説明

ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、ならびに、プログラム

【課題】プレイヤのゲーム履歴に基づき、プレイヤが体を動かす量を調整することができるようにする。
【解決手段】ゲーム装置400は、仮想空間内に配置されるオブジェクトを移動させるゲームを提供する。記憶部401には、調整パラメータならびに前記オブジェクトの位置が記憶される。検知部402は、現実空間におけるプレイヤの所定の部位の位置を検知する。取得部403は、前記検知された位置から、前記所定の部位の移動方向及び移動距離を取得する。移動部404は、取得された移動距離、記憶されている調整パラメータ及び記憶されているオブジェクトの位置に基づき、移動方向に、オブジェクトを移動させる。変化部406は、記憶されている調整パラメータを、プレイヤの履歴に応じて変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤのゲーム履歴に基づき、プレイヤが体を動かす量を調整することが可能なゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プレイヤが、コントローラを用いて、ゲームキャラクタの操作を行うゲームが提案されている。例えば、特許文献1には、加速度センサを備えたコントローラをプレイヤが振る操作に基づいて、ボールオブジェクトを打撃する際の打撃範囲及び打撃時のパワーが指定されるゲーム装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−088563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような、コントローラを用いて入力を行うゲームにおいては、プレイヤがコントローラの操作に習熟すると、僅かな動作で大きな加速度を与えることができるようになり、操作対象を大きく変化させることができるようになってしまうことがあった。たとえば、プレイヤが体を大きく動かすことを求めるゲームを提供したい場合であっても、次第にプレイヤの動作が小さくなってしまうことがあった。したがって、プレイヤの習熟度にあわせて、プレイヤが体を動かす量を、自然に調整する技術が求められている。
【0005】
本発明は、以上のような課題を解決するものであって、プレイヤのゲーム履歴に基づき、プレイヤが体を動かす量を調整することが可能なゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、ならびに、プログラムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、仮想空間内に配置されるオブジェクトを移動させるゲームを提供するゲーム装置であって、記憶部、検知部、取得部、移動部、変化部を備え、以下のように構成する。
【0007】
記憶部には、調整パラメータならびにオブジェクトの位置が記憶される。
【0008】
仮想空間内には、各種のオブジェクトが配置される。例えば、サッカーゲームにおいては、仮想空間内に、ボール、キャラクタ、ゴールといったオブジェクトが配置される。ゲーム装置は、仮想空間内に配置されたオブジェクトを移動させることにより、ゲームを進行させる。
【0009】
調整パラメータは、後述する移動部及び変化部により参照される。
【0010】
検知部は、現実空間におけるプレイヤの所定の部位の位置を検知する。
【0011】
プレイヤの所定の部位は、例えば、プレイヤの手、足、頭部等である。所定の部位は、プレイヤの足と頭部等、複数であってもよい。現実空間においては、プレイヤの体の形状や衣服の表面等の様子をカメラやセンサーで取得し、画像認識等により各部の位置を推定することにより、プレイヤの所定の部位の位置を検知する。
【0012】
取得部は、検知された位置から、所定の部位の移動方向及び移動距離を取得する。
【0013】
定期的なタイミングにおいて、検知された位置に基づき、当該所定の部位の移動方向及び移動距離が取得される。定期的なタイミングとは、例えば、垂直同期割込であってもよく、1/30秒又は1/60秒であってもよい。
【0014】
移動部は、取得された移動距離、記憶されている調整パラメータ及び記憶されているオブジェクトの位置に基づき、移動方向に、オブジェクトを移動させる。
【0015】
本発明においては、現実空間において、プレイヤの所定の部位が移動すると、仮想空間において、対応するオブジェクトが移動する。
【0016】
例えば、現実空間においてプレイヤの頭部が移動すると、仮想空間においてゲームキャラクタの頭部が移動する。この場合、ゲームキャラクタの頭部の移動距離は、現実空間におけるプレイヤの頭部の移動距離を、調整パラメータにより補正した値である。例えば、ゲームキャラクタの頭部の移動距離は、現実空間におけるプレイヤの頭部の移動距離に、調整パラメータを乗じた値や、調整パラメータを加えた値等であってもよい。また、仮想空間におけるゲームキャラクタの頭部の移動方向は、現実空間におけるプレイヤの頭部の移動方向と一致する。
【0017】
変化部は、記憶されている調整パラメータを、プレイヤの履歴に応じて変化させる。
【0018】
たとえば、プレイヤによるプレイの履歴により、プレイヤが多数回、長時間、長い期間プレイをしていることが判明した場合には、当該プレイヤの経験度は高い、と推測できる。そこで、本発明では、補正に用いられる調整パラメータを、プレイヤの履歴から得られるプレイの回数、平均プレイ時間、総プレイ時間、初めてプレイをしてから現在までの経過期間等に基づいて、変化させるのである。
【0019】
例えば、プレイヤのプレイ回数が多いほど、現実空間における所定の部位の移動距離に対し、仮想空間におけるオブジェクトの移動距離が小さくなるように、調整パラメータを変化させる。
【0020】
本発明によれば、プレイヤの経験度等に応じて、プレイヤが体を動かす量を調整することができる。
【0021】
また、本発明のゲーム装置は、以下のように構成することができる。
【0022】
移動部は、調整パラメータを、移動距離に乗じることにより、オブジェクトの仮想空間内における移動距離を決定する。
【0023】
一般に、プレイヤの経験度が高くなると、どのように体を動かせばゲームにおける判定が有効になるかがわかるようになってくる。このため、経験度の高いプレイヤは、初心者に比べて、同じ操作をしようとするときであっても、体の動きが小さくなることが多い。
【0024】
たとえば、ヘディングによってボールを操作しようとする場合、ゲームに慣れれば慣れるほど、頭を動かす程度は小さくなり、カメラやセンサで動作が検出できる限界に近付いていく。
【0025】
そこで、現実空間において、プレイヤの頭部が移動した距離に、調整パラメータを乗じることにより、仮想空間における、ゲームキャラクタの頭部の移動距離を決定することとした上で、プレイヤの経験度が高いほど、調整パラメータを小さくし、プレイヤの経験度が低いほど、調整パラメータを大きくするように設定する。
【0026】
このように設定すれば、ゲームキャラクタの頭部を同じ距離だけ移動させようとした場合、ゲームに慣れた上級者プレイヤは、初心者プレイヤよりも、現実世界で頭部を動かさなければならない距離が長くなる。
【0027】
すなわち、プレイヤの経験度が高い場合には、身振りや手振りを大きくさせることができるようになる。
【0028】
本発明によれば、プレイヤの経験度に応じて、プレイヤが体を動かす量を簡易に調節することにより、プレイヤの経験度によらずに、プレイヤの動作の大きさを保つことで、プレイヤがゲームに慣れてしまってゲームに飽きてしまうことを防止することができるほか、経験度に応じたハンディキャップを付与することも可能となる。
【0029】
また、本発明のゲーム装置は、以下のように構成することができる。
【0030】
ゲーム装置は、履歴に基づき、プレイヤの成績を判定する判定部をさらに備える。
【0031】
例えば、ゲームのスコアやプレイ回数等の履歴に基づき、プレイヤのレベルが総合的に判定される。
【0032】
そして、変化部は、判定された成績に基づき、調整パラメータを変化させる。
【0033】
調整パラメータが変化できる範囲は、一定の範囲とするのが典型的である。これは、ゲームのプレイヤの動きとキャラクタの動きが、かけ離れ過ぎないようにするためである。例えば、変化部は、調整パラメータを、0.0より大きく、2.0未満の範囲で、変化させる。
【0034】
なお、プレイヤが上級者である場合、プレイに失敗しスコアが低くなった場合においても、調整パラメータが小さな値で維持されてもよい。つまり、プレイヤが上級者である場合は、プレイヤの動作は小さく評価され、大きく体を動かす必要がある。一方、プレイヤが初心者である場合、プレイに成功しスコアが高くなった場合においても、調整パラメータが大きな値で維持されてもよい。つまり、プレイヤが初心者である場合は、プレイヤの動作は大きく評価され、体を大きく動かす必要はない。
