説明

グルテン不耐性に対するプロテアーゼの使用

本技術は、酵素組成物に関する。この酵素組成物は、グルテン不耐性患者を治療するために使用することができ、該不耐性は、非セリアック性グルテン不耐性及び/又は非セリアック性グルテン感受性を含む。この酵素組成物は、ある種の個体(患者)のグルテン曝露を低減させるために利用することもできる。例えば、この酵素組成物は、予防として、グルテンオリゴペプチドに曝露することを低減させるために使用することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この本願は、2010年2月2日に出願された米国暫定特許出願No.61/300,726(本明細書中に、参考として、そっくりそのまま援用する)に対する優先権及び当該特許出願からの利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
グルテンは、小麦、大麦及びライムギを含むある種の草に関係した細粒子中で見出される一般的なタンパク質複合体である。グルテンは、グリアジンとグルテニンを含むタンパク質の混合物である。ヒトの消化器系では消化されないα−2グリアジンに由来する33量体ペプチド(残基57〜89)が、例えばセリアック病におけるグルテンに対する炎症応答の発動因子として同定されている。このα−2グリアジン由来の33量体は、特に、プロリンとグルタミン残基に富んでいる。それは、影響を受けやすい患者においてT細胞免疫応答を刺激し、腸壁に損傷を生じる炎症を生じる。これは、更に、栄養を吸収する腸の能力を損ない、栄養失調及び他の様々な症状へと導く。
【0003】
グルテン不耐性、又はグルテン過敏性(感受性)は、すべての種類のグルテンに対する感受性を含む集合的用語である。グルテン不耐性の人々の内の少しの割合の人々が、セリアック病について検査陽性となる。セリアック病についての標準的診断指標は、十二指腸生検で検出される絨毛萎縮である。加えて、組織トランスグルタミナーゼ(tTG)及びグリアジンに対する抗体は、活性なセリアック病の患者の殆ど100%において現れ、特にIgAクラスのかかる抗体の存在は、この病気の診断に用いられてきた。セリアック病の患者の大部分は、HLA−DQ2[DQA1*0501、DQB1*02]及び/又はDQ8[DQA1*0301、DQB1*0302]分子を発現する。セリアック病の臨床症状は、例えば、疲労、慢性下痢、栄養の吸収不良、体重喪失、腹部膨満、貧血症並びに骨粗鬆症及び腸の悪性腫瘍(リンパ腫及び癌腫)の発症のリスクの実質的な増大を含む。
【0004】
しかしながら、殆どのグルテン不耐性、又はグルテン感受性(過敏性)の人々は、セリアック病について検査陰性である(又は、確定的でない)。最大で約15%の集団(即ち、7人中1人)は、非セリアック性のグルテン過敏性であり、又は非セリアック性のグルテン不耐性である。これらの患者は、セリアック病の診断基準を満たさないでセリアック病患者に似た症状及び疾患を患う点において、非セリアック性のグルテン過敏性であるか又は非セリアック性のグルテン不耐性である。従って、非セリアック性のグルテン過敏性(「NCGS」)、非セリアック性のグルテン不耐性(「NCGI」)、又はグルテン関連疾患(「GRD」)は、状態又は異常と呼ばれ、各患者はは、セリアック病の人々と非常に似た症状を患うが、セリアック病を同定し診断する診断検査(血液検査を含む)では、陰性又は確定的でない。従って、米国人口の15%(7人に1人)は、NCGSを有しうる。
【0005】
その上、米国内の1500〜3000万人の人々は、様々な理由により、グルテンへの曝露を減じるために、グルテンを含まない製品を購入している。
【0006】
米国特許第7,320,788号(「Shan」)は、「グルテナーゼ」と呼ばれるある種の酵素を、セリアック患者又は疱疹状皮膚炎の患者に投与することを提案している。Shanによれば、グルテナーゼは、小麦、大麦及びライムギで見出されるエンドプロテアーゼ、例えば、オオムギ (Hordeum vulgare) 由来のエンドプロテアーゼなど;プロリルエンドペプチダーゼ(「PEP」)、特に、フラボバクテリウム・メニンゴセプチカム(Flavobacterium meningoscepticum) (Genbank ID# D10980)及び ミキソコッカス・ザンサス(Myxococcus xanthus) (Genbank ID# AF127082) 由来のPEP;及びジペプチジルペプチダーゼIV及びジペプチジルカルボキシペプチダーゼを含むジペプチドの除去を触媒する刷子縁酵素を含む。Shanは又、アスペルギルス・オリザエ (Aspergillus oryzae) (Genbank ID# BD191984)由来のX−Proジペプチダーゼ及びアアスペルギルス・サイトイ (Aspergillus saitoi) (Genbank ID# D25288)由来のカルボキシペプチダーゼがセリアック病の腸におけるグルテンの消化を改善しうることにも言及している。Shanは、Gly−Pro−pNA、Z−Gly−Pro−pNA、及びHip−His−Leuなどのオリゴペプチドが、候補の酵素が毒性のグルテンオリゴペプチドを消化するか否かを決定するために利用できることを教示している。事実、Shanは、PEP酵素の使用量は、1マイクロモルのZ−Gly−Pro−pNAを加水分解するのに要する酵素の量によって決定されることを教示している。
【0007】
米国特許第7,534,426号(「Piper」)は、候補のグルテナーゼ酵素の治療的効力を、一種以上の選択されたオリゴペプチドを消化する候補の酵素の能力を検出することによって決定する方法に関する。米国特許第2008/0213245(「Hausch」)は、食糧の酵素処理に言及し、且つ活性なグルテナーゼを同定するために有毒なオリゴペプチドを用いるmスクリーニング法にも言及している。Shanと同様に、PiperとHauschの両者は、セリアック病及び/又は疱疹状皮膚炎の治療のためにPEPに言及しており、且つオリゴペプチドZ−Gly−Pro−pNAを用いて、候補の酵素が有毒なグルテンオリゴペプチドを消化するか否かを決定することができることを教示している。米国特許第7,462,688号(「Khosla」)は、セリアック病及び/又は疱疹状皮膚炎を、有毒なグルテンオリゴペプチド、又はT細胞及び/又はそれに反応性の抗体を検出することによって診断する方法に関する。Kholsaは、かかる患者を、有毒なグルテンオリゴペプチドがT細胞及び/又はHLA分子へ結合することに干渉するペプチドを投与することにより治療することを示唆している。
【0008】
国際公開WO2005/027953(「Edens」)は、ペプチド又はポリペプチドをタンパク質加水分解する方法に関し、プロリン特異的エンドペプチダーゼ、例えばアスペルギルス種由来のPEPを使用して、セリアック関連エピトープのない食物を製造することに言及している。同様に、米国第7,563,864号(「Marti」)は、ペプシン、トリプシン/キモトリプシン、エラスターゼ、カルボキシペプチダーゼA、PEP、及びラット刷子縁膜酵素を用いて、グルテンを解毒する、イン・ビトロのタンパク質分解プロトコールに言及している。Rizello等(Applied and Environmental Microbiology, July 2007, p. 4499-4507)は、乳酸桿菌属とアスペルギルス・オリザエ由来のプロテアーゼ(BIO-CAT提供)の組合せを、食品処理中のグルテン濃度を低下させるために利用している。Doumas等(Applied and Environmental Microbiology, Dec. 1998, p. 4809-4815)は、アスペルギルス・オリザエ プロリルジペプチジルペプチダーゼ(DPPIV)の配列を提示し、DPPIV酵素が、小麦グルテンベースの基質の工業的加水分解において重要となることを示唆している。
【0009】
Ehren等(PLoS ONE 4(7):e6313)は、中程度のグルテン解毒特性を有する食品等級酵素調製物を論じている。Ehren等は、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) 由来のアスペルギロペプシンが顕著にグルテン消化を増進させることを記している。Ehren等は、アスペルギルス・オリザエ 由来のペプチダーゼPを用いた。それは、エキソペプチダーゼDPPIVを含み、ASPがグルテンを加水分解する程度を増大させる。Ehren等は、DPPIV単独では、α2−グリアジン由来の合成33量体又はγ5−グリアジン由来の26量体を含むグルテンオリゴペプチドを解毒することはできず、DPPIVは、低pHでは無効であり、それ故、インビボで制酸助剤の非存在下では効果がないであろうことを教示している。
【0010】
「グルテン不耐性における経口パパイン(Oral Papain in Gluten Intolerance)」文献(「Messer等」)は、セリアック病と考えられる患者を、経口パパインで処置するとが、その患者がグルテンを含有する食事を更なるセリアック病の症状を伴わずに消費することができるという結果を生じたことに言及している。オーストラリアの特許出願No.2008100719(「Cornell 及び Stelmasiak」)は、セリアック病の予防と治療のための組成物及び方法に言及している。Cornell等は、パパイヤ樹脂又はその機能的類似体の抽出物を含む組成物及び方法に言及している。「グリアジン解毒能を有するパパイヤラテックス酵素(Papaya latex enzymes capable of detoxification of gliadin)」(「Cornell等」)は、パパイヤの活性が、大いにカリカインによっており、キモパパイン及びグルタミンシクロトランスフェラーゼには低依存であることに言及している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本技術のある実施形態は、グルテン分解酵素調製物及びパパインを含む酵素カクテルを提供する。本技術の酵素カクテルは、グルテンオリゴペプチド例えばα−グリアジンの33量体のペプチド断片を開裂させることができる。この酵素カクテルは、活性化パパインを含むことができる。例えば、パパインは、還元剤によって活性化することができる。この酵素カクテルは、経口送達用に配合(製剤)することができ且つ/又は腸溶コーティングを含む配合物(製剤)に含ませることができる。この酵素カクテルは、固体、カプセル又は液体などの製薬上許容されるキャリアー(担体)を含む配合物(製剤)に含ませることができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本技術のある実施形態は、グルテン分解酵素調製物及びアオルシンに対して少なくとも約80%の相同性を有するアミノ酸配列を有する酸性セリンプロテアーゼポリペプチド又はその断片を含む酵素カクテルを提供する。本技術の酵素カクテルは、グルテンオリゴペプチド例えばα−グリアジンの33量体ペプチド断片を開裂することができる。この酵素カクテルは、更に、パパイン(活性化パパイン、キモパパイン及び/又は精製パパインを含む)、カルボキシペプチダーゼY(「CPY」)及び/又はCPYに対して少なくとも約80%相同なアミノ酸配列を有する酵素又はその断片を含むことができる。このCPYは、サッカロミセス・セレビシエCPY、アスペルギルス・ニガー CPY、シゾサッカロミセス・ポンベCPY、又はアスペルギルス・フミガーツス (Aspergillus fumigatus) CPYであってよい。この酵素カクテルは、製薬上許容される賦形剤にて配合(製剤)することができる。この酵素カクテルは、経口送達用に配合(製剤)することができ且つ/又は腸溶コーティングを含む配合物(製剤)に含ませることができる。この酵素カクテルは、固体、カプセル又は液体などの製薬上許容されるキャリアー(担体)を含む配合物に含まれうる。
【0013】
本技術のある実施形態は、グルテンへの曝露の減少又はグルテン不耐性の治療に使用するための配合物(製剤)であって、免疫原性グルテンオリゴペプチドをイン・ビトロで非毒性の断片に開裂することのできる酵素組成物を含む配合物(製剤)を提供する。この酵素組成物は、グルテン分解酵素調製物;パパイン(活性化パパイン、キモパパイン及び/又は精製パパインを含む);アオルシン;アオルシンに対して少なくとも約80%の相同性を有するアミノ酸配列を有する酸性セリンプロテアーゼポリペプチド;CPY;CPYに対して少なくとも約80%相同なアミノ酸配列を有する酵素、又はそれらの断片;アスペルギルス・メレウス(Aspergillus melleus) 由来のプロテアーゼ;及び/又はペニシリウム・シトリナム (Penicillium citrinum) 由来の調製物を含むことができる。この配合物は、免疫原性グルテンオリゴペプチドの少なくとも約70%、少なくとも約80%、又は少なくとも約90%をイン・ビトロで開裂して、非毒性の断片にすることができる。この配合物(製剤)は、製薬上許容されるキャリアー例えば固体、カプセル又は液体を含むことができる。
【0014】
本技術のある実施形態は、グルテンへの曝露の減少における使用又はグルテン不耐性の治療のための配合物(製剤)を提供する。この配合物(製剤)は、グルテンオリゴペプチドをイン・ビトロ胃腸管モデルにおいて消化することができ、少なくとも二種の酵素組成物を含む。これらの酵素組成物は、グルテン分解酵素調製物;パパイン(活性化パパイン、キモパパイン及び/又は精製パパインを含む);アオルシン;アオルシンに対して少なくとも約80%相同なアミノ酸配列を有する酸性セリンプロテアーゼポリペプチド、又はその断片;CPY;CPYに対して少なくとも80%相同なアミノ酸配列を有する酵素;アスペルギルス・メレウス に由来するプロテアーゼ;及び/又はペニシリウム・シトリナム に由来する調製物であってよい。このイン・ビトロ胃腸管モデルは、これらの酵素組成物をグルテンオリゴペプチドと、模擬的胃液(人工胃液)中で約37℃で、イン・ビボでの胃液との接触の典型的な時間にわたってインキュベートすること、及び/又はこれらの酵素組成物をグルテンオリゴペプチドと、模擬的腸液中で約37℃で、イン・ビボでの腸液との接触の典型的な時間にわたってインキュベートすることを含むことができる。この模擬的胃液は、胃粘膜ムチン、ペプシン、ゼラチナーゼ、アミラーゼ及び/又はリパーゼを含むことができる。この模擬的腸液は、一種以上の膵酵素及び胆汁酸塩を含むことができる。これらの膵酵素は、トリプシン、キモトリプシン、アミラーゼ、及び/又はリパーゼであってよい。このグルテンオリゴペプチドは、α−グリアジンの33量体ペプチド断片例えばアミノ酸配列LQLQPFPQPQLPYPQPQLPYPQPQLPYPQPQPF(SEQ ID NO:1)を有するペプチドであってよい。
【0015】
本技術のある実施形態は、ヒト患者におけるグルテン不耐性を治療する方法であって、酸性条件下でグルテンオリゴペプチドを開裂することのできる酵素カクテルの治療上有効な量を、その患者に与えることを含む当該方法を提供する。この酵素カクテルは、グルテン分解酵素調製物;パパイン(活性化パパイン、キモパパイン及び/又は精製パパインを含む);アオルシン;アオルシンに対して少なくとも約80%相同なアミノ酸配列を有する酸性セリンプロテアーゼポリペプチド、又はその断片;CPY;CPYに対して少なくとも80%相同なアミノ酸配列を有する酵素;アスペルギルス・メレウス に由来するプロテアーゼ;及び/又はペニシリウム・シトリナム に由来する調製物を含むことができる。この酵素カクテルは、アスペルギルス・オリザエ 由来の組成物を含むことができる。この酵素カクテルは、製薬上許容される賦形剤にて配合(製剤)することができる。この酵素カクテルは、経口送達用に配合することができ且つ/又は腸溶コーティングを含む配合物(製剤)に含ませることができる。この酵素カクテルは、製薬上許容されるキャリアー例えば固体、カプセル又は液体を含む配合物(製剤)に含ませることができる。
【0016】
本技術のある実施形態は、患者におけるグルテンへの曝露を減じる方法であって、酸性条件下でグルテンオリゴペプチドを開裂することのできる酵素カクテルを、患者に与えることを含む当該方法を提供する。この酵素カクテルは、グルテン分解酵素調製物;パパイン(活性化パパイン、キモパパイン及び/又は精製パパインを含む);アオルシン;アオルシンに対して少なくとも約80%相同なアミノ酸配列を有する酸性セリンプロテアーゼポリペプチド、又はその断片;CPY;CPYに対して少なくとも80%相同なアミノ酸配列を有する酵素;アスペルギルス・メレウス 由来のプロテアーゼ;及び/又はペニシリウム・シトリナム 由来の調製物を含ませることができる。この酵素カクテルは、アスペルギルス・オリザエ 由来の組成物を含ませることができる。この酵素カクテルは、製薬上許容される賦形剤にて配合(製剤)することができる。この酵素カクテルは、経口送達用に配合(製剤)することができ且つ/又は腸溶コーティングを含む配合物(製剤)に含ませることができる。この酵素カクテルは、製薬上許容されるキャリアー例えば固体、カプセル又は液体を含む配合物(製剤)に含ませることができる。
【0017】
本技術のある実施形態は、酵素組成物の効力を評価する方法であって、(i)候補の酵素組成物及びグルテンオリゴペプチドを含む混合物を模擬的胃液(人工胃液)中で、約37℃で、イン・ビボで胃液と接触する典型的時間にわたってインキュベートし;(ii)酸中和物質を混合物に加え;(iii)この混合物を、模擬的腸液(人工腸液)中で、37℃で、イン・ビボで腸液と接触する典型的時間にわたってインキュベートし、(iv)この混合物中のインタクトな(無傷の)グルテンオリゴペプチドの量を測定する、工程を含む当該方法を提供する。イン・ビボでの胃液との接触の典型的時間は、約120分とすることができる。イン・ビボでの腸液との接触の典型的時間は、約60分とすることができる。模擬的胃液は、胃粘膜ムチン、ペプシン、ゼラチナーゼ、アミラーゼ及びリパーゼを含ませることができる。模擬的腸液は、一種以上の膵酵素及び胆汁酸塩を含む。これらの膵酵素は、トリプシン、キモトリプシン、アミラーゼ及び/又はリパーゼであってよい。グルテンオリゴペプチドは、α−グリアジンの33量体ペプチド断片であってよく、例えば、アミノ酸配列LQLQPFPQPQLPYPQPQLPYPQPQLPYPQPQPF(SEQ ID NO:1)を有するペプチドとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、33量体ペプチドの、様々な使用量及び時間でのGDEP−LGGによる分解を示している図である(ELISAによるインタクトな(無傷の)33量体ペプチドのレベルの測定により評価した)。
【0019】
【図2】図2は、33量体ペプチドの、グルテン分解酵素調製物及びその個々の成分酵素、オリジン、NPI及びNPIIによる分解を示している図である(ELISAによるインタクトな(無傷の)33量体ペプチドのレベルの測定により評価した)。
【0020】
【図3】図3は、33量体ペプチドの、グルテン分解酵素調製物及びその個々の成分酵素、オリジン、NPI及びNPII、及びそれらの様々な組合せによる分解を示している図である(ELISAによるインタクトな(無傷の)33量体ペプチドのレベルの測定により評価)。
【0021】
【図4】図4は、33量体ペプチドの、ペプシン(図4A)、プロテイナーゼK(図4B)及びGDEP−LGG(図4C)での処理後の、280nm及び210nmでのHPLC分析のクロマトグラフ(パネル1及び2)並びにマススペクトル分析(パネル3)を示している。
【0022】
【図5】図5は、33量体ペプチドの、グルテン分解酵素調製物(図5A)及び他のアスペルギルス由来のプロテアーゼ、GDEP−2A(図5B)、GDEP−LNA(図5C)、GDEP−M(図5D)及びプロテアーゼP(図5E)での処理後の、280nm及び210nmでのHPLC分析のクロマトグラフ(パネル1及び2)並びにマススペクトル分析(パネル3)を示している。
【0023】
