説明

スライド駆動装置

【課題】複数のスライド部が同期してスライド駆動可能なスライド駆動装置を提供する。
【解決手段】スライド駆動装置1では、可動プレート106とスライドブロック11におけるフランジ113、114との間にワイヤ131、132が張設されている。また、可動プレート106とスライドブロック12におけるフランジ123、124との間にワイヤ141、142が張設されている。ワイヤ131、132、141、142は、プーリ151〜153、161〜163などを介して張設されている。可動プレート106が一の方向に移動するとき、ワイヤ131、141およびワイヤ132、142の一方に引っ張り力が作用し、他方が送出されることにより、可動プレート106の移動量に応じたストロークをもってスライドブロック11、12がY軸方向にスライドする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライド駆動装置に関し、特に1つの駆動力発生源により2つ以上のスライド部が同期した状態でスライド駆動する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、生産ラインには、ワークのスライド搬送や位置決め、あるいは切出しなどの用途に、ロッドなどがスライド駆動する装置が備えられている。具体的なスライド駆動装置としては、例えば、空圧シリンダのロッド端にプレートを取り付けた装置や、平行度を確保するために、シリンダのロッド伸縮方向に並行してリニアガイドなどを付帯したものなどがある。そして、スライド駆動装置に関しては、バネの弾性力を用いてワーク搬送用のロッドをスムースにスライド駆動させる技術が提案されている(特許文献1)。
【0003】
ところで、幅広のワーク、例えば、板ガラスなどをスライドさせる際には、ワークにおける複数の箇所に力をかける必要がある。これに対応する装置としては、一つのシリンダのロッド端にワークの端辺に並行な幅広のプレートを取り付け、これに複数のチャックや爪部などを接合するという構造を採用することもできる。
また、複数のスライド機構を並設した構造の装置も原理上は考えられる。
【特許文献1】特開2004−200488号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、シリンダのロッド端に幅広のプレートを取り付ける構造の装置は、ワークの幅が広くなればなるほど、プレートの幅も対応して広くする必要があり、装置サイズが大きくなり、重量も増加する。
また、複数のスライド機構を並設する構造の装置では、各スライド機構のスライド駆動を同期させる必要がある。即ち、複数のスライド機構がうまく同期しない場合には、ワークが斜め向きになったり、あるいは、ワークに局所的な応力がかかることによりワークの損傷が発生する場合も考えられる。
【0005】
本発明は、上記問題を解決しようとなされたものであって、複数のスライド部が同期してスライド駆動可能なスライド駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、一つのベースブロックと、当該ベースブロックに対して一部が交差するとともに、当該交差する各部分でスライド自在に取り付けられた第1および第2のスライドブロックとを有するスライド駆動装置において、次の特徴を有する。
本発明に係るスライド駆動装置において、ベースブロックには、略直線的に往復移動自在の作用点と、当該作用点を往復移動させる駆動力発生源とが設けられている。また、本発明に係るスライド駆動装置では、第1のスライドブロックには、そのスライド方向において、ベースブロックとの交差部分を挟んで対峙する第1および第2の箇所が存在し、第2のスライドブロックには、そのスライド方向において、ベースブロックとの交差部分を挟んで対峙する第3および第4の箇所が存在する。
【0007】
なお、上記における「略直線的に」とは、原則的には「直線的に」と同じであるが、機器の寸法における精度や交差などを考慮するときに生じるガタツキなどを考慮して「略」を付加しているものである。また、上記における「駆動力発生源」は、例えば、空圧シリンダや油圧シリンダ、さらには直線運動への変換機能(例えば、ボールネジなどのネジ類)を備えたモータやロータリーアクチュエータなどを指す。
【0008】
さらに、本発明に係るスライド駆動装置において、第1から第4の各箇所とベースブロックの作用点との各間には、線状体であって、且つ、屈曲自在性を有する第1から第4の伝達部材がそれぞれ張設されている。そして、作用点が一の方向に移動するとき、第1および第3の伝達部材、または第2および第4の伝達部材に引っ張り力が作用し、当該作用する引っ張り力により、第1および第2のスライドブロックがスライドする。ここで、第1および第2のスライドブロックは、作用点の移動量に応じた変位量でスライドすることになる。
【発明の効果】
【0009】
上記構成を有する本発明に係るスライド駆動装置では、第1の伝達部材が作用点と第1の箇所との間に、第2の伝達部材が作用点と第2の箇所との間に、第3の伝達部材が作用点と第3の箇所との間に、第4の伝達部材が作用点と第4の箇所との間にそれぞれ張設されている。そして、作用点の移動量に応じた変位量で第1のスライドブロックおよび第二のスライドブロックがスライドすることになる。なお、ここでいう「スライド」とは、ベースブロックに対する相対的なスライドを意味するものである。
【0010】
本発明に係るスライド駆動装置では、第1から第4の伝達部材を用いることにより、上記従来技術よりも簡易な構成をもって、第1のスライドブロックと第2のスライドブロックとを同期状態でスライドさせることができる。また、本発明に係るスライド駆動装置では、第1から第4の伝達部材として、線状体であって、且つ、屈曲自在性を有する部材を採用しているので、伝達部材の取り回しに係る設計が比較的容易である。即ち、仮に、駆動力を伝達するのにギアやシャフトあるいはカムなどを採用するには、その配置のためにスペースを確保しなければならず、設計の自由度が低くなる。これに対して、本発明に係るスライド駆動装置のように上記伝達部材を用いる場合には、装置設計に際しての自由度を高くすることができる。
【0011】
なお、本発明に係るスライド駆動装置では、第1のスライドブロックと第2のスライドブロックとが、必ずしも同一方向に向けてスライドする必要はなく、例えば、ベースブロックに対して一方のスライドブロックが正方向に向けて突出するときに、これに同期して他方のスライドブロックが負方向に向けて突出する構成を採用することも可能である。
