説明

ゲーム装置

【課題】抽選結果に対する期待感を高め、従来にない面白さをプレイヤに感じさせることができるゲーム装置を提供する。
【解決手段】ゲーム装置は、中心軸周りに回転可能に構成された内回転部111と、前記内回転部111の外周に沿って配置された複数のポケット50を有し、該中心軸周りに回転可能に構成された外回転部115と、前記内回転部111及び前記外回転部115のそれぞれを回転駆動させる回転駆動部150と、を備える。これにより、抽選結果に対する期待感を高めることができるとともに、従来にない面白さをプレイヤに感じさせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゲーム装置の一つのジャンルとして、ルーレットやビンゴゲーム等の抽選型のゲーム装置が知られている。このようなゲーム装置として、複数の玉受部を有するホイールを回転させ、そのホイール上にボールを打ち出し、勢いを失ったボールがいずれかの玉受部に入ったことを検出するルーレットゲーム装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭61−145574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかるゲーム装置は、単一のホイールを回転させて抽選を行うものであって、そのホイール上に打ち出されたボールがいずれかの玉受部に入ることによって抽選結果を決定するものである。
このように単一のホイールを回転させて抽選を行う際、プレイヤは抽選結果をある程度予測することができる場合があるため、プレイヤに緊張感がなくなり、面白みに欠けるものとなっていた。また、運営者にとっても、収益率の低下を招くこととなっていた。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、抽選結果に対する期待感を高め、従来にない面白さをプレイヤに感じさせることができるゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための主たる発明は、
中心軸周りに回転可能に構成された内回転部と、
前記内回転部の外周に沿って配置された複数のポケットを有し、該中心軸周りに回転可能に構成された外回転部と、
前記内回転部及び前記外回転部のそれぞれを回転駆動させる回転駆動部と、
を備えたゲーム装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の一実施形態であるビンゴゲーム装置1の外観斜視図である。
【図2】ビンゴゲーム装置1の機能上の構成の一例を示すブロック図の概略である。
【図3】第一抽選部11の構成の一例を示す断面図である。
【図4】第一ホイール110の構成の一例を示す平面図である。
【図5】第一ホイール110の構成の一例を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
中心軸周りに回転可能に構成された内回転部と、
前記内回転部の外周に沿って配置された複数のポケットを有し、該中心軸周りに回転可能に構成された外回転部と、
前記内回転部及び前記外回転部のそれぞれを回転駆動させる回転駆動部と、
を備えたゲーム装置である。
このようなゲーム装置によれば、抽選結果に対する期待感を高め、従来にない面白さをプレイヤに感じさせることができる。
【0008】
また、かかるゲーム装置であって、
前記回転駆動部は、
前記内回転部及び前記外回転部を互いに反対回りに回転させることとしてもよい。
このようなゲーム装置によれば、抽選結果に対する期待感をより高めることができる。
【0009】
また、かかるゲーム装置であって、
前記回転駆動部は、
前記内回転部及び前記外回転部を互いに異なる速度で回転させることとしてもよい。
このようなゲーム装置によれば、抽選結果に対する期待感をより高めることができる。
【0010】
また、かかるゲーム装置であって、
前記回転駆動部は、
モーターと、
前記モーターの駆動軸に嵌着されたピニオンギヤと、
前記ピニオンギヤと噛み合い、前記外回転部の回転軸に固定された第一減速ギヤと、
それぞれが前記第一減速ギヤに噛み合い、該第一減速ギヤの周囲に設けられた複数の第一伝達ギヤと、
それぞれが一対の前記第一伝達ギヤと噛み合い、回転自在に設けられた複数の第二伝達ギヤと、
複数の前記第二伝達ギヤのそれぞれに噛み合い、前記内回転部の回転軸に固定された第二減速ギヤと、
を有することとしてもよい。
このようなゲーム装置によれば、内回転部の回転軸と外回転部の回転軸とを同軸上に配置させることができるとともに、内回転部及び外回転部の回転を安定させることができる。
【0011】
また、かかるゲーム装置であって、
前記内回転部又は前記外回転部に移動体を供給する供給部を備え、
前記ポケットは、前記供給部から供給された移動体を受け入れる受入口を上面に有しており、
前記内回転部は、周縁部から外側へ突出し、該受入口の上方に配置される突出部を備えることとしてもよい。
このようなゲーム装置によれば、この突出部が、内回転部の回転に伴って回転し、ポケットの受入口上に移動して来た移動体を弾くことができるため、プレイヤによる抽選結果の予測が困難となる。したがって、抽選結果に対する期待感をより高めることができる。
【0012】
===実施の形態===
<<<ビンゴゲーム装置1の構成について>>>
本発明の一実施形態であるビンゴゲーム装置1の構成例について、図1を用いて説明する。図1は、ビンゴゲーム装置1の外観斜視図である。
【0013】
本実施の形態に係るビンゴゲーム装置1は、図1に示すとおり、略三角柱状に形成された抽選装置10と複数のプレイヤ端末装置30とを含んで構成されている。抽選装置10と各プレイヤ端末装置30は、各種データや制御信号等を送受信することができるように接続されている。
【0014】
抽選装置10は、移動体の一例としてのボールを用いて抽選を行う装置である。この抽選装置10は、図1に示すとおり、第一抽選部11と第二抽選部12と第三抽選部13とを有しており、本体上部に略三角形状のフィールド21を有している。そのフィールド21には、第一抽選部11が有する第一ホイール110(第一回転体)と、第二抽選部12が有する第二ホイール120(第二回転体)と、第三抽選部13が有する第三ホイール130(第三回転体)とが、それぞれのホイールの中心を結ぶと三角形となるように配置されている。このように、複数のホイールを用いることにより、抽選時間を短縮することができるとともに、プレイヤの待ち時間を短縮することができる。
