説明

ゲーム機用入力装置、ゲーム機

【課題】新しい態様の入力動作によって操作内容をゲーム機に出力することができ、その新しい態様の入力動作に対応したプレイができるゲーム機用入力装置、ゲーム機を提供する。
【解決手段】ゲーム機401は、ケース402と、プレイヤが把持してケース402から引き出し可能なクロス403と、クロス403が引き出された速度を検出し、制御部460に出力するエンコーダ486と、下側Z1に移動可能に設けられ、クロス403を表面から押圧する外周面473bを有する上下バー473と、上下バー473を下側Z1に駆動して、引き出された状態のクロス403表面を外周面473bにより押圧してクロス403を折り曲げ、その折り曲げた長さに対応した長さのクロス403をケース402内に収容する上下バー駆動機構480と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルクロス引きを再現するのに適したゲーム機用入力装置、ゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、入力装置に対して叩く等の動作を行って、その叩き動作に応じてゲームを進行するゲーム機があった(例えば特許文献1)。
しかし、従来のゲーム機は、入力動作がありふれており、そのゲームの内容も目新しいものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−85804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、新しい態様の入力動作によって操作内容をゲーム機に出力することができ、その新しい態様の入力動作に対応したプレイができるゲーム機用入力装置、ゲーム機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0006】
第1の発明は、筐体(402)と、プレイヤが把持して前記筐体から引き出し可能なシート部材(403)と、前記シート部材が引き出された速度を検出し、ゲーム機の制御手段に出力する速度検出手段(486,490)と、前記シート部材の表面を押圧する方向である押圧方向(Z1)に移動可能に設けられ、前記シート部材を表面から押圧する押圧部(473b)を有する移動部材(473)と、前記移動部材を前記押圧方向に駆動して、引き出された状態の前記シート部材の表面を前記押圧部により押圧して前記シート部材を折り曲げ、その折り曲げた長さに対応した長さの前記シート部材を前記筐体内に収容する駆動手段(480)と、を備えるゲーム機用入力装置である。
第2の発明は、第1の発明のゲーム機用入力装置において、前記移動部材(473)は、回転可能な軸体であり、前記押圧部(473b)が、前記軸体の外周面であり、前記シート部材(403)を押圧しながら前記押圧方向に移動することにより回転し、前記駆動手段(480)は、前記軸体を回転可能に保持する回転保持手段(481)と、前記回転保持手段を前記押圧方向にガイドするガイド手段(482)と、前記回転保持手段を前記ガイド手段に沿って駆動するための駆動力を付与する駆動力付与手段(485)とを備えること、を特徴とするゲーム機用入力装置である。
第3の発明は、第2の発明のゲーム機用入力装置において、前記駆動力付与手段(485)は、プレイ時には、前記移動部材(473)を前記押圧方向(Z1)とは反対側の方向(Z2)に駆動して、前記シート部材(403)をフリーな状態にすること、を特徴とするゲーム機用入力装置である。
第4の発明は、第2の発明のゲーム機用入力装置において、前記駆動力付与手段(485)は、前記速度検出手段(486,490)の出力に応じた負荷を押圧方向(Z1)に付与することにより、前記シート部材(403)に対して引き出し方向(Y1)とは反対側の方向(Y2)に負荷を付与する負荷付与手段を兼用すること、を特徴とするゲーム機用入力装置である。
第5の発明は、第4の発明のゲーム機用入力装置において、前記駆動力付与手段(485)は、前記ゲーム機(402)からの命令に応じて、プレイ時に前記シート部材(403)に対して負荷を付与しない場合には、前記移動部材(473)を前記押圧方向(Z1)とは反対側の方向(Z2)に駆動して、前記シート部材をフリーな状態とし、前記ゲーム機からの命令に応じて、プレイ時に前記シート部材に対して負荷を付与する場合には、前記移動部材を前記シート部材に対して前記押圧方向に負荷を付与するように駆動すること、を特徴とするゲーム機用入力装置である。
第6の発明は、第1から第5までのいずれかの発明のゲーム機用入力装置において、前記シート部材(403)が引き出された態様として、引き出された前記シート部材(403)の面方向への傾きを検出する面方向傾き検出手段(490)、及び前記シート部材の表面の法線方向への傾きを検出する法線方向傾き検出手段(14)のうち少なくとも1つを備えること、を特徴とするゲーム機用入力装置である。
第7の発明は、第1から第6までのいずれかの発明のゲーム機用入力装置において、前記シート部材(403)は、前記筐体(402)に設けられたテーブル(402a)上に、引き出し方向手前側の部分が載置され、プレイヤが引き出し方向手前側の縁部を把持して、前記テーブルから持ち上げた状態で引き出し可能であること、を特徴とするゲーム機用入力装置である。
第8の発明は、第1から第7までのいずれかの発明のゲーム機用入力装置と、前記シート部材(403)が引き出された速度と、プレイ進行とを対応付けて記憶する記憶手段(50)と、前記速度検出手段の出力に基づいて、前記記憶手段の情報を読み出してプレイ進行する制御手段(460)と、を備えるゲーム機である。
第9の発明は、第8の発明のゲーム機において、前記記憶手段(50)は、物理演算式(51d)を記憶し、前記制御手段(460)は、前記速度検出手段の出力及び前記記憶手段の物理演算式に基づいて、前記シート部材(403)上に物体が載置されていたとした場合に、前記物体が移動する態様を演算し、前記制御手段が算出した前記物体が移動する態様を表示する表示手段(6)を備えること、を備えるゲーム機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
第1の発明は、プレイヤが把持してシート部材が引き出された態様に基づいて、ゲーム機の制御手段に出力するので、従来とは異なる入力装置を提供でき、シート部材が引き出された態様に基づいてプレイ進行できる新しいゲームを提供できる。また、引き出された状態のシート部材の表面を押圧部により押圧してシート部材を筐体内に収容するので、引き出したシート部材を、簡単な構成で筐体内に収容できる。
第2の発明は、シート部材を押圧しながら回転する軸体を押圧方向に駆動するので、シート部材との摩擦を低減できるため、シート部材の損傷を防止できる。
【0008】
第3の発明は、プレイ時にシート部材に対して負荷を付与しない場合には、押圧方向とは反対側の方向に駆動して、シート部材をフリーな状態にするので、プレイヤがシート部材を引き出すときの抵抗を低減できる。
第4の発明は、駆動力付与手段が、シート部材に対して負荷を付与するので、シート部材を速く引き出すことを困難にできるため、プレイの難易度を向上できる。また、シート部材の表面に物体が載置された状態で、シート部材を引き出すような状況を再現できる。さらに、駆動力付与手段がこの負荷付与手段を兼用するので、構造を簡単にでき、かつコストを抑えることができる。
【0009】
第5の発明は、プレイ時にシート部材に対して負荷を付与しない場合には、シート部材をフリーな状態とし、一方、プレイ時にシート部材に対して負荷を付与する場合には、シート部材に負荷を付与するので、プレイ態様に応じて、シート部材をフリーにしたり、シート部材に負荷を付与できる。
第6の発明は、シート部材の面方向への傾き、及びシート部材の表面の法線方向への傾きのうち少なくとも1つを検出するので、シート部材がこれらの方向にどのように傾けて引き出されたかに基づいてプレイ進行するゲームを提供できる。
第7の発明は、プレイヤがシート部材を把持して、テーブルから持ち上げた状態で引き出し可能であるので、テーブルクロス引きを疑似体験できるようなゲームを提供できる。
