説明

ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びプログラム

【課題】
プレイヤの技量に応じて、細かに難易度を調整し、プレイヤを十分に楽しませることができるゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、これらをコンピュータにて実現するプログラムを提供すること。
【解決手段】
識別部204は、指示部201によって行われた指示に対するプレイヤの操作を検出部202によって検出し、前記プレイヤの操作が指示に対応しない、もしくは、否定的な評価を獲得する場合、前記プレイヤの操作を苦手操作パターンと識別する。変更部205は、識別部204によって、苦手操作パターンと識別された操作を削除もしくは変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤが楽曲に合わせてゲーム操作を行うゲームが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、音楽に合わせて表示される楽譜に従ってプレイヤが入力操作を行う音楽シミュレーションゲームが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4219525号公報
【0005】
特許文献1に開示された音楽シミュレーションゲームの場合、プレイヤはゲームで使用される音楽のリズムに合わせて○や△、□などの記号(以下「音符」という)が配置された譜面に従って、各音符が所定の基準ラインと重なるタイミングでボタンを押す。そして、前記ボタン押下操作の結果に応じてプレイヤの操作にかかる巧拙(プレイヤの技量)が判定される。 前記巧拙判定の結果、プレイヤの操作がレベルアップ条件を満たした場合、プレイ中の譜面が難易度の高い音符配置が為された譜面に変更され、プレイヤの操作がレベルダウン条件を満たした場合、同様に、プレイ中の譜面が難易度の低い音符配置が為された譜面に変更される。このように、特許文献1では、譜面を変更することで難易度の調整を行っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された音楽シミュレーションゲームにおいて、難易度調整のために行われている処理は、プレイヤの操作に応じて既存のデータとして予め準備されている譜面を変更することのみであるため、プレイヤの技量に応じた細かな難易度調整ができず、そのうえ、前記譜面の変更のみをもって、真にプレイヤの技量に応じたゲームを提供できているかが不明瞭である、という課題があった。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、プレイヤの技量に応じて、細かに難易度を調整し、プレイヤを十分に楽しませることができるゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、これらをコンピュータにて実現するプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の目的を達成するために、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0009】
本発明に係るゲーム装置は、
所定の操作をプレイヤに行わせるゲームを提供し、検出手段、履歴記憶手段、識別手段、変更手段を含み、以下のように構成する。
【0010】
ここで、前記ゲーム装置は、ゲームを提供するために必要となる前記ゲームに関連する情報を記憶する汎用的な記憶手段、前記ゲームに関連する情報に基づきゲームを進行させる処理手段を備える構成としてもよい。
【0011】
さて、検出手段は、プレイヤによって行われた操作を検出する。ここでいう検出は、コントローラ等の入力手段への入力信号を検出してもよいし、カメラで撮影したプレイヤの動作、表情、音声などを読み取ってもよい。
【0012】
履歴記憶手段は、検出手段によって検出されたプレイヤの操作の履歴を記憶する。履歴記憶手段は、汎用的な記憶手段の一部として構成してもよい。
【0013】
識別手段は、前記履歴記憶手段を参照し、1つもしくは複数の操作の組み合わせである操作パターンのうち、前記ゲームにおいて第1の評価となる操作が含まれる第1操作パターンを識別する。第1操作パターンは、1つの操作履歴を第1操作パターンとしてもよいし、複数の操作履歴をそれぞれ関連づけて第1操作パターンとしてもよい。なお、識別された第1操作パターンについては、前記識別に関するフラグを付けて汎用的な記憶手段に記憶するような構成としてもよい。
なお、ここでいう第1の評価とは、例えば、前記検出手段によって検出されたプレイヤの操作に対して行われる評価において、絶対的にマイナスとなる評価点、もしくは他の操作と比較して相対的にマイナスとなる評価点を言い、つまり、第1の評価となる操作が含まれる第1操作パターンとは、プレイヤが苦手としている操作を含む操作パターンをいう。
【0014】
変更手段は、前記識別手段の識別結果に基づき、前記第1操作パターンに属する操作パターンを他の操作パターンに変更する。
なお、第1操作パターンに属する操作パターンを他の操作パターンに変更するとは、例えば、第1操作パターンに属する操作パターンを他の何らかの操作パターンに入れ替えることに限られず、例えば、第1操作パターンに属する操作パターンを削除する、ことも含まれる。ここで削除される第1操作パターンは1つでもよいし複数でもよい。
【0015】
本発明によれば、
例えば、プレイヤが苦手とする操作を検出し、前記苦手な操作のみを変更することで、譜面という予め準備された既存のデータごとでしか難易度の調整を図ることができない先行技術文献と比較して、フレキシブルで真にプレイヤの技量に応じた難易度調整が可能であり、かつ、プレイヤが苦手とする操作を行うことに対してのストレスの軽減、ひいては興趣性の向上を促すことが可能である。特に先行技術文献のようにプレイヤーの入力操作のタイミングに応じて得点を計数するような音楽ゲームにおいては、プレイヤが苦手としている操作パターンである部分のみを削除もしくは変更することにより、楽譜のデータを変更することなく、ピンポイントで難易度の調整が可能となる。なお、本発明は、音楽ゲーム以外にも、野球ゲームやサッカーゲームなどのスポーツゲーム、対戦格闘ゲーム、パズルゲームなどにも適用可能である。
