説明

ティッシュペーパーケース及びティッシュペーパー梱包体

【課題】ティッシュペーパーの詰め替え作業がスムーズに行えるようにしたティッシュペーパーケースを提供する。
【解決手段】ティッシュペーパーB1を挿入するための挿入口A1を有するとともに、前面部にティッシュペーパーB1の引き出し口A2を設けており、前記挿入口A1は短尺方向に沿って設けられ、前記引き出し口A2は長尺方向に沿って設けられたティッシュペーパーケースとしている。また、ティッシュペーパーの詰め替え作業に使用されるティッシュペーパー梱包体は、ティッシュペーパーB1を収容した袋状の梱包体本体B2の一端側にティッシュペーパーB1の取り出し口B3を形成するための切断線B4を設けており、切断線B4の内側の部分B5の一端が、取り出し口B3が形成されたときに梱包体本体B2に繋がったまま分離しないようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ティッシュペーパーを詰め替え可能なティッシュペーパーケース及び詰め替え用のティッシュペーパーを梱包したティッシュペーパー梱包体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なティッシュペーパーは主に箱型紙容器に入れられて販売使用されており、この箱型紙容器の使用後の空の紙容器の廃棄処理は取り出し口の裏面にビニールが貼着されている為そのままでは紙の再生利用は難しい。また、箱型紙容港は内容物の保護の面から厚紙でしっかりと作られている為平面的に潰せても小さくコンパクトに廃棄処理する事が難しい。
【0003】
流通の面から見ると市場における販売価格の内、約8割が輸送費とされており、輸送に伴う二酸化炭素の排出量も環境の面で問題である。箱型の紙容器で包装されたティッシュペーパーはその使用目的も種々広範囲にわたっており特に病院や介護の現場などでテーブルや壁面等に取り付けてティッシュペーパーを使用しようとすると箱型を色々な工夫でベッド周りやテーブル周りに装着する工夫をしなくてはいけない。
【0004】
家庭で使用する箱型の紙容器の多くは5箱セットで量販店に並び、子供を連れた主婦やお年寄りなど日常の買い物と共に購入していく際には、容量が大きく大変かさばる為、持ち帰る時に不便を感じている。幼児や赤ちゃんを連れたお母さんや、医療行為が必要な方、花粉症の方などティッシュペーパーを手放せない人達は、従来ポケットティッシュでは容量が少なく、使い勝手が悪い事から箱型紙容器のティッシュを持ち歩かなくてはいけないが、厚さがあり収納が悪く又、持ち運びに不便な為、携帯するには適していない。
【0005】
そこで、特許文献1に記載のような、ティッシュペーパーの詰め替えが可能で、ティッシュペーパーを1枚ずつ引き出せるようにした携帯用ティッシュペーパーケースが発案されたが、図2からわかるように、ティッシュペーパーを挿入するための挿入口(ファスナー2)とティッシュペーパー引き出し口(取り出し口4)がともにケースの長尺方向に沿って設けられているため、ティッシュペーパーの束6を斜めにしてケースに押し込む必要があり、ティッシュペーパーの詰め替え作業がスムーズに行えるように十分に配慮されたものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−40039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、この発明は、ティッシュペーパーの詰め替え作業がスムーズに行えるようにしたティッシュペーパーケースを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、この発明は次のような技術的手段を講じている。
【0009】
この発明のティッシュペーパーケースは、ティッシュペーパーB1を挿入するための挿入口A1を有するとともに、前面部にティッシュペーパーB1の引き出し口A2を設けており、前記挿入口A1は短尺方向に沿って設けられ、前記引き出し口A2は長尺方向に沿って設けられたものとしている。
【0010】
また、ティッシュペーパーケースは、長尺方向を縦にした場合の上部に吊り下げ具A3を設け、背面側にポケットA5を設けたものとすることができる。
【0011】
