説明

シリコーン変性脂肪酸、それらの調製方法およびそれらの使用

本発明はシリコーン変性脂肪族カルボン酸化合物に関する。より詳細に、本発明は低分子量、すなわち短鎖の、シリコーン変性脂肪族カルボン酸、その使用およびその製造方法に関する。本発明は、化粧品配合物において使用するための、部分的に天然物より誘導されるシリコーン化合物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、参照によってここへと組み入れる、2009年9月2日出願の米国特許出願番号61/239,215への優先権を主張する。
【0002】
本発明はシリコーン変性脂肪族カルボン酸化合物に関する。より詳細には、本発明は、低分子量、すなわち短鎖の、シリコーン変性脂肪族カルボン酸、ならびにそれらの使用およびそれらの調製方法に関する。
【背景技術】
【0003】
パーソナルケア、製薬および小売業界における天然系の製品の流行が大きくなっている。植物油および植物ワックスの使用は当分野において公知であるが、それらは一般的に、パーソナルケア製品にとって好ましくない感覚特性を持つ。結果として、典型的に配合物は、その配合物中にそれらの材料を低い濃度で用いる。配合物はしばしば、スキンケア製品およびヘアケア製品の感覚特性を向上するための有効成分を含む。シリコーンは、パーソナルケア製品の感覚特性を高めることが当分野において公知である材料の一種である。典型的に配合者は、所望の感覚特性を達成するために植物油もしくは植物ワックスとシリコーンをパーソナルケア製品へと別々に添加する必要がある。
【0004】
当分野において、多くのシリコーン変性脂肪族カルボン酸が知られている。それらの従来技術の化合物の調製は、たとえば、ヒドロキシル基含有シロキサンと脂肪酸のカルボキシル基と間の縮合反応のようないくつかのプロセスを含んでいた。他の一般的に用いられる方法は、金属触媒の存在下におけるオレフィンエステルのヒドロシリル化を含む。他の従来技術のプロセスは、脂肪族カルボン酸のカルボキシル基へのアミノ変性シロキサンのアミノ付加を用いる。これらの化合物および反応の例は、例えば、ヘア、スキンおよび繊維用の組成物での使用のためにシラノールワックスより調製されたワックス状の固体潤滑を開示するO’Lenick,Jr.への米国特許第5,051,489号において開示される。この特許にの化合物は、シラノール化合物を脂肪族カルボン酸もしくはポリカルボン酸の、エステルもしくは無水物と反応させることによって調製される。O’Lenick,Jr.への他の米国特許第5,136,063号は、繊維もしくは線維の処理における使用に好適な一連のシリコーン脂肪族エステルを示す。これらの化合物は、ヒドロキシル含有シロキサンポリマーと脂肪族カルボン酸のエステルもしくは無水物との間の縮合反応の方法によって調製される。米国特許第5,115,049号は、有機官能性シリコーンアミンの脂肪族カルボン酸塩を開示する。これらの化合物の合成はアミノ付加を経由して実施され、ここでシリコーンアミンは脂肪族カルボン酸によって中和される。欧州特許第0955340号は、パーソナルケアおよび繊維柔軟剤組成物における使用のための、ヒドロシリル化によって調製される液体シリコーンエステルもしくは混合物を開示する。米国特許第4,912,242号は、金属錯体触媒を用いたアリルエステルのヒドロシリル化を経由するシリコーンエステルの調製を開示する。Thayerらへの米国特許第4,725,658号は、脂肪酸の代わりに脂肪酸エステルを用いて調製されるシリコーンエステルを開示する。
【0005】
他のシリコーン変性脂肪酸の開示は、カルナバワックス中に存在する遊離ヒドロキシル基へのエポキシ含有シロキサンのエポキシ付加によって合成されるシリコーンカルナバコポリマーを提供する米国特許第3,563,941号を含む。この特許のプロセスは無反応のヒドロキシルラジカルを含有するカルナバワックスを用いる。ヒドロキシルラジカルは、ケイ素含有化合物のエポキシ基と反応してシリコーンカルナバワックスコポリマーを生じる。
【0006】
しかしながら、本発明において、シリコーンと脂肪族カルボン酸とを最初に反応させ、そしてこの物質を、パーソナル、ヘアおよびスキンの(すなわち化粧品組成物)、自動車の、硬表面のまたは繊維向上の組成物へと混合することによって得られる多くの利点があることが見出された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それゆえ、本発明の目的は、例えばスキンもしくはヘアに対して向上した触感を与える事の出来るシリコーン変性脂肪族カルボン酸、すなわちシリコーン脂肪酸エステル、を提供する事である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
a)式:

〔式中、M=RSiO1/2
=RSiO1/2
D=RSiO2/2
=R10SiO2/2
T=R11SiO3/2
=R12SiO3/2
Q=SiO4/2
であり、
、R、R、R、R、R、R、R10およびR11がそれぞれ独立して、1から6個の炭素原子を持つ一価の炭化水素ラジカルであり、R、RおよびR12がそれぞれ独立して、3から25個の炭素原子と少なくとも一つのエポキシもしくはオキセタン基とを含有する一価の炭化水素ラジカルであり、ここで、下付文字a、b、c、d、e、fおよびgはゼロもしくは正の数であり、そしてそれらの合計が25未満であり、但し、下付文字b、dおよびfの少なくとも一つが正の数であるという条件である〕
を持つ環状エーテルシリコーンの少なくとも一つと
b)少なくとも一つの実質的に純粋な脂肪族カルボン酸との、反応産物を含有する、変性シリコーン化合物を提供する。
【0009】
本発明は、さらに
i)式:

〔式中、M=RSiO1/2
=RSiO1/2
D=RSiO2/2
=R10SiO2/2
T=R11SiO3/2
=R12SiO3/2
Q=SiO4/2
であり、
、R、R、R、R、R、R、R10およびR11がそれぞれ独立して、1から6個の炭素原子を持つ一価の炭化水素ラジカルであり、R、RおよびR12がそれぞれ独立して、3から25個の炭素原子と少なくとも一つのエポキシもしくはオキセタン基とを含有する一価の炭化水素ラジカルであり、ここで、下付文字a、b、c、d、e、fおよびgはゼロもしくは正の数であり、そしてそれらの合計が25未満であり、但し、下付文字b、dおよびfの少なくとも一つが正の数であるという条件である〕
を持つ環状エーテルシリコーンの少なくとも一つと、少なくとも一つの実質的に純粋な脂肪族カルボン酸とを、少なくとも一つの触媒の存在下において反応させることを含有する、変性シリコーン化合物を製造する方法を提供する。
【0010】
本発明の新規の脂肪族カルボン酸変性シリコーンは、例えば、未加工の脂肪酸と比較して、スキンもしくはヘアの触感を向上させ、粘性を低下させ、色および匂いを低減させることができる。これらのシリコーン変性脂肪酸、すなわちシリコーン脂肪酸は、エマルジョンの状態で、植物油との混合物として、および/もしくは純粋な状態で化粧品配合物中に混合させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施例以外において、もしくは他に示されていなければ、物質の量、反応条件、時間、物質の定量化された性質などを表す、明細書および請求項に述べられるすべての数字は、単語「約」が表現に使用されていてもされていなくても、すべての場合において単語「約」によって修飾されていると理解されるべきである。
【0012】
ここで列挙される任意の数値範囲は、その範囲中のすべてのサブ範囲(sub−range)とそのような範囲もしくはサブ範囲のさまざまな終点の任意の組み合わせとを含むこともまた理解されよう。
【0013】
構造的、構成的ならびに/または機能的に関連した化合物、物質もしくは基質の群に属するとして、明細書に明確にもしくは暗に開示される、ならびに/または請求項に引用される任意の化合物、物質もしくは基質は、その群の個々の要素およびそれらのすべての組み合わせを含むことはまた理解されるべきである。
【0014】
ここで用いられるとき、「製品」は明細書に明確にもしくは暗に開示されるか、そして/または請求項に記載されるすべての化合物、物質もしくは基質のすべての考えられる使用を含み、そして製薬、医療や治療用製剤および/もしくは組成物、スキンクリーム、スキンケアローション、保湿剤、美顔製品、洗顔製品、バスオイル、香水、コロン、匂い袋、日焼け止め、プレシェービングローション、アフターシェービングローション、液体石鹸、ボディウォッシュ、バー石鹸、髭剃り石鹸、髭剃り泡、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、ヘア着色剤、ヘアスプレー、ムース、パーマ液、脱毛剤、キューティクルコート、メイクアップ、カラー化粧品、ファンデーション、チーク、口紅、リップクリーム、アイライナー、マスカラ、アイシャドウ、オイルリムーバー、化粧品除去剤、水性と油溶性物質のためのデリバリーシステム、ならびにそのようなシリコーン含有組成物、混合物、もしくは化合物が典型的に使用されることが求められるようなすべての分野において認められる製品の使用をを含むがそれらに限定されないことをもまた理解すべきである。
【0015】
ここに記載されるおよび/もしくはクレームされるそれぞれの一般的な化学構造式において、二つもしくはそれ以上の置換基(「基」、「官能基」、「ラジカル」および「部分」のような用語を包含する)は、それぞれ複数の具体的な要素のいずれかの一つとしてそれぞれ定義され、構造式はすべてのそのような置換基(亜種)を定義する要素のすべての可能性のある組み合わせを含むとみなされ、そして、あたかもそれぞれが提示されるかのごとくそれぞれの組み合わせ(亜種)が開示されるとみなされるべきである。
【0016】
脂肪族カルボン酸と反応可能である本発明の環状エーテルシリコーンは、ケイ素−炭素結合を通じてケイ素原子へと結合するエポキシ含有有機ラジカルを含有するものである。エポキシ基は公知の有機ラジカルであり、本発明において有用なエポキシ基を含有する有機ラジカルの例は、例えば、参照によってそのすべての内容が組み入れられる米国特許第3,563,941号のような文献中に見出すことができる。
【0017】
本発明の環状エーテル変性シリコーン化合物は一般式:

を持ち、
式中、M=RSiO1/2
=RSiO1/2
D=RSiO2/2
=R10SiO2/2
T=R11SiO3/2
=R12SiO3/2
Q=SiO4/2
であり、
、R、R、R、R、R、R、R10およびR11がそれぞれ独立して、1から6個の炭素原子を持つ一価の炭化水素ラジカルであり、R、RおよびR12がそれぞれ独立して、3から25個の炭素原子と少なくとも一つのエポキシもしくはオキセタン基とを含有する一価の炭化水素ラジカルであり、ここで、下付文字a、b、c、d、e、fおよびgはゼロもしくは正の数であり、そしてそれらの合計が25未満であり、但し、下付文字b、dおよびfの少なくとも一つが正の数であるという条件である。
【0018】
本発明の実施態様によると、本発明のエポキシ変性シリコーン(すなわち、一般式(1))の、R、R、R、R、R、R、R、R10およびR11はそれぞれ独立して1から3個の炭素原子を持つ一価の炭化水素ラジカルである。本発明の他の実施態様において、本発明のエポキシ変性シリコーン(すなわち、一般式(1))の、R、R、R、R、R、R、R、R10およびR11はそれぞれ独立して1個の炭素原子を持つ一価の炭化水素ラジカルである。本発明の実施態様によると、一般式(1)の下付文字a、b、c、d、e、fおよびgの合計は10未満である。本発明の他の実施態様によると、下付文字bはゼロであり、下付文字aは2であり、下付文字c、eおよびgはゼロもしくは3未満であり、そして下付文字dおよびfの少なくとも一つは正の数である。本発明のさらに他の実施態様によると、下付文字bはゼロであり、下付文字aは2であり、下付文字c、e、fおよびgはゼロであり、そしてdは1である。さらに他の実施態様によると、本発明は、本発明の変性シリコーン化合物と、少なくとも一つのパーソナルケア製品用の有効成分とを含有するパーソナルケア製品を提供する。さらに他のさらなる実施態様によると、本発明は、サプカイナ(Sapucainha)油から調製したシリコーン化合物を排除している本発明の変性シリコーン化合物と、少なくとも一つのパーソナルケア製品用の有効成分とを含有するパーソナルケア製品を提供する。
【0019】
本発明の他の実施態様は、少なくとも一つの環状シリコーンおよびサプカイナ油のカルボン酸より誘導される変性シリコーン化合物と、少なくとも一つの製剤上許容可能な担体とを含有する医薬組成物を提供する。
【0020】
これらの環状エーテルシリコーン化合物は、エポキシ官能性オレフィンとヒドリド官能性シリコーンとのヒドロシリル化によって調製できる。例えば、参照によってそのすべての内容を組み入れる、米国特許第4,083,856号、米国特許第6,365,696号および米国特許第5,258,480号に例を見出せる。
【0021】
本発明において有用な環状エーテル化合物を以下の例が含むがそれらには限定されない。
【0022】
具体的な実施態様によると、本発明の変性シリコーン化合物の調製において有用な特定の環状エーテルシリコーン化合物は、以下のものを含む。
【化1】


1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−[2−(7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)−エチル]−トリシロキサン;

【化2】


1,1,3,3,5,5,5−ヘプタメチル−1−[2−(7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)−エチル]−トリシロキサン;
【化3】


1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−[2−(1−メチル−7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)−プロピル]−トリシロキサン;

【化4】


1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−オキシラニルメトキシ−プロピル−トリシロキサン

【化5】


1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−(エチル−3−プロポキシメチル−オキセタニル)−トリシロキサン