【0016】
また、本発明のゲーム装置において、
前記プレイヤに対して所定の操作を行うよう操作指示を行う指示手段を有し、
前記識別手段が、前記指示手段による所定の操作指示に対して行われる前記プレイヤの操作が、前記操作指示と異なる操作である場合、前記操作に対する評価を前記第1の評価とし、かつ、前記操作を第1操作パターンと識別するように構成することができる。ここでいう操作指示とは、矢印や記号であらわされる指示オブジェクトでもよいし、暗に特定の操作を示唆するような演出でもよい。
また、異なる操作とは、指示と異なる操作全てを指してもよいし、指示と大きく異なる操作のみを対象としてもよい。
ここで、指示と異なる操作がプレイヤによって行われた場合、プレイヤの意図している操作が行えていない、と判断することができ、その結果、指示と異なる操作がプレイヤによって行われる操作を、プレイヤが苦手としている操作とみなすことができる。
なお、指示手段を有するゲームの一例として、音楽ゲーム、野球ゲームやサッカーゲームなどのスポーツゲーム等が挙げられる。
【0017】
本発明によれば、
プレイヤの苦手な操作が具体的にどういった操作であるかを明確に判別することが可能である。
【0018】
また、本発明のゲーム装置において、
識別手段が、前記ゲームにおいて第2の評価となる操作が含まれる第2操作パターンを識別し、
変更手段が、前記第1操作パターンの変更の一つの形態として、前記第1操作パターンの代わりに、前記第2操作パターンに属する操作パターンを追加するように構成することができる。ここで追加される第2操作パターンは1つでもよいし複数でもよい。また、ここで追加される第2操作パターンは、第1操作パターンが削除もしくは変更された分と関係なく追加されてもよいし、第1操作パターンと入れ替わるように追加されてもよい。
なお、ここでいう第2の評価とは、前記検出手段によって検出されたプレイヤの操作に対して行われる評価において、絶対的にプラスとなる評価点、もしくは、他の操作と比較して、相対的にプラスとなる評価点を言い、つまり、第2の評価となる操作が含まれる第2操作パターンとは、プレイヤが得意としている操作を含む操作パターンをいう。
【0019】
本発明によれば、
プレイヤの苦手な操作の機会を減らす、もしくはなくすことで減少した総操作機会数を、プレイヤの得意な操作の機会を増やすことで補うことができ、ゲームバランスの調整を図ることが可能である。
【0020】
また、本発明のゲーム装置において、
識別手段が、前記ゲームにおいて標準とされる評価となる操作が含まれる第3操作パターンを識別し、
変更手段が、前記第1操作パターンの変更の一つの形態として、前記第1操作パターンの代わりに、前記第3操作パターンに属する操作パターンを追加するように構成することができる。ここで追加される第3操作パターンは1つでもよいし複数でもよい。また、ここで追加される第3操作パターンは、第1操作パターンが削除もしくは変更された分と関係なく追加されてもよいし、第1操作パターンと入れ替わるように追加されてもよい。
なお、ここでいう第3の評価となる操作が含まれる第3操作パターンとは、プレイヤが苦手とする第1操作パターン、プレイヤが得意とする第2操作パターンのいずれにも属さない操作パターン、もしくは、前記検出手段によって検出されたプレイヤの操作に対して行われる評価において、評価点がマイナスともプラスともならない操作パターンを指してもよいし、マイナスもしくはプラスであっても、その振れ幅が軽微である操作パターンを指してもよい。
【0021】
本発明によれば、
プレイヤの苦手な操作の機会を減らす、もしくはなくすことで減少した総操作機会数を補うとともに、プレイヤに操作パターンの練習を行わせ、プレイヤの技量の向上を促すことが可能である。
【0022】
また、本発明のゲーム装置において、
変更手段が、前記ゲームの状況が、所定の状態となった場合に、前記操作パターンの変更を行うように構成することができる。ここでいう所定の状態とは、第1操作パターンに属する操作が一定回数為された場合、もしくは、前記検出手段によって検出されたプレイヤの操作に対して行われる評価を数値化した場合の一定のボーダーライン、つまりしきい値を超えた場合を言う。
例えば、先行技術文献に記載される、体力ゲージを持ち、プレイヤーの入力操作のタイミングに応じて得点を計数し、マイナスとなる評価点を獲得し続けた場合、前記体力ゲージが減少していき、前記体力ゲージが0の状態となると、ゲームが強制終了するような構成の音楽ゲームの場合は、ある程度前記体力ゲージが0に近い状態となった時点が所定の状態となった時点となる。
【0023】
本発明によれば、
プレイヤに負担がかかっていると類推される状態において、プレイヤの負担を軽減させることが可能である。加えて、例えば、先行技術文献のように、体力ゲージが0の状態となると、ゲームが強制終了するような構成のゲームにおいて、本発明を適用すると、ゲームが強制終了することによって、プレイヤが十分にゲームを楽しめないという状況を、プレイヤの興趣性を減少させることなく、効果的に回避させることが可能である。
【0024】
また、本発明のゲーム装置において実現されるゲームは、
所定の操作のうちいずれを行うべきかを指示する指示オブジェクトと、前記指示オブジェクトと対応づけられた楽曲のタイミングとに合わせて操作を行うゲームであり、
識別手段が、前記指示オブジェクトの指示と略同じ操作がなされたか否かによって、前記操作パターンの識別を行うように構成することができる。
【0025】
ここで、指示オブジェクトとは、所定の操作のうちいずれを行うべきかをプレイヤに案内するためにゲーム画面等に表示されるオブジェクトを指し、その態様は対応する入力手段を模したものでもよいし、矢印等のマークでもよい。前記指示オブジェクトは、楽曲の演奏と対応づけられており、楽曲のテンポに合わせて所定のタイミングで表示される。
【0026】
