説明

トナー組成物

【課題】開始材料の変動に対する感受性を最小に抑え、既存の処理装置および機器を使用することができる、トナーを製造するための改善された方法を提供する。
【解決手段】本開示は、ラテックス樹脂類およびそのような樹脂類を用いて製造されたトナー類の粒子サイズを減少させるためのプロセスを提供する。実施形態では、カルボン酸を、ラテックスを製造するために使用される材料に添加してもよく、得られたラテックス粒子およびトナー粒子の粒子サイズが減少される。本開示によれば、カルボン酸が存在しなければ大きすぎる粒子を製造する可能性のあるラテックス樹脂類およびトナー類の製造のための材料を使用することができる可能性がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー組成物に関する。本出願は速達証明書第EV929664641US(代理人整理番号第20061849−US−NP(1515−91))の下、これと同時に出願された「トナー組成物」と題する共に係属中の出願に関連する。
【背景技術】
【0002】
トナーの調製に対しては多くのプロセスが公知であり、例えば、樹脂が顔料と溶融混練または押し出され、微粉化され、粉砕されてトナー粒子が提供される従来のプロセスがある。
【0003】
トナーはまた、乳化重合凝集法により生成させることができる。乳化重合凝集(EA)型トナーを調製する方法は公知であり、トナーは着色剤を乳化重合により形成させたラテックスポリマーと共に凝集させることにより形成させてもよい。
【0004】
トナー合成に関連する1つの問題は、トナーおよびその中で使用するラテックスを形成するのに使用される材料の品質の変動である。いくつかの場合では、この変動および開始材料における不純物の存在により、サイズが大きすぎ、そのため、使用目的に適していないトナー粒子が形成される可能性がある。
【0005】
【特許文献1】米国特許第2,874,063号公報
【特許文献2】米国特許第4,265,990号公報
【特許文献3】米国特許第4,858,884号公報
【特許文献4】米国特許第4,584,253号公報
【特許文献5】米国特許第4,563,408号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
開始材料の変動に対する感受性を最小に抑え、既存の処理装置および機器を使用することができる、トナーを製造するための改善された方法が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、トナーを製造するために使用してもよいラテックスを製造するためのプロセスを提供する。ラテックスおよびトナーも提供する。実施形態では、本開示はラテックスをカルボン酸および下記化学式:
【化1】

(I)
(式において、R1は水素またはメチル基であり、R2およびR3は約1〜約12の炭素原子を含むアルキル基またはフェニル基であってもよく、nは約0〜約20である)
の安定化剤と接触させる工程と、得られたラテックスル樹脂を回収する工程と、を含み、カルボン酸は得られたラテックス樹脂の粒子サイズを減少させるのに十分な量で存在する、プロセスを提供する。
【0008】
実施形態では、プロセスはさらに、カルボン酸を安定化剤およびラテックスのモノマー成分と混合しエマルジョンを形成させる工程と、エマルジョンの一部を、開始剤が入っている反応器に添加しシード樹脂を形成させる工程と、エマルジョンの残りを反応器に添加しラテックス重合を完了させる工程と、を含んでもよい。
【0009】
別の実施形態では、プロセスはさらに、カルボン酸をラテックスのモノマー成分と混合し反応器内でエマルジョンを形成させる工程と、開始剤を反応器に添加しシード樹脂を形成させる工程と、安定化剤をラテックスのモノマー成分と混合し第2のエマルジョンを形成させる工程と、第2のエマルジョンを反応器に添加しラテックス重合を完了させる工程と、を含んでもよい。
【0010】
別の実施形態では、本開示のプロセスは、スチレン類、アクリラート類、メタクリラート類、ブタジエン類、イソプレン類、アクリル酸類、メタクリル酸類、アクリロニトリル類、およびそれらの組み合わせを含むラテックスをアクリル酸および、β−カルボキシエチルアクリラートを含む安定化剤と接触させる工程と、得られたラテックスを回収する工程と、を含んでもよく、アクリル酸は得られたラテックス樹脂の粒子サイズを減少させるのに十分な量で存在する。
【0011】
上記のように、ラテックス類およびトナー類もまた、本開示により提供される。実施形態では、トナーは、スチレン類、アクリラート類、メタクリラート類、ブタジエン類、イソプレン類、アクリル酸類、メタクリル酸類、アクリロニトリル類、およびそれらの組み合わせを含むラテックスと、ラテックスの粒子サイズを減少させるのに十分な量で存在するカルボン酸と、下記化学式の安定化剤:
【化2】

(I)
(式において、R1は水素またはメチル基であり、R2およびR3は約1〜約12の炭素原子を含むアルキル基またはフェニル基とすることができ、nは約0〜約20である)
と、着色剤分散物と、必要に応じてワックス分散物と、を含んでもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本開示は、トナー粒子を製造するために使用してもよいラテックス樹脂類を調製するために使用される材料における不純物の存在および/または変動から生じる問題を避ける可能性のあるトナー粒子の調製のためのプロセスを提供する。実施形態では、本開示のトナー粒子は、ラテックスの形成において開始シードモノマーの一部としてカルボン酸を使用し、および/またはカルボン酸を他の材料と混合して製造してもよく、所望の物理特性および形態を有するトナー粒子の製造に適したラテックス樹脂が製造される。驚いたことに、他の開始材料における不純物または変動が、そうでなければ、望ましくない物理特性および形態、複数の実施形態ではトナーとして使用するには大きすぎる粒子サイズを有するラテックス樹脂類およびトナー粒子となる可能性がある場合であっても、カルボン酸の添加により適した粒子サイズを有するラテックス樹脂類およびトナー類が製造される可能性があることが見出されている。
【0013】
本開示のトナー類は、ラテックスを顔料と組み合わせて含んでもよい。ラテックスは当業者の範囲内の任意の方法により調製してもよいが、実施形態では、ラテックスは乳化重合法により調製してもよく、エマルジョンは乳化重合凝集トナー類を含んでもよい。乳化重合凝集はサブミクロンラテックスと顔料粒子の両方を凝集させトナーサイズ粒子とし、ここで、粒子サイズの成長は、例えば、サブミクロンからであり、実施形態では約3μmから約10μmである。実施形態では、ラテックスおよび得られるトナーは半連続重合プロセスにより製造してもよく、このプロセスではシード粒子が最初に形成され、その後に追加のモノマー類および材料が使用されてラテックスが形成され、ラテックスは次に、本開示のトナー粒子を形成するのに使用されてもよい。別の実施形態では、バッチ乳化重合プロセスを使用してラテックスおよび得られるトナーを形成してもよい。
