説明

ゲーム機

【課題】ゲーム要素を搬送する搬送部の態様が新しいゲーム機を提供する。
【解決手段】ゲーム機1は、小メダルSMを載置して搬送する下段プッシャ台6と、プレイヤの操作に応じて、小メダルSMを下段プッシャ台6に投入して載置するメダル投入機4と、大メダルBMを載置して搬送する上段プッシャ台12と、下段プッシャ台6によって搬送された小メダルSMが入賞する通常大メダル供給チェッカ9等と、通常大メダル供給チェッカ9等への小メダルSMの入賞に応じて、大メダルBMを上段プッシャ台12に供給する大メダル供給装置31〜33と、下段プッシャ台6によって搬送された小メダルSMが落下するメダル落下孔7と、通路14c−1を通過する大メダルBMに内蔵された金属の大きさを検出する検出部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイ領域のメダルを搬送して払い出すゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プレイヤにより投入されたメダルや内部に払い出されたメダル等をプッシャ台によって搬送して、落下孔に落ちたときに、メダルを外部に払い出すゲーム機があった(例えば特許文献1)。
しかし、従来のゲーム機は、メダル等を搬送するプッシャ台の態様が、ほとんど決まっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−224322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、ゲーム要素を搬送する搬送部の態様が新しいゲーム機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0006】
・第1の発明は、第1メダルを載置して搬送する第1メダルプッシャ台と、プレイヤの操作に応じて、第1メダルを前記第1メダルプッシャ台に投入して載置する第1メダル投入部と、前記第1メダルとは異なる第2メダルを載置して搬送する第2メダルプッシャ台と、前記第1メダルプッシャ台によって搬送された第1メダルが入賞する第1メダル入賞部と、前記第1メダル入賞部への第1メダルの入賞に応じて、前記第2メダルを前記第2メダルプッシャ台に供給して載置する第2メダル供給部と、前記第1メダルプッシャ台によって搬送された第1メダルが落下する第1メダル落下孔と、前記第1メダル落下孔に第1メダルが落下したことに応じて、第1メダルをこのゲーム機の外部に払い出す外部払い出し部と、前記第2メダルプッシャ台から落下した第2メダルを、特定の方向を向いた状態で通過させる通路とを備え、前記第2メダルは、複数の種類を有し、前記種類の応じた大きさの金属が内蔵されており、前記通路を通過する前記第2メダルに内蔵された金属の大きさを検出する検出部を備えること、を特徴とするゲーム機である。
・第2の発明は、第1の発明のゲーム機において、前記第1メダルは、プレイヤが前記第1メダルプッシャ台に実際に投入するものであり、前記第2メダルは、前記第1メダルよりも大きいこと、を特徴とするゲーム機である。
・第3の発明は、第1又は第2の発明のゲーム機において、前記検出部の出力に基づいて、前記通路を通過した前記第2メダルを、プレイヤに視認できる態様で種類毎に選別する選別装置を備えること、を特徴とするゲーム機である。
・第4の発明は、第3の発明のゲーム機において、選別された前記第2メダルを、プレイヤに視認できる態様で種類毎に貯留する貯留装置を備えること、を特徴とするゲーム機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、第1ゲーム要素搬送部が第1ゲーム要素を搬送し、一方、第2ゲーム要素搬送部が第2ゲーム要素を搬送する。これにより、1つのゲーム機に2つの搬送部を設け、それぞれ異なるゲーム要素を搬送する新しい態様のゲームを提供することができる。
また、第1ゲーム要素の入賞に応じて第2ゲーム要素供給部が第2ゲーム要素を第2ゲーム要素搬送部に載置し、外部払い出し部が第1ゲーム要素落下孔に落下した第1ゲーム要素を外部に払い出す。これにより、第1ゲーム要素搬送部を、第1ゲーム要素を外部に払い出すための装置及び第2ゲーム要素搬送部に第2ゲーム要素を供給するための装置として利用することができる。さらに、第2ゲーム要素を外部に払い出される第1ゲーム要素から切り離して、第2ゲーム要素搬送部で第2ゲーム要素のみを搬送し、ゲーム機内部で循環させて、ゲームに利用することができる。
(2)本発明は、第2ゲーム要素の入賞に応じてプレイヤに特典を与えるので、第2ゲーム要素の入賞をきっかけに、例えば、大量払い出し、所定時間プレイヤに有利なプレイ条件を与える等の特典をプレイヤに与えることができる。
【0008】
(3)本発明は、第2ゲーム要素の入賞に応じて複数の第1ゲーム要素を第1ゲーム要素搬送部に載置するので、第2ゲーム要素の入賞をきっかけに、プレイヤに第1ゲーム要素を獲得させるチャンスを与えることができる。
(4)本発明は、第2ゲーム要素入賞部に入賞した第2ゲーム要素の組み合わせに応じてプレイヤに特典を付与するので、特典が付与されるまでの過程を、第2ゲーム要素の組み合わせを取り入れることにより複雑にして、面白さを向上することができる。
【0009】
(5)本発明は、第2ゲーム要素入賞部に入賞した第2ゲーム要素の組み合わせに応じた数量の第1ゲーム要素を払い出すので、第2ゲーム要素の組み合わせに応じて、獲得できる第1ゲーム要素の数量を増減することができる。
(6)本発明は、第2ゲーム要素の入賞に応じて抽選を行いその判定結果に応じてプレイヤに特典を付与するので、第2ゲーム要素の入賞に応じた抽選結果に応じて、プレイヤに特典を付与し、面白さを向上することができる。
【0010】
(7)本発明は、第1ゲーム要素が、円盤状の部材であるので、メダル等を利用することができる。
(8)本発明は、第2ゲーム要素が、円盤状の部材であるので、メダル等を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1実施形態のゲーム機の斜視図である。
【図2】第1実施形態のプレイ領域を拡大して示す斜視図である。
【図3】第1実施形態の大メダルストッカを示す図である。
