説明

サービス提供装置、及びプログラム

【課題】 ログイン中の利用者と、ログイン要求した他の利用者と間の競合を効果的に処理するサービス提供装置、及びプログラムを提供する。
【解決手段】 外部の端末装置と通信する通信手段と、操作を行うための操作手段と、情報を通知する通知手段と、操作手段から、または通信手段を介して外部の端末装置から利用者のログイン要求を受け、該ログインの可否を決定するログイン制御手段とを有し、ログイン制御手段は、利用者のログイン中に、他の利用者からログイン要求を受けたときに、ログイン要求の発生を、通信手段、または通知手段によって該ログイン中の利用者に通知し、該ログイン中の利用者からの通信手段を介して受信した通知、または操作手段による操作に応じて他の利用者のログインを許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービス提供装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリント機能、スキャン機能、コピー機能、及びファックス機能などの各種のサービスを利用者に提供するサービス提供装置が知られている。利用者は、サービス提供装置にログインすることにより、サービスの利用が可能となる。
【0003】
利用者のログイン要求は、サービス提供装置に設けられた操作パネルなどの操作手段から直接的に行われてもよいし、または、LAN(Local Area Network)に接続された端末装置からの通信により行われてもよい。ログイン要求を受けたサービス提供装置は、利用権限があることを確認するために利用者の認証を行う。この認証処理は、サービス提供装置、または他の認証装置において行われる。
【0004】
このような認証技術に関し、例えば特許文献1には、複数のユーザが属するグループを単位として認証を行う技術が開示されている。特許文献2には、ネットワークにおいて、リソースへのアクセス権を、複数のユーザが属するグループを単位として管理する技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献3には、携帯端末装置が、ネットワークにおける複数のディスプレイ端末装置の1つにログインした後、他のディスプレイ端末装置に、認証処理を行わずにログインを可能とする技術が開示されている。特許文献4には、認証処理に、装置間の通信履歴を利用する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−21127号公報
【特許文献2】特開平9−293052号公報
【特許文献3】特開2005−208880号公報
【特許文献4】特開2002−132145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、ログイン中の利用者と、ログイン要求した他の利用者と間の競合を効果的に処理するサービス提供装置、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載のサービス提供装置は、外部の端末装置と通信する通信手段と、操作を行うための操作手段と、情報を通知する通知手段と、前記操作手段から、または前記通信手段を介して外部の端末装置から利用者のログイン要求を受け、該ログインの可否を決定するログイン制御手段とを有し、前記ログイン制御手段は、利用者のログイン中に、他の利用者からログイン要求を受けたときに、ログイン要求の発生を、前記通信手段、または前記通知手段によって該ログイン中の利用者に通知し、該ログイン中の利用者からの前記通信手段を介して受信した通知、または前記操作手段による操作に応じて前記他の利用者のログインを許可することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載のサービス提供装置は、請求項1に記載のサービス提供装置において、前記ログイン要求は、利用者を識別する識別情報を含んでおり、前記ログイン制御手段は、利用者のログイン中に、他の利用者からログイン要求を受けたときに、前記識別情報に基づいて前記他の利用者を認証し、前記他の利用者の前記識別情報、または前記他の利用者の前記識別情報に対応する利用者名を、前記通信手段、または前記通知手段によって該ログイン中の利用者に通知することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載のサービス提供装置は、請求項1または2に記載のサービス提供装置において、前記ログイン要求は、利用者を識別する識別情報を含んでおり、前記ログイン制御手段は、利用者からログイン要求を受けたときに、前記識別情報に基づいて利用者を認証し、利用者のログイン中に、他の利用者からログイン要求を受けたときに、該ログイン中の利用者の前記識別情報、または前記利用者の前記識別情報に対応する利用者名を、前記通信手段、または前記通知手段によって前記他の利用者に通知することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載のサービス提供装置は、請求項1乃至3の何れかに記載のサービス提供装置において、セットされた原稿の画像を読み取る読取手段と、利用者により原稿をセットする動作が行われたことを検出する検出手段と、前記ログイン制御手段が、利用者のログイン中に受けた他の利用者からのログイン要求に応じて前記他の利用者のログインを許可した場合、前記開閉検出手段が、前記原稿をセットする動作が行われたことを検出したときに、前記読取手段に原稿の画像を読み取る許可を与える読取制御手段とを、さらに有することを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載のプログラムは、サービス提供装置を、外部の端末装置と通信する通信手段と、操作を行うための操作手段と、情報を通知する通知手段と、前記操作手段から、または前記通信手段を介して外部の端末装置から利用者のログイン要求を受け、該ログインの可否を決定するログイン制御手段として機能させ、前記ログイン制御手段は、利用者のログイン中に、他の利用者からログイン要求を受けたときに、ログイン要求の発生を、前記通信手段、または前記通知手段によって該ログイン中の利用者に通知し、該ログイン中の利用者からの前記通信手段を介して受信した通知、または前記操作手段による操作に応じて前記他の利用者のログインを許可することを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載のプログラムは、請求項5に記載のプログラムにおいて、前記ログイン要求は、利用者を識別する識別情報を含んでおり、前記ログイン制御手段は、利用者のログイン中に、他の利用者からログイン要求を受けたときに、前記識別情報に基づいて前記他の利用者を認証し、前記他の利用者の前記識別情報、または前記他の利用者の前記識別情報に対応する利用者名を、前記通信手段、または前記通知手段によって該ログイン中の利用者に通知することを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載のプログラムは、請求項5または6に記載のプログラムにおいて、前記ログイン要求は、利用者を識別する識別情報を含んでおり、前記ログイン制御手段は、利用者からログイン要求を受けたときに、前記識別情報に基づいて利用者を認証し、利用者のログイン中に、他の利用者からログイン要求を受けたときに、該ログイン中の利用者の前記識別情報、または前記利用者の前記識別情報に対応する利用者名を、前記通信手段、または前記通知手段によって前記他の利用者に通知することを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載のプログラムは、請求項5乃至7の何れかに記載のプログラムは、サービス提供装置を、さらに、セットされた原稿の画像を読み取る読取手段と、原稿をセットする動作が行われたことを検出する検出手段と、前記ログイン制御手段が、利用者のログイン中に受けた他の利用者からのログイン要求に応じて前記他の利用者のログインを許可した場合、前記開閉検出手段が、前記原稿をセットする動作が行われたことを検出したときに、前記読取手段に原稿の画像を読み取る許可を与える読取制御手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、ログイン中の利用者の意思に基づいて、他の利用者のログインを許可、または不許可とすることができる。