【図6】図6は、33量体ペプチドの、3.0〜6.0のpH範囲でのGDEP−M(図6A〜6D、6H)での処理及び4.0〜6.0のpH範囲でのGDEP−LGG(図6E〜6G)での処理後の、280nm及び210nmでのHPLC分析のクロマトフラフ(パネル1及び2)並びにマススペクトル分析(パネル3)を示している。
【0024】
【図7】図7は、33量体ペプチドの、GDEP−LGG単独(図7A)及びPMSF(図7B)、ペプスタチン(図7C)、及びEDTA(図7D) の存在下でのGDEP−LGGでの処理後の、280nm及び210nmでのHPLC分析のクロマトグラフ(パネル1及び2)並びにマススペクトル分析(パネル3)を示している。図7はさらに、33量体ペプチドの、GDEP−M単独(図7E)及びPMSF (図7F)、ペプスタチン(図7G)及びEDTA(図7H) 存在下でのGDEP−Mでの処理後の、HPLC分析のクロマトグラフ(パネル1及び2)並びにマススペクトル分析(パネル3)をも示している。
【0025】
【図8】図8は、33量体ペプチドの、様々な量のアオルシンA(図8A〜8D)及びアオルシンB(図8E〜8H)での処理後の、280nm及び210nmでのHPLC分析のクロマトグラフ(パネル1及び2)並びにマススペクトル分析(パネル3)を示している。
【0026】
【図9】図9は、33量体ペプチドの、アオルシンによる分解を示している(ELISAによるインタクトな(無傷の)33量体ペプチドのレベルの測定により評価した)。
【0027】
【図10】図10は、33量体ペプチドの、pH範囲4.0〜7.0でのカルボキシペプチダーゼY(「CPY」)での処理(図10A〜10D)及びpH範囲4.0〜7.0でのミキソコッカス・ザンサス プロリルエンドペプチダーゼ(「MX−PEP」)での処理(図10E〜10H)後の、HPLC分析のクロマトグラフ(パネル1及び2)並びにマススペクトル分析(パネル3)を示している。
【0028】
【図11】図11は、33量体ペプチドの、様々な量のCPY(図11A〜11D)、MX−PEP(図11E〜11H)及びアスペルギルス・ニガー プロリルエンドペプチダーゼ(「AN−PEP」)(図11I〜11L)での処理後の、HPLC分析のクロマトグラフ(パネル1及び2)並びにマススペクトル分析(パネル3)を示している。図11はさらに、CPY(図11M〜11P)、MX−PEP(図11Q〜11T)及びAN−PEP(図11U〜11V)での処理後の33量体のHPLC分析のクロマトグラフ(パネル1及び2)並びにマススペクトル分析(パネル3)をも示している。
【0029】
【図12】図12は、33量体ペプチドの、CPY及びプロリルエンドペプチダーゼMX−PEP及びAN−PEPによる分解(インタクトな(無傷の)33量体ペプチドのレベルをELISAによって測定することにより評価した)を示している(図12A)。図12はさらに、33量体ペプチドの、GDEP−LGG及びCPYによる分解(インタクトな(無傷の)33量体ペプチドのレベルをELISAによって測定することにより評価した)をも示している(図12B)。図12はさらに、33量体ペプチドの、AN−PEPによる分解(インタクトな(無傷の)33量体ペプチドのレベルをELISAによって測定することにより評価した)をも示している(図12C)。
【0030】
【図13】図13は、小麦グリアジン及び33量体ペプチドの、イン・ビトロ胃腸管モデルにおけるGDEP−LGGによる分解(インタクトな(無傷の)33量体ペプチドのレベルをELISAによって測定することにより評価した)を示している。
【0031】
【図14】図14は、イン・ビトロ胃腸管モデルにおける、消化酵素単独(図14A)、CPY(図14B)、GDEP−M(図14C)、及びCPYとGDEP−Mの組合せ(図14D)での処理後の33量体ペプチドの、HPLC分析のクロマトグラフ(パネル1及び2)並びにマススペクトル分析(パネル3)を示している。
【0032】
【図15】図15は、小麦グリアジン及び33量体ペプチドの、イン・ビトロ胃腸管モデルにおける、CPY及びGDEP−Mによる分解(インタクトな(無傷の)33量体ペプチドのレベルをELISAによって測定することにより評価した)を示している。
【0033】
【図16】図16は、GDEP−LGG(図16A)、CPY(図16B)、及びGDEP−LGGとCPYの組合せ(図16C)での処理後の、33量体ペプチドの、HPLC分析のクロマトグラフ(パネル1及び2)並びにマススペクトル分析(パネル3)を示している。
【0034】
【図17】図17は、タンパク質濃度(A280)、33量体ペプチド分解活性、プロリルエンドペプチダーゼ活性、及び分画されたGDEP−LGGのプロテアーゼ活性を示している。
【0035】
【図18】図18は、CPY及びAN−PEP(図18A)、GDEP−M及びGDEP−LGG(図18B)、アオルシンA及びアオルシンB(図18C)、GDEP−M及び幾つかのペプチダーゼの組み合わせ(図18D)、並びにGDEP−LGG及びGDEP−Mの組み合わせ(図18E)によるグルテンの消化についてのELISAによる分析後の残存率の比較を示している(すべて、酵素の量を変えてある)。
【0036】
【図19】図19は、33量体ペプチドの分解(インタクトな(無傷の)33量体ペプチドのレベルをELISAによって測定することにより評価した)を示しており、市販の33量体ペプチド調製物(図19A)、ラビオリ(図19B)、チーズマカロニ(図19C)、白パン(図19D)及びロールパン(図19E)からのものであり、GDEP−LGGの様々な投与量(50mg、100mg、200mg、及び400mg)によるものである。
【0037】
【図20】図20は、ラビオリ(図20A)、マカロニ(図20B)、白パン(図20C)、ロールパン(図20D)、ラザーニャ(図20E)及びパスタ(図20F)由来の33量体ペプチドの分解(インタクトな(無傷の)33量体ペプチドのレベルをELISAによって測定することにより評価した)を示している(様々な投与量(50mg、100mg、200mg、及び400mg)のGDEP−LGG及びGDEP−Mを使用した)。
【0038】
【図21】図21は、33量体ペプチドの、3ロットのGDEP−LGG及び3種類の既存の製品(「グルテン ゲスト」(Gluten Gest)、「グルテン−ザイム」(Gluten-zyme)及び「グルテンイーズ」(GlutenEase))による分解後の残留率(残存率)(インタクトな(無傷の)33量体ペプチドのレベルのELISAによる測定により評価)の比較、並びに、既存の製品(「グルテン ゲスト」、「スペクトラムザイム」(Spectrumzyme)、「グルテン−ザイム プラス」(Gluten-zyme plus)及び「グルテンイーズ」(GlutenEase))、ペプシン、33量体対照及びグルテン分解酵素調製物についてのHPLC−MSによる分析後のクロマトグラフ(反応中の様々な時間による)を示している。
【0039】
【図22】図22は、パパインでの処理後の、33量体ペプチドの、HPLC分析のクロマトグラフ(パネル1及び2)並びにマススペクトル分析(パネル3)を示している。
【0040】
【図23】図23は、パパインのカチオン交換分析のクロマトグラフ及び、カチオン交換クロマトグラフィーによって得られたパパイン画分による処理後の33量体ペプチドのマススペクトル分析を示している。
【0041】
【図24】図24は、カチオン交換クロマトグラフィーによる分画後のパパインのSDS−PAGEゲルを示している。
【0042】
【図25】図25は、カチオン交換クロマトグラフィーによる精製後のパパインからのピーク2(図25A)及びピーク3(図25B)の画分についてのHPLC分析のクロマトグラフを示している。
【0043】
【図26】図26は、さらに、る疎水性相互作用クロマトグラフィー(図26A)及びFRETS分析(図26B)した後の、カチオン交換クロマトグラフィーによるパパイン精製のE9画分のHPLC分析のクロマトグラフを示している。
【0044】
【図27】図27は、得られた画分での処理後の33量体ペプチドのマススペクトル分析のクロマトグラフ及びFRETS分析を示している。
【0045】
【図28】図28は、逆相クロマトグラフィーによるピーク3−1(図28A)、3−2(図28B)及び3(図28C)のHPLC分析のクロマトグラフを示している。
【0046】
【図29】図29は、パパインと他の酵素の、ELISAによる分析後の残留率の比較を示している。
【0047】
【図30】図30は、還元剤(グルタチオン、ジチオスレイトール、L−システイン、又はN−アセチル−L−システイン)と、GDEP−LGG及びパパインのプロテアーゼ活性及び加水分解活性を示している。
【0048】
【図31】図31は、GDEP−LGG及びパパインを様々な濃度で含む酵素カクテル(図31A)の相対的活性並びに各濃度についてのHPLC分析のクロマトフラフ(図31B〜31G)を示している。
【0049】
【図32】図32は、様々な組成物について、6量体のセットを用いたFRETSアッセイスクリーニングの結果を示している。
【0050】
【図33】図33は、FRETSアッセイスクリーニング(図32)から選択された組成物の加水分解活性についてのHPLC分析のクロマトグラフを示している。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本技術は、一般に、酵素組成物に関する。この酵素組成物は、非セリアックグルテン過敏性(「NCGS」)及び/又は非セリアックグルテン不耐性(「NCGI」)の患者を含むグルテン不耐性及び/又はグルテン過敏性患者の治療に用いることができる。この酵素組成物は又、ある種の患者におけるグルテン曝露を減らすために用いることもできる。例えば、この酵素組成物は、グルテンオリゴペプチド例えばα−2グリアジンに由来する33量体ペプチドへの曝露を減じ又は防止して、グルテン不耐性及び/又はグルテン不感受性の発症を制限し、減じ、防止し、又は制御するための予防剤として用いることもできる。α−グリアジンの33量体断片、LQLQPFPQPQLPYPQPQLPYPQPQLPYPQPQPF(SEQ ID NO:1)は、胃及び膵臓の酵素による消化によって普通に形成され、消化酵素による分解に抵抗性がある。
【0052】
多くの食物及び飲料は、グルテンオリゴペプチド例えばα―2グリアジン由来の33量体ペプチドを含んでいる。α−2グリアジン由来の33量体ペプチドを含むグルテン関連ペプチドの消化は、生理的利益例えばグルテン及びグルテン関連ペプチドへの曝露を減少させる。これは、効果的に又は効率的にグルテンを加水分解しない集団又は特定の個体(ヒト又は動物の患者を含む)(例えば、その消化器系が、グルテン及び/又はグルテン関連ペプチドを効果的に又は効率的に加水分解するために必要とされる酵素活性を欠いている)にとって、及びグルテン及びグルテン関連ペプチドへの曝露を減じることが望ましい個体にとって特に利益とうる。
【0053】
ある実施形態において、本技術の酵素組成物は、機能性食品(栄養補助食品)である。用語「機能性食品」(nutraceutical)は、摂取されることが意図され又は合理的に期待されて、NCGS及び/又はNCGI及び/又は関連症状(腹痛、膨満感、腸不快感、下痢、鼓腸、及び栄養吸収不良を含むがこれらに限られない)の予防及び/又は治療を含む医学的又は健康的な利益を与えることのできる任意の食物製品又は物質を指すために用いられてきた。「機能性食品」という標示に該当する組成物は、単離された栄養素、栄養サプリメント(食事補充物)、及び酵素組成物から、遺伝子操作されたデザイナーフード、ハーブ製品、及び加工食品、例えばシリアル、スープ及び飲み物にまで及びうる。一層技術的な意味において、用語「機能性食品」は、一般に医薬的形態で販売され、例えば、急性又は慢性の病気、異常、又は他の総合的症状を、改善し、治療し、予防し、発生率を減じ、又は防護を与えることにより、生理的利益を有することが示されている、摂取可能な食品製品を指す。
【0054】
ある実施形態において、本技術の一以上の酵素組成物は、例えばセリアック病、甲状腺疾患、例えば甲状腺機能低下症及び神経系疾患例えば自閉症、小脳性運動失調症、末梢神経障害、精神分裂病を含む、治療しやすい任意の病気を、グルテン曝露を防止し/又は減じることにより治療するために用いることができる。
【0055】
ある実施形態において、本技術の酵素組成物は、任意の酵素又は酵素の混合物を含むことができる。ある実施形態において、本技術の酵素組成物の酵素は、例えばプロテアーゼ及びペプチダーゼ例えばエキソプロテアーゼ、エンドプロテアーゼ、及び酸安定プロテアーゼなどのタンパク質を減少させる酵素である。ある実施形態において、この酵素組成物は、プロテアーゼを含むことができる。一般に、プロテアーゼは、タンパク質のアミノ酸の間のペプチド結合を切断する酵素である。酵素の好適なサブセットは、アスペルギルス・オリザエ に由来する酵素を含む。例えば、この酵素組成物は、グルテン分解酵素調製物、パパイン、精製されたパパイン、活性化されたパパイン、キモパパイン、又はこれらの組合せを含むことができる。この酵素組成物は、カルボキシペプチダーゼ例えばカルボキシペプチダーゼY(「CPY」)を含むことができる。この酵素組成物は、セミアルカリプロテアーゼを含むことができる。この調製物は、ペニシリウム・シトリナム からの調製物をも含むことができる。本技術の酵素組成物は、例えば、グルテン不耐性の治療において、及びα−2グリアジン由来の33量体を含むグルテンオリゴペプチドへの曝露の低減において有用である。
【0056】
ここで用いる場合、用語「グルテン分解酵素調製物」(「GDEP」)は、少なくとも オリジン(Oryzin), ニュートラル(Neutral) プロテアーゼI(「NPI」)及び ニュートラル プロテアーゼII(「NPII」)を含む酵素調製物を指すために用いられる。
【0057】
ロイシル−グリシル−グリシン(「LGG」)法により中性のpHで約70ユニット/g以上のペプチダーゼ活性を有するGDEPを、ここでは、「GDEP−LGG」と呼ぶ。ロイシルナフチルアミド(「LNA」)法により中性のpHで約1,400u/g以上のペプチダーゼ活性を有するGDEPを、ここでは、「GDEP−LNA」と呼ぶ。酸性pHで約5,500ユニット/g以上のプロテアーゼ活性を有するGDEPを、ここでは、「GDEP−M」と呼ぶ。中性のpHで約20,000ユニット/g以上のプロテアーゼ活性を有するGDEPを、ここでは、「GDEP−2A」と呼ぶ。中性のpHで約10,000ユニット/g以上のプロテアーゼ活性を有するGDEPを、ここでは、「GDEP−AH」と呼ぶ。
【0058】
一実施形態において、GDEP−LGGは、コウジカビ(アスペルギルス・オリザエ)由来のペプチダーゼ調製物である。グルテン分解酵素調製物産生株は、アスペルギルス・オリザエを、UV変異誘発を含む変異誘発過程にかけることにより誘導される。例えば、黄色コウジカビは、アスペルギルス・オリザエを含むが、UV変異誘発にかけられて「A菌株」を生成し、これをUV変異誘発にかけて、約500〜600u/gのタンパク質分解活性を有する90−76(菌株)を生成する。この90−76菌株は、更に、UV変異誘発にかけられて、約800〜1000u/gのタンパク質分解活性を有する90−51菌株を生成する。UV変異誘発後に、単胞子分離(Mono Spore Isolation)(M.S.I.)を行って、培養プレート上に単一コロニーを得る。この手順は、グルテン分解酵素調製物産生菌株を産出する。このグルテン分解酵素調製物産生株のタンパク質分解活性は、親菌株の約2倍である。
【0059】
典型的なGDEP−LGG組成物は、約7.0のpHで約70u/g以上のペプチダーゼ活性を有する。GDEP−LGGは、アスペルギルス・オリザエから、当分野で公知の方法によって得ることができ、使用前に希釈又は濃縮することができる。GDEP−LGGを含む調製物は、ペプチダーゼの不活性化を回避するための噴霧乾燥法によって得ることができる。この産生過程は、例えば、固体発酵とその後の水での抽出、濾過、限外濾過、及び最終的には、噴霧乾燥を含む。
【0060】
本技術の少なくとも幾つかの実施形態において、GDEP−LGGは、Gln、Ser、Thr、Met、Arg、Ala、Lys、Phe、及びLeuのカルボキシル側で切断する。基質Z−Gly−Pro−pNAに対する活性を評価することにより測定すると、GDEP−LGGは、プロリル−エンドペプチダーゼ活性を有しない。それでも、GDEP−LGGは、33量体ペプチドを部分的に加水分解し、酸性pHでも効力が残っている。33量体ペプチドを基質として用いると、グルテン分解酵素調製物は、その33量体の約90%を消化する。イン・ビトロ胃腸管モデルにおいて、200mgのグルテン分解酵素調製物は、10gの小麦グルテンからの33量体を、添加酵素なしの33量体(対照)と比較して、約80%消化する。
【0061】
ある実施形態において、本技術の酵素組成物は、パパインを含む。典型的なパパインの市販の調製物は、パパイン W−40バルクとして購入可能である。この市販の調製物は、所定の濃度で用いることができるし、使用のために希釈又は濃縮することもできる。
【0062】
ある実施形態において、本技術の酵素組成物は、精製されたパパインを含む。精製方法には、カチオン交換クロマトグラフィー及び疎水性相互作用クロマトグラフィーが含まれる。
【0063】
ある実施形態において、本技術の酵素組成物は、キモパパインを含む。
【0064】
ある実施形態において、本技術の酵素組成物は、活性化されたパパインを含む。例えば、パパインは、還元剤によって活性化されうる。本技術における使用に適した還元剤には、グルタチオン、ジチオスレイトール(「DTT」)、L−システイン、及びN−アセチル−L−システインが含まれるが、これらに限られない。
【0065】
ある実施形態において、本技術の酵素組成物は、酵素又は酵素組成物の混合物である。ある実施形態において、混合物の成分には、添加物を有する。ある別の実施形態においては、混合物の成分は、相乗効果を有し、例えば、グルテン分解酵素調製物の混合物及びパパインを含む酵素組成物は、33量体ペプチドの分解に対して予想外の相乗効果を有する。
【0066】
ある実施形態において、本技術の酵素組成物は、GDEP−Mを含む。GDEP−Mは、アスペルギルス・オリザエから、当分野で公知の方法によって得ることができ、使用前に希釈し又は濃縮することができる。GDEP−Mを含む調製物は、噴霧乾燥により又はエタノール沈澱により得ることができる。噴霧乾燥手順は、エタノール沈澱によるプロテアーゼ活性と比較してより一層高いペプチダーゼ活性を生成する。ある実施形態において、用いたGDEP−Mは、約pH3.0で約5,500u/g以上のプロテアーゼ活性を有する。この調製物は、所定の濃度で用いられうるし、その調製物は、使用のために、希釈し又は濃縮することができる。
【0067】
ある実施形態において、本技術の酵素組成物は、GDEP−2Aを含む。GDEP−2Aは、アスペルギルス・オリザエから、当分野で公知の方法により得ることができ、使用前に、希釈し又は濃縮することができる。GDEP−2Aを含む調製物は、噴霧乾燥により又はエタノール沈澱により得ることができる。噴霧乾燥手順は、エタノール沈澱で得られるプロテアーゼ活性と比較して一層高いペプチダーゼ活性を生成する。ある実施形態において、用いたGDEP−2Aは、約pH7.0で約20,000u/g以上のプロテアーゼ活性を有する。この調製物は、所定濃度で用いることができ、又はその調製物は、使用のために希釈し又は濃縮することができる。
【0068】
ある実施形態において、本技術の酵素組成物は、GDEP−AHを含む。GDEP−AHは、アスペルギルス・オリザエから、当分野で公知の方法により得ることができ、使用のために、希釈し又は濃縮することができる。GDEP−AHを含む調製物は、噴霧乾燥により得ることができる。ある実施形態において、用いたGDEP−AHは、約pH7.0で約10,000u/g以上のプロテアーゼ活性を有している。この調製物は、所定濃度で用いることができ、又はこの調製物は、使用のために、希釈又は濃縮することができる。
【0069】
