説明

センサーあるいはサンプラー用のキャリヤーチューブ

【課題】金属溶解あるいは氷晶石溶解で使用するセンサーあるいはサンプラーのための改良されたキャリヤーチューブを提供することである。
【解決手段】キャリヤーチューブ1の円周方向に沿って長手方向溝2が一様に配分され、各長手方向溝2の間には長手方向隆起部6が配置される。各長手方向隆起部6は断面が同じであって半径方向外側に配向され、長手方向溝2は半径方向内側に配向される。こうした配列構成のキャリヤーチューブ1を2本隣り合わせて配置した場合、各キャリヤーチューブは形態一致形状の態様下に相互に係合し、相対的な回転動作はもはや生じることが無くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金属溶解あるいは氷晶石溶解で使用するための、センサーあるいはサンプラーのためのキャリヤーチューブに関する。
【背景技術】
【0002】
測定用ランスのための絶縁用チューブはドイツ国実用新案第G7507605号により既知である。キャリヤーチューブの他のものにはドイツ国特許第10359449B3号に記載されるものがある。
【0003】
【特許文献1】ドイツ国実用新案第G7507605号
【特許文献2】ドイツ国特許第10359449B3号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記実用新案あるいは特許に記載されるようなキャリヤーチューブを備えたセンサーは多数をまとめてパッケージされるが、その場合、キャリヤーチューブを安定状態で保管あるいはパッケージすることができないという問題がしばしば生じる。表面が滑らかなキャリヤーチューブは、その低摩擦性故に取り扱い中に滑って荷ズレを起こすこともある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、特に金属溶解あるいは氷晶石溶解で使用するセンサーあるいはサンプラーのための改良されたキャリヤーチューブが提供される。本発明のキャリヤーチューブは、長手方向に伸延する幾つかの溝及びあるいは平坦面をその外面上に有し、相互に重ね合わせた状態で隣り合わせて配置した場合、通常通りにその円筒状の表面に沿って接触するのに加えて、一つの大きな表面に沿って接触し、結果的に大きな摩擦が生じる。更には、長手方向溝及びあるいは各長手方向溝間の長手方向隆起部及びあるいは平坦面がそれぞれ接触し合うことで、各キャリヤーチューブには回転動作が生じず、かくして安定状態での保管、パッケージングそして取り扱いが保障される。長手方向溝及びあるいは平坦面はキャリヤーチューブの円周方向に沿って一様に配分させることが好ましい。キャリヤーチューブは、半径方向内側を向いた各2つの長手方向溝あるいは半径方向外側を向いた各2つの長手方向隆起部の間における材料の断面が同じであることが特に有益である。こうすることで、隣り合わせて配置した2つのキャリヤーチューブの表面構造をまさに形態一致形状(form fitting shape)化させることが可能となる。
【0006】
前記平坦面は、その全体が接触し得るよう、キャリヤーチューブにそったその長手方向において、この平坦面を越えて突出する何らの構造物によっても断続されないことが同様に有益である。更にはキャリヤーチューブは、測定用ヘッドあるいはサンプルチャンバーをしっかりと締着させるための長手方向溝を、例えばその内側の側部に有することが有益である。また、キャリヤーチューブの少なくとも一端にはプラグを設け、このプラグの、キャリヤーチューブ内に配置される外側部分に長手方向溝を設け得る。プラグは、キャリヤーチューブに押し嵌め態様下に連結されることが好ましい。詳しくは、少なくとも一つあるいは一つのサンプルチャンバーがこのプラグ位置あるいはプラグ内に配置され得る。
また、キャリヤーチューブは、植物性繊維性材料、澱粉及びあるいはタンパク質の混合材料、詳しくは、木材あるいはセルロースベースの材料から形成することが有益である。
キャリヤーチューブは押し出し成型によって簡単且つコスト効率的な態様下に製造され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1に例示するキャリヤーチューブ1(断面が見えるように部分破除されている)は、その円周方向に沿って複数の長手方向溝2が一様に配分され、その一端には、押し嵌め態様下にキャリヤーチューブ1の内側に保持させた測定用ヘッド3を担持している。測定用ヘッド3はその保護キャップ4の下方に幾つかのセンサーを有し、各センサーは、測定信号を送るために、コネクタ部材5を介してキャリヤーチューブ1を通して案内される測定用ワイヤに連結されるようになっている。
