ゲームプログラム、ゲーム装置及び記憶媒体
【課題】 キャラクタが移動するゲーム空間をキャラクタの移動平面に対して傾いた投影面に投影した映像にて画面に表示するゲームにおいて、キャラクタ移動に対してプレイヤが受ける違和感を減少させる。
【解決手段】 傾き検出手段14が移動平面Mに対する投影面Sの傾きを検出し、補正情報取得手段15が、検出された傾きに対応する補正情報(Z補正値)を取得し、移動速度補正手段16が、キャラクタPが移動平面Mを移動する基準となる基準速度にZ補正値を乗じてZ軸方向(奥行方向)の移動速度を補正することで、投影面Sにおける見た目上の移動速度をX軸方向(左右方向)とZ軸方向(奥行方向)とで略等しくする。
【解決手段】 傾き検出手段14が移動平面Mに対する投影面Sの傾きを検出し、補正情報取得手段15が、検出された傾きに対応する補正情報(Z補正値)を取得し、移動速度補正手段16が、キャラクタPが移動平面Mを移動する基準となる基準速度にZ補正値を乗じてZ軸方向(奥行方向)の移動速度を補正することで、投影面Sにおける見た目上の移動速度をX軸方向(左右方向)とZ軸方向(奥行方向)とで略等しくする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム装置及び記憶媒体に関し、特に、キャラクタが移動するゲーム空間をキャラクタの移動平面に対して傾いた投影面に投影した映像にて画面に表示するものに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム空間をコンピュータ内に3次元的に表現し、これを或る視点から見た映像にて画面表示することにより、ゲーム空間に立体感を持たせてゲームをより臨場感に溢れたものにすることが行われている。
また、ゲームの進行等に伴って視点の位置や角度を変えることにより、プレイヤに与える視覚的な効果を高めることなども行われている。
【0003】
このような視点の位置や角度に応じたゲーム空間の映像は、一般に、ゲームに登場するキャラクタが移動する移動平面を或る視点からの視線に交差(例えば直交)する投影面に投影して生成される。すなわち、図12に示すように、例えば、キャラクタPの移動平面Mを垂直に見下ろす視点E0からの視線で移動平面Mと平行な投影面S0に投影したり、斜めに見下ろす視点Eからの視線で移動平面Mに対して傾いた投影面Sに投影したりされる。
【特許文献1】特開2004−267247号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、ゲームのリアリティを高めるべく、キャラクタP(人物や動物といった生物のほか、車輌や飛行機や船舶等の移動物を含む)の移動を現実の世界と同様な物理法則に基づいて制御することが行われている。例えば、キャラクタPが斜面を登る方向に移動する場合には移動速度を遅くし、降る方向に移動する場合には移動速度を速くする一方で、水平面を移動する場合には各移動方向で移動速度が一定という具合である。
【0005】
ここで、水平面でのキャラクタ移動において、図12に示した視点E0から移動平面Mを垂直に見下ろす映像の場合、その映像におけるキャラクタの移動速度も各移動方向で一定である。一方、視点Eから移動平面Mを斜めに見下ろす映像の場合、視点Eから見て左右方向に移動する速度に比べ、奥行方向に移動する速度が見た目上で遅くなる。
【0006】
このような見た目上の移動速度の差異を、図13及び図14を参照して説明する。
移動平面Mを構成する軸のうち、視点Eから見て左右方向にあたる軸をX軸、奥行方向にあたる軸をZ軸とすると、図13(a)に示すように、移動平面M上でキャラクタPが基点Bから移動する速度は、X軸方向及びZ軸方向のいずれにおいても等しく速度Vである。そして、図14に示すように、視点Eから基点Bに向けた視線の移動平面Mに対する角度をθとすると、投影面S上における見た目上のX軸方向の移動速度Va及びZ軸方向の移動速度Vbは、以下の数式により算出される。
(数1) Va=V×(Ds/Db)
(数2) Vb=V×sinθ×(Ds/Db)
つまり、図13(b)に示すように、投影面S上における見た目上のZ軸方向の移動速度Vbは、X軸方向の移動速度Vaよりsinθ倍だけ遅くなる。
【0007】
ここで、プレイヤがゲーム空間の移動平面Mを斜めの視点Eから投影面Sに投影した映像を見ながらキャラクタPを移動操作する場合、プレイヤはZ軸方向(奥行方向)の移動に対してストレスを感じることがある。これは、人は左右の眼球の位置の違いによって生じる視差により得た立体感覚の中で奥行方向の移動状況を把握しているが、ゲーム映像は平面であるために現実の世界のような立体感覚が得られず、奥行方向の移動速度が理論上は正しくとも感覚的に遅く感じてしまうためである。
【0008】
このため、図13(c)において、キャラクタPを一定距離の右側に位置するPaに移動させるためにプレイヤが指示入力する時間の長さをTとすると、キャラクタPを同距離程度の奥側に移動させるために時間Tの指示入力を行ったとしても、その移動先Pbの位置はプレイヤが感覚的に想定する位置より手前となり、キャラクタPの移動に違和感を覚えてストレスが生じてしまう。
【0009】
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであり、キャラクタが移動するゲーム空間をキャラクタの移動平面に対して傾いた投影面に投影した映像にて画面に表示するゲームにおいて、キャラクタ移動に対してプレイヤが受ける違和感を減少させることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係るゲームプログラムは、キャラクタが移動するゲーム空間をキャラクタの移動平面に対して傾いた投影面に投影した映像にて画面に表示するゲーム装置のコンピュータを、移動平面に対する投影面の傾きを検出する傾き検出手段と、検出された投影面の傾きに応じて、投影面上においてキャラクタが移動する速度が各移動方向で略等しくなるように移動平面上でのキャラクタの移動速度を補正するための補正情報を取得する取得手段と、移動平面上におけるキャラクタの移動を前記取得した補正情報に応じて補正した移動速度で行う移動手段として機能させる。
この結果、投影面上におけるキャラクタの移動速度が各移動方向で略等しくなり、プレイヤが感覚的に想定するのと同様な移動を投影面上でキャラクタが行うため、プレイヤが受ける違和感が減少される。
【0011】
なお、前記ゲームプログラムを、投影面の傾き毎に予め演算して求めた補正情報を記憶する記憶手段としてコンピュータを更に機能させ、取得手段が傾き検出手段により検出した傾きに対応する補正情報を記憶手段から取得する補正情報の事前算出型のプログラムとして構成してもよく、又は、前記ゲームプログラムを、取得手段が傾き検出手段により検出した傾きに基づく演算を行って補正情報を取得する補正情報の随時算出型のプログラムとして構成してもよい。
【0012】
ここで、移動平面上におけるキャラクタの移動方向が、投影面に平行する第1軸の方向及び当該第1軸に直交する第2軸の方向であるようなゲームにおいては、取得手段が、キャラクタが移動平面上を各軸方向に移動する速度が投影面上で略等しくなるように移動平面上での第1軸又は第2軸の方向の移動速度を補正するための補正情報を取得し、移動手段が、移動平面上における第1軸又は第2軸の方向へのキャラクタの移動を前記取得した補正情報に応じて補正した移動速度で行うよう構成すればよい。
