説明

セメント組成物

【解決手段】下記(A)〜(C)成分
(A)ポリカルボン酸系共重合体及び/又はその塩、
(B)2.0重量%水溶液の粘度が20℃において50〜27,800mPa・sである水溶性セルロースエーテル、
(C)消泡剤
を含有するセメント組成物用添加剤を添加してなることを特徴とするセメント組成物。
【効果】本発明のセメント組成物によれば、ペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物に対して要求されるブリーディングの抑制、ワーカビリティーの改善、材料分離抵抗性の確保、あるいは吹き付けコンクリートにおける粉塵抑制やはね返り率の低減等に対して、優れた効果を発揮することができ、かつ、このセメント組成物に添加される添加剤は、長期貯蔵安定性に極めて優れたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペースト、モルタル及びコンクリート等のセメント組成物に関する。更に詳しくは、本発明は、セメント組成物に要求されるブリーディングの抑制、ワーカビリティーの改善、材料分離抵抗性の確保、あるいは吹き付けコンクリートにおける粉塵抑制やはね返り率の低減等を目的として使用する長期貯蔵安定性に優れたセメント組成物用添加剤を含むセメント組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
各種のコンクリートは、配合や使用材料によってブリーディングが多量に発生する問題やワーカビリティーが悪く、ポンプ圧送や打設が困難となる問題を抱え、また、高流動コンクリートにおける材料分離抵抗性の要求、更には、吹き付けコンクリートにおける粉塵抑制やはね返り率の低減等が要求されている。
【0003】
これらの課題を解決する方法として、従来から減水剤とセルロースエーテルの2剤を併用することが行われている。この2剤併用には、粉体の水溶性セルロースエーテルが用いられているために、添加方法の煩雑さ、粉塵の発生及び人件費の増加等の問題を抱えている。特に、現場で粉体の水溶性セルロースエーテルを保管する場合、水や湿気等によるママコの発生を防ぐためにその管理が煩雑であったり、それを自動計量器によってコンクリートへ添加した場合、粉体の水溶性セルロースエーテルが均一に混合しない等の種々の問題を抱えている。
【0004】
一方、吹き付けコンクリート施工時に発生する粉塵を低減する目的で使用する粉塵低減型液状混和剤として、予め粉体の水溶性セルロースエーテルを減水剤に溶解する方法が特開平5−105493号公報(特許文献1)に提案されている。しかし、この方法は、吹き付け工法における粉塵抑制やはね返り率の低減、急結剤の急結効果と長期圧縮強度の向上に優れるものの、混和剤を貯蔵すると粘性が著しく増加するとともに、長期保存によって水溶性セルロースエーテルがゲルを形成するために、通常の計量装置では取り扱いが困難であったり、ストレーナを閉塞する等の問題を抱えていた。
【0005】
【特許文献1】特開平5−105493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明が解決しようとする課題は、セメント組成物に要求されるポンプ圧送性の改善、ブリーディングの抑制、ワーカビリティーの改善、材料分離抵抗性の確保、あるいは吹き付けコンクリートにおける粉塵抑制やはね返り率の低減等を目的に使用され、長期間保存しても粘性の著しい増加やゲルが発生しない貯蔵安定性に優れたセメント組成物用添加剤を含有するセメント組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリカルボン酸系共重合体及び/又はその塩、水溶性セルロースエーテル及び消泡剤を含有するセメント組成物用添加剤を用いることにより、セメント組成物に要求されるブリーディングの抑制、ワーカビリティーの改善、材料分離抵抗性の確保、あるいは吹き付けコンクリートにおける粉塵抑制やはね返り率の低減等に対して、優れた効果を発揮することができ、かつ、長期貯蔵安定性に極めて優れることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0008】
従って、本発明は以下のセメント組成物を提供する。
請求項1:
下記(A)〜(C)成分
(A)ポリカルボン酸系共重合体及び/又はその塩、
(B)2.0重量%水溶液の粘度が20℃において50〜27,800mPa・sである水溶性セルロースエーテル、
(C)消泡剤
を含有するセメント組成物用添加剤を添加してなることを特徴とするセメント組成物。
請求項2:
前記(A)成分のポリカルボン酸系共重合体が、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びシトラコン酸から選ばれる不飽和モノ又はジカルボン酸と、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、スチレン及び不飽和アルコールにアルキレンオキシドを1〜100モル付加した化合物から選ばれる不飽和単量体との共重合体である請求項1に記載のセメント組成物。
