説明

クラゲコラーゲンペプチド混合物

【課題】 角質のバリア機能の修復改善効果を有するクラゲコラーゲンペプチド混合物を提供する。
【解決手段】 下記アミノ酸配列のいずれかを含むクラゲコラーゲンペプチドを含有するクラゲコラーゲンペプチド混合物を提供する。
<1>Gly-Pro-Ala-Gly
<2>Pro-Gly-Val-Lys-Gly-Glu-Val-Gly-Glu-Ala-Gly-Lys-Arg-Gly
<3>Val-Gly-Pro-Val-Thr-Glu-Glu-Val-Ser-Pro-Ala-Lys
<4>Ser-Ala-Gly-Gln-Asn-Pro-Ala-Asp-Asp-Val
<5>Gly-Thr-Pro(OH)-Gly-Ala-Gly-Gly-Ser-Arg
<6>Gln-Gly-Pro-Gln-Gly-Glu-Leu
Pro(OH)はヒドロキシプロリンを示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のアミノ酸配列を含むクラゲコラーゲンペプチド混合物に関する。また、該クラゲコラーゲンペプチドを含有する外用剤に関し、特に、角化細胞賦活剤、インボルクリン産生促進剤、トランスグルタミナーゼ産生促進剤及び/または抗炎症剤としての外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、日本近海におけるクラゲの大量発生が社会問題化しており、大量発生したエチゼンクラゲが漁網を破損し、漁獲量を低下させるなど漁業に深刻なダメージを与えている。またミズクラゲやエチゼンクラゲが工場や火力発電所、原子力発電所の取水口に詰まるなどの被害も生じている。大量発生したクラゲは、主に捕獲駆除されているものの、捕獲したクラゲの廃棄にもコストを要するため、捕獲駆除に替わる有効な解決手段が各方面から望まれていた。
【0003】
その対策のひとつに、クラゲのコラーゲン原料としての利用が提案されている。
【0004】
基礎化粧料の重要なアイテムであるコラーゲンは、主に牛や豚などの哺乳動物に由来するものが用いられており、哺乳動物はタンパク質の1/3がコラーゲンであるとされている。それに対し、クラゲは95〜98質量%の水分と、2〜5質量%の固形物からなり、この固形物の20〜30質量%がタンパク質であり、その80質量%がコラーゲンであるといわれている。
【0005】
一般に、哺乳動物由来のコラーゲンが、動物の皮膚や骨などの硬い組織からの抽出物であるのに対し、大量の水分を含む軟らかい組織で構成されているクラゲのコラーゲンには、他の動物性コラーゲンにはない機能や活性があるものと予想される。
【0006】
クラゲ抽出物に関する検討として、ミズクラゲやエチゼンクラゲから得られた液状物を皮膚外用剤に配合して使用することにより、肌の水分保持能が更新され、角層のターンオーバーを正常化できるとの報告がある(特許文献1)。しかし、クラゲから得られた液状物、すなわちクラゲコラーゲンを含むタンパク質による表皮細胞賦活効果は、十分満足できるものではなかった。
【0007】
皮膚は乾燥、紫外線などの物理的刺激から内部の細胞を保護し、体内成分の喪失を防止する役目をはたしている。この機能は皮膚のバリア機能または角質のバリア機能と呼ばれ、その機能の重要な役目を担っているのが角層である。
【0008】
角層は表皮角化細胞が分化して形成された角質層と、細胞間を埋める細胞間脂質から形成されたものであり、角質層はケラチン繊維とコーニファイドエンベロープ(CE)から構成され、CEはインボルクリンや、ロリクリンなどがトランスグルタミナーゼ1などの酵素により架橋して形成されたものである。角質のバリア機能は、CEの一部と細胞間脂質であるセラミドなどが共有結合して形成されることが知られており、角質のバリア機能を改善するには、表皮角化細胞の増殖、インボルクリン、トランスグルタミナーゼの増加が重要と考えられている。
【0009】
インボルクリン産生促進効果、トランスグルタミナーゼ産生促進効果については、オトギリソウ科セイロンテツボク、シラカンバ、ローヤルゼリーなど天然物及びそのエキス類による効果が報告されている(特許文献2、3、4)。しかし、クラゲコラーゲンペプチ
ドの表皮細胞の賦活化効果、インボルクリン、トランスグルタミナーゼ産生促進効果については、これまで報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2011−116672号公報
【特許文献2】特開2005−213187号公報
【特許文献3】特開2007−217326号公報
【特許文献4】特開2009−184955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、角質のバリア機能の修復改善効果を有するクラゲコラーゲンペプチド混合物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定のアミノ酸配列を含むクラゲコラーゲンペプチドの混合物に、優れた表皮角化細胞賦活効果、インボルクリン産生促進効果、トランスグルタミナーゼ産生促進効果、抗炎症効果を見出し、この知見に基づき本発明を完成するに到った。これらの効果により、角質のバリア機能を修復し、改善することが可能となる。
【0013】
即ち、本発明は下記の(1)〜(13)に係わるものである。
(1)下記アミノ酸配列のいずれかを含むクラゲコラーゲンペプチドを含有するクラゲコラーゲンペプチド混合物。
【0014】
<1>Gly-Pro-Ala-Gly(配列番号1)
<2>Pro-Gly-Val-Lys-Gly-Glu-Val-Gly-Glu-Ala-Gly-Lys-Arg-Gly(配列番号2)
<3>Val-Gly-Pro-Val-Thr-Glu-Glu-Val-Ser-Pro-Ala-Lys(配列番号3)
<4>Ser-Ala-Gly-Gln-Asn-Pro-Ala-Asp-Asp-Val(配列番号4)
<5>Gly-Thr-Pro(OH)-Gly-Ala-Gly-Gly-Ser-Arg(配列番号5)
<6>Gln-Gly-Pro-Gln-Gly-Glu-Leu(配列番号6)
Pro(OH)はヒドロキシプロリンを示す。
【0015】
(2)クラゲコラーゲンを加水分解して得られる項1に記載のクラゲコラーゲンペプチド混合物。
【0016】
(3)加水分解をトリプシン、ペプシン、パパインからなる群より選ばれた少なくとも1種のペプチド分解酵素を用いて行うことを特徴とする項2に記載のクラゲコラーゲンペプチド混合物。
【0017】
(4)加水分解を固体酸触媒を用いて行うことを特徴とする項2に記載のクラゲコラーゲンペプチド混合物。
【0018】
(5)固体酸触媒が、陽イオン交換体、ゼオライト、珪藻土からなる群より選ばれた少なくとも1種の固体酸触媒であることを特徴とする項4に記載のクラゲコラーゲンペプチド混合物。
【0019】
(6)クラゲコラーゲンが、ミズクラゲコラーゲンまたはエチゼンクラゲコラーゲンである項1〜5のいずれか1項に記載のクラゲコラーゲンペプチド混合物。
【0020】
(7)クラゲコラーゲンを、ペプチド分解酵素または固体酸触媒を用いて加水分解することにより得られる、クラゲコラーゲンペプチド混合物。