この場合、第2軸方向(奥行方向)の移動速度を速める補正をするほか、第1軸方向(左右方向)の移動速度を遅らす補正をしてもよく、各軸方向の移動速度が略等しくなるような補正であればよい。
【0013】
また、更に、移動平面上における第1軸の方向と第2軸の方向との中間方向にキャラクタが移動可能なゲームにおいては、移動手段が、移動平面上における中間方向へのキャラクタの移動を前記補正後の各軸方向の移動速度の合成ベクトルにより定まる移動速度の範囲内で行うよう構成すればよい。
【0014】
なお、本発明による移動速度の補正対象のキャラクタは、予め定められた行動パターンによって自律行動する自律キャラクタのほか、プレイヤの指示に応じて移動するプレイヤキャラクタであってもよく、プレイヤキャラクタの移動操作に対してプレイヤが受けるストレスを減少させることができる。
【0015】
また、本発明は、キャラクタが移動するゲーム空間をキャラクタの移動平面に対して傾いた投影面に投影した映像にて画面に表示するゲーム装置のコンピュータを、移動平面に対する投影面の相対的な傾きを変更(すなわち、移動平面の傾きを変更、又は、投影面の傾きを変更、又は、移動平面及び投影面の傾きを変更)する傾き変更手段と、変更された傾きに応じてゲーム空間を投影面に投影し、当該投影面上において移動する速度が各移動方向で略等しくなるように補正されたキャラクタを表示する表示手段として機能させるためのゲームプログラムとしても実現することができる。
また、本発明は、これまで説明してきた本発明に係るゲームプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶した記憶媒体としても実現することができる。
【0016】
また、本発明は、キャラクタが移動するゲーム空間をキャラクタの移動平面に対して傾いた投影面に投影した映像にて表示する画面と、移動平面に対する投影面の傾きを検出する傾き検出手段と、検出された投影面の傾きに応じて、投影面上においてキャラクタが移動する速度が各移動方向で略等しくなるように移動平面上でのキャラクタの移動速度を補正するための補正情報を取得する取得手段と、移動平面上におけるキャラクタの移動を前記取得した補正情報に応じて補正した移動速度で行う移動手段と、を備えたことを特徴とするゲーム装置としても実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、キャラクタが移動するゲーム空間をキャラクタの移動平面に対して傾いた投影面に投影した映像にて画面に表示するゲームにおいて、投影面上におけるキャラクタの移動速度が各移動方向で略等しくなり、プレイヤが感覚的に想定するのと同様な移動を投影面上でキャラクタが行うため、プレイヤが受ける違和感を減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明を、以下に例示する実施形態に基づいて具体的に説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例に係る装置構成を示している。
本例においては、本発明に係るゲームプログラムを実行するゲーム装置1、プレイヤがゲーム操作を行うためのコントローラ2、ゲーム空間の映像を表示出力するディスプレイ3、ゲーム中の音楽や効果音を再生出力するスピーカ4、を備えている。
【0019】
図2は、本例における主要なハードウェア構成を示しており、コントローラ2、ディスプレイ3、スピーカ4の他、ゲーム装置1に設けられたCPU(Central Processing Unit)5、RAM(Random Access Memory)6、ROM(Read Only Memory)7、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ8等を有している。
本例のゲーム装置1は、ROM7に記憶された自装置の制御プログラムをRAM6に展開し、CPU5により演算処理することにより動作する。そして、DVDドライブ8に装填された、本発明に係るゲームプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶したDVD−ROMから、当該ゲームプログラムを読み出してRAM6に展開し、CPU5により演算処理することで本発明に係る各機能手段をゲーム装置1上に実現している。
【0020】
ここで、本発明に係るゲームプログラムの記憶媒体はDVD−ROMに限定されず、例えばCD(Compact Di sc)−ROMやメモリカートリッジ等、ゲーム装置1の有するデータ読取機構に応じた種々の記憶媒体を採用することができる。
なお、本発明に係るゲームプログラムを配信する配信機能を有する配信サーバとの通信をネットワークを介して行う通信機能をゲーム装置1に設け、当該通信機能により配信サーバからゲームプログラムを受信して実行するように構成してもよい。
また、ゲーム装置1は、上記のようなソフトウェア構成でなく、専用のハードウェア回路により本発明に係る各機能手段を実現した専用装置として構成してもよい。
【0021】
図3は、本例に係るゲーム装置1の機能構成を示している。
本例のゲーム装置1は、コントローラ2からの情報に基づいてプレイヤの操作入力を受け付ける操作受付手段11、ゲーム空間の映像を生成してディスプレイ3に表示させる処理を行う表示処理手段12、ゲーム内に登場するキャラクタに関するキャラクタ情報を記憶するキャラクタ情報記憶手段18、キャラクタが移動するマップに関するマップ情報を記憶するマップ情報記憶手段17、各機能手段の動作を制御する制御手段13、を備えている。
【0022】
キャラクタ情報は、図4にデータ構造を示すように、キャラクタを識別するキャラクタID、当該キャラクタを表すキャラクタ画像、当該キャラクタの移動速度の基準となる基準速度、等を有している。本例では、後述するように基準速度に補正を加えた速度でマップ(移動平面)上を移動する。なお、本例のキャラクタ情報記憶手段18には、プレイヤの指示に応じて移動するプレイヤキャラクタ、及び、予め定められた行動パターンに従って自律行動する自律キャラクタのそれぞれについてキャラクタ情報が設定されている。
【0023】
マップ情報は、図5にデータ構造を示すように、マップを識別するマップID、当該マップを表すマップ画像、当該マップ表示に係る視点に関する視点情報、当該マップにおける各キャラクタの移動速度を補正するための補正情報、等を有している。
本例では、ゲームの場面毎に、OLE_LINK1移動平面OLE_LINK1を斜めに見下ろす視点から投影面に投影した画像をマップ画像として予め生成してあり、生成したマップ画像とその生成に用いた視点に関する視点情報(視点の位置やその視線の向き、投影面までの距離、投影面の大きさ、移動平面に対する投影面の傾き等)とを対応付けてマップ情報に格納してある。
【0024】
ここで、本例では、移動平面におけるキャラクタの移動方向を直交関係にある2軸方向に限定しており、一方の軸と平行し且つ他方の軸に対して傾けて投影面を設け、投影面と他方の軸との間隔が広がる方向を上にして投影面の上方に視点を設けている。すなわち、投影面に投影された移動平面において左右方向及び奥行方向にキャラクタが移動する。なお、このような位置関係における一方の軸(左右方向の軸)をX軸、他方の軸(奥行方向の軸)をZ軸とする。また、XZ平面(移動平面)に直交する軸(高さ方向の軸)をY軸とする。
【0025】
