データ処理装置
【課題】正確な顧客の名称を宛名欄に含めた領収書を印刷できるデータ処理装置を提供する。
【解決手段】POSサーバ1においては、同一顧客に係る会員コードと名称データとを対応づけた顧客データベースが構築されている。POSターミナル2では、会員カードから顧客を識別するための会員コードが取得され、この会員コードに基づいてPOSサーバ1の顧客データベースが参照されて、当該会員コードに対応する名称データが取得される。そして、POSターミナル2において、取得された名称データを宛名欄に含む領収書が印刷、発行される。これにより、正確な顧客の名称を宛名欄に含む領収書を確実に印刷でき、宛名欄を記入する繁雑な作業を不要にできる。
【解決手段】POSサーバ1においては、同一顧客に係る会員コードと名称データとを対応づけた顧客データベースが構築されている。POSターミナル2では、会員カードから顧客を識別するための会員コードが取得され、この会員コードに基づいてPOSサーバ1の顧客データベースが参照されて、当該会員コードに対応する名称データが取得される。そして、POSターミナル2において、取得された名称データを宛名欄に含む領収書が印刷、発行される。これにより、正確な顧客の名称を宛名欄に含む領収書を確実に印刷でき、宛名欄を記入する繁雑な作業を不要にできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の売買取引の決済に係るデータ処理を行うデータ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの各種店舗においては、POSターミナルやキャッシュレジスタなどと呼ばれる、売買取引の決済に係るデータ処理を行うデータ処理装置が使用されている。このようなデータ処理装置においては、売買取引に係る合計金額が演算されることから、その演算された合計金額を「受領額」として含む領収書を印刷して発行するものも提案されている。
【0003】
領収書には上記のような「受領額」の他に、支払いを行った顧客の名称を示す「宛名」の記載が必要である。一般に、このような「宛名」は、顧客からの口頭による指示に従って販売スタッフが手書きで記入するようになっている。しかしながら、このような「宛名」の記入には時間を要し、また、口頭指示に従うために誤った文字を記入することもある。
【0004】
このため、近年では、顧客の名称を示す名刺などの印刷文字をイメージスキャナで読み取り、OCR(光学文字認識)機能によってその文字を認識し(文字コードに変換し)、認識された文字列を宛名欄に含めて領収書を印刷するデータ処理装置なども提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2000−48266号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の特許文献1のデータ処理装置においては、OCR機能によって文字認識するため、文字の認識エラーが比較的頻繁に生じることになる。このため、データ処理装置を操作する販売スタッフは文字の認識エラーがないか否かを、読み取り毎に確認する必要があり、認識エラーが生じた場合は、結局、手書きで宛名を記入する必要があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、正確な顧客の名称を宛名欄に含めた領収書を確実に印刷できるデータ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、商品の売買取引の際に、当該売買取引の決済に係るデータ処理を行うデータ処理装置であって、顧客を識別するための識別コードを取得する第1取得手段と、同一顧客に係る識別コードと名称データとを対応付けたデータベースから、前記第1取得手段に取得された顧客コードに対応する名称データを取得する第2取得手段と、取得された前記名称データを宛名欄に含む領収書を印刷する印刷手段と、を備えている。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のデータ処理装置において、前記第2取得手段が前記第1取得手段に取得された識別コードに対応する名称データとして複数の名称データを取得したとき、当該複数の名称データのうちの一を印刷対象データとしてユーザ操作に基づいて選択する選択手段、をさらに備え、前記印刷手段は、前記印刷対象データを前記宛名欄に含む領収書を印刷する。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載のデータ処理装置において、販売者側に情報を表示するための販売側表示手段と、顧客側に情報を表示するための顧客側表示手段と、前記印刷対象データを選択する際に、前記販売側表示手段及び前記顧客側表示手段の双方に、前記印刷対象データの選択の候補となる名称データを表示させる表示制御手段と、をさらに備えている。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のデータ処理装置において、前記宛名欄を空欄とするユーザ指示を受け付ける手段、をさらに備え、前記印刷手段は、前記ユーザ指示を受け付けたとき、前記名称データを前記宛名欄に含めずに前記領収書を印刷する。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のデータ処理装置において、前記識別コードは、電話番号を含む。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のデータ処理装置において、前記第2取得手段は、前記データ処理装置とネットワークを介して接続されたサーバ装置に記憶されたデータベースから、前記ネットワークを介して前記名称データを取得する。
【0014】
また、請求項7の発明は、商品の売買取引の際に、当該売買取引の決済に係るデータ処理を行うデータ処理装置であって、顧客が所持する電磁的な記録素子を有する可搬性のデータキャリアから、当該顧客に係る名称データを取得する取得手段と、取得された前記名称データを宛名欄に含む領収書を印刷する印刷手段と、を備えている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1ないし7の発明によれば、正確な名称を宛名欄に含む領収書を確実に印刷でき、宛名欄を記入する繁雑な作業が不要となる。
【0016】
また、特に請求項2の発明によれば、領収書の宛名欄に含ませるべき名称データを、複数の候補のうちから選択できる。
【0017】
また、特に請求項3の発明によれば、印刷対象データの選択の候補となる名称データが、販売側表示手段及び顧客側表示手段の双方に表示されるため、販売者と顧客との意思の疎通が容易となり、顧客の希望する名称データを印刷対象データとして容易に選択できる。
【0018】
また、特に請求項4の発明によれば、必要に応じてデータベースにない名称を領収書の宛名欄に記入できる。
【0019】
また、特に請求項5の発明によれば、汎用の電話帳データベースを使用できる。
【0020】
また、特に請求項6の発明によれば、ネットワークを利用して名称データを取得できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下では、本発明の実施の形態に係るデータ処理装置の一としてPOSターミナルについて図面を参照しつつ説明する。
【0022】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.構成>
図1は、第1の実施の形態に係るPOSターミナル2が適用されるPOSシステム100の構成を示す図である。このPOSシステム100は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店舗において採用されるものであり、POSサーバ1と複数のPOSターミナル2とを備えている。POSサーバ1及びPOSターミナル2はそれぞれLAN3に接続され、相互に通信可能とされている。
【0023】
POSサーバ1は、POSシステム100の全体を統括的に制御するものであり、通常は店舗の販売エリアとは別の管理事務所等に配置される。一方、POSターミナル2は、店舗の販売エリアに配置され、商品の売買取引の際に、販売者たる店舗の販売スタッフによって実際に操作される。具体的には、POSターミナル2は、商品の売価の合計金額の演算、及び、商品の売買取引の決済(以下、併せて「精算処理」という。)に用いられる。精算処理の完了の際にPOSターミナル2は、その精算処理に係る「レシート」を発行するが、顧客の要求に応じてさらに追加的に「領収書」も発行できるようになっている。
【0024】
なお、本明細書において「領収書」とは、「債権者(販売者)が債務の弁済として金銭を受領したときに、その証拠として弁済者(顧客)に交付する文書(民法486条の受取証書)」を示す。また、本明細書において「レシート」といった場合は、「精算処理の各種の結果を示す印刷物」を示し「領収書」と区別する。
【0025】
図2は、POSサーバ1の構成を機能ブロックにて示す図である。POSサーバ1は、ハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、POSサーバ1は、演算処理を行うCPU11と、基本プログラムを記憶するROM12と、演算処理の作業領域となるRAM13と、各種データを記憶するハードディスク14とをバスライン10に接続した構成となっている。さらに、POSサーバ1は、各種情報の表示を行うディスプレイ15と、キーボード及びマウス等の入力部16と、LAN3を介して通信を行う通信部17とを備え、これらはそれぞれバスライン10に接続される。
【0026】
ハードディスク14には固有の処理プログラムが記憶されており、CPU11は、この処理プログラムに従って演算処理を行うことで、POSサーバ1としての各種機能を実現する。また、ハードディスク14には、さらに、商品マスタ41及び顧客データベース42などのデジタルデータが記憶される(詳細は後述。)。
【0027】
図3は、POSターミナル2の構成を機能ブロックにて示す図である。POSターミナル2は、装置全体を制御する制御部21と、各種情報の表示を行う2つのディスプレイ22,23と、ユーザの操作や入力を受け付ける入力部24と、商品に付されたバーコードなどを読み取るバーコードリーダ25と、レシートや領収書を印刷して発行する印刷発行部26と、LAN3を介して通信を行う通信部27とを備えて構成され、これらはそれぞれバスライン20に接続される。
【0028】
制御部21は、各種演算処理を行うCPU201と、制御用プログラム等を記憶するROM202と、演算処理の作業領域となるRAM203と、各種データを記憶する不揮発性メモリであるバッテリーバックアップされたSRAM204と、計時機能を有するタイマ205とを備えている。CPU201は、ROM202内の制御用プログラムに従って演算処理を行なうことで、装置各部の制御機能や、精算処理のためのデータ処理機能を実現する。
