説明

スキャナターミナル

【課題】操作時に周囲に対する騒音や振動を発生させることのないスキャナターミナルを提供する。
【解決手段】バーコードスキャン部4を有するスキャナターミナル1は、装置本体を保持するために設けられた保持部6と、保持部6に向かって所定のタイミングで送風を行うための送風部7を有し、送風部7は外気を取り込んで風を送出するファン71と、給排気のための吸気スリット72及び噴出スリット73を備え、前記噴出スリット73は前記保持部6の保持面よりも下方に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャン部を有するスキャナターミナルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、POS(Point of Sales、販売時点情報管理)システムにおいては、商品に付けられたバーコードをバーコードスキャン部で読み取っている(例えば、実開昭62−89059号公報(特許文献1)参照)。
【0003】
このバーコードの読み取りには、従来から、スキャナターミナルが広く使用されている。この場合、従来のスキャナターミナルでは、商品のバーコードの読み取り時やエラー発生時にブザーを鳴動したり、振動を発生させたりしていた。
【0004】
しかし、ブザーの鳴動による方法では、周囲に対する騒音が発生したり、聴覚障害者にとっては有効でないという問題があった。
【0005】
また、振動を発生させる方法では、振動の発生により、ネジの緩みなどを発生させるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭62−89059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上述した従来技術の課題を解決するための技術を提供することにあり、操作時に周囲に対する騒音や振動を発生させることのないスキャナターミナルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、スキャン部を有するスキャナターミナルであって、
前記装置本体を保持するために設けられた保持部と、
前記保持部に向かって所定のタイミングで送風を行うための送風部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、周囲に対する騒音や振動を発生させることなく、スキャナターミナルを操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態に係るスキャナターミナルの表面の構成を示す図であり、操作者が第1の保持方法でスキャナターミナルを保持している状態を示す。
【図2】本発明の実施の形態に係るスキャナターミナルの裏面の構成を示す図であり、操作者が第1の保持方法でスキャナターミナルを保持している状態を示す。
【図3】本発明の実施の形態に係るスキャナターミナルの表面の構成を示す図であり、操作者が第2の保持方法でスキャナターミナルを保持している状態を示す。
【図4】本発明の実施の形態に係るスキャナターミナルの裏面の構成を示す図であり、操作者が第2の保持方法でスキャナターミナルを保持している状態を示す。
【図5】本発明の実施の形態に係るスキャナターミナルの側面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1及び図2を参照して、本発明の実施の形態に係るスキャナターミナルの構成について説明する。ここで、図1はスキャナターミナルの表面の構成を示し、図2はスキャナターミナルの裏面の構成を示す。
【0013】
まず、図1を参照すると、スキャナターミナル1の表面には、表示部2とキー操作部3が配置されている。ここで、スキャナターミナル1は電池駆動型のハンディタイプである。
【0014】
また、図2を参照すると、スキャナターミナル1の裏面には、先端に設けられたバーコードスキャン部4、操作者が手5で装置本体を保持するために設けられた保持部6と、保持部6に向かって所定のタイミングで送風を行うための送風部(風圧発生モジュール)7がそれぞれ設けられている。このように、送風部7が保持部6に向かって所定のタイミングで送風を行うので、操作者の手5の人差し指50Aには風100を拭き当てられることになる。ここで、送風部7は、バーコードスキャン部4と保持部6との間に配置されている。
【0015】
送風部7は、外気を取り込んで風を送出するためのファン71と、給排気のための吸気スリット72及び噴出スリット73を有する。ファン71は、吸気スリット72及び噴出スリット73との間に配置されている。ここで、図5に示すように、噴出スリット73は、保持部6の保持面Aよりも下方に配置されている。
【0016】
ここで、上述のように、送風部7は保持部6に向かって所定のタイミングで送風を行うが、この所定のタイミングは、バーコードスキャン部4による商品のバーコードの読み取り完了時あるいは操作上のエラー発生時である。
【0017】
図1及び図2は、操作者が第1の保持方法でスキャナターミナル1を保持している状態を示している。ここで、第1の保持方法とは、送風部7からの風100が操作者の手5(左手)の人差し指50Aに当たるような保持方法を示す。
【0018】
これに対して、図3及び図4は、操作者が第2の保持方法でスキャナターミナル1を保持している状態を示している。ここで、第2の保持方法とは、送風部7からの風100が操作者の手5(左手)の中指50Bに当たるような保持方法を示す。
【0019】
図3は、スキャナターミナル1の表面の構成を示し、図4は、スキャナターミナル1の裏面の構成を示す。これらの構成は、図1及び図2に示す構成と同じなのでその説明は省略する。
【0020】
次に、本発明の実施の形態に係るスキャナターミナル1の動作(使用方法)について説明する。
【0021】
図1〜図4に示すように、操作者は手5(左手)で保持部6を握って装置本体を保持する。この場合、図1及び図2では、送風部7からの風100が操作者の手5(左手)の人差し指50Aに拭き当てられるように装置本体を保持する(第1の保持方法)。また、図3及び図4では、送風部7からの風100が操作者の手5(左手)の中指50Bに当たるように装置本体を保持する(第2の保持方法)。
【0022】
ここで、図5に示すように、噴出スリット73は、保持部6の保持面Aよりも下方に配置されているので、送風部7からの風100が操作者の人差し指50A(図2参照)あるいは中指50B(図4参照)に効率的に当たるようになっている。
【0023】
そして、バーコードスキャン部4による商品のバーコードの読み取り完了時(バーコードの読み込みがされたタイミング)あるいは操作上のエラー発生時に、送風部7のファン71が駆動されて、ファン71から外気が取り込まれて吸気スリット72及び噴出スリット73を介して給排気が行われる。このようにして、上記タイミングで、送風部7からの風100が操作者の人差し指50A(図2参照)あるいは中指50B(図4参照)に効率的に当てられる。この結果、操作者は、バーコードの読み取りが完了した状態(バーコードの読み取りが正しく完了した状態)あるいは操作上のエラーが発生した状態を知ることができる。
【0024】
本発明の実施の形態によれば、バーコードの読み取り完了時や操作の過程でのエラー発生時に操作者の手5の人差し指50A(図2参照)あるいは中指50B(図4参照)に風100を当てることにより、ブザーの鳴動や装置の振動をさせることなく、その状態を操作者に知らしめることができる。
【0025】
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0026】
例えば、上記実施の形態では、送風部7からの風100を操作者の人差し指50A(図2参照)あるいは中指50B(図4参照)に送出するタイミングは、バーコードスキャン部4によるバーコードの読み取り完了時あるいは操作上のエラー発生時であるが、本発明はこのタイミングに限定されず、操作者へ注意を喚起するためのタイミングならば他のいかなるタイミングでも良い。
【0027】
また、上記実施の形態では、送風部7からの風100を操作者の人差し指50A(図2参照)あるいは中指50B(図4参照)に送出しているが、操作者へ注意を喚起できるのならば、人差し指50Aあるいは中指50B以外の他の指に送出しても良い。
【0028】
また、上記実施の形態では、スキャナターミナルは電池駆動型のハンディタイプであるが、有線で電源を供給するものであっても良い。
【0029】
また、上記実施の形態では、スキャナターミナルは、バーコードスキャン部を有しているが、RFID(Radio Frequency Identification)をスキャンするスキャン部を有する、電池駆動型のハンディタイプ、もしくは、有線で電源を供給するものであっても良い。
【符号の説明】
【0030】
1 スキャナターミナル
2 表示部
3 キー操作部
4 バーコードスキャン部
5 手
6 保持部
7 送風部
50A 人差し指
50B 中指
71 ファン
72 吸気スリット
73 噴出スリット
100 風

