説明

デスク装置

【課題】簡単な構成により天板上面に箱体を載置して使い勝手が高められつつ、配線収容部へのアクセスが容易とされ、かつ、天板上面を広く確保することができるとともに、該上面が煩雑になるのを防止できるデスク装置を提供すること。
【解決手段】上面1aが作業面とされた天板1と、前記天板1を支持する脚部2と、前記天板1の上面1aから窪むように形成された配線収容部3と、前記天板1の上面1aに載置される箱体4と、を備え、前記箱体4は、物品収納部11と、前記物品収納部11を前記天板1の上面1aから離間させて支持する支持脚12と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品収容什器を天板の上面に載置して使用されるデスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスや家庭等の執務空間にて使用される執務用のデスク装置を用いた業務として、電子機器を用いた業務を行う場合が非常に多くなっている。こうした事情に伴い、デスク装置には、作業平面である天板上面で使用する電子機器等の配線をデスク装置内部に収容するための配線収容部が設けられている。
【0003】
この種のデスク装置として、例えば下記特許文献1に示されるような、上面が作業面とされた天板と、前記天板を支持する脚部と、前記天板の上面から窪むように形成された配線収容部と、前記天板から上方に離間して固定支持される箱体(オーバーヘッドキャビネット)と、を備えたものが知られている。
このデスク装置では、天板の配線収容部に対応する部位に上部フレームやパネル等の支持・カバー部材が立設されているとともに、該支持・カバー部材の上部に、執務(作業)に使用する物品を収容可能な箱体が配設されている。このような箱体が設けられることにより、デスク装置の使い勝手が高められている。
【0004】
ところで、デスク装置においては、該デスク装置を使用する団体等の組織変更やレイアウトの変更に伴って、配線作業を行うことが多く、そのため配線収容部内へのアクセスが容易とされていることが好ましい。
また近年では、例えば天板が長尺に形成されることにより作業面の面積が大きく確保され(又は天板が複数の分割板を連結し構成されているとともに、該天板の作業面の面積が大きく確保され)、該天板を複数の執務者(作業者)が共有して使用する態様のデスク装置が知られている。すなわち、天板の周縁部に複数の執務者が間隔をあけて並び、該天板を共有使用して執務を行うという態様がとられることがある。この種のデスク装置を用いる企業等では、執務者の座席を定めることなく、各執務者がその日の執務内容や気分に応じて座席を選択可能となっているため、執務に用いるノートパソコン等の電子機器を配線接続する作業の頻度が高くなる。従って、配線収容部へのアクセスが簡単であることがより望まれる。
【0005】
そこで、例えば下記特許文献2に示されるデスク装置では、天板上面から窪まされた配線収容部(配線ダクト)を開閉可能に覆う蓋体(カバー部材)を設け、配線作業時における配線収容部へのアクセスを容易とする一方、配線作業時以外は該蓋体を閉じておくことにより、天板上面の作業スペースを確保するとともに外観(見映え)を良くするようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−102742号公報
【特許文献2】特開2008−119235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述した従来のデスク装置では、下記の課題があった。
すなわち、特許文献1のデスク装置では、配線収容部上に上部フレームやパネル等の支持・カバー部材を設けて箱体を固定支持する構造となっているため、該支持・カバー部材の剛性を確保する必要があるとともに部品点数が嵩み、構造が複雑となっていた。また、天板上面において配線収容部に対応する部位を作業スペースとして利用することはできず、また配線収容部へのアクセスを容易にすることに改善の余地があった。さらに、前述したような、執務者が座席を選択可能な態様のデスク装置においては、執務者の座席移動に応じて箱体を移動することが困難であった。
【0008】
一方、特許文献2のデスク装置では、天板上面の見映えが損なわれることなく配線収容部へのアクセスが容易とされている一方、箱体を天板上面に載置するには、配線収容部の蓋体の開閉のために該蓋体の上部を避けて配置する必要があり、天板上面の作業スペース(特に作業者に近い領域の作業スペース)が小さくなってしまうとともに、該上面が煩雑になりやすかった。
尚、配線収容部に蓋体が設けられていない場合においても、該配線収容部から配線を取り出したり配線接続したりするスペースを確保する必要があるため、配線収容部上に箱体を配置することは難しい。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、簡単な構成により天板上面に箱体を載置して使い勝手が高められつつ、配線収容部へのアクセスが容易とされ、かつ、天板上面を広く確保することができるとともに、該上面が煩雑になるのを防止できるデスク装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明のデスク装置は、上面が作業面とされた天板と、前記天板を支持する脚部と、前記天板の上面から窪むように形成された配線収容部と、前記天板の上面に載置される箱体と、を備え、前記箱体は、物品収納部と、前記物品収納部を前記天板の上面から離間させて支持する支持脚と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
このデスク装置では、天板の上面に箱体を載置しているので、該箱体の物品収納部に執務(作業)に必要な物品等を収容して天板上の利用しやすい部位に配置でき、使い勝手が高められていて、執務者(作業者)が効率よく執務を行うことができる。
また、例えば天板が長尺に形成されることにより作業面の面積が大きく確保され(又は天板が複数の分割板を連結し構成されているとともに、該天板の作業面の面積が大きく確保され)、該天板を複数の執務者が共有して使用するように構成されたデスク装置の場合には、隣り合う執務者の天板上面の作業スペース同士の間に箱体を載置することで、これら作業スペースを簡単に区画し仕切ることができる。
【0012】
そして、本発明のデスク装置によれば、箱体には、物品収納部を天板の上面から離間させて支持する支持脚が設けられているので、下記の効果を奏する。
すなわち、箱体の支持脚によって物品収納部の下面と天板上面との間にスペース(空間)を形成できるので、天板上面において執務者の所望の位置に箱体を移動する場合など、物品収納部を安定して把持しやすく、また置きやすい。従って、箱体を安全かつ簡単に移動して、天板上に載置できる。
【0013】