【0014】
樹脂:
ラテックスエマルジョンを調製するのに適した任意のモノマーを本プロセスで使用することができる。ラテックスエマルジョンを形成するのに有用な適したモノマー類、およびこのように、ラテックスエマルジョン中で得られたラテックス粒子としては、スチレン類、アクリラート類、メタクリラート類、ブタジエン類、イソプレン類、アクリル酸類、メタクリル酸類、アクリロニトリル類、それらの組み合わせなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0015】
実施形態では、ラテックス樹脂は少なくとも1つのポリマーを含んでもよい。実施形態では、少なくとも1つは約1〜約12、実施形態では約3〜約10としてもよい。ポリマーはブロック、ランダム、グラフト、または交互コポリマー類としてもよい。さらに、ビスフェノールAおよびプロピレンオキシドまたはプロピレンカーボネートの反応から得られるポリエステル樹脂類、特に得られた生成物とフマル酸との反応が次に起こるそのようなポリエステル類を含む(米国特許第5,227,460号において開示)、およびジメチルテレフタレートの1,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、およびペンタエリトリトールとの反応から得られる分枝ポリエステル樹脂類もまた使用してもよい。
【0016】
実施形態では、ポリ(スチレン−コ−ブチルアクリラート)をラテックス樹脂として使用してもよい。このラテックスのガラス転移温度は、約35℃〜約75℃、実施形態では約40℃〜約65℃であってもよい。
【0017】
実施形態では、ラテックスは界面活性剤または共界面活性剤を含む水相で調製してもよい。ラテックス分散物中で使用してもよい界面活性剤は、固体の約0.01〜約15重量%、実施形態では固体の約0.1〜約10重量%の量のイオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤とすることができる。
【0018】
使用してもよいアニオン性界面活性剤としては、スルフェート類およびスルホネート類、ジスルホネート類、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレン硫酸ナトリウム、ベンゼンアルキル硫酸およびスルホン酸ジアルキル類、アビエチン酸などの酸類が挙げられる。
【0019】
特別な界面活性剤またはその組み合わせの選択、ならびに使用される各々の量は当業者の範囲内にある。
【0020】
実施形態では、ラテックスの形成のために開始剤を添加してもよい。適した開始剤の例としては、水溶性開始剤、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムおよび過硫酸カリウム、ならびにバゾ過酸化物を含む有機過酸化物類およびアゾ化合物類を含む有機可溶性開始剤が挙げられる。
【0021】
開始剤は適した量、例えば、約0.1〜約8重量%、実施形態ではモノマー類の約0.2〜約5重量%で添加することができる。
【0022】
実施形態では、ドデカンチオール、オクタンチオール、四臭化炭素、それらの混合物などを含む連鎖移動剤を、約0.05〜約10%、実施形態ではモノマー類の約0.1〜約5重量%の量で使用してもよく、乳化重合が本開示に従い実施された時のポリマーの分子量特性が制御される。
【0023】
安定化剤:
実施形態では、トナーを形成させる時に安定化剤を含むと好都合である場合がある。適した安定化剤としては、カルボン酸官能性を有するモノマー類が挙げられる。実施形態では、適した安定化剤は下記式(I)を有してもよい:
【化3】

(I)
(式において、R1は水素またはメチル基であり、R2およびR3は約1〜約12の炭素原子を含むアルキル基またはフェニル基から独立して選択され、nは約0〜約20であり、実施形態では約1〜約10である)。
【0024】
実施形態では、カルボン酸官能性を有する安定化剤はまた金属イオン、例えば、ナトリウム、カリウムおよび/またはカルシウムを含んでもよく、より良好な乳化重合結果が達成される。金属イオンは、カルボン酸官能性を有する安定化剤の約0.001〜約10重量%の、実施形態では、カルボン酸官能性を有する安定化剤の約0.5〜約5重量%の量で存在してもよい。
【0025】
実施形態では、ラテックスを形成する際に、β−カルボキシエチルアクリラート(β−CEA)などのアクリラートを含むことが望ましい場合がある。このように、実施形態では、ポリ(スチレン−ブチルアクリラート−β−カルボキシエチルアクリラート)をラテックスとして使用してもよい。このラテックスのガラス転移温度は約45℃〜約65℃、実施形態では約48℃〜約62℃であってもよい。
【0026】
上記安定化剤の使用により生じる可能性のある1つの潜在的な問題は複数のバッチの安定化剤の形成において起こる可能性のある変動である。安定化剤の品質の一貫性は、これらの材料を用いて製造されるトナー類の粒子サイズを含むトナー製造に影響する可能性がある。例えば、β−CEAはアクリル酸からマイケル付加反応により製造してもよい。反応温度はβ−CEAのカルボン酸数において重要な因子となる可能性があり、温度が高いほどカルボン酸基が少なくなるが、同じプロセス時間のいくつかの場合では、マイケル反応は室温で、ずっと低い反応速度で進行することができ、より多くのカルボン酸基が得られる。
【0027】
β−CEAの品質はこのように、とりわけカルボン酸基の数の変動に関しては、バッチ間で一貫していない可能性があり、これは一部では異なる処理温度に由来する可能性がある。例えば、β−CEAがより多くのカルボン酸基を含む場合、そのような安定化剤を用いて製造させたラテックス類はより大きな粒子サイズを有する可能性があり、これは、乳化重合凝集プロセスにおけるトナー粒子の形成を妨害する可能性がある。このように、品質のよくないβ−CEAはラテックス合成に関する問題を引き起こす可能性があり、低い品質収率、より広いラテックス粒子分布、より短いラテックス寿命、より多くの反応器汚損、およびより高い発熱反応のための反応温度制御における困難が挙げられる。
【0028】
上記のように、β−カルボキシエチルアクリラートを使用して、本開示に従いトナーを形成するのに適したラテックスを形成してもよいが、いくかの場合では、β−CEAはその中に不純物を有する可能性があり、これにより、より大きなサイズの、実施形態では約300nmを超えるトナー粒子が得られ、これは望ましくない可能性がある。本開示によれば、驚くべきことに、β−CEAにおける不純物に関連する問題が最小に抑えられ、または回避される可能性があり、ラテックス形成時にβ−CEAに酸を添加することにより、別の実施形態では、半連続乳化重合凝集プロセス中のシード粒子形成において酸を使用することにより、望ましい粒子サイズを有するトナー類が製造される可能性があることが見出されている。
【0029】
