説明

コンベヤベルト

【課題】多数のローラーを備えるベルトコンベヤ装置において、ベルトコンベヤ装置のコスト上昇や検出ユニットの故障の頻度を抑制しつつ、それぞれのローラーの不具合を確実に検出できるコンベヤベルトを提供する。
【解決手段】本発明に係るコンベヤベルト1は、複数のローラー10と、ローラー10の状態を検出する検出部110と、検出部110と接続され、検出部110からの出力信号を処理する処理部120とを備える。処理部120が取り付けられる取付部7を有する。取付部7は、コンベヤベルト1の幅方向端部5に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のローラーを備えるベルトコンベヤ装置において用いられるコンベヤベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品(土砂や石炭、などの輸送物)を搬送するベルトコンベヤ装置では、無端状のコンベヤベルトが複数のローラー上で駆動用プーリにより駆動される。複数のローラーは、コンベヤベルトの下側に設けられる。具体的には、物品載置面の裏側にキャリアローラーが設けられ、キャリアローラーの反対側にリターンローラーが設けられる。
【0003】
このようなベルトコンベヤ装置では、コンベヤベルトの損傷などを防止するため、各ローラーが常に円滑に回転していることが必要となる。特に、搬送距離が長い(例えば、10km以上)と、膨大な数のローラーが設けられるため、回転不良などの不具合が生じているローラーを迅速かつ容易に検出する方法が必須となる。
【0004】
そこで、ローラーの回転不良を検出するセンサーと、センサーの出力信号を処理するCPUなどの処理部とを含む検出ユニットがそれぞれのローラーに設けられたベルトコンベヤ装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−24441号公報(第6−7頁、第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来のベルトコンベヤ装置には、次のような問題があった。すなわち、ローラーの回転不良を検出する検出ユニットがそれぞれのローラーに設けられるため、ベルトコンベヤ装置のコストが上昇する問題があった。
【0007】
また、センサーと処理部とがそれぞれのローラーに設けられるため、検出ユニットが故障する頻度が高くなる問題もあった。
【0008】
そこで、本発明は、多数のローラーを備えるベルトコンベヤ装置において、ベルトコンベヤ装置のコスト上昇や検出ユニットの故障の頻度を抑制しつつ、それぞれのローラーの不具合を確実に検出できるコンベヤベルトの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、複数のローラー(ローラー10)と、前記ローラーの状態を検出する検出部(検出部110)と、前記検出部と接続され、前記検出部からの出力信号を処理する処理部(処理部120)とを備えるベルトコンベヤ装置において用いられるコンベヤベルト(コンベヤベルト1)であって、前記処理部が取り付けられる取付部(取付部7)を有し、前記取付部は、前記コンベヤベルトの幅方向端部に設けられることを要旨とする。
【0010】
かかる特徴によれば、コンベヤベルトの幅方向端部に設けられる取付部に処理部が取り付けられる。これにより、検出部や処理部が各ローラーに設けられる場合と比較して、検出部や処理部の数が少なく、ベルトコンベヤ装置のコストを抑制できる。また、検出部や処理部の数が少ないことに伴い、検出ユニットの故障を抑制できる。従って、多数のローラーを備えるベルトコンベヤ装置において、ベルトコンベヤ装置のコスト上昇や検出ユニットの故障の頻度を抑制しつつ、それぞれのローラーの不具合を確実に検出できる。
【0011】
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記取付部は、前記コンベヤベルトの平面視において、前記幅方向端部に形成された切欠き(切欠き9)を含み、前記処理部は、前記コンベヤベルトの平面視において、前記切欠き内に位置することを要旨とする。
【0012】
本発明の第3の特徴は、本発明の第1又は2の特徴に係り、前記処理部の厚さ(D1)は、前記コンベヤベルトの厚さ(D2)よりも薄いことを要旨とする。
【0013】
本発明の第4の特徴は、本発明の第3の特徴に係り、搬送される物品が載置される前記コンベヤベルトの載置面側(物品載置面3A側)に配設され、前記切欠きを覆う載置面側プレート(載置面側プレート21)と、前記載置面側の反対側に位置する前記コンベヤベルトの裏面側(裏面3B側)に配設され、前記切欠きを覆う裏面側プレート(裏面側プレート23)と、前記載置面側プレートと前記裏面側プレートとを連結する連結部材(連結部材25)とを備え、前記処理部は、前記載置面側プレートと前記裏面側プレートとの間に位置することを要旨とする。