また、略同じ操作とは、指示オブジェクトにより指示される操作と同一の操作もしくは入力タイミングに微少な誤差を生じてはいるが、入力手段の種類などその他の要素については、同一となる操作であり、前記操作により生じる結果が、指示オブジェクトにより指示される操作によって生じる結果とほぼ同一になる操作のことを言う。
【0027】
本発明によれば、
プレイヤが苦手とする操作パターンに属するオブジェクト群が変更されることにより、楽曲の演奏および指示オブジェクトの表示タイミングに合わせて操作を行わなければならないという、難しい操作が要求される状況においても、プレイヤにかかる負担を軽減することが可能である。
加えて、プレイヤの操作に応じてオブジェクト群の変更を行うことにより、難易度の調整が可能となるため、他の指示オブジェクト群にかかるデータ等を予め記憶しておく必要がないため、従来技術と比較して、データ容量の削減が可能である。
【0028】
また、本発明に係るゲーム制御方法は、所定の操作をプレイヤに行わせるゲームを実行するゲーム装置の制御方法であって、前記プレイヤによって行われた操作を検出する検出ステップと、前記プレイヤによって行われた操作の履歴を履歴記憶手段に記憶させるステップと、前記履歴記憶手段を参照し、1つもしくは複数の操作の組み合わせである操作パターンのうち、前記ゲームにおいて第1の評価となる操作が含まれる第1操作パターンを識別する識別ステップと、前記識別ステップの識別結果に基づき、前記第1操作パターンに属する操作パターンを他の操作パターンに変更する変更ステップとを含む。
【0029】
また、本発明に係るプログラムは、所定の操作をプレイヤに行わせるゲームを実行するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記プレイヤによって行われた操作を検出する検出手段、前記プレイヤによって行われた操作の履歴を記憶する履歴記憶手段、前記履歴記憶手段を参照し、1つもしくは複数の操作の組み合わせである操作パターンのうち、前記ゲームにおいて第1の評価となる操作が含まれる第1操作パターンを識別する識別手段、前記識別手段の識別結果に基づき、前記第1操作パターンに属する操作パターンを他の操作パターンに変更する変更手段としてコンピュータを機能させるプログラムである。
【0030】
また、本発明に係る上記プログラムは、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に記録されてもよい。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、プレイヤの技量に応じて、フレキシブルにゲームの難易度を調整し、かつ、快適なプレイ環境をプレイヤに提供するために好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、これらをコンピュータにて実行するためのプログラムを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】マット型コントローラ105Mの概要を示す図
【図3】本発明の実施形態を実現するCPU101内の各構成概要を示す図
【図4】本発明の実施形態にかかるゲーム画面を示す図
【図5】操作データの評価に関する模式図
【図6】苦手操作パターンを削除した際のゲーム画面を示す図
【図7】本発明の実施形態に係るゲーム装置にて行われる処理にかかるフローチャート図
【図8】操作データの評価にかかるフローチャート図
【図9】得意操作パターンを追加した際のゲーム画面を示す図
【図10】通常操作パターンを追加した際のゲーム画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素を均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0034】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0035】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェース104と、コントローラ105と、外部メモリ106と、画像処理部107と、DVD−ROMドライブ108と、NIC(Network Interface Card)109と、音声処理部110と、モニタ111とを備える。
【0036】
CPU101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやり取りする。また、CPU101は、レジスタ(図示せず)という高速アクセスが可能な記憶領域に対してALU(Arithmetic Logic Unit)(図示せず)を用いて加減乗除等の算術演算や、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算などを行うことができる。さらに、マルチメディア処理対応のための加減乗除等の飽和演算や、三角関数等、ベクトル演算などを高速に行えるように、CPU101自身が構成されているものや、コプロセッサを備えて実現するものがある。
【0037】
ROM102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記録されたプログラムRAM103に読み出してCPU101による実行が開始される。また、ROM102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0038】
RAM103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要なデータが保持される。また、CPU101は、RAM103に変数領域を設け、前記変数に格納された値に対して直接ALUを作用させて演算を行う。また、RAM103に格納された値を一旦レジスタに格納してからレジスタに対して演算を行い、演算結果をメモリに書き戻す、などの処理を行う。
【0039】