【0010】
第8の発明は、シート部材が引き出された速度と、プレイ進行とを対応付けて記憶し、速度検出手段の出力に基づいて、記憶手段の情報を読み出してプレイ進行するので、シート部材が引き出された速度に対応してプレイ進行するゲーム機を提供できる。
第9の発明は、物理演算式に基づいて、シート部材上に物体が載置されていたとした場合に、物体が移動する態様を演算して表示するので、物体が移動する態様をリアルに表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1実施形態のゲーム機1の斜視図である。
【図2】第1実施形態の上下傾き検出装置10の斜視図である。
【図3】第1実施形態の上下傾き検出装置10の構成を説明する上面図、断面図である。
【図4】第1実施形態のクロス駆動装置20の斜視図である。
【図5】第1実施形態のプレート22が回転した状態のクロス駆動装置20の斜視図である。
【図6】第1実施形態のクロス3が面方向に回転する状態を説明する上面図である。
【図7】第1実施形態のゲーム機1のブロック図である。
【図8】第1実施形態のゲーム機1の動作を示すフローチャートである。
【図9】第1実施形態の動作時のゲーム機1を、手前側Y1から見下ろすように見た斜視図である。
【図10】第2実施形態のゲーム機201の斜視図である。
【図11】第2実施形態のベルト225の動作を説明する断面図(右側面図)である。
【図12】第2実施形態のセンタベルト240の動作を説明する断面図(右側面図)である。
【図13】第3実施形態のゲーム機301の斜視図である。
【図14】第4実施形態のゲーム機401の斜視図である。
【図15】第4実施形態の上下バー473の動作を説明する側面図(右側X2から見た図)である。
【図16】第4実施形態のゲーム機401のブロック図である。
【図17】第4実施形態のゲーム機401の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のゲーム機1の斜視図である。
なお、以下の説明及び図面において、ゲーム機1を表示画面がプレイヤに対向するように配置した状態での左右方向をX、奥行方向(引き出し方向)をY、鉛直方向をZとする。
ゲーム機1は、ケース2から引き出し可能にテーブルクロスを模したクロス3(シート部材)が設けられ、テーブルクロス引きを疑似体験できるゲーム装置である。
ゲーム機1は、ケース2と、クロス3と、コイン投入口4と、操作部5と、表示部6と、音声出力部7とを備える。
【0013】
ケース2は、ゲーム機1の筐体である。ケース2は、テーブル2aと、操作パネル2bとを有する。
テーブル2aは、ケース2の手前側Y1に配置されている。
操作パネル2bは、テーブル2aよりも奥側Y2に配置されている。手前側Y1の側面には、クロス挿通孔2cが設けられている。
【0014】
クロス3は、シート状の部材であり、例えば、柔軟性を有する布により形成される。クロス3は、プレイ前の基準位置に配置された状態(図1の状態)において、手前側部分3bがテーブル2a上に載置され、手前側部分3bよりも手前側Y1の縁部近傍3aがテーブル2aよりも手前側Y1にはみ出すような大きさであり、また、手前側部分3bよりも奥側Y2の奥側部分3cが、クロス挿通孔2cを挿通してケース2の内部に収容されるようになっている。
プレイヤは、クロス3の縁部近傍3aを、例えば両手で把持して、テーブル2aから持ち上げた状態で引っ張ることにより、奥側部分3cをケース2のクロス挿通孔2cから引き出すことができる。なお、クロス3を引き出すための内部構造については、後述する。
【0015】
コイン投入口4は、プレイヤがプレイをするために、コインを投入する投入口である。コイン投入口4は、光学センサ等の検出部が設けられており、コインを検出すると制御部60(図7参照)に、コイン検出信号を出力する。
操作部5は、ステージ等の選択、決定をするためにプレイヤが操作するボタンである。操作部5は、操作パネル2bに設けられている。
表示部6は、プレイ画面や、プレイ結果を表示するためのモニタであり、例えば液晶表示装置等である。また、表示部6は、プレイ画面として、テーブル6bと、テーブル6bに敷かれたテーブルクロス6cと、テーブルクロス6c上に載置された人形6a(物体)との画像を表示する(図9参照)。このテーブル6b及びテーブルクロス6cは、テーブル2a及びクロス3が奥側Y2に連続して設けられたような表示になっている。そして、プレイヤがクロス3を引き出した場合には、表示部6は、その動作に対応した表示をするようになっている(図9参照)。
音声出力部7は、BGM(バック グランド ミュージック)、効果音等を出力するスピーカである。
【0016】
図2は、第1実施形態の上下傾き検出装置10の斜視図である。
図3は、第1実施形態の上下傾き検出装置10の構成を説明する上面図、断面図である。
図3(a)は、上下傾き検出装置10の上面図である。
図3(b)は、図3(a)のB−B部矢視断面図である。
図3(c)は、図3(a)のC−C部矢視断面図である。
図2に示すように、ゲーム機1は、操作パネル2bの内部に、上下傾き検出装置10を備える。
【0017】
図2、図3に示すように、上下傾き検出装置10は、軸11と、ローラ12と、平歯車13と、上下傾き検出部14(法線方向傾き検出手段)とを備える。
図2に示すように、軸11は、中心軸の方向が左右方向Xになるように配置されている。軸11は、左端及び右端が軸受11a,11bにより軸支されており、中心軸回りに回転可能である。軸11は、バネ等により回転方向の手前側Y1に付勢されている(回転方向θ1参照)。
ローラ12は、左右方向Xに等間隔に3個配置されている。
図3(b)に示すように、ローラ12は、アーム12aにより軸11に対して固定されている。ローラ12は、中心軸12c回りに回転可能である。
【0018】
図3(a)に示すように、平歯車13は、軸11の右端に固定されている。
上下傾き検出部14は、例えばロータリエンコーダ等の回転角度を検出するセンサである。上下傾き検出部14は、回転軸14aに平歯車14bが設けられており、この平歯車14bが平歯車13に噛み合っている。
このため、図3(b)に示すように、上下傾き検出部14は、平歯車13及び軸11の回転角度、つまりクロス3及びテーブル2aがなす角である上下傾斜角度θ3(シート部材の法線方向への傾き)を検出できる。上下傾き検出部14は、検出情報を制御部60(図7参照)に出力する。
【0019】
上下傾き検出装置10の動作を説明する。
図3(b)に示すように、プレイヤがクロス3を把持し、テーブル2aから上側Z2に持ち上げると、ローラ12が軸11回りに回転方向θ2に回転する。なお、クロス3は、ローラ12の接触部を中心にして上側Z2(図中右回り)に回転する。
これにともない、図3(c)に示すように、軸11が回転方向θ2に回転し、平歯車13が回転する。平歯車13の回転は、平歯車14bに伝達される。そして、上下傾き検出装置10がその検出情報を制御部60(図7参照)に出力し、制御部60がクロス3の上下傾斜角度θ3を判定する。
【0020】
なお、この後、プレイヤがクロス3を上側Z2に持ち上げた状態で手前側Y1に引っ張る場合には、クロス3の移動にともないローラ12が回転するので、クロス3の引き出し方向には、ローラ12による負荷がほとんどかからない。
【0021】
図4は、第1実施形態のクロス駆動装置20の斜視図である。
図5は、第1実施形態のプレート22が回転した状態のクロス駆動装置20の斜視図である。
図6は、第1実施形態のクロス3が面方向に回転する状態を説明する上面図である。
ゲーム機1は、ケース2の奥側Y2の部分にクロス駆動装置20を備える。
【0022】
クロス駆動装置20は、シャーシ21と、プレート22と、移動子23,33と、レール24,34と、ベルト25,35と、モータ26,36と、エンコーダ27,37(移動量検出手段)とを備える。
なお、移動子23,33と、レール24,34と、ベルト25,35と、モータ26,36と、エンコーダ27,37との構成は、左右対称であるので、以下の説明において、主に左側X1の構成について説明し、右側X2の構成の説明を適宜省略する。