そして、上記位置関係において、投影面上におけるX軸方向の移動速度とZ軸方向の移動速度とが略等しくなるように、移動平面におけるZ軸方向の移動速度を速めるためのZ補正値が補正情報としてマップ情報に格納してある。
本例では、視点に対するX角度(その視線に対するXZ平面の傾き)が45度以上、ゲーム空間における視点から原点(XZ平面における投影面の下端中央部に該当する位置)までのY軸方向の距離が50m以上、視点から原点までのZ軸方向の距離が50m以上という条件に合致する場合に、以下の数式によりZ補正値を算出しているが、他の演算方法により算出するようにしてもよい。
(数3) Z補正値=((X角度−45)×2.2+100)÷100
なお、上記条件に合致しない場合や、算出したZ補正値に基づくキャラクタ移動に違和感がある場合などは、Z補正値を少しずつ変えながら仮設定して動作させ、その際に受けた感覚で最も違和感のないものを採用するようにしてもよい。
また、補正情報としては上記のZ補正値に限られず、移動速度を補正する演算処理に使用可能な情報であればよい。
【0026】
次に、本例におけるキャラクタの移動制御を、図6を参照して説明する。
なお、本例の制御手段13は、各機能手段の動作を制御する制御機能の他、操作受付処理手段11がプレイヤから受け付けた操作入力に基づくゲーム場面の切り替え等に応じてマップを変更(投影面の傾きの変更)する変更機能、マップの変更(投影面の傾きの変更)に応じてキャラクタの移動速度を補正する補正機能等を有している。そして、当該補正機能を実現するために、投影面の傾きを検出する傾き検出手段14、投影面の傾きに対応する補正情報を取得する補正情報取得手段15、取得した補正情報に基づいて移動平面におけるキャラクタの移動速度を補正する移動速度補正手段16、を備えている。
【0027】
まず、ゲームが開始されると、制御手段13が、表示対象のマップに係るマップ情報をマップ情報記憶手段17から読み出し、マップ画像を取得して表示処理手段12により画面3に表示させる。このとき、傾き検出手段14が、読み出したマップ情報から視点情報を取得して当該マップに係る移動平面に対する投影面の傾きを検出する(ステップS1)。投影面の傾きが検出されると、補正情報取得手段15は、検出された傾きに対応する補正情報(Z補正値)を取得する(ステップS2)。その後、移動速度補正手段16が、当該マップ上に登場する各キャラクタのキャラクタ情報をキャラクタ情報記憶手段18から読み出し、その基準速度にZ補正値を乗じてZ軸方向の移動速度を補正する(ステップS3)。そして、移動平面における移動速度として、各キャラクタの基準速度をX軸方向の移動速度にそのまま適用すると共に、補正後の移動速度をZ軸方向の移動速度に適用する(ステップS4)。
【0028】
これにより、当該移動平面における各キャラクタのZ軸方向の移動速度がX軸方向より速くなるが、投影面上での各キャラクタの移動速度は略等しいものとなる。つまり、表示処理手段12により画面3に表示されるゲーム映像におけるキャラクタの移動速度が各移動方向で略等しくなる。
【0029】
その後、操作受付処理手段11がプレイヤから受け付けた操作入力に基づくゲーム場面の切り替え等によりマップ変更が要求されると、制御手段13が、該当するマップ情報からマップ画像を取得して表示処理手段12により画面3に表示させる。
このマップ変更に伴い、傾き検出手段14が、マップ情報から視点情報を取得してマップ変更後の投影面の傾きを検出すると共に、OLE_LINK2前回検出したOLE_LINK2投影面の傾きと今回検出した投影面の傾きとを比較することで投影面の傾きの変更を判定する(ステップS5)。傾きが変更された場合には、補正情報取得手段15及び移動速度補正手段16によりステップS1〜ステップS4を再実行し、移動速度の補正処理を行う。以上の処理をゲームの終了指示があるまで繰り返し、ゲームの終了指示に応じて終了する(ステップS6)。
これにより、投影面の傾きが変更されても、傾き変更後の投影面上での各キャラクタの移動速度が略等しいものとなる。なお、内部的な処理を、移動平面の傾きを変更して行う構成や、移動平面及び投影面の傾きを変更して行う構成のゲームプログラムにおいても本発明を適用でき、移動平面に対する投影面の相対的な傾きに応じて処理を行えばよい。
【0030】
ここで、本例では、マップ画像の生成に用いた視点情報に基づいて予め演算して求められた補正情報がマップ情報記憶手段17に格納されているため、補正情報取得手段15は変更後の傾きに対応する補正情報をマップ情報記憶手段17から取得しているが、補正情報取得手段15が変更後の傾きに基づいて随時演算を行って補正情報を取得するようにしてもよい。なお、補正情報取得手段15に上記の演算機能を設けることで、プレイヤが投影面を或る程度の自在性をもって変更可能なゲームにおいても、移動平面に対する投影面の傾きに応じた移動速度の補正が可能になる。また、移動速度補正手段16に上記の演算機能を設けて、移動速度補正手段16が投影面の傾きに応じた移動速度の補正を直接的に行うようにすることで、補正情報取得手段15を省くようにしてもよい。
【0031】
次に、本例に係るキャラクタ移動を、図7及び図8を参照して説明する。
図7(a)には、キャラクタPの基準速度をVとした場合の、移動平面M上でキャラクタPが基点BからX軸方向及びZ軸方向に移動する速度が示してある。すなわち、X軸方向は基準速度Vそのままであるのに対し、Z軸方向は基準速度Vより速めた速度Vcに補正されている。このZ軸方向の移動速度Vcを、図8に示すように投影面Sに投影して得られる見た目上の移動速度Vdは、図7(b)に示すようにX軸方向の見た目上の移動速度Vaと略等しくなる。すなわち、投影面S上で一定時間内にキャラクタPが動く距離は、図7(c)に示すようにX軸方向とZ軸方向とで略等しくなる。
【0032】
図9は、本例に係るキャラクタ移動を従来方法(理論上のキャラクタ移動)と比較したものであり、Z軸方向へのキャラクタPの移動速度(移動距離)が理論値よりも大きくなっていることがわかる。
なお、本例では、投影面S上でのX軸方向及びZ軸方向の移動速度を略等しくするために、移動平面M上でのZ軸方向の移動速度を速める補正を行っているが、移動平面M上でのX軸方向の移動速度を遅らす補正を行ってもよく、或いは、X軸方向及びZ軸方向のそれぞれの移動速度を補正してもよい。
【0033】
これまで、キャラクタPの移動方向をX軸方向及びZ軸方向に限定して説明してきたが、本発明はその中間方向へのキャラクタ移動が可能なゲームについても適用できる。
すなわち、例えば図10(a)に示すように、補正処理後のX軸方向の移動速度をVm、補正処理後のZ軸方向の移動速度をVnとした場合、その中間方向への移動速度Vpを各軸方向の移動速度の合成ベクトルにより定まる速度とすることができる。なお、中間方向の角度は、同図に例示した角度に限られず、種々の角度について適用できる。
また、例えば同図(b)に示すように、合成ベクトルにより定まる速度の範囲内で角度の変化に応じて楕円状に連続して変化する速度Vpとしたり、同図(c)に示すように、合成ベクトルにより定まる速度の範囲内で角度の変化に応じて直線的に連続して変化する速度Vpとすることもできる。
【0034】
図11は、移動平面Mに対する投影面Sの傾きの態様を概念的に示したものである。なお、説明の便宜上、移動平面Mに平行な投影面S0との比較により投影面Sの傾きの態様を示している。