インターフェース104を介して接続されたコントローラ105は、プレイヤがゲーム実行の際に行う操作入力を受け付ける。例えば、コントローラ105には、上下左右を示す操作入力を行うのに利用される方向ボタンや、決定操作、取消操作、メニュー表示などの指示入力を行うためのボタンが、その表面の所定の位置に配置される。これら各ボタンには圧力センサが配備され、いずれのボタンが押圧操作されているかを検知することができる。プレイヤは、コントローラ105に配置されたこのような各ボタンを押圧操作することで、情報処理装置100への操作指示を入力する。なお、コントローラ105の代わりに、図2に示すようなマット型のコントローラ105Mを利用することも可能である。マット型コントローラ105Mは、上下左右を示すマークがその表面に印字されており、前記マーク部分を踏下することにより、マーク部分に配備された圧力センサが踏下による押圧操作を検知し、いずれのマークが押圧操作されているかを判定する。
【0040】
インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、ゲーム等のプレイ状況(過去の成績等)を示すデータ、ゲームの進行状態を示すデータ、ネットワーク対戦の場合のチャットの通信のログのデータなどが書き換え可能に記憶される。プレイヤは、コントローラ105を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記録することができる。
【0041】
DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記録される。CPU101の制御によって、DVD−ROMドライブ108は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM103等に一時的に記憶される。
【0042】
画像処理部107は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU101や画像処理部107が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部107が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部107に接続されるモニタ(図示せず)へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0043】
画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
【0044】
また、仮想3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを所定の視線の方向へ俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0045】
さらに、CPU101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画したりすることが可能である。フォント情報は、ROM102に記録されているが、DVD−ROMに記録された専用のフォント情報を利用することも可能である。
【0046】
NIC109は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Service Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネット接続するためのケーブルモデム等と、これらCPU101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0047】
音声処理部110は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカ(図示せず)から出力される。また、CPU101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカから出力させる。
【0048】
音声処理部110では、DVD−ROMに記録された音声データがMIDIデータである場合には、これが有する音源データを参照して、MIDIデータをPCMデータに変換する。また、ADPCM形式やOgg Vorbis形式等の圧縮済音声データである場合には、これを展開してPCMデータに変換する。PCMデータは、そのサンプリング周波数に応じたタイミングでD/A(Digital/Analog)変換を行って、スピーカに出力することにより、音声出力が可能となる。
【0049】
モニタ111は、画像処理部107に接続され、CPU101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、画像情報を表示する。モニタ111は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(Organic Electro−Luminescence Display)等により構成され、一般的な置き型ディスプレイの形式又は装着型のHMDの形式で用いられる。
【0050】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM102、RAM103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0051】
また、プレイヤからの文字列の編集入力を受け付けるためのキーボードや、各種の位置の指定および選択入力を受け付けるためのマウスなどを接続する形態も採用することができる。また、本実施形態の情報処理装置100にかえて、汎用のパーソナルコンピュータを利用することもできる。
【0052】
以上で説明した情報処理装置100は、いわゆる「コンシューマ向けテレビゲーム装置」に相当するものであるが、仮想空間を表示するような画像処理を行うものであれば本発明を実現することができる。したがって、携帯電話、携帯ゲーム機器、カラオケ装置、一般的なビジネス用コンピュータなど、種々の計算機上で本発明を実現することが可能である。
【0053】
例えば、一般的なコンピュータは、上記情報処理装置100と同様に、CPU、RAM、ROM、DVD−ROMドライブ、及び、NICを備え、情報処理装置100よりも簡易な機能を備えた画像処理部を備え、外部記憶装置としてハードディスクを有する他、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等を利用できるようになっている。また、コントローラ105ではなく、キーボードやマウスなどを入力装置として利用する。
