説明

コンベヤベルト用ゴム組成物およびコンベヤベルト

【課題】優れた柔軟性を維持し、難燃性および耐油性のいずれにも優れるコンベヤベルトを形成することができるコンベヤベルト用ゴム組成物およびそれを用いたコンベヤベルトの提供。
【解決手段】ゴム成分と環状フェノキシホスファゼンとを含有し、
前記ゴム成分の30質量%以上がアクリロニトリルブタジエンゴムであり、
可塑剤の含有量が、前記環状フェノキシホスファゼン100質量部に対して5質量部以下であるコンベヤベルト用ゴム組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンベヤベルト用ゴム組成物およびコンベヤベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な産業分野でコンベヤベルトが用いられている。例えば、土砂、砕石、鉄鉱石、セメント、肥料のような粉状物、塊状物を運搬するのに用いられ、その他にもコークス、セメントクリンカーのような高熱物や穀物、飼料、食肉、ゴミのような油性物を運搬する場合もある。したがって、コンベヤベルトとしては、難燃性および耐油性を有するゴムからなるものが開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、コンベヤベルト等のベルト、ホース、工業用部品に使用するためのゴム材料として、「ニトリル含有量が15〜30質量%のアクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴムを70質量部以上、ポリブタジエンゴム30質量部以下を含むゴム分100質量部に対し、常温で固体の有機ハロゲン化難燃剤2〜30質量部、可塑剤5〜40質量部、塩素化ポリエチレン0〜60質量部、三酸化アンチモン2〜10質量部配合するゴム組成物」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭59−149936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1等に記載の従来のゴム組成物をコンベヤベルトに成形するには、ゴム組成物に可塑剤を添加して柔軟性を確保する必要があるが、使用する可塑剤の種類によっては、コンベヤベルトで搬送する搬送物の油等により可塑剤が抽出し、コンベヤベルトの柔軟性が損なわれる場合があり、また、可塑剤の含有量によっては、難燃性と耐油性のバランスが劣る場合があった。
【0006】
そこで、本発明は、優れた柔軟性を維持し、難燃性および耐油性のいずれにも優れるコンベヤベルトを形成することができるコンベヤベルト用ゴム組成物およびそれを用いたコンベヤベルトを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ゴム成分としてアクリロニトリルブタジエンゴムを特定量含有し、環状フェノキシホスファゼンを用いて可塑剤の含有量を特定量以下とするゴム組成物が優れた柔軟性を維持し、難燃性および耐油性のいずれにも優れるコンベヤベルトを形成することができることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は、下記(1)〜(5)を提供する。
【0008】
(1)ゴム成分と環状フェノキシホスファゼンとを含有し、
上記ゴム成分の30質量%以上がアクリロニトリルブタジエンゴムであり、
可塑剤の含有量が、上記環状フェノキシホスファゼン100質量部に対して5質量部以下であるコンベヤベルト用ゴム組成物。
【0009】
(2)上記環状フェノキシホスファゼンの含有量が、上記ゴム成分100質量部に対して10〜40質量部である上記(1)に記載のコンベヤベルト用ゴム組成物。
【0010】
(3)上記ゴム成分が、更にスチレンブタジエンゴムを含有する上記(1)または(2)に記載のコンベヤベルト用ゴム組成物。
【0011】
(4)上記ゴム成分が、上記アクリロニトリルブタジエンゴムおよび上記スチレンブタジエンゴムからなり、これらの質量比が40:60〜60:40である上記(3)に記載のコンベヤベルト用ゴム組成物。
【0012】
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物を用いたコンベヤベルト。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、優れた柔軟性を維持し、難燃性および耐油性のいずれにも優れるコンベヤベルトを形成することができるコンベヤベルト用ゴム組成物およびそれを用いたコンベヤベルトを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明のコンベヤベルトの一実施形態の断面図である。
【図2】図2は、本発明のコンベヤベルトの他の一実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう。)は、ゴム成分と環状フェノキシホスファゼンとを含有し、上記ゴム成分の30質量%以上がアクリロニトリルブタジエンゴムであり、可塑剤の含有量が上記環状フェノキシホスファゼン100質量部に対して5質量部以下であるコンベヤベルト用のゴム組成物である。
以下に、本発明の組成物が含有するゴム成分および環状フェノキシホスファゼン等について詳述する。
【0016】