同図(a)は、上述したような、移動平面Mと投影面Sとの間隔がZ軸方向(奥行方向)で広がる関係、すなわち、投影面S0をX軸方向を回転軸として所定角度回転させたものである。この場合は、これまで説明したように移動平面Mにおける移動速度をX軸方向の回転軸に対する回転角度に応じて補正する。
一方、同図(b)は、投影面S0をZ軸方向を回転軸として所定角度回転させたものである。この場合は、移動平面Mにおける移動速度をZ軸方向の回転軸に対する回転角度に応じて補正すればよい。
また、同図(c)は、投影面S0をX軸方向を回転軸として所定角度回転し、更に、Z軸方向を回転軸として所定角度回転させたものである。この場合は、移動平面Mにおける移動速度をX軸方向の回転角度及びZ軸方向の回転角度に応じて補正すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態に係る装置構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るハードウェア構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るゲーム装置の機能構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るキャラクタ情報のデータ構造を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るマップ情報のデータ構造を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るキャラクタの移動制御を説明する図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るキャラクタ移動を説明する図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るキャラクタ移動を説明する図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るキャラクタ移動を従来方法と比較する図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る斜め方向へのキャラクタ移動を説明する図である。
【図11】キャラクタの移動平面に対する投影面の傾きを説明する図である。
【図12】キャラクタの移動平面と視点及び投影面との位置関係を示す図である。
【図13】従来方法による投影面上でのキャラクタ移動を説明する図である。
【図14】従来方法による投影面上でのキャラクタ移動を説明する図である。
【符号の説明】
【0036】
1:ゲーム装置、
2:コントローラ、
3:ディスプレイ、
4:スピーカ、
11:操作受付処理手段、
12:表示処理手段、
13:制御手段、
14:傾き検出手段、
15:補正情報取得手段、
16:移動速度補正手段、
17:マップ情報記憶手段、
18:キャラクタ情報記憶手段、
E0、E:視点、
S0、S:投影面、
M:移動平面、
P、Pa、Pb、Pd:キャラクタ、
V、Va、Vb、Vc、Vd、Vm、Vn、Vp:移動速度
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム装置及び記憶媒体に関し、特に、キャラクタが移動するゲーム空間をキャラクタの移動平面に対して傾いた投影面に投影した映像にて画面に表示するものに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム空間をコンピュータ内に3次元的に表現し、これを或る視点から見た映像にて画面表示することにより、ゲーム空間に立体感を持たせてゲームをより臨場感に溢れたものにすることが行われている。
また、ゲームの進行等に伴って視点の位置や角度を変えることにより、プレイヤに与える視覚的な効果を高めることなども行われている。
【0003】
このような視点の位置や角度に応じたゲーム空間の映像は、一般に、ゲームに登場するキャラクタが移動する移動平面を或る視点からの視線に交差(例えば直交)する投影面に投影して生成される。すなわち、図12に示すように、例えば、キャラクタPの移動平面Mを垂直に見下ろす視点E0からの視線で移動平面Mと平行な投影面S0に投影したり、斜めに見下ろす視点Eからの視線で移動平面Mに対して傾いた投影面Sに投影したりされる。
【特許文献1】特開2004−267247号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、ゲームのリアリティを高めるべく、キャラクタP(人物や動物といった生物のほか、車輌や飛行機や船舶等の移動物を含む)の移動を現実の世界と同様な物理法則に基づいて制御することが行われている。例えば、キャラクタPが斜面を登る方向に移動する場合には移動速度を遅くし、降る方向に移動する場合には移動速度を速くする一方で、水平面を移動する場合には各移動方向で移動速度が一定という具合である。
【0005】
ここで、水平面でのキャラクタ移動において、図12に示した視点E0から移動平面Mを垂直に見下ろす映像の場合、その映像におけるキャラクタの移動速度も各移動方向で一定である。一方、視点Eから移動平面Mを斜めに見下ろす映像の場合、視点Eから見て左右方向に移動する速度に比べ、奥行方向に移動する速度が見た目上で遅くなる。
【0006】
このような見た目上の移動速度の差異を、図13及び図14を参照して説明する。
移動平面Mを構成する軸のうち、視点Eから見て左右方向にあたる軸をX軸、奥行方向にあたる軸をZ軸とすると、図13(a)に示すように、移動平面M上でキャラクタPが基点Bから移動する速度は、X軸方向及びZ軸方向のいずれにおいても等しく速度Vである。そして、図14に示すように、視点Eから基点Bに向けた視線の移動平面Mに対する角度をθとすると、投影面S上における見た目上のX軸方向の移動速度Va及びZ軸方向の移動速度Vbは、以下の数式により算出される。
(数1) Va=V×(Ds/Db)
(数2) Vb=V×sinθ×(Ds/Db)
つまり、図13(b)に示すように、投影面S上における見た目上のZ軸方向の移動速度Vbは、X軸方向の移動速度Vaよりsinθ倍だけ遅くなる。
【0007】
ここで、プレイヤがゲーム空間の移動平面Mを斜めの視点Eから投影面Sに投影した映像を見ながらキャラクタPを移動操作する場合、プレイヤはZ軸方向(奥行方向)の移動に対してストレスを感じることがある。これは、人は左右の眼球の位置の違いによって生じる視差により得た立体感覚の中で奥行方向の移動状況を把握しているが、ゲーム映像は平面であるために現実の世界のような立体感覚が得られず、奥行方向の移動速度が理論上は正しくとも感覚的に遅く感じてしまうためである。
【0008】
このため、図13(c)において、キャラクタPを一定距離の右側に位置するPaに移動させるためにプレイヤが指示入力する時間の長さをTとすると、キャラクタPを同距離程度の奥側に移動させるために時間Tの指示入力を行ったとしても、その移動先Pbの位置はプレイヤが感覚的に想定する位置より手前となり、キャラクタPの移動に違和感を覚えてストレスが生じてしまう。
【0009】
