説明

シャンプー組成物

【課題】シャンプー使用時の泡立ちや泡質が良好であり、水すすぎ時のぬるつき感やきしみ感がなく、且つ髪のビルドアップが少ないものであり、水すすぎ後に使用するコンディショナー塗布後の髪の仕上がりが良好なシャンプー組成物を提供すること。
【解決手段】次の成分(A)〜(D);
(A)アミノ酸系界面活性剤
(B)グリコシルトレハロース
(C)グリシン及び/又はトリメチルグリシン
(D)ヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル
を配合することを特徴とするシャンプー組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシャンプー組成物に関し、更に詳細には、アミノ酸系界面活性剤、グリコシルトレハロース、グリシン及び/又はトリメチルグリシン、ヒドロキシアルキル多価アルコールエーテルを配合するシャンプー組成物であって、シャンプー使用時の泡立ちや泡質が良好であり、水すすぎ時のぬるつき感やきしみ感がなく、且つ髪のビルドアップが少ないものであり、水すすぎ後に使用するコンディショナー塗布後の髪の仕上がりが良好なシャンプー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シャンプー組成物には、毛髪並びに頭皮の汚れやスタイリング剤をきれいに落とすために洗浄成分として主にアニオン性界面活性剤を配合しており、さらに洗浄力の向上、使用性の改善、使用中および使用後の感触改良等を目的として、特定の両性界面活性剤、ノニオン性活性剤、カチオン性活性剤、高分子、糖類、ポリオール、タンパク質等の種々の成分の配合について検討がなされてきた。このような成分の配合検討をするにあたり、洗浄成分として界面活性剤の選択が非常に重要となってくる。
【0003】
洗浄剤として用いられる主界面活性剤としては、アルキル硫酸系界面活性剤、アシルメチルタウリン系界面活性剤、スルホン酸系界面活性剤、アミノ酸系界面活性剤等を用いる技術があるが、中でもアミノ酸系界面活性剤は、肌に対してマイルドな使用感を有し、水すすぎ時のなめらかさや仕上がりのしっとりとした感触等の利点がある反面、泡立ちや泡の持続性、弾力性やクリーミーさといった泡質等では満足でない場合があり、種々の配合検討がされている。例えば、水溶性高分子と特定のポリオールを配合することで泡立ちや泡質を改善する技術がある(特許文献3参照)。
【0004】
一方、グリコシルトレハロースは、泡立ちや泡質改善の点からも化粧料への配合検討がなされている。例えば、グリコシルトレハロースを加水分解植物タンパクや水溶性高分子と組み合わせて配合する技術(特許文献1、2参照)や、特定のノニオン性界面活性剤を配合し、ポンプフォーマーを使用する技術がある(特許文献4参照)。
【特許文献1】特開2006−193484号公報
【特許文献2】特開2010−180182号公報
【特許文献3】特許3389680号公報
【特許文献4】特開2006−193549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
皮膚と毛髪ではその特性は大きく異なることが知られており、例えば、皮膚では表皮細胞の代謝が行われるのに対し、毛髪は死細胞から成り自己修復機能を持たないため、過剰な洗浄力や摩擦は毛髪に対して不可逆なダメージを与えるものである。そのため上記特許文献1〜4の技術は、顔、身体、毛髪すべての洗浄に用いる洗浄組成物に関するものではあるが、同一の洗浄組成物を使用した場合でも、必ずしも使用部位によっては最適なものとはなり得ない場合がある。
【0006】
特に、毛髪はその形状の点から、皮膚と比べて洗浄時および水すすぎ時の絡まりやきしみ感、ぬるつき感を感じやすい。さらに、求められる官能品質についても、毛髪では仕上がりのまとまり感やさらさら感といった、皮膚にはない項目が重視される。上記特許文献の技術にて、毛髪を洗浄した場合、泡立ち、水すすぎ時の感触、ヘアコンディショナーを塗布した後の髪のまとまりについては、十分満足できるものではなく、特にコンディショナー塗布後のごわつきのなさといった仕上がり等の点においては、大きな課題であった。
【0007】
より具体的には上記文献1や3の技術では、必須成分である水溶性高分子の配合により、すすぎ時にぬるつきが残り、また連用による髪への蓄積によって髪がごわつき、シャンプー後に使用するコンディショナーの付着・浸透を阻害する場合がある。また、特許文献2の技術は、アミノ酸系界面活性剤を主洗浄剤として用いた場合、その泡立ちや泡質の改善効果は十分ではなく、シャンプー組成物として使用した場合、まとまりやなめらかさといった髪の仕上がりには問題点があった。さらに、特許文献4の技術は、ポンプフォーマーを使用しない場合には泡立ちや泡質は不十分であり、まとまりやなめらかさといった髪の仕上がりには問題点があった。
【0008】
すなわち、これらの技術をもってしてもシャンプー組成物において、泡立ちや泡質、すすぎ時の感触、髪の仕上がりのすべてを満たすものは全く知られていなかった。特にシャンプー組成物にはアニオン性界面活性剤を主洗浄剤として用いることが一般的であるが、アニオン性界面活性剤のみでは水すすぎ時に強いきしみ感や髪の絡まりが生じることがある。そのため、一般的なシャンプーには、コンディショニング成分としてカチオン性高分子が配合されており、カチオン性高分子とアニオン性界面活性剤の複合体の形成により、水すすぎ時の摩擦を低減させている。さらにカチオン性高分子には、泡立ちを向上させる効果もある。しかしながら、このようなシャンプーを連用することにより、この水不溶性の複合体が毛髪表面に蓄積する(以下、これを「ビルドアップ」と称すこととする)ことがあり、髪のごわつきやまとまりのなさを生じる一因となる。そのためシャンプー使用後に用いるコンディショナーの塗布した場合でも、ビルドアップされた毛髪にとってはコンディショナーの効果が得られにくいという問題があった。