【0014】
本発明の第5の特徴は、本発明の第1乃至4の特徴に係り、前記検出部は、前記ローラーと接触する前記コンベヤベルトの裏面側に設けられ、前記検出部は、被覆材(被覆材115)によって被覆されることを要旨とする。
【0015】
本発明の第6の特徴は、本発明の第1乃至5の特徴に係り、前記検出部は、前記コンベヤベルトに埋設されることを要旨とする。
【0016】
本発明の第7の特徴は、本発明の第1乃至6の特徴に係り、前記幅方向端部には、前記検出部の出力信号を伝達する信号ケーブルと接続されるとともに、前記処理部が接続されるコネクタ(コネクタ130)が設けられることを要旨とする。
【0017】
本発明の第8の特徴は、本発明の第7の特徴に係り、前記コネクタは、前記切欠きを形成する前記コンベヤベルトの切欠き形成面(例えば、端部平行面9A)に設けられることを要旨とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の特徴によれば、多数のローラーを備えるベルトコンベヤ装置において、ベルトコンベヤ装置のコスト上昇や検出ユニットの故障の頻度を抑制しつつ、それぞれのローラーの不具合を確実に検出できるコンベヤベルトを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本実施形態に係るコンベヤベルト1を示す斜視図(上面側の斜視図)である。
【図2】図2は、本実施形態に係るコンベヤベルト1を示す斜視図(下面側の斜視図)である。
【図3】図3は、本実施形態に係るコンベヤベルト1を示す断面図(図1のA−A断面図)である。
【図4】図4は、本実施形態に係るコンベヤベルト1を示す平面図(図1のB矢視図)である。
【図5】図5は、本実施形態に係るコンベヤベルト1の幅方向端部5を示す拡大斜視図である。
【図6】図6は、本実施形態に係るコンベヤベルト1の幅方向端部5を示す平面図(図5のC矢視図)である。
【図7】図7は、本実施形態に係るコンベヤベルト1の幅方向端部5を示す側面図(図5のD矢視図)である。
【図8】図8は、変更例1に係るコンベヤベルト1Aを示す断面図である。
【図9】図9は、変更例1に係るコンベヤベルト1Aを示す平面図である。
【図10】図10は、変更例2に係るコンベヤベルト1Bを示す断面図である。
【図11】図11は、変更例2に係るコンベヤベルト1Bを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明に係るコンベヤベルトの実施形態について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)コンベヤベルトの構成、(2)検出ユニットの構成、(3)作用・効果、(4)変更例、(5)その他の実施形態について説明する。
【0021】
なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0022】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0023】
(1)コンベヤベルトの構成
まず、本実施形態に係るコンベヤベルト1の構成について、図面を参照しながら説明する。図1及び図2は、本実施形態に係るコンベヤベルト1を示す斜視図である。図3は、本実施形態に係るコンベヤベルト1を示す断面図(図1のA−A断面図)である。図4は、本実施形態に係るコンベヤベルト1を示す平面図(図1のB矢視図)である。
【0024】
図1〜図4に示すように、無端状のコンベヤベルト1は、複数のローラー10と、検出ユニット100とを備えるベルトコンベヤ装置において用いられる。なお、コンベヤベルト1は、複数のローラー10上で駆動用プーリ(不図示)により駆動される。
【0025】
ローラー10は、無端状のコンベヤベルト1の下側に設けられる。ローラー10は、コンベヤベルト1の搬送方向に対して所定間隔(例えば、1m)を置いて複数並んでいる。また、ローラー10は、コンベヤベルト1の幅方向において、3つ並んだ状態で配置される。
【0026】
具体的には、ローラー10は、コンベヤベルト1の幅方向において、コンベヤベルト1の物品載置面3Aの裏面3B側の中央に位置する中央ローラー11と、中央ローラー11の両端に位置する端部ローラー13とを有する。端部ローラー13は、中央ローラー11に対して傾斜するように設けられる。
【0027】