【0029】
また、2つのディスプレイ22,23のうち、一方のディスプレイ22は、操作を行うユーザたる販売スタッフの側に示すべき情報を表示する販売側ディスプレイ22であり、他方のディスプレイ23は、顧客の側に示すべき情報を表示する顧客側ディスプレイ23である。
【0030】
販売側ディスプレイ22の画面は、ドットマトリクス式の液晶で構成されており、文字、図形及び画像などの各種の情報をカラー表示することが可能となっている。また、販売側ディスプレイ22はタッチパネル機能を有しており、ユーザは直接的に販売側ディスプレイ22の画面に触れることで各種の動作指示を行うことが可能となっている。
【0031】
一方、顧客側ディスプレイ23の画面は、比較的簡易なVFD(蛍光表示管)で構成されており、2行の文字列の単色表示のみが可能となっている。この顧客側ディスプレイ23の画面は、精算処理において顧客が視認しやすい向きに、その向きを調整可能とされている。
【0032】
<1−2.データ概要>
次に、POSサーバ1のハードディスク14に記憶されるデータについて説明する。前述のように、POSサーバ1のハードディスク14には、商品マスタ41及び顧客データベース42が記憶される(図2参照。)。
【0033】
商品マスタ41は、店舗内で扱われる商品についての各種の情報を示すデータである。この商品マスタ41は、精算処理においてPOSターミナル2が、商品の「商品名」や「売価」を取得するために利用される。商品マスタ41は、複数のレコードからなるテーブル形式となっており、各レコードごとに「商品コード」に対して「商品名」及び「売価」などが関連付けられて登録されている。
【0034】
一方、顧客データベース42は、当該店舗を利用する顧客についての各種の情報を示すデータである。この顧客データベース42における顧客に関する情報は、顧客が当該店舗の会員になった際に登録される。
【0035】
図4は、顧客データベース42の一例を示す図である。図に示すように、顧客データベース42は、複数のレコード(行データ)41rからなるテーブル形式となっている。各レコードは一の顧客(会員)に対応しており、各レコード41rごとに同一の顧客に係る各種の情報が相互に関連付けられて登録されている。具体的には、各レコード41rごとに「会員コード」に対して「第1名称データ」「第2名称データ」「第3名称データ」「電話番号」「ポイント」及び「最終取引日」などの情報が関連付けられている。
【0036】
「会員コード」とは、会員としての顧客を識別するための識別コードであり、顧客毎に固有のものが付与される。また、「第1名称データ」「第2名称データ」「第3名称データ」とは、顧客の名称を示す名称データである。本実施の形態では、一の顧客に対して3つの名称データ(「第1名称データ」「第2名称データ」「第3名称データ」)が登録可能となっている。ここで、「第1名称データ」は原則として顧客個人の氏名を示し、「第2名称データ」及び「第3名称データ」は原則として顧客が所属する団体の名称を示すことになる。なお、「第2名称データ」及び「第3名称データ」は任意の登録事項であり、いずれかのみが登録されていることや、双方共に登録されていないこともある。また、「電話番号」とは顧客の連絡先となる電話番号であり、「ポイント」とは顧客の店舗の利用状況に応じて付与される特典のための点数である。
【0037】
本実施の形態の店舗では、この顧客データベース42において会員として登録された顧客に対して、ポイントカードとしての会員カードが付与される。図5は、この会員カードの例を示す図である。図に示すように、会員カード5の表面には、当該会員カード5を所持する顧客の「会員コード」を示すバーコード51が付されることになる。
【0038】
<1−3.精算処理>
次に、POSターミナル2を利用してなされる精算処理の流れについて説明する。図6は、精算処理の流れを示す図である。図6に示す一連の精算処理は、一の顧客が購入を希望する商品群ごとになされるものである。
【0039】
まず、顧客が店舗の会員であれば、顧客から会員カード5が提示される。そして、この会員カード5に付されたバーコード51が、バーコードリーダ25によって読み取られ、これにより当該顧客の「会員コード」が取得される(ステップS1)。
【0040】
取得された「会員コード」は、POSサーバ1に送信される。POSサーバ1では、これに応答して顧客データベース42のうちから当該「会員コード」を含むレコード41rが検索され、該当したレコード41rの情報がPOSターミナル2に返信される。これにより、POSターミナル2は、当該顧客の「会員コード」に対応する「第1名称データ」「第2名称データ」「第3名称データ」「電話番号」「ポイント」及び「最終取引日」などの情報、すなわち、当該顧客に係る各種の情報を取得する。取得した顧客の情報は、RAM203に記憶される(ステップS2)。
【0041】
なお、これらステップS1及びS2の処理は、顧客が会員である場合(顧客から会員カード5が提示された場合)にのみなされるものであり、これらの処理がなされず、そのまま次のステップS3の処理がなされることもある。
【0042】
次に、顧客が購入を希望する商品群のうちの一の商品に付されたバーコードがバーコードリーダ25によって読み取られ、これにより当該商品の「商品コード」が取得される(ステップS3)。
【0043】
取得された「商品コード」は、POSサーバ1に送信される。POSサーバ1では、これに応答して商品マスタ41のうちから当該「商品コード」を含むレコードが検索され、該当したレコードがPOSターミナル2に返信される。これにより、POSターミナル2は、当該商品の「商品名」及び「売価」などの情報を取得する。取得した商品の情報は、RAM203に記憶される(ステップS4)。
【0044】
このステップS3及びS4の処理は、顧客が購入を希望する全ての商品に関して同様に繰り返される(ステップS5)。これにより、全ての商品に関しての「商品名」及び「売価」などの情報がRAM203に記憶されることになる。
【0045】
全ての商品に関しての情報が得られると、次に、これらの「売価」の合計である「合計金額」がCPU201により演算される。求められた「合計金額」は販売側ディスプレイ22とともに、顧客側ディスプレイ23にも表示され、顧客に対して示される(ステップS6)。
【0046】
続いて、顧客から預かった現金の金額が、販売スタッフにより入力部24を介して入力される。これに応答して、CPU201により、入力金額から「合計金額」が差し引かれて「釣銭金額」が演算され、演算された「釣銭金額」がディスプレイ22,23に表示される。これにより、決済処理が完了する(ステップS7)。次に、「合計金額」に基づいて当該顧客に係る新たな「ポイント」が導出され、POSサーバ1に送信され、顧客データベース42における当該顧客に係るレコード41rの内容に反映される(ステップS8)。
【0047】
次に、上記一連の処理の結果として得られた各商品の「商品名」「売価」並びに「合計金額」「釣銭金額」及び「ポイント」などの情報を含むレシートが、印刷発行部26により印刷されて発行される(ステップS9)。
【0048】
以上で一連の精算処理が完了するが、顧客から当該精算処理に係る領収書の発行の要望があった場合は、この時点で、販売スタッフは入力部24に含まれる所定の「領収書発行ボタン」を押下して、POSターミナル2に対して領収書発行指示を行う(ステップS10にてYes)。これにより、POSターミナル2では、領収書を発行する領収書発行処理(ステップS11)がなされることになる。
【0049】
<1−4.領収書発行処理>
図7は、領収書発行処理(図6:ステップS11)の流れを示す図である。この領収書発行処理では、上記のステップS2において取得された顧客の名称データを宛名欄に含めた領収書が印刷、発行されるようになっている。
【0050】
具体的にはまず、RAM203に当該顧客に係る名称データが記憶されているか否かが判定される。例えば、顧客から会員カード5が提示されなかった場合などにおいては、ステップS2において名称データが取得されず、RAM203に名称データが記憶されていない。このため、この場合(ステップS21にてNo)は、宛名欄に名称データを含めることができないため、宛名欄を空欄とした領収書が印刷発行部26により印刷されて発行される(ステップS25)。
【0051】
一方、RAM203に名称データが記憶されていた場合(ステップS21にてYes)は、次に、印刷すべき名称データを選択するための名称選択画面が販売側ディスプレイ22に表示される(ステップS22)。
【0052】
前述のように、本実施の形態では、一の「会員コード」に対して最大3つの名称データ(「第1名称データ」「第2名称データ」「第3名称データ」)が関連付けられる。このため、これらの名称データは印刷の候補となり、これらのうちから印刷すべきものを選択する必要がある。名称選択画面は、このような「会員コード」に対応する名称データのうちから一を、印刷すべき名称データ(以下、「印刷対象データ」という。)としてユーザに選択させるために表示される。
【0053】
図8は、販売側ディスプレイ22に表示された名称選択画面の一例を示す図である。図に示すように、名称選択画面においては、印刷対象データの選択の候補となる名称データ(「第1名称データ」「第2名称データ」「第3名称データ」)がそれぞれ、コマンドボタン(以下、「名称ボタン」という。)61として表示される。なお、「第2名称データ」及び「第3名称データ」は任意の登録事項であることから、名称データが1つまたは2つしか存在しないときもある。この場合は、存在する名称データと同数の名称ボタン61が表示されることになる。
【0054】
ユーザたる販売スタッフは、タッチパネル機能を有する画面上の任意の名称ボタン61に触れることで、任意の名称データを印刷対象データとして仮選択できる。これにより仮選択された名称データは反転表示される。図中では、仮選択された名称データを示す名称ボタン61をハッチングにて示している。
【0055】
そして、名称ボタン61の下方にあるコマンドボタンである確定ボタン62に触れた時点で、仮選択されている名称データが、印刷対象データとして確定される。確定ボタン62に触れる前までの名称データの選択はあくまで仮選択であるため、他の名称ボタン61に触れることで他の名称データを替わりに仮選択することも可能である。なお、印刷対象データの選択の候補となる名称データが一つのみのときは、その名称データが自動的に仮選択される。
【0056】
また、確定ボタン62に触れる前までにおいては、仮選択された名称データは、図9に示すように顧客側ディスプレイ23にも表示される。もちろん、仮選択する名称データを変更した場合は、これに合わせて、顧客側ディスプレイ23に表示される名称データも変更される。したがってこれにより、印刷対象データの選択の候補となる名称データとしてどのような名称データが存在し、現時点でいずれの名称データが仮選択されているのかが顧客に対しても示されることになる。