本発明は、次のような特徴を併せ持つ構成を採用することもできる。
【0012】
(バリエーション1) 上記本発明に係るスライド駆動装置において、駆動力発生源として油圧シリンダまたは空圧シリンダが用いられていることを特徴とする。駆動力発生源としてモータやロータリーアクチュエータなどを用いることも考えられるが、このような場合には、回転運動を直線運動に変換するローラなどを別途設ける必要があり、スペースおよびコストなどの観点から不利となる。また、モータを使用する場合には、ある程度のトルクを得る場合に減速機を用いる必要があり、ストローク速度が低下してしまう。これら理由により、駆動力発生源として油圧シリンダや空圧シリンダなどを用いる場合には、上記モータなどを用いる場合に比べて、スペースおよびコストと言う観点から優位である。
【0013】
さらに、油圧シリンダや空圧シリンダは、実質的に同一の容積を有するモータに比べて、大きな力を発生することができ、また、移動速度と言う観点からも優位である。
(バリエーション2) 上記本発明に係るスライド駆動装置において、第1から第4の各伝達部材としてワイヤが用いられており、第1から第4の各伝達部材は、第1から第4の各箇所と作用点との間にプーリを介して張設されており、各プーリは、ベースブロックに軸支されていることを特徴とする。
【0014】
本バリエーションに係るスライド駆動装置では、伝達部材としてワイヤを用いることとしている。このため、伝達部材としてチェーンなどを用いる場合に比べて装置の小型化および軽量化を図ることができる。即ち、伝達部材としてチェーンを用いる場合には、チェーン自体の単位長さ当りの重量がワイヤに比べて重いのに加え、チェーンテンショナーなどを用いる必要があるために装置サイズの大型化および重量増加となる。よって、本バリエーションに係るスライド駆動装置では、装置サイズおよび重量という観点からより優位である。
【0015】
なお、伝達部材としてワイヤを採用する本バリエーションにおいては、ワイヤの弾性域を用いることができるので、ワークにかかる衝撃を和らげることもできる。
(バリエーション3) 上記本発明に係るスライド駆動装置において、第1および第2のスライドブロックの各々には、リニアガイドレールが備えられており、ベースブロックにおける第1および第2のスライドブロックとの各交差部分に設けられたリニアガイドにより、リニアガイドレールが支持されていることを特徴とする。
【0016】
(バリエーション4) 上記本発明に係るスライド駆動装置において、さらに、ベースブロックに対して一部が交差するとともに、当該交差する各部分でスライド自在に取り付けられた第3および第4のスライドブロックを有し、ベースブロックには、第3および第4のスライドブロックの各々に対応した第3および第4のスライドガイド部を有する。
本バリエーションに係るスライド駆動装置では、各スライドブロックのスライド方向において、第1のスライドブロックにはベースブロックとの交差部分を挟んで対峙する第5および第6の箇所が存在し、第2のスライドブロックにはベースブロックとの交差部分を挟んで対峙する第7および第8の箇所が存在し、第3のスライドブロックにはベースブロックとの交差部分を挟んで対峙する第9および第10の箇所が存在し、第4のスライドブロックにはベースブロックとの交差部分を挟んで対峙する第11および第12の箇所が存在する。
【0017】
また、本バリエーションに係るスライド駆動装置では、第5の箇所と第9の箇所との間、および6の箇所と第10の箇所との間、および第7の箇所と第11の箇所との間、および第8の箇所と第12の箇所との間の各々には、線状体であって、且つ、屈曲自在性を有する第5から第8の伝達部材がそれぞれ張設されており、第3および第4のスライドブロックは、第1および第2のスライドブロックに対して従動することを特徴とする。
【0018】
本バリエーションに係るスライド駆動装置では、第3および第4のスライドブロックが第1および第2のスライドブロックに同期した状態でスライドする。即ち、本バリエーションに係るスライド駆動装置では、4つのスライドブロックが同期した状態でスライドする。
(バリエーション5) 上記バリエーション4に係るスライド駆動装置において、第1から第4のスライドブロックは、各々のスライド軸に交差する方向に想定する仮想平面内において、各スライド軸が二次元配置された配置関係を有することを特徴とする。
【0019】
(バリエーション6) 上記本発明に係るスライド駆動装置において、作用点の移動軸と、第1および第2のスライドブロックのスライド軸とは、略平行となる状態に設定されていることを特徴とする。ここでの「略平行」の「略」についても、上記「略直線的に」の「略」と同様の解釈をとる。
(バリエーション7) 上記バリエーション6に係るスライド駆動装置において、第1のスライドブロックと第2のスライドブロックとが、互いのスライド軸どうしが略同一線上にのる状態に設定されていることを特徴とする。
【0020】
(バリエーション8) 上記本発明に係るスライド駆動装置において、第1のスライドブロックと第2のスライドブロックとが、互いのスライド軸が、作用点の移動軸に対し、斜め方向となる状態に設定されていることを特徴とする。
(バリエーション9) 上記バリエーション8に係るスライド駆動装置において、第1のスライドブロックと第2のスライドブロックとが、互いのスライド軸どうしがV字状をなす状態に設定されていることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下では、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下の説明に係る実施の形態は、本発明の構成上の特徴および当該特徴的構成から奏される作用効果を分かりやすく説明するための一例として用いるものであって、本発明は、その技術的な本質的特徴部分を除き、以下の内容に何ら限定を受けるものではない。
[実施の形態1]
1.構成
実施の形態1に係るスライド駆動装置1の構成について、図1を用い概略を説明する。
【0022】