ある実施形態において、本技術の酵素組成物は、GDEP−LNAを含む。GDEP−LNAは、アスペルギルス・オリザエから、当分野で公知の方法により得ることができ、使用前に希釈し又は濃縮することができる。GDEP−LNAを含む調製物は、噴霧乾燥により得ることができる。ある実施形態において、GDEP−LNAは、ロイシルナフチルアミド(「LNA」)法により、約pH7.0で約1,400u/g以上のペプチダーゼ活性を有する。この調製物は、所定の濃度で用いることができ、又はこの調製物は、使用のために希釈し又は濃縮することができる。
【0070】
ある実施形態において、本技術の酵素組成物は、GDEP−Mの特異的プロテアーゼ成分を含んでいる。例えば、アオルシンは、GDEP−Mから精製される酸性pHでトリプシン様特異性を有するセリンプロテアーゼである。アオルシンA及びアオルシンBは、日本国特許第4401555号及びJP2009−232835Aにおいて特性表示されている(これらの各々を、参考として、そっくりそのまま、本明細書中に援用する)。アオルシンは、効率的に、33量体ペプチドを酸性pHで加水分解する。アオルシンのヌクレオチド及びアミノ酸配列は、Lee等、Biochem. J. 371(PT 2), 541-548(2003)に公開されている。アオルシンAのヌクレオチド配列は、GenBank受入れ(アクセッション)番号AB084899.1を有し、対応するアミノ酸配列は、GenBank受入れアクセッション)番号BAB97387を有している。アオルシンBは、GenBank受入れアクセッション)番号XM001820783.1を有し、対応するアミノ酸配列は、GenBank受入れアクセッション)番号XP_001820835.1を有する。
【0071】
ある実施形態において、本技術の酵素組成物は、アオルシンのアミノ酸配列又はアオルシンのアミノ酸配列と少なくとも約70%同一性を有するアミノ酸配列を有する酵素を含んでいる。ある実施形態において、このアミノ酸は、アオルシンのアミノ酸配列と、少なくとも約80%の、少なくとも約81%の、少なくとも約82%の、少なくとも約83%の、少なくとも約84%の、少なくとも約85%の、少なくとも約86%の、少なくとも約87%の、少なくとも約88%の、少なくとも約89%の、少なくとも約90%の、少なくとも約91%の、少なくとも約92%の、少なくとも約93%の、少なくとも約94%の、少なくとも約95%の、少なくとも約96%の、少なくとも約97%の、少なくとも約98%の、少なくとも約99%の同一性を有しうる。
【0072】
ある実施形態において、本技術の酵素組成物は、アオルシンと実質的に相同であるアミノ酸配列を有する。2つのアミノ酸配列は、それらのアミノ酸配の少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93の、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%が同一であるか;又はそれらのアミノ酸配の少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93の、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%が、それらが機能的に同じである点において類似している場合に、「実質的に相同である」。相同性配列は、アラインメント使用により、例えば、GCG(Genetics Computer Group, Program Manual for the GCG Package, Version 7, Madison, ウィスコンシン)パイルアッププログラム、又は任意の配列比較アルゴリズム例えばBLAST又はFASTAによって同定することができる。
【0073】
本技術は又、GDEP−Mに類似した酵素活性プロフィルを示す酵素組成物をも含む。例えば、ある実施形態において、この酵素組成物は、約4,000〜8,000u/gのプロテアーゼ活性を示す。ある非制限的な例として、かかる組成物は、約6,500u/gのプロテアーゼ活性を含む酵素活性プロフィルを有する。
【0074】
ある実施形態において、本技術の酵素組成物は、CPYを含み、これは、プロテイナーゼC又はyscYとしても知られている。CPYは、タンパク質及びペプチドのカルボキシ末端からアミノ酸を除去する広い特異性の液胞エキソペプチダーゼである。それは、高度に保存され活性部位周辺にある触媒的に必須のセリン及びヒスチジン残基を特徴とする遍在性のタンパク質分解酵素であるセリンカルボキシペプチダーゼのファミリーに属する。本技術において重要なCPYは、例えば、酵母又はカビ、例えばサッカロミセス、シゾサッカロミセス、アスペルギルス、カンジダ、及びピキア由来のCPYである。例えば、本技術において用いられるCPYは、アミノ酸レベルで、以下のCPYの一つに対して少なくとも約20%の配列同一性、或は、少なくとも約40%の配列同一性、或は、少なくとも約50%の配列同一性、或は、少なくとも約60%の配列同一性、或は、少なくとも約70%の配列同一性、或は、少なくとも約80%の配列同一性、或は、少なくとも約90%の配列同一性を有する:サッカロミセス・セレビシエ CPY、アスペルギルス・ニガー CPY、シゾサッカロミセス・ポンベ CPY、アスペルギルス・フミガーツス CPY。
【0075】
ある実施形態において、本技術の酵素組成物は、CPYのアミノ酸配列又はCPYのアミノ酸配列と少なくとも約70%同一性を有するアミノ酸配列を有する酵素を含む。ある実施形態において、このアミノ酸は、CPYのアミノ酸配列と、少なくとも約80%の、少なくとも約81%の、少なくとも約82%の、少なくとも約83%の、少なくとも約84%の、少なくとも約85%の、少なくとも約86%の、少なくとも約87%の、少なくとも約88%の、少なくとも約89%の、少なくとも約90%の、少なくとも約91%の、少なくとも約92%の、少なくとも約93%の、少なくとも約94%の、少なくとも約95%の、少なくとも約96%の、少なくとも約97%の、少なくとも約98%の、少なくとも約99%の同一性を有することができる。ある実施形態において、この酵素組成物は、CPYと実質的に相同なアミノ酸配列を有する酵素を含む。
【0076】
他の実施形態において、グルテン分解活性が、驚くべきことに、ペニシリウム・シトリナムからの酵素調製物において見出された。特に、ペニシリウム・シトリナムからの酵素調製物は、実施例24で同定された10の6量体基質の少なくとも4が、>1000u/gで消化されるグルテン消化活性を有する(ここに、1ユニットは、FRET基質消化の1μモル毎分に等しい)。この活性を有する調製物は、他のカビ例えばアスペルギルス・ニガー及びある種のアクチノミセス、例えばストレプトミセス・アウレウス(Streptomyces aureus)から得ることもできる。ある実施形態において、本技術の酵素組成物は、グルテン分解活性並びに5’−ホスホジエステラーゼ(「5’−PDE」)活性を有するペニシリウム・シトリナムからの調製物を含む。
【0077】
他の実施形態において、グルテン分解活性は、驚くべきことに、セミアルカリプロテアーゼを含む調製物を含む酵素組成物において、見出された。ここで用いる場合、セミアルカリプロテアーゼは、カビ起源に由来し、タンパク質及びそれらの分解産物、ポリペプチド及びペプチドを加水分解により破壊することができ、pH6.0〜11に及ぶ環境で活性である酵素を指す。セミアルカリプロテアーゼの起源には、ある種のカビ例えばアスペルギルス・メレウスが含まれる。セミアルカリプロテアーゼは、ある種の植物胚芽例えば大麦胚芽又はモロコシ胚芽から得ることもできる。
【0078】
ある実施形態において、本技術の酵素組成物は、幾つかの方法の何れかによって生成することができる。例えば、個々の酵素を組み合わせて、所望の酵素活性プロフィルを有する所望の酵素組成物を得ることができる。
【0079】
更に又は別法として、この酵素組成物は、酵素を自然に産生する微生物から、又は当分野で周知の方法を用いて遺伝子操作により一種以上の酵素を産生するようにした微生物から得ることができる。例えば、本技術の酵素組成物は、次のものの少なくとも2つを含みうる:GDEP、GDEP−LGG、GDEP−LNA、GDEP−M、GDEP−2A、GDEP−AH、オリジン、NPI、NPII,アオルシンA、アオルシンB、CPY、パパイン、活性化パパイン、精製パパイン、又はキモパパイン。本技術の酵素組成物は、ペニシリウム・シトリナムからの調製物及び/又はセミアルキルプロテアーゼを更に含むことができる。ある実施形態において、この酵素組成物は、GDEP−LGG及びパパインを含むことができる。他の実施形態において、この酵素組成物は、GDEP−LGG、パパイン、及びペニシリウム・シトリナムからの調製物を含むことができる。他の実施形態において、この酵素組成物は、GDEP−LGG、パパイン、ペニシリウム・シトリナムからの調製物及びセミアルカリプロテアーゼを含むことができる。更に別の実施形態において、この酵素組成物は、GDEP−LGG及び活性化パパインを含むことができる。他の実施形態において、この酵素組成物は、GDE−LGG,活性化パパイン、及びペニシリウム・シトリナムからの調製物を含むことができる。他の実施形態において、この酵素組成物は、GDEP−LGG,活性化パパイン、ペニシリウム・シトリナムからの調製物及びセミアルカリプロテアーゼを含むことができる。更に別の実施形態において、この酵素組成物は、GDEP−LGG及びキモパパインを含むことができる。他の実施形態において、この酵素組成物は、GDEP−LGG、キモパパイン、及びペニシリウム・シトリナムからの調製物を含むことができる。他の実施形態において、この酵素組成物は、GDEP−LGG、キモパパイン、ペニシリウム・シトリナムからの調製物及びセミアルカリプロテアーゼを含むことができる。
【0080】
上記のように、本技術の酵素及び酵素組成は、当分野で周知の方法によりトランスフォームされ又はトランスフェクトされた細胞から得ることもできる。例えば、所望の酵素をコードする核酸を、発現ベクターに挿入することができ、それを、所望の酵素の製造のために宿主細胞をトランスフォーム又はトランスフェクトするために用いることができる。次いで、その宿主細胞から、酵素又は酵素組成物を、当分野で周知の方法によって得ることができる。
【0081】
組成物中の所定の酵素又は酵素活性の量は、その組成物の所望の効果によって変わり、当分野で公知の様々な方法によって測定あるいは決定することができる。組成物中に存在する酵素の量は、モル量又はモル比で(例えば、ナノモル又はマイクロモルの酵素)、重量又は重量比で(例えば、マイクログラムの又はナノグラムの酵素)、又は活性量又は活性比で(例えば、酵素の「ユニット」又は酵素の重量若しくはモル当たりの酵素活性で)記述することができる。特定の実施形態では、組成物は、プロテアーゼ及びペプチダーゼ活性を含むことができる。
【0082】
本技術のある実施形態において、様々なプロテアーゼ組成物の効力が評価される。従って本技術は、これらのプロテアーゼ組成物を評価するためのイン・ビトロモデル含むことができる。イン・ビトロモデルは、例えば、胃モデル、腸モデル、又は胃腸モデルを含むことができる。
【0083】
イン・ビトロ胃モデル。イン・ビトロ胃モデルは、例えば、模擬的胃液(「SGF」)(人工胃液)を含むことができる。このSGFは、血清アルブミン、胃粘膜ムチン、及び/又は緩衝液を含むことができる。この緩衝液は、酢酸緩衝液であってもよい。このSGFは、例えば塩化ナトリウム(NaCl)及び塩化カルシウム(CaCl2)生理的塩溶液を含むことができる。SGFを、模擬的胃状態に適したpHで、例えば、約1.0〜7.0の範囲のpHあるいは約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、約3.0、約3.1、約3.2、約3.3、約3.4、約3.5、約3.6、約3.7、約3.8、約3.9、約4.0、約4.1、約4.2、約4.3、約4.4、約4.5、約4.6、約4.7、約4.8、約4.9、約5.0、約5.1、約5.2、約5.3、約5.4、約5.5、約5.6、約5.7、約5.8、約5.9、約6.0、約6.1、約6.2、約6.3、約6.4、約6.5、約6.6、約6.7、約6.8又は約6.9を含む酸性pHに維持することができる。酸、例えば塩酸をSGFに、インキュベーション中、周期的間隔で加えてSGFの酸性度を維持することができる。
【0084】
SGFは又、一種以上の胃の酵素例えばペプシン、ゼラチナーゼ、アミラーゼ、及びリパーゼをも含むことができ、並びに、更に胃の状態を模倣するために他の酵素例えばラクターゼ及びアルファ−ガラクトシダーゼをも含むことができる。市販の消化酵素製品例えばEZ−GEST(登録商標)(Shaklee)を用いて、模擬的胃混合物を補うことができる。
【0085】
候補の酵素組成物の効力を評価するために、幾らかの酵素組成物及びペプチド含有物質をSGFに加えることができる。このペプチド含有物質は、均質なペプチド調製物例えば天然若しくは合成のグルテンオリゴペプチドを含む調製物、又は例えば動物に摂取させることを意図し又は摂取されることを合理的に予想される食糧品を含む任意の物質を含む不均質な調製物であってよい。典型的なグルテンオリゴペプチドには、33量体ペプチド:LQLQPEPQPQLPYPQPQLPYQPQLPYPQPQPF及びLQLQPFPQPQLPYPQPQLPYPQPQLPYPQPQPF (SEQ ID NO:1)、並びに例えば米国特許第7,563,864号で同定されたペプチドが含まれる。
【0086】
SGF、酵素組成物、及びペプチド含有物質を含む混合物は、約37℃で、イン・ビボでの胃液との接触時間に相当する時間、例えば、約20分、約25分、約30分、約35分、約40分、約45分、約50分、約55分、約60分、約65分、約70分、約80分、約85分、約90分、約95分、約100分、約105分、約110分、約115分、又は約120分インキュベートすることができる。このSGF、酵素組成物、及びペプチド含有物質を含む混合物を、定期的間隔でサンプリングして、消化効率を評価することができる。消化効率は、例えば、混合物中に存在する33量体の量を測定することにより又は遊離のチロシン産生の量をFolin法により測定することにより評価することができる。
【0087】
イン・ビトロ腸モデル。イン・ビトロ腸モデルは、例えば、模擬腸液(「SIF」)(人工腸液)を含むことができる。このSIFは、例えば微酸性、中性、又は約6.0〜14.0の範囲のpH、あるいは約7.0、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4、約7.5、約7.6、約7.7、約7.8、約7.9、約8.0、約8.1、約8.2、約8.3、約8.4、約8.5、約8.6、約8,7、約8.8、約8.9、約9.0、約9.1、約9.2、約9.3、約9.4、約9.5、約9.6、約9.7、約9.8、約9.9、約10.0、約10.1、約10.2、約10.3、約10.4、約10.5、約10.6、約10.7、約10.8、約10.9、約11.0、約11.1、約11.2、約11.3、約11.4、約11.5、約11.6、約11.7、約11.8、約11.9、約12.0、約12.1、約12.2、約12.3、約12.4、約12.5、約12.6、約12.7、約12.8、約12.9、約13.0、約13.1、約13.2、約13.3、約13.4、約13.5、約13.6、約13.7、約13.8、約13.9のpHを含む塩基性pHなどの、腸の条件を模倣するのに適当なpHで維持することができる。このSIFは又、酸を中和するための物質例えば重炭酸ナトリウム(NaHCO3)又はリン酸水素二ナトリウム(Na2HPO4)をも含むことができる。
【0088】
このSIFは、一種以上の膵酵素例えばトリプシン、キモトリプシン及びアミラーゼ、及び腸の酵素例えばスクラーゼ、マルターゼ、イソマルターゼ、及びラクターゼを含むことができる。例えば、SIFは、パンクレアチンを含むこともできる。パンクレアチンは、膵酵素トリプシン、アミラーゼ及びリパーゼを含む。パンクレアチンは、クレオン(Creon)(登録商標)(Solvay)、ニュートリザイム(Nutrizym)10(登録商標)(Merck)、パンクレアーゼ(登録商標)(Janssen-Ortho)及びパンクレックス(Pancrex)(登録商標)(Paines & Byrne)として市販されている。
【0089】
SIFは又、一種以上の胆汁酸塩、例えばコール酸塩例えばタウロデオキシコール酸塩(「TDCA」)及びデオキシコール酸塩(「DCA」)、又は胆汁酸、例えばコール酸、グリオコール酸、タウロコール酸、デオキシコール酸、又はリトコール酸を含むこともできる。
【0090】
候補の酵素組成物の効力を評価するために、幾らかの酵素組成物及びペプチド含有物質をSIFに加えることができる。このペプチド含有物質は、均質なペプチド調製物例えば天然若しくは合成のグルテンオリゴペプチドであってもよいし、又は例えばヒト又は動物により摂取されることを意図し、あるいは摂取されることが合理的に予想される食糧品を含む不均質な調製物であってもよい。典型的なグルテンオリゴペプチドは、33量体ペプチド:LQLQPEPQPQLPYPQPQLPYQPQLPYPQPQPF及びLQLQPFPQPQLPYPQPQLPYPQPQLPYPQPQPF (SEQ ID NO:1)、並びに、例えば、米国特許第7,563,864号で同定されたペプチドを含む。
【0091】
SIF、酵素組成物、及びペプチド含有物質を含む混合物を、約37℃で、腸液とのイン・ビボ接触の典型的期間(時間)、例えば約20分間、約25分間、約30分間、約35分間、約40分間、約45分間、約50分間、約55分間、約60分間、約65分間、約70分間、約80分間、約85分間、約90分間、約95分間、約100分間、約105分間、約110分間、約115分間、約120分間、約125分間、約130分間、約135分間、約140分間、約145分間、約150分間、約155分間、約160分間、約165分間、約170分間、約175分間、約180分間、約185分間、約190分間、約195分間、約200分間、約205分間、約210分間、約215分間、約220分間、約225分間、約230分間、約235分間、又は約240分間にわたってインキュベートすることができる。このSIF、酵素組成物、及びペプチド含有物質を含む混合物は、消化効率を評価するために、一定の間隔でサンプリングすることができる。消化効率は、例えば、混合物中に存在する33量体の量又はFolin法により産生された遊離のチロシンの量を測定することにより評価することができる。
【0092】
イン・ビトロ胃腸管モデル。イン・ビトロの胃腸管モデルは、上記の胃モデル及び腸モデルにおける逐次的処理を含むことができる。例えば、候補の酵素組成物及びペプチド含有物質は、SGF中で、約37℃で、胃液とのイン・ビボ接触の典型的期間(時間)、例えば約20分間、約25分間、約30分間、約35分間、約40分間、約45分間、約50分間、約55分間、約60分間、約65分間、約70分間、約80分間、約85分間、約90分間、約95分間、約100分間、約105分間、約110分間、約115分間、又は約120分間にわたってインキュベートすることができる。酸を中和するための物質例えば重炭酸ナトリウム(NaHCO3)又はリン酸ナトリウム(例えば、Na2HPO4)を、この混合物に加えることができる。次いで、この混合物を、SIF中で、約37℃で、イン・ビボでの腸液との典型的接触期間(時間)、例えば約20分間、約25分間、約30分間、約35分間、約40分間、約45分間、約50分間、約55分間、約60分間、約65分間、約70分間、約80分間、約85分間、約90分間、約95分間、約100分間、約105分間、約110分間、約115分間、約120分間、約125分間、約130分間、約135分間、約140分間、約145分間、約150分間、約155分間、約160分間、約165分間、約170分間、約175分間、約180分間、約分185間、約分190間、約195分間、約200分間、約205分間、約210分間、約215分間、約220分間、約225分間、約230分間、約235分間、又は約240分間インキュベートすることができる。好ましくは、候補の酵素組成物及びペプチド含有物質を、SGF中で約60分間インキュベートし、SIF中で約60分間インキュベートすることができる。或は、候補の酵素組成物及びペプチド含有物質を、SGF中で約120分間インキュベートし、SIF中で約60分間インキュベートする。適当な動物モデルからの胃腸管液及び/又は模擬的液例えば模擬的胃液及び腸液(人工胃液及び腸液)USPを用いることができる。
