データ提供装置、データ提供方法およびデータ提供プログラム
【課題】ユーザに提供するWebページの内容を、個々のユーザの嗜好などに合わせて簡易な方法で変更すること。
【解決手段】Webサーバ110は、ユーザ端末130で表示するWebページのリソースデータを提供する。受信部301は、ユーザ端末130から所定のWebページの送信要求を受信する。テンプレート取得部303は、要求Webページのレイアウトを規定するテンプレートデータを取得する。レイヤー取得部304は、ユーザ端末130によるWebページの閲覧履歴に基づいてレイヤーを取得する。生成部305は、レイヤーに含まれるコンテンツを、テンプレートデータのレイアウトに従って配置して要求Webページのリソースデータを生成する。送信部306は、リソースデータをユーザ端末130に送信する。
【解決手段】Webサーバ110は、ユーザ端末130で表示するWebページのリソースデータを提供する。受信部301は、ユーザ端末130から所定のWebページの送信要求を受信する。テンプレート取得部303は、要求Webページのレイアウトを規定するテンプレートデータを取得する。レイヤー取得部304は、ユーザ端末130によるWebページの閲覧履歴に基づいてレイヤーを取得する。生成部305は、レイヤーに含まれるコンテンツを、テンプレートデータのレイアウトに従って配置して要求Webページのリソースデータを生成する。送信部306は、リソースデータをユーザ端末130に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザ端末において表示するWebページのリソースデータを提供するデータ提供装置、データ提供方法およびデータ提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、JSP(Java Server Pages)やPHP(Hypertext Preprocessor)などを用いて、Webページ上に表示するコンテンツを動的に変化させる技術が知られている。このような技術においては、ページテンプレートを用いて、ページ上に表示するコンテンツやサブテンプレートを指定することにより、動的な画面形成を可能とする。
【0003】
たとえば、Webサーバ装置のアプリケーションサーバにおいて、ユーザインターフェースに関係する使用コンポーネントを選択して基本コンテンツを出力し、使用コンポーネントの詳細なレイアウトをスタイルシートを用いて設定し、使用コンポーネントおよび設定可能なレイアウト情報をデータベースに格納して、使用する全コンポーネントのコンテンツを結合・編集し、結合コンポーネントをユーザに出力するよう構成したものがある(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−185553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術にあっては、階層構造を有するWebページに新しい要素(コンテンツやサブテンプレート)を追加する場合には、それぞれの階層のテンプレートやサブテンプレートを編集しなくてはならないという問題点がある。たとえば、各階層において共通の要素を表示させたい場合には、それぞれの階層に共通要素をインクルードさせる必要がある。また、Webページの表示や階層を変更するには、それぞれのページを編集し直す必要がある。このため、従来技術にあっては、Webサイトの運営には、専門のスタッフを置いたり、完成度の高い専用デザインを用意したりする必要がある。
【0006】
また、上述した特許文献1にかかる技術にあっては、ユーザごとにWebインターフェースを変更することはできるものの、個々のユーザごとにインターフェースの作り込みが必要であるという問題点がある。また、上述した特許文献1にかかる技術にあっては、Webサイトの運営者側において、個々のユーザの嗜好などに合わせてWebページの内容を変更することはできないという問題点がある。
【0007】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、Webサイトの運営者側において、ユーザに提供するWebページの内容を、個々のユーザの嗜好などに合わせて簡易な方法で変更することができるデータ提供装置、データ提供方法およびデータ提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかるデータ提供装置は、ユーザ端末で表示するWebページのリソースデータを提供するデータ提供装置であって、前記ユーザ端末から所定のWebページの送信要求を受信する受信手段と、前記受信手段によって送信要求が受信された前記Webページ(以下、「要求Webページ」という)のレイアウトを規定するテンプレートデータを取得するテンプレート取得手段と、前記ユーザ端末による前記Webページの閲覧履歴に基づいて、少なくとも1つ以上のコンテンツを含むコンテンツ群データを、少なくとも1つ以上取得するコンテンツ群取得手段と、前記コンテンツ群データに含まれる前記コンテンツを、前記テンプレートデータの前記レイアウトに従って配置して前記要求Webページの前記リソースデータを生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された前記リソースデータを前記ユーザ端末に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、要求Webページのテンプレートに、コンテンツ群データのコンテンツを配置することにより、動的にWebページを生成することができる。このため、Webページ内のコンテンツを変更する際に、Webページのリソースデータそのものを変更する必要がなく、Webサイト運営者の作業負担を軽減することができる。また、この発明によれば、コンテンツ群データには複数のコンテンツを含めることができるので、関連するコンテンツを一括して管理することができる。さらに、この発明によれば、ユーザ端末によるWebページの閲覧履歴に基づいてコンテンツ群データを取得する。このため、それぞれのユーザの興味や嗜好に合わせて要求Webページに含まれるコンテンツを変更することができる。
【0010】
また、請求項2の発明にかかるデータ提供装置は、請求項1に記載の発明において、前記Webページには、それぞれ少なくとも1つ以上の前記コンテンツ群データが関連づけられており、前記コンテンツ群取得手段は、前記ユーザ端末が閲覧した前記Webページに関連づけられた前記コンテンツ群データを取得することを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、Webページごとにコンテンツ群データを関連づけているため、同じWebページを閲覧した場合でも、閲覧経路が異なれば異なるコンテンツが表示される。これにより、よりきめ細かくユーザの興味や嗜好に合ったWebページを提供することができる。
【0012】
また、請求項3の発明にかかるデータ提供装置は、請求項2に記載の発明において、前記Webページに対する前記コンテンツ群データの関連づけは、前記Webページの運営者によって任意に変更可能であることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、Webサイト運営者は、煩雑な作業をおこなうことなく、Webページ内のコンテンツを変更したり、Webサイト上での期間限定の企画やイベントをおこなったりすることができる。また、1つのコンテンツ群データを使い回したり、他のWebサイト運営者との間でやり取りしたりすることができ、コンテンツの活用の幅を広げることができる。
【0014】
また、請求項4の発明にかかるデータ提供装置は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記コンテンツ群データに含まれる前記コンテンツは、前記Webページの運営者によって任意に変更可能であることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、Webページとコンテンツ群データとの関係を変更することなく、一部のコンテンツを変更することができ、Webサイト運営者の作業負担を軽減することができる。
【0016】
また、請求項5の発明にかかるデータ提供装置は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、前記テンプレートデータは、前記レイアウトにおけるそれぞれの表示領域を識別する識別子を含み、前記コンテンツ群データは、前記コンテンツがそれぞれ表示される前記表示領域の前記識別子を当該コンテンツと関連づけて含み、前記生成手段は、前記コンテンツと関連づけられた前記識別子によって識別される前記表示領域に当該コンテンツをそれぞれ配置して前記リソースデータを生成することを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、コンテンツ群データ内のコンテンツは、テンプレート内における表示領域を個別に指定されている。このため、複数のコンテンツ群データを取得しても、それぞれのコンテンツ群データ内に含まれるコンテンツをテンプレート内の所定の位置に配置することができる。
【0018】
また、請求項6の発明にかかるデータ提供装置は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、前記ユーザ端末を使用するユーザまたは前記ユーザ端末を識別する識別手段を備え、前記コンテンツ群取得手段は、前記識別手段による識別結果に基づいて前記コンテンツ群データを取得することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、ユーザを個別に識別して、ユーザの属性や嗜好により適合したコンテンツを提供することができ、ユーザにとってのWebサイトの有効性を向上させることができる。
【0020】
また、請求項7の発明にかかるデータ提供方法は、ユーザ端末で表示するWebページのリソースデータを提供するデータ提供方法であって、前記ユーザ端末から所定のWebページの送信要求を受信する受信工程と、前記受信工程で送信要求が受信された前記Webページ(以下、「要求Webページ」という)のレイアウトを規定するテンプレートデータを取得するテンプレート取得工程と、前記ユーザ端末による前記Webページの閲覧履歴に基づいて、少なくとも1つ以上のコンテンツを含むコンテンツ群データを、少なくとも1つ以上取得するコンテンツ群取得工程と、前記コンテンツ群データに含まれる前記コンテンツを、前記テンプレートデータの前記レイアウトに従って配置して前記要求Webページの前記リソースデータを生成する生成工程と、前記生成工程で生成された前記リソースデータを前記ユーザ端末に送信する送信工程と、を含んだことを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、要求Webページのテンプレートに、コンテンツ群データのコンテンツを配置することにより、動的にWebページを生成することができる。このため、Webページ内のコンテンツを変更する際に、Webページのリソースデータそのものを変更する必要がなく、Webサイト運営者の作業負担を軽減することができる。また、この発明によれば、コンテンツ群データには複数のコンテンツを含めることができるので、関連するコンテンツを一括して管理することができる。さらに、この発明によれば、ユーザ端末によるWebページの閲覧履歴に基づいてコンテンツ群データを取得する。このため、それぞれのユーザの興味や嗜好に合わせて要求Webページに含まれるコンテンツを変更することができる。
【0022】
また、請求項8の発明にかかるデータ提供プログラムは、請求項7に記載のデータ提供方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、上記のデータ提供方法をコンピュータに実行させることができる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明によれば、Webサイトの運営者側において、ユーザに提供するWebページの内容を、個々のユーザの嗜好などに合わせて簡易な方法で変更することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施の形態にかかるWebページ閲覧システムの全体構成を示す図である。
【図2】Webサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】Webサーバの機能的構成を示すブロック図である。
