説明

コンクリート型枠への継手金物取付構造

【課題】雌継手金物に取付部材を係合させて、これら取付部材を型枠の定位置へ楔止めすることで、継手金物のコンクリート型枠への取り付けを簡便な構造で速やかに行える継手金物のコンクリート型枠への取付構造を提供すること。
【解決手段】雌継手金物11にその係止溝13係合部14を係合させることで取付部材13を取り付け、この取付部材13を雌継手金物11の受座15に設けた貫通孔16より外に出して雌継手金物11を受座15に支持させると、取付部材11の下部にあけた楔孔17が楔受部18より下側に位置して、該楔孔17へ楔19を打ち込むと雌継手金物11が取付部材13により端枠5へ固定され、上記楔孔17から楔19を引き抜くと雌継手金物11が取付部材13とともに端枠5より離脱されるように構成されていること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形品の端縁へインサートして成形品の接合を行う雌雄の継手金物を型枠へ固定する継手金物の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリートセグメントを成型する型枠においては特許文献1に示されるように、端板24の外側における底部のベース板32に固定されたガイド金具33と、ガイド金具33に保持された係合金具34と、係合金具34に形成されたねじ孔にねじ込まれたボールスクリュー36とから接合金具保持機構31を構成して、端板24に形成された凸部43の切欠部44に接合金具3を配置させ、ボールスクリュー36を回転させて、係合金具34を摺動させ、係合金具34の係合保持部を接合金具3の係合空間内へ挿入させて係合させ、接合金具3を端板4に保持させる技術と、他方の端板24の外側における底部のベース板32に固定されたガイド金具33と、ガイド金具33に保持された係合金具54と、係合金具54に形成されたねじ孔にねじ込まれたボールスクリュー36とから雄金具保持機構53を構成して、端板24に形成された挿入口66を通して雄金具51の係止片部64が端板24の外へ出るように配置させ、ボールスクリュー36を回転させて、係合金具34を摺動させると、係合金具54の係合片部6の係止面63が雄金具51の係合部52へ挿入されて係合させ、雄金具51を端板24に保持させる技術は知られている。
【特許文献1】特開2000−61921号
【0003】
しかしながら、係合金具をボールスクリューに支持させて、このボールスクリューを回転させることで係合金具を摺動させ、係合金具に設けた係合保持部を接合金具の係合空間や係合面へ係合させて、接合金具や雄金具を端板に保持させる場合は、金具保持機構が大掛かりなものとなって、しかも、係合金具を接合金具または雄金具へ係合、あるいは離脱させるためには、係合金具を接合金具や雄金具の長さ以上の距離を動かさなければならないという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記問題点を解消し、雌雄の継手金物に取付部材を取り付けて、これら取付部材を型枠の定位置へ楔またはボルトで固定することにより、継手金物のコンクリート型枠への取り付けを簡便な構造で速やかに行えるコンクリート型枠への継手金物取付構造を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため本発明に係る継手金物のコンクリート製品への取付構造は、下記の構成を採用することを特徴とする。
【0006】
請求項1に係る発明は、端縁に雌継手金物と雄継手金物がインサートされた製品を成形するコンクリート型枠へ雌継手金物と雄継手金物を取り付けるコンクリート型枠への継手金物取付構造であって、雌継手金物の取付構造は、雌継手金物にその係止溝へ係合部を係合させることで取付部材を取り付け、この取付部材を雌継手金物の受座に設けた貫通孔より外に出して雌継手金物を受座に支持させると、取付部材の下部にあけた楔孔が楔受部より下側に位置して、該楔孔へ楔を打ち込むと雌継手金物が取付部材により端枠へ固定され
、上記楔孔から楔を引き抜くと雌継手金物が取付部材とともに端枠より離脱されるように構成されていること。
【0007】