【0008】
図2には、キャリヤーチューブ1の長手方向に沿った断面を点線で表す正面図が示され、図3a〜図3dにはキャリヤーチューブ1の幾つかの断面例が示される。図3aには図1に従うキャリヤーチューブの断面が例示され、長手方向溝2がその円周方向に沿って一様に配分されている。各長手方向溝2の間には長手方向隆起部6が必然的に配置される。各長手方向隆起部6は断面が同じであって且つ半径方向外側に配向され、長手方向溝2は半径方向内側に配向される。こうした配列構成のキャリヤーチューブ1を2本隣り合わせて配置した場合、各キャリヤーチューブは形態一致形状の態様下に相互に係合し、相対的な回転動作はもはや生じることが無くなる。図3b〜図3dに示す断面を有するキャリヤーチューブは断面に平坦面7、8、9を有している。同じ数の平坦面7、8、9を有するキャリヤーチューブ1どうしを相互にパッケージングするのが最適である。そうすることで、各キャリヤーチューブの相対回転が無くなり、安定態様下における積層及びパッケージングが可能となり、更には、例えばオペレーターによる取り扱い中にもそうした回転動作が生じなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】プラグを備えたキャリヤーチューブの部分破除した斜視図である。
【図2】他の実施例におけるプラグを備えたキャリヤーチューブの正面図である。
【図3】3a〜3dはキャリヤーチューブの断面の一形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0010】
1 キャリヤーチューブ
2 長手方向溝
3 測定用ヘッド
4 保護キャップ
5 コネクタ部材
6 長手方向隆起部
7、8、9 平坦面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属あるいは氷晶石の溶解のためのセンサーあるいはサンプラーのためのキャリヤーチューブであって、
外面に長手方向溝を有し、半径方向内側に配向される2つの長手方向溝の間に配置される材料が半径方向外側に配向され且つ同じ断面を有するキャリヤーチューブ。
【請求項2】
長手方向溝はキャリヤーチューブの円周方向に沿って一様に配分される請求項1のキャリヤーチューブ。
【請求項3】
内側表面に長手方向溝を有する請求項1あるいは2のキャリヤーチューブ。
【請求項4】
キャリヤーチューブが、少なくともその一端にプラグを有し、プラグが、キャリヤーチューブ内に配置されるその外面上に長手方向溝を有する請求項1〜3の何れかのキャリヤーチューブ。
【請求項5】
プラグが押し嵌め態様下にキャリヤーチューブに連結される請求項4のキャリヤーチューブ。
【請求項6】
少なくとも一つのセンサーあるいはサンプルチャンバーがプラグ上あるいは内部に配置される請求項4あるいは5のキャリヤーチューブ。
【請求項7】
植物繊維性材料、澱粉及びあるいはタンパク質の混合材料から形成される請求項1〜6の何れかに記載のキャリヤーチューブ。
【請求項8】
木材ベースあるいはセルロースベースの材料から形成される請求項7のキャリヤーチューブ。
【請求項9】
押し出し成型法により請求項1〜8の何れかのキャリヤーチューブを形成する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−3185(P2007−3185A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−170196(P2006−170196)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【出願人】(598083577)ヘレーウス エレクトロ−ナイト インターナシヨナル エヌ ヴイ (37)
【氏名又は名称原語表記】Heraeus Electro−Nite International N.V.
【住所又は居所原語表記】Centrum Zuid 1105, B−3530 Houthalen,Belgium
【Fターム(参考)】