【0054】
図3は、本発明のゲーム装置に係る概要構成を示す模式図である。本発明のゲーム装置200は、典型的には上述した情報処理装置100によって実現され、DVD−ROMドライブ108にフレキシブルディスク、光磁気ディスク等を挿入し、電源を入れることにより動作する。以下、本図を参照して概要構成を説明する。
【0055】
ゲーム装置200では、プレイヤが楽曲に合わせて表示される楽譜にしたがって入力操作を行う音楽シミュレーションゲームが実行される。
【0056】
まず、ゲーム装置200は、指示部201、検出部202、履歴記憶部203、識別部204、変更部205を備える。なお、ゲーム装置200は、RAM103等の機能によりプレイヤからの入力の内容や楽曲および楽曲に対応する楽譜等を記憶するための汎用的な記憶部等も適宜備える。なお、履歴記憶部203は前記汎用的な記憶部等に含まれるよう構成してもよい。
【0057】
指示部201は、操作すべきタイミングを楽曲のテンポに合わせて、プレイヤに指示する。すなわち、RAM等の記憶部に記憶される楽曲、および楽曲に対応づけられて記憶されている楽譜情報を読み出し、モニタ111に表示されるゲーム画面に適切なタイミングで表示することにより操作指示を行う。このような指示部201は、例えば、CPU101がROM102やRAM103と協働することにより実現される。
【0058】
検出部202は、例えば、コントローラ105等によって受けつけたプレイヤの操作入力を検出する。すなわち、ゲーム画面に表示されるゲーム画像を見ながらプレイヤによって行われる操作入力に対応する信号をマット型コントローラ105M等から受信し、前記操作入力がどういった内容の操作であるか、どういったゲーム処理と結びつくかといった点を検出・判定する。このようにして、検出されたプレイヤの操作入力は、履歴記憶部203に記憶される。このような検出部202は、例えば、CPU101がROM102やRAM103、コントローラ105と協働することで実現される。
【0059】
履歴記憶部203は、検出部202によって検出されたプレイヤの操作入力データを記憶する。なお、履歴記憶部203は、ROM102やRAM103に設けられる汎用的な記憶部の一部分である、と構成してもよい。このような履歴記憶部203は、例えば、CPU101がROM102やRAM103と協働することで実現される。
【0060】
識別部204は、検出部202によって検出されたプレイヤの操作入力のうち、プレイヤが意図する操作が行われていない操作、すなわち、指示部101によって指示された操作の種類およびタイミングと、検出部202によって検出されたプレイヤの操作の種類とタイミングとが異なっている操作、言い換えると、プレイヤが苦手としていると看做すことが可能な操作(以下、苦手操作パターンという。)を識別する。前記識別後、苦手操作パターンは、履歴記憶部203に記憶される。なお、苦手操作パターンに関するデータは、RAM103等の記憶部に記憶されるよう構成してもよい。具体的に行われる処理としては、RAM103等の記憶部に記憶される楽曲に対応づけられて記憶されている楽譜情報を構成する各操作パターンについて、識別部204の識別結果を追加して、履歴記憶部203に再記憶させる。このような識別部204は、例えば、CPU101がROM102やRAM103と協働することで実現される。
【0061】
変更部205は、識別部204によって識別された苦手操作パターンを、その後の楽譜から削除する。苦手操作パターンの削除後、苦手操作パターンのなくなった状態の楽譜にてゲームが進行する。具体的に行われる処理としては、履歴記憶部203に記憶された苦手操作パターンを読み出し、前記苦手操作パターンが指示部201によってプレイヤに指示されるタイミングで、前記苦手操作パターンを削除する。その結果、指示部201によってプレイヤに対して行われる操作指示の中から、前記苦手操作パターンの操作指示のみがプレイヤに対して提示されないこととなる。このような変更部205は、例えば、CPU101がROM102やRAM103と協働することで実現される。
【0062】
図4は、モニタ111に表示される本発明の実施形態に係るゲーム画面300の様子を表す図である。図4では省略されているが、ゲームを盛り上げるため、例えばダンスを踊るキャラクターなどが背景画像として表示される。
【0063】
ゲーム画面300の上部には、基準矢印マーク301が表示される。また、前記4つの基準矢印マーク群の下方には、複数の矢印マーク302が表示されている。これらの矢印マーク302は、302Lであれば301L、302Uであれば301Uといったように、それぞれの矢印マークが対応する基準矢印マークに向かって、ゲーム画面300の下方から上方に向かって移動する。矢印マーク302は楽曲のタイミングに合わせてゲーム画面300を移動し、矢印マーク302が基準矢印マーク301に重なるタイミングが、プレイヤの適切な操作タイミングとなる。ここでは、指示部201によって行われる操作指示に対応するのが矢印マーク302となる。具体的には、指示部201が、プレイヤが操作を行うべきタイミングに、各矢印マーク302が基準矢印マーク301にちょうど重なるように表示することでこれを実現する。なお、視認性を高めるために基準矢印マーク301と矢印マーク302を異なる色に設定してもよい。
【0064】
プレイヤは、矢印マーク302のそれぞれが、基準矢印マーク301のいずれかに重なるタイミングで前記矢印マークに対応する操作入力(マット型コントローラ105Mで各矢印に対応するボタンを踏下する。)を行うことで、後述する肯定的な評価を得ることができる。図4の例では、次に操作入力が必要となる矢印マーク302は、左方向および上方向の矢印マークであるため、矢印マーク302L、302Uが基準矢印マーク301L、301Uにそれぞれ重なったタイミングで操作入力を行うことができれば、肯定的な評価を得ることとなる。
【0065】