本開示により許容されるラテックスを製造するのに使用してもよい適した酸は、そうでなければ大きすぎる粒子サイズを有するトナー類を製造することが知られているβ−CEAなどの安定化剤を使用する場合であっても、カルボン酸、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、桂皮酸、それらの組み合わせ、などを含むが、それらに限定されない。実施形態では、アクリル酸などのカルボン酸は大きすぎる粒子を生成することが知られているβ−CEAと混合してもよく、またはアクリル酸などのカルボン酸を、半連続乳化重合凝集プロセス中にシード粒子を形成するのに使用してもよく、その後、大きすぎる粒子を生成することが知られているβ−CEAを添加する。どちらの場合でも、本明細書で開示した酸の使用は、β−CEAの負の効果を最小に抑え、得られたラテックス粒子はトナーを製造するのに許容されるサイズ、実施形態では、約80nm〜約800nm、別の実施形態では約170nm〜約240nmである。
【0030】
そうでなければ大きすぎる粒子を生成させることが知られているβ−CEAなどのよくない安定化剤の負の効果を最小に抑えるために添加する酸の量は、添加段階によって変動する。シード粒子を形成させるために使用する場合、酸の量はシードを形成させるために使用されるモノマー混合物の約0.001重量%〜約10重量%、実施形態ではシードを形成させるために使用されるモノマー混合物の約0.1重量%〜約5重量%であってもよく、シードはラテックスを形成するのに適した上記モノマー類を含んでもよいが、実施形態では、よくない上記安定化剤を含まなくてもよい。樹脂粒子の形成中に酸を添加する場合、酸の量は樹脂を形成するために使用される混合物の約0.001重量%〜約10重量%、実施形態では樹脂を形成するために使用される混合物の約0.1重量%〜約1重量%であってもよく、樹脂はモノマー類および上記β−CEAなどの安定化剤の両方を含む。
【0031】
乳化重合プロセスでは、反応物を混合容器などの適した反応器に添加してもよい。適当な量の少なくとも2つのモノマー類、実施形態では約2〜約10のモノマー類と、本開示の安定化剤と、界面活性剤と、もしあれば開始剤と、もしあれば連鎖移動剤、などと、を反応器で混合してもよく、乳化重合プロセスを開始させてもよい。乳化重合を実行するために選択した反応条件は、例えば、約45℃〜約120℃、実施形態では約60℃〜約90℃の温度を含む。
【0032】
ラテックス粒子の形成後、ラテックス粒子を使用してトナーを形成させてもよい。実施形態では、トナー類は、本開示のラテックス粒子の着色剤、および1つまたは複数の添加剤、例えば、本開示の安定化剤、界面活性剤、凝固剤、ワックス、表面添加剤、および必要に応じてそれらの混合物との凝集および融合により調製される乳化重合凝集型トナーである。
【0033】
pH調整剤:
いくつかの実施形態では、乳化重合凝集プロセスの速度を制御するためにpH調整剤を添加してもよい。本開示のプロセスで使用されるpH調整剤は、製造される生成物に悪影響を与えない任意の酸または塩基とすることができる。適した塩基としては、金属水酸化物類、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、および必要に応じてそれらの混合物が挙げられる。適した酸としては、硝酸、硫酸、塩酸、クエン酸、酢酸、および必要に応じてそれらの混合物が挙げられる。
【0034】
ワックス:
ワックス分散物もまた、本開示のトナー類を製造するためにラテックスに添加してもよい。適したワックスとしては、例えば、体積平均粒径が約50〜約1000nm、実施形態では約100〜約500nmのサイズ範囲のサブミクロンワックス粒子が水とイオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、またはその混合物との水相中に懸濁されたものが挙げられる。適した界面活性剤としては上記のものが挙げられる。イオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤は、ワックスの約0.1〜約20重量%、実施形態では約0.5〜約15重量%の量で存在してもよい。
【0035】
本開示の実施形態に従うワックス分散物は、例えば、天然植物ろう、天然動物ろう、鉱物ろう、および/または合成ろうを含んでもよい。天然植物ろうの例としては、例えば、カルナウバろう、カンデリラろう、和ろう、およびヤマモモろうが挙げられる。
【0036】
実施形態では、ワックス類は官能化されてもよい。ワックス類を官能化するために添加される基の例としては、アミン類、アミド類、イミド類、エステル類、四級アミン類、および/またはカルボン酸類が挙げられる。
【0037】
ワックスは、トナーの約0.1〜約30重量%、実施形態では約2〜約20重量%の量で存在してもよい。
【0038】
着色剤:
ラテックス粒子を着色剤分散物に添加してもよい。着色剤分散物は、例えば、体積平均粒径が、例えば、約50〜約500nm、実施形態では、約100〜約400nmのサイズ範囲のサブミクロン着色剤粒子を含んでもよい。着色剤粒子は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、またはそれらの混合物を含む水相に懸濁させてもよい。実施形態では、界面活性剤はイオン性であってもよく、着色剤の約0.1〜約25重量%、実施形態では約1〜約15重量%であってもよい。
【0039】
本開示によるトナー類を形成するのに有用な着色剤としては、顔料、染料、顔料と染料の混合物、顔料混合物、染料混合物、などが挙げられる。
【0040】
実施形態では、着色剤が顔料である。
【0041】
着色剤は開示のトナー中に、トナーの約1〜約25重量%の量、実施形態ではトナーの約2〜約15重量%の量で存在してもよい。
【0042】
必要に応じて分散物とされる、得られたラテックスブレンドと、着色剤分散物とを撹拌し、約35℃〜約70℃、実施形態では約40℃〜約65℃の温度まで加熱してもよく、体積平均粒径が約2μm〜約10μm、実施形態では体積平均粒径が約5μm〜約8μmのトナー凝集物が得られる。
【0043】
凝固剤(Coagulant):
実施形態では、凝固剤はラテックスと水性着色剤分散物とを凝集させる間、またはその前に添加してもよい。凝固剤は処理条件により、約1〜約60分、実施形態では約1.25〜約20分の期間にわたり添加してもよい。
【0044】
実施形態では、適した凝固剤としては、例えば、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、ポリ臭化アルミニウム、またはポリスルホケイ酸アルミニウムなどの多金属塩が挙げられる。多金属塩は、硝酸溶液、または硫酸、塩酸、クエン酸または酢酸などの他の希酸溶液形態とすることができる。凝固剤はトナーの約0.01〜約5重量%、実施形態では約0.1〜約3重量%の量で添加してもよい。
【0045】
凝集剤(Aggregating Agent):
