説明

スプライン軸継手

【課題】2本の回転軸を連結させて回転トルクを確実に伝達することができ、回転軸の一方又は両方の熱膨張を吸収することができ、衝突による異音(衝突音)やバックラッシュによる歯打ち音を効果的に抑制することができ、軸心合せおよび軸心合せのための加工が容易であるスプライン軸継手を提供する。
【解決手段】端部にスプライン11a,21aを有する2本の回転軸11,21を同軸に連結させて回転トルクを伝達させるスプライン軸継手10。回転軸11,21の各スプライン11a,21aとそれぞれ歯合する1対のスプライン32a,32bを同軸上に有する中間スリーブ32と、中間スリーブ32を2本の回転軸の中間位置に向けて熱膨張を吸収可能に付勢する1対の圧縮ばね34a,34bと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸継手に係り、更に詳しくはスプライン軸継手に関する。
【背景技術】
【0002】
「軸継手」とは、2本の回転軸を連結させて回転トルクを伝達させる装置をいう。かかる軸継手には、2本の回転軸間の偏心と偏角を許容するタワミ継手や自在継手が、軸心合せのための特別な加工を必要とせずかつ組み立てが容易なため、一般的に用いられる。しかし、タワミ継手や自在継手は、必然的に軸方向スペースを必要とする問題点がある。
【0003】
そのため、特に小型化が必要な自動車用などに、図1に示すような「スプライン直結構造」も採用されている。スプライン直結構造は、2本の回転軸1,2の一方に雄スプライン1a、他方に雌スプライン2aを設け、雄スプライン1aを雌スプライン2aに直接連結させる構造である。
【0004】
しかしスプライン直結構造は、軸心合せが困難であり、かつバックラッシュによる歯打ち音(異音)が発生しやすい問題点がある。
【0005】
そこで、上述した問題点を解決する手段として、特許文献1,2が既に提案されている。
【0006】
特許文献1は、操舵補助用のモータの出力軸と伝動装置への入力軸とのスプラインによる密な連結を、加工及び組み立ての困難さを伴うことなく実現し、モータの回転力を確実に舵取機構に伝え、安定した動作を可能にすることを目的とする。
そのため、この装置は、図2に示すように、舵取機構への伝動装置の入力軸となるウォーム軸の延長部3と、操舵補助用のモータの出力軸4との突き合わせ端に、夫々の軸心を中心とする球面部3a,4aを設け、夫々の外周にスプライン歯を形成し、これらのスプライン歯に跨がってスリーブ5を噛合させ、このスリーブ5によりウォーム軸と出力軸とを連結し、スリーブ5の内側に、軸方向の移動を拘束して規制板6を配し、この規制板6の両面に球面部3a,4aの先端面を当接させ、スリーブ5の軸方向の移動を規制するものである。規制板6は、望ましくは、弾性体製である。
【0007】
特許文献2は、伝動軸のねじり振動を効果的に抑制することができるとともに、耐久性等の向上を図ることのできることを目的とする。
そのため、この装置は、図3に示すように、内燃エンジン等の出力軸7の回転を伝動軸8に伝達するとともに、前記伝動軸8のねじり振動を圧縮コイルばね9の伸縮運動に変換して吸収するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8−207792号公報、「動力舵取装置」
【特許文献2】特開2007−61031号公報、「振動吸収継手及びそれを備えた携帯型刈払機」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、スプライン軸結合に関して、特許文献1のような中間スリーブおよび軸方向の移動を抑制する規制板を設けた軸継手や、特許文献2のようにばね構造で軸方向の振動吸収させた軸継手が従来から知られている。
【0010】
しかし、特許文献1の場合、(1)2本の回転軸の一方又は両方が熱膨張する場合、この熱膨張に対応できない問題点があった。また、(2)中間スプラインの軸方向の拘束力が小さく、2本の回転軸の一方又は両方の軸端と規制板とが衝突して異音(衝突音)が生じやすい、(3)スプラインのバックラッシュによる歯打ち音の抑制効果が低い、等の問題点があった。
また、特許文献2の場合、振動吸収のためのばね構造となっているが、軸心合せおよび軸心合せのための加工に困難さを伴う問題点があった。