【0021】
(8)下記アミノ酸配列のいずれかを含むペプチド。
【0022】
<1>Gly-Pro-Ala-Gly(配列番号1)
<2>Pro-Gly-Val-Lys-Gly-Glu-Val-Gly-Glu-Ala-Gly-Lys-Arg-Gly(配列番号2)
<3>Val-Gly-Pro-Val-Thr-Glu-Glu-Val-Ser-Pro-Ala-Lys(配列番号3)
<4>Ser-Ala-Gly-Gln-Asn-Pro-Ala-Asp-Asp-Val(配列番号4)
<5>Gly-Thr-Pro(OH)-Gly-Ala-Gly-Gly-Ser-Arg(配列番号5)
<6>Gln-Gly-Pro-Gln-Gly-Glu-Leu(配列番号6)
Pro(OH)はヒドロキシプロリンを示す。
【0023】
(9)項1〜7のいずれか1項に記載のクラゲコラーゲンペプチド混合物、及び/または項8に記載のペプチドを含有する外用剤。
【0024】
(10)項1〜7のいずれか1項に記載のクラゲコラーゲンペプチド混合物、及び/または項8に記載のペプチドを含有する角化細胞賦活剤。
【0025】
(11)項1〜7のいずれか1項に記載のクラゲコラーゲンペプチド混合物、及び/または項8に記載のペプチドを含有するインボルクリン産生促進剤。
【0026】
(12)項1〜7のいずれか1項に記載のクラゲコラーゲンペプチド混合物、及び/または項8に記載のペプチドを含有するトランスグルタミナーゼ産生促進剤。
【0027】
(13)項1〜7のいずれか1項に記載のクラゲコラーゲンペプチド混合物、及び/または項8に記載のペプチドを含有する抗炎症剤。
【発明の効果】
【0028】
本発明により未利用資源のクラゲを有効活用することができ、クラゲコラーゲンペプチドの混合物を比較的安価に提供することができる。また、本発明の角化細胞賦活効果、インボルクリン産生促進効果、トランスグルタミナーゼ産生促進効果、抗炎症効果に優れたクラゲコラーゲンペプチドを外用剤として経皮投与することにより、角層の形成が促進され、角質のバリア機能を修復改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、実施例1において製造されたクラゲコラーゲンペプチド混合物の質量分析の結果を示したものである。
【図2】図2は、実施例9において製造されたクラゲコラーゲンペプチド混合物の質量分析の結果を示したものである。
【図3】図3は、実施例12〜14において製造されたクラゲコラーゲンペプチド混合物の分子量分布を示したものである。図中、1〜3は、それぞれ、実施例12〜14において製造されたクラゲコラーゲンペプチド混合物の分子量分布を示し、4は分子量マーカーの分子量(表下部の数値は分子量(kDa)を示す。)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書において用いる「クラゲコラーゲンペプチド」なる用語はクラゲコラーゲン由来のアミノ酸配列を含むペプチドをいう。本明細書において、クラゲコラーゲンペプチドの混合物(クラゲコラーゲンペプチド混合物)をクラゲコラーゲンペプチドということが
あり、クラゲコラーゲン由来のアミノ酸配列情報に基づき合成によって得られたペプチドをクラゲコラーゲンペプチドということがある。
【0031】
本発明のクラゲコラーゲンペプチドの混合物は、クラゲコラーゲンの加水分解により得ることができる。一実施態様において、クラゲコラーゲンペプチドの混合物は下記アミノ酸配列のいずれかを含むクラゲコラーゲンペプチドを含有するものである。また、合成で得られた下記アミノ酸配列を含むペプチドを用いることも、合成によって得られた下記アミノ酸配列を含むペプチドと、クラゲコラーゲンを加水分解して得られたクラゲコラーゲンペプチドとの混合物を用いることもできる。
【0032】
<1>Gly-Pro-Ala-Gly(配列番号1)
<2>Pro-Gly-Val-Lys-Gly-Glu-Val-Gly-Glu-Ala-Gly-Lys-Arg-Gly(配列番号2)
<3>Val-Gly-Pro-Val-Thr-Glu-Glu-Val-Ser-Pro-Ala-Lys(配列番号3)
<4>Ser-Ala-Gly-Gln-Asn-Pro-Ala-Asp-Asp-Val(配列番号4)
<5>Gly-Thr-Pro(OH)-Gly-Ala-Gly-Gly-Ser-Arg(配列番号5)
<6>Gln-Gly-Pro-Gln-Gly-Glu-Leu(配列番号6)
【0033】
本発明のクラゲコラーゲンの加水分解には、ペプチド分解酵素または固体酸触媒を用いることができ、クラゲコラーゲンは、クラゲのタンパク質から得ることができる。
【0034】
本発明で用いるクラゲの種類に特に制限はなく、例えば鉢虫網(Scyphozoa)、箱虫網(Cubozoa)、十文字クラゲ網(Staurozoa)及びヒドロ虫網(Hydrozoa)等に属するクラゲを用いることができ、具体的には、ミズクラゲ、アカクラゲ、ビゼンクラゲ、エチゼンクラゲ、エフィラクラゲ、ヒラタカムリクラゲ、クロカムリクラゲ、アマクサクラゲ、ヤナギクラゲ、ユウレイクラゲ、アマガサクラゲ、サムクラゲ、エビクラゲ、イボクラゲ、サカサクラゲ、ムラサキクラゲ、キタミズクラなどを用いることができる。これらのなかでも、資源の豊富さの観点から、ミズクラゲ、エチゼンクラゲを好ましく用いることができ、ミズクラゲを特に好ましく用いることができる。例えば、アミノ酸配列<1>〜<6>のいずれかを含むクラゲコラーゲンを本発明において好適に使用することができる。
【0035】
まず、クラゲからタンパク質を抽出する方法について説明する。
クラゲからタンパク質を抽出する際、裁断機、ミンチ機及びカッター等を用いて破砕したものを用いることができ、クラゲを破砕することなく用いることもできる。クラゲまたはクラゲ破砕物を、4℃程度の低温下に1〜36時間置くことにより、あるいは、4℃程度の低温下のリン酸緩衝液又は0.2%程度の塩化ナトリウム溶液、または、水に1〜36時間浸漬することにより、タンパク質を含む水溶液が得られる。
【0036】
タンパク質を含む水溶液は濾過し、さらに、塩化ナトリウムや硫酸アンモニウム等の無機塩を用いて塩析することにより、または、エタノールなどの低級アルコールで沈殿物とすることにより、不純物を除去することもできる。
【0037】
このようにして得られた粗タンパク質からクラゲコラーゲンを得る方法に特に制限はなく、例えば、タンパク質を含む水溶液を遠心分離して得られた固形物をエタノールなどの低級アルコールに分散させ、さらに遠心分離する方法が挙げられ、この操作によって、クラゲのコラーゲンを固形物として得ることができる。このクラゲコラーゲンを水で分散し、透析膜などで脱塩して精製したものを用いることもできる。
【0038】
遠心分離で得られた前記固形物に水を加えて分散した後、さらに遠心分離し、その上澄み中のクラゲコラーゲンと沈殿したクラゲコラーゲンとを、それぞれ個別に使用することもできる。本明細書において、沈殿したクラゲコラーゲンについては、pH1〜4の酸性