図1に示すように、スライド駆動装置1は、X軸方向に長いベースブロック10と、ベースブロック10におけるX軸方向両端部分からY軸方向に延びたスライドブロック11、12とを有し構成されている。スライドブロック11およびスライドブロック12は、ベースブロック10に対してそのX軸方向の両端部分で各々が交差する状態に配されている。
【0023】
ベースブロック10の上面部分には、2つのスピードコントローラ101、102が取り付けられており、それぞれに対してエアチューブ103、104が接合されている。ベースブロック10は、ベース1000に固定されている。
スライドブロック11、12のそれぞれには、Y軸方向左上端部分にL字状の爪部111、121が取り付けられている。本実施の形態に係るスライド駆動装置1では、2つの爪部111、121が当接し、スライドブロック11、12がY軸方向にスライドすることでワーク5000をY軸方向に搬送する。
【0024】
2.駆動に係る部分の構成
次に、スライド駆動装置1の駆動に係る部分の構成について、図2を用い説明する。
図2に示すように、ベースブロック10では、フレーム100上に空圧シリンダ105が載置されている。空圧シリンダ105は、X軸方向にその長手方向を合わせた状態であり、ロッド105aはX軸方向にストロークする。なお、シリンダ105に取り付けられているスピードコントローラ101、102については(図1を参照)、図2では図示を省略している。
【0025】
ロッド105aにおける先端には、可動プレート106が取り付けられている。可動プレート106は、空圧シリンダ105のロッド105aのストロークにより、X軸方向に移動する。
スライドブロック11、12は、それぞれリニアガイドレール112、122を有しており、各Y軸方向両端にフランジ113、114、123、124が取り付けられている。そして、フランジ113には爪部111が取り付けられており、フランジ123には爪部121が取り付けられている。スライドブロック11、12における各リニアガイドレール112、122は、フレーム100に固定されたリニアガイド171、172により支持されている。リニアガイド171、172は、ベースブロック10のフレーム100におけるスライドブロック11、12との各交差部分に固定されている。
【0026】
可動プレート106には、4本のワイヤ131、132、141、142が接続されており、この内、ワイヤ131がフランジ113と、ワイヤ132がフランジ114と、ワイヤ141がフランジ123と、ワイヤ142がフランジ124と接続されている。
ワイヤ131は、可動プレート106とフランジ113との間にプーリ151を介した状態で張設されている。ワイヤ132は、可動プレート106とフランジ114との間にプーリ152とプーリ153とを介した状態で張設されている。
【0027】
また、ワイヤ141は、可動プレート106とフランジ123との間にプーリ161とプーリ162とを介した状態で張設されている。ワイヤ142は、可動プレート106とフランジ124との間にプーリ163を介した状態で張設されている。
なお、プーリ151〜153およびプーリ161〜163は、フレーム100に軸止されている。また、ワイヤ131、132、141、142は、弛みのない状態で張設されている。
【0028】
3.スライド駆動
本実施の形態に係るスライド駆動装置1における駆動について、図2を用い説明する。
図2に示すように、可動プレート106がX軸方向の右側から左側へと移動するとき、ワイヤ131およびワイヤ141には、引っ張り力が作用することになる。一方、ワイヤ132、142は、送出される。そして、可動プレート106の移動に連動するワイヤ131、132、141、142の変位は、スライドブロック11、12における各フランジ113、114、123、124へと伝達される。
【0029】
以上のような駆動により、可動プレート106がX軸方向の右側から左側へと移動する場合には、その移動量と同一の変位をもってスライドブロック11、12が互いに同期した状態で、Y軸方向下向きにスライドする。
4.優位性
上記の構成および駆動形態を採用する本実施の形態に係るスライド駆動装置1は、次のような優位性を有する。
【0030】
(1) スライド駆動装置1では、可動プレート106とフランジ113、114、123、124との間に、ワイヤ131、132、141、142を張設し、可動プレート106の移動量に応じてスライドブロック11、12をスライドさせることができる。よって、本実施の形態に係るスライド駆動装置1では、上記従来の技術に対して簡易な構成をもって、互いに同期した状態で2つのスライドブロック11、12をスライドさせることができる。
【0031】
(2) スライド駆動装置1では、可動プレート106とフランジ113、114、123、124との間の伝達部材として、ワイヤ131、132、141、142を採用している。ワイヤ131、132、141、142は、屈曲自在性を有する線状体であるので、取り回しに係る設計が比較的容易である。即ち、伝達手段としてギアやシャフトなどを採用するには、その配置のためにスペースを確保しなければならず、設計の自由度が低くなるが、伝達部材としてワイヤ131、132、141、142を用いる本実施の形態では、装置設計に際しての自由度を高くすることができる。
【0032】
また、伝達部材としてワイヤを採用する本実施の形態では、ワイヤの弾性域を用いることができるので、ワーク5000にかかる衝撃を和らげることもできる。
(3) スライド駆動装置1において、駆動力発生源として空圧シリンダ105を採用しているので、モータやロータリアクチュエータなどを用いる場合に比べて、スペース効率および重量面などで優位である。即ち、駆動力発生源としてモータやロータリーアクチュエータなどを用いる場合には、回転運動を直線運動に変換するローラなどを別途設ける必要があり、スペースおよびコストなどの観点から不利となる。これに対してロッド105aが直線上を入出する空圧シリンダ105を用いる本実施の形態では、上記モータなどを用いる場合に比べて、スペースおよびコストと言う観点から優位である。
【0033】
さらに、空圧シリンダ105を採用する本実施の形態では、空圧シリンダ105が実質的に同一の容積を有するモータに比べて大きな力を発生することができ、また、移動速度という観点からも優位である。
なお、空圧シリンダ105の代わりに油圧シリンダを採用することもできる。
[実施の形態2]
実施の形態2に係るスライド駆動装置2の構成について、図3を用い説明する。図3では、スライド駆動装置2の構成の内、駆動に係る要部のみを模式的に示している。