ここで得られる肯定的な評価は、操作入力のタイミングが矢印マーク302と基準矢印マーク301が重なったタイミングとどの程度近似となるかに応じて、「MARVELOUS」、「PERFECT」、「GREAT」および「GOOD」の複数の段階に分かれる。なお、操作入力タイミングが矢印マーク302と基準矢印マーク301が重なったタイミングと大きく異なる場合、否定的な評価である「ALMOST」もしくは「BOO」という評価がなされる。本実施例では、肯定的評価を獲得する操作を得意操作パターン、否定的評価を獲得する操作を苦手操作パターンとしている。
【0066】
ゲーム画面300の基準矢印マーク301の上方には、ゲージ303が表示される。このゲージ303は、プレイヤの操作に対する評価をグラフィカルに表したものであり、ゲーム開始時には全領域が黒い状態である。プレイヤが否定的評価を得る操作を続けた場合、前記黒い領域が減少していき、零になるとゲームオーバーとなる。
【0067】
図5は、RAM103に記憶された楽曲データ、楽曲データに対応する矢印データ302および各矢印データ302に対するプレイヤの操作入力評価を表す図である。T軸は時間軸であり、楽曲が再生されてからの経過時間を示している。矢印データ302は、左、上、下、右のいずれの向きの矢印であるかが、それぞれL、U、D、Rの各列に対応して記憶されている。ここでL、U、D、R各列において「0」の値は対応する矢印が存在しないことを示し、「1」の値は対応する矢印が存在していることを示している。
【0068】
L、U、D、Rの各列の左側には、各矢印マークに対して行われたプレイヤの操作に対する評価が記憶される。ここでは、左向き矢印と下向き矢印を同時に操作した場合に、「BOO」という否定的評価を得ているため、前記操作が苦手操作パターンと識別されることとなり、その旨が履歴記憶部203に記憶される。
【0069】
図6は、苦手操作パターンと識別された操作パターンが削除された後のゲーム画面300の様子を表す図である。履歴記憶部203に記憶されたプレイヤの操作に対する評価から、左向き矢印と下向き矢印を同時に操作する操作パターンが、苦手操作パターンであることが識別され、苦手操作パターンに該当する操作が削除されている。具体的に行われる処理としては、変更部205が、記憶された識別部204の識別結果を参照し、RAM103等に記憶される矢印データ302のうち、苦手操作パターンに属する操作の部分のみを削除する。前記削除に伴って、前述のとおり、指示部201は、プレイヤに苦手操作パターンの操作指示を行わない。
【0070】
続いて、ゲーム装置200で具体的に実行される処理の流れについて説明する。図7は、ゲーム装置200で実行される処理のうちの、本発明に関連する処理を主に示すフロー図である。CPU101は、ROM102、RAM103等に記憶されるプログラムに従って、図7に示す処理を実行する。
【0071】
図7に示すように、CPU101は、予め用意された複数の楽曲のうちから選択された楽曲の再生を開始する(S501)。そして、CPU101、特に指示部201は、前記楽曲に対応する矢印データ302をもとにプレイヤへの操作指示を行う(S502)。つまり、図4に示したようにゲーム画面上に楽曲に対応する矢印データ302を表示する。
【0072】
指示部201によって操作指示が行われる際、CPU101、特に変更部205は、指示される操作が、苦手操作パターンであるか否かを判別する(S503)。ここで、指示される操作パターンが、苦手操作パターンであった場合(S503;YES)、前記操作パターンは削除される(S504)。つまり、変更部205は、履歴記憶部203に記憶されている各操作データについて、苦手操作パターンであるという識別情報が付与されている操作データと同じ操作パターンが提示される場合に、前記操作パターンを削除する。
【0073】
続いて、指示部201による前記操作指示に従い、マット型コントローラ105Mを介してプレイヤによって行われた操作をCPU101、特に検出部202が検出する(S505)。つまり、マット型コントローラ105Mに対するプレイヤの踏下操作を検出し、前記踏下操作に関するデータを履歴記憶部203に記憶する。
【0074】
CPU101、特に識別部204は、プレイヤによって行われた操作が、指示部201による前記操作指示と近似であるか異なっているか等の観点からプレイヤによって行われた操作を評価する(S506)。なお、前記評価については図8を用いて後述する。
【0075】
続いて、CPU101は、ゲージ303の長さが零になったか否かを判定する(S507)。ゲージ303の長さが零になった場合(S507;YES)、CPU101はゲームオーバー画面を表示し(S510)、本処理を終了する。つまり、CPU101が、楽曲の再生、指示部201による操作指示、検出部202の操作検出等を中断し、ゲーム終了を示唆する画面を提示してゲームを終了させる。
【0076】
一方、ゲージ303の長さが零になっていない場合(S507;NO)、CPU101は楽曲の再生が終了したか否かを判定する(S508)。楽曲の再生が終了していない場合(S508;NO)、ステップS502の処理が再実行される。一方、楽曲の再生が終了した場合(S508;YES)、CPU101はゲーム成績画面を表示し(S509)、本処理を終了する。つまり、CPU101は、S506によって行われたプレイヤの操作に対する評価結果を参照し、前記結果をゲーム画面に提示してゲームを終了させる。
【0077】
以上に説明したゲーム装置200では、プレイヤが苦手とする操作パターンのみを削除することで、フレキシブルな難易度調整が可能となる。
【0078】
続いて、前述のプレイヤの操作評価(S506)の流れについて説明する。図8は、ゲーム装置200で実行される処理のうちの、プレイヤの操作評価に関連する処理を示すフロー図である。CPU101は、ROM102、RAM103等に記憶されるプログラムに従って、図8に示す処理を実行する。なお、図8に示す処理は、図7に示すS506のステップにおいて実行される処理である。
【0079】
図8に示すように、CPU101、特に識別部204は、検出部202によって検出され、履歴記憶部203に記憶されているプレイヤの操作データを参照し、前記操作データに対応する操作指示データをRAM103等の記憶部に記憶される操作指示データの中から読み出し、両データを比較する(S601)。