【0023】
本発明の一実施態様によると、ここで用いられるエポキシ官能性シリコーンの数平均分子量は150g/モルから2500g/モルの範囲である。本発明の他の実施態様によると、ここで用いられるエポキシ官能性シリコーンの数平均分子量は、100から150g/モルの範囲である。本発明のさらに他の実施態様によると、ここで用いられるエポキシ官能性シリコーンの数平均分子量は150g/モルから300g/モルの範囲である。
【0024】
本発明の環状シリコーン化合物と脂肪族カルボン酸は、脂肪酸上のカルボキシル基と環状エーテルシリコーン化合物のエポキシもしくはオキシラン基との開環付加反応によって反応する。脂肪族カルボン酸は遊離の酸基、すなわち−COOHを含有するので、シリコーン変性脂肪族コポリマーはエステル架橋を含有する。
【0025】
反応に用いられる環状エーテルシリコーン化合物の量は、1つのカルボン酸基当たり1より多くないエポキシ基が存在するような化学量論的におおよそ等量から、すなわち約1:1から1:10の環状エーテルシリコーン対脂肪酸の化学量論比である。
【0026】
本発明の実施に関連する脂肪酸は任意の脂肪酸、すなわち脂肪族カルボン酸を含み、それは、動物性もしくは植物性の、脂肪、油もしくはワックス中にエステル化した状態で含有されているか、またはそれらより誘導される脂肪族モノカルボン酸である。しかしながら、本発明の脂肪族カルボン酸は実質的に純粋な脂肪族カルボン酸であると考えられる。「実質的に純粋な」によって、ここで用いられる脂肪族カルボン酸は5パーセント以上の非脂肪族カルボン酸成分を含有しないということを意味する。例示的に、非脂肪族カルボン酸成分はトリグリセリド、イオン性塩、非官能性炭化水素、溶媒などを含み、ここに記載されるようにそれらは脂肪酸ではない。
【0027】
天然の脂肪族カルボン酸は一般的に2から34個の炭素の鎖(通常分岐しておらず偶数である)を持ち、それは飽和してても非飽和でもよい。しかしながら、より大きい脂肪族カルボン酸は、天然でも合成物でも一般的ではない。
【0028】
本発明の実施態様によると、本発明の変性シリコーン化合物の調製に用いられる脂肪族カルボン酸は、少なくとも一つのカルボン酸基を含有し、4から28個の炭素原子を持つ炭化水素ラジカルである。炭化水素ラジカルは飽和していても不飽和でもよい。しかしながら、少なくとも一つのカルボン酸を持つ合成脂肪酸の使用はここでは意図されている。
【0029】
本発明の他の実施態様は、少なくとも一つの環状シリコーンおよびサプカイナ油のカルボン酸より本発明の方法に従って誘導される変性シリコーン化合物と少なくとも一つの製剤上許容可能な担体とを含有する医薬組成物を提供する。
【0030】
脂肪族カルボン酸の例は、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、カウルムグラ酸、ヒドノカルピン酸、ゴルリン酸、没食子酸、リシノール酸、ベヘン酸、マルバリン酸、ステルクリン酸、2−ヒドロキシステルクリン酸およびカプリル酸ならびにそれらの組み合わせである。本発明の他の実施態様によると、他の脂肪族カルボン酸は、約12から約24個の炭素原子と少なくとも一つの炭素−炭素二重結合とを含有する脂肪族カルボン酸である。さらに他の実施態様において、有用な脂肪族カルボン酸は、以下のものを含むがそれらには限定されない:エレオステアリン酸、トール油脂肪酸酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、大豆油脂肪酸およびそれらの組み合わせ。脂肪族カルボン酸の混合物は本発明の変性シリコーン化合物の調製に使用できる。そのような混合物の例は、下のテーブルAに列挙される成分を典型的に含有する鹸化オリーブオイルを含むがそれらには限定されない。油の鹸化の際には脂肪族カルボン酸組成物は、重量パーセントにおいて元の化合物中の対応するトリグリセリドと類似する。
【0031】
【表1】

【0032】
当分野に知られるように、天然の脂肪族カルボン酸は、トリグリセリドを鹸化して副産物としてのグリセリンを除去することによって調製できる。一方で合成の脂肪酸は、アルファオレフィンを酸化することによって典型的に調製される。
【0033】
本発明の新規のシリコーン変性脂肪酸の調製のための好適な触媒は、例えば第三級アミン、第四級アンモニウム水酸化物、水酸化アルカリ、ならびに三フッ化ホウ素、四塩化スズ、三塩化アルミニウムおよびテトライソプロピルチタナートのようなルイス酸を含む。本発明の一実施態様に置いて、テトライソプロピルチタナートは、シリコーン変性脂肪族カルボン酸の調製のために用いられる触媒である。
【0034】
用いられるべき触媒の量は、全反応組成物の約0.001から0.1重量パーセントの範囲であり、好ましくは全反応組成物の約0.001から0.01重量パーセントの範囲である。
【0035】
より低い反応温度を用いるために、反応は好適な有機溶媒中にて実施できる。好適な有機溶媒は、エステル、エーテル、ケトン、炭化水素、第三級アミンおよびアミドのような活性水素を持たない任意の中性溶媒を含む。好適な有機溶媒の例は、ペンタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソブチルベンゼン、石油エーテル、灯油、石油スピリット、石油ナフサなどの単独のものもしくは混合したものである。イソプロパンオールは典型的に有機溶媒としての使用に好適である。
【0036】
本発明の化合物は、脂肪族カルボン酸とエポキシ含有シロキサンとを好適な触媒の存在下において混合する事によって最適に調整される。所望なら、反応時間を減ずるために、通常約80〜90℃に溶液を加熱できる。
【0037】
本発明の方法によって得ることのできる変性シリコーン化合物組成物は、物理的な形状において、液体からワックスまで変化することができ、明色から黄色まで変化し得る。これらのシリコーンエステルは化粧品製品に簡単に混合する事ができ、配合物の達成される利点は、スキンおよび/もしくはヘア上における伸展性、潤滑性および良好な触感である。
【0038】
本発明の変性シリコーン化合物組成物は、パーソナルケア製品において、特別な価値を持つ。滑らかさと触感との独創的な性質のために、さまざまなパーソナルケア製品を作るためにこれらの組成物を単体でも、他のパーソナルケア製品の有効成分と混合しても用いる事が出来る。
【0039】
パーソナルケア製品の有効成分の例は、エステルワックス、動物起源もしくは植物起源の油および脂肪、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪酸のアルキルエステル、炭化水素油およびワックス、有機溶媒、水、香水、界面活性剤、油溶性ビタミン、水溶性ビタミン、油溶性薬剤、水溶性薬剤、活性成分、医薬化合物などを含むがそれらには限定されない。
【0040】
詳細には、本発明の変性シリコーン化合物組成物は滑らかで、スキンクリーム、スキンケアローション、保湿剤、いたみやしわ除去のような美顔製品、パーソナルおよびフェイシャルクレンザー、バスオイル、香水、コロン、匂い袋、日焼け止め、プレシェービングローション、アフターシェービングローション、液体石鹸、髭剃り石鹸、髭剃り泡などの性能を高める。それらは光沢および乾燥時間を向上させ、そしてコンディショニングの利点をもたらすために、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアオイル、ヘアワックス、ヘアスプレー、ムース、パーマ液、脱毛剤、キューティクルコートなどにおいても使用できる。
【0041】
さらに、本発明の変性シリコーン化合物は、鮮やかさ、貯蔵安定性および調製の容易さのようなさまざまな有利で有益な特性を示す。それゆえそれらは広い適用範囲を持つが、特にスキンケア、日焼け止め、制汗剤、デオドラントにおいて、担体として香水において、そしてヘアコンディショナーのための用途を持つ。
【0042】
本発明は既に十分な具体性をもって記載されるが、本発明のより具体的な用途の特性を評価するために以下の実施例への参照が設けられる。
【0043】
本発明のさまざまな実施態様が以下の実施例に例示されるが、他に明示されない限りすべての部は重量部である。

