説明

ズボンずり落ち防止具

【構成】 上面がズボンのベルト部の下部内側に係止する係止部となる軟質の素材からなる本体(1)に、シャツの腰部に前記本体を取り付けるスナップピン(2)を設けたズボンずり落ち防止具。
【効果】 シャツの部分にズボンずり落ち防止具を取り付けるため、外からは全く見えることがなく、確実にズボンのずり落ちを防止することができる。また、同時にシャツのずり上がりや下着のずり落ちも防止できる。これにより、スポーツをしていてもズボンがずり落ちて腹部の大きさがなおさら目立ったりすることがなくなり、スタイルがよく見え、また行動にも自信が出てくるなど、肥満者にとって大きな効果をもたらす。また、小型で軽量、かつ安価に提供できる。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、特に腹部が出た肥満者が着用したズボンのずり落ちを防止する器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
肥満者の悩みの一つは、着用したズボンのベルト部がちょうど腹部の一番胴回りが大きい箇所に位置するため、ベルトを締めても引っ掛かりがなく、ズボンがずり落ちてしまうことである。そのため、いつもズボンをずり上げなければならず、その所作が周囲の人にいやがられることが多々ある。ズボンをずり上げるとき、シャツも一緒にずり上がるため、シャツの裾をズボンの中に押し込むが、きれいには押し込めないため、時々はベルトを外してシャツの裾を直さなければならない。このとき、トイレの中など、人が見ていない所でやればいいのであるが、所かまわずにやる人もおり、マナーが悪いという指摘を受けることがある。
【0003】
特に、ゴルフをする人では、力いっぱいスイングしたときにズボンのベルトが胴体のひねりについていけないため、スイング後にベルトが腹部の下の方にずり下がってしまい、不格好となることが往々にしてある。
【0004】
従来においては、ズボンのずり落ちを防止するために、サスペンダーがあるが、背広の上着やブレザーを着ている場合はともかく、スポーツウエアや夏服、室内で上着をとっている場合などではサスペンダーが目立ち、またファッション性にも問題があるため、サスペンダーは余りつけたくないというのが肥満者の気持ちである。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
本考案が解決すべき課題は、外からは使用していることが見えず、ズボンのずり落ちとともに、シャツのずり上がり、また下着のずり落ちも防止することのできる器具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本考案のズボンずり落ち防止具は、上面がズボンのベルト部の下部内側に係止する係止部となる軟質の素材からなる本体に、シャツの腰部に前記本体を取り付けるスナップピンを設けたものである。
【0007】
【作用】
本考案のズボンずり落ち防止具は、腹部の前方の左右2か所に、スナップピンの針部をシャツと下着の全体を通して突き差して再びシャツの表に出し、フック部に収めることにより装着する。その上にズボンをはくと、ズボンのベルト部の裏側下部が本体の上面の係止部に係止され、ズボンがずり落ちることを防止できる。また、シャツと下着もスナップピンに止められているため、シャツがずり上がったり、下着がずり落ちたりすることも同時に防止できる。
【0008】
【実施例】
以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて具体的に説明する。
図1は本考案のズボンずり落ち防止具の実施例を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。図中1は合成ゴム等の軟質部材からなる本体であり、側面から見ると逆L字状になっており、上部は肉厚となっている。体に角が当たらないように、両側は丸くなっている。本体1の上部にはスナップピン(通称安全ピン)2の軸部が埋設されている。これは、本体1の成型時に一体化して埋め込む。本体1の大きさは、例えば幅は60mm、厚みは上部が15mm、下部が10mm高さは30mm程度とする。
【0009】
図2は本考案のズボンずり落ち防止具を腹部(腰部)の前方の左右2か所に取り付けた状態を示すもので、このとき、スナップピン2の針がシャツとその下の下着(パンツ及びアンダーシャツ)まで一緒に通るように突き指し、針の先端を再びシャツの表に出して先端をフック部に収める。この状態でズボンのベルトを締めると、図3に示すようになる。図3の破線で示す場所に本体1が位置している。なお、ベルトレスのズボンであっても、ウエストの部分が本体1で止まるので同様に使用することができる。
【0010】
このようにズボンずり落ち防止具をズボンの内側のシャツの部分に止めることにより、ウエストが見掛け上その部分で大きくなることになり、ズボンのベルトは本体1の上部で止まり、通常の生活ではもちろん、ゴルフのスイングのような運動をしてもズボンがずり落ちることはない。
【0011】
【考案の効果】
上述したように、本考案によれば、シャツの部分にズボンずり落ち防止具を取り付けるため、外からは全く見えることがなく、確実にズボンのずり落ちを防止することができる。また、同時にシャツのずり上がりや下着のずり落ちも防止できる。これにより、スポーツをしていてもズボンがずり落ちて腹部の大きさがなおさら目立ったりすることがなくなり、スタイルがよく見え、また行動にも自信が出てくるなど、肥満者にとって大きな効果をもたらす。また、小型で軽量、かつ安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案のズボンずり落ち防止具の実施例を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
【図2】 本考案のズボンずり落ち防止具をシャツに取り付けた状態を示す正面図である。
【図3】 本考案のズボンずり落ち防止具を付けた上にズボンを着用した状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 ズボンずり落ち防止具本体、2 スナップピン

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 上面がズボンのベルト部の下部内側に係止する係止部となる軟質の素材からなる本体に、シャツの腰部に前記本体を取り付けるスナップピンを設けたことを特徴とするズボンずり落ち防止具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】実開平7−24933
【公開日】平成7年(1995)5月12日
【考案の名称】ズボンずり落ち防止具
【国際特許分類】
【出願番号】実願平5−54348
【出願日】平成5年(1993)10月6日
【出願人】(593185577)