錯化を引き起こすことができる任意の凝集剤を、本開示のトナーを形成する際に使用してもよい。アルカリ土類金属または遷移金属塩の両方を凝集剤として使用することができる。実施形態では、アルカリ(II)塩を選択し、ナトリウムスルホン化ポリエステルコロイドを着色剤と凝集させ、トナー複合物が形成させることができる。
【0046】
トナー調合プロセスにおいて使用してもよい中和塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、および必要に応じてそれらの混合物を含む金属水酸化物などの塩基が挙げられる。水酸化ナトリウムに溶解したケイ酸ナトリウムを含む組成物もまた中和剤として有用である。
【0047】
添加物:
トナーはまた、有効量、例えば、約0.1〜約10重量%、実施形態では約0.5〜約7重量%の帯電添加物を含んでもよい。
【0048】
さらに、必要に応じて用いる添加物は、トナー組成物の特性を増強させる任意の添加物を含む。表面添加物、カラーエンハンサ、などが含まれる。
【0049】
トナー粒子の適当な最終サイズが達成されるとすぐに、混合物のpHを塩基で約3.5〜約7、実施形態では約4〜約6.5の値に調整してもよい。塩基としては、例えば、アルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および水酸化アンモニウムなどの任意の適した塩基が挙げられる。アルカリ金属水酸化物は混合物の約0.1〜約30重量%、実施形態では混合物の約0.5〜約15重量%の量で添加してもよい。
【0050】
必要に応じて分散物である得られたラテックスブレンドと、本開示の安定化剤と、必要に応じてワックスと、着色剤分散物と、必要に応じて凝固剤と、必要に応じて凝集剤と、をその後、撹拌し、ラテックスのTgより低い温度、実施形態では約30℃〜約70℃、実施形態では約40℃〜約65℃まで、約0.2時間〜約6時間、実施形態では約0.3〜約5時間の期間加熱してもよい。
【0051】
実施形態では、シェルを凝集粒子上で形成させてもよい。コアラテックスを形成させるために上記使用した任意のラテックスを使用してシェルラテックスを形成させてもよい。実施形態では、スチレン−n−ブチルアクリラートコポリマーを使用してシェルラテックスを形成させてもよい。実施形態では、シェルを形成させるのに使用するラテックスは、約35℃〜約75℃、実施形態では約40℃〜約70℃のガラス転移温度を有してもよい。
【0052】
使用する場合、シェルラテックスは、浸漬、噴霧、などを含む当業者の範囲内の任意の方法により適用してもよい。シェルラテックスは、トナー粒子の所望の最終サイズ、実施形態では約2μm〜約10μm、別の実施形態では約4μm〜約8μmが達成されるまで適用してもよい。別の実施形態では、トナー粒子は、ラテックスのその場(in−situ)シード半連続乳化共重合により調製してもよく、この場合、アルカリ樹脂をシェル合成中に添加してもよい。このように、実施形態では、トナー粒子は、スチレンとn−ブチルアクリラート(BA)のその場(in−situ)シード半連続乳化共重合により調製してもよく、この場合、シェル合成のための反応の後期で樹脂酸カルシウムを導入してもよい。
【0053】
ラテックスと、着色剤と、必要に応じて用いるワックスと、任意の添加物と、の混合物をその後合一させる。合一は、約80℃〜約99℃の温度で約0.5〜約12時間、実施形態では約1〜約6時間の期間、撹拌し、加熱することを含んでもよい。合一はさらに撹拌することにより加速させてもよい。
【0054】
実施形態では、混合物のpHをその後、約3.5〜約6まで、実施形態では約3.7〜約5.5まで、例えば、酸により低下させ、さらにトナー凝集体を合一させてもよい。適した酸としては、例えば、硝酸、硫酸、塩酸、クエン酸または酢酸が挙げられる。添加する酸の量は、混合物の約0.1〜約30重量%、実施形態では混合物の約1〜約20重量%としてもよい。
【0055】
混合物を冷却し、洗浄し、乾燥させる。冷却は約20℃〜約40℃、実施形態では約22℃〜約30℃の温度で約1時間〜約8時間、実施形態では約1.5時間〜約5時間の期間にわたってもよい。
【0056】
実施形態では、合一トナースラリーの冷却は、例えば、氷、ドライアイスなどの冷媒を添加し、約20℃〜約40℃、実施形態では約22℃〜約30℃の温度まで急冷することによるクエンチング(quenching)を含む。クエンチングは、少量、例えば、約2リットル未満、実施形態では約0.1リットル〜約1.5リットルのトナーに対して実行可能である可能性がある。より大規模な、例えばサイズが約10リットルより大きなプロセスでは、トナー混合物の急冷は、冷媒をトナー混合物中に導入しても、ジャケット付き反応器冷却を使用しても、実行できず、実際的ではない。
【0057】
トナースラリーはその後洗浄してもよい。洗浄は約7〜約12のpH、実施形態では約9〜約11のpHで実施してもよい。洗浄は約30℃〜約70℃、実施形態では約40℃〜約67℃の温度であってもよい。洗浄は脱イオン水中に存在するトナー粒子を含むフィルタケーキを濾過し、再スラリー化することを含んでもよい。フィルタケーキは、脱イオン水により1回または複数回洗浄してもよく、または約4のpHでの単一脱イオン水洗浄により洗浄してもよく、ここで、スラリーのpHは酸で調整され、その後、必要に応じて、1回または複数回の脱イオン水洗浄が実施される。
【0058】
乾燥は約35℃〜約75℃、実施形態では約45℃〜約60℃の温度で実施してもよい。乾燥は、粒子の水分レベルが約1重量%、実施形態では約0.7重量%未満の設定目標未満となるまで続けてもよい。
【0059】
本開示のトナーは約0.9〜約0.99、実施形態では約0.94〜約0.98の真円度を有する粒子を含んでもよい。球状トナー粒子がこの範囲の真円度を有する場合、画像保持部材の表面上に残った球状トナー粒子は画像保持部材の接触部分と接触充電器との間を通過し、変形トナー量は少なく、そのため、トナーフィルミング生成を阻止することができ、そのため、欠陥のない安定な画像品質が長期間にわたり得られる。
【0060】
用途:
本開示によるトナーは、プリンタ、コピー機、などを含む様々なイメージング装置において使用することができる。本開示により生成させたトナー類はイメージングプロセス、とりわけ、約90%を超えるトナー転写効率で動作してもよい電子写真プロセス、例えば、クリーナーを有さない小型機設計を有するもの、または優れた画像解像度、許容可能な信号対雑音比、画像均質性を有する高品質カラーイメージを提供するように設計されているものに対し優れている。さらに、本開示のトナー類は、電子写真イメージングおよび印刷プロセス、例えばデジタルイメージングシステムおよびプロセスに対して選択することができる。
【0061】
イメージングプロセスは、電子印刷装置での画像の生成およびその後、本開示のトナー組成物による画像の現像を含む。静電手段による光導電性材料の表面上での画像の形成および現像は周知である。基本的な電子写真プロセスは均一な静電荷を光導電性絶縁層上に配置する工程と、層を光と影の画像に暴露し光に暴露された層の領域上の電荷を消散させる工程と、画像に当技術分野で「トナー」と呼ばれる微細検電器材料を堆積させることにより得られた静電潜像を現像する工程と、を含む。トナーは通常、層の除電領域に引きつけられ、これにより、静電潜像に対応するトナー画像が形成される。この粉末画像はその後、紙などの支持体表面に転写されてもよい。転写された画像はその後、永久に、熱により支持体表面に付着させてもよい。