また、この箱体を、天板上面における配線収容部に対応する部位(以下、配線収容部上と省略する)に配置した状態で、物品収納部と天板上面との間のスペースを利用して、配線収容部から容易に配線を取り出したり配線接続したりすることができる。また、このスペースを利用して、配線を取り回すことも可能である。
このように、箱体を簡単な構成としつつ、該箱体を配線収容部上に配置した状態であっても、配線収容部へのアクセスが容易とされている。
【0014】
また、箱体を配線収容部上に配置できるので、天板上面の作業スペース(特に作業者に近い領域の作業スペース)を広く確保することができ、作業効率を向上できるとともに、天板上面が煩雑になるのを防止できる。
【0015】
また、本発明のデスク装置において、前記支持脚は、前記物品収納部に互いに間隔をあけて複数垂設されており、隣り合う前記支持脚同士が、前記配線収容部を跨ぐように配置されることとしてもよい。
【0016】
この場合、隣り合う支持脚同士が、配線収容部を跨ぐように配置されるので、天板上面において箱体を安定して載置できる領域が増大して、前述の効果をより確実に得ることができる。
【0017】
また、本発明のデスク装置において、前記配線収容部を開閉可能に覆うカバー部材が設けられ、前記カバー部材が前記天板の上面から直立するように配置される開状態とされたときの該カバー部材の上端部と前記天板の上面との間の距離が、前記物品収納部と前記天板の上面との間の距離よりも小さくなっていることとしてもよい。
【0018】
この場合、配線収容部がカバー部材で覆われているので、該配線収容部を天板上面に配置することにより配線作業の作業性が高められつつも、該天板上面の見映えが損なわれることがない。また、このカバー部材上を作業スペースとして使用することも可能である。
【0019】
そして、カバー部材が天板の上面から直立するように配置される開状態とされたときの該カバー部材の上端部から天板上面までの距離が、箱体の物品収納部から天板上面までの距離よりも小さくされているので、配線収容部上に箱体が配置されていても、カバー部材の開閉が妨げられることはない。
従って、カバー部材による前述の効果を奏しつつも、配線収容部へのアクセスが容易である。
【0020】
また、本発明のデスク装置において、前記天板は、複数の分割板が連結されて構成され、前記配線収容部は、隣り合う前記分割板同士の間に配置されて溝状に延びていることとしてもよい。
【0021】
この場合、隣り合う分割板同士の間に配線収容部を形成することで、天板上面に配線収容部を簡単に形成できる。また、例えば、複数の執務者が共有して使用する大型のデスク装置を簡易的に構成できるとともに、各分割板に対応する位置において執務を行う各執務者から、配線収容部へのアクセスが容易である。
【0022】
また、本発明のデスク装置において、前記箱体には、前記配線収容部に係合することにより前記天板の上面に対して該箱体を位置決めする位置決め部材が設けられることとしてもよい。
【0023】
この場合、箱体に位置決め部材が設けられており、該位置決め部材が配線収容部に係合することによって天板上面に対する箱体の位置が決まるので、天板上面の所望の位置に簡易な操作で箱体を載置でき、使い勝手を向上させることができる。
また、例えば、複数の執務者が共有して使用する大型のデスク装置においては、位置決め部材により位置決めされた箱体によって、各執務者の作業スペースを所望の領域に区画しやすい。
【0024】
また、本発明のデスク装置において、前記箱体には、仕切り壁が立設されていることとしてもよい。
【0025】
この場合、箱体に仕切り壁が立設されているので、該箱体により区画される天板上面の作業スペースを、執務者が作業し易いように仕切ることができる。すなわち、箱体を挟んで隣り合う執務者同士が、互いに意識するようなことなく作業に集中でき、作業効率が高められる。
【0026】
また、本発明のデスク装置において、前記天板の上面に、前記配線収容部を挟むように一対の前記箱体が載置可能とされ、前記位置決め部材は、一対の前記箱体の前記物品収容部における対向する周壁部分同士の間に間隔をあけて、前記箱体を配置する第1設定位置と、一対の前記箱体の前記物品収容部における対向する周壁部分同士を当接又は近接させて、前記箱体を配置する第2設定位置と、を備えることとしてもよい。
【0027】
本発明において、位置決め部材を第1設定位置とした場合は、天板の上面において配線収容部を挟むように隣り合う一対の箱体の物品収容部における周壁部分同士の間に、間隔をあけることができるので、この間隔に例えばパネル板(天板用仕切板)を配設して、天板上面の作業スペースを例えば左右及び前後に区画することができる。また、位置決め部材を第2設置位置とした場合は、前記一対の箱体の物品収容部における周壁部分同士を当接又は近接して配置できるので、パネル板等を用いることなく、これら箱体自体により作業スペースを例えば左右に区画することができる。
【0028】
このように、使用者(作業者)の使い勝手に応じて箱体の配置を変更(選択)することが可能となり、デスク装置としての使い勝手を良好なものとすることができるとともに作業スペースを有効利用でき、かつ、その体裁(天板上面の見映え)を良好に収めることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明のデスク装置によれば、簡単な構成により天板上面に箱体を載置して使い勝手が高められつつ、配線収容部へのアクセスが容易とされ、かつ、天板上面を広く確保することができるとともに、該上面が煩雑になるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1実施形態に係るデスク装置を示す斜視図である。
【図2】図1のデスク装置の箱体を示す正面図である。
【図3】図1のデスク装置の箱体を示す上面図である。
【図4】図1のデスク装置の箱体を示す側面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るデスク装置を示す斜視図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係るデスク装置を示す斜視図である。
【図7】図6のデスク装置における箱体の他の配置例及び位置決め部材を示す(a)上面図、(b)正面図である。
【図8】(a)図7の箱体及び位置決め部材を示す側面図、(b)図8(a)の符号Xで指す領域を拡大して示す図である。
【図9】位置決め部材の変形例を説明する図である。
【図10】本発明の第4実施形態に係るデスク装置を示す斜視図である。
【図11】本発明の第5実施形態に係るデスク装置を示す斜視図である。
【図12】図11のデスク装置の箱体を示す正面図である。
【図13】図11のデスク装置の箱体を示す上面図である。
【図14】図11のデスク装置の箱体を示す側面図である。
【図15】本発明の第6実施形態に係るデスク装置を示す斜視図である。
【図16】箱体の変形例を説明する図である。