そして、この発明のティッシュペーパー梱包体は、ティッシュペーパーB1を収容した袋状の梱包体本体B2の一端側にティッシュペーパーB1の取り出し口B3を形成するための切断線B4を設けており、切断線B4の内側の部分B5の一端が、取り出し口B3が形成されたときに梱包体本体B2に繋がったまま分離しないようにし、取り出し口B3からティッシュペーパーB1を、請求項1又は2記載のティッシュペーパーケースの長尺方向を縦にした場合の上部における挿入口A1へ落下させることにより、前記ティッシュペーパーケースにティッシュペーパーB1を挿入できるようにしている。
【発明の効果】
【0012】
この発明のティッシュペーパーケースは、上述のような構成を有しており、上部に挿入口A1が来るように縦向きに(長尺方向を縦に)し、上方からティッシュペーパーB1を挿入口A1に落下させることにより、ティッシュペーパーB1の詰め替え作業をスムーズに行うことができる。
【0013】
また、この発明のティッシュペーパー梱包体は、収容したティッシュペーパーB1を前記ティッシュペーパーケースの挿入口A1に落下させるのに適した構成であるとともに、ティッシュペーパーB1を取り出すときに分割されず、ゴミとして取扱い易いものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施形態のティッシュペーパーケースの斜視図(横向き)である。
【図2】この発明の実施形態のティッシュペーパーケースの斜視図(縦向き)である。
【図3】この発明の実施形態のティッシュペーパー梱包体の斜視図(正面側)である。
【図4】この発明の実施形態のティッシュペーパー梱包体の斜視図(背面側)である。
【図5】この発明の実施形態のティッシュペーパー梱包体の断面図である。
【図6】この発明の実施形態のティッシュペーパー梱包体の使用状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の好適な実施形態を、図面を参照して説明する。
【0016】
このティッシュペーパーケースは、ティッシュペーパーB1を挿入するための挿入口A1を有するとともに、前面部にティッシュペーパーB1の引き出し口A2を設けており、前記挿入口A1は短尺方向に沿って設けられ、前記引き出し口A2は長尺方向に沿って設けられたものとしている。
【0017】
このティッシュペーパーケースは、略長方形の袋状で、塩化ビニル等の薄いシート状の素材を用いて構成されている、前記素材は、透明もしくは半透明などの可撓性のある糸入り樹脂シートを用いて柔軟で充分な強度を持たせることにより、重量物がティッシュペーパーケースに載った場合でも形が崩れず、車中や屋外でも活用しやすくすることができる。また、詰め替えられたティッシュペーパーの消費状況によりケースの厚みが変化するため、残量が目視できる上、バックなどに入れて持ち運びしやすく携帯用としても利用しやすく十分に使用できる。
【0018】
ティッシュペーパーの挿入口A1は、縦向きにした場合における上端部付近に短尺方向に沿って設けられ、ファスナーで開閉ができるようになっている。この実施形態では、挿入口A1は、ティッシュペーパーケースの背面部を残し、前面部とその両側部までファスナーで開閉できるようにしている。そして、ティッシュペーパー挿入後、引き出し口A2より、1枚ずつ(2枚重ねの場合は2枚ずつ)ティッシュペーパーを取り出すことができる。ティッシュペーパーケースの内面は、引き出し口A2からティッシュペーパーを引き出し易くなるように摩擦力の少ないものとすることが望ましい。
【0019】
このティッシュペーパーケースは、図1に示したように、横向きに(長尺方向を横に)して使用することができるが、図2に示したように、縦向き(長尺方向を縦に)して使用することもできる。縦向きにして使用する場合は、上部にフック等の吊り下げ具A3を設け、壁掛けや棒などに吊るすことができる。また、両端がティッシュペーパーケースに固定されたベルトA4を設け、これを持ち運びの際に持てるようにしたり、ファスナー開閉時の押さえとして使用したりすることができる。
【0020】
さらに、ティッシュペーパーケースの背面側にポケットA5を設け、小物やタオルを収納したり、使用済のティッシュペーパーなどを入れるためのゴミ入れにしたりなど、多目的に使用することができる。ポケットA5の開閉は、折曲箇所に面ファスナーや、ボタン等を用いて留めることにより、非使用時には閉じた状態にして見た目にもスッキリとしたものとすることができる。ポケットA5がある位置には、磁石や面ファスナーなど取り外しが可能なものを付けて、壁面に直接ティッシュペーパーケースを取り付けることもできる。