【0009】
そこで本発明では、シャンプー使用時の泡立ちや泡質が良好であり、水すすぎ時のぬるつき感やきしみ感がなく、且つ髪のビルドアップが少ないものであり、水すすぎ後に使用するコンディショナー塗布後の髪の仕上がりが良好なシャンプー組成物を技術開発することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる実情に鑑み、本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、水すすぎ時のきしみ感のなさ、仕上がりの髪のまとまりといった観点から、アミノ酸系界面活性剤を用いたシャンプー組成物の技術開発を行うこととした。アミノ酸系界面活性剤の欠点である泡立ちの悪さを改善するための成分の探索と、ビルドアップを生じないものとする製品設計を検討する必要があった。そこで、従来より使用されるカチオン性高分子などの水溶性高分子を用いるのではなく、ヒドロキシアルキル多価アルコールエーテルを配合することにより、アミノ酸系界面活性剤の泡立ちが向上する知見を得たが、これに加えてさらにグリコシルトレハロースを同時に配合することにより、泡立ちの向上だけでなく、ビルドアップを生じないという知見を見出した。この技術により毛髪補修成分等を配合した場合においても、これまで以上にその効果を高めることが可能となることがわかった。そしてさらに検討を重ねた結果で、毛髪補修成分の中でもグリシンとその誘導体であるトリメチルグリシンが、髪のまとまりにやすさついて特に高い効果を示すことを見出し、本発明を完成させた。
【0011】
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(D);
(A)アミノ酸系界面活性剤
(B)グリコシルトレハロース
(C)グリシン及び/又はトリメチルグリシン
(D)ヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル
を配合することを特徴とするシャンプー組成物を提供するものである。
【0012】
また、前記成分(A)が、N−アシル−L−グルタミン酸塩であることを特徴とするシャンプー組成物を提供するものである。
【0013】
さらに、前記成分(B)の配合量が、0.1〜10質量%であることを特徴とするシャンプー組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明のシャンプー組成物は、使用時の泡立ちや泡質が良好であり、水すすぎ時のぬるつき感やきしみ感がなく、且つ髪のビルドアップが少ないものであり、水すすぎ後に使用するコンディショナー塗布後の髪の仕上がりが良好であるという利点がある。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明について特にその好ましい形態を中心に具体的に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
【0016】
本発明の洗浄剤組成物に用いられる成分(A)アミノ酸系界面活性剤は、洗浄剤の主成分として用いるものであり、通常洗浄剤組成物に用いられるものであれば特に制限されず、例えば、N−アシルアミノ酸の骨格としては、N−アシルグルタミン酸、N−アシル−DL−アラニン、N−アシル−N−メチル−β−アラニン、N−アシルメチルタウリン、N−アシルサルコシン、N−アシルグリシン等が例示できる。なおここでアシル基の炭素数は、特に限定はされるものではないが、炭素数8〜20のものであれば、いずれのものでも使用可能であり、これらを一種又は二種以上用いることができる。特に好ましくは、ヤシ油脂肪酸等を挙げることができる。また対塩基としては特に制限はなく、ナトリウム、カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アルギニン、リジン、ヒスチジン、アンモニア等が挙げられる。特に、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸等のN−長鎖アシルグルタミン酸のトリエタノールアミン塩が好ましい。
成分(A)はこれらの塩から一種又は二種以上を用いることができ、市販品としてはアミノサーファクトACMT−L(旭化成ケミカルズ社製)、アラノンALTA(川研ファインケミカル社製)等を用いることができる。
【0017】
本発明のシャンプー組成物における成分(A)の配合量は、特に限定されないが、好ましくは組成物全量中10〜30質量%(以下、単に「%」と略す)、さらに好ましくは15〜25%であり、使用時の泡立ちや泡質の向上、水すすぎ時のぬるつき感やきしみ感のなさといった効果に好適である。
【0018】