【実施例】
【0044】
実施例および比較例
実施例1は以下のように調製された:65グラムの1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−[2−(7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)−エチル]−トリシロキサンが、攪拌器、コンデンサー、サーモメーターおよび窒素散布を備える250ミリリットルの丸底フラスコに充填された。エポキシ変性シロキサンへ、52グラムの鹸化カウルムグラ油と10ミリグラムのチタン(IV)イソプロポキシドが充填された。この混合物は、軽い窒素散布をしながら120℃6時間加熱された。反応の最後に、産物は室温へと冷まされ、ポットへと添加された。反応の完了はエポキシの滴定によって評価された。
【0045】
実施例2は以下のように調製された:(CO)(CHSiO[Si(CHO]20Si(CH(CO)の平均構造を持つポリジメチルシロキサンを100.00グラムと、75.15グラムのオレイン酸とが250グラムの丸底フラスコ中で混合された。フラスコは窒素雰囲気にされ、そして100℃に加熱された。フラスコはマグネチックスターラーで攪拌された。チタンイソプロポキシド(0.5ミリリットル)が添加され、フラスコは追加の4時間、100℃に保たれた。産物は、滴定による測定でエポキシ基の欠乏によって完了したと判定された。産物は透明の黄色い粘性の物質であった。
【0046】
実施例3は以下のように調製された:(CHSi[OSi(CH40[OSi(CH)(CHCH(CO))]11.5OSi(CHの平均構造を持つポリジメチルシロキサンを100.29グラムと、127.18グラムのオレイン酸とが500グラムの丸底フラスコ中で混合された。フラスコは窒素雰囲気にされ、そして100℃に加熱された。フラスコはマグネチックスターラーで攪拌された。チタンイソプロポキシド(0.5ミリリットル)が添加され、フラスコは追加の4時間、100℃に保たれた。産物は、滴定による測定でエポキシ基の欠乏によって完了したと判定された。産物は透明の黄色い粘性の物質であった。
【0047】
実施例4は以下のように調製された:(CO)(CHSi(CHO[Si(CH2.51/2の平均構造を持つポリジメチルシロキサンを45グラムと、45グラムの鹸化オリーブオイルとが250グラムの丸底フラスコ中で混合された。フラスコは窒素雰囲気にされ、そして100℃に加熱された。フラスコはマグネチックスターラーで攪拌された。チタンイソプロポキシド(0.2ミリリットル)が添加され、フラスコは追加の6時間、110℃に保たれた。産物は、滴定による測定でエポキシ基の欠乏によって完了したと判定された。産物は透明のオレンジから黄色の液体であった。
【0048】
実施例5は以下のように調製された:(CO)(CHSi(CHO[Si(CH2.51/2の平均構造を持つポリジメチルシロキサンを43グラムと、40グラムの鹸化パーム油とが250グラムの丸底フラスコ中で混合された。フラスコは窒素雰囲気にされ、そして100℃に加熱された。フラスコはマグネチックスターラーで攪拌された。チタンイソプロポキシド(0.2ミリリットル)が添加され、フラスコは追加の6時間、110℃に保たれた。産物は、滴定による測定でエポキシ基の欠乏によって完了したと判定された。産物は透明の赤から黄色の液体であった。
【0049】
実施例1ならびに比較例2および3の配合は下の表1および2に示される。
【0050】
【表2】

【0051】
【表3】

【0052】
用途
粘着の感覚が配合物の粘度と表面張力の両方に直接関係することは、当業者に公知である。下の表3に列挙されるのは、実施例1の配合物AおよびDと、比較例2および3の配合物B〜CとE〜Fのそれぞれの粘度と表面張力である。
【0053】
【表4】

【0054】
用途
脂肪酸変性シリコーンと天然油との混合物は、天然油単独よりもより良い触感を提供する。下の表4および5に示されるのは、実施例、比較例および配合物である。それぞれの配合物は、8人のメンバーによるパネルによって粘着性が試験された。それぞれのパネルのメンバーは、それぞれの配合物の分注物を腕の下側に置かれた。物質は皮膚へと塗りこまれ、パネルのメンバーはそれぞれの配合物を1〜5のスケールで評価した。1はもっとも粘着性が低く、5が最も粘着性が高い。
【0055】
【表5】