【0015】
プレイヤ端末装置30は、プレイヤがゲーム操作を行うための装置である。このプレイヤ端末装置30には、図1に示すとおり、ゲーム画像を表示する表示部31と、プレイヤがベット操作(賭け操作)に関する入力を行うタッチパネル等のベット操作部32と、プレイヤがベット対象であるビンゴカードにベットするための遊戯価値を投入又は入力する価値入力部33と、プレイヤに対して遊戯価値を払い出す又は出力する価値払出部34とが設けられている。さらに、表示部31の上方には、発光ダイオード等により構成される発光部35が設けられている。
【0016】
ここで、本実施形態では、遊戯用メダルやトークン、現金、クレジットやデビットカードなどの電子マネー、電子ポイントなど、プレイヤが遊戯目的で使用するオブジェクトを代表して「遊戯価値」とする。
【0017】
<<<抽選装置10の構成について>>>
次に、抽選装置10の構成例について、図2を用いて説明する。図2は、ビンゴゲーム装置1の機能上の構成を示すブロック図の概略である。
【0018】
抽選装置10は、CPU(Central Processing Unit)等の制御部20と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶部19と、プレイヤ端末装置30a〜30jと情報通信可能に接続するための通信部18と、ボールを用いて抽選を行う第一抽選部11、第二抽選部12及び第三抽選部13と、を有している。
【0019】
制御部20は、ビンゴゲームの進行に関する各種制御、情報処理を実行する機能を有している。
【0020】
記憶部19は、本実施形態におけるビンゴゲーム装置1のゲームプログラムを含むシステムプログラムが記憶された読み取り専用の記憶領域であるROMと、制御部20で生成されるデータ(抽選ゲームプログラムで使用するフラグや演算した値)が記憶されるとともに、制御部20の演算処理のワーク領域として使用される書き換え可能な記憶領域であるRAMとを有している。また、この記憶部21は、バスを介して制御部20に接続され、制御部20の処理に応じて記憶されているデータを参照、読み出し、書き換える処理が行われる。
【0021】
通信部18は、抽選装置10とプレイヤ端末装置30a〜30jとを情報通信可能に接続する機能を有しており、受信部と送信部とを含んで構成される。受信部は、プレイヤ端末装置30a〜30jから送信される各種データや信号を受信する機能を有している。送信部は、制御部20の処理に応じた各種データや信号を送信する機能を有している。
【0022】
第一抽選部11は、回転体の一例としての第一ホイール110と、第一ホイール110にボールを供給する供給部140と、第一ホイール110を駆動させる回転駆動部150と、光学式などのセンサー等の検出部160と、第一ホイール110に供給されたボールを回収する回収部170と、回収したボールを供給部140まで搬送する搬送部180等を有している。
【0023】
なお、その他の第二抽選部12と第三抽選部13の構成は概ね同様であるので、以下では、主として第一抽選部11について説明する。
【0024】
<第一抽選部11の構成について>
ここでは、第一抽選部11の具体的な構成例について、図3を用いて説明する。図3は、第一抽選部11の構成の一例を示す断面図である。
【0025】
第一抽選部11は、図3に示すように、上テーブル102と下テーブル104とをスペーサー103を介して連結し、上テーブル102と下テーブル104との間に空間を形成している。この空間は上テーブル102に形成された大きな円形状の開口部により開放されており、その空間に第一ホイール110が開口部から視認可能に配置されている。
【0026】
上テーブル102はこの大きな円形状の開口部の周囲に沿って立設する移動防止壁101を有しており、移動防止壁101は供給部140から第一ホイール110に供給されたボールが他のホイール120、130へ移動することを防止する機能を有している。
【0027】
第一ホイール110は、中央から外側に向かって下方に傾斜した載置面112を上部に有する内回転部111と、この内回転部111の外周に沿って配置された複数のポケット50を有する外回転部115を備えており、ボールをその載置面112上で停止させることなくポケット50へ誘導するものである。
【0028】
また第一抽選部11は、内回転部111及び外回転部115のそれぞれを回転駆動させる回転駆動部150を備えている。
【0029】
したがって、回転駆動部150の駆動によって中央部の中心軸周りに内回転部111及び外回転部115が回転している状態において、供給部140からボールが供給されると、供給されたボールは、載置面112上を転動し、その後に失速して複数のポケット50のうちのいずれかのポケット50に入ることになる。
【0030】
検出部160はボールがポケット50に入ったことを検出し、制御部20は検出部160からの検出信号を受信してどのポケットにボールが入ったのかを特定する。
【0031】
このようにして特定されたポケットが入賞ポケットとなり、この入賞ポケットに対して予め割り当てられた数字(シンボル)が抽選結果となる。そして、制御部20がこの抽選結果を用いてゲームプログラムを実行することによってビンゴゲームが進行する。
【0032】
その後、供給されたすべてのボールがポケット50に入ることによって全ての抽選結果が決定されると、回収部170によりポケットに入ったすべてのボールが回収される。
【0033】
回収されたボールは、搬送部180により供給部140まで搬送される。なお、この回収されたボールは、搬送部180を構成する搬送路181内に一時的に貯蔵された後に、供給部140まで搬送される。
【0034】
供給部140は、回収されたボールを搬送部180から受け取って、第一ホイール110に再び供給する。
【0035】
このようにして、第一抽選部11は、ボールの供給とボールを用いた抽選とボールの回収との各工程を繰り返し行うことによってボールを循環させる。
【0036】
<第一ホイール110の構成について>