本発明に用いられる成分(B)グリコシルトレハロースは、本発明においては、泡立ちや泡質を改善する目的、水すすぎ時のなめらかさの付与等に寄与するとして配合されるものである。さらに、従来より使用される水溶性高分子とは異なり、ビルドアップを生じないことにも寄与する成分である。成分(B)は通常、化粧料に使用されるものであれば、特に限定されるものではないが、具体的にはトレハロースに直結するグリコシル基については、糖分子からヘミアセタール水酸基を去って得られれば、単糖、多糖を問わず、グリコシル基、フルクトシル基、ガラクトシル基、マルトシル基、マルトトリオシル基、マルトテトラオシル基等が挙げられる。この中でも、特にマルトシル基は、良好な泡立ちや泡質を実現する点で好適である。このような成分(B)は水溶液として配合することも可能であり、例えば市販品としてはグリコシルトレハロース(47%)、加水分解水添デンプン(27%)、および水(26%)の混合溶液であるTORNARE(登録商標、林原生物科学研究所製)が挙げられる。
【0019】
本発明のシャンプー組成物における成分(B)の配合量は、組成物全量中、好ましくは0.1〜10%、より好ましくは1〜5%である。この範囲であれば、使用時の泡立ちや泡質の向上、水すすぎ時のぬるつき感やきしみ感のなさといった効果に好適である。
【0020】
本発明に用いられる成分(C)グリシン及び/又はトリメチルグリシンは、本発明においては、髪表面への吸着および内部への浸透によって、仕上がり後の髪のまとまりやごわつきのなさ等に寄与する成分である。グリシンとしては、グリシンとその塩を含むものであり、具体的にはグリシン塩類(硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩等)も使用することが可能である。またグリシンの誘導体であるトリメチルグリシンを用いた場合でも、仕上がり後の髪のまとまりやごわつきのなさに優れた効果を示すことができる。これらは一種だけでなく、二種以上を用いることも可能であるが、本発明においては、特にグリシンが優れたものとしてあげられる。
本発明では、水溶性高分子を実質的に含有しないことを特徴としており、このような場合には、成分(C)を配合したことによる髪への吸着、浸透が妨げられることなく、より好ましいものとなる。ここでいう「実質的に」とは、水溶性高分子の配合量が0.01%以下のものをさし、この配合量以下にすることにより髪表面を覆う成分の影響を抑え、成分(C)の効果を高めることが可能となる。
【0021】
本発明のシャンプー組成物における成分(C)の配合量は、組成物全量0.01〜5%、更に好ましくは0.1〜1%である。成分(C)をこの範囲で配合するとシャンプー使用時の泡立ちや泡質、水すすぎ後に使用するコンディショナー塗布後の髪の仕上がりに優れたものが得られる。
【0022】
本発明に用いられる成分(D)ヒドロキシアルキル多価アルコールエーテルは、成分(A)と併用することで泡量、泡質を改善し、さらに洗浄後の髪の仕上がりにおいてまとまりの良さやごわつきなさといった良好な感触を与える効果がある。ヒドロキシアルキル多価アルコールエーテルは、通常、化粧料に用いられるものでは特に限定されない。具体的には、ヒドロキシドデシル−1,2−プロピレングリコールエーテル、ヒドロキシテトラデシル−1,2−プロピレングリコールエーテル、ヒドロキシドデシル−1,3−ブタンジオールエーテル、ヒドロキシドデシル−3−メチル−1,3−ブタンジオールエーテル、ヒドロキシドデシル−2−メチル−2,4−ペンタンジオールエーテル、(ラウリル/ミリスチル)グリコールヒドロキシプロピルエーテル、ラウリルグリコールヒドロキシプロピルエーテルなどが挙げられる。これらの中でも、(ラウリル/ミリスチル)グリコールヒドロキシプロピルエーテル、ラウリルグリコールヒドロキシプロピルエーテルが好ましいものとして挙げられる。また、このような原料としては、それぞれビスコセーフLMPE(川研ファインケミカル社製)、ビスコセーフLPE(川研ファインケミカル社製)等の市販品を使用することができる。
【0023】
本発明のシャンプー組成物における成分(D)のヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物は、必要に応じて1種または2種以上を併用して用いることができ、その配合量は特に限定されないが、全組成中0.1〜10%が好ましく、より好ましくは1〜5%である。成分(D)をこの範囲で配合すると、泡量、泡質が良好で、さらに洗浄後の髪の仕上がりにおいてまとまりの良さやごわつきなさといった良好な感触を与えるシャンプー組成物が得られる。
【0024】
本発明は上記した成分(B)と成分(D)を必須に配合するシャンプー組成物であり、各成分の配合比率を特定の範囲とすることで泡立ちや泡もちの効果をより優れたなものとすることが可能となる。これは成分(B)、成分(D)をそれぞれ単独に配合することにより泡立ちや泡もちの効果が得られるが、併用することによりその効果をさらに高めることが可能となる。このような配合比率としては、特に限定されないが、好ましくは(B)/(D)が0.5〜5の範囲であり、より好ましくは、1〜2の範囲のものである。
【0025】
本発明のシャンプー組成物は、上記必須成分の他に水を配合するが、化粧料に一般に用いられるものであれば、特に制限されない。水の他にも精製水、温泉水、深層水、あるいは植物の水蒸気蒸留水でもよく、必要に応じて1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。また配合量は、特に限定されず、適宜、他の成分量に応じて配合することができるが、概ね50〜70%の範囲で用いることができる。
【0026】