シャーシ21は、クロス駆動装置20の筐体であり、ケース2に対して固定されている。
【0023】
プレート22は、奥行方向Yに移動可能に支持された板状の部材である。プレート22は、ボス22a,22bと、丸孔22cと、長孔22dとを有する。
ボス22aは、プレート22の後端部のうち左側X1に配置されている。ボス22aは、クロス3(2点鎖線で示す)の後端部のうち左側X1の端部が固定されている。
ボス22bは、プレート22の後端部のうち右側X2に配置されている。ボス22bは、クロス3の後端部のうち右側X2の端部が固定されている。
【0024】
丸孔22cは、プレート22の先端部のうち左側X1に配置されている。丸孔22cは、ビス22eにより、プレート22を移動子23に取り付けるための孔である。このビス22eは、段付ねじであり、丸孔22cの中心回りに回転可能に、プレート22を移動子23に接続する。
長孔22dは、プレート22の先端部のうち右側X2に配置されている。長孔22dは、ビス22fにより、プレート22を移動子33に取り付けるための孔である。このビス22fは、ビス22eと同様に、段付ねじであり、長孔22dの回りに回転可能かつ長孔22dの長手方向に移動可能に、プレート22を移動子33に接続する。後述するように、移動子23,33は、独立して奥行方向Yに移動可能であるので、プレート22は、丸孔22cの中心回りに回転しながら(回転方向θ4)、奥行方向Yに移動できる(図5参照)。
なお、プレート22の表面の高さは、テーブル2a(図1参照)の高さと等しい。このため、クロス3の奥側部分3cは、ケース2内部に折れ曲がることなく収容されるので、引き出し動作にともなうケース2との摩擦を低減できるため、耐久性を向上できる。
【0025】
移動子23は、レール24に沿って奥行方向Yに移動可能に設けられている。移動子23の上側Z2の面は、プレート22に固定されており、一方、下側Z1の面は、ベルト25に固定されている。また、移動子23は、レール24に係合するつば23aを有する。
移動子23の奥行方向Yの移動量は、例えば、1m程度である。このため、クロス3は、基準位置から手前側Y1に、1m程度引き出し可能である。
【0026】
なお、移動子23は、下側の面がベルト25に固定されているので、プーリ25bの上側Z2近傍まで移動できる。つまり、移動子23及びクロス3の後端部は、シャーシ21のほぼ後端まで移動できる。これにより、ゲーム機1は、クロス3の移動範囲よりも奥側Y2のスペース、つまりプーリ25bよりも奥側Y2のスペースを設ける必要がないので、小型化を図ることができる。
【0027】
レール24は、移動子23を奥行方向Yにガイドする部材である。レール24及び移動子23は、スライダ機構であり、移動子23は、低摩擦で奥行方向Yに移動できる。レール24は、シャーシ21に設けられている。レール24の奥行方向Yの長さは、移動子23の移動量に対応した長さになっている。
【0028】
ベルト25は、プーリ25a,25bに掛け渡された歯付ベルトである。ベルト25は、無限軌道を有するタイプである。
このプーリ25a,25bは、シャーシ21の手前側Y1及び奥側Y2に、配置されている。プーリ25a,25bは、中心軸回りに回転可能に、シャーシ21に固定された軸受25c,25dに支持されている。プーリ25a,25bは、ベルト25に噛み合う歯が設けられている。
【0029】
モータ26は、ベルト25に回転力を付与する例えばDCモータ等である。モータ26は、プーリ25bに接続されている。後述するように、モータ26は、クロス3が手前側Y1に引き出される場合には、クロス3に対して奥側Y2(引き出し方向とは反対側の方向)に負荷をかけ、クロス3が手前側Y1に引き出された後には、クロス3の奥側部分3cをケース2内に戻して収容するために回転駆動する。
なお、ゲーム機1は、この負荷をかけるモータと、クロス3をケース2内に戻すモータとを、別々に設けてもよい。
エンコーダ27は、プーリ25aの回転量、つまり移動子23の移動量を検出するロータリエンコーダである。エンコーダ27は、プーリ25aに接続されている。エンコーダ27は、検出情報を制御部60(図7参照)に出力する。
【0030】
クロス駆動装置20の動作を説明する。
プレイヤによりクロス3が手前側Y1に引き出されると、プレート22が手前側Y1に移動する。クロス3には、モータ26,36により、ベルト25,35、移動子23,33を介して、奥側Y2に負荷がかけられている。
【0031】
なお、ゲーム機1は、クロス3が引き出された場合に、移動子23,33等を水平方向である奥行方向Yに移動する。このため、ゲーム機1は、例えば後述する第2実施形態のゲーム機201と比較すると、クロス3にかかる負荷のうちモータ26,36以外の負荷を軽減でき、つまり移動片248(図10参照)等を鉛直方向Zに移動するための負荷がかからず、モータ26,36によって、狙った負荷により近い負荷をかけることができる。
【0032】
以下、図6(a)に示すように、クロス3が基準位置に配置された状態から、図6(b)に示すように、真っ直ぐではなく、面(XY平面)方向に傾いて引き出された場合を例に説明する。
移動子23,33は、それぞれ独立してレール24,34にガイドされ、またプレート22が丸孔22c回りに回転可能である。
このため、図5に示すように、移動子23の手前側Y1の移動量は、移動子33の手前側Y1の移動量よりも小さくなる。移動子23,33の移動にともない、ベルト25,35が回転し、プーリ25a,25bが回転する。
【0033】
このとき、エンコーダ27は、プーリ25aの回転量を検出することにより、移動子23の移動量を検出するので、クロス3の左端の移動量を検出できる。一方、エンコーダ37は、移動子33の移動量を検出するので、クロス3の右端の移動量を検出できる。エンコーダ27,37は、検出信号を制御部60(図7参照)に出力する。
この2つの移動量は、それらの平均値がクロス3の移動量の平均値を表すので、検出開始から終了までの時間で除算することにより、引き出されたクロス3の速度を検出できる。
また、この2つの移動量は、これらの差がクロス3の面方向の傾きθ5を表すので、この2つの移動量の差を算出することにより、引き出されたクロス3の面方向への傾きθ5を検出できる。
【0034】
このように、エンコーダ27,37は、それぞれクロス3の奥行方向Yの移動量を、クロス3の左端及び右端の2つの部分で検出することにより、クロス3が引き出された速度を検出する速度検出手段と、引き出されたクロス3の面方向への傾きθ5を検出する面方向傾き検出手段とを兼用できる。これにより、ゲーム機1は、低コストで製造できる。
また、ゲーム機1は、移動子23,33等の構成を左右対称にできるので、構成を簡単にでき、さらに、部品共通化を図り、この点からも低コストで製造できる。
【0035】
次に、ゲーム機1のブロック図について説明する。
図7は、第1実施形態のゲーム機1のブロック図である。
ゲーム機1は、前述したハードウェアの他に、記憶部50と、制御部60とを備える。
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御装置等を備えた情報処理装置をいい、ゲーム機1は、記憶部50、制御部60等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0036】
記憶部50は、ゲーム機1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。記憶部50は、ゲームプラグラム51を記憶している。
ゲームプラグラム51は、このテーブルクロス引きゲームのプログラムであり、クロス3が引き出された態様と、プレイ進行とを対応付けて記憶し、例えば、画像データ、音声データ等を有する。
ゲームプラグラム51は、速度テーブル51aと、上下傾きテーブル51bと、左右傾きテーブル51cと、物理演算式51dとを有する。
速度テーブル51aは、クロス3の速度に対応付けて得点を記憶するテーブル2aである。速度テーブル51aは、クロス3の速度が速い程、高得点である情報を記憶する。