【0035】
本発明によれば、プレイヤのレベルに応じて、ゲームの難易度を簡易に調節することができる。
【0036】
また、本発明のゲーム装置は、以下のように構成することができる。
【0037】
すなわち、本発明は、1人のプレイヤが1人だけでプレイする形態や、1人のプレイヤがコンピュータと対戦する形態のほか、2人以上のプレイヤが対戦する形態にも適用が可能である。例えば、テニスゲームやサッカーゲーム等において、複数のプレイヤが対戦プレイを行う場合である。この場合には、各プレイヤの顔を認識することにより、複数のプレイヤを区別して、ゲームを進行させることもできる。
【0038】
ここで、記憶部は、当該複数のプレイヤのそれぞれの成績パラメータを記憶する。
【0039】
成績パラメータは、例えば、現在プレイ中のゲームのスコアを利用しても良いし、これまでのプレイの履歴から得られる実力のレベル等を採用しても良い。サッカーゲームでの場合は、成績パラメータは、プレイヤが操作するチームがこれまでに獲得したスコアなどを採用することもできる。
【0040】
さらに、変化部は、記憶部に記憶される当該成績パラメータに基づいて、それぞれのプレイヤの調整パラメータを変化させる。なお、上記の発明と同様に、調整パラメータの変化の範囲には、下限と上限を設けるのが典型的である。
【0041】
成績パラメータを比較することにより、プレイヤの優劣が決定される。これまでの対戦における勝率や獲得スコア、平均スコア、今プレイ中に獲得したスコアなどを成績パラメータとした場合には、値が大きい方がプレイヤとして優れており、小さい方がプレイヤとして劣っていることになる。
【0042】
そこで、決定されたプレイヤの勝敗に基づき、劣っているプレイヤの調整パラメータを大きくし、優れているプレイヤの調整パラメータを、小さくすると、優れているプレイヤが劣っているプレイヤと同じ程度だけゲームキャラクタを動かすには、優れているプレイヤは、動作を大きくしなければならない。
【0043】
たとえば、上級者であるプレイヤが、初心者であるプレイヤと対戦する場合においては、上級者は初心者に比べて、身振り手振りを大袈裟にしなければならないので、実力に差があっても、白熱した対戦展開が期待される。
【0044】
本発明によれば、複数のプレイヤが対戦する場合において、均衡した試合となるよう、ゲームを進行させることができる。
【0045】
本発明のその他の観点に係る制御方法は、記憶部、検知部、取得部、移動部、変化部を有し、仮想空間内に配置されるオブジェクトを移動させるゲームを提供するゲーム装置が実行する制御方法であって、検知工程、取得工程、移動工程、変化工程を備える。
【0046】
記憶部には、調整パラメータならびにオブジェクトの位置が記憶される。
【0047】
検知工程では、検知部が、現実空間におけるプレイヤの所定の部位の位置を検知する。
【0048】
取得工程では、取得部が、検知された位置から、所定の部位の移動方向及び移動距離を取得する。
【0049】
移動工程では、移動部が、取得された移動距離、記憶されている調整パラメータ及び記憶されているオブジェクトの位置に基づき、移動方向に、オブジェクトを移動させる。
【0050】
変化工程では、変化部が、記憶されている調整パラメータを、プレイヤの履歴に応じて変化させる。
【0051】
本発明によれば、プレイヤの経験度等に応じて、プレイヤが体を動かす量を調整することができる。
【0052】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータに、仮想空間内に配置されるオブジェクトを移動させるゲームを提供させるためのプログラムであって、コンピュータを、記憶部、検知部、取得部、移動部、変化部として機能させる。
【0053】
記憶部には、調整パラメータならびに前記オブジェクトの位置が記憶される。
【0054】
検知部は、現実空間におけるプレイヤの所定の部位の位置を検知する。
【0055】
取得部は、検知された位置から、所定の部位の移動方向及び移動距離を取得する。
【0056】
移動部は、取得された移動距離、記憶されている調整パラメータ及び記憶されているオブジェクトの位置に基づき、移動方向に、オブジェクトを移動させる。
【0057】
変化部は、記憶されている調整パラメータを、プレイヤの履歴に応じて変化させる。
【0058】
本発明によれば、コンピュータを上述のように動作するゲーム装置として機能させることができる。
【0059】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記憶媒体に記録することができる。
【0060】
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記憶媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0061】
本発明によれば、プレイヤのゲーム履歴に基づき、プレイヤが体を動かす量を調整することが可能なゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の画像処理装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す図である。
【図2】情報処理装置の外観を模式的に表す図である。
【図3】ゲーム画像の一例を示す模式図である。
【図4】ゲーム装置の機能的な構成を説明するための図である。
【図5】現実空間におけるプレイヤとセンサの関係の一例を示す図である。
【図6A】プレイヤの頭部が移動する様子を示す図である。
【図6B】プレイヤが初心者である場合の、キャラクタオブジェクトの頭部の移動距離を示す図である。
【図6C】プレイヤが上級者である場合の、キャラクタオブジェクトの頭部の移動距離を示す図である。
【図7】実施形態1における、調整パラメータαの変化の様子を示す図である。
【図8】1ゲームにおけるゲーム制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図9A】実施形態1における調整パラメータαの変更処理の詳細を示すフローチャートである。
【図9B】実施形態1における調整パラメータαの変更処理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】実施形態2におけるゲーム画像の一例を示す模式図である。
【図11】実施形態2におけるゲーム装置の機能的な構成を説明するための図である。
【図12A】2人のプレイヤの頭部が移動する様子を示す図である。
【図12B】2人のプレイヤに対応するキャラクタオブジェクトの頭部の移動距離を示す図である。
【図13】実施形態2における、1ゲームにおけるゲーム制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】プレイヤ1の調整パラメータを変更する処理の詳細を示すフローチャートである。
【図15A】変形例における、調整パラメータαの変化の様子の一例を示す図である。
【図15B】変形例における、調整パラメータαの変化の様子の一例を示す図である。
【図15C】変形例における、調整パラメータαの変化の様子の一例を示す図である。
【図16】変形例における、プレイヤの人数が3人以上である場合の調整パラメータを変更する処理の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0063】
本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下の実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0064】
(実施形態1)
図1は、本発明の画像処理装置の機能を果たす典型的な情報処理装置100の概要構成を示す模式図である。
【0065】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、ハードディスク104と、インターフェース105と、外部メモリ106と、入力装置107と、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)ドライブ108と、画像処理部109と、音声処理部110と、NIC(Network Interface Card)111と、を備える。
【0066】