【0056】
【表6】

【0057】
触感パネル
実施例4は、オリーブオイルと混合され、油性、粘着性、光沢、伸展性について5人のメンバーのパネルによって試験された。それぞれのパネルのメンバーの腕の下側にそれぞれのサンプルの分注物が配置された。物質は皮膚へと塗りこまれ、パネルのメンバーはそれぞれのサンプルを1〜5のスケールで評価した。1は最も低い粘着性、油性、光沢もしくは伸展性であり、5は最も高い粘着性、油性、光沢もしくは伸展性であった。対照は天然のオリーブオイルであった。
【0058】
実施例5は油性、光沢、粘着性および伸展性について5人のメンバーのパネルによって試験された。対照は鹸化パーム油であった。それぞれのパネルのメンバーの腕の下に実施例5および鹸化パーム油の分注物が配置された。物質は皮膚へと塗りこまれ、パネルのメンバーはそれぞれのサンプルを1〜5のスケールで評価した。1が最も低い粘着性、油性、光沢もしくは伸展性であり、5は最も高い粘着性、油性、光沢もしくは伸展性であった。
【0059】
結果
下の表6は、実施例4とそのオリーブオイルとの混合物において実施された、5人のメンバーの触感パネルの平均の評価を示す。それぞれの配合物の変性シリコーンの量は重量パーセントで示される。すべての配合物は室温で液体である。下の表7は、実施例5と鹸化パーム油とにおいて実施された、5人のメンバーの触感パネルの平均の評価を示す。
【0060】
【表7】

【0061】
【表8】

【0062】
表6に示される結果は、オリーブオイルより誘導されるシリコーン脂肪酸エステルは、対照と比較してより少ない油性と光沢を提供することを示す。減少した範囲の油性と光沢は、より多い量のシリコーン脂肪エステルを含有する配合物において観測された。天然オリーブオイルの伸展性と粘着性は、シリコーン脂肪酸エステルとオリーブオイルとを含有する混合物、ならびに純粋な濃度において試験された実施例4において観測されたものと非常に近い。触感パネルはさらに、実施例4が天然のオリーブオイルよりもより良い皮膚への吸着を持ち、天然油では観測されないような皮膚における乾燥した感触を提供するということを明らかにした。より少ない臭気もまた注目された。
【0063】
表7に示される結果は、実施例5がパーム脂肪酸と比較してより少ない粘着性、油性と、類似した伸展性とを持つ事を明らかにした。一方で、それは、ヘアケア用途において通常は望ましい性質であるより高い光沢を持つ。実施例4で観測されるように、パームオイルより誘導されるシリコーン脂肪酸エステルは天然油と比較して、皮膚へのより良い吸着を持ち、より少ない臭気を示す。最終的に、表6および7からの結果は、皮膚上の触感がシリコーン変性脂肪酸の異なる濃度もしくは型の使用によって調整できることを示す。
【0064】
実施例1を含有するパーソナルケア配合物Aは、下の表Bに示される成分を用いて調製された。
【0065】
【表9】

【0066】
実施例1を含有するパーソナルケア配合物は、代表的なバスオイル配合物として調製され、当分野に公知である通常の慣習的な方法によって調製された。実施例1のパーソナルケア配合物Aへの添加は、配合物の粘着性を低減し、配合物の伸展性を増加させた。
【0067】
実施例1を含有するパーソナルケア配合物Bは、下の表Cに示される成分を用いて調製された。
【0068】
【表10】

【0069】
パーソナルケア配合物Bは、代表的なファンデーションクリームとして調製され、当業者に公知である通常の慣習的な方法によって調製された。具体的にはフェーズIは65℃に加熱され、そしてフェーズIIはそのあと添加されよく混和され、その後フェーズIIIが続いた。配合物は混合しながら35℃に冷まされた。実施例1のパーソナルケア配合物Bへの添加は、配合物の塗りこむ時間と粘着性を低減させた。
【0070】
本発明は、好ましい実施態様を参照して記載されてきたが、本発明の範囲から離れることなく多くの変更をすることができ、それらの要素が等価物によって代替できることを、当業者は理解するであろう。本発明を実施するためのベストモードとして開示される特定の実施態様へと本発明を限定するのでなく、添付される請求項の範囲内に包含されるすべての実施態様を本発明が含むことが意図されている。参照によりここに引用されるすべての引用物は明確にここに組み入れられる。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
変性シリコーン化合物であって、
a)式:

〔式中、M=RSiO1/2
=RSiO1/2
D=RSiO2/2
=R10SiO2/2
T=R11SiO3/2
=R12SiO3/2
Q=SiO4/2
であり、
、R、R、R、R、R、R、R10およびR11がそれぞれ独立して、1から6個の炭素原子を持つ一価の炭化水素ラジカルであり、R、RおよびR12がそれぞれ独立して、3から25個の炭素原子と少なくとも一つのエポキシもしくはオキセタン基とを含有する一価の炭化水素ラジカルであり、ここで、下付文字a、b、c、d、e、fおよびgはゼロもしくは正の数であり、そしてそれらの合計が25未満であり、但し、下付文字b、dおよびfの少なくとも一つが正の数であるという条件である〕
を持つ環状エーテルシリコーンの少なくとも一つと、
b)少なくとも一つの実質的に純粋な脂肪族カルボン酸と
の反応産物を含有する変性シリコーン化合物。
【請求項2】
、R、R、R、R、R、R、R10およびR11がそれぞれ独立して1から3個の炭素原子を持つ一価の炭化水素ラジカルである、請求項1に記載のシリコーン化合物。
【請求項3】
、R、R、R、R、R、R、R10およびR11がそれぞれ独立して1個の炭素原子を持つ一価の炭化水素ラジカルである、請求項1に記載のシリコーン化合物。
【請求項4】
下付文字a、b、c、d、e、fおよびgの合計が20未満である、請求項1に記載のシリコーン化合物。
【請求項5】
下付文字bがゼロであり、下付文字aが1から3であり、下付文字c、eおよびgがゼロもしくは3未満であり、そして下付文字dおよびfの少なくとも一つが正の数である、請求項4に記載のシリコーン化合物。
【請求項6】
下付文字bがゼロであり、下付文字aが2であり、下付文字c、e、fおよびgがゼロであり、そして下付文字dが1である、請求項4に記載のシリコーン化合物。
【請求項7】
環状エーテルシリコーンが、3,4−エポキシシクロヘキシル−1−エタンヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−[2−(7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)−エチル]−トリシロキサン、1,1,3,3,5,5,5−ヘプタメチル−1−[2−(7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)−エチル]−トリシロキサン、ビスエチルシクロヘキシルオキシドポリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−[2−(1−メチル−7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)−プロピル]−トリシロキサン、および1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−オキシラニルメトキシ−プロピル−トリシロキサンからなる群より選択される少なくとも一つである、請求項1に記載のシリコーン化合物。
【請求項8】
脂肪族カルボン酸が、天然由来の脂肪族カルボン酸および合成脂肪族カルボン酸からなる群より選択される少なくとも一つである、請求項1に記載のシリコーン化合物。
【請求項9】
脂肪族カルボン酸が、少なくとも一つのカルボキシル基を含有し、そして2から34個の炭素原子を持つ炭化水素ラジカルである、請求項1に記載のシリコーン化合物。
【請求項10】
脂肪族カルボン酸が、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、カウルムグラ酸、ヒドノカルピン酸、ゴルリン酸、没食子酸、リシノール酸、ベヘン酸、マルバリン酸、ステルクリン酸、2−ヒドロキシステルクリン酸およびカプリル酸からなる群より選択される少なくとも一つである、請求項1に記載のシリコーン化合物。
【請求項11】
反応に用いられる環状エーテルシリコーン化合物の量が、1つのカルボン酸基当たり1より多くないエポキシ基もしくはオクシタン基が存在するような化学量論的におおよそ等量である、請求項1に記載のシリコーン化合物。
【請求項12】
反応に用いられる環状エーテルシリコーン化合物の量が、約1:1から1:10の環状エーテルシリコーン対脂肪酸の化学量論比である、請求項1に記載のシリコーン化合物。
【請求項13】
請求項1に記載の変性シリコーン化合物と少なくとも一つの製品の有効成分とを含有する製品。
【請求項14】
前記製品の有効成分が、エステルワックス、動物起源もしくは植物起源の油および脂肪、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪酸のアルキルエステル、炭化水素油およびワックス、水、有機溶媒、界面活性剤、油溶性ビタミン、水溶性ビタミン、油溶性薬剤、水溶性薬剤、活性成分、製剤上許容可能な担体、および医薬化合物からなる群より選択される少なくとも一つである、請求項13に記載の製品。
【請求項15】
医薬組成物、製剤目的の医薬および治療用組成物、ならびに油溶性および水溶性基質のための送達システムより選択される、請求項1のシリコーン化合物を含有する製品。
【請求項16】
変性シリコーン化合物を製造する方法であって、
i)式:

〔式中、M=RSiO1/2
=RSiO1/2
D=RSiO2/2
=R10SiO2/2
T=R11SiO3/2
=R12SiO3/2
Q=SiO4/2
であり、
、R、R、R、R、R、R、R10およびR11がそれぞれ独立して、1から6個の炭素原子を持つ一価の炭化水素ラジカルであり、R、RおよびR12がそれぞれ独立して、3から25個の炭素原子と少なくとも一つのエポキシもしくはオキセタン基とを含有する一価の炭化水素ラジカルであり、ここで、下付文字a、b、c、d、e、fおよびgはゼロもしくは正の数であり、そしてそれらの合計が25未満であり、但し、下付文字b、dおよびfの少なくとも一つが正の数であるという条件である〕
を持つ環状エーテルシリコーンの少なくとも一つと、少なくとも一つの実質的に純粋な脂肪族カルボン酸とを、少なくとも一つの触媒の存在下において反応させることを含有する、方法。
【請求項17】
、R、R、R、R、R、R、R10およびR11がそれぞれ独立して1から3個の炭素原子を持つ一価の炭化水素ラジカルである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
、R、R、R、R、R、R、R10およびR11がそれぞれ独立して1個の炭素原子を持つ一価の炭化水素ラジカルである、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
下付文字a、b、c、d、e、fおよびgの合計が20未満である、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
下付文字bがゼロであり、下付文字aが1から3であり、下付文字c、eおよびgがゼロもしくは3未満であり、そして下付文字dおよびfの少なくとも一つが正の数である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
下付文字bがゼロであり、下付文字aが2であり、下付文字c、e、fおよびgがゼロであり、そして下付文字dが1である、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
環状エーテルシリコーンが、3,4−エポキシシクロヘキシル−1−エタンヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−[2−(7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)−エチル]−トリシロキサン、1,1,3,3,5,5,5−ヘプタメチル−1−[2−(7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)−エチル]−トリシロキサン、ビスエチルシクロヘキシルオキシドポリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−[2−(1−メチル−7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)−プロピル]−トリシロキサン、および1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−オキシラニルメトキシ−プロピル−トリシロキサンからなる群より選択される少なくとも一つである、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
脂肪族カルボン酸が、天然由来の脂肪族カルボン酸および合成脂肪族カルボン酸からなる群より選択される少なくとも一つである、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
脂肪族カルボン酸が、少なくとも一つのカルボキシル基を含有し、そして2から34個の炭素原子を持つ炭化水素ラジカルである、請求項16に記載の方法。
【請求項25】
脂肪族カルボン酸が、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、カウルムグラ酸、ヒドノカルピン酸、ゴルリン酸、没食子酸、リシノール酸、ベヘン酸、マルバリン酸、ステルクリン酸、2−ヒドロキシステルクリン酸およびカプリル酸からなる群より選択される少なくとも一つである、請求項16に記載の方法。
【請求項26】
触媒が、第三級アミン、第四級アンモニウム水酸化物、水酸化アルカリおよびルイス酸からなる群より選択される少なくとも一つである、請求項16に記載の方法。
【請求項27】
触媒が、四塩化スズ、三塩化アルミニウムおよびテトライソプロピルチタナートからなる群より選択される少なくとも一つである、請求項16に記載の方法。
【請求項28】
触媒の量が、全反応組成物の0.001から0.1重量パーセントである、請求項16に記載の方法。
【請求項29】
触媒の量が、全反応組成物の0.001から0.01重量パーセントである、請求項16に記載の方法。
【請求項30】
反応に用いられる環状エーテルシリコーン化合物の量が、1つのカルボン酸基当たり1より多くないエポキシ基もしくはオクシタン基が存在するような化学量論的におおよそ等量である、請求項16に記載の方法。
【請求項31】
反応に用いられる環状エーテルシリコーン化合物の量が、約1:1から1:10の環状エーテルシリコーン対脂肪酸の化学量論比である、請求項16に記載の方法。
【請求項32】
請求項16に記載の方法によって調製されるシリコーン化合物と少なくとも一つの製品の有効成分とを含有する製品。
【請求項33】
前記製品の有効成分が、エステルワックス、動物起源もしくは植物起源の油および脂肪、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪酸のアルキルエステル、炭化水素油およびワックス、水、有機溶媒、界面活性剤、油溶性ビタミン、水溶性ビタミン、油溶性薬剤、水溶性薬剤、活性成分、および医薬化合物からなる群より選択される少なくとも一つである、請求項32に記載の製品。
【請求項34】
医薬組成物、製剤目的の医薬および治療用組成物、ならびに油溶性および水溶性基質のための送達システムより選択される、請求項16に記載の方法によって調製されるシリコーン化合物を含有する製品。
【請求項35】
前記少なくとも一つの実質的に純粋な脂肪族カルボン酸がサプカイナ油より誘導されるものである請求項1に記載の変性シリコーン化合物と、少なくとも一つの製剤上許容可能な担体とを含有する医薬組成物。
【請求項36】
前記少なくとも一つの実質的に純粋な脂肪族カルボン酸がサプカイナ油より誘導されるものである請求項16に記載の方法によって調製される変性シリコーン化合物と、少なくとも一つの製剤上許容可能な担体とを含有する医薬組成物。
【請求項37】
前記変性シリコーンを調製するために用いられる前記少なくとも一つの実質的に純粋な脂肪族カルボン酸が、カルボン酸を排除していて、サプカイナ油より誘導されるものである、請求項13に記載の製品。
【請求項38】
請求項16に記載の方法によって調製される前記変性シリコーンを調製するために用いられる前記少なくとも一つの実質的に純粋な脂肪族カルボン酸が、カルボン酸を排除していて、サプカイナ油より誘導されるものである、請求項32に記載の製品。
【請求項39】
前記実質的に純粋な脂肪族カルボン酸がサプカイナ油より誘導されるものである、請求項1に記載の変性シリコーン化合物。
【請求項40】
前記実質的に純粋な脂肪族カルボン酸がサプカイナ油より誘導されるものである、請求項16に記載の変性シリコーン化合物を製造するための方法。


【公表番号】特表2013−503936(P2013−503936A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527855(P2012−527855)
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【国際出願番号】PCT/US2009/061843
【国際公開番号】WO2011/028214
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(508229301)モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド (120)
【Fターム(参考)】