説明

セルロースゲル

【課題】任意の形状に成形可能なゲル状組成物及びその製造方法、および当該ゲル状組成物を用いたセルロース粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】イオン液体以外の塩、イオン液体、及びセルロースを含むことを特徴とするゲル状組成物。および、a)イオン液体以外の塩、イオン液体及びセルロースを混合してセルロース溶液を調製する工程、(b)前記イオン液体と相溶性の低い有機溶媒中に前記セルロース溶液を分散させてセルロース溶液の液滴分散液を調製する工程、(c)前記セルロース溶液の液滴分散液を冷却する工程、を含む粒状ゲル状組成物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
セルロースは自然界に最も豊富に存在する高分子であり、現在様々な形で利用されており、今後も石油などの化石燃料に代わりうる再生可能な資源としてさらに利用範囲が広がっていくことが期待されている。
【0002】
近年、安全性が高く、環境に優しい溶媒であるとされるイオン液体がセルロースを溶解するという知見が得られ、イオン液体にセルロースを溶解した溶液を利用したセルロースの加工技術が開発され、報告されている。例えば、セルロースを、実質的に水を含まないイオン液体に溶解させた後、水に混和可能でセルロースに対する液状非溶媒をイオン液体に加えることにより再生セルロースを得る方法(特許文献1)、セルロース等の天然多糖をイオン液体に加熱溶解し、当該多糖溶液を室温で放置してゲル化し、洗浄・乾燥して熱可塑性多糖ゲルを製造する方法(特許文献2)、イオン液体(1-Butyl-3-methylimidazolium chloride)にセルロースを溶解した後、有機溶媒中に分散させ液滴形成後、セルロースの非溶媒である水を有機溶媒中でエマルジョン化したものを添加しクロマトグラフィー用セルロース粒子を得る方法(非特許文献1)、等が報告されている。
【0003】
しかし、上記特許文献1の方法ではセルロース溶液から再生セルロースを得る際に水等のセルロースに対する非溶媒(貧溶媒)を加える必要がある。そのため、水を加えるまではセルロース溶液は液体であり、容易に形成できるセルロース形成体の形としては、ひも状、フィルム状、粒子状など、水との接触面積が大きい形に限られており、体積の大きなブロック状のセルロース形成体を得ようとする場合には、内部のセルロースと水を接触させるのに非常に長い時間を要したり、接触させることが出来ないため形成できなかったりするという問題がある。
【0004】
また、上記特許文献2の方法では、多糖溶液を、室温で長時間放置する必要があり、大量に製造するのは困難である。
【0005】
また、上記非特許文献1の方法では、粒子状セルロースを得る場合に高温で水のエマルジョンを加える必要があるが、その際に発熱する、操作が複雑で複数の製造用攪拌容器を必要とするなどの問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4242768号公報
【特許文献2】特開2008−248217号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】J.Chromatogr.A 1217(2010)1298-1304
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、任意の形状に成形可能なゲル状組成物及びその製造方法、さらに当該ゲル状組成物を用いたセルロース粒子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、イオン液体を用いたセルロース溶液の固形化に関して検討したところ、イオン液体以外の塩、イオン液体及びセルロースを混合して得られたセルロース溶液を、冷却するという方法を採用することにより、セルロース溶液を短時間で容易にゲル化できること、さらにこの技術を用いることにより、セルロース粒子を安定して製造できることを見いだした。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の1)〜19)に係るものである。
1)イオン液体、
イオン液体以外の塩、及び
セルロース、
を含むことを特徴とするゲル状組成物。
2)イオン液体以外の塩がセルロースを溶解しない塩である上記1)のゲル状組成物。
3)前記イオン液体以外の塩がカルシウム塩、マグネシウム塩またはナトリウム塩である、上記1)又は2)のゲル状組成物。
4)前記イオン液体がアルキルイミダゾリウム塩である、上記1)〜3)のいずれかのゲル状組成物。
5)更に水を含む、上記1)〜4)のいずれかのゲル状組成物。
6)セルロースの含有量が、組成物全量中2〜50質量%である、上記1)〜5)のいずれかのゲル状組成物。