【0057】
また、名称選択画面においては、確定ボタン62の右方に、空欄ボタン63が配置される(図8参照。)。この空欄ボタン63は、領収書の宛名欄を空欄とするユーザ指示(以下、「空欄指示」という。)を行うためのコマンドボタンである。印刷対象データの選択の候補として表示された名称データのうちに、領収書の宛名として適当な名称が存在しないときには、領収書の宛名欄を手書きで記入したいという場面もあり得る。空欄ボタン63は、このような場合に対応できるようにするために設けられる。
【0058】
ユーザたる販売スタッフは顧客の要望を確認し、図8に示す画面において、いずれかの名称データを仮選択した上で確定ボタン62に触れるか、あるいは、空欄ボタン63に触れることになる。この際には、印刷対象データの選択の候補となる名称データが顧客側ディスプレイ23にも表示されるため、いずれの名称データを印刷したいか、あるいは、宛名欄を空欄にしたいかの顧客の要望を容易に確認できる。
【0059】
確定ボタン62及び空欄ボタン63のいずれかが触れられると、次に、これにより受け付けたユーザ指示が判断される。そして、空欄ボタン63が触れられることにより、空欄指示を受け付けたときは(ステップS23にてYes)、名称データを宛名欄に含めずに空欄とした領収書が、印刷発行部26により印刷されて発行される(ステップS25)。
【0060】
一方、確定ボタン62が触れられることにより、印刷対象データの選択を確定する指示を受け付けたときは(ステップS23にてNo)、仮選択されている名称データが印刷対象データとして確定される。そして、確定された印刷対象データを宛名欄に含めた領収書が、印刷発行部26により印刷されて発行されることになる(ステップS24)。
【0061】
図10は、印刷対象データを宛名欄に含めるようにして発行された領収書の一例を示す図である。図に示すように、領収書7には、日付欄71、宛名欄72、受領額欄73及び販売者欄74等が含まれている。
【0062】
そして、宛名欄72には、選択された印刷対象データが印刷されている。この印刷対象データは、デジタルデータたる顧客データベース42に登録された名称データに基づくものであるため、正確な顧客の名称を確実に示すことになる。なお、日付欄71にはタイマ205で得られた日付、受領額欄73には精算処理において求められた「合計金額」、販売者欄74には販売者を示す所定情報がそれぞれ印刷される。このため、「領収書」として必要な情報が不足なく含まれた「領収書」が発行されることになる。これにより、販売スタッフは「領収書」に手書きで他の情報を追加記入する必要がなくなり、領収書の発行に係る作業の効率を大幅に向上できる。
【0063】
また、図11は、空欄指示を受け付けたときに発行された領収書の一例を示す図である。図10と比較してわかるように、図11に示す領収書7にも、日付欄71、宛名欄72、受領額欄73及び販売者欄74等が含まれているが、宛名欄72は空欄となっている。これにより、顧客データベース42に登録された名称データ以外の名称を、宛名欄72に手書きで記入できることになる。
【0064】
<1−5.まとめ>
以上説明したように、本実施の形態のPOSターミナル2では、会員カード5から顧客を識別するための会員コードが取得され、この会員コードに基づいて顧客データベース42が参照されて、当該会員コードに対応する名称データが取得される。そして、取得された名称データを宛名欄に含む領収書が印刷されるようになっている。これにより、正確な顧客の名称を宛名欄に含む領収書を確実に印刷でき、宛名欄を記入する繁雑な作業を不要にできる。
【0065】
また、会員コードに対応する名称データとして複数の名称データがあるとき、これら複数の名称データのうちの一が印刷対象データとしてユーザ操作に基づいて選択される。そして、選択された印刷対象データを宛名欄に含む領収書が印刷される。このため、領収書の宛名欄に含ませるべき名称データを、複数の候補のうちから選択できる。
【0066】
また、印刷対象データを選択する際には、販売側ディスプレイ22と顧客側ディスプレイ23との双方に、印刷対象データの選択の候補となる名称データが表示される。このため、販売スタッフと顧客との意思の疎通が容易となり、顧客の希望する名称データを印刷対象データとして容易に選択できる。
【0067】
また、空欄指示を受け付けたとき、名称データを宛名欄に含めずに領収書を印刷して発行するため、必要に応じて顧客データベース42に登録されていない名称を領収書の宛名欄に記入できることになる。
【0068】
<2.第2の実施の形態>
<2−1.電話番号の利用>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、顧客から会員カード5が提示されなかった場合においては、領収書の宛名欄に名称データを含めることができなかった。つまり、顧客が会員であり、当該顧客に係る名称データが顧客データベース42に登録されていても、当該顧客が会員カード5を忘れた場合は対応不可能であった。本実施の形態では、顧客を識別するための識別コードとして会員コードとともに、電話番号を利用することで、顧客が会員カード5を忘れた場合にも対応できるようにしている。
【0069】
本実施の形態のPOSターミナル2、及び、POSターミナル2が適用されるPOSシステム100の構成は第1の実施の形態と同一である。また、本実施の形態のPOSターミナル2の動作は、領収書発行処理(図6:ステップS11)のみが第1の実施の形態と相違する。
【0070】
図12は、本実施の形態のPOSターミナル2の領収書発行処理の流れを示す図である。この処理において、ステップS31にてYesとなった以降の処理(すなわち、顧客が会員カード5を提示した場合の処理)であるステップS32〜S35の処理は、図7のステップS22〜S25の処理と同一であるため、説明を省略する。
【0071】
顧客が会員カード5を提示せずRAM203に名称データが記憶されていなかった場合(ステップS31にてNo)は、まず、顧客の電話番号の入力を促す画面が販売側ディスプレイ22に表示される。これにより販売スタッフは、顧客に「電話番号」の問い合せを口頭で行い、聞き出した「電話番号」を入力部24を介して入力する。
【0072】
このとき、顧客の「電話番号」が入力されなかった場合は(ステップS36にてNo)、宛名欄を空欄とした領収書が印刷発行部26により印刷されて発行される(ステップS35)。
【0073】
一方、「電話番号」が入力された場合は(ステップS36にてYes)、入力された「電話番号」がPOSサーバ1に送信される。そして、POSサーバ1では、これに応答して顧客データベース42のうちから当該「電話番号」を含むレコード41rが検索される。この検索によって、該当したレコード41rが存在した場合は、そのレコード41rがPOSターミナル2に返信される。これにより、POSターミナル2は、当該「電話番号」が含まれるレコード41rの「会員コード」「第1名称データ」「第2名称データ」「第3名称データ」「ポイント」及び「最終取引日」などの情報、すなわち、当該顧客に係る各種の情報を取得する。取得した顧客の情報はRAM203に記憶される(ステップS37)。
【0074】
このようにして「電話番号」に基づいて名称データが取得された場合は(ステップS38にてYes)、処理はステップS32に進み、以降は、図7のステップS22〜S25の処理と同様にして、名称データを宛名欄に含む領収書、あるいは、希望に応じて宛名欄を空欄とした領収書が印刷されることになる(ステップS32〜S35)。
【0075】
しかしながら、ステップS37において、当該「電話番号」を含むレコード41rが顧客データベース42に存在しなかった場合には、POSサーバ1からは、その旨のエラーコードのみがPOSターミナル2に返信される。したがってこの場合は、POSターミナル2は名称データを取得できないため(ステップS38にてNo)、宛名欄を空欄とした領収書が印刷発行部26により印刷されて発行されることになる(ステップS35)。
【0076】
このように、本実施の形態では、顧客を識別するための識別コードとして「会員コード」とともに「電話番号」も利用する。このため、顧客が会員カード5を忘れた場合でも、「電話番号」に基づいて顧客データベース42から名称データを取得でき、正確な顧客の名称を宛名欄に含む領収書を印刷できることになる。
【0077】
<2−2.変形例1>
なお、この第2の実施の形態では「電話番号」に基づいてPOSシステム100専用のデータベースたる顧客データベース42のみを検索している。しかしながら、このように「電話番号」を利用する場合は、「電話番号」と「名称データ」とが関連付けられて含まれる汎用の電話帳データベースなども検索対象として利用可能である。このため、例えば、インターネット上に存在する汎用の電話帳データベースを検索対象として利用するようにしてもよい。
【0078】
図13は、この場合におけるPOSシステム100の構成を示す図である。図に示すように、このPOSシステム100は、POSサーバ1及び複数のPOSターミナル2とともに、LAN3とインターネット81とを通信可能に結合するルータ装置8が設けられている。このような構成により、POSサーバ1及び複数のPOSターミナル2のそれぞれは、ルータ装置8を介して、インターネット81に結合されたコンピュータ等と通信可能となっている。
【0079】
また、この変形例1では、インターネット81に結合して所定のデータサーバ82が存在している。そして、このデータサーバ82の記憶装置内においては、電話帳データベース83が構築されている。この電話帳データベース83は、各レコードごとに同一の人物に係る「電話番号」と「名称データ」と「住所データ」とを相互に関連付けたものであり、インターネット81に結合された他のコンピュータから利用可能に公開されている。したがって、POSターミナル2のそれぞれも電話帳データベース83を利用可能となっている。データサーバ82のネットワークアドレス(IPアドレスやURLなど)は、予めPOSターミナル2のRAM203に記憶されている。
【0080】
この変形例1のPOSターミナル2の領収書発行処理は、図12に示すものとほぼ同様である。ただし、ステップS37においては、入力された「電話番号」に基づいてインターネット81を介してデータサーバ82の電話帳データベース83が検索される。そして、電話帳データベース83に「電話番号」を含むレコードが存在した場合は、そのレコードに含まれる「名称データ」がPOSターミナル2に返信されることになる。すなわち、POSターミナル2は、インターネット81を介して顧客の「名称データ」を取得することになる。
【0081】
この変形例1によれば、インターネット81上に存在する汎用の電話帳データベース83を利用するため、顧客の情報が顧客データベース42に登録されていなくても、顧客の名称データを取得できる。このため、会員以外の顧客に関しても、正確な顧客の名称を宛名欄に含む領収書を印刷できることになる。