請求項2に係る発明は、上記楔孔に打ち込まれた楔の適所に、ねじ等の振動により緩みを防止する部材を係合させてあること。
【0008】
請求項3に係る発明は、上記コンクリート型枠の端枠の内面に設けて雌継手金物を支持させる受座は、雌継手金物に設けた係止溝の開放側に、この開放に通ずる接合用の空間を形成する形成部材が連設されていること。
【0009】
請求項4に係る発明は、上記雌継手金物の受座に連設する空間の形成部材は、雌継手金物との間に間隙を有して、この間隙に雌継手金物に設けた係止溝を密封するシール部材を装着されていること。
【0010】
請求項5に係る発明は、端縁に雌継手金物と雄継手金物がインサートされた製品を成形するコンクリート型枠へ雌継手金物と雄継手金物を取り付けるコンクリート型枠への継手金物取付構造であって、雄継手金物の取付構造は、雄継手金物に設けて雌継手金物の係止溝へ係合させる係合部に、該係合部の半分ずつが収まる凹部を有する一対の挟持体を結合して形成した取付部材を取り付け、この取付部材をコンクリート型枠の端枠に設けた窓孔より外へ出して、上部に設けた鍔部を窓孔の段部に係合させ、上記窓孔の段部と取付部材の鍔縁をねじで結合すると、雄継手金物が取付部材により端枠へ固定され、上記段部と鍔縁を結合するねじを外すと雄継手金物が取付部材とともに端枠より離脱されるように構成されていること。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明の効果 雌継手金物にその係止溝へ係合部を係合させて取付部材を取り付け、該取付部材を端枠に設けた受座の貫通孔を貫通させて端枠より外に出し、下部に設けた楔孔を楔受部の下に位置させて、楔孔に楔を打ち込むと雌継手金物が取付部材により端枠へ固定され、楔孔から楔を抜き取れば取付部材が受座より遊離して、雌継手金物を取付部材とともに端枠より離脱することができるから、継手金物の取付構造がボールスクリューを用いたものに比べて小型で単純なものとなり、継手金物の取付及び取り外しも容易且つ迅速に行える。
【0012】
請求項2に係る発明の効果 楔孔に打ち込まれた楔の適所にねじ等の緩み止を係合させれば、型枠を振動機で振動させながらコンクリート製品の成形を行っても、楔が緩んで雌継手金物の位置ずれや離脱を生ずることがない。
【0013】
請求項3に係る発明の効果 雌継手金物を支持する受座に雌継手金物の係止溝の開放部に通ずる空間を形成する空間形成部を連設してあるのため、コンクリート製品に雌継手金物の係止溝へ雄継手金物の係合部を係合させる継手操作を行うための空間を形成することができる。
【0014】
請求項4に係る発明の効果 雌継手金物の受座に連設した空間形成部を雌継手金物との間に隙間が出来るようにして、この隙間をシール部材を装着することで密封させれば、雌継手金物の係止溝へノロが浸入して係止溝を汚損、変形させることがない。
【0015】
請求項5に係る発明の効果 雄継手金物にその係合部を一対の挟持体に挟持させることで取付部材を取り付け、該取付部材を端枠に設けた窓孔より外に出し、上部に設けた鍔縁を窓孔に設けた段部に係合させて、該段部と鍔縁とを取り付けねじで結合すれば、雄継手金物が取付部材へ固定され、段部と鍔縁を結合する取付ねじを取り外せば雄継手金物が取付部材とともに端枠より離脱されるものであるから、継手金物の取付構造がボールスクリューを用いた従来ものに比べて小型で単純なものになり、継手金物の取付及び取り外しも容易且つ迅速に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図2〜図12は、本発明に係るコンクリート型枠への継手金物取付構造の雌継手金物へ実施形態を示すものである。
【0017】
図1において符号1は、コンクリート型枠を示す。このコンクリート型枠1は、図22〜図24に一部分を示すセグメント2を成型するものであり、円弧状をなす定盤3と、この定盤3の前側と後側に配置した一対の側枠4(前側は図示せず)と、上記定盤3の左側と右側に配置した一対の端枠5とで構成される。そして、上記側枠4は下端を台部6へ枢着した一対の回動アーム7、7に支持させ、端枠5は台部6に設けたガイド8を進退機構9により進退される移動台10に支持させることで、上記側枠3の起伏と端枠5の進退によって型枠1の型組み及び型ばらしが容易に行われようにしてある。