【図4】テンプレートの一例を模式的に示す説明図である。
【図5】レイヤーの一例を模式的に示す説明図である。
【図6】WebサーバによるWebページ提供処理の概要を示す説明図である。
【図7】WebサーバによるWebページ提供処理の概要を示す説明図である。
【図8】WebサーバによるWebページ提供処理の概要を示す説明図である。
【図9】WebサーバによるWebページ提供処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】Webサイト管理ツールのインターフェースの一例を示す説明図である。
【図11】Webサイト管理ツールのインターフェースの一例を示す説明図である。
【図12】WebサーバによるWebページ提供処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】テンプレートのデータ構造の一例を示す説明図である。
【図14】レイヤーのデータ構造の一例を示す説明図である。
【図15】表示領域別に整理されたコンテンツ配列データの一例を示す説明図である。
【図16】リソースデータの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に添付図面を参照して、この発明に係るデータ提供装置、データ提供方法およびデータ提供プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態においては、ユーザ端末から要求されたWebページのリソースデータを生成・送信するWebサーバに本発明のデータ提供装置を適用した一例について説明する。
【0027】
図1は、実施の形態にかかるWebページ閲覧システムの全体構成を示す図である。Webページ閲覧システム100は、Webサーバ110、コンテンツDB(データベース)120、ユーザ端末130、ネットワーク140によって構成される。Webサーバ110およびコンテンツDB120は、Webサイトを運営するWebサイト運営者によって管理されている。
【0028】
Webサーバ110は、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)に則り、ユーザ端末130に搭載されているWebブラウザに対して、HTMLやオブジェクト(画像など)の表示を提供するサーバコンピュータである。より詳細には、Webサーバ110は、WebブラウザからコンテンツDB120内のHTMLドキュメントの指定を受け付け、指定されたHTMLドキュメントの情報(リソースデータ)を送信する。詳細は後述するが、Webサーバ110は、ユーザ端末130によるWebページの閲覧履歴に基づいて、ユーザ端末130に提供するWebページ内のコンテンツを動的に変更する。
【0029】
コンテンツDB120は、Webページの表示に用いるHTMLドキュメントやその配下の個々の情報ファイル(画像ファイル情報など)を記憶する。コンテンツDB120は、Webサーバ110内に設けられていても良いし、Webサーバ110と分離して設けられていても良い。コンテンツDB120には、後述するように「レイヤー」と「テンプレート」が記憶されている。
【0030】
ユーザ端末130は、Webブラウザを搭載した情報処理端末であり、具体的には、たとえば、PC(パーソナル・コンピュータ)や携帯電話端末などである。ユーザ端末130は、Webブラウザを介してWebサーバ110に所定のWebページの送信要求をおこない、そのページのリソースデータを受信する。つぎに、Webブラウザは、受信したリソースデータを、その種類(HTML、XHTML、XML、テキスト、画像など)に応じて解析する。そして、Webブラウザは、解析結果をもとに文字や画像を適切に配置し、あるいは文字のサイズを調整したり色を付けたりして、ユーザ端末130のディスプレイなどにWebページの内容を表示する。
【0031】
ネットワーク140は、インターネット・プロトコル技術を利用して相互接続されたコンピュータネットワークである。
【0032】
(検索装置のハードウェア構成)
つぎに、Webサーバ110のハードウェア構成について説明する。図2は、Webサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。図2のように、Webサーバ110は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、HDD(ハードディスクドライブ)204と、HD(ハードディスク)205と、FDD(フレキシブルディスクドライブ)206と、FD(フレキシブルディスク)207と、CD−RWD(CD−RWドライブ)208と、CD−RW209と、ディスプレイ210と、キーボード211と、マウス212と、ネットワークI/F213とを含んで構成されている。なお、上記の各構成201〜213は、それぞれバス220に接続されている。また、ネットワークI/F(インターフェース)213には、LANやWANなどのネットワーク220に接続するための通信ケーブル214が備えられている。
【0033】
上述のような構成のWebサーバ110において、CPU201は、Webサーバ110全体を制御する。また、ROM202は、ユーザ端末130に対するデータ提供プログラムを記憶している。ROM202に記憶されたデータ提供プログラムは、CPU201からの制御に応じて読み出され実行される。また、RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。
【0034】
HDD204は、CPU201の制御に従ってHD205に対するデータのリード/ライトを制御する。HD205は、HDD204の制御に従って書き込まれたデータを記憶する記憶媒体である。また、HD205に記憶されたデータは、HDD204の制御に応じて適宜読み出される。
【0035】
FDD206は、CPU201の制御に従ってFD207に対するデータのリード/ライトを制御する。FD207は、FDD206の制御に従って書き込まれたデータを記憶する着脱自在の記憶媒体である。また、FD207に記憶されたデータは、FDD206の制御に応じて適宜読み出される。
【0036】
CD−RWD208は、CPU201の制御に従ってCD−RW209に対するデータのリード/ライトを制御する。CD−RW209は、CD−RWD208の制御に従って書き込まれたデータを記憶する着脱自在な記憶媒体である。また、CD−RW209に記憶されたデータは、CD−RWD208の制御に応じて適宜読み出される。
【0037】
ディスプレイ210は、CPU201の制御によって、カーソル、メニュー、ウィンドウ、あるいは文字や画像などの各種データを表示する。また、キーボード211は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力デバイスであり、マウス212は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、マウスポインタの移動などをおこなうポインティングデバイスである。
【0038】
ネットワークI/F213は、通信ケーブル214を介してLANやWANなどのネットワーク220(たとえば、ネットワーク140など)に接続され、ネットワーク220とCPU201とのインターフェースとして機能する。
【0039】
本実施の形態にかかるWebサーバ110は、上述したようなハードウェアを備えており、CPU201の制御によりROM202に記憶されたデータ提供プログラムを実行することにより、ユーザ端末130に対してWebページのリソースデータを提供する。
【0040】
(Webサーバ110の機能的構成)
つぎに、Webサーバ110の機能的構成について説明する。図3は、Webサーバの機能的構成を示すブロック図である。この図は、Webサーバ110の各種機能のうち、本発明の主要な構成であるWebページの提供機能を主に記載したものである。Webサーバ110は、上述したように、ユーザ端末130で表示するWebページのリソースデータを提供し、受信部301、識別部302、テンプレート取得部303、レイヤー取得部304、生成部305、送信部306によって構成される。
【0041】
受信部301は、ユーザ端末130から所定のWebページの送信要求を受信する。所定のWebページとは、Webサーバ110が情報を保持するWebサイト中の任意のページである。Webページの送信要求には、たとえば、要求するWebページのパス名やWebサーバのIPアドレス、ユーザ端末130を識別する識別子などが含まれている。
【0042】
識別部302は、ユーザ端末130を使用するユーザまたはユーザ端末130を識別する。識別部302は、たとえば、Webページの送信要求に含まれるユーザ端末130を識別する識別子を参照して、ユーザ端末130(またはユーザ)を識別する。また、Webサイトの閲覧時にユーザのログインが必要な場合は、ユーザがログインすることによって、ユーザを識別することができる。なお、識別部302による識別は、ユーザまたはユーザ端末130を個々に識別するものではなく、たとえば、ユーザの属性またはユーザ端末130の属性を識別するものであってもよい。
【0043】
テンプレート取得部303は、受信部301によって送信要求が受信されたWebページ(以下、「要求Webページ」という)のレイアウトを規定するテンプレートデータを取得する。レイアウトとは、Webブラウザ上の表示画面におけるコンテンツの配置である。テンプレートデータは、たとえば、テンプレートデータによって規定されるレイアウトにおける、それぞれの表示領域を識別する識別子を含んでいる。
【0044】
図4は、テンプレートの一例を模式的に示す説明図である。図4にはテンプレート410,420が示されている。テンプレート410は、第1領域411、第2領域412、第3領域413、第4領域414を含んでおり、それぞれの領域には識別子が付与されている。たとえば、第1領域411には“RED”、第2領域412には“BLUE”、第3領域413には“YELLOW”、第4領域414には“GREEN”という識別子が、それぞれ付与されているものとする。
【0045】
また、テンプレート420は、第1領域421、第2領域422、第3領域423を含んでいる。テンプレート420は、テンプレート410とレイアウトは異なるものの、テンプレート410と同様に、第1領域421には“RED”、第2領域422には“BLUE”、第3領域423には“YELLOW”という識別子が、それぞれ付与されている。後述するレイヤー内のコンテンツは、それぞれのコンテンツに関連づけられた識別子に基づいてテンプレート内に配置される。
【0046】
図3の説明に戻り、レイヤー取得部304は、ユーザ端末130によるWebページの閲覧履歴に基づいて、少なくとも1つ以上のコンテンツを含むコンテンツ群データ(レイヤー)を、少なくとも1つ以上取得する。レイヤーは、たとえば1つの企画に関するコンテンツを束ねたデータである。1つのレイヤー内に含まれるコンテンツは、Webページの運営者によって任意に変更可能である。
【0047】
Webサーバ110が提供するWebサイト内の各ページには、それぞれ少なくとも1つ以上のレイヤーが関連づけられている。より詳細には、Webサイト内の各ページを「ノード」、各ページ間のつながりを「リンク」とすると、それぞれのノードまたはリンクに少なくとも1つ以上のレイヤーを関連づけることができる。レイヤー取得部304は、ユーザ端末130が閲覧したWebページに関連づけられたレイヤーを取得する。なお、各Webページに対するレイヤーの関連づけは、Webページの運営者によって任意に変更可能である。
【0048】
また、レイヤー取得部304は、識別部302による識別結果に基づいてレイヤーを取得してもよい。この場合、たとえば、ユーザの属性(性別や年齢、職業、居住地など)や、ユーザのWebサイト上における行動履歴(商品の購入履歴など)に対して、特定のレイヤーを関連づけておく。そして、レイヤー取得部304は、識別部302による識別結果に基づいて、ユーザの属性や行動履歴に関連づけられたレイヤーを取得する。
【0049】
図5は、レイヤーの一例を模式的に示す説明図である。図5にはレイヤー510,520,530,540の4つのレイヤーが示されている。それぞれのレイヤーには、少なくとも1つ以上のコンテンツが含まれている。たとえば、レイヤー510にはコンテンツ511,512が含まれている。同様に、レイヤー520にはコンテンツ521、レイヤー530にはコンテンツ531、レイヤー540にはコンテンツ541,542が含まれている。同じレイヤー内のコンテンツは、たとえば、1つの企画やイベントなどに関連するコンテンツである。