次に、第一抽選部11の各部うちの第一ホイール110の構成例について、図3乃至図5を用いて説明する。図4は、第一ホイール110の構成の一例を示す平面図である。図5は、第一ホイール110の構成の一例を示す分解斜視図である。なお、図4及び図5は、第一ホイール110の構成等を説明するために、便宜上、移動防止壁101、上テーブル102、下テーブル104、複数のポケット50のうちの一部のポケット等を省略して示したものである。また、図5は、第一ホイール110の構成等を説明するために、便宜上、第一ホイール110を構成する部品を部分的に断面形状により示したものである。
【0037】
第一ホイール110は、図3乃至図5に示すように、中央の回転軸周りに回転可能に構成された内回転部111と、該回転軸回りに回転可能に構成された外回転部115とを有している。
【0038】
内回転部111は、中央の供給口141から供給されたボールを転動させるための載置面112を上部に有し、かつ、載置面112上に設けられた複数の突出部113を有している。この内回転部111には、中央下部に第二減速ギヤ156が固着され、中央上部に供給ガイド部144が固着されている。したがって、内回転部111は、第二減速ギヤ156及び供給ガイド部144と一体となって回転するように構成されている。
【0039】
突出部113は、図4に示すように、その一部が内回転部111の周縁部から外側に突出するように形成され、かつ、その突出した一部がポケット50の受入口52の上方に配置されるように形成されている。このため、突出部113は、内回転部111の回転に伴って回転し、ポケット50の受入口52上に移動して来たボールを弾くことができる。したがって、プレイヤは抽選結果の予測を容易に行うことができなくなるため、抽選結果に対する期待感をより高めることができる。
【0040】
なお、本実施形態においては、載置面112上に、3つの突出部113を周方向に120度ずつ均等に配置している。
【0041】
外回転部115は、図3及び図5に示すように、下テーブル104に固定された複数の支持部105によって支持されたベース部116と、ベース部116の中央部から外側へ離れた周縁部に設けられた複数のポケット50と、を有している。すなわち、複数のポケット50は、円形状に形成された外回転部115の中央部から径方向に離れた周縁部に沿って並べられている。
【0042】
ベース部116の中央には、第一減速ギヤ153が固着されている。この第一減速ギヤ153は、ベース部116を挟んで上下に設けられている。すなわち、外回転部115は上下の第一減速ギヤ153と一体となって回転するように構成されている。
【0043】
そして、図4に示すように、後述する回転駆動部150の駆動によって、内回転部111は図中の矢印Aで示す方向に回転し、外回転部115は図中の矢印A´で示す方向(矢印Aと反対方向)に回転する。
なお、内回転部111及び外回転部115の回転動作については、追って詳述する。
【0044】
<回転駆動部150の構成について>
回転駆動部150は、図5に示すように、ブラケットを介して下テーブル104に固定された回動モーター151と、回動モーター151に固着されたピニオンギヤ152と、外回転部115に固着された第一減速ギヤ153と、ミドルプレート118に設けられた複数の第一伝達ギヤ154及び複数の第二伝達ギヤ155と、内回転部111に固着された第二減速ギヤ156と、を有している。
【0045】
回動モーター151は、制御部20からの制御信号に基づいて、内回転部111及び外回転部115を回転させるものである。この回動モーター151の駆動軸の先端には、ピニオンギヤ152が嵌着されている。
【0046】
第一減速ギヤ153は、ベース部116の上側に設けられた上ギヤ153aと、ベース部116を挟んで反対側に設けられた下ギヤ153bとからなる。上ギヤ153a及び下ギヤ153bは、外回転部115に固着され、同軸上に配置されている。
【0047】
下ギヤ153bは、ピニオンギヤ152と噛み合っている。この下ギヤ153bの直径はピニオンギヤ152の直径よりも大きく形成されているため、減速することにより大きなトルクを発生させることができる。
【0048】
上ギヤ153aは、その周囲に配置された複数の第一伝達ギヤ154それぞれと噛み合っている。本実施形態においては、3つの第一伝達ギヤ154が上ギヤ153aの周囲に均等配置(周方向に120度ずつ均等に配置)されている。このように、上ギヤ153aの周囲に複数の第一伝達ギヤ154を配置させることにより、外回転部115は、回転ブレを起こすことなく、回転軸を中心に安定して回転することができる。
【0049】
第一伝達ギヤ154は、図5に示すように、ブラケットを介してミドルプレート118に回転可能に固着されており、上段の小径伝達ギヤ154a、154b、154cと、下段の大径伝達ギヤ154d、154e、154fと、を同軸上に配置してなり、小径伝達ギヤと大径伝達ギヤとが一体となって回転するように構成されている。
【0050】
すなわち、下段の大径伝達ギヤ154d、154e、154fそれぞれが、上ギヤ153aと噛み合うことにより、外回転部115は安定して回転することができるようになる。
一方、上段の小径伝達ギヤ154a、154b、154cそれぞれは、第二伝達ギヤ155それぞれに噛み合っており、この噛み合いにより動力が伝達される。
【0051】
ミドルプレート118は、中央のボスを介して供給路142に固着されている。したがって、このミドルプレート118は、内回転部111及び外回転部115の回転中心軸と同一の中心軸周りに回転することはない。
【0052】
また、ミドルプレート118は、小径伝達ギヤ154a、154b、154cの歯先円直径よりも大きく、かつ、大径伝達ギヤ154d、154e、154fの歯先円直径よりも小さい円孔を有しており、この円孔それぞれに小径伝達ギヤ154a、154b、154cを通して上側に配置させ、下側に大径伝達ギヤ154d、154e、154fを配置させるようになっている。そして、ミドルプレート118は、小径伝達ギヤ及び大径伝達ギヤの回転中心軸を、ブラケットにより上下から挟み込んで支持している。
【0053】