【図4】第1実施形態のゲーム機の構成を説明する図である。
【図5】第2実施形態の大メダルストッカを示す図である。
【図6】第3実施形態のゲーム機の斜視図である。
【図7】第3実施形態のゲーム機の構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のゲーム機1の斜視図である。
図2は、第1実施形態のプレイ領域Fを拡大して示す斜視図である。
図3は、第1実施形態の大メダルストッカ14を示す図である。
図1に示すように、ゲーム機1は、左右方向Xの幅2m程度、奥行方向Yの長さ1.5m程度、鉛直方向Zの高さ2m程度の大型の装置であり、主にゲームセンタ等の店舗等に設置される。ゲーム機1は、内部にプレイ領域Fが設けられている。
【0013】
ゲーム機1は、小メダルSM(第1ゲーム要素)を下段プッシャ台6に載置し、下段プッシャ台6が小メダルSMを押し出してメダル落下孔7に落下したときに、小メダルSMを外部に払い出すことよって、プレイヤが小メダルSMを獲得できるメダルプッシャゲーム機である。ゲーム機1は、外形が異なる2種類の円盤状のメダル、つまり小メダルSM及び大メダルBM(第2ゲーム要素)を利用してプレイする。
【0014】
小メダルSMは、下段プッシャ台6に載置され、下段プッシャ台6によって手前側Y1に押し出されて搬送される。
大メダルBMは、小メダルSMよりも一回り大きいサイズであり、上段プッシャ台12に載置され、上段プッシャ台12によって手前側Y1に押し出されて搬送される。
大メダルBMは、通常大メダルBM−N、当たり大メダルBM−H、JP大メダルBM−Jの3種類が用意されている。
当たり大メダルBM−Hは、さらに、赤色の当たり大メダルBM−R、青色の当たり大メダルBM−B、緑色の当たり大メダルBM−G、黄色の当たり大メダルBM−Yの4種類が用意されている。
JP大メダルBM−Jは、大量払い出し(以下「JP払い出し」という)に利用される。
各大メダルBMには、RFIDタグBMa(図3参照)が内蔵されており、大メダル選別装置14g(図3参照)によって各種類が識別される。
【0015】
ゲーム機1は、複数枚の小メダルSMを下段プッシャ台6に供給することによって、小メダルSMをメダル落下孔7に落下させて、複数枚の小メダルSMを外部に払い出す。後述するように、ゲーム機1は、数十枚の小メダルSMを供給する少量払い出しと、1000枚の小メダルSMを供給するJP払い出しとを行う。
【0016】
次に、ゲーム機1の詳細について説明する。
ゲーム機1は、プレイ領域Fと、ケース2と、ウィンドウ3と、メダル投入機4(第1ゲーム要素投入部)と、基部5と、下段プッシャ台6(第1ゲーム要素搬送部)と、メダル落下孔7(メダル獲得孔)と、外部払い出し口8と、通常大メダル供給チェッカ9(第1ゲーム要素入賞部)と、スロットスタートチェッカ10(第1ゲーム要素入賞部)と、スロット11と、上段プッシャ台12と、大メダル移送棒13と、大メダルストッカ14(第2ゲーム要素入賞部)と、JP大メダル搬送装置15と、JP大メダル落下孔16と、小メダル放出口17と、通常大メダル供給路18と、当たり大メダル供給管19と、JP大メダル供給管20と、小メダル収容部21と、通常大メダル収容部22と、当たり大メダル収容部23と、JP大メダル収容部24とを備えている。
【0017】
プレイ領域Fは、小メダルSM、大メダルBMにより実際にプレイが行われる領域である。プレイ領域Fには、下段プッシャ台6、上段プッシャ台12等が設置されている。
ケース2は、ゲーム機1の筐体である。
ウィンドウ3は、ゲーム機1の内部のプレイ領域Fとゲーム機1の外部とを仕切るための部材である。ウィンドウ3は、ゲーム機1の外部からプレイ領域Fが視認できるように透明な材料(例えばアクリル等)により形成されている。
【0018】
メダル投入機4は、プレイヤが小メダルSMを挿入したことに応じて、プレイ領域Fに小メダルSMを投入し、下段プッシャ台6に載置するための装置である。メダル投入機4は、ゲーム機1の手前側Y1の左側X1及び右側X2にそれぞれ設けられている。メダル投入機4は、小メダルSMを投入する領域を変更できるように、左右方向Xに回転可能に設けられている。
基部5は、プレイ領域F内の各装置を設置するための筐体である。基部5には、スロット11、上段プッシャ台12、JP大メダル搬送装置15等が設けられている。
【0019】
図2に示すように、下段プッシャ台6は、プレイ領域Fに配置されており、複数の小メダルSMを載置し、小メダルSMを手前側Y1に押し出して搬送する装置である。下段プッシャ台6は、基部5よりも下側に配置されている。下段プッシャ台6は、下段往復テーブル6aと、下段固定テーブル6bとを備えている。
下段往復テーブル6aは、小メダル放出口17から払い出された小メダルSM等を受け止め、載置するテーブルである。下段往復テーブル6aは、モータ等から構成される駆動装置(図示せず)によって駆動され、下段固定テーブル6bに対して奥行方向Yに往復移動する。下段往復テーブル6a上に載置された小メダルSMは、下段往復テーブル6aの往復移動にともなって基部5に当接すると、小メダルSMの玉突き現象により奥行方向Yに押し出されて移動する。
【0020】
下段固定テーブル6bは、下段往復テーブル6aの下側に配置され、下段往復テーブル6aから落下した小メダルSM等を受け止め、載置するテーブルである。下段固定テーブル6b上に載置された小メダルSMは、下段往復テーブル6aの往復移動にともなって、小メダルSMの玉突き現象により奥行方向Yに押し出されて、メダル落下孔7の方向に移動する。下段固定テーブル6b上の小メダルSMがメダル落下孔7に落下すると、小メダル収容部21の小メダルSMが、小メダル払い出し装置35(図4参照)によって外部払い出し口8に払い出される。
【0021】
メダル落下孔7は、下段固定テーブル6bの手前側Y1に設けられた開口である。メダル落下孔7は、下段往復テーブル6aによって押し出された小メダルSMが落下するようになっている。落下した小メダルSMは、小メダル収容部21(図1参照)に収容される。