【0093】
「医薬組成物」は、ここに記載された本技術の酵素又は酵素組成物の一種以上の混合物に、下記の他の化学成分例えば生理的に許容しうるキャリアー及び賦形剤を伴うものを指す。医薬組成物の目的は、酵素又は酵素組成物の生物体への投与を容易にすることである。
【0094】
酵素及び酵素組成物は、それらの本質的に純粋な形態で投与することができるが、それらの酵素を、投与前に、例えば酵素の嗜好性、治療摂取方法に対する患者のコンプライアンス、及び/又は一般的な投与の容易さを高めるために医薬組成物中に配合するのが望ましいであろう。こうして、ある実施形態では、本技術の酵素組成物は、グルテンオリゴペプチドに対する活性を有する一種以上の酵素に加えて、他の成分例えば一種以上の製薬上許容されるコーティング剤、結合剤、潤滑剤、懸濁化剤、甘味料、着香料、防腐剤、緩衝剤、湿潤剤、崩壊剤、発泡剤、及び他の賦形剤を含む。かかる賦形剤は、当分野で公知であり、当業者により容易に選択されうる。一種以上の酵素に加えて存在する追加の成分の量は、全組成物の、約0.1重量%〜約99重量%で、好ましくは約5重量%〜約80重量%で、一層好ましくは約10重量%〜約70重量%の範囲で変化させることができる。例えば、一種以上の酵素に加えて存在する追加の成分の量は、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量、約40重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、又は約65重量%であってよい。
【0095】
本技術の幾つかの実施形態によれば、医薬組成物は、製薬上許容されるキャリアーを含むことができる。用語「製薬上許容されるキャリアー」は、例えばヒト患者への投与に適した、一種以上の相容性の固体又は液体の充填剤、希釈剤、又はカプセル物質を指す。用語「キャリアー」(担体)は、有機又は無機の、天然又は合成の成分を指し、これには、活性成分の使用を容易にするために組み合わされる。医薬組成物の成分は、通常、所望の医薬的効力を害する相互作用が生じないような性質である。ある実施の態様において、そのような組成物中で使用されるキャリアーは、生体適合性及び/又は生分解性である。ある実施形態において、キャリアーは、US2008/0020036に記載されたようなヒドロゲルを形成することのできる少なくとも一の粘着性ポリマーを含む組成物であってよい。
【0096】
一実施形態において、この酵素組成物は、少なくとも一の製薬上許容される賦形剤とブレンドされ、賦形剤により希釈され又はキャリアー内に封入され、該キャリアーは、カプセル、サッシェ剤、錠剤、バッカル剤、トローチ剤(ロゼンジ)、口腔薄膜、紙、又は他の容器の形態であってよい。賦形剤が希釈剤として役立つ場合には、それは、ビヒクル、キャリアー、又はその組成物の残部のための媒質として作用する固体、半固体、懸濁液、スラリー、又は液体材料であってよい。従って、この組成物は、錠剤、ピル、トローチ(香錠)、粉末、エリキシル剤、懸濁液、乳濁液、シロップ、カプセル剤(例えば、軟質及び硬質ゼラチンカプセル)、坐薬、薬用キャンディー(ロゼンジ)、バッカル投薬形態、無菌注射溶液、及び無菌パッケージ化粉末を配合することができる。
【0097】
ある実施形態において、医薬組成物は、塩、緩衝用物質、防腐剤、キャリアー、及び適宜、他の治療用有効成分を含むことができる。この塩は、医薬としての使用のために製薬上許容されるものでなければならない。しかし、他の塩を、製薬上許容される塩を製造するために用いることができ、本技術の一部として含まれる。かかる薬理学的及び製薬学的に許容しうる塩には、例えば、次の酸から製造されるものが含まれうる:臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン−p−スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ベンゼンスルホン酸など。製薬上許容される塩は又、ナトリウム、カリウム又はカルシウム塩などのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩としても製造することができる。
【0098】
ある実施形態において、医薬組成物は、緩衝用物質例えば酢酸塩、クエン酸塩、ホウ酸塩、及びリン酸塩を含むことができる。
【0099】
医薬組成物は、適宜、防腐剤例えばパラベン(ポリパラベン及びメチルパラベンを含む)、ソルビン酸カリウム、安息香酸及びその塩、パラヒドロキシ安息香酸の他のエステル例えばブチルパラベン、アルコール例えばエチル又はベンジルアルコール、フェノール化合物例えばフェノール、又は四級化合物例えば塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、及びチメロサールを含むこともできる。
【0100】
これらの医薬組成物は、通常、標準的投与形態で提供され、当業者に公知の方法で製造することができる。医薬組成物は、例えば、カプセル、錠剤、トローチ、懸濁液、スラリー、シロップ、エリキシル剤又は乳濁液の形態であってよい。
【0101】
結合剤の例には、様々なセルロース及び架橋したポリビニルピロリドン、微晶質セルロース(例えば、アビセル(Avicel) PH)、ケイ素化微晶質セルロース(SMCC)、及びマンニトールが含まれる。
【0102】
適当な潤滑剤には、圧縮される粉末配合物の流動性に作用する薬剤が含まれ、コロイド状二酸化ケイ素(例えば、アエロシル(Aerosil)(登録商標)200)、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、及びシリカゲルが含まれる。
【0103】
甘味料の例には、天然又は人工の甘味料、例えば、スクロース、キシリトール、ラクトース、サッカリン、シクラメート、アスパルテーム、及びアセサルフェーム並びにこれらの塩が含まれる。香味料の例は、マグナスウィート(Magnasweet)(登録商標)(MAFCO)、アカシアシロップ、カルダモン、キャラウェー、バニラ、サッカリン、グルコース、グリセリン、甘草、バブルガム風味、ペパーミント、冬緑油、及び果実フレーバー例えば桜桃(チェリー)又はオレンジ香味料である。
【0104】
適当な希釈剤には、製薬上許容される不活性な充填剤例えばコロイド状二酸化ケイ素、微結晶性セルロース(例えば、アビセル PH);リン酸水素カルシウム;マンニトール、ソルビトール、ラクトース、スクロース、及びグルコースを含む糖類;及び/又は前記の何れかの混合物が含まれる。
【0105】
適当な崩壊剤には、軽度に架橋したポリビニルピロリドン、コーンスターチ、ポテトスターチ、トウモロコシ澱粉、及び加工澱粉、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ナトリウム澱粉グリコレート、並びにこれらの混合物が含まれる。
【0106】
発泡剤の例には、発泡対、例えば、有機酸と炭酸塩又は重炭酸塩が含まれる。適当な有機酸には、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、コハク酸、及びアルギン酸並びに無水物及び酸性塩が含まれる。適当な炭酸塩及び重炭酸塩には、例えば、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、ナトリウムグリシンカーボネート、L−リジンカーボネート、及びアルギニンカーボネートが含まれる。或は、発泡対の酸成分だけが存在してもよい。
【0107】
ある実施形態では、本技術の医薬組成物は、即時放出型組成物である。他の実施形態では、この医薬組成物は、放出制御型組成物(徐放性組成物)である。この医薬組成物は、ある活性成分を比較的一定レベルで放出することができる。しかしながら、他の実施形態では、投与してすぐにより急速な放出が求められうる。他の実施形態では、活性な化合物の事象トリガー放出とすることができる。活性成分のトリガーとなる事象は、水分、低pH又は温度閾値への曝露であってよい。かかる組成物の配合は、公知の技術を用いる当業者の技術的水準内にある。この点で有用な、例証となるキャリアーには、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリアクリレート、ラテックス、澱粉、セルロース、デキストランなどの微粒子が含まれる。例証となるその他の遅延放出キャリアーには、非液体親水性コア(例えば、架橋した多糖類又はオリゴ糖類)と、任意に両親媒性の化合物、例えばリン脂質、を含む外、層を含む超分子バイオベクターが含まれる。ある実施形態で、除放性配合物に含まれる活性化合物の量は、投与部位、放出の速度と予定される持続時間、及び治療すべき病状による。
【0108】
様々な他の物質が、コーティングとして或は投薬単位の物理的形態を改変するために存在してよい。例えば、錠剤、ピル、又はカプセルは、シェラック、糖、又は両方でコートすることができる。
【0109】
幾つかの実施形態において、本技術の酵素組成物は、経口投与に適した投薬単位に形成され、活性化合物は、賦形剤と組み合わせていてもよく、摂取可能な錠剤、薬用キャンディー(ロゼンジ)、頬側錠剤(バッカル剤)、トローチ、カプセル、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、ウェハースなどの形態で用いてもよい。
【0110】
例えば、酵素組成物を、固体の、粉末の(pulverant)、キャリアー、例えばソルビトール、マンニトール、澱粉、アミロペクチン、セルロース誘導体又はゼラチンと混合することができ、並びに、減摩剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、及びポリエチレングリコールワックス類と混合することができる。この混合物を、次いで、圧縮して錠剤にすることができる。コートされた錠剤を所望するのであれば、上記の製造された錠剤を例えば砂糖の濃縮溶液などでコートすることができ、これは、アラビアゴム、ゼラチン、タルク、二酸化チタンを含むものでもよく、あるいは揮発性有機溶媒若しくは溶媒混合物に溶解させたラッカーでコートしてもよい。このコーティングへ、錠剤を異なる酵素の錠剤又は異なる量の酵素を含む錠剤と区別するために、様々な染料を加えることができる。
【0111】
ある実施形態では、この投薬単位形態は、カプセルである。このカプセルは、液体キャリアーを含むことができる。例えば、この投薬単位形態は、経口投与に適した軟質カプセル、例えば、一種以上の酵素の混合物を、植物油、又は非水性の水混和性物質、例えばポリエチレングリコールなど、と共に含むカプセルであってよい。或は、こ(れら)の酵素は、酵素の顆粒を、固体、粉末キャリアー、例えばソルビトール、マンニトール、ポテトスターチ、コーンスターチ、アミロペクチン、セルロース誘導体、又はゼラチンと併せて含むことのできる硬質カプセルに入れて提供することができる。
【0112】
本技術の他の実施形態は、ここに記載の酵素組成物の顆粒化形態を含む。顆粒化形態は、経口用錠剤の製造に有用であり、当分野で周知の他の技術も使用できるが、典型的には、次の方法により製造される。固体物質(一種以上の酵素を含む)を穏やかに粉砕し又は篩にかけて、所望の粒度とし、その結果生成したマスを、所望のサイズのステンレス鋼の篩に穏やかに通す。この混合物の層を、次いで、制御された乾燥ユニット中で決められた時間乾燥させて、所望の粒度及び堅さを達成する。この乾燥した混合物の顆粒を穏やかに篩にかけて任意の粉末を除去する。この混合物に、随意の崩壊剤、減摩剤、及び/又は付着防止剤を加えることができる。最後に、この混合物を、所望の錠剤サイズを得るのに適当なパンチとダイを有する機械を用いて、圧縮して錠剤にする。この機械の運転パラメーターは、当業者が選択することができる。
【0113】
本技術の他の実施形態は、吸入用の粉末を含む。
【0114】
本技術の一種以上の酵素又は酵素組成物は、この酵素又は酵素組成物を長時間例えば約2〜16時間にわたって放出する組成物中に配合(製剤)することもできる。幾つかの実施形態において、酵素又は酵素組成物は、約3〜約12時間にわたって放出される。例えば、酵素又は酵素組成物を、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、又は約11時間にわたって放出することができる。更に別の実施形態において、酵素又は酵素組成物は、約4〜約8時間にわたって放出される。当業者は、かかる徐放性配合物(徐放性製剤)を当分野で公知の方法により製造することができる。
【0115】
ある実施形態において、本技術の酵素組成物は、酸性の胃の条件下で、消化に抵抗するように安定化される。ある実施形態において、酵素組成物は、活性な薬剤を腸まで送達することを可能にする腸溶性コーティングを施すことができる。ある実施形態において、酵素組成物は、例えば、医薬製造業者に公知の保護用サブコーティングを有するか又は有しない腸溶性コーティング層を含む一以上の層に囲まれたコア中に存在していてもよい。サブコーティングを採用しない場合には、その腸溶性コーティングは、それが、コア中の活性成分が分解されないように選択することができる。
【0116】
この腸溶性層は、典型的には、腸溶性のポリマーを含む。代表的なポリマーには、メタクリル酸コポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート及びヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートが含まれるが、これらに限定されるものではない。種々のタイプのメタクリル酸コポリマー、例えば、メタクリル酸コポリマーA型(オイドラギット(Eudragit)(登録商標)L−100)、メタクリル酸コポリマーB型(オイドラギット(登録商標)S100)、メタクリル酸コポリマーC型(オイドラギット(登録商標)L100−55)、メタクリル酸コポリマー分散液(オイドラギット(登録商標)L30D−55)、メタクリル酸メチルメタクリレートとメチルメタクリレートのコポリマー(オイドラギット(登録商標)FS)及びこれらの混合物、例えば、オイドラギット(登録商標)L100−55とオイドラギット(登録商標)S100の重量比約3:1〜約2:1の混合物又はオイドラギット(登録商標)L30D−55とオイドラギット(登録商標)FSの重量比約3:1〜約5:1の混合物を使用することができる。
【0117】
この腸溶性層は、更に、別の薬剤、例えば、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート、セラック及び/又はゼインを含むことができる。随意に、この腸溶性層は、更に、抗粘着剤、例えば、タルク又はグリセリルモノステアレート;可塑剤、例えば、トリエチルシトレート又はポリエチレングリコール;及び/又は顔料、例えば、二酸化チタン又は酸化鉄を含む。この腸溶性層は、更に、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、アセチル化モノグリセリド、グリセリン、トリアセチン、プロピレングリコール、フタレートエステル(例えば、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート)、ひまし油、ソルビトール及びジブチルセッケートを含む一種以上の可塑剤を含むことができるが、これらに限定されるものではない。ある実施形態は、腸溶性層がヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、トリアセチン、シリカ及びステアリン酸を含む腸溶性コートされた製剤(配合物)を提供する。
【0118】
直腸投与のための投薬単位も、企図されている。これらは、酵素及び中性脂肪基剤を含む座薬の形態で製造することができる。或は、それらは、酵素を、植物油又はパラフィン油との混合物として含む、ゼラチン直腸カプセルの形態で製造することができる。
【0119】
非経口投与に適した組成物は、通常、活性成分の、好ましくは受容者(レシピエント)の血液と等張である無菌の水性又は非水性調製物を含む。適当なキャリアー及び溶剤は、例えば、リンゲル液及び等張塩化ナトリウム溶液である。通常、溶解又は懸濁化剤として、追加的に用いられるのは、無菌の不揮発性油である。
【0120】
グルテン不耐性の患者又はグルテン曝露を減じることを希望する患者への、一種以上の酵素組成物の投与のための方法及び組成物が、ここに提供される。ある実施形態において、これらの方法及び組成物は、患者が、グルテン含有食物を、グルテン不耐性を患っていない個人と同じく、健康上の重大な結果を生じることなく摂取することを可能にする。ある実施形態において、セリアック病を患っていない患者(対象)が、グルテン非含有食品に固執するすることなく、グルテンへの曝露を減じ又は制限することを望むこともできる。別な例として、この酵素組成物は、患者に、グルテン曝露の低減によって治療可能な病気、例えば、甲状腺疾患、例えば甲状腺機能低下症並びに神経疾患、例えば自閉症、小脳性運動失調症、末梢神経障害及び精神分裂症、を治療するためにも投与することができる。
【0121】
ある実施形態において、酵素又は酵素組成物は、単独で投与することもできるし、又は互いに、又は他の活性あるいは比活性の成分と組み合わせて投与することもできる。酵素又は酵素組成物の組合せを用いる場合、少なくとも2種の異なる酵素又は酵素組成物の同時投与又は順次的投与が企図される。
【0122】
ある実施形態においては、同時投与が企図され、酵素又は酵素組成物の組合せが、経口投与に適した投薬単位形態である。この場合、活性化合物を賦形剤に組み込むことができ、摂食可能な錠剤、薬用キャンディー(ロゼンジ)、口腔錠(バッカル錠)、トローチ、カプセル、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、ウェハースなどの形態で使用することができる。この酵素又は酵素組成物の組合せは、GDEP−LGG、GDEP−LNA、GDEP−M、GDEP−2A、GDEP−AH、オリジン、NPI、NPII、アオルシンA、アオルシンB、CPY、パパイン、活性化パパイン、精製パパイン、又はキモパパインの少なくとも2つを含むことができる。本技術の酵素組成物は、更に、ペニシリウム・シトリナムからの調製物を含むことができる。
【0123】
ここで用いる場合、「治療上有効な量」という表現は、NCGS又はNCGIを含むグルテン不耐性を治療するのに有効な量を含む意味である。ある実施形態において、「治療上有効な量」という表現は、α−2グリアジン由来の33量体を含むグルテンオリゴペプチドに対する患者の曝露を減じるのに有効な量、又はα−2グリアジン由来の33量体を含むグルテンオリゴペプチドの抗原性を減じるのに有効な量を指すために用いることもできる。この量は、患者ごとに異なり、一般に、ヒト患者一人について、約20〜約1000mgの範囲で変化しうる。他の実施形態においては、これらの量は、ヒト患者一人当たり、約100〜約500mgに及ぶ。例えば、この量は、ヒト患者一人当たり、約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、又は約450mgであってよい。典型的投薬量は、ヒト患者一人につき、約200mgである。本技術の酵素組成物の治療上有効な量は、毎日、一回、投与することができる。或は、治療上有効な量を、毎日複数回に分けて、分けた量で投与することができる。投与計画としては、約200mgの酵素組成物を、日に2回与えることを例示できる。他のヒト患者用の投与計画としては、約200mgの酵素組成物を、グルテン含有食物を摂取した場合いつでも与えることを例示できる。あるいは別な適切な投与計画を、当業者は、決定することができる。
【0124】