【0082】
<2−3.変形例2>
また、上記と同様の汎用の電話帳データベースを、予めPOSサーバ1のハードディスク14に記憶させてもよい。図14は、この場合におけるPOSサーバ1の構成を示す図である。図に示すように、POSサーバ1のハードディスク14には、商品マスタ41及び顧客データベース42の他に、電話帳データベース43が記憶されている。この電話帳データベース43は、予めCD−ROMなどの記録媒体を介して、あるいは、インターネットを介したダウンロードなどによりハードディスク14に記憶される。
【0083】
この変形例2のPOSターミナル2の領収書発行処理も図12に示すものとほぼ同様であるが、ステップS37においては、「電話番号」に基づいてPOSサーバ1内の電話帳データベース43が検索される。この変形例2によれば、POSターミナル2がインターネットの通信機能を有していなくても、会員以外の顧客に関する名称を宛名欄に含む領収書を印刷できることになる。
【0084】
<3.第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。上記実施の形態では、予め構築されたデータベースを検索して顧客の名称データを取得するようにしていたが、この第3の実施の形態では、顧客が所持する会員カードから直接的に名称データを取得するようになっている。すなわち、第3の実施の形態では、電磁的な記録素子を有するICカード(「スマートカード」とも呼ばれる。)が会員カードに採用され、会員カードに記録された名称データがPOSターミナル2に取得されるようになっている。
【0085】
図15は、本実施の形態のPOSターミナル2の構成を示す図である。図に示すように、POSターミナル2の構成は、図3に示す構成とほぼ同様であるが、さらに、ICカードで構成される会員カードに記憶されたデータの読取/書込が可能なICカードリーダライタ28を備えている。ICカードリーダライタ28もバスライン20に接続され、制御部21の制御下で動作する。したがって、制御部21は、ICカードリーダライタ28を介して会員カードから得られたデータも取り扱うことが可能となっている。
【0086】
図16は、本実施の形態において採用される会員カードの構成を示す図である。図に示すようにICカードとしての会員カード50は、集積回路たるICチップ52と、電波通信を行うためのアンテナコイル53とをその内部に備えている。なお、図においては、非接触型のICカードの構成を例として示しているが、接触型のICカードであってもよい。
【0087】
ICチップ52は、各種の演算を行うCPUと、データを電磁的に記録するEEPROMなどの記録素子とを有している。本実施の形態のICチップ52の記録素子には、当該会員カード5を所持する顧客に係る各種の情報、具体的には、「会員コード」「第1名称データ」「第2名称データ」「第3名称データ」「電話番号」及び「ポイント」などがデジタルデータとして記憶される。したがって、会員カードにおいても一又は二以上の名称データが記憶されることになる。
【0088】
図17は、本実施の形態における精算処理の流れを示す図である。本実施の形態においても、まず、顧客が店舗の会員であれば、顧客から会員カード5が提示される。そして、この会員カードに記憶されたデータが、そのまま、ICカードリーダライタ28を利用してPOSターミナル2に取得される。すなわち、POSターミナル2は、会員カードから直接的に当該顧客に係る名称データを取得することになる(ステップS41)。
【0089】
以降のステップS43〜S51の処理は、図6のステップS3〜S11の処理とほぼ同様である。ただし、ステップS48の処理においては、導出された新たな「ポイント」がICカードリーダライタ28を利用して会員カード5に書き込まれることになる。また、ステップS51の領収書発行処理も、会員カードから直接的に取得された一又は二以上の名称データが利用される点を除いて、図7に示す処理と同一である。これにより、会員カードから直接的に取得された名称データを宛名欄に含む領収書が印刷、発行されることになる。
【0090】
このように第3の実施の形態では、デジタルデータとしての名称データを会員カードから直接取得するため、正確な顧客の名称を宛名欄に含む領収書を確実に印刷できる。また、データベースが予め構築されている必要もない。
【0091】
<4.その他の実施の形態>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0092】
例えば、上記実施の形態では、印刷対象データを選択する際に顧客側ディスプレイ23には仮選択された一の名称データのみが表示されるとしたが、顧客側ディスプレイ23の画面として販売側ディスプレイ22と同様にドットマトリクス式の液晶を採用し、図18に示すように、顧客側ディスプレイ23に印刷対象データの選択の候補となる全ての名称データを表示してもよい。この場合においては、仮選択された名称データを示す名称ボタン61を販売側ディスプレイ22と同様に反転表示すれば、いずれの名称データが仮選択されているかを顧客に明瞭に示すことができる。
【0093】
さらに、顧客側ディスプレイ23にタッチパネル機能を備えさせて、顧客が自らユーザとして顧客側ディスプレイ23の画面に触れて、印刷対象データを選択できるようにしてもよい。また、この場合は、顧客側ディスプレイ23の画面に空欄ボタン63も表示し、顧客自ら空欄指示を行うことができるようにしてもよい。
【0094】
また、第1及び第2の実施の形態では、会員カードのバーコードを読み取ることで会員コードを取得していたが、会員コードを示す情報が磁気的に記録された磁気カードを会員カードとして利用し、磁気情報を読み取ることで会員コードを取得するようにしてもよい。この場合は、POSターミナル2が、磁気カードの磁気情報を読み取り可能な読取装置を備えていればよい。
【0095】
また、第1及び第2の実施の形態では、顧客データベース42は店舗内におけるPOSサーバ1に構築されていたが、例えば、店舗外の管理センターなどに配置されたコンピュータなどに顧客データベースが構築され、インターネットなどの所定のネットワークを介して当該顧客データベースから名称データを取得する態様であってもよい。
【0096】
また、第2の実施の形態では、識別コードとして「会員コード」と「電話番号」との双方を併用するものとして説明を行ったが「電話番号」のみを利用する態様であってもよい。
【0097】
また、第3の実施の形態では、ICカードを利用するものとして説明を行ったが、例えば携帯電話機など、顧客が所持し、当該顧客の名称データを電磁的に記録した記録素子を有する可搬性のデータキャリアであれば、どのようなデータキャリアであっても利用することが可能である。
【0098】
また、上記実施の形態では、一の顧客に関する名称データの最大数は3であると説明したがこれに限定されず、3未満あるいは4以上であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】POSシステムの構成を示す図である。
【図2】POSサーバの構成を機能ブロックにて示す図である。
【図3】POSターミナルの構成を機能ブロックにて示す図である。
【図4】顧客データベースの一例を示す図である。
【図5】会員カードの一例を示す図である。
【図6】精算処理の流れを示す図である。
【図7】領収書発行処理の流れを示す図である。
【図8】販売側ディスプレイに表示された名称選択画面の例を示す図である。
【図9】顧客側ディスプレイの画面の例を示す図である。
【図10】発行された領収書の一例を示す図である。
【図11】発行された領収書の一例を示す図である。
【図12】POSターミナルの領収書発行処理の流れを示す図である。
【図13】POSシステムの構成を示す図である。
【図14】POSサーバの構成を示す図である。
【図15】POSターミナルの構成を示す図である。
【図16】会員カードの一例を示す図である。
【図17】精算処理の流れを示す図である。
【図18】顧客側ディスプレイの画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0100】
1 POSサーバ
2 POSターミナル
100 POSシステム
22 販売側ディスプレイ
23 顧客側ディスプレイ
25 バーコードリーダ
26 印刷発行部
28 カードリーダライタ
81 インターネット
83 電話帳データベース
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の売買取引の決済に係るデータ処理を行うデータ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの各種店舗においては、POSターミナルやキャッシュレジスタなどと呼ばれる、売買取引の決済に係るデータ処理を行うデータ処理装置が使用されている。このようなデータ処理装置においては、売買取引に係る合計金額が演算されることから、その演算された合計金額を「受領額」として含む領収書を印刷して発行するものも提案されている。
【0003】
領収書には上記のような「受領額」の他に、支払いを行った顧客の名称を示す「宛名」の記載が必要である。一般に、このような「宛名」は、顧客からの口頭による指示に従って販売スタッフが手書きで記入するようになっている。しかしながら、このような「宛名」の記入には時間を要し、また、口頭指示に従うために誤った文字を記入することもある。
【0004】