【0050】
レイヤー内のコンテンツには、それぞれがテンプレート内において配置される領域の識別子が関連づけられている。たとえば、レイヤー510のコンテンツ511は識別子“BLUE”が関連づけられている。これは、コンテンツ511は、テンプレート内の“BLUE”で識別される領域に配置されることを示す。また、レイヤー510のコンテンツ512は識別子“GREEN”が関連づけられている。これは、コンテンツ512は、テンプレート内の“GREEN”で識別される領域に配置されることを示す。
【0051】
なお、複数のレイヤーに同じ内容のコンテンツが含まれていてもよい。この場合、同じ内容のコンテンツに対してレイヤーごとに配置する領域を異ならせてもよい。テンプレート取得部303およびレイヤー取得部304は、たとえば、コンテンツDB120に記録されているテンプレートおよびレイヤーを読み出すことにより、テンプレートおよびレイヤーを取得する。
【0052】
図3の説明に戻り、生成部305は、レイヤーに含まれるコンテンツを、テンプレートデータのレイアウトに従って配置して、要求Webページのリソースデータを生成する。具体的には、生成部305は、レイヤー内のコンテンツを、そのコンテンツと関連づけられた識別子によって識別されるテンプレート上の表示領域にそれぞれ配置して、リソースデータを生成する
【0053】
送信部306は、生成部305によって生成されたリソースデータをユーザ端末130に送信する。
【0054】
(Webページ提供処理の概要)
つぎに、Webサーバ110によるWebページ提供処理について説明する。図6〜図9は、WebサーバによるWebページ提供処理の概要を示す説明図である。上述のように、Webサーバ110は、ユーザ端末130によるWebページの閲覧履歴に基づいて、ユーザ端末130に提供するWebページ内のコンテンツを動的に変更する。これにより、Webサイト運営者は、それぞれのユーザに対してより有益な情報を提供することができる。
【0055】
図6に示すように、Webサイトは階層構造となっており、その構造はサイトマップ600に示される。サイトマップ600で示されるWebサイトは、コンピュータソフトウェアを紹介するWebサイトである。サイトマップ600で示されるWebサイトには、最上位(第1階層)にトップページ601があり、第2階層にソフトウェアカテゴリページ602およびおすすめ特集ページ607がある。
【0056】
ソフトウェアカテゴリページ602の下位(第3階層)には、○○システムの商品紹介ページ603およびその他の商品紹介ページ606がある。さらに、○○システムの商品紹介ページ603の下位(第4階層)には、△太郎(商品名)の紹介ページ604および□子(商品名)の紹介ページ605がある。また、おすすめ特集ページ607の下位(第3階層)には、ベストセレクションを紹介するページ608があり、さらにその下位(第4階層)には、△太郎の紹介ページ609がある。この△太郎の紹介ページ609と上述した△太郎の紹介ページ604とは、同じ内容である。
【0057】
それぞれのページには、テンプレートおよびレイヤーが関連づけられている。たとえば、トップページ601には、テンプレート430およびレイヤー550が関連づけられている。テンプレート430は、第1領域431、第2領域432、第3領域433、第4領域434を含んでおり、第1領域431には“RED”、第2領域432には“BLUE”、第3領域433には“YELLOW”、第4領域434には“GREEN”という識別子が、それぞれ付与されている。また、レイヤー550は、コンテンツ551,552を含んでおり、コンテンツ551には識別子“RED”が、コンテンツ552には識別子“GREEN”が、それぞれ関連づけられている。
【0058】
ユーザ端末130(模式的にユーザとして示す)がトップページ601にアクセスすると、Webサーバ110は、トップページ601に関連づけられたテンプレート430およびレイヤー550を取得する。そして、Webサーバ110は、レイヤー550内のコンテンツ551,552をテンプレート430の対応する領域に配置して、トップページ601のリソースデータを生成する。生成されたリソースデータは、ユーザ端末130に送信され、ユーザ端末130に搭載されたWebブラウザによって処理されて、ユーザが閲覧可能なWebページとして提示される。
【0059】
ここで、ページとレイヤーとの関連づけの詳細について説明する。図7は、ページとレイヤーの関連づけについて説明するための説明図である。図7には、Webページの表示画面700が表示されている。表示画面700の上部には、パンくずリスト701が表示されている。パンくずリスト701とは、Webサイトの中のそのページの位置を、階層構造の上位ページへのリンクリストによって簡潔に記述したものである。Webサイト内のすべてのページの同じ場所にパンくずリスト701を掲載することにより、ユーザがWebサイト内の現在位置を直感的に理解する役に立つ。
【0060】
パンくずリスト701に示された各ページには、要素IDおよびリンクIDが付与されている(一部のみを図示)。要素IDは、それぞれのページを識別するために付与されたIDであり、同じ内容のページには同じIDが付与されている。一方、リンクIDはそのページと上位ページとのつながり(リンク)を識別するためのIDであり、同じ内容のページでも、Webサイト上での位置が異なると異なるリンクIDが付与される。なお、図7中の要素IDおよびリンクIDは説明のために示したものであり、ユーザ端末130の表示画面に表示されるものではない。要素IDおよびリンクIDは、Webサイト運営者がWebサイトの編集や管理をおこなう際に参照するものであり、たとえば、後述するWebサイト管理ツールを用いてWebサイトの編集や管理をおこなう際に用いられる。
【0061】
ここで、図7のパンくずリスト701は、サイトマップ600で示されるWebサイト上の△太郎紹介ページのパンくずリストである。図6のサイトマップ600上には、△太郎の紹介ページにアクセスする経路が2つ存在する。1つは、「トップページ601、ソフトウェアカテゴリページ602、○○システムの商品紹介ページ603、△太郎の紹介ページ604」の順にたどってアクセスするページ(このページを「通常△太郎ページ604」という)である。もう1つは、「トップページ601、おすすめ特集ページ607、ベストセレクション紹介ページ608、△太郎の紹介ページ609」の順にたどってアクセスするページ(このページを「特別△太郎ページ609」という)である。なお、これ以外にも、Webページの検索エンジンなどを利用することにより、トップページを介さず直接△太郎の紹介ページにアクセスする場合もある。
【0062】
このように、あるページ(ノード)が複数の階層にあらわれることが許可されているマルチマップの場合、リンクID712にレイヤーを関連づけることによって、ユーザがたどった経路別に異なるページを表示することが可能となる。また、あるページが単一の階層にのみあらわれるシングルマップの場合や、経路が異なる場合でも同一のページを表示させる場合には、要素ID711にレイヤーを関連づける。なお、要素ID711およびリンクID712の両方にレイヤーを関連づけておき、ページを表示する際にどちらのIDに関連づけられたレイヤーを取得するかを判断してもよい。
【0063】
つぎに、ユーザ端末130が△太郎の紹介ページにアクセスした場合のWebページ提供処理について説明する。上述したように、△太郎の紹介ページにアクセスするには2つの経路があるが、まず、「トップページ601、ソフトウェアカテゴリページ602、○○システムの商品紹介ページ603、通常△太郎ページ604」の順にたどる場合について、図8を用いて説明する。
【0064】
通常△太郎ページ604には、テンプレート440が関連づけられている。なお、このテンプレート440は、トップページ601に関連づけられたテンプレート430と同じものであってもよい。また、トップページ601にはレイヤー550が、ソフトウェアカテゴリページ602にはレイヤー560が、○○システムの商品紹介ページ603にはレイヤー570が、通常△太郎ページ604にはレイヤー580が、それぞれ関連づけられている。より詳細には、これらのページのリンクID(図7参照)にそれぞれのレイヤーが関連づけられている。
【0065】
ユーザ端末130が通常△太郎ページ604にアクセスすると、Webサーバ110は、通常△太郎ページ604に関連づけられたテンプレート440およびレイヤー580を取得する。また、Webサーバ110は、閲覧してきたページに関連づけられたレイヤー550,560,570を取得する。そして、レイヤー550,560,570,580内のコンテンツをテンプレート440の対応する領域に配置して、通常△太郎ページ604のリソースデータを生成する。
【0066】
つづいて、「トップページ601、おすすめ特集ページ607、ベストセレクション紹介ページ608、特別△太郎ページ609」の順にたどる場合について、図9を用いて説明する。特別△太郎ページ609には、通常△太郎ページ604と同じくテンプレート440およびレイヤー580が関連づけられている。また、トップページ601にはレイヤー550が、おすすめ特集ページ607にはレイヤー590が、それぞれ関連づけられている。より詳細には、図8と同様に、これらのページのリンクID(図7参照)にそれぞれのレイヤーが関連づけられている。なお、ベストセレクションページ608にはレイヤーが関連づけられていないが、レイヤーが関連づけられていないページがあってもよい。
【0067】
ユーザ端末130が特別△太郎ページ609にアクセスすると、Webサーバ110は、特別△太郎ページ609に関連づけられたテンプレート440およびレイヤー580を取得する。また、Webサーバ110は、閲覧してきたページに関連づけられたレイヤー550,590を取得する。そして、レイヤー550,580,590内のコンテンツをテンプレート440の対応する領域に配置して、特別△太郎ページ609のリソースデータを生成する。
【0068】
図8に示した通常△太郎ページ604と図9に示した特別△太郎ページ609とは、ページの生成に用いるレイヤーが異なるため、ページ内のコンテンツおよびその配置が異なっている。このように、Webサーバ110は、ユーザ端末130が同じ△太郎ページ(通常△太郎ページ604および特別△太郎ページ609)を閲覧した場合であっても、その経路によってページ内のコンテンツを変更する。これにより、Webサイト運営者は、ユーザにとってより有益な情報を提供することができる。
【0069】
より詳細には、たとえば、図8に示した経路で通常△太郎ページ604を閲覧したユーザは、このWebサイトで紹介されている商品を使ったことがなく、他社の同機能商品と比較して△太郎を購入するか迷っているユーザの可能性が高い。一方、図9で示した経路で特別△太郎ページ609を閲覧したユーザは、すでにこのWebサイトで紹介されている商品のユーザであり、キャンペーンなどで安価に△太郎を購入できるのであれば購入を検討しようとしているユーザの可能性が高い。
【0070】
この場合、図8に示した経路で通常△太郎ページ604を閲覧したユーザには、他社の同機能商品と△太郎との機能を比較した比較ページや、新規導入キャンペーンなどに誘導する情報をWebページ上に表示させるのが有効である。一方、図9に示した経路で特別△太郎ページ609を閲覧したユーザには、バージョンアップキャンペーンや再購入時の特典情報などに誘導する情報をWebページ上に表示させるのが有効である。
【0071】
このように、Webサーバ110は、ユーザ端末130によるWebサイトの閲覧履歴(閲覧経路)に基づいて要求されたページを生成する。これにより、それぞれのユーザに有益な情報を提供することができる。また、Webサイト内のコンテンツをレイヤー単位で管理できるので、Webサイト運営者は、Web関連技術に関する特殊な知識を持たなくても、サイト内の情報を簡単に変更することができる。このため、Webサイト運営者は、Webサイト上での企画やイベントを展開しやすくなり、Webサイトの有用性を高めることができる。
【0072】
(Webサイト運営者によるコンテンツ管理)
つぎに、Webサイト運営者によるWebサイト内のコンテンツ管理について説明する。Webサイト運営者は、以下で説明するような、Webサイト内のコンテンツを簡易に管理できるWebサイト管理ツールを用いてWebサイト内の保守運営をおこなう。