7)粒状に成形された上記1)〜6)のいずれかのゲル状組成物。
8)(a)イオン液体以外の塩、イオン液体及びセルロースを混合してセルロース溶液を調製する工程、
(b)前記セルロース溶液を冷却する工程、
を含むことを特徴とする、ゲル状組成物の製造方法。
9)(a)イオン液体以外の塩、イオン液体及びセルロースを混合してセルロース溶液を調製する工程、
(b)前記イオン液体と相溶性の低い有機溶媒中に前記セルロース溶液を分散させてセルロース溶液の液滴分散液を調製する工程、
(c)前記セルロース溶液の液滴分散液を冷却する工程、
を含むことを特徴とする、粒状ゲル状組成物の製造方法。
10)上記9)の方法により製造された粒状ゲル状組成物について、イオン液体以外の塩及びイオン液体を除去することを特徴とする、セルロース粒子の製造方法。
11)前記セルロース粒子の真球度が0.8〜1.0である、上記10)の製造方法。
12)前記セルロース粒子の平均粒径が1μm〜2,000μmである、上記10)又は11)の製造方法。
13)上記10)〜12)のいずれかの方法により製造されたセルロース粒子。
14)上記13)のセルロース粒子に目的物質と親和性を有するリガンドを固定化した吸着体。
15)上記13)の粒子又は14)の吸着体を含むクロマトグラフィー用カラム充填剤。
16)上記15)のカラム充填剤を充填したクロマトグラフィー用カラム。
17)上記16)のカラムを用いた目的物質の精製方法。
18)目的物質が抗体である上記17)の精製方法。
19)上記18)の方法により精製された抗体。
【発明の効果】
【0011】
本発明の方法によれば、任意の形状に成形可能なセルロースゲル(ゲル状組成物)を簡易に得ることができ、粒状に調製した当該ゲル状組成物を用いることにより、従来の方法に比べて容易にセルロース粒子を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書中、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上、B以下」と同義であり、A及びBを数値範囲内に含む。
本発明のゲル状組成物は、イオン液体以外の塩、イオン液体及びセルロースを含有するゲル状の組成物である。
ここで、ゲルとは、液状のコロイド(ゾル)が流動性を失ったものであり、ゲル状組成物とは、ゲルの性質を有する組成物をいう。ゲル状組成物においては、例えば、高分子が三次元網目構造を有する膨潤体となっている。
【0013】
本発明において用いられる原料セルロースとしては、その由来は特に制限はなく、例えば、綿リンター、木材パルプ等から得られる植物セルロース、微生物の産生するバクテリアセルロース、ホヤセルロース等の動物セルロース、再生セルロース等が使用できるが、これらを精製して得られる精製セルロースを用いるのが好ましい。
【0014】
なお、イオン液体に溶解する限りにおいて、一部に官能基が導入されたセルロース、例えば、セルロースの水酸基の一部がエステル化されたもの(エステル誘導体)、セルロースの水酸基がエーテル化されたもの(エーテル誘導体)等のセルロース誘導体を用いることもできる。斯かるセルロース誘導体としては、具体的には、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、ニトロセルロース、りん酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ベンジルセルロース、トリチルセルロース、シアノエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、アミノエチルセルロース、オキシエチルセルロース等が挙げられる。
【0015】
本発明のゲル状組成物において、セルロースの含有量は、目的に応じて異なるが、組成物全量中、2〜50質量%であるのが好ましく、セルロース粒子を製造する場合には、2〜30質量%、更には3〜15質量%であるのが好ましい。
【0016】
本発明において用いられるイオン液体としては、セルロースを均一に溶解できるイオン液体であれば特に制限はない。ここで、「セルロースを均一に溶解できる」とは、例えばイオン液体に、1質量%溶液となる分量でセルロースを混合し、目視で溶解を確認できることが挙げられる。なお、前記の通り溶解すればその温度は問わないが、セルロースの熱分解の抑制の点から150℃以下で溶解するものが好ましい。
【0017】
斯かるイオン液体としては、カチオン成分とアニオン成分とから構成され、融点が200℃以下のものが好ましく、100℃以下のものがより好ましく、50℃以下のものがさらに好ましい。また、融点の下限としては、限定されるものではないが、−100℃以上が好ましく、−30℃以上がより好ましい。
【0018】