【0017】
請求項2の発明によれば、ログイン中の利用者は、ログイン要求した他の利用者を識別することができる。
【0018】
請求項3の発明によれば、ログイン要求した他の利用者は、ログイン中の利用者を識別することができる。
【0019】
請求項4の発明によれば、改めて原稿をセットしないと、原稿の画像の読取が実行されない。
【0020】
請求項5の発明によれば、ログイン中の利用者の意思に基づいて、他の利用者のログインを許可、または不許可とすることができる。
【0021】
請求項6の発明によれば、ログイン中の利用者は、ログイン要求した他の利用者を識別することができる。
【0022】
請求項7の発明によれば、ログイン要求した他の利用者は、ログイン中の利用者を識別することができる。
【0023】
請求項8の発明によれば、改めて原稿をセットしないと、原稿の画像の読取が実行されない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】サービス提供システムの構成図である。
【図2】サービス提供装置のCPU、及びHDDの機能構成図である。
【図3】端末装置の機能構成図である。
【図4】端末装置のCPUの機能構成図である。
【図5】サービス提供装置のCPUの処理を示すフロー図である。
【図6】サービス提供装置と認証装置の間の通信を示すラダーチャートである。
【図7】ログイン中の利用者の存在を通知する画面例である。
【図8】割込みログイン要求の発生を通知する画面例である。
【図9】端末装置のログイン処理を示すフロー図である。
【図10】端末装置の割込み制御処理を示すフロー図である。
【図11】画像形成装置と端末装置の間の通信を示すラダーチャートである。
【図12】他の例における、画像形成装置と端末装置の間の通信を示すラダーチャートである。
【図13】さらに他の例における、画像形成装置と端末装置の間の通信を示すラダーチャートである。
【図14】スキャン機能に関する画像形成装置の構成を示す斜視図である。
【図15】原稿カバーの開閉を検出するスイッチの検出信号の波形例である。
【図16】スキャン機能の処理を示すフロー図である。
【図17】スキャン機能の実行時に原稿のセットを要求する画面例である。
【図18】スキャン機能に関する画像形成装置の他の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1に示される画像形成装置1は、利用者に、コピー機能、プリント機能、スキャン機能、及びファックス機能のサービスを提供する装置である。本実施形態では、サービス提供装置として画像形成装置1を挙げるが、これに限定されることはなく、例えば、利用者に情報を提供するサーバであってもよい。なお、提供されるサービスは、上記のように複数の種類に限定されることはなく、1種類であってもよい。
【0026】
本実施形態の画像形成装置1は、ログイン中の利用者にサービスを提供する。利用者のログイン操作手段としては、画像形成装置1の操作部160、識別情報取得部18、または端末装置2の操作部が存在する。
【0027】
端末装置2は、例えば携帯電話機やスマートフォンなどの携帯型端末装置であり、無線通信手段を備えている。画像形成装置1、及び端末装置2は、例えばLAN40を介して互いに通信可能である。もっとも、画像形成装置1、及び端末装置2の通信手段は、LAN40に限定されず、Bluetooth(ブルートゥース:登録商標)などの他の通信手段であってもよい。なお、端末装置2は、上述したような無線通信手段を備えた装置に限定されず、LANケーブル用のLANポートを備えたパソコンなどであってもよい。
【0028】
まず、画像形成装置1の機能を説明する。画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)10と、ROM(Read Only Memory)11と、RAM(Random Access Memory)12と、不揮発性メモリ(NVRAM:Non−volatile RAM)13と、操作部160と、表示部161と、通信処理部17とを含む。
【0029】
CPU10は、画像形成装置1の全体的な制御を行う演算処理回路であって、利用者のログイン処理、及びサービスの提供処理などを行う。ROM11は、CPU10を動作させるプログラムが記録されている。RAM12は、このプログラムによりCPU10が動作するためのワーキングメモリである。本実施形態の画像形成装置1は、このようにソフトウェアにより機能するものとして構成されているが、特定用途向け集積回路などを含むハードウェアによって構成してもよい。
【0030】
不揮発性メモリ13は、例えばフラッシュメモリであり、利用者を認証するための認証テーブル、ログイン中の利用者に関するログイン管理情報、ログイン要求に関するログイン要求情報、及び、装置の動作設定に関するパラメータなどが記録されている。
【0031】
操作部160は、利用者が操作を行うための操作手段であって、タッチパネルやハードキーなどを含む。具体的には、操作部160は、スキャン機能などの実行を指示する指示手段、及び、利用者がログインするために識別情報、及びパスワードを入力するログイン操作手段などとして用いられる。利用者が操作部160を用いてログイン操作を行うと、CPU10に、識別情報、及びパスワードを含むログイン要求が出力される。
【0032】
表示部161は、例えば液晶パネルであり、上記のタッチパネルと重ね合わせられて用いられる。表示部161は、利用者に情報を通知する通知手段、及び、タッチパネルによる入力画面などの表示手段として用いられる。例えば、表示部161は、サービスを実行する実行ボタン、及びログイン中の利用者名を表示する。
【0033】
通信処理部17は、外部の装置と通信を行う通信手段であり、LAN40に接続され、他の装置との通信を処理する回路により構成される。画像形成装置1は、利用者が端末装置2を用いてログインするとき、端末装置2から通信処理部17を介して、該利用者の識別情報、及びパスワードを含むログイン要求を受信する。
【0034】
また、画像形成装置1は、識別情報取得部18と、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)14と、画像処理部150と、画像読取部151と、印刷処理部152と、モデム153とを含む。
【0035】
識別情報取得部18は、ICカードリーダなどにより構成され、上述した操作部160とともに、利用者がログインするための操作手段として機能する。識別情報取得部18は、利用者がログインするとき、利用者を識別するための識別情報を、例えば、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)によって利用者のICカード60から識別番号を読み取る。識別情報取得部18は、画像形成装置1の本体部とUSB(Universal Serial Bus)インターフェースなどを介して接続される。