【0034】
1.構成
図3に示すように、本実施の形態に係るスライド駆動装置2では、ベースブロック20におけるフレーム200に空圧シリンダ205がX軸方向に軸を合わせた状態で載置され、Y軸方向に向けてスライド自在に支持されたスライドブロック21、22を有する。この部分に構成については、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1と同様である。
【0035】
本実施の形態に係るスライド駆動装置2が有する上記スライド駆動装置1との相違点は、スライドブロック21、22のX軸方向外側にスライドブロック28、29を有するところにある。スライドブロック28、29についても、リニアガイドレール282、292をそれぞれ有し、各々がフレーム200に固定されたリニアガイド273、274により支持されている。
【0036】
スライドブロック21におけるY軸方向上側のフランジ213とスライドブロック28におけるY軸方向下側のフランジ284との間には、プーリ254、255を介した状態でワイヤ233が張設されている。スライドブロック21におけるY軸方向下側のフランジ214とスライドブロック28におけるY軸方向上側のフランジ283との間には、プーリ256、257を介した状態でワイヤ234が張設されている。
【0037】
ここで、ワイヤ233とワイヤ234とは、図3の拡大部分に示すように、プーリ255とプーリ257とにより、互いに接触することなく配されている。
同様に、スライドブロック22におけるY軸方向上側のフランジ223とスライドブロック29におけるY軸方向下側のフランジ294との間には、プーリ264、265を介した状態でワイヤ243が張設されている。スライドブロック22におけるY軸方向下側のフランジ224とスライドブロック29におけるY軸方向上側のフランジ293との間には、プーリ266、267を介した状態でワイヤ244が張設されている。プーリ265およびプーリ267におけるワイヤ243とワイヤ244との関係については、上記同様である。
【0038】
2.スライド駆動
スライドブロック21およびスライドブロック22は、上記実施の形態1と同様に、可動プレート206がX軸方向の右側から左側へと移動するのに従って、Y軸方向下側へと同期した状態でスライドする。
一方、スライドブロック28およびスライドブロック29は、上記スライドブロック21、22のスライドに従動して、Y軸方向下側へとスライドする。スライドブロック28およびスライドブロック29についても、スライドブロック21およびスライドブロック22の双方に同期した状態でスライドする。即ち、スライドブロック21がY軸方向下側へとスライドすると、ワイヤ234が下向きに引っ張られ、当該ワイヤ234に引っ張り力が作用することでスライドブロック28もY軸方向下側へとスライドする。
【0039】
同様に、スライドブロック22がY軸方向下側へとスライドすると、ワイヤ244が下向きに引っ張られ、当該ワイヤ244に引っ張り力が作用することでスライドブロック29もY軸方向下側へとスライドする。
3.優位性
本実施の形態に係るスライド駆動装置2は、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1と同様の優位性を有するのに加えて、次のような優位性を併せ持つ。
【0040】
スライド駆動装置2では、4つのスライドブロック21、22、28、29が同期した状態でスライド駆動する。このため、スライド駆動装置2は、スライド駆動装置1に比べてより幅広のワークをスライド搬送させるのに適している。そして、この場合においても、4つのスライドブロック21、22、28、29は、同期した状態でスライド駆動するので、ワークに対して歪などを生じさせることがなく、また、搬送中におけるワークの平行性を維持することもできる。
【0041】
なお、本実施の形態では、4つのスライドブロック21、22、28、29を採用することとしたが、5つ以上のスライドブロックを採用することも可能である。この場合にも、ワイヤとプーリとを増設するだけでよく、本実施の形態に係るスライド駆動装置2は、拡張性に優れ、サイズおよび重量という観点からも優れる。
[実施の形態3]
実施の形態3に係るスライド駆動装置3の構成について、図4を用い説明する。図4では、スライド駆動装置3の構成の内、駆動に係る要部のみを模式的に示している。
【0042】
1.構成
図4に示すように、本実施の形態に係るスライド駆動装置3では、ベースブロック30において、空圧シリンダ305がY軸に沿った状態で載置されている。そして、ロッド305aは、Y軸に沿った方向に入出する。スライドブロック31、32は、Y軸方向に延びるリニアガイドレール312、322を有し、リニアガイドレール312、322は、フレーム300に固定されたリニアガイド371、372により、支持されている。
【0043】
ロッド305aの先端に取り付けられた可動プレート306にも、4本のワイヤ331、332、341、342が取り付けられている。ワイヤ331は、プーリ351、352、353を介した状態でフランジ313との間に張設されている。ワイヤ332は、プーリ354、355を介した状態でフランジ314との間に張設されている。
ワイヤ341は、プーリ361、362、263を介した状態でフランジ323との間に張設されている。ワイヤ342は、プーリ364、365を介した状態でフランジ324との間に張設されている。なお、ワイヤ331とワイヤ332とは、図4の拡大部分に示すように、プーリ353とプーリ355とにより、互いに接触することなく配されている。ワイヤ341とワイヤ342とについても、同様である。
【0044】
2.スライド駆動
スライド駆動装置3では、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1と同様に、可動プレート306の移動によりワイヤ331、341およびワイヤ332、342の一方に引っ張り力が作用し、他方が送出され、スライドブロック31およびスライドブロック32が、互いに同期した状態でY軸に沿ってスライドする。
【0045】
3.優位性
本実施の形態に係るスライド駆動装置3は、空圧シリンダ305の載置方向が上記実施の形態1などとは相違するが、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1と同様の優位性を有する。