ここで、コンベヤベルト1は、コンベヤベルト1の幅方向端部5に設けられ、後述する検出ユニット100を構成する処理部120が取り付けられる取付部7を有する。具体的には、取付部7は、コンベヤベルト1の側端面5Aに設けられる。取付部7は、コンベヤベルト1の平面視(図3参照)において、幅方向端部5に形成された切欠き9を含む。
【0028】
切欠き9は、コンベヤベルト1の幅方向端部5と略平行に設けられる端部平行面9Aと、幅方向端部5と略直交するように設けられる2つの端部直交面9Bとによって構成される。
【0029】
(2)検出ユニットの構成
次に、本実施形態に係る検出ユニット100について、図1〜図7を参照しながら説明する。図5は、本実施形態に係るコンベヤベルト1の幅方向端部5を示す拡大斜視図である。図6は、本実施形態に係るコンベヤベルト1の幅方向端部5を示す平面図(図5のC矢視図)である。図7は、本実施形態に係るコンベヤベルト1の幅方向端部5を示す側面図(図5のD矢視図)である。
【0030】
図1〜図7に示すように、検出ユニット100は、ローラー10の不具合の検出する。具体的には、検出ユニット100は、検出部110と、処理部120と、コネクタ130とを備える。
【0031】
ここで、例えば、検出ユニット100がローラー10の不具合の検出する方法には、検出ユニット100が常時測定する方法や、スイッチ部を設けてオン・オフを切り替える方法、リモコン等により外部(非接触)からオン・オフを切り替える方法などが挙げられる。なお、検出ユニット100は、ローラー10の不具合の検出しない場合に、コンベヤベルト1から取り外しできる構成であることが好ましい。
【0032】
(2−1)検出部
検出部110は、複数のローラー10の状態を検出する圧力センサある。検出部110は、物品載置面3Aの裏面3Bに埋設される。検出部110は、ローラー10と同様に、コンベヤベルト1の搬送方向に対して所定間隔(例えば、1m)を置いて複数並んでいる。また、検出部110は、コンベヤベルト1の幅方向において、3つ並んだ状態で配置される。
【0033】
具体的には、検出部110は、中央ローラー11の上方に位置する中央センサ111と、中央センサ111の両端、すなわち、端部ローラー13の上方に位置する端部センサ113とを有する。
【0034】
中央センサ111及び端部センサ113(検出部110)は、コンベヤベルト1の幅方向に連続した被覆材115によって被覆される。被覆材115としては、シリコンなどが挙げられる。
【0035】
なお、中央センサ111及び端部センサ113は、後述するコネクタ130と信号ケーブル131によって接続される。つまり、信号ケーブル131は、中央センサ111及び端部センサ113と一緒に被覆材115被覆される。信号ケーブル131は、波型状に配置される。
【0036】
(2−2)処理部
処理部120は、検出部110と接続され、検出部110からの出力信号を処理する。つまり、処理部120は、コネクタ130を介して信号ケーブル131を経由することによって検出部110と接続される。
【0037】
処理部120は、検出部110からの出力信号を処理するCPUと、検出部110からの出力信号を記憶するメモリと、電気を蓄積するバッテリーと、外部と無線通信を行うアンテナとによって構成される。なお、処理部120は、コネクタ130から着脱可能に構成される。
【0038】
処理部120の厚さ(D1)は、コンベヤベルト1の厚さ(D2)よりも薄い。処理部120は、コンベヤベルト1の平面視において、切欠き9内に位置する。具体的には、処理部120は、載置面側プレート21と裏面側プレート23との間において、連結部材25によって固定される。
【0039】
載置面側プレート21は、搬送される物品が載置されるコンベヤベルト1の物品載置面3A側(載置面側)に配設され、切欠き9を覆う。裏面側プレート23は、物品載置面3A側の反対側に位置するコンベヤベルト1の裏面3B側に配設され、切欠き9を覆う。
【0040】
連結部材25は、載置面側プレート21と裏面側プレート23とを連結する。連結部材25は、載置面側プレート21、裏面側プレート23及び処理部120に挿通されるボルト25Aと、ボルト25Aの端部に螺合するナット25Bとによって構成される。連結部材25は、載置面側プレート21、裏面側プレート23及び処理部120に挿通されることによって、処理部120を切欠き9内に位置させる。
【0041】
ここで、載置面側プレート21と裏面側プレート23との間には、処理部120(例えば、CPUやバッテリー)を放熱する冷却フィン27(図5及び図6参照)が設けられる。冷却フィン27は、コンベヤベルト1の側端面5Aに沿って設けられる。
