説明

チアメトキサムによる木材破壊性害虫の防除

【課題】チアメトキサム、及び少なくとも1のアジュバントを含む農薬として活性な量の農薬製剤を木材害虫又はその生息地に適用することを含む上記害虫の防除方法の提供。
【解決手段】活性成分として、遊離形態又は農薬として許容される塩の形態における、少なくとも、式(I,チアメトキサム)により表される化合物、及び少なくとも1のアジュバントを含む、農薬として活性な量の農薬製剤を、木材害虫又はその生息地に適用することを含む上記木材害虫の防除方法;上記化合物の対応の使用;活性成分としてチアメトキサムを含む農薬製剤;上記製剤の製造方法;上記製剤の使用;そしてまた、害虫の攻撃に対してそのように保護された植物増殖材料を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性成分として、遊離形態又は農薬として許容される塩の形態における、少なくとも、以下の式:
【化1】

により表される化合物、及び少なくとも1のアジュバントを含む、農薬として活性な量の農薬製剤を、木材害虫又はその生息地に適用することを含む上記木材害虫の防除方法に;上記化合物の対応の使用に;活性成分としてチアメトキサムを含む農薬製剤に;上記製剤の製造方法に;上記製剤の使用に;そしてまた、害虫の攻撃に対してそのように保護された植物増殖材料に、関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に従って使用される化合物、チアメトキサム(3−(2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルメチル)−5−メチル−1,3,5−オキサジアジナン−4−イリデン(ニトロ)アミン)は、例えば、The Pesticide Manual, The British Crop Protection Council, Twelfth Edition, page 896から、当業者に知られている。
【0003】
チアメトキサム(thiamethoxam)の農薬として許容される塩は、例えば、酸付加塩である。これら酸付加塩は、例えば、強無機酸、例えば、鉱酸、例えば、過塩酸、硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸又はハロゲン化水素酸と、強有機カルボン酸、例えば、非置換又は置換の、例えば、ハロ置換の、C1 −C4 アルカンカルボン酸、例えば、ギ酸、酢酸又はトリフルオロ酢酸、飽和又は不飽和ジカルボン酸、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、及びフタル酸、ヒドロキシカルボン酸、例えば、アスコルビン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、及びクエン酸、又は安息香酸と、又は有機スルホン酸、例えば、非置換又は置換の、例えば、ハロ置換の、C1 −C4 アルカン−又はアリール−スルホン酸、例えば、メタン−又はp−トルエン−スルホン酸も形成される。遊離形態及びその農薬として許容される塩の形態における本発明に従って使用される化合物は、本明細書の全体を通して、適宜、それぞれ、その対応の塩と遊離化合物を含むと理解すべきである。遊離形態のチアメトキサムが好ましい。
【発明の概要】
【0004】
多くの異なるクラスの活性成分が、シロアリ(termites)の防除のための殺節足動物活性成分として文献中に挙げられている。今般、驚ろくべきことに、化合物チアメトキサムが、木材害虫(wood pests)、特にシロアリ、より特にシロアリ目(the order Isoptera)の代表に対して、特に有利な活性を有することが発見された。
【0005】
シロアリは、特に、Hodotermitidae、Kalotermitidae(Incitermes)、Rhinotermitidae、及びTermitidae科を含む。本発明に係る方法は、特に、以下の属及び種のシロアリ;Allondothermes種、例えば、A.giffardi及びA.tenax;Ancistrotermes、例えば、A.cavithorax、A.guineensis、A.latinotus、及びA.periphrasis;Amitermes種、例えば、A.evuncifer;Cryptotermes種、例えば、C.brevis及びC.cavifrons;Heterotermes種、例えば、H.aureus、H.indicola、及びH.tenuis;Hodotermes種、例えば、H.mossambicus;Macrotermes種、例えば、M.michaelseni、M.falcifager、M.bellicosus、M.subhyalinus、及びM.natalensis;Microtermes種、例えば、M