カチオン成分としては、アルキル又はアルケニルイミダゾリウムカチオン、アルキル又はアルケニルピリジニウムカチオン、アルキル又はアルケニルアンモニウムカチオン、アルキル又はアルケニルフォスフォニウムカチオン、アルキル又はアルケニルスルフォニウムカチオン、N,N−ジアルキルピロリジニウムカチオン、N,N−ジアルキルピペリジニウムカチオン、N,N−ジアルキルモルフォルニウムカチオン等が挙げられる。このうち好適にはアルキルイミダゾリウムカチオン、アルキルピリジニウムカチオン、アルキルアンモニウムカチオンが挙げられる。ここで、「アルキル」とは、炭素数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられ、このうち炭素数1〜8の直鎖アルキル基が好ましく、特に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等の炭素数1〜5の直鎖アルキル基が好適である。また、「アルケニル」としては、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、アリル基がさらに好ましい。
【0019】
カチオン成分としては、具体的には、N−メチルイミダゾリウムカチオン、N−エチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムカチオン及び1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムカチオン、1−アリル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、N−プロピルピリジニウムカチオン、N−ブチルピリジニウムカチオン、1,4−ジメチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン及び1−ブチル−2,4−ジメチルピリジニウムカチオン、トリメチルアンモニウムカチオン、エチルジメチルアンモニウムカチオン、ジエチルメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、テトラメチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン等が挙げられるが、このうち、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン等のジアルキルイミダゾリウムカチオンがより好ましく、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンが更に好ましい。
【0020】
アニオン成分としては、ハロゲン化物イオン(Cl-、Br-、I-等)、カルボン酸アニオン(例えば総炭素数1〜3のC25CO2-、CH3CO2-、HCO2-等)、擬ハロゲン化物イオン(例えば、一価でありハロゲン化物に類似した特性を有するCN-、SCN-、OCN-、ONC-、N3-等)、スルホン酸アニオン、有機スルホン酸アニオン(メタンスルホン酸アニオン等)、リン酸アニオン(エチルリン酸アニオン、メチルリン酸アニオン、ヘキサフルオロリン酸アニオン等)、ホウ酸アニオン(テトラフルオロホウ酸アニオン等)、過塩素酸アニオン等が挙げられ、ハロゲン化物イオン、カルボン酸アニオンが好ましい。
【0021】
本発明のイオン液体としては、セルロースの溶解性、融点、粘度等の観点から、好適には、アルキルイミダゾリウム塩、ジアルキルイミダゾリウム塩が挙げられ、より好適にはアルキルイミダゾリウムアセテート、アルキルイミダゾリウムクロリド、更に好適にはジアルキルイミダゾリウムアセテート、ジアルキルイミダゾリウムクロリド、更に好適には、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリドが挙げられる。
【0022】
本発明のゲル状組成物において、イオン液体の含有量は、目的に応じて異なるが、セルロース溶解性およびゲル化速度の点から、組成物全量中、50〜99質量%、好ましくは60〜97質量%、更に好ましくは70〜95質量%である。
また、イオン液体はセルロースとの質量比(イオン液体:セルロース)が、1:0.02〜0.3であるのが好ましく、1:0.03〜0.2であるのがより好ましい。
【0023】
本発明において用いられるイオン液体以外の塩としてはセルロースを溶解しない塩が好ましい。セルロースを溶解しない塩としては、セルロースを溶解せず、イオン液体に溶解するものであればその種類は特に制限されない。ここで、「セルロースを溶解しない塩」とは、概して、塩とセルロースを質量比で1:0.01の割合で混合し、100℃で24時間攪拌した際に、セルロースが固体であるという性質をもつ塩であることを意味する。