【0036】
識別情報としては、例えば、利用者ごとに割り当てられた固有番号である識別番号を用いるとよい。もっとも、識別情報は、識別番号に限定されることはなく、アルファベットなどの文字を含む文字列としてもよい。
【0037】
利用者は、画像形成装置1にログインするとき、ICカード60を識別情報取得部18に翳して、装置1に識別番号を認識させる。得られた識別番号は、ログイン要求とともにCPU10に出力され、不揮発性メモリ13に記録された認証テーブルと照合されることによって利用者の認証が行われる。もっとも、利用者は、操作部160から直接的に識別番号を入力してもよいし、またはLAN40に接続された端末装置2を操作して識別番号を入力してもよい。
【0038】
識別情報取得部18は、識別情報を取得する取得手段であれば、他の装置により構成してもよい。例えば、利用者の磁気カード、または端末装置2から識別情報を読み取る装置を採用してもよい。
【0039】
画像読取部151は、原稿の画像を読み取る読取手段として機能し、原稿をスキャンして画像データを生成する。画像読取部151は、例えば、原稿に光を照射し、その反射光をCCD(Charge Coupled Device)により受光することによって画像データを生成する。
【0040】
ハードディスクドライブ14は、画像読取部151により生成した画像データなどを記録する。画像読取部151により生成した画像データは、CPU20の制御によって、例えば、操作部160から入力した電子メールアドレスを宛先として、通信処理部17から端末装置2にメール送信される。もっとも、送信方法は、これに限定されることはなく、FTP(File Transfer Protocol)による送信であってもよい。
【0041】
画像処理部150は、画像データの圧縮処理、及び伸張処理などを行う。モデム153は、ファックス機能を実行するときに電話回線に接続されてファックス通信を行う。印刷処理部152は、プリント機能を実行するときに、画像データなどの印刷処理を行う。
【0042】
上述した各部10〜14,150〜153,160,161,17,18は、バス19を介して互いに電気的に接続されている。
【0043】
次に、図2を参照して、CPU10の機能を説明する。CPU10は、ROM11に記録されたプログラムを読み込むと、ログイン制御部101と、サービス提供部102とを、機能として形成する。
【0044】
ログイン制御部101、及びサービス提供部102は、NVRAM13に記録されたデータに基づいて処理を行う。NVRAM13は、認証テーブル131と、ログイン管理情報132と、ログイン要求情報133とを含む。なお、これらのデータ131〜133は、NVRAM13に限定されず、ハードディスクドライブ14などの他の記録手段に記録されてもよい。
【0045】
ログイン制御部101は、操作部160、または識別情報取得部18から、あるいは通信処理部17を介して外部の端末装置2から利用者のログイン要求を受け、ログインの可否を決定するログイン制御手段として機能する。ログイン制御部101は、利用者を認証する認証処理部101aと、利用者のログイン中に、他の利用者から受けたログイン要求を処理する割込み処理部101bとを含む。以下の説明において、利用者のログイン中に、他の利用者から受けたログイン要求を「割込みログイン要求」と称することとする。
【0046】
【表1】

【0047】
割込みログイン要求が発生する場合は、表1のNo.1〜3に示されるものが考えられる。表中、「既存ログイン操作機器」は、ログイン中の利用者が当該ログイン操作を行った装置を示し、また、「割込みログイン操作機器」は、割込みログイン要求をした他の利用者が当該ログイン操作を行った装置を示す。
【0048】
No.1の例は、画像形成装置1の操作部160、または識別情報取得部18を用いてログインした利用者がいるときに、他の利用者が端末装置2から割り込みログイン要求した場合である。No.2の例は、端末装置2を用いてログインした利用者がいるときに、他の利用者が画像形成装置1の操作部160、または識別情報取得部18を用いて割り込みログイン要求した場合である。No.3の例は、端末装置2を用いてログインした利用者がいるときに、他の利用者が他の端末装置2から割り込みログイン要求した場合である。以下の説明では、上記のNo.1〜3を前提として、「既存ログイン操作機器」、及び「割込みログイン操作機器」に応じた各通知の形態を述べることとする。
【0049】
ログイン制御部101は、ログイン要求を受けると、当該ログイン操作が行われた機器の情報を、ログイン要求情報133に記録する。操作部160、または識別情報取得部18の操作によりログイン要求がなされた場合、ログイン要求情報133として、画像形成装置1を示す識別情報が記録される。一方、端末装置2の操作によりログイン要求がなされた場合、ログイン要求情報133として、端末装置2のIPアドレス(IP:Internet Protocol)が記録される。
【0050】
ログイン要求は、利用者の識別番号と、パスワードとを含んでいる。ログイン制御部101は、識別番号、及びパスワードを得て、認証処理部101aにより利用者の認証処理を行う。
【0051】
【表2】

【0052】
認証処理部101aは、表2に例示される認証テーブル131に基づいて利用者を認証する。認証テーブル131は、利用者ごとの認証情報である識別番号とパスワード、及び、利用者の名前である利用者名が登録されている。認証処理部101aは、ログイン要求に含まれている識別番号、及びパスワードを、この認証テーブルの認証情報と照合し、識別番号、及びパスワードの両方が一致する場合、利用者を認証する(つまり、認証の成功)。一方、受信した識別番号が登録されていないとき、またはパスワードが不一致である場合、利用者は認証されない(つまり、認証の失敗)。
【0053】
このような認証処理は、画像形成装置1に限定されず、LAN40に接続された認証サーバなどの他の認証装置で行われてもよい。この場合、認証テーブル131は、他の認証装置に保持される。
【0054】
また、本実施形態では、セキュリティの観点から識別番号とパスワードを用いた認証を例示しているが、ログイン操作手段に応じて、識別番号のみを用いて認証するようにしてもよい。例えば、操作部160、及び端末装置2を用いてログインする場合のみ、利用者にパスワードの入力が要求され、ICカード60を用いて識別情報取得部18からログインする場合には、パスワードの入力を不要としてもよい。もっとも、この場合、パスワードの照合は不要である。
【0055】
ログイン制御部101は、認証が失敗した場合、認証の失敗を利用者に通知する。ログイン制御部101は、ログイン要求情報133を参照し、その内容に応じて通知形態を決定する。すなわち、ログイン制御部101は、画像形成装置1(操作部160、識別情報取得部18)からログイン要求された場合、認証の失敗を表示部161に表示し、端末装置2からログイン要求された場合、通信処理部17を介して端末装置2に認証の失敗を通知する。もっとも、画像形成装置1からログイン要求された場合の通知形態は、これに限定されず、例えば、画像形成装置1に備えられたスピーカなどから音声メッセージによって通知してもよい。
【0056】
一方、認証が成功した場合、ログイン制御部101は、ログイン要求が割込みログイン要求に該当するか否かを判定する。このとき、ログイン制御部101は、ログイン管理情報132を参照して判定を行う。
【0057】
【表3】

【0058】
