説明

コネクタ、および、それを備えた吸引カテーテル装置

【課題】操作者の操作の適否に関係なく、吸引カテーテルの洗浄時に気管チューブ側へ洗浄液が流入しないコネクタ、および、それを備えた吸引カテーテル装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明のコネクタ2、および、それを備えた吸引カテーテル装置13によれば、吸引カテーテル6の洗浄時に、シリンジ3から洗浄ポート23に洗浄液311が注入されると、その洗浄液311の圧力によってスライドゴム弁24が洗浄ポート23内からコネクタ本体20の通路内に移動し、そのスライドゴム弁24によって、コネクタ本体20の通路が液密に遮断されるとともに、洗浄ポート23内に注入された洗浄液311が第2ポート22側の通路に流入するための流路が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気管チューブに吸引カテーテルを接続する際に用いられるコネクタ、および、それを備えた吸引カテーテル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人工呼吸器を使用している患者は、気管内に気管チューブが留置された状態のとき、気管における異物(痰など)を、自発的に口外に排出することができない。そこで、一般に、患者の気管内に留置された気管チューブ内に吸引カテーテルを挿入し、その吸引カテーテルの先端部から気管に滞留する異物を吸引除去する手法がとられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、気管チューブと接続される気管ポート、および、人工呼吸器と接続される呼吸ポートが形成されたマニホルドと、そのマニホルドを通って患者の気管チューブ内に前進して異物を吸引除去するカテーテル(「吸引カテーテル」と同義。以下同様)と、マニホルド内に配置されてカテーテルによって開閉される弁とを備える吸引カテーテル装置が記載されている。
【0004】
また、この吸引カテーテル装置では、弁は、環状リングにヒンジ止めされたフラップを有する。そして、そのフラップは、カテーテルが流路を通って移動するときに、カテーテルの末端側端部に押されて開放位置に移動する。また、そのフラップは、カテーテル洗浄のためにカテーテルが流路を通って引き戻されるときに、カテーテルを通して印加される吸引力により開放位置から閉鎖位置に移動する。
【0005】
これにより、操作者が適切な操作を行えば、カテーテルの洗浄時に、フラップが閉鎖位置にあることで、気管ポート側に洗浄液が漏れて気管チューブを経由して患者の体内に洗浄液が流入してしまうという事態は起こらない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4087567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された吸引カテーテル装置では、操作者が適切な操作を行わなかった場合、つまり、例えば、カテーテルの洗浄中に気管ポート側にカテーテルを移動させることでフラップが開放位置に移動した場合や、カテーテルの引き戻し不足でフラップが完全に閉鎖位置に移動していなかった場合には、気管ポート側に洗浄液が漏れ、気管チューブを経由して患者の体内に洗浄液が流入してしまい、肺炎や窒息などを誘発するおそれがある。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、操作者の操作の適否に関係なく、吸引カテーテルの洗浄時に気管チューブ側へ洗浄液が流入しないコネクタ、および、それを備えた吸引カテーテル装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明は、気管内の異物を吸引除去する吸引カテーテルを気管チューブに接続する際に用いられるコネクタであって、前記吸引カテーテルが挿通可能な通路を有するコネクタ本体と、前記コネクタ本体の一端に設けられ、前記気管チューブが接続される第1ポートと、前記コネクタ本体の他端に設けられ、前記吸引カテーテルを内部に収容した保護スリーブが接続される第2ポートと、前記第1ポートおよび前記第2ポートの間に設けられ、洗浄液が注入される洗浄ポートと、前記洗浄ポート内に配置され、前記洗浄ポートに前記洗浄液が注入されたときに、前記通路内に移動し、前記第1ポート側の通路を遮断するとともに、前記洗浄液を前記第2ポート側に流入させる構成の弁体と、を備えることを特徴とする。