イオン液体以外の塩としては、ゲル化を促進するという観点から融点が150℃以上のものが好ましく、金属塩がより好ましく、一価または二価の電荷を持つ金属カチオンから成る塩がさらに好ましく、一族または二族の金属カチオンから成る塩がより好ましく、二族の金属カチオンから成る塩がさらに好ましい。
金属塩のカチオン成分としては、例えば、Na、K、Li、Ca、Mg、Al、Zr、Ti、Co及びNi等のカチオンが挙げられる。
塩のアニオン成分は特に限定されないが、イオン液体への溶解性や沈殿の発生の抑制などの点から用いたイオン液体のアニオン成分と同じものが好ましい。アニオン成分としては、ハロゲン化物イオン(Cl-、Br-、I-等)、カルボン酸アニオン(例えば総炭素数1〜3のC25CO2-、CH3CO2-、HCO2-等)、擬ハロゲン化物イオン(例えば、一価でありハロゲン化物に類似した特性を有するCN-、SCN-、OCN-、ONC-、N3-等)、スルホン酸アニオン、有機スルホン酸アニオン(メタンスルホン酸アニオン等)、リン酸アニオン(エチルリン酸アニオン、メチルリン酸アニオン、ヘキサフルオロリン酸アニオン等)、ホウ酸アニオン(テトラフルオロホウ酸アニオン等)、過塩素酸アニオン等が挙げられる。
また、これらの塩は、単独でもあるいは2種以上併用して用いることもできる。
好適な塩としては、例えば、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸ナトリウム又はこれらの水和物等が挙げられる。
【0024】
本発明のゲル状組成物において、イオン液体以外の塩の含有量は、目的に応じて異なるが、イオン液体への溶解性、セルロースの溶解性、ゲル化速度の点から、組成物全量中、1〜50質量%、好ましくは3〜25質量%、更に好ましくは5〜20質量%である。
【0025】
また、イオン液体以外の塩は、イオン液体との質量比(イオン液体:イオン液体以外の塩)が、1:0.01〜0.3であるのが好ましく、1:0.03〜0.2であるのがより好ましい。
このうち、セルロースの含有量が組成物全量中、2〜20質量%である場合には、イオン液体との質量比(イオン液体:イオン液体以外の塩)は、1:0.01〜0.3であるのが好ましく、1:0.02〜0.2であるのがより好ましい。
【0026】
本発明のゲル状組成物は、ゲル化を促進させるために、上記の3成分の他に、更にプロトン性溶媒を含んでいてもよい。当該プロトン性溶媒は、上記3成分と共に配合してもよく、また、イオン液体中に含む場合であってもよい。プロトン性溶媒としては水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、グリセリン、酢酸などが挙げられ、好適には水が挙げられる。プロトン性溶媒を含む場合、プロトン性溶媒の含有量は、セルロースの溶解性、ゲル化速度の点から組成物全量中、1〜50質量%、好ましくは3〜20質量%である。
また、イオン液体との質量比(イオン液体:プロトン性溶媒)は、1:0.02〜0.4であるのが好ましく、1:0.05〜0.2であるのがより好ましい。
【0027】
また、本発明のゲル状組成物には、セルロース以外のポリマー、糖類、架橋剤が含まれていてもよい。斯かるポリマーとしては、イオン液体に溶解または膨潤するものでも、そうでないものでもよい。
イオン液体に溶解または膨潤するポリマーとしては、例えばプルラン、キチン、キトサン、デンプン、アガロース、カラギーナン、グアーガム、アルギン酸、アラビアガム、アラビノガラクタン、ペクチン、ローカストビーンガム、タラガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、カシアガム、グルコマンナン、キサンタンガム、ジェランガム、カードラン、イヌリン等の多糖類が挙げられる。
イオン液体に溶解または膨潤しないその他のポリマーとしては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリ乳酸、ポリアミド、ポリスチレンなどが挙げられる。
糖類としては、グルコース、マルトース、スクロース、シクロデキストリン等が挙げられる。架橋剤としては、エピクロロヒドリン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等が挙げられ、架橋剤はイオン液体中でセルロースと架橋反応していてもしていなくてもよい。
斯かるポリマー、糖類、架橋剤の含有量は、ゲルの形状や性状に悪影響を与えない限りにおいて任意であるが、セルロースとの質量比(セルロース:ポリマー、糖類、架橋剤)は1:0〜0.5であるのが好ましく、1:0.05〜0.3であるのがより好ましい。
【0028】
本発明のゲル状組成物は、少なくとも上記の「イオン液体以外の塩」、「イオン液体」及び「セルロース」を用い、以下の(a)及び(b)の工程により製造できる。
(a)イオン液体以外の塩、イオン液体及びセルロースを混合し、セルロース溶液を調製する工程