溶液に透明に溶解することから「酸性可溶性コラーゲン」と称する。なお、この酸性可溶性コラーゲンは、pH4〜10の範囲では水に不溶であるが、pH10以上のアルカリ域では分散状態を取りうる。また、本明細書において、上澄み中のクラゲコラーゲンは、酸性可溶性コラーゲンに対して「中性可溶性コラーゲン」と称する。なお、この中性可溶性コラーゲンはpH域に関わらず、水に可溶のコラーゲンである。
【0039】
クラゲコラーゲンペプチドの作成においては、酸性可溶性コラーゲンより、中性可溶性コラーゲンを好ましく用いることができる。なお、酸性可溶性コラーゲンの割合は、キレート剤で予め金属成分を除去しておくことにより低減させることができる。
【0040】
(クラゲコラーゲンのペプチド分解酵素による加水分解)
本明細書において用いる「ペプチド分解酵素」なる用語は、タンパク質を分解してペプチドを生成する酵素をいう。分解により得られるペプチドの分子量は、150〜35,000Daであることが好ましく、250〜30,000Daであることがより好ましい。
【0041】
クラゲコラーゲンの加水分解に用いるペプチド分解酵素に特に制限はないが、トリプシン、ペプシン、パパインからなる群より選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
【0042】
このうちトリプシンは、分子量約23000のプロテアーゼであり、不活性型前駆体の
トリプシノーゲンとして膵臓から分泌され、自己限定分解によって活性型に変化したものである。生物実験では、アルギニン、リシンのC末端側を特異的に加水分解することを利用してタンパク質の構造解析に利用するほか、付着性細胞の継代などに用いられる。トリプシンの使用量は、基質となるクラゲコラーゲンの0.0001〜5質量%であることが好ましく、0.001〜2質量%であることがより好ましく、0.01〜1質量%であることがさらに好ましい。トリプシンによる処理条件に特に制限はないが、pH7〜9、30〜40℃であることが好ましい。
【0043】
ペプシンは、分子量約35000のプロテアーゼの一種であり、脊椎動物の胃液中に分泌された前駆体ペプシノーゲンが、塩酸または既存のペプシンの作用によりペプシンに変化する。ペプシンの使用量は、基質となるクラゲコラーゲンの0.0001〜5質量%であることが好ましく、0.001〜2質量%であることがより好ましく、0.01〜1質量%であることがさらに好ましい。ペプシンによる処理条件に特に制限はないが、pH1〜4、30〜40℃であることが好ましい。
【0044】
パパインは、パパイアの果肉に含まれる分子量約23000のプロテアーゼであり、消化剤やビールの清澄剤などに用いられる酵素である。パパインの使用量は、基質となるクラゲコラーゲンの0.0001〜5質量%であることが好ましく、0.001〜2質量%であることがより好ましく、0.01〜1質量%であることがさらに好ましい。パパインによる処理条件に特に制限はないが、pH4〜10、20〜80℃であることが好ましい。
【0045】
これらのペプチド分解酵素(トリプシン、ペプシン、パパイン)は、1種を用いることができ、2種以上を組み合わせて用いることもできるが、2種以上のペプチド分解酵素をもちいるのが好ましい。
【0046】
クラゲコラーゲンを2種以上のペプチド分解酵素で加水分解する場合において、クラゲコラーゲンが酸性可溶性コラーゲン、または、酸性可溶性コラーゲンと中性可溶性コラーゲンとの混合物である場合には、まずペプシンで加水分解することが好ましい。酸性条件で分解活性のあるペプシンで加水分解することにより、中性のpH域でも可溶のコラーゲンペプチドを得ることができ、トリプシンおよび/またはパパインでさらに加水分解することが可能となる。このペプシンによる加水分解の後、さらにトリプシンおよび/または
パパインで加水分解する方法は、中性可溶性コラーゲンの加水分解にも用いることができる。例えば、ペプシンとトリプシン、ペプシンとパパインとトリプシンの組み合わせを本発明において好適に使用することができる。
【0047】
(クラゲコラーゲンの固体酸触媒による加水分解)
クラゲコラーゲンペプチドの混合物は、クラゲコラーゲンを固体酸触媒で加水分解して得ることもできる。固体酸触媒による加水分解は、水の存在下、且つ加熱下で、固体酸触媒とクラゲコラーゲンとを接触させて、クラゲコラーゲンを加水分解する方法である。加水分解効率の観点から、クラゲコラーゲンは中性可溶性コラーゲンであることが好ましい。
【0048】
本発明おいて、酸として機能し得る固体触媒を特に制限なく固体酸触媒として用いることができるが、加水分解効率の観点から、陽イオン交換体、ゼオライトおよび珪藻土からなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、陽イオン交換体であることがより好ましい。これらの固体酸触媒は、1種のみを用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0049】
陽イオン交換体は、スルホン基、カルボキシル基の少なくとも1種を有する樹脂であることが好ましく、スルホン基、カルボキシル基は、それぞれスルホプロピル基、カルボキシメチル基であってもよい。陽イオン交換体のカウンターイオンがプロトン以外である場合、プロトン型に置換した後に使用することが好ましい。特に好ましい陽イオン交換体は、スルホプロピル基などの強酸性陽イオン交換基を有するスルホン酸型陽イオン交換体であり、陽イオン交換樹脂、陽イオン交換膜を好ましい形態としてあげることができる。スルホン酸型陽イオン交換樹脂の具体例としては、東ソー株式会社製TOYOPEARL SP−650C、SP−550C等のように親水性ビニルポリマーを基材として含むものや、ナフィオン(登録商標)等のようにパーフルオロスルホン酸を含むポリテトラフルオロエチレン共重合体を挙げることができる。
【0050】
ゼオライトとしては、一般にゼオライト触媒として利用されているゼオライトを用いることができ、中でも、東ソー株式会社製ゼオラム(登録商標)を好ましく用いることができる。
珪藻土としては、例えば和光純薬工業株式会社製けいそう土(顆粒状)等が挙げられる。
【0051】
前記固体酸触媒の形状に制限はなく、粒状、粉末状等の任意の形態を取り得る。粒状または粉末状であれば、加水分解させるべきクラゲコラーゲンを含む水溶液中に固体酸触媒を混合するバッチ法に使用することもでき、固体酸触媒を充填したカラムへクラゲコラーゲン水溶液を連続送液する連続法に使用することもできる。また、固体酸触媒からなる膜や粒状または粉末状の固体酸触媒を固定化した膜に、クラゲコラーゲン水溶液を通過させることもできる。
【0052】
前記固体酸触媒としては、例えば平均粒子径が2μm〜2mm程度、イオン交換容量が0.01〜1eq/L程度のものを使用することができる。本発明におけるクラゲコラーゲンの加水分解は、固体酸触媒上の酸点の作用により進行するものと考えられる。従って、クラゲコラーゲン吸着能が高い固体酸触媒を使用することが好ましく、クラゲコラーゲン吸着量が5〜150g/Lの固体酸触媒を使用することが好ましい。例えば、前述の東ソー株式会社製TOYOPEARL SP−650Cのクラゲコラーゲン吸着量は35〜55g/L程度、TOYOPEARL SP−550Cのクラゲコラーゲン吸着量は80〜120g/L程度である。