外部払い出し口8は、メダル落下孔7に小メダルSMが落下した場合に、小メダルSMを外部に払い出す払い出し口である。外部払い出し口8に払い出された小メダルSMは、プレイヤが獲得することができる。小メダルSMの払い出し処理は、後述する。
【0022】
通常大メダル供給チェッカ9及びスロットスタートチェッカ10は、下段プッシャ台6によって搬送された小メダルSMが入賞する入賞部である。
通常大メダル供給チェッカ9は、下段固定テーブル6bの手前側Y1に配置されている。小メダルSMが通常大メダル供給チェッカ9に入賞すると、通常大メダル供給チェッカ9内部に設けられた光学センサ等の検出部(図示せず)が小メダルSMを検出し、制御部50(図4参照)に検出信号を出力するようになっている。
スロットスタートチェッカ10は、下段往復テーブル6aの手前側Y1に配置されている。小メダルSMがスロットスタートチェッカ10に入賞すると、通常大メダル供給チェッカ9と同様に、検出部が制御部50(図4参照)に検出信号を出力するようになっている。
通常大メダル供給チェッカ9及びスロットスタートチェッカ10への入賞後のゲーム機1の動作は、後述する。
【0023】
スロット11は、液晶表示装置等に表示された3桁の数字によって、抽選処理を行う装置である。スロット11は、基部5に設けられている。スロット11は、小メダルSMがスロットスタートチェッカ10に入賞したときや、JP大メダルBM−Jが入賞したときに抽選処理を行う。スロット11の抽選処理は、制御部50(図4参照)が行う。スロット11による抽選の結果、制御部50が大メダルBMを上段プッシャ台12に供給したり、JP払い出しを行う。
【0024】
上段プッシャ台12は、プレイ領域Fに配置されており、複数の大メダルBMを載置し、大メダルBMを手前側Y1に押し出して搬送する装置である。上段プッシャ台12は、基部5の上側に配置され、つまり、下段プッシャ台6よりも上側の領域に配置されている。上段プッシャ台12は、下段プッシャ台6と同様な構成であり、上段往復テーブル12aと、上段固定テーブル12bとを備えている。
上段往復テーブル12aは、上段固定テーブル12bに対して奥行方向Yに往復移動する。
【0025】
上段固定テーブル12bは、上段往復テーブル12aから落下した各種の大メダルBMや、後述する各大メダル供給装置31〜33(図4参照)によって供給された各大メダルBMを受け止め、載置するためのテーブルである。上段固定テーブル12b上に載置された大メダルBMは、上段往復テーブル12aの往復移動にともなって、手前側Y1に押し出されて移動する。上段固定テーブル12bの手前側Y1は、斜面12cになっており、上段固定テーブル12bから押し出された大メダルBMが滑落するようになっている。
【0026】
大メダル移送棒13は、上段固定テーブル12bの斜面12cを滑落してきた大メダルBMを受け止めて、大メダルストッカ14に移送する部材である。大メダル移送棒13は、斜面12cの下側に配置され、軸方向が左右方向Xになるように設置されている。大メダル移送棒13は、外周面に螺旋条が設けられ、駆動装置(図示せず)によって軸回りに回転駆動されることにより、大メダルBMを大メダルストッカ14へと移送する。
【0027】
図3に示すように、大メダルストッカ14は、ケース14aと、ガイド14bと、メダル通路14c(14c−1〜14c−3)と、縦列部14dと、カバー14fと、大メダル選別装置14gと、メダル昇降装置14jと、表示部14kとを備えている。
ケース14aは、大メダルストッカ14の筐体である。
ガイド14bは、大メダル移送棒13によって移送されてきた大メダルBMを、メダル通路14cの通路14c−1に案内するための管状の部材である。
【0028】
メダル通路14cは、ケース14aの手前側の表面を窪ませて設けられた溝である。メダル通路14cは、通路14c−1と、通路14c−2と、通路14c−3とを有する。
通路14c−1は、ガイド14bによって案内された大メダルBMを、メダル昇降装置14j又は14c−2に導く通路である。
通路14c−2は、通路14c−1に導かれた通常大メダルBM−Nを、通常大メダル収容部22に導く通路である。
通路14c−3は、通路14c−3に導かれた当たり大メダルBM−Hを、縦列部14dに導く通路である。
【0029】
縦列部14dは、メダル通路14cと同様な溝であり、当たり大メダルBM−Hを貯留する。縦列部14dは、溝の長手方向が鉛直方向Zになるように形成されている。
縦列部14dは、当たり大メダルBM−Rを貯留する縦列部14d−Rと、当たり大メダルBM−Bを貯留する縦列部14d−Bと、当たり大メダルBM−Gを貯留する縦列部14d−Gと、当たり大メダルBM−Yを貯留する縦列部14d−Yとから形成されている。
【0030】
なお、各縦列部14dの下端部には、突起状のストッパ14e(14e−R,14e−B,14e−G,14e−Y)が設けられている。各ストッパ14e−R,14e−B,14e−G,14e−Yは、その表面の位置が駆動装置(図示せず)によって、各縦列部14dの底面から突出した状態である突出状態と、各縦列部14dの底面につら位置の状態であるつら状態との間で駆動される。各ストッパ14e−R,14e−B,14e−G,14e−Yは、突出状態の場合には、大メダルBMの落下を防止して大メダルBMを貯留することができ、突出状態からつら状態に駆動されることにより、貯留した当たり大メダルBMを当たり大メダル収容部23へと落下することができる。
【0031】
カバー14fは、大メダルBMがメダル通路14c及び縦列部14dから手前側に飛び出さないようにするために、ケース14aの手前側の面を覆う部材である。カバー14fは、メダル通路14cを移動する大メダルBMや、縦列部14dに縦列されていく大メダルBMが視認できるように、透明な部材(例えばアクリル樹脂等)により形成される。
【0032】
大メダル選別装置14gは、ガイド14bに案内された大メダルBMの種類を判別して、大メダルBMをその種類に応じた部分へと移送する装置である。大メダル選別装置14gは、リーダ部14h(読み取り部)と、突起14i(14i−N,14i−R,14i−B,14i−G)とを備えている。