【0073】
図10および図11は、Webサイト管理ツールのインターフェースの一例を示す説明図である。サイト管理画面1000は、サイトマップ表示部1001、レイヤー管理部1002、プレビュー部1003によって構成される。サイトマップ表示部1001には、Webサイト全体のサイトマップが表示される。サイトマップは、ページ名表示および各ページをつなぐリンク表示によって構成される。サイトマップ表示部1001のページ名表示またはリンク表示を選択することにより、編集したいページまたはリンクを指定することができる。レイヤー管理部1002は、ページやリンクに関連づけられたレイヤーを表示したり、レイヤーを編集したりする領域である。プレビュー部1003には、サイトマップ表示部1001で選択されたページのプレビュー画面が表示される。
【0074】
たとえば、図10ではサイトマップ表示部1001でトップページが選択されており、プレビュー部1003には現在のトップページのプレビュー1031が表示されている。また、レイヤー管理部1002では、あらたなレイヤー1021が編集されている。レイヤー1021は、キャンペーン用レイヤーであり、キャンペーン用のコンテンツ1022a,1022bが含まれている。このレイヤー1021をサイト内の任意の位置(ページやリンク)に関連づけることにより、レイヤー1021内のコンテンツ1022a,1022bをサイト内の任意のページで表示させることができる。具体的には、レイヤー1021をサイトマップ表示部1001の任意のページ名表示の位置にドラッグ・アンド・ドロップすることにより、そのページにレイヤー1021を関連づけることができる。
【0075】
たとえば、図10に示したレイヤー1021をトップページに差し込んだ場合、図11のトップページ表示部1003のプレビュー1131のようにトップページが変化する。図11のプレビュー1131には、図10のプレビュー1031内のコンテンツに加えて、レイヤー1021内のコンテンツ1022a,1022bが表示されている。なお、ページに関連づけられたレイヤーをはずしたい場合には、サイトマップ表示部1001でページを指定して、そのページに関連づけられたレイヤーをレイヤー管理部1002に表示させ、はずしたいレイヤーを選択して消去すればよい。
【0076】
このように、Webサイト内のコンテンツを簡易に管理できるWebサイト管理ツールを用いることによって、Webデザインやシステムに関する特別な知識がない者であっても直感的にWebページのレイアウトやコンテンツを変更することができ、機動的なサイト運営をおこなうことができる。
【0077】
(Webページ提供処理の手順および詳細)
図12は、WebサーバによるWebページ提供処理の手順を示すフローチャートである。Webサーバ110は、ユーザ端末130から所定のWebページの送信要求を受信するまで待機する(ステップS1201:Noのループ)。Webページの送信要求を受信すると(ステップS1201:Yes)、Webサーバ110は、要求Webページに関連づけられたテンプレートを取得する(ステップS1202)。
【0078】
図13は、テンプレートのデータ構造の一例を示す説明図である。テンプレートデータ1301は、Webブラウザ上の表示領域を規定し、それぞれの表示領域を識別する識別子(図10の例では、“RED”“BLUE”“YELLOW”“GREEN”)を含んでいる。
【0079】
図12の説明に戻り、Webサーバ110は、ユーザ端末130のWebページの閲覧履歴情報を参照して(ステップS1203)、閲覧したページに関連づけられたレイヤーを取得する(ステップS1204)。なお、ステップS1204で取得するレイヤーには、要求Webページに関連づけられたレイヤーも含まれる。
【0080】
さらに、Webサーバ110は、ユーザ端末130を識別し、ユーザ端末130に対応するユーザ情報がある場合には、ユーザ情報に適合するレイヤーを取得する(ステップS1205)。ユーザ情報に適合するレイヤーとは、たとえば、ユーザの属性(性別や年齢、職業、居住地など)や、ユーザのWebサイト上における行動履歴(商品の購入履歴など)に関連づけられたレイヤーである。
【0081】
図14は、レイヤーのデータ構造の一例を示す説明図である。レイヤーデータ1401a〜1401cは、コンテンツ名およびそれぞれのコンテンツを表示する表示領域の識別子を含んでいる。より詳細には、レイヤーデータ1401aには、名称が“AAA”というコンテンツと、“BBB”というコンテンツが含まれている。コンテンツ“AAA”には識別子“RED”が関連づけられている。すなわち、コンテンツ“AAA”は図13で示したテンプレート上の“RED”で識別される領域に表示される。また、コンテンツ“BBB”には識別子“BLUE”が関連づけられており、コンテンツ“BBB”は領域“BLUE”に表示される。
【0082】
同様に、レイヤーデータ1401bは、領域“YELLOW”に表示されるコンテンツ“CCC”と、領域“BLUE”に表示されるコンテンツ“DDD”を含んでいる。また、レイヤーデータ1101cは、領域“GREEN”に表示されるコンテンツ“EEE”およびコンテンツ“FFF”を含んでいる。
【0083】
図12の説明に戻り、Webサーバ110は、取得したレイヤーに含まれるコンテンツを、それぞれのコンテンツに指定されている表示領域別に整理する(ステップS1206)。そして、ステップS1202で取得したテンプレート内のそれぞれの表示領域に、ステップS1206で整理したコンテンツを配置して(ステップS1207)、リソースデータを生成する。
【0084】
図15は、表示領域別に整理されたコンテンツ配列データの一例を示す説明図である。コンテンツ配列データ1501は、図14に示したレイヤー1401a〜1401cに含まれているコンテンツを、表示領域別に整理したものである。具体的には、領域“RED”に表示されるコンテンツ“AAA”、領域“GREEN”に表示されるコンテンツ“EEE”および“FFF”、領域“BLUE”に表示されるコンテンツ“BBB”および“DDD”、領域“YELLOW”に表示されるコンテンツ“CCC”に整理されている。図9のステップS1206では、このようにして表示領域別にコンテンツを整理してコンテンツ配列データを生成する。そして、ステップS1207でテンプレート内のそれぞれの表示領域にコンテンツを配置してリソースデータを生成する。
【0085】
図16は、リソースデータの一例を示す説明図である。図16に示すリソースデータ1601は、図13に示したテンプレートデータ1301に、図15に示したコンテンツ配列データ1501を所定のルールを用いて配置したものである。より詳細には、Webサーバ110は、テンプレートデータ1301のLayered−Mappingタグと、コンテンツ配列データ1501のcontentsタグとをarea−nameプロパティで照合し、マッチした場合に、コンテンツ(contents)をテンプレート(Layered−Mapping位置)に配置する。なお、コンテンツそのもののデータ(HTML)は、そのコンテンツに対応するコンポーネントプログラムが呼び出されて、リソースデータ1601内に設定される。
【0086】
図12の説明に戻り、Webサーバ110は、このようにして生成したリソースデータをユーザ端末130に送信する(ステップS1208)。また、今回送信したWebページの情報を閲覧履歴情報に記録して(ステップS1209)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0087】
以上説明したように、実施の形態にかかるWebページ閲覧システム100によれば、要求Webページのテンプレートに、レイヤー内のコンテンツを配置することにより、動的にWebページを生成することができる。このため、Webページ内のコンテンツを変更する際に、Webページのリソースデータそのものを変更する必要がなく、Webサイト運営者の作業負担を軽減することができる。
【0088】
また、Webページ閲覧システム100によれば、レイヤーには複数のコンテンツを含めることができるので、関連するコンテンツを一括して管理することができる。さらに、Webページ閲覧システム100によれば、ユーザ端末130によるWebページの閲覧履歴に基づいてレイヤーを取得する。このため、それぞれのユーザの興味や嗜好に合わせて要求Webページに含まれるコンテンツを変更することができる。
【0089】
なお、本実施の形態で説明したデータ提供方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0090】
以上のように、本発明にかかるデータ提供装置、データ提供方法およびデータ提供プログラムは、ユーザ端末にWebページのリソースデータを提供するWebサーバに適している。
【符号の説明】
【0091】
100 Webページ閲覧システム
101 Webサーバ
120 コンテンツDB
130 ユーザ端末
140 ネットワーク
301 受信部
302 識別部
303 テンプレート取得部
304 レイヤー取得部
305 生成部
306 送信部
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザ端末において表示するWebページのリソースデータを提供するデータ提供装置、データ提供方法およびデータ提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、JSP(Java Server Pages)やPHP(Hypertext Preprocessor)などを用いて、Webページ上に表示するコンテンツを動的に変化させる技術が知られている。このような技術においては、ページテンプレートを用いて、ページ上に表示するコンテンツやサブテンプレートを指定することにより、動的な画面形成を可能とする。
【0003】
たとえば、Webサーバ装置のアプリケーションサーバにおいて、ユーザインターフェースに関係する使用コンポーネントを選択して基本コンテンツを出力し、使用コンポーネントの詳細なレイアウトをスタイルシートを用いて設定し、使用コンポーネントおよび設定可能なレイアウト情報をデータベースに格納して、使用する全コンポーネントのコンテンツを結合・編集し、結合コンポーネントをユーザに出力するよう構成したものがある(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−185553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術にあっては、階層構造を有するWebページに新しい要素(コンテンツやサブテンプレート)を追加する場合には、それぞれの階層のテンプレートやサブテンプレートを編集しなくてはならないという問題点がある。たとえば、各階層において共通の要素を表示させたい場合には、それぞれの階層に共通要素をインクルードさせる必要がある。また、Webページの表示や階層を変更するには、それぞれのページを編集し直す必要がある。このため、従来技術にあっては、Webサイトの運営には、専門のスタッフを置いたり、完成度の高い専用デザインを用意したりする必要がある。
【0006】
また、上述した特許文献1にかかる技術にあっては、ユーザごとにWebインターフェースを変更することはできるものの、個々のユーザごとにインターフェースの作り込みが必要であるという問題点がある。また、上述した特許文献1にかかる技術にあっては、Webサイトの運営者側において、個々のユーザの嗜好などに合わせてWebページの内容を変更することはできないという問題点がある。