本発明のシャンプー組成物には、上記成分以外に、本発明の効果を損なわない質的、量的範囲で、通常、化粧品や医薬部外品、外用医薬品等の製剤に使用される成分、すなわち水(精製水、温泉水、深層水等)、上記以外の界面活性剤、油剤、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、溶接化合物、保湿剤、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、キレート剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、清涼剤、植物抽出物、ビタミン類、上記以外のアミノ酸当の美容成分等を配合できる。
【0027】
界面活性剤としては、上記以外のアニオン性界面活性剤として、ポリオキシレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のポリオキシレンラウリルエーテル硫酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸塩;テトラデセンスルホン酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸カリウム等のα−オレフィンスルホン酸塩;N−ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、N−ラウロイルイセチオン酸カリウム等のアシルイセチオン酸塩;N−ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、N−ラウロイルメチルタウリンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸メチルタウリンカリウム、ラウロイル加水分解シルクナトリウム等のN−アシルポリペプチド塩;スルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸等が挙げられる。両性界面活性剤としては、酢酸ベタイン型界面活性剤としてはオクチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、セチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタイン、セチルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられ、また、イミダゾリン型界面活性剤としてはN−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルエチレンジアミン二ナトリウム等が挙げられる。また、ラウリルアミノジ酢酸ナトリウム等も挙げられる。カチオン性界面活性剤として、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等で、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジベヘニルジメチルアンモニウム、演歌ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ジラウリルジメチルアンモニウム、塩化ジポリオキシエチレン(15EO)ヤシ油アルキルメチルアンモニウム、塩化ジポリオキシエチレン(4EO)ラウリルエーテルジメチルアンモニウム、ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウムサルフェート、ジステアロイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、ジステアロイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、パルミタミドプロピルトリモニウムクロリドが挙げられる。;非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ノモエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ノモエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド、ポルオキシプロピレンヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等が挙げられる。
【0028】
油剤としては、高級アルコール、炭化水素油、エステル油、油脂、シリコーンなどの油性成分を使用できる。例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、シトステロール、ラノステロール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)等の高級アルコール類、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等の炭化水素類、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油類、ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ等のロウ類、パーム油、パーム核油、オリーブ油、サフラワー油,大豆油、綿実油等に代表される植物油脂、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、硬化油、タートル油、豚脂、馬脂、ミンク油、肝油、卵黄油等の動物油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル等のラノリン誘導体、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、グリセリン変性ポリシロキサン、高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコンゴム、シリコーンレジン等が挙げられる。