上下傾きテーブル51bは、クロス3の上下傾斜角度θ3(図3(b)参照)に対応付けて得点を記憶するテーブル2aである。上下傾きテーブル51bは、上下傾斜角度θ3が小さい程、高得点である情報を記憶する。
【0037】
左右傾きテーブル51cは、クロス3の面方向の傾きに対応付けて得点を記憶するテーブル2aである。上下傾きテーブル51bは、クロス3の面方向の傾きが小さい程、高得点である情報を記憶する。
物理演算式51dは、仮想空間内において、テーブルクロス6c(図9参照)上に人形6aが載置された状態で、クロス3に対応した動作によってテーブルクロス6cが引かれた場合に、人形6aがどのように移動するかを算出する演算式である。
【0038】
制御部60は、ゲーム機1を統括的に制御するための制御部であり、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。制御部60は、記憶部50に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。制御部60は、速度算出部61と、左右傾き算出部62と、プレイ進行制御部63と、必要に応じてこれら各制御部の間で情報を伝達するためのバスラインとを備える。
速度算出部61は、エンコーダ27,37の出力に基づいて、それらの平均値を算出し、その平均値をクロス3の移動時間で除算して、クロス3の移動速度を算出する制御部である。
なお、速度算出部61は、クロス3の移動時間を、エンコーダ27,37の出力開始から終了までの時間とすることができる。又は、例えば、クロス3が引き出される前のクロス3の後端の位置を検出する位置検出部と、クロス3が引き出された後のクロス3の後端の位置を検出する位置検出部とを、別途クロス駆動装置20に設けて、各位置検出部から出力された時間に基づいて、クロス3の移動時間を求めてもよい。
【0039】
左右傾き算出部62は、エンコーダ27,37の出力に基づいて、これらの差を算出することにより、引き出されたクロス3の面方向への傾きを算出する制御部である。
プレイ進行制御部63は、プレイ進行を統括的に制御するための制御部である。プレイ進行制御部63は、以下のようなプレイを進行する。
【0040】
このテーブルクロス引きゲームは、仮想空間内において、テーブルクロス6cが載置されたテーブル6b上に、人形6aが正立した状態で載置され、プレイヤがクロス3を引き出すことにより、仮想空間内において、テーブルクロス引きをするものである。プレイ進行制御部63は、人形6aが倒れるか否かを、記憶部50の物理演算式51dに基づいて判定し、人形6aが倒れない場合に、成功とする。
【0041】
そして、1つのステージにおいて3回のテーブルクロス引きのプレイができ、倒れなかった人形6aの数の合計値が規定の数を満足することにより、ステージクリアとなる。プレイヤは、ステージ選択後、各プレイでテーブル2aに載置される人形6aの数を、操作部5を操作して選択できる。
つまり、そのステージでの規定の数が「10」であれば、プレイヤは、例えば「3個→3個→4個」等のように、各プレイでの人形6aの数を選択できる。
プレイ進行制御部63は、モータ26,36を制御して、選択された人形6aの数が多い程クロス3に対して大きな負荷をかける。このため、プレイ進行制御部63は、人形6aの数が多い程クロス3を速く引き出すことを困難にでき、またクロス3の面方向の傾きを少なくして引き出すことを困難にできるため、プレイの難易度を向上できる。また、プレイ進行制御部63は、テーブル2aに人形が載置されているような負荷をかけることができるため、テーブルクロス引きをリアルに再現できる。
【0042】
次に、ゲーム機1の動作について説明する。
図8は、第1実施形態のゲーム機1の動作を示すフローチャートである。
図9は、第1実施形態の動作時のゲーム機1を、手前側Y1から見下ろすように見た斜視図である。
図9(a)は、クロス3が基準位置に配置され、クロス3を引き出す前に、人形6aが表示部6に表示された状態を示す。
図9(b)は、クロス3が引き出された後に、人形6aが移動する態様が表示部6に表示された状態を示す。
【0043】
最初にステップS(以下、単に「S」という)1において、プレイヤがコイン投入口4にコインを投入すると、コイン投入口4のコイン検出信号の出力に基づいて、プレイ進行制御部63が一連の処理を開始する。
【0044】
S2において、プレイ進行制御部63は、プレイヤの操作部5に応じて、ステージの選択を受け付け、そのステージの人形6aの規定値を設定する。
S3において、プレイ進行制御部63は、プレイヤの操作部5に応じて、人形6aの数の選択を受け付け、そのプレイでの人形6aの数を設定する。
S4において、プレイ進行制御部63は、選択された数の人形6aを正立させて、表示部6に表示する(図9(a)参照)。
【0045】
S4において、プレイ進行制御部63は、モータ26,36を制御して、選択された人形6aの数に応じた負荷をクロス3に負荷する。これにより、ゲーム機1は、プレイヤがクロス3を引いたときに、実際にテーブル2a上に人形6aが載置されているような負荷をかけることができる。
【0046】
S5において、プレイ進行制御部63は、各検出部からの出力の受け付けを開始する。
S6において、プレイヤがクロス3の先端を把持して上側Z2に持ち上げると、上下傾き検出装置10が上下傾斜角度θ3(図3(b)参照)を検出して、検出信号をプレイ進行制御部63に出力する。
【0047】
S7において、プレイヤがクロス3を手前側Y1に引き出すと、エンコーダ27,37がクロス3の移動量を検出して、検出信号をプレイ進行制御部63に出力する。
S8において、速度算出部61は、エンコーダ27,37の出力に基づいて、クロス3の移動速度を算出する。
S9において、左右傾き算出部62は、エンコーダ27,37の出力に基づいて、クロス3の面方向への傾きを算出する。
S10において、プレイ進行制御部63は、クロス3の上下傾斜角度θ3、クロス3の移動速度、クロス3の面方向への傾きに基づいて、テーブルクロス6c上に人形6aが載置されていた場合に、その人形6aが移動する態様を物理演算する。これにより、プレイ進行制御部63は、仮想空間内において、人形6aが倒れずに正立した状態でテーブル6b上に残存するか否か、つまりテーブルクロス引きが成功した否か、人形6aがテーブル6b上で倒れてしまうか否か、人形6aが飛翔してしまうか否か等を判定できる。そして、プレイ進行制御部63は、倒れなかった人形6aの数を、記憶部50に記憶する。
【0048】
S11において、プレイ進行制御部63は、S10での物理演算に基づいて、人形6aが移動する形態を表示部6に表示する(図9(b)参照)。これにより、ゲーム機1は、テーブルクロス引きをリアルに演出できる。
【0049】
S12において、プレイ進行制御部63は、クロス3の上下傾斜角度θ3、クロス3の移動速度、クロス3の面方向への傾きに基づいて、記憶部50の各テーブル51a,51b,51cを参照して、スコアを算出して表示部6に表示する。また、プレイ進行制御部63は、倒れなかった数の人形6aの数を、表示部6に表示する。
S13において、プレイ進行制御部63は、そのプレイが3回目であるか否かを判定する。プレイ進行制御部63は、3回目であると判定し場合には(S13:YES)、S14に進み、一方、3回目に達していないと判定した場合には(S13:NO)、S3からの処理を繰り返す。
【0050】
S14において、プレイ進行制御部63は、3回のプレイのスコアの合計値と、倒れた人形6aの合計値とを、表示部6に表示する。
S15において、プレイ進行制御部63は、倒れた人形6aの合計値が、このステージの規定の数以上であるか否かを判定して、ステージをクリアしたか否かを判定する。プレイ進行制御部63は、ステージをクリアしたと判定した場合には(S15:YES)、S151に進んで、次のステージの設定を行い、S3からの処理を繰り返す。一方、プレイ進行制御部63は、ステージをクリアしていないと判定した場合には(S15:NO)、S16に進んで、一連の処理を終了する。
【0051】
以上説明したように、ゲーム機1は、入力装置として上下傾き検出装置10、クロス駆動装置20等を備えるので、テーブルクロス引きを擬似体験できるゲームを提供できる。