また、図5に示すように、ミドルプレート118には、複数の第二伝達ギヤ155が回転可能に固着されている。この第二伝達ギヤ155は、ミドルプレート118に立設された中心軸回りに回転可能に構成され、第一伝達ギヤ154と噛み合っている。本実施形態においては、3つの第二伝達ギヤ155a、155b、155cが、ミドルプレート118上に設けられ、第二減速ギヤ156の周囲に均等配置(周方向に120度ずつ均等に配置)されている。そして、第二伝達ギヤ155a、155b、155cそれぞれは、小径伝達ギヤ154a、154b、154cそれぞれと噛み合っている。
【0054】
第二減速ギヤ156は、図5に示すように、内回転部111の下部に固着されており、その周囲に配置される第二伝達ギヤ155a、155b、155cそれぞれと噛み合っている。このように、第二減速ギヤ156の周囲に複数の第二伝達ギヤ155を配置させることにより、内回転部111は、回転ブレを起こすことなく、回転軸を中心に安定して回転することができる。また、内回転部111及び外回転部115を軸ズレさせることなく同軸上に配置させることができる。
【0055】
<ポケットの構成について>
ポケット50は、図3及び図4に示すように、外回転部115の周縁部に並べて複数配置されている。すなわち、ポケット50は内回転部111の外周に沿って配置されている。本実施の形態に係るビンゴゲーム装置1では、30個のポケットがベース部116上に設けられており、ボールが30個のポケットのうちのいずれかのポケットに入ることにより抽選が行われる。
【0056】
また、ポケット50は、図4に示すように、ボールを受け入れる受入口52を上面部に有している。受入口52は、略正方形状の開口からなり、ボールの直径よりも大きく形成されている。なお、各ポケットは1つのボールのみが収容される大きさに構成されている。
【0057】
受入口52から入ったボールは、図3に示すように、底面部51に当接した状態で内部に収容される。この底面部51は、第一ホイール110の中心部から周縁部へ向かう外方向に従って低くなるように傾斜して形成されている。そのため、ポケット内に収容されたボールは、この傾斜に沿って移動し、内部において常に外側へ寄せられた状態になる。そして、両方の側面部には隣り合うポケット間を仕切る壁が設けられている。そのため、当該ポケットに入ったボールが当該ボケットに隣り合う他のポケットへ移動することはない。
【0058】
また、ポケット50は、図3に示すように、内部に収容されたボールを外部へ排出する排出口53を背面に有している。排出口53は、略正方形状の開口からなり、ボールの直径よりも大きく形成されている。
【0059】
ポケット50内のボールを回収する際には、この排出口53からボールを水平方向に排出させて回収する。この際、外回転部115の回転による遠心力と共に底面部51の傾斜による自重を利用することにより、ポケット50内のボールをこの傾斜に沿って転がらせて排出口53から水平方向(外回転部115の中心部から外側へ離れる方向)へ排出させることができるので、より速やかにボールを回収することができるようになる。
【0060】
<壁体の構成について>
壁体190は、図3に示すように、フランジを上テーブル102に固定させて外回転部115の外周に沿って設けられている。この壁体190は、フランジに対して垂直に設けられたガイド部191と、ガイド部191の一部に設けられた開口部(不図示)とを有している。
【0061】
カイド部191は、外回転部115が回転している際に、受入口52からポケット50に入ったボールを内壁面191aに当接させながら外回転部115の周縁部に沿って移動させる機能を有している。
【0062】
このようにガイド部191を設けなければ、外回転部115が回転している際に受入口52からボールが入ると、ポケット50の背面には排出口53が設けられているため、その入ったボールはポケット内部に留まることなくすぐに排出口53から排出されてしまう。ところが、ポケット50の排出口53の外側にガイド部191が立設されているため、受入口52から入ったボールの下部が底面部51に当接しつつ、そのボールの側部が排出部53を介して(ボールの一部が排出部53から外方向に飛び出した状態で)ガイド部191の内壁面191aに当接することにより、このボールはポケット50の内部に収容される。そして、第一ホイール110が回転している際には、ポケット内部のボールはこの回転に伴って内壁面191aに当接しながら外回転部115の周縁部に沿って回転移動することになる。
【0063】
また、ガイド部191は略四角形状に開口した開口部を有している。この開口部は、ガイド部191の一部を切り欠いて形成され、複数のボールが通過できるような大きさの開口からなる。そして、第一ホイール110の回転によってポケット50の排出口53が開口部と対向する位置に到達したときに、この開口部は排出口53を通過したボールを水平方向へ排出させることができる。
【0064】
<回収部の構成について>
回収部170は、図3に示すように、ポケット内に収容されたボールを排出口53から水平方向に排出させて回収するものである。この回収部170は、蓋体171と、開閉駆動部の一例としての開閉モーター172と、を有している。
蓋体171は、開閉モーター172の駆動によって、ガイド部191の開口部を閉鎖状態にする第一位置と、ガイド部191の開口部を開放状態にする第二位置との間で、移動可能に構成されている。
回収部170は、蓋体171が第二位置にあるときに、ポケット50の排出口53を通過したボールを開口部から水平方向へ排出させる。そして、排出されたボールは、不図示の回収口から回収され、搬送部180へ送られる。
【0065】
<搬送部の構成について>
搬送部180は、回収部170により回収されたボールを供給部140へ搬送するとともに、複数のボールを内部に貯留するものである。また、搬送部180は、図3に示すように、下方に向かって傾斜し、供給部140に連結された搬送路181を有している。すなわち、回収部170により回収されたボールは、搬送路181に沿って下方へ移動した後、搬送路181の内部にすでに留まっている他のボールに接触して停止し、各ボールが互いに接触して連なった状態で内部に貯留される。したがって、回収した複数のボールを1ヶ所にまとめて貯蔵する貯蔵用容器を別途設ける必要がないため、装置内部の空間を有効利用できるともにシンプルな構造となる。
そして、搬送路181の内部に一時的に貯留された各ボールは、傾斜を利用して自重により下方へ向かって順次移動して行き、最終的には供給部140まで到達する。
【0066】
<供給部の構成について>