【0062】
現像剤組成物は、本開示の実施形態により得られたトナー類を、鋼、フェライト類などの被覆キャリア類を含む公知のキャリア粒子と混合することにより調製することができる。そのような現像剤のトナー対キャリア質量比は現像剤組成物の約2〜約20%、実施形態では約2.5〜約5%としてもよい。キャリア粒子は、その中に導電性カーボンブラックのような導電性成分を分散させた、ポリメチルメタクリラート(PMMA)などのポリマーコーティングをその上に有するコアを含むことができる。キャリアコーティングは、メチルシルセスキオキサン類などのシリコーン樹脂類、ポリフッ化ビニリデンなどのフルオロポリマー類、ポリフッ化ビニリデンおよびアクリル樹脂などの摩擦電気シリーズにおいて近接していない樹脂の混合物、アクリル樹脂などの熱硬化性樹脂類、それらの混合物および他の公知の成分を含む。
【0063】
現像は除電領域現像を介して実施してもよい。除電領域現像では、フォトレセプタ(感光体)が帯電され、その後に、現像されるべき領域が除電される。現像場およびトナー電荷は、トナーがフォトレセプタ上の帯電領域から跳ね返され、除電領域に引きつけられるようなものである。この現像プロセスはレーザスキャナで使用される。
【0064】
現像は米国特許第2,874,063号で開示されている磁気ブラシ現像プロセスにより実施してもよい。この方法は、磁石による、本開示のトナーおよび磁気キャリア粒子を含む現像剤材料の運搬を含む。磁石の磁場はブラシ様配置での磁気キャリアの整合を引き起こし、この「磁気ブラシ」は静電画像を有するフォトレセプタ表面と接触する。トナー粒子は、フォトレセプタの除電領域への静電引力によりブラシから静電画像に引きつけられ、画像が現像される。実施形態では、現像剤が導電キャリア粒子を含み、偏い磁石からキャリア粒子を通ってフォトレセプタまでの間で電流を伝導することができる導電磁気ブラシプロセスを使用する。
【0065】
イメージング:
イメージング法もまた、本明細書で開示したトナー類を用いて想定される。そのような方法としては、例えば、上記特許のいくつか、ならびに米国特許第4,265,990号、同第4,858,884号、同第4,584,253号および同第4,563,408号が挙げられる。イメージングプロセスは、電子印刷磁気画像文字認識装置における画像の生成およびその後の、本開示のトナー組成物による画像の現像を含む。静電手段による光導電材料表面上での画像の形成および現像は周知である。基本的な電気写真プロセスは、均一な静電荷を光導電性絶縁層に配置する工程と、層を光と影の画像に暴露し光に暴露された層の領域上の電荷を消散させる工程と、画像上に微細検電器材料、例えばトナーを堆積させることにより得られた静電潜像を現像する工程と、を含む。トナーは通常、電荷を保持する層の領域に引きつけられ、これにより、静電潜像に対応するトナー画像が形成される。この粉末画像はその後、紙などの支持体表面に転写されてもよい。転写された画像はその後、永久に、熱により支持体表面に付着させてもよい。光導電性層を均一に帯電させ、その後に層を光および影の画像に暴露することにより潜像を形成させる代わりに、層を画像構成で直接帯電させることにより潜像を形成させてもよい。その後、粉末画像を光導電性層に固定し、粉末画像転写を省略してもよい。溶媒またはオーバーコート処理などの他の適した固定手段を、前述の加熱固定工程の代わりに使用してもよい。
【実施例】
【0066】
比較例1.
対照ラテックス:
ラテックス樹脂を、ジフェニルオキシドジスルホネート界面活性剤を使用する、重量比が約75/25/3部のスチレン/ブチルアクリラート/β−カルボキシエチルアクリラートの半連続乳化重合により、調製した。これらのサンプルを製造するために使用したβ−カルボキシエチルアクリラートは、許容される粒子サイズを有するラテックスを製造することで知られていた。
【0067】
重合条件は下記の通りとした。8リットルのジャケット付きガラス反応器に2つのステンレス鋼45°ピッチ半軸流羽根と、熱電対温度プローブと、窒素出口、窒素入口、内部冷却能力を有する水冷凝縮器と、熱水循環浴とを取り付けた。約82℃のジャケット温度および連続窒素パージが達成された後、反応器に約1779.98gの蒸留水と約2.89gのドウファックス(DOWFAX)(登録商標)2A1、ダウケミカル社からのアルキルジフェニルオキシドジスルホネートを入れた。撹拌機を約200回転/分(rpm)に設定し、この速度で約2時間維持すると共に、反応器内容物を内部冷却システムにより約75℃の温度で維持した。
【0068】
モノマーエマルジョンを、約1458.7gのスチレンと、約486.2gのn−ブチルアクリラートと、約58.4gのβ−カルボキシエチルアクリラートと、約9.7gのドデシルメルカプタンとを、約38.4gのドウファックス(DOWFAX)(登録商標)2A1と約921.5gの蒸留水との水溶液と混合することにより調製した。その後、混合物を約400rpmの速度での一連のオン/オフ高せん断混合に供し、安定なエマルジョンを形成させた。
【0069】
この安定なエマルジョン約148.7gを反応器に移し、約10分間撹拌し、安定なエマルジョンを維持し、反応器内容物を約75℃で平衡化させた。約134.7gの蒸留水に溶解した約38.9gの過硫酸アンモニウムから調製した開始剤溶液をその後、約20分の期間にわたり、ポンプにより反応器内容物に添加した。この後直ちに、ポンプを約9.5gの蒸留水で反応器内にフラッシングした。撹拌をさらに約20分間続け、シード粒子形成を完了させた。残りのモノマーエマルジョン、約2824.3gをその後、連続して約185分の期間にわたり反応器内に送り込み、続いて約45gの追加の蒸留水をフラッシングさせた。
【0070】
モノマーエマルジョンの添加が完了した後、反応を約180分間約75℃で後反応させた。この時点で、反応器および内容物を室温まで冷却し、ラテックスを除去した。
【0071】
得られたラテックスポリマーはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により決定されるように、約54,500のMw(重量平均分子量)、約20,900のMn(数平均分子量)を、示差走査熱量測定(DSC)により決定されるように約56.5℃の開始Tg(Tg:ガラス転移温度)を有した。得られたラテックス樹脂はハニーウエル(Honeywell)MICROTRAC(登録商標)UPA150光散乱機器で測定すると約228nmの体積平均粒径を有した。
【0072】
いくつかのサンプルを、上記合成のように調製し、得られた粒子サイズの再現性を確認した。これらは本明細書では対照A1、対照A2、対照A3、対照A4、および対照A5と呼ばれる。
【0073】
比較例2.