当業者が認識するであろうように、活性成分の治療上有効な量は、例えば、用いた特定の化合物の活性;特定の患者又は患者集団の年齢、体重、一般的健康状態、性別、及び食事;投与の時間、吸収速度、及び排泄速度;別々に又は組み合わせて摂取した他の薬物との潜在的相互作用;及び治療効果が期待される特定の病気、症状(状態)又は異常の重症度を含む様々な因子によって変化する。投与量は、特定の化合物の投与に伴って起きうる副作用の存在、性質及び程度によっても決められる。特定の投薬量に影響を与える他の因子には、例えば、特定の患者に投与される特定の化合物に関するバイオアベイラビリティー、代謝プロフィル、及び薬力学が含まれる。例えば、治療上有効な量としては、必要な又は望ましい治療応答を引き出すのに十分な酵素組成物の量、例えば、患者に投与した場合に生物学的又は治療的応答を引き出すのに十分な量をあげることができる。
【0125】
ある実施形態において、「投与すること」という用語は、患者を、本発明によって提供される組成物と接触させることをいう。例えば、ある実施形態においては、ここに提供する組成物は、経口投与に適しており、それにより、患者を組成物と接触させることは、それらの組成物を摂取することを含む。他の実施形態においては、投与方法には、腸細胞などの細胞での、特定の酵素の発現のレベルを増大させるための遺伝子改変又は酵素組成物を発現する微生物を、患者の腸管への導入することを含む。かかる細胞(これらは、患者に由来しない細胞であるが、患者に投与された際に免疫により拒絶されない細胞を含む)及び微生物は、幾つかの実施形態においては、製薬上許容される賦形剤中に配合され、又は食品中に導入される。更に別の実施形態においては、食品を、グルテンの有毒なオリゴペプチドを減じ又は除去するために、予備処理し又は酵素組成物と合わせることができる。
【0126】
当業者が容易に認識するように、患者を、ここに提供する組成物と接触させる方法は、例えば、投与方法;年齢、既往歴、患者に投与される他の薬剤、症状の重さ、患者の体重又は太りやすさ、他の薬物療法への屈折作用など(ただし、これらに限定する意図はない)の多くの変数に依存する。そして、一実施形態において、、当業者が認める任意の適当な経路を通じて、本技術の化合物を患者に投与する具体的方法が提供される。
【0127】
ここで用いる場合、「治療すること」という用語は、病気、異常又は状態(症状)の、進行を、排除すること;予防すること;実質的に阻害すること、遅延させること又は逆行させること;その臨床的及び/又は非臨床的症状を実質的に改善(寛解)すること;又はその臨床的及び/又は非臨床的症状の出現を実質的に予防すること又は遅延させることを指す。
【0128】
一実施形態において、用語「患者」は、状態(症状)又は後遺症の治療を必要とし又はその影響を受けるヒトを含むほ乳類を指す。この患者には、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ラット、及びマウス及びヒトが含まれる。用語「患者」は、すべての点で正常である個体を排除しない。
【0129】
前記の段落において、単数形の使用は、特に示さない限り、複数形を包含することができる。ここで用いる場合、単数形は、別途特定しない限り、「一以上」を意味する。加えて、本技術の態様が、代替可能な選択肢のリストに関連づけて記載されている場合には、本技術は、代替可能な選択肢のリストの各メンバー(要素)又は各サブグループのいずれか、及びこれら一以上の任意の組合せを包含する。
【0130】
すべての特許、公開公報(公開された特許出願を含む)、寄託受け入れ番号、及びデータベース受け入れ(アクセッション)番号の開示は、それにより、各特許、公開、寄託受け入れ番号、及びデータベース受け入れ番号が特定的及び個別的に参考として援用されるのと同程度に参考として援用される。
【0131】
本技術の範囲は、下記の特定の実施形態に限定されないということは理解されるべきである。本技術は、詳細に記載したもの以外で実施することができ、それも添付の特許請求の範囲に入る。
【0132】
同様に、下記の実施例は、本技術を一層完全に説明するために提示されるものである。それらは、決して、ここに開示した技術の広い範囲を限定するものと解するべきではない。
【実施例】
【0133】
実施例1:33量体ペプチドのGDEP−LGGによる分解。
33量体ペプチド(LQLQPFPQPQLPYPQPQLPYPQPQLPYPQPQPF (SEQ ID NO:1))を、GDEP−LGGと、様々な濃度(0mg/ml;0.1mg/ml、0.5mg/ml、及び1.0mg/ml)で、U.S. Pharmacopeiaの模擬的腸液(SIF;pH約6.8)中でインキュベートした。30μLの反応体積には、10μLの33量体ペプチド、10μLの酵素溶液、及び10μLの3×SIF緩衝液を含ませた。約15、30、60、120、及び240分間にわたって、約37℃で反応させてから、5分間、90℃にして酵素反応を終了させた。
【0134】
酵素処理した33量体の試料を、33量体ペプチドに対して作成されたHRP結合したポリクローナル抗体を用いる酵素結合免疫吸着検定法(「ELISA」)により分析した。
【0135】
33量体ペプチドのGDEP−LGGによる分解の時間経過及び投与量−応答分析の結果を、図1に示してある。GDEP−LGGとの(すべての濃度での)、約120分間にわたるインキュベーションは、33量体の抗原性を少なくとも約70%低下させた。
【0136】
実施例2:33量体ペプチドのGDEP−LGGの成分による分解。
GDEP−LGGの個々の成分(オリジン、NPI及びNPIIを含む)を、33量体に対する酵素活性について試験した。33量体ペプチド(1mg/ml)を、GDEP−LGG;3×GDEP−LGG(即ち、0.3mg/ml);オリジン;NPI;NPII;又はオリジン、NPI及びNPIIの組合せ(1:1:1及び2:1:4の比)を含む0.1mg/ml酵素溶液と、模擬的腸液(SIF;pH約6.8)の存在下でインキュベートした。30μLの反応体積には、10μLの33量体ペプチド、10μLの酵素溶液、及び10μLの3×SIF緩衝液を含ませた。約20、60、120、及び240分間にわたって、約37℃で反応させてから、5分間、90℃にして、酵素反応を終了させた。
【0137】
酵素処理した33量体の試料を、実施例1におけるように分析した。33量体のGDEP−LGG及び個々の成分酵素による分解を図2に示してある。GDEP−LGG(両方の濃度で試験した)との約60分間のインキュベーションは、33量体ペプチドの約90%の分解を生じた。オリジン単独では、33量体ペプチドを分解しなかった。NPI及びNPIIは、各々、限定的な33量体ペプチド分解能力を示した。これら3種の精製酵素(オリジン、NPI、及びNPII)を用いたGDEP−LGGの再構成体は、120及び240分で、33量体ペプチドの約50%の分解を生じた。
【0138】
オリジン、NPI、及び/又はNPIIを更に組み合わせて、それらが33量体ペプチドを分解する能力について試験した。33量体ペプチド(1mg/ml)を、グルテン分解酵素調製物;オリジン;NPI;及び/又はNPIIを含む、様々な濃度(0.1mg/ml、0.2mg/ml、0.4mg/ml又は0.8mg/ml)の酵素溶液と,模擬的腸液(SIF;pH約6.8)の存在下でインキュベートした。30μLの反応体積には、10μLの33量体ペプチド、10μLの酵素溶液、及び10μLの3×SIF緩衝液を含ませた。約60分間、約37℃で反応させてから、5分間90℃にして酵素反応を停止させた。
【0139】
酵素処理した33量体ペプチドの試料を、実施例1におけるように分析した。33量体をGDEP−LGG及びその個々の成分酵素並びにそれらの様々な組合せによって分解して、図3に示した。NPI単独では、33量体ペプチドの約40%を分解した(図3B)。NPII単独では、33量体ペプチドの約20〜30%を分解した(図3B)。オリジンは、最低濃度では、33量体ペプチドを分解しなかった(図3B)。しかしながら、一層高濃度(0.4mg/ml及び0.8mg/ml)では、オリジンは、33量体ペプチドの約10〜20%を分解した(図3B)。3種類の精製酵素(オリジン、NPI,及びNPII)を用いたGDEP−LGGの再構成体は、33量体ペプチドを約30〜約50%分解した。しかしながら、この組合せは、33量体の、GDEP−LGGと同じ分解パーセンテージを達成しなかった(図3B)。従って、GDEP−LGG中の他のプロテアーゼ又はペプチダーゼが、33量体の分解に関与していることはありうる。オリジンとNPIの組合せもNPIとNPIIの組合せも、相乗効果を生じないようである(図3C及び3E)。しかしながら、オリジンとNPIIの組合せは、相乗効果を達成することができる(図3D)。
【0140】
実施例3:GDEP−LGGと他の消化プロテアーゼの組合せ
33量体ペプチド(1mg/ml)を、0.25mg/mlの酵素溶液(ペプシン、プロテイナーゼK、又はGDEP−LGGを含む)と、模擬的腸液(SIF;pH約6.8)又は模擬的胃液(SGF;pH約2.0)の存在下でインキュベートした。40μLの反応体積には、10μLの33量体ペプチド、10μLの酵素溶液、及び20μLの2×SIF又はSGF緩衝液を含ませた。約15時間にわたって、37℃で反応させてから、5分間、90℃にした。
【0141】
酵素処理した33量体の試料を、アジレント(Agilent)1100HPLCシステムを用いる逆相高圧液体クロマトグラフィー(「HPLC」)により分析した。試料を、エクリプス(Eclipse)SB−C18(内径2.1mm×150mm、3.5um)カラムに導入した。(A)0.1%蟻酸を含む蒸留水と(B)0.1%蟻酸を含むアセトニトリルよりなる移動相を用いて、標的物質を、勾配モード(0分、2%B→10分、25%B→40分、40%B→45分、100%B→50分、100%B)にて溶出させた。流量は、0.2mL/分に設定し、注入体積は、5μLであった。検出は、ダイオードアレイ検出器(210、280)及び質量分光計により行なった。
【0142】
質量分光計は、API−ESポジティブモードで、次の条件を用いて操作した:乾燥ガスフロー13.0L/分;乾燥ガス温度280℃;ネブライザー圧60psig;及びキャピラリー電圧2000V。
【0143】
胃の条件(pH約2.0)において、ペプシンは、33量体ペプチドを殆ど加水分解しなかった(図4A)。同様に、腸条件(pH約6.8)においてプロテイナーゼKは、33量体ペプチドを殆ど加水分解しなかった(図4B)。腸条件において、GDEP−LGGは、33量体ペプチドを加水分解したが、必ずしもすべてのペプチド断片を除去しなかった(図4C)。
【0144】
実施例4:グルテン分解酵素調製物と他のアスペルギルス由来のプロテアーゼの比較
33量体ペプチド(1mg/ml)を、グルテンGDEP−LGG、GDEP−2A、GDEP−LNA、GDEP−M、又はプロテアーゼPと、SIF(pH約6.8)の存在下でインキュベートした。30μLの反応体積は、10μLの33量体ペプチド、10μLの酵素溶液(0.1mg/ml)、及び10μLの3×SIF緩衝液を含んだ。これらの反応を、約4時間にわたって、37℃で行なってから、5分間、90℃に加熱した。HPLC−MSによる分析を、実施例3に記載したように行なった。
【0145】
プロテアーゼPは、セミアルカリプロテアーゼであり、タンパク質分解酵素調製物である。プロテアーゼPは、小麦ふすま上で培養された選択されたアスペルギルス株を用いる独自の発酵過程により製造される。プロテアーゼP酵素は、水で抽出されて、エタノールによる分画により精製される。プロテアーゼPは、高いタンパク質分解活性を有する。
【0146】
PZH(SD)は、アスペルギルス・メレウスからのセミアルカリプロテアーゼである。これは又、この酵素の精製及び用途に応じて、プロテアーゼP、セアプローゼ又はプロテアーゼDSとも呼ばれる。プロテアーゼPは、高度には精製されておらず;セアプローゼ(セミアルカリプロテアーゼ)は、日本では、肺関連疾患に対する薬物として使用されてきた;プロテアーゼDSは、アスペルギルス・メレウスにより産生される酵素調製物である。
【0147】
この33量体ペプチドと、4時間にわたって、腸条件(pH約6.8)でインキュベートした場合、GDEP−LGGは、33量体を加水分解した(図5A)。しかしながら、33量体のGDEP−LGGによる加水分解は、反応時間を4時間に低減された場合、15時間と比べて効率は低かった(実施例3参照)。他のアスペルギルスプロテアーゼは、33量体ペプチドに対して、グルテン分解酵素調製物と類似の加水分解を示す(図5B−5E)。
【0148】
実施例5:GDEP−M及びGDEP−LGGの、様々なpHにおける33量体加水分解活性
33量体ペプチド(1mg/ml)を、GDEP-LGG又はGDEP−Mと、様々なpHでインキュベートした。30μLの反応体積には、10μLの33量体ペプチド、10μLの酵素溶液(0.1mg/ml)、及び10μLの50mMクエン酸緩衝液を含ませた。GDEP−Mのための緩衝液のpHは、3.0〜6.0の範囲とした(図6A−6D)。グルテン分解酵素調製物のための緩衝液のpHは、4.0〜6.0にの範囲とした(図6E〜6G)。半量のGDEP−Mも、pH4.0で試験した(図6H)。約4時間にわたって、37℃で反応させてから、5分間、90℃にした。HPLC−MSによる分析は、実施例3に記載の通りとした。
【0149】
GDEP−LGGとGDEP−Mの両者は、独立に、33量体ペプチドを、酸性pHで、高い効率で加水分解した。GDEP−Mは、酸性pHで、GDEP−LGGより、一層高い効率での加水分解を示した。
【0150】
実施例6:プロテアーゼ阻害剤の分析
前記の実施例は、GDEP−MとGDEP−LGGが、33量体ペプチド、例えばα−2グリアジン由来のものを、酸性pHで、効率よく加水分解することを示している。様々なプロテアーゼ阻害剤を、33量体の分解に効果的なGDEP−MとGDEP−LGGの成分を評価するために使用した。
【0151】
33量体ペプチド(1mg/ml)を、0.1mg/mlの酵素溶液(GDEP−LGG又はGDEP−M)とインキュベートした。33μLの反応体積には、10μLの33量体ペプチド、10μLの酵素溶液(0.1mg/ml)、10μLの50mMクエン酸緩衝液、及び3μLのプロテアーゼ阻害剤−PMSF、ペプスタチン、又はEDTAを含ませた。この緩衝液のpHは、約4.0であった。約4時間にわたって、37℃で反応させてから、5分間、90℃にした。HPLC−MSによる分析は、実施例3に記載の通りとした。
【0152】
33量体ペプチドと約4時間にわたって酸性条件下(pH約4.0)でインキュベートすると、GDEP−LGGは、33量体を加水分解した(図7A)。しかしながら、GDEP−LGGによる33量体の加水分解は、PMSFの存在下では、効率が低かった(図7B)。ペプスタチンもEDTAも、GDEP−LGGによる33量体ペプチドの加水分解を阻害しなかった(図7C及び7D)。
【0153】
33量体ペプチドと4時間にわたって酸性条件(pH約4.0)でインキュベートした場合、GDEP−Mは、33量体を加水分解した(図7E)。しかしながら、GDEP−Mによる33量体の加水分解は、PMSFの存在下では、効率が低かった(図7F)。ペプスタチンもEDTAも、GDEP−Mによる33量体ペプチドの加水分解を阻害しなかった(図7G及び7H)。
【0154】
ペプスタチンもEDTAも、GDEP−LGG又はGDEP−Mによる33量体ペプチドの加水分解を阻害しなかった。PMSFは、グルテン分解酵素調製物又はGDEP−Mによる33量体ペプチドの加水分解を阻害した。従って、酸性セリンプロテアーゼは、グルテン分解酵素調製物又はGDEP−Mによる33量体ペプチドの加水分解の主成分である。
【0155】
実施例7:アオルシン、GDEP−Mの成分による33量体ペプチドの加水分解
上記の実験は、酸性セリンプロテアーゼが、33量体に対するGDEP−Mの加水分解活性に寄与することを示している。アオルシンは、GDEP−M中に存在する酸性セリンプロテアーゼである。
【0156】
アオルシンA及びアオルシンBを含むGDEP−Mの個々の成分を、33量体に対する酵素活性について試験した。33量体ペプチド(1mg/ml)を、アオルシンA又はアオルシンBを含む1.0mg/mlの酵素溶液と、クエン酸緩衝液(pH約4.0)の存在下でインキュベートした。30μLの反応体積には、10μLの33量体ペプチド、10μLのアオルシン溶液、及び10μLの50mMクエン酸緩衝液を含ませた。約15分、30分、60分、及び240分間わたって約37℃で反応させてから、5分間、90℃にして、酵素反応を停止させた。
【0157】
HPLC−MSによる分析を、実施例3に記載の通りとした。33量体ペプチドと酸性条件(pH約4.0)下でインキュベートした場合、アオルシンAは、33量体を加水分解した(図8A−8D)。同様に、33量体ペプチドと酸性条件(pH約4.0)下でインキュベートした場合、アオルシンBは、33量体を加水分解した(図8E−8H)。
【0158】
アオルシンで約240分間処理した33量体の試料は実施例1に記載のようにも分析した。33量体のアオルシンによる分解は、図9に示した。アオルシンA又はBとの約240分間のインキュベーションは、33量体ペプチドを完全分解した。
【0159】
実施例8:カルボキシペプチダーゼYとミキソコッカス・ザンサスプロリルエンドペプチダーゼの様々なpHでの33量体加水分解活性
33量体ペプチド(1mg/ml)を、サッカロミセス・セレビシエ由来のCPY又はミキソコッカス・ザンサスのプロリルエンドペプチダーゼ(「MX−PEP」)と様々なpHでインキュベートした。30μLの反応体積には、10μLの33量体ペプチド、10μLの酵素溶液(0.1mg/ml)、及び10μLの緩衝液を含ませた。この緩衝液のpHは、4.0から7.0の範囲とした(CPYについては、図10A−10D、及びMX−PEPについては、図10E−10H)。約4時間にわたって、37℃で反応させてから、5分間、90℃にした。HPLC−MSによる分析は、実施例3に記載の通りとした。
【0160】
MX−PEPは、33量体ペプチドを酸性pHで加水分解しなかった。CPYは、33量体ペプチドを酸性pHで完全に加水分解した。この結果は、CPYは、中性の至適pHを有するエキソペプチダーゼとして知られているので、驚くべきことである。しかしながら、ここに示したデータは、CPYが、33量体ペプチドに対しては酸性の至適pHを有することを示している。
【0161】
実施例9:カルボキシペプチダーゼYとプロリルエンドペプチダーゼの比較
33量体ペプチド(1mg/ml)を、酵素溶液(CPY、MX−PEP、又はアスペルギルス・ニガープロリルエンドペプチダーゼ(「AN−PEP」)を含む)とインキュベートした。AN−PEPは、例えば、ブリュワーズ・クラレックス(商標)(DSM)として市販されている。CPYとAN−PEPを酸性pH(pH約5.0)でインキュベートした。MX−PEPを、SIF(pH約6.8)の存在下でインキュベートした。30μLの反応体積には、10μLの33量体ペプチド、10μLの酵素溶液、及び10μLの緩衝液を含ませた。
【0162】
各酵素を、4通りの濃度:0.1mg/ml、0.05mg/ml;0.025mg/ml、及び0.0125mg/mlで試験した。約4時間にわたって、約37℃で反応させてから、5分間、90℃にして酵素反応を停止させた。CPY、MX−PEP、及びAN−PEPについての投与量応答の結果は、図11A−11D(CPY)、図11E−11H(MX−PEP)、及び図11I−11L(AN−PEP)に示した。
【0163】
各酵素(0.1mg/mlの濃度)は、4つの時点:約15分、30分、60分、及び240分でも試験した。HPLC−MSによる分析を、実施例3に記載の通りとし、CPY、MX−PEP、及びAN−PEPについてのこの分析の結果を、図11M−11P(CPY)、図11Q−11T(MX−PEP)、及び図11U−11V(AN−PEP)に示す。ELISAによる分析も、実施例1に記載されたように行ない、この分析の結果は、図12に示す。