<ゴム成分>
本発明の組成物が含有するゴム成分は、アクリロニトリルブタジエンゴムを30質量%以上含有するものであり、100質量%含有するもの、すなわち、ゴム成分としてアクリロニトリルブタジエンゴムのみを用いるものであってもよい。アクリロニトリルブタジエンゴムを30質量%以上含有するゴム成分を用いることにより、得られるコンベヤベルトの耐油性が良好となる。
ここで、アクリロニトリルブタジエンゴムは、アクリロニトリルとブタジエン系単量体とを共重合させることにより得ることができる。アクリロニトリルブタジエンゴムは、特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。アクリロニトリルブタジエンゴムは、その製法について特に制限されない。例えば従来公知の方法が挙げられる。アクリロニトリルと共重合させることができるブタジエン系単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンが挙げられる。
【0017】
本発明においては、上記ゴム成分は、上述したようにアクリロニトリルブタジエンゴム単独であってもよいが、得られるコンベヤベルトの柔軟性がより良好となり、耐候性および耐オゾン性も良好となる理由から、更にスチレンブタジエンゴムを含有するのが好ましい。
ここで、スチレンブタジエンゴムは、スチレンとブタジエン系単量体とを共重合させることにより得ることができる。スチレンブタジエンゴムは、特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。スチレンブタジエンゴムは、その製法について特に制限されない。例えば従来公知の方法が挙げられる。スチレンと共重合させることができるブタジエン系単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンが挙げられる。
【0018】
また、本発明においては、上記ゴム成分がアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)およびスチレンブタジエンゴム(SBR)からなるのが好ましく、これらの質量比(NBR:SBR)が40:60〜60:40であるのがより好ましい。この範囲であると、得られるコンベヤベルトの耐油性と柔軟性のバランスが良好となり、耐候性および耐オゾン性もより良好となるからである。
【0019】
<環状フェノキシホスファゼン>
本発明の組成物が含有する環状フェノキシホスファゼンは、下記式(I)で表される化合物を意味する。
【0020】
【化1】

【0021】
式(I)中、複数のXは、それぞれ独立に有機基を表し、少なくとも1個はフェノキシ基を表す。全てのXがフェノキシ基であってもよいが、フェノキシ基以外の有機基としては、例えば、アルキル基、アリル基、アルコキシ基、アリロキシ基(ナフトキシ基等)、アミノ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。また、フェノキシ基は、アルキル基、アリル基を有していてもよい。
【0022】
上記式(I)で表される環状フェノキシホスファゼンとしては、具体的には、例えば、上記式(I)中のXの全てが下記式で表されるもの(例えば、SPS−100(大塚化学社製)等)等が挙げられる。
【0023】
【化2】

(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基またはアリル基を表す。)
【0024】
このような環状フェノキシホスファゼンの製造方法は特に限定されず、例えば従来公知の方法で合成することができる。例えば、塩化アンモニウムと五塩化リンとを120〜130℃で反応して得られるヘキサクロルシクロトリホスファゼンとフェノールのアルカリ金属塩と反応させる方法が挙げられる。
【0025】
本発明においては、上記環状フェノキシホスファゼンの含有量は、上記ゴム成分100質量部に対して10〜40質量部であるのが好ましく、20〜40質量部であるのがより好ましい。この範囲であると、本発明の組成物の柔軟性がより良好となり、コンベヤベルトをより容易に成形することができるからである。
【0026】
<可塑剤>
本発明の組成物は、上記環状フェノキシホスファゼンを含有することにより、可塑剤の含有量を上記環状フェノキシホスファゼン100質量部に対して5質量部以下とすることができ、例えば、後述する実施例に示すように可塑剤の含有量を0質量部とすることもできる。
可塑剤の含有量を上記環状フェノキシホスファゼン100質量部に対して5質量部以下とすることにより、得られるコンベヤベルトの柔軟性、難燃性および耐油性のいずれも良好となる。これは、上記環状フェノキシホスファゼンが粉末であるにも拘わらず優れた可塑化効果を発揮するという新たな知見に基づくものであり、上記環状フェノキシホスファゼンを用いることにより、難燃性および耐油性に悪影響を与えうる可塑剤の含有量を減らすことが可能となったためである。
【0027】