【0007】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、Webサイトの運営者側において、ユーザに提供するWebページの内容を、個々のユーザの嗜好などに合わせて簡易な方法で変更することができるデータ提供装置、データ提供方法およびデータ提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかるデータ提供装置は、ユーザ端末で表示するWebページのリソースデータを提供するデータ提供装置であって、前記ユーザ端末から所定のWebページの送信要求を受信する受信手段と、前記受信手段によって送信要求が受信された前記Webページ(以下、「要求Webページ」という)のレイアウトを規定するテンプレートデータを取得するテンプレート取得手段と、前記ユーザ端末による前記Webページの閲覧履歴に基づいて、少なくとも1つ以上のコンテンツを含むコンテンツ群データを、少なくとも1つ以上取得するコンテンツ群取得手段と、前記コンテンツ群データに含まれる前記コンテンツを、前記テンプレートデータの前記レイアウトに従って配置して前記要求Webページの前記リソースデータを生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された前記リソースデータを前記ユーザ端末に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、要求Webページのテンプレートに、コンテンツ群データのコンテンツを配置することにより、動的にWebページを生成することができる。このため、Webページ内のコンテンツを変更する際に、Webページのリソースデータそのものを変更する必要がなく、Webサイト運営者の作業負担を軽減することができる。また、この発明によれば、コンテンツ群データには複数のコンテンツを含めることができるので、関連するコンテンツを一括して管理することができる。さらに、この発明によれば、ユーザ端末によるWebページの閲覧履歴に基づいてコンテンツ群データを取得する。このため、それぞれのユーザの興味や嗜好に合わせて要求Webページに含まれるコンテンツを変更することができる。
【0010】
また、請求項2の発明にかかるデータ提供装置は、請求項1に記載の発明において、前記Webページには、それぞれ少なくとも1つ以上の前記コンテンツ群データが関連づけられており、前記コンテンツ群取得手段は、前記ユーザ端末が閲覧した前記Webページに関連づけられた前記コンテンツ群データを取得することを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、Webページごとにコンテンツ群データを関連づけているため、同じWebページを閲覧した場合でも、閲覧経路が異なれば異なるコンテンツが表示される。これにより、よりきめ細かくユーザの興味や嗜好に合ったWebページを提供することができる。
【0012】
また、請求項3の発明にかかるデータ提供装置は、請求項2に記載の発明において、前記Webページに対する前記コンテンツ群データの関連づけは、前記Webページの運営者によって任意に変更可能であることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、Webサイト運営者は、煩雑な作業をおこなうことなく、Webページ内のコンテンツを変更したり、Webサイト上での期間限定の企画やイベントをおこなったりすることができる。また、1つのコンテンツ群データを使い回したり、他のWebサイト運営者との間でやり取りしたりすることができ、コンテンツの活用の幅を広げることができる。
【0014】
また、請求項4の発明にかかるデータ提供装置は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記コンテンツ群データに含まれる前記コンテンツは、前記Webページの運営者によって任意に変更可能であることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、Webページとコンテンツ群データとの関係を変更することなく、一部のコンテンツを変更することができ、Webサイト運営者の作業負担を軽減することができる。
【0016】
また、請求項5の発明にかかるデータ提供装置は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、前記テンプレートデータは、前記レイアウトにおけるそれぞれの表示領域を識別する識別子を含み、前記コンテンツ群データは、前記コンテンツがそれぞれ表示される前記表示領域の前記識別子を当該コンテンツと関連づけて含み、前記生成手段は、前記コンテンツと関連づけられた前記識別子によって識別される前記表示領域に当該コンテンツをそれぞれ配置して前記リソースデータを生成することを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、コンテンツ群データ内のコンテンツは、テンプレート内における表示領域を個別に指定されている。このため、複数のコンテンツ群データを取得しても、それぞれのコンテンツ群データ内に含まれるコンテンツをテンプレート内の所定の位置に配置することができる。
【0018】
また、請求項6の発明にかかるデータ提供装置は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、前記ユーザ端末を使用するユーザまたは前記ユーザ端末を識別する識別手段を備え、前記コンテンツ群取得手段は、前記識別手段による識別結果に基づいて前記コンテンツ群データを取得することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、ユーザを個別に識別して、ユーザの属性や嗜好により適合したコンテンツを提供することができ、ユーザにとってのWebサイトの有効性を向上させることができる。
【0020】
また、請求項7の発明にかかるデータ提供方法は、ユーザ端末で表示するWebページのリソースデータを提供するデータ提供方法であって、前記ユーザ端末から所定のWebページの送信要求を受信する受信工程と、前記受信工程で送信要求が受信された前記Webページ(以下、「要求Webページ」という)のレイアウトを規定するテンプレートデータを取得するテンプレート取得工程と、前記ユーザ端末による前記Webページの閲覧履歴に基づいて、少なくとも1つ以上のコンテンツを含むコンテンツ群データを、少なくとも1つ以上取得するコンテンツ群取得工程と、前記コンテンツ群データに含まれる前記コンテンツを、前記テンプレートデータの前記レイアウトに従って配置して前記要求Webページの前記リソースデータを生成する生成工程と、前記生成工程で生成された前記リソースデータを前記ユーザ端末に送信する送信工程と、を含んだことを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、要求Webページのテンプレートに、コンテンツ群データのコンテンツを配置することにより、動的にWebページを生成することができる。このため、Webページ内のコンテンツを変更する際に、Webページのリソースデータそのものを変更する必要がなく、Webサイト運営者の作業負担を軽減することができる。また、この発明によれば、コンテンツ群データには複数のコンテンツを含めることができるので、関連するコンテンツを一括して管理することができる。さらに、この発明によれば、ユーザ端末によるWebページの閲覧履歴に基づいてコンテンツ群データを取得する。このため、それぞれのユーザの興味や嗜好に合わせて要求Webページに含まれるコンテンツを変更することができる。
【0022】
また、請求項8の発明にかかるデータ提供プログラムは、請求項7に記載のデータ提供方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、上記のデータ提供方法をコンピュータに実行させることができる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明によれば、Webサイトの運営者側において、ユーザに提供するWebページの内容を、個々のユーザの嗜好などに合わせて簡易な方法で変更することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施の形態にかかるWebページ閲覧システムの全体構成を示す図である。
【図2】Webサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】Webサーバの機能的構成を示すブロック図である。
【図4】テンプレートの一例を模式的に示す説明図である。
【図5】レイヤーの一例を模式的に示す説明図である。
【図6】WebサーバによるWebページ提供処理の概要を示す説明図である。
【図7】WebサーバによるWebページ提供処理の概要を示す説明図である。
【図8】WebサーバによるWebページ提供処理の概要を示す説明図である。
【図9】WebサーバによるWebページ提供処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】Webサイト管理ツールのインターフェースの一例を示す説明図である。
【図11】Webサイト管理ツールのインターフェースの一例を示す説明図である。
【図12】WebサーバによるWebページ提供処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】テンプレートのデータ構造の一例を示す説明図である。
【図14】レイヤーのデータ構造の一例を示す説明図である。
【図15】表示領域別に整理されたコンテンツ配列データの一例を示す説明図である。
【図16】リソースデータの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に添付図面を参照して、この発明に係るデータ提供装置、データ提供方法およびデータ提供プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態においては、ユーザ端末から要求されたWebページのリソースデータを生成・送信するWebサーバに本発明のデータ提供装置を適用した一例について説明する。
【0027】
図1は、実施の形態にかかるWebページ閲覧システムの全体構成を示す図である。Webページ閲覧システム100は、Webサーバ110、コンテンツDB(データベース)120、ユーザ端末130、ネットワーク140によって構成される。Webサーバ110およびコンテンツDB120は、Webサイトを運営するWebサイト運営者によって管理されている。
【0028】
Webサーバ110は、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)に則り、ユーザ端末130に搭載されているWebブラウザに対して、HTMLやオブジェクト(画像など)の表示を提供するサーバコンピュータである。より詳細には、Webサーバ110は、WebブラウザからコンテンツDB120内のHTMLドキュメントの指定を受け付け、指定されたHTMLドキュメントの情報(リソースデータ)を送信する。詳細は後述するが、Webサーバ110は、ユーザ端末130によるWebページの閲覧履歴に基づいて、ユーザ端末130に提供するWebページ内のコンテンツを動的に変更する。
【0029】
コンテンツDB120は、Webページの表示に用いるHTMLドキュメントやその配下の個々の情報ファイル(画像ファイル情報など)を記憶する。コンテンツDB120は、Webサーバ110内に設けられていても良いし、Webサーバ110と分離して設けられていても良い。コンテンツDB120には、後述するように「レイヤー」と「テンプレート」が記憶されている。
【0030】
ユーザ端末130は、Webブラウザを搭載した情報処理端末であり、具体的には、たとえば、PC(パーソナル・コンピュータ)や携帯電話端末などである。ユーザ端末130は、Webブラウザを介してWebサーバ110に所定のWebページの送信要求をおこない、そのページのリソースデータを受信する。つぎに、Webブラウザは、受信したリソースデータを、その種類(HTML、XHTML、XML、テキスト、画像など)に応じて解析する。そして、Webブラウザは、解析結果をもとに文字や画像を適切に配置し、あるいは文字のサイズを調整したり色を付けたりして、ユーザ端末130のディスプレイなどにWebページの内容を表示する。
【0031】
ネットワーク140は、インターネット・プロトコル技術を利用して相互接続されたコンピュータネットワークである。
【0032】
(検索装置のハードウェア構成)
つぎに、Webサーバ110のハードウェア構成について説明する。図2は、Webサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。図2のように、Webサーバ110は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、HDD(ハードディスクドライブ)204と、HD(ハードディスク)205と、FDD(フレキシブルディスクドライブ)206と、FD(フレキシブルディスク)207と、CD−RWD(CD−RWドライブ)208と、CD−RW209と、ディスプレイ210と、キーボード211と、マウス212と、ネットワークI/F213とを含んで構成されている。なお、上記の各構成201〜213は、それぞれバス220に接続されている。また、ネットワークI/F(インターフェース)213には、LANやWANなどのネットワーク220に接続するための通信ケーブル214が備えられている。