【0029】
ゲル化剤としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
【0030】
粉体としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状、等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、例えば、無機粉体としては、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、合成雲母、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、モンモリロナイト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン等;有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロースパウダー、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロンパウダー、6ナイロンパウダー、スチレン・アクリル酸共重合体パウダー、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体パウダー、ビニル樹脂パウダー、尿素樹脂パウダー、フェノール樹脂パウダー、フッ素樹脂パウダー、ケイ素樹脂パウダー、アクリル樹脂パウダー、メラミン樹脂パウダー、エポキシ樹脂パウダー、ポリカーボネイト樹脂パウダー、微結晶繊維パウダー、ラウロイルリジン等;有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γー酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した複合粉体等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等;タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる粉体で、これらの粉体を複合化したり、油剤やシリコーン、又はフッ素化合物等で表面処理を行なった粉体でも良い。
【0031】
アルコール類としては、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ−ル、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール等がある。
【0032】
水溶性高分子としては、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムチン、デルマタン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸から選ばれるムコ多糖類及びその塩、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリエチレンイミン、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライト等の無機系水溶性高分子等がある。また、セット剤として汎用されるアニオン性高分子としては、例えばアクリル酸・アクリル酸エチル・N−tert−ブチルアクリルアミド共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン、ビニルメチルエーテル・マレイン酸エチル共重合体、ビニルメチルエーテル・マレイン酸ブチル共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体等を例示することができる。また両性高分子としては、N−メタクリロイルエチルN,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル・アクリル酸オクチルアミド共重合体、アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体等を例示することができる。カチオン性高分子としては、ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体ジエチル硫酸塩、塩化ジアリルジメチルアンモニウム・ヒドロキシエチルセルロース、塩化グリシジルトリメチルアンモニウム・ヒドロキシエチルセルロース、塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体等が例示することができる。非イオン性高分子としては、例えばポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等を例示することができる。
【0033】
抗菌剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられ、防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0034】
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等、清涼剤としては、L−メントール、カンフル等が挙げられる。