【0053】
前記固体酸触媒としては、多孔質体であることがより好ましい。比表面積が増大するほど吸着性が向上するとの観点から、細孔サイズが小さい多孔質体であることが好ましいが、細孔サイズより大きなクラゲコラーゲンの細孔内での加水分解が困難となるため、クラゲコラーゲンの加水分解に適したサイズの細孔を有する固体酸触媒を選択することが好ましい。固体酸触媒として用いる多孔質体の好ましい細孔の径は、0.01〜0.75μmであり、より好ましくは、0.05〜0.6μmである。
【0054】
固体酸触媒によるクラゲコラーゲンの加水分解は、水存在下かつ加熱下で固体酸触媒とクラゲコラーゲンとを接触させることにより行われる。加熱なしでは加水分解反応を良好に進行させることが困難である。加熱温度としては80〜160℃程度、処理時間は5分〜40時間程度であることが好ましい。クラゲコラーゲンの分解はクラゲコラーゲンペプチドまでの分解に留めることが重要であるが、高温で長時間処理した場合、クラゲコラーゲンがアミノ酸にまで加水分解されるおそれがあるため、処理温度が高温であるほど、処理時間を短時間とするのが好ましい。より好ましい処理条件は、80〜120℃で5分〜20時間であり、さらに好ましくは、80〜120℃で5分〜5時間であり、より好ましくは90〜110℃で5分〜2時間である(固体酸触媒については例えば国際公開第2010/058590号も参照のこと)。
【0055】
ペプチド分解酵素又は固体酸触媒を用いた加水分解によって得られたこれらのクラゲコラーゲンペプチド混合物は、加水分解していないクラゲコラーゲンと比較して増加した角化細胞賦活活性、インボルクリン産生促進活性、トランスグルタミナーゼ産生促進活性及び/または抗炎症活性を示すことができる。
【0056】
本発明においては、アミノ酸配列<1>〜<6>のいずれかのアミノ酸配列を含むペプチドを合成して得ることもできる。前記アミノ酸配列を含むペプチドの合成方法に特に制限はなく、例えば、C末端アミノ酸をポリスチレンからなる固相に固定し、これに保護アミノ酸を結合させることによってアミノ基を伸長することができ、アミノ酸保護には、Fmoc(Fluorenyl-MethOxy-Carbonyl)基やBoc(tert-ButOxy- Carbonyl)基を用いることができる。固相のアミノ基と保護アミノ酸との反応終了後、固相を洗浄し、未反応の保護アミノ酸を除去することが好ましい。その後、固相に結合しているアミノ酸の末端の保護基を除去(脱保護)することにより、次の反応点となるアミノ基が得られる。使用する保護アミノ酸を順次変更することで、目的のアミノ酸配列を含むペプチドを得ることができる。本発明のペプチドは、加水分解していないクラゲコラーゲンと比較して、例えば1.2倍、好ましくは、1.5倍、より好ましくは1.8倍、さらに好ましくは2倍増加した角化細胞賦活活性、インボルクリン産生促進活性、トランスグルタミナーゼ産生促進活性及び/又は抗炎症活性を示す。アミノ酸配列<1>〜<6>のいずれかを含むペプチドは、アミノ酸配列<1>〜<6>のいずれかからなるペプチドであってもよい。
【0057】
本発明の細胞賦活効果、インボルクリン産生促進効果、トランスグルタミナーゼ産生促進効果、抗炎症効果に優れたクラゲコラーゲンペプチドは、皮膚外用剤、化粧品、浴用剤などの外用剤の形態で経皮投与することができる。経皮投与の観点から、クラゲコラーゲンペプチドの分子量は、150〜35,000Daであることが好ましく、250〜30,000Daであることがより好ましい。
【0058】
本発明のクラゲコラーゲンペプチドの混合物を、外用剤として、皮膚外用剤または化粧品に製剤するときの剤型に特に制限はなく、ペースト剤、クリーム、ジェル、軟膏、ローション、乳液、パック、パウダー、パップ剤とすることができ、ウエットティッシュなどの紙製品に含浸して用いることもできる。皮膚外用薬、化粧品に配合するクラゲコラーゲンペプチドの量に特に制限はないが、皮膚外用剤中、化粧品中に0.0005〜50質量%であることが好ましい。本発明のクラゲコラーゲンペプチドを配合した皮膚外用剤、化
粧品の使用量にも特に制限はないが、クラゲコラーゲンペプチド量で成人1日当たり0.1〜1000mgとなる量を、1〜数回に分けて用いることが好ましい。
【0059】
本発明のクラゲコラーゲンペプチド混合物を、外用剤として浴用剤に製剤する場合の剤型にも制限はなく、粉末、顆粒状などの固形製剤、乳液、ペースト状などの液体製剤等として用いることができる。浴用剤に配合可能なクラゲコラーゲンペプチドの量に特に制限はないが、浴用剤中に0.0005〜50質量%であることが好ましい。
【0060】
本発明の皮膚外用剤、化粧品および浴用剤などの外用剤には、本発明のクラゲコラーゲンペプチドのほかに、皮膚外用剤、化粧品又は浴用剤で使用される公知の機能性成分、例えば、グリセリン、ブチレングリコール、尿素、アミノ酸類などの保湿剤;スクワラン、マカデミアナッツ油、ホホバ油などのエモリエント剤;ビタミンE類、トウガラシチンキなどの血行促進剤;ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ジブチルヒドロキシアニソール(BHA)、酢酸トコフェロール、アスコルビン酸などの抗酸化剤;グリチルリチン、アラントインなどの抗炎症剤;ヒノキチオール、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジン塩、パラヒドロキシ安息香酸エステルなどの抗菌剤;アスコルビン酸、アルブチンなどの美白剤;スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)等の過酸化物抑制剤、など種々の公知物質等を配合することができる。また、イチョウエキス、胎盤抽出物、乳酸菌培養抽出物などの植物・動物・微生物由来の各種抽出物などを添加することができる。
【0061】
また、前記皮膚外用剤、化粧品、浴用剤などの外用剤には、その剤型化のために界面活性剤や油脂類などの基剤成分を配合することができ、必要に応じて増粘剤、防腐剤、等張化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、香料、着色料など種々の添加剤を併用することもできる。
【0062】
使用可能な界面活性剤に制限はなく、高級アルキルアミンのアルキレンオキサイド付加物、高級脂肪酸アミドのアルキレンオキサイド付加物、多価アルコールの脂肪酸エステル、硬化ひまし油のアルキレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコールソルビタンアルキルエステル、ステロール等のアルキレンオキサイド付加物等の非イオン界面活性剤、アルキル硫酸ナトリウム、アルキロイルメチルタウリンナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤、塩化アルキルピリジニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム等の陽イオン界面活性剤、アルキルアミノプロピオン酸ナトリウム、アルキルポリアミノエチルグリシン等の両イオン性界面活性剤を用いることができる。これらの界面活性剤は1種を用いることができ、2種以上を同時に用いることもできる。