【図17】本発明のデスク装置における支持脚及び位置決め部材の他の実施例を説明する斜視図である。
【図18】図17の位置決め部材を説明する斜視図である。
【図19】図17の支持脚及び位置決め部材を説明する部分側断面図である。
【図20】本発明のデスク装置における支持脚及び位置決め部材の変形例を説明する斜視図である。
【図21】図20の位置決め部材により位置決めされた箱体の配置を説明する図である。
【図22】図21の位置決め部材を拡大して示す図である。
【図23】図20の位置決め部材により位置決めされた箱体の配置を説明する図である。
【図24】図23の位置決め部材を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係るデスク装置10について、図面を参照して説明する。
本実施形態のデスク装置10は、例えば、企業等の執務室において執務用デスクとして用いられるものである。
【0032】
図1に示されるように、デスク装置10は、上面1aが作業面とされた天板1と、天板1を支持する脚部2と、天板1の上面1aから窪むように形成された配線収容部3と、天板1の上面1aに載置される箱体4と、天板1の下方に配設されて物品が収納されるデスクサイド什器5と、天板1周辺に配設される椅子(不図示)と、を備えている。
尚、本実施形態において、デスクサイド什器5及び椅子は、配設されていなくても構わない。
【0033】
天板1は、板状をなしており、その厚さ方向を向く両外面のうち、一面が上面(作業面)1aとされ、他面が下面となっている。本実施形態では、天板1の厚さ方向が、鉛直方向に沿うように配設されている。図1において、この天板1は、間口方向(図1における左上・右下方向)Wに長く、奥行き方向(図1における右上・左下方向)Dに短い矩形板状をなしている。
尚、本明細書においては、天板1の厚さ方向を上下方向(高さ方向)Hと言い、該厚さ方向に沿う天板上面(一面)1aが向く方向を上方、天板下面(他面)が向く方向を下方と言う。また、天板1の間口方向(ワイド方向)Wに沿う方向を左右方向と言い、天板1の奥行き方向Dに沿う方向を前後方向と言う。
【0034】
本実施形態では、天板1は、複数の分割板6が連結されて構成されている。図1に示される例では、矩形板状の分割板6同士がその厚さ方向に垂直な向きに隣接するように、左右方向W及び前後方向Dに一対ずつ(計4つ)組み合わされることにより、天板1が全体として矩形板状に形成されている。これら分割板6は、左右方向Wに延びてそれぞれ配置されている。
【0035】
このデスク装置10では、複数の分割板6が連結されることで天板1が左右方向Wに長尺とされ、かつ前後方向Dに幅広とされて、該天板1の作業面(上面1a)の面積が大きく確保されている。そして、天板上面1aの作業スペースを、複数の執務者が共有して使用するようになっている。図示の例では、4つの分割板6に対応して、4人の執務者が作業可能とされている。尚、1つの分割板6に対応して、複数の執務者が作業可能とされていてもよい。
【0036】
脚部2は、棒状又は板状をなしており、天板1を下方から安定して支持可能なように互いに間隔をあけて複数配設されている。図1に示される例では、脚部2は、コ字板状(ゲート状)に形成されており、床F上に立設されているとともに、少なくとも天板1の左右方向Wの両端部に配置されている。このように、脚部2同士が間隔をあけて配設されることにより、天板1の下方においてこれら脚部2同士の間に位置する空間(天板1の下方空間)のスペースが確保されているとともに、該スペースにおいてデスクサイド什器5が移動自在に配設できるようになっている。
【0037】
配線収容部3は、天板上面1aから窪む凹状に形成されているとともに、内部に配線を収容可能となっている。配線収容部3は、隣り合う分割板6同士の間に配置されて、溝状に延びている。図示の例では、配線収容部3は、前後方向Dに隣り合う分割板6同士の間に配置されているとともに、左右方向Wに沿って延びている。配線収容部3の延在方向に垂直な断面は、例えば上部が該上部以外の部分より幅狭とされて開口する矩形穴状となっている(図8(b)を参照)。
【0038】
また、図1において、配線収容部3には、該配線収容部3を開閉可能に覆うカバー部材7が設けられている。本実施形態では、カバー部材7は、板状をなし、配線収容部3において上部に開口された部位(以下、上端開口部と省略)を開閉可能に閉塞している。図1に示される例では、帯板状をなすカバー部材7が、前後方向Dに対とされて左右方向Wに連続するように2組(計4つ)設けられているとともに、それぞれが独立して開閉可能とされている。尚、カバー部材7は、例えば左右方向Wに沿って所定範囲ごとに分割され、該所定範囲に対応する部位ごとに開閉可能とされていてもよい。
【0039】
図8(b)に示されるように、カバー部材7は、配線収容部3内に立設されて左右方向Wに延びるブラケット(不図示)の支軸8回りに回動可能とされている。図示の例では、支軸8は、配線収容部3の上端開口部における前後方向Dの中央部付近に一対配設されており、これら支軸8に支持されて前後方向Dに隣り合う一対のカバー部材7は、各支軸8回りに開閉されるとともに、開状態とされたときにおいてカバー部材7は天板1の上面1aから直立するように配置され(天板上面1aに対して直立状態とされ)、互いに背中合わせとなる(背向配置される)ように配設されている。尚、カバー部材7が閉状態とされたときにおいては、該カバー部材7の上面と天板上面1aとが、面一となっていることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0040】
図1において、箱体4は、天板上面1aに移動可能に載置されている。図示の例では、箱体4は、天板上面1aにおける左右方向Wの両端部に載置されているとともに、前後方向Dに隣接するように複数配設されている。
そして、箱体4は、物品が収納される物品収納部11と、物品収納部11を天板1の上面1aから離間させて支持する支持脚12と、を備えている。
【0041】
本実施形態においては、物品収納部11は、天板上面1aの面方向に沿うように延びる概略直方体状をなしている。
本明細書では、図3に示される物品収納部11の上面視において、該物品収納部11が延在する方向を長手方向Lと言い、該長手方向Lに垂直な方向を短手方向Sと言う。尚、物品収納部11の高さ方向は、前述した上下方向Hと同一である。
図1において、物品収納部11の長手方向Lは、天板上面1aに平行な面方向のうち、前後方向Dに沿うように延びている。
【0042】
図2〜図4に示されるように、物品収納部11は、天壁、底壁及び周壁を備えた箱状とされており、該周壁のうち一面が切り欠かれるように外部に開口されて開口部11aが形成されている。
図2において、物品収納部11内には、該物品収納部11の内部空間を長手方向Lに区画するように配置される中仕切11bと、該内部空間を高さ方向Hに区画するように配置される棚11cと、が設けられている。尚、図示の例では、物品収納部11内に、1つの中仕切11b及び複数の棚11cが配設されているが、これら中仕切11b及び棚11cの数量や配置は、本実施形態に限定されない。