また、ゲーム機1は、クロス3が引き出された態様を検出し、その態様に基づいてプレイ進行できる新しいゲームを提供できる。
【0052】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図10は、第2実施形態のゲーム機201の斜視図である。
図10は、表示部等の図示を省略し、クロス駆動装置220を透視して図示する。
図11は、第2実施形態のベルト225の動作を説明する断面図(右側面図)である。
図12は、第2実施形態のセンタベルト240の動作を説明する断面図(右側面図)である。
【0053】
ケース202は、奥側Y2の領域に、手前側Y1に至るに従って下側Z1に傾斜する傾斜板202dを有している。
クロス駆動装置220は、ケース202の表面及びこの傾斜板202d上に設けられている。
クロス駆動装置220は、プレート222と、移動子223,233と、レール224,234と、ベルト225,235と、センタベルト240と、モータ246と、エンコーダ227(面方向傾き検出手段)と、センタエンコーダ247(面方向傾き検出手段,移動量検出手段)と、移動片248とを備える。
なお、移動子223,233と、レール224,234と、ベルト225,235の構成は、左右対称であるので、以下の説明おいて、主に左側X1の構成について説明し、右側X2の構成の説明を適宜省略する。
【0054】
プレート222、移動子223,233、レール224,234は、ケース202の表面に設けられており、第1実施形態と同様に、プレート222が、丸孔222cの中心回りに回転しながら奥行方向Yに移動可能に支持されている。
図11に示すように、ベルト225は、第1実施形態のような無限軌道を有するタイプではなく、帯状のタイプである。ベルト225は、先端225cが移動子223に固定され、後端225dがケース202の固定部203eに固定されている。ベルト225は、先端225cから後端225dに至る経路において、プーリ225aに巻き掛けられた後、プーリ225bに巻き掛けられている。
プーリ225aは、中心軸回りに回転可能に、ケース202に設けられた軸受(図示せず)に支持され、またプーリ225bは、中心軸回りに回転可能に、移動片248に設けられた軸受(図示せず)に支持されている。プーリ225aは、定滑車のように作用し、プーリ225bは、移動片248を移動させる動滑車のように作用するようになっている。つまり、移動子223が手前側Y1に移動すると、図11(b)に示すように、ベルト225は、移動片248を傾斜板202dに沿って奥側Y2かつ上側Z2に移動させる。
【0055】
図10に示すように、センタベルト240は、左右方向Xにおいて、レール224,234のほぼ中間の位置に配置されている。
図12に示すように、センタベルト240は、無限軌道を有するタイプであり、プーリ240a,240bに掛け渡されている。プーリ240a,240bは、中心軸回りに回転可能に、ケース202に設けられた軸受(図示せず)に支持されている。センタベルト240には、移動片248が固定されている。このため、センタベルト240は、移動片248の移動にともなって無限軌道上を移動するようになっている。
【0056】
図10に示すように、モータ246は、センタベルト240が掛け渡されたプーリ240bの回転軸に設けられており、クロス203が手前側Y1に引き出される場合には、クロス203に対して負荷をかけ、クロス203が手前側Y1に引き出された後には、クロス203をケース202内に戻して収容するために回転駆動する。
【0057】
エンコーダ227は、ベルト225が巻き掛けられたプーリ225aの回転軸に設けられている。エンコーダ227は、プーリ225aの回転量、つまり移動子223の移動量を検出するロータリエンコーダである。
なお、ベルト235が巻き掛けられたプーリ235aの回転軸には、エンコーダが設けられていないが、後述するように、ゲーム機201は、クロス203が引き出された速度、クロス203の面方向への傾きを検出できる。
センタエンコーダ247は、センタベルト240を掛け渡すプーリ240bの回転軸に設けられている。センタエンコーダ247は、プーリ240bの回転量、つまり移動片248の中心248bの移動量を検出するロータリエンコーダである。
【0058】
移動片248は、傾斜板202dに設けられた傾斜レール248aに沿って移動可能に設けられている。移動片248は、左端及び右端の内部に、ベルト225,235を掛け渡すためのプーリ225b,235bを収容している(図11参照)。つまり、移動片248は、ベルト225,235に対してプーリ225b,235bを介して接続されている。また、移動片248は、センタベルト240に対して、中心248b回りに移動可能に接続されている。
移動片248は、以上の構成により、ベルト225,235の回転移動にともなって、傾斜板202dに沿って移動し、センタベルト240を駆動する。
また、ベルト225,235が独立して移動可能なので、ベルト225,235の移動量が異なる場合には、移動片248は、中心248b回りに回転しながら、傾斜板202dに沿って移動できる。
【0059】
クロス駆動装置220の動作を説明する。
図10に示すように、プレイヤによりクロス203が手前側Y1に引き出されると、これにともないプレート222が手前側Y1に移動する。クロス203には、制御部260がモータ246を制御することにより、センタベルト240、移動片248、ベルト225,235、移動子223,233、プレート222を介して、奥側Y2に負荷がかけられている。
クロス203が基準位置から、真っ直ぐではなく、面方向に傾いて引き出されると、移動子223,233がそれぞれ独立してレール224,234にガイドされているので、プレート222が丸孔222c回りに回転しながら(回転方向θ24参照)、手前側Y1に移動する。そして、移動子223,233の移動量に応じた量だけ、ベルト225,235の手前側Y1に移動する。
【0060】
ベルト225,235が移動すると、移動片248は、ベルト225,235の移動量に応じた量だけ、中心248b回りに回転しながら、傾斜板202dに沿って移動する。
このとき、エンコーダ227は、プーリ225aの回転量を検出することにより、移動子223の移動量を検出するので、クロス203の左端の移動量を検出し、検出信号を制御部260に出力する。一方、センタエンコーダ247、移動片248の中央の移動量を検出するので、クロス203の中央の移動量を検出し、検出信号を制御部260に出力する。
【0061】
ここで、制御部260は、センタエンコーダ247の出力を2倍することにより、クロス203の移動量の平均値を求めることができる。なお、2倍するのは、プーリ225a,235aが動滑車のように作用するので、移動片248の移動量がクロス203の移動量の半分になるためである。
このため、制御部260は、このクロス203の移動量の平均値を、検出開始から終了までの時間で除算することにより、引き出されたクロス203の速度を、簡単な処理により算出できる。
また、この2つの移動量は、それらの差を2倍した値がクロス203の面方向の傾きを表すので、引き出されたクロス203の面方向への傾きを検出できる。
【0062】
以上説明したように、第2実施形態のゲーム機201は、簡単な処理でクロス203の速度及び面方向の傾きを検出、判定できる。
また、ゲーム機201は、エンコーダ227、センタエンコーダ247が、クロス203の移動量を左端及び中央の2つの部分で検出することにより、速度検出手段と、面方向傾き検出手段とを兼用できる。
【0063】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図13は、第3実施形態のゲーム機301の斜視図である。
ゲーム機301は、クロス303をロール状に巻き取る軸体303dを備える。軸体303dは、ケース302に回転可能に支持され、クロス303を巻き取る方向θ31にバネ等により付勢されている。軸体303dには、回転移動量を検出するセンサ(移動量検出手段)が設けられている。