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであり、キャラクタが移動するゲーム空間をキャラクタの移動平面に対して傾いた投影面に投影した映像にて画面に表示するゲームにおいて、キャラクタ移動に対してプレイヤが受ける違和感を減少させることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係るゲームプログラムは、キャラクタが移動するゲーム空間をキャラクタの移動平面に対して傾いた投影面に投影した映像にて画面に表示するゲーム装置のコンピュータを、移動平面に対する投影面の傾きを検出する傾き検出手段と、検出された投影面の傾きに応じて、投影面上においてキャラクタが移動する速度が各移動方向で略等しくなるように移動平面上でのキャラクタの移動速度を補正するための補正情報を取得する取得手段と、移動平面上におけるキャラクタの移動を前記取得した補正情報に応じて補正した移動速度で行う移動手段として機能させる。
この結果、投影面上におけるキャラクタの移動速度が各移動方向で略等しくなり、プレイヤが感覚的に想定するのと同様な移動を投影面上でキャラクタが行うため、プレイヤが受ける違和感が減少される。
【0011】
なお、前記ゲームプログラムを、投影面の傾き毎に予め演算して求めた補正情報を記憶する記憶手段としてコンピュータを更に機能させ、取得手段が傾き検出手段により検出した傾きに対応する補正情報を記憶手段から取得する補正情報の事前算出型のプログラムとして構成してもよく、又は、前記ゲームプログラムを、取得手段が傾き検出手段により検出した傾きに基づく演算を行って補正情報を取得する補正情報の随時算出型のプログラムとして構成してもよい。
【0012】
ここで、移動平面上におけるキャラクタの移動方向が、投影面に平行する第1軸の方向及び当該第1軸に直交する第2軸の方向であるようなゲームにおいては、取得手段が、キャラクタが移動平面上を各軸方向に移動する速度が投影面上で略等しくなるように移動平面上での第1軸又は第2軸の方向の移動速度を補正するための補正情報を取得し、移動手段が、移動平面上における第1軸又は第2軸の方向へのキャラクタの移動を前記取得した補正情報に応じて補正した移動速度で行うよう構成すればよい。
この場合、第2軸方向(奥行方向)の移動速度を速める補正をするほか、第1軸方向(左右方向)の移動速度を遅らす補正をしてもよく、各軸方向の移動速度が略等しくなるような補正であればよい。
【0013】
また、更に、移動平面上における第1軸の方向と第2軸の方向との中間方向にキャラクタが移動可能なゲームにおいては、移動手段が、移動平面上における中間方向へのキャラクタの移動を前記補正後の各軸方向の移動速度の合成ベクトルにより定まる移動速度の範囲内で行うよう構成すればよい。
【0014】
なお、本発明による移動速度の補正対象のキャラクタは、予め定められた行動パターンによって自律行動する自律キャラクタのほか、プレイヤの指示に応じて移動するプレイヤキャラクタであってもよく、プレイヤキャラクタの移動操作に対してプレイヤが受けるストレスを減少させることができる。
【0015】
また、本発明は、キャラクタが移動するゲーム空間をキャラクタの移動平面に対して傾いた投影面に投影した映像にて画面に表示するゲーム装置のコンピュータを、移動平面に対する投影面の相対的な傾きを変更(すなわち、移動平面の傾きを変更、又は、投影面の傾きを変更、又は、移動平面及び投影面の傾きを変更)する傾き変更手段と、変更された傾きに応じてゲーム空間を投影面に投影し、当該投影面上において移動する速度が各移動方向で略等しくなるように補正されたキャラクタを表示する表示手段として機能させるためのゲームプログラムとしても実現することができる。
また、本発明は、これまで説明してきた本発明に係るゲームプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶した記憶媒体としても実現することができる。
【0016】
また、本発明は、キャラクタが移動するゲーム空間をキャラクタの移動平面に対して傾いた投影面に投影した映像にて表示する画面と、移動平面に対する投影面の傾きを検出する傾き検出手段と、検出された投影面の傾きに応じて、投影面上においてキャラクタが移動する速度が各移動方向で略等しくなるように移動平面上でのキャラクタの移動速度を補正するための補正情報を取得する取得手段と、移動平面上におけるキャラクタの移動を前記取得した補正情報に応じて補正した移動速度で行う移動手段と、を備えたことを特徴とするゲーム装置としても実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、キャラクタが移動するゲーム空間をキャラクタの移動平面に対して傾いた投影面に投影した映像にて画面に表示するゲームにおいて、投影面上におけるキャラクタの移動速度が各移動方向で略等しくなり、プレイヤが感覚的に想定するのと同様な移動を投影面上でキャラクタが行うため、プレイヤが受ける違和感を減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明を、以下に例示する実施形態に基づいて具体的に説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例に係る装置構成を示している。
本例においては、本発明に係るゲームプログラムを実行するゲーム装置1、プレイヤがゲーム操作を行うためのコントローラ2、ゲーム空間の映像を表示出力するディスプレイ3、ゲーム中の音楽や効果音を再生出力するスピーカ4、を備えている。
【0019】
図2は、本例における主要なハードウェア構成を示しており、コントローラ2、ディスプレイ3、スピーカ4の他、ゲーム装置1に設けられたCPU(Central Processing Unit)5、RAM(Random Access Memory)6、ROM(Read Only Memory)7、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ8等を有している。
本例のゲーム装置1は、ROM7に記憶された自装置の制御プログラムをRAM6に展開し、CPU5により演算処理することにより動作する。そして、DVDドライブ8に装填された、本発明に係るゲームプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶したDVD−ROMから、当該ゲームプログラムを読み出してRAM6に展開し、CPU5により演算処理することで本発明に係る各機能手段をゲーム装置1上に実現している。
【0020】
ここで、本発明に係るゲームプログラムの記憶媒体はDVD−ROMに限定されず、例えばCD(Compact Di sc)−ROMやメモリカートリッジ等、ゲーム装置1の有するデータ読取機構に応じた種々の記憶媒体を採用することができる。
なお、本発明に係るゲームプログラムを配信する配信機能を有する配信サーバとの通信をネットワークを介して行う通信機能をゲーム装置1に設け、当該通信機能により配信サーバからゲームプログラムを受信して実行するように構成してもよい。
また、ゲーム装置1は、上記のようなソフトウェア構成でなく、専用のハードウェア回路により本発明に係る各機能手段を実現した専用装置として構成してもよい。
【0021】
図3は、本例に係るゲーム装置1の機能構成を示している。
本例のゲーム装置1は、コントローラ2からの情報に基づいてプレイヤの操作入力を受け付ける操作受付手段11、ゲーム空間の映像を生成してディスプレイ3に表示させる処理を行う表示処理手段12、ゲーム内に登場するキャラクタに関するキャラクタ情報を記憶するキャラクタ情報記憶手段18、キャラクタが移動するマップに関するマップ情報を記憶するマップ情報記憶手段17、各機能手段の動作を制御する制御手段13、を備えている。