【0043】
支持脚12は、物品収納部11に互いに間隔をあけて複数垂設されている。
本実施形態では、これら支持脚12が、互いに独立した棒状をなしているとともに、物品収納部11の底壁から下方に向けてそれぞれ突設されている。図示の例では、支持脚12が、長手方向L及び短手方向Sに間隔をあけて、計4つ設けられている。
また、支持脚12の高さ方向Hの長さは、アジャスト機構により調整可能となっている。
【0044】
図1において、天板上面1aに載置された箱体4の開口部11aは、左右方向Wの内側を向くように配置されている。また、箱体4における物品収納部11の底壁は、その一部(図示の例では長手方向Lの端部)が配線収容部3上に位置している。
【0045】
また、天板上面1a上で前後方向Dに隣り合う一対の箱体4A、4Bのうち、一の箱体4Aにおいて他の箱体4B側に配置される支持脚12Aと、他の箱体4Bにおいて一の箱体4A側に配置される支持脚12Bとの間の距離は、配線収容部3の前後方向Dに沿う長さ(幅)より大きくなっている。
具体的に、これら箱体4A、4Bの長手方向Lを向く周壁同士が当接又は接近配置された状態であっても、一の箱体4Aの支持脚12A及び他の箱体4Bの支持脚12Bが、配線収容部3を跨ぐように配置可能とされている。
尚、特に図示しないが、本実施形態においては、箱体4A、4Bの短手方向Sを向く周壁同士が当接又は接近配置された状態であっても、一の箱体4Aの支持脚12A及び他の箱体4Bの支持脚12Bが、配線収容部3を跨ぐように配置可能となっている。
【0046】
また、図8(b)において、カバー部材7が開状態とされたときの該カバー部材7の上端部と天板1の上面1aとの間の距離Aは、物品収納部11と天板1の上面1aとの間の距離Bよりも小さくなっている。
【0047】
以上説明した本実施形態のデスク装置10では、天板1の上面1aに箱体4を載置しているので、該箱体4の物品収納部11に執務(作業)に必要な物品等を収容して天板1上の利用しやすい部位に配置でき、使い勝手が高められていて、執務者(作業者)が効率よく執務を行うことができる。
また、本実施形態のように、天板1が複数の分割板6を連結し構成されているとともに、該天板1の作業面の面積が大きく確保され、該天板1を複数の執務者が共有して使用するように構成されたデスク装置10においては、前述の効果が顕著に得られることになる。
【0048】
そして、本実施形態のデスク装置10によれば、箱体4には、物品収納部11を天板1の上面1aから離間させて支持する支持脚12が設けられているので、下記の効果を奏する。
すなわち、箱体4の支持脚12によって物品収納部11の下面(底壁において下方を向く面)と天板上面1aとの間にスペース(空間)を形成できるので、天板上面1aにおいて執務者の所望の位置に箱体4を移動する場合など、物品収納部11を安定して把持しやすく、また置きやすい。従って、箱体4を安全かつ簡単に移動して、天板1上に載置できる。
【0049】
また、図1に示されるように、この箱体4を、天板上面1aにおける配線収容部3に対応する部位(以下、配線収容部3上と省略する)に配置した状態で、物品収納部11と天板上面1aとの間のスペースを利用して、配線収容部3から容易に配線を取り出したり配線接続したりすることができる。また、このスペースを利用して、配線を取り回すことも可能である。
このように、箱体4を簡単な構成としつつ、該箱体4を配線収容部3上に配置した状態であっても、配線収容部3へのアクセスが容易とされている。
【0050】
また、箱体4を配線収容部3上に配置できるので、天板上面1aの作業スペース(特に作業者に近い領域の作業スペース)を広く確保することができ、作業効率を向上できるとともに、天板上面1aが煩雑になるのを防止できる。
【0051】
また、配線収容部3がカバー部材7で覆われているので、該配線収容部3を天板上面1aに配置することにより配線作業の作業性が高められつつも、該天板上面1aの見映えが損なわれることがない。また、このカバー部材7上を作業スペースとして使用することも可能である。
【0052】
そして、図8(b)に示されるように、カバー部材7が開状態とされたときの該カバー部材7の上端部から天板上面1aまでの距離Aが、箱体4の物品収納部11から天板上面1aまでの距離Bよりも小さくされているので、配線収容部3上に箱体4が配置されていても、カバー部材7の開閉が妨げられることはない。
従って、カバー部材7による前述の効果を奏しつつも、配線収容部3へのアクセスが容易である。
【0053】
また、図1において、天板1を構成して隣り合う分割板6同士の間(本実施形態においては、前後方向Dに隣り合う分割板6同士の間)に配線収容部3を形成することで、天板上面1aに配線収容部3を簡単に形成できる。また、前述したような、複数の執務者が共有して使用する大型のデスク装置10を簡易的に構成できるとともに、各分割板6に対応する位置において執務を行う各執務者から、配線収容部3までの距離が遠くなり過ぎるようなことがなく、配線収容部3へのアクセスが容易である。
【0054】
また、天板上面1aにおいて隣接配置された一対の箱体4A、4Bが、互いの対向する端部を配線収容部3上に配置しているとともに、一の箱体4Aの支持脚12Aと他の箱体4Bの支持脚12Bとが、配線収容部3を跨ぐように配置されているので、箱体4A、4Bが互いの対向する周壁同士を当接又は接近配置した状態であっても、カバー部材7の開閉が妨げられるようなことがない。
従って、天板上面1aにおいて箱体4を安定して載置できる領域が増大して、前述の効果をより確実に得ることができる。具体的に、箱体4A、4Bの長手方向Lに沿う端部を配線収容部3上に配置できるので、箱体4A、4Bにおける前記端部とは反対側の端部から天板1周縁部までの作業スペースを確保でき、該作業スペースを有効に利用できる。
尚、図1に示される例では、箱体4A、4Bの長手方向L(図3を参照)が、デスク装置10の前後方向Dに沿うように配置されているとともに、箱体4A、4Bの短手方向S(図3を参照)が、デスク装置10の左右方向Wに沿うように配置されており、箱体4A、4Bが互いの対向する長手方向L(前後方向D)の端部同士を当接又は接近配置している場合について説明したが、これに限定されるものではない。つまり、特に図示しないが、例えば、箱体4A、4Bが互いに背中合わせとされた隣接状態(物品収納部11の背面同士が当接又は接近配置された状態)で、配線収容部3上に配置されていてもよい。すなわち、箱体4A、4Bの長手方向Lが、デスク装置10の左右方向Wに沿うように配置されているとともに、箱体4A、4Bの短手方向Sが、デスク装置10の前後方向Dに沿うように配置されており、箱体4A、4Bが互いの対向する短手方向S(前後方向D)の端部同士を当接又は接近配置しているとともに、該端部を配線収容部3上に配置している場合においても、同様の効果を得ることができる。