対照ラテックス:
2つのラテックスサンプルを、比較例1で上述したプロセスおよびセットアップを使用して、半連続乳化重合により調製した。ここで、2つの対照ラテックス類は、スチレン/ブチルアクリラート/β−カルボキシエチルアクリラートを、約75/25/3重量部比で含み、ジフェニルオキシドジスルホネート界面活性剤を使用した。これらのサンプルを製造するために使用したβ−カルボキシエチルアクリラートは、許容されない粒子サイズを有するラテックスサンプル、すなわち、大きすぎて、サイズ仕様を満たさない粒子を有するラテックスサンプルを製造することが知られていた。両方とも同じ製造源由来の2つの異なるロットのβ−カルボキシエチルアクリラートを使用した。
【0074】
第1のモノマーエマルジョンを、約1458.7gのスチレンと、約486.2gのn−ブチルアクリラートと、約58.4gのβ−カルボキシエチルアクリラートと、約9.72gのドデシルメルカプタンとを約38.4gのドウファックス(登録商標)2A1と約921.5gの蒸留水との水溶液と混合することにより調製した。その後、混合物を約400rpmの速度での一連のオン/オフ高せん断混合に供し、安定なエマルジョンを形成させた。
【0075】
第2のモノマーエマルジョンを、約1458.7gのスチレンと、約486.2gのn−ブチルアクリラートと、約58.4gのβ−カルボキシエチルアクリラートと、約9.7gのドデシルメルカプタンとを約38.8gのドウファックス(登録商標)2A1と約921.5gの蒸留水との水溶液と混合することにより調製した。その後、混合物を約400rpmの速度での一連のオン/オフ高せん断混合に供し、安定なエマルジョンを形成させた。
【0076】
上記サンプルの各々に対し、比較例1で設定したように、約148.7gを反応器に移し、約10分間撹拌し、安定なエマルジョンを維持し、反応器内容物を約75℃で平衡化させた。約134.7gの蒸留水に溶解した約29.17gの過硫酸アンモニウムから調製した開始剤溶液をその後、約20分の期間にわたり、ポンプにより反応器内容物に添加した。この後直ちに、ポンプを約9.5gの蒸留水で反応器内にフラッシングした。さらに約20分間撹拌を続け、シード粒子形成を完了させた。残りのモノマーエマルジョン、約2824.3gをその後、連続して約185分の期間にわたり反応器内に送り込み、続いて約45gの追加の蒸留水をフラッシングさせた。
【0077】
モノマーエマルジョンの添加が完了した後、反応を最低約180分間約75℃で後反応させた。この時点で、反応器および内容物を室温まで冷却し、ラテックスを除去した。
【0078】
第1のロットのβ−カルボキシエチルアクリラートを用いて製造させた、対照B1と本明細書で呼ばれている得られたラテックス樹脂はGPCにより決定されるように、約54,600のMw、約19,600のMnを、DSCにより決定されるように約57.9℃の第2の熱開始Tgを、ハニーウエルMICROTRAC(登録商標)UPA150光散乱機器で測定されるように約260nmの体積平均粒径を有した。第2のロットのβ−カルボキシエチルアクリラートを用いて製造させた、対照B2と本明細書で呼ばれている得られたラテックス樹脂はGPCにより決定されるように、約51,400のMw、約20,100のMnを、DSCにより決定されるように約54.2℃の第2の熱開始Tgを、ハニーウエルMICROTRAC(登録商標)UPA150光散乱機器で測定されるように約299nmの体積平均粒径を有した。
【0079】
比較例3.
対照ラテックス:
2つのラテックスを、比較例1で上述したプロセスおよびセットアップを使用して、半連続乳化重合により調製した。ここで、2つの対照ラテックス類は、スチレン/ブチルアクリラート/アクリル酸を、約75/25/3重量部および75/25/1.5重量部の比で含み、上記のようにジフェニルオキシドジスルホネート界面活性剤を使用した。これらのサンプルを製造するためにβ−カルボキシエチルアクリラートは使用せず、むしろ、一方では3%アクリル酸、他方では1.5%アクリル酸を使用した。
【0080】
3%アクリル酸サンプルに対するモノマーエマルジョンを、約1458.7gのスチレンと、約486.2gのn−ブチルアクリラートと、約58.4gのアクリル酸と、約9.7gのドデシルメルカプタンとを約38.4gのドウファックス(登録商標)2A1と約921.5gの蒸留水との水溶液と混合することにより調製した。その後、混合物を約400rpmの速度での一連のオン/オフ高せん断混合に供し、安定なエマルジョンを形成させた。
【0081】
比較例1のように、反応器に約1779.98gの蒸留水と、約2.89gのドウファックス(登録商標)2A1を入れた。撹拌機を約200rpmに設定し、この速度で約2時間維持すると共に、反応器内容物を内部冷却システムにより約75℃の温度で維持した。
【0082】
この安定なエマルジョン約148.6gを反応器に移し、約10分間撹拌し、安定なエマルジョンを維持し、反応器内容物を約75℃で平衡化させた。約134.7gの蒸留水に溶解した約38.9gの過硫酸アンモニウムから調製した開始剤溶液をその後、約20分の期間にわたり、ポンプにより反応器内容物に添加した。この後直ちに、ポンプを約9.5gの蒸留水で反応器内にフラッシングした。さらに約20分間撹拌を続けシード粒子形成を完了させた。残りのモノマーエマルジョン、約2824.3gをその後、連続して約185分の期間にわたり反応器内に送り込み、続いて約45gの追加の蒸留水をフラッシングさせた。
【0083】
モノマーエマルジョンの添加が完了した後、反応を約180分間約75℃で後反応させた。この時点で、反応器および内容物を室温まで冷却し、ラテックスを除去した。
【0084】
1.5%アクリル酸サンプルに対するモノマーエマルジョンを、約1467.2gのスチレンと、約489.1gのn−ブチルアクリラートと、約29.3gのアクリル酸と、約9.8gのドデシルメルカプタンとを約38.7gのドウファックス(登録商標)2A1と約949.6gの蒸留水との水溶液と混合することにより調製した。その後、混合物を約400rpmの速度での一連のオン/オフ高せん断混合に供し、安定なエマルジョンを形成させた。
【0085】
比較例1のように、反応器に約1790.4gの蒸留水と、約2.9gのドウファックス(登録商標)2A1を入れた。撹拌機を約200rpmに設定し、この速度で約2時間維持すると共に、反応器内容物を内部冷却システムにより約75℃の温度で維持した。
【0086】
この安定なエマルジョン約149.2gを反応器に移し、約10分間撹拌し、安定なエマルジョンを維持し、反応器内容物を約75℃で平衡化させた。約135.5gの蒸留水に溶解した約39.1gの過硫酸アンモニウムから調製した開始剤溶液をその後、約20分の期間にわたり、ポンプにより反応器内容物に添加した。この後直ちに、ポンプを約9.6gの蒸留水で反応器内にフラッシングした。さらに約20分間撹拌を続けシード粒子形成を完了させた。残りのモノマーエマルジョン、約2824.3gをその後、連続して約187分の期間にわたり反応器内に送り込み、続いて約45gの追加の蒸留水をフラッシングさせた。
【0087】
モノマーエマルジョンの添加が完了した後、反応を約165分間約75℃で後反応させた。この時点で、反応器および内容物を室温まで冷却し、ラテックスを除去した。
【0088】
上記2つのサンプルにおける唯一の違いはアクリル酸濃度および合成したラテックスの総重量であった。3%アクリル酸分散物は4984.1gのラテックスを生成し、1.5%のアクリル酸分散物は5006.7gのラテックスを生成した。
【0089】
3%アクリル酸を有する、得られたラテックスポリマーはGPCにより決定されるように、約54,600のMw、約15,900のMnを、DSCにより決定されるように約55.8℃の第2の熱開始Tgを有した。1.5%アクリル酸を有する、得られたラテックスポリマーはGPCにより決定されるように、約52,500のMw、約15.2のMnを、DSCにより決定されるように約56.3℃の第2の熱開始Tgを有した。約3%アクリル酸を有する、本明細書では対照C1と呼ばれるラテックス樹脂は、ハニーウエルMICROTRAC(登録商標)UPA150光散乱機器で測定された約231nmの体積平均粒径を有し、一方、約1.5%アクリル酸を有する、本明細書では対照C2と呼ばれるラテックスは、約222nmの体積平均粒径を有した。
【0090】
実施例1.