ゲーム用のプログラムおよびデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ108に装着し、情報処理装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、本実施形態の画像処理装置が実現される。
【0067】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。また、CPU 101は、ALU(Arithmetic Logic Unit)(図示せず)を用いて、レジスタという高速アクセスが可能な記憶領域に記憶されたデータの加減乗除等の算術演算や、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算などを行うことができる。さらに、CPU 101は、マルチメディア処理対応のための加減乗除等の飽和演算や、三角関数等、ベクトル演算などを高速に行うことができるコプロセッサを備える。
【0068】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録される。IPLがCPU 101によって実行されることにより、DVD−ROMに記録されたプログラムがRAM 103に読み出され、CPU 101による起動処理が開始される。
【0069】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、例えば、DVD−ROMから読み出されたプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要なデータが保持される。また、CPU 101は、RAM 103に変数領域を設け、当該変数に格納された値に対して直接ALUを作用させて演算を行ったり、RAM 103に格納された値を一旦レジスタに格納してからレジスタに対して演算を行い、演算結果をメモリに書き戻す、などの処理を行う。
【0070】
ハードディスク104は、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステム(OS)のプログラムや各種のゲームデータ等を格納する。CPU 101は、ハードディスク104に記憶される情報を随時書き換えることができる。
【0071】
インターフェース105を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、ゲームのプレイ状況(過去の成績等)を示すデータ、ゲームの進行状態を示すデータ、ネットワークを用いた他の装置との通信のログ(記録)のデータなどが記憶される。CPU 101は、外部メモリ106に記憶される情報を随時書き換えることができる。また、情報処理装置100は、インターフェース105を介して、増設用のハードディスクを接続することができる。
【0072】
入力装置107は、図2に示すように、ゲーム画面が表示されるモニター250付近に設置される。入力装置107は、プレイヤの様子などを撮影するカメラを備える。CPU 101は、カメラによって撮影された画像を表す画像データを解析し、画像に含まれるプレイヤの部位(例えばプレイヤの手、足、顔など)を判別する。画像解析の手法には、例えば、パターン認識による解析、特徴点の抽出による解析、空間周波数の算出による解析などがある。カメラによる撮影は、ゲーム中に継続的に行われる。
【0073】
また、入力装置107は、入力装置107からプレイヤ(もしくはプレイヤの任意の部位)までの距離を測定する深度センサーを備える。例えば、入力装置107は、赤外線を周囲に照射し、この赤外線の反射波を検知する。そして、入力装置107は、照射波と反射波との位相差や、赤外線が発射されてからその反射光が検知されるまでの時間(飛行時間)に基づいて、照射波の発射口から照射波を反射した物体までの距離(以下「深度」ともいう。)を求める。深度センサーによる深度の検知は、赤外線を発射可能な方向のそれぞれについて、所定の時間間隔で繰り返し行われる。
【0074】
深度センサーを備えることにより、情報処理装置100は、現実空間に配置された物体の3次元的な位置や形状をより詳しく把握することが可能になる。具体的には、例えば、CPU 101が第1の時刻に取得された第1の画像データと第2の時刻に取得された第2の画像データとを画像解析した結果、第1の画像データと第2の画像データの両方にプレイヤの頭部を表す部分が含まれていることを判別したとする。CPU 101は、第1の画像データ内における頭部の位置と、第2の画像データ内における頭部の位置と、の変化から、カメラから見てプレイヤの頭部が上下左右のどの方向にどの程度動いたのかを判別することができるだけでなく、第1の画像データにおける頭部の深度と、第2の画像データ内における頭部の深度と、の変化から、カメラから見てプレイヤの頭部が前後のどちらの方向にどの程度動いたのか(どの程度カメラに近づいたりカメラから遠ざかったりしたのか)を判別することもできる。
【0075】
このように、CPU 101は、入力装置107が備えるカメラによって撮影された画像と、入力装置107が備える深度センサーによって測定された距離(深度)と、に基づいて、いわゆるモーションキャプチャーのように、現実空間におけるプレイヤの3次元的な動きをディジタル化して把握することができる。
【0076】
例えば、サッカーゲームにおいて、プレイヤがモニター250画面の前(つまり入力装置107の前)でボールをゴールキーパーとしてキャッチするモーションをすると、CPU 101は、プレイヤがボールをキャッチするモーションを行ったことを認識することができる。そして、CPU 101は、認識したモーションに応じて、ゲームを進行することができる。つまり、プレイヤは、タッチパッド型のコントローラなどを持つことなく、自分の体を自由に動かすことによって、所望の指示を入力することができる。入力装置107は、プレイヤからの指示入力を受け付ける、いわゆる“コントローラ”の役割を果たす。
【0077】
撮影された画像を表すディジタルの画像データは、複数の画素の集合である。典型的には、画素のそれぞれに三原色(R,G,B)の強度を表す値が対応付けられる。画像深度センサーにより各方向の深度が測定されるということは、実質的には、1つの画素が、赤(R),緑(G),青(B)に加えて、深度(D)というもう一次元を用いて表されることを意味する。
【0078】
DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データなどが予め記録される。DVD−ROMドライブ108は、CPU 101の制御によって、装着されたDVD−ROMに記録されたプログラムやデータを読み出す。CPU 101は、読み出されたプログラムやデータをRAM 103等に一時的に記憶する。
【0079】
画像処理部109は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部109が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、画像処理部109が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され、画像処理部109に接続されるモニター250へ出力される。
【0080】
画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。また、画像演算プロセッサは、仮想3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを所定の視線の方向へ俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0081】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報に従って、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画することが可能である。
【0082】
また、CPU 101と画像演算プロセッサがDVD−ROMに予め格納された画像データをフレームメモリに書き込むことによって、ゲームの様子などを画面に表示することができる。画像データをフレームメモリに書き込み表示させる処理を、定期的なタイミング(典型的には垂直同期割り込み(VSYNC)のタイミング)で繰り返し行うことにより、モニター250にアニメーションを表示することが可能になる。
【0083】
音声処理部110は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、スピーカーから出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲などの音声データを生成し、生成された音声データをデコードすることにより、様々な音声をスピーカーから出力させる。