ログイン管理情報132は、表3に例示されるように、ログイン中の利用者の「識別番号」、「利用者名」、「ログイン操作機器」、及び「割込み有無」を含む。「識別番号」、及び「利用者名」は、認証処理時に、認証テーブル131との照合で一致したものである。「ログイン操作機器」は、ログイン中の利用者が当該ログイン操作を行った装置を示す。利用者が、画像形成装置1の操作部160、または識別情報取得部18を操作してログインした場合、「ログイン操作機器」は画像形成装置1を示す識別情報となり、他方、端末装置2を操作してログインした場合、「ログイン操作機器」は、当該端末装置2のIPアドレスを示す。
【0059】
また、「割込み有無」は、当該ログインが割込みログイン要求による場合に「有」を示し、そうでない場合に「無」を示す。つまり、表3は、ログイン中の利用者がいない場合に、操作部160、または識別情報取得部18を操作してログインしたときのログイン管理情報132を例示している。
【0060】
【表4】

【0061】
表4は、端末装置2を操作して、割り込みログイン要求によりログインしたときのログイン管理情報132を例示している。
【0062】
【表5】

【0063】
表5は、ログイン中の利用者がいない場合のログイン管理情報132を示している。ログイン制御部101は、操作部160、または端末装置2によってログアウト操作がなされたときにログアウト要求を受け、ログイン管理情報132の各情報を未登録状態とする。
【0064】
ログイン制御部101は、ログイン管理情報132を参照し、識別番号などの利用者に関する情報が登録されていない場合、ログイン中の利用者が存在しないと判断して、利用者のログインを許可し、ログイン管理情報132を記録する。
【0065】
一方、識別番号などの利用者に関する情報が登録されている場合、ログイン制御部101は、割り込みログインが発生したものと判断し、割込み処理部101bにより処理を行う。割込み処理部101bは、割込みログイン要求の発生を、通信処理部17、または表示部161によってログイン中の利用者に通知し、ログイン中の利用者からの通信処理部17を介して受信した通知、または操作部161による操作に応じて他の利用者のログインを許可する。
【0066】
具体的には、割込み処理部101bは、ログイン管理情報132を参照し、「ログイン操作機器」が画像形成装置1である場合、表示部161に割込みログイン要求の発生を表示する。もっとも、利用者への通知形態は、これに限定されず、例えば、画像形成装置1に備えられたスピーカなどから音声メッセージによって通知してもよい。
【0067】
一方、「ログイン操作機器」が端末装置2である場合、割込み処理部101bは、通信処理部17を介して端末装置2に、割込みログイン要求の発生を通知する。このとき、割込み処理部101bは、通知の宛先情報として、「ログイン操作機器」として記録されたIPアドレスを参照する。もっとも、割込み処理部101bは、これに限定されず、各識別番号、または各利用者名に対応するIPアドレスが予め記録されたテーブルを参照して、宛先情報を得てもよい。
【0068】
また、割込み処理部101bは、割込みログイン要求発生の通知とともに、割り込みログイン要求を行った利用者の識別番号、または利用者名を、通信処理部17、または表示部161を介して、ログイン中の利用者に通知してもよい。ここで、利用者の識別番号は、ログイン要求から取得され、利用者名は、認証処理時に認証テーブル131から取得される。
【0069】
さらに、割込み処理部101bは、ログイン中の利用者の識別情報、または利用者名を、通信処理部17、または表示部161を介して、割込みログイン要求した利用者に通知してもよい。この場合、割込み処理部101bは、ログイン要求情報133を参照して、通知形態を決定する。
【0070】
具体的には、割込み処理部101bは、割込みログイン要求が画像形成装置1(操作部160、識別情報取得部18)から行われている場合、表示部161に識別情報、または利用者名を表示する。もっとも、利用者への通知形態は、これに限定されず、例えば、画像形成装置1に備えられたスピーカなどから音声メッセージによって通知してもよい。
【0071】
他方、割込みログイン要求が端末装置2から行われている場合、割込み処理部101bは、通信処理部17を介して、識別情報、または利用者名を端末装置2に送信する。なお、割込み処理部101bは、ログイン中の利用者の識別情報、または利用者名を伴わずに、ログイン中の利用者の存在のみを通知してもよい。
【0072】
また、割込み処理部101bは、ログイン管理情報132を参照し、「ログイン操作機器」が端末装置2である場合、通信処理部17を介して端末装置2から受信した通知に応じて、割込みログイン要求によるログインを許可する。一方、「ログイン操作機器」が画像形成装置1である場合、割込み処理部101bは、操作部160による操作に応じて、割込みログイン要求によるログインを許可する。つまり、ログイン中の利用者の操作に応じてログインの許可、または不許可が決定される。
【0073】
サービス提供部12は、ログイン中の利用者にサービスを提供する。サービス提供部12は、プリント機能を実行するプリント機能部102aと、コピー機能を実行するコピー機能部102bと、スキャナ機能を実行するスキャナ機能部102cと、ファックス機能を実行するファックス機能部102dとを含む。各機能部102a〜102dは、利用者が操作部160、または端末装置2を使って選択したサービスに応じて、上述した各部14,150〜153を制御する。例えば、ファックス機能部102dは、画像読取部151により得た画像データを、画像処理部150により圧縮してHDD14に記録する。
【0074】
サービス提供部12は、ログイン管理情報132を参照し、「ログイン操作機器」が端末装置2である場合、通信処理部17を介して、該当するIPアドレスの端末装置2から受信した指示に従って、各機能部102a〜102dを制御する。一方、「ログイン操作機器」が画像形成装置1である場合、サービス提供部12は、操作部160による操作に従って、各機能部102a〜102dを制御する。
【0075】
次に、端末装置2の構成を、図3を参照して説明する。端末装置2は、CPU20と、ROM21と、RAM22と、不揮発性メモリ(NVRAM)23と、操作部24と、表示部25と、通信処理部26とを含む。
【0076】
CPU20は、端末装置2の全体的な制御を行う演算処理回路であって、ログイン要求処理、及びサービスの選択や指示の処理などを行う。ROM21は、CPU20を動作させるプログラムが記録されている。RAM22は、このプログラムによりCPU20が動作するためのワーキングメモリである。本実施形態の端末装置2は、このようにソフトウェアにより機能するものとして構成されているが、特定用途向け集積回路などを含むハードウェアによって構成してもよい。
【0077】
不揮発性メモリ23は、例えばフラッシュメモリであり、端末装置1の利用者(つまり所有者)を識別する識別番号と、装置の動作設定に関するパラメータなどが記録されている。
【0078】
操作部24は、各種の操作などを行う操作手段であって、タッチパネルやハードキーなどを含む。具体的には、操作部24は、パスワードなどのログインのための情報入力、割込みログインの許可、サービスの選択、及びサービスに関する設定のための操作手段などとして用いられる。表示部25は、例えば液晶パネルであり、上記のタッチパネルと重ね合わせられて用いられる。表示部25は、ログインに関する情報、及び、タッチパネルによる入力画面などを表示する表示手段として用いられる。
【0079】