【0018】
図2、図3において符合Aは、上記コンクリート型枠1の端枠5へ雌継手金物11を取付ける雌継手金物の取付構造を示す。この取付構造Aは、雌継手金物11にその係止溝12へ係合部14を係合させることで取付部材13を取り付け、この取付部材13を雌継手金物11の受座15に設けた貫通孔16より外に出して雌継手金物11を受座15に支持させると、取付部材13の下部にあけた楔孔17が楔受部18より下側に位置して、該楔孔17へ楔19を打ち込むと雌継手金物11が取付部材13により端枠5へ固定され、上記楔孔17から楔19を引き抜くと雌継手金物11が取付部材13とともに端枠5より離脱されるように構成されていること。
【0019】
上記雌継手金物11は、図4(a)(b)に示す通り継手部11aと、アンカー取付部11bとで構成されて、継手部11aは図4(a)に示す通りの蟻型をなして係止溝12の一方が図4(b)に示す通り開放し、他端が閉塞するように設けられる。そして、この係止溝12の後記雄継手金物に設けた係合部を支持させる係止縁20は先上がりに傾かせてあり、アンカーの取付部11bは、2つのねじ孔21を設けて、これらねじ孔21に図24の右側に示す通りアンカー22のねじ部23をねじ込むようにしてある。
【0020】
上記雌継手金物11の取付部材13は、図5(a)(b)に示す通り細長い板状体であって、上部に雌継手金物11の係止溝12へ係合する係合部14を取り付けられ、係合部14と取付部材13の基部とで蟻ほぞ型をなすように形成させる。そして、係合部14の係止溝12へ係合する係合縁24は先上がりに傾かせてあり、また、取付部材13の受座15に設けた貫通孔16より外へ出る部分には、傾斜する下縁17aで楔19を受ける楔孔17を形成してある。
【0021】
上記受座15は、図6に示す通り雌継手金物11の継手部11aの下端を当接させるようにコンクリート型枠1における端枠5の内面に設けられて、上記の通り中央部に取付部材13を貫通させる貫通孔16を形成され、裏側には楔孔17に打ち込まれる楔19を支持させる楔受部18を付設してある。
【0022】
図3において符号25は、貫通孔16から外に出た取付部材13の一側に対設したねじの支持駒を示す。この支持駒25は楔19の先端に設けた雌ねじ26に螺合する止めねじ27を支持させるともに、その下部に取付部材13の下端に当接して、楔19の打ち込みで取付部材13が曲げられるのを防止する受片28を付設してある。
【0023】
図2、図7において符号29は、セグメント2に雌継手金物11の係止溝12に通ずる接合空間30を図22〜図23に示す通り形成させる形成部材を示す。この形成部材29は図2に示す通り、雌継手金物11に設けた係止溝12の開放側を閉塞し得る断面積を有して、一端は側枠4に達するが、他端は雌継手金物11の間に図10、図11に示す通り隙間31を有する長さに形成して、この隙間31に図12に示す通りシール部材32を装着することで雌継手金物11の係止溝12が密封されるようにしてある。
【0024】
上記構成の雌継手金物の取付構造Aは、図7に実線で示す通り取付部材13の係合部14を雌継手金物11の係止溝12に対応させて取付部材13を矢印方向へ移動させ、係合部14を係止溝12へ同図に鎖線で示す通り挿入すると、取付部材13は図8に示す通り係合縁24と係止溝12の係止縁20との係合で雌継手金物11に支持されるから、取付部材13を図9に示す通り受座15にあけた貫通孔16へ挿入し、雌継手金物11の下端が図10に示す通り受座15へ当たるまで下降させると、取付部材13の下部が同図の通り端枠5より外側へ出て、楔孔17を楔受部18の下側に位置させる。そこで、この楔孔17へ図11に示す通り楔19を打ち込んで、楔19の斜面19aで取付部材13を押し下げさせると、雌継手金物11は取付部材13の係合部14で受座15へ圧接固定されるから、楔17の先端側に設けた雌ねじ26へ支持駒25に支持させた止めねじ27を螺合させて楔19の緩み止めを行い、雌継手金物11の開口部と接合空間30の形成部材29との間に生ずる隙間31をシール部材32で密閉させれば、雌継手金物11を取付部材で端枠5の定位置へ確実に固定する操作を容易に行える。
【0025】