本実施の形態に係るスライド駆動装置3では、空圧シリンダ305の載置方向を上記実施の形態1に対し変更することにより、X軸方向における装置寸法を縮小することができる。例えば、図4に示すように、両スライドブロック31、32の間におけるY軸方向上方に利用可能な空間があるような場合には、本実施の形態に係る構成を採用することができる。また、スライドブロック31、32のスライド量を大きく設定しようとするような場合にも、本実施の形態に係る構成は有効である。
[実施の形態4]
実施の形態4に係るスライド駆動装置4の構成について、図5を用い説明する。図5では、スライド駆動装置4の構成の内、駆動に係る要部のみを模式的に示している。
【0046】
1.構成
図5に示すように、本実施の形態に係るスライド駆動装置4では、スライドブロック41、42の各リニアガイドレール412、422の配設方向が、空圧シリンダ405のロッド405aの移動方向(X軸方向)に対して斜めになっている。これは、リニアガイド471、472がベースブロック40におけるフレーム400対して斜め方向に固定されていることによるものである。
【0047】
可動プレート406と各スライドブロック41、42におけるフランジ413、414、423、424との間には、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1と同様に、ワイヤ431、432、441、442が張設されている。なお、フレーム400におけるプーリ451、453、462、463の固定位置は、スライドブロック41、42が斜め方向にスライド可能となっているので、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1に対し変更されている。
【0048】
2.スライド駆動
スライド駆動装置4では、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1と同様に、可動プレート406の移動によりワイヤ431、441およびワイヤ432、442の一方に引っ張り力が作用し、他方が送出される。これにより、スライドブロック41およびスライドブロック42が、互いに同期した状態でY軸に対して斜め方向にスライドする。
【0049】
3.優位性
本実施の形態に係るスライド駆動装置3は、空圧シリンダ305の載置方向が上記実施の形態1などとは相違するが、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1と同様の優位性を有する。
さらに、本実施の形態に係るスライド駆動装置4では、スライドブロック41、42がX軸およびY軸に対し斜めとなる方向にスライドするので、一つの空圧シリンダ405の一つのモーションによりワークを2軸搬送することが可能となる。このため、X軸方向およびY軸方向の搬送のために2つ駆動力発生源(シリンダなど)を備える場合に比べて、装置の小型化、軽量化、低コスト化を図ることができる。
[実施の形態5]
実施の形態5に係るスライド駆動装置5の構成について、図6を用い説明する。図6では、スライド駆動装置5の構成の内、駆動に係る要部のみを模式的に示している。
【0050】
1.構成
図6に示すように、本実施の形態に係るスライド駆動装置5では、スライドブロック51とスライドブロック52とが、互いのスライド軸が交差する状態に配置されている。具体的には、図6に示すように、スライドブロック51とスライドブロック52は、互いのスライド軸が略直交する状態に配置されている。
【0051】
2.スライド駆動
図6に示すように、本実施の形態に係るスライド駆動装置5では、ロッド505aに取り付けられた可動プレート506がX軸方向の左側へと移動すると、スライドブロック51のフランジ514に取り付けられた爪部511が左下へとスライド移動し、スライドブロック52のフランジ524に取り付けられた爪部521が右下へとスライド移動する。
【0052】
爪部511および爪部521は、ともにL字状をしており、可動プレート506が最も左側へと移動した時に先端どうしが近接した状態となる。これにより、ワーク5001を保持することが可能である。
なお、本実施の形態に係るスライド駆動装置5においても、ワイヤ531、532、541、542の取り回しや、プーリ551〜553、561〜563については、上記実施の形態1および実施の形態4と同様である。
【0053】
3.優位性
本実施の形態に係るスライド駆動装置5は、2つのスライドブロック51、52を使いワーク5001のチャックとして機能する。そして、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置と同様に、スライドブロック51とスライドブロック52とは、互いに同期した状態でスライドするので、ワーク5001を保持する際に左右の爪部511、521が同時にワーク5001に近接することになる。
【0054】
このため、2つの空圧シリンダを用いてチャックを構成するような場合に比べて、高いセンタリング精度を確保することができる。また、ギアなどを組み合わせて構成するような場合に比べて装置の小型化、軽量化、低コスト化を実現することができる。
[実施の形態6]
実施の形態6に係るスライド駆動装置6の構成について、図7を用い説明する。図7では、スライド駆動装置6の構成の内、駆動に係る要部のみを模式的に示している。
【0055】
1.構成
図7に示すように、本実施の形態に係るスライド駆動装置6では、ベースブロック60におけるフレーム600がコの字状をしている。具体的には、フレーム600は、X軸方向に延びる本体部600aとその両外側からY軸方向に延びる腕部600b、600cとから構成されている。
【0056】
スライドブロック61、62は、腕部600b、600cの先端に近い部分において支持されており、X軸に沿った方向にスライド自在になっている。そして、スライド駆動装置6では、スライドブロック61におけるリニアガイドレール612の軸芯と、スライドブロック62におけるリニアガイドレール622の軸芯とが略一致している。即ち、フレーム600に対し同一軸上にリニアガイド671とリニアガイド672とが固定されており、これによりリニアガイドレール612、622が支持されたスライドブロック61とスライドブロック62とは、同一軸上をスライドする。
【0057】