【0084】
音声処理部110は、DVD−ROMに記録された音声データがMIDIデータである場合には、音声処理部110が有する音源データを参照して、MIDIデータをPCMデータに変換する。また、音声処理部110は、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)形式やOgg Vorbis形式等により圧縮された音声データである場合には、圧縮された音声データをPCMデータに変換する。PCMデータは、サンプリング周波数に応じたタイミングでD/A(Digital/Analog)変換を行って、スピーカーに出力することにより、音声出力が可能となる。
【0085】
NIC 111は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網に接続する。NIC 111は、例えば、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)と、から構成される。
【0086】
上記構成を有する情報処理装置100により実現される、本実施形態のゲーム装置において実行されるゲームはサッカーゲームである。プレイヤは、ゴールキーパーとして、ボールがゴールに入るのを阻止するため、いわゆるヘディングのように、頭部を移動させる。理解を容易にするため、いわゆるPK戦における1キックを1ゲームとする。なお、本発明は、サッカーゲームに限定されず、野球ゲームや、陸上競技のゲーム等、種々のゲームを実行することが可能なゲーム装置に適用され得る。
【0087】
図3に、本実施形態におけるゲーム画像の例を示す。
【0088】
このゲーム画像においては、ボールである目標オブジェクトTOが、画面の下方に向かって移動する。また、ゴールキーパーであるキャラクタオブジェクトCOの頭部は、現実空間における、プレイヤの頭部の移動に伴い、移動する。本実施形態においては、ゴールキーパーであるキャラクタオブジェクトCOの頭部に目標オブジェクトTOが接触した場合、プレイヤのスコアが加算されるものとする。
【0089】
次に、図4を参照して、上記構成を有する情報処理装置100により実現される、本実施形態のゲーム装置400の機能的な構成等について説明する。
【0090】
図4は、ゲーム装置400の機能的な構成を示す図である。ゲーム装置400は、記憶部401、検知部402、取得部403、移動部404、判定部405、変化部406を備える。以下、本実施形態のゲーム装置400について詳述する。
【0091】
記憶部401には、調整パラメータαならびに各種オブジェクトの位置が記憶される。
【0092】
検知部402は、現実空間におけるプレイヤの頭部の位置を検知する。
【0093】
取得部403は、検知部402により検知された位置から、プレイヤの頭部の移動方向及び移動距離を取得する。
【0094】
移動部404は、取得部403により取得された移動距離、記憶部401に記憶されている調整パラメータ及び各種オブジェクトの位置に基づき、プレイヤの頭部の移動方向に、キャラクタオブジェクトCOの頭部を移動させる。
【0095】
判定部405は、プレイヤのゲーム履歴に基づき、プレイヤの成績を判定する。
【0096】
変化部406は、記憶部401に記憶されている調整パラメータαを、プレイヤのゲーム履歴、又は、判定部405による成績判定の結果に応じて変化させる。
【0097】
記憶部401は、目標オブジェクトTOの位置、キャラクタオブジェクトCOの位置、及び、後述する調整パラメータαを記憶する。詳細については後述するが、変化部406は、初心者の動作は大きく評価され、上級者の動作は小さく評価されるように、調整パラメータαを変化させる。そして、移動部404は、調整パラメータαに基づいて、キャラクタオブジェクトCOの頭部を移動させる。
【0098】
さらに、記憶部401には、プレイヤのスコアが記憶されてもよい。
【0099】
記憶部401は、RAM 103、外部メモリ106等により実現される。
【0100】
検知部402は、現実空間における、プレイヤの所定の部位の位置を検知する。本実施形態において、所定の部位は、プレイヤの頭部である。なお、検知部402は、プレイヤの骨格を認識することが可能であるため、本発明における所定の部位は、頭部に限定されず、プレイヤの腕、手、脚、足部等、任意の部位であってもよい。また、所定の部位は、複数であってもよく、例えば、プレイヤの体全体であってもよい。
【0101】
図5に、現実空間におけるプレイヤPLの頭部501と入力装置107を示す。
【0102】
入力装置107は、定期的なタイミングにおいて、プレイヤPLの画像データを取得する。なお、定期的なタイミングは、典型的には、垂直同期割込である。また、入力装置107は、プレイヤPLの頭部501の深度を測定する。深度とは、入力装置107が備える赤外線発射口からプレイヤPLの頭部501までの距離である。CPU 101は、入力装置107により取得された画像データの画像解析結果と、プレイヤPLの頭部501の深度に基づき、プレイヤPLの頭部501の位置を検知する。
【0103】
プレイヤPLの頭部501の位置は、現実空間に定義される座標形(本実施形態においては、直交座標系)における座標値で表される。なお、本発明における、現実空間の座標系は、直交座標系に限定されず、極座標系等であってもよい。
【0104】
検知部402は、CPU 101と、入力装置107が協働することにより実現される。
【0105】
図4に戻って、取得部403は、定期的なタイミングにおいて検知部402により検知された位置に基づき、プレイヤPLの頭部501の移動方向及び移動距離を取得する。
【0106】
プレイヤPLの頭部501の移動方向及び移動距離の取得に際し、取得部403は、プレイヤPLの頭部501の時刻tにおける変位ベクトルΔPre(t)を求める。
【0107】
なお、本実施形態では、時刻tは、垂直同期割込周期、もしくはその整数倍を単位とする整数値で表現される。
【0108】
変位ベクトルΔPre(t)は、時刻tから定期的なタイミングの間隔分先行する時刻をt-1、時刻tにおけるプレイヤPLの頭部501の位置ベクトルPre(t)を(X(t),Y(t),Z(t))、時刻t-1におけるプレイヤPLの頭部501の位置ベクトルPre(t-1)を(X(t-1),Y(t-1),Z(t-1))とすると、下式で表される。
【0109】
(数1)
ΔPre(t)= (X(t)−X(t-1),Y(t)−Y(t-1),Z(t)−Z(t-1))
ΔPre(t):時刻tにおけるプレイヤPLの頭部の変位ベクトル
X(t):時刻tにおけるプレイヤPLの頭部のX座標
Y(t):時刻tにおけるプレイヤPLの頭部のY座標
Z(t):時刻tにおけるプレイヤPLの頭部のZ座標
X(t-1):時刻t-1におけるプレイヤPLの頭部のX座標
Y(t-1):時刻t-1におけるプレイヤPLの頭部のY座標
Z(t-1):時刻t-1におけるプレイヤPLの頭部のZ座標
【0110】
プレイヤPLの頭部501の移動距離は、プレイヤPLの頭部501の変位ベクトルΔPre(t)の大きさで表される。また、移動方向は、プレイヤPLの頭部501の変位ベクトルΔPre(t)の方向で表される。
【0111】
取得部403は、CPU 101により実現される。
【0112】
移動部404は、取得部403により取得された移動距離、記憶部401に記憶されている時刻tにおける調整パラメータα、記憶部401に記憶されているキャラクタオブジェクトCOの頭部501の位置ベクトルPvi(t)に基づき、変位ベクトルΔPre(t)の方向に、キャラクタオブジェクトCOの頭部を移動させる。調整パラメータαは、キャラクタオブジェクトCOの頭部の変位ベクトルΔPvi(t)を求める際、用いられる。
【0113】
調整パラメータαの変化の態様については、後述するが、プレイヤが初心者の場合はΔPre(t)に対しΔPvi(t)が大きく、プレイヤが上級者の場合はΔPre(t)に対しΔPvi(t)が小さくなるよう、調整パラメータαを決定するのが典型的である。
【0114】
キャラクタオブジェクトCOの頭部の位置は、仮想空間内における定義される座標系(本実施形態においては、直交座標系)における座標値で表される。そこで、以下では、ある時刻tにおけるキャラクタオブジェクトCOの頭部の位置を表す位置ベクトルをPvi(t)とする。なお、本発明における、仮想空間の座標系は、直交座標系に限定されず、極座標系等であってもよい。
【0115】
調整パラメータαとキャラクタオブジェクトCOの頭部の時刻tにおける位置ベクトルPvi(t)、時刻t-1における位置ベクトルPvi(t-1)、時刻tにおけるプレイヤPLの頭部501の変位ベクトルΔPvi(t)との関係は、本実施形態においては、下式で表される。