【0055】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るデスク装置20について、図面を参照して説明する。尚、前述の実施形態と同一部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0056】
図5に示されるように、本実施形態のデスク装置20では、天板1を構成する分割板6が、第1実施形態で説明した4つに加え、左右方向Wの両端部にも一対配設されている。これら分割板6のうち、左右方向Wの両端部に位置する分割板6は、前後方向Dに延びてそれぞれ配置されている。
また、脚部2は、パネル状に形成されており、図示の例では、矩形板状をなしている。
【0057】
そして、本実施形態では、箱体4が、天板上面1aにおける左右方向Wの両端部以外の部位に載置されている。具体的に、箱体4は、天板上面1aにおいて隣り合う執務者の作業スペース同士を区画するように、左右方向Wの中間部位に間隔をあけて複数配置されている。
【0058】
本実施形態のデスク装置20によれば、前述の実施形態と同様の効果を奏する。
また、本実施形態においては、箱体4を、隣り合う執務者の天板上面1aの作業スペース同士の間に載置しているので、該箱体4によって、部品点数を増加させることなくこれら作業スペースを簡単に区画し仕切ることができる。
【0059】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るデスク装置30について、図面を参照して説明する。尚、前述の実施形態と同一部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0060】
図6に示されるように、本実施形態のデスク装置30は、第2実施形態で説明した天板1及び脚部2を備えている。また、図6に符号Eで示されるものは、執務者が作業するためのPCやモニター等の電子機器である。電子機器Eの配線は、箱体4の物品収納部11と天板上面1aとの間を通して、配線収容部3内の配線に連結されている。
そして、本実施形態では、天板上面1aに載置された箱体4における物品収納部11の長手方向Lが、該天板上面1aに平行な面方向のうち、左右方向Wに沿うように延びている。
【0061】
具体的に、箱体4は、天板上面1aにおける前後方向Dの中央部に位置しているとともに、左右方向Wの両端部以外の部位(左右方向Wの中間部位)に載置されている。また、箱体4の底壁は、天板上面1aにおける配線収容部3上に配置されている。
図示の例では、左右方向Wに隣接する箱体4、4の対が、左右方向Wに間隔をあけて2組設けられている。前記対をなす箱体4、4同士は、互いの開口部11aを前後方向Dの一方側と他方側とに開口して配置されている。
【0062】
そして、箱体4において物品収納部11から垂設され隣り合う支持脚12同士は、配線収容部3を跨ぐように配置されている。
具体的には、図8(a)(b)に示されるように、物品収納部11から垂下された複数の支持脚12のうち、該物品収納部11の短手方向Sに隣り合う支持脚12Cと支持脚12Dとの間の距離が、配線収容部3の前後方向Dに沿う長さ(幅)より大きくなっている。
尚、物品収納部11から垂下された複数の支持脚12のうち、該物品収納部11の長手方向Lに隣り合う支持脚12同士の間の距離は、支持脚12Cと支持脚12Dとの間の距離より大きくされているとともに、配線収容部3の前記幅より大きくなっている。
【0063】
本実施形態のデスク装置30によれば、前述の実施形態と同様の効果を奏する。
また、本実施形態においては、箱体4において隣り合う支持脚12C、12Dが、配線収容部3を跨ぐように配置されるので、天板上面1aにおいて該箱体4を安定して載置できる領域が増大して、前述の効果をより確実に得ることができる。
【0064】
ここで、図7(a)(b)及び図8(a)(b)に示されるものは、デスク装置30の変形例である。
この変形例では、箱体4が、天板上面1aにおける左右方向Wの端部に載置されている。そして、箱体4には、配線収容部3に係合することにより天板1の上面1aに対して該箱体4を位置決めする位置決め部材13が設けられている。
【0065】
図7(a)(b)に示されるように、位置決め部材13は、箱体4において左右方向Wに隣り合う支持脚12同士の間に配設されている。
図8(b)に示される側面視において、位置決め部材13は、物品収納部11の底壁に支持される取付板13aと、取付板13aの下方に離間されるとともに天板上面1aに当接又は接近配置される一対の載置板13bと、取付板13aの前後方向Dの両端部から下方へ向けて延びるとともに載置板13bの前後方向Dの外側の端部に連結される一対の連結板13cと、載置板13bの前後方向Dの内側の端部から下方に向けて延びるとともに配線収容部3の上端開口部に係合される一対の係合板(係合部)13dと、を備えている。
【0066】
そして、位置決め部材13における一対の係合板13dが、配線収容部3における上端開口部に前後方向Dの外側へ向けてそれぞれ当接されることにより、天板上面1aに対する箱体4の位置決めがなされているとともに、前後方向Dへのスライド移動が規制されている。
尚、位置決め部材13の取付板13aの下面と天板上面1aとの間の距離は、開状態とされたカバー部材7の上端部と天板上面1aとの間の距離Aより大きくなっている。
【0067】
この変形例によれば、箱体4に位置決め部材13が設けられており、該位置決め部材13が配線収容部3に係合することによって天板上面1aに対する箱体4の位置が決まるので、天板上面1aの所望の位置に簡易な操作で箱体4を載置でき、使い勝手を向上させることができる。
また、複数の執務者が共有して使用する大型のデスク装置30においては、位置決め部材13により位置決めされた箱体4によって、各執務者の作業スペースを所望の領域に区画しやすい。尚、図示の例では、箱体4が天板上面1aの作業スペースを前後方向Dに均等に分割するように区画している。
【0068】
また、図9に示されるものは、位置決め部材13の変形例である。
図9においては、位置決め部材13には、取付板13a及び連結板13cは設けられておらず、載置板13bには、支持脚12の下端部が挿入される孔13eが形成されている。また、係合板13dの下端部から前後方向Dの外側に向けて延びる支持板13fが設けられており、該支持板13fには、上下方向Hに貫通してネジ部材(係合部)13gが螺着されているとともに、該ネジ部材13gの上端部は、天板1の下面に当接可能となっている。
【0069】
この変形例によれば、図7及び図8で説明した位置決め部材13と同様の効果を奏するとともに、さらにネジ部材13gが設けられていることによって、天板上面1aに対する箱体4の左右方向Wの位置決めが行える。また、ネジ部材13gが設けられることにより、天板上面1aに対する箱体4の左右方向Wへのスライド移動、及び上下方向Hへの移動が規制される。