通信処理部26は、外部の装置と通信を行う通信手段であり、LAN40に接続され、他の装置との通信を処理する回路により構成される。上述した各部20〜26は、バス27を介して互いに電気的に接続されている。
【0080】
次に、図4を参照して、端末装置2のCPU20の機能を説明する。CPU20は、ROM21に記録されたプログラムを読み込むと、ログイン処理部201と、割込み制御部202と、サービス指示部203とを、機能として形成する。
【0081】
ログイン処理部201は、操作部24の操作に応じて、識別番号、及びパスワードを含むログイン要求を、通信処理部26を介して画像形成装置1に送信する。ここで、識別番号は、不揮発性メモリ23から得られ、パスワードは、操作部24からの入力により得られる。もっとも、識別番号も、パスワードと同様に、操作部24からの入力により得るようにしてもよい。
【0082】
ログイン処理部201は、ログイン要求が上述した割込みログイン要求に該当する場合、通信処理部26を介して画像形成装置1からログイン中を示す通知を受信し、これを表示部25に表示する。この通知とともに、ログイン中の利用者の識別番号、または利用者名も通知された場合、ログイン処理部201は、これらの情報も表示部25に表示する。もっとも、利用者への通知形態は、これに限定されず、例えば、端末装置2に備えられたスピーカなどから音声メッセージによって通知してもよい。
【0083】
画像処理装置1からログインの許可が通知された場合、ログイン処理部201は、サービス指示部203にログインの成功を通知する。これにより、サービス指示部203は、操作部24による操作に応じて、通信処理部26を介して画像形成装置1に、サービスの実行を指示することが可能となる。この指示は、スキャン機能などのサービスの指定情報と、原稿サイズや解像度などの設定情報とを含む。
【0084】
割込み制御部202は、当該端末装置2から画像形成装置1にログイン中に、割込みログイン要求が発生したとき、通信処理部26を介して画像形成装置1から割込みログイン要求発生の通知を受信し、これを表示部25に表示する。このとき、割込みログイン要求発生の通知とともに、割込みログイン要求をした利用者の識別番号、または利用者名も通知された場合、割込み制御部202は、これらの情報も表示部25に表示する。もっとも、利用者への通知形態は、これに限定されず、例えば、端末装置2に備えられたスピーカなどから音声メッセージによって通知してもよい。
【0085】
また、割込み制御部202は、操作部24による操作に応じて、割込みログイン要求の許可、または不許可を示す通知を、通信処理部26を介して画像形成装置1に送信する。
【0086】
次に、図5を参照して、画像形成装置1のCPU10の処理を説明する。なお、本処理は、画像形成装置1の起動中、繰り返して実行される。
【0087】
認証処理部101aは、操作部160、識別情報取得部18、または通信処理部17によりログイン要求を受信すると(ステップSt1)、ログイン要求した利用者の認証処理を行う(ステップSt2)。認証処理は、上述したように、認証要求に含まれる識別番号、及びパスワードを認証テーブル131と照合して行われる。
【0088】
認証処理は、LAN40に接続された認証装置により行われてもよい。この場合、図6に示されるように、画像形成装置1は、通信処理部17を介して、識別番号、及びパスワードを含む認証要求を認証装置に送信し、認証装置から認証結果を取得する。認証結果は、認証が成功か失敗かを示す情報を含み、成功の場合、識別番号に対応する利用者名をさらに含む。
【0089】
ログイン制御部101は、認証が失敗した場合(ステップSt3のNO)、ログイン要求した利用者に認証の失敗を通知し(ステップSt4)、処理を終了する。ログイン制御部101は、画像形成装置1での操作によりログイン要求が行われた場合、この通知を表示部161に表示し、他方、端末装置2からログイン要求が行われた場合、通信処理部17を介して端末装置2に通知する。
【0090】
一方、認証が成功した場合(ステップSt3のYES)、ログイン制御部101は、ログイン管理情報132を参照して、ログイン中の利用者の有無を判断する(ステップSt5)。ログイン制御部101は、ログイン管理情報132の識別番号、または利用者名が記録されている場合、ログイン中の利用者が存在すると判断し(ステップSt5のYES)、他方、識別番号、または利用者名が記録されていない場合、ログイン中の利用者が存在しないと判断する(ステップSt5のNO)。
【0091】
ログイン中の利用者が存在しない場合(ステップSt5のNO)、ログイン制御部101は、ログイン要求した利用者にログインの許可を通知する(ステップSt10)。ログイン制御部101は、画像形成装置1での操作によりログイン要求が行われた場合、この通知を表示部161に表示し、他方、端末装置2からログイン要求が行われた場合、通信処理部17を介して端末装置2に通知する。そして、ログイン制御部101は、ログイン要求した利用者に関する情報に基づいて、ログイン管理情報132を更新する(ステップSt11)。ここで、ログイン管理情報132の「割込み有無」は、「無」となる。
【0092】
一方、ログイン中の利用者が存在する場合(ステップSt5のYES)、割込み処理部101bは、ログイン要求した利用者に、ログイン中を示す情報を通知する(ステップSt6)。割込み処理部101bは、画像形成装置1での操作によりログイン要求が行われた場合、この通知を表示部161に表示し、他方、端末装置2からログイン要求が行われた場合、通信処理部17を介して端末装置2に通知する。このとき、割込み処理部101bは、ログイン中を示す通知するとともに、ログイン中の利用者の識別番号、または利用者名を通知してもよい。
【0093】
この通知は、例えば図7に示されるように、ログイン中の利用者の利用者名とともに画像形成装置1、または端末装置2の表示部161,25に表示される。なお、利用者名に代えて、識別番号を表示してもよい。
【0094】
次に、割込み処理部101bは、ログイン中の利用者に、割込みログイン要求の発生を通知する(ステップSt7)。割込み処理部101bは、通知にあたって、ログイン管理情報132の「ログイン操作機器」を参照し、通知の形態を決定する。
【0095】
具体的には、割込み処理部101bは、「ログイン操作機器」が画像形成装置1である場合、この通知を表示部161に表示し、他方、「ログイン操作機器」が端末装置2である場合、通信処理部17を介して端末装置2に通知する。このとき、割込み処理部101bは、割込みログイン要求発生の通知とともに、当該割込みログイン要求を行った利用者の識別番号、または利用者名を通知してもよい。
【0096】
この通知は、例えば図8に示されるように、割込みログイン要求を行った利用者の利用者名とともに画像形成装置1、または端末装置2の表示部161,25に表示される。なお、利用者名に代えて、識別番号を表示してもよい。
【0097】
次に、割込み処理部101bは、ログイン中の利用者からログインの許可通知を受信した場合(ステップSt8のYES)、利用者が割込みログイン要求に応じたものとして、割込みログイン要求をした利用者にログインの許可を通知する(ステップSt10)。
【0098】
ログイン中の利用者からのログインの許可通知は、ログイン中の利用者が画像形成装置1からログインしたのであれば(つまり、「ログイン操作機器」が画像形成装置1である場合)、操作部161からの操作により行われる。他方、端末装置2からログインしたのであれば(つまり、「ログイン操作機器」が端末装置2である場合)、許可通知は、通信処理部17を介して端末装置2から行われる。