【0080】
続いて、CPU101、特に識別部204は、前記両データが類似しているかどうかを識別する(S602)。類似しているか否かについては、図4に示す矢印マーク302のそれぞれが、基準矢印マーク301のいずれかに重なるタイミングとプレイヤの操作入力が行われたタイミングとの間にどの程度の差が生じるか否かで識別される(段落0064および0065で詳述)。ここで、両データが類似ではないと識別された場合(S602;NO)、前記操作データを苦手操作パターンと識別する(S603)。つまり、前記操作データに対して、苦手操作パターンであるという識別情報を付与した上で、再度履歴記憶部203に記憶させる。
【0081】
両データが類似であると識別された場合(S602;YES)、およびS603のステップが終了した後、CPU101は、各操作データについて、対応する操作指示データとの類似の度合に応じて、評価点を付与する(S604)。各操作データは付与された評価点のデータを伴って履歴記憶部203に再度記憶される。
【0082】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0083】
(実施形態2)
(1)例えば、苦手操作パターンを削除する場合に、苦手操作パターンの代わりにプレイヤが肯定的評価を獲得する操作、すなわち得意操作パターンを挿入するように構成してもよい。
【0084】
図9は、得意操作パターンを、苦手操作パターンの代わりに挿入した状態のゲーム画面を示すものである。図5にて否定的評価である「BOO」評価を獲得している左方向矢印および下方向矢印の操作部分を、図5にて肯定的評価であり、かつ高評価である「PERFECT」評価を獲得している上方向矢印701Uの操作に変更している。得意操作パターンは、肯定的評価の中でも高評価である「MARVEROUS」や「PERFECT」などを獲得している操作パターンを指す。これは、他の操作パターンと比較して相対的に評価してもよいし、評価の獲得回数などから絶対的に評価してもよい。
【0085】
具体的には、CPU101、特に識別部204が、図8に示される操作評価ステップのうち、S604で行われる評価点付与において、他の操作パターンと比較して相対的に高評価である評価点が付与された操作データ、もしくは高評価である評価点を複数回獲得した操作データについて、得意操作パターンであるという識別情報を付与した上で、再度履歴記憶部203に記憶させ、変更部205が、得意操作パターンである操作データを、苦手操作パターンを削除した部分に挿入することで実現される。
ここで挿入された得意操作パターンは、図示のように、他の矢印マーク302と異なる表示方法としてもよいし、同様の表示方法としてもよい。
【0086】
このように、得意操作パターンを追加することで、プレイヤの苦手な操作の機会を減らす、もしくはなくすことで減少した総操作機会数を、プレイヤの得意な操作の機会を増やすことで補うことができ、ゲームバランスの調整を図ることが可能である。
【0087】
(実施形態3)
(2)また、例えば、苦手操作パターンを削除する場合に、苦手操作パターンの代わりにプレイヤが得意とも苦手ともしていない操作、すなわち通常操作パターンを挿入するように構成してもよい。
【0088】
図10は、通常操作パターンを、苦手操作パターンの代わりに挿入した状態のゲーム画面を示すものである。図5にて否定的評価である「BOO」評価を獲得している左方向矢印および下方向矢印の操作部分を、図5にて肯定的評価ではあるが、あまり高い評価ではない「GOOD」評価を獲得している左方向矢印801Lおよび上方向矢印801Uの操作に変更している。通常操作パターンは、肯定的評価の中で、あまり高い評価ではない「GOOD」や否定的評価の中では高い評価となる「ALMOST」などを獲得している操作パターンを指す。これは、他の操作パターンと比較して相対的に評価してもよいし、評価の獲得回数などから絶対的に評価してもよい。
【0089】
具体的には、CPU101、特に識別部204が、図8に示される操作評価ステップのうち、S604で行われる評価点付与において、全操作パターン中平均に近い評価点が付与された操作データについて、通常操作パターンであるという識別情報を付与した上で、再度履歴記憶部203に記憶させ、変更部205が、通常操作パターンである操作データを、苦手操作パターンを削除した部分に挿入することで実現される。
ここで挿入された通常操作パターンは、図示のように、他の矢印マーク302と異なる表示方法としてもよいし、同様の表示方法としてもよい。
【0090】
このように、通常操作パターンを追加することで、プレイヤの苦手な操作の機会を減らす、もしくはなくすことで減少した総操作機会数を補うとともに、プレイヤに操作パターンの練習を行わせ、プレイヤの技量の向上を促すことが可能である。
【0091】
(実施形態4)
(3)また、例えば、苦手操作パターンを変更するタイミングを、ゲージ303が所定のしきい値を超えた場合のみに限定してもよい。
【0092】
前述のとおり、プレイヤが否定的評価を獲得し続けた場合、ゲージ303の黒い領域がだんだん減少していき、黒い領域が零になると、ゲームオーバーとなり、ゲームが強制終了する。したがって、ゲームが強制終了してしまうのを防ぐために、ゲージ303の黒い領域が例えば、ゲージ全体と比較して3分の1を切る点をしきい値として設定し、前記しきい値を超えた場合にのみ、変更部205による削除・変更が行われるよう構成してもよい。
【0093】
このように、ゲージにしきい値を設け、しきい値を超えたときのみ変更部205の処理が行われるようにすることによって、プレイヤに負担がかかっていると類推される状態において、プレイヤの負担を軽減させることが可能である。
なお、このしきい値はプレイヤの技量に応じて、変動するよう構成してもよい。
【0094】
また、本発明は、上述の音楽シミュレーションゲーム以外のゲームにも適用することが可能である。
【0095】
本発明を、野球ゲームに適用した場合、CPU101が制御する対戦相手ピッチャーの特定の球種をプレイヤが打つことができない場合、識別部204が前記球種を苦手操作パターンと識別し、変更部205が前記球種を投げないように制御することとなる。