【0035】
ビタミン類としては、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、リノレン酸及びその誘導体等のビタミンF類;フィトナジオン、メナキノン、メナジオン、メナジオール等のビタミンK類;エリオシトリン、ヘスペリジン等のビタミンP類;その他、ビオチン、カルチニン、フェルラ酸等が挙げられる。
【0036】
また、上記(C)成分以外のアミノ酸類、アミノ酸誘導体、ペプタイド類、上記(B)以外の糖類及びその誘導体、毛髪脂質成分、リン脂質及びその誘導体やこれらの成分を配合する植物抽出物等が挙げられる。具体的には、アミノ酸類としては、例えばアラニン、バリン、イソロイシン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、シスチン、システイン、アセチルシステイン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、オルニチン、シトルリン、テアニン、クレアチン、クレアチニン等が挙げられる。アミノ酸誘導体としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(2−オクチルドデシル)等が挙げられる。ペプタイド類としては、動物、魚、貝、植物由来のいずれでもよく具体的には、コラーゲン及びその誘導体又はそれらの加水分解物、エラスチン及びその誘導体又はそれらの加水分解物、ケラチン及びその誘導体又はそれらの分解物、コムギタンパク及びその誘導体又はそれらの加水分解物、ダイズタンパク及びその誘導体又はそれらの加水分解物等が挙げられる。糖類としては、ソルビトール、エリスリトール、マルトース、マルチトール、キシリトール、キシロース、トレハロース、イノシトール、グルコース、マンニトール、ペンタエリスリトール、果糖、蔗糖およびそのエステル、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ、黒砂糖抽出物等が挙げられる。毛髪脂質成分としては、セラミド及びその誘導体、18−メチルエイコサン酸等が挙げられる。リン脂質及びその誘導体としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質などが挙げられ、これらの類似物あるいはこれらのものを配合する組成物、すなわち大豆レシチン、卵黄レシチン、あるいはそれらの水素添加物等も挙げられ、リン脂質誘導体としては、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの単独重合体または、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと疎水性モノマーとの共重合体等が挙げられる。
【0037】
本発明のシャンプー組成物の製造方法は、特に制限はなく、常法により調製される。即ち、上記成分(A)〜(D)及び必要に応じ上記任意成分を加え、これを混合することにより調製することができる。
【0038】
斯くして得られる本発明のシャンプー組成物は、泡立ちや泡質が良好で、すすぎ時のぬるつきやきしみ感がなく、コンディショニング塗布後の髪の仕上がりにおいてまとまりが良くごわつきのなく、本発明のシャンプー組成物使用後に用いるコンディショナーの効果や特徴を引き出すため、頭髪の洗浄に好適であり、シャンプーとしてポンプ容器等の容器に入れて使用することができる。

【実施例】
【0039】
次に実施例をもって本発明をより詳細に説明するが、発明はこれらにより、何ら限定されるものではない。
【0040】
本発明品1〜20及び比較品1〜16:シャンプー組成物
表1〜表3に示す組成のシャンプー組成物を下記製造方法により調製し、「洗髪中の泡立ち」、「すすぎ時のすすぎやすさ」、「コンディショナー塗布後のまとまり」、「ビルドアップのなさ」の各項目について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定し、結果を併せて表に示した。
【0041】
【表1】

【0042】
【表2】

【0043】
【表3】

【0044】
【表4】

(注1):アミノサーファクトACMT−L(旭化成ケミカルズ社製 N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン(30%含有)の純分量として記載)
(注2):アミソフトCS−11(味の素社製 N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム)
(注3):アミソフトLS−11(味の素社製 N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム)
(注4):アミソフトMS−11(味の素社製 N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム)
(注5):アミソフトHS−11P(F)(味の素社製 N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム)
(注6):アラノンALTA(川研ファインケミカル製 N−ミリストイル−N−メチル−β−アラニントリエタノールアミン(30%含有)の純分量として記載)
(注7):アミライトGCK−12(味の素社製 N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム(30%含有))