【0011】
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、2本の回転軸を連結させて回転トルクを確実に伝達することができ、回転軸の一方又は両方の熱膨張を吸収することができ、衝突による異音(衝突音)やバックラッシュによる歯打ち音を効果的に抑制することができ、軸心合せおよび軸心合せのための加工が容易であるスプライン軸継手を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、端部にスプラインを有する2本の回転軸を同軸に連結させて回転トルクを伝達させるスプライン軸継手であって、
前記回転軸の各スプラインとそれぞれ歯合する1対のスプラインを同軸上に有する中間スリーブと、
該中間スリーブを前記2本の回転軸の中間位置に向けて熱膨張を吸収可能に付勢する1対の圧縮ばねと、を備えたことを特徴とするスプライン軸継手が提供される。
【0013】
本発明の実施形態によれば、前記2本の回転軸のスプラインは、雄スプラインであり、
前記中間スリーブの1対のスプラインは、雌スプラインである。
【0014】
また本発明の別の実施形態によれば、前記2本の回転軸のスプラインは、雌スプラインであり、
前記中間スリーブの1対のスプラインは、雄スプラインである。
【0015】
また本発明の別の実施形態によれば、前記2本の回転軸のスプラインは、一方が雄スプライン、他方が雌スプラインであり、
前記中間スリーブの1対のスプラインは、一方が雌スプライン、他方が雄スプラインである。
【0016】
また、前記中間スリーブは、その軸方向中間位置に固定され、前記圧縮ばねの一方又は両方により回転軸の中間位置に向けて付勢されるリング状の規制板を有する。
【0017】
さらに、前記雄スプラインは、前記2本の回転軸間の偏心と偏角により内部応力が増大しないように、歯筋修正及び/又は歯形修正が施されている。
【発明の効果】
【0018】
上述した本発明の構成によれば、中間スリーブが、2本の回転軸の各スプラインとそれぞれ歯合する1対のスプラインを同軸上に有するので、2組のスプライン結合を介して2本の回転軸を連結させ、回転トルクを確実に伝達することができる。
【0019】
また、1対の圧縮ばねが、中間スリーブを2本の回転軸の中間位置に向けて熱膨張を吸収可能に付勢するので、中間スリーブの軸方向の移動を拘束できると共に、回転軸の一方又は両方の熱膨張を吸収することができ、衝突による異音(衝突音)やバックラッシュによる歯打ち音を効果的に抑制することができる。
【0020】
さらに、2組のスプライン結合を介して2本の回転軸を連結するので、軸心合せのための組み立て、加工が容易となる。
【0021】
また本発明の実施形態によれば、雄スプラインが、2本の回転軸間の偏心と偏角により内部応力が増大しないように、歯筋修正及び/又は歯形修正が施されているので、2組のスプライン結合のそれぞれにおいて偏心と偏角を許容できるので、衝突による異音(衝突音)やバックラッシュによる歯打ち音を効果的に抑制することができるとともに、軸心合せおよび軸心合せのための加工が更に容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】スプライン直結構造の構成図である。
【図2】特許文献1の装置の構成図である。
【図3】特許文献2の装置の構成図である。
【図4】本発明によるスプライン軸継手の第1実施形態を示す図である。
【図5】本発明による雄スプラインの歯形修正と歯筋修正を示す図である。
【図6】本発明によるスプライン軸継手の第2実施形態を示す図である。
【図7】本発明によるスプライン軸継手の第3〜第8実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0024】
図4は、本発明によるスプライン軸継手の第1実施形態を示す図である。この図において、(A)は本発明のスプライン軸継手を用いたスクリュー圧縮機の構成図、(B)は本発明のスプライン軸継手の拡大図である。
【0025】
図4(A)において、このスクリュー圧縮機は、モータ10(電動機)、圧縮機本体20及びスプライン軸継手30からなる。
モータ10は、駆動軸11、モータロータ12、ステータ14(コイル)、及び軸受15,16からなり、駆動軸11をその軸心を中心に回転駆動するようになっている。