本実施の形態においても、空圧シリンダ605のロッド605aの先端に可動プレート606が取り付けられている。可動プレート606には、上記実施の形態1などと同様に、4本のワイヤ631、632、641、642が接続されている。ワイヤ631は、プーリ651、652を介した状態で、フランジ613との間で張設されている。ワイヤ632は、プーリ653〜655を介した状態で、フランジ614との間で張設されている。
【0058】
ワイヤ641は、プーリ661〜663を介した状態で、フランジ623との間で張設されている。ワイヤ642は、プーリ664、665を介した状態で、フランジ624との間で張設されている。なお、スライドブロック61におけるフランジ613には、爪部611が取り付けられ、スライドブロック62におけるフランジ623には、爪部621が取り付けられている。
【0059】
2.スライド駆動
可動プレート606が図7に示す位置から左側へと移動する場合には、ワイヤ631およびワイヤ641に引っ張り力が作用し、逆にワイヤ632およびワイヤ642が送出される。ワイヤ631、641の引き込まれる量とワイヤ632、642が送出される量(変位量)とは、可動プレート606の移動量と同一であり、互いに等しい。
【0060】
可動プレート606が上記移動をするとき、スライドブロック61は、X軸方向右側へと後退し、スライドブロック62は、X軸方向左側へと後退する。これにより、爪部611と爪部621とは開状態となる。可動プレート606が逆の移動をするときには、スライドブロック61は、X軸方向左側へと前進し、スライドブロック62は、X軸方向右側へと前進することにより、爪部611と爪部621とは閉状態となる。このようにして、本実施の形態に係るスライド駆動装置6は、ワーク5002をチャックすることができる。
【0061】
3.優位性
本実施の形態に係るスライド駆動装置6は、上記実施の形態5に係るスライド駆動装置5と同様に、2つのスライドブロック61、62を使いワーク5002のチャックとして機能する。そして、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置と同様に、スライドブロック61とスライドブロック62とは、互いに同期した状態でスライドするので、左右の爪部611、621が常に同一の箇所でワーク5002を保持することになる。。
【0062】
このため、2つの空圧シリンダを用いてチャックを構成するような場合に比べて、高いセンタリング精度を確保することができる。また、ギアやカムなどを組み合わせて構成するような場合に比べて装置の小型化、軽量化、低コスト化を実現することができる。
[実施の形態7]
実施の形態7に係るスライド駆動装置7の構成について、図8を用い説明する。図8では、スライド駆動装置7の構成の内、駆動に係る要部のみを模式的に示している。
【0063】
1.構成
図8に示すように、本実施の形態に係るスライド駆動装置7では、ベースブロック70に対しスライドブロック71、72が、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1と同様の形態をもって配置されている。また、空圧シリンダ705のロッド705aの先端には可動プレート706が取り付けられており、これに4本のワイヤ731、732、741、742が接続されている。この点に関しても、上記実施の形態1と同様である。
【0064】
ここで、本実施の形態に係るスライド駆動装置7が有する上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1との相違点は、可動プレート706とスライドブロック72におけるフランジ723、724との間に張設されたワイヤ741、742の取り回しの形態にある。具体的には、ワイヤ741は、プーリ761〜763を介した状態で、可動プレート706と下側のフランジ724との間で張設されている。一方、ワイヤ742は、プーリ764、765を介した状態で、可動プレート706と上側のフランジ723との間で張設されている。
【0065】
2.スライド駆動
本実施の形態に係るスライド駆動装置7では、可動プレート706が図8に示す状態からX軸方向左側へと移動するときに、ワイヤ731、741に引っ張り力が作用し、ワイヤ732、742が送出される。この結果、スライドブロック71はY軸方向上側にスライドし、スライドブロック72はY軸方向下側にスライドする。なお、両スライドブロック71、72のスライド量(変位量)は、可動プレート706の移動量に等しい。
【0066】
3.優位性
本実施の形態に係るスライド駆動装置7では、ベースブロック70の一つの空圧シリンダ705の駆動により、スライドブロック71とスライドブロック72とが正逆反対向きにスライドする。このため、各スライド駆動のために空圧シリンダなどの駆動力発生源を各々設ける場合に比べて、装置サイズおよび重量、コスト面などから優位である。
[実施の形態8]
実施の形態8に係るスライド駆動装置8の構成について、図9を用い説明する。図9では、スライド駆動装置8の構成の内、駆動に係る要部のみを模式的に示している。なお、図9では、ベースブロックにおけるフレームなどの図示を省略している。
【0067】
1.構成
図9に示すように、本実施の形態に係るスライド駆動装置8では、6つのスライドブロック81、82、88〜91を有している。6つのスライドブロック81、82、88〜91は、各々がZ軸に沿った方向にスライドする。そして、スライドブロック81、82、88〜91は、X−Y−Z空間において、3次元配置されている。
【0068】
空圧シリンダ805のロッド805aの先端に取り付けられた可動プレート806は、Y軸に沿った方向に移動する。可動プレート806とスライドブロック81との間には、ワイヤ831、832が張設されている。また、可動プレート806とスライドブロック82との間には、ワイヤ841、842が張設されている。なお、ワイヤ831、832、841、842は、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1と同様の取り回しにより、間にプーリを介した状態で張設されている。
【0069】
スライドブロック88、90は、スライドブロック81に対し従動する関係にあり、スライドブロック89、91は、スライドブロック82に対し従動する関係にある。具体的には、スライドブロック88は、スライドブロック81に対しワイヤ833、844により連結されており、スライドブロック90は、スライドブロック81に対しワイヤ835、836により連結されている。