【0010】
これによれば、吸引カテーテルの洗浄時に、弁体がコネクタ本体の通路に移動し、その弁体によって、第1ポート側の通路が遮断されるとともに、洗浄ポートに注入された洗浄液が第2ポート側に流入するようになるので、操作者の操作の適否に関係なく、構造的に、吸引カテーテルの洗浄の際に気管チューブ側へ洗浄液が流入しないコネクタを実現することができる。
【0011】
また、本発明は、前記コネクタ本体が、前記吸引カテーテルの先端が前記洗浄ポートよりも前記第1ポート側に位置する場合に、前記弁体の前記洗浄ポート内から前記通路内への移動を阻止する構成となっていることが好ましい。
【0012】
これによれば、吸引カテーテルの先端が洗浄ポートよりも第1ポート側に位置する場合には、弁体が洗浄ポート内から通路内へ移動しないので、洗浄液が洗浄ポートから通路に出る流路が形成されず、洗浄液が気管チューブ側へ流入する事態を回避できる。
【0013】
また、本発明は、一端が前記弁体に、他端が前記洗浄ポートの内壁に固定された弾性体を、さらに備え、前記弁体は、前記洗浄ポートに注入された前記洗浄液の圧力によって、前記弾性体が伸ばされて、前記通路内に移動し、前記洗浄液の圧力が減少したときに、前記弾性体の収縮力によって、前記洗浄ポート内に戻ることを特徴とするコネクタであることが好ましい。
【0014】
これによれば、洗浄ポートへの洗浄液の注入が終わった後、弾性体の収縮力によって弁体が洗浄ポート内に自動的に戻るので、操作者が弁体を操作する手間を省くことができる。
【0015】
また、本発明は、前記弾性体が、コイルスプリングであることが好ましい。
【0016】
これによれば、コイルスプリングを用いることで、低コストで耐久性に優れた弾性体を実現することができる。
【0017】
また、本発明は、気管チューブと接続して、気管内の異物を吸引除去する吸引カテーテル装置であって、前記コネクタと、前記コネクタの前記通路に挿通される吸引カテーテルと、前記吸引カテーテルを収容し、前記第2ポートと接続される保護スリーブと、を備えることを特徴とする吸引カテーテル装置であることが好ましい。
【0018】
これによれば、操作者の操作の適否に関係なく、構造的に、吸引カテーテルの洗浄の際に気管チューブ側へ洗浄液が流入しないコネクタを含んだ吸引カテーテル装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、操作者の操作の適否に関係なく、吸引カテーテルの洗浄の際に気管チューブ側へ洗浄液が流入しないコネクタ、および、それを備えた吸引カテーテル装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態の吸引カテーテルシステムの全体構成図であって、(a)は吸引カテーテルの洗浄前の様子を示す図であり、(b)は吸引カテーテルの洗浄中の様子を示す図である。
【図2】(a)は洗浄ポート内に配置されるスライドゴム弁の斜視図であり、(b)は図1(a)のA−A断面図であり、(b)は図1(b)のB−B断面図である。
【図3】吸引カテーテルシステムについて、操作者による操作と、そのときの吸引カテーテル装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態と称する。)について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、人工呼吸器を使用している患者に対して、気管内に挿入された気管チューブを外さないで気管に滞留する異物を吸引除去することを前提とする。また、気管チューブには、いわゆる気管挿管チューブ(口から気管に挿入するチューブ)と気管切開チューブ(喉を切開してその部分から気管に挿入するチューブ)とがあるが、本実施形態の吸引カテーテルシステムはいずれの気管チューブにも適用できる。
【0022】