【0063】
前記基剤として用いる成分に特に制限はなく、オリーブ油、ツバキ油、ホホバ油、アボガド油、マカデミアナッツ油、杏仁油、スクワラン、スクワレン、馬油などの油脂類を用いることができる。
【0064】
前記増粘剤として用いる成分に特に制限はないが、水溶性高分子が好ましく、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、及びこれらの誘導体;ヒドロキシアルキルセルロースなどのセルロース類及びその誘導体;デキストラン、ゼラチン、アラビアガム、トラガントガムなどのガム類;カルボキシビニルポリマーなどを用いることができる。
【0065】
前記防腐剤として用いる成分に特に制限はなく、例えば、パラヒドロキシ安息香酸エステル、塩化アルキルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジン塩、ヒノキチオールなどを用いることができる。
【0066】
前記等張化剤として用いる成分に特に制限はなく、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムなどの無機塩類を用いることができる。
【0067】
前記紫外線吸収剤として用いる成分に特に制限はなく、例えば、パラアミノ安息香酸、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤などを用いることができきる。
【0068】
使用可能なキレート剤に特に制限はなく、例えば、エチレンジアミン四酢酸、フィチン酸、クエン酸及びこれらの水溶性塩などを挙げることができる。
【実施例】
【0069】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明を限定するものではない。
1.クラゲコラーゲンの調製
蒸留水で洗浄したミズクラゲ(採取地:東京湾)の個体計1Kgを、5mm〜1cmの角状断片に切断した。これを、4℃下で24時間撹拌してタンパク質を含む溶液を得た。これをガーゼでろ過して、濾液に等容量の局法エタノール(A)を加え、撹拌して沈殿物を得た。この沈殿物に再度局法エタノール(A)と同量の局方エタノールを加え、遠心分離(10000×G)を行った。得られた固形物を蒸留水に分散し、分画分子量(MWCO):14000の透析膜を用いて脱塩処理を行った。これを遠心分離(10000×G)して、上澄み層と沈殿層とに分別し中性可溶性コラーゲン(上澄み)と、酸性可溶性コラーゲン(沈殿物)を得た。
【0070】
2.抽出された中性可溶性コラーゲンのアミノ酸分析
アミノ酸の分析では、6−アミノキノリル−N−ヒドロキシスクシンイミジルカルバメート(AQC)を蛍光誘導体化試薬として用いた、
凍結乾燥した中性可溶性コラーゲンの10μgを水10μLに溶解し、ガラスチューブ(6×32mm,CHROMACOL 03−CVG)内で乾固させた。
【0071】
ガラスバイアル(WHEATON 225289)内に、フェノール結晶一片を加えた6N塩酸200μLと、前記ガラスチューブを入れ、ロータリー真空ポンプで減圧の上、ガラスバイアルを封印した。このガラスバイアルをアルミブロックヒーターにセットし、110℃にて20時間加熱して、中性可溶性コラーゲンをアミノ酸に加水分解した。
【0072】
前記中性可溶性コラーゲンの加水分解物(アミノ酸)に、20mM塩酸10μL、0.2Mホウ酸緩衝液(pH8.8)30μL、AQC溶液(AQC3mg/mlのアセトニトリル溶液)10μLを加えて、55℃にて10分間加熱して、コラーゲンの加水分解物(アミノ酸)をアミノ酸蛍光誘導体とし、高速液体クロマトグラフ(HPLC)で分離した。
【0073】
a)HPLC装置:Agilent社の1200シリーズ(真空デガッサーG1379B、バイナリーポンプG1312B、オートサンプラーG1329B、カラム恒温槽G1316B、ダイオードアレイ検出器G1315C、蛍光検出器G1321Aを含む)
b)カラム: Inertsustain C18HP(3.0×250mm,3μm)、GLサイエンス社製
c)移動相
A液:95%5mMテトラブチルアンモニウムブロミド−30mMリン酸緩衝液(pH7.3)/5%アセトニトリル
B液:50%30mMリン酸緩衝液(pH7.3)/50%アセトニトリル
A液98%、B液2%から開始し、3.75分後のB液が7.3%に、さらに、50分後
のB液が72.3%となるように濃度勾配を設けた。
d)流速:0.4ml/分
e)温度:50℃
f)蛍光励起波長(Ex):250nm
g)モニター波長(Em):395nm
ピアス社製Amino Acid Standard H(2.5μmol/ml)の10pmol/μL溶液を標準アミノ酸溶液として、アミノ酸を定量した。結果を次表に示す。
【0074】
【表1】

【0075】
クラゲコラーゲンは、30%以上のGlyを含有するものであった。
*Lys(OH)、3Pro(OH)、4Pro(OH)はそれぞれ、ヒドロキシル基含有アミノ酸を示す。
【0076】
3.抽出されたクラゲコラーゲンの金属分の測定
凍結乾燥した中性可溶性コラーゲンを0.1g精秤して、硝酸10mlを加え、マイクロ波(MARS5 CEM社製)でこれを湿式分解した。分解液を50mlにメスアップし、発光分光分析計(PerkinElmer製Optima5300DV)で金属分を測定した。酸性可溶性コラーゲンに対しても同様の操作を行った。
【0077】
【表2】

【0078】
4.クラゲコラーゲンペプチドの作成と分子量分布、質量分析およびアミノ酸配列の解析
以下の実施例におけるクラゲコラーゲンペプチド混合物の分子量分布は、ゲルろ過クロマトグラフィー(カラム:TSKgel Super SW2000、東ソー)を用いて測定した。
溶媒:6Mグアニジン塩酸/10mMリン酸緩衝液(pH6)
流速:0.15ml/分
測定波長:215nm
【0079】
また、得られたクラゲコラーゲンペプチド混合物を逆相クロマトグラフィーで分離し、質量分析(Ultraflex TOF/TOF、BRUKER DALTONICS)およびアミノ酸配列解析(PROCISE 494cLC プロテインシークエンサー、Applied Biosystems)を行った。
【0080】
逆相クロマトグラフィーによる分離条件
カラム:Inertsil ODS−3(GLサイエンス社製)
測定波長:215nm
流速20μl/分
移動相
A液:0.085%トリフルオロ酢酸水溶液
B液:0.075%トリフルオロ酢酸/80%アセトニトリル液
A液100%から開始し、B液が10分で12.5%、70分で50%、75分で100%になるよう濃度勾配を設けた。
【0081】
実施例1の分子量1112.498のピークなど特定のピークに対しては、A液100%から開始し、B液が20分で100%になるような濃度勾配を設けた。