リーダ部14hは、大メダルBMに内蔵されたRFIDタグBMaを読み取るRFIDリーダである。リーダ部14hは、通路14c−1内のうち、通路14c−1から通路14c−2へと分岐する部分よりもガイド14b側の範囲に配置されている。なお、制御部50(図4参照)は、リーダ部14hの出力に応じて、大メダルBMが入賞したと判定する。
【0033】
突起14iは、メダル通路14cの底部に設けられている。突起14iは、ストッパ14eと同様に、突出状態とつら状態との間で駆動される。突起14iは、通常は、突出状態に配置されている。
突起14i−Nは、通路14c−1から通路14c−2へと分岐する部分に配置されている。通路14c−1へとガイドされた大メダルBMは、突起14i−Nが突出状態の場合には、メダル昇降装置14jへと導かれ、一方突起14i−Nがつら状態の場合には、通路14c−1を通過途中で通路14c−2へと導かれようになっている。
【0034】
突起14i−Rは、通路14c−3から縦列部14d−Rへと分岐する部分に配置されている。通路14c−3に搬送された大メダルBMは、突起14i−Rが突出状態の場合には、この分岐する部分をそのまま通過し、一方突起14i−Rがつら状態の場合には、通路14c−3を通過途中で縦列部14d−Rへと落下するようになっている。
同様に、突起14i−Bは、大メダルBMを縦列部14d−Bへと落下させ、突起14i−Gは、大メダルBMを縦列部14d−Gへと落下させるようになっている。
なお、通路14c−3と縦列部14d−Yとの連結部分には、突起が設けられていない。これは、通路14c−3に搬送された当たり大メダルBMのうち当たり大メダルBM−Y以外のものは、後述するように突起14iによって各縦列部14dに落下し、通路14c−3の終端部へは、当たり大メダルBM−Yのみが到達するためである。従って、大メダルストッカ14は、通路14c−3と縦列部14d−Yとの連結部分に突起を設けなくても、当たり大メダルBM−Yのみを縦列部14d−Yへと落下させることができる。
【0035】
メダル昇降装置14jは、当たり大メダルBM−Hを通路14c−3へと搬送し、一方、JP大メダルBM−JをJP大メダル搬送装置15へと搬送するための装置である。メダル昇降装置14jは、通路14c−1を通ってきた大メダルBMを収容するためにメダル通路14cと同様な溝が設けられ、また、手前側にカバー14fと同様なカバーが設けられている。メダル昇降装置14jは、この溝が通路14c−3に接続する位置まで降下し、一方、この溝がJP大メダル搬送装置15の端部15cとに接続される位置まで上昇する。
メダル昇降装置14jは、通常、図3に示す位置に配置され、通路14c−1によって導かれた当たり大メダルBM−H又はJP大メダルBM−Jが搬送されるようになっている。メダル昇降装置14jは、当たり大メダルBM−H又はJP大メダルBM−Jが搬送されると、駆動装置(図示せず)により鉛直方向Zに駆動され、各メダルを搬送する。
【0036】
表示部14kは、各縦列部14dに貯留された当たりメダルMの貯留数を表示する表示部である。表示部14kは、表示部14k−Rと、表示部14k−Bと、表示部14k−Gと、表示部14k−Yとを備えている。
表示部14k−Rは、当たり大メダルBM−Rの3枚までの貯留数を表示する部材である。表示部14k−Rは、乳白の樹脂等により「RED」という文字体に形成されたと文字部と、各文字の背後に設置された発光ダイオード等の発光装置(図示せず)とを備えている。表示部14k−Rは、発光装置の発光領域が調整可能であり、文字部のうち貯留されたメダル数分が発光し、貯留数を表示するようになっている。図3は、当たり大メダルBM−Rが1枚貯留されているので、「RED」と記された文字表示のうち「R」の1文字分だけが発光している場面である。
同様に、表示部14k−Bは、当たり大メダルBM−Bの4枚までの貯留数を、「BLUE」という文字部によって表示する。表示部14k−Gは、当たり大メダルBM−Gの5枚までの貯留数を、「GREEN」という文字部Gによって表示する。表示部14k−Yは、当たり大メダルBM−Yの6枚までの貯留数を、「YELLOW」という文字部によって表示する。
【0037】
図2に示すように、JP大メダル搬送装置15は、大メダルストッカ14のメダル昇降装置14jによって搬送されたJP大メダルBM−Jを、JP大メダル落下孔16へと搬送する装置である。JP大メダル搬送装置15は、レール15aと、支持部15bとを備えている。
レール15aは、上部が開口した溝を有するレール状の部材である(図3参照)。レール15aは、JP大メダルBM−Jがこの溝の内側を転がりながら移動するようになっている。
支持部15bは、レール15aに対してT字状に接続されたアーム状の部材である。支持部15bは、駆動装置(図示せず)によって、根元付近を中心として回転可能に基部5に設けられている。
上記構成により、JP大メダル搬送装置15は、レール15aを支持部15bの根元付近を中心として回転可能である。JP大メダル搬送装置15は、通常は、図2に実線で示す位置に配置されている。そして、メダル昇降装置14jからJP大メダルBM−Jを受け取ると回転駆動され、図2に破線で示すように、JP大メダル落下孔16に向けて下側に傾斜するように配置される。
【0038】
JP大メダル落下孔16は、JP大メダル搬送装置15によって搬送されたJP大メダルBM−Jが落下するための開口孔である。JP大メダル落下孔16は、基部5の天面に設けられている。JP大メダル落下孔16は、その大きさや配置等が、JP大メダル搬送装置15によって搬送されたJP大メダルBM−Jが確実に落下するように設定されている。
【0039】
小メダル放出口17は、複数の小メダルSMを放出することにより、複数の小メダルSMを下段プッシャ台6に供給し載置するための放出口である。小メダル放出口17は、基部5に設けられている。小メダル放出口17は、小メダルSMを搬送するレール(図示せず)によって、小メダル収容部21に接続されている。小メダル放出口17は、このレールを介して小メダル収容部21の小メダルSMが供給される。
【0040】
通常大メダル供給路18は、通常大メダル収容部22の通常大メダルBM−Nを先端から投入し、上段プッシャ台12へと供給するレール状の部材である。