(b)前記セルロース溶液を冷却する工程
工程(a)では、原料セルロースをイオン液体とイオン液体以外の塩と共に混合してセルロースを溶解し、セルロース溶液が調製される。ここで、セルロースの溶解手順は、特に限定されないが、イオン液体以外の塩をイオン液体に溶解してイオン液体溶液とし、これにセルロースを添加して溶解する方法が好適に挙げられる。
原料セルロースの溶解は、用いるセルロース及びイオン液体の種類によっても異なるが、通常、10〜250℃、好適には25〜120℃で、1〜24時間程度、撹拌下に行うのが好ましい。
【0029】
工程(b)は、前記セルロース溶液を冷却して、セルロースをゲル化する工程である。
ゲル化は、目的のゲルの形状に応じて適宜行えばよく、例えば、ブロック状のゲル状組成物を製造する場合は、セルロース溶液を任意の形状の容器に入れた後、冷却すればよい。
ここで、冷却は、例えば0〜40℃、好ましくは0〜10℃で、0.5〜24時間、好ましくは1〜12時間冷却するのが好ましい。
【0030】
また粒状のゲル状組成物を製造する場合は、セルロース溶液をイオン液体と相溶性の低い分散媒に加え、攪拌などの操作により分散させ液滴を形成後、冷却し凝固(ゲル化)させることにより行うことができる。
【0031】
ここで、「イオン液体と相溶性の低い分散媒」とは、イオン液体と分散媒とを体積比で1:1で混合した際に、イオン液体と分散媒との間に界面が形成される有機溶剤を意味する。分散媒としては例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、流動パラフィン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘプタン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素等を挙げることができ、それらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。分散媒の使用量は、セルロース溶液100質量部に対して好ましくは、50〜2000質量部、更に好ましくは50〜500質量部である。
【0032】
セルロース溶液を分散媒中に液滴分散させる方法は、特に限定されるものではないが、例えば、セルロース溶液と分散媒とを、混合・撹拌することにより行うことができる。分散性を向上させるために、界面活性剤及び/又は親油性高分子と共に混合・撹拌してもよい。
【0033】
ここで、用いられる界面活性剤は、表面張力を減ずる作用を有し、分子内に疎水性部位と親水性部位をもつ有機化合物であって、前記セルロース溶液を液滴の状態を安定に保ったまま分散できるものあれば特に限定されない。
界面活性剤としては、公知の脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸エステルナトリウム、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤;
アルキルアミノ脂肪酸ナトリウム、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシド等の両性界面活性剤;
しょ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレン脂肪酸エステル等のノニオン系の界面活性剤;
等が挙げられる。
【0034】
これらのうちノニオン系の界面活性剤が好ましく、特に好ましくはソルビタンモノオレエート(SPAN80)、ソルビタントリオレエート(SPAN85)である。
【0035】
界面活性剤の使用量は、多糖類に対する分散性能やイオン液体の性質を考慮して適宜選択され得るが、例えば有機溶剤100質量部に対して、好ましくは1質量部〜100質量部、より好ましくは1質量部〜25質量部である。
【0036】
また、親油性高分子としては、前記セルロース溶液を液滴の状態を安定に保ったまま分散できるものあれば特に限定されないが、有機溶剤に溶解して粘度を上昇させ、増粘剤として公知の親油性高分子を用いるのが好ましい。斯かる増粘剤としては、例えば、セルロース誘導体等の多糖類誘導体、親油性ビニル誘導体、親油性アクリル酸系ポリマー等が挙げられる。
上記セルロース誘導体の具体例としては、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられ、親油性ビニル誘導体としては、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等が挙げられ、親油性アクリル酸系ポリマーとしては、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体、メタクリル酸メチル・アクリル酸エチル共重合体等が挙げられる。これらのうち、セルロース誘導体が好ましく、とりわけエチルセルロースが好ましい。