【0116】
(数2)
Pvi(t)=Pvi(t-1)+α・ΔPre(t)
Pvi(t):時刻tにおけるキャラクタオブジェクトCOの頭部の位置ベクトル
Pvi(t-1):時刻t-1におけるキャラクタオブジェクトCOの頭部の位置ベクトル
α:調整パラメータ
ΔPre(t):時刻tにおけるプレイヤPLの頭部501の変位ベクトル
【0117】
したがって、時刻tにおける調整パラメータαとキャラクタオブジェクトCOの頭部の変位ベクトルΔPvi(t)、プレイヤPLの頭部501の変位ベクトルΔPre(t)との関係は、本実施形態においては、下式で表される。
【0118】
(数3)
ΔPvi(t) = α・ΔPre(t)
ΔPvi(t):時刻tにおけるキャラクタオブジェクトCOの頭部の変位ベクトル
α:調整パラメータ
ΔPre(t):時刻tにおけるプレイヤPLの頭部501の変位ベクトル
【0119】
すなわち、本実施形態においては、調整パラメータαは、変位ベクトルΔPvi(t)を求めるための、変位ベクトルΔPre(t)に対する係数として機能する。ただし、上記の通り、調整パラメータαは、プレイの履歴に応じて変化する変数でもある。
【0120】
なお、本発明におけるΔPvi(t)の算出方法は、上記に限定されず、調整パラメータαに基づく限り、任意である。
【0121】
図6Aに、プレイヤPLの頭部の移動の様子を示す。図6Bには、プレイヤPLが初心者である場合のキャラクタの頭部の移動の様子を示す。図6Cには、プレイヤPLが上級者である場合のキャラクタの頭部の移動の様子を示す。
【0122】
プレイヤPLは、目標オブジェクトであるボールの動きを視認して、ボールの方向に頭部501を移動させる。図6Aに示すように、現実空間におけるプレイヤPLの頭部501の変位ベクトルΔPre(t)の大きさはΔDre(t)であるから、プレイヤは距離ΔDre(t)だけ、頭部501を移動させたことになる。
【0123】
また、図6B、図6Cに示すように、本実施形態では、仮想空間におけるキャラクタオブジェクトCOの変位ベクトルΔPvi(t)の大きさΔDvi(t)は、調整パラメータαにΔDre(t)を乗じたものとしており、プレイヤPLの頭部の変位ベクトルΔPre(t)と、キャラクタオブジェクトCOの頭部の変位ベクトルΔPvi(t)と、は、同じ方向を向いている。
【0124】
本実施形態では、プレイヤPLが初心者である場合、調整パラメータαは1.0より大きくし、上級者の場合には、調整パラメータαは1.0より小さくしている。
【0125】
すると、図6Aに示す現実空間におけるプレイヤPLが初心者である場合、プレイヤの変位ベクトルの大きさΔDre(t)に比べて、仮想空間におけるキャラクタオブジェクトCOの変位ベクトルの大きさΔDvi(t)は、図6Bに示すように大きくなる。
【0126】
一方、図6Aに示す現実空間におけるプレイヤPLが上級者である場合、プレイヤの変位ベクトルの大きさΔDre(t)に比べて、仮想空間におけるキャラクタオブジェクトCOの変位ベクトルの大きさΔDvi(t)は、図6Cに示すように、小さくなる。
【0127】
また、図6Bと図6Cを比較すると、初心者と上級者が同じ行動をとった場合には、キャラクタの動作は、初心者は上級者よりも大きくなる。
【0128】
このように、本実施形態では、初心者プレイヤの動作を大きく評価する一方で、上級者プレイヤの動作は小さく評価して、キャラクタの動作に反映させるのである。
【0129】
理解を容易にするため、上記の説明では、プレイヤを上級者と初心者に二分して説明したが、一般には、ゲームの熟練の度合等に応じて、調整パラメータαを細かく設定することが可能である。
【0130】
移動部404は、CPU 101により実現される。
【0131】
図4に戻って、判定部405は、プレイヤPLの履歴に基づき、プレイヤPLの成績を判定する。例えば、判定部405は、プレイヤPLのプレイ回数、及び、プレイヤPLの1ゲームのスコアの平均値等に基づき、プレイヤPLが初心者又は上級者に該当するか、総合的に判定する。
【0132】
例えば、プレイ回数の少ないプレイヤであっても、スコアの平均値が高い場合においては、判定部405は、プレイヤは上級者であると判定する。また、プレイ回数の多いプレイヤであっても、スコアの平均値が低い場合においては、判定部405は、プレイヤは初心者であると判定する。
【0133】
理解を容易にするため、上記の説明では、プレイヤを上級者と初心者に二分して説明したが、一般には、ゲームの熟練の度合等に応じて、調整パラメータαを細かく設定することが可能である。最も単純には、あるプレイヤの平均スコアをSpとし、全プレイヤの平均スコアSallとした場合に、当該あるプレイヤ用の調整パラメータαを、
α = Sp/Sall
とする手法がある。このほか、スコアごとに多段階にαを設定する等の手法を採用することができる。これらの具体例については、後述する。
【0134】
判定部405は、CPU 101により実現される。なお、判定部405は、省略可能である。判定部405を省略した場合、後述の通り、変化部406は、プレイヤのプレイ回数に基づき、調整パラメータαを変化させる。
【0135】
変化部406は、記憶部401に記憶されている調整パラメータαを、プレイヤPLの履歴、又は、判定部405による判定結果に基づき変化させる。
【0136】
プレイヤPLの履歴は、例えば、プレイ回数や、プレイヤPLの1ゲームのスコアの平均値等であってもよい。
【0137】
図7に、本実施形態における調整パラメータαの変化の態様を示す。
【0138】
図7においては、調整パラメータαとプレイ回数の関係を示している。なお、調整パラメータαを、プレイヤPLの1ゲームのスコアの平均値や、プレイヤPLのスコアの積算値に基づき変化させる場合の、調整パラメータαとプレイヤPLの1ゲームのスコアの平均値や、プレイヤPLのスコアの積算値との関係も、同様である。
【0139】
調整パラメータαは、プレイ回数が第1の閾値に達するまで、直線的に減少を続ける。さらに、調整パラメータαは、一定値で推移した後、プレイ回数が第2の閾値に達すると、直線的減少を開始する。調整パラメータαは、αminに達すると、減少を停止する。
【0140】
すなわち、本態様では、プレイヤの経験度を、プレイ回数に応じて推定している。すなわち、プレイヤPLが初心者である場合、プレイ回数は少なく、上級者である場合、プレイ回数は多いと考えている。
【0141】
このため、プレイ回数が第1の閾値未満の典型的な初心者では、調整パラメータαは、大きい値αmaxとなり、プレイ回数を重ねて経験を積むに連れて、調整パラメータαは次第に減少し、プレイ回数が第2の閾値を超えた典型的な上級者では、調整パラメータαは、小さい値αminとなる。
【0142】
なお、変化部406は、判定部405により判定された成績に基づき、調整パラメータαをαmaxからαminの間で変化させてもよい。すなわち、判定部405によりプレイヤPLが初心者であると判定された場合は、変化部406は、調整パラメータαを小さくしてもよい。また、判定部405によりプレイヤPLが上級者であると判定された場合は、変化部406は、調整パラメータαを大きくしてもよい。
【0143】
変化部406は、CPU 101により実現される。
【0144】
図8に、ゲーム装置400にて実行される処理のフローチャートを示す。以下、本図を参照して説明する。
【0145】
プレイヤPLによるゲーム開始の指示により、ゲームプログラムが読み込まれる。CPU 101は、調整パラメータαの値を、外部メモリ106から記憶部401にロードする(ステップS801)。また、CPU 101は、プレイヤPLのこれまでのスコア、プレイ回数等を、外部メモリ106から記憶部401にロードする。
【0146】
そして、CPU 101は、画像処理部109と協働して、キャラクタオブジェクトCO、目標オブジェクトTO等を画面に表示する(ステップS802)。
【0147】
次いで、検知部402は、定期的なタイミング(典型的には、垂直同期割込)において、プレイヤPLの頭部501の位置を検知する(ステップS803)。
【0148】
取得部403は、定期的なタイミングにおいて検知された位置に基づき、プレイヤPLの頭部501の移動距離及び移動方向を取得する(ステップS804)。
【0149】
移動部404は、プレイヤPLの頭部の移動距離ならびに調整パラメータαに基づいて、キャラクタオブジェクトCOの頭部の移動距離ΔDvi(t)を決定する(ステップS805)。本実施形態においては、プレイヤPLの頭部の移動距離ΔDre(t)に、調整パラメータαを乗ずることにより、キャラクタオブジェクトCOの頭部の移動距離ΔDvi(t)を決定する。なお、本実施形態では、両者の移動方向は、平行である。