当たり大メダル供給管19は、当たり大メダル収容部23の当たり大メダルBM−Hを先端から投入し、上段プッシャ台12へと供給する管状の部材である。
JP大メダル供給管20は、JP大メダルBM−Jを先端から投入し、上段プッシャ台12へと供給する管状の部材である。
通常大メダル供給路18、当たり大メダル供給管19及びJP大メダル供給管20の各先端は、上段プッシャ台12に供給した各大メダルが上段プッシャ台12に確実に載置され、上段プッシャ台12から落下しないような位置に配置されている。
【0041】
図1に示すように、小メダル収容部21、通常大メダル収容部22、当たり大メダル収容部23及びJP大メダル収容部24は、各メダルを収容する容器であり、ケース2内の下側に収容されている。
小メダル収容部21は、外部払い出し口8から払い出す小メダルSM及び小メダル放出口17から放出する小メダルSMを収容する容器である。小メダル収容部21は、小メダル放出口17との間をレール(図示せず)によって接続されており、このレールを介して小メダルSMを小メダル放出口17へと搬送する。小メダル収容部21は、通常大メダル供給チェッカ9及びスロットスタートチェッカ10に入賞した小メダルSMや、メダル落下孔7に落下した小メダルSMを収容する。また、小メダル収容部21は、下段固定テーブル6bの左側X1及び右側X2から落下(いわゆる親落ち)した小メダルSMを収容する。
【0042】
通常大メダル収容部22は、通常大メダル供給路18から上段プッシャ台12に供給する通常大メダルBM−Nを収容し、また、通路14c−3から落下した通常大メダルBM−Nを収容する容器である(図3参照)。
当たり大メダル収容部23は、通常大メダル供給路18から上段プッシャ台12に供給する当たり大メダルBM−Hを収容し、また、縦列部14dから落下してきた当たり大メダルBMを収容する容器である。当たり大メダル収容部23は、4種類の当たりメダルMを混在した状態で収容するが、各種の当たりメダルMを分別した状態で収容してもよい。
JP大メダル収容部24は、JP大メダル供給管20から上段プッシャ台12に供給するJP大メダルBM−Jを収容し、また、JP大メダル落下孔16に落下したJP大メダルBM−Jを収容する容器である。
【0043】
図4は、第1実施形態のゲーム機1の構成を説明する図である。
ゲーム機1は、上記ハードウェアの他に、落下メダル検出部30と、通常大メダル供給装置31と、当たり大メダル供給装置32と、JP大メダル供給装置33と、小メダル供給装置34(第1ゲーム要素供給部)と、小メダル払い出し装置35と、記憶部40と、制御部50とを備えている。
落下メダル検出部30は、下段固定テーブル6bから落下した小メダルSMを検出する光学センサ等である。落下メダル検出部30は、メダル落下孔7内に設けられている。
通常大メダル供給装置31(第2ゲーム要素供給部)は、通常大メダル供給路18と通常大メダル収容部22との間を接続するレールに通常大メダルBM−Nを送り出して、通常大メダルBM−Nを上段プッシャ台12へと供給する装置である。
同様に、当たり大メダル供給装置32(第2ゲーム要素供給部)は、当たり大メダルBM−Hを上段プッシャ台12へと供給する装置であり、JP大メダル供給装置33(第2ゲーム要素供給部)は、JP大メダルBM−Jを上段プッシャ台12へと供給する装置であり、小メダル供給装置34は、小メダルSMを下段プッシャ台6へと供給する装置である。また、小メダル払い出し装置35は、外部払い出し口8に小メダルSMを払い出す装置である。
【0044】
記憶部40は、ゲーム機1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。また、記憶部40は、各縦列部14dに貯留された当たり大メダルBM−Hの貯留数を記憶したりする。
制御部50は、ゲーム機1を統括的に制御するための制御部であり、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。制御部50は、ハードディスク等の記憶装置(図示せず)に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
なお、本発明でコンピュータとは、記憶装置、制御装置等を備えた情報処理装置をいい、ゲーム機1は、記憶部40、制御部50(後述する)等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
制御部50は、前述した通常大メダル供給チェッカ9、スロットスタートチェッカ10、スロット11、大メダルストッカ14、JP大メダル搬送装置15、JP大メダル落下孔16と、各駆動装置等との間が電気ケーブル等によって接続されており、これらのハードウェアを制御するようになっている。制御部50は、記憶部40のプログラムによって動作する。
【0045】
次に、ゲーム機1の動作を説明しながら、ゲーム機1でのプレイ方法を説明する。
プレイヤがメダル投入機4から小メダルSMを下段プッシャ台6に投入し載置すると、下段プッシャ台6は、下段往復テーブル6aの往復動作によって、下段固定テーブル6bに載置されていた小メダルSMを徐々に手前側Y1に移動する(図2参照)。
【0046】
(小メダルSMの払い出し処理)
図2に示すように、下段固定テーブル6bに載置されていた小メダルSMが手前側Y1に移動してメダル落下孔7に落下すると、落下メダル検出部30は、この小メダルSMを検出し制御部50に検出信号を出力する。落下した小メダルSMは、小メダル収容部21に収容される(図4参照)。
制御部50は、落下メダル検出部30の出力に応じて、小メダル払い出し装置35を制御して、外部払い出し口8に小メダルSMを払い出す。
【0047】
(通常大メダルBM−Nの供給処理)
下段固定テーブル6bに載置されていた小メダルSMが手前側Y1に移動して、通常大メダル供給チェッカ9に落下すると、通常大メダル供給チェッカ9内の検出部(図示せず)は、この小メダルSMを検出し制御部50に検出信号を出力する。制御部50は、検出部の出力に応じて、通常大メダル供給装置31を制御して、通常大メダルBM−Nを上段プッシャ台12へと供給する。
【0048】
(当たり大メダルBM−H及びJP大メダルBM−Jの供給処理)