.albopartitus、M.redenianus、M.lepidus、M.traghardi、及びM.thoracalis;Nasutitermes種、例えば、N.costalis;Neotermes種、例えば、N.gestroi、及びN.jouteli;Odontotermes種、例えば、O.bruneus、O.classicus、O.smeathmani、O.lathericius、及びO.badius;Paraneothermes種、例えば、P.simplicicornis;Pseudacanthotermes種、例えば、P.militaris、及びP.spiniger;Reticulitermes種、例えば、R.flavipes、R.virginicus、R.tibialis、R.humilis、R.santonensis、及びR.hesperus;Coptotermes種、例えば、C.formosanus、及びC.crassus;Zootermopsis種、例えば、Z.angusticollis、及びZ.nevadensis;Incisitermes(Kalotermes)種、例えば、I.minor;Marginitermes種、例えば、M.hubbardi;Prorhinotermes種、例えば、P.simplex;Termes種、例えば、T.fatalis;Trinervitermes種、例えば、T.trinervius;さらに特にOdontotermes smeathmani,Trinervitermes trinervius、及びAmitermes evuncifer。
【0006】
特に、Reticulitermes、Coptotermes、及びZootermopsis;さらに特にReticulitermesの地下シロアリを防除するための本発明に係る方法が好ましい。乾燥木シロアリ、特にCryptotermes、Incisitermes、及びNeotermesを防除するための本発明に係る方法も好ましい。本発明の他の好ましい態様は、パウダーポスト(家具)シロアリ、特にCryptolermesを防除する方法である。
【0007】
一方において、建物に損傷を与える構造シロアリの防除が好ましい。他方において、農業種の防除も好ましい。農薬シロアリ種は、農作物に損傷を与えるシロアリである。
【0008】
木材を摂取し、木材上で生き又は木材を再生することにより木材に損傷を与えるさらなる害虫は、例えば、木に穴をあける昆虫、例えば、Lyctidae科の、Apidae科の代表、例えば、Xylocopa virginica、及びAnobiidae科の代表、例えば、Anobium punctatumを含むと理解される。
【0009】
シロアリは、特に42°N〜42°S間の緯度間にある、運動、農作物、及び保管された物品に対しかなりの損傷を引き起こすことができる。原則として2種のシロアリに分けられる:
最も広く分布し、温い空気と湿った環境を必要とする地下シロアリ。このようなシロアリが常に、必要な水分に接近するためには、それらは、湿った土壌に直接に接しなければならない。地下で活性なシロアリによる損傷は、ほとんど常に、木材に対する損傷に関係する。
【0010】
その生息場所が乾燥した木材であるところのシロアリは、あまり一般的ではないが、大きな問題を提供する。なぜなら、それらは、湿った地面に接触する必要がないからである。それらは、屋根のこけら坂の下、及びクラック及び通気口を通じて建物に接近する。また、他は、既にはびこった家具を介して家にもちこまれる。
木材を予め処理することは、このようなシロアリを防除する最も有効な方法である。乾燥木材上で生きるシロアリにより引き起こされる損傷は、湿った環境内で生きるシロアリにより引き起こされるものよりもゆっくりと作り出されるので、前者による損傷は、特に古い建物内に見られる。
【0011】
湿った環境内で地下で生きるシロアリによる損傷は、特に殺虫剤として活性な物質をそのシロアリ又はその生息場所に適用することにより、防止されうる。このような化合物は、特に、建物の囲りの地面、農作物、及び保管された物品への適用により、慣用される。
【0012】
シロアリを防除するための現在利用できる組成物は、全ての点で満足いくものではない。なぜなら、建物構造物の周囲の、又はその建物自体のかなり大きな面積が、通常、多量の殺虫剤により処理されなければならないからである。これは、より特に、持続性農薬が使用されるとき、特に家の中でその後の問題を導くことができる。それゆえ、特に少量で使用されることができ、かつ、低い揮発性を有する活性成分を使用する改良された溶液のさらなる必要性が存在する。
【0013】