【0150】
移動部404は、キャラクタオブジェクトCO、及び、目標オブジェクトTOを移動させる(ステップ806)。本実施形態においては、上述のように、目標オブジェクトTOはボールである。
【0151】
CPU 101は、キャラクタオブジェクトCOの頭部と目標オブジェクトTOの当たり判定を行う(ステップS807)。なお、キャラクタオブジェクトCOの頭部と、目標オブジェクトTOが重なる部分がある場合、CPU 101は、当たりと判定する。
【0152】
CPU 101は、キャラクタオブジェクトCOの頭部と、目標オブジェクトTOが重なる部分があると判定した場合(ステップS807;Yes)プレイヤPLのスコアを増加させる(ステップS808)。そして、CPU 101は、ステップS809に進む。
【0153】
一方、CPU 101は、キャラクタオブジェクトCOの頭部と、目標オブジェクトTOが重なる部分が存在しないと判定した場合(ステップS807;No)、ステップS809に進む。
【0154】
CPU 101は、1ゲームが終了したか否かを判定する(ステップS809)。CPU 101が、1ゲームは終了したと判定した場合(ステップS809;Yes)、変化部406は、記憶部401に記憶されているプレイ回数を、1増加させる(ステップS810)。
【0155】
次いで、変化部406は、調整パラメータαの変更処理を行い(ステップS811)、調整パラメータαを外部メモリにセーブする(ステップS812)。そして、CPU 101は、処理を終了する。
【0156】
一方、CPU 101は、1ゲームが終了していないと判定した場合(ステップS809;No)、ステップ802に戻る。
【0157】
以下では、調整パラメータαの変更処理(ステップS811)の詳細について、例をあげて説明する。
【0158】
第1の手法は、判定部405を省略した場合の態様である。図9Aは、判定部405を省略した場合の調整パラメータαの変更処理(ステップS811)の詳細を示す。
【0159】
まず、CPU 101は、プレイ回数を取得する(ステップS901)。
【0160】
次いで、CPU 101は、図7に示したプレイ回数と調整パラメータαの関係、及び、取得されたプレイ回数に基づき、調整パラメータαを決定し(ステップS902)、調整パラメータαの変更処理を終了する。
【0161】
第2の手法は、判定部405の判定結果に基づく態様である。図9Bに、判定部405の判定結果に基づき、調整パラメータαを決定する場合の、調整パラメータαの変更処理(ステップS811)の詳細を示す。
【0162】
判定部405として機能するCPU 101は、プレイヤのプレイ回数、スコアの平均値等、プレイヤの履歴に基づいて、総合的にプレイヤのレベルを判定する(ステップS903)。
【0163】
そして、調整パラメータαを、判定されたレベルに対応付けられる値に設定して(ステップS904)、本処理を終了する。
【0164】
上記の例では、プレイヤのレベルとして、当該プレイヤの平均スコアSp(もしくは、全プレイヤの平均スコアSallに対する当該平均スコアSpの比。)を採用し調整パラメータαとしてSp/Sallを採用している。
【0165】
このほか、プレイヤの経験度を、初心者、普通、上級者の3段階(もしくは、より一層多い段階。)に分ける、という手法もある。
【0166】
たとえば、プレイ回数順にプレイヤを3つ(もしくは、より多い数)のグループに分ける。このうち、プレイ回数が少ないグループは初心者、このうち、プレイ回数が中庸のグループは普通、このうち、プレイ回数が多いグループは上級者とする手法である。
【0167】
そして、初心者であればα=0.8、普通であればα=1.0、上級者であればα=1.2などのように、調整パラメータαを設定する。
【0168】
このように、プレイヤを、プレイの履歴に基づく何らかの数値の多寡によってあらかじめ定めた複数のグループに分類し、当該グループにあらかじめ割り当てられた数値を調整パラメータαとすることで、調整パラメータαを多段階かつ所定の範囲内で調整することができるようになる。
【0169】
本実施形態によれば、初心者か上級者かによって、プレイヤの動作がキャラクタの動作に反映させる程度を調整することができるので、ゲームの難易度を簡易に調整することができる。
【0170】
(実施形態2)
上述の実施形態においては、プレイヤは1人であった。しかしながら、本実施形態においては、複数のプレイヤが対戦可能である。各プレイヤは、ゴールキーパーとして、ボールがゴールに入るのを阻止し、阻止できたキックの本数を競う。以下、複数のプレイヤがゲームをプレイする実施形態について、説明する。
【0171】
実施形態1と同様に、プレイヤはいわゆるヘディングのみ行うものとする。また、当該ゲームは、2人以上のプレイヤによる対戦ゲームとする。以下、理解を容易にするため、プレイヤが2人である場合について説明する。
【0172】
図10に、実施形態2におけるゲーム画面の一例を示す。ゲーム画面上には、2つのキャラクタオブジェクトCO1,CO2と、2つの目標オブジェクトTO1,TO2が表示されている。2人のプレイヤの一方(以下、プレイヤ1という。)にキャラクタオブジェクトCO1、目標オブジェクトTO1が、他方(以下、プレイヤ2という。)にキャラクタオブジェクトCO2、目標オブジェクトTO2が割り当てられる。なお、2人のプレイヤは、1キック毎に交互にプレイするものとする。待機中のプレイヤ2に割り当てられたキャラクタオブジェクトCO2及び目標オブジェクトTO2は、グレイアウトされている。
【0173】
以下、プレイヤ1がプレイする場合について詳述する。
【0174】
上述の実施形態と同様に、ボールである目標オブジェクトTO1は、画面の下方に向かって移動する。プレイヤ1は、目標オブジェクトTO1の方向に頭部を移動させる。キャラクタオブジェクトCO1の頭部は、現実空間におけるプレイヤ1の頭部の移動に伴い、同じ方向に移動する。キャラクタオブジェクトCO1の頭部の移動距離の補正については、後述する。
【0175】
プレイヤ2についても、同様である。
【0176】
本実施形態に係るゲーム装置1100は、上記情報処理装置100において実現される。
【0177】
図11は、本実施形態のゲーム装置1100の機能的な構成を示す図である。ゲーム装置1100は、記憶部1101、検知部1102、取得部1103、移動部1104、判定部1105、変化部1106、対戦部1107を備える。
【0178】
本実施形態に係るゲーム装置1100は、対戦部1107をさらに備え、実施形態1のゲーム装置400とほぼ同様の処理を行うが、以下の点が異なる。
【0179】
記憶部1101は、プレイヤ1とプレイヤ2のそれぞれのスコアを記憶する。
【0180】
検知部1102は、プレイヤ1とプレイヤ2の顔を認識する。
【0181】
取得部1103は、プレイヤ1とプレイヤ2を、検知部1102の顔認識に基づき識別する。
【0182】
移動部1104は、実施形態1と同様の機能を有する。
【0183】
判定部1105は、プレイヤ1とプレイヤ2のスコアを比較し、勝っているプレイヤと負けているプレイヤを判別する。
【0184】
変化部1106は、記憶部1101に記憶されるスコアに基づいて、それぞれのプレイヤの調整パラメータを所定の範囲内で変化させる。
【0185】
対戦部1107は、複数のプレイヤを繰り返し対戦させる。
【0186】
記憶部1101は、プレイヤ1の調整パラメータα1、プレイヤ2の調整パラメータα2、プレイヤ1及びプレイヤ2のスコア、プレイ中のプレイヤの目標オブジェクト及びキャラクタオブジェクトの位置等を記憶する。
【0187】
記憶部1101は、RAM 103、外部メモリ106等により実現される。
【0188】
検知部1102は、上述のように、プレイヤ1とプレイヤ2の顔認識を行う。さらに、検知部1102は、検知部402と同様に、定期的なタイミングにおいて、現実空間におけるプレイヤの頭部の位置を検知する。
【0189】
検知部1102は、CPU 101と、入力装置107が協働することにより実現される。
【0190】
取得部1103は、上述のように、プレイヤ1とプレイヤ2を、検知部1102の顔認識に基づき識別する。また、取得部1103は、プレイ中のプレイヤの頭部の移動方向及び移動距離を取得する。
【0191】
取得部1103は、CPU 101により実現される。
【0192】
判定部1105は、プレイヤ1とプレイヤ2のいずれのスコアが高いか判別する。なお、同様の処理を、変化部1106が行ってもよい。
【0193】
判定部1105は、CPU 101により実現される。
【0194】
変化部1106は、判定部1105の判定の結果、もしくは、自ら行った判定の結果に基づき、1セットが終了した時点で、プレイヤ1の調整パラメータα1及びプレイヤ2の調整パラメータα2を変化させる。
