキレート錯体のイオン導入経皮的送達のための方法であって、
該方法は、
患者の皮膚にパッチを適用することであって、該パッチは、電極とキレート錯体とを含み、該キレート錯体は、治療剤とキレート剤とを含む、ことと、
該電極を使用して、該皮膚に電流を送達することと、
該電流を利用して、該皮膚にわたって該キレート錯体を輸送することであって、該治療剤は、輸送の間に、該皮膚と実質的に発色的に非反応性である、ことと
を含む、方法。
【請求項2】
前記錯体は、前記剤を細胞内に放出する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記錯体は、前記皮膚に対して実質的な損傷または炎症を生成することなしに輸送される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記損傷または炎症は、紅斑である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記錯体は、前記皮膚に対して実質的な審美的変化を生成することなしに輸送される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記審美的変化は、入れ墨である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記錯体は、皮下組織層に送達される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記治療剤は、鉄を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記輸送される治療剤は、鉄欠乏症の治療のための治療的に有効量の鉄を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記錯体は、ピロリン酸第二鉄を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記錯体は、クエン酸第二鉄アンモニウムを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記錯体は、クエン酸第二鉄、クエン酸第二鉄アンモニウム、クエン酸第二鉄コリン、クエン酸第二鉄アンモニウム、クエン酸第二鉄キニーネ、およびクエン酸第二鉄ナトリウムから成る群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記錯体は、グルコン酸第二鉄、硫酸第二鉄アンモニウム、蓚酸第二鉄アンモニウム、蓚酸第二鉄カリウム、蓚酸第二鉄ナトリウム、トリスグリシン酸第二鉄、ビスグリシン酸第二鉄、およびアスパラギン酸第二鉄から成る群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記錯体は、鉄錯体、鉄塩、第二鉄塩、または第一鉄塩を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記錯体は、エデト酸、エデト酸エチレンジアミン、または琥珀酸エチレンジアミンを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記錯体は、フェリチンまたはトランスフェリンと結合するために利用可能な鉄を放出する、請求項8に記載の方法。
【請求項17】
前記錯体は、実質的に、前記皮膚内に鉄を沈殿させることなく輸送される、請求項8に記載の方法。
【請求項18】
前記錯体は、実質的に、前記皮膚内の鉄の沈殿から生じる前記皮膚における電気インピーダンスを増加させることなく輸送される、請求項8に記載の方法。
【請求項19】
前記錯体は、前記皮膚内の鉄の沈殿から生じるオーム加熱に由来する前記皮膚における実質的な温度上昇なしに輸送される、請求項8に記載の方法。
【請求項20】
約10mgまでの元素鉄が、前記皮膚にわたり輸送される、請求項8に記載の方法。
【請求項21】
約20mgまでの元素鉄が、前記皮膚にわたり輸送される、請求項8に記載の方法。
【請求項22】
約30mgまでの元素鉄が、前記皮膚にわたり輸送される、請求項8に記載の方法。
【請求項23】
前記錯体は、ヘム合成のために利用可能な鉄を放出する、請求項8に記載の方法。
【請求項24】
前記キレート剤は、負電荷を有し、前記治療剤は、正電荷を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記電流は、交流電流を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記電流は、方形波、正弦波、鋸歯状、または台形状を有する波形を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記電流は、交流電流成分および直流電流成分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記交流電流成分は、前記皮膚内に蓄積される容量電荷を破壊するように構成される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記交流電流成分は、前記皮膚を介した輸送の際、前記キレート錯体を振動させるように構成される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記電流は、変調される、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記電流は、周波数が変調される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記電流は、コントローラによって変調される、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記電流は、疼痛知覚を最小限にするように変調される、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記電流は、前記皮膚に対する熱損傷を最小限にするように変調される、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記電流は、前記皮膚の変色を低減するように変調される、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
前記電流は、前記皮膚全体への前記錯体の輸送を向上させるように変調される、請求項30に記載の方法。
【請求項37】
前記電流は、前記皮膚全体への前記錯体の送達を滴定するように変調される、請求項30に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2012−524604(P2012−524604A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507223(P2012−507223)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/001227
【国際公開番号】WO2010/123584
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VELCRO
【出願人】(511227440)インキューブ ラブズ, エルエルシー (5)
【Fターム(参考)】