このため、近年では、顧客の名称を示す名刺などの印刷文字をイメージスキャナで読み取り、OCR(光学文字認識)機能によってその文字を認識し(文字コードに変換し)、認識された文字列を宛名欄に含めて領収書を印刷するデータ処理装置なども提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2000−48266号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の特許文献1のデータ処理装置においては、OCR機能によって文字認識するため、文字の認識エラーが比較的頻繁に生じることになる。このため、データ処理装置を操作する販売スタッフは文字の認識エラーがないか否かを、読み取り毎に確認する必要があり、認識エラーが生じた場合は、結局、手書きで宛名を記入する必要があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、正確な顧客の名称を宛名欄に含めた領収書を確実に印刷できるデータ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、商品の売買取引の際に、当該売買取引の決済に係るデータ処理を行うデータ処理装置であって、顧客を識別するための識別コードを取得する第1取得手段と、同一顧客に係る識別コードと名称データとを対応付けたデータベースから、前記第1取得手段に取得された顧客コードに対応する名称データを取得する第2取得手段と、取得された前記名称データを宛名欄に含む領収書を印刷する印刷手段と、を備えている。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のデータ処理装置において、前記第2取得手段が前記第1取得手段に取得された識別コードに対応する名称データとして複数の名称データを取得したとき、当該複数の名称データのうちの一を印刷対象データとしてユーザ操作に基づいて選択する選択手段、をさらに備え、前記印刷手段は、前記印刷対象データを前記宛名欄に含む領収書を印刷する。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載のデータ処理装置において、販売者側に情報を表示するための販売側表示手段と、顧客側に情報を表示するための顧客側表示手段と、前記印刷対象データを選択する際に、前記販売側表示手段及び前記顧客側表示手段の双方に、前記印刷対象データの選択の候補となる名称データを表示させる表示制御手段と、をさらに備えている。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のデータ処理装置において、前記宛名欄を空欄とするユーザ指示を受け付ける手段、をさらに備え、前記印刷手段は、前記ユーザ指示を受け付けたとき、前記名称データを前記宛名欄に含めずに前記領収書を印刷する。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のデータ処理装置において、前記識別コードは、電話番号を含む。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のデータ処理装置において、前記第2取得手段は、前記データ処理装置とネットワークを介して接続されたサーバ装置に記憶されたデータベースから、前記ネットワークを介して前記名称データを取得する。
【0014】
また、請求項7の発明は、商品の売買取引の際に、当該売買取引の決済に係るデータ処理を行うデータ処理装置であって、顧客が所持する電磁的な記録素子を有する可搬性のデータキャリアから、当該顧客に係る名称データを取得する取得手段と、取得された前記名称データを宛名欄に含む領収書を印刷する印刷手段と、を備えている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1ないし7の発明によれば、正確な名称を宛名欄に含む領収書を確実に印刷でき、宛名欄を記入する繁雑な作業が不要となる。
【0016】
また、特に請求項2の発明によれば、領収書の宛名欄に含ませるべき名称データを、複数の候補のうちから選択できる。
【0017】
また、特に請求項3の発明によれば、印刷対象データの選択の候補となる名称データが、販売側表示手段及び顧客側表示手段の双方に表示されるため、販売者と顧客との意思の疎通が容易となり、顧客の希望する名称データを印刷対象データとして容易に選択できる。
【0018】
また、特に請求項4の発明によれば、必要に応じてデータベースにない名称を領収書の宛名欄に記入できる。
【0019】
また、特に請求項5の発明によれば、汎用の電話帳データベースを使用できる。
【0020】
また、特に請求項6の発明によれば、ネットワークを利用して名称データを取得できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下では、本発明の実施の形態に係るデータ処理装置の一としてPOSターミナルについて図面を参照しつつ説明する。
【0022】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.構成>
図1は、第1の実施の形態に係るPOSターミナル2が適用されるPOSシステム100の構成を示す図である。このPOSシステム100は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店舗において採用されるものであり、POSサーバ1と複数のPOSターミナル2とを備えている。POSサーバ1及びPOSターミナル2はそれぞれLAN3に接続され、相互に通信可能とされている。
【0023】
POSサーバ1は、POSシステム100の全体を統括的に制御するものであり、通常は店舗の販売エリアとは別の管理事務所等に配置される。一方、POSターミナル2は、店舗の販売エリアに配置され、商品の売買取引の際に、販売者たる店舗の販売スタッフによって実際に操作される。具体的には、POSターミナル2は、商品の売価の合計金額の演算、及び、商品の売買取引の決済(以下、併せて「精算処理」という。)に用いられる。精算処理の完了の際にPOSターミナル2は、その精算処理に係る「レシート」を発行するが、顧客の要求に応じてさらに追加的に「領収書」も発行できるようになっている。
【0024】
なお、本明細書において「領収書」とは、「債権者(販売者)が債務の弁済として金銭を受領したときに、その証拠として弁済者(顧客)に交付する文書(民法486条の受取証書)」を示す。また、本明細書において「レシート」といった場合は、「精算処理の各種の結果を示す印刷物」を示し「領収書」と区別する。
【0025】
図2は、POSサーバ1の構成を機能ブロックにて示す図である。POSサーバ1は、ハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、POSサーバ1は、演算処理を行うCPU11と、基本プログラムを記憶するROM12と、演算処理の作業領域となるRAM13と、各種データを記憶するハードディスク14とをバスライン10に接続した構成となっている。さらに、POSサーバ1は、各種情報の表示を行うディスプレイ15と、キーボード及びマウス等の入力部16と、LAN3を介して通信を行う通信部17とを備え、これらはそれぞれバスライン10に接続される。
【0026】
ハードディスク14には固有の処理プログラムが記憶されており、CPU11は、この処理プログラムに従って演算処理を行うことで、POSサーバ1としての各種機能を実現する。また、ハードディスク14には、さらに、商品マスタ41及び顧客データベース42などのデジタルデータが記憶される(詳細は後述。)。
【0027】
図3は、POSターミナル2の構成を機能ブロックにて示す図である。POSターミナル2は、装置全体を制御する制御部21と、各種情報の表示を行う2つのディスプレイ22,23と、ユーザの操作や入力を受け付ける入力部24と、商品に付されたバーコードなどを読み取るバーコードリーダ25と、レシートや領収書を印刷して発行する印刷発行部26と、LAN3を介して通信を行う通信部27とを備えて構成され、これらはそれぞれバスライン20に接続される。
【0028】
制御部21は、各種演算処理を行うCPU201と、制御用プログラム等を記憶するROM202と、演算処理の作業領域となるRAM203と、各種データを記憶する不揮発性メモリであるバッテリーバックアップされたSRAM204と、計時機能を有するタイマ205とを備えている。CPU201は、ROM202内の制御用プログラムに従って演算処理を行なうことで、装置各部の制御機能や、精算処理のためのデータ処理機能を実現する。
【0029】
また、2つのディスプレイ22,23のうち、一方のディスプレイ22は、操作を行うユーザたる販売スタッフの側に示すべき情報を表示する販売側ディスプレイ22であり、他方のディスプレイ23は、顧客の側に示すべき情報を表示する顧客側ディスプレイ23である。
【0030】
販売側ディスプレイ22の画面は、ドットマトリクス式の液晶で構成されており、文字、図形及び画像などの各種の情報をカラー表示することが可能となっている。また、販売側ディスプレイ22はタッチパネル機能を有しており、ユーザは直接的に販売側ディスプレイ22の画面に触れることで各種の動作指示を行うことが可能となっている。
【0031】
一方、顧客側ディスプレイ23の画面は、比較的簡易なVFD(蛍光表示管)で構成されており、2行の文字列の単色表示のみが可能となっている。この顧客側ディスプレイ23の画面は、精算処理において顧客が視認しやすい向きに、その向きを調整可能とされている。
【0032】
<1−2.データ概要>
次に、POSサーバ1のハードディスク14に記憶されるデータについて説明する。前述のように、POSサーバ1のハードディスク14には、商品マスタ41及び顧客データベース42が記憶される(図2参照。)。
【0033】
商品マスタ41は、店舗内で扱われる商品についての各種の情報を示すデータである。この商品マスタ41は、精算処理においてPOSターミナル2が、商品の「商品名」や「売価」を取得するために利用される。商品マスタ41は、複数のレコードからなるテーブル形式となっており、各レコードごとに「商品コード」に対して「商品名」及び「売価」などが関連付けられて登録されている。
【0034】
一方、顧客データベース42は、当該店舗を利用する顧客についての各種の情報を示すデータである。この顧客データベース42における顧客に関する情報は、顧客が当該店舗の会員になった際に登録される。
【0035】
図4は、顧客データベース42の一例を示す図である。図に示すように、顧客データベース42は、複数のレコード(行データ)41rからなるテーブル形式となっている。各レコードは一の顧客(会員)に対応しており、各レコード41rごとに同一の顧客に係る各種の情報が相互に関連付けられて登録されている。具体的には、各レコード41rごとに「会員コード」に対して「第1名称データ」「第2名称データ」「第3名称データ」「電話番号」「ポイント」及び「最終取引日」などの情報が関連付けられている。
【0036】
「会員コード」とは、会員としての顧客を識別するための識別コードであり、顧客毎に固有のものが付与される。また、「第1名称データ」「第2名称データ」「第3名称データ」とは、顧客の名称を示す名称データである。本実施の形態では、一の顧客に対して3つの名称データ(「第1名称データ」「第2名称データ」「第3名称データ」)が登録可能となっている。ここで、「第1名称データ」は原則として顧客個人の氏名を示し、「第2名称データ」及び「第3名称データ」は原則として顧客が所属する団体の名称を示すことになる。なお、「第2名称データ」及び「第3名称データ」は任意の登録事項であり、いずれかのみが登録されていることや、双方共に登録されていないこともある。また、「電話番号」とは顧客の連絡先となる電話番号であり、「ポイント」とは顧客の店舗の利用状況に応じて付与される特典のための点数である。
【0037】
本実施の形態の店舗では、この顧客データベース42において会員として登録された顧客に対して、ポイントカードとしての会員カードが付与される。図5は、この会員カードの例を示す図である。図に示すように、会員カード5の表面には、当該会員カード5を所持する顧客の「会員コード」を示すバーコード51が付されることになる。
【0038】
<1−3.精算処理>