【0070】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係るデスク装置40について、図面を参照して説明する。尚、前述の実施形態と同一部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0071】
図10に示されるように、本実施形態のデスク装置40では、箱体4の上下方向Hの高さが、前述の実施形態で説明したものより低くなっている。そのため、天板上面1aにおいて隣り合う執務者の作業スペース同士を確実に区画する目的で、箱体4が、天板上面1aに立設された天板用仕切板14に隣接して配置されている。すなわち、天板用仕切板14の上下方向Hの高さは、箱体4の前記高さより高くされている。
【0072】
図示の例では、天板用仕切板14は、天板上面1aを左右方向W及び前後方向Dに区画するように複数延設されている。箱体4は、これら天板用仕切板14のうち、左右方向Wの中央部に配設されて前後方向Dに延びる天板用仕切板14に対して、物品収納部11の周壁のうち開口部11aとは反対側を向く背面を当接又は接近配置している。
天板用仕切板14は、例えばアクリル樹脂等の半透明樹脂から形成されている。
尚、図10において符号15で示されるものは、天板上面1aより前後方向D(左右方向Wであってもよい)の外側において隣り合う執務者の作業スペース同士を区画するサイドボードである。
【0073】
本実施形態のデスク装置40においても、前述の実施形態と同様の効果が得られる。
また、前述の実施形態で説明したものより、箱体4の外形が小さくされているので、天板上面1aにおける該箱体4の移動及び載置が容易である。
【0074】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係るデスク装置50について、図面を参照して説明する。尚、前述の実施形態と同一部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0075】
図11に示されるように、本実施形態のデスク装置50では、第4実施形態で説明した天板用仕切板14を用いる代わりに、箱体4に、仕切り壁16が立設されている。
図12〜図14に示されるように、本実施形態の箱体4は、第1〜第3実施形態で説明した箱体4に比べて、支持脚12の下端部から物品収納部11の天壁までの上下方向Hの高さが低くなっている一方、該物品収納部11から上方へ向けて、仕切り壁16が突設されている。
【0076】
図示の例では、仕切り壁16は、矩形板状をなしており、物品収納部11の周壁のうち、開口部11aとは反対側を向く背面に配設されているとともに、該物品収納部11の天壁から上方へ向けて突出している。
仕切り壁16は、例えばアクリル樹脂等の半透明樹脂から形成されている。
尚、本実施形態の箱体4は、第1〜第3実施形態で説明した箱体4より、短手方向Sの長さも短くなっている。
【0077】
本実施形態のデスク装置50においても、前述の実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態では、箱体4に仕切り壁16が立設されているので、該箱体4により区画される天板上面1aの作業スペースを、執務者が作業し易いように仕切ることができる。すなわち、箱体4を挟んで隣り合う執務者同士が、互いに意識するようなことなく作業に集中でき、作業効率が高められる。
また、本実施形態によれば、第4実施形態で説明したものと同様の効果を奏しつつも、天板上面1aにおける作業スペースの区画変更が容易であり、また部品点数を削減できる。
【0078】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態に係るデスク装置60について、図面を参照して説明する。尚、前述の実施形態と同一部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0079】
図15に示されるように、本実施形態のデスク装置60では、天板用仕切板14が、天板上面1aの前後方向Dの中央部に配設されているとともに、左右方向Wに延びている。具体的に、天板用仕切板14は、配線収容部3上に立設されている一方、カバー部材7は開閉可能とされている。
また、仕切り壁16を備えた箱体4が、天板上面1aにおいて左右方向Wに間隔をあけて複数配設されているとともに、該箱体4により、天板上面1aの作業スペースが左右方向Wに区画されている。
【0080】
本実施形態のデスク装置60においても、前述の実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態では、天板用仕切り板14によって、天板1を挟んで前後方向Dに向かい合う(すなわち正対する)執務者の作業スペース同士を確実に区画でき、作業効率の安定的な向上が期待できる。
また、仕切り壁16を備えた箱体4によって、天板上面1aのうち左右方向Wに隣り合う執務者の作業スペース同士を簡単に区画変更でき、使い勝手がよい。
【0081】
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0082】
例えば、前述の実施形態では、デスク装置10、20、30、40、50、60(以下、デスク装置と省略)が、企業等の執務室において執務用デスクとして用いられることとしたが、これに限定されるものではなく、それ以外の病院、官公庁、学校等の各種団体や個人用のデスク装置として使用されてもよい。
【0083】
また、天板1の厚さ方向が、鉛直方向に沿うように配設されているとしたが、鉛直方向に対して傾斜して配設されていてもよい。
また、天板1が複数の分割板6を連結し構成されていることとしたが、これに限定されるものではなく、天板1が長尺に一体形成されていてもよい。また、天板1が、単一の分割板6からなるとともに、該天板1の作業面(上面1a)の面積が小さく設定されていても構わない。
【0084】
また、天板1(分割板6)、脚部2、配線収容部3、箱体4(物品収納部11、支持脚12及び仕切り壁16)、デスクサイド什器5、椅子、カバー部材7の形状や数量は、前述の実施形態で説明したものに限定されない。
【0085】
また、配線収容部3が、左右方向Wに沿って延びているとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、左右方向Wに隣り合う分割板6同士の間に配置されているとともに、前後方向Dに沿って延びていてもよい。また、配線収容部3が、分割板6周りにコ字状に形成されていても構わない。
【0086】
ここで、図16(a)に示されるものは、箱体4の変形例を表している。
図16においては、箱体4の物品収納部11に配線接続部17が形成されており、該配線接続部17を介して、配線収容部3内の配線と、電子機器Eの配線とが電気的に接続可能とされている。