本発明は、それゆえ、チアメトキサムを含む農薬製剤、例えば、乳化濃縮物、懸濁濃縮物、直接スプレー可能な又は希釈可能な溶液、被覆性ペースト、希釈エマルジョン、水和性粉末、可溶性粉末、分散性粉末、水和性粉末、粉剤(ダスト)、顆粒、ペレット、エアロゾル又はポリマー物質内封入物にも関し、配合物のタイプは、意図された目的及び普及状況に従って選ばれる。木材害虫に対して使用されるこのような組成物は、例えば、EP−A−736 252中に記載されるものと同種のものである。
【0014】
チアメトキサムは、純粋な形態で、例えば、特定の粒子サイズで上記組成物内で使用されるか、又は好ましくは、少なくとも、配合技術において慣用されるアジュバント又は担体の中の1とともに使用される。
【0015】
使用される配合アジュバントは、例えば、固体担体、溶媒、安定剤、“徐放性”アジュバント、着色料、及び場合により界面活性剤物質(界面活性剤)である。好適な担体、及びアジュバントは、植物保護組成物中に慣用されるいずれかの物質を含む。本発明に従って使用される組成物中の好適なアジュバント、例えば、溶媒、固体担体、表面活性化合物、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、及び他のアジュバントは、例えば、本明細書中に援用するEP−A−736 252,page 7,line 51〜page 8,line 39中に記載されるものと同じ物質を含む。
【0016】
木材害虫を防除するために本発明に従って使用される組成物は、知られたやり方で、アジュバントの不存在下、例えば、特定の粒子サイズまで活性成分を粉砕及び/又は篩にかけ又は上記活性成分を圧縮し、又は少なくとも1のアジュバントの存在下、例えば、上記活性成分を上記アジュバントとじかに混合及び/又は粉砕することにより、調製される。本発明は、本発明に係る組成物の製造方法、及び上記組成物の製造におけるチアメトキサムの使用にも関する。
【0017】
上記組成物は、通常、0.1〜90%、特に0.1〜95%の活性成分、及び1〜99.9%、特に5〜99.9%の、少なくとも、1の固体又は液体アジュバントを含み、一般に、上記組成物の0〜25%、特に0.1〜20%が界面活性剤であることができる(各場合において、重量パーセントである)。商品は好ましくは濃縮物として配合されるであろうが、最終ユーザーは、実質的により低い活性成分濃度をもつ希釈配合品をもしばしば使用するであろう。好ましい配合品は、特に以下の組成をもつ(%=重量パーセント):
【0018】
乳化濃縮物:
チアメトキサム: 1〜90%、好ましくは5〜20%
界面活性剤: 1〜30%、好ましくは10〜20%
溶媒: 5〜98%、好ましくは70〜85%
【0019】
ダスト:
チアメトキサム: 0.1〜10%、好ましくは0.1〜1%
固体担体: 99.9〜90%、好ましくは99.9〜99%
【0020】
懸濁濃縮物:
チアメトキサム: 5〜75%、好ましくは10〜50%
水: 94〜24%、好ましくは88〜30%
界面活性剤: 1〜40%、好ましくは2〜30%
【0021】
水和性粉末:
チアメトキサム: 0.5〜90%、好ましくは1〜80%
界面活性剤: 0.5〜20%、好ましくは1〜15%
固体担体: 5〜99%、好ましくは15〜98%
【0022】
顆粒(粒剤):
チアメトキサム: 0.5〜30%、好ましくは3〜15%
固体担体: 99.5〜70%、好ましくは97〜85%
【0023】
本発明に係る組成物の活性は、他の、例えば、殺虫剤、殺ダニ性及び/又は殺菌性の、活性成分の添加により、実質的に広げられ、そして普及状況に適合されることができる。好適な追加の殺虫性及び殺ダニ性活性成分の例は、以下のクラスの化合物の代表を含む:有機リン化合物、ニトロフェノール及び誘導体、ホルムアミジン、ニトロエナミン誘導体、ニトロ−及びシアノ−グアニジン誘導体、ウレア、ベンゾイルウレア、カーバメート、ピレスロイド、塩素化炭化水素、及びバチルス・チューリンギエンシス調製物を含む。特に好ましい混合相手は、例えば、azamethiphos; chlorfenvinphos; cypermethrin, cypermethrin 高-cis; cyromazine; diafenthiuron; diazinon; dichlorvos; dicrotophos; dicyclanil; fenoxycarb; fluazuron; furathiocarb; isazofos; jodfenphos; kinoprene; lufenuron; methacriphos; methidathion; monocrotophos; phosphamidon; profenofos; diofenolan; Bacillus thuringiensis 株 GC91 又は NCTC11821 から得られる物質;pymetrozine; bromopropylate; methoprene; disulfoton; quinalphos; tau-fluvalinate; thiocyclam; thiometon; aldicarb; azinphos-methyl; benfuracarb; bifenthrin; buprofezin; carbofuran; dibutylaminothio; cartap; chlorfluazuron; chlorpyrifos; cyfluthrin; lambda-cyhalothrin; alpha-cypermethrin; zata-cypermethrin; deltamethrin; diflubenzuron;