請求項3:
前記(B)成分の水溶性セルロースエーテルが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである請求項1又は2に記載のセメント組成物。
請求項4:
前記(A)成分と(B)成分との混合割合が、重量比として50/50〜99/1である請求項1〜3のいずれか1項に記載のセメント組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明のセメント組成物によれば、ペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物に対して要求されるブリーディングの抑制、ワーカビリティーの改善、材料分離抵抗性の確保、あるいは吹き付けコンクリートにおける粉塵抑制やはね返り率の低減等に対して、優れた効果を発揮することができ、かつ、このセメント組成物に添加される添加剤は、長期貯蔵安定性に極めて優れたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のセメント組成物は、下記(A)〜(C)成分を含有する添加剤が添加される。
【0011】
本発明のセメント組成物用添加剤における(A)成分は、液状のポリカルボン酸系共重合体及び/又はその塩である。この場合、(A)成分のポリカルボン酸系共重合体としては、不飽和モノ又はジカルボン酸とこれと共重合可能な不飽和単量体との共重合体が好ましい。具体的には、不飽和モノ又はジカルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等が挙げられる。また、不飽和単量体としては、例えばトリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート(ポリエチレングリコールの重量平均分子量が200〜1,000)等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、スチレン、3−メチル−2−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール等の不飽和アルコールにアルキレンオキシドを1〜100モル付加した化合物が挙げられる。また、ポリカルボン酸系共重合体の塩としては、ポリカルボン酸系共重合体のNa,K,Mg,Zn,Al,Fe,アンモニウム塩等が挙げられる。
【0012】
上記共重合体及びその塩の分子量(重量平均分子量)は、5,000〜200,000(ポリエチレングリコール換算)であることが好ましい。
【0013】
ポリカルボン酸系共重合体及びその塩の添加量は、セメントに対して0.05〜10.0重量%、特に0.1〜2.5重量%が好ましい。添加量が0.05重量%未満だと所望の流動性が得られない場合があり、10.0重量%を超えると材料の分離が発生する場合がある。
【0014】
本発明における(B)成分の水溶性セルロースエーテルとしては、メチルセルロース等のアルキルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のヒドロキシアルキルアルキルセルロース等が挙げられ、20℃における2.0重量%水溶液粘度が50〜300,000mPa・s、特に1,000〜100,000mPa・sのものが好ましい。上記粘度が50mPa・s未満の場合は材料分離抵抗性に劣り、300,000mPa・sを超える場合には工業的生産の経済的問題が生じるおそれがある。
【0015】
なお、ポリカルボン酸系共重合体及び/又はその塩と水溶性セルロースエーテルの混合割合は、重量比として50/50〜99/1が好ましい。この割合が50/50未満では、コンクリートの粘性が著しく高くなる傾向を示し、所要の流動性が得られない場合があり、更にはセルロースエーテルに起因して凝結遅延作用を示す場合がある。一方、99/1を超えると、これを使用したコンクリートのブリーディング抑制効果、ワーカビリティーの改善効果等が得られなかったり、高流動コンクリートの材料分離抵抗性を確保できない、あるいは吹き付けコンクリートにおける粉塵抑制やはね返り率の低減等の効果が十分に発揮されない場合がある。
【0016】
水溶性セルロースエーテルの添加量は、セメントに対して0.001〜5.0重量%、特に0.005〜2.5重量%が好ましい。添加量が0.001重量%未満だと材料の分離が生じる場合があり、5.0重量%を超えると流動性の低下、凝固時間の遅延等が起こる場合がある。
【0017】