そして、プレイヤがクロス303を引き出すと、このセンサが回転移動量を検出して、制御部360に検出信号を検出する。制御部360は、検出信号に基づいて、クロス303の移動量を算出して、プレイを進行する。
【0064】
以上説明したように、第3実施形態のゲーム機301は、テーブルを備える必要がないので、小型にでき、また、クロス303を巻き取るので、簡単な構成にできる。
【0065】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能、処理を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図14は、第4実施形態のゲーム機401の斜視図である。
図14は、表示部6等の図示を省略し、クロス403の駆動機構等を透視して図示する。
図14(a)は、上下バー473を鉛直方向Zに駆動する構造を説明する図である。
図14(b)は、上下バー駆動モータ485の駆動力を上下バー473に伝達する構造を説明する図である。
図15は、第4実施形態の上下バー473の動作を説明する側面図(右側X2から見た図)である。
なお、以下、ゲーム機401内部のクロス403の駆動機構等について、主に説明するが、テーブル402a(図1に示すテーブル2a参照)、クロス403の上下方向の傾き検出する構成(図2参照)等は、第1実施形態と同様である。
【0066】
ゲーム機401は、ケース402(筐体)と、クロス403(シート部材)と、方向変換ローラ471と、クロス後端固定部472と、上下バー473(移動部材)と、上端検出部474Uと、下端検出部474Dと、上下バー駆動機構480(駆動手段)と、ポジション検出部490(速度検出手段)等とを備える。
【0067】
図14に示すように、方向変換ローラ471は、下側Z1に折り曲げられたクロス403の先端側(手前側Y1)を、手前側Y1に導くローラである。方向変換ローラ471は、中心軸471aの方向が左右方向Xになるように配置される。方向変換ローラ471は、中心軸471a回りに回転可能にケース402に支持されており、クロス403の引き出しや、収容に応じて回転し、クロス403にかかる摩擦抵抗を小さくできる。方向変換ローラ471は、外周面471bの上側Z2の高さがテーブル402aとほぼ同じ高さになるように配置されており(図15参照)、クロス403の先端側を、手前側Y1に水平に導く。
【0068】
クロス後端固定部472は、クロス403の後端が固定された軸体である。クロス後端固定部472は、中心軸472aの方向が左右方向Xになるように配置される。クロス後端固定部472は、両端部がケース402に固定されており、クロス403が最大限引き出された場合に、それ以上引き出されないように規制している(図15(c)参照)。クロス後端固定部472は、クロス403を固定する部分472bの高さが、方向変換ローラ471の外周面471bの上側Z2の高さに等しい。このため、クロス403は、最大限引き出された場合に、水平面(XY平面)上に位置するようになっている(図15(c)参照)。
【0069】
上下バー473は、ケース402内を鉛直方向Zに移動可能に支持された軸体である。上下バー473は、中心軸473aの方向が左右方向Xになるように配置される。上下バー473は、中心軸473a回りに回転可能に支持されている。これにより、上下バー473は、後述する負荷付与処理、クロス収容処理において、外周面473b(押圧部)がクロス403に接しながら移動するときに回転して、クロス403との摩擦抵抗を低減できるため、クロス403の損傷を防止できる。
上下バー473は、水平面における位置において、方向変換ローラ471及びクロス後端固定部472の間に配置されている。上下バー473は、後述する負荷付与処理、クロス収容処理において、その外周面473bが、クロス403表面を下側Z1(押圧方向)に押圧するようになっている。上下バー473は、移動範囲の上端位置に配置された状態では、その外周面473bが、水平に配置された状態のクロス403表面に、接しないようになっている(図15(b−1)、図15(c)参照)。
【0070】
上端検出部474U及び下端検出部474Dは、上下バー473の端部の位置を検出し、検出情報を制御部460(図16参照)に出力する光学センサである。
上端検出部474Uは、上下バー473の移動範囲の上端に対応した領域に配置され、上下バー473が上端に移動した場合に、上下バー473を検出する。
下端検出部474Dは、上下バー473の移動範囲の下端に対応した領域に配置され、上下バー473が下端に移動した場合に、上下バー473を検出する。
【0071】
上下バー駆動機構480は、上下バー473を鉛直方向Zに駆動する駆動機構である。上下バー駆動機構480は、引き出された状態のクロス403表面を上下バー473の外周面473bにより押圧してクロス403を折り曲げ、その折り曲げた長さに対応した長さ分をケース402内に収容する(図15(d)参照)。
上下バー駆動機構480は、上下移動ケース481(回転保持手段)と、ガイドレール482(ガイド手段)と、ベルト483と、伝達軸484と、上下バー駆動モータ485(駆動力付与手段)とを備える。なお、図14(a)では、上下バー駆動機構480の左側X1の構造は、視認できないが、左右対称に同様な構造が設けられている。
【0072】
上下移動ケース481は、上下バー473を回転可能に保持するケース部材である。各上下移動ケース481には、手前側Y1及び奥側Y2の側面に2つずつローラ481aが設置され、合計4つのローラ481aが設けられている。
ガイドレール482は、上下移動ケース481を鉛直方向Zにガイドする部材である。ガイドレール482は、手前側Y1のローラ481aが係合する手前側レール482aと、奥側Y2のローラ481aが係合する奥側レール482bとを備えており、上下移動ケース481を鉛直方向Zに小さい抵抗でガイドできる。
ベルト483は、伝達軸484及び上下移動ケース481の間で、駆動力を伝達する歯付ベルトである。ベルト483は、無限軌道を有するタイプである。ベルト483には、上下移動ケース481が固定されている。
ベルト483は、軸受483aによってケース402に回転可能に支持されているプーリ483bと、伝達軸484のプーリ484bに掛け渡されている。このプーリ483bには、ベルト483に噛み合う歯が設けられている。
【0073】
伝達軸484は、上下バー駆動モータ485及びベルト483の間で、駆動力を伝達する軸体である。伝達軸484は、軸受484aによってケース402に回転可能に支持されている。伝達軸484は、プーリ484bと、平歯車484cとが設けられている。
プーリ484bは、ベルト483に噛み合う歯が設けられている。
平歯車484cは、上下バー駆動モータ485に設けられた平歯車485bに噛み合っている。
【0074】
上下バー駆動モータ485は、上下移動ケース481をガイドレール482に沿って駆動するための駆動力を付与するDCモータである。上下バー駆動モータ485は、ケース402に対して固定されている。上下バー駆動モータ485は、駆動軸485aに平歯車485bが設けられている。
上下バー駆動モータ485は、駆動軸485aの回転速度を検出するエンコーダ486(図16参照)が内蔵されている。エンコーダ486は、検出情報を制御部460(図16参照)に出力する。
【0075】
上下バー駆動機構480は、以上の構成により、上下バー駆動モータ485の駆動力を、伝達軸484、ベルト483等を介して、上下バー473に伝達したり、上下バー473の鉛直方向Zへの直線移動を駆動軸485aに伝達して、エンコーダ486を回転できる。
なお、上下バー駆動モータ485の駆動軸485aと、伝達軸484との間の伝達機構は、平歯車を利用した例を説明したが、これに限定されない。例えば、伝達機構として、駆動軸485aと、伝達軸484とにそれぞれプーリを設け、これらを歯付ベルトで接続してもよい。
【0076】
ポジション検出部490は、クロス403が引き出された速度を検出し、ゲーム機401の制御部460に出力するセンサである。ポジション検出部490は、操作パネル(図1に示す操作パネル2b参照)内に配置されている。