(注8):TORNARE(林原生物化学研究所製 グリコシルトレハロース(47%含有)、加水分解水添デンプン(27%含有) グリコシルトレハロースの純分量として記載)
(注9)ビスコーセーフLMPE(川研ファインケミカル製 (ラウリル/ミリスチル)グリコールヒドロキシプロピルエーテルの純分量として記載)
(注10)ビスコセーフLPE(川研ファインケミカル製 (ラウリルグリコールヒドロキシプロピルエーテルの純分量として記載)

【0045】
(製造方法)
A:成分1〜27を均一に混合する。
B:Aをポンプ容器に充填し、シャンプー組成物を得た。
【0046】
〔評価項目の評価方法〕
化粧品評価専門パネル20名に、前記発明品及び比較品のシャンプーを1週間連続使用してもらい、「洗髪中の泡立ち」、「すすぎ時のすすぎやすさ」、「コンディショナー塗布後のまとまり」、「ビルドアップのなさ」の各項目について、各自が以下の評価基準に従って5段階評価し、更に全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。尚、シャンプー使用後に塗布するコンディショナーはすべての発明品及び比較品について同一のものを使用した。
【0047】
[コンディショナー]
(処方) (%)
1 プロピレングリコール 5.0
2 セテアリルアルコール 2.0
3 ベヘニルアルコール 1.0
4 ベヘントリモニウムクロリド 1.5
5 パルミチン酸オクチル 2.0
6 ジメチルポリシロキサン(6cs) 1.0
7 フェノキシエタノール 0.1
8 パラオキシ安息香酸エステル 0.1
9 エデト酸2ナトリウム 0.1
10 安息香酸ナトリウム 0.1
11 精製水 残量
12 香料 0.5
【0048】
(コンディショナーの製造方法)
A:成分1〜8を75℃にて均一に混合する。
B:成分9〜11を75℃にて均一に混合する。
C:BにAを加えて、75℃にて5分間、乳化混合する。
D:Cを45℃まで冷却する。
E:Dに12を加えて均一に混合する。
【0049】
以下に、本発明のシャンプー組成物、及び上記コンディショナーをそれぞれ使用した際の評価基準を示す。
<評価基準>:洗髪中の泡立ち
[評価結果] :[評点]
非常に泡立ちが良い : 5点
泡立ちが良い : 4点
やや泡立ち良い : 3点
やや泡立ちにくい : 2点
泡立ちにくい : 1点

<評価基準>:すすぎ時のすすぎやすさ
[評価結果] :[評点]
きしみ感を全く感じない : 5点
きしみ感をほとんど感じない : 4点
気にならない程度のきしみ感 : 3点
きしみ感を感じる : 2点
きしみ感が強く髪が絡まる : 1点

<評価基準>:コンディショナー塗布後のまとまり
(1回/1日の使用頻度で髪がまとまりを感じるまでの使用回数として評価した)
1〜2回の連用でまとまりを感じる : 5点
3〜4回の連用でまとまりを感じる : 4点
5〜6回の連用でまとまりを感じる : 3点
7回の連用でまとまりを感じる : 2点
7回の連用してもまとまりを感じない : 1点

<評価基準>:ビルドアップのなさ
(1回/1日の使用頻度で髪がごわつきのなさを感じまでの使用回数として評価した)
[評価結果] :[評点]
1〜2回の連用で全くごわつきを感じない : 5点
3〜4回の連用でごわつきを感じない : 4点
5〜6回の連用でごわつきを感じない : 3点
7回の連用でごわつきを感じない : 2点
7回の連用してもごわつきを感じる : 1点

【0050】
上記評価基準にて、評価した評点の平均値から、以下の判定基準に基づいて判定した。
<判定基準>:
[評点の平均点] :[判定]
4.5以上 : ◎
3.5以上4.5未満 : ○
1.5以上3.5未満 : △
1.5未満 : ×
【0051】
表1〜表4の結果から明らかなように、本発明品1〜23のシャンプーは、「洗髪中の泡立ち」、「すすぎ時のすすぎやすさ」、「コンディショナー塗布後のまとまり」、「ビルドアップのなさ」の全ての項目に優れたシャンプー組成物であった。
これに対して、成分(A)を配合せず、代わりに成分(A)以外のアニオン性界面活性剤または両性界面活性剤を配合した比較品1〜5では、「すすぎ時のすすぎやすさ」が良好ではなかった。また、成分(B)を配合しない比較品6では、「洗髪中の泡立ち」、「コンディショナー塗布後のまとまり」、「ビルドアップのなさ」が劣っており、成分(B)の代わりにカチオン性またはノニオン性の水溶性高分子を配合した比較品7〜10では、「すすぎ時のすすぎやすさ」、「コンディショナー塗布後のまとまり」、「ビルドアップのなさ」について、代わりにトレハロースを配合した比較品11では、「洗髪中の泡立ち」、「コンディショナー塗布後のまとまり」、「ビルドアップのなさ」について満足のいくものが得られなかった。さらに成分(C)の代わりに他のアミノ酸を配合した比較品12〜14では、コンディショナー塗布後のまとまり」、「ビルドアップのなさ」が良好ではなく、成分(D)の代わりに成分(D)以外の低HLBノニオン性界面活性剤を配合した比較品15、16では、「すすぎ時のすすぎやすさ」、「コンディショナー塗布後のまとまり」、「ビルドアップのなさ」が劣っていた。
【0052】
実施例2 シャンプー
(処方) (%)
1 N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン(注1) 20.0
2 ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 1.5
3 ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 1.0