【0195】
例えば、プレイヤ1がプレイヤ2に勝っている場合、調整パラメータα1を、調整パラメータα2より小さくする。
【0196】
また、プレイヤ1がプレイヤ2に負けている場合、調整パラメータα1を調整パラメータα2より大きくする。
【0197】
プレイヤ1とプレイヤ2のスコアが等しい場合、調整パラメータα1と調整パラメータα2を等しい値にする。
【0198】
なお、2人のプレイヤの頭部の移動距離が等しい場合に、勝っているプレイヤに対応するキャラクタオブジェクトの頭部の移動距離が、負けているプレイヤに対応するキャラクタオブジェクトの頭部の移動距離と比べ、相対的に小さくなる限り、1セット終了時における調整パラメータα1及び調整パラメータα2の調整の態様は任意である。
【0199】
このような調整を行うことで、勝っているプレイヤには負けているプレイヤよりも動作を大きくすることが求められるようになる。
【0200】
たとえば、プレイヤの一方が上級者であり、他方が初心者である場合、従来であれば、上級者はゲームに慣れているから、動作は小さくなるのが一般的である。一方、初心者はゲームに慣れていないから、無駄な動きが多く、動作は大きい。
【0201】
ところが、本実施形態では、上級者であればあるほど、体の動きを大きくしなければならない。このため、初心者も上級者も、体を大きく、激しく動かすことになる。
【0202】
このため、プレイヤに実力の差があっても、プレイヤはいずれも体を大きく動かすので、白熱した試合展開とすることができる。
【0203】
本実施形態では、変化部1106は、CPU 101により実現される。
【0204】
対戦部1107は、プレイヤ1とプレイヤ2を対戦させる。本実施形態では、1キックが終了するごとに、対戦部1107は、両方のプレイヤがプレイ済みであるか、判別する。
【0205】
本実施形態では、対戦部1107は、CPU 101により実現される。以下では、二人のプレイヤPL1、PL2の現実世界における動作の様子と、各々に対応するキャラクタオブジェクトCO1、CO2のゲーム世界における動作の様子について説明する。
【0206】
また、上記のように、プレイヤPL1、PL2の動作は、定期的に取得される。本実施形態では、垂直同期割込の1周期ごとに取得されている。
【0207】
図12Aは、二人のプレイヤPL1、PL2の現実世界における動作の様子を示す説明図である。
【0208】
本図に示すように、現実空間において、プレイヤPL1の頭部は、変位ベクトルの大きさΔDre1だけ移動している。
【0209】
一方、プレイヤPL2の頭部は、変位ベクトルの大きさΔDre2だけ移動している。
【0210】
本図に示す例では、プレイヤPL1の頭部の変位ベクトルの大きさΔDre1と、プレイヤPL2の頭部の変位ベクトルの大きさΔDre2は等しくなっている。
【0211】
ここで、ゲームの途中の成績判定の結果、プレイヤPL1が負けており、プレイヤPL2が勝っている例を考える。すると、変化部1106は、プレイヤPL1の調整パラメータα1を、プレイヤPL2の調整パラメータα2よりも大きくする。
【0212】
図12Bは、二人のプレイヤPL1、PL2に対応するキャラクタオブジェクトCO1、CO2のゲーム世界における動作の様子を示す説明図である。
【0213】
本図に示すように、ゲーム世界において、キャラクタオブジェクトCO1の頭部は、変位ベクトルの大きさΔDvi1だけ移動している。
【0214】
一方、キャラクタオブジェクトCO2の頭部は、変位ベクトルの大きさΔDvi2だけ移動している。
【0215】
ここで、本実施形態では、取得部1103は、実施形態1と同様に、仮想空間におけるキャラクタオブジェクトの頭部の変位ベクトルを、現実空間におけるプレイヤの頭部の変位ベクトルに調整パラメータを乗じることにより取得している。
【0216】
図12Aに示すように、プレイヤPL1の頭部の変位ベクトルの大きさΔDre1と、プレイヤPL2の頭部の変位ベクトルの大きさΔDre2と、は、等しい。また、変換部1106により、プレイヤPL1の調整パラメータα1は、プレイヤPL2の調整パラメータα2よりも大きく設定されている。
【0217】
このため、図12Bに示すように、移動部1104がキャラクタオブジェクトCO1の頭部を移動させる距離ΔDvi1は、キャラクタオブジェクトCO2の頭部を移動させる距離ΔDvi2よりも大きくなる。
【0218】
以下では、ゲーム装置1100の上記各部が実行する処理について、図13に示すフローチャートを用いて説明する。
【0219】
まず、CPU 101は、プレイヤPL1の調整パラメータα1及びプレイヤPL2の調整パラメータα2を、外部メモリ106からRAM 103にロードする(ステップS1301)。
【0220】
検知部1102による顔認識に基づき、取得部1103は、プレイするプレイヤがプレイヤPL1又はプレイヤPL2のいずれであるかを取得する(ステップS1302)。
【0221】
ステップS1303〜ステップS1310は、実施形態1の図8におけるステップS802〜ステップS809と同じ処理であるため、説明を省略する。
【0222】
対戦部1107は、1セットが終了したか判別する(ステップS1311)1セットが終了した場合(ステップS1311;Yes)、変化部1106は、プレイヤ1の調整パラメータα1及びプレイヤ2の調整パラメータα2を変更する(ステップS1312)。次いで、変化部1106は、各プレイヤの調整パラメータを外部メモリ106にセーブする(ステップS1313)。そして、CPU 101は、ゲームを終了するか否かを判別する(ステップS1314)。
【0223】
プレイヤ1の調整パラメータα1及びプレイヤ2の調整パラメータα2を変更する処理の詳細を図14に示す。まず、CPU 101は、プレイヤを1人選択する(ステップS1401)。
【0224】
次いで、CPU 101は、選択されたプレイヤの勝敗を取得し(ステップS1402)、プレイヤが勝っているか否かを判別する(ステップS1403)。
【0225】
選択されたプレイヤが勝っている場合(ステップS1403;Yes)、CPU 101は、選択されたプレイヤの調整パラメータを減少させ(ステップS1404)、ステップS1406に進む。一方、選択されたプレイヤが負けている場合(ステップS1403;No)、CPU 101は、選択されたプレイヤの調整パラメータを増大させ(ステップS1405)、ステップS1406に進む。
【0226】
ステップS1406において、CPU 101は、すべてのプレイヤを選択済みであるか否かを判別する。すべてのプレイヤを選択済みである場合(ステップS1406;Yes)、CPU 101は、調整パラメータα1及び調整パラメータα2を変更する処理を終了する。一方、選択されていないプレイヤが残っている場合(ステップS1406;No)、CPU 101は、ステップS1401に戻る。
【0227】
図13に戻って、CPU 101は、ゲームを終了しないと判別した場合(ステップS1314;No)、ステップS1301に戻る。一方、ゲームを終了すると判別した場合(ステップS1314;YES)、CPU 101は、ゲームを終了する。
【0228】
1セットが終了していない場合(ステップS1311;No)、CPU 101は、ステップS1302に戻る。
【0229】
本実施形態によれば、現在プレイ中のゲームの成績に応じて、リードしているプレイヤの動作がゲーム内のキャラクタの動作に反映される程度を、リードされているプレイヤの動作がゲーム内のキャラクタの動作に反映される程度よりも小さくすることで、リードしているプレイヤにハンデを負わせることにより、進行中のゲームの各プレイヤにおける難易度を調整して、対戦を均衡させ、ゲームを白熱させることができるようになる。
【0230】
なお、2人以上のプレイヤが、交互にプレイするのではなく、画面に人数分のキャラクタオブジェクト及び目標オブジェクトを表示し、同時にプレイする態様を採用してもよい。
【0231】
また、複数のプレイヤは、キッカーとゴールキーパーに分かれてもよい。この場合、検知されたキッカーの脚部の動作に基づき、ボールである目標オブジェクトの移動経路が決定される。
【0232】
(変形例)
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、種々の変形が可能である。
【0233】
例えば、第1〜2の実施形態では、調整パラメータαは、プレイ回数が第1の閾値に達するまで、直線的に減少を続け、一定値で推移した後、プレイ回数が第2の閾値に達すると、直線的減少を再開し、αminに達すると、減少を停止する。しかしながら、調整パラメータαの変化の態様は、これに限られない。