【0022】
キャラクタ情報は、図4にデータ構造を示すように、キャラクタを識別するキャラクタID、当該キャラクタを表すキャラクタ画像、当該キャラクタの移動速度の基準となる基準速度、等を有している。本例では、後述するように基準速度に補正を加えた速度でマップ(移動平面)上を移動する。なお、本例のキャラクタ情報記憶手段18には、プレイヤの指示に応じて移動するプレイヤキャラクタ、及び、予め定められた行動パターンに従って自律行動する自律キャラクタのそれぞれについてキャラクタ情報が設定されている。
【0023】
マップ情報は、図5にデータ構造を示すように、マップを識別するマップID、当該マップを表すマップ画像、当該マップ表示に係る視点に関する視点情報、当該マップにおける各キャラクタの移動速度を補正するための補正情報、等を有している。
本例では、ゲームの場面毎に、OLE_LINK1移動平面OLE_LINK1を斜めに見下ろす視点から投影面に投影した画像をマップ画像として予め生成してあり、生成したマップ画像とその生成に用いた視点に関する視点情報(視点の位置やその視線の向き、投影面までの距離、投影面の大きさ、移動平面に対する投影面の傾き等)とを対応付けてマップ情報に格納してある。
【0024】
ここで、本例では、移動平面におけるキャラクタの移動方向を直交関係にある2軸方向に限定しており、一方の軸と平行し且つ他方の軸に対して傾けて投影面を設け、投影面と他方の軸との間隔が広がる方向を上にして投影面の上方に視点を設けている。すなわち、投影面に投影された移動平面において左右方向及び奥行方向にキャラクタが移動する。なお、このような位置関係における一方の軸(左右方向の軸)をX軸、他方の軸(奥行方向の軸)をZ軸とする。また、XZ平面(移動平面)に直交する軸(高さ方向の軸)をY軸とする。
【0025】
そして、上記位置関係において、投影面上におけるX軸方向の移動速度とZ軸方向の移動速度とが略等しくなるように、移動平面におけるZ軸方向の移動速度を速めるためのZ補正値が補正情報としてマップ情報に格納してある。
本例では、視点に対するX角度(その視線に対するXZ平面の傾き)が45度以上、ゲーム空間における視点から原点(XZ平面における投影面の下端中央部に該当する位置)までのY軸方向の距離が50m以上、視点から原点までのZ軸方向の距離が50m以上という条件に合致する場合に、以下の数式によりZ補正値を算出しているが、他の演算方法により算出するようにしてもよい。
(数3) Z補正値=((X角度−45)×2.2+100)÷100
なお、上記条件に合致しない場合や、算出したZ補正値に基づくキャラクタ移動に違和感がある場合などは、Z補正値を少しずつ変えながら仮設定して動作させ、その際に受けた感覚で最も違和感のないものを採用するようにしてもよい。
また、補正情報としては上記のZ補正値に限られず、移動速度を補正する演算処理に使用可能な情報であればよい。
【0026】
次に、本例におけるキャラクタの移動制御を、図6を参照して説明する。
なお、本例の制御手段13は、各機能手段の動作を制御する制御機能の他、操作受付処理手段11がプレイヤから受け付けた操作入力に基づくゲーム場面の切り替え等に応じてマップを変更(投影面の傾きの変更)する変更機能、マップの変更(投影面の傾きの変更)に応じてキャラクタの移動速度を補正する補正機能等を有している。そして、当該補正機能を実現するために、投影面の傾きを検出する傾き検出手段14、投影面の傾きに対応する補正情報を取得する補正情報取得手段15、取得した補正情報に基づいて移動平面におけるキャラクタの移動速度を補正する移動速度補正手段16、を備えている。
【0027】
まず、ゲームが開始されると、制御手段13が、表示対象のマップに係るマップ情報をマップ情報記憶手段17から読み出し、マップ画像を取得して表示処理手段12により画面3に表示させる。このとき、傾き検出手段14が、読み出したマップ情報から視点情報を取得して当該マップに係る移動平面に対する投影面の傾きを検出する(ステップS1)。投影面の傾きが検出されると、補正情報取得手段15は、検出された傾きに対応する補正情報(Z補正値)を取得する(ステップS2)。その後、移動速度補正手段16が、当該マップ上に登場する各キャラクタのキャラクタ情報をキャラクタ情報記憶手段18から読み出し、その基準速度にZ補正値を乗じてZ軸方向の移動速度を補正する(ステップS3)。そして、移動平面における移動速度として、各キャラクタの基準速度をX軸方向の移動速度にそのまま適用すると共に、補正後の移動速度をZ軸方向の移動速度に適用する(ステップS4)。
【0028】
これにより、当該移動平面における各キャラクタのZ軸方向の移動速度がX軸方向より速くなるが、投影面上での各キャラクタの移動速度は略等しいものとなる。つまり、表示処理手段12により画面3に表示されるゲーム映像におけるキャラクタの移動速度が各移動方向で略等しくなる。
【0029】
その後、操作受付処理手段11がプレイヤから受け付けた操作入力に基づくゲーム場面の切り替え等によりマップ変更が要求されると、制御手段13が、該当するマップ情報からマップ画像を取得して表示処理手段12により画面3に表示させる。
このマップ変更に伴い、傾き検出手段14が、マップ情報から視点情報を取得してマップ変更後の投影面の傾きを検出すると共に、OLE_LINK2前回検出したOLE_LINK2投影面の傾きと今回検出した投影面の傾きとを比較することで投影面の傾きの変更を判定する(ステップS5)。傾きが変更された場合には、補正情報取得手段15及び移動速度補正手段16によりステップS1〜ステップS4を再実行し、移動速度の補正処理を行う。以上の処理をゲームの終了指示があるまで繰り返し、ゲームの終了指示に応じて終了する(ステップS6)。
これにより、投影面の傾きが変更されても、傾き変更後の投影面上での各キャラクタの移動速度が略等しいものとなる。なお、内部的な処理を、移動平面の傾きを変更して行う構成や、移動平面及び投影面の傾きを変更して行う構成のゲームプログラムにおいても本発明を適用でき、移動平面に対する投影面の相対的な傾きに応じて処理を行えばよい。
【0030】
ここで、本例では、マップ画像の生成に用いた視点情報に基づいて予め演算して求められた補正情報がマップ情報記憶手段17に格納されているため、補正情報取得手段15は変更後の傾きに対応する補正情報をマップ情報記憶手段17から取得しているが、補正情報取得手段15が変更後の傾きに基づいて随時演算を行って補正情報を取得するようにしてもよい。なお、補正情報取得手段15に上記の演算機能を設けることで、プレイヤが投影面を或る程度の自在性をもって変更可能なゲームにおいても、移動平面に対する投影面の傾きに応じた移動速度の補正が可能になる。また、移動速度補正手段16に上記の演算機能を設けて、移動速度補正手段16が投影面の傾きに応じた移動速度の補正を直接的に行うようにすることで、補正情報取得手段15を省くようにしてもよい。
【0031】
次に、本例に係るキャラクタ移動を、図7及び図8を参照して説明する。
図7(a)には、キャラクタPの基準速度をVとした場合の、移動平面M上でキャラクタPが基点BからX軸方向及びZ軸方向に移動する速度が示してある。すなわち、X軸方向は基準速度Vそのままであるのに対し、Z軸方向は基準速度Vより速めた速度Vcに補正されている。このZ軸方向の移動速度Vcを、図8に示すように投影面Sに投影して得られる見た目上の移動速度Vdは、図7(b)に示すようにX軸方向の見た目上の移動速度Vaと略等しくなる。すなわち、投影面S上で一定時間内にキャラクタPが動く距離は、図7(c)に示すようにX軸方向とZ軸方向とで略等しくなる。