【0042】
(2−3)コネクタ
コネクタ130は、検出部110の出力信号を伝達する信号ケーブル131と接続されるとともに、処理部120が接続される(図3及び図4参照)。コネクタ130は、切欠き9を形成するコンベヤベルト1の端部平行面9A(切欠き形成面)に設けられる。なお、コネクタ130は、必ずしも端部平行面9Aに設けられる必要はなく、端部直交面9Bに設けられてもよい。
【0043】
(3)作用・効果
本実施形態では、コンベヤベルト1の幅方向端部5に設けられる取付部7に処理部120が取り付けられる。これにより、検出部110や処理部120が各ローラー10に設けられる場合と比較して、検出部110や処理部120の数が少なく、ベルトコンベヤ装置のコストを抑制できる。また、検出部110や処理部120の数が少ないことに伴い、検出ユニット100の故障を抑制できる。従って、多数のローラー10を備えるベルトコンベヤ装置において、ベルトコンベヤ装置のコスト上昇や検出ユニット100の故障の頻度を抑制しつつ、それぞれのローラー10の不具合を確実に検出できる。
【0044】
本実施形態では、取付部7は、コンベヤベルト1の側端面5Aに設けられる。これにより、取付部7がコンベヤベルト1の裏面3B側に設けられる場合と比較して、取付部7に取り付けられる処理部120の故障をさらに抑制できるとともに、処理部120の取り外しが容易となる。
【0045】
具体的には、物品が物品載置面3A上に落下することによって物品載置面3Aに載置される際、物品載置面3A上に物品の衝撃が加わる。このため、取付部7がコンベヤベルト1の裏面3B側に設けられる場合には、取付部7に取り付けられる処理部120の故障が高くなってしまう。これに対して、取付部7は、コンベヤベルト1の側端面5Aに設けられることによって、物品載置面3A上に物品の衝撃が加わった場合であっても、コンベヤベルト1の側端面5Aには物品の衝撃が加わりにくく、取付部7に取り付けられる処理部120の故障をさらに抑制できる。
【0046】
本実施形態では、処理部120は、コンベヤベルト1の平面視において、切欠き9内に位置する。これにより、処理部120が単にコンベヤベルト1の側端面5Aに設けられる場合と比較して、側端面5Aから処理部120がコンベヤベルト1の幅方向外側に突出することがない。従って、コンベヤベルト1の幅が広がることなく、省スペース化を実現できる。さらに、コンベヤベルト1を備えるベルトコンベヤ装置(例えば、フレーム)に、処理部120が接触して、処理部120が破損することを防止できる。
【0047】
本実施形態では、処理部120の厚さ(D1)は、コンベヤベルト1の厚さ(D2)よりも薄い。これにより、コンベヤベルト1の物品載置面3Aから処理部120が突出することがない。従って、物品載置面3Aに載置されて搬送される物品や、ベルトコンベヤ装置(例えば、物品載置面3Aに付着した汚れをかき取るベルトクリーナー)などと処理部120とが接触することなく、処理部120の故障をさらに抑制できる。
【0048】
本実施形態では、処理部120は、載置面側プレート21と裏面側プレート23との間に位置する。これにより、載置面側プレート21及び裏面側プレート23によって処理部120が覆われるため、上述した物品やベルトコンベヤ装置(例えば、ベルトクリーナー)と処理部120とが確実に接触することなく、処理部120の故障をより確実に軽減できる。
【0049】
本実施形態では、連結部材25(ボルト25A)は、載置面側プレート21、裏面側プレート23及び処理部120に挿通される。これにより、処理部120の取り外しが容易となり、メンテナンス性が向上する。また、処理部120が切欠き9内で動いて、端部平行面9Aや端部直交面9Bに衝突することを抑制でき、処理部120の故障をより確実に軽減できる。
【0050】
本実施形態では、検出部110や信号ケーブル131は、ローラー10と接触するコンベヤベルト1の裏面3B側に設けられ、被覆材115によって被覆される。これにより、検出部110や信号ケーブル131がローラー10と直接接することがない。従って、検出部110や信号ケーブル131の故障を確実に軽減できる。
【0051】
本実施形態では、コネクタ130は、切欠き9を形成するコンベヤベルト1の端部平行面9A(切欠き形成面)に設けられる。これにより、コネクタ130がローラー10と直接接することがない。従って、コネクタ130の故障を確実に軽減できる。
【0052】