この変形例によれば、天板上面1aにおける配線収容部3上に箱体4を設置した状態から、電子機器Eの配線接続がより簡便に行える。
【0087】
また、前述の実施形態では、複数の支持脚12が、互いに独立した棒状をなしているとともに、物品収納部11の底壁から下方に向けてそれぞれ突設されているとしたが、これに限定されるものではない。
ここで、図16(b)(c)に示されるものは、支持脚12の変形例を表している。
図16(b)においては、支持脚12は、ワイヤー状をなしており、前後方向D(左右方向Wでもよい)に隣り合う支持脚12同士は、一体に形成されている。
また、図16(c)においては、支持脚12は、板状(ソリッド状)に一体形成されている。
また、支持脚12が、物品収納部11の底壁から下方に向けて垂設される代わりに、例えば、物品収納部11の周壁から側方に向けて突出された後、下方に向けて折り返されるように垂設されていても構わない。
【0088】
また、図17〜図19は、支持脚12及び位置決め部材13の他の実施例を示している。
この実施例では、図17に示されるように、支持脚12は、箱体4の物品収納部11の底壁から下方へ向けて突設されているとともに、該箱体4の短手方向Sに延在する矩形板状に形成されている。支持脚12の下面のうち、箱体4の長手方向Lの外側部分には、位置決め部材13の後述する係止爪31bが挿入される係止穴21が開口されている。図示の例では、係止穴21は、短手方向Sに沿って延びる矩形穴状とされている。また、支持脚12の下面のうち、長手方向Lの内側部分には、天板上面1aに粘着(離脱可能に接着)される粘着シート22が配設されている。図示の例では、粘着シート22は、短手方向Sに延びる帯状とされている。
【0089】
また、位置決め部材13は、支持脚12に連結される第1クランプ体31と、配線収容部3に係合するとともに、ネジ部材33を介して第1クランプ体31に連結される第2クランプ体32と、を備えている。
【0090】
図19に示される側面視で、第1クランプ体31は、天板1の上面1aに載置される載置板31aと、載置板31aの端部(詳しくは、箱体4の長手方向Lの内側(図19における右側)の端部)から上方へ向けて延びる係止爪31bと、載置板31a上に積層されるとともに、ネジ部材33のネジ部先端を受け入れ可能なネジ挿入穴31dが穿設されたネジ受板31cと、を備えている。
【0091】
図示の例では、載置板31aは、矩形板状をなしており、該載置板31aにおける箱体4の短手方向Sに沿う長さは、支持脚12の前記長さと略同一となっている。
図19において、係止爪31bは、支持脚12の係止穴21内に挿入された状態で、該係止穴21の内面に当接している。尚、図17に示される例では、係止爪31bは、箱体4の短手方向Sに間隔をあけて一対形成されており、図18に示される例では、係止爪31bは、載置板31aより短手方向Sに短い形状とされて、1つ形成されている。係止爪31bにおける短手方向Sに沿う両端部間の距離は、係止穴21の前記距離に対応して設定される。
また、ネジ挿入穴31dは、ネジ受板31cを高さ方向Hに貫通している一方、載置板31aには穿設されておらず、該ネジ受板31cに短手方向Sに間隔をあけて一対形成されている。尚、ネジ挿入穴31dは、ネジ受板31cに止め穴(つまり貫通孔でない)として形成されていてもよい。図19において、ネジ挿入穴31dの内径は、ネジ部材33のネジ部外径より若干大きくされている。
【0092】
図19に示される側面視で、第2クランプ体32は、天板上面1aから上方に離間されるとともに第1クランプ体31のネジ受板31cに対向配置され、ネジ部材33が螺合するネジ孔32bが形成された支持板32aと、天板1の下面に当接される当接板32cと、これら支持板32a及び当接板32cの端部同士(詳しくは、箱体4の長手方向Lの外側(図19における左側)の端部同士)を連結する連結板32dと、を備えている。
【0093】
図17及び図18において、支持板32aは、矩形板状をなしており、該支持板32aにおける箱体4の短手方向Sの端部には、カバー板32eが垂設されている。また、図18において、ネジ孔32bは、ネジ受板31cにおける一対のネジ挿入穴31dの配置に対応して、支持板32aに一対形成されている。ネジ孔32bの内周面には、ネジ加工が施されている。
図17に示される例では、当接板32cは、箱体4の短手方向Sに間隔をあけて一対形成されている。
図19において、連結板32dは、配線収容部3の上端開口部に当接又は接近配置されている。
【0094】
図17〜図19を用いて説明した実施例では、第1クランプ体31の係止爪31bが支持脚12の係止穴21に係止されており、また、第2クランプ体32のネジ孔32bに対してネジ部材33をねじ込むことにより、第1クランプ体31の載置板31aと第2クランプ体32の当接板32cとの間に、天板1が挟み込まれるようになっている。
これにより、位置決め部材13が配線収容部3の上端開口部に係合されているとともに、箱体4が天板上面1aに位置決めされていて、前述の実施形態で説明したものと同様の効果を奏することになる。尚、本実施例においては、天板上面1aに対する箱体4の上方移動を、粘着テープ22により規制している。
【0095】
また、図20〜図24は、図17〜図19で説明した実施例の変形例を示している。尚、前述した実施例と同一部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
この変形例では、図21及び図23に示される側面視で、天板1の上面1aには、配線収容部3を挟むように一対の箱体4が載置可能とされている。具体的に、これら箱体4は、溝状の配線収容部3をその溝幅方向から挟むように、互いの物品収容部11の周壁における側面(長手方向Lを向く外面)同士を対向して配置されている。
【0096】
図20に示されるように、支持脚12の下面のうち、物品収容部11の長手方向Lに沿う外側部分には、位置決め部材13の係止爪31bが挿入される第1係止穴21A(21)が開口されており、該下面のうち、長手方向Lに沿う内側部分には、係止爪31bが挿入される第2係止穴21B(21)が開口されている。これら第1、第2係止穴21A、21Bは、それぞれ短手方向Sに沿って延びる矩形穴状とされている。
【0097】
また、支持脚12の下面における長手方向Lの中央部分(第1係止穴21Aと第2係止穴21Bとの間)には、規制部23が設けられている。規制部23は、第1係止穴21Aの内面(長手方向Lの内側を向く面)、又は第2係止穴21Bの内面(長手方向Lの外側を向く面)との間に係止爪31bを挟むように形成されていて、第1、第2係止穴21A、21Bに挿入された係止爪31bが該第1、第2係止穴21A、21Bの前記内面から離間される向きに移動することを規制している。