【0234】
図15Aにおいては、調整パラメータαとプレイ回数は負の比例関係にある。プレイ回数が増加するほど、調整パラメータαは減少していく。つまり、プレイの経験度が大きいほど、仮想空間におけるキャラクタオブジェクトCOの変位ベクトルの大きさΔDvi(t)は小さくなる。
【0235】
図15Bにおいては、調整パラメータαは、プレイ回数が第1の閾値に達するまで、2次曲線的に減少を続ける。さらに、調整パラメータαは、一定値で推移した後、プレイ回数が第2の閾値に達すると、2次曲線的な減少を開始する。調整パラメータαは、αminに達すると、減少を停止する。
【0236】
図15Cにおいては、調整パラメータαは、プレイ回数に対し、離散的に変化する。調整パラメータαは、プレイ回数が第1の閾値に達するまで、減少を続ける。さらに、調整パラメータαは、一定値で推移した後、プレイ回数が第2の閾値に達すると、減少を開始する。調整パラメータαは、αminに達すると、減少を停止する。
【0237】
なお、本発明における調整パラメータαの変化の態様は、図15A乃至図15Cに示した例に限定されず、任意である。
【0238】
また、実施形態2に示した調整パラメータαを変更する処理は、プレイヤの人数が3人以上である場合、図16のフローチャートに示した態様であってもよい。以下、図16を参照して説明する。
【0239】
まず、CPU 101は、前セットの成績パラメータの平均値を取得する(ステップS1601)。
【0240】
次いで、CPU 101は、プレイヤを1人選択し(ステップS1602)、選択されたプレイヤの成績パラメータと平均値との大小関係を判別する(ステップS1603)。
【0241】
選択されたプレイヤの成績パラメータが平均値より大きい場合(ステップS1603;>平均値)、CPU 101は、選択されたプレイヤの調整パラメータαを減少させ(ステップS1604)、ステップS1606に進む。
【0242】
一方、選択されたプレイヤの成績パラメータが平均値より小さい場合(ステップS1603;<平均値)、CPU 101は、選択されたプレイヤの調整パラメータαを増大させ(ステップS1605)、ステップS1606に進む。
【0243】
そして、選択されたプレイヤの成績パラメータが平均値と等しい場合(ステップS1603;=平均値)、CPU 101は、プレイヤの調整パラメータαを変化させることなく、ステップS1606に進む。
【0244】
なお、一般には、ステップS1603では、成績パラメータと平均値との差が所定の誤差範囲であれば、両者は等しいと判定する。
【0245】
ステップS1606において、CPU 101は、すべてのプレイヤを選択済みであるか否か判別する。すべてのプレイヤを選択済みの場合(ステップS1606;Yes)、CPU 101は、各プレイヤの調整パラメータαを変更する処理を終了する。一方、選択されていないプレイヤが残っている場合(ステップS1606;No)、CPU 101は、ステップS1602に戻る。
【0246】
本発明は、上述した実施形態や変形例に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。また、上述した実施形態の各構成要素を自由に組み合わせることも可能である。
【0247】
上記のゲーム装置400,1100の全部又は一部としてコンピュータを動作させるためのプログラムを、メモリカード、CD−ROM、DVD、MO(Magnet Optical disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
【0248】
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0249】
以上説明したように、本発明によれば、プレイヤのゲーム履歴に基づき、プレイヤが体を動かす量を調整することが可能なゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0250】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 ハードディスク
105 インターフェース
106 外部メモリ
107 入力装置
108 DVD−ROMドライブ
109 画像処理部
110 音声処理部
111 NIC
250 モニター
400 ゲーム装置
401 記憶部
402 検知部
403 取得部
404 移動部
405 判定部
406 変化部
501 プレイヤの頭部
1100 ゲーム装置
1101 記憶部
1102 検知部
1103 取得部
1104 移動部
1105 判定部
1106 変化部
1107 対戦部
TO 目標オブジェクト
TO1 目標オブジェクト
TO2 目標オブジェクト
CO キャラクタオブジェクト
CO1 キャラクタオブジェクト
CO2 キャラクタオブジェクト
PL プレイヤ
PL1 プレイヤ1
PL2 プレイヤ2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間内に配置されるオブジェクトを移動させるゲームを提供するゲーム装置であって、
調整パラメータならびに前記オブジェクトの位置が記憶される記憶部、
現実空間におけるプレイヤの所定の部位の位置を検知する検知部、
前記検知された位置から、前記所定の部位の移動方向及び移動距離を取得する取得部、
前記取得された移動距離、前記記憶されている調整パラメータ及び前記記憶されているオブジェクトの位置に基づき、前記移動方向に、前記オブジェクトを移動させる移動部、
前記記憶されている調整パラメータを、前記プレイヤの履歴に応じて変化させる変化部、
を備えることを特徴とする、ゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記移動部は、前記調整パラメータを、前記移動距離に乗じることにより、前記オブジェクトの仮想空間内における移動距離を決定する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲーム装置であって、
前記履歴に基づき、前記プレイヤの成績を判定する判定部をさらに備え、
前記変化部は、前記判定された成績に基づき、前記調整パラメータを変化させる、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のゲーム装置であって、
前記記憶部は、複数のプレイヤのそれぞれの成績パラメータを記憶し、
前記変化部は、前記記憶部に記憶される前記成績パラメータに基づいて、それぞれのプレイヤの前記調整パラメータを変化させる、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
記憶部、検知部、取得部、移動部、変化部を有し、仮想空間内に配置されるオブジェクトを移動させるゲームを提供するゲーム装置が実行する制御方法であって、
前記記憶部には、調整パラメータならびに前記オブジェクトの位置が記憶され、
前記検知部が、現実空間におけるプレイヤの所定の部位の位置を検知する検知工程、
前記取得部が、前記検知された位置から、前記所定の部位の移動方向及び移動距離を取得する取得工程、
前記移動部が、前記取得された移動距離、前記記憶されている調整パラメータ及び前記記憶されているオブジェクトの位置に基づき、前記移動方向に、前記オブジェクトを移動させる移動工程、
前記変化部が、前記記憶されている調整パラメータを、前記プレイヤの履歴に応じて変化させる変化工程、
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項6】
コンピュータに、仮想空間内に配置されるオブジェクトを移動させるゲームを提供させるためのプログラムであって、
調整パラメータならびに前記オブジェクトの位置が記憶される記憶部、
現実空間におけるプレイヤの所定の部位の位置を検知する検知部、
前記検知された位置から、前記所定の部位の移動方向及び移動距離を取得する取得部、
前記取得された移動距離、前記記憶されている調整パラメータ及び前記記憶されているオブジェクトの位置に基づき、前記移動方向に、前記オブジェクトを移動させる移動部、
前記記憶されている調整パラメータを、前記プレイヤの履歴に応じて変化させる変化部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−39231(P2013−39231A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178061(P2011−178061)
【出願日】平成23年8月16日(2011.8.16)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】