【0082】
4−1)ペプチド分解酵素によるクラゲコラーゲンペプチドの作成
実施例1)
凍結乾燥した中性可溶性コラーゲン0.01gを10mLの水に溶解し、1N HClにてpH2に調整した。コラーゲンに対して、0.5質量%のペプシン(試薬、ナカライ製、Pepsin(1:10,000))を加え、37℃にて3時間反応させた。その後、1N NaOHにてpH7に調整してペプシンを失活させた。次にコラーゲンに対して0.5質量%のパパイン(和光純薬製 試薬)を加え、60℃にて3時間反応させ、さらに、コラーゲンに対して0.5質量%のトリプシン(和光純薬製 試薬)を加え、37℃にて3時間反応させた。その後、95℃にて30分間保持して酵素を失活させた。これを凍結乾燥して分子量500〜6000Daのコラーゲンペプチドの混合物を得た。
【0083】
また、質量分析及びアミノ酸配列解析の結果、実施例1のコラーゲンペプチドは、分子量1112.498のコラーゲンペプチドを含み、このコラーゲンペプチドは
アミノ酸配列<1>Gly-Pro-Ala-Gly(配列番号1)
を含むことを確認した。
【0084】
実施例1の質量分析の結果を図1に、分子量1112.498のアミノ酸配列とタンデム質量分析の予想フラグメント質量の関係を下記の表3に示す。
【0085】
【表3】

【0086】
実施例2)
実施例1の中性可溶性コラーゲンを、酸性可溶性コラーゲンとした以外は、実施例1と同様の操作を行い、分子量500〜6000Daのコラーゲンペプチドの混合物を得た。
【0087】
実施例3)
凍結乾燥した中性可溶性コラーゲン0.01gを10mlの水に溶解し、1N HClにてpH2に調整した。コラーゲンに対して0.5質量%のペプシン(試薬、ナカライ製、Pepsin(1:10,000))を加え、37℃にて3時間反応させた。その後、1N NaOHにてpH8に調整してペプシンを失活させた。これを凍結乾燥して分子量2kDa〜30kDaのコラーゲンペプチドの混合物を得た。
【0088】
実施例4)
実施例3の中性可溶性コラーゲンを、酸性可溶性コラーゲンとした以外は、実施例3と同様の操作を行い、分子量2kDa〜30kDaのコラーゲンペプチドの混合物を得た。
【0089】
実施例5)
実施例3の操作において、ペプシンを失活させた後、コラーゲンに対して0.5質量%のトリプシン(和光純薬製 試薬)を加え、37℃にて3時間反応させた。その後、95℃にて30分処理してトリプシンを失活させた。これを凍結乾燥し、分子量500〜6000Daのコラーゲンペプチドの混合物を得た。
【0090】
実施例6)
実施例5の中性可溶性コラーゲンを、酸性可溶性コラーゲンとした以外は、実施例5と同様の操作を行い、分子量500〜6000Daのコラーゲンペプチドの混合物を得た。
【0091】
実施例7)
実施例3の操作において、37℃にて3時間反応させた後、1N NaOHでpH7に調整してペプシンを失活させた後、コラーゲンに対して0.5質量%のパパイン(和光純薬製 試薬)を加え、60℃にて3時間反応させた。その後、95℃、30分の条件でパパインを失活させ、凍結乾燥にて分子量1kDa〜20kDaのコラーゲンペプチドの混合物を得た。
【0092】
実施例8)
実施例7の中性可溶性コラーゲンを、酸性可溶性コラーゲンとした以外は、実施例7と同様の操作を行い、分子量1kDa〜20kDaのコラーゲンペプチドの混合物を得た。
【0093】
固体酸触媒によるクラゲコラーゲンペプチドの作成
実施例9)
陽イオン交換樹脂(TOYOPEARL SP−550C)0.5gと、1質量%の中性可溶性コラーゲン水溶液0.5mLとを混合して、陽イオン交換樹脂に中性可溶性コラーゲンを吸着させた後、90℃にて30分加熱し、中性可溶性コラーゲンを加水分解した。冷却後、5%トリエチルアミン/10%アセトニトリル液にて樹脂から分解物を抽出した。これを凍結乾燥し、分子量2kDa〜20kDaのコラーゲンペプチドの混合物を得た。
【0094】
また、実施例9のコラーゲンペプチドの質量分析及びアミノ酸配列解析の結果、分子量1950.915のコラーゲンペプチドを含み、分子量1950.915のコラーゲンペプチドは、
アミノ酸配列<2>Pro-Gly-Val-Lys-Gly-Glu-Val-Gly-Glu-Ala-Gly-Lys-Arg-Gly(配列番号2)
を含むことを確認した。
【0095】
実施例9の質量分析の結果を図2に、分子量1950.915のアミノ酸配列とタンデム質量分析の予想フラグメント質量の関係を下記の表4に示す。
【0096】
【表4】

【0097】
実施例10)
実施例9の加熱時間を15分とした以外は、実施例9と同様の操作を行い、分子量6kDa〜100kDaのコラーゲンペプチドの混合物を得た。
【0098】
実施例11)
実施例9の加熱時間を60分とした以外は、実施例9と同様の操作を行い、分子量1kDa〜10kDaのコラーゲンペプチドの混合物を得た。
【0099】
実施例12)
実施例9の加熱温度を110℃、加熱時間を5分とした以外は、実施例9と同様の操作を行い、分子量1kDa〜10kDaのコラーゲンペプチドの混合物を得た。
【0100】
実施例13)
実施例12の加熱時間を30分とした以外は、実施例12と同様の操作を行い、分子量1kDa〜5kDaのコラーゲンペプチドの混合物を得た。
【0101】
実施例14)
実施例12の加熱時間を60分とした以外は、実施例12と同様の操作を行い、分子量200〜2000Daのコラーゲンペプチドの混合物を得た。
【0102】
実施例15)
実施例12の加熱時間を2時間とした以外は、実施例12と同様の操作を行い、分子量200〜1000Daのコラーゲンペプチドの混合物を得た。
【0103】
実施例16)
実施例12の加熱時間を4時間とした以外は、実施例12と同様の操作を行い、分子量200〜1000Daのコラーゲンペプチドの混合物を得た。
【0104】
実施例12〜14の分子量分布を図3に示した。
【0105】
5.臭化シアン分解コラーゲンペプチドの解析
凍結乾燥した中性可溶性コラーゲンに、中性可溶性コラーゲンに対して10質量%の臭化シアンを添加し、37℃にて20時間反応して中性可溶性コラーゲンの加水分解物を得た。メチオニンのC末端側で切断する臭化シアンによる加水分解は、特異性が高くアミノ酸配列の解析に一般的に用いられる方法である。中性可溶性コラーゲンの加水分解物を濃縮遠心して臭化シアンを揮発させた後、水に再溶解し、ゲル濃度5〜20質量%のアクリルアミドゲル(バイオクラフト製)を用いて、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法にて分離した。得られたゲル情報を電圧60VにてPVDF膜に4時間ブロット転写し、転写されたバンドをプロテインシークエンサー(PROCISE 494HT、Applied Biosystems)で解析して、次のアミノ酸配列情報を得た。
【0106】
アミノ酸配列<3>Val-Gly-Pro-Val-Thr-Glu-Glu-Val-Ser-Pro-Ala-Lys(配列番号3)
アミノ酸配列<4>Ser-Ala-Gly-Gln-Asn-Pro-Ala-Asp-Asp-Val(配列番号4)