圧縮機本体20は、被駆動軸21、1対のロータ22、タイミングギヤ24、シール25、吸込側軸受26、及び吐出側軸受27からなり、被駆動軸21の回転により、吸込口28から1対のロータ22の間に気体を吸込み、圧縮して吐出口29から加圧した気体を吐出するようになっている。
【0026】
本発明のスプライン軸継手30は、2本の回転軸(上述した駆動軸11と被駆動軸21)を同軸に連結させて、その間で所定の回転トルクを伝達させる機能を有する。
なお、本発明のスプライン軸継手30は、上述したモータ10及び圧縮機本体20の構成に限定されず、端部にスプラインを有する2本の回転軸を同軸に連結させて回転トルクを伝達させる限りで、その他の装置であってもよい。
【0027】
図4(B)において、本発明のスプライン軸継手30は、中間スリーブ32と1対の圧縮ばね34a,34bを備える。
【0028】
2本の回転軸(上述した駆動軸11と被駆動軸21)は、その端部にスプライン11a,21aをそれぞれ有する。この例において、2本の回転軸11,21のスプライン11a,21aは、それぞれ雄スプラインである。スプライン11a,21aは、この例では、同一であるが、相違してもよい。
【0029】
中間スリーブ32は、2本の回転軸11,21の各スプライン11a,21aとそれぞれ歯合する1対のスプライン32a,32bを同軸上に有する。この例において、中間スリーブ32の1対のスプライン32a,32bは、雌スプラインである。
【0030】
1対の圧縮ばね34a,34bは、中間スリーブ32を2本の回転軸11,21の中間位置に向けて熱膨張を吸収可能に付勢する。圧縮ばね34a,34bは、この例で波座金であるが、回転軸11,21の軸方向の熱膨張をそのたわみで吸収できる限りで、他のばねであってもよい。
【0031】
この例において、中間スリーブ32は、その軸方向中間位置に固定されたリング状の規制板36を有する。規制板36は、1対の圧縮ばね34a,34bの両方により、2本の回転軸11,21の端面からその中間位置に向けて付勢されている。
【0032】
図5は、本発明による雄スプラインの歯形修正と歯筋修正を示す図である。この図において、(A)は歯形修正、(B)は歯筋修正を示している。
【0033】
歯形修正とは、図5(A)に示すように、雄スプラインを正面から見た歯形の一部(この例では先端部)を追加工することをいう。この例で、雄スプラインは、インボリュート形状であり、その先端の両側面を雌スプラインとの干渉を無くすように、歯形修正している。
なお、スプラインはインボリュート形状に限定されず、角形スプライン又はその他のスプラインであってもよい。
【0034】
また、歯筋修正とは、図5(B)に示すように、雄スプラインの歯筋を本来の直線から円弧状に修正(クラウニング)することをいう。
【0035】
本発明において、2本の回転軸11,21の雄スプライン11a,21aは、2本の回転軸11,21間の偏心と偏角により内部応力が増大しないように、上述した歯筋修正及び/又は歯形修正を施工する。
【0036】
上述した図4、図5の構成により、モータ10の出力軸(駆動軸11)、およびモータの回転を圧縮機本体20に伝える入力軸(被駆動軸21)にスプライン11a,21aを設け、このスプライン11a,21aに跨る中間スリーブ32を設け、雄スプライン11a,21aのスプライン歯に歯筋修正、歯形修正を設けたことにより各々の軸の心合せを容易にし、また軸心合せのための加工を容易にすることができる。
また、中間スリーブ32を2本の回転軸11,21の中間位置に向けて熱膨張を吸収可能に付勢する1対の圧縮ばね34a,34bを設けることにより中間スリーブ32の軸方向の移動を拘束でき、圧縮ばね34a,34bにより端面に当接させることによりスプラインのバックラッシュによる歯打ち音および振動を抑制でき安定した動作が可能となる。
【0037】
図6は、本発明によるスプライン軸継手の第2実施形態を示す図である。この図において、(A)は本発明のスプライン軸継手を用いたスクリュー圧縮機の構成図、(B)は本発明のスプライン軸継手の拡大図である。
【0038】
図6(A)において、このスクリュー圧縮機は、モータ10(電動機)、圧縮機本体20及びスプライン軸継手30からなる。モータ10と圧縮機本体20の構成は、第1実施形態と同様である。