供給部140は、抽選を行うためのボールを第一ホイール110に供給するものであり、供給口141と、供給路142と、供給ガイド部144と、不図示の供給モーターと、を有している。
【0067】
本実施形態においては、供給部140は、内回転部111及び外回転部115のうちの内回転部111上に、20個のボールを連続して供給する。なお、供給部140は、外回転部115上に複数のボールを供給してもよい。
具体的には、供給部140は、不図示の供給モーターの駆動により供給路142内の複数のボールを上方へ押し上げ、押し上げられた供給路142内の複数のボールのうちの一番上にあるボールのみを供給口141から順次飛び出させて内回転部111上に供給する(図3参照)。この際、供給口141付近に供給ガイド部144が設けられているため、供給口141から飛び出したボールは、この供給ガイド部144に案内されて載置面112上に到達することになる。
【0068】
なお、供給ガイド部144が内回転部111に対して相対的に回転するように構成してもよい。これにより、供給口141から排出されるボールの飛び出し方向が不規則に変化するため、プレイヤにとって抽選結果の予測が難しくなり、抽選結果に対する期待感を高めることできる。
【0069】
<<<ゲームの概要について>>>
次に、本実施の形態におけるビンゴゲーム装置1のゲーム処理について説明する。
このビンゴゲーム装置1のゲーム処理は、初期設定、ベットモード、抽選モード、払出モードを1セットとするゲームプログラムに基づき実行される。そして、この1セットを単位としてビンゴゲームが繰り返し行われる。
【0070】
各モードでは、抽選装置10におけるゲーム処理とプレイヤ端末装置30におけるゲーム処理とが相互に関連しながら進行する。
抽選モードによる抽選処理は、第一ステージ、第二ステージ、第三ステージの3つ分けて行われ、当選番号(シンボル)がこれらの抽選によって段階的に決定される。
【0071】
最初に行われる第一ステージでは、供給部140により各ホイールに複数個のボールが供給され、いずれかのポケット50にボールが入ることにより抽選が行われる。本実施形態においては、各ホイールに15個のボールが供給され、合計で45個の当選番号が抽選によって決定される。この第一ステージでは、プログレッシブ抽選が実行される。その抽選結果、第一ステージの抽選においてビンゴが完成した場合、プログレッシブ用に蓄積しておいた大量の遊戯価値をボーナスとして獲得することができる。
【0072】
次に行われる第二ステージでも、供給部140により各ホイールに複数個のボールがそれぞれ供給される。本実施形態においては、各ホイールに5個のボールが供給され、合計で15個の当選番号が抽選によって決定される。この第二ステージでは、通常抽選が実行される。
【0073】
最後の第三ステージは、エクストラボールによる通常抽選が行われる。この第三ステージの抽選を行うか否かは制御部20によりランダムに決定される。したがって、あるプレイヤが第二ステージ終了時にリーチ状態であった場合、突然に第三ステージの抽選が開始されて、希望する当選番号が揃ってビンゴが完成することもありうる。本実施形態においては、各ホイールに対して1個のエクストラボールが夫々供給されるが、複数個のエクストラボールを夫々供給するようにしてもよい。
【0074】
この抽選モードによる抽選処理の終了後、抽選装置10は各ホイールの各ポケットに収容されたボールを回収する処理を行う。この複数のボールを回収する処理は、現在のゲームの抽選モード終了後から次回のゲームのベットモード終了までの期間に行えばよい。
【0075】
<複数ボールを用いたビンゴゲーム装置の特性>
一般的に、ビンゴゲーム装置にあっては、ルーレットゲーム装置とは異なり複数のボールを使って抽選を行うため、ホイール上に複数のボールを載置させた状態で当該ホイールを回転させる必要がある。
このように、複数のボールを載置させたままホイールを回転させると、ホイール上のある領域に複数のボールが集まり、これらのボールがその領域に配置されるポケットに次々と入ってしまう場合がある。かかる場合には、入賞ポケットが特定の領域に集中してしまうため、抽選結果が偏ってしまうことになる。
【0076】
このような抽選結果の偏りが生じてしまうと、プレイヤにとって抽選結果の予測が容易になるので、プレイヤに緊張感がなくなり、ゲームの面白みに欠けることになる。また、運営者にとっても、収益率の低下を招くこととなる。
この抽選結果の偏りは、ポケット数とボール数が近ければ近いほど発生しやすい。本実施形態においても、30個のポケットを有するホイール上に20個のボールを供給して抽選を行うものであるため、かかる状況が発生しやすい。
【0077】
これに対し、本実施の形態に係るビンゴゲーム装置1によれば、すでに上記において具体的構造を詳述したように、中心軸周りに回転可能に構成された内回転部と、内回転部の外周に沿って配置された複数のポケットを有し、該中心軸周りに回転可能に構成された外回転部と、内回転部及び外回転部のそれぞれを回転駆動させる回転駆動部と、を備えたゲーム装置を用いることにより、ホイール上の複数のボールが様々な方向へ散らされるため、ホイール上のある領域に複数のボールが集まることを防止することができるとともに、抽選結果に対する期待感を高めることができる。
【0078】
また、上述したように、複数のボールを載置させたままホイールを回転させると、ホイール上のある領域に複数のボールが集まる状態となる。そうすると、その領域において、すでにポケット内に収容されているボールの上に、別のボールが載ってしまう場合がある。かかる場合には、当該別のボールはポケットに入ることができないため、ゲーム装置は、抽選結果を決定することができず、ひいては抽選処理を終了せさることができない。これは、ホイール上に供給された全てのボールがポケットに入ることにより抽選処理が終了するためである。
【0079】
これに対し、本実施の形態に係るビンゴゲーム装置1によれば、すでに上記において具体的構造を詳述したように、中心軸周りに回転可能に構成された内回転部と、内回転部の外周に沿って配置された複数のポケットを有し、該中心軸周りに回転可能に構成された外回転部と、内回転部及び外回転部のそれぞれを回転駆動させる回転駆動部と、を備え、前記内回転部は、周縁部から外側へ突出し、ポケットの受入口の上方に配置される突出部を備えたことを特徴とするゲーム装置を用いることにより、この突出部が内回転部の回転に伴って回転するため、当該別のボールをすでにポケット内に収容されているボールの上から積極的に排除することができるとともに、当該別のボールを他の空きポケットに入れることができる。