次に、POSターミナル2を利用してなされる精算処理の流れについて説明する。図6は、精算処理の流れを示す図である。図6に示す一連の精算処理は、一の顧客が購入を希望する商品群ごとになされるものである。
【0039】
まず、顧客が店舗の会員であれば、顧客から会員カード5が提示される。そして、この会員カード5に付されたバーコード51が、バーコードリーダ25によって読み取られ、これにより当該顧客の「会員コード」が取得される(ステップS1)。
【0040】
取得された「会員コード」は、POSサーバ1に送信される。POSサーバ1では、これに応答して顧客データベース42のうちから当該「会員コード」を含むレコード41rが検索され、該当したレコード41rの情報がPOSターミナル2に返信される。これにより、POSターミナル2は、当該顧客の「会員コード」に対応する「第1名称データ」「第2名称データ」「第3名称データ」「電話番号」「ポイント」及び「最終取引日」などの情報、すなわち、当該顧客に係る各種の情報を取得する。取得した顧客の情報は、RAM203に記憶される(ステップS2)。
【0041】
なお、これらステップS1及びS2の処理は、顧客が会員である場合(顧客から会員カード5が提示された場合)にのみなされるものであり、これらの処理がなされず、そのまま次のステップS3の処理がなされることもある。
【0042】
次に、顧客が購入を希望する商品群のうちの一の商品に付されたバーコードがバーコードリーダ25によって読み取られ、これにより当該商品の「商品コード」が取得される(ステップS3)。
【0043】
取得された「商品コード」は、POSサーバ1に送信される。POSサーバ1では、これに応答して商品マスタ41のうちから当該「商品コード」を含むレコードが検索され、該当したレコードがPOSターミナル2に返信される。これにより、POSターミナル2は、当該商品の「商品名」及び「売価」などの情報を取得する。取得した商品の情報は、RAM203に記憶される(ステップS4)。
【0044】
このステップS3及びS4の処理は、顧客が購入を希望する全ての商品に関して同様に繰り返される(ステップS5)。これにより、全ての商品に関しての「商品名」及び「売価」などの情報がRAM203に記憶されることになる。
【0045】
全ての商品に関しての情報が得られると、次に、これらの「売価」の合計である「合計金額」がCPU201により演算される。求められた「合計金額」は販売側ディスプレイ22とともに、顧客側ディスプレイ23にも表示され、顧客に対して示される(ステップS6)。
【0046】
続いて、顧客から預かった現金の金額が、販売スタッフにより入力部24を介して入力される。これに応答して、CPU201により、入力金額から「合計金額」が差し引かれて「釣銭金額」が演算され、演算された「釣銭金額」がディスプレイ22,23に表示される。これにより、決済処理が完了する(ステップS7)。次に、「合計金額」に基づいて当該顧客に係る新たな「ポイント」が導出され、POSサーバ1に送信され、顧客データベース42における当該顧客に係るレコード41rの内容に反映される(ステップS8)。
【0047】
次に、上記一連の処理の結果として得られた各商品の「商品名」「売価」並びに「合計金額」「釣銭金額」及び「ポイント」などの情報を含むレシートが、印刷発行部26により印刷されて発行される(ステップS9)。
【0048】
以上で一連の精算処理が完了するが、顧客から当該精算処理に係る領収書の発行の要望があった場合は、この時点で、販売スタッフは入力部24に含まれる所定の「領収書発行ボタン」を押下して、POSターミナル2に対して領収書発行指示を行う(ステップS10にてYes)。これにより、POSターミナル2では、領収書を発行する領収書発行処理(ステップS11)がなされることになる。
【0049】
<1−4.領収書発行処理>
図7は、領収書発行処理(図6:ステップS11)の流れを示す図である。この領収書発行処理では、上記のステップS2において取得された顧客の名称データを宛名欄に含めた領収書が印刷、発行されるようになっている。
【0050】
具体的にはまず、RAM203に当該顧客に係る名称データが記憶されているか否かが判定される。例えば、顧客から会員カード5が提示されなかった場合などにおいては、ステップS2において名称データが取得されず、RAM203に名称データが記憶されていない。このため、この場合(ステップS21にてNo)は、宛名欄に名称データを含めることができないため、宛名欄を空欄とした領収書が印刷発行部26により印刷されて発行される(ステップS25)。
【0051】
一方、RAM203に名称データが記憶されていた場合(ステップS21にてYes)は、次に、印刷すべき名称データを選択するための名称選択画面が販売側ディスプレイ22に表示される(ステップS22)。
【0052】
前述のように、本実施の形態では、一の「会員コード」に対して最大3つの名称データ(「第1名称データ」「第2名称データ」「第3名称データ」)が関連付けられる。このため、これらの名称データは印刷の候補となり、これらのうちから印刷すべきものを選択する必要がある。名称選択画面は、このような「会員コード」に対応する名称データのうちから一を、印刷すべき名称データ(以下、「印刷対象データ」という。)としてユーザに選択させるために表示される。
【0053】
図8は、販売側ディスプレイ22に表示された名称選択画面の一例を示す図である。図に示すように、名称選択画面においては、印刷対象データの選択の候補となる名称データ(「第1名称データ」「第2名称データ」「第3名称データ」)がそれぞれ、コマンドボタン(以下、「名称ボタン」という。)61として表示される。なお、「第2名称データ」及び「第3名称データ」は任意の登録事項であることから、名称データが1つまたは2つしか存在しないときもある。この場合は、存在する名称データと同数の名称ボタン61が表示されることになる。
【0054】
ユーザたる販売スタッフは、タッチパネル機能を有する画面上の任意の名称ボタン61に触れることで、任意の名称データを印刷対象データとして仮選択できる。これにより仮選択された名称データは反転表示される。図中では、仮選択された名称データを示す名称ボタン61をハッチングにて示している。
【0055】
そして、名称ボタン61の下方にあるコマンドボタンである確定ボタン62に触れた時点で、仮選択されている名称データが、印刷対象データとして確定される。確定ボタン62に触れる前までの名称データの選択はあくまで仮選択であるため、他の名称ボタン61に触れることで他の名称データを替わりに仮選択することも可能である。なお、印刷対象データの選択の候補となる名称データが一つのみのときは、その名称データが自動的に仮選択される。
【0056】
また、確定ボタン62に触れる前までにおいては、仮選択された名称データは、図9に示すように顧客側ディスプレイ23にも表示される。もちろん、仮選択する名称データを変更した場合は、これに合わせて、顧客側ディスプレイ23に表示される名称データも変更される。したがってこれにより、印刷対象データの選択の候補となる名称データとしてどのような名称データが存在し、現時点でいずれの名称データが仮選択されているのかが顧客に対しても示されることになる。
【0057】
また、名称選択画面においては、確定ボタン62の右方に、空欄ボタン63が配置される(図8参照。)。この空欄ボタン63は、領収書の宛名欄を空欄とするユーザ指示(以下、「空欄指示」という。)を行うためのコマンドボタンである。印刷対象データの選択の候補として表示された名称データのうちに、領収書の宛名として適当な名称が存在しないときには、領収書の宛名欄を手書きで記入したいという場面もあり得る。空欄ボタン63は、このような場合に対応できるようにするために設けられる。
【0058】
ユーザたる販売スタッフは顧客の要望を確認し、図8に示す画面において、いずれかの名称データを仮選択した上で確定ボタン62に触れるか、あるいは、空欄ボタン63に触れることになる。この際には、印刷対象データの選択の候補となる名称データが顧客側ディスプレイ23にも表示されるため、いずれの名称データを印刷したいか、あるいは、宛名欄を空欄にしたいかの顧客の要望を容易に確認できる。
【0059】
確定ボタン62及び空欄ボタン63のいずれかが触れられると、次に、これにより受け付けたユーザ指示が判断される。そして、空欄ボタン63が触れられることにより、空欄指示を受け付けたときは(ステップS23にてYes)、名称データを宛名欄に含めずに空欄とした領収書が、印刷発行部26により印刷されて発行される(ステップS25)。
【0060】
一方、確定ボタン62が触れられることにより、印刷対象データの選択を確定する指示を受け付けたときは(ステップS23にてNo)、仮選択されている名称データが印刷対象データとして確定される。そして、確定された印刷対象データを宛名欄に含めた領収書が、印刷発行部26により印刷されて発行されることになる(ステップS24)。
【0061】
図10は、印刷対象データを宛名欄に含めるようにして発行された領収書の一例を示す図である。図に示すように、領収書7には、日付欄71、宛名欄72、受領額欄73及び販売者欄74等が含まれている。
【0062】
そして、宛名欄72には、選択された印刷対象データが印刷されている。この印刷対象データは、デジタルデータたる顧客データベース42に登録された名称データに基づくものであるため、正確な顧客の名称を確実に示すことになる。なお、日付欄71にはタイマ205で得られた日付、受領額欄73には精算処理において求められた「合計金額」、販売者欄74には販売者を示す所定情報がそれぞれ印刷される。このため、「領収書」として必要な情報が不足なく含まれた「領収書」が発行されることになる。これにより、販売スタッフは「領収書」に手書きで他の情報を追加記入する必要がなくなり、領収書の発行に係る作業の効率を大幅に向上できる。
【0063】
また、図11は、空欄指示を受け付けたときに発行された領収書の一例を示す図である。図10と比較してわかるように、図11に示す領収書7にも、日付欄71、宛名欄72、受領額欄73及び販売者欄74等が含まれているが、宛名欄72は空欄となっている。これにより、顧客データベース42に登録された名称データ以外の名称を、宛名欄72に手書きで記入できることになる。
【0064】
<1−5.まとめ>
以上説明したように、本実施の形態のPOSターミナル2では、会員カード5から顧客を識別するための会員コードが取得され、この会員コードに基づいて顧客データベース42が参照されて、当該会員コードに対応する名称データが取得される。そして、取得された名称データを宛名欄に含む領収書が印刷されるようになっている。これにより、正確な顧客の名称を宛名欄に含む領収書を確実に印刷でき、宛名欄を記入する繁雑な作業を不要にできる。
【0065】