下段固定テーブル6bに載置されていた小メダルSMが手前側Y1に移動して、小メダルSMがスロットスタートチェッカ10に落下した場合には、スロットスタートチェッカ10内の検出部(図示せず)は、この小メダルSMを検出し制御部50に検出信号を出力する。制御部50は、検出部の出力に応じて、スロット11による抽選処理を行う。制御部50は、スロット11に「7」以外の数字が3桁揃った場合には(「111」,「222」等)、当たり大メダル供給装置32を制御して、当たり大メダル供給装置32を上段プッシャ台12へと供給する。
一方、制御部50は、スロット11に「7」が3桁揃った場合つまり「777」の場合には、JP大メダル供給装置33を制御して、JP大メダルBM−Jを上段プッシャ台12へと供給する。
【0049】
(大メダルBMの選別処理)
大メダルBMが上段プッシャ台12に供給されると、上段往復テーブル12aの往復動作によって上段固定テーブル12bに載置されていた大メダルBMが徐々に手前側Y1に移動する。大メダルBMが上段固定テーブル12bから落下すると、大メダル移送棒13は、上段固定テーブル12bの斜面12cを滑落してきた大メダルBMを受け止めて、大メダルストッカ14に移送する。
図3に示すように、大メダル選別装置14gのリーダ部14hは、搬送された大メダルBMに内蔵されたRFIDタグBMaの情報を読み取り、読み取った情報を制御部50に出力する。制御部50(第2ゲーム要素判定部)は、リーダ部14hからの出力に基づいて、大メダルBMが入賞したと判定し、大メダルBMの種類を判定する。
【0050】
制御部50は、大メダルBMが通常大メダルBM−Nであると判定した場合には、突起14i−Nをつら状態に駆動する。これにより、通常大メダルBM−Nは、通路14c−1を通過途中で通路14c−2へと導かれ、さらに通常大メダル収容部22へと落下して収容される。
【0051】
制御部50は、大メダルBMが赤色の当たり大メダルBM−Rであると判定した場合には、駆動装置(図示せず)を制御してメダル昇降装置14jを下側に駆動し、通路14c−1を通ってきた当たり大メダルBM−Rを通路14c−3に搬送する。そして、制御部50は、突起14i−Rをつら状態に駆動して、通路14c−3を通過している大メダルBM−Rを縦列部14d−Rへと落下させて収容する。
制御部50は、大メダルBMが青色の当たり大メダルBM−Bであると判定した場合には、大メダルBM−Rと同様に、大メダルBM−Bを通路14c−3に搬送し、突起14i−Bをつら状態に駆動して、通路14c−3を通過している大メダルBM−Bを縦列部14d−Bへと落下させて収容する。
制御部50は、大メダルBMが緑色の当たり大メダルBM−Gであると判定した場合には、大メダルBM−Rと同様に、大メダルBM−Gを通路14c−3に搬送し、突起14i−Gをつら状態に駆動して、通路14c−3を通過している大メダルBM−Gを縦列部14d−Gへと落下させて収容する。
制御部50は、大メダルBMが黄色の当たり大メダルBM−Yであると判定した場合には、突起14i−N,14i−R,14i−B,14i−Gの突起状態を維持し、大メダルBM−Yを通路14c−3に搬送する。これによって、制御部50は、通路14c−3を通過している大メダルBM−Yを縦列部14d−Yへと落下させて収容する。
【0052】
制御部50は、大メダルBMがJP大メダルBM−Jであると判定した場合には、駆動装置(図示せず)を制御してメダル昇降装置14jを上側に駆動し、通路14c−1を通ってきたJP大メダルBM−Jを、JP大メダル搬送装置15に受け渡す。その後、制御部50は、JP大メダル搬送装置15を回転駆動して、JP大メダル落下孔16に向けて傾斜させる。これによって、制御部50は、JP大メダルBM−Jをレール15aを転がしてJP大メダル落下孔16に落下させ、JP大メダル収容部24に収容する。
【0053】
(当たり大メダルBM−Hの規定枚数収容による少量払い出し(イベント)処理)
制御部50(第2ゲーム要素判定部)は、各縦列部14dに当たり大メダルBMが規定枚数収容された場合(各当たり大メダルBMが組み合わさった場合)、当たり大メダルBMの種類に応じたイベントを発生する。制御部50は、各種の当たり大メダルBMの貯留数を、大メダル選別装置14gのリーダ部14hの出力に基づいてカウントして判定する。なお、縦列部14dに貯留数を検出する光学センサ等を設け、その出力に基づいてメダル貯留数を判定してもよい。
制御部50(特典付与部)は、当たり大メダルBM−Rが3枚貯留すると、小メダル供給装置34を制御して30枚の小メダルSMを下段プッシャ台6に供給する。同様に、制御部50は、当たり大メダルBM−Bが4枚貯留すると40枚の小メダルSMを下段プッシャ台6に供給し、当たり大メダルBM−Gが5枚貯留すると50枚の小メダルSMを下段プッシャ台6に供給し、当たり大メダルBM−Yが6枚貯留すると60枚の小メダルSMを下段プッシャ台6に供給する。
なお、制御部50は、当たり大メダルBMが規定枚数収容された場合には、その当たり大メダルBMの縦列部14dの突起をつら状態に駆動する。これによって、制御部50は、当たり大メダルBMを当たり大メダル収容部23に収容する。
【0054】
このように、数十枚の小メダルSMが下段プッシャ台6に供給されると、下段プッシャ台6の小メダルSMがメダル落下孔7に落下しやすい状態となる。そして、メダル落下孔7に落下に小メダルSMが落下すると、制御部50は、小メダル払い出し装置35を制御して、小メダルSMを外部払い出し口8に払い出す。
【0055】
(JP抽選処理によるJP払い出し(イベント)処理)
上記大メダルの選別処理の結果、JP大メダルBM−JがJP大メダル落下孔16に落下すると、制御部50は、JP大メダル落下孔16内の検出部(図示せず)の出力に応じて、スロット11によるJP抽選処理を行う。制御部50(特典付与部)は、スロット11に「7」が3桁揃った場合つまり「777」の場合には、小メダル供給装置34を制御して1000枚の小メダルSMを下段プッシャ台6に供給してJP払い出しを行う。一方、制御部50は、「777」以外の数字が表示された場合には、10枚程度の小メダルSMを下段プッシャ台6に供給する。
【0056】