【0024】
endosulfan; ethiofencarb; fenitrothion; fenobucarb; fenvalerate; formothion; methiocarb; heptenophos; imidacloprid; isoprocarb; methamidophos; methomyl; mevinphos; parathion; parathion-methyl; phosalone; pirimicarb; propoxur; teflubenzuron; terbufos; triazamate; feno-bucarb; tebufenozide; fipronil; beta-cyfluthrin; silafluofen; fenpyroximate; pyridaben; fenazaquin; pyriproxyfen; pyrimidifen; nitenpyram; acetamiprid; avermectin B1 (abamectin); emamectin; spinosad; 昆虫に対して活性な植物エキス;昆虫に対して活性な線虫を含む調製物;Bacillus subtilis から得られる調製物;昆虫に対して活性な真菌を含む調製物;昆虫に対して活性なウイルスを含む調製物;chlorfenapyr; acephate; acrinathrin; alanycarb; alphamethrin; amitraz; AZ 60541; azinphos A; azinphos M; azocyclotin; bendiocarb; bensultap; beta-cyfluthrin; BPMC; brofenprox; bromophos A; bufencarb; butocarboxim; butylpyridaben; cadusafos; carbaryl; carbophenothion; chloethocarb; chlorethoxyfos;
【0025】
chlormephos; cis-resmethrin; clocythrin; clofentezine; cyanophos; cycloprothrin; cyhexatin; demeton M; demeton S; demeton-S-methyl; dichlofenthion; dicliphos; diethion; dimethoate; dimethylvinphos; dioxathion; edifenphos; esfenvalerate; ethion; ethofenprox; ethoprophos; etrimphos; fenamiphos; fenbutatin オキシド;fenothiocarb; fenpropathrin; fenpyrad; fenthion; fluazinam; flucycloxuron; flucythrinate; flufenoxuron; flufenprox; fonophos; fosthiazate; fubfenprox; HCH; hexaflumuron; hexythiazox; iprobenfos; isofenphos; isoxathion; ivermectin; malathion; mecarbam; mesulfenphos; メタルデヒド;metolcarb; milbemectin; moxidectin; naled; NC 184; omethoate; oxamyl; oxydemeton M; oxydeprofos; permethrin; phenthoate; phorate; phosmet; phoxim; pirimiphos M; pirimiphos E; promecarb; propaphos; prothiofos;
【0026】