【0164】
CPY、MX−PEP、及びAN−PEPは、33量体ペプチドを加水分解する。AN−PEPは、33量体ペプチドに対する最強の活性を有し、その次がCPYで、その次がMX−PEPである。
【0165】
実施例10:イン・ビトロ胃腸管モデル
イン・ビトロ胃腸モデルを用いて、GDEP−LGG、GDEP−M及びCPYを含む様々な酵素の消化効率を評価した。
【0166】
動物により摂取されることが意図され又は合理的に予想される、小麦グルテン及び市販の食品に対するGDEP−LGGの消化効率を試験するために、下記のモデルを用いた:
【0167】
135mlの溶液を、100mlの2.7%ウシ血清アルブミン;5mlの3%胃粘膜ムチン;10mlのNaCl 13.2g+CaCl22H2O 0.22g/100ml;及び20mlのpH4.0の酢酸緩衝液を用いて調製した。この溶液を、37℃で、約20分間にわたってインキュベートした。この予備処理後に、5mlの0.2%ペプシン及び10mlの1.47%EZ−GEST(登録商標)(Shaklee)を、この溶液に加えた。t=0分に、ペプチド含有物質(例えば、小麦グルテン又は市販の食料品)を、この溶液に加えて、約120分間インキュベートした。このインキュベーションの期間中に(t=5分、t=20分、t=35分、t=50分、t=65分)、4mlの0.2N HClをこの混合物に加えて、その酸性度を維持した。
【0168】
t=120分に、3.0g 重炭酸ナトリウム(NaHCO3)、0.31g TDCA、及び150mg パンクレアチンを、この混合物に加えて、腸条件を模倣した。この混合物を、次いで、約37℃で約60分間にわたってインキュベートした(t=180分まで)。この混合物を、t=0分、t=30分、t=60分、t=90分、t=120分、t=130分、t=140分、t=150分、及びt=180分において、1ml取り出すことによりサンプリングした。
【0169】
GDEP−LGGの、33量体に対する消化効率を、33量体ペプチド源として様々な市販の食料品を用いて、表1及び2に示した。表1のデータは、示した33量体源の、200mgのGDEP−LGGとの180分間のインキュベーションを反映している。表2に示したデータは、示した33量体源の、示した量のGDEP−LGGとの180分間のインキュベーションを反映している。
【表1】

【表2】

【0170】
更に、0〜200mgの範囲の様々な投与量のGDEP−LGGを、10g小麦グルテンに対して、上記の胃腸管モデルで試験した。図13は、小麦グルテンと33量体ペプチドのGDEP−LGGによる消化を示している。上記の200mgGDEP−LGGの投与量は、グリアジンの約80%及び33量体の約80%を消化した。
【0171】
33量体に対するCPYとGDEP−Mの消化効率を調べるために、別のイン・ビトロ胃腸管モデルを採用した。
【0172】
この33量体(300μg)とペプシン(30μg)を、100μLの20mM酢酸緩衝液(pH4.5)に加えた。CPY単独、GDEP−M単独、又はCPYとGDEP−Mの組合せも加えた。この溶液を、これらの胃条件下で37℃で約60分間にわたってインキュベートした。次いで、pHを、500mM Na2HPO4の添加により6.8に調節した。腸内酵素、トリプシン(20μg)及びキモトリプシン(20μg)も又、この時点で加えた。この溶液を、更に、腸条件下で37℃で約60分間インキュベートしてから、5分間、90℃にして、酵素反応を停止させた。HPLC−MSによる分析は、実施例3に記載の通りとした。
【0173】
HPLC−MSによる分析は、実施例3に記載した。消化酵素単独(ペプシン、トリプシン及びキモトリプシン)は、33量体ペプチドを消化することができなかった(図14A)。GDEP−M、CPY、及びGDEP−MとCPYの組合せは、33量体ペプチドを、人工的胃腸条件下で効率的に消化した(図14B−14D)。実施例1に記載したようにELISAによる分析も行った。GDEP−M単独は、33量体ペプチドの約87%を消化し、CPY単独は、33量体ペプチドの約95%を消化し、GDEP−MとCPYの組合せは、33量体ペプチドの約99〜100%を消化した(図15)。
【0174】
実施例11:33量体ペプチドのCPY及びGDEP−LGGによる加水分解
この33量体(1mg/ml)を、GDEP−LGG、CPY、又はGDEP−LGGとCPYの組合せと、SIF(pH約6.8)の存在下でインキュベートした。30μLの反応体積に、10μLの33量体ペプチド、10μLの酵素溶液(0.1mg/ml)、及び10μLの3×SIF緩衝液を含ませた。約4時間にわたって、37℃で反応させてから、5分間、90℃にした。HPLC−MSによる分析は、実施例3に記載の通りとした。
【0175】
GDEP−LGGは、33量体ペプチドを加水分解して、残留ペプチド、例えば1−30、6−33及び4−33を生成した(図16A)。CPYは、効率的に、33量体ペプチドを加水分解して、残留ペプチドは、約20アミノ酸長であった(図16B)。GDEP−LGGとCPYでの処理は、33量体ペプチドを加水分解し;残留ペプチドは、何れかの酵素組成物単独で用いた場合より遥かに少なかった(図16C)。
【0176】
実施例12:GDEP−LGGプロテアーゼ活性
GDEP−LGGを、DEAEクロマトグラフィーを用いて分画した。各画分を、タンパク質濃度、33量体ペプチド分解活性、プロリルエンドペプチダーゼ活性、及びプロテアーゼ活性について分析した。タンパク質濃度を、280nmで評価した。プロリルエンドペプチダーゼ活性を、基質のZ−Gly−Pro−pNAを用いて評価した。プロテアーゼ活性を、アゾカゼイン及び市販の蛍光共鳴エネルギー転移基質−25Xaa(「FRETS−25Xaa」)シリーズを用いて分析した。
【0177】
FRETS−25Xaa製品は、下記の一般的構造を有する:
【化1】

【0178】
FRETS−25Xaaシリーズ中の各基質(コード3701−v−コード3719−v)は、アミノ末端D−2,3−ジアミノプロピオン酸(D−A2pr)残基の側鎖に結合された高度に蛍光性の2−(N−メチルアミノ)ベンゾイル(Nma)基を含み、これは、Lysの官能基に結合された2,4−ジニトロフェニル(Dnp)基により効率的に消光される。Xaaは、Cysを除く19の天然アミノ酸のいずれかの固定位置を表している(製品名コード3701−v−コード3719−vで記されている)。各固定されたXaaにつき、5種のアミノ酸残基(P、Y、K、I、及びD)の混合物がYaa位置にあり、さらにZaa位置に5種のアミノ酸残基(F、A、V、E、及びR)の混合物がある。これは、各Xaaシリーズに25の組合せのペプチド混合物を提供し、総計で475ペプチド基質のコンビナトリアルライブラリーとなる。NmaとDnpの両基は、個々の残基の側鎖に結合されており、これは、酵素特異的な質量分析法及びエドマン分解などにより開裂部位の決定を可能にする。関心ある酵素が基質中のD−A2pr(Nma)とLys(Dnp)の間のペプチド結合を開裂した場合には、λex=340nm及びλem=440nmの蛍光が、Nmaフルオロフォアの内部Dnpクエンチャーからの放出に比例して、増大する。
【0179】
GDEP−LGGは、アゾカゼイン及びFRETS−25Proの分解により評価されているように、有意なプロテアーゼ活性を有している(図17A)。プロテアーゼ活性は、2つの主要な画分であるDEAE透過性画分とDEAE吸着画分に分割された(図17A)。GDEP−LGGは、基質Z−Gly−Pro−pNAで測定されたように、極僅かなプロリルエンドペプチダーゼ活性を有している(図17B)。それにもかかわらず、GDEP−LGGは、驚くべきことに、33量体ペプチドに対して有意な活性を有しており、これは、2つの主要な画分であるDEAE透過画分とDEAE吸着画分に分割された(図17B)。
【0180】
実施例13:イン・ビトロ胃腸管モデル(12.5mg、25mg、37.5mg、50mg、100mg、200mg及び400mgの投与量の酵素)
イン・ビトロ胃腸管モデルを用いて、様々な酵素の、投与量12.5mg、25mg、37.5mg、50mg、100mg、200mg及び400mgの場合の消化効率を評価した。
【0181】
動物に摂取されることが意図され又は合理的に予想されるグルテンに対する様々な酵素の消化効率を調べるために、下記のモデルを採用した。
【0182】
135mlの溶液を、100mlの2.7%ウシ血清アルブミン;5mlの3%胃粘膜ムチン;10mlのNaCl 13.2g+CaCl22H2O 0.22g/100ml;及び20mlのpH4.0の酢酸緩衝液を用いて調製した。この溶液を、37℃で、約20分間にわたってインキュベートした。この予備インキュベーションの後に、5mlの0.2%ペプシン及び10mlの様々な投与量の酵素(12.5mg、25mg、37.5mg、50mg、100mg、200mg及び400mg)を、この溶液に加えた。t=0で、グルテンを、この溶液に加えて、約120分間にわたってインキュベートした。このインキュベーション期間中に、4mlの0.2N HClアリコートを、この混合物に加えて、混合物の酸性を維持した(t=5分、t=20分、t=35分、t=50分、t=65分)。
【0183】
t=120分の時点で、3.0g 重炭酸ナトリウム(NaHCO3)、0.81g デオキシコール酸塩、及び150mg パンクレアチンを、この混合物に加えて、腸条件を模倣した。この混合物を、次いで、約37℃で、約60分間にわたって(t=180分まで)インキュベートした。この混合物を、t=0分、t=30分、t=60分、t=90分、t=120分、t=130分、t=140分、t=150分、及びt=180分の時点で、1mlを取り出すことにより、サンプリングした。
【0184】
グルテンを33量体ペプチドの起源として用いて、33量体ペプチドに対する酵素の残留率を図18A−18Eに示した。これらの数値は、グルテンを、表示された各酵素(単数及び複数)の12.5mg、25mg、37.5mg、50mg、100mg、200mg又は400mgとの180分間にわたるインキュベーションを反映している。ELISAによる分析は、実施例1に記載の通りとした。
【0185】
GDEP−LGGは、33量体を33量体ペプチドのグルテン起源から、大きく減少させ又は排除するのに有効であった(図18B、18E)。
【0186】
実施例14:イン・ビトロ胃腸管モデル(投与量50mg、100mg、200mg及び400mgのグルテン分解酵素調製物)
イン・ビトロ胃腸管モデルを用いて、投与量50mg、100mg、200mg及び400mgのGDEP−LGGの消化効率を評価した。
【0187】
動物により摂取されることが意図され又は合理的に予想される市販の食品に対するグルテン分解酵素調製物の消化効率を調べるために、下記のモデルを採用した。
【0188】
135mlの溶液を、100mlの2.7% ウシ血清アルブミン;5mlの3%胃粘膜ムチン;10ml NaCl 13.2g+CaCl22H2O 0.22g/100ml;及び20mlのpH4.0のアセテート緩衝液を用いて調製した。この溶液を、37℃で、約20分間インキュベートした。この予備インキュベーション後に、5mlの0.2% ペプシン及び10mlの様々な投与量のGDEP−LGG(50、100、200又は400mg)をこの溶液に加えた。t=0分で、ペプチド含有物質(例えば、市販の食品)を、この溶液に加えて、約120分間インキュベートした。このインキュベーション期間中、4mlの0.2N HClアリコートを、この混合物に加えて、混合物の酸性度を維持した(t=5分、t=20分、t=35分、t=50、分、t=65分)。
【0189】
t=120分で、3.0g 重炭酸ナトリウム(NaHCO3)、0.81gデオキシコール酸塩、及び150mgパンクレアチンを、この混合物に加えて、腸条件を模倣した。次いで、この混合物を、約37℃で、約60分間(t=180分まで)インキュベートした。この混合物を、t=0分、t=30分、t=60分、t=90分、t=120分、t=130分、t=140分、t=150分、及びt=180分の時点で、1ml取り出すことにより、サンプリングした。
【0190】
33量体ペプチド起源としての市販の食品の、GDEP−LGGでの処理後の33量体ペプチドの残留率を、図19A−19Eに示し、表3にまとめた。表3中のデータは、33量体の示された起源の、50mg、100mg、200mg又は400mgのGDEP−LGGとの180分間にわたるインキュベーションを反映している。ELISAによる分析は、実施例1に記載の通りとした。
【表3】

【0191】
GDEOP−LGGは、様々な市販の33量体ペプチド起源から、該33量体を大きく低減させ又は排除するのに有効であった。33量体の残留率は、一般に、すべての起源を通して、GDEP−LGGの投与量が高いほど減少した(図19A〜19E)。
【0192】
実施例15:イン・ビトロ胃腸管モデル:50mg、100mg、200mg及び400mgの投与量における、GDEP−LGGとGDEP−Mの比較
【0193】
イン・ビトロ胃腸管モデルを用いて、50mg、100mg、200mg及び400mgの投与量における、GDEP−LGGとGDEP−Mの各々の消化効率を比較した。
【0194】
動物により摂取されることが意図され又は合理的に予想される市販の食品に対するGDEP−LGGとGDEP−Mの消化効率を調べるために、下記のモデルを採用した。
【0195】
135mlの溶液を、100mlの2.7%ウシ血清アルブミン;5mlの3%胃粘膜ムチン;10ml NaCl 13.2g+CaCl22H2O 0.22g/100ml;及び20mlのpH4.0のアセテート緩衝液を用いて調製した。この溶液を、37℃で、約20分間インキュベートした。この予備インキュベート後に、5mlの0.2%ペプシン及び10mlの様々な量のGDEP−LGG又はGDEP−M(50、100、200又は400mg)をこの溶液に加えた。t=0において、ペプチド含有物質(例えば、市販の食品)をこの溶液に加えて、約120分間にわたってインキュベートした。このインキュベーション期間中、4mlの0.2N HClアリコートを、この混合物に加えて、混合物の酸性度を維持した(t=5分、t=20分、t=35分、t=50分、t=65分)。
【0196】
t=120分では、3.0g 重炭酸ナトリウム(NaHCO3)、0.81gデオキシコール酸塩、及び150mgパンクレアチンを、この混合物に添加して、腸条件を模倣した。次いで、この混合物を、約37℃で、約60分間(t=180分まで)インキュベートした。この混合物を、t=0分、t=30分、t=60分、t=90分、t=120分、t=130分、t=140分、t=150分、及びt=180分の時点で、1ml取り出すことにより、サンプリングした。
【0197】
33量体ペプチドの起源としての市販の食品のGDEP−LGG又はGDEP−Mでの処理後の33量体ペプチドの残留率を、図20A−20Hに示し、表4にまとめた。表4のデータは、示された起源の33量体の、50mg、100mg、200mg又は400mgのGDEP−LGG又はGDEP−Mとの180分間にわたるインキュベーションを反映している。ELISAによる分析は、実施例1に記載の通りとした。
【表4】

【0198】
GDEP−LGGは、様々な市販の33量体ペプチド源からの33量体を大きく低減させ又は排除するのに効果的であり、様々な市販の33量体ペプチド源からの33量体を低減させ又は排除するのにGDEP−Mよりも一層効果的であった。33量体の残留率は、一般に、すべての起源について、GDEP−LGG又はGDEP−Mの量を増やすことによって低減した(図20A-20H)。
【0199】
実施例16:GDEP−LGGの既存の製品との比較
GDEP−LGGの既存の製品と比較しての消化効率を評価するために、下記のイン・ビトロモデルを採用した。
【0200】
135mlの溶液を、100mlの2.7%ウシ血清アルブミン;5mlの3%胃粘膜ムチン;10ml NaCl 13.2g+CaCl22H2O 0.22g/100ml;及び20mlのpH4.0のアセテート緩衝液を用いて調製した。この溶液を、37℃で、約20分間インキュベートした。この予備インキュベーション後に、5mlの0.2%ペプシンと10mlの酵素組成物(100mg GDEP−LGG;2カプセルの「グルテン ゲスト」(Allergy Research Groupより入手可能);2カプセルの「グルテン−ザイム」(BioCareより入手可能);又は1カプセルの「グルテンイーズ」(Enzymedicaより入手可能);2カプセルの「グルテン−ザイム プラス」(BioCareより入手可能);又は2カプセルの「スペクトラムザイム」(BioCareより入手可能))を、この溶液に加えた。t=0分で、市販の33量体ペプチドをこの溶液に加えて、約120分間インキュベートした。このインキュベーション期間中、4mlの0.2N HClアリコートをこの混合物に加えて、混合物の酸性度を維持した(t=5分、t=20分、t=35分、t=50分、t=65分)。
【0201】
t=120分において、3.0gの重炭酸ナトリウム(NaHCO3)、0.81gデオキシコレート、及び150mg パンクレアチンを、この混合物に加えて、腸状態を模倣した。次いで、この混合物を、約37℃で、約60分間(t=180分まで)インキュベートした。この混合物を、t=0分、t=30分、t=60分、t=90分、t=120分、t=130分、t=140分、t=150分、及びt=180分の時点で、1ml取り出すことにより、サンプリングした。
【0202】
分析を、実施例1に記載のようにELISAによって、実施例3に記載のようにHPLC−MSによって、行なった。これらの結果は、図21Aに示し、表4にまとめた。
【表5】

GDEP−LGGの3つのロットは、すべて、33量体ペプチドを大きく低減させ又は排除した。3つのグルテン分解酵素調製物のロットは、すべて、3つの試験した既存の製品より有意に低い残留率を有し、ロット3は、最低残留率6.2%を示した。各市販製品の個々のクロマトグラフは、図21B−21Oに示した。
【0203】
実施例17:33量体ペプチドのパパインによる分解
この33量体ペプチド(1mg/ml)を、約4.5のpHのパパインとインキュベートした。30μLの反応体積には、10μL 33量体ペプチド、10μL 酵素溶液(0.1mg/ml)及び10μL 緩衝液を含ませた。この緩衝液のpHは、約4.5であった。約1時間にわたって、37℃で反応させてから、5分間、90℃にして、酵素反応を停止させた。HPLC−MSによる分析は、実施例3に記載の通りとした。
【0204】
この分析の結果は、図22に示した。パパインは、33量体ペプチドを、約4.5のpHで、完全に加水分解した。
【0205】
実施例18:カチオン交換クロマトグラフィーによるパパインの精製
パパインを、GE Health Care製のAKTA精製装置を用いてカチオン交換クロマトグラフィーにより精製した。pH約5.0の50mMアセテート緩衝液中のパパインW−40バルクの20%酵素溶液を、pH約5.0の50mMアセテート緩衝液によるPD10カラムを用いて脱塩した。試料は約1.4倍に希釈された。試料を、40mMSPセファロースFFカラムに導入した。(A)50mMビス−トリスHCl緩衝液(pH約5.0)と(B)1M NaClを含む50mMビス−トリスHCl緩衝液(pH約5.0)よりなる移動相を用いて、標的物質を、勾配モード(40mLでのアプライ;80mLでのフロースルー;600mLでの溶出1、 0→600mM NaCl;600mM NaClを含む120mLでの溶出2;1M NaClを用いる120mLでの洗浄)にて溶出させた。流量は、5.0mL/分に設定し、注入体積は、10mLであり、画分サイズは10mLであった。検出を、280nmの光学密度(吸光度)で行なった。
【0206】
この精製の結果を、図23に示した。各画分を、33量体ペプチドと約pH4.5でインキュベートした。30μLの反応体積には、10μLの33量体ペプチド、10μLの酵素溶液(0.1mg/ml)及び10μLの緩衝液を含ませた。この緩衝液のpHは、約4.5であった。約1時間にわたって37℃で反応させて、次いで、5分間、90℃にして、酵素反応を停止させた。HPLC−MSによる分析は、実施例3に記載の通りとした。