また、会員コードに対応する名称データとして複数の名称データがあるとき、これら複数の名称データのうちの一が印刷対象データとしてユーザ操作に基づいて選択される。そして、選択された印刷対象データを宛名欄に含む領収書が印刷される。このため、領収書の宛名欄に含ませるべき名称データを、複数の候補のうちから選択できる。
【0066】
また、印刷対象データを選択する際には、販売側ディスプレイ22と顧客側ディスプレイ23との双方に、印刷対象データの選択の候補となる名称データが表示される。このため、販売スタッフと顧客との意思の疎通が容易となり、顧客の希望する名称データを印刷対象データとして容易に選択できる。
【0067】
また、空欄指示を受け付けたとき、名称データを宛名欄に含めずに領収書を印刷して発行するため、必要に応じて顧客データベース42に登録されていない名称を領収書の宛名欄に記入できることになる。
【0068】
<2.第2の実施の形態>
<2−1.電話番号の利用>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、顧客から会員カード5が提示されなかった場合においては、領収書の宛名欄に名称データを含めることができなかった。つまり、顧客が会員であり、当該顧客に係る名称データが顧客データベース42に登録されていても、当該顧客が会員カード5を忘れた場合は対応不可能であった。本実施の形態では、顧客を識別するための識別コードとして会員コードとともに、電話番号を利用することで、顧客が会員カード5を忘れた場合にも対応できるようにしている。
【0069】
本実施の形態のPOSターミナル2、及び、POSターミナル2が適用されるPOSシステム100の構成は第1の実施の形態と同一である。また、本実施の形態のPOSターミナル2の動作は、領収書発行処理(図6:ステップS11)のみが第1の実施の形態と相違する。
【0070】
図12は、本実施の形態のPOSターミナル2の領収書発行処理の流れを示す図である。この処理において、ステップS31にてYesとなった以降の処理(すなわち、顧客が会員カード5を提示した場合の処理)であるステップS32〜S35の処理は、図7のステップS22〜S25の処理と同一であるため、説明を省略する。
【0071】
顧客が会員カード5を提示せずRAM203に名称データが記憶されていなかった場合(ステップS31にてNo)は、まず、顧客の電話番号の入力を促す画面が販売側ディスプレイ22に表示される。これにより販売スタッフは、顧客に「電話番号」の問い合せを口頭で行い、聞き出した「電話番号」を入力部24を介して入力する。
【0072】
このとき、顧客の「電話番号」が入力されなかった場合は(ステップS36にてNo)、宛名欄を空欄とした領収書が印刷発行部26により印刷されて発行される(ステップS35)。
【0073】
一方、「電話番号」が入力された場合は(ステップS36にてYes)、入力された「電話番号」がPOSサーバ1に送信される。そして、POSサーバ1では、これに応答して顧客データベース42のうちから当該「電話番号」を含むレコード41rが検索される。この検索によって、該当したレコード41rが存在した場合は、そのレコード41rがPOSターミナル2に返信される。これにより、POSターミナル2は、当該「電話番号」が含まれるレコード41rの「会員コード」「第1名称データ」「第2名称データ」「第3名称データ」「ポイント」及び「最終取引日」などの情報、すなわち、当該顧客に係る各種の情報を取得する。取得した顧客の情報はRAM203に記憶される(ステップS37)。
【0074】
このようにして「電話番号」に基づいて名称データが取得された場合は(ステップS38にてYes)、処理はステップS32に進み、以降は、図7のステップS22〜S25の処理と同様にして、名称データを宛名欄に含む領収書、あるいは、希望に応じて宛名欄を空欄とした領収書が印刷されることになる(ステップS32〜S35)。
【0075】
しかしながら、ステップS37において、当該「電話番号」を含むレコード41rが顧客データベース42に存在しなかった場合には、POSサーバ1からは、その旨のエラーコードのみがPOSターミナル2に返信される。したがってこの場合は、POSターミナル2は名称データを取得できないため(ステップS38にてNo)、宛名欄を空欄とした領収書が印刷発行部26により印刷されて発行されることになる(ステップS35)。
【0076】
このように、本実施の形態では、顧客を識別するための識別コードとして「会員コード」とともに「電話番号」も利用する。このため、顧客が会員カード5を忘れた場合でも、「電話番号」に基づいて顧客データベース42から名称データを取得でき、正確な顧客の名称を宛名欄に含む領収書を印刷できることになる。
【0077】
<2−2.変形例1>
なお、この第2の実施の形態では「電話番号」に基づいてPOSシステム100専用のデータベースたる顧客データベース42のみを検索している。しかしながら、このように「電話番号」を利用する場合は、「電話番号」と「名称データ」とが関連付けられて含まれる汎用の電話帳データベースなども検索対象として利用可能である。このため、例えば、インターネット上に存在する汎用の電話帳データベースを検索対象として利用するようにしてもよい。
【0078】
図13は、この場合におけるPOSシステム100の構成を示す図である。図に示すように、このPOSシステム100は、POSサーバ1及び複数のPOSターミナル2とともに、LAN3とインターネット81とを通信可能に結合するルータ装置8が設けられている。このような構成により、POSサーバ1及び複数のPOSターミナル2のそれぞれは、ルータ装置8を介して、インターネット81に結合されたコンピュータ等と通信可能となっている。
【0079】
また、この変形例1では、インターネット81に結合して所定のデータサーバ82が存在している。そして、このデータサーバ82の記憶装置内においては、電話帳データベース83が構築されている。この電話帳データベース83は、各レコードごとに同一の人物に係る「電話番号」と「名称データ」と「住所データ」とを相互に関連付けたものであり、インターネット81に結合された他のコンピュータから利用可能に公開されている。したがって、POSターミナル2のそれぞれも電話帳データベース83を利用可能となっている。データサーバ82のネットワークアドレス(IPアドレスやURLなど)は、予めPOSターミナル2のRAM203に記憶されている。
【0080】
この変形例1のPOSターミナル2の領収書発行処理は、図12に示すものとほぼ同様である。ただし、ステップS37においては、入力された「電話番号」に基づいてインターネット81を介してデータサーバ82の電話帳データベース83が検索される。そして、電話帳データベース83に「電話番号」を含むレコードが存在した場合は、そのレコードに含まれる「名称データ」がPOSターミナル2に返信されることになる。すなわち、POSターミナル2は、インターネット81を介して顧客の「名称データ」を取得することになる。
【0081】
この変形例1によれば、インターネット81上に存在する汎用の電話帳データベース83を利用するため、顧客の情報が顧客データベース42に登録されていなくても、顧客の名称データを取得できる。このため、会員以外の顧客に関しても、正確な顧客の名称を宛名欄に含む領収書を印刷できることになる。
【0082】
<2−3.変形例2>
また、上記と同様の汎用の電話帳データベースを、予めPOSサーバ1のハードディスク14に記憶させてもよい。図14は、この場合におけるPOSサーバ1の構成を示す図である。図に示すように、POSサーバ1のハードディスク14には、商品マスタ41及び顧客データベース42の他に、電話帳データベース43が記憶されている。この電話帳データベース43は、予めCD−ROMなどの記録媒体を介して、あるいは、インターネットを介したダウンロードなどによりハードディスク14に記憶される。
【0083】
この変形例2のPOSターミナル2の領収書発行処理も図12に示すものとほぼ同様であるが、ステップS37においては、「電話番号」に基づいてPOSサーバ1内の電話帳データベース43が検索される。この変形例2によれば、POSターミナル2がインターネットの通信機能を有していなくても、会員以外の顧客に関する名称を宛名欄に含む領収書を印刷できることになる。
【0084】
<3.第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。上記実施の形態では、予め構築されたデータベースを検索して顧客の名称データを取得するようにしていたが、この第3の実施の形態では、顧客が所持する会員カードから直接的に名称データを取得するようになっている。すなわち、第3の実施の形態では、電磁的な記録素子を有するICカード(「スマートカード」とも呼ばれる。)が会員カードに採用され、会員カードに記録された名称データがPOSターミナル2に取得されるようになっている。
【0085】
図15は、本実施の形態のPOSターミナル2の構成を示す図である。図に示すように、POSターミナル2の構成は、図3に示す構成とほぼ同様であるが、さらに、ICカードで構成される会員カードに記憶されたデータの読取/書込が可能なICカードリーダライタ28を備えている。ICカードリーダライタ28もバスライン20に接続され、制御部21の制御下で動作する。したがって、制御部21は、ICカードリーダライタ28を介して会員カードから得られたデータも取り扱うことが可能となっている。
【0086】
図16は、本実施の形態において採用される会員カードの構成を示す図である。図に示すようにICカードとしての会員カード50は、集積回路たるICチップ52と、電波通信を行うためのアンテナコイル53とをその内部に備えている。なお、図においては、非接触型のICカードの構成を例として示しているが、接触型のICカードであってもよい。
【0087】
ICチップ52は、各種の演算を行うCPUと、データを電磁的に記録するEEPROMなどの記録素子とを有している。本実施の形態のICチップ52の記録素子には、当該会員カード5を所持する顧客に係る各種の情報、具体的には、「会員コード」「第1名称データ」「第2名称データ」「第3名称データ」「電話番号」及び「ポイント」などがデジタルデータとして記憶される。したがって、会員カードにおいても一又は二以上の名称データが記憶されることになる。
【0088】
図17は、本実施の形態における精算処理の流れを示す図である。本実施の形態においても、まず、顧客が店舗の会員であれば、顧客から会員カード5が提示される。そして、この会員カードに記憶されたデータが、そのまま、ICカードリーダライタ28を利用してPOSターミナル2に取得される。すなわち、POSターミナル2は、会員カードから直接的に当該顧客に係る名称データを取得することになる(ステップS41)。
【0089】