【0070】
同様に、スライドブロック89は、ワイヤ843、844により連結されており、スライドブロック91は、ワイヤ845、846により連結されている。
なお、各スライドブロック81、82、88〜91のリニアガイドレールは、リニアガイド871〜876により支持されている。リニアガイド871〜876および各プーリは、図示を省略したベースブロックのフレームに固定・軸止されている。
【0071】
2.スライド駆動
本実施の形態に係るスライド駆動装置8では、可動プレート806が図9に示す状態からX軸方向左側へと移動するときに、ワイヤ831、841が引き込まれ、ワイヤ832、842が送出される。この結果、スライドブロック81、82は、Z軸方向下向きにスライドする。
【0072】
スライドブロック88、90は、スライドブロック81に対し張設されたワイヤ833〜836により、従動してZ軸方向下向きにスライドする。同様に、スライドブロック89、91は、スライドブロック82に対し張設されたワイヤ843〜846により、従動してZ軸方向下向きにスライドする。
上記のように、本実施の形態に係るスライド駆動装置8では、6つのスライドブロック81、82、88〜91が同期した状態で同一方向に向けてスライドする。
【0073】
3.優位性
本実施の形態に係るスライド駆動装置8では、6つのスライドブロック81、82、88〜91の全てが同期した状態でZ軸に沿った方向にスライドする。そして、各スライドブロック81、82、88〜91の先端部分にチャックやバキュームパッドなどを設けておけば、同期された状態でのワーク搬送が可能となる。
【0074】
スライド駆動装置8においても、6つのスライドブロック81、82、88〜91の全てのスライド駆動が同期しているので、例えば、ガラス板などを搬送する際にも、局所的な歪がかかり難く、ワークを損傷したりすることがない。
[その他の事項]
上記実施の形態1〜8では、駆動力発生源の一例として空圧シリンダ105、205、305、405、505、605、705、805を用いることとしたが、これに限らず油圧シリンダや、ボールネジなどのネジ類が連結されたモータなどを採用することもできる。
【0075】
また、上記実施の形態1〜8に係る各スライド駆動装置1〜8の構成を適宜組み合わせることも可能である。例えば、図9に示すスライド駆動装置8に対して、図8に示す構成を適用し、スライドブロック81、82、88〜91の一部が他と逆向きにスライドするようにすることも可能である。
また、上記実施の形態1〜8では、伝達部材の一例としてワイヤを採用したが、チェーンやロープなどを採用することも勿論できる。ただし、チェーンなどを用いる場合に比べて、ワイヤを用いる上記実施の形態1〜8では、装置設計に係る自由度の高さ、装置サイズおよび重量、コストなどの観点から優位である。
【0076】
また、上記実施の形態1〜8に係るスライド駆動装置1〜8では、一つのスライドブロックに対して2本のワイヤを接続することとしたが、一方のワイヤを省略し、その代わりにバネなどの弾性体を用いて、スライドブロックを元の状態に復帰させる構成を採用することもできる。
また、上記実施の形態1〜8に係るスライド駆動装置1〜8では、駆動力発生源としてシリンダブロックの一方からロッドが延出されたタイプの空圧シリンダを採用したが、これに限らず、例えば、ロッドレス型空圧シリンダや両ロッド型空圧シリンダなどを採用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、ワークの搬送やコンベア上のワークの切出し、およびワークの位置決めなどの用途に適用することができ、装置サイズおよび重量、さらにはコストなどの観点から優れたスライド駆動装置を実現するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】実施の形態1に係るスライド駆動装置1の要部外観を模式的に示す斜視図である。
【図2】スライド駆動装置1の駆動に係る部分を模式的に示す断面図である。
【図3】実施の形態2に係るスライド駆動装置2の駆動に係る部分を模式的に示す断面図である。
【図4】実施の形態3に係るスライド駆動装置3の駆動に係る部分を模式的に示す断面図である。
【図5】実施の形態4に係るスライド駆動装置4の駆動に係る部分を模式的に示す断面図である。
【図6】実施の形態5に係るスライド駆動装置5の駆動に係る部分を模式的に示す断面図である。
【図7】実施の形態6に係るスライド駆動装置6の駆動に係る部分を模式的に示す断面図である。
【図8】実施の形態7に係るスライド駆動装置7の駆動に係る部分を模式的に示す断面図である。
【図9】実施の形態8に係るスライド駆動装置8の駆動に係る要部を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
【0079】
1、2、3、4、5、6、7、8.スライド駆動装置
10、20、30、40、50、60、70.ベースブロック
11、12、21、22、28、29、31、32、41、42、51、52、61、62、71、72、81、82、88、89、90、91.スライドブロック
100、200、300、400、500、600、700.フレーム
101、102.スピードコントローラ
103、104.エアチューブ
105、205、305、405、505、605、705、805.空圧シリンダ
106、206、306、406、506、606、706、806.可動プレート
111、121、511、521、611、611、711、721.爪部
112、122、212、222、282、292、312、322、412、422、512、522、612、622、712、722.リニアガイドレール
113、114、123、124、213、214、223、224、283、284、293、294、313、314、323、324、413、414、423、424、513、514、523、524、613、614、623、624、713、714、723、724.フランジ
131、132、141、142、231、232、233、234、241、242、243、244、331、332、341、342、431、432、441、442、531、532、541、542、631、632、641、642、731、732、741、742、831、832、833、834、835、836、841、842、843、844、845、846.ワイヤ