【0037】
上記親油性高分子は、1種のみを使用することができるが、2種以上を併用することもできる。
また、当該親油性高分子は、液滴の安定性及び分散媒の粘度を考慮すると、重量平均分子量が3,000〜5,000,000であるのが好ましい。
尚、平均分子量とは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量を意味する。
【0038】
親油性高分子界面活性剤の使用量は、セルロースに対する分散性能やイオン液体の性質を考慮して適宜選択され得るが、例えば有機溶剤100質量部に対して、好ましくは1質量部〜100質量部、より好ましくは1質量部〜25質量部である。
【0039】
セルロース溶液、有機溶剤、並びに、及び界面活性剤及び/又は親油性高分子の混合順序は、特に制限はないが、有機溶剤と界面活性剤及び/又は親油性高分子との混合液を、セルロース溶液に混合するのが好ましい。
液滴の形成法としては、スタティックミキサー等の撹拌機を使用する等、公知の方法で行うことができる。撹拌時の回転数により液滴の粒子径を制御できる。すなわち、回転数が大きいほど形成される液滴の径が小さくなることから、目的とする粒子径に応じて適宜混合器の回転速度を調節すれば良い。液滴形成時の温度はセルロースが分解せず、析出しない温度であればよいが、好ましくは室温〜150℃である。
次いで、得られた液滴を冷却することで、セルロース溶液をゲル化することができる。冷却の条件は、ブロック状ゲル状組成物の場合と同様に行うことができる。
【0040】
ゲル化した粒状のゲル状組成物は、遠心分離、濾過、デカンテーションなど公知の方法により固液分離することにより回収することができる。
【0041】
回収した粒状のゲル状組成物からイオン液体及びイオン液体以外の塩を除去することにより、セルロース粒子を得ることができる。
イオン液体及びイオン液体以外の塩の除去は、例えば、イオン液体および分散媒に相溶性の溶媒、例えばエタノール、イソプロパノール、ブタノールなどで洗浄し、必要に応じて水洗浄することにより行うことができる。
当該セルロース粒子は、クロマトグラフィー用充填剤の担体として用いる場合、その真球度は、0.7〜1.0であるのが好ましく、0.8〜1.0であるのがより好ましい。また、その体積平均粒径は、高流速下での圧力上昇の抑制及び結合容量低下の抑制の点から、1μm〜2,000μm、好ましくは20〜300μm、より好ましくは30〜150μmとするのがよい。
【0042】
斯くして得られたセルロース粒子は米国特許4973683号明細書や特開2009−242770号公報に記載された方法により化学架橋されてもよい。化学架橋することにより機械的強度が高くなり、より高流速での使用が可能となる。
【0043】
斯かるセルロース粒子は、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、キレートクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー等各種クロマトグラフィー用のカラム充填剤として好適に用いることが出来る。
また、本発明により得られるセルロース粒子の好適な実施形態によれば、公知の方法による一つ以上の後続工程においてリガンド、荷電基、疎水性基等をセルロース粒子に導入し、吸着体とすることができ、これはアフィニティークロマトグラフィー等のカラム充填剤として使用できる。
例えば本発明の一態様において、本発明により得られるセルロース粒子の水酸基の少なくとも一部を介してプロテインAを公知の方法により固定化することにより抗体精製に好適なアフィニティークロマトグラフィー用カラム充填剤を提供することができる。そして、当該カラム充填剤を充填したカラムを用いたアフィニティークロマトグラフィーにより、混合物から抗体を分離精製することができる。
【実施例】
【0044】
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。
実施例1(カルシウム塩含有イオン液体によるブロック状ゲル状組成物の作製)
30mlスクリュー管に1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート(Aldrich社製)8.4g、酢酸カルシウム一水和物(和光純薬工業株式会社製)0.8g、蒸留水0.8gを入れ、80℃で30分攪拌し溶解した。この中にセルロース粉末(フナコシ株式会社製)0.87gを攪拌しながら投入し、水浴中100℃で2時間攪拌しセルロース溶液を得た。次にスクリュー管を氷水中に入れ、20時間静置することで、スクリュー管内の溶液がすべてゲル化し褐色のブロック状ゲル状組成物を得た。
【0045】