【0032】
図9は、本例に係るキャラクタ移動を従来方法(理論上のキャラクタ移動)と比較したものであり、Z軸方向へのキャラクタPの移動速度(移動距離)が理論値よりも大きくなっていることがわかる。
なお、本例では、投影面S上でのX軸方向及びZ軸方向の移動速度を略等しくするために、移動平面M上でのZ軸方向の移動速度を速める補正を行っているが、移動平面M上でのX軸方向の移動速度を遅らす補正を行ってもよく、或いは、X軸方向及びZ軸方向のそれぞれの移動速度を補正してもよい。
【0033】
これまで、キャラクタPの移動方向をX軸方向及びZ軸方向に限定して説明してきたが、本発明はその中間方向へのキャラクタ移動が可能なゲームについても適用できる。
すなわち、例えば図10(a)に示すように、補正処理後のX軸方向の移動速度をVm、補正処理後のZ軸方向の移動速度をVnとした場合、その中間方向への移動速度Vpを各軸方向の移動速度の合成ベクトルにより定まる速度とすることができる。なお、中間方向の角度は、同図に例示した角度に限られず、種々の角度について適用できる。
また、例えば同図(b)に示すように、合成ベクトルにより定まる速度の範囲内で角度の変化に応じて楕円状に連続して変化する速度Vpとしたり、同図(c)に示すように、合成ベクトルにより定まる速度の範囲内で角度の変化に応じて直線的に連続して変化する速度Vpとすることもできる。
【0034】
図11は、移動平面Mに対する投影面Sの傾きの態様を概念的に示したものである。なお、説明の便宜上、移動平面Mに平行な投影面S0との比較により投影面Sの傾きの態様を示している。
同図(a)は、上述したような、移動平面Mと投影面Sとの間隔がZ軸方向(奥行方向)で広がる関係、すなわち、投影面S0をX軸方向を回転軸として所定角度回転させたものである。この場合は、これまで説明したように移動平面Mにおける移動速度をX軸方向の回転軸に対する回転角度に応じて補正する。
一方、同図(b)は、投影面S0をZ軸方向を回転軸として所定角度回転させたものである。この場合は、移動平面Mにおける移動速度をZ軸方向の回転軸に対する回転角度に応じて補正すればよい。
また、同図(c)は、投影面S0をX軸方向を回転軸として所定角度回転し、更に、Z軸方向を回転軸として所定角度回転させたものである。この場合は、移動平面Mにおける移動速度をX軸方向の回転角度及びZ軸方向の回転角度に応じて補正すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態に係る装置構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るハードウェア構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るゲーム装置の機能構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るキャラクタ情報のデータ構造を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るマップ情報のデータ構造を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るキャラクタの移動制御を説明する図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るキャラクタ移動を説明する図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るキャラクタ移動を説明する図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るキャラクタ移動を従来方法と比較する図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る斜め方向へのキャラクタ移動を説明する図である。
【図11】キャラクタの移動平面に対する投影面の傾きを説明する図である。
【図12】キャラクタの移動平面と視点及び投影面との位置関係を示す図である。
【図13】従来方法による投影面上でのキャラクタ移動を説明する図である。
【図14】従来方法による投影面上でのキャラクタ移動を説明する図である。
【符号の説明】
【0036】
1:ゲーム装置、
2:コントローラ、
3:ディスプレイ、
4:スピーカ、
11:操作受付処理手段、
12:表示処理手段、
13:制御手段、
14:傾き検出手段、
15:補正情報取得手段、
16:移動速度補正手段、
17:マップ情報記憶手段、
18:キャラクタ情報記憶手段、
E0、E:視点、
S0、S:投影面、
M:移動平面、
P、Pa、Pb、Pd:キャラクタ、
V、Va、Vb、Vc、Vd、Vm、Vn、Vp:移動速度
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャラクタが移動するゲーム空間をキャラクタの移動平面に対して傾いた投影面に投影した映像にて画面に表示するゲーム装置のコンピュータを、
移動平面に対する投影面の傾きを検出する傾き検出手段と、
検出された投影面の傾きに応じて、投影面上においてキャラクタが移動する速度が各移動方向で略等しくなるように移動平面上でのキャラクタの移動速度を補正するための補正情報を取得する取得手段と、
移動平面上におけるキャラクタの移動を前記取得した補正情報に応じて補正した移動速度で行う移動手段として機能させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームプログラムにおいて、
前記コンピュータを、投影面の傾き毎に予め演算して求めた補正情報を記憶する記憶手段として更に機能させ、
前記取得手段は、前記傾き変更手段が投影面の傾きを検出すると、検出された傾きに対応する補正情報を前記記憶手段から取得することを特徴とするゲームプログラム。
【請求項3】
請求項1に記載のゲームプログラムにおいて、
前記取得手段は、前記傾き変更手段が投影面の傾きを検出すると、検出された傾きに基づく演算を行って補正情報を取得することを特徴とするゲームプログラム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のゲームプログラムにおいて、
移動平面上におけるキャラクタの移動方向は、投影面に平行する第1軸の方向及び当該第1軸に直交する第2軸の方向であり、
前記取得手段は、キャラクタが移動平面上を各軸方向に移動する速度が投影面上で略等しくなるように移動平面上での第1軸又は第2軸の方向の移動速度を補正するための補正情報を取得し、
前記移動手段は、移動平面上における第1軸又は第2軸の方向へのキャラクタの移動を前記取得した補正情報に応じて補正した移動速度で行うことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のゲームプログラムにおいて、
移動平面上における第1軸の方向と第2軸の方向との中間方向にキャラクタが移動可能であり、
前記移動手段は、移動平面上における中間方向へのキャラクタの移動を、前記補正後の各軸方向の移動速度の合成ベクトルにより定まる移動速度の範囲内で行うことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のゲームプログラムにおいて、