【0033】
上述のような構成のWebサーバ110において、CPU201は、Webサーバ110全体を制御する。また、ROM202は、ユーザ端末130に対するデータ提供プログラムを記憶している。ROM202に記憶されたデータ提供プログラムは、CPU201からの制御に応じて読み出され実行される。また、RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。
【0034】
HDD204は、CPU201の制御に従ってHD205に対するデータのリード/ライトを制御する。HD205は、HDD204の制御に従って書き込まれたデータを記憶する記憶媒体である。また、HD205に記憶されたデータは、HDD204の制御に応じて適宜読み出される。
【0035】
FDD206は、CPU201の制御に従ってFD207に対するデータのリード/ライトを制御する。FD207は、FDD206の制御に従って書き込まれたデータを記憶する着脱自在の記憶媒体である。また、FD207に記憶されたデータは、FDD206の制御に応じて適宜読み出される。
【0036】
CD−RWD208は、CPU201の制御に従ってCD−RW209に対するデータのリード/ライトを制御する。CD−RW209は、CD−RWD208の制御に従って書き込まれたデータを記憶する着脱自在な記憶媒体である。また、CD−RW209に記憶されたデータは、CD−RWD208の制御に応じて適宜読み出される。
【0037】
ディスプレイ210は、CPU201の制御によって、カーソル、メニュー、ウィンドウ、あるいは文字や画像などの各種データを表示する。また、キーボード211は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力デバイスであり、マウス212は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、マウスポインタの移動などをおこなうポインティングデバイスである。
【0038】
ネットワークI/F213は、通信ケーブル214を介してLANやWANなどのネットワーク220(たとえば、ネットワーク140など)に接続され、ネットワーク220とCPU201とのインターフェースとして機能する。
【0039】
本実施の形態にかかるWebサーバ110は、上述したようなハードウェアを備えており、CPU201の制御によりROM202に記憶されたデータ提供プログラムを実行することにより、ユーザ端末130に対してWebページのリソースデータを提供する。
【0040】
(Webサーバ110の機能的構成)
つぎに、Webサーバ110の機能的構成について説明する。図3は、Webサーバの機能的構成を示すブロック図である。この図は、Webサーバ110の各種機能のうち、本発明の主要な構成であるWebページの提供機能を主に記載したものである。Webサーバ110は、上述したように、ユーザ端末130で表示するWebページのリソースデータを提供し、受信部301、識別部302、テンプレート取得部303、レイヤー取得部304、生成部305、送信部306によって構成される。
【0041】
受信部301は、ユーザ端末130から所定のWebページの送信要求を受信する。所定のWebページとは、Webサーバ110が情報を保持するWebサイト中の任意のページである。Webページの送信要求には、たとえば、要求するWebページのパス名やWebサーバのIPアドレス、ユーザ端末130を識別する識別子などが含まれている。
【0042】
識別部302は、ユーザ端末130を使用するユーザまたはユーザ端末130を識別する。識別部302は、たとえば、Webページの送信要求に含まれるユーザ端末130を識別する識別子を参照して、ユーザ端末130(またはユーザ)を識別する。また、Webサイトの閲覧時にユーザのログインが必要な場合は、ユーザがログインすることによって、ユーザを識別することができる。なお、識別部302による識別は、ユーザまたはユーザ端末130を個々に識別するものではなく、たとえば、ユーザの属性またはユーザ端末130の属性を識別するものであってもよい。
【0043】
テンプレート取得部303は、受信部301によって送信要求が受信されたWebページ(以下、「要求Webページ」という)のレイアウトを規定するテンプレートデータを取得する。レイアウトとは、Webブラウザ上の表示画面におけるコンテンツの配置である。テンプレートデータは、たとえば、テンプレートデータによって規定されるレイアウトにおける、それぞれの表示領域を識別する識別子を含んでいる。
【0044】
図4は、テンプレートの一例を模式的に示す説明図である。図4にはテンプレート410,420が示されている。テンプレート410は、第1領域411、第2領域412、第3領域413、第4領域414を含んでおり、それぞれの領域には識別子が付与されている。たとえば、第1領域411には“RED”、第2領域412には“BLUE”、第3領域413には“YELLOW”、第4領域414には“GREEN”という識別子が、それぞれ付与されているものとする。
【0045】
また、テンプレート420は、第1領域421、第2領域422、第3領域423を含んでいる。テンプレート420は、テンプレート410とレイアウトは異なるものの、テンプレート410と同様に、第1領域421には“RED”、第2領域422には“BLUE”、第3領域423には“YELLOW”という識別子が、それぞれ付与されている。後述するレイヤー内のコンテンツは、それぞれのコンテンツに関連づけられた識別子に基づいてテンプレート内に配置される。
【0046】
図3の説明に戻り、レイヤー取得部304は、ユーザ端末130によるWebページの閲覧履歴に基づいて、少なくとも1つ以上のコンテンツを含むコンテンツ群データ(レイヤー)を、少なくとも1つ以上取得する。レイヤーは、たとえば1つの企画に関するコンテンツを束ねたデータである。1つのレイヤー内に含まれるコンテンツは、Webページの運営者によって任意に変更可能である。
【0047】
Webサーバ110が提供するWebサイト内の各ページには、それぞれ少なくとも1つ以上のレイヤーが関連づけられている。より詳細には、Webサイト内の各ページを「ノード」、各ページ間のつながりを「リンク」とすると、それぞれのノードまたはリンクに少なくとも1つ以上のレイヤーを関連づけることができる。レイヤー取得部304は、ユーザ端末130が閲覧したWebページに関連づけられたレイヤーを取得する。なお、各Webページに対するレイヤーの関連づけは、Webページの運営者によって任意に変更可能である。
【0048】
また、レイヤー取得部304は、識別部302による識別結果に基づいてレイヤーを取得してもよい。この場合、たとえば、ユーザの属性(性別や年齢、職業、居住地など)や、ユーザのWebサイト上における行動履歴(商品の購入履歴など)に対して、特定のレイヤーを関連づけておく。そして、レイヤー取得部304は、識別部302による識別結果に基づいて、ユーザの属性や行動履歴に関連づけられたレイヤーを取得する。
【0049】
図5は、レイヤーの一例を模式的に示す説明図である。図5にはレイヤー510,520,530,540の4つのレイヤーが示されている。それぞれのレイヤーには、少なくとも1つ以上のコンテンツが含まれている。たとえば、レイヤー510にはコンテンツ511,512が含まれている。同様に、レイヤー520にはコンテンツ521、レイヤー530にはコンテンツ531、レイヤー540にはコンテンツ541,542が含まれている。同じレイヤー内のコンテンツは、たとえば、1つの企画やイベントなどに関連するコンテンツである。
【0050】
レイヤー内のコンテンツには、それぞれがテンプレート内において配置される領域の識別子が関連づけられている。たとえば、レイヤー510のコンテンツ511は識別子“BLUE”が関連づけられている。これは、コンテンツ511は、テンプレート内の“BLUE”で識別される領域に配置されることを示す。また、レイヤー510のコンテンツ512は識別子“GREEN”が関連づけられている。これは、コンテンツ512は、テンプレート内の“GREEN”で識別される領域に配置されることを示す。
【0051】
なお、複数のレイヤーに同じ内容のコンテンツが含まれていてもよい。この場合、同じ内容のコンテンツに対してレイヤーごとに配置する領域を異ならせてもよい。テンプレート取得部303およびレイヤー取得部304は、たとえば、コンテンツDB120に記録されているテンプレートおよびレイヤーを読み出すことにより、テンプレートおよびレイヤーを取得する。
【0052】
図3の説明に戻り、生成部305は、レイヤーに含まれるコンテンツを、テンプレートデータのレイアウトに従って配置して、要求Webページのリソースデータを生成する。具体的には、生成部305は、レイヤー内のコンテンツを、そのコンテンツと関連づけられた識別子によって識別されるテンプレート上の表示領域にそれぞれ配置して、リソースデータを生成する
【0053】
送信部306は、生成部305によって生成されたリソースデータをユーザ端末130に送信する。
【0054】
(Webページ提供処理の概要)
つぎに、Webサーバ110によるWebページ提供処理について説明する。図6〜図9は、WebサーバによるWebページ提供処理の概要を示す説明図である。上述のように、Webサーバ110は、ユーザ端末130によるWebページの閲覧履歴に基づいて、ユーザ端末130に提供するWebページ内のコンテンツを動的に変更する。これにより、Webサイト運営者は、それぞれのユーザに対してより有益な情報を提供することができる。
【0055】
図6に示すように、Webサイトは階層構造となっており、その構造はサイトマップ600に示される。サイトマップ600で示されるWebサイトは、コンピュータソフトウェアを紹介するWebサイトである。サイトマップ600で示されるWebサイトには、最上位(第1階層)にトップページ601があり、第2階層にソフトウェアカテゴリページ602およびおすすめ特集ページ607がある。
【0056】
ソフトウェアカテゴリページ602の下位(第3階層)には、○○システムの商品紹介ページ603およびその他の商品紹介ページ606がある。さらに、○○システムの商品紹介ページ603の下位(第4階層)には、△太郎(商品名)の紹介ページ604および□子(商品名)の紹介ページ605がある。また、おすすめ特集ページ607の下位(第3階層)には、ベストセレクションを紹介するページ608があり、さらにその下位(第4階層)には、△太郎の紹介ページ609がある。この△太郎の紹介ページ609と上述した△太郎の紹介ページ604とは、同じ内容である。
【0057】
それぞれのページには、テンプレートおよびレイヤーが関連づけられている。たとえば、トップページ601には、テンプレート430およびレイヤー550が関連づけられている。テンプレート430は、第1領域431、第2領域432、第3領域433、第4領域434を含んでおり、第1領域431には“RED”、第2領域432には“BLUE”、第3領域433には“YELLOW”、第4領域434には“GREEN”という識別子が、それぞれ付与されている。また、レイヤー550は、コンテンツ551,552を含んでおり、コンテンツ551には識別子“RED”が、コンテンツ552には識別子“GREEN”が、それぞれ関連づけられている。
【0058】
ユーザ端末130(模式的にユーザとして示す)がトップページ601にアクセスすると、Webサーバ110は、トップページ601に関連づけられたテンプレート430およびレイヤー550を取得する。そして、Webサーバ110は、レイヤー550内のコンテンツ551,552をテンプレート430の対応する領域に配置して、トップページ601のリソースデータを生成する。生成されたリソースデータは、ユーザ端末130に送信され、ユーザ端末130に搭載されたWebブラウザによって処理されて、ユーザが閲覧可能なWebページとして提示される。
【0059】
ここで、ページとレイヤーとの関連づけの詳細について説明する。図7は、ページとレイヤーの関連づけについて説明するための説明図である。図7には、Webページの表示画面700が表示されている。表示画面700の上部には、パンくずリスト701が表示されている。パンくずリスト701とは、Webサイトの中のそのページの位置を、階層構造の上位ページへのリンクリストによって簡潔に記述したものである。Webサイト内のすべてのページの同じ場所にパンくずリスト701を掲載することにより、ユーザがWebサイト内の現在位置を直感的に理解する役に立つ。