ここで、可塑剤としては、従来公知のゴム組成物に通常含有させる従来公知の可塑剤であれば特に限定されず、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)、ジイソノニルフタレート(DINP)などのフタル酸エステル系可塑剤;エポキシ化大豆油、エポキシ化脂肪酸エステルなどのエポキシ系可塑剤;塩素化脂肪酸エステル、塩素化パラフィンなどの塩素化系可塑剤;トリクレジルホスフェート(TCP)、トリ−β−クロロエチルホスフェート(TCEP)などの燐酸系可塑剤;ジオクチルアジペート(DOA)、ジデシルアジペート(DDA)などのアジピン酸系可塑剤;ジブチルセバケート(DBS)などのセバチン酸系可塑剤;ジオクチルアゼレート(DOZ)などのアゼライン酸系可塑剤;トリエチルシトレート(TEC)などのクエン酸系可塑剤;ポリプロピレンアジペート(PPA)などのポリエステル系可塑剤;等が挙げられる。
【0028】
本発明の組成物は、上記各成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、一般的に用いられるカーボンブラック、加硫助剤、軟化剤、架橋剤、共架橋剤等の添加剤を含有することができる。添加剤の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜決めることができる。
【0029】
本発明の組成物の製造は、公知の条件・方法により行うことができる。例えば、本発明の組成物は、上述したゴム成分および環状フェノキシホスファゼンならびに必要に応じて含有する添加剤(可塑剤を含む)を、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を用いて混合し製造することができる。
【0030】
次に、本発明のコンベヤベルトについて説明する。
本発明のコンベヤベルトは、本発明の組成物を用いたコンベヤベルトである。その形状、製造方法等は公知のコンベヤベルトと同様である。
本発明のコンベヤベルトの具体的な構成としては、例えば、下記に示すようなものが挙げられる。
【0031】
本発明のコンベヤベルトの第1の実施形態を図1を用いて説明する。
図1は、本発明のコンベヤベルトの一実施形態の断面図である。図1に示すように、本発明のコンベヤベルトの第1の実施形態は、帆布1をコートゴム(接着ゴム)2で被覆して芯材層とし、その外周を上述した本発明の組成物からなるカバーゴム3でカバーしたコンベヤベルト4である。
図1のコンベヤベルト4は、ナイロン、ビニロン、ポリエステル等の合成繊維の織布よりなる帆布1を芯材とするものであり、帆布1の積層枚数、カバーゴム3の厚さやベルト幅等は使用目的に応じて適宜決定されるが、カバーゴム3の厚さT1、T2は通常の場合、1.5〜20mm程度とされる。
【0032】
また、コートゴム2は、公知のコンベヤベルトに用いられているコートゴムを使用でき、例えば、天然ゴム(NR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)等をゴム成分とするゴム組成物が使用できる。
【0033】
次に、本発明のコンベヤベルトの第2の実施形態を図2を用いて説明する。
図2は、本発明のコンベヤベルトの他の一実施形態の断面図である。
図2に示すように、本発明のコンベヤベルトの第2の実施形態は、スチールコード5をクッションゴム(接着ゴム)6で被覆して芯材層とし、その外周を上述した本発明の組成物からなるカバーゴム7でカバーしたコンベヤベルト8である。
図2のコンベヤベルト8は、直径0.2〜0.4mm程度の素線を複数本撚り合わせて直径2.0〜9.5mm程度のワイヤロープとしたスチールコード5を50〜230本程度並列させて芯材とするものであり、一般に、コンベヤベルト8の総厚みTは10〜50mm程度とされる。
また、クッションゴム6は、例えば、公知のスチールコンベヤベルトに用いられている亜鉛メッキスチールコードに接着可能な接着ゴムを使用することができ、具体的には、天然ゴム(NR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)等をゴム成分とするゴム組成物が使用できる。
【0034】
このようなコンベヤベルトは、常法に従って、芯材となる帆布やスチールコードを本発明のゴム組成物で成形した未加硫のゴムシート間に介在させ、加熱加圧して加硫することにより容易に製造することができる。なお、加硫条件は、通常120〜180℃前後、0.1〜4.9MPa程度で10〜90分程度である。
【0035】
本発明のコンベヤベルトは、上述した本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物を用いているので、難燃性および耐油性を備え、より簡略化された製造工程によってより容易に製造することができる。
【実施例】
【0036】
(実施例1〜3、比較例1、2および参考例1、2)
下記第1表に示す各成分を、第1表に示す組成(質量部)で、バンバリーミキサーを用いて混合して分散させ、各組成物を得た。
得られた組成物を用いて、下記の試験方法により、未加硫物性、常態物性、難燃性、耐油性を評価した。結果を第1表に示す。
【0037】
<未加硫物性試験>
100℃でのムーニー粘度を、ムーニー粘度計(L形ローター)を使用し、予熱時間1分、試験温度100℃の条件で、JIS K6300−1:2001 に記載の「ムーニー粘度試験」により測定した。その結果を下記第1表に示す。
【0038】
<常態物性試験>
得られた加硫ゴムについて、硬度(Hs)、引張強さ(TB)、破断伸び(EB)を下記に示す方法で評価した。結果を第1表に示す。
【0039】