本実施形態では、信号ケーブル131は、波型状に配置される。コンベヤベルト1は、駆動用プーリ上でフラットとなり、ローラー10上で変形する。コンベヤベルト1は、フラットや変形の動作を繰り返すため、信号ケーブル131が波型状に配置されることによって、物品載置面3Aに載置されて搬送される物品によりコンベヤベルト1が変形した場合であっても、信号ケーブル131がコンベヤベルト1の形状に対応できる。従って、信号ケーブル131の破損を抑制できる。
【0053】
本実施形態では、載置面側プレート21と裏面側プレート23との間に冷却フィン27が設けられる。これにより、処理部120が発熱した場合であっても、コンベヤベルト1の駆動によって、コネクタ130内に空気を流すことができる。従って、処理部120(例えば、CPUやバッテリー)を放熱できる。
【0054】
(4)変更例
上述した実施形態に係る検出部110は、以下のように変更してもよい。なお、上述した実施形態に係る検出部110と同一部分には同一の符号を付して、相違する部分を主として説明する。
【0055】
上述した実施形態に係る検出部110及び信号ケーブル131は、被覆材115によって被覆される。これに対して、変更例に係る検出部110及び信号ケーブル131は、被覆材115によって被覆されない。
【0056】
(4−1)変更例1
まず、変更例1に係る検出部110A及び信号ケーブル131Aの構成について、図面を参照しながら説明する。図8は、変更例1に係るコンベヤベルト1Aを示す断面図である。図9は、変更例1に係るコンベヤベルト1Aを示す平面図である。
【0057】
図8及び図9に示すように、検出部110Aは、コンベヤベルト1Aの物品載置面3Aの裏面3B側に設けられる。また、信号ケーブル131Aは、コンベヤベルト1Aの物品載置面3Aの裏面3B側に設けられる。すなわち、上述したように、検出部110A及び信号ケーブル131Aは、被覆材115によって被覆されない。
【0058】
変更例1では、上述した実施形態の作用・効果と同様に、多数のローラー10を備えるベルトコンベヤ装置において、ベルトコンベヤ装置のコスト上昇や検出ユニット100Aの故障の頻度を抑制しつつ、それぞれのローラー10の不具合を確実に検出できる。
【0059】
(4−2)変更例2
次に、変更例2に係る検出部110B及び信号ケーブル131Bの構成について、図面を参照しながら説明する。図10は、変更例2に係るコンベヤベルト1Bを示す断面図である。図11は、変更例2に係るコンベヤベルト1Bを示す平面図である。
【0060】
図10及び図11に示すように、検出部110Aは、コンベヤベルト1Bに埋設される。また、信号ケーブル131Bは、物品載置面3Aの裏面3Bに埋設される。
【0061】
変更例2では、上述した実施形態の作用・効果と同様に、多数のローラー10を備えるベルトコンベヤ装置において、ベルトコンベヤ装置のコスト上昇や検出ユニット100の故障の頻度を抑制しつつ、それぞれのローラー10の不具合を確実に検出できる。
【0062】
特に、検出部110A及び信号ケーブル131Bは、コンベヤベルト1Bに埋設される。これにより、検出部110や信号ケーブル131がローラー10と直接接することがない。従って、検出部110や信号ケーブル131の故障を確実に軽減できる。
【0063】
(5)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0064】
例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。具体的には、ローラー10や検出ユニット100の形状や構造、配列等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。
【0065】
実施形態では、検出部110は、コンベヤベルト1の物品載置面3Aの裏面3B側に埋設されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、裏面3B側に固定されていてもよい。
【0066】
実施形態では、検出部110は、コンベヤベルト1の幅方向において、3つ並んだ状態で配置されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、コンベヤベルト1の幅方向に沿って1つ配置されていてもよい。
【0067】
実施形態では、検出部110は、圧力センサであるものとして説明するが、これに限定されるものではなく、熱電対等を用いた温度センサや歪みセンサ、せん断力センサなどであってもよいことは勿論である。
【0068】
実施形態では、処理部120は、コンベヤベルト1の平面視において、切欠き9内に位置するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、単に幅方向端部5(側端面5A)に固定されていてもよい。この場合、コネクタ130が側端面5Aに設けられることにより、処理部120の取り外しが容易となる。また、処理部120を収納する筐体等によって処理部120を保護してもよい。