上記の通り端枠5へ取付けられた雌継手金物11を端枠5より取り外すときは、楔19の雌ねじ26に螺合させた止めねじ27を外して楔孔17から楔19を抜き取れば、取付部材13が端枠5から遊離するので、雌継手金物11を取付部材13とともに端枠5から離脱する操作も容易に行える。
【0026】
図13〜図21は、本発明に係るコンクリート型枠への継手金物取付構造の雄継手金物へ実施形態を示すものである。
【0027】
図13、図14において符号Bは、型枠1の端枠5へ雄継手金物33を取り付ける取付構造を示す。この取付構造Bは、雄継手金物の取付構造は、雄継手金物33に設けて雌継手金物11の係止溝12へ係合させる係合部34に、該係合部34の半分ずつが収まる凹部35と凹部36とを有する一対の挟持体37と挟持体38を結合して形成した取付部材39を取り付け、この取付部材39をコンクリート型枠1における端枠5の内側に設けた窓孔40から外へ出して、上部に設けた鍔縁41と鍔縁42を窓孔40の段部43へ係合させ、上記窓孔40の段部43と取付部材39の鍔縁41と鍔部42とを取付ねじ44で結合すると、雄継手金物33が取付部材39で端枠5へ固定され、上記段部43と鍔縁41と鍔縁42とを結合する取付ねじ44を外すと雄継手金物33が取付部材39とともに端枠5より離脱されるように構成されている。
【0028】
上記雄継手金物33は、図15(a)(b)に示す通り継手部33aと、アンカー取付部33bとで構成されて、継手部33aは下部に図15(a)に示す通り、板状部の基部とで蟻型をなす係合部34が形成されて、この係合部34は雌継手金物11の係止縁20と同様、先上りに傾く係合縁45を有しており、アンカー取付部33bは、2つのねじ孔46を設けて、これらねじ孔46へ図24に示す通りアンカー47のねじ48をねじ込むようにしてある。
【0029】
上記取付部材39は、図16(a)(b)(c)(d)に示す通り、一対の挟持体37と挟持体38の内側に雄継手金物33の蟻ほぞ形をなす係合部34〔図15(a)参照〕の半分ずつが収まる凹部35と凹部36を形成して、挟持体37と挟持体38を結合すると、凹部35と凹部36で雄継手金物33の係合部34が挟持されるため雄継手金物33へ取り付けられるものであって、挟持体37と挟持体38の上部には前後への張り出しは小さく、左右への張り出しは大きい鍔縁41と鍔縁42を付設されて、張り出しが大きい左右の部分には取付ねじ44を螺合するねじ孔49を設け、凹部35と凹部36の下側に位置する壁50は、凹部35と凹部36に跨る一連のものとして、中央部に押しねじ51を螺合するねじ孔52を設けてある。
【0030】
また、上記取付部材39は、分離した挟持体37と挟持体38を凹部35と凹部36へ雄継手金物33の係合部34が半分ずつ収まるように合わせて、挟持体37と挟持体38をねじで結合することにより形成する。このため、挟持体37と挟持体38には、図16(d)に示す通り、挟持体37側に結合ねじ53(図19参照)の通孔54を設け、挟持体38側に結合ねじ53を螺合するねじ孔55を設けて、挟持体37と挟持体38を結合ねじ53で結合した取付部材39が容易に形成されるようにする。また、挟持体37と挟持体38は、接合面を平面に形成すると、結合時に位置ずれを生じ易いので、接合面の両端部に図16(a)に示す通り、凹部と凸部の係合による位置合わせ手段56を設け、更に、凹部35と凹部36の開口側には凹部へのノロの侵入を防止させるシール部材57を設けてある。
【0031】
上記取付部材39を端枠5の外へ出すため該端枠5に形成する窓孔40は、図17に示す通り挟持体37と挟持体38を結合した取付部材39が容易に通る大きさに形成して、上部には取付部材39を形成する挟持体37と挟持体38の上部に設けた鍔縁41及び鍔縁42を係合させる段部43を形成して、この段部43の鍔縁41と鍔縁42に設けられるねじ孔49に対応する位置には、取付ねじ44を通す通孔58をあけてある。
【0032】