まず、本実施形態の吸引カテーテルシステムの構成について説明する。図1(a)に示すように、吸引カテーテルシステム1は、コネクタ2、シリンジ3、気管チューブ4、第1ポート用コネクタ5、吸引カテーテル6、保護スリーブ7、第2ポート用コネクタ8、排液チューブ9、コネクタ10および吸引ポンプ11を備えて構成される。なお、以下、上下左右の方向は、図1(a)(b)に示す通りとし、他図もそれに従うものとする。また、コネクタ2、吸引カテーテル6、保護スリーブ7、第2ポート用コネクタ8およびコネクタ10をまとめて吸引カテーテル装置13と称する。
【0023】
コネクタ2は、患者の気管内の異物を吸引除去する吸引カテーテル6を気管チューブ4に接続する際に用いられる手段であり、コネクタ本体20、第1ポート21、第2ポート22、洗浄ポート23、スライドゴム弁24およびコイルスプリング25を備えて構成される。なお、コネクタ本体20、第1ポート21、第2ポート22および洗浄ポート23は、例えば一体形成により製造されるが、それ以外の方法で製造されてもよい。
【0024】
コネクタ本体20は、コネクタ2の本体であり、吸引カテーテル6が挿通可能な通路を有する。
第1ポート21は、コネクタ本体20の一端に設けられ、気管チューブ4が接続されるポートである。
第2ポート22は、コネクタ本体20の他端に設けられ、吸引カテーテル6を内部に収容した保護スリーブ7が接続されるポートである。
【0025】
洗浄ポート23は、第1ポート21および第2ポート22の間に設けられ、洗浄液311(生理食塩水、滅菌水など)を収容したシリンジ3が接続されるポートである。なお、この接続は、ねじ式でもよいし、圧入式でもよいし、その他でもよい。
【0026】
スライドゴム弁24(弁体)は、洗浄ポート23内に配置され、洗浄ポート23に洗浄液311が注入されたときに、コネクタ本体20の通路内に移動し、第1ポート21側の通路を遮断するとともに、洗浄液311を第2ポート22側に流入させる構成となっている。
【0027】
具体的には、図2(a)に示すように、スライドゴム弁24は、全体が円筒形状で、切欠部241とコイルスプリング取付部242とを備えている。そして、図2(b)(c)に示すように、スライドゴム弁24は、2つのコイルスプリング25(弾性体)を介して、洗浄ポート23においてシリンジ3が接続される側の内壁に取り付けられる。
【0028】
2つのコイルスプリング25により、スライドゴム弁24が上下にスライドしても、切欠部241は常に第2ポート22側に向いている。また、スライドゴム弁24が下端まで移動した後、洗浄ポート23内にシリンジ3から注入された洗浄液311の圧力が減少したとき、伸びている2つのコイルスプリング25の収縮力によって、スライドゴム弁24が上方に移動して洗浄ポート23内に戻る。
【0029】
なお、コイルスプリング25としては、2つで使用した場合に、洗浄ポート23内の洗浄液311の圧力が30〜90kPa程度のときに、スライドゴム弁24が最下端まで移動するほどの収縮力を有しているものが、操作のしやすさの観点から好ましい。
【0030】
シリンジ3は、外筒31とプランジャ32とを備えて構成される。外筒31の内部には、洗浄液311が収容される。外筒31の先端部は洗浄ポート23に接続される。
【0031】
気管チューブ4は、人工呼吸のために患者の気管内に挿入されるチューブであり、一端が第1ポート用コネクタ5を介して第1ポート21に接続され、他端(不図示)が患者の気管内に挿入される。
【0032】
吸引カテーテル6は、患者の気管に滞留する異物を吸引除去するためのカテーテルであり、保護スリーブ7の内部に収容される。なお、吸引カテーテル6の先端部61付近に、先端部61の位置の目視確認用のマーク(不図示)を付しておいてもよい。
保護スリーブ7は、柔らかくて簡単に変形し、かつ、高耐久性で破れにくい素材(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロンなど)により構成される。
【0033】
保護スリーブ7の一端は、第2ポート用コネクタ8を介して第2ポート22に接続される。そのとき、吸引カテーテル6の先端部61が第2ポート22からコネクタ本体20の通路に挿入される。また、保護スリーブ7の他端は、コネクタ10を介して排液チューブ9の一端に接続される。排液チューブ9の他端は吸引ポンプ11に接続される。
【0034】
吸引ポンプ11は、所定の圧力で吸引を行うポンプであり、ONスイッチ111とOFFスイッチ112が設けられている。なお、排液チューブ9の途中に圧力調整バルブを設けてもよい。