【0207】
この分析の結果は、図23に示した。ピーク3からの画分は、33量体ペプチドをpH約4.5で、完全に加水分解した。
【0208】
SDS−PAGEゲルを、カチオン交換クロマトグラフィー分析の各画分につき調製した。これらのSDS−PAGEゲルの結果は、図24に示した。各ピーク(タンパクは、一致する分子量を示した。
【0209】
カチオン交換クロマトグラフィー精製によって得られたピーク2及び3を、更に、逆相クロマトグラフィーにより精製して、N末端配列分析により同定した。この分析の結果は、図25A及び25Bに示した。
【0210】
実施例19:疎水性相互作用クロマトグラフィーによるパパイン精製
実施例18で行なったカチオン交換クロマトグラフィー分析でのE9画分を、更に、GE health care製のAKTA精製装置を用いる疎水性相互作用クロマトグラフィーにより精製した。E9画分の酵素溶液を、同体積の2.4M硫酸アンモニウム(50mMピペス (Pipes)緩衝液(pH約6.5)中)に加えて、pH約6.5の25mMピペス緩衝液中の1.2M硫酸アンモニウムの中の最終試料とした。試料を5mLのハイトラップブチルFF(Hitrap Butyl FF)カラムに導入した。(A)pH約6.5の25mMピペス緩衝液中の1.2M硫酸アンモニウムと(B)pH約6.5の25mMピペス緩衝液よりなる移動相を用いて、標的物質を、勾配モード(20mLのアプライ;5mLのフロースルー;100mLの溶出1 1.2M→0mM硫酸アンモニウム;25mLの溶出2、0mM硫酸アンモニウム)にて溶出した。流量を4.0mL/分に設定し、注入体積は10mLであり、画分サイズは2.5mLであった。検出を、280nmの光学密度(吸光度)で行なった。
【0211】
この精製の結果は、図26に示した。実施例18のカチオン交換クロマトグラフィーの結果と異なり、ピーク3は、2つの分離したピークとして現れている。これらのピークは、図において、ピーク3−1及びピーク3−2と表示した(図26A−26B)。
【0212】
これらの画分を、実施例18に記載したように、FRETS−25Xaa法を用いて加水分解した。10μLの酵素溶液を、100μLの10μMの基質(50mMアセテート緩衝液中)に加えて、37℃で、約1時間インキュベートしてから、5分間、90℃にして、酵素反応を停止させた。
【0213】
このFRETS−25Xaa分析の結果は、図27に示す。ピーク3−1で表された画分は、33量体ペプチドを完全に加水分解した。
【0214】
実施例20:逆相クロマトグラフィーによるパパインの精製
実施例19でピーク3−1及び3−2として示された酵素溶液を、更に、逆相クロマトグラフィーを用いて精製した。
【0215】
この逆相クロマトグラフィーの結果は、図28に示す。
【0216】
実施例21:パパインと他の酵素の比較
イン・ビトロ胃腸管モデルを用いて、パパインと他の酵素の消化効率を様々な量で評価した。
【0217】
135mlの溶液を、100mlの2.7%ウシ血清アルブミン;5mlの3%胃粘膜ムチン;10ml NaCl 13.2g+CaCl22H2O 0.22g/100ml;及び20mlのpH4.0のアセテート緩衝液を用いて調製した。この溶液を、37℃で、約20分間インキュベートした。この予備インキュベーション後に、5mlの0.2%ペプシンと10mlの様々な量の酵素(5、10、40、50、100及び400mg)をこの溶液に加えた。t=0分で、市販の33量体ペプチドを、この溶液に加えて、約120分間インキュベートした。このインキュベーション期間中に、4mlの0.2N HClアリコートを、この混合物に加えて、酸性度を維持した(t=5分、t=20分、t=35分、t=50分、t=65分)。
【0218】
t=120分で、3.0gの重炭酸ナトリウム(NaHCO3)、0.81gデオキシコレート、及び150mgパンクレアチンを、この混合物に加えて、腸条件を模倣した。次いで、この混合物を約37℃で約60分間(t=180分まで)インキュベートした。この混合物を、t=0分、t=30分、t=60分、t=90分、t=120分、t=130分、t=140分、t=150分、及びt=180分において、1ml取り出すことにより、サンプリングした。
【0219】
酵素の33量体ペプチドに対する残留率を、図29に示した。ELISAによる分析は、実施例1に記載の通りとした。
【0220】
パパインのすべての形態は、33量体を大きく低減し又は排除するのに有効であった。33量体の残留率は、概して、酵素量を増大させると低減した(図29)。
【0221】
実施例22:パパインの還元剤による活性化
還元剤の存在下でのパパインの活性を試験するために、下記の試験法を採用した。
【0222】
パパインとGDEP−LGGを、還元剤(グルタチオン、ジチオスレイトール(「DTT」)、L−システイン、又はN−アセチル−L−システイン)の存在下及び非存在下で、プロテアーゼ活性について、FRETS−25Xaa法を用いて、実施例16に記載のように分析した。10μLの酵素溶液を、100μLの10μM Nma−YPQPQLPYPK(Dnp)−DArg−DArg−NH2ペプチド(pH4.5の50mMアセテート緩衝液又は1mMの還元剤を加えた50mMアセテート緩衝液中)に加えた。この溶液を、約1時間、37℃でインキュベートしてから、5分間、90℃にして、酵素反応を停止させた。
【0223】
DTTとグルタチオン還元剤は、パパインのFRETS活性を活性化したが、GDEP−LGGのFRETS活性を有意に活性化しなかった(図30A)。すべての還元剤は、パパインを活性化した(図30B)。
【0224】
これらの還元剤を含む酵素溶液の33量体加水分解活性を、更に、試験した。30μLの反応体積には、10μLの1mg/mlの33量体ペプチド、10μLの酵素溶液(パパイン又はGDEP−LGG)及び10μLの50mMアセテート緩衝液(pH4.5)又は1mMの還元剤を含む50mMアセテート緩衝液を含有させて、約1時間、37℃でインキュベートして、次いで、酵素反応を停止させるために、5分間、90℃にした。HPLC−MSによる分析は、実施例3に記載の通りとした。すべての還元剤は、パパインの33量体加水分解活性を活性化した(図30C)。
【0225】
実施例23:GDEP−LGG、様々なパパインGDEP−LGG組合せ、及びパパインの比較
様々な濃度の酵素溶液(100%GDEP−LGG、20%パパインを含む80%GDEP−LGG、40%パパインを含む60%GDEP−LGG、60%パパインを含む40%GDEP−LGG、80%パパインを含む20%GDEP−LGG、及び100%パパイン)のFRETS活性を、FRETS−25Xaa法を用いて、実施例16に記載されたように測定した。GDEP−LGGの濃度は0.057ユニット/mLであり、パパイン濃度は0.060ユニット/mLであった。
【0226】
10μLの酵素溶液を、100μLの10μM Nma−YPQPQLPYPK(Dnp)−DArg−DArg−NH2ペプチド(pH4.5の50mMアセテート緩衝液中)に加えた。この溶液を、1時間37℃でインキュベートしてから、5分間、90℃にして、酵素反応を停止させた。
【0227】
様々な濃度のGDEP−LGG及びパパインの相対的活性(%)を、図31Aに示す。GDEP−LGG及びパパインは、単独で、約100%の相対的活性を示した。GDEP−LGGとパパインの組合せは、相乗的効果を生じ(図31A)、該組合せは、100%を超える活性を有した。60%GDEP−LGGと40%パパインを含む試料は、約150〜約170%の最高相対的活性を生じた。
【0228】
酵素溶液の33量体加水分解活性を、更に、試験した。60μLの反応体積は、20μLの1mg/ml 33量体ペプチド、20μLの酵素溶液(100%GDEP−LGG、20%パパインを含む80%GDEP−LGG、40%パパインを含む60%GDEP−LGG、60%パパインを含む40%GDEP−LGG、80%パパインを含む20%GDEP−LGG、及び100%パパイン)及び20μLの150mMアセテート緩衝液(pH4.5)よりなり、1時間、37℃でインキュベートしてから、5分間、90℃にして、酵素反応を停止させた。HPLC−MSによる分析は、実施例3に記載の通りとした。この加水分解実験の結果は、図31B−31Gに示した。60%GDEP−LGGと40%パパインを含む試料は、最高の33量体加水分解活性を生じた。
【0229】
実施例24:様々な酵素調製物の比較
様々な酵素調製物の、33量体加水分解活性を、実施例23に記載された方法によって、試験した。6量体のセットを、様々な組成物を33量体に対する活性についてスクリーニングするためにFRETSアッセイにおいて用いた。図32は、このスクリーニングの結果をまとめてある。最大活性を有する酵素が選択されている。驚くべきことには、ペニシリウム・シトリナムからの調製物が33量体に対する活性を有するということが見出された。表6は、これらの反応ブレンド及び見出された最大残留ペプチドをまとめてある。
【表6】

加水分解実験の結果を示すクロマトグラフを、図33に示した。HPLC/MCによる分析は、実施例3に記載の通りとした。これらの加水分解実験の生成物は、GDEP−LGG、パパイン、プロテアーゼP及びペニシリウム・シトリナムからの調製物を含むブレンドについて、最小である。
【0230】
特定の実施形態
ここに記載された酵素カクテルは、下記の番号を付けたセンテンス中に列挙された実施形態により、例証することができる:
1.下記を含む酵素カクテル:
(a)GDEP−LGG;及び
(b)パパイン;
(ただし、この酵素カクテルは、グルテンオリゴペプチドを開裂させることができる)。
2.セミアルカリプロテアーゼ、及び/又はペニシリウム・シトリナムからの調製物、を更に含む、センテンス1に記載の酵素カクテル。
3.パパインが活性化パパイン又はキモパパインである、上記のセンテンスの何れか一つに記載の酵素カクテル。
4.活性化パパインが還元剤により活性化された、センテンス3に記載の酵素カクテル。
5.還元剤を更に含む、上記のセンテンスの何れか一つに記載の酵素カクテル。
6.上記のセンテンスの何れか一つに記載の酵素カクテルを含む医薬組成物。
7.酵素カクテルが更にGDEP−Mを含む、上記のセンテンスの何れか一つに記載の酵素カクテル。
8.酵素カクテルが、更に、CPYに対して少なくとも約80%相同であるアミノ酸配列を有する酵素又はその断片を含む、上記のセンテンスの何れか一つに記載の酵素カクテル。
9.酵素カクテルが、更に、CPYに対して少なくとも約90%相同であるアミノ酸配列を有する酵素又はその断片を含む、上記のセンテンスの何れか一つに記載の酵素カクテル。
10.酵素カクテルが更にCPYを含む、上記のセンテンスの何れか一つに記載の酵素カクテル。
11.CPYが、本質的に、サッカロミセス・セレビシエCPY、アスペルギルス・ニガーCPY、シゾサッカロミセス・ポンベCPY、アスペルギルス・フミガーツスCPYよりなる群から選択される、センテンス10に記載の酵素カクテル。
12.グルテンオリゴペプチドがα−グリアジンの33量体ペプチド断片である、上記のセンテンスの何れか一つに記載の酵素カクテル。
13.33量体ペプチド断片が、アミノ酸配列LQLQPFPQPQLPYPQPQLPYPQPQLPYPQPQPF(SEQ ID NO:1)を有する、センテンス12に記載の酵素カクテル。
14.酵素カクテルが酸性条件下で安定である、上記のセンテンスの何れか一つに記載の酵素カクテル。
15.酵素カクテルが、製薬上許容される賦形剤に配合される、上記のセンテンスの何れか一つに記載の酵素カクテル。
16.酵素カクテルが、経口送達用に配合される、上記のセンテンスの何れか一つに記載の酵素カクテル。
17.酵素カクテルが、腸溶性コーティングされた配合物に含まれる、上記のセンテンスの何れか一つに記載の酵素カクテル。
18.酵素カクテルが、製薬上許容されるキャリアーを含む配合物に含まれる、上記のセンテンスの何れか一つに記載の酵素カクテル。
19.製薬上許容されるキャリアーが固体である、センテンス18に記載の酵素カクテル。
20.製薬上許容されるキャリアーがカプセルである、センテンス18に記載の酵素カクテル。
21.製薬上許容されるキャリアーが液体である、センテンス18に記載の酵素カクテル。
【0231】
ここに記載された酵素カクテルは、下記の番号を付けたセンテンス中に列挙された実施形態により、例証することができる:
1.下記を含む酵素カクテル:
(a)GDEP−LGG;及び
(b)アオルシンに対して少なくとも約80%相同であるアミノ酸配列を有する酸性セリンプロテアーゼポリペプチド又はその断片;
(ただし、この酵素カクテルは、グルテンオリゴペプチドを開裂させることができる)。
2.酸性セリンプロテアーゼポリペプチドがアオルシンに対して少なくとも約90%相同であるアミノ酸配列を有し又はその断片である、センテンス1に記載の酵素カクテル。
3.酵素カクテルがGDEP−Mを含む、上記のセンテンスの何れか一つに記載の酵素カクテル。
4.酵素カクテルが、更に、CPYに対して少なくとも約80%相同であるアミノ酸配列を有する酵素又はその断片を含む、上記のセンテンスの何れか一つに記載の酵素カクテル。
5.酵素カクテルが、更に、CPYに対して少なくとも約90%相同であるアミノ酸配列を有する酵素又はその断片を含む、上記のセンテンスの何れか一つに記載の酵素カクテル。
6.酵素カクテルが、更に、CPYを含む、上記のセンテンスの何れか一つに記載の酵素カクテル。
7.CPYが、本質的に、サッカロミセス・セレビシエCPY、アスペルギルス・ニガーCPY、シゾサッカロミセス・ポンベCPY、アスペルギルス・フミガーツスCPYよりなる群から選択される、センテンス6に記載の酵素カクテル。
8.グルテンオリゴペプチドがα−グリアジンの33量体断片である、上記のセンテンスの何れか一つに記載の酵素カクテル。
9.33量体ペプチド断片がアミノ酸配列LQLQPFPQPQLPYPQPQLPYPQPQLPYPQPQPF(SEQ ID NO:1)を有する、センテンス8に記載の酵素カクテル。
10.酵素カクテルが酸性条件下で安定である、上記のセンテンスの何れか一つに記載の酵素カクテル。
11.酵素カクテルが製薬上許容される賦形剤に配合される、上記のセンテンスの何れか一つに記載の酵素カクテル。
12.酵素カクテルが経口送達用に配合される、上記のセンテンスの何れか一つに記載の酵素カクテル。
13.酵素カクテルが、腸溶性コーティングを含む配合物に含まれる、上記のセンテンスの何れか一つに記載の酵素カクテル。
14.酵素カクテルが、製薬上許容されるキャリアーを含む配合物に含まれる、上記のセンテンスの何れか一つに記載の酵素カクテル。
15.製薬上許容されるキャリアーが固体である、センテンス14に記載の酵素カクテル。
16.製薬上許容されるキャリアーがカプセルである、センテンス14に記載の酵素カクテル。
17.製薬上許容されるキャリアーが液体である、センテンス14に記載の酵素カクテル。
【0232】
ここに記載された配合物は、下記の番号を付けたセンテンス中に列挙された実施形態により、例証されうる:
1.下記を含む、グルテン曝露の低減又はグルテン不耐性の治療における使用のための配合物:
GDEP−LGG、パパイン、活性化パパイン、精製パパイン、キモパパイン、GDEP−M、アオルシン、CPY、セミアルカリプロテアーゼ、及びペニシリウム・シトリナムからの調製物よりなる群から選択される酵素組成物;
(この酵素組成物は、免疫原性グルテンオリゴペプチドを非毒性の断片へとイン・ビトロで開裂させることができる)。
2.酵素組成物が免疫原性グルテンオリゴペプチドの少なくとも約70%を非毒性の断片へとイン・ビトロで開裂させることができる、センテンス1に記載の配合物。
3.酵素組成物が免疫原性グルテンオリゴペプチドの少なくとも約80%を非毒性の断片へとイン・ビトロで開裂させることができる、上記のセンテンスの何れか一つに記載の配合物。
4.酵素組成物が免疫原性グルテンオリゴペプチドの少なくとも約90%を非毒性の断片へとイン・ビトロで開裂させることができる、上記のセンテンスの何れか一つに記載の配合物。
5.配合物が経口投与に適している、上記のセンテンスの何れか一つに記載の配合物。
6.配合物が製薬上許容されるキャリアーを含む、上記のセンテンスの何れか一つに記載の配合物。
7.製薬上許容されるキャリアーが固体である、センテンス6に記載の配合物。
8.製薬上許容されるキャリアーがカプセルである、センテンス6に記載の配合物。
9.製薬上許容されるキャリアーが液体である、センテンス6に記載の配合物。
【0233】
ここに記載された配合物は、下記の番号を付けたセンテンス中に列挙された実施形態により、例証することができる:
1.下記を含む、グルテン曝露の低減又はグルテン不耐性の治療における使用のための配合物:
本質的に、GDEP;GDEP−LGG;GDEP−M;GDEP−LNA;GDEP−2A;GDEP−AH;パパイン;アオルシン;アオルシンに対して少なくとも約80%相同であるアミノ酸配列を有する酸性セリンプロテアーゼポリペプチド又はその断片;CPY;CPYに対して少なくとも約80%相同であるアミノ酸配列を有する酵素;セミアルカリプロテアーゼ;及びペニシリウム・シトリナムからの調製物よりなる群から選択される少なくとも2種の酵素組成物;
(ただし、これらの少なくとも2種の酵素組成物は、グルテンオリゴペプチドを、イン・ビトロ胃腸モデルにおいて消化することができる)。
2.少なくとも2種の酵素組成物がGDEP−LGG及びパパインである、センテンス1に記載の配合物。
3.少なくとも2種の酵素組成物がカルボキシペプチダーゼY及びアオルシンである、センテンス1に記載の配合物。
4.上記モデルが、少なくとも2種の酵素組成物をグルテンオリゴペプチドと模擬的胃液中で、約37℃で、イン・ビボでの胃液との典型的接触期間にわたってインキュベートすることを含む、上記のセンテンスの何れか一つに記載の配合物。
5.イン・ビボでの胃液との典型的接触期間が約120分である、センテンス4に記載の配合物。
6.模擬的胃液が、胃粘膜ムチン、ペプシン、ゼラチナーゼ、アミラーゼ、及びリパーゼを含む、センテンス4又は5の何れか一つに記載の配合物。
7.上記モデルが、少なくとも2種の酵素組成物をグルテンオリゴペプチドと模擬的腸液中で、約37℃で、イン・ビボでの腸液との典型的接触期間にわたってインキュベートすることを含む、上記のセンテンスの何れか一つに記載の配合物。
8.イン・ビボでの腸液との典型的接触期間が約60分である、センテンス7に記載の配合物。
9.模擬的腸液が一種以上の膵酵素及び胆汁酸塩を含む、上記のセンテンスの何れか一つに記載の配合物。
10.一種以上の膵酵素が、本質的に、トリプシン、キモトリプシン、アミラーゼ、及びリパーゼよりなる群から選択される、センテンス9に記載の配合物。
11.上記モデルが、少なくとも2種の酵素組成物、グルテンオリゴペプチド、胃粘膜ムチン、ペプシン、ゼラチナーゼ、アミラーゼ、及びリパーゼを含む混合物を、酸性条件下で、約37℃で、約120分間インキュベートすること;
酸中和用物質をその混合物に加えること;及び
この混合物をトリプシン、アミラーゼ、及びリパーゼ、及び胆汁酸塩と、中性条件下で、約37℃で、約60分間インキュベートすること
を含む、上記のセンテンスの何れか一つに記載の配合物。
12、上記モデルが、少なくとも2種の酵素組成物、グルテンオリゴペプチド、及びペプシンを含む混合物を、酸性条件下で、約37℃で、約60分間インキュベートすること;
酸中和用物質をこの混合物に加えること;及び
この混合物を、トリプシン及びキモトリプシンと、中性条件下で、約37℃で、約60分間インキュベートすること
を含む、上記のセンテンスの何れか一つに記載の配合物。
13.グルテンオリゴペプチドがα−グリアジンの33量体ペプチド断片である、上記のセンテンスの何れか一つに記載の配合物。
14.33量体ペプチド断片が、アミノ酸配列LQLQPFPQPQLPYPQPQLPYPQPQLPYPQPQPF(SEQ ID NO:1)を有する、センテンス13に記載の配合物。