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキャン部を有するスキャナターミナルであって、
前記装置本体を保持するために設けられた保持部と、
前記保持部に向かって所定のタイミングで送風を行うための送風部を有することを特徴とするスキャナターミナル。
【請求項2】
前記所定のタイミングは、前記スキャン部による読み取り完了時であることを特徴とする請求項1に記載のスキャナターミナル。
【請求項3】
前記所定のタイミングは、操作上のエラー発生時であることを特徴とする請求項1に記載のスキャナターミナル。
【請求項4】
前記送風部は、外気を取り込んで風を送出するためのファンと、給排気のための吸気スリット及び噴出スリットを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスキャナターミナル。
【請求項5】
前記噴出スリットは、前記保持部の保持面よりも下方に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のスキャナターミナル。
【請求項6】
前記装置本体の一面には、表示部とキー操作部が配置されており、
前記装置本体の他面には、前記スキャン部、前記保持部及び前記送風部が配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のスキャナターミナル。
【請求項7】
前記送風部は、前記スキャン部と前記保持部との間に配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のスキャナターミナル。
【請求項8】
前記ファンは、前記吸気スリット及び噴出スリットとの間に配置されていることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載のスキャナターミナル。
【請求項9】
前記スキャナターミナルは電池駆動型であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のスキャナターミナル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−93840(P2012−93840A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238736(P2010−238736)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】