【0069】
実施形態では、処理部120は、CPUと、メモリと、バッテリーと、アンテナとによって構成されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、少なくともメモリのみによって検出部110からの出力信号を記憶できる構成であればよい。
【0070】
例えば、バッテリーが設けられていない場合、外部から電力を供給(例えば、無線や電磁力、電線の配設)してもよい。また、アンテナが設けられていない場合、処理部120(メモリ)を取り外し可能にすることによって、検出部110からの出力信号を取り出してもよい。この際、コンベヤベルト1の駆動が停止される。
【0071】
実施形態では、連結部材25は、ボルト25Aとナット25Bとによって構成されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、載置面側プレート21と裏面側プレート23とを連結して処理部120を固定できるものであればよい。
【0072】
実施形態では、信号ケーブル131は、波型状に配置されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、直線状などで配置されてもよいことは勿論である。
【0073】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0074】
1,1A,1B…コンベヤベルト、3A…物品載置面、3B…裏面、5…幅方向端部、5A…側端面、7…取付部、9A…端部平行面(切欠き形成面)、9B…端部直交面(切欠き形成面)、10…ローラー、11…中央ローラー、13…端部ローラー、21…載置面側プレート、23…裏面側プレート、25…連結部材、25A…ボルト、25B…ナット、27…冷却フィン、100,100A,100B…検出ユニット、110,110A,110B…検出部、111…中央センサ、113…端部センサ、115…被覆材、120…処理部、130…コネクタ、131,131A,131B…信号ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のローラーと、
前記ローラーの状態を検出する検出部と、
前記検出部と接続され、前記検出部からの出力信号を処理する処理部と
を備えるベルトコンベヤ装置において用いられるコンベヤベルトであって、
前記処理部が取り付けられる取付部を有し、
前記取付部は、前記コンベヤベルトの幅方向端部に設けられるコンベヤベルト。
【請求項2】
前記取付部は、前記コンベヤベルトの平面視において、前記幅方向端部に形成された切欠きを含み、
前記処理部は、前記コンベヤベルトの平面視において、前記切欠き内に位置する請求項1に記載のコンベヤベルト。
【請求項3】
前記処理部の厚さは、前記コンベヤベルトの厚さよりも薄い請求項1または2に記載のコンベヤベルト。
【請求項4】
搬送される物品が載置される前記コンベヤベルトの載置面側に配設され、前記切欠きを覆う載置面側プレートと、
前記載置面側の反対側に位置する前記コンベヤベルトの裏面側に配設され、前記切欠きを覆う裏面側プレートと、
前記載置面側プレートと前記裏面側プレートとを連結する連結部材と
を備え、
前記処理部は、前記載置面側プレートと前記裏面側プレートとの間に位置する請求項3に記載のコンベヤベルト。
【請求項5】
前記検出部は、前記ローラーと接触する前記コンベヤベルトの裏面側に設けられ、
前記検出部は、被覆材によって被覆される請求項1乃至4の何れか一項に記載のコンベヤベルト。
【請求項6】
前記検出部は、前記コンベヤベルトに埋設される請求項1乃至5の何れか一項に記載のコンベヤベルト。
【請求項7】
前記幅方向端部には、前記検出部の出力信号を伝達する信号ケーブルと接続されるとともに、前記処理部が接続されるコネクタが設けられる請求項1乃至6の何れか一項に記載のコンベヤベルト。
【請求項8】
前記コネクタは、前記切欠きを形成する前記コンベヤベルトの切欠き形成面に設けられる請求項7に記載のコンベヤベルト。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2010−159137(P2010−159137A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−2923(P2009−2923)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】