【0039】
図6(B)において、本発明のスプライン軸継手30は、中間スリーブ32と1対の圧縮ばね34a,34bを備える。
【0040】
2本の回転軸(駆動軸11と被駆動軸21)は、その端部にスプライン11a,21aをそれぞれ有する。この例において、回転軸11のスプライン11aは、雄スプラインであり、回転軸21のスプライン21aは、雌スプラインである。スプライン11a,21aは、この例では、同径であるが、相違してもよい。
【0041】
中間スリーブ32は、2本の回転軸11,21の各スプライン11a,21aとそれぞれ歯合する1対のスプライン32a,32bを同軸上に有する。この例において、中間スリーブ32の1対のスプライン32a,32bは、それぞれ雌スプラインと雄スプラインである。
【0042】
1対の圧縮ばね34a,34bは、中間スリーブ32を2本の回転軸11,21の中間位置に向けて熱膨張を吸収可能に付勢する。
この例では、上述したリング状の規制板36はなく、圧縮ばね34aは回転軸11の軸端面と中間スリーブ32との間に挿入され、圧縮ばね34bは回転軸21と中間スリーブ32の軸端面との間に挿入されている。この構成により、規制板36なしに、1対の圧縮ばね34a,34bの両方により中間スリーブ32を2本の回転軸11,21の中間位置に向けて付勢することができる。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0043】
この例において、回転軸11の雄スプライン11aと中間スリーブ32のスプライン32bは、いずれも雄スプラインであり、2本の回転軸11,21間の偏心と偏角により内部応力が増大しないように、上述した歯筋修正及び/又は歯形修正を施工する。
【0044】
図7は、本発明によるスプライン軸継手の第3〜第8実施形態を示す図である。
【0045】
図7において、第3実施形態(A)と第4実施形態(B)は、2本の回転軸11,21の各スプライン11a,21aが雄スプラインであり、中間スリーブ32の1対のスプライン32a,32bが雌スプラインである例である。
図7(A)は、上述した第1実施形態と類似しており、1対の圧縮ばね34a,34bがコイルばねである点のみが相違する。その他の構成は第1実施形態と同様である。
図7(B)では、1対の規制板37が2本の回転軸11,21に設けられ、これと中間スリーブ32の両端面との間に1対の圧縮ばね34a,34bが挿入されている。その他の構成は第3実施形態と同様である。
【0046】
図7において、第5実施形態(C)と第6実施形態(D)は、2本の回転軸11,21の各スプライン11a,21aが雌スプラインであり、中間スリーブ32の1対のスプライン32a,32bが雄スプラインである例である。
図7(C)では、上述したリング状の規制板36はなく、圧縮ばね34aは回転軸11と中間スリーブ32の軸端面との間に挿入され、圧縮ばね34bは回転軸21と中間スリーブ32の軸端面との間に挿入されている。
図7(D)では、中間スリーブ32は、その軸方向中間位置に固定されたリング状の規制板36を有する。規制板36は、1対の圧縮ばね34a,34bの両方により2本の回転軸11,21の中間位置に向けて付勢されている。その他の構成は第5実施形態と同様である。
【0047】
図7において、第7実施形態(E)と第8実施形態(F)は、2本の回転軸11,21の各スプライン11a,21aが、一方が雄スプライン、他方が雌スプラインである。また、中間スリーブ32の1対のスプライン32a,32bが、一方が雌スプライン、他方が雄スプラインである例である。
図7(E)では、上述したリング状の規制板36はなく、圧縮ばね34aは回転軸11と中間スリーブ32の軸端面との間に挿入され、圧縮ばね34bは回転軸21と中間スリーブ32の軸端面との間に挿入されている。
図7(F)では、中間スリーブ32は、その軸方向中間位置に固定されたリング状の規制板36を有する。中間スリーブ32は、1対の圧縮ばね34a,34bの両方により2本の回転軸11,21の中間位置に向けて付勢されている。その他の構成は第7実施形態と同様である。
【0048】