ポジション検出部490は、例えばパーソナルコンピュータの光学式マウスに用いられるセンサであり、LEDで照射したクロス403表面をカメラで撮像し、その前後の撮像情報を比較することにより、クロス403の動きを検出する。ポジション検出部490は、そのケース裏面490aが、クロス403表面を弱い圧力で押圧できるように付勢して設置されており、クロス403表面及びカメラの距離が一定の距離を保てるようになっている。ポジション検出部490は、水平面におけるクロス403の動きを検出し、クロス403の手前側Y1の引き出し速度及び面方向(XY平面方向)への傾き(手前側Y1に対する左右方向Xへの傾き)の両方を検出できる。
【0077】
図16は、第4実施形態のゲーム機401のブロック図である。
ゲーム機401は、前述したハードウェアの他に、制御部460に設けられた速度算出部461と、左右傾き算出部462と、プレイ進行制御部463と、上下バー制御部464とを備える。
速度算出部461は、ポジション検出部490の出力に応じて、クロス403の奥行方向Yの引き出し速度を算出する制御部である。
左右傾き算出部462は、ポジション検出部490の出力に応じて、引き出されたクロス403の面方向への傾きを算出する制御部である。
上下バー制御部464は、上下バー駆動モータ485を制御する制御部である。
【0078】
次に、図15を参照して、クロス403の駆動動作について説明する。
図15(a)に示すように、ゲーム機401でのプレイが行われていない待機時の状態では、上下バー制御部464は、上下バー駆動モータ485を制御して、上下バー473を下端位置に配置する。
【0079】
(無負荷処理)
図15(b−1)に示すように、プレイ時にクロス403に対して負荷を付与しない場合には、クロス403が引き出される前に、上下バー制御部464は、上下バー駆動モータ485を制御して、上下バー473を上側Z2に駆動する。上下バー制御部464は、上端検出部474Uの出力に応じて、上下バー473が上端に配置されたと判定すると、上下バー駆動モータ485の駆動を停止する。
これにより、上下バー473は、クロス403が引き出される前に、上端位置に予め配置される。上下バー473は、上端位置に配置された状態では、水平に配置された状態のクロス403表面に接しない(図15(c)参照)。つまり、上下バー駆動モータ485は、プレイ時にクロス403に対して負荷を付与しない場合には、上下バー473を上側Z2(押圧方向とは反対側の方向)に駆動して、クロス403をフリーな状態にする。このため、プレイヤがクロス403を引き出すときに、上下バー473は、クロス403に接することがないので、クロス403に負荷を付与することがなく、引き出すときの抵抗を低減できる。
【0080】
なお、無負荷処理において、クロス403は、上下バー473から負荷を付与されることはないが、方向変換ローラ471やポジション検出部490の裏面等との摩擦によって、小さな負荷が加わる。このため、無負荷処理においても、プレイヤは、クロス403を引き出す感覚を得ることができる。
【0081】
(負荷付与処理)
一方、図15(b−2)に示すように、プレイ時にクロス403に対して負荷を付与する場合には、上下バー制御部464は、クロス403が引き出される前に、上端に配置することはない。
上下バー制御部464は、上下バー駆動モータ485のエンコーダ486の出力に応じて、上下バー駆動モータ485を制御して、上下バー473からクロス403に対して下側Z1に負荷を付与する。上下バー制御部464は、例えば、エンコーダ486の出力に応じて、上下バー駆動モータ485の駆動軸485aの回転速度が大きい程、つまりクロス403の引き出し速度が大きい程、クロス403への負荷が大きくなるように制御する。これにより、ゲーム機401は、クロス403を速く引き出すことを困難にできるため、プレイの難易度を向上でき、またテーブルクロスに人形が載置された状態で、テーブルクロス引きをする状態を、リアルに再現できる。
【0082】
なお、上下バー473は、中心軸473a回りに回転可能であるので、クロス403の移動にともなって回転するため、クロス403との摩擦抵抗が小さい。このため、上下バー473は、引き出し時にクロス403に接触しても、クロス403の損傷を防止できる。
また、上下バー駆動モータ485が無負荷の状態であっても、クロス403を引き出す場合には、上下バー473を持ち上げたり、伝達軸484、上下バー駆動モータ485の駆動軸485a等を回転するための負荷がかかる。このため、上下バー制御部464は、クロス403を持ち上げる方向に回転力を付与してもよい。この場合であっても、上下バー駆動モータ485の回転力が、上下バー473、伝達軸484、上下バー駆動モータ485等の負荷よりも小さければ、クロス403に対して負荷をかけることができる。
さらに、上下バー制御部464は、エンコーダ486の出力の代わりに、速度算出部461がポジション検出部490の出力に応じて算出したクロス403の引き出し速度に応じて、クロス403に対して負荷を付与してもよい。
【0083】
(クロス収容処理)
図15(c)に示すように、クロス403が引き出され1回のプレイが終了すると、クロス403は、テーブル402aの表面にほぼ一直線に配置された状態になる。
図15(d)に示すように、クロス403を収容する場合には、上下バー制御部464は、この状態から、上下バー駆動モータ485を制御して、上下バー473を下側Z1に降下させる。そうすると、上下バー473は、外周面473bでクロス403表面を押し下げて、クロス403を下側Z1に折り曲げる。なお、上下バー473は、クロス403表面を押し下げる場合に回転するので、負荷付与処理と同様に、クロス403の損傷を防止できる。
【0084】
上下バー制御部464は、下端検出部474Dの出力に応じて、上下バー473が下端に配置されたと判定すると、上下バー駆動モータ485の駆動を停止する。
これにより、クロス403は、この折り曲げられた長さに対応した長さだけ、ケース402内に収容される。
このように、ゲーム機401は、上下バー473を下降駆動することにより、クロス403をケース402内に簡単な構成で収容できる。また、上下バー駆動モータ485を、クロス403をケース402内に収容するための駆動付与部と、負荷付与処理における負荷付与手段とを兼用して利用でき、コストを抑えることができる。
【0085】
図17は、第4実施形態のゲーム機401の動作を示すフローチャートである。
なお、プレイ動作を開始する待機状態において、図15(a)に示すように、クロス403が収容されている状態にあるものとする。
S1〜S4までの処理は、第1実施形態と同様である。
S410において、プレイ進行制御部463は、クロス403に負荷を付与するか否かを判定する。この判定は、例えば、S3で選択された人形の数が所定の数よりも少ない場合には、負荷をかけず、一方、人形の数が所定の数よりも多い場合には、負荷をかけるようにできる。これは、人形の数が少ない場合には、クロス403の負荷を軽減し、人形の数が多い場合には、クロス403の負荷を増加させて、テーブルクロス引きをリアルに再現するためである。
プレイ進行制御部463は、クロス403に負荷を付与すると判定した場合には(S410:YES)、S420に進み、一方、クロス403に負荷を付与しないと判定した場合には(S410:NO)、S430に進む。
【0086】
クロス403に負荷を付与する場合には(S410:YES)、上下バー制御部464は、S420の処理から1回のプレイが終了するまで処理(S420からS7までの処理)において、前述した負荷付与処理を行う(図15(b−2)参照)。
S420において、上下バー制御部464は、エンコーダ486からの受付を開始する。
S421において、上下バー制御部464は、エンコーダ486の出力に応じて、上下バー駆動モータ485への負荷を開始する。上下バー駆動モータ485は、上下バー制御部464からの命令に応じて、上下バー473を駆動して、クロス403に負荷を付与する。
【0087】
一方、クロス403に負荷を付与しない場合には(S410:NO)、上下バー制御部464は、S430において、前述した無負荷処理を行う(図15(b−1)参照)。