prothoate; pyrachlophos; pyridaphenthion; pyresmethrin; pyrethrum; tebufenozide; salithion; sebufos; sulfotep; sulprofos; tebufenpyrad; tebupirimphos; tefluthrin; temephos; terbam; tetrachlorvinphos; thiacloprid; thiafenox; thiodicarb; thiofanox; thionazin; thuringiensin; tralomethrin; triarthene; triazophos; triazuron; trichlorfon; triflumuron; trimethacarb; vamidothion; xylylcarb; YI 5301/5302 ; zetamethrin; DPX-MP062- indoxacarb; methoxyfenozide; bifenazate; XMC (3,5−キシリル・メチルカーバメート)又は真菌病原体 Metarhizium anisopliae; さらに特に、fipronil, abamectin, emamectin, spinosad、及びラムダ-cyhalothrinである。
【0027】
他の態様は、木材破壊性害虫の攻撃から木材を保護する方法である。
本発明の特に好ましい態様においては、チアメトキサムを含む組成物が、地面下のシロアリ及び/又は他の木材破壊性害虫を防除するために使用され、それにより、木材構造物、農作物、及び保管された物品の間接的な保護が達成される。
【0028】
この目的のために、上記害虫を防除するために十分なチアメトキサムの量が上記地面に(to the ground)、好ましくは、1ヘクタール当り、1g〜2000g、特に5〜1000g、より特に10〜500gの適用率で、適用される。
【0029】
働きシロアリは、木材に到達するために、上記農薬で処理されている土地の上地の上を歩かなければならず、上記方法において上記農薬のいくらかを不可欠的に取り込み、そして上記シロアリの巣に持ち帰り、そしてそのシロアリの巣の中に上記活性成分を結果として拡散する。
【0030】
それゆえ、上記活性成分は、餌の形態で、例えば、US−P−5 096 710中に記載されるような、活性成分を含む錠剤の形態で、提供されることもできる。食物として、及びシロアリの巣のための建築材料としてシロアリにより使用される材料に、上記組成物を適用することが、特に好ましい。このような材料の例は、段ボール、紙、木、木くず、セルロース粉末又は綿である。上記材料上の好適な濃度は、0.01〜10,000ppm である。このような餌は、フェロモンも使用され、そして真菌が既にはびこった木材が使用されるとき、特に有効である。このような適用モードは、例えば、US−P−5 151 443号中に討議されている。
【0031】
シロアリを防除する他の特に好ましい方法は、マイクロカプセルの形態における上記活性成分の適用である。さらに好ましい方法は、建築材料、例えば、断熱フォーム及び防火ボード中への上記活性成分の取り込みである。他の好ましい方法は、徐放性ポリマー・マトリックスを介する上記活性成分の適用である。
【0032】
木材害虫防除の領域においては、本発明に係る組成物は、温血動物、魚、及び植物にとって十分に耐性でありながら、低い濃度においてさえも、ひじょうに有利な生物殺性スペクトルを有する価値ある予防的及び/又は治療的組成物である。本発明の化合物又は化合物の混合物は、正常な感受性の木材害虫だけではなく、耐性の木材害虫、特にシロアリの、全ての又は個々の発達段階に対して有効である。チアメトキサムの作用は、それ自体直接に、すなわち、直ちに又は一定期間後にのみ生じる上記害虫の死亡率において顕示されることができ、又は間接的に、例えば、低下した産卵、及び/又は孵化率において顕示されることができる。良好な活性は、少なくとも50〜60%の死亡率に相当する。
【0033】
本発明に係る組成物を用いて、農業、園芸、及び林業における有用植物及び観賞植物上の、又は上記植物の部分、例えば、果実、花、葉、茎、塊茎又は根の上の、木材害虫により植物に引き起こされる損傷を回避し又は低下させる、特に上記の種の害虫を防除することもでき、同時に、ある場合には、その後に増殖する植物の部分をも上記害虫に対して保護される。
【0034】
上記木材害虫を防除するために好適な標的作物は、特に穀類、例えば、小麦、大麦、ライ麦、オート麦、米、トウモロコシ、モロコシ、アワ、及びキャッサバ;ビート、例えば、テンサイ、及び飼料ビート;果実、仁果、石果、及び小果樹脂、例えば、リンゴ、ナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボ、ベリー、例えば、イチゴ、ラズベリー、及びブラックベリー;豆科植物、例えば、インゲン豆、ヒラマメ、エンドウ豆、大豆;油植物、例えば、ナタネ、からし、ケシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナツ、ヒマシ油植物、ココア豆、及びアメリカホドイモ;キュウリ植物、例えば、カボチャ、キュウリ、及びメロン;繊維植物、例えば、綿、亜麻、麻、及びジュート;柑橘類果樹、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、及びマンダリン;野菜、例えば、ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、人参、玉葱、トマト、ジャガイモ、及びパプリカ;クスノキ科、例えば、アボカド、シナモン、及び樟脳;並びに観賞植物に加えて、タバコ、堅果、コーヒー、茄子、サトウキビ、茶、胡椒、ブドウ、ホップ、バナナ、天然ゴム植物、及びユーカリ樹を含む。