本開示のラテックスを、ジフェニルオキシドスルホネート界面活性剤を使用し、比較例1で上述したプロセスおよびセットアップを使用する、約75/25/2/0.5重量部の比のスチレン/ブチルアクリラート/β−カルボキシエチルアクリラート/アクリル酸の半連続乳化重合により、調製した。これらのサンプルを製造するために使用したβ−カルボキシエチルアクリラートは、許容されない粒子サイズを有するラテックスサンプル、すなわち、大きすぎて、サイズ仕様を満たさない粒子を有するラテックスサンプルを製造することが知られており、比較例2で上述した第1のβ−カルボキシエチルアクリラート(対照B1において使用)であった。
【0091】
モノマーエマルジョンを、約1458.7gのスチレンと、約486.2gのn−ブチルアクリラートと、約38.9gのβ−カルボキシエチルアクリラートと、約9.7gのアクリル酸と、約9.7gのドデシルメルカプタンとを約38.4gのドウファックス(登録商標)2A1と約921.49gの蒸留水との水溶液と混合することにより調製した。その後、混合物を約400rpmの速度での一連のオン/オフ高せん断混合に供し、安定なエマルジョンを形成させた。
【0092】
比較例1のように、反応器に約1780gの蒸留水と、約2.9gのドウファックス(登録商標)2A1を入れた。撹拌機を約200rpmに設定し、この速度で約2時間維持すると共に、反応器内容物を内部冷却システムにより約75℃の温度で維持した。
【0093】
この安定なエマルジョン約148.2gを反応器に移し、約10分間撹拌し、安定なエマルジョンを維持し、反応器内容物を約75℃で平衡化させた。約134.7gの蒸留水に溶解した約29.17gの過硫酸アンモニウムから調製した開始剤溶液をその後、約20分の期間にわたり、ポンプにより反応器内容物に添加した。この後直ちに、ポンプを約9.5gの蒸留水で反応器内にフラッシングした。さらに約20分間撹拌を続けシード粒子形成を完了させた。残りのモノマーエマルジョン、約2815gをその後、連続して約187分の期間にわたり反応器内に送り込み、続いて約45gの追加の蒸留水をフラッシングさせた。
【0094】
モノマーエマルジョンの添加が完了した後、反応を約194分間約75℃で後反応させた。この時点で、反応器および内容物を室温まで冷却し、ラテックスを除去した。
【0095】
得られたラテックスポリマーはGPCにより決定されるように、約54,000のMw、約15,200のMnを、DSCにより決定されるように約54℃の第2の熱開始Tgを有した。得られたラテックス樹脂は、ハニーウエルMICROTRAC(登録商標)UPA150光散乱機器で測定された約230nmの体積平均粒径を有した。
【0096】
上記比較例および実施例1で製造された様々なサンプルに対し得られる粒子サイズを下記表1にまとめて示す。
【0097】
【表1】

【0098】
驚いたことに、上記表からわかるように、実施例1のラテックスは許容できない粒子サイズを有するラテックスサンプル(対照B1を参照されたい)を製造することが知られているβ−カルボキシエチルアクリラートを使用したにも関わらず、アクリル酸の添加により、アクリル酸を添加せずに同じβ−カルボキシエチルアクリラートを用いて製造した対照ラテックスに比べ、許容される、より小さな粒子サイズを有するラテックスが製造された。
【0099】
実施例2.
ラテックスを、ジフェニルオキシドスルホネート界面活性剤を使用し、比較例1で上述した一般反応条件に従う、約75/25/3重量部のスチレン/ブチルアクリラート/β−カルボキシエチルアクリラートの半連続乳化重合により、調製した。しかしながら、この実施例では、シードモノマーはアクリル酸を含んだが、β−カルボキシエチルアクリラートを含まなかった。これらのサンプルを製造するために使用したβ−カルボキシエチルアクリラートは、許容されない粒子サイズを有するトナーサンプル、すなわち、大きすぎる粒子を有するトナーサンプルを製造することが知られており、比較例2で上述した第1のβ−カルボキシエチルアクリラート(対照B1)であった。
【0100】
このラテックスを形成するための一般反応スキームは下記の通りであった。8リットルのジャケット付きガラス反応器に、2つのステンレス鋼45°ピッチ半軸流羽根と、熱電対温度プローブと、窒素出口、窒素入口、内部冷却能力を有する水冷凝縮器と、熱水循環浴とを取り付けた。約82℃のジャケット温度および連続窒素パージが達成された後、反応器に約1799.71gの蒸留水と約2.92gのドウファックス(登録商標)2A1を入れた。撹拌機を約200rpmに設定し、この速度で約2時間維持すると共に、反応器内容物を内部冷却システムにより約75℃の温度で維持した。
【0101】
シードモノマーエマルジョンを、約74.47gのスチレンと、約24.82gのn−ブチルアクリラートと、約1.49gのアクリル酸と、約0.5gのドデシルメルカプタンとを約1.96gのドウファックス(登録商標)2A1と約46.58gの蒸留水との水溶液と混合することにより調製した。混合物を激しく振盪させ、混合物を均質化し、反応器に移し、約10分間撹拌し、さらに乳化させ、反応器内容物を約75℃で平衡化させた。約136.19gの蒸留水に溶解した約29.5gの過硫酸アンモニウムから調製した開始剤溶液をその後、約20分の期間にわたり、ポンプにより反応器内容物に添加した。この後直ちに、ポンプを約9.6gの蒸留水で反応器内にフラッシングした。さらに約20分間撹拌を続けシード粒子形成を完了させた。
【0102】
モノマーエマルジョン供給は、約1401.11gのスチレンと、約467.04gのn−ブチルアクリラートと、約56.04gのβ−カルボキシエチルアクリラートと、約9.34gのドデシルメルカプタンとを、36.90gのドウファックス(登録商標)2A1と約885.12gの蒸留水との水溶液と混合することにより別個に調製した。その後、混合物を約400rpmの速度での一連のオン/オフ高せん断混合に供し、安定なエマルジョンを形成させた。
【0103】
上記モノマーエマルジョン約2855.56gを連続して、上記シードモノマーエマルジョンを有する反応器に、約185分の期間にわたり送り込み、その後直ちに約45gの追加の蒸留水をフラッシングさせた。モノマーエマルジョンの添加が完了した後、反応を約180分間約75℃で後反応させた。この時点で、反応器および内容物を室温まで冷却し、ラテックスを除去した。
【0104】
得られたラテックスポリマーはGPCにより決定されるように、約54,100のMw、約20,000のMnを、DSCにより約55.7℃の開始Tgを有した。ラテックス樹脂は、ハニーウエルMICROTRAC(登録商標)UPA150光散乱機器で測定されるように、約191nmの体積平均粒径を有した。
【0105】
対照サンプルを上記のように、シード樹脂においてアクリル酸を使用しないで調製した。スチレン/n−ブチルアクリラートの比、ラテックスを生成させるために使用したシードサイズ(混合物の総重量と比較したシードを形成するために使用したモノマー混合物の重量%)、および使用した過硫酸アンモニウム(aps)の量を変動させた。対照D2は上記対照B1と同じモノマー混合物を使用した。成分よびその量を含むこれらの対照サンプルならびにこの実施例により製造したサンプルの詳細を、下記表に記す。
【0106】
【表2】

【0107】