実施例2(マグネシウム塩含有イオン液体によるブロック状ゲル状組成物の作製)
実施例1で酢酸カルシウム一水和物の代わりに酢酸マグネシウム四水和物(和光純薬工業株式会社製)を用い、実施例1と同様にしてゲル状組成物を製造したところ、スクリュー管内の溶液がすべてゲル化した褐色のブロック状ゲル状組成物を得ることができた。
【0046】
実施例3(ナトリウム塩含有イオン液体によるブロック状ゲル状組成物の作製)
実施例1で酢酸カルシウム一水和物の代わりに酢酸ナトリウム三水和物(和光純薬工業株式会社製)を用い、実施例1と同様にしてゲル状組成物を製造したところ、スクリュー管内の溶液がすべてゲル化した褐色透明のブロック状ゲル状組成物を得ることができた。
【0047】
比較例1(非溶媒添加によるゲル状組成物の作製)
30mlスクリュー管に1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート(Aldrich社製)10gを入れ、この中にセルロース0.87g(フナコシ株式会社製)を攪拌しながら投入し、水浴中100℃で2時間攪拌しセルロース溶液を得た。次にスクリュー管を氷水中に入れ、20時間静置したが液体のままであった。次に、非溶媒として蒸留水10mlを入れ、さらに20時間静置した結果、表面から約1cmの深さまではゲル化し白濁していたが、その下は液体のままであり、スクリュー管内の溶液をすべてゲル化することはできなかった。
【0048】
実施例4(カルシウム塩含有イオン液体によるクロマトグラフィー用セルロース粒子の作製)
500mlバッフル付きセパラブルフラスコ内に1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート(Aldrich社製)48.14g、酢酸カルシウム一水和物(和光純薬工業株式会社製)5.28g、蒸留水5.28gを加え、温水バスにセットし80℃に加熱し、30分攪拌を行い溶解した。ここにセルロース粉末(フナコシ株式会社製)4.52gを加え、95℃に加熱し、2時間撹拌を行い溶解しセルロース溶液を得た。ここに95℃に加熱した6.0gのレオドールSP010V(花王株式会社製)を含む流動パラフィン(和光純薬工業株式会社製)200mlを加え、350rpmで15分攪拌し、セルロース溶液の液滴分散液(IL/O型エマルジョン(ここで、ILはイオン液体))を調製後、氷水により冷却し350rpmで1時間攪拌を続けた。50%1−ブタノール水溶液200mlを加え10分間攪拌後、エタノールで濾過洗浄を行い、さらに水で濾過洗浄を行い目的のセルロース粒子を得た。
得られた粒子は体積平均粒径73μm、C.V.値68%であった。次に、セルロース粒子を125μmと53μmのふるいにかけ53μm〜125μmの粒径をもつ粒子を得た。得られた粒子量は水膨潤体積25mlであった。
【0049】
比較例2
500mlバッフル付きセパラブルフラスコ内で1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート(Aldrich社製)59.4gにセルロース粉末(フナコシ株式会社製)5.16gを加え、温水バスにセットし95℃に加熱し、2時間撹拌を行い溶解しセルロース溶液を得た。ここに95℃に加熱した6.0gのレオドールSP010V(花王株式会社製)を含む流動パラフィン(和光純薬工業株式会社製)200mlを加え、350rpmで15分攪拌し、セルロース溶液の液滴分散液(IL/O型エマルジョン(ここで、ILはイオン液体))を調製後、氷水により冷却し350rpmで1時間攪拌を続けた。次に50%1−ブタノール水溶液200mlを加え10分間攪拌したが、液滴が壊れ凝集し、粒子を得ることが出来なかった。
【0050】
実施例5(セルロース粒子の化学架橋及びプロテインAの固定化)
100ml三ツ口フラスコ内を用い実施例4で製造したセルロース粒子25ml(沈降体積)に水35mlを加えた。次に水素化ホウ素ナトリウム120mg、32質量%硫酸ナトリウム水溶液25ml、45質量%水酸化ナトリウム水溶液0.6mlを加え撹拌した。温度を50℃にして30分間撹拌を継続した。次に、45質量%水酸化ナトリウム0.9mlとエピクロロヒドリン0.72mlを1時間おきに7回加えた。添加終了後、温度50℃で12時間反応させた。その後、濾過により粒子を回収し、純水で洗浄し、化学架橋セルロース粒子を得た。得られた粒子5mL(沈降体積)をサクションドライし、水を加えて計7mLの懸濁液とした。上記の懸濁液に5N水酸化ナトリウム水溶液0.8mL、水素化ホウ素ナトリウム424mg、及びエピクロロヒドリン4mLを加え、25℃で8時間振とうし、化学架橋セルロース粒子にエポキシ基を導入した。その後、上記の反応液を純水、エタノール、純水の順で濾過洗浄を行った。得られた粒子をプロテインA(RepliGen社、rPA50)102mgを含む1.5M硫酸ナトリウム、0.1Mリン酸バッファー(pH6.8)45mLで懸濁した。上記懸濁液を25℃で24時間振とうし、プロテインAを粒子に結合させた。その後、粒子を遠心して上澄み液を除いた。次に1Mチオグリセロール、0.5M硫酸ナトリウム水溶液(pH8.3)45mLを加えて25℃で4時間反応させ、残余のエポキシ基をブロッキングし、0.1Mクエン酸バッファー(pH3.2)、0.1M水酸化ナトリウム水溶液、PBS(−)で順次洗浄し、プロテインA固定化セルロース粒子を得た。