【0021】
このティッシュペーパーケースにティッシュペーパーB1を挿入するには、図5等に示したティッシュペーパー梱包体を利用することができる。このティッシュペーパー梱包体は、ティッシュペーパーB1を収容した袋状の梱包体本体B2の一端側にティッシュペーパーB1の取り出し口B3を形成するための切断線B4を設けており、切断線B4の内側の部分B5の一端が、取り出し口B3が形成されたときに梱包体本体B2に繋がったまま分離しないようにしたものである。
【0022】
図3、図4に示したように、梱包体本体B2はフィルムないしシートで構成された四角筒状であり、その長尺方向の一端側(図3、図4において左下側)にある底部B6を平面状にし、他端側である上端部B7の左右側部を折り込んでシールすることにより、内部にティッシュペーパーB1を収容する袋状としている。梱包体本体B2は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等の合成樹脂製や、紙製とすることができる。
【0023】
梱包体本体B2の底部B6側に設けられた切断線B4は、この実施形態では梱包体本体B2を構成するフィルムないしシートを切断した線としているが、ミシン目や肉厚を薄くして容易に切り裂いていくことができるようにした弱化線とすることもできる。切断線B4は、梱包体本体B2の長尺方向の中央より底部B6側寄りに設ければよいが、後述の取り出し口B3の形成及びティッシュペーパーB1のティッシュペーパーケースへの挿入をスムーズに行えるようにするため、なるべく底部B6に近い位置に設けることが望ましい。
【0024】
この実施形態では、切断線B4は、概ね底部B6の周縁の4辺に沿って形成されているが、そのうち正面側の辺においては中央部分が他端側に向かって凸状に突出して摘み部B8を形成しており、その反対側の背面側の辺においては左右の2本の切断線B4が中央付近において他端側に向かって平行に延び、途切れた態様となっている。
【0025】
摘み部B8には、接着テープB9が梱包体本体B2の他端側に跨るようにして貼り付けられており、前記接着テープB9を他端側から剥離し、摘み部B8をつまんで引っ張ることにより、容易に取り出し口B3を形成した状態にすることができる。切断線B4を弱化線とする場合は、接着テープB9を使用する必要はない。
【0026】
取り出し口B3を形成した状態では、底部B6全体が開口した状態となるが(図6参照)、切断線B4には前記途切れた箇所が存在するため、切断線B4の内側の部分B5が、取り出し口B3が形成されたときに梱包体本体B2から分離せず、梱包体本体B2が分割されないので、不要になった使用後の梱包体本体B2は1つのゴミとして処分することができる。
【0027】
なお、前記背面側の辺における切断線B4を、前記正面側の辺における切断線B4と同様に摘み部を形成するものとし、接着テープを梱包体本体B2の他端側に跨るようにして貼り付けてもよい。すなわち、取り出し口B3が形成されたときに、切断線B4の内側の部分B5の一端が接着テープ等で本体に繋がったままになるようにしていれば、切断線B4自体は途切れた箇所のない輪状であってもよい。
【0028】
図5に示したように、梱包体本体B2は、ティッシュペーパーB1の端部が底部B6まで到達しないサイズに形成されているとともに、取り出し口B3が形成されたときに、梱包体本体B2にティッシュペーパーB1の底部B6側の端部より前方(図5において左方)に位置する部分が残るように切断線B4が設けられている。
【0029】
この実施形態では、切断線B4は、正面側の前記摘み部B8を形成した箇所と、背面側の前記中央付近において他端側に向かって平行に延びた箇所を除き、底部B6の周縁の4辺に沿って設けられているため、取り出し口B3が形成されたときに、梱包体本体B2における底部B6の周縁付近の大部分が残ることになる。
【0030】
このような構成により、ティッシュペーパーB1は、梱包体本体B2の残された前記前方に位置する部分によって移動方向が規制されるため、ティッシュペーパーケースへの挿入が容易になる。梱包体本体B2の残された前記前方に位置する部分は、底部B6の全周の周縁にわたるものとする必要はないが、底部B6の3辺の周縁にわたるものとすることが望ましい。