また、第1ポート21から第2ポート22までの全長は、例えば、20〜30mm程度である。
【0035】
次に、図1〜図3を参照して、吸引カテーテルシステム1について、操作者による操作と、そのときの吸引カテーテル装置13の動作について説明する。
操作者が、保護スリーブ7越しに吸引カテーテル6を操作して、患者の気管に滞留する異物を吸引除去した後、吸引カテーテル6を引っ張ると(S11(図3参照。以下同様))、吸引カテーテル6の先端部61は、気管チューブ4、第1ポート21を通過し、洗浄ポート23よりも第2ポート22側に移動する(S21)。このとき、吸引カテーテル6には、内部だけでなく、先端部61付近の外周面(以下、単に「外周面」と称する。)にも、異物12が付着しており、吸引カテーテル6の内部および外周面を洗浄する必要がある。
【0036】
次に、操作者が、吸引ポンプ11のONスイッチ111を押すと(S12)、吸引カテーテル6の先端部61からの吸引が開始する(S22)。
その直後に、操作者が、シリンジ3のプランジャ32を押すと(S13)、外筒31内から洗浄ポート23内に洗浄液311が注入される。その注入された洗浄液311の圧力によって、金属性のコイルスプリング25が伸ばされて、スライドゴム弁24は洗浄ポート23内からコネクタ本体20の通路内に移動(スライド)する。
【0037】
スライドゴム弁24がコネクタ本体20の通路の下側まで移動すると、コネクタ本体20の通路が液密に遮断される(S23の前半)。また、スライドゴム弁24における切欠部241の存在によって、洗浄ポート23と第2ポート22側の通路との間に流路が形成され、洗浄ポート23から第2ポート22側の通路に洗浄液311が流入する(S23の後半)。これによって、第2ポート22側の通路内に洗浄液311が行き渡り、また、吸引ポンプ11で吸引していることから、吸引カテーテル6の先端部61から洗浄液311と異物12が吸引され、吸引カテーテル6の内部および外周面が洗浄される。
【0038】
続いて、外筒31内の洗浄液311がなくなって、操作者が、シリンジ3のプランジャ32を押すことをやめると(S14)、洗浄ポート23内の洗浄液311による圧力が減少し、伸びているコイルスプリング25の収縮力によって、スライドゴム弁24は上方に移動(スライド)して洗浄ポート23内(図1(a)に示す位置)に戻る(S24)。
【0039】
これにより、シリンジ3から洗浄ポート23に対する洗浄液311の注入が終わった後、コイルスプリング25の収縮力によってスライドゴム弁24が移動して洗浄ポート23内に自動的に戻るので、操作者がスライドゴム弁24を操作する手間を省くことができる。なお、弾性体としてコイルスプリング25を用いることで、低コストで耐久性に優れているという利点を享受できる。なお、コイルスプリング25としては、洗浄液311によって変質しない素材が用いられる。
【0040】
次に、操作者が、吸引ポンプ11のOFFスイッチ112を押すと(S15)、吸引カテーテル6の先端部61からの吸引が終了する(S25)。
【0041】
このように、本実施形態によれば、吸引カテーテル6の洗浄時に、シリンジ3から洗浄ポート23に洗浄液311が注入されると、その洗浄液311の圧力によってスライドゴム弁24が洗浄ポート23内からコネクタ本体20の通路内に移動し、そのスライドゴム弁24によって、コネクタ本体20の通路が液密に遮断されるとともに、洗浄ポート23内に注入された洗浄液311が第2ポート22側の通路に流入するための流路が形成されるので、操作者の操作の適否に関係なく、構造的に、吸引カテーテル6の洗浄の際に気管チューブ4側へ洗浄液311が流入しないコネクタ2、および、それを備えた吸引カテーテル装置13を実現することができる。
【0042】
また、このような構造により、図1(a)に示す場合のように、吸引カテーテル6の先端部61が洗浄ポート23よりも第1ポート21側にあるときには、操作者がシリンジ3のプランジャ32を押しても、吸引カテーテル6が邪魔してスライドゴム弁24が下に移動できず、洗浄液311が洗浄ポート23から通路に出る流路が形成されないので、洗浄液311が第1ポート21から気管チューブ4側に誤って流れる事態を回避できる。
【0043】