上記表から明らかなように、対照D1は約1%のシード重量を有し、すなわち、モノマー混合物の総重量の1%がシード粒子を形成するのに使用され、かつ、対照D1は約281nmの粒子サイズを有した。シード粒子サイズが約5%シード重量まで増加すると最終粒子サイズが低下したが(対照D2および対照D3)、得られたラテックスの粒子サイズは依然として許容できないほど大きかった。本開示にしたがい本実施例で製造された樹脂は主モノマー供給において同じくよくないβ−カルボキシエチルアクリラートを使用したが、シードにおけるアクリル酸の使用は、対照D2および対照D3と比較すると明らかなように、劇的な効果を示し、粒子サイズが改善され、すなわち、より小さくなった。このように、本開示の方法を使用すると、約1%〜約3%のより低いシード重量で開始し、依然として望ましい、より小さな粒子サイズを得ることができる。
【0108】
様々な、以上で開示した、かつ別の特徴および機能、またはそれらの代案を望ましくは組み合わせて、多くの他の異なるシステムまたは用途にしてもよいことは理解されるであろう。また、本明細書における、様々な現在予期できない、または予想外の代案、改変、変動または改善はその後、当業者によってなすことが可能であり、これらもまた添付の特許請求の範囲に含まれるものとする。特許請求の範囲で特に記載がなければ、特許請求の範囲の工程または成分は、任意の特別な順序、数、位置、サイズ、形状、角度、色、または材料に関し、明細書または任意の他の特許請求の範囲から暗示され、または取り込まれるべきではない。
【0109】
<付記>
(1)前記安定化剤は、β−カルボキシエチルアクリラート、ポリ(2−カルボキシエチル)アクリラート、2−カルボキシエチルメタクリラート、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載のプロセス。
【0110】
(2)前記ラテックスは、スチレン類、アクリラート類、メタクリラート類、ブタジエン類、イソプレン類、アクリル酸類、メタクリル酸類、アクリロニトリル類、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載のプロセス。
【0111】
(3)ラテックスは、ポリ(スチレン−コ−アルキルアクリラート)、ポリ(スチレン−コ−ブタジエン)、ポリ(スチレン−コ−アルキルメタクリラート)、ポリ(スチレン−コ−アルキルアクリラートコ−アクリル酸)、ポリ(スチレン−コ−1,3−ブタジエン−コ−アクリル酸)、ポリ(スチレン−コ−アルキルメタクリラートコ−アクリル酸)、ポリ(アルキルメタクリラートコ−アルキルアクリラート)、ポリ(アルキルメタクリラートコ−アリールアクリラート)、ポリ(アリールメタクリラートコ−アルキルアクリラート)、ポリ(アルキルメタクリラートコ−アクリル酸)、ポリ(スチレン−コ−アルキルアクリラートコ−アクリロニトリル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−コ−ブタジエン−コ−アクリロニトリル−コ−アクリル酸)、ポリ(アルキルアクリラートコ−アクリロニトリル−コ−アクリル酸)、ポリ(メチルスチレン−コ−ブタジエン)、ポリ(メチルメタクリラートコ−ブタジエン)、ポリ(エチルメタクリラートコ−ブタジエン)、ポリ(プロピルメタクリラートコ−ブタジエン)、ポリ(ブチルメタクリラートコ−ブタジエン)、ポリ(メチルアクリラートコ−ブタジエン)、ポリ(エチルアクリラートコ−ブタジエン)、ポリ(プロピルアクリラートコ−ブタジエン)、ポリ(ブチルアクリラートコ−ブタジエン)、ポリ(スチレン−コ−イソプレン)、ポリ(メチルスチレン−コ−イソプレン)、ポリ(メチルメタクリラートコ−イソプレン)、ポリ(エチルメタクリラートコ−イソプレン)、ポリ(プロピルメタクリラートコ−イソプレン)、ポリ(ブチルメタクリラートコ−イソプレン)、ポリ(メチルアクリラートコ−イソプレン)、ポリ(エチルアクリラートコ−イソプレン)、ポリ(プロピルアクリラートコ−イソプレン)、ポリ(ブチルアクリラートコ−イソプレン)、ポリ(スチレン−コ−プロピルアクリラート)、ポリ(スチレン−コ−ブチルアクリラート)、ポリ(スチレン−コ−ブタジエン−コ−メタクリル酸)、ポリ(スチレン−コ−ブチルアクリラートコ−アクリル酸)、ポリ(スチレン−コ−ブチルアクリラートコ−メタクリル酸)、ポリ(スチレン−コ−ブチルアクリラートコ−アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−コ−ブチルアクリラートコ−アクリロニトリル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−コ−ブチルメタクリラート)、ポリ(スチレン−コ−ブチルメタクリラートコ−アクリル酸)、ポリ(ブチルメタクリラートコ−ブチルアクリラート)、ポリ(ブチルメタクリラートコ−アクリル酸)、ポリ(アクリロニトリル−コ−ブチルアクリラートコ−アクリル酸)、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載のプロセス。
【0112】
(4)前記カルボン酸は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、桂皮酸からなる群より選択される、請求項1に記載のプロセス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラテックスをカルボン酸および下記化学式:
【化1】

(I)
(式において、R1は水素またはメチル基であり、R2およびR3は約1〜約12の炭素原子を含むアルキル基から独立して選択され、nは約0〜約20である)
の安定化剤と接触させる工程と、
得られたラテックスル樹脂を回収する工程と、を含み、
前記カルボン酸は得られたラテックス樹脂の粒子サイズを減少させるのに十分な量で存在する、プロセス。
【請求項2】
前記カルボン酸を前記安定化剤と前記ラテックスのモノマー成分と混合し、エマルジョンを形成させる工程と、
前記エマルジョンの一部を、開始剤が入っている反応器に添加しシード樹脂を形成させる工程と、
前記エマルジョンの残りを前記反応器に添加し、ラテックス重合を完了させる工程と、
をさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記カルボン酸を前記ラテックスのモノマー成分と混合し、反応器内でエマルジョンを形成させる工程と、
開始剤を前記反応器に添加し、シード樹脂を形成させる工程と、
前記安定化剤を前記ラテックスのモノマー成分と混合し、第2のエマルジョンを形成させる工程と、
前記第2のエマルジョンを前記反応器に添加しラテックス重合を完了させる工程と、
をさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記カルボン酸は前記ラテックス樹脂の約0.001重量%〜約10重量%の量で存在し、
前記ラテックス樹脂は約80nm〜約800nmのサイズを有する粒子を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記ラテックス樹脂を着色剤分散物、および、必要に応じてワックス分散物と接触させ、トナー粒子を形成させる工程をさらに含む、請求項1に記載のプロセス。

【公開番号】特開2008−297548(P2008−297548A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−141921(P2008−141921)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】