上記構成の雌継手金物の取付構造Bは、図18に示す通り、雄継手金物33の係合部34へ両側から挟持体37と挟持体38を添え付けて、挟持体37と挟持体38で係合部34を図19に示す通りに挟ませ、挟持体37側の通孔54から挟持体37側のねじ孔55へ同図の通り結合ねじ53を螺合させると、挟持体37と挟持体38は図20に示す通り結合されて取付部材39を形成する。そこで、凹部35と凹部36の下側に位置する壁50に設けたねじ孔52へ押しねじ51を螺合させると、この押しねじ51が雄継手金物33の係合部34を押し上げて係合縁45に係合させるため、雄継手金物33は挟持体37と挟持体38が合体した取付部材39に支持されるから、この状態において、窓孔40の段部43に開けた孔58から鍔縁41と鍔縁42に設けたねじ孔49へ取付ねじ44を螺合させれば、雄継手金物33を取付部材39で端枠5へ取り付ける操作が容易に行える。
【0033】
上記の通り端枠5へ取り付けられた雄継手金物33を端枠5から離脱するには、窓孔40の段部43と鍔縁41及び鍔縁42とを結合する取付ねじ44を取り外せば、取付部材39が端枠5から離れるため、雄継手金物33を取付部材39とともに端枠5より離脱する操作も容易に行える。
【0034】
上記雌継手金物の取付構造A及び雄継手金物の取付構造Bで雌継手金物11と雄継手金物33をコンクリート型枠1の端枠5へ取り付けて、コンクリート型枠1へコンクリートの打設を行えば、図22(a)(b)に示す通り、接合する端縁2aに雌継手金物11と雄継手金物33がインサートされたセグメント2が成形される。そこで、2つのセグメント2の端縁2aを図22(a)に示す通り、一方の接合空間30に他方の雄継手金物33が位置するように当接させて置いて、一方のセグメント2をインサートされた雄継手金物33の係合部34が他方のセグメント2にインサートされた雌継手金物11の係止溝12へ入り込むように移動させると、雌継手金物11の係止溝12へ雄継手金物33の係合部34が図22(b)に示す通り係合して端縁2a、2aの引付けを行うため、2つのセグメント2、2は端縁2aが密着するように強力に接合される。
【0035】
また、上記取付構造A及び取付構造Bによれば、セグメント2の端縁2aが図23(a)(b)に示す通りセグメント2の軸心に対して斜交する場合も、雌継手金物11は端枠5に設ける受座15と、空間30の形成部材29とを雌継手金物11が軸心と平行するように支持される形状に変更し、雄継手金物33に対しては、端枠5の内側へ雄継手金物33を軸心と平行するように支持する補正座(図面省略)を設ければ、端枠5へ雌継手金物11と雄継手金物33を図23(a)に示す通りセグメント2の軸心と平行するように取り付けて、雌継手金物11と雄継手金物33がインサートされたセグメント2を形成し、雌継手金物11と雄継手金物33の係合によって図23(b)に示す通りに接合することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明に係るコンクリート型枠への継手金物取付構造は、端縁に雄、雌の継手金物をインサートして、継手金物の係合により所要数を接合して暗渠やトンネル等を構成させるコンクリートセグメント等の製造に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】端枠へ継手金物の取付構造を適用するコンクリート型枠の縦断正面図
【図2】雌継手金物をコンクリート型枠へ取付ける取付構造の中央縦断断正面図
【図3】同上の中央縦断側面図
【図4】(a)(b)は雌継手金物の側面図と縦断正面図
【図5】(a)(b)は雌継手金物へ取り付ける取付部材の正面図と側面図
【図6】端枠に設けて貫通孔をあけた受座の平面図
【図7】雌継手金物へ取付部材を取り付けようとする説明図
【図8】雌継手金物へ取付部材が取り付けられた説明図
【図9】雌継手金物へ取り付けた取付部材を受座の貫通孔へ挿入する説明図
【図10】取付部材が貫通孔を貫通して雌継手金物が受座に乗った説明図
【図11】取付部材に設けた楔孔へ楔を打ち込んで雌継手金物を受座へ圧接した説明図
【図12】打ち込んだ楔のねじ孔へ止めねじを螺合して楔の緩みを止めた説明図
【図13】雄継手金物をコンクリート型枠へ取付ける取付構造の中央縦断断側面図
【図14】同上の中央縦断正面図
【図15】(a)(b)は、雄継手金物の側面図と正面図
【図16】(a)(b)(c)(d)は、雄継手金物へ取り付ける取付部材の平面図、中央縦断正面図、中央縦断側面図、分離させた場合の中央縦断側面図