【0080】
以下では、抽選結果の偏りを生じさせないようにするためのホイールの回転動作、および、ビンゴゲーム装置1の動作例を具体的に説明する。
【0081】
<<<動作について>>>
ここでは、ビンゴゲーム装置1の動作について説明する。
なお、ビンゴゲーム装置1の各種動作は、主として制御部20により実現される。特に、本実施の形態においては、記憶部19に格納されたプログラムをCPU等が処理することにより実現される。そして、このプログラムは、以下に説明する各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0082】
ビンゴゲーム装置1は、ベットモードが終了すると、抽選モードに切り替える。抽選モードに切り替わると、抽選装置10は、制御部20からの制御信号に基づく回転駆動部150の駆動により、第一抽選部11、第二抽選部12及び第三抽選部13の各ホイールをそれぞれ回転させる。
【0083】
なお、第二抽選部12と第三抽選部13の動作は概ね第一抽選部11と同様であるので、以下では、主として第一抽選部11の動作について説明する。
【0084】
先ず、制御部20は、抽選モードに切り替わると、回転モーター151の駆動により、第一ホイール110の回転を開始させる。
具体的には、回転モーター151が駆動軸を回転させると、この駆動軸に嵌着されたピニオンギヤ152も同時に回転する。
ピニオンギヤ152が回転すると、ピニオンギヤ152と噛み合う下ギヤ153bが回転する。この下ギヤ153bの回転により、下ギヤ153bと同軸上に設けられた上ギヤ153aも回転する。
【0085】
この際、上ギヤ153a及び下ギヤ153bは外回転部115に固着されているため、回転モーター151が回転すると、ピニオンギヤ152と下ギヤ153bの噛み合いにより動力が伝達され、外回転部115は中央部の回転軸を中心にして図4中の矢印A´で示すように時計回りに回転することになる。なお、複数のポケット50も同様に図4中の矢印A´で示すように時計回りに回転することになる。
【0086】
上ギヤ153aが回転すると、上ギヤ153aと噛み合っている大径伝達ギヤ154d、154e、154fもそれぞれ回転する。大径伝達ギヤ154d、154e、154fの各回転により、この大径伝達ギヤ154d、154e、154fそれぞれと同軸上に設けられた小径伝達ギヤ154a、154b、154cもそれぞれ回転する。
【0087】
小径伝達ギヤ154a、154b、154cがそれぞれ回転すると、それぞれに噛み合う第二伝達ギヤ155a、155b、155cもそれぞれ回転する。
第二伝達ギヤ155a、155b、155cがそれぞれ回転すると、それぞれと噛み合う第二減速ギヤ156も回転する。
【0088】
この際、第二減速ギヤ156は内回転部111に固着されているため、回転モーター151が回転すると、第一伝達ギヤ154と第二伝達ギヤ155と第二減速ギヤ156との噛み合いにより動力が伝達され、内回転部111は中央部の回転軸(外回転部115と同一の回転軸)を中心にして図4中の矢印Aで示すように反時計回りに回転することになる。
【0089】
このように、第二減速ギヤ156と第一伝達ギヤ154との間に第二伝達ギヤ155を介在させることにより、内回転部111及び外回転部115を互いに反対回りに回転させることができる。内回転部111及び外回転部115が互いに反対回りに回転すると、第一ホイール110上の複数のボールが様々な方向へ散らされるため、第一ホイール110上のある領域に複数のボール集まることを防止することができる。
【0090】
なお、この第二伝達ギヤ155を取り除き、第一伝達ギヤ154と第二減速ギヤ156とを噛み合わせることにより、内回転部111及び外回転部115を互いに同一方向に回転させることも可能である。ただし、第一ホイール110上の複数のボールを積極的に散らすためには、内回転部111及び外回転部115を互いに異なる速度で回転させることが好ましい。互いに異なる速度で回転させるためには、ギヤ間のギヤ比等を調整することにより可能となる。
【0091】
もちろん、内回転部111及び外回転部115を互いに反対回りに回転させる場合においても、第一ホイール110上の複数のボールを積極的に散らすために、互いに異なる速度で回転させることは有効となる。
【0092】
次いで、制御部20は、内回転部111及び外回転部115が回転している際に、供給部140における供給モーター143を駆動させる。そうすると、供給路142内の複数のボールが配置面112上に排出される。この際、制御部20は、排出されたボールの数をカウントし、記憶部19に記憶する。
【0093】
ここで、内回転部111が図4中の矢印Aで示すように反時計回りに回転している際に、供給部140により複数のボールが内回転部111上に次々と供給されると、ホイール上のある領域に複数のボールが集まる状態が発生し、すでにポケット内に収容されているボールの上に、別のボールが載ってしまう場合がある。かかる場合には、内回転部111の回転に伴って、内回転部111に取り付けられた突出部113も反時計回りに回転するため、この突出部113が、当該別のボールを弾くことにより、当該別のボールを他の空きポケットに入れることができるので、早期に抽選結果を決定することができる。
【0094】
また、この突出部113は、内回転部111の周縁部に沿って複数設けられているので、ホイール上の異なる領域において同時にボールを弾くことができるため、抽選結果の偏りを早期に解消することができる。
【0095】
次いで、制御部20は複数のポケット50のうちのいずれのポケット50にボールが入ったかを判定する。かかる判定は、検出部の一例としての光学式のセンサー160を用いて行われる。すなわち、制御部20は、センサー160からの検出信号に基づき、どのポケット50にボールが収容されているかを判定することができる。
【0096】
次いで、制御部20は、供給部140により供給されたすべてのボールがポケット50に収容されたことを判定すると、抽選処理を終了し、ポケット内のボールをすべて回収する処理を実行する。