本発明における(C)成分の消泡剤としては、エチレンオキサイド・プロピレンオキサイドブロック共重合体、アルキレングリコール並びにそのEO(エチレンオキサイド)及び/又はPO(プロピレンオキサイド)付加物等のアルキレングリコール誘導体、アルキレングリコール高級アルコールエーテル、脂肪酸エステル、アルキレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレングリコール並びにそのEO及び/又はPO付加物等のアセチレングリコール誘導体、トリブチルホスフェート,ソジウムオクチルホスフェート等のリン酸エステルなどが挙げられ、液体状、粉体状のいずれのものも使用可能である。例えば市販されているものとして、日本油脂製ディスホームシリーズ、ライオン製レオコンシリーズ、花王製エマゾールシリーズ、サンノプコ製デフォーマーシリーズ、ダッポーシリーズ、MUNZING CHEMIE GmbH製Agitanシリーズ、旭電化製プルロニックシリーズ、テトロニックシリーズ、アデカノールシリーズ、アデカネートシリーズ、日信化学工業製サーフィノール440,465等があるが、他にも消泡性能を有するポリエーテル系成分等を使用することができる。
【0018】
消泡剤添加量は、水溶性セルロースエーテルに対して、0.1〜50重量%、特に3〜20重量%の範囲が好ましい。添加量がこれより少ない場合には添加した効果がなく、ポリカルボン酸系共重合体又はその塩中で水溶性セルロースエーテルが沈降し、硬いゲルを生じるおそれがある。一方、添加量がこれより多い場合はポリカルボン酸系共重合体又はその塩中での水溶性セルロースエーテルの分散効果は頭打ちとなり、経済的に好ましくないばかりか、減水剤を添加したコンクリート中の空気量が著しく低下し、AE剤の効果が少なくなる弊害がでるおそれがある。
【0019】
なお、水溶性セルロースエーテルと消泡剤をポリカルボン酸系共重合体又はその塩に添加する順序については、同時に添加しても別々に添加してポリカルボン酸系共重合体又はその塩中で混合してもその効果に大きな差は見られない。
【0020】
本発明のセメント組成物は、上記添加剤を含むが、更にセメントや石膏等の水硬性物質等の常用成分が配合される。ここで、本発明の添加剤が配合されるセメント組成物に使用されるセメントとしては、普通ポルトランドセメント、高炉セメント、早強セメント、フライアッシュセメント、アルミナセメントなどが使用される。石膏としては、二水石膏、半水石膏などが主に用いられる。水硬性物質の使用量は、必要強度となるように使用すればよい。
【0021】
また、本発明においては、必要に応じて骨材を添加することができる。具体的には、通常のセメントモルタル、コンクリート等に使用されるもの以外に、パーライト、バーミキュライト、フライアッシュ等の軽量骨材も用いることができる。なお、骨材の添加量は、所要の性能を得るために必要な量を適宜選定できる。
【0022】
本発明のセメント組成物は、上記セメント組成物用添加剤の他に、必要に応じて慣用のリグニンスルホン酸系減水剤、メラミンスルホン酸系減水剤、ナフタレンスルホン酸系減水剤、AE剤、凝結促進剤、凝結遅延剤、収縮低減剤、防錆剤、急結剤を含むことができる。
【0023】
例えば、リグニンスルホン酸系減水剤として、ポゾリスNo.70(ポゾリス物産製)、サンフロー KS(サンフロー製)、ヴィンソル 90(山宗化学製)等、メラミンスルホン酸系減水剤として、レオビルド 4000(ポゾリス物産製)等、ナフタレンスルホン酸系減水剤として、レオビルドSP 9 N(ポゾリス物産製)、マイティ 150(花王製)等、AE剤として、マイクロエア 303A(ポゾリス物産製)、ヴィンソル(山宗化学製)、パリックAE(藤沢薬品工業製)等、凝結促進剤として、塩化カルシウム、硝酸塩、亜硝酸塩等、凝結遅延剤として、サッカロース、グルコン酸、ホスホン酸塩、リン酸塩等、収縮低減剤として、テトラガード(太平洋セメント製)等、防錆剤として、NR1900(ポゾリス物産製)等、急結剤として、QP−88(ポゾリス物産製)等を含むものである。
【0024】
添加量は、いずれも本発明のセメント組成物のセメント重量に対して、0.0001〜10重量%が好ましい。
【0025】
なお、本発明のセメント組成物におけるセメント組成物用添加剤の添加量は所要の性能を得るために必要な量であれば足り、固形分換算で0.5〜3.5重量%、特に1.0〜2.5重量%が好ましい。
【実施例】
【0026】
以下、本発明の具体的態様を実施例及び比較例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、下記に示す粘度は25℃における測定値を示す。
【0027】
[実施例1〜10、比較例1]
表1及び表2に示したポリカルボン酸系共重合体又はその塩と水溶性セルロースエーテルと消泡剤の混合物を表3に示す所定の混合割合で配合したセメント組成物用添加剤を調製した。
【0028】
これらの添加剤の粘性と溶液安定性を下記方法で評価した結果を表3に示す。
(粘性の評価)
セメント組成物用添加剤の20℃における粘性を評価するために、B型回転式粘度計を用いて測定した。
A:取り扱い容易な粘性(粘度が70mPa・s未満)
B:取り扱い可能な粘性(粘度が70mPa・s以上150mPa・s未満)
C:取り扱い不可な粘性(粘度が150mPa・s以上)
(溶液安定性)
セメント組成物用添加剤の溶液安定性を3ヶ月静置後の外観を目視観察により評価した。
A:良好
B:やや良好
C:ゲル
【0029】
【表1】