このように、小メダルSMが下段プッシャ台6に1000枚程度供給されると、前述した少量払い出しよりも多くの小メダルSMが、メダル落下孔7に落下しやすい状態となる。そして、メダル落下孔7に落下に小メダルSMが落下すると、制御部50は、小メダル払い出し装置35を制御して、小メダルSMを外部払い出し口8に払い出す。これによって、プレイヤは、より多くの小メダルSMを獲得することができる。
【0057】
以上説明したように、ゲーム機1は、下段プッシャ台6が小メダルSMを搬送し、一方、上段プッシャ台12が大メダルBMを搬送する。これにより、1つのゲーム機に2つのプッシャ台を設け、それぞれ異なるメダルを搬送する新しい態様のゲームを提供することができる。
また、ゲーム機1は、大メダルBMを外部に払い出される小メダルSMから切り離して循環させる(図4に示す大メダル循環部1a及び小メダル循環部1b参照)。つまり、ゲーム機1は、上段プッシャ台12で大メダルBMのみを搬送し循環させる。そして、ゲーム機1は、当たり大メダルBM−HやJP大メダルBM−Jの入賞に応じて、小メダルSMの少量払い出しをしたりJP払い出しを行う。これによって、上段プッシャ台12の大メダルBMを、プレイヤに小メダルSMを獲得させるチャンスを与えるきっかけとして利用することができる。
【0058】
(第2実施形態)
次に、本発明を適用したゲーム機の第2実施形態について説明する。
第2実施形態のゲーム機201は、第1実施形態の大メダルストッカ14の形態を変更したものである。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図5は、第2実施形態の大メダルストッカ214を示す図である。
【0059】
大メダルストッカ214は、通路14c−3に接続するように抽選部214mが設けられている。抽選部214mは、ケース214aの表面を窪ませた凹部に設けられている。
抽選部214mは、シーソ214nと、貯留ディスク214pと、ストッパ214qとを備えている。
シーソ214nは、断面形状が円弧状に形成され、左右方向に回転可能にケース214aに保持されている。シーソ214nは、駆動装置(図示せず)によって、左右方向に一定の周期(例えば数秒程度)で揺動するようになっている。
貯留ディスク214pは、当たり大メダルBM−Hを貯留する3つの切り欠きが設けられた円盤である。貯留ディスク214pは、駆動装置(図示せず)によって、一定の方向に回転するようになっている。
ストッパ214qは、駆動装置(図示せず)によって、凹部の底部に対して突出状態とつら状態との間で駆動される。ストッパ214qは、突出状態の場合には、貯留ディスク214pに当たり大メダルBM−Hを貯留することができ、一方、つら状態の場合には、貯留ディスク214pに貯留した当たり大メダルBM−Hを回収することができる。
【0060】
次に、抽選装置の動作について説明する。
メダル昇降装置14jから通路14c−3に導かれた当たり大メダルBM−Hは、抽選部214mのシーソ214nへと導かれる。シーソ214nが左下側に傾いているときには、当たり大メダルBM−Hは、メダル回収路214rへと導かれ、当たり大メダル収容部に落下し収容される。一方、シーソ214nが右下側に傾いているときには、当たり大メダルBM−Hは、貯留ディスク214pへと導かれる。
制御部250は、3枚の当たり大メダルBM−Hが貯留ディスク214pに貯留されると、貯留した当たり大メダルBM−Hの組み合わせに応じたイベントを発生する。
例えば、制御部250は、全て異なる色の当たり大メダルBM−Hが貯留された場合には、100枚の小メダルSMを下段プッシャ台6(図2参照)に供給し、また、全て同じ色の当たり大メダルBM−Hである場合には、50枚の小メダルSMを下段プッシャ台6(図2参照)に供給する。
イベントが終了すると、制御部250は、ストッパ214qをつら状態に駆動して、貯留していた当たり大メダルBM−Hを回収する。
【0061】
以上説明したように、ゲーム機201は、大メダルストッカ214が抽選部214mシーソ214nによって抽選を行うので、制御部250がその組み合わせに応じてプレイヤに特典を付与して、面白さを向上することができる。
【0062】
(第3実施形態)
次に、本発明を適用したゲーム機の第3実施形態について説明する。
第3実施形態のゲーム機301は、第1実施形態のゲーム機1と同様な構成の6つのステーションを備えたものである。
図6は、第3実施形態のゲーム機301の斜視図である。
図7は、第3実施形態のゲーム機301の構成を説明する図である。
なお、図7において、ステーションSt2〜St6の詳細な構成について省略するが、ステーションSt1と同様な構成である。
【0063】
図6、図7に示すように、ゲーム機301は、ステーションSt1〜St6と、センターユニット360とを備えている。
ステーションSt1〜St6は、それぞれ第1実施形態のゲーム機1とほぼ同様な構成であり、センターユニット360を囲むように配置されている。ゲーム機301は、各ステーションSt1〜St6で6人のプレイヤがプレイできるように構成されている。
【0064】
センターユニット360は、JP大メダル収容部324と、JP大メダル供給装置333と、JPスロット361と、記憶部340と、制御部350とを備えている。
JP大メダル収容部324及びJP大メダル供給装置333は、第1実施形態のJP大メダル収容部24及びJP大メダル供給装置33とほぼ同様な構成であるが、ステーションSt1〜St6で共用するようになっている点が第1実施形態とは異なる。つまり、JP大メダル供給装置333及びJP大メダル収容部324は、ステーションSt1〜St6のJP大メダルBM−Jを収容し、ステーションSt1〜St6に供給するようになっている。
JPスロット361は、センターユニット360の中心に配置され、駆動装置(図示せず)によって、鉛直方向Zの軸回り回転可能である。JPスロット361は、液晶表示装置等に表示された3桁の数字によって、抽選処理を行う装置である。JPスロット361は、JP大メダルBM−Jが入賞したときに抽選処理を行う。スロット11の抽選処理は、制御部350が行う。JPスロット361による抽選の結果、制御部350がJP払い出しを行う。
【0065】