上述した本発明の構成によれば、中間スリーブ32が、2本の回転軸11,21の各スプライン11a,21aとそれぞれ歯合する1対のスプライン32a,32bを同軸上に有するので、2組のスプライン結合を介して2本の回転軸11,21を連結させ、回転トルクを確実に伝達することができる。
【0049】
また、1対の圧縮ばね34a,34bが、中間スリーブ32を2本の回転軸11,21の中間位置に向けて熱膨張を吸収可能に付勢するので、中間スリーブ32の軸方向の移動を拘束できると共に、回転軸11,21の一方又は両方の熱膨張を吸収することができ、衝突による異音(衝突音)やバックラッシュによる歯打ち音を効果的に抑制することができる。
【0050】
さらに、2組のスプライン結合を介して2本の回転軸11,21を連結するので、軸心合せのための組み立て、加工が容易となる。
【0051】
また本発明の実施形態によれば、雄スプラインが、2本の回転軸間の偏心と偏角により内部応力が増大しないように、歯筋修正及び/又は歯形修正が施されているので、2組のスプライン結合のそれぞれにおいて偏心と偏角を許容できるので、衝突による異音(衝突音)やバックラッシュによる歯打ち音を効果的に抑制することができるとともに、軸心合せおよび軸心合せのための加工が更に容易となる。
【0052】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。上述した実施形態の圧縮機は、自動車用(例えば、燃料電池の空気源用)であるが、本発明は自動車用圧縮機以外にも適用可能である。
【符号の説明】
【0053】
10 モータ(電動機)、
11 駆動軸(回転軸)、11a スプライン、
12 モータロータ、14 ステータ(コイル)、15,16 軸受、
20 圧縮機本体、
21 被駆動軸(回転軸)、21a スプライン、
22 ロータ、24 タイミングギヤ、25 シール、
26 吸込側軸受、27 吐出側軸受、28 吸込口、29 吐出口、
30 スプライン軸継手、
32 中間スリーブ、32a,32b スプライン、
34a,34b 圧縮ばね、36 規制板、37 規制板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部にスプラインを有する2本の回転軸を同軸に連結させて回転トルクを伝達させるスプライン軸継手であって、
前記回転軸の各スプラインとそれぞれ歯合する1対のスプラインを同軸上に有する中間スリーブと、
該中間スリーブを前記2本の回転軸の中間位置に向けて熱膨張を吸収可能に付勢する1対の圧縮ばねと、を備えたことを特徴とするスプライン軸継手。
【請求項2】
前記2本の回転軸のスプラインは、雄スプラインであり、
前記中間スリーブの1対のスプラインは、雌スプラインである、ことを特徴とする請求項1に記載のスプライン軸継手。
【請求項3】
前記2本の回転軸のスプラインは、雌スプラインであり、
前記中間スリーブの1対のスプラインは、雄スプラインである、ことを特徴とする請求項1に記載のスプライン軸継手。
【請求項4】
前記2本の回転軸のスプラインは、一方が雄スプライン、他方が雌スプラインであり、
前記中間スリーブの1対のスプラインは、一方が雌スプライン、他方が雄スプラインである、ことを特徴とする請求項1に記載のスプライン軸継手。
【請求項5】
前記中間スリーブは、その軸方向中間位置に固定され、前記圧縮ばねの一方又は両方により回転軸の中間位置に向けて付勢されるリング状の規制板を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のスプライン軸継手。
【請求項6】
前記雄スプラインは、前記2本の回転軸間の偏心と偏角により内部応力が増大しないように、歯筋修正及び/又は歯形修正が施されている、ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のスプライン軸継手。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−270808(P2010−270808A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−121754(P2009−121754)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)