【図17】端枠に設けて上部に段部を形成した窓孔の平面図
【図18】雄継手金物の継手部を取付部材の一対の挟持体で挟ませようとする説明図
【図19】継手部を挟持した一対の挟持体をねじ結合している説明図
【図20】雄継手金物へ取り付けた取付部材を端枠の窓孔に挿入しようとする説明図
【図21】窓孔に収まった取付部材の縁部を窓枠の段部へ取付ねじで結合する説明図
【図22】(a)(b)は、軸心と平行する端枠へ雌継手金物と雄継手金物を取付けて成形したセグメントを継手金物で接合する説明図。
【図23】(a)(b)は、軸心と斜交する端枠へ雌継手金物と雄継手金物を取付けて成形したセグメントを継手金物で接合する説明図。
【図24】雌継手金物の係止溝に雄継手金物の係合部を係合させて、セグメントを接合した状態を示す説明図。
【符号の説明】
【0038】
A 雌継手金物の取付構造
1 コンクリート型枠
5 端枠
11 雌継手金物
12 係止溝
13 取付部材
14 係合部
15 受座
16 貫通孔
17 楔孔
18 楔受部
19 楔
B 雄継手金物の取付構造
33 雄継手金物
34 係合部
35、36 凹部
37、38 挟持体
39 取付部材
40 窓孔
41、42 鍔縁
43 段部
44 取付ねじ
46 ねじ孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端縁に雌継手金物と雄継手金物がインサートされた製品を成形するコンクリート型枠へ雌継手金物と雄継手金物を取り付けるコンクリート型枠への継手金物取付構造であって、
雌継手金物の取付構造は、雌継手金物にその係止溝へ係合部を係合させることで取付部材を取り付け、
この取付部材を雌継手金物の受座に設けた貫通孔より外に出して、雌継手金物を受座に支持させると、取付部材の下部にあけた楔孔が楔受部より下側に位置して、
該楔孔へ楔を打ち込むと雌継手金物が取付部材により端枠へ固定され、上記楔孔から楔を引き抜くと雌継手金物が取付部材とともに端枠より離脱されるように構成されている
ことを特徴とするコンクリート型枠への継手金物取付構造。
【請求項2】
上記楔孔に打ち込まれた楔の適所に、ねじ等の振動により緩みを防止する部材を係合させてある
ことを特徴とする請求項1に記載のコンクリート型枠への継手金物取付構造。
【請求項3】
上記コンクリート型枠の端枠の内面に設けて雌継手金物を支持させる受座は、雌継手金物に設けた係止溝の開放側に、この開放に通ずる接合用の空間を形成する形成部材を連設されている
ことを特徴とする請求項1及び請求項2に記載のコンクリート型枠への継手金物取付構造。
【請求項4】
上記雌継手金物の受座に連設する空間の形成部材は、雌継手金物との間に間隙を有して
、この間隙に雌継手金物に設けた係止溝を密封するシール部材を装着されている
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のコンクリート型枠への継手金物取付構造。
【請求項5】
端縁に雌継手金物と雄継手金物がインサートされた製品を成形するコンクリート型枠へ雌継手金物と雄継手金物を取り付けるコンクリート型枠への継手金物取付構造であって、
雄継手金物の取付構造は、雄継手金物に設けて雌継手金物の係止溝へ係合させる係合部に、該係合部の半分ずつが収まる凹部を有する一対の挟持体を結合して形成した取付部材を取り付け、
この取付部材をコンクリート型枠の端枠に設けた窓孔より外へ出して、上部に設けた鍔部を窓孔の段部に係合させ、
上記窓孔の段部と取付部材の鍔縁をねじで結合すると、雄継手金物が取付部材により端枠へ固定され、上記段部と鍔縁を結合するねじを外すと雄継手金物が取付部材とともに端枠より離脱されるように構成されている
ことを特徴とするコンクリート型枠への継手金物取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−83367(P2009−83367A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−257715(P2007−257715)
【出願日】平成19年10月1日(2007.10.1)
【出願人】(000143765)株式会社佐藤工業所 (12)
【Fターム(参考)】