【0030】
【表2】

【0031】
90SH−30000:信越化学工業製、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、
濃度2重量%の粘度27,800mPa・s
SNB−30 T :信越化学工業製、
ヒドロキシエチルメチルセルロース、
濃度2重量%の粘度31,000mPa・s
SN−14 HP:サンノプコ製
プルロニック L−61:旭電化工業製
アデカネート B−107 F:旭電化工業製
AGITAN P 803:MUNZING CHEMIE GmbH製
【0032】
【表3】

【0033】
[実施例11〜20、比較例2]
上記セメント添加剤を添加したセメント組成物のブリーディング抑制効果とワーカビリティー改善効果の確認を以下に示す。この場合、セメント組成物は、表4に示した配合に従い、目標スランプ21cm、目標空気量4.5%に調整したコンクリートを用いて、ブリーディング量の測定を行い、また、ワーカビリティーの改善効果を目視で観察した結果を表5に示す。なお、各例において使用した材料、試験方法等は以下の通りである。
セメント組成物
(a)セメント
普通ポルトランドセメント[太平洋セメント製、宇部三菱セメント製、住友大阪セメント製を等量混合して使用]
(b)細骨材
大井川水系産陸砂[吸水率2.29%、密度2.57、粗粒率2.81%]
(c)粗骨材
青梅産硬質砂岩砕石[吸水率2.05%、比重2.61、粗粒率6.62%、最大寸法10mm]
スランプの測定:JIS A−1101に準ずる。
空気量の測定:JIS A−1128に準ずる。
ワーカビリティの改善効果の評価方法
A:優れている
B:劣っている
ブリーディングの抑制効果の評価方法
A:0.010cm3/cm2未満
B:0.010cm3/cm2以上
【0034】
【表4】

【0035】
【表5】

【0036】
[実施例21,22、比較例3]
上記セメント添加剤を添加したセメント組成物の材料分離低減効果の確認を以下に示す。この場合、表6に示した配合のコンクリートを用いて、スランプフローと空気量の測定を行い、また、材料分離低減効果を目視で観察した。その結果を表7に示した。
材料分離低減効果の評価方法
A:分離なし
B:やや砂利が中央に残り、分離気味
C:分離
【0037】
【表6】

【0038】
【表7】

【0039】
[実施例23,24、比較例4]
上記セメント添加剤を添加したセメント組成物の粉塵抑制効果及びはね返り率低減効果の確認を以下に示す。表8にコンクリートの配合を示す。粉塵抑制効果及びはね返り低減効果は以下に示す方法に従って評価した。また、その結果を表9に示した。
粉塵濃度及びはね返り率の測定
吹き付け実験:
実験は高さ2.5m、幅3.5m、奥行き5.0mの蒲鉾型の模擬トンネルを用いて下記の条件で行った。
吹き付け機:リードガン(プライブリコ社製)
ミキサー:傾胴式、容量200リットル
吹き付け圧力:2.5〜3.0kg/cm2
吹き付け場所:トンネルの入口から4mの壁面に、1m離れた場所より斜め上方の壁面に向けて行う。
粉塵濃度の測定:
吹き付け開始後、トンネルの出入り口を塞ぎ、トンネルの入口から1m(吹き付け場所から3m)の、左右両側壁より1m離れた場所(各1ヶ所、相互の距離1.5m)で、粉塵濃度計(柴田科学機械工業社製)により30秒毎に測定し吹き付け開始から3分後の値を粉塵濃度(カウント/分)とした。
はね返り率の測定:
吹き付け場所の下にビニールシートを敷き、はね返り量を計量し、全吹き付け量との比率をはね返り率とした。
【0040】
【表8】

【0041】
【表9】

【0042】
上記の各実施例より、本発明のセメント組成物用添加剤は、ペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物に対して要求されるブリーディングの抑制、ワーカビリティーの改善、材料分離抵抗性の確保、あるいは吹き付けコンクリートにおける粉塵抑制やはね返り率の低減等に優れ、更に長期貯蔵安定性に優れたセメント組成物用添加剤を実現するものであることが確認できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)〜(C)成分
(A)ポリカルボン酸系共重合体及び/又はその塩、
(B)2.0重量%水溶液の粘度が20℃において50〜27,800mPa・sである水溶性セルロースエーテル、
(C)消泡剤
を含有するセメント組成物用添加剤を添加してなることを特徴とするセメント組成物。
【請求項2】
前記(A)成分のポリカルボン酸系共重合体が、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びシトラコン酸から選ばれる不飽和モノ又はジカルボン酸と、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、スチレン及び不飽和アルコールにアルキレンオキシドを1〜100モル付加した化合物から選ばれる不飽和単量体との共重合体である請求項1に記載のセメント組成物。
【請求項3】
前記(B)成分の水溶性セルロースエーテルが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである請求項1又は2に記載のセメント組成物。
【請求項4】
前記(A)成分と(B)成分との混合割合が、重量比として50/50〜99/1である請求項1〜3のいずれか1項に記載のセメント組成物。

【公開番号】特開2008−137889(P2008−137889A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−1822(P2008−1822)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【分割の表示】特願2003−528737(P2003−528737)の分割
【原出願日】平成14年9月13日(2002.9.13)
【出願人】(398012786)BASFポゾリス株式会社 (8)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】