【0060】
パンくずリスト701に示された各ページには、要素IDおよびリンクIDが付与されている(一部のみを図示)。要素IDは、それぞれのページを識別するために付与されたIDであり、同じ内容のページには同じIDが付与されている。一方、リンクIDはそのページと上位ページとのつながり(リンク)を識別するためのIDであり、同じ内容のページでも、Webサイト上での位置が異なると異なるリンクIDが付与される。なお、図7中の要素IDおよびリンクIDは説明のために示したものであり、ユーザ端末130の表示画面に表示されるものではない。要素IDおよびリンクIDは、Webサイト運営者がWebサイトの編集や管理をおこなう際に参照するものであり、たとえば、後述するWebサイト管理ツールを用いてWebサイトの編集や管理をおこなう際に用いられる。
【0061】
ここで、図7のパンくずリスト701は、サイトマップ600で示されるWebサイト上の△太郎紹介ページのパンくずリストである。図6のサイトマップ600上には、△太郎の紹介ページにアクセスする経路が2つ存在する。1つは、「トップページ601、ソフトウェアカテゴリページ602、○○システムの商品紹介ページ603、△太郎の紹介ページ604」の順にたどってアクセスするページ(このページを「通常△太郎ページ604」という)である。もう1つは、「トップページ601、おすすめ特集ページ607、ベストセレクション紹介ページ608、△太郎の紹介ページ609」の順にたどってアクセスするページ(このページを「特別△太郎ページ609」という)である。なお、これ以外にも、Webページの検索エンジンなどを利用することにより、トップページを介さず直接△太郎の紹介ページにアクセスする場合もある。
【0062】
このように、あるページ(ノード)が複数の階層にあらわれることが許可されているマルチマップの場合、リンクID712にレイヤーを関連づけることによって、ユーザがたどった経路別に異なるページを表示することが可能となる。また、あるページが単一の階層にのみあらわれるシングルマップの場合や、経路が異なる場合でも同一のページを表示させる場合には、要素ID711にレイヤーを関連づける。なお、要素ID711およびリンクID712の両方にレイヤーを関連づけておき、ページを表示する際にどちらのIDに関連づけられたレイヤーを取得するかを判断してもよい。
【0063】
つぎに、ユーザ端末130が△太郎の紹介ページにアクセスした場合のWebページ提供処理について説明する。上述したように、△太郎の紹介ページにアクセスするには2つの経路があるが、まず、「トップページ601、ソフトウェアカテゴリページ602、○○システムの商品紹介ページ603、通常△太郎ページ604」の順にたどる場合について、図8を用いて説明する。
【0064】
通常△太郎ページ604には、テンプレート440が関連づけられている。なお、このテンプレート440は、トップページ601に関連づけられたテンプレート430と同じものであってもよい。また、トップページ601にはレイヤー550が、ソフトウェアカテゴリページ602にはレイヤー560が、○○システムの商品紹介ページ603にはレイヤー570が、通常△太郎ページ604にはレイヤー580が、それぞれ関連づけられている。より詳細には、これらのページのリンクID(図7参照)にそれぞれのレイヤーが関連づけられている。
【0065】
ユーザ端末130が通常△太郎ページ604にアクセスすると、Webサーバ110は、通常△太郎ページ604に関連づけられたテンプレート440およびレイヤー580を取得する。また、Webサーバ110は、閲覧してきたページに関連づけられたレイヤー550,560,570を取得する。そして、レイヤー550,560,570,580内のコンテンツをテンプレート440の対応する領域に配置して、通常△太郎ページ604のリソースデータを生成する。
【0066】
つづいて、「トップページ601、おすすめ特集ページ607、ベストセレクション紹介ページ608、特別△太郎ページ609」の順にたどる場合について、図9を用いて説明する。特別△太郎ページ609には、通常△太郎ページ604と同じくテンプレート440およびレイヤー580が関連づけられている。また、トップページ601にはレイヤー550が、おすすめ特集ページ607にはレイヤー590が、それぞれ関連づけられている。より詳細には、図8と同様に、これらのページのリンクID(図7参照)にそれぞれのレイヤーが関連づけられている。なお、ベストセレクションページ608にはレイヤーが関連づけられていないが、レイヤーが関連づけられていないページがあってもよい。
【0067】
ユーザ端末130が特別△太郎ページ609にアクセスすると、Webサーバ110は、特別△太郎ページ609に関連づけられたテンプレート440およびレイヤー580を取得する。また、Webサーバ110は、閲覧してきたページに関連づけられたレイヤー550,590を取得する。そして、レイヤー550,580,590内のコンテンツをテンプレート440の対応する領域に配置して、特別△太郎ページ609のリソースデータを生成する。
【0068】
図8に示した通常△太郎ページ604と図9に示した特別△太郎ページ609とは、ページの生成に用いるレイヤーが異なるため、ページ内のコンテンツおよびその配置が異なっている。このように、Webサーバ110は、ユーザ端末130が同じ△太郎ページ(通常△太郎ページ604および特別△太郎ページ609)を閲覧した場合であっても、その経路によってページ内のコンテンツを変更する。これにより、Webサイト運営者は、ユーザにとってより有益な情報を提供することができる。
【0069】
より詳細には、たとえば、図8に示した経路で通常△太郎ページ604を閲覧したユーザは、このWebサイトで紹介されている商品を使ったことがなく、他社の同機能商品と比較して△太郎を購入するか迷っているユーザの可能性が高い。一方、図9で示した経路で特別△太郎ページ609を閲覧したユーザは、すでにこのWebサイトで紹介されている商品のユーザであり、キャンペーンなどで安価に△太郎を購入できるのであれば購入を検討しようとしているユーザの可能性が高い。
【0070】
この場合、図8に示した経路で通常△太郎ページ604を閲覧したユーザには、他社の同機能商品と△太郎との機能を比較した比較ページや、新規導入キャンペーンなどに誘導する情報をWebページ上に表示させるのが有効である。一方、図9に示した経路で特別△太郎ページ609を閲覧したユーザには、バージョンアップキャンペーンや再購入時の特典情報などに誘導する情報をWebページ上に表示させるのが有効である。
【0071】
このように、Webサーバ110は、ユーザ端末130によるWebサイトの閲覧履歴(閲覧経路)に基づいて要求されたページを生成する。これにより、それぞれのユーザに有益な情報を提供することができる。また、Webサイト内のコンテンツをレイヤー単位で管理できるので、Webサイト運営者は、Web関連技術に関する特殊な知識を持たなくても、サイト内の情報を簡単に変更することができる。このため、Webサイト運営者は、Webサイト上での企画やイベントを展開しやすくなり、Webサイトの有用性を高めることができる。
【0072】
(Webサイト運営者によるコンテンツ管理)
つぎに、Webサイト運営者によるWebサイト内のコンテンツ管理について説明する。Webサイト運営者は、以下で説明するような、Webサイト内のコンテンツを簡易に管理できるWebサイト管理ツールを用いてWebサイト内の保守運営をおこなう。
【0073】
図10および図11は、Webサイト管理ツールのインターフェースの一例を示す説明図である。サイト管理画面1000は、サイトマップ表示部1001、レイヤー管理部1002、プレビュー部1003によって構成される。サイトマップ表示部1001には、Webサイト全体のサイトマップが表示される。サイトマップは、ページ名表示および各ページをつなぐリンク表示によって構成される。サイトマップ表示部1001のページ名表示またはリンク表示を選択することにより、編集したいページまたはリンクを指定することができる。レイヤー管理部1002は、ページやリンクに関連づけられたレイヤーを表示したり、レイヤーを編集したりする領域である。プレビュー部1003には、サイトマップ表示部1001で選択されたページのプレビュー画面が表示される。
【0074】
たとえば、図10ではサイトマップ表示部1001でトップページが選択されており、プレビュー部1003には現在のトップページのプレビュー1031が表示されている。また、レイヤー管理部1002では、あらたなレイヤー1021が編集されている。レイヤー1021は、キャンペーン用レイヤーであり、キャンペーン用のコンテンツ1022a,1022bが含まれている。このレイヤー1021をサイト内の任意の位置(ページやリンク)に関連づけることにより、レイヤー1021内のコンテンツ1022a,1022bをサイト内の任意のページで表示させることができる。具体的には、レイヤー1021をサイトマップ表示部1001の任意のページ名表示の位置にドラッグ・アンド・ドロップすることにより、そのページにレイヤー1021を関連づけることができる。
【0075】
たとえば、図10に示したレイヤー1021をトップページに差し込んだ場合、図11のトップページ表示部1003のプレビュー1131のようにトップページが変化する。図11のプレビュー1131には、図10のプレビュー1031内のコンテンツに加えて、レイヤー1021内のコンテンツ1022a,1022bが表示されている。なお、ページに関連づけられたレイヤーをはずしたい場合には、サイトマップ表示部1001でページを指定して、そのページに関連づけられたレイヤーをレイヤー管理部1002に表示させ、はずしたいレイヤーを選択して消去すればよい。
【0076】
このように、Webサイト内のコンテンツを簡易に管理できるWebサイト管理ツールを用いることによって、Webデザインやシステムに関する特別な知識がない者であっても直感的にWebページのレイアウトやコンテンツを変更することができ、機動的なサイト運営をおこなうことができる。
【0077】
(Webページ提供処理の手順および詳細)
図12は、WebサーバによるWebページ提供処理の手順を示すフローチャートである。Webサーバ110は、ユーザ端末130から所定のWebページの送信要求を受信するまで待機する(ステップS1201:Noのループ)。Webページの送信要求を受信すると(ステップS1201:Yes)、Webサーバ110は、要求Webページに関連づけられたテンプレートを取得する(ステップS1202)。
【0078】
図13は、テンプレートのデータ構造の一例を示す説明図である。テンプレートデータ1301は、Webブラウザ上の表示領域を規定し、それぞれの表示領域を識別する識別子(図10の例では、“RED”“BLUE”“YELLOW”“GREEN”)を含んでいる。
【0079】
図12の説明に戻り、Webサーバ110は、ユーザ端末130のWebページの閲覧履歴情報を参照して(ステップS1203)、閲覧したページに関連づけられたレイヤーを取得する(ステップS1204)。なお、ステップS1204で取得するレイヤーには、要求Webページに関連づけられたレイヤーも含まれる。
【0080】
さらに、Webサーバ110は、ユーザ端末130を識別し、ユーザ端末130に対応するユーザ情報がある場合には、ユーザ情報に適合するレイヤーを取得する(ステップS1205)。ユーザ情報に適合するレイヤーとは、たとえば、ユーザの属性(性別や年齢、職業、居住地など)や、ユーザのWebサイト上における行動履歴(商品の購入履歴など)に関連づけられたレイヤーである。
【0081】
図14は、レイヤーのデータ構造の一例を示す説明図である。レイヤーデータ1401a〜1401cは、コンテンツ名およびそれぞれのコンテンツを表示する表示領域の識別子を含んでいる。より詳細には、レイヤーデータ1401aには、名称が“AAA”というコンテンツと、“BBB”というコンテンツが含まれている。コンテンツ“AAA”には識別子“RED”が関連づけられている。すなわち、コンテンツ“AAA”は図13で示したテンプレート上の“RED”で識別される領域に表示される。また、コンテンツ“BBB”には識別子“BLUE”が関連づけられており、コンテンツ“BBB”は領域“BLUE”に表示される。
【0082】