【0099】
例えば、図8に例示した画面において、「はい」と表示されたボタン3aを選択すると、ログインの許可通知が生成され、他方、「いいえ」と表示されたボタン3bを選択すると、ログインの不許可通知が生成されるようにするとよい。このようにログインの可否を決定する操作は、利用者が決めたタイミングで行われる。したがって、利用者は、例えば、実行中のサービスが完了した後にボタン3a,3bを操作してもよい。
【0100】
割込みログイン要求をした利用者へのログインの許可通知は、ログイン要求情報133に従って行われる。すなわち、ログイン制御部101は、画像形成装置1での操作によりログイン要求が行われた場合、通知を表示部161に表示し、他方、端末装置2からログイン要求が行われた場合、通信処理部17を介して通知を端末装置2に送信する。
【0101】
そして、割込み処理部101bは、割込みログイン要求した利用者に関する情報に基づいて、ログイン管理情報132を更新し(ステップSt11)、処理を終了する。このとき、「割込み有無」は、「有」となる。なお、この処理によって、初めにログイン中だった利用者は、結果的にログアウトされる。
【0102】
一方、割込み処理部101bは、ログイン中の利用者からログインの不許可通知を受信した場合(ステップSt8のNO)、利用者が割込みログイン要求に応じなかったものとして、割込みログイン要求をした利用者にログインの不許可が通知される(ステップSt9)。ログイン制御部101は、ログイン要求情報133を参照し、画像形成装置1での操作によりログイン要求が行われた場合、通知を表示部161に表示し、他方、端末装置2からログイン要求が行われた場合、通信処理部17を介して通知を端末装置2に送信する。なお、上述した処理において、ステップSt6,St7の処理順序は限定されず、互いに逆の順序で行われてもよい。
【0103】
次に、端末装置2のCPU20のログイン処理を、図9を参照して説明する。なお、本処理は、端末装置2の起動中、繰り返して実行される。
【0104】
ログイン処理部201は、操作部24によりログイン操作が行われると(ステップSt11のYES)、入力された識別番号、及びパスワードを含むログイン要求を、通信処理部26を介して画像形成装置1に送信する(ステップSt12)。
【0105】
次に、ログイン処理部201は、通信処理部26を介して画像形成装置1から認証失敗の通知を受信すると(ステップSt13のYES)、その旨を表示部25に表示する(ステップSt18)。一方、認証失敗の通知がなければ(ステップSt13のNO)、通信処理部26を介して画像形成装置1から、ログイン中を示す通知を受信したときに(ステップSt14のYES)、図7に例示されるように、ログイン中の利用者に関する情報を表示する(ステップSt15)。
【0106】
そして、ログイン処理部201は、通信処理部26を介して画像形成装置1からログイン許可通知を受信すると(ステップSt16のYES)、サービス指示部203にログイン成功を通知する(ステップSt17)。これは、ログイン中の利用者の存在を示す通知がないときも(ステップSt14のNO)も同様である。また、ログイン許可通知が受信されず(ステップSt16のNO)、ログイン不許可通知を受信すると(ステップSt19のYES)、ログイン処理部201は、処理を終了する。なお、ログイン処理部201は、許可、または不許可の通知を受信するまで待機処理する(ステップSt16のNO、ステップSt19のNO)。
【0107】
次に、割込みログイン要求発生時における端末装置2のCPU20の処理を、図10を参照して説明する。なお、本処理は、端末装置2の起動中、繰り返して実行される。また、この処理は、利用者が端末装置2から画像形成装置1にログイン中である場合に実行される。
【0108】
割込み制御部202は、通信処理部26を介して画像形成装置1から割り込みログイン要求発生の通知を受信すると(ステップSt21のYES)、図8に例示されるように、表示部25に割り込みログイン要求した利用者の情報を表示する(ステップSt22)。
【0109】
そして、割込み制御部202は、図8に示された「はい」ボタン3aが押されると、ログインが許可されたと判断し(ステップSt23のYES)、ログイン許可通知を、通信処理部26を介して画像形成装置1に送信する(ステップSt24)。一方、「いいえ」ボタン3bが押されると、割込み制御部202は、ログインが許可されなかったと判断し(ステップSt23のNO)、ログイン不許可通知を、通信処理部26を介して画像形成装置1に送信する(ステップSt25)。
【0110】
次に、画像形成装置1と端末装置2の間で行われる通信について説明する。図11〜13は、上述した表1のNo.1〜3の場合にそれぞれ対応するラダーチャートである。
【0111】
図11は、画像形成装置1の操作部160、または識別情報取得部18からログイン中の利用者が存在するときに、他の利用者が端末装置2を操作して割込みログイン要求した場合を示す。この場合、まず、端末装置2から画像形成装置1に、識別番号、及びパスワードを含むログイン要求が送信される。
【0112】
認証処理部101aによる利用者の認証が失敗すると、認証失敗通知が画像形成装置1から端末装置2に送信される。一方、利用者の認証が成功すると、ログイン中を示す通知が、ログイン中の利用者の識別番号、または利用者名とともに、画像形成装置1から端末装置2に送信される。そして、端末装置2の表示部25には、図7に例示したように、ログイン中の利用者の情報が表示される
【0113】
次に、図8に例示したように、画像形成装置1の表示部161に割込みログイン発生の通知が表示される。そして、ログイン中の利用者の操作に応じて、画像形成装置1から端末装置2に、ログインの許可通知、または不許可通知が送信される。ログインの許可通知が送信された場合、端末装置2による割込みログインが成功する。
【0114】
次に、図12は、端末装置2からログイン中の利用者が存在するときに、他の利用者が画像形成装置1を操作して割込みログイン要求した場合を示す。この場合、まず、認証処理部101aにより、割込みログイン要求した利用者の認証が行われる。
【0115】
認証が成功すると、画像形成装置1から端末装置2に、識別番号、及びパスワードとともに、割込みログイン要求発生が通知される。これにより、端末装置2の表示部25には、図8に例示したように、割込みログイン要求発生の通知が表示される。また、画像形成装置1の表示部161には、図7に例示されるように、ログイン中の利用者の情報が表示される。
【0116】
次に、利用者の操作に応じて、端末装置2から画像形成装置1に、ログインの許可通知、または不許可通知が送信される。ログインの許可通知が送信された場合、画像形成装置1による割込みログインが成功する。
【0117】
次に、図13は、端末装置(B)2からログイン中の利用者が存在するときに、他の利用者が他の端末装置(A)2を操作して割込みログイン要求した場合を示す。この場合、まず、端末装置(A)2から画像形成装置1に、識別番号、及びパスワードを含むログイン要求が送信される。
【0118】
認証処理部101aによる利用者の認証が失敗すると、認証失敗通知が画像形成装置1から端末装置(A)2に送信される。一方、利用者の認証が成功すると、ログイン中を示す通知が、ログイン中の利用者の識別番号、または利用者名とともに、画像形成装置1から端末装置2に送信される。そして、端末装置(A)2の表示部25には、図7に例示したように、ログイン中の利用者の情報が表示される。
【0119】