以降のステップS43〜S51の処理は、図6のステップS3〜S11の処理とほぼ同様である。ただし、ステップS48の処理においては、導出された新たな「ポイント」がICカードリーダライタ28を利用して会員カード5に書き込まれることになる。また、ステップS51の領収書発行処理も、会員カードから直接的に取得された一又は二以上の名称データが利用される点を除いて、図7に示す処理と同一である。これにより、会員カードから直接的に取得された名称データを宛名欄に含む領収書が印刷、発行されることになる。
【0090】
このように第3の実施の形態では、デジタルデータとしての名称データを会員カードから直接取得するため、正確な顧客の名称を宛名欄に含む領収書を確実に印刷できる。また、データベースが予め構築されている必要もない。
【0091】
<4.その他の実施の形態>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0092】
例えば、上記実施の形態では、印刷対象データを選択する際に顧客側ディスプレイ23には仮選択された一の名称データのみが表示されるとしたが、顧客側ディスプレイ23の画面として販売側ディスプレイ22と同様にドットマトリクス式の液晶を採用し、図18に示すように、顧客側ディスプレイ23に印刷対象データの選択の候補となる全ての名称データを表示してもよい。この場合においては、仮選択された名称データを示す名称ボタン61を販売側ディスプレイ22と同様に反転表示すれば、いずれの名称データが仮選択されているかを顧客に明瞭に示すことができる。
【0093】
さらに、顧客側ディスプレイ23にタッチパネル機能を備えさせて、顧客が自らユーザとして顧客側ディスプレイ23の画面に触れて、印刷対象データを選択できるようにしてもよい。また、この場合は、顧客側ディスプレイ23の画面に空欄ボタン63も表示し、顧客自ら空欄指示を行うことができるようにしてもよい。
【0094】
また、第1及び第2の実施の形態では、会員カードのバーコードを読み取ることで会員コードを取得していたが、会員コードを示す情報が磁気的に記録された磁気カードを会員カードとして利用し、磁気情報を読み取ることで会員コードを取得するようにしてもよい。この場合は、POSターミナル2が、磁気カードの磁気情報を読み取り可能な読取装置を備えていればよい。
【0095】
また、第1及び第2の実施の形態では、顧客データベース42は店舗内におけるPOSサーバ1に構築されていたが、例えば、店舗外の管理センターなどに配置されたコンピュータなどに顧客データベースが構築され、インターネットなどの所定のネットワークを介して当該顧客データベースから名称データを取得する態様であってもよい。
【0096】
また、第2の実施の形態では、識別コードとして「会員コード」と「電話番号」との双方を併用するものとして説明を行ったが「電話番号」のみを利用する態様であってもよい。
【0097】
また、第3の実施の形態では、ICカードを利用するものとして説明を行ったが、例えば携帯電話機など、顧客が所持し、当該顧客の名称データを電磁的に記録した記録素子を有する可搬性のデータキャリアであれば、どのようなデータキャリアであっても利用することが可能である。
【0098】
また、上記実施の形態では、一の顧客に関する名称データの最大数は3であると説明したがこれに限定されず、3未満あるいは4以上であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】POSシステムの構成を示す図である。
【図2】POSサーバの構成を機能ブロックにて示す図である。
【図3】POSターミナルの構成を機能ブロックにて示す図である。
【図4】顧客データベースの一例を示す図である。
【図5】会員カードの一例を示す図である。
【図6】精算処理の流れを示す図である。
【図7】領収書発行処理の流れを示す図である。
【図8】販売側ディスプレイに表示された名称選択画面の例を示す図である。
【図9】顧客側ディスプレイの画面の例を示す図である。
【図10】発行された領収書の一例を示す図である。
【図11】発行された領収書の一例を示す図である。
【図12】POSターミナルの領収書発行処理の流れを示す図である。
【図13】POSシステムの構成を示す図である。
【図14】POSサーバの構成を示す図である。
【図15】POSターミナルの構成を示す図である。
【図16】会員カードの一例を示す図である。
【図17】精算処理の流れを示す図である。
【図18】顧客側ディスプレイの画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0100】
1 POSサーバ
2 POSターミナル
100 POSシステム
22 販売側ディスプレイ
23 顧客側ディスプレイ
25 バーコードリーダ
26 印刷発行部
28 カードリーダライタ
81 インターネット
83 電話帳データベース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の売買取引の際に、当該売買取引の決済に係るデータ処理を行うデータ処理装置であって、
顧客を識別するための識別コードを取得する第1取得手段と、
同一顧客に係る識別コードと名称データとを対応付けたデータベースから、前記第1取得手段に取得された顧客コードに対応する名称データを取得する第2取得手段と、
取得された前記名称データを宛名欄に含む領収書を印刷する印刷手段と、
を備えることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ処理装置において、
前記第2取得手段が前記第1取得手段に取得された識別コードに対応する名称データとして複数の名称データを取得したとき、当該複数の名称データのうちの一を印刷対象データとしてユーザ操作に基づいて選択する選択手段、
をさらに備え、
前記印刷手段は、前記印刷対象データを前記宛名欄に含む領収書を印刷することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載のデータ処理装置において、
販売者側に情報を表示するための販売側表示手段と、
顧客側に情報を表示するための顧客側表示手段と、
前記印刷対象データを選択する際に、前記販売側表示手段及び前記顧客側表示手段の双方に、前記印刷対象データの選択の候補となる名称データを表示させる表示制御手段と、
をさらに備えることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のデータ処理装置において、
前記宛名欄を空欄とするユーザ指示を受け付ける手段、
をさらに備え、
前記印刷手段は、前記ユーザ指示を受け付けたとき、前記名称データを前記宛名欄に含めずに前記領収書を印刷することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載のデータ処理装置において、
前記識別コードは、電話番号を含むことを特徴とするデータ処理装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載のデータ処理装置において、
前記第2取得手段は、前記データ処理装置とネットワークを介して接続されたサーバ装置に記憶されたデータベースから、前記ネットワークを介して前記名称データを取得することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項7】
商品の売買取引の際に、当該売買取引の決済に係るデータ処理を行うデータ処理装置であって、
顧客が所持する電磁的な記録素子を有する可搬性のデータキャリアから、当該顧客に係る名称データを取得する取得手段と、
取得された前記名称データを宛名欄に含む領収書を印刷する印刷手段と、
を備えることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項1】
商品の売買取引の際に、当該売買取引の決済に係るデータ処理を行うデータ処理装置であって、
顧客を識別するための識別コードを取得する第1取得手段と、
同一顧客に係る識別コードと名称データとを対応付けたデータベースから、前記第1取得手段に取得された顧客コードに対応する名称データを取得する第2取得手段と、
取得された前記名称データを宛名欄に含む領収書を印刷する印刷手段と、
を備えることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ処理装置において、
前記第2取得手段が前記第1取得手段に取得された識別コードに対応する名称データとして複数の名称データを取得したとき、当該複数の名称データのうちの一を印刷対象データとしてユーザ操作に基づいて選択する選択手段、
をさらに備え、
前記印刷手段は、前記印刷対象データを前記宛名欄に含む領収書を印刷することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載のデータ処理装置において、
販売者側に情報を表示するための販売側表示手段と、
顧客側に情報を表示するための顧客側表示手段と、
前記印刷対象データを選択する際に、前記販売側表示手段及び前記顧客側表示手段の双方に、前記印刷対象データの選択の候補となる名称データを表示させる表示制御手段と、
をさらに備えることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のデータ処理装置において、
前記宛名欄を空欄とするユーザ指示を受け付ける手段、
をさらに備え、
前記印刷手段は、前記ユーザ指示を受け付けたとき、前記名称データを前記宛名欄に含めずに前記領収書を印刷することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載のデータ処理装置において、
前記識別コードは、電話番号を含むことを特徴とするデータ処理装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載のデータ処理装置において、
前記第2取得手段は、前記データ処理装置とネットワークを介して接続されたサーバ装置に記憶されたデータベースから、前記ネットワークを介して前記名称データを取得することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項7】
商品の売買取引の際に、当該売買取引の決済に係るデータ処理を行うデータ処理装置であって、
顧客が所持する電磁的な記録素子を有する可搬性のデータキャリアから、当該顧客に係る名称データを取得する取得手段と、
取得された前記名称データを宛名欄に含む領収書を印刷する印刷手段と、
を備えることを特徴とするデータ処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−235707(P2006−235707A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−45498(P2005−45498)
【出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
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