・硬度(Hs):JIS K6253:1997に準じて、スプリング式A型硬さ試験機を用いて、23℃での硬度を測定した。
・引張強さ(TB):JIS K6251:2004に準じて、3号ダンベルにて2mmシートを打抜いてサンプルとし、500mm/分の引張速度にて測定した。
・破断伸び(EB):JIS K6251:2004に準じて、3号ダンベルにて2mmシートを打抜いてサンプルとし、500mm/分の引張速度にて測定した。
【0040】
<難燃性試験>
得られた各ゴム組成物を148℃のプレス成形機を用い、面圧3.0MPaの圧力下で60分間加硫して、2mm厚の加硫シートを作製した。このシートから試験片(150mm×60mm)を切出し、JIS K6269:1998に準拠して、酸素指数(%)を測定した。
【0041】
<耐油性試験>
各ゴム組成物を148℃で30分間熱プレス加硫して、2mm厚の加硫シートを作製し、このシートから幅20mm、長さ50mm、厚さ2mmの短冊状の試験片を打ち抜いた。
JIS K6258−2003に準じて、得られた試験片を70℃の試験油(IRM903、日本サン石油社製)に168時間浸漬し、浸漬後の体積変化率(ΔV)を測定した。
【0042】
【表1】

【0043】
第1表中の各成分は、下記のとおりである。
・SBR:NIPOL 1502(日本ゼオン社製)
・NBR:Nancar 1032(南帝化学工業社製)
・カーボンブラック(ISAF):ショウブラックN220(昭和キャボット社製)
・加硫助剤(酸化亜鉛):亜鉛華3号、正同化学工業社製
・加硫助剤(ステアリン酸):ビーズステアリン酸(日本油脂社製)
・老化防止剤:SANTOFLEX(フレキシス社製)
・WAX:OZOACE−0015(日本精蝋社製)
・水酸化アルミニウム:ハイジライトH−42M(SHEPHERD CHMICAL社製)
・難燃剤A:アデカスタブFP2100J(ADECA社製)
・難燃剤B:ポリリン酸アンモニウム(タイエンP、太平化学産業社製)
・環状フェノキシホスファゼン:SPS−100、大塚化学社製
・可塑剤:DOP(ジオクチルフタレート)(三菱化学社製)
・加硫剤:硫黄(油処理硫黄、細井化学工業社製)
・加硫促進剤(CZ):N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(サンセラーCM−PO、三新化学工業社製)
【0044】
第1表に示すように、参考例1および2は、難燃剤および可塑剤(DOP)を含有する従来公知のコンベヤベルト用組成物である。
また、比較例1は、難燃剤Bを含むものの可塑剤を含まない組成物であり、比較例2は更に難燃剤Bも含まない組成物である。ここで、比較例1および2は、未加硫物性(ムーニービス)が非常に高く、コンベヤベルトに成形することは困難であった。また、比較例1は、体積変化率が大きく耐油性が悪化することが分かった。
これに対し、実施例1〜3は、難燃剤を含有せず、環状フェノキシホスファゼンを含有する組成物である。ここで、実施例1〜3は、一般的な可塑剤であるDOPを使用していないにも関わらず、未加硫物性(ムーニービス)が参考例1および2よりも低くなることが分かった。また、常態物性(特に、硬度および破断伸び)の結果から、比較例1および2ならびに参考例1および2よりも柔軟性が優れていることが分かった。更に、難燃性および耐油性についても、参考例1および2と同等程度に優れていることが分かった。なお、実施例1〜3が難燃剤を含有していないことを鑑みると、環状フェノキシホスファゼンが可塑化および難燃性を発現する意外な作用を有していることが分かる。
【符号の説明】
【0045】
1 帆布
2 コートゴム
3、7 カバーゴム
4、8 コンベヤベルト
5 スチールコード
6 クッションゴム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム成分と環状フェノキシホスファゼンとを含有し、
前記ゴム成分の30質量%以上がアクリロニトリルブタジエンゴムであり、
可塑剤の含有量が、前記環状フェノキシホスファゼン100質量部に対して5質量部以下であるコンベヤベルト用ゴム組成物。
【請求項2】
前記環状フェノキシホスファゼンの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して10〜40質量部である請求項1に記載のコンベヤベルト用ゴム組成物。
【請求項3】
前記ゴム成分が、更にスチレンブタジエンゴムを含有する請求項1または2に記載のコンベヤベルト用ゴム組成物。
【請求項4】
前記ゴム成分が、前記アクリロニトリルブタジエンゴムおよび前記スチレンブタジエンゴムからなり、これらの質量比が40:60〜60:40である請求項3に記載のコンベヤベルト用ゴム組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の組成物を用いたコンベヤベルト。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−98999(P2011−98999A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−252782(P2009−252782)
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】