次に、画像形成装置1から端末装置(B)2に、識別番号、及びパスワードとともに、割込みログイン要求発生が通知される。これにより、端末装置(B)2の表示部25には、図8に例示したように、割込みログイン発生の通知が表示される。そして、利用者の操作に応じて、端末装置(B)2から画像形成装置1に、ログインの許可通知、または不許可通知が送信される。
【0120】
次に、画像形成装置1は、端末装置(B)2からのログインの許可通知、または不許可通知に従って、端末装置(A)2にログインの許可通知、または不許可通知を送信する。ログインの許可通知が送信された場合、端末装置(A)2による割込みログインが成功する。
【0121】
これまで述べたように、本実施形態によれば、割込みログイン要求が発生したときに、ログイン中の利用者の意思に基づいて、他の利用者のログインを許可、または不許可とすることができる。また、図8に例示したように、割込みログイン要求をした利用者に関する情報が通知されるから、ログイン中の利用者は、割込みログイン要求した他の利用者を識別することができる。さらに、図7に例示したように、ログイン中の利用者に関する情報が通知されるから、ログイン要求した他の利用者は、ログイン中の利用者を識別することができる。
【0122】
また、本実施形態によれば、ログイン中の利用者による許可がなければ、他の利用者はログインできないので、例えば、ログイン中の利用者がスキャンのために画像形成装置1にセットした原稿を、当該他の利用者が、端末装置2から強制的にログインして無断でスキャンすることが防止される。さらに、割込みログイン要求した他の利用者にログインを許可するタイミングは、ログイン中の利用者が決定するので、画像形成装置1の利用効率が向上する。
【0123】
次に、上述した実施形態において、利用者がスキャナ機能を利用する場合のセキュリティをさらに向上させた例を説明する。
【0124】
図14は、スキャン機能に関する画像形成装置1の構成を示す斜視図である。画像形成装置1は、原稿6を置くための原稿台51と、開閉自在なプラテンカバー52と、原稿台51とプラテンカバー52を接続するヒンジ部53と、原稿台51の上面に設けられたスイッチ55とを含む。原稿台51は、内部に画像読取部151を備えている。
【0125】
原稿台51は、画像読取部151が原稿6に印刷された画像をスキャンできるように、原稿6と接触する表面が、例えばプラテンガラスのような透明基材により構成されている。利用者は、原稿をスキャンするとき、図のように、原稿6を原稿台51にセットして、プラテンカバー52を閉じる。
【0126】
原稿台51、及びプラテンカバー52の表面は、それぞれ矩形状に形成され、その一辺においてヒンジ部53を介して互いに接続されている。プラテンカバー52は、ヒンジ部53により、図中の符号dが示す方向において開閉自在であり、閉じ位置において、原稿台51に置かれた原稿を覆う。これにより、画像読取部151が原稿6をスキャンするときに、外部から乱光が入射することを防止する。
【0127】
スイッチ55は、原稿をセットする動作が行われたことを検出する検出手段として機能する。具体的には、スイッチ55は、原稿台51の上面に設けられ、プラテンカバー52の開閉状態を検出する。
【0128】
スイッチ55は、原稿台51の上面に設けられた孔を貫通するように設けられ、バネなどの弾性体により原稿台51の内部から外部に向けて付勢されている。このため、スイッチ55は、プラテンカバー52が閉じ位置にあるとき、プラテンカバー52の内表面と接触して、原稿台51の内部に押し込まれ、他方、プラテンカバー52が開き位置にあるとき、原稿台51の外部に突出する(符号f参照)。なお、プラテンカバー52の開閉状態の検出手段は、このような機械式の検出手段に限定されず、磁気式、または光式などの何れの検出手段であってもよい。
【0129】
スイッチ55は、図15に例示されるように、プラテンカバー52の開閉状態に応じて、CPU10に検出信号を出力する。検出信号は、例えば、信号電圧のハイレベルが開状態を示し、ローレベルが閉状態を示す。なお、これに限定されず、状態とレベルの関係を逆にしてもよい。
【0130】
本実施形態において、上述した実施形態のスキャナ機能部102cは、ログイン制御部101が、割込みログイン要求に応じてログインを許可した場合、スイッチ55によって原稿をセットする動作が行われたことを検出したときに、画像読取部151に原稿6の画像を読み取る許可を与える読取制御手段として機能する。つまり、スキャナ機能部102cは、ログイン制御部101が、操作部161、または端末装置2から通知されたログイン許可の通知に従って、割込みログイン要求した利用者のログインを許可した場合(図5のステップSt8,10を参照)、プラテンカバー52の開閉操作を条件として、画像読取部151によるスキャンを許可する。
【0131】
図16は、スキャナ機能部102cの処理を示している。スキャナ機能部102cは、画像形成装置1の操作部160、または端末装置2の操作部24の操作に応じて、スキャンの実行指示がなされると(ステップSt31のYES)、ログイン中の利用者が割り込みログイン要求によりログインしたか否かを判断する(ステップSt32)。この判断は、ログイン管理情報132の「割込み有無」に基づいて行われる。
【0132】
「割込み有無」が「無」である場合(ステップSt32のNO)、スキャナ機能部102cは、画像読取部151に原稿6の画像を読み取る許可を与える(ステップSt35)。一方、「割込み有無」が「有」である場合(ステップSt32のYES)、スキャナ機能部102cは、通信処理部17を介して、端末装置2に、原稿のセット要求を通知する(ステップSt33)。これにより、端末装置2の表示部25には、図17に例示されるように、プラテンカバー52を開けて原稿をセットするように促すメッセージが表示される。
【0133】
図17に例示された画面において、設定変更ボタン7aは、スキャンする原稿のサイズや解像度などの設定を行うための操作手段であり、他方、スキャンスタートボタン7bは、原稿のスキャン実行を指示するための操作手段である。ここで、スキャンスタートボタン7bは、プラテンカバー52が開閉されるまで、操作することができない。
【0134】
次に、スキャナ機能部102cは、スイッチ55からの検出信号に基づいて、プラテンカバー52の開閉が行われたか否かを判断する(ステップSt34)。スキャナ機能部102cは、利用者によりプラテンカバー52がいったん開かれた後に、閉じられたことを検出すると(ステップSt34のYES)、画像読取部151に原稿6の画像を読み取る許可を与える(ステップSt35)。
【0135】
このように、本実施形態によれば、割込みログイン要求によりログインした場合、改めて原稿をセットしないと、原稿6の画像の読取が実行されない。したがって、例えば、ログイン中の利用者が、装置1に原稿をセットしたまま、誤って割込みログイン要求を許可した場合に、他の利用者によるスキャンが防止される。
【0136】
本実施形態では、原稿をセットする動作が行われたことを、プラテンカバー52が開閉動作により検出したが、原稿のセット動作の検出方法は、これに限定されるものではない。
【0137】
図18は、他の検出方法を適用した画像形成装置1の斜視図である。本実施形態の画像形成装置1は、図14に示された原稿台51、及びプラテンカバー52に加えて、自動原稿送り装置56と、トレイ57と、センサ58とを含む。利用者は、原稿をスキャンするとき、図のように、原稿6をトレイ57にセットし、原稿ガイド57aを原稿6のサイズに合わせてセットする。
【0138】