次に、JP払い出し時の動作について説明する。
プレイヤによって各ステーションSt1〜St6のメダル投入機(図1参照に示すメダル投入機4参照)に小メダルSMが投入されると、メダル投入機内に設けられた検出部(図示せず)が小メダルSMを検出し、制御部350に検出信号を出力する。制御部350は、この検出部の出力に応じて、JP払い出しの小メダルSMの数量を加算する。つまり、ゲーム機301は、各ステーションSt1〜St6のプレイヤがメダル投入する毎に、JP払い出しの小メダルSMの数量を加算していく。
ステーションSt1〜St6のいずれかにおいて、JP大メダルBM−Jが上段プッシャ台12から落下して大メダルストッカ314に入賞すると、大メダル選別装置14gがこのメダルがJP大メダルBM−Jであることを検出して、制御部350に信号を出力する。JP大メダル搬送装置315は、このJP大メダルBM−Jを、センターユニット360のJP大メダル収容部324に搬送する。
制御部350は、大メダル選別装置14gの出力に応じて、JP大メダルBM−Jが入賞したステーションStの方向に表示画面が向くように、JPスロット361を回転駆動する。そして、制御部350は、JPスロット361により抽選処理を行い、「777」と表示された場合に、JP大メダルBM−Jが入賞したステーションStに対してJP払い出しを行う。
【0066】
以上説明したように、本実施形態のゲーム機301は、複数のステーションSt1〜St6を設けることによって、6人のプレイヤがJP払い出しを目指して同時にプレイできる。
【0067】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0068】
(変形形態)
(1)第1実施形態において、ゲーム機は、同じ色の当たり大メダルが規定枚数貯留された場合に、少量払い出しする例を示したが、これに限定されない。例えば、全ての色の当たり大メダルが貯留された場合等、異なる色の当たり大メダル同士の組み合わせに応じて、少量払い出しをしてもよい。これにより、特典が付与されるまでの過程をより複雑にして面白さを向上することができる。
【0069】
(2)各実施形態において、ゲーム機は、RFIDタグによって、大メダルを識別する例を示したが、これに限定されない。大メダルの種類を識別できればその方法は、限定されない。例えば、大メダルの色彩をイメージセンサで識別して、大メダルを識別してもよい。また、大メダルの種類毎に異なる大きさの金属を各大メダルに内蔵しておき、金属探知機等を利用してこの金属の大きさを検出することによって、大メダルの種類を識別してもよい。
【符号の説明】
【0070】
1,201,301…ゲーム機 、 4…メダル投入機 、 6…下段プッシャ台
7…メダル落下孔 、 8…外部払い出し口 ,9…通常大メダル供給チェッカ 、 10…スロットスタートチェッカ 、 11…スロット 、 12…上段プッシャ台 、 13…大メダル移送棒 、 14,214…大メダルストッカ 、 14g…大メダル選別装置 、 14h…リーダ部 、 14i…突起 、 14j…メダル昇降装置 、 17…小メダル放出口 、 18…通常大メダル供給路 、 33,333…JP大メダル供給装置 、 34…小メダル供給装置 、 50,250,350…制御部 、 214m…抽選部 、 361…JPスロット 、 BM…大メダル 、 BM−J…JP大メダル 、 BM−H,BM−R,BM−B,BM−G,BM−Y…当たり大メダル 、 BM−N…通常大メダル 、 F…プレイ領域 、 SM…小メダル 、 St1〜St6…ステーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1メダルを載置して搬送する第1メダルプッシャ台と、
プレイヤの操作に応じて、第1メダルを前記第1メダルプッシャ台に投入して載置する第1メダル投入部と、
前記第1メダルとは異なる第2メダルを載置して搬送する第2メダルプッシャ台と、
前記第1メダルプッシャ台によって搬送された第1メダルが入賞する第1メダル入賞部と、
前記第1メダル入賞部への第1メダルの入賞に応じて、前記第2メダルを前記第2メダルプッシャ台に供給して載置する第2メダル供給部と、
前記第1メダルプッシャ台によって搬送された第1メダルが落下する第1メダル落下孔と、
前記第1メダル落下孔に第1メダルが落下したことに応じて、第1メダルをこのゲーム機の外部に払い出す外部払い出し部と、
前記第2メダルプッシャ台から落下した第2メダルを、特定の方向を向いた状態で通過させる通路とを備え、
前記第2メダルは、複数の種類を有し、前記種類の応じた大きさの金属が内蔵されており、
前記通路を通過する前記第2メダルに内蔵された金属の大きさを検出する検出部を備えること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム機において、
前記第1メダルは、プレイヤが前記第1メダルプッシャ台に実際に投入するものであり、
前記第2メダルは、前記第1メダルよりも大きいこと、
を特徴とするゲーム機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のゲーム機において、
前記検出部の出力に基づいて、前記通路を通過した前記第2メダルを、プレイヤに視認できる態様で種類毎に選別する選別装置を備えること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項4】
請求項3に記載のゲーム機において、
選別された前記第2メダルを、プレイヤに視認できる態様で種類毎に貯留する貯留装置を備えること、
を特徴とするゲーム機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−99632(P2013−99632A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−37971(P2013−37971)
【出願日】平成25年2月27日(2013.2.27)
【分割の表示】特願2009−41255(P2009−41255)の分割
【原出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)