4 (ラウリル/ミリスチル)グリコールヒドロキシプロピルエーテル 5.0
5 グリコシルトレハロース 5.0
6 プロピレングリコール 2.0
7 グリシン 0.5
8 エデト酸2ナトリウム 0.1
9 安息香酸ナトリウム 0.1
10 パラオキシ安息香酸エステル 0.1
11 フェノキシエタノール 0.1
12 精製水 残量
13 香料 0.5
【0053】
(製造方法)
A:成分1〜13を均一に混合する。
B:Aをポンプ容器に充填して、シャンプー組成物を得た。
【0054】
本発明の実施品である実施例2のシャンプーは、泡立ち、すすぎ時のぬるつき感やきしみ感のなさ、コンディショナー塗布後の髪の仕上がりにおけるまとまりの良さやビルドアップのなさにおいて優れたものであった。

【0055】
実施例3 シャンプー
(処方) (%)
1 N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン(注1) 10.0
2 N−ミリストイル−N−メチル−β−アラニントリエタノールアミン 10.0
3 ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 1.5
4 ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 1.0
5 (ラウリル/ミリスチル)グリコールヒドロキシプロピルエーテル 5.0
6 グリコシルトレハロース 5.0
7 プロピレングリコール 2.0
8 グリシン 0.5
9 エデト酸2ナトリウム 0.1
10 安息香酸ナトリウム 0.1
11 パラオキシ安息香酸エステル 0.1
12 フェノキシエタノール 0.1
13 精製水 残量
14 香料 0.5
【0056】
(製造方法)
A:成分1〜14を均一に混合する。
B:Aをポンプ容器に充填して、シャンプー組成物を得た。
【0057】
本発明の実施品である実施例3のシャンプーは、泡立ち、すすぎ時のぬるつき感やきしみ感のなさ、コンディショナー塗布後の髪の仕上がりにおけるまとまりの良さやビルドアップのなさにおいて優れたものであった。
【0058】
実施例4 シャンプー
(処方) (%)
1 N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン(注1) 10.0
2 ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 5.0
3 ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 3.0
4 (ラウリル/ミリスチル)グリコールヒドロキシプロピルエーテル 1.0
5 グリコシルトレハロース 1.0
6 グリシン 0.5
7 エデト酸2ナトリウム 0.1
8 安息香酸ナトリウム 0.1
9 パラオキシ安息香酸エステル 0.1
10 フェノキシエタノール 0.1
11 精製水 残量
12 香料 0.5
【0059】
(製造方法)
A:成分1〜12を均一に混合する。
B:Aをポンプ容器に充填して、シャンプー組成物を得た。
【0060】
本発明の実施品である実施例4のシャンプーは、泡立ち、すすぎ時のぬるつき感やきしみ感のなさ、コンディショナー塗布後の髪の仕上がりにおけるまとまりの良さやビルドアップのなさにおいて優れたものであった。
【0061】
実施例5 シャンプー
(処方) (%)
1 N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン(注1) 20.0
2 ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 3.0
3 ラウリルグリコールヒドロキシプロピルエーテル 5.0
4 グリコシルトレハロース 5.0
5 トリメチルグリシン 0.5
6 エデト酸3ナトリウム 0.1
7 安息香酸ナトリウム 0.1
8 パラオキシ安息香酸エステル 0.1
9 1,2−ペンタンジオール 1.0
10 精製水 残量
11 香料 0.5
【0062】
(製造方法)
A:成分1〜11を均一に混合する。
B:Aをポンプ容器に充填して、シャンプー組成物を得た。
【0063】
本発明の実施品である実施例5のシャンプーは、泡立ち、すすぎ時のぬるつき感やきしみ感のなさ、コンディショナー塗布後の髪の仕上がりにおけるまとまりの良さやビルドアップのなさにおいて優れたものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(D);
(A)アミノ酸系界面活性剤、
(B)グリコシルトレハロース
(C)グリシン及び/又はトリメチルグリシン
(D)ヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル
を配合することを特徴とするシャンプー組成物。
【請求項2】
前記成分(A)が、N−アシル−L−グルタミン酸塩であることを特徴とする請求項1記載のシャンプー組成物。
【請求項3】
前記成分(B)の配合量が、0.1〜10質量%であることを特徴とする請求項1又は2記載のシャンプー組成物。

【公開番号】特開2013−6803(P2013−6803A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141307(P2011−141307)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】