同様に、レイヤーデータ1401bは、領域“YELLOW”に表示されるコンテンツ“CCC”と、領域“BLUE”に表示されるコンテンツ“DDD”を含んでいる。また、レイヤーデータ1101cは、領域“GREEN”に表示されるコンテンツ“EEE”およびコンテンツ“FFF”を含んでいる。
【0083】
図12の説明に戻り、Webサーバ110は、取得したレイヤーに含まれるコンテンツを、それぞれのコンテンツに指定されている表示領域別に整理する(ステップS1206)。そして、ステップS1202で取得したテンプレート内のそれぞれの表示領域に、ステップS1206で整理したコンテンツを配置して(ステップS1207)、リソースデータを生成する。
【0084】
図15は、表示領域別に整理されたコンテンツ配列データの一例を示す説明図である。コンテンツ配列データ1501は、図14に示したレイヤー1401a〜1401cに含まれているコンテンツを、表示領域別に整理したものである。具体的には、領域“RED”に表示されるコンテンツ“AAA”、領域“GREEN”に表示されるコンテンツ“EEE”および“FFF”、領域“BLUE”に表示されるコンテンツ“BBB”および“DDD”、領域“YELLOW”に表示されるコンテンツ“CCC”に整理されている。図9のステップS1206では、このようにして表示領域別にコンテンツを整理してコンテンツ配列データを生成する。そして、ステップS1207でテンプレート内のそれぞれの表示領域にコンテンツを配置してリソースデータを生成する。
【0085】
図16は、リソースデータの一例を示す説明図である。図16に示すリソースデータ1601は、図13に示したテンプレートデータ1301に、図15に示したコンテンツ配列データ1501を所定のルールを用いて配置したものである。より詳細には、Webサーバ110は、テンプレートデータ1301のLayered−Mappingタグと、コンテンツ配列データ1501のcontentsタグとをarea−nameプロパティで照合し、マッチした場合に、コンテンツ(contents)をテンプレート(Layered−Mapping位置)に配置する。なお、コンテンツそのもののデータ(HTML)は、そのコンテンツに対応するコンポーネントプログラムが呼び出されて、リソースデータ1601内に設定される。
【0086】
図12の説明に戻り、Webサーバ110は、このようにして生成したリソースデータをユーザ端末130に送信する(ステップS1208)。また、今回送信したWebページの情報を閲覧履歴情報に記録して(ステップS1209)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0087】
以上説明したように、実施の形態にかかるWebページ閲覧システム100によれば、要求Webページのテンプレートに、レイヤー内のコンテンツを配置することにより、動的にWebページを生成することができる。このため、Webページ内のコンテンツを変更する際に、Webページのリソースデータそのものを変更する必要がなく、Webサイト運営者の作業負担を軽減することができる。
【0088】
また、Webページ閲覧システム100によれば、レイヤーには複数のコンテンツを含めることができるので、関連するコンテンツを一括して管理することができる。さらに、Webページ閲覧システム100によれば、ユーザ端末130によるWebページの閲覧履歴に基づいてレイヤーを取得する。このため、それぞれのユーザの興味や嗜好に合わせて要求Webページに含まれるコンテンツを変更することができる。
【0089】
なお、本実施の形態で説明したデータ提供方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0090】
以上のように、本発明にかかるデータ提供装置、データ提供方法およびデータ提供プログラムは、ユーザ端末にWebページのリソースデータを提供するWebサーバに適している。
【符号の説明】
【0091】
100 Webページ閲覧システム
101 Webサーバ
120 コンテンツDB
130 ユーザ端末
140 ネットワーク
301 受信部
302 識別部
303 テンプレート取得部
304 レイヤー取得部
305 生成部
306 送信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末で表示するWebページのリソースデータを提供するデータ提供装置であって、
前記ユーザ端末から所定のWebページの送信要求を受信する受信手段と、
前記受信手段によって送信要求が受信された前記Webページ(以下、「要求Webページ」という)のレイアウトを規定するテンプレートデータを取得するテンプレート取得手段と、
前記ユーザ端末による前記Webページの閲覧履歴に基づいて、少なくとも1つ以上のコンテンツを含むコンテンツ群データを、少なくとも1つ以上取得するコンテンツ群取得手段と、
前記コンテンツ群データに含まれる前記コンテンツを、前記テンプレートデータの前記レイアウトに従って配置して前記要求Webページの前記リソースデータを生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された前記リソースデータを前記ユーザ端末に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とするデータ提供装置。
【請求項2】
前記Webページには、それぞれ少なくとも1つ以上の前記コンテンツ群データが関連づけられており、
前記コンテンツ群取得手段は、前記ユーザ端末が閲覧した前記Webページに関連づけられた前記コンテンツ群データを取得することを特徴とする請求項1に記載のデータ提供装置。
【請求項3】
前記Webページに対する前記コンテンツ群データの関連づけは、前記Webページの運営者によって任意に変更可能であることを特徴とする請求項2に記載のデータ提供装置。
【請求項4】
前記コンテンツ群データに含まれる前記コンテンツは、前記Webページの運営者によって任意に変更可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のデータ提供装置。
【請求項5】
前記テンプレートデータは、前記レイアウトにおけるそれぞれの表示領域を識別する識別子を含み、
前記コンテンツ群データは、前記コンテンツがそれぞれ表示される前記表示領域の前記識別子を当該コンテンツと関連づけて含み、
前記生成手段は、前記コンテンツと関連づけられた前記識別子によって識別される前記表示領域に当該コンテンツをそれぞれ配置して前記リソースデータを生成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のデータ提供装置。
【請求項6】
前記ユーザ端末を使用するユーザまたは前記ユーザ端末を識別する識別手段を備え、
前記コンテンツ群取得手段は、前記識別手段による識別結果に基づいて前記コンテンツ群データを取得することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のデータ提供装置。
【請求項7】
ユーザ端末で表示するWebページのリソースデータを提供するデータ提供方法であって、
前記ユーザ端末から所定のWebページの送信要求を受信する受信工程と、
前記受信工程で送信要求が受信された前記Webページ(以下、「要求Webページ」という)のレイアウトを規定するテンプレートデータを取得するテンプレート取得工程と、
前記ユーザ端末による前記Webページの閲覧履歴に基づいて、少なくとも1つ以上のコンテンツを含むコンテンツ群データを、少なくとも1つ以上取得するコンテンツ群取得工程と、
前記コンテンツ群データに含まれる前記コンテンツを、前記テンプレートデータの前記レイアウトに従って配置して前記要求Webページの前記リソースデータを生成する生成工程と、
前記生成工程で生成された前記リソースデータを前記ユーザ端末に送信する送信工程と、
を含んだことを特徴とするデータ提供方法。
【請求項8】
請求項7に記載のデータ提供方法をコンピュータに実行させることを特徴とするデータ提供プログラム。
【請求項1】
ユーザ端末で表示するWebページのリソースデータを提供するデータ提供装置であって、
前記ユーザ端末から所定のWebページの送信要求を受信する受信手段と、
前記受信手段によって送信要求が受信された前記Webページ(以下、「要求Webページ」という)のレイアウトを規定するテンプレートデータを取得するテンプレート取得手段と、
前記ユーザ端末による前記Webページの閲覧履歴に基づいて、少なくとも1つ以上のコンテンツを含むコンテンツ群データを、少なくとも1つ以上取得するコンテンツ群取得手段と、
前記コンテンツ群データに含まれる前記コンテンツを、前記テンプレートデータの前記レイアウトに従って配置して前記要求Webページの前記リソースデータを生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された前記リソースデータを前記ユーザ端末に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とするデータ提供装置。
【請求項2】
前記Webページには、それぞれ少なくとも1つ以上の前記コンテンツ群データが関連づけられており、
前記コンテンツ群取得手段は、前記ユーザ端末が閲覧した前記Webページに関連づけられた前記コンテンツ群データを取得することを特徴とする請求項1に記載のデータ提供装置。
【請求項3】
前記Webページに対する前記コンテンツ群データの関連づけは、前記Webページの運営者によって任意に変更可能であることを特徴とする請求項2に記載のデータ提供装置。
【請求項4】
前記コンテンツ群データに含まれる前記コンテンツは、前記Webページの運営者によって任意に変更可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のデータ提供装置。
【請求項5】
前記テンプレートデータは、前記レイアウトにおけるそれぞれの表示領域を識別する識別子を含み、
前記コンテンツ群データは、前記コンテンツがそれぞれ表示される前記表示領域の前記識別子を当該コンテンツと関連づけて含み、
前記生成手段は、前記コンテンツと関連づけられた前記識別子によって識別される前記表示領域に当該コンテンツをそれぞれ配置して前記リソースデータを生成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のデータ提供装置。
【請求項6】
前記ユーザ端末を使用するユーザまたは前記ユーザ端末を識別する識別手段を備え、
前記コンテンツ群取得手段は、前記識別手段による識別結果に基づいて前記コンテンツ群データを取得することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のデータ提供装置。
【請求項7】
ユーザ端末で表示するWebページのリソースデータを提供するデータ提供方法であって、
前記ユーザ端末から所定のWebページの送信要求を受信する受信工程と、
前記受信工程で送信要求が受信された前記Webページ(以下、「要求Webページ」という)のレイアウトを規定するテンプレートデータを取得するテンプレート取得工程と、
前記ユーザ端末による前記Webページの閲覧履歴に基づいて、少なくとも1つ以上のコンテンツを含むコンテンツ群データを、少なくとも1つ以上取得するコンテンツ群取得工程と、
前記コンテンツ群データに含まれる前記コンテンツを、前記テンプレートデータの前記レイアウトに従って配置して前記要求Webページの前記リソースデータを生成する生成工程と、
前記生成工程で生成された前記リソースデータを前記ユーザ端末に送信する送信工程と、
を含んだことを特徴とするデータ提供方法。
【請求項8】
請求項7に記載のデータ提供方法をコンピュータに実行させることを特徴とするデータ提供プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−237949(P2010−237949A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−85067(P2009−85067)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(390024350)株式会社ジャストシステム (123)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(390024350)株式会社ジャストシステム (123)
【Fターム(参考)】
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