【0031】
梱包体本体B2内のティッシュペーパーB1は、数十枚単位等の束にしたティッシュペーパー束体B10を複数積層した状態で収容したものとすることができる。ティッシュペーパー束体B10の下には、エンドペーパーを入れておくことができる。エンドペーパーを入れておくと、仕切りとなるだけでなく、ティッシュペーパーB1が残り少なくなったことが分かりやすくなる。また、エンドペーパーが比較的滑りやすいものであれば、ティッシュペーパー束体B10を補充しやすくなる。
【0032】
次に、このティッシュペーパー梱包体から、詰め替え用ティッシュペーパーB1を、ティッシュペーパーケースに挿入する方法を説明する。まず、ティッシュペーパー梱包体の梱包体本体B2の正面側の接着テープB9を他端側(上端部B7側)から剥がして摘み部B8を摘み、切断線B4の内側の部分B5を引っ張ることにより、底部B6に取り出し口B3が形成された状態にする。
【0033】
そして、ティッシュペーパーケースの上端の挿入口A1を開いた状態にするとともに、ティッシュペーパー梱包体をティッシュペーパーケースの上方に位置させ、底部B6を下に向けて、梱包体本体B2内の詰め替え用ティッシュペーパーB1をティッシュペーパーケースの上端の挿入口A1へ落下させるだけで、詰め替え用ティッシュペーパーB1は、ティッシュペーパーケースに挿入される。
【0034】
ティッシュペーパーB1の挿入後、ティッシュペーパーB1の前面側の引き出し口A2より、積層ティッシュペーパー束体B10からティッシュペーパー1を取り出すことができる。
【0035】
このように、ティッシュペーパーケースは、縦向きにしてティッシュペーパーB1を挿入口A1へ落下させることにより、ティッシュペーパーB1の詰め替え作業をスムーズに行うことができ、その後は、長尺方向に沿って設けられることにより比較的大きく開口できるようにした引き出し口A2から容易にティッシュペーパーB1を引き出していくことができる。
【0036】
以上がこの発明の好適な実施形態であるが、この発明は上述の実施形態の構成に限定されるものではなく、形状、寸法、材質等を適宜変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0037】
A1 挿入口
A2 引き出し口
A3 吊り下げ具
A5 ポケット
B1 ティッシュペーパー
B2 梱包体本体
B3 取り出し口
B4 切断線
B5 切断線の内側の部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ティッシュペーパー(B1)を挿入するための挿入口(A1)を有するとともに、前面部にティッシュペーパー(B1)の引き出し口(A2)を設けており、前記挿入口(A1)は短尺方向に沿って設けられ、前記引き出し口(A2)は長尺方向に沿って設けられていることを特徴とするティッシュペーパーケース。
【請求項2】
長尺方向を縦にした場合の上部に吊り下げ具(A3)を設け、背面側にポケット(A5)を設けた請求項1記載のティッシュペーパーケース。
【請求項3】
ティッシュペーパー(B1)を収容した袋状の梱包体本体(B2)の一端側にティッシュペーパー(B1)の取り出し口(B3)を形成するための切断線(B4)を設けており、切断線(B4)の内側の部分(B5)の一端が、取り出し口(B3)が形成されたときに梱包体本体(B2)に繋がったまま分離しないようにし、取り出し口(B3)からティッシュペーパー(B1)を、請求項1又は2記載のティッシュペーパーケースの長尺方向を縦にした場合の上部における挿入口(A1)へ落下させることにより、前記ティッシュペーパーケースにティッシュペーパー(B1)を挿入できるようにしたことを特徴とするティッシュペーパー梱包体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−148814(P2012−148814A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10547(P2011−10547)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(509230333)
【Fターム(参考)】