【0096】
本発明を、対戦格闘ゲームに適用した場合、CPU101が制御する対戦相手の特定の必殺技をプレイヤが避けることができない場合、識別部204が前記必殺技を苦手操作パターンと識別し、変更部205が前記必殺技を放つことがないように制御することとなる。
【0097】
本発明は、サッカーゲームをはじめとする各種スポーツゲーム、パズルゲームなど、プレイヤが苦手とする操作が存在するゲームに対し、汎用的に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0098】
100 情報処理装置、 101 CPU、 102 ROM、 103 RAM、 104 インターフェース、 105 コントローラ、 105M マット型コントローラ、 106 外部メモリ、 107 画像処理部、 108 DVD−ROMドライブ、 109 NIC、 110 音声処理部、 111 モニタ、 200 ゲーム装置、 201 指示部、 202 検出部、 203 履歴記憶部、 204 識別部、 205 変更部、 300 ゲーム画面、 301 基準矢印マーク、 301L 基準矢印マーク(左)、 301U 基準矢印マーク(上)、 301D 基準矢印マーク(下)、 301R 基準矢印マーク(右)、 302 矢印マーク、 302L 矢印マーク(左)、 302U 矢印マーク(上)、 302D 矢印マーク(下)、 302R 矢印マーク(右)、303 ゲージ、 701 得意操作パターン、 801 通常操作パターン



【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の操作をプレイヤに行わせるゲームを実行するゲーム装置であって、
前記プレイヤによって行われた操作を検出する検出手段と、
前記プレイヤによって行われた操作の履歴を記憶する履歴記憶手段と、
前記履歴記憶手段を参照し、1つもしくは複数の操作の組み合わせである操作パターンのうち、前記ゲームにおいて第1の評価となる操作が含まれる第1操作パターンを識別する識別手段と、
前記識別手段の識別結果に基づき、前記第1操作パターンに属する操作パターンを他の操作パターンに変更する変更手段と、を含む、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記プレイヤに対して所定の操作を行うよう操作指示を行う指示手段を有し、
前記識別手段は、前記指示手段による所定の操作指示に対して行われる前記プレイヤの操作が、前記操作指示と異なる操作である場合、前記操作に対する評価を前記第1の評価とし、かつ、前記操作を第1操作パターンと識別する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のゲーム装置において、
前記変更手段は、前記第1操作パターンに属する操作パターンを削除する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3に記載のゲーム装置において、
前記識別手段は、前記ゲームにおいて第2の評価となる操作が含まれる第2操作パターンを識別し、
前記変更手段は、前記第2操作パターンに属する操作パターンを追加する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1乃至4に記載のゲーム装置において、
前記識別手段は、前記ゲームにおいて第3の評価となる操作が含まれる第3操作パターンを識別し、
前記変更手段は、前記第3操作パターンに属する操作パターンを追加する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項1乃至5に記載のゲーム装置において、
前記変更手段は、前記ゲームの状況が、所定の状態となった場合に、前記操作パターンの変更を行う、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記ゲームは、所定の操作のうちいずれを行うべきかを指示する指示オブジェクトと、前記指示オブジェクトと対応づけられた楽曲のタイミングとに合わせて操作を行うゲームであって、
前記識別手段は、前記指示オブジェクトの指示と略同じ操作がなされたか否かによって、前記操作パターンの識別を行う、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
所定の操作をプレイヤに行わせるゲームを実行するゲーム装置の制御方法であって、
前記プレイヤによって行われた操作を検出する検出ステップと、
前記プレイヤによって行われた操作の履歴を履歴記憶手段に記憶させるステップと、
前記履歴記憶手段を参照し、1つもしくは複数の操作の組み合わせである操作パターンのうち、前記ゲームにおいて第1の評価となる操作が含まれる第1操作パターンを識別する識別ステップと、
前記識別ステップの識別結果に基づき、前記第1操作パターンに属する操作パターンを他の操作パターンに変更する変更ステップと、を含む、
ことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項9】
所定の操作をプレイヤに行わせるゲームを実行するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記プレイヤによって行われた操作を検出する検出手段、
前記プレイヤによって行われた操作の履歴を記憶する履歴記憶手段、
前記履歴記憶手段を参照し、1つもしくは複数の操作の組み合わせである操作パターンのうち、前記ゲームにおいて第1の評価となる操作が含まれる第1操作パターンを識別する識別手段、
前記識別手段の識別結果に基づき、前記第1操作パターンに属する操作パターンを他の操作パターンに変更する変更手段、
としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−187207(P2012−187207A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51931(P2011−51931)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】