そして、このような一連の動作をゲーム毎に繰り返す。
【0097】
このようにして、中心軸周りに回転可能に構成された内回転部と、内回転部の外周に沿って配置された複数のポケットを有し、該中心軸周りに回転可能に構成された外回転部と、内回転部及び外回転部のそれぞれを回転駆動させる回転駆動部と、を備えたゲーム装置を用いることにより、ホイール上の複数のボールが様々な方向へ散らされるため、ホイール上のある領域に複数のボール集まることを防止することができるとともに、抽選結果に対する期待感を高めることができる。
【0098】
===その他の実施の形態===
上記において、本実施形態としてのビンゴゲーム装置を説明したが、この実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
【0099】
<回転駆動部>
上記の実施形態においては、1つのモーターの動力を複数ギヤの組み合せにより伝達させる回転駆動部150を用いて、内回転部111及び外回転部115を回転させるゲーム装置を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
【0100】
例えば、請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記回転駆動部は、
前記内回転部を回転させる第一モーターと、
前記外回転部を回転させる第二モーターと、
を有し、
前記第一モーター及び前記第二モーターを別々に駆動させて、前記内回転部の回転と前記外回転部の回転とを個別に制御する制御部を備えたことを特徴とするゲーム装置、であってもよい。
【0101】
具体的には、上記の実施形態におけるゲーム装置の構成からミドルプレート118、及び、このミドルプレート118に設けられた複数の第一伝達ギヤ154及び複数の第二伝達ギヤ155を取り外し、内回転部111を回転させるための第一モーターと、外回転部115を回転させるための第二モーターとを取り付けるようにする。そして、第一モーターの駆動軸の先端に嵌着されたピニオンギヤを、内回転部111に固着された第二減速ギヤ156に噛み合わせ、第二モーターの駆動軸の先端に嵌着されたピニオンギヤを、外回転部115に固着された第一減速ギヤ153に噛み合わせた構成とする。
【0102】
このように、回転駆動部150が、内回転部111を回転させるための第一モーターと、外回転部115を回転させるための第二モーターとを備えるようにすることで、内回転部111及び外回転部115はそれぞれ独立して回転することができる。
【0103】
つまり、制御部20は、1つのモーターの動力を複数の伝達ギヤの組み合せにより伝達させることなく、それぞれの回転モーターを駆動制御することにより、内回転部111及び外回転部115を互いに独立して反対回りに回転させたり、同一方向に独立して回転させたりすることもできる。
【0104】
これにより、ホイール上の複数ボールが積極的に散らされるため、プレイヤにとって抽選結果の予測が難しくなり、抽選結果に対する期待感を高めることができる。また、複雑なギヤの組合せを用いたギヤ機構が不要になるため、生産性を向上させることができる。
【0105】
なお、制御部20は、第一モーター及び第二モーターの回転速度をそれぞれ制御することにより、内回転部111及び外回転部115を互いに異なる速度で回転させることも可能である。
【0106】
<不連続な回転動作>
上記の実施形態においては、内回転部111及び外回転部115を連続回転させるゲーム装置を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、請求項1乃至5のいずれかに記載のゲーム装置であって、
回転駆動部を駆動制御する制御部は、
前記内回転部及び前記外回転部の双方が回転している際に、いずれか一方の回転を停止させ、または、
前記内回転部及び前記外回転部のうちいずれか一方が回転している際に、他方の回転を開始させるように、制御してもよい。
【0107】
すなわち、内回転部11及び外回転部115の回転が停止したり、または、その回転が再開したりするようになるため、ホイール上の複数ボールが不規則に動くようになり、プレイヤにとって抽選結果の予測が難しくなる。このため、抽選結果に対する期待感を高め、従来にない面白さをプレイヤに感じさせることができる。
なお、制御部20は、所定のゲーム回数に達した際など、ビンゴゲームにおいて所定条件が成立した際に、かかる不連続な回転動作をさせるように制御してもよい。
【0108】
<反対回転させるためのギヤ構成>
上記の実施形態においては、第二減速ギヤ156と第一伝達ギヤ154との間に、第二伝達ギヤ155を介在させることにより、内回転部111及び外回転部115を互いに反対回りに回転させるゲーム装置を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、内回転部111に固着される第二減速ギヤ156と、外回転部115に固着される第一減速ギヤ153と、回転モーター151の駆動軸に嵌着されるピニオンギヤ152とを、ベベルギヤにより構成し、このピニオンギヤ152の下側を第一減速ギヤ153に噛み合わせるとともに、当該ピニオンギヤ152の上側を第二減速ギヤ156に噛み合わせるようにしてもよい。これにより、回転モーター151の動力が、回転モーター151の駆動軸と直交する内回転部111及び外回転部115の回転中心軸へ伝達されて、内回転部111及び外回転部115は、互いに反対回りに回転することができる。このように、第一伝達ギヤ及び第二伝達ギヤを用いる必要がないため、シンプルな構造となる。
【0109】
<その他のギヤ構成>
上記の実施形態においては、3つの第一伝達ギヤ154と3つの第二伝達ギヤ155を用いて、回転モーター151の動力を内回転部111に伝える構造を有するゲーム装置を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
たとえば、本発明には、第一伝達ギヤ154と第二伝達ギヤ155をそれぞれ1つ用いて、回転モーター151の動力を内回転部111に伝える構造を有するゲーム装置も含まれる。これにより、内回転部111及び外回転部115がそれぞれ回転することで、プレイヤにとって抽選結果の予測が難しくなるため、抽選結果に対する期待感を高め、従来にない面白さをプレイヤに感じさせることができる。また、シンプルな構造となるため、バックラッシ等の調整も容易になり、製造コストを抑えることができる。