アミノ酸配列<5>Gly-Thr-Pro(OH)-Gly-Ala-Gly-Gly-Ser-Arg(配列番号5)
アミノ酸配列<6>Gln-Gly-Pro-Gln-Gly-Glu-Leu(配列番号6)
Pro(OH)はヒドロキシプロリンを示す。
【0107】
前記アミノ酸配列<1>(ペプチド分解酵素による分解物)、アミノ酸配列<2>(固体酸触媒による分解物)、及び上記のアミノ酸配列<3>〜<6>は、いずれもクラゲコラーゲンに含まれるアミノ酸の配列であり、加水分解前のクラゲコラーゲンはアミノ酸配列<
1>〜<6>のすべてを有するものである。したがって、このクラゲコラーゲンを加水分解して得られるクラゲコラーゲンペプチドの混合物は、分解の手段に関わらず、アミノ酸配列<1>〜<6>を含むコラーゲンペプチドを含有するものとなる。
【0108】
これら6種のアミノ酸配列のうち、アミノ酸配列<3>〜<6>のアミノ酸配列からなるペプチドの合成物(北海道システムサイエンス株式会社に製造を委託)を準備し、これを実施例17〜20とした。
【0109】
実施例17)Val-Gly-Pro-Val-Thr-Glu-Glu-Val-Ser-Pro-Ala-Lys(配列番号3)
実施例18)Ser-Ala-Gly-Gln-Asn-Pro-Ala-Asp-Asp-Val(配列番号4)
実施例19)Gly-Thr-Pro(OH)-Gly-Ala-Gly-Gly-Ser-Arg(配列番号5)
実施例20)Gln-Gly-Pro-Gln-Gly-Glu-Leu(配列番号6)
【0110】
6.クラゲコラーゲンペプチドの効果の評価
評価試験1(角化細胞を用いた賦活試験)
細胞賦活化作用は、活化培養細胞と細胞増殖試薬WST−1(ロシュ製)とを用いた細胞増殖効果で評価した。
【0111】
ヒューマンサイエンス振興財団より分譲されたヒト皮膚由来不死化角化細胞PHK16−0bを48wellマルチプレートに2×104個播種し、300μLのKGM培地を加えて2日間培養した。その後、クラゲコラーゲン濃度10μg/mLのKGM培地300μLと交換し、37℃のインキュベーター内で7日間培養した。再度新しいKGM培地270μLと交換し、細胞増殖試薬WST−1を30μL加えて37℃のインキュベーター内で3時間反応した後、培地の440nmにおける吸光度を測定した。コラーゲンペプチドを添加せずに、同条件にて培養したコントロールの細胞生存率を100%とし、コラーゲンペプチドの細胞増殖率を評価(n=3)した。結果を次に示す。
【0112】
【表5】

【0113】
いずれの加水分解条件で得られたクラゲコラーゲンペプチドにも細胞増殖効果が確認され、ペプチド分解酵素では、ペプシンによる加水分解したのち、さらに、パパイン及びトリプシンで加水分解して得られたコラーゲンペプチドに特に優れた効果が認められた。
【0114】
固体酸触媒で得られたクラゲコラーゲンペプチドの細胞増殖効果も良好であり、110℃処理では処理時間が30分以内のクラゲコラーゲンペプチドで良好な結果が得られた、クラゲコラーゲンのアミノ酸配列情報を元に製造したペプチドの細胞増殖効果も良好であり、特に実施例17で卓越した効果が確認できた。一方、クラゲコラーゲン自体には、中性可溶性コラーゲン(比較例1)、酸性可溶性コラーゲン(比較例2)共に細胞増殖効果を確認できなかった。
【0115】
評価試験2(角化細胞を用いたインボルクリン発現量試験)
成人ヒト皮膚由来正常角化細胞(コージンバイオ製)を、48wellマルチプレートに1×105個ずつ播種し、これにKGM培地を300μL加えて37℃にて24時間培養した、クラゲコラーゲンペプチド濃度10μg/mLのKGM培地300μLに交換し、37℃にて48時間培養した。細胞を回収し、ウエスタンブロット法にてインボルクリン産生量を測定した。なお、一次抗体として、抗ヒトインボルクリン(コスモバイオ、sc−28557)を、二次抗体として、抗ウサギIgG−HRP(コスモバイオ、sc−2004)を用いた。結果をImageJで解析し、無添加群(コントロール)に対する
インボルクリン発現率を評価した。結果を次に示す。
【0116】
【表6】

【0117】
クラゲコラーゲンをペプチド分解酵素および固体酸触媒で加水分解して得られたクラゲコラーゲンペプチドの混合物に良好なインボルクリン発現効果を確認した。アミノ酸配列情報に基づき合成して得られたペプチドにも、インボルクリン産生効果が認められた。
評価試験3(角化細胞を用いたトランスグルタミナーゼ1発現量試験)
ヒト皮膚由来不死化角化細胞PHK16−0bを48wellマルチプレートに20×104個播種し、これにKGM培地を300μL加えて37℃にて24時間培養した。クラゲコラーゲンペプチド濃度10μg/mLのKGM培地300μLに交換して、37℃にて48時間培養した後に細胞を回収し、ウエスタンブロット法にてトランスグルタミナーゼ1産生量を測定した。なお、一次抗体として抗トランスグルタミナーゼ1(コスモバイオ、PAB15545)を、二次抗体として抗ウサギIgG−HRP(コスモバイオ、sc−2004)を用いた。結果をImageJで解析し、無添加群(コントロール)に対するトランスグルタミナーゼ1発現率を評価した。結果を次に示す。
【0118】
【表7】

【0119】
クラゲコラーゲンをペプチド分解酵素で加水分解して得られたクラゲコラーゲンペプチドの混合物に良好なトランスグルタミナーゼ1発現効果を確認することができた。固体酸触媒で加水分解して得られたクラゲコラーゲンペプチド混合物およびアミノ酸配列情報に基づき合成して得られたペプチドにもトランスグルタミナーゼ1産生効果が確認できた。
【0120】
評価試験4(角化細胞を用いたCOX−2阻害効果試験)
抗炎症効果は、紫外線照射を受けた角化細胞のCOX−2が産生するPGE2の量で評価した。PGE2産生量が少ないほど、クラゲコラーゲンペプチドは抗炎症性を有するものとなる。
【0121】
ヒト皮膚由来不死化角化細胞PHK16−0bを48wellマルチプレートに20×104個播種し、KGM培地を300μL加えて、一晩培養した。アスピリン濃度500μMのKGM培地300μLに交換し4時間培養して、既に発現しているCOX−2を失活させた。PBS(−)での洗浄を3回繰り返し、クラゲコラーゲンペプチド濃度を10μg/mLとしたDMEM培地に交換し、50mJのUVBを照射した後、48時間培養した。その後、培地上清中のPGE2量をプロスタグランジンE2 EIAキット(Cayman Chemical製)にて測定(n=3)した。
【0122】
【表8】

【0123】
クラゲコラーゲンペプチド混合物に、良好な抗炎症効果が確認でき、特に、クラゲコラーゲンをペプシンで分解した後、さらにトリプシンで分解して得られたクラゲコラーゲンペプチドの混合物に優れた抗炎症効果を確認することができた。
7.化粧料への配合例
A成分、B成分をそれぞれ80℃に加温して溶解し、撹拌しながらB成分をA成分に徐々に加えて乳化した。その後撹拌しながら冷却し、40℃で0.2質量%水溶液に調整したC成分を加え、全身用ローションを調整した。
(A)成分