S430において、上下バー制御部464は、上下バー駆動モータ485を制御する。上下バー駆動モータ485は、上下バー制御部464の命令に応じて、上下バー473を上昇駆動して上端位置に配置する。
【0088】
S5〜S7の処理は、第1実施形態とほぼ同様である。但し、クロス403の面方向の移動検出を、ポジション検出部490によって行うこと、クロス403に負荷を付与する場合には(S410:YES)、負荷付与処理を行うこと等が異なる。
なお、クロス403に負荷を付与する場合に、クロス403が面方向に傾いて引き出されたときには、上下バー473は、傾斜して上昇することになる。
プレイヤによってクロス403が引き出される、1回のプレイが終了すると、プレイ進行制御部463は、S440に進む。
S440において、上下バー制御部464は、前述したクロス収容処理をして、クロス403をケース402内に収容する。
S8以降の処理は、第1実施形態とほぼ同様である。但し、クロス403の移動算出、左右傾き算出を、ポジション検出部490の検出結果によって行うこと等が異なる。
【0089】
以上説明したように、本実施形態のゲーム機401は、クロス403を引き出す場合の負荷を第1及び第2実施形態よりも低減できるし、また第1及び第2実施形態と同様な負荷を付与することもできる。さらに、ゲーム機401は、クロス403を駆動する構造を、第1及び第2実施形態よりも簡単にできる。
【0090】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0091】
(変形形態)
(1)実施形態において、クロス、クロスを引き出すためのクロス駆動装置、上下方向傾き検出部等は、ゲーム機に一体に設けられる例を示したが、これに限定されない。例えば、クロス駆動装置や、上下方向傾き検出部を収容するケースを、ゲーム機とは別に設けて、入力装置として独立して設けてもよい。この場合、入力装置が各検出信号をゲーム機に出力し、ゲーム機の制御部がその検出信号に基づいて、プレイ進行すればよい。
これにより、実施形態で説明した効果を有する入力装置を提供でき、例えば、家庭用ゲーム機用の入力装置、店舗用の既存のゲーム機の入力装置等として利用できる。
【0092】
(2)実施形態において、制御部は、クロスを上下方向及び面方向に傾けずに引き出し、またクロスの速度が速い程高得点なるプレイを進行する例を示したが、これに限定されない。例えば、制御部は、上下方向及び面方向の傾きをそれぞれ所定の規定値とし、また速度を所定の規定値として、クロスをこれらの規定値に近く引き出した程高得点とするプレイを進行してもよい。これにより、例えば、仮想空間内において、布団の上に寝ている人を起こさずに、布団を引っ張るというようなプレイを進行できる。つまり、上下方向及び面方向の傾き、速度は、プレイ内容に応じて、種々の規定値に設定できる。
【符号の説明】
【0093】
1,201,301…ゲーム機 2,203,302…ケース 2a,202a…テーブル 3,203,303…クロス 6…表示部 6a…人形 14…上下傾き検出部 20,220…クロス駆動装置 26,36,246…モータ 27,37,227…エンコーダ 50…記憶部 51…ゲームプラグラム 51d…物理演算式 60,260,360…制御部 61…速度算出部 62,462…左右傾き算出部 63…プレイ進行制御部 247…センタエンコーダ 461…速度算出部 …左右傾き算出部 463…プレイ進行制御部 464…上下バー制御部 473…上下バー 474U…上端検出部 474D…下端検出部 480…上下バー駆動機構 490…ポジション検出部 480…上下バー駆動機構 481…上下移動ケース 482…ガイドレール 485…上下バー駆動モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
プレイヤが把持して前記筐体から引き出し可能なシート部材と、
前記シート部材が引き出された速度を検出し、ゲーム機の制御手段に出力する速度検出手段と、
前記シート部材の表面を押圧する方向である押圧方向に移動可能に設けられ、前記シート部材を表面から押圧する押圧部を有する移動部材と、
前記移動部材を前記押圧方向に駆動して、引き出された状態の前記シート部材の表面を前記押圧部により押圧して前記シート部材を折り曲げ、その折り曲げた長さに対応した長さの前記シート部材を前記筐体内に収容する駆動手段と、
を備えるゲーム機用入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム機用入力装置において、
前記移動部材は、
回転可能な軸体であり、
前記押圧部が、前記軸体の外周面であり、
前記シート部材を押圧しながら前記押圧方向に移動することにより回転し、
前記駆動手段は、
前記軸体を回転可能に保持する回転保持手段と、
前記回転保持手段を前記押圧方向にガイドするガイド手段と、
前記回転保持手段を前記ガイド手段に沿って駆動するための駆動力を付与する駆動力付与手段とを備えること、
を特徴とするゲーム機用入力装置。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーム機用入力装置において、
前記駆動力付与手段は、プレイ時には、前記移動部材を前記押圧方向とは反対側の方向に駆動して、前記シート部材をフリーな状態にすること、
を特徴とするゲーム機用入力装置。
【請求項4】
請求項2に記載のゲーム機用入力装置において、
前記駆動力付与手段は、前記速度検出手段の出力に応じた負荷を前記押圧方向に付与することにより、前記シート部材に対して引き出し方向とは反対側の方向に負荷を付与する負荷付与手段を兼用すること、
を特徴とするゲーム機用入力装置。
【請求項5】
請求項4に記載のゲーム機用入力装置において、
前記駆動力付与手段は、
前記ゲーム機からの命令に応じて、プレイ時に前記シート部材に対して負荷を付与しない場合には、前記移動部材を前記押圧方向とは反対側の方向に駆動して、前記シート部材をフリーな状態とし、
前記ゲーム機からの命令に応じて、プレイ時に前記シート部材に対して負荷を付与する場合には、前記移動部材を前記シート部材に対して前記押圧方向に負荷を付与するように駆動すること、
を特徴とするゲーム機用入力装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のゲーム機用入力装置において、
前記シート部材が引き出された態様として、引き出された前記シート部材の面方向への傾きを検出する面方向傾き検出手段、及び前記シート部材の表面の法線方向への傾きを検出する法線方向傾き検出手段のうち少なくとも1つを備えること、
を特徴とするゲーム機用入力装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のゲーム機用入力装置において、
前記シート部材は、前記筐体に設けられたテーブル上に、引き出し方向手前側の部分が載置され、プレイヤが引き出し方向手前側の縁部を把持して、前記テーブルから持ち上げた状態で引き出し可能であること、
を特徴とするゲーム機用入力装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のゲーム機用入力装置と、
前記シート部材が引き出された速度と、プレイ進行とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記速度検出手段の出力に基づいて、前記記憶手段の情報を読み出してプレイ進行する制御手段と、
を備えるゲーム機。
【請求項9】
請求項8に記載のゲーム機において、
前記記憶手段は、物理演算式を記憶し、
前記制御手段は、前記速度検出手段の出力及び前記記憶手段の物理演算式に基づいて、前記シート部材上に物体が載置されていたとした場合に、前記物体が移動する態様を演算し、
前記制御手段が算出した前記物体が移動する態様を表示する表示手段を備えること、
を備えるゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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