特に好ましい使用領域は、アメリカホドイモ、ココア豆、テンサイ、ココナツ、米、アワ、トウモロコシ、キャッサバ、モロコシ、及びユーカリ樹である。
【0035】
本発明に従うさらなる使用領域は、木材害虫からの、保管された物品及び保管庫、及び原材料の保護を含む。
以下の実施例は、本発明を説明するために役立つ。それらは、本発明を限定しない。
【実施例】
【0036】
適用実施例
実施例A1:シロアリに対する活性
木材餌を、異なる量のチアメトキサムで処理し、そしてシロアリの孵化率及び生存に対する影響をテストする。アセトン中の0ppm 、0.1ppm 、100ppm 、及び1000ppm の濃度をもつ溶液を使用する。水を、対照試験において使用する。上記餌は、自然環境において4か月間維持されていた松の木から成る。
【0037】
上記シロアリを、はびこらせた木材片から上記環境内で採取する。上記木材餌試験のために、上記木材を、48時間80℃でオーブン内で保持する。次に、乾燥した木材の重量を計り、そして上記片を、18時間、所望の濃度のチアメトキサムの溶液中に入れた。次に上記木材片を上記溶液から取り出し、風乾し、そして再び重量を計る。シロアリに対する上記餌の活性を測定するために、そのように処理した上記木材片を、ペトリ皿内の未処理土壌の薄い層の上に置く。
【0038】
各ペトリ皿の中に、シロアリ(50の働きアリ、及び2の兵隊アリ)を入れる。上記皿を、8週間、1週間当り3回観察する。上記昆虫の成長、異状、及び死亡率を記録する。8週間後、上記木材ブロックを水で濯ぎ、そして再び48時間80℃でオーブン内で乾燥させる。次に各木材片の重量を測定する。上記重量の差異は、シロアリにより摂取された木材の量を与える。
本発明に係る組成物は、本テストにおいて良好な活性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農薬として活性な化合物として、遊離形態又は農薬として許容される塩の形態における少なくともチアメトキサム、及び少なくとも1のアジュバントを含む、農薬として活性な量の農薬製剤を、木材害虫又はその生息地に、適用することを含む、上記害虫の防除方法。
【請求項2】
遊離形態におけるチアメトキサムが、活性成分として使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
シロアリが防除される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
農薬として活性な化合物として、遊離形態又は農薬として許容される塩の形態における少なくともチアメトキサム、及び少なくとも1のアジュバントを含む、農薬として活性な量の農薬製剤を、保護されるべき木材又は木材破壊性害虫の生息地に、適用することを含む、上記木材破壊性害虫の攻撃から上記木材を保護する方法。
【請求項5】
農薬として活性な化合物として、チアメトキサム、及び少なくとも1のアジュバントを含む、木材害虫の防除用組成物。
【請求項6】
請求項5に記載の少なくとも1のアジュバントを含む組成物の製造方法であって、前記活性成分が前記アジュバントとじかに混合される、前記製造方法。
【請求項7】
木材害虫の防除における、請求項5に記載の組成物の使用。
【請求項8】
木材害虫の防除において使用される、請求項1に記載のチアメトキサムの使用。
【請求項9】
植物増殖性材料の保護のための請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、上記増殖性材料又は上記増殖性材料の植付場所を処置することを含む、前記方法。

【公開番号】特開2012−153718(P2012−153718A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−108439(P2012−108439)
【出願日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【分割の表示】特願2002−522705(P2002−522705)の分割
【原出願日】平成13年8月27日(2001.8.27)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】