グレープシード油 0.1(g)
ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 0.7
モノイソステアリン酸ジグリセリル 0.3
(B)成分
クエン酸 0.08
クエン酸Na 0.3
1,3−ブタンジオール 5
グリセリン 3
エタノール 5
キサンタンガム 0.1
メチルパラベン 0.2
精製水 残量
(C)成分
クラゲコラーゲンペプチド(0.2質量%) 0.5
計 100
【0124】
評価
前記組成の全身用ローションを、1日に2回(朝、夜)、顔面、及び前腕に適宜使用し、顔面および前腕の片側には実施例1〜20のクラゲコラーゲンペプチドを配合した化粧料または酸性可溶性コラーゲン(比較例2)を配合した化粧料を、もう一方には、中性可溶性コラーゲン(比較例1)を配合した化粧料を使用した。これを1ヶ月間継続し、次の評価基準で判定した。結果を表9に示す。
なお、この使用期間中に皮膚の異常を訴えたものはいなかった。
【0125】
スコア値
+3:比較例1を配合した化粧料よりも潤いを強く感じた
+2:比較例1を配合した化粧料よりもかなり潤いを感じられた
+1:比較例1を配合した化粧料よりもやや潤いを感じられた
0:差がない
−1:比較例1を配合した化粧料の方がやや潤いを感じられた
−2:比較例1を配合した化粧料の方がかなり潤いを感じられた
−3:比較例1を配合した化粧料の方が潤い強く感じた
【0126】
【表9】

【0127】
いずれのクラゲコラーゲンペプチドの混合物においても、中性可溶性コラーゲンを配合した化粧料を上回る肌の潤い効果を得ることができた。
【0128】
ペプチド分解酵素による加水分解物としては、中性または酸性可溶性コラーゲンをペプシンで加水分解の後、さらにパパインおよびトリプシンで加水分解して得られたクラゲコラーゲンペプチド混合物で、特に良好な潤い効果が得られた。
【0129】
固体酸触媒による加水分解物では、処理温度90℃、処理時間30分間の処理で得られたクラゲコラーゲンペプチド混合物に良好な潤い効果が認められた。
【0130】
クラゲコラーゲンのアミノ酸配列情報に基づき合成したペプチドを配合した化粧料においても、肌の潤い効果は良好であった。
【産業上の利用可能性】
【0131】
クラゲコラーゲンに由来するコラーゲンペプチドを用いることにより、角化細胞賦活効果、インボルクリン産生促進効果、トランスグルタミナーゼ産生促進効果、抗炎症効果を得ることができるため、これを経皮投与することにより、角質のバリア機能を修復改善し、表皮角化細胞の機能が正常化することが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記アミノ酸配列のいずれかを含むクラゲコラーゲンペプチドを含有するクラゲコラーゲンペプチド混合物。
<1>Gly-Pro-Ala-Gly(配列番号1)
<2>Pro-Gly-Val-Lys-Gly-Glu-Val-Gly-Glu-Ala-Gly-Lys-Arg-Gly(配列番号2)
<3>Val-Gly-Pro-Val-Thr-Glu-Glu-Val-Ser-Pro-Ala-Lys(配列番号3)
<4>Ser-Ala-Gly-Gln-Asn-Pro-Ala-Asp-Asp-Val(配列番号4)
<5>Gly-Thr-Pro(OH)-Gly-Ala-Gly-Gly-Ser-Arg(配列番号5)
<6>Gln-Gly-Pro-Gln-Gly-Glu-Leu(配列番号6)
Pro(OH)はヒドロキシプロリンを示す。
【請求項2】
クラゲコラーゲンを加水分解して得られる請求項1に記載のクラゲコラーゲンペプチド混合物。
【請求項3】
加水分解をトリプシン、ペプシン、パパインからなる群より選ばれた少なくとも1種のペプチド分解酵素を用いて行うことを特徴とする請求項2に記載のクラゲコラーゲンペプチド混合物。
【請求項4】
加水分解を固体酸触媒を用いて行うことを特徴とする請求項2項に記載のクラゲコラーゲンペプチド混合物。
【請求項5】
固体酸触媒が、陽イオン交換体、ゼオライト、珪藻土からなる群より選ばれた少なくとも1種の固体酸触媒であることを特徴とする請求項4に記載のクラゲコラーゲンペプチド混合物。
【請求項6】
クラゲコラーゲンが、ミズクラゲコラーゲンまたはエチゼンクラゲコラーゲンである請求項1〜5のいずれか1項に記載のクラゲコラーゲンペプチド混合物。
【請求項7】
クラゲコラーゲンを、ペプチド分解酵素または固体酸触媒を用いて加水分解することにより得られる、クラゲコラーゲンペプチド混合物。
【請求項8】
下記アミノ酸配列のいずれかを含むペプチド。
<1>Gly-Pro-Ala-Gly(配列番号1)
<2>Pro-Gly-Val-Lys-Gly-Glu-Val-Gly-Glu-Ala-Gly-Lys-Arg-Gly(配列番号2)
<3>Val-Gly-Pro-Val-Thr-Glu-Glu-Val-Ser-Pro-Ala-Lys(配列番号3)
<4>Ser-Ala-Gly-Gln-Asn-Pro-Ala-Asp-Asp-Val(配列番号4)
<5>Gly-Thr-Pro(OH)-Gly-Ala-Gly-Gly-Ser-Arg(配列番号5)
<6>Gln-Gly-Pro-Gln-Gly-Glu-Leu(配列番号6)
Pro(OH)はヒドロキシプロリンを示す。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のクラゲコラーゲンペプチド混合物、及び/または請求項8に記載のペプチドを含有する外用剤。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のクラゲコラーゲンペプチド混合物、及び/または請求項8に記載のペプチドを含有する角化細胞賦活剤。
【請求項11】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のクラゲコラーゲンペプチド混合物、及び/または請求項8に記載のペプチドを含有するインボルクリン産生促進剤。
【請求項12】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のクラゲコラーゲンペプチド混合物、及び/または
請求項8に記載のペプチドを含有するトランスグルタミナーゼ産生促進剤。
【請求項13】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のクラゲコラーゲンペプチド混合物、及び/または請求項8に記載のペプチドを含有する抗炎症剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−95708(P2013−95708A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240469(P2011−240469)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(000226161)日華化学株式会社 (208)
【出願人】(503359821)独立行政法人理化学研究所 (1,056)
【Fターム(参考)】