以上で本実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。
例えば、コイルスプリング25は必須の構成ではなく、代わりに、洗浄ポート23の外側から操作者がスライドゴム弁24を上下にスライドさせる機構を採用してもよい。その場合でも、操作者の操作の適否に関係なく、構造的に、吸引カテーテル6の洗浄の際に気管チューブ4側へ洗浄液311が流入しないコネクタ2、および、それを備えた吸引カテーテル装置13を実現することができる。
【0044】
また、コイルスプリング25は、2つに限定されず、1つや3つ以上であってもよい。また、その場合も含め、スライドゴム弁24が上下にスライドしても、切欠部241が常に第2ポート22側に向くように、スライドゴム弁24の外周面や洗浄ポート23の内周面に上下方向の凹部や凸部を設ける機構を採用してもよい。
また、コイルスプリング25の代わりに、伸縮性に富んで収縮力の強い樹脂を使用してもよい。
その他、具体的な構成について、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 吸引カテーテルシステム
2 コネクタ
3 シリンジ
4 気管チューブ
5 第1ポート用コネクタ
6 吸引カテーテル
7 保護スリーブ
8 第2ポート用コネクタ
9 排液チューブ
10 コネクタ
11 吸引ポンプ
12 異物
13 吸引カテーテル装置
20 コネクタ本体
21 第1ポート
22 第2ポート
23 洗浄ポート
24 スライドゴム弁(弁体)
25 コイルスプリング(弾性体)
31 外筒
32 プランジャ
61 先端部
111 ONスイッチ
112 OFFスイッチ
241 切欠部
242 コイルスプリング取付部
311 洗浄液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気管内の異物を吸引除去する吸引カテーテルを気管チューブに接続する際に用いられるコネクタであって、
前記吸引カテーテルが挿通可能な通路を有するコネクタ本体と、
前記コネクタ本体の一端に設けられ、前記気管チューブが接続される第1ポートと、
前記コネクタ本体の他端に設けられ、前記吸引カテーテルを内部に収容した保護スリーブが接続される第2ポートと、
前記第1ポートおよび前記第2ポートの間に設けられ、洗浄液が注入される洗浄ポートと、
前記洗浄ポート内に配置され、前記洗浄ポートに前記洗浄液が注入されたときに、前記通路内に移動し、前記第1ポート側の通路を遮断するとともに、前記洗浄液を前記第2ポート側に流入させる構成の弁体と、
を備えることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記コネクタ本体は、
前記吸引カテーテルの先端が前記洗浄ポートよりも前記第1ポート側に位置する場合に、前記弁体の前記洗浄ポート内から前記通路内への移動を阻止する構成となっている
ことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
一端が前記弁体に、他端が前記洗浄ポートの内壁に固定された弾性体を、さらに備え、
前記弁体は、前記洗浄ポートに注入された前記洗浄液の圧力によって、前記弾性体が伸ばされて、前記通路内に移動し、前記洗浄液の圧力が減少したときに、前記弾性体の収縮力によって、前記洗浄ポート内に戻る
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記弾性体は、コイルスプリングであることを特徴とする請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
気管チューブと接続して、気管内の異物を吸引除去する吸引カテーテル装置であって、
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のコネクタと、
前記コネクタの前記通路に挿通される吸引カテーテルと、
前記吸引カテーテルを収容し、前記第2ポートと接続される保護スリーブと、
を備えることを特徴とする吸引カテーテル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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