【0051】
実施例6(イムノグロブリンG(IgG)動的結合容量と圧力の測定)
実施例5で得られたプロテインA固定化セルロース粒子を内径0.5cmのカラムにベッド高20.0cmまで詰めた。カラムを20mMリン酸バッファー(pH7.4)で平衡化した後、ヒトポリクローナルIgG(5mg/mL)を含む20mMリン酸バッファー(pH7.4)を、線流速300cm/時間で流し、吸光度モニターで溶出液中のヒトポリクローナルIgG濃度が10%ブレークスルー(破過)の時のヒトポリクローナルIgG吸着量と充填剤体積から動的結合容量は48mg/mlであった。また、そのときのカラム圧は0.08MPaであった。本発明品は抗体精製クロマトグラフィー用粒子として好適に使用できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン液体、
イオン液体以外の塩、及び
セルロース、
を含むことを特徴とするゲル状組成物。
【請求項2】
イオン液体以外の塩がセルロースを溶解しない塩である請求項1に記載のゲル状組成物。
【請求項3】
前記イオン液体以外の塩がカルシウム塩、マグネシウム塩またはナトリウム塩である、請求項1又は2に記載のゲル状組成物。
【請求項4】
前記イオン液体がアルキルイミダゾリウム塩である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲル状組成物。
【請求項5】
更に水を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のゲル状組成物。
【請求項6】
セルロースの含有量が、組成物全量中2〜50質量%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のゲル状組成物。
【請求項7】
粒状に成形された請求項1〜6のいずれか1項に記載のゲル状組成物。
【請求項8】
(a)イオン液体以外の塩、イオン液体及びセルロースを混合してセルロース溶液を調製する工程、
(b)前記セルロース溶液を冷却する工程、
を含むことを特徴とする、ゲル状組成物の製造方法。
【請求項9】
(a)イオン液体以外の塩、イオン液体及びセルロースを混合してセルロース溶液を調製する工程、
(b)前記イオン液体と相溶性の低い有機溶媒中に前記セルロース溶液を分散させてセルロース溶液の液滴分散液を調製する工程、
(c)前記セルロース溶液の液滴分散液を冷却する工程、
を含むことを特徴とする、粒状ゲル状組成物の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法により製造された粒状ゲル状組成物について、イオン液体以外の塩及びイオン液体を除去することを特徴とする、セルロース粒子の製造方法。
【請求項11】
前記セルロース粒子の真球度が0.8〜1.0である、請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記セルロース粒子の平均粒径が1μm〜2,000μmである、請求項10又は11に記載の製造方法。
【請求項13】
請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法により製造されたセルロース粒子。
【請求項14】
請求項13に記載のセルロース粒子に目的物質と親和性を有するリガンドを固定化した吸着体。
【請求項15】
請求項13に記載の粒子又は請求項14に記載の吸着体を含むクロマトグラフィー用カラム充填剤。
【請求項16】
請求項15に記載のカラム充填剤を充填したクロマトグラフィー用カラム。
【請求項17】
請求項16に記載のカラムを用いた目的物質の精製方法。
【請求項18】
目的物質が抗体である請求項17に記載の精製方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法により精製された抗体。

【公開番号】特開2013−10828(P2013−10828A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143045(P2011−143045)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【Fターム(参考)】