【0234】
ここに記載された方法は、下記の番号を付けたセンテンス中に列挙された実施形態により、例証することができる:
1.ヒト患者において、グルテン不耐性を治療し又はグルテン曝露を低減させる方法であって、下記を含む当該方法:
その患者に、治療上有効な量の酵素カクテルを与えること、
ただし、、この酵素カクテルは、グルテンオリゴペプチドを酸性条件下で開裂させることができる。
2.酵素カクテルが、本質的に、GDEP;GDEP−LGG;GDEP−M;GDEP−LNA;GDEP−2A;GDEP−AH;パパイン;アオルシン;アオルシンに対して少なくとも約80%相同であるアミノ酸配列を有する酸性セリンプロテアーゼポリペプチド又はその断片;CPY;CPYに対して少なくとも約80%相同であるアミノ酸配列を有する酵素又はその断片;セミアルカリプロテアーゼ;及びペニシリウム・シトリナムからの調製物よりなる群から選択される少なくとも2種の酵素組成物よりなる群から選択される組成物を含む、センテンス1に記載の方法。
3.酵素カクテルが、アスペルギルス・オリザエ由来の組成物を含む、上記のセンテンスの何れか一つに記載の方法。
4.酵素カクテルが、製薬上許容される賦形剤に配合される、上記のセンテンスの何れか一つに記載の方法。
5.酵素カクテルが、経口送達用に配合される、上記のセンテンスの何れか一つに記載の方法。
6.酵素カクテルが、腸溶性コーティングを含む配合物に含まれる、上記のセンテンスの何れか一つに記載の方法。
7.酵素カクテルが、製薬上許容されるキャリアーを含む配合物に含まれる、上記のセンテンスの何れか一つに記載の方法。
8.製薬上許容されるキャリアーが固体である、センテンス7に記載の方法。
9.製薬上許容されるキャリアーがカプセルである、センテンス7に記載の方法。
10.製薬上許容されるキャリアーが液体である、センテンス7に記載の方法。
【0235】
ここに記載された方法は、下記の番号を付けたセンテンス中に列挙された実施形態により、例証することができる:
1.酵素組成物の効力を評価する方法であって、下記の工程を含む当該方法:
(i)酵素組成物及びグルテンオリゴペプチドを含む混合物を、模擬的胃液中で、約37℃で、イン・ビボでの胃液との典型的接触期間にわたってインキュベートすること;
(ii)酸中和用物質をこの混合物に加えること;
(iii)この混合物を、模擬的腸液中で、約37℃で、イン・ビボでの腸液との典型的接触期間にわたってインキュベートすること;及び
(iv)この混合物中の、インタクトなグルテンオリゴペプチドの量を測定すること。
2.イン・ビボでの胃液との典型的接触期間が約120分間である、センテンス1に記載の方法。
3.模擬的胃液が胃粘膜ムチン、ペプシン、ゼラチナーゼ、アミラーゼ、及びリパーゼを含む、上記のセンテンスの何れか一つに記載の方法。
4.イン・ビボでの腸液との典型的接触期間が約60分間である、上記のセンテンスの何れか一つに記載の方法。
5.模擬的腸液が一種以上の膵酵素及び胆汁酸塩を含む、上記のセンテンスの何れか一つに記載の方法。
6.一種以上の膵酵素が、本質的に、トリプシン、キモトリプシン、アミラーゼ、及びリパーゼよりなる群から選択される、センテンス5に記載の方法。
7.グルテンオリゴペプチドがα−グリアジンの33量体ペプチド断片である、上記のセンテンスの何れか一つに記載の方法。
8.33量体ペプチド断片が、アミノ酸配列LQLQPFPQPQLPYPQPQLPYPQPQLPYPQPQPF (SEQ ID NO:1)を有する、センテンス7に記載の方法。
【0236】
現在記載されている技術は、今、当業者がそれを実施することを可能にする、完全な、明確な、簡潔なそして正確な用語にて記載されている。前述したものは、この技術の好適な実施形態を記載するものであること、及び添付の特許請求の範囲に示したこの発明の精神(意図)又は範囲から離れずに改変が為されうることは、理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本質的に、GDEP;GDEP−LGG;GDEP−M;GDEP−LNA;GDEP−2A;GDEP−AH;パパイン;アオルシン;アオルシンに対して少なくとも約80%相同であるアミノ酸配列を有する酸性セリンプロテアーゼポリペプチド、又はその断片;CPY;CPYに対して少なくとも約80%相同であるアミノ酸配列を有する酵素、又はその断片;セミアルカリプロテアーゼ;及びペニシリウム・シトリナムからの調製物、よりなる群から選択される組成物
を含む酵素カクテルであって、
該酵素カクテルは、グルテンオリゴペプチドを開裂させることができる、当該酵素カクテル。
【請求項2】
酵素カクテルが、GDEP−LGG、パパイン、セミアルカリプロテアーゼ及びペニシリウム・シトリナムからの調製物を含む、請求項1に記載の酵素カクテル。
【請求項3】
セミアルカリプロテアーゼが、プロテアーゼPである、請求項1に記載の酵素カクテル。
【請求項4】
パパインが、還元剤により活性化された、請求項1に記載の酵素カクテル。
【請求項5】
グルテンオリゴペプチドが、α−グリアジンの33量体ペプチド断片である、請求項1に記載の酵素カクテル。
【請求項6】
33量体ペプチド断片が、アミノ酸配列LQLQPFPQPQLPYPQPQLPYPQPQLPYPQPQPF(SEQ ID NO:1)を有する、請求項5に記載の酵素カクテル。
【請求項7】
酵素カクテルが、酸性条件において安定である、請求項1に記載の酵素カクテル。
【請求項8】
酵素カクテルが、製薬上許容しうる賦形剤中に配合された、請求項1に記載の酵素カクテル。
【請求項9】
ヒト患者においてグルテン不耐性を治療し又はグルテン曝露を低減する方法であって:
該方法は、その患者に治療上有効な量の酵素カクテルを与えることを含み、
該酵素カクテルが、酸性条件においてグルテンオリゴペプチドを開裂することができる、当該方法。
【請求項10】
酵素カクテルが、本質的に、GDEP;GDEP−LGG;GDEP−M;GDEP−LNA;GDEP−2A;GDEP−AH;パパイン;アオルシン;アオルシンに対して少なくとも約80%相同であるアミノ酸配列を有する酸性セリンプロテアーゼポリペプチド、又はその断片;CPY;CPYに対して少なくとも約80%相同であるアミノ酸配列を有する酵素、又はその断片;セミアルカリプロテアーゼ;及びペニシリウム・シトリナムからの調製物、よりなる群から選択される組成物を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
酵素カクテルが、GDEP−LGG及びパパインを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
酵素カクテルが、GDEP−LGG;パパイン;セミアルカリプロテアーゼ;及びペニシリウム・シトリナムからの調製物を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
酵素カクテルが、製薬上許容しうる賦形剤に配合された、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
酵素カクテルが、経口送達のために配合された、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
グルテン不耐性の治療又はグルテン曝露の低減において使用するための配合物であって:
本質的に、GDEP;GDEP−LGG;GDEP−M;GDEP−LNA;GDEP−2A;GDEP−AH;パパイン;アオルシン;アオルシンに対して少なくとも約80%相同であるアミノ酸配列を有する酸性セリンプロテアーゼポリペプチド、又はその断片;CPY;CPYに対して少なくとも約80%相同であるアミノ酸配列を有する酵素、又はその断片;セミアルカリプロテアーゼ;及びペニシリウム・シトリナムからの調製物、よりなる群から選択される少なくとも2種の酵素組成物を含み、
ただし、該少なくとも2種の酵素組成物は、グルテンオリゴペプチドをインビトロ胃腸モデルにおいて消化する能力を有する。
【請求項16】
少なくとも2種の酵素組成物が、GDEP−LGG及びパパインである、請求項15に記載の配合物。
【請求項17】
上記モデルが、少なくとも2種の酵素組成物を、グルテンオリゴペプチドと、模擬胃液中で、約37℃で、約120分間インキュベートすることを含む、請求項15に記載の配合物。
【請求項18】
模擬胃液が、胃粘膜ムチン、ペプシン、ゼラチナーゼ、アミラーゼ、及びリパーゼを含む、請求項17に記載の配合物。
【請求項19】
上記モデルが、少なくとも2種の酵素組成物を、グルテンオリゴペプチドと、模擬腸液中で、約37℃で、約60分間インキュベートすることを含む、請求項15に記載の配合物。
【請求項20】
模擬腸液が、一種又はそれ以上の膵酵素及び胆汁酸塩を含む、請求項19に記載の配合物。
【請求項21】
一種又はそれ以上の膵酵素が、本質的に、トリプシン、キモトリプシン、アミラーゼ、及びリパーゼよりなる群から選択される、請求項20に記載の配合物。
【請求項22】
上記モデルが下記を含む、請求項15に記載の配合物:
少なくとも2種の酵素組成物、グルテンオリゴペプチド、胃粘膜ムチン、ペプシン、ゼラチナーゼ、アミラーゼ、及びリパーゼを含む混合物を、酸性条件下で、約37℃で、約60〜120分間インキュベートすること;
酸中和物質をこの混合物に加えること;及び
この混合物を、トリプシン、アミラーゼ、及びリパーゼ、及び胆汁酸塩と、中性条件下で、約37℃で、約60分間インキュベートすること。
【請求項23】
グルテンオリゴペプチドが、α−グリアジンの33量体ペプチド断片である、請求項15に記載の配合物。
【請求項24】
33量体ペプチド断片が、アミノ酸配列LQLQPFPQPQLPYPQPQLPYPQPQLPYPQPQPF(SEQ ID NO:1)を有する、請求項23に記載の配合物。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図7H】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図8G】
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【図8H】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図10G】
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【図10H】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図11F】
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【図11G】
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【図11H】
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【図11I】
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【図11J】
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【図11K】
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【図11L】
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【図11M】
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【図11N】
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【図11O】
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【図11P】
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【図11Q】
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【図11R】
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【図11S】
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【図11T】
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【図11U】
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【図11V】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図18E】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図19D】
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【図19E】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【図20E】
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【図20F】
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【図20G】
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【図20H】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図21D】
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【図21E】
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【図21F】
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【図21G】
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【図21H】
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【図21I】
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【図21J】
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【図21K】
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【図21L】
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【図21M】
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【図21N】
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【図21O】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図23C】
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【図23D】
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【図23E】
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【図23F】
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【図23G】
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【図25】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27A】
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【図27B】
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【図27C】
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【図27D】
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【図27E】
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【図27F】
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【図28】
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【図29】
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【図30A】
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【図30B】
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【図30C1】
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【図30C2】
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【図31A】
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【図31B】
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【図31C】
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【図31D】
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【図31E】
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【図31F】
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【図31G】
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【図32A】
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【図32B】
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【図33】
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【図24】
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【公表番号】特表2013−518589(P2013−518589A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552047(P2012−552047)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【国際出願番号】PCT/US2011/023424
【国際公開番号】WO2011/097266
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(510334491)アマノ エンザイム ユーエスエー,リミテッド (2)
【出願人】(000216162)天野エンザイム株式会社 (26)
【Fターム(参考)】