前記キャラクタは、プレイヤの指示に応じて移動するプレイヤキャラクタであることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項7】
キャラクタが移動するゲーム空間をキャラクタの移動平面に対して傾いた投影面に投影した映像にて画面に表示するゲーム装置のコンピュータを、
移動平面に対する投影面の相対的な傾きを変更する傾き変更手段と、
変更された傾きに応じてゲーム空間を投影面に投影し、当該投影面上において移動する速度が各移動方向で略等しくなるように補正されたキャラクタを表示する表示手段として機能させるためのゲームプログラム。
【請求項8】
キャラクタが移動するゲーム空間をキャラクタの移動平面に対して傾いた投影面に投影した映像にて表示する画面と、
移動平面に対する投影面の傾きを検出する傾き検出手段と、
検出された投影面の傾きに応じて、投影面上においてキャラクタが移動する速度が各移動方向で略等しくなるように移動平面上でのキャラクタの移動速度を補正するための補正情報を取得する取得手段と、
移動平面上におけるキャラクタの移動を前記取得した補正情報に応じて補正した移動速度で行う移動手段と、
を備えたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項9】
キャラクタが移動するゲーム空間をキャラクタの移動平面に対して傾いた投影面に投影した映像にて画面に表示するゲーム装置のコンピュータを、
移動平面に対する投影面の傾きを検出する傾き検出手段と、
検出された投影面の傾きに応じて、投影面上においてキャラクタが移動する速度が各移動方向で略等しくなるように移動平面上でのキャラクタの移動速度を補正するための補正情報を取得する取得手段と、
移動平面上におけるキャラクタの移動を前記取得した補正情報に応じて補正した移動速度で行う移動手段として機能させるためのゲームプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶した記憶媒体。
【請求項1】
キャラクタが移動するゲーム空間をキャラクタの移動平面に対して傾いた投影面に投影した映像にて画面に表示するゲーム装置のコンピュータを、
移動平面に対する投影面の傾きを検出する傾き検出手段と、
検出された投影面の傾きに応じて、投影面上においてキャラクタが移動する速度が各移動方向で略等しくなるように移動平面上でのキャラクタの移動速度を補正するための補正情報を取得する取得手段と、
移動平面上におけるキャラクタの移動を前記取得した補正情報に応じて補正した移動速度で行う移動手段として機能させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームプログラムにおいて、
前記コンピュータを、投影面の傾き毎に予め演算して求めた補正情報を記憶する記憶手段として更に機能させ、
前記取得手段は、前記傾き変更手段が投影面の傾きを検出すると、検出された傾きに対応する補正情報を前記記憶手段から取得することを特徴とするゲームプログラム。
【請求項3】
請求項1に記載のゲームプログラムにおいて、
前記取得手段は、前記傾き変更手段が投影面の傾きを検出すると、検出された傾きに基づく演算を行って補正情報を取得することを特徴とするゲームプログラム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のゲームプログラムにおいて、
移動平面上におけるキャラクタの移動方向は、投影面に平行する第1軸の方向及び当該第1軸に直交する第2軸の方向であり、
前記取得手段は、キャラクタが移動平面上を各軸方向に移動する速度が投影面上で略等しくなるように移動平面上での第1軸又は第2軸の方向の移動速度を補正するための補正情報を取得し、
前記移動手段は、移動平面上における第1軸又は第2軸の方向へのキャラクタの移動を前記取得した補正情報に応じて補正した移動速度で行うことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のゲームプログラムにおいて、
移動平面上における第1軸の方向と第2軸の方向との中間方向にキャラクタが移動可能であり、
前記移動手段は、移動平面上における中間方向へのキャラクタの移動を、前記補正後の各軸方向の移動速度の合成ベクトルにより定まる移動速度の範囲内で行うことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のゲームプログラムにおいて、
前記キャラクタは、プレイヤの指示に応じて移動するプレイヤキャラクタであることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項7】
キャラクタが移動するゲーム空間をキャラクタの移動平面に対して傾いた投影面に投影した映像にて画面に表示するゲーム装置のコンピュータを、
移動平面に対する投影面の相対的な傾きを変更する傾き変更手段と、
変更された傾きに応じてゲーム空間を投影面に投影し、当該投影面上において移動する速度が各移動方向で略等しくなるように補正されたキャラクタを表示する表示手段として機能させるためのゲームプログラム。
【請求項8】
キャラクタが移動するゲーム空間をキャラクタの移動平面に対して傾いた投影面に投影した映像にて表示する画面と、
移動平面に対する投影面の傾きを検出する傾き検出手段と、
検出された投影面の傾きに応じて、投影面上においてキャラクタが移動する速度が各移動方向で略等しくなるように移動平面上でのキャラクタの移動速度を補正するための補正情報を取得する取得手段と、
移動平面上におけるキャラクタの移動を前記取得した補正情報に応じて補正した移動速度で行う移動手段と、
を備えたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項9】
キャラクタが移動するゲーム空間をキャラクタの移動平面に対して傾いた投影面に投影した映像にて画面に表示するゲーム装置のコンピュータを、
移動平面に対する投影面の傾きを検出する傾き検出手段と、
検出された投影面の傾きに応じて、投影面上においてキャラクタが移動する速度が各移動方向で略等しくなるように移動平面上でのキャラクタの移動速度を補正するための補正情報を取得する取得手段と、
移動平面上におけるキャラクタの移動を前記取得した補正情報に応じて補正した移動速度で行う移動手段として機能させるためのゲームプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶した記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−264276(P2008−264276A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−112501(P2007−112501)
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【出願人】(595046182)株式会社アトラス (15)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【出願人】(595046182)株式会社アトラス (15)
【Fターム(参考)】
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