151、152、153、161、162、163、251、252、253、254、255、256、257、261、262、263、264、265、266、267、351、352、353、354、355、361、362、363、364、365、451、452、453、461、462、463、551、552、553、561、562、563、651、652、653、654、655、661、662、663、664、665、751、752、753、761、762、763、764、765.プーリ
171、172、271、272、273、274、371、372、471、472、571、572、671、672、771、772、871、872、873、874、875、876.リニアガイド
1000.ベース
5000、5001、5002.ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つのベースブロックと、当該ベースブロックに対して一部が交差するとともに、スライド自在に前記交差する各部分に取り付けられた第1および第2のスライドブロックとを有するスライド駆動装置であって、
前記ベースブロックは、略直線的に往復移動自在の作用点と、当該作用点を往復移動させるための駆動力を発生する駆動力発生源とを有し、
前記スライドの方向において、前記第1のスライドブロックには前記ベースブロックとの交差部分を挟んで対峙する第1および第2の箇所が存在し、前記第2のスライドブロックにも前記ベースブロックとの交差部分を挟んで対峙する第3および第4の箇所が存在し、
前記第1から第4の各箇所と前記作用点との各間には、線状体であって、且つ、屈曲自在性を有する第1から第4の伝達部材がそれぞれ張設されており、
前記作用点が一の方向に移動するとき、前記第1および第3の伝達部材、または前記第2および第4の伝達部材に引っ張り力が作用することにより、前記第1および第2のスライドブロックが前記作用点の移動量に応じた変位量をもってスライドする
ことを特徴とするスライド駆動装置。
【請求項2】
前記駆動力発生源として、油圧シリンダまたは空圧シリンダが用いられている
ことを特徴とする請求項1に記載のスライド駆動装置。
【請求項3】
前記第1から第4の各伝達部材として、ワイヤが用いられており、
前記第1から第4の各伝達部材は、前記第1から第4の各箇所と前記作用点との間にプーリを介して張設されており、
前記プーリは、前記ベースブロックに軸支されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のスライド駆動装置。
【請求項4】
前記第1および第2のスライドブロックに各々には、リニアガイドレールが備えられており、
前記ベースブロックにおける前記交差部分に設けられたリニアガイドにより、前記リニアガイドレールが支持されている
ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のスライド駆動装置。
【請求項5】
さらに、前記ベースブロックに対して一部が交差するとともに、当該交差部分でスライド自在に取り付けられた第3および第4のスライドブロックを有し、
前記スライド方向において、前記第1のスライドブロックには前記ベースブロックとの交差部分を挟んで対峙する第5および第6の箇所が存在し、前記第2のスライドブロックには前記ベースブロックとの交差部分を挟んで対峙する第7および第8の箇所が存在し、前記第3のスライドブロックには前記ベースブロックとの交差部分を挟んで対峙する第9および第10の箇所が存在し、前記第4のスライドブロックには前記ベースブロックとの交差部分を挟んで対峙する第11および第12の箇所が存在し、
前記第5の箇所と前記第9の箇所との間、および前記6の箇所と前記第10の箇所との間、および前記第7の箇所と前記第11の箇所との間、および前記第8の箇所と前記第12の箇所との間の各々には、線状体であって、且つ、屈曲自在性を有する第5から第8の伝達部材がそれぞれ張設されており、
前記第3および第4のスライドブロックは、前記第1および第2のスライドブロックがスライドするとき、前記第5および第7の伝達部材、または前記第6および第8の伝達部材に引っ張り力が作用し、当該引っ張り力の作用によりスライドする
ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のスライド駆動装置。
【請求項6】
前記第1から第4のスライドブロックは、各々のスライド軸に交差する方向に想定する仮想平面内において、各スライド軸が二次元配置された配置関係を有する
ことを特徴とする請求項5に記載のスライド駆動装置。
【請求項7】
前記作用点の移動軸と、前記第1および第2のスライドブロックのスライド軸とは、略平行となる状態に設定されている
ことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のスライド駆動装置。
【請求項8】
前記第1のスライドブロックと前記第2のスライドブロックとは、互いのスライド軸どうしが略同一線上にのる状態に設定されている
ことを特徴とする請求項7に記載のスライド駆動装置。
【請求項9】
前記第1のスライドブロックと第2のスライドブロックとは、互いのスライド軸が、前記作用点の移動軸に対し斜め方向となる状態に設定されている
ことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のスライド駆動装置。
【請求項10】
前記第1のスライドブロックと前記第2のスライドブロックとは、互いのスライド軸どうしがV字状をなす状態に設定されている
ことを特徴とする請求項9に記載のスライド駆動装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−95921(P2009−95921A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−268898(P2007−268898)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【出願人】(592127965)NKE株式会社 (28)
【Fターム(参考)】