トレイ57は、原稿6をセットするための平板状部材であり、プラテンカバー52の上方において、自動原稿送り装置56に向かって傾斜した状態で備えられている。トレイ57は、セットされた原稿6を自動原稿送り装置56に案内するように、原稿6の幅方向においてスライド自在な原稿ガイド57aが設けられている。原稿ガイド57aは、自動原稿送り装置56に設けられたスリット56aに沿って移動する。トレイ57にセットされた原稿6は、トレイ57の傾斜のために、端部がスリット56aに挿入される。
【0139】
自動原稿送り装置56は、プラテンカバー52の一端部に、プラテンカバー52と一体的に備えられている。自動原稿送り装置56は、ローラなどの搬送機構を有し、トレイ57にセットされた原稿6を、スリット56aから引き込んで自動的に搬送し、画像読取部151により画像がスキャンされた後、トレイ56の下方にある排出部52aに排出する。
【0140】
また、センサ58は、原稿6をセットする動作が行われたことを検出する検出手段として機能する。具体的には、センサ58は、自動原稿送り装置56の内部に設けられ、原稿6の端部がスリット56aに挿入されたことを検出する。センサ58の検出方式は、機械式、磁気式、または光式の何れであってもよい。
【0141】
本実施形態によれば、割込みログイン要求によりログインした利用者は、トレイ57に原稿6が残っている場合であっても、いったん原稿6を取り除いて、再度、原稿6をセットしないとスキャンは不可能である。したがって、先の実施形態と同様に、セットされたままの他人の原稿6が、割込みログイン要求によりログインした利用者により無断でスキャンされることが防止される。
【0142】
これまで述べた実施形態と同様の作用効果は、上述した各機能を実現するためのプログラムが記録された記録媒体を画像形成装置、または端末装置に供給し、該装置内のコンピュータが上記のプログラムを実行することによっても得られる。なお、記録媒体は、コンピュータが読み出し可能なものであれば、CD−ROM、DVD、またはSDカードなどのうち、何れであってもよい。
【0143】
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
【符号の説明】
【0144】
1 画像形成装置
10 CPU
17 通信処理部
18 識別情報取得部
101 ログイン制御部
102 サービス提供部
151 画像読取部
160 操作部
161 表示部
2 端末装置
20 CPU
24 操作部
25 表示部
26 通信処理部
51 原稿台
52 プラテンカバー
58 センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の端末装置と通信する通信手段と、
操作を行うための操作手段と、
情報を通知する通知手段と、
前記操作手段から、または前記通信手段を介して外部の端末装置から利用者のログイン要求を受け、該ログインの可否を決定するログイン制御手段とを有し、
前記ログイン制御手段は、利用者のログイン中に、他の利用者からログイン要求を受けたときに、ログイン要求の発生を、前記通信手段、または前記通知手段によって該ログイン中の利用者に通知し、該ログイン中の利用者からの前記通信手段を介して受信した通知、または前記操作手段による操作に応じて前記他の利用者のログインを許可することを特徴とするサービス提供装置。
【請求項2】
前記ログイン要求は、利用者を識別する識別情報を含んでおり、
前記ログイン制御手段は、利用者のログイン中に、他の利用者からログイン要求を受けたときに、前記識別情報に基づいて前記他の利用者を認証し、前記他の利用者の前記識別情報、または前記他の利用者の前記識別情報に対応する利用者名を、前記通信手段、または前記通知手段によって該ログイン中の利用者に通知することを特徴とする請求項1に記載のサービス提供装置。
【請求項3】
前記ログイン要求は、利用者を識別する識別情報を含んでおり、
前記ログイン制御手段は、
利用者からログイン要求を受けたときに、前記識別情報に基づいて利用者を認証し、
利用者のログイン中に、他の利用者からログイン要求を受けたときに、該ログイン中の利用者の前記識別情報、または前記利用者の前記識別情報に対応する利用者名を、前記通信手段、または前記通知手段によって前記他の利用者に通知することを特徴とする請求項1、または2に記載のサービス提供装置。
【請求項4】
セットされた原稿の画像を読み取る読取手段と、
原稿をセットする動作が行われたことを検出する検出手段と、
前記ログイン制御手段が、利用者のログイン中に受けた他の利用者からのログイン要求に応じて前記他の利用者のログインを許可した場合、前記検出手段が、前記原稿をセットする動作が行われたことを検出したときに、前記読取手段に原稿の画像を読み取る許可を与える読取制御手段とを、さらに有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のサービス提供装置。
【請求項5】
サービス提供装置を、
外部の端末装置と通信する通信手段と、
操作を行うための操作手段と、
情報を通知する通知手段と、
前記操作手段から、または前記通信手段を介して外部の端末装置から利用者のログイン要求を受け、該ログインの可否を決定するログイン制御手段として機能させ、
前記ログイン制御手段は、利用者のログイン中に、他の利用者からログイン要求を受けたときに、ログイン要求の発生を、前記通信手段、または前記通知手段によって該ログイン中の利用者に通知し、前記通信手段を介して受信した通知、または前記操作手段による操作に応じて前記他の利用者のログインを許可することを特徴とするプログラム。
【請求項6】
前記ログイン要求は、利用者を識別する識別情報を含んでおり、
前記ログイン制御手段は、利用者のログイン中に、他の利用者からログイン要求を受けたときに、前記識別情報に基づいて前記他の利用者を認証し、前記他の利用者の前記識別情報、または前記他の利用者の前記識別情報に対応する利用者名を、前記通信手段、または前記通知手段によって該ログイン中の利用者に通知することを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記ログイン要求は、利用者を識別する識別情報を含んでおり、
前記ログイン制御手段は、
利用者からログイン要求を受けたときに、前記識別情報に基づいて利用者を認証し、
利用者のログイン中に、他の利用者からログイン要求を受けたときに、該ログイン中の利用者の前記識別情報、または前記利用者の前記識別情報に対応する利用者名を、前記通信手段、または前記通知手段によって前記他の利用者に通知することを特徴とする請求項5、または6に記載のプログラム。
【請求項8】
サービス提供装置を、さらに、
セットされた原稿の画像を読み取る読取手段と、
原稿をセットする動作が行われたことを検出する検出手段と、
前記ログイン制御手段が、利用者のログイン中に受けた他の利用者からのログイン要求に応じて前記他の利用者のログインを許可した場合、前記開閉検出手段が、前記原稿をセットする動作が行われたことを検出したときに、前記読取手段に原稿の画像を読み取る許可を与える読取制御手段として機能させることを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載のプログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−61770(P2013−61770A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199483(P2011−199483)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】