また、たとえば、第一伝達ギヤ154と第二伝達ギヤ155をそれぞれ4つ用いて、減速ギヤ153、156の周方向に90度ずつずらして均等配置し、回転モーター151の動力を内回転部111に伝える構造を有するゲーム装置であってもよい。これにより、内回転部111及び外回転部115の回転をより安定させることができる。
【0110】
<マルチゲーム>
上記の実施形態においては、本発明のゲーム装置としてビンゴゲーム装置を適用した例を示して説明したが、ビンゴゲームとキノゲームとを併用したマルチゲームとして適用してもよい。
すなわち、例えば3行×5列のマトリクス状に数字がランダムに配列されたビンゴカードと、例えば5行×6列のマトリクス状に数字が規則正しく配列されたキノカードとを含むゲーム画像を表示部31に表示し、抽選装置10の3つのホイールを用いた抽選により当選した数字と、各カードに配列された数字とを比較して、完成したビンゴ列又は一致した数字の数に基づき獲得した遊戯価値を、賞としてプレイヤに与えるようにしてもよい。
また、本発明のゲーム装置は、マルチゲームに限られるものでなく、キノのみを適用してもよい。すなわち、本発明のゲーム装置は、ビンゴやキノに限らず、複数のボール(移動体)を用いた抽選ゲームに適用してもよい。
【0111】
<その他>
前述の実施形態におけるプレイヤ端末装置30は、店舗や遊戯施設に設置される業務ゲーム装置の一部として操作されるものに限られず、家庭用ゲーム機や、携帯型ゲーム機、それ以外のコンピュータにおいても同様に適用することができる。
【0112】
また、上述したゲーム装置では、複数のプレイヤが同時に参加できる複数人参加型のゲーム装置を用いた例を説明したが、1人だけでプレイするゲーム装置であってもよい。
また、複数のビンゴゲーム装置をネットワークを介して接続して、複数台のビンゴゲーム装置によって同じ抽選結果を用いるビンゴゲームを行うことも可能である。
【0113】
また、本発明は、プレイヤ端末装置を有しないゲーム装置、すなわち、抽選装置単独のゲーム装置としても適用することができる。
また、本発明のゲーム装置は、上記で説明した構成により、単にコンピュータ演算等により決定した当選数字をランダムに表示させるという単調な抽選過程ではなく、3つのホイールに対して複数のボールを供給して一挙に当選数字を決定するという抽選過程を、視覚的にプレイヤに認識させしつつも短時間で複数の当選数字をランダムに決定することができる。このように抽選過程を見せながら当選数字(シンボル)をランダムに決定することは、不正についての問題意識が高いゲーミングマシンに適用した場合には有用である。
【符号の説明】
【0114】
1 ゲーム装置、10 抽選装置、11 第一抽選部、12 第二抽選部、13 第三抽選部、18 通信部、19 記憶部、20 制御部、30 プレイヤ端末装置、31 表示部、32 ベット操作部、33 価値入力部、34 価値払出部、35 発光部、50 ポケット、51 底面部、52 受入口、53 排出口、101 移動防止壁、102 上テーブル、103 スペーサー、104 下テーブル、105 支持部、110 第一ホイール、111 内回転部、112 載置面、113 突出部、115 外回転部、116 ベース部、118 ミドルプレート、120 第二ホイール、130 第三ホイール、140 供給部、141 供給口、142 供給路、144 供給ガイド部、150 回転駆動部、151 回転モーター、152 ピニオンギヤ、153 第一減速ギヤ、154 第一伝達ギヤ、155 第二伝達ギヤ、156 第二減速ギヤ、160 検出部、170 回収部、171 蓋体、172 開閉モーター、180 搬送部、181 回収路、190 壁体、191 ガイド部、191a 内壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸周りに回転可能に構成された内回転部と、
前記内回転部の外周に沿って配置された複数のポケットを有し、該中心軸周りに回転可能に構成された外回転部と、
前記内回転部及び前記外回転部のそれぞれを回転駆動させる回転駆動部と、
を備えたゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記回転駆動部は、
前記内回転部及び前記外回転部を互いに反対回りに回転させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲーム装置であって、
前記回転駆動部は、
前記内回転部及び前記外回転部を互いに異なる速度で回転させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のゲーム装置であって、
前記回転駆動部は、
モーターと、
前記モーターの駆動軸に嵌着されたピニオンギヤと、
前記ピニオンギヤと噛み合い、前記外回転部の回転軸に固定された第一減速ギヤと、
それぞれが前記第一減速ギヤに噛み合い、該第一減速ギヤの周囲に設けられた複数の第一伝達ギヤと、
それぞれが一対の前記第一伝達ギヤと噛み合い、回転自在に設けられた複数の第二伝達ギヤと、
複数の前記第二伝達ギヤのそれぞれに噛み合い、前記内回転部の回転軸に固定された第二減速ギヤと、
を有することを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のゲーム装置であって、
前記内回転部又は前記外回転部に移動体を供給する供給部を備え、
前記ポケットは、前記供給部から供給された移動体を受け入れる受入口を上面に有しており、
前記内回転部は、周縁部から外側へ突出し、該受入口の上方に配置される突出部を備えたことを特徴とするゲーム措置。


【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【公開番号】特開2012−24472(P2012−24472A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−168360(P2010−168360)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【出願人】(309033611)株式会社ユーノゲーミング (3)