図20に示される例では、規制部23は、支持脚12の下面に形成されているとともに、天板上面1aに当接可能とされている。また、図22及び図24に示される例では、規制部23は、支持脚12の下面から一段後退するように(具体的には、前記下面から載置板31aの厚さより後退して)形成されている。
【0098】
そして、位置決め部材13は、一対の箱体4の物品収容部11における対向する周壁部分(周壁における側面)同士の間に間隔をあけて、箱体4を配置する第1設定位置(図21及び図22を参照)と、一対の箱体4の物品収容部11における対向する周壁部分同士を当接又は近接させて、箱体4を配置する第2設定位置(図23及び図24を参照)と、を備えている。
【0099】
図21及び図22は、箱体4が、位置決め部材13により第1設定位置に配置された状態を示している。図21に示されるように、天板上面1aにおいて隣り合う一対の箱体4の物品収容部11同士の間には、間隔Cが設けられており、該間隔Cは、天板用仕切板14の厚さと同等か、それより僅かに大きく設定されている。
図22に示されるように、第1設定位置において、位置決め部材13の係止爪31bは、第1係止穴21A内に挿入されている。また、係止爪31bにおいて長手方向Lの内側(図22における右側)を向く面と第2係止穴21Bにおいて長手方向Lの外側(図22における左側)を向く内面との間の距離は、(1/2)×Cとなっている。
【0100】
また、図23及び図24は、箱体4が、位置決め部材13により第2設定位置に配置された状態を示している。図23に示されるように、天板上面1aにおいて隣り合う一対の箱体4の物品収容部11同士は、互いの周壁部分同士を当接又は近接して配置されている。
図24に示されるように、第2設定位置において、位置決め部材13の係止爪31bは、第2係止穴21B内に挿入されている。また、係止爪31bにおいて長手方向Lの外側(図24における左側)を向く面と第1係止穴21Aにおいて長手方向Lの内側(図24における右側)を向く内面との間の距離は、(1/2)×Cとなっている。
【0101】
図20〜図24を用いて説明した変形例において、位置決め部材13を第1設定位置とした場合は、天板1の上面1aにおいて配線収容部3を挟むように隣り合う一対の箱体4の物品収容部11における周壁部分同士の間に、間隔Cをあけることができるので、この間隔Cに天板用仕切板14を配設して、天板上面1aの作業スペースを左右及び前後に(例えば図15に示される天板1において、間口方向(左右方向)W及び奥行き方向(前後方向)Dに)区画することができる。また、位置決め部材13を第2設置位置とした場合は、一対の箱体4の物品収容部11における周壁部分同士を当接又は近接して配置できるので、天板用仕切板14を用いることなく、これら箱体4自体により作業スペースを左右に(例えば図15の天板1における間口方向Wに)区画することができる。
【0102】
このように、使用者(作業者)の使い勝手に応じて箱体4の配置を変更(選択)することが可能となり、デスク装置としての使い勝手を良好なものとすることができるとともに作業スペースを有効利用でき、かつ、その体裁(天板上面1aの見映え)を良好に収めることができる。
【0103】
その他、本発明の前述の実施形態(実施例)、変形例及び前記尚書きで説明した構成要素を、適宜組み合わせても構わない。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前述の構成要素を周知の構成要素に置き換えることも可能である。
【符号の説明】
【0104】
1 天板
1a 上面
2 脚部
3 配線収容部
4 箱体
6 分割板
7 カバー部材
10、20、30、40、50、60 デスク装置
11 物品収納部
12 支持脚
13 位置決め部材
16 仕切り壁
A 開状態とされたカバー部材の上端部と天板上面との間の距離
B 物品収納部と天板上面との間の距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が作業面とされた天板と、
前記天板を支持する脚部と、
前記天板の上面から窪むように形成された配線収容部と、
前記天板の上面に載置される箱体と、を備え、
前記箱体は、
物品収納部と、
前記物品収納部を前記天板の上面から離間させて支持する支持脚と、を備えたことを特徴とするデスク装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデスク装置であって、
前記支持脚は、前記物品収納部に互いに間隔をあけて複数垂設されており、
隣り合う前記支持脚同士が、前記配線収容部を跨ぐように配置されることを特徴とするデスク装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のデスク装置であって、
前記配線収容部を開閉可能に覆うカバー部材が設けられ、
前記カバー部材が前記天板の上面から直立するように配置される開状態とされたときの該カバー部材の上端部と前記天板の上面との間の距離が、前記物品収納部と前記天板の上面との間の距離よりも小さくなっていることを特徴とするデスク装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のデスク装置であって、
前記天板は、複数の分割板が連結されて構成され、
前記配線収容部は、隣り合う前記分割板同士の間に配置されて溝状に延びていることを特徴とするデスク装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のデスク装置であって、
前記箱体には、前記配線収容部に係合することにより前記天板の上面に対して該箱体を位置決めする位置決め部材が設けられることを特徴とするデスク装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のデスク装置であって、
前記箱体には、仕切り壁が立設されていることを特徴とするデスク装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のデスク装置であって、
前記天板の上面に、前記配線収容部を挟むように一対の前記箱体が載置可能とされ、
前記位置決め部材は、
一対の前記箱体の前記物品収容部における対向する周壁部分同士の間に間隔をあけて、前記箱体を配置する第1設定位置と、
一対の前記箱体の前記物品収容部における対向する周壁部分同士を当接又は近接させて、前記箱体を配置する第2設定位置と、を備えることを特徴とするデスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−106929(P2013−106929A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−12128(P2